JPWO2014126051A1 - 研磨用組成物、研磨用組成物製造方法および研磨物製造方法 - Google Patents

研磨用組成物、研磨用組成物製造方法および研磨物製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2014126051A1
JPWO2014126051A1 JP2015500230A JP2015500230A JPWO2014126051A1 JP WO2014126051 A1 JPWO2014126051 A1 JP WO2014126051A1 JP 2015500230 A JP2015500230 A JP 2015500230A JP 2015500230 A JP2015500230 A JP 2015500230A JP WO2014126051 A1 JPWO2014126051 A1 JP WO2014126051A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
water
polishing composition
soluble polymer
abrasive grains
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015500230A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5897200B2 (ja
Inventor
公亮 土屋
公亮 土屋
久典 丹所
久典 丹所
真希 浅田
真希 浅田
裕介 須賀
裕介 須賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujimi Inc
Original Assignee
Fujimi Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujimi Inc filed Critical Fujimi Inc
Priority to JP2015500230A priority Critical patent/JP5897200B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5897200B2 publication Critical patent/JP5897200B2/ja
Publication of JPWO2014126051A1 publication Critical patent/JPWO2014126051A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09GPOLISHING COMPOSITIONS; SKI WAXES
    • C09G1/00Polishing compositions
    • C09G1/02Polishing compositions containing abrasives or grinding agents
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B24GRINDING; POLISHING
    • B24BMACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
    • B24B37/00Lapping machines or devices; Accessories
    • B24B37/04Lapping machines or devices; Accessories designed for working plane surfaces
    • B24B37/042Lapping machines or devices; Accessories designed for working plane surfaces operating processes therefor
    • B24B37/044Lapping machines or devices; Accessories designed for working plane surfaces operating processes therefor characterised by the composition of the lapping agent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K3/00Materials not provided for elsewhere
    • C09K3/14Anti-slip materials; Abrasives
    • C09K3/1436Composite particles, e.g. coated particles
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K3/00Materials not provided for elsewhere
    • C09K3/14Anti-slip materials; Abrasives
    • C09K3/1454Abrasive powders, suspensions and pastes for polishing
    • C09K3/1463Aqueous liquid suspensions
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/02002Preparing wafers
    • H01L21/02005Preparing bulk and homogeneous wafers
    • H01L21/02008Multistep processes
    • H01L21/0201Specific process step
    • H01L21/02024Mirror polishing
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/02041Cleaning
    • H01L21/02043Cleaning before device manufacture, i.e. Begin-Of-Line process
    • H01L21/02052Wet cleaning only

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

砥粒と水溶性ポリマーと水とを含む研磨用組成物が提供される。上記研磨用組成物は、上記砥粒の含有量が0.2質量%となる濃度において動的光散乱法により測定される上記研磨用組成物中に含まれる粒子の体積平均粒子径DAが20nm〜60nmである。

Description

本発明は、研磨対象物の研磨に用いられる研磨用組成物に関する。詳しくは、主にシリコンウエハ等の半導体基板その他の基板の研磨に用いられる研磨用組成物に関する。
本出願は、2013年2月13日に出願された日本国特許出願2013−026020に基づく優先権を主張しており、その出願の全内容は本明細書中に参照として組み入れられている。
半導体装置の構成要素等として用いられるシリコンウエハの表面は、一般に、ラッピング工程(粗研磨工程)とポリシング工程(精密研磨工程)とを経て、高品位の鏡面に仕上げられる。上記ポリシング工程は、典型的には、1次ポリシング工程(1次研磨工程)とファイナルポリシング工程(最終研磨工程)とを含む。シリコンウエハ等の半導体基板を研磨する用途で主に使用される研磨用組成物に関する技術文献として、特許文献1〜3が挙げられる。
日本国特許出願公開2005−085858号公報 日本国特許出願公開2004−128070号公報 日本国特許出願公開2010−034509号公報
近年、シリコンウエハ等の半導体基板その他の基板について、より高品位の表面が要求されるようになってきている。また、基板表面の検査精度も向上しており、例えば深さ数十nmのスクラッチや高さ数十nmの突起等の微細な欠陥を検出し得る表面検査装置が開発されている。このような装置で計測されるような微細な欠陥を低減することができれば、より高品位な表面を実現することができる。
特許文献1には、ヒドロキシエチルセルロースおよび/またはポリビニルアルコールとブロック型ポリエーテルとを含む研磨用組成物を用いることによりシリコンウエハのヘイズを改善する技術が記載されている。特許文献2には、平均一次粒子径が5〜30nmであるコロイダルシリカまたはヒュームドシリカと水溶性高分子化合物とを含む研磨用組成物を用いて半導体ウエハ表面のヘイズを低減する技術が記載されている。しかし、ヘイズの低減に着目するのみでは上述のような微細な欠陥(微小欠陥)を効果的に低減することはできない。また、特許文献3には、半導体濡れ剤として低粘度の水溶性高分子化合物を用いることにより、微小欠陥の原因となり得る異物等を濾過により除去しやすくし、これにより微小欠陥の発生を抑制する技術が記載されているが、かかる技術を適用しても近年の微小欠陥低減の要求レベルには充分に対応できない場合があった。
そこで本発明は、研磨後の表面において上記のような微小欠陥の検出数を低減し得る研磨用組成物を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、かかる研磨用組成物の製造方法を提供することである。関連する他の目的は、微小欠陥の少ない表面を備えた研磨物(例えば基板)を製造する方法を提供することである。
水中に砥粒および水溶性ポリマー(水溶性高分子化合物)を含む研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する場合、水溶性ポリマーの種類によっては該水溶性ポリマーが研磨用組成物中の砥粒と吸着し、これにより砥粒が研磨用組成物中においてそれ自体のサイズよりも大きな粒体として存在することがある。このような粒体は、研磨用組成物中において粒子のように振る舞い、その挙動が研磨時のメカニカル作用に影響を及ぼし得る。本発明者らは、水中に砥粒および水溶性ポリマーを含む研磨用組成物において、砥粒自体のサイズとは異なる物性値として、上記粒体の存在を考慮した上での粒子のサイズに着目した。つまり、水溶性ポリマーが砥粒に吸着する場合には、研磨用組成物中において粒子様の挙動を示す単位を粒子として捉え、そのサイズを研磨用組成物に含まれる粒子のサイズとして考えた。そして、この粒子のサイズを的確に把握し得る手法として動的光散乱法を採用し、上記粒子のサイズと研磨後の表面における微小欠陥との関係につき鋭意検討を行った結果、上記微小欠陥を効果的に低減し得る粒子のサイズを見出して本発明を完成した。
この明細書により提供される研磨用組成物は、砥粒と水溶性ポリマーと水とを含む。上記研磨用組成物は、上記砥粒の含有量が0.2質量%となる濃度において動的光散乱法により測定される該研磨用組成物中の粒子(砥粒単体、砥粒の周囲に水溶性ポリマーが吸着したもの、砥粒と水溶性ポリマーの会合体等の形態であり得る。)の体積平均粒子径Dが20nm〜60nmである。かかる研磨用組成物によると、上記粒子の体積平均粒子径Dが所定の範囲に制限されていることにより、微小欠陥(特に、一般にPID(Polishing Induced Effect)と称される、研磨プロセスに起因する表面欠陥)の発生を効果的に抑制することができる。
上記砥粒としては、平均一次粒子径DP1が凡そ15nm〜30nmの範囲にあるものを好ましく採用し得る。このような砥粒を含む研磨用組成物によると、微小欠陥の低減とヘイズの低減とがより高度に両立され得る。
上記砥粒としては、平均二次粒子径DP2が凡そ20nm〜50nmの範囲にあるものを好ましく採用し得る。このような砥粒を含む研磨用組成物によると、微小欠陥の低減とヘイズの低減とがより高度に両立され得る。
上記水溶性ポリマーとしては、重量平均分子量(Mw)が80×10以下(例えば1×10〜80×10、典型的には1×10〜80×10)のものを好ましく採用し得る。このようなMwを有する水溶性ポリマーは、ここに開示される好ましい体積平均粒子径Dを有する粒子を形成するのに適しているので好ましい。
ここに開示される研磨用組成物は、砥粒、水溶性ポリマーおよび水に加えて、さらに塩基性化合物を含む態様で好ましく実施され得る。かかる態様の研磨用組成物によると、塩基性化合物の作用により研磨効率を向上させることができる。
この明細書によると、また、砥粒と水溶性ポリマーと塩基性化合物と水とを含む研磨用組成物の製造方法が提供される。その方法は、上記砥粒と上記塩基性化合物と水とを含む分散液を用意(調製、購入、受入等であり得る。)することを含む。また、上記水溶性ポリマーと水とを含む水溶液を用意することを含み得る。また、上記分散液に対して上記水溶液を添加して混合することを含み得る。かかる製造方法は、上記砥粒の含有量が0.2質量%となる濃度において動的光散乱法により測定される研磨用組成物中の粒子(砥粒単体、砥粒の周囲に水溶性ポリマーが吸着したもの、砥粒と水溶性ポリマーの会合体等の形態であり得る。)の体積平均粒子径Dが20nm〜60nmである研磨用組成物を製造する方法として好適である。
