JPWO2014141456A1 - 固体電解質及びそれを用いた全固体型イオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

耐環元性と高イオン伝導性を両立するために、固体電解質が、A4-2x-y-zBxSn3-yMyO8-zNz(1 ≦ 4 - 2x - y - z < 4、A:Li, Na、B:Mg, Ca, Sr, Ba、M:V, Nb, Ta, N:F, Cl)で示される構造の結晶を有する。又は、A2-1.5x-0.5y-0.5zBxSn3-yMyO8-zNz(0.5 ≦ 2 - 1.5x - 0.5y - 0.5z < 2、A:Mg、Ca、B:Sc, Y, Sb, Bi、M:V, Nb, Ta, N:F, Cl)で示される構造の結晶を有する。

Description

本発明は、固体電解質及び全固体型イオン二次電池に関する。
不燃性又は難燃性の無機系固体電解質を用いた全固体型イオン二次電池は高耐熱化が可能であり、安全化が図れるため、モジュールコストを低減できるとともに、高エネルギー密度化が可能である。近年、高イオン伝導性の硫化物系固体電解質が開発されているが、水との反応により有毒・腐食ガスが発生し、安定性に懸念が残る。一方、酸化物系固体電解質は安定性に優れるが、負極電位に対する耐環元性と硫化物系の固体電解質並みの高イオン伝導性を両立した材料は開発されていない。
非特許文献1では、環元性元素フリーかつ強い共有結合性を有する骨格構造のNa4Sn3O8系の酸化物系固体電解質が開示されている。
M. Iwasaki, et al. : J. Mater. Chem., 12, 1068 (2002)
しかし、上記非特許文献の固体電解質のイオン伝導率については、更なる改善の余地があるが、その解決策については何ら開示されていない。
本発明の目的は、耐環元性と高イオン伝導性を両立した固体電解質、及びそれを用いた全固体型イオン二次電池を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の固体電解質は、A4-2x-y-z Bx Sn3-y My O8-z Nz (1 ≦ 4 - 2x - y - z < 4、A:Li, Na、B:Mg, Ca, Sr, Ba、M:V, Nb, Ta, N:F, Cl)で示される構造の結晶を有する。又は、A2-1.5x-0.5y-0.5z Bx Sn3-y My O8-z Nz
(0.5 ≦ 2 - 1.5x - 0.5y - 0.5z < 2、A:Mg、Ca、B:Sc, Y, Sb, Bi、M:V, Nb, Ta, N:F, Cl)で示される構造の結晶を有する。
本発明によれば、耐環元性と高イオン伝導性を両立した固体電解質、及びそれを用いた全固体型イオン二次電池を実現することができる。
固体電解質の結晶構造図 全固体型イオン二次電池の要部の断面図
A4Sn3O8系(A = Li, Na, Mg, Ca)におけるAイオンの拡散律速要因は、近隣のAイオンによる静電反発力であるため、Aの原子量を低減し、空孔を導入することにより、拡散障壁を低減させることが有効である。Aの原子量を低減する具体的な手段としては、AがLi、Naの場合には、その一部を2価の陽イオンに置換、AがMg、Caの場合には、その一部を3価の陽イオンに置換する。あるいは、Snの一部を5価の陽イオンに置換するか、Oの一部を1価の陰イオンに置換する。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。固体電解質は図1に示すようなA4-2x-y-z Bx Sn3-y My O8-z Nz(1 ≦ 4 - 2x - y - z < 4、A:Li, Na、B:Mg, Ca, Sr, Ba、M:V, Nb, Ta, N:F, Cl)、あるいは、A2-1.5x-0.5y-0.5zBx Sn3-y My O8-z Nz(0.5 ≦ 2 - 1.5x - 0.5y - 0.5z < 2、A:Mg、Ca、B:Sc, Y, Sb, Bi、M:V, Nb, Ta, N:F, Cl)で示される構造の結晶を含有している。Aは単一の組成であり、Li又はNaの何れか、もしくはMg又はCaの何れかを示す。AがLi、Naの場合の置換元素の添加量は、1 ≦ 4 - 2x - y - z < 4の範囲である必要があり、4 - 2x - y - z < 1では、所望外の結晶も析出してしまう。また、AがMg、Caの場合の置換元素の添加量は、0.5 ≦ 2 - 1.5x - 0.5y - 0.5z < 2の範囲である必要があり、2 - 1.5x - 0.5y - 0.5z < 0.5では、所望外の結晶も析出してしまう。
また、固体電解質粉末に500℃以下の低温で軟化流動する低融点のバナジウム酸化物ガラスを添加することにより、緻密な焼結体を容易に形成することができる。
図2に、全固体型イオン二次電池の要部の断面図を示す。正極集電体201上に形成された正極活物質層207と、負極集電体206上に形成された負極活物質層209とが、固体電解質層208を介して接合されている。
正極活物質層207において、正極活物質粒子202と、上記の固体電解質粒子204とがバナジウム酸化物ガラス203で結着されている。負極活物質層207において、負極活物質粒子205と、上記の固体電解質粒子204とがバナジウム酸化物ガラス203で結着されている。即ち、バナジウム酸化物ガラス中に活物質粒子と固体電解質粒子とが分散した構造となっている。固体電解質層208において、固体電解質粒子204がバナジウム酸化物ガラス203で結着されているが、バナジウム酸化物ガラス203を用いずに固体電解質粒子204の焼結体を用いてもよい。なお、正極活物質層と負極活物質層とは固体電解質層により、完全に電気絶縁されている。
また、各極の活物質層における導電性向上のために、導電助剤を添加してもよい。しかし、活物質粒子と固体電解質粒子との結着材であるバナジウム酸化物ガラスを結晶化させると、活物質層の導電性を向上するので、導電助剤を省略することも可能である。導電助剤としては、黒鉛、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の炭素材料や金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、チタン等の金属粉、インジウム・錫酸化物(ITO)、チタン酸化物、錫酸化物、亜鉛酸化物、タングステン酸化物等の導電性酸化物等が好ましい。
バナジウム酸化物ガラスは、バナジウム、及び、ガラス化成分であるテルルと燐の少なくとも1種を含む。この他に鉄やタングステンを添加することにより、耐水性を著しく向上させることができる。また、活物質粒子と固体電解質粒子との反応を防止するために、バナジウム酸化物ガラスの軟化点を500℃以下にすることが好ましい。
活物質あるいは固体電解質に対するバナジウム酸化物ガラスの添加量は、体積換算で5体積%以上、40体積%以下であることが望ましい。5体積%以上にすると、活物質粒子と固体電解質粒子の間を十分に埋めることができ、40体積%以下にすると、活物質量や固体電解質量の減少に伴う充放電容量や充放電レートの低下を防止できる。
また、正負極活物質層におけるバナジウム酸化物ガラスの少なくとも一部を結晶化させることにより、イオン伝導性や電子伝導性を向上させることが可能である。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能である既知の正極活物質を使用することができる。例えば、スピネル系、オリビン系、層状酸化物系、固溶体系、ケイ酸塩系等が挙げられる。また、バナジウム酸化物ガラスを正極活物質として使用することができ、そのガラスの少なくとも一部を結晶化させることでイオン伝導性や電子伝導性を向上させることができる。
負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能である既知の負極活物質を使用することができる。たとえば、黒鉛に代表される炭素材料や、TiSn合金、TiSi合金などの合金材料、LiCoNなどの窒化物、Li4Ti512、LiTiO4などの酸化物を用いることができる。また、リチウム金属箔を用いてもよい。また、バナジウム酸化物ガラスを負極活物質として使用することができ、そのガラスの少なくとも一部を結晶化させることでイオン伝導性や電子伝導性を向上させることができる。