この明細書によると、また、研磨対象物に研磨液(ここで「液」とは、スラリーを含む意味である。)を供給することと、上記研磨対象物の表面を上記研磨液で研磨することとを包含する研磨物製造方法が提供される。その研磨物製造方法では、上記研磨対象物に供給される研磨液として、砥粒と水溶性ポリマーと水とを含む研磨液を使用する。その研磨液中には、粒子として、上記砥粒や該砥粒が上記水溶性ポリマーと吸着した粒体等が含まれている。上記研磨液は、動的光散乱法により測定される上記粒子の体積平均粒子径Dが20nm〜60nmである。かかる製造方法によると、研磨液中における上記粒子の体積平均粒子径Dが所定の範囲に制限されていることにより、微小欠陥の発生を効果的に抑制することができる。したがって、より微小欠陥の少ない表面を備えた研磨物が提供され得る。
ここに開示される技術は、シリコンウエハの研磨、例えばラッピングを経たシリコンウエハのポリシングに好ましく適用することができる。特に好ましい適用対象として、シリコンウエハのファイナルポリシングが例示される。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、本明細書において、「重量」と「質量」、「重量%」と「質量%」および「重量部」と「質量部」は同義語として扱う。
<砥粒>
ここに開示される研磨用組成物に含まれる砥粒の材質や性状は特に制限されず、研磨用組成物の使用目的や使用態様等に応じて適宜選択することができる。砥粒の例としては、無機粒子、有機粒子、および有機無機複合粒子が挙げられる。無機粒子の具体例としては、シリカ粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、酸化クロム粒子、二酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子、酸化マグネシウム粒子、二酸化マンガン粒子、酸化亜鉛粒子、ベンガラ粒子等の酸化物粒子;窒化ケイ素粒子、窒化ホウ素粒子等の窒化物粒子;炭化ケイ素粒子、炭化ホウ素粒子等の炭化物粒子;ダイヤモンド粒子;炭酸カルシウムや炭酸バリウム等の炭酸塩等が挙げられる。有機粒子の具体例としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子やポリ(メタ)アクリル酸粒子(ここで(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸およびメタクリル酸を包括的に指す意味である。)、ポリアクリロニトリル粒子等が挙げられる。このような砥粒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記砥粒としては、無機粒子が好ましく、なかでも金属または半金属の酸化物からなる粒子が好ましい。特に好ましい砥粒としてシリカ粒子が挙げられる。シリカ粒子の具体例としては、コロイダルシリカ、フュームドシリカ、沈降シリカ等が挙げられる。研磨対象物の表面にスクラッチを生じにくく、よりヘイズの低い表面を実現し得るという観点から、好ましいシリカ粒子としてコロイダルシリカおよびフュームドシリカが挙げられる。なかでもコロイダルシリカが好ましい。例えば、シリコンウエハのポリシング(特に、ファイナルポリシング)に用いられる研磨用組成物の砥粒として、コロイダルシリカを好ましく採用し得る。
シリカ粒子を構成するシリカの真比重は、1.5以上であることが好ましく、より好ましくは1.6以上、さらに好ましくは1.7以上である。シリカの真比重の増大によって、研磨対象物(例えばシリコンウエハ)を研磨する際に、研磨速度(単位時間当たりに研磨対象物の表面を除去する量)が向上し得る。研磨対象物の表面(研磨面)に生じるスクラッチを低減する観点からは、真比重が2.2以下のシリカ粒子が好ましい。シリカの真比重としては、置換液としてエタノールを用いた液体置換法による測定値を採用し得る。
ここに開示される技術において、研磨用組成物中に含まれる砥粒は、一次粒子の形態であってもよく、複数の一次粒子が凝集した二次粒子の形態であってもよい。また、一次粒子の形態の砥粒と二次粒子の形態の砥粒とが混在していてもよい。好ましい一態様では、少なくとも一部の砥粒が二次粒子の形態で研磨用組成物中に含まれている。
ここに開示される技術において、砥粒の平均一次粒子径DP1は、上記研磨用組成物中の粒子の粒子径分布が所定の条件を満たし得る値であればよく、特に制限されない。好ましい一態様において、砥粒の平均一次粒子径DP1は5nm以上であり、より好ましくは10nm以上である。砥粒の平均一次粒子径の増大によって、より高い研磨速度が実現され得る。より高い研磨効果(例えば、ヘイズの低減、欠陥の除去等の効果)を得る観点から、平均一次粒子径DP1は、15nm以上が好ましく、20nm以上(例えば20nm超)がより好ましい。また、微小欠陥の低減に適したサイズの粒子として研磨用組成物中に存在しやすいという観点から、平均一次粒子径DP1は、35nm未満であることが好ましく、32nm以下であることがより好ましく、30nm以下(例えば30nm未満)であることがさらに好ましい。
なお、ここに開示される技術において、砥粒の平均一次粒子径DP1は、例えば、BET法により測定される比表面積S(m/g)から、DP1=2720/S(nm)の式により算出することができる。比表面積の測定は、例えば、マイクロメリテックス社製の表面積測定装置、商品名「Flow Sorb II 2300」を用いて行うことができる。
砥粒の平均二次粒子径DP2(当該砥粒自体の体積平均二次粒子径を指す。)は、上記研磨用組成物中の粒子の粒子径分布が所定の条件を満たし得る値であればよく、特に制限されない。好ましい一態様において、平均二次粒子径DP2は10nm以上であり、より好ましくは20nm以上である。砥粒の平均二次粒子径DP2の増大によって、より高い研磨速度が実現され得る。より高い研磨効果を得る観点から、平均二次粒子径DP2は、30nm以上であることが好ましく、35nm以上であることがより好ましく、40nm以上(例えば40nm超)であることがさらに好ましい。また、微小欠陥の低減に適したサイズの粒子として研磨用組成物に存在しやすいという観点から、平均二次粒子径DP2は、60nm未満であることが適当であり、55nm以下であることが好ましく、50nm以下(例えば50nm未満)であることがより好ましい。
砥粒の平均二次粒子径DP2は、対象とする砥粒の水分散液(水溶性ポリマーを含有しない。)を測定サンプルとして、例えば、日機装株式会社製の型式「UPA−UT151」を用いた動的光散乱法により測定することができる。
砥粒の平均二次粒子径DP2は、一般に砥粒の平均一次粒子径DP1と同等以上(DP2/DP1≧1)であり、典型的にはDP1よりも大きい(DP2/DP1>1)。特に限定するものではないが、研磨効果および研磨後の表面平滑性の観点から、砥粒のDP2/DP1は、通常は1.2〜3の範囲にあることが適当であり、1.5〜2.5の範囲が好ましく、1.7〜2.3(例えば1.9を超えて2.2以下)の範囲がより好ましい。
砥粒の形状(外形)は、球形であってもよく、非球形であってもよい。非球形をなす砥粒の具体例としては、ピーナッツ形状(すなわち、落花生の殻の形状)、繭型形状、金平糖形状、ラグビーボール形状等が挙げられる。例えば、砥粒の多くがピーナッツ形状をした砥粒を好ましく採用し得る。
特に限定するものではないが、砥粒の一次粒子の長径/短径比の平均値(平均アスペクト比)は、好ましくは1.0以上であり、より好ましくは1.05以上、さらに好ましくは1.1以上である。砥粒の平均アスペクト比の増大によって、より高い研磨速度が実現され得る。また、砥粒の平均アスペクト比は、スクラッチ低減等の観点から、好ましくは3.0以下であり、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.5以下である。
上記砥粒の形状(外形)や平均アスペクト比は、例えば、電子顕微鏡観察により把握することができる。具体的な手順としては、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、独立した粒子の形状を認識できる所定個数(例えば200個)の砥粒粒子について、各々の粒子画像に外接する最小の長方形を描く。そして、各粒子画像に対して描かれた長方形について、その長辺の長さ(長径の値)を短辺の長さ(短径の値)で除した値を長径/短径比(アスペクト比)として算出する。上記所定個数の粒子のアスペクト比を算術平均することにより、平均アスペクト比を求めることができる。
<水溶性ポリマー>
ここに開示される研磨用組成物に含まれる水溶性ポリマーの種類は特に制限されない。例えば、研磨用組成物の分野において公知の水溶性ポリマーのなかから、砥粒濃度0.2質量%の研磨用組成物中において所望のサイズの粒子を形成し得るように選択することができる。水溶性ポリマーは、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記水溶性ポリマーは、分子中に、カチオン基、アニオン基およびノニオン基から選ばれる少なくとも一種の官能基を有するものであり得る。上記水溶性ポリマーは、例えば、分子中に水酸基、カルボキシ基、アシルオキシ基、スルホ基、第四級窒素構造、複素環構造、ビニル構造、ポリオキシアルキレン構造等を有するものであり得る。
ここに開示される研磨用組成物に好ましく使用し得る水溶性ポリマーの例として、セルロース誘導体、オキシアルキレン単位を含むポリマー、N−ビニルラクタムやN−ビニル鎖状アミド等のようなN−ビニル型のモノマー単位を含むポリマー、イミン誘導体、N−(メタ)アクリロイル型のモノマー単位を含むポリマー、ポリビニルアルコールやその誘導体等のビニルアルコール系ポリマー、プルラン等が挙げられる。
セルロース誘導体(以下「水溶性ポリマーPA」ともいう。)の具体例としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。なかでもヒドロキシエチルセルロースが好ましい。
オキシアルキレン単位を含むポリマー(以下「水溶性ポリマーPB」ともいう。)は、炭素原子数2〜6のオキシアルキレン単位(典型的には−C2nO−で表される構造単位。ここでnは2〜6の整数である。)の1種または2種以上を含むポリマーであり得る。上記オキシアルキレン単位の炭素原子数が2〜3であるポリマーが好ましい。そのようなポリマーの例として、ポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド(EO)とプロピレンオキサイド(PO)とのブロック共重合体、EOとPOとのランダム共重合体等が挙げられる。
EOとPOとのブロック共重合体は、ポリエチレンオキサイドブロック(PEO)とポリプロピレンオキサイドブロック(PPO)とを含むジブロック体、トリブロック体等であり得る。上記トリブロック体の例には、PEO−PPO−PEO型トリブロック体およびPPO−PEO−PPO型トリブロック体が含まれる。通常は、PEO−PPO−PEO型トリブロック体がより好ましい。
PEO−PPO−PEO型トリブロック体としては、下記一般式(1)で表されるポリマーを好ましく使用し得る。
HO−(EO)−(PO)−(EO)−H ・・・(1)
一般式(1)中のEOはオキシエチレン単位(−CHCHO−)を示し、POはオキシプロピレン単位(−CHCH(CH)O−)基を示し、a、bおよびcはそれぞれ1以上(典型的には2以上)の整数を示す。
一般式(1)において、aとcとの合計は、2〜1000の範囲であることが好ましく、より好ましくは5〜500の範囲であり、さらに好ましくは10〜200の範囲である。一般式(1)中のbは、2〜200の範囲であることが好ましく、より好ましくは5〜100の範囲であり、さらに好ましくは10〜50の範囲である。
EOとPOとのブロック共重合体またはランダム共重合体において、該共重合体を構成するEOとPOとのモル比(EO/PO)は、水への溶解性や洗浄性等の観点から、1より大きいことが好ましく、2以上であることがより好ましく、3以上(例えば5以上)であることがさらに好ましい。
N−ビニル型のモノマー単位を含むポリマー(以下「水溶性ポリマーPC」ともいう。)の例には、N−ビニルラクタム型モノマーの単独重合体および共重合体(例えば、N−ビニルラクタム型モノマーの共重合割合が50重量%を超える共重合体)、N−ビニル鎖状アミドの単独重合体および共重合体(例えば、N−ビニル鎖状アミドの共重合割合が50重量%を超える共重合体)等が含まれる。
なお、本明細書中において共重合体とは、特記しない場合、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等の各種の共重合体を包括的に指す意味である。
N−ビニルラクタム型モノマーの具体例としては、N−ビニルピロリドン(VP)、N−ビニルピペリドン、N−ビニルモルホリノン、N−ビニルカプロラクタム(VC)、N−ビニル−1,3−オキサジン−2−オン、N−ビニル−3,5−モルホリンジオン等が挙げられる。N−ビニルラクタム型のモノマー単位を含むポリマーの具体例としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルカプロラクタム、VPとVCとのランダム共重合体、VPおよびVCの一方または両方と他のビニルモノマー(例えば、アクリル系モノマー、ビニルエステル系モノマー等)とのランダム共重合体、VPおよびVCの一方または両方を含むポリマーセグメントを含むブロック共重合体やグラフト共重合体(例えば、ポリビニルアルコールにポリビニルピロリドンがグラフトしたグラフト共重合体)等が挙げられる。なかでも好ましいものとして、ビニルピロリドン系ポリマー(PVP)が挙げられる。ここでビニルピロリドン系ポリマーとは、VPの単独重合体およびVPの共重合体(例えば、VPの共重合割合が50重量%を超える共重合体)をいう。ビニルピロリドン系ポリマーにおいて、全繰返し単位のモル数に占めるVP単位のモル数の割合は、通常は50%以上であり、80%以上(例えば90%以上、典型的には95%以上)であることが適当である。水溶性ポリマーの全繰返し単位が実質的にVP単位から構成されていてもよい。