以下、実施例にて本発明を具体的に説明する。
<リチウムイオン伝導性固体電解質の作製>
Li4-2x-y-z Bx Sn3-y My O8-z Nz(1 ≦ 4 - 2x - y - z < 4、B:Mg, Ca、M:Nb, Ta, N:F)で示されるリチウムイオン伝導性固体電解質を作製した。表1のNo1〜No11の原料組成(モル比)の混合粉を冷間プレスによりペレット状に成型し、同一組成の混合粉に埋没させた状態で、マイクロ波加熱装置により、1400℃、10minの条件で大気中焼成した。なお、通常の電気炉加熱では、焼成に長時間を要してしまい、蒸気圧の高いリチウムが揮発して消失してしまうため、短時間焼成が可能なマイクロ波加熱を適用した。
本焼成したペレットの粉砕粉のX線回折パターンを調べた結果、いずれもNa4 Sn3 O8のパターンに類似していた。しかし、表1には記載してないが、Li4-2x-y-z Bx Sn3-y My O8-z Nzにおいて、4 - 2x - y - z < 1となる場合には、Na4 Sn3 O8以外の異結晶に起因したX線回折ピークが認められた。固体電解質は、LiをB(Mg, Ca)に置換するだけでも、SnをM(Nb, Ta)に置換するだけでも、OをFに置換するだけでもよいが、これらのうち少なくとも一組(例えばLiとB)を置換すればよい。全組(LiとB、SnとM、OとN)を置換してもよい。以下の実施例で述べるNa、Mg、Caについても同様である。
本焼成したペレットの交流インピーダンス法により測定した室温におけるリチウムイオン伝導度を表1に示す。元素を置換しないNo1(Li4 Sn3 O8)と比べて元素を置換したNo2〜11はイオン伝導度が向上した。また、置換元素であるB、M、N元素を増加するほど、イオン伝導度が向上する傾向が認められた。
さらに、固体電解質の還元電流が発生する電位を測定することにより、耐還元性を評価した。本焼成したペレットの粉砕粉と、導電助剤であるカーボンブラックと、バインダーであるポリフッ化ビニリデンとをそれぞれ体積比で、70:10:20となるように調合し、N−メチル−2−ピロドリン(NMP)を適量添加してペーストを作製した。このペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔に塗布し、90℃×1hrの大気中加熱による乾燥後、プレスし、直径15mmの円盤状に打ち抜いた後、120℃×1hrの真空中熱処理を行うことにより、固体電解質電極を作製した。この固体電解質電極と対極のLi板を電解液を含浸させた厚さ30μmのセパレータを介して積層し、これらを2枚のSUS製治具で挟み込んだ状態で、固体電解質電極へLi金属電位に対し、5Vから1Vまでの電位を印加した。その結果、この電位走査範囲では還元電流の発生は認められず、少なくとも還元電位は1V未満であり、耐還元性に優れていた。なお、使用した電解液はエチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)を体積比で1:2で混合した溶媒に六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1mol/l溶解させたものを用いた。
<ナトリウムイオン伝導性固体電解質の作製>
Na4-2x-y-z Bx Sn3-y My O8-z Nz(1 ≦ 4 - 2x - y - z < 4、B:Mg, Ca、M:Nb, Ta, N:Cl)で示されるリチウムイオン伝導性固体電解質を作製した。表1のNo12〜No23、および、No28〜No29の原料組成(モル比)の混合粉を冷間プレスによりペレット状に成型し、同一組成の混合粉に埋没させた状態で、電気炉により、800℃、4hrの条件で大気中で仮焼成した。仮焼成したペレットを再度、粉砕、混合した後、冷間プレスによりペレット状に成型し直し、仮焼成した同一組成の混合粉に埋没させた状態で、電気炉により、1300℃、10hrの条件で本焼成した。