N−ビニル鎖状アミドの具体例としては、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルプロピオン酸アミド、N−ビニル酪酸アミド等が挙げられる。
イミン誘導体(以下「水溶性ポリマーPD」ともいう。)としては、N−アシルアルキレンイミン型モノマーの単独重合体および共重合体が挙げられる。N−アシルアルキレンイミン型モノマーの具体例としては、N−アセチルエチレンイミン、N−プロピオニルエチレンイミン、N−カプロイルエチレンイミン、N−ベンゾイルエチレンイミン、N−アセチルプロピレンイミン、N−ブチリルエチレンイミン等が挙げられる。N−アシルアルキレンイミン型モノマーの単独重合体としては、ポリ(N−アシルアルキレンイミン)等を用いることができる。具体例としては、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)、ポリ(N−カプロイルエチレンイミン)、ポリ(N−ベンゾイルエチレンイミン)、ポリ(N−アセチルプロピレンイミン)、ポリ(N−ブチリルエチレンイミン)等が挙げられる。N−アシルアルキレンイミン型モノマーの共重合体の例には、2種以上のN−アシルアルキレンイミン型モノマーの共重合体や、1種または2種以上のN−アシルアルキレンイミン型モノマーと他のモノマーとの共重合体が含まれる。
N−(メタ)アクリロイル型のモノマー単位を含むポリマー(以下「水溶性ポリマーPE」ともいう。)の例には、N−(メタ)アクリロイル型モノマーの単独重合体および共重合体(典型的には、N−(メタ)アクリロイル型モノマーの共重合割合が50重量%を超える共重合体)が含まれる。N−(メタ)アクリロイル型モノマーの例には、N−(メタ)アクリロイル基を有する鎖状アミドおよびN−(メタ)アクリロイル基を有する環状アミドが含まれる。
N−(メタ)アクリロイル基を有する鎖状アミドの例としては、アクリルアミド;N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−イソブチルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−ヘプチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド、N−tert−オクチルアクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミド、N−オクタデシルアクリルアミド等のN−モノアルキルアクリルアミド;N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(1−エチル−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−クロロエチル)アクリルアミド、N−(2,2,2−トリクロロ−1−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−[3−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノプロピル]アクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(2−メチル−2−フェニル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(2,2−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(2−モルホリノエチル)アクリルアミド、N−(2−アミノ−1,2−ジシアノエチル)アクリルアミド等の置換N−モノアルキルアクリルアミド;N−アリルアクリルアミド等のN−モノアルケニルアクリルアミド;N−(1,1−ジメチルプロピニル)アクリルアミド等のN−モノアルキニルアクリルアミド;N−フェニルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−[4−(フェニルアミノ)フェニル]アクリルアミド等の芳香族基含有アクリルアミド;N−メチロールアクリルアミド、N−エチロールアクリルアミド、N−プロピロールアクリルアミド等のN−モノアルキロールアクリルアミド;N−メトキシメチルアクリルアミド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド等のN−アルコキシアルキルアクリルアミド;N−メトキシアクリルアミド、N−エトキシアクリルアミド、N−プロポキシアクリルアミド、N−ブトキシアクリルアミド等のN−アルコキシアクリルアミド;N−アセチルアクリルアミド;N−ジアセトンアクリルアミド;メタクリルアミド;N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−イソブチルメタクリルアミド、N−tert−ブチルメタクリルアミド、N−ヘプチルメタクリルアミド、N−オクチルメタクリルアミド、N−tert−オクチルメタクリルアミド、N−ドデシルメタクリルアミド、N−オクタデシルメタクリルアミド等のN−モノアルキルメタクリルアミド;N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N−(1−エチル−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N−(2−クロロエチル)メタクリルアミド、N−(2,2,2−トリクロロ−1−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−[3−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノプロピル]メタクリルアミド、N−(1,1−ジメチル−2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド、N−(2−メチル−2−フェニル−3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−(2,2−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−(2−モルホリノエチル)メタクリルアミド、N−(2−アミノ−1,2−ジシアノエチル)メタクリルアミド等の置換N−モノアルキルメタクリルアミド;N−アリルメタクリルアミド等のN−モノアルケニルメタクリルアミド;N−(1,1−ジメチルプロピニル)メタクリルアミド等のN−モノアルキニルメタクリルアミド;N−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−[4−(フェニルアミノ)フェニル]メタクリルアミド等の芳香族基含有メタクリルアミド;N−メチロールメタクリルアミド、N−エチロールメタクリルアミド、N−プロピロールメタクリルアミド等のN−モノアルキロールメタクリルアミド;N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−エトキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、N−イソブトキシメチルメタクリルアミド等のN−アルコキシアルキルメタクリルアミド;N−メトキシメタクリルアミド、N−エトキシメタクリルアミド、N−プロポキシメタクリルアミド、N−ブトキシメタクリルアミド等のN−アルコキシメタクリルアミド;N−アセチルメタクリルアミド;N−ジアセトンメタクリルアミド;N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジプロピルアクリルアミド、N,N−ジイソプロピルアクリルアミド、N,N−ジブチルアクリルアミド、N,N−ジイソブチルアクリルアミド、N,N−ジ−tert−ブチルアクリルアミド、N,N−ジヘプチルアクリルアミド、N,N−ジオクチルアクリルアミド、N,N−ジ−tert−オクチルアクリルアミド、N,N−ジドデシルアクリルアミド、N,N−ジオクタデシルアクリルアミド等のN,N−ジアルキルアクリルアミド;N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルアクリルアミド等のN,N−ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド;N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N,N−ビス(2−シアノエチル)アクリルアミド等の置換N,N−ジアルキルアクリルアミド;N,N−ジアリルアクリルアミド等のN,N−ジアルケニルアクリルアミド;N,N−ジフェニルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド等の芳香族基含有アクリルアミド;N,N−ジメチロールアクリルアミド、N,N−ジエチロールアクリルアミド、N,N−ジプロピロールアクリルアミド等のN,N−ジアルキロールアクリルアミド;N−メチル−N−メトキシアクリルアミド、N−メチル−N−エトキシアクリルアミド、N−メチル−N−プロポキシアクリルアミド、N−メチル−N−ブトキシアクリルアミド、N−エチル−N−メトキシアクリルアミド、N−エチル−N−エトキシアクリルアミド、N−エチル−N−ブトキシアクリルアミド、N−プロピル−N−メトキシアクリルアミド、N−プロピル−N−エトキシアクリルアミド、N−ブチル−N−メトキシアクリルアミド、N−ブチル−N−エトキシアクリルアミド等のN−アルコキシ−N−アルキルアクリルアミド;N,N−ジアセチルアクリルアミド;N,N−ジアセトンアクリルアミド;N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N−ジプロピルメタクリルアミド、N,N−ジイソプロピルメタクリルアミド、N,N−ジブチルメタクリルアミド、N,N−ジイソブチルメタクリルアミド、N,N−ジ−tert−ブチルメタクリルアミド、N,N−ジヘプチルメタクリルアミド、N,N−ジオクチルメタクリルアミド、N,N−ジ−tert−オクチルメタクリルアミド、N,N−ジドデシルメタクリルアミド、N,N−ジオクタデシルメタクリルアミド等のN,N−ジアルキルメタクリルアミド;N,N−ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド等のN,N−ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド;N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、N,N−ビス(2−シアノエチル)メタクリルアミド等の置換N,N−ジアルキルメタクリルアミド;N,N−ジアリルメタクリルアミド等のN−ジアルケニルメタクリルアミド;N,N−ジフェニルメタクリルアミド、N,N−ジベンジルメタクリルアミド等の芳香族基含有メタクリルアミド;N,N−ジメチロールメタクリルアミド、N,N−ジエチロールメタクリルアミド、N,N−ジプロピロールメタクリルアミド等のN,N−ジアルキロールメタクリルアミド;N−メチル−N−メトキシメタクリルアミド、N−メチル−N−エトキシメタクリルアミド、N−メチル−N−プロポキシメタクリルアミド、N−メチル−N−ブトキシメタクリルアミド、N−エチル−N−メトキシメタクリルアミド、N−エチル−N−エトキシメタクリルアミド、N−エチル−N−ブトキシメタクリルアミド、N−プロピル−N−メトキシメタクリルアミド、N−プロピル−N−エトキシメタクリルアミド、N−ブチル−N−メトキシメタクリルアミド、N−ブチル−N−エトキシメタクリルアミド等のN−アルコキシ−N−アルキルメタクリルアミド;N,N−ジアセチルメタクリルアミド;N,N−ジアセトンメタクリルアミド;等が挙げられる。
N−(メタ)アクリロイル基を有する鎖状アミドをモノマー単位として含むポリマーの例として、N−イソプロピルアクリルアミドの単独重合体およびN−イソプロピルアクリルアミドの共重合体(例えば、N−イソプロピルアクリルアミドの共重合割合が50重量%を超える共重合体)が挙げられる。
N−(メタ)アクリロイル基を有する環状アミドの例としては、N−アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルチオモルホリン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルモルホリン、N−メタクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルピロリジン等が挙げられる。N−(メタ)アクリロイル基を有する環状アミドをモノマー単位として含むポリマーの例として、アクリロイルモルホリン系ポリマー(PACMO)が挙げられる。アクリロイルモルホリン系ポリマーの典型例として、N−アクリロイルモルホリン(ACMO)の単独重合体およびACMOの共重合体(例えば、ACMOの共重合割合が50重量%を超える共重合体)が挙げられる。アクリロイルモルホリン系ポリマーにおいて、全繰返し単位のモル数に占めるACMO単位のモル数の割合は、通常は50%以上であり、80%以上(例えば90%以上、典型的には95%以上)であることが適当である。水溶性ポリマーの全繰返し単位が実質的にACMO単位から構成されていてもよい。