本焼成したペレットの粉砕粉のX線回折パターンを調べた結果、いずれもNa4 Sn3 O8のパターンに類似していた。しかし、表1には記載してないが、Na4-2x-y-z Bx Sn3-y My O8-z Nzにおいて、4 - 2x - y - z < 1となる場合には、Na4 Sn3 O8以外の異結晶に起因したX線回折ピークが認められた。
本焼成したペレットの交流インピーダンス法により測定した室温におけるナトリウムイオン伝導度を表1に示す。元素を置換しないNo12(Na4 Sn3 O8)と比べて元素を置換したNo13〜23、および、No28〜No29はイオン伝導度が向上した。また、置換元素であるB、M、N元素を増加するほど、イオン伝導度が向上する傾向が認められた。
なお、表1におけるNo23に関しては、一旦、Na3.6 Sn2.6 Nb0.4 O8を作製した後、NaイオンをLiイオンにイオン交換した試料であり、表1に示されているイオン伝導度はLiイオンの値である。イオン交換法については、特に限定されるものではないが、本実施例においては、約300℃に加熱溶融した硝酸リチウム溶融塩中に本焼成後のペレットを30min間浸漬させることにより、イオン交換を行った。
さらに、実施例1と同様の方法により、固体電解質の還元電流が発生する電位を測定することにより、耐還元性を評価した結果、少なくとも還元電位は1V未満であり、耐還元性に優れていることを確認した。
<マグネシウムイオン伝導性固体電解質の作製>
Mg2-1.5x-0.5y-0.5zBx Sn3-y My O8(0.5 ≦ 2 - 1.5x - 0.5y - 0.5z < 2、B:Sc、M:Nb)で示されるリチウムイオン伝導性固体電解質を作製した。表1のNo24〜No25の原料組成(モル比)の混合粉を冷間プレスによりペレット状に成型し、同一組成の混合粉に埋没させた状態で、電気炉により、800℃、4hrの条件で大気中で仮焼成した。仮焼成したペレットを再度、粉砕、混合した後、冷間プレスによりペレット状に成型し直し、仮焼成した同一組成の混合粉に埋没させた状態で、電気炉により、1300℃、10hrの条件で本焼成した。
本焼成したペレットの粉砕粉のX線回折パターンを調べた結果、いずれもNa4 Sn3 O8のパターンに類似していた。しかし、表1には記載してないが、Mg2-1.5x-0.5y-0.5zBx Sn3-y My O8において、2 - 1.5x - 0.5y - 0.5z < 0.5となる場合には、Na4 Sn3 O8以外の異結晶に起因したX線回折ピークが認められた。
本焼成したペレットの交流インピーダンス法により測定した室温におけるマグネシウムイオン伝導度を表1に示しており、10-5台のイオン伝導度を有していた。
さらに、実施例1と同様の方法により、固体電解質の還元電流が発生する電位を測定することにより、耐還元性を評価した結果、少なくとも還元電位は1V未満であり、耐還元性に優れていることを確認した。
<カルシウムイオン伝導性固体電解質の作製>
Ca2-1.5x-0.5y-0.5zBx Sn3-y My O8(0.5 ≦ 2 - 1.5x - 0.5y - 0.5z < 2、B:Bi、M:Ta)で示されるカルシウムイオン伝導性固体電解質を作製した。表1のNo26〜No27の原料組成(モル比)の混合粉を冷間プレスによりペレット状に成型し、同一組成の混合粉に埋没させた状態で、電気炉により、800℃、4hrの条件で大気中で仮焼成した。仮焼成したペレットを再度、粉砕、混合した後、冷間プレスによりペレット状に成型し直し、仮焼成した同一組成の混合粉に埋没させた状態で、電気炉により、1300℃、10hrの条件で本焼成した。
本焼成したペレットの粉砕粉のX線回折パターンを調べた結果、いずれもNa4 Sn3 O8のパターンに類似していた。しかし、表1には記載してないが、Ca2-1.5x-0.5y-0.5zBx Sn3-y My O8において、2 - 1.5x - 0.5y - 0.5z < 0.5となる場合には、Na4 Sn3 O8以外の異結晶に起因したX線回折ピークが認められた。
本焼成したペレットの交流インピーダンス法により測定した室温におけるリチウムイオン伝導度を表1に示しており、10-5台のイオン伝導度を有していた。