ビニルアルコール系ポリマー(以下「水溶性ポリマーPF」ともいう。)は、典型的には、主たる繰返し単位としてビニルアルコール単位(VA単位)を含むポリマー(PVA)である。当該ポリマーにおいて、全繰返し単位のモル数に占めるVA単位のモル数の割合は、通常は50%以上であり、好ましくは65%以上、より好ましくは70%以上、例えば75%以上である。全繰返し単位が実質的にVA単位から構成されていてもよい。水溶性ポリマーPFにおいて、VA単位以外の繰返し単位の種類は特に限定されず、例えば酢酸ビニル単位、プロピオン酸ビニル単位、ヘキサン酸ビニル単位等が挙げられる。
PVAのけん化度は、通常は50モル%以上であり、好ましくは65モル%以上、より好ましくは70モル%以上、例えば75モル%以上である。なお、PVAのけん化度は、原理上、100モル%以下である。
ここに開示される研磨用組成物は、例えば、水溶性ポリマーとして少なくとも水溶性ポリマーPAおよび/または水溶性ポリマーPFを含む態様で好ましく実施され得る。好ましい一態様として、水溶性ポリマーとして少なくとも水溶性ポリマーPA(典型的にはヒドロキシエチルセルロース)を含む態様が挙げられる。例えば、水溶性ポリマーPAを単独で含む態様、水溶性ポリマーPAと水溶性ポリマーPCとを含む態様、水溶性ポリマーPAと水溶性ポリマーPEとを含む態様等を採用し得る。かかる研磨用組成物の好適例として、水溶性ポリマーの主成分(典型的には50質量%を超える成分)がヒドロキシエチルセルロースである研磨用組成物が挙げられる。水溶性ポリマーの60質量%以上、例えば80質量%以上、より好ましくは90質量%以上がヒドロキシエチルセルロースであってもよく、水溶性ポリマーの100質量%がヒドロキシエチルセルロースであってもよい。好ましい他の一態様として、水溶性ポリマーとして少なくとも水溶性ポリマーPFを含む態様が挙げられる。例えば、水溶性ポリマーPFを単独で含む態様、水溶性ポリマーPFと水溶性ポリマーPCとを含む態様、水溶性ポリマーPFと水溶性ポリマーPAとを含む態様等を採用し得る。ここに開示される研磨用組成物の他の好ましい態様として、水溶性ポリマーとして水溶性ポリマーPEを単独で含む態様が挙げられる。
ここに開示される研磨用組成物において、水溶性ポリマーの分子量は特に限定されない。例えば重量平均分子量(Mw)が200×10以下(典型的には1×10〜200×10、例えば1×10〜150×10)の水溶性ポリマーを用いることができる。ここに開示される好適なサイズの粒子を形成しやすいという観点から、通常は、Mwが100×10未満(より好ましくは80×10以下、さらに好ましくは50×10以下、典型的には40×10以下)の水溶性ポリマーの使用が好ましい。また、研磨用組成物の濾過性や洗浄性等の観点から、Mwが30×10以下(典型的には30×10未満)の水溶性ポリマーを好ましく使用し得る。一方、一般に水溶性ポリマーのMwが大きくなるとヘイズ低減効果は高くなる傾向にある。かかる観点から、通常は、Mwが1×10以上の水溶性ポリマーを用いることが適当であり、例えば、Mwが1×10以上の水溶性ポリマーを好ましく採用し得る。
より好ましいMwの範囲は、水溶性ポリマーの種類によっても異なり得る。例えば、水溶性ポリマーPAのMwは、典型的には100×10未満、好ましくは80×10以下、より好ましくは50×10以下、さらに好ましくは30×10以下(典型的には30×10未満)である。水溶性ポリマーPAのMwは、典型的には1×10以上、好ましくは2×10以上であり、より好ましくは3×10以上、さらに好ましくは5×10以上(例えば7×10以上)である。また、例えば水溶性ポリマーPBのMwは、好ましくは50×10以下、より好ましくは30×10以下、さらに好ましくは20×10以下である。水溶性ポリマーPBのMwは、典型的には1×10以上である。また、例えば水溶性ポリマーPCのMwは、典型的には15×10以下、好ましくは10×10以下、より好ましくは8×10以下である。Mwが5×10以下(例えば3×10以下)の水溶性ポリマーPCを用いてもよい。水溶性ポリマーPCのMwは、典型的には1×10以上である。また、例えば水溶性ポリマーPDのMwは、好ましくは30×10以下、より好ましくは20×10以下、さらに好ましくは10×10以下(例えば5×10以下)である。水溶性ポリマーPDのMwは、典型的には1×10以上である。また、例えば水溶性ポリマーPEのMwは、典型的には40×10以下、好ましくは20×10以下、より好ましくは10×10以下である。水溶性ポリマーPEのMwは、典型的には1×10以上である。また、例えば水溶性ポリマーPF(PVA)のMwは、典型的には6×10以下、好ましくは5.5×10以下、より好ましくは3×10以下(例えば2×10以下)である。水溶性ポリマーPFのMwは、典型的には1×10以上、好ましくは3×10以上、例えば4×10以上である。Mwが1×10以上の水溶性ポリマーPFを用いてもよい。
ここに開示される技術において、水溶性ポリマーの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との関係は特に制限されない。例えば、MwとMnとの関係が次式:Mw/Mn≦5.0;を満たすものを好ましく用いることができる。研磨用組成物の性能安定性等の観点から、水溶性ポリマーのMw/Mnは、好ましくは4.8以下、より好ましくは4.6以下である。なお、原理上、Mw/Mnは1.0以上である。水溶性ポリマーのMwおよびMnとしては、GPC(水系:ポリエチレンオキサイド換算)に基づく値を採用することができる。
より好ましいMw/Mnの範囲は、水溶性ポリマーの種類によっても異なり得る。例えば、水溶性ポリマーPAのMw/Mnは、好ましくは4.8以下、より好ましくは4.6以下である。また、例えば水溶性ポリマーPBのMw/Mnは、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3.0以下である。また、例えば水溶性ポリマーPCのMw/Mnは、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3.0以下である。また、例えば水溶性ポリマーPDのMw/Mnは、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3.0以下である。また、例えば水溶性ポリマーPEのMw/Mnは、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3.0以下である。
一方、例えば、水溶性ポリマーPAのMw/Mnは、好ましくは2.0以上、より好ましくは3.0以上である。また、例えば水溶性ポリマーPBのMw/Mnは、好ましくは1.05以上である。また、例えば水溶性ポリマーPCのMw/Mnは、好ましくは1.05以上である。また、例えば水溶性ポリマーPDのMw/Mnは、好ましくは1.05以上である。また、例えば水溶性ポリマーPEのMw/Mnは、好ましくは1.05以上である。
また、水溶性ポリマーPFのMw/Mnは、好ましくは4.0以下、より好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3.0以下である。また、水溶性ポリマーPFのMw/Mnは、好ましくは1.05以上である。
なお、水溶性ポリマーのMwおよびMnとしては、水系のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)に基づく値(水系、ポリエチレンオキサイド換算)を採用することができる。
特に限定するものではないが、水溶性ポリマーの含有量は、砥粒100質量部に対して例えば0.01質量部以上とすることができる。砥粒100質量部に対する水溶性ポリマーの含有量は、研磨後の表面平滑性向上(例えばヘイズや欠陥の低減)の観点から0.05質量部以上が適当であり、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上(例えば1質量部以上)である。また、砥粒100質量部に対する水溶性ポリマーの含有量は、研磨速度や洗浄性等の観点から、例えば40質量部以下とすることができ、通常は20質量部以下が適当であり、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
<水>
ここに開示される研磨用組成物に含まれる水としては、イオン交換水(脱イオン水)、純水、超純水、蒸留水等を好ましく用いることができる。使用する水は、研磨用組成物に含有される他の成分の働きが阻害されることを極力回避するため、例えば遷移金属イオンの合計含有量が100ppb以下であることが好ましい。例えば、イオン交換樹脂による不純物イオンの除去、フィルタによる異物の除去、蒸留等の操作によって水の純度を高めることができる。
ここに開示される研磨用組成物は、必要に応じて、水と均一に混合し得る有機溶剤(低級アルコール、低級ケトン等)をさらに含有してもよい。通常は、研磨用組成物に含まれる溶媒の90体積%以上が水であることが好ましく、95体積%以上(典型的には99〜100体積%)が水であることがより好ましい。
ここに開示される研磨用組成物(典型的にはスラリー状の組成物)は、例えば、その固形分含量(non-volatile content;NV)が0.01質量%〜50質量%であり、残部が水系溶媒(水または水と上記有機溶剤との混合溶媒)である形態、または残部が水系溶媒および揮発性化合物(例えばアンモニア)である形態で好ましく実施され得る。上記NVが0.05質量%〜40質量%である形態がより好ましい。なお、上記固形分含量(NV)とは、研磨用組成物を105℃で24時間乾燥させた後における残留物が上記研磨用組成物に占める質量の割合を指す。
<塩基性化合物>
ここに開示される研磨用組成物は、典型的には、砥粒、水溶性ポリマーおよび水の他に、塩基性化合物を含有する。ここで塩基性化合物とは、研磨用組成物に添加されることによって該組成物のpHを上昇させる機能を有する化合物を指す。塩基性化合物は、研磨対象となる面を化学的に研磨する働きをし、研磨速度の向上に寄与し得る。また、塩基性化合物は、研磨用組成物の分散安定性の向上に役立ち得る。
塩基性化合物としては、窒素を含む有機または無機の塩基性化合物、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物、各種の炭酸塩や炭酸水素塩等を用いることができる。例えば、アルカリ金属の水酸化物、水酸化第四級アンモニウムまたはその塩、アンモニア、アミン等が挙げられる。アルカリ金属の水酸化物の具体例としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。炭酸塩または炭酸水素塩の具体例としては、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられる。水酸化第四級アンモニウムまたはその塩の具体例としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等が挙げられる。アミンの具体例としては、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、モノエタノールアミン、N−(β−アミノエチル)エタノールアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、無水ピペラジン、ピペラジン六水和物、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−メチルピペラジン、グアニジン、イミダゾールやトリアゾール等のアゾール類等が挙げられる。このような塩基性化合物は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
研磨速度向上等の観点から好ましい塩基性化合物として、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムが挙げられる。なかでも好ましいものとして、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化テトラエチルアンモニウムが例示される。より好ましいものとしてアンモニアおよび水酸化テトラメチルアンモニウムが挙げられる。特に好ましい塩基性化合物としてアンモニアが挙げられる。
<界面活性剤>
ここに開示される研磨用組成物は、砥粒、水溶性ポリマーおよび水の他に、界面活性剤(典型的には、分子量1×10未満の水溶性有機化合物)を含む態様で好ましく実施され得る。界面活性剤の使用により、研磨用組成物の分散安定性が向上し得る。また、研磨面のヘイズを低減することが容易となり得る。界面活性剤は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤としては、アニオン性またはノニオン性のものを好ましく採用し得る。低起泡性やpH調整の容易性の観点から、ノニオン性の界面活性剤がより好ましい。例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のオキシアルキレン重合体;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のポリオキシアルキレン付加物;複数種のオキシアルキレンの共重合体(ジブロック型、トリブロック型、ランダム型、交互型);等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。
ノニオン系活性剤の具体例としては、EOとPOとのブロック共重合体(ジブロック体、PEO−PPO−PEO型トリブロック体、PPO−PEO−PPO型トリブロック体等)、EOとPOとのランダム共重合体、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンプロピルエーテル、ポリオキシエチレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンペンチルエーテル、ポリオキシエチレンヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルエーテル、ポリオキシエチレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミド、ポリオキシエチレンオレイルアミド、ポリオキシエチレンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンモノオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジオレイン酸エステル、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルチミン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。なかでも好ましい界面活性剤として、EOとPOとのブロック共重合体(特に、PEO−PPO−PEO型のトリブロック体)、EOとPOとのランダム共重合体およびポリオキシエチレンアルキルエーテル(例えばポリオキシエチレンデシルエーテル)が挙げられる。
界面活性剤の分子量は、典型的には1×10未満であり、研磨用組成物の濾過性や研磨対象物の洗浄性等の観点から9500以下が好ましい。また、界面活性剤の分子量は、典型的には200以上であり、ヘイズ低減効果等の観点から250以上が好ましく、300以上(例えば500以上)がより好ましい。なお、界面活性剤の分子量としては、GPCにより求められる重量平均分子量(Mw)(水系、ポリエチレングリコール換算)または化学式から算出される分子量を採用することができる。
界面活性剤の分子量のより好ましい範囲は、界面活性剤の種類によっても異なり得る。例えば、界面活性剤としてEOとPOとのブロック共重合体を用いる場合には、Mwが1000以上のものが好ましく、2000以上のものがより好ましく、5000以上のものがさらに好ましい。
ここに開示される研磨用組成物が界面活性剤を含む場合、その含有量は、本発明の効果を著しく阻害しない範囲であれば特に制限はない。通常は、洗浄性等の観点から、砥粒100質量部に対する界面活性剤の含有量を20質量部以下とすることが適当であり、15質量部以下が好ましく、10質量部以下(例えば6質量部以下)がより好ましい。界面活性剤の使用効果をよりよく発揮させる観点から、砥粒100質量部に対する界面活性剤含有量は、0.001質量部以上が適当であり、0.005質量部以上が好ましく、0.01質量部以上(例えば0.05質量部以上、典型的には0.1質量部以上)がより好ましい。
また、水溶性ポリマーの含有量W1と界面活性剤の含有量W2との質量比(W1/W2)は特に制限されないが、通常、0.01〜200の範囲とすることが適当であり、例えば0.1〜100の範囲とすることが好ましい。好ましい一態様において、(W1/W2)は、例えば0.01〜20の範囲とすることができ、0.05〜15の範囲が好ましく、0.1〜10の範囲がより好ましい。
<その他の成分>
ここに開示される研磨用組成物は、本発明の効果が著しく妨げられない範囲で、キレート剤、有機酸、有機酸塩、無機酸、無機酸塩、防腐剤、防カビ剤等の、研磨用組成物(典型的には、シリコンウエハのファイナルポリシングに用いられる研磨用組成物)に用いられ得る公知の添加剤を、必要に応じてさらに含有してもよい。
キレート剤の例としては、アミノカルボン酸系キレート剤および有機ホスホン酸系キレート剤が挙げられる。アミノカルボン酸系キレート剤の例には、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸アンモニウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、トリエチレンテトラミン六酢酸およびトリエチレンテトラミン六酢酸ナトリウムが含まれる。有機ホスホン酸系キレート剤の例には、2−アミノエチルホスホン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸およびα−メチルホスホノコハク酸が含まれる。これらのうち有機ホスホン酸系キレート剤がより好ましく、なかでも好ましいものとしてエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)およびジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)が挙げられる。特に好ましいキレート剤として、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)が挙げられる。
有機酸の例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の脂肪酸、安息香酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸、クエン酸、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、有機スルホン酸、有機ホスホン酸等が挙げられる。有機酸塩の例としては、有機酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)やアンモニウム塩等が挙げられる。無機酸の例としては、硫酸、硝酸、塩酸、炭酸等が挙げられる。無機酸塩の例としては、無機酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)やアンモニウム塩が挙げられる。有機酸およびその塩、ならびに無機酸およびその塩は、1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
防腐剤および防カビ剤の例としては、イソチアゾリン系化合物、パラオキシ安息香酸エステル類、フェノキシエタノール等が挙げられる。
<用途>
ここに開示される研磨用組成物は、種々の材質および形状を有する研磨対象物の研磨に適用され得る。研磨対象物の材質は、例えば、シリコン、アルミニウム、ニッケル、タングステン、銅、タンタル、チタン、ステンレス鋼等の金属もしくは半金属、またはこれらの合金;石英ガラス、アルミノシリケートガラス、ガラス状カーボン等のガラス状物質;アルミナ、シリカ、サファイア、窒化ケイ素、窒化タンタル、炭化チタン等のセラミック材料;炭化ケイ素、窒化ガリウム、ヒ化ガリウム等の化合物半導体基板材料;ポリイミド樹脂等の樹脂材料;等であり得る。これらのうち複数の材質により構成された研磨対象物であってもよい。なかでも、シリコンからなる表面を備えた研磨対象物の研磨に好適である。
研磨対象物の形状は特に制限されない。ここに開示される研磨用組成物は、例えば、板状や多面体状等の、平面を有する研磨対象物の研磨に好ましく適用され得る。
ここに開示される研磨用組成物は、研磨対象物のファイナルポリシングに好ましく使用され得る。したがって、この明細書によると、上記研磨用組成物を用いたファイナルポリシング工程を含む研磨物の製造方法(例えば、シリコンウエハの製造方法)が提供される。なお、ファイナルポリシングとは、目的物の製造プロセスにおける最後のポリシング工程(すなわち、その工程の後にはさらなるポリシングを行わない工程)を指す。ここに開示される研磨用組成物は、また、ファイナルポリシングよりも上流のポリシング工程(粗研磨工程と最終研磨工程との間の工程を指す。典型的には少なくとも1次ポリシング工程を含み、さらに2次、3次・・・等のポリシング工程を含み得る。)、例えばファイナルポリシングの直前に行われるポリシング工程に用いられてもよい。
ここに開示される研磨用組成物は、シリコンウエハの研磨に特に好ましく使用され得る。例えば、シリコンウエハのファイナルポリシングまたはそれよりも上流のポリシング工程に用いられる研磨用組成物として好適である。例えば、上流の工程によって表面粗さ0.01nm〜100nmの表面状態に調製されたシリコンウエハのポリシング(典型的にはファイナルポリシングまたはその直前のポリシング)への適用が効果的である。ファイナルポリシングへの適用が特に好ましい。
<研磨液>
ここに開示される研磨用組成物は、典型的には該研磨用組成物を含む研磨液の形態で研磨対象物に供給されて、その研磨対象物の研磨に用いられる。上記研磨液は、例えば、ここに開示されるいずれかの研磨用組成物を希釈(典型的には、水により希釈)して調製されたものであり得る。あるいは、該研磨用組成物をそのまま研磨液として使用してもよい。すなわち、ここに開示される技術における研磨用組成物の概念には、研磨対象物に供給されて該研磨対象物の研磨に用いられる研磨液(ワーキングスラリー)と、希釈して研磨液として用いられる濃縮液(研磨液の原液)との双方が包含される。ここに開示される研磨用組成物を含む研磨液の他の例として、該組成物のpHを調整してなる研磨液が挙げられる。
研磨液における砥粒の含有量は特に制限されないが、典型的には0.01質量%以上であり、0.05質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.1質量%以上、例えば0.15質量%以上である。砥粒の含有量の増大によって、より高い研磨速度が実現され得る。よりヘイズの低い表面を実現する観点から、通常は、上記含有量は10質量%以下が適当であり、好ましくは7質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、例えば1質量%以下である。
研磨液における水溶性ポリマーの含有量は特に制限されず、例えば1×10−4質量%以上とすることができる。ヘイズ低減等の観点から、好ましい含有量は5×10−4質量%以上であり、より好ましくは1×10−3質量%以上、例えば2×10−3質量%以上である。また、ここに開示される好ましいサイズの粒子を形成しやすいという観点から、上記含有量を0.2質量%以下とすることが好ましく、0.1質量%以下(例えば0.05質量%以下)とすることがより好ましい。
界面活性剤を使用する場合、研磨液における界面活性剤の含有量は特に制限されない。通常は、上記含有量を1×10−5質量%以上(例えば1×10−4質量%以上)とすることが適当である。ヘイズ低減等の観点から、好ましい含有量は5×10−5質量%以上(例えば5×10−4質量%以上)であり、より好ましくは1×10−3質量%以上、例えば2×10−3質量%以上である。また、洗浄性や研磨速度等の観点から、上記含有量は0.2質量%以下が好ましく、0.1質量%以下(例えば0.05質量%以下)がより好ましい。
塩基性化合物を使用する場合、研磨液における塩基性化合物の含有量は特に制限されない。研磨速度向上等の観点から、通常は、その含有量を研磨液の0.001質量%以上とすることが好ましく、0.005質量%以上とすることがより好ましい。また、ヘイズ低減等の観点から、上記含有量を0.4質量%未満とすることが好ましく、0.25質量%未満とすることがより好ましい。
研磨液のpHは特に制限されない。例えば、pH8.0〜12.0が好ましく、9.0〜11.0がより好ましい。かかるpHの研磨液となるように塩基性化合物を含有させることが好ましい。上記pHは、例えば、シリコンウエハの研磨に用いられる研磨液(例えばファイナルポリシング用の研磨液)に好ましく適用され得る。
<研磨用組成物中に含まれる粒子>
ここに開示される研磨用組成物には、粒子として、砥粒単体のものや、砥粒と水溶性ポリマーとが吸着してなるもの等が含まれ得る。上記粒子は、例えば、砥粒粒子や、1個の砥粒粒子の表面にポリマーの1分子または複数分子が吸着した形態、1分子のポリマーに2個以上の砥粒粒子が吸着した形態、2個以上の砥粒粒子と2分子以上のポリマーとが吸着した形態、砥粒および水溶性ポリマーに研磨用組成物中の他の成分(例えば界面活性剤)がさらに吸着した形態、等であり得る。研磨対象物の研磨に用いられる研磨用組成物中には、一般に、上記で例示したような複数の形態の粒子が混在していると考えられる。砥粒と水溶性ポリマーとが吸着してなる粒子が研磨用組成物中に存在することは、該研磨用組成物中の粒子の平均粒子径を測定した場合、その値が砥粒粒子の平均粒子径の値より大きくなることによって把握され得る。
研磨対象物に供給される研磨液(ワーキングスラリー)中における粒子のサイズは、例えば、この研磨液を測定サンプルに用いて動的光散乱法に基づく粒子径測定を行うことによって把握することができる。この粒子径測定は、例えば、日機装株式会社製の型式「UPA−UT151」を用いて行うことができる。本発明者らの検討によれば、上記粒子径測定により得られる体積平均粒子径Dが所定値以下(具体的には60nm以下)である研磨液を用いることにより、よりDが大きい研磨液を用いた場合に比べて、微小欠陥の数(例えば、後述する実施例に記載の微小欠陥検査により検出される微小欠陥の数)を顕著に低減することができる。