さらに、実施例1と同様の方法により、固体電解質の還元電流が発生する電位を測定することにより、耐還元性を評価した結果、少なくとも還元電位は1V未満であり、耐還元性に優れていることを確認した。
実施例1で作製したリチウムイオン伝導性固体電解質を適用し、以下の工程により全固体電池を作製し、その充放電特性を評価した。
<バナジウム酸化物ガラスの作製>
軟化点の異なる2種類のイオン伝導性のバナジウム酸化物ガラスを作製した。原料として、五酸化バナジウム(V25)、五酸化リン(P25)、二酸化テルル(TeO2)、酸化第二鉄(Fe23)を用いた。軟化点の高いガラスAの原料組成としては、それぞれの原料をモル比でV25:P25:TeO2:Fe23=47:13:30:10とした。また、軟化点の低いガラスBの原料組成としては、モル比でV25:P25:TeO2:Fe23=55:14:22:9とした。これらの原料粉末を白金るつぼに投入し、電気炉を用いて1100℃、1時間加熱保持した。なお、加熱中は、白金るつぼ内の原材料が均一になるように攪拌した。その後、白金るつぼを電気炉から取り出し、あらかじめ150℃に加熱しておいたステンレス板上に流し、これを自然冷却することでバナジウム酸化物ガラスを得た。示差熱分析法により測定したガラスA、ガラスBの軟化点はそれぞれ、356℃、345℃であった。また、作製したガラスを平均粒径が3μm程度になるように機械的に粉砕した。
<正極>
正極活物質である平均粒径5μmのLiCoO2粉末と、作製したガラスA粉末と、実施例1で作製した固体電解質(表1のNo7)である平均粒径3μmのLi3.6 Sn2.6 Nb0.4 O8粉末(以下LSNOと記述する)と、導電助材である針状(短軸:0.13μm、長軸:1.68μm)の導電性酸化チタン(ルチル型酸化チタンの母体にSbをドープしたSnO2導電層を被覆したもの)とをそれぞれ体積比で、53:30:10:7となるように調合し、この混合粉末に、樹脂バインダーと溶剤とを適量添加して正極ペーストを作製した。なお、樹脂バインダーとしては、エチルセルロースやニトロセルロース、溶剤としてはブチルカルビトールアセテートを用いた。この正極ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔に塗布し、脱媒、脱バインダーのための熱処理後に、大気中360℃×15minで焼成し、正極活物質層厚さが10μmの正極シートを得た。これを直径14mmの円盤状に打ち抜き、正極とした。
<負極>
負極活物質である平均粒径5μmのLi4Ti512粉末と、作製したガラスA粉末と、固体電解質である平均粒径3μmのLSNOと、導電助材である針状(短軸:0.13μm、長軸:1.68μm)の導電性酸化チタン(ルチル型酸化チタンの母体にSbをドープしたSnO2導電層を被覆したもの)とをそれぞれ体積比で、53:30:10:7となるように調合し、この混合粉末に、樹脂バインダーと溶剤とを適量添加して負極ペーストを作製した。この負極ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔に塗布し、脱媒、脱バインダーのための熱処理後に、大気中360℃×15minで焼成し、負極活物質層厚さが10μmの負極シートを得た。これを直径14mmの円盤状に打ち抜き、負極とした。
なお、本実施例では正極活物質層に用いるバナジウム酸化物ガラスと負極活物質層に用いるバナジウム酸化物ガラスを同一としたが、イオン電導性のあるバナジウム酸化物ガラスであれば、両者は同一組成のものでなくてもよい。以下の実施例についても同様である。
<固体電解質層>
固体電解質である平均粒径3μmのLSNOと、作製したガラスB粉末とをそれぞれ体積比で70:30となるように調合し、この混合粉末に、樹脂バインダーと溶剤とを適量添加して固体電解質ペーストを作製した。この固体電解質ペーストを正極あるいは負極の電極層のいずれかに塗布した後、脱媒、脱バインダーのための熱処理を施した後、ガラスBの軟化点よりも高く、ガラスAの軟化点よりも低い温度である、350℃×15minで大気中焼成し、厚さ15μmの固体電解質層を形成した。これを直径15mmの円盤状に打ち抜いた。