上記体積平均粒子径Dの下限は、微小欠陥数低減の観点からは特に制限されない。研磨効果(例えば、ヘイズの低減、欠陥の除去等の効果)等の観点からは、Dは20nm以上が適当であり、30nm以上が好ましい。微小欠陥の低減と研磨効果とをより高レベルで両立させる観点から、Dは35nm以上が好ましく、40nm以上がより好ましく、45nm以上がさらに好ましい。ここに開示される技術の好ましい一態様として、Dが50nm以上(典型的には50nm超)である態様が挙げられる。かかるDを満たす研磨液によると、微小欠陥の低減とヘイズの低減とが特に高レベルで両立された研磨面が効率よく実現され得る。
この体積平均粒子径Dは、例えば砥粒の選択(サイズ(DP1、DP2等)、形状、粒子径分布等)、水溶性ポリマーの選択(組成、Mw、Mw/Mn、分子構造等)、砥粒に対する水溶性ポリマーの使用量、界面活性剤の使用の有無および使用する場合における種類や量等の選択により、所望の数値範囲となるように調節することができる。後述する粒子の粒子径分布についても同様である。
の測定は、上述のように、実際に研磨対象物に供給される濃度の研磨用組成物を測定サンプルとして行うことができる。また、概して、各成分の比率を維持したままNVを0.05〜5質量%程度の範囲で異ならせてもDの値はそれほど変動しないため、実用上は、例えば砥粒の含有量が0.2質量%となる濃度において測定されるDの値(すなわち、上記濃度の研磨用組成物を測定サンプルに用いて得られるDの値)を上記範囲とすることにより、この研磨用組成物を砥粒濃度0.2質量%の研磨液として研磨に用いる場合に限らず、該研磨用組成物を他の砥粒濃度(例えば、0.05〜5質量%程度の範囲であって0.2質量%とは異なる濃度)で用いる場合にも上述の効果を得ることができる。
測定サンプルのpHは、実際に研磨対象物に供給される研磨用組成物(研磨液)のpHと著しく異ならないpHとすることが望ましい。例えば、pH8.0〜12.0(より好ましくはpH9.0〜11.0、典型的にはpH10.0〜10.5程度)の測定サンプルについてDを測定することが好ましい。上記pHの範囲は、例えば、シリコンウエハのファイナルポリシング用の研磨用組成物に好ましく適用され得る。
ここに開示される技術を実施するにあたり、上記Dを満たすことにより上述の課題が解決される理由を明らかにする必要はないが、例えば以下のことが考えられる。すなわち、研磨用組成物中に含まれる粒子(砥粒単体、砥粒の周囲に水溶性ポリマーが吸着したもの、砥粒と水溶性ポリマーの会合体等の形態であり得る。)のサイズがより大きくなると、研磨対象面に与えるダメージが大きくなるため、欠陥が発生しやすくなる傾向にある。また粗大な粒子の存在は不均一な研磨を招き、表面の平滑性を損なう要因となり得る。さらに、粗大な粒子は研磨対象物の表面と接触または近接する箇所(すなわち、両者が相互作用しやすい箇所)が多いため、研磨対象物表面における滞留時間が長くなりがちであり、このため研磨終了後の研磨物表面に残留しやすい。残留した粒子は洗浄により除去することができるが、洗浄開始から粒子が除去されるまでの間、研磨物表面のうち粒子が付着している箇所はそれ以外の箇所よりも洗浄液によるエッチングを受けにくいため、洗浄後の表面において粒子が付着していた箇所が周囲よりも高い箇所(突起)となって残り、これが微小欠陥(PID)として検出され得る。
ここに開示される技術によると、上記体積平均粒子径Dを基準にして研磨液中における粒子のサイズが過大とならないように制限することにより、研磨後の表面への粒子の残留が抑制され、あるいは残留した粒子が洗浄過程のより早い時期で(したがって、周囲とのエッチング量の差異が大きくならないうちに)除去されやすくなる。このことが微小欠陥の低減に寄与しているものと考えられる。特に、従来の一般的な砥粒よりもサイズの小さい砥粒(例えば、平均一次粒子径DP1が35μm未満(特に30nm以下)あるいは平均二次次粒子径DP2が65μm以下(特に60μm以下)の砥粒)は、ヘイズを低減する観点からは従来サイズの砥粒よりも有利となり得る一方、研磨液中における砥粒粒子の挙動が該粒子に吸着した水溶性ポリマーの影響を受けやすい。したがって、ここに開示される技術を適用して粒子のサイズを制限することが特に有意義である。
研磨用組成物中の粒子の体積平均粒子径Dと砥粒の平均二次粒子径DP2との関係は、原理的にD/DP2≧1を満たし、典型的にはD/DP2>1である。微小欠陥をよりよく低減する観点から、D/DP2は2.00以下が好ましく、1.50以下がより好ましく、1.30以下がさらに好ましい。
研磨用組成物中の粒子の体積平均粒子径Dと砥粒の平均一次粒子径DP1との関係は、原理的にD/DP1≧1を満たし、典型的にはD/DP1>1である。特に制限するものではないが、ヘイズ低減等の観点から、D/DP1は1.30以上が好ましく、1.50以上がより好ましい。また、ヘイズ低減等の観点から、D/DP1は5.00以下が好ましく、3.00以下がより好ましく、2.50以下がさらに好ましい。
特に限定するものではないが、上記研磨用組成物は、砥粒の含有量が0.2質量%となる濃度において動的光散乱法により測定される上記粒子の体積基準の粒子径分布において、50%累積径D50に対する95%累積径D95の比(D95/D50)が3.00以下であることが好ましく、2.00以下(例えば1.80以下)であることがより好ましい。かかる研磨用組成物は、粗大な粒子が少ないので欠陥を生じにくい。また、上記粒子のサイズのばらつきが少ないので、研磨後の表面に残留した粒子の洗浄性のばらつきが少ない。このため、洗浄条件を過度に厳しくすることなく該表面の残留物をより高精度に洗浄除去し得る。このことによって、より高品位な表面が実現され得る。D95/D50の下限は、原理上1である。研磨用組成物の分散安定性や調製容易性等の観点から、D95/D50は1.20以上が適当であり、1.30以上が好ましく、1.40以上(例えば1.45以上)がより好ましい。
特に限定するものではないが、ここに開示される研磨用組成物は、上記粒子のD10(10%累積径)に対するD95(95%累積径)の比D95/D10が4.00以下である態様で好ましく実施され得る。D95/D10は、3.00以下であることが好ましく、2.50以下であることがより好ましい。D95/D10の下限は、原理上1である。研磨用組成物の分散安定性や調製容易性等の観点から、D95/D10は1.50以上が適当であり、1.80以上(例えば2.00以上)が好ましい。
上記研磨用組成物中の粒子のD50,D95およびD10の各々は、ここに開示される好ましい粒子径分布を実現し得るものであればよく、特に限定されない。なお、D10,D50およびD95は、原理上、D10≦D50≦D95の関係にある。
研磨速度の観点から、D50は10nm超であることが好ましく、より好ましくは20nm超である。より高い研磨効果を得る観点から、D50は30nm以上が好ましく、35nm以上がより好ましいい。また、より平滑性の高い表面(例えば、よりヘイズの低い表面)を実現しやすい等の観点から、D50は、90nm以下が適当であり、80nm以下が好ましく、70nm以下がより好ましい。
研磨速度等の観点から、D95は50nm以上が好ましく、60nm以上(例えば65nm以上)がより好ましい。また、スクラッチ低減等の観点から、D95は120nm以下が適当であり、110nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。
D10は、典型的には10nm以上であり、研磨効率等の観点から20nm以上が適当である。研磨用組成物の調製容易性等の観点から、D10は60nm未満が適当であり、50nm未満が好ましい。
特に限定するものではないが、ここに開示される研磨用組成物は、上記粒子の体積平均粒子径Dと砥粒の平均二次粒子径DP2との差が20nm以下となる態様で好ましく実施され得る。D−DP2が15nm以下(典型的には0〜15nm)であることがより好ましいD−DP2が小さい(すなわち、砥粒と水溶性ポリマーとが吸着することによる体積平均粒子径の変化が過大ではない)研磨用組成物は、粗大な粒子の存在量が少ない傾向にあるので好ましい。かかる研磨用組成物によると、より高品位な研磨面が実現され得る。
特に限定するものではないが、ここに開示される研磨用組成物は、上記粒子の50%累積径D50に対する該粒子の体積平均粒子径Dの比(D/D50)が1.40以下(例えば1.20以下)であることが好ましい。上記比(D/D50)が小さい研磨用組成物は、粗大な粒子が少ない傾向にあるので好ましい。なお、D/D50の下限は、原理上1である。
<研磨用組成物の調製>
ここに開示される研磨用組成物は、所望のDを満たす研磨用組成物を得ることのできる適宜の方法により製造することができる。例えば、翼式攪拌機、超音波分散機、ホモミキサー等の周知の混合装置を用いて、研磨用組成物に含まれる各成分を混合するとよい。これらの成分を混合する態様は特に限定されず、例えば全成分を一度に混合してもよく、適宜設定した順序で混合してもよい。
特に限定するものではないが、塩基性化合物を含む組成の研磨用組成物については、所望のDを満たす研磨用組成物を安定して(再現性よく)製造する観点から、例えば以下の製造方法を好ましく採用することができる。
ここに開示される研磨用組成物製造方法は、その製造目的たる研磨用組成物が砥粒と水溶性ポリマーと塩基性化合物と水とを含み、該研磨用組成物は、粒子として、砥粒や砥粒および水溶性高分子からなる粒体等を含んでおり、上記砥粒の含有量が0.2質量%となる濃度において動的光散乱法により測定される上記粒子の体積平均粒子径Dが20nm〜60nmである研磨用組成物の製造に好ましく適用され得る。その製造方法では、砥粒(例えばシリカ粒子)と塩基性化合物と水とを含む分散液(以下「塩基性砥粒分散液」ともいう。)を用意し、この塩基性砥粒分散液と水溶性ポリマーとを混合する。
このように砥粒と塩基性化合物とが共存している塩基性砥粒分散液は、上記塩基性化合物により上記砥粒の静電反撥が強められているので、塩基性化合物を含まない(典型的にはほぼ中性の)砥粒分散液に比べて砥粒の分散安定性が高い。このため、中性の砥粒分散液に水溶性ポリマーを加えた後に塩基性化合物を加える態様や、中性の砥粒分散液と水溶性ポリマーと塩基性化合物とを一度に混合する態様に比べて、砥粒の局所的な凝集が生じにくい。したがって、塩基性砥粒分散液に水溶性ポリマーを混合する上記方法によると、砥粒と水溶性ポリマーとの吸着を均一に進行させることができ、所望のDを満たす研磨用組成物を安定して(再現性よく)製造することができる。
なお、上記水溶性ポリマーは、あらかじめ水に溶解した水溶液(以下「ポリマー水溶液」ともいう。)の形態で塩基性砥粒分散液と混合することが好ましい。このことによって、砥粒の局所的な凝集がよりよく抑制され、砥粒と水溶性ポリマーとの吸着をより均一に進行させることができる。
塩基性砥粒分散液とポリマー水溶液とを混合する際には、塩基性砥粒分散液に対してポリマー水溶液を添加することが好ましい。かかる混合方法によると、例えばポリマー水溶液に対して塩基性砥粒分散液を添加する混合方法に比べて、砥粒と水溶性ポリマーとの吸着をより均一に進行させることができる。砥粒がシリカ粒子(例えばコロイダルシリカ粒子)である場合には、上記のように塩基性砥粒分散液に対してポリマー水溶液を添加する混合方法を採用することが特に有意義である。
上記塩基性砥粒分散液は、製造目的たる研磨用組成物を構成する砥粒、水溶性ポリマー、塩基性化合物および水のうち、砥粒の少なくとも一部と、塩基性化合物の少なくとも一部と、水の少なくとも一部とを含有する。例えば、上記砥粒分散液が、研磨用組成物を構成する砥粒の全部と、塩基性化合物の少なくとも一部と、水の少なくとも一部とを含有する態様を好ましく採用し得る。
塩基性砥粒分散液中における塩基性化合物の含有量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。塩基性化合物の含有量の増加によって、研磨用組成物の調製時における局所的な凝集の発生がよりよく抑制される傾向となる。また、塩基性砥粒分散液中における塩基性化合物の含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。塩基性化合物の含有量の低下によって、研磨用組成物中における塩基性化合物の含有量の調整が容易となる。
塩基性砥粒分散液のpHは、8以上が好ましく、より好ましくは9以上である。pHの上昇によって、この塩基性砥粒分散液に水溶性ポリマーまたはその水溶液を添加した場合に、局所的な凝集の発生がよりよく抑制される傾向となる。したがって、砥粒と水溶性ポリマーとの吸着をより均一に進行させ、所望のDを満たす研磨用組成物をより安定して製造することができる。塩基性砥粒分散液のpHは、12以下が好ましく、より好ましくは11.5以下であり、さらに好ましくは10.5以下である。塩基性砥粒分散液のpHを塩基性側においてより低く設定することにより、該分散液の調製に必要な塩基性化合物の量が少なくなるので、研磨用組成物中における塩基性化合物の含有量の調整が容易となる。また、例えば砥粒がシリカ粒子である場合、pHが高すぎないことはシリカの溶解を抑制する観点からも有利である。混合物のpHは、塩基性化合物の配合量等により調整することができる。
かかる塩基性砥粒分散液は、砥粒と塩基性化合物と水とを混合することにより調製することができる。上記混合には、例えば翼式攪拌機、超音波分散機、ホモミキサー等の周知の混合装置を用いることができる。塩基性砥粒分散液に含まれる各成分を混合する態様は特に限定されず、例えば全成分を一度に混合してもよく、適宜設定した順序で混合してもよい。好ましい一態様の一例として、砥粒と水とを含むほぼ中性の分散液と、塩基性化合物またはその水溶液とを混合する態様が挙げられる。
上記水溶性ポリマーを塩基性砥粒分散液に水溶液(ポリマー水溶液)の形態で混合する場合、そのポリマー水溶液中における水溶性ポリマーの含有量は、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.1質量%以上である。水溶性ポリマーの含有量の増加によって、研磨用組成物中における水溶性ポリマーの含有量の調整が容易となる。ポリマー水溶液中における水溶性ポリマーの含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。水溶性ポリマーの含有量の減少によって、このポリマー水溶液を塩基性砥粒分散液と混合する際に、砥粒の局所的な凝集がよりよく抑制される傾向となる。
上記ポリマー水溶液は、好ましくは中性付近から塩基性付近の液性に調整され、より好ましくは塩基性に調整される。より具体的には、ポリマー水溶液のpHは、8以上が好ましく、より好ましくは9以上である。pH調整は、典型的には、研磨用組成物を構成する塩基性化合物の一部を用いて行うことができる。ポリマー水溶液のpHの上昇によって、塩基性砥粒分散液にポリマー水溶液を添加した場合に、砥粒の局所的な凝集がよりよく抑制され得る。このことによって、砥粒と水溶性ポリマーとの吸着をより均一に進行させ、所望のDを満たす研磨用組成物をより安定して製造することができる。ポリマー水溶液のpHは、12以下が好ましく、より好ましくは10.5以下である。ポリマー水溶液のpHが塩基性側において低くなると、該ポリマー水溶液の調製に必要な塩基性化合物の量が少なくなるため、研磨用組成物中における塩基性化合物の含有量の調整が容易となる。また、例えば砥粒がシリカ粒子である場合、pHが高すぎないことはシリカの溶解を抑制する観点からも有利である。
塩基性砥粒分散液にポリマー水溶液を投入する際の速度(供給レート)は、該分散液1Lに対してポリマー水溶液500mL/分以下とすることが好ましく、より好ましくは100mL/分以下、さらに好ましくは50mL/分以下である。投入速度の減少によって、砥粒の局所的な凝集をよりよく抑制することができる。
好ましい一態様において、ポリマー水溶液は、塩基性砥粒分散液に投入する前に濾過することができる。ポリマー水溶液を濾過することにより、該ポリマー水溶液中に含まれる異物や凝集物の量を低減することができる。このことによって、砥粒と水溶性ポリマーとの吸着をより均一に進行させ、所望のDを満たす研磨用組成物をより安定して製造することができる。
濾過の方法は特に限定されず、例えば、常圧で行う自然濾過の他、吸引濾過、加圧濾過、遠心濾過等の公知の濾過方法を適宜採用することができる。濾過に用いるフィルタは、目開きを基準に選択されることが好ましい。研磨用組成物の生産効率の観点から、フィルタの目開きは、0.05μm以上が好ましく、より好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは0.2μmである。また、異物や凝集物の除去効果を高める観点から、フィルタの目開きは、100μm以下が好ましく、より好ましくは70μm以下、さらに好ましくは50μm以下である。フィルタの材質や構造は特に限定されない。フィルタの材質としては、例えば、セルロース、ナイロン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリカーボネート、ガラス等が挙げられる。フィルタの構造としては、例えばデプス、プリーツ、メンブレン等が挙げられる。
上記で説明した研磨用組成物製造方法は、塩基性砥粒分散液と水溶性ポリマーまたはその水溶液とを混合して得られる研磨用組成物が研磨液(ワーキングスラリー)またはこれとほぼ同じNVである場合にも、後述する濃縮液である場合にも適用され得る。塩基性砥粒分散液と水溶性ポリマーまたはその水溶液とを混合して濃縮液を得、その濃縮液を希釈して研磨液を調製する場合であっても、上記濃縮液の調製において上述の手順(すなわち、まず砥粒と塩基性化合物とを含む塩基性砥粒分散液を用意し、これに水溶性ポリマーまたはその水溶液を混合するという手順)を適用することにより、砥粒と水溶性ポリマーとの吸着を均一に進行させることができる。このようにして調製された濃縮液を希釈することにより、所望のDを満たす研磨液を安定して(再現性よく)製造することができる。
<研磨>
ここに開示される研磨用組成物は、例えば以下の操作を含む態様で、研磨対象物の研磨に好適に使用することができる。以下、ここに開示される研磨用組成物を用いて研磨対象物を研磨する方法の好適な一態様につき説明する。
すなわち、ここに開示されるいずれかの研磨用組成物を含む研磨液(典型的にはスラリー状の研磨液であり、研磨スラリーと称されることもある。)を用意する。上記研磨液を用意することには、上述のように、研磨用組成物に濃度調整(例えば希釈)、pH調整等の操作を加えて研磨液を調製することが含まれ得る。あるいは、研磨用組成物をそのまま研磨液として使用してもよい。
次いで、その研磨液を研磨対象物に供給し、常法により研磨する。例えば、シリコンウエハのファイナルポリシングを行う場合には、ラッピング工程および1次ポリシング工程を経たシリコンウエハを一般的な研磨装置にセットし、該研磨装置の研磨パッドを通じて上記シリコンウエハの表面(研磨対象面)に研磨液を供給する。典型的には、上記研磨液を連続的に供給しつつ、シリコンウエハの表面に研磨パッドを押しつけて両者を相対的に移動(例えば回転移動)させる。かかる研磨工程を経て研磨対象物の研磨が完了する。
上述のような研磨工程は、研磨物(例えば、シリコンウエハ等の基板)の製造プロセスの一部であり得る。したがって、この明細書によると、上記研磨工程を含む研磨物の製造方法(好適には、シリコンウエハの製造方法)が提供される。
ここに開示される研磨物製造方法の好ましい一態様において、上記研磨工程において研磨対象物に供給される研磨液として、砥粒と水溶性ポリマーと水とを含み、該研磨液は粒子として砥粒や砥粒および水溶性ポリマーからなる粒体等を含んでおり、動的光散乱法により測定される上記粒子の体積平均粒子径Dが20nm〜60nmである研磨液を好ましく使用することができる。この研磨液の砥粒濃度は特に限定されず、例えば0.05〜5質量%程度であり得る。すなわち、ここに開示される研磨物製造方法は、実際に研磨対象物に供給される研磨液について測定される体積平均粒子径Dが上記範囲にある態様で好ましく実施され得る。かかる態様によると、微小欠陥の発生が特に効果的に抑制された研磨物(例えばシリコンウエハ)が製造され得る。
なお、ここに開示される研磨用組成物を含む研磨液を用いた研磨工程で使用される研磨パッドは、特に限定されない。例えば、不織布タイプ、スウェードタイプ、砥粒を含むもの、砥粒を含まないもの等のいずれを用いてもよい。
<洗浄>
ここに開示される研磨用組成物を用いて研磨された研磨物は、典型的には、研磨後に洗浄される。この洗浄は、適当な洗浄液を用いて行うことができる。使用する洗浄液は特に限定されず、例えば、半導体等の分野において一般的なSC−1洗浄液(水酸化アンモニウム(NHOH)と過酸化水素(H)と水(HO)との混合液。以下、SC−1洗浄液を用いて洗浄することを「SC−1洗浄」という。)、SC−2洗浄液(HClとHとHOとの混合液。)等を用いることができる。洗浄液の温度は、例えば常温〜90℃程度とすることができる。洗浄効果を向上させる観点から、50℃〜85℃程度の洗浄液を好ましく使用し得る。
<濃縮液>
ここに開示される研磨用組成物は、研磨対象物に供給される前には濃縮された形態(すなわち、研磨液の濃縮液の形態)であってもよい。このように濃縮された形態の研磨用組成物は、製造、流通、保存等の際における利便性やコスト低減等の観点から有利である。濃縮倍率は、例えば、体積換算で2倍〜100倍程度とすることができ、通常は5倍〜50倍程度が適当である。好ましい一態様に係る研磨用組成物の濃縮倍率は10倍〜30倍であり、例えば15倍〜25倍である。
このように濃縮液の形態にある研磨用組成物は、所望のタイミングで希釈して研磨液を調製し、その研磨液を研磨対象物に供給する態様で使用することができる。上記希釈は、典型的には、上記濃縮液に前述の水系溶媒を加えて混合することにより行うことができる。また、上記水系溶媒が混合溶媒である場合、該水系溶媒の構成成分のうち一部の成分のみを加えて希釈してもよく、それらの構成成分を上記水系溶媒とは異なる量比で含む混合溶媒を加えて希釈してもよい。
上記濃縮液のNVは、例えば50質量%以下とすることができる。研磨用組成物の安定性(例えば、砥粒の分散安定性)や濾過性等の観点から、通常、濃縮液のNVは、40質量%以下とすることが適当であり、30質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以下、例えば15質量%以下である。また、製造、流通、保存等の際における利便性やコスト低減等の観点から、濃縮液のNVは、0.5質量%以上とすることが適当であり、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、例えば5質量%以上である。
上記濃縮液における砥粒の含有量は、例えば50質量%以下とすることができる。研磨用組成物の安定性(例えば、砥粒の分散安定性)や濾過性等の観点から、通常、上記含有量は、好ましくは45質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下である。好ましい一態様において、砥粒の含有量を30質量%以下としてもよく、20質量%以下(例えば15質量%以下)としてもよい。また、製造、流通、保存等の際における利便性やコスト低減等の観点から、砥粒の含有量は、例えば0.5質量%以上とすることができ、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上(例えば5質量%以上)である。
上記濃縮液における水溶性ポリマーの含有量は、例えば3質量%以下とすることができる。研磨用組成物の濾過性や洗浄性等の観点から、通常、上記含有量は、好ましくは1質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以下である。また、上記含有量は、製造、流通、保存等の際における利便性やコスト低減等の観点から、通常は1×10−3質量%以上であることが適当であり、好ましくは5×10−3質量%以上、より好ましくは1×10−2質量%以上である。
ここに開示される研磨用組成物は、一剤型であってもよいし、二剤型を始めとする多剤型であってもよい。例えば、該研磨用組成物の構成成分(典型的には、水系溶媒以外の成分)のうち一部の成分を含むA液と、残りの成分を含むB液とが混合されて研磨対象物の研磨に用いられるように構成されていてもよい。ここに開示される技術は、例えば、一剤型の研磨用組成物の形態で好ましく実施され得る。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。なお、以下の説明において「部」および「%」は、特に断りがない限り質量基準である。
<研磨用組成物の調製>
(実施例1)
砥粒としてのコロイダルシリカを20%の濃度で含み、塩基性化合物としてのアンモニア(NH)を29%の濃度で含むアンモニア水を加えてpH9.0に調整したコロイダルシリカ分散液を用意した。上記コロイダルシリカの平均一次粒子径は23nmであり、平均二次粒子径は45nmであった。上記平均一次粒子径は、マイクロメリテックス社製の表面積測定装置、商品名「Flow Sorb II 2300」を用いて測定されたものであり、上記平均二次粒子径は、上記コロイダルシリカ分散液を測定サンプルとして、日機装株式会社製の型式「UPA−UT151」を用いて測定された体積平均二次粒子径である(以下の例において同じ。)。
上記コロイダルシリカ分散液にさらにアンモニア水を加えて、pH10.3の塩基性分散液を調製した。ヒドロキシエチルセルロース(Mw25×10;以下「HEC−A」と表記することがある。)を1.5%の濃度で含みアンモニアでpH9.0に調整したポリマー水溶液を用意し、このポリマー水溶液を上記塩基性分散液に添加して混合した。さらに超純水を加えて、砥粒濃度3.5%の研磨用組成物濃縮液を調製した。この濃縮液を、砥粒濃度が0.2%となるように超純水で希釈して、表1に示す組成の研磨液を調製した。水溶性ポリマーおよびアンモニア水の使用量は、研磨液中における水溶性ポリマーの含有量が0.010%、アンモニアの含有量が0.005%(砥粒100部に対してそれぞれ5部および2.5部)となるように調整した。得られた研磨液のpHは10.1であった。
このようにして得られた研磨液(砥粒濃度0.2%)を測定サンプルとして、日機装株式会社製の型式「UPA−UT151」により動的光散乱法に基づく粒子径測定を行った。その結果、上記測定サンプルに含まれる粒子の体積平均粒子径Dは56nmであった。表1には、研磨液の組成とともに、砥粒の平均一次粒子径DP1、砥粒の平均二次粒子径DP2および上記測定サンプルに含まれる粒子の体積平均粒子径Dの測定値を示している(以下の例において同じ。)。
(実施例2)