ここでは、固体電解質層として固体電解質粒子をガラスで結着したものを適用したが、これに限らず、板状の固体電解質バルクを用いることもできる。以下の実施例についても同様である。
<電池化>
上記の固体電解質層が形成された電極層と、もう一方の電極層を積層し、正極活物質層/固体電解質層/負極活物質層の界面の密着性を向上させるため、この積層体を加圧しながら、ガラスBの軟化点よりも高く、ガラスAの軟化点よりも低い温度である、350℃×15minで大気中焼成し、各層の界面を十分密着させた。得られた積層体の側面を絶縁物でマスキングし、これをCR2025型のコイン電池に組み込み全固体電池を作製した。
なお、上記した混合粉末ペーストの塗布、焼成による各層の形成法の代わりに、混合粉末を溶融またはガス化させること無く、不活性ガスと共に超音速流で固相状態のまま基材に衝突させて皮膜を形成するコールドスプレー(CS)法や、混合粉末をガスと混合したエアロゾルを圧力差により生じるガスの流れを利用し、ノズルを通して基板に噴射して皮膜を形成するエアロゾルデポジション(AD)法を適用することもできる。
CS法による電池作製方法について以下に説明する。上記同様のLiCoO2粉末と、ガラスA粉末と、LSNO粉末と、前記導電性酸化チタンとの混合粉末を厚さ20μmのアルミニウム箔上に噴射し、厚さ10μmの正極活物質層を形成させた。なお、各粉末をそれぞれ別のフィーダーに投入し、同時に噴射させてもよい。
上記同様のLSNO粉末と、作製したガラスA粉末あるいはガラスB粉末との混合粉末を正極活物質層上に噴射し、厚さ15μmの固体電解質層を形成させた。
次に、上記同様のLi4Ti512粉末と、ガラスA粉末と、LSNO粉末と、前記導電性酸化チタンとの混合粉末を固体電解質層上に噴射し、厚さ10μmの負極活物質層を形成させた。
さらに、負極電解質層の上に、アルミニウム粉末を噴射し、厚さ20μmの負極集電体層を形成した。
<電池特性評価>
実施例5で作製した電池について、0.1C、1Cレートでの放電容量を測定した結果、0.1C、1.0Cでの初期の放電容量はそれぞれ、140mAh/g、110mAh/gであった。なお、リチウム以外のイオン伝導性固体電解質を適用した全固体電池においても、同様に充放電することを確認している。
Figure 2014141456
201 正極集電体
202 正極活物質粒子
203 バナジウム酸化物ガラス
204 固体電解質粒子
205 負極活物質粒子
206 負極集電体
207 正極活物質層
208 固体電解質層
209 負極活物質層

Claims (8)

  1. A4-2x-y-z Bx Sn3-y My O8-z Nz (1 ≦ 4 - 2x - y - z < 4、A:Li, Na、B:Mg, Ca, Sr, Ba、M:V, Nb, Ta, N:F, Cl)で示される構造の結晶を有することを特徴とする固体電解質。
  2. A2-1.5x-0.5y-0.5z Bx Sn3-y My O8-z Nz(0.5 ≦ 2 - 1.5x - 0.5y - 0.5z < 2、A:Mg、Ca、B:Sc, Y, Sb, Bi、M:V, Nb, Ta, N:F, Cl)で示される構造の結晶を有することを特徴とする固体電解質。
  3. 請求項1に記載の固体電解質を含む粒子がバナジウム酸化物ガラスで結着されていることを特徴とする固体電解質。
  4. 請求項2に記載の固体電解質を含む粒子がバナジウム酸化物ガラスで結着されていることを特徴とする固体電解質。
  5. 請求項1に記載の固体電解質を含む固体電解質層が、正極活物質層と負極活物質層との間に接合されることを特徴とする全固体型イオン二次電池。
  6. 請求項2に記載の固体電解質を含む固体電解質層が、正極活物質層と負極活物質層との間に接合されることを特徴とする全固体型イオン二次電池。
  7. 請求項3に記載の固体電解質を含む固体電解質層が、正極活物質層と負極活物質層との間に接合されることを特徴とする全固体型イオン二次電池。
  8. 請求項4に記載の固体電解質を含む固体電解質層が、正極活物質層と負極活物質層との間に接合されることを特徴とする全固体型イオン二次電池。
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