実施例1のポリマー水溶液に代えて、HEC−Aを1.5%の濃度で含みアンモニアでpH9.0に調整したポリマー水溶液と、界面活性剤の水溶液とを使用した。界面活性剤としてはPEO−PPO−PEOブロック共重合体(Mw9000)を使用し、その使用量は研磨液中の含有量が0.001%(砥粒100部に対して0.5部)となるように調整した。その他の点は実施例1と同様にして、表1に示す組成の研磨液を調製した。実施例1と同様にして測定した粒子の体積平均粒子径Dは57nmであった。
(実施例3)
実施例2において、使用するポリマー水溶液に含まれるHEC−Aの濃度を0.5倍に変更した。その他の点は実施例2と同様にして、表1に示す組成の研磨液を調製した。実施例1と同様にして測定した粒子の体積平均粒子径Dは57nmであった。
(実施例4)
実施例2において、使用するポリマー水溶液に含まれるHEC−Aの濃度を1.5倍に変更した。その他の点は実施例2と同様にして、表1に示す組成の研磨液を調製した。実施例1と同様にして測定した粒子の体積平均粒子径Dは58nmであった。
(実施例5)
実施例2において、HEC−Aに代えてポリビニルアルコール(Mw1.3×10、けん化度95モル%以上;以下「PVA−1」と表記することがある。)を2%の濃度で含むポリマー水溶液を使用した。その他の点は実施例2と同様にして、表1に示す組成の研磨液を調製した。実施例1と同様にして測定した粒子の体積平均粒子径Dは46nmであった。
(比較例1)
砥粒としてのコロイダルシリカ(平均一次粒子径35nm、平均二次粒子径66nm)を20%の濃度で含むpH9.0のコロイダルシリカ分散液に、塩基性化合物としてのアンモニア(NH)を29%の濃度で含むアンモニア水を加えて、pH10.3の塩基性分散液を調製した。HEC−Aを1.5%の濃度で含みアンモニアでpH9.0に調整したポリマー水溶液を用意し、このポリマー水溶液を上記塩基性分散液に添加して混合した。さらに超純水を加えて、砥粒濃度9.2%の研磨用組成物濃縮液を調製した。この濃縮液を、砥粒濃度が0.5%となるように超純水で希釈して、表1に示す組成の研磨液を調製した。水溶性ポリマーおよびアンモニア水の使用量は、単位体積の研磨液中に含まれる砥粒の表面積当たりの水溶性ポリマーおよびアンモニアの含有量が実施例1の研磨液と概ね同程度となるように調整した。具体的には、研磨液中における含有量(濃度)がそれぞれ0.020%および0.010%となるように調整した。
この研磨液を超純水でさらに希釈して砥粒濃度0.2%に調整したものを測定サンプルとして、日機装株式会社製の型式「UPA−UT151」により動的光散乱法に基づく粒子径測定を行った。その結果、上記測定サンプルに含まれる粒子の体積平均粒子径Dは80nmであった。
(比較例2)
比較例1のポリマー水溶液に代えて、HEC−Aを1.5%の濃度で含みアンモニアでpH9.0に調整したポリマー水溶液と、界面活性剤の水溶液とを使用した。界面活性剤としては、PEO−PPO−PEOブロック共重合体(Mw9000)を使用し、その使用量は研磨液中の含有量が0.002%となるように調整した。その他の点は比較例1と同様にして、表1に示す組成の研磨液を調製した。比較例1と同様にして測定した粒子の体積平均粒子径Dは72nmであった。
(比較例3)
砥粒としてのコロイダルシリカ(平均一次粒子径12nm、平均二次粒子径28nm)を20%の濃度で含むpH9.0のコロイダルシリカ分散液に、塩基性化合物としてのアンモニア(NH)を29%の濃度で含むアンモニア水を加えて、pH10.3の塩基性分散液を調製した。この塩基性分散液に、Mwが100×10のヒドロキシエチルセルロース(以下「HEC−B」と表記することがある。)を1%の濃度で含むpH7.0のポリマー水溶液と、界面活性剤の水溶液とを加えた。界面活性剤としては、PEO−PPO−PEOブロック共重合体(Mw9000)を使用した。さらに超純水を加えて、砥粒濃度3.5%の研磨用組成物濃縮液を調製した。この濃縮液を、砥粒濃度が0.2%となるように超純水で希釈して、表1に示す組成の研磨液を調製した。実施例1と同様にして測定した粒子の体積平均粒子径Dは65nmであった。
(比較例4)
実施例2において、HEC−Aに代えてHEC−Bを使用した。その他の点は実施例2と同様にして、表1に示す組成の研磨液を調製した。実施例1と同様にして測定した粒子の体積平均粒子径Dは71nmであった。
(比較例5)
砥粒としてのコロイダルシリカ(平均一次粒子径35nm、平均二次粒子径66nm)を20%の濃度で含むpH9.0のコロイダルシリカ分散液に、塩基性化合物としてのアンモニア(NH)を29%の濃度で含むアンモニア水を加えて、pH10.3の塩基性分散液を調製した。この塩基性分散液に、HEC−Bを1%の濃度で含むpH7.0のポリマー水溶液と、界面活性剤の水溶液とを加えた。界面活性剤としては、PEO−PPO−PEOブロック共重合体(Mw9000)を使用した。さらに超純水を加えて、砥粒濃度9.2%の研磨用組成物濃縮液を調製した。この濃縮液を、砥粒濃度が0.5%となるように超純水で希釈して、表1に示す組成の研磨液を調製した。比較例1と同様にして測定した粒子の体積平均粒子径Dは90nmであった。
(実施例6)
水溶性ポリマーとしてMwが7×10のポリアクリロイルモルホリン(以下「PACMO−1」と表記することがある。)を使用した他は実施例2と同様にして、表2に示す組成の研磨液を調製した。実施例1と同様にして測定した粒子の体積平均粒子径Dは48nmであった。
(実施例7)
水溶性ポリマーとしてMwが1.3×10のポリビニルアルコール(ビニルアルコール単位80モル%、ヘキサン酸ビニル単位20モル%;以下「PVA−2」と表記することがある。)を使用した他は実施例2と同様にして、表2に示す組成の研磨液を調製した。実施例1と同様にして測定した粒子の体積平均粒子径Dは46nmであった。
(実施例8)
水溶性ポリマーとしてMwが0.5×10のポリビニルアルコール(ビニルアルコール単位80モル%、ヘキサン酸ビニル単位20モル%;以下「PVA−3」と表記することがある。)を使用した他は実施例2と同様にして、表2に示す組成の研磨液を調製した。実施例1と同様にして測定した粒子の体積平均粒子径Dは46nmであった。
(実施例9)
水溶性ポリマーとしてPVA−3およびMwが6×10のポリビニルピロリドン(PVP)を使用した他は実施例2と同様にして、表2に示す組成の研磨液を調製した。実施例1と同様にして測定した粒子の体積平均粒子径Dは46nmであった。
(実施例10)
水溶性ポリマーとしてHEC−AおよびMwが8×10のポリアクリロイルモルホリン(以下「PACMO−2」と表記することがある。)を使用した他は実施例2と同様にして、表2に示す組成の研磨液を調製した。希釈倍率を調節することにより砥粒濃度0.2%に調整した測定サンプルについて比較例1と同様に測定した粒子の体積平均粒子径Dは51nmであった。
(実施例11)
水溶性ポリマーとしてHEC−AおよびPVPを使用した他は実施例2と同様にして、表2に示す組成の研磨液を調製した。希釈倍率を調節することにより砥粒濃度0.2%に調整した測定サンプルについて比較例1と同様に測定した粒子の体積平均粒子径Dは50nmであった。
<シリコンウエハの研磨>
各例に係る研磨液を用いて、シリコンウエハの表面を下記の条件で研磨した。シリコンウエハとしては、直径が300mm、伝導型がP型、結晶方位が<100>、抵抗率が0.1Ω・cm以上100Ω・cm未満であるものを、研磨スラリー(株式会社フジミインコーポレーテッド製、商品名「GLANZOX 2100」)を用いて予備研磨を行うことにより表面粗さ0.1nm〜10nmに調整して使用した。
[研磨条件]
研磨機:株式会社岡本工作機械製作所製の枚葉研磨機、型式「PNX−332B」
研磨テーブル:上記研磨機の有する3テーブルのうち後段の2テーブルを用いて、予備研磨後のファイナル研磨1段目および2段目を実施した。
(以下の条件は各テーブル同一である。)
研磨荷重:15kPa
定盤回転数:30rpm
ヘッド回転数:30rpm
研磨時間:2分
研磨液の温度:20℃
研磨液の供給速度:2.0リットル/分(掛け流し使用)
<洗浄>
研磨後のシリコンウエハを、NHOH(29%):H(31%):脱イオン水(DIW)=1:3:30(体積比)の洗浄液を用いて洗浄した(SC−1洗浄)。より具体的には、周波数950kHzの超音波発振器を取り付けた洗浄槽を2つ用意し、それら第1および第2の洗浄槽の各々に上記洗浄液を収容して60℃に保持し、研磨後のシリコンウエハを第1の洗浄槽に6分、その後超純水と超音波によるリンス槽を経て、第2の洗浄槽に6分、それぞれ上記超音波発振器を作動させた状態で浸漬した。
<微小欠陥検査>
洗浄後のシリコンウエハの表面を、レーザーテック社製のウエハ欠陥検査装置、商品名「MAGICS M5350」を用いて検査した。その結果を、直径300mmのシリコンウエハ表面において検出された微小欠陥の数に基づいて、以下の5段階で表1、表2に示した。
A++:検出数100個未満
A+:検出数100個以上150個未満
A:検出数150個以上200個未満
B:検出数200個以上500個未満
C:検出数500個以上
<ヘイズ測定>
洗浄後のシリコンウエハ表面につき、ケーエルエー・テンコール社製のウエハ検査装置、商品名「Surfscan SP2」を用いて、DWOモードでヘイズ(ppm)を測定した。その測定結果を以下の3段階で表1、表2に示した。
A:0.10ppm未満
B:0.10ppm以上0.12ppm未満
C:0.12ppm以上
Figure 2014126051
Figure 2014126051
表1から明らかなように、研磨用組成物中に含まれる粒子のDが20nm〜60nm(より具体的には35nm〜60nm)の範囲にある実施例1〜5の研磨液を用いることにより、よりDの大きな研磨液を用いた比較例1〜5に比べて微小欠陥の検出数を有意に低減する効果が得られた。実施例1と2の比較からわかるように、界面活性剤(ここではMw9000のPEO−PPO−PEOブロック共重合体)の使用により、優れた微小欠陥低減効果を維持しつつヘイズを低減する効果が得られた。実施例2〜4によると、微小欠陥の低減とヘイズの低減とを特に高レベルで両立させることができた。
表2に示す実施例6〜11においても、研磨用組成物中に含まれる粒子のDが20nm〜60nm(より具体的には35nm〜60nm)の範囲にある研磨液によると微小欠陥の検出数を有意に低減する効果が得られることが確認された。
これに対して、Dが60nmよりも大きい研磨液を用いた比較例3〜5は、ヘイズの点では実施例1,5と同等のレベルであるものの、実施例1〜5に比べて微小欠陥の検出数が明らかに多かった。また、比較例1,2は、比較例3〜5に比べて微小欠陥は少なかったが、実施例1〜5に比べてヘイズが高く、微小欠陥の低減とヘイズの低減とを高度に両立させることはできかった。なお、比較例2,3において、砥粒の平均二次粒子径は実施例1〜5と同程度またはより小さいにもかかわらず、研磨用組成物中に含まれる粒子のサイズ(D)が過大となった原因として、比較例2,3に使用した水溶性ポリマーのMwが大きかったことが考えられる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

Claims (7)

  1. 砥粒と水溶性ポリマーと水とを含む研磨用組成物であって、
    前記研磨用組成物は、前記砥粒の含有量が0.2質量%となる濃度において動的光散乱法により測定される前記研磨用組成物中に含まれる粒子の体積平均粒子径Dが20nm〜60nmである、研磨用組成物。
  2. 前記砥粒の平均一次粒子径DP1は15nm〜30nmである、請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 前記砥粒の平均二次粒子径DP2は20nm〜50nmである、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
  4. 前記水溶性ポリマーの重量平均分子量は1×10〜80×10である、請求項1から3のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  5. さらに塩基性化合物を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
  6. 砥粒と水溶性ポリマーと塩基性化合物と水とを含む研磨用組成物の製造方法であって:
    前記砥粒と前記塩基性化合物と水を含む分散液を用意すること;
    前記水溶性ポリマーと水とを含む水溶液を用意すること;および
    前記分散液に対して前記水溶液を添加して混合すること;
    を包含し、
    ここで、前記研磨用組成物は、前記砥粒の含有量が0.2質量%となる濃度において動的光散乱法により測定される前記研磨用組成物中に含まれる粒子の体積平均粒子径Dが20nm〜60nmである、研磨用組成物製造方法。
  7. 研磨対象物に研磨液を供給すること;および
    前記研磨対象物の表面を前記研磨液で研磨すること;
    を包含する研磨物製造方法であって、
    ここで、前記研磨対象物に供給される研磨液として、
    砥粒と水溶性ポリマーと水とを含み、
    動的光散乱法により測定される体積平均粒子径Dが20nm〜60nmである粒子を含有する研磨液を使用する、研磨物製造方法。
JP2015500230A 2013-02-13 2014-02-10 研磨用組成物、研磨用組成物製造方法および研磨物製造方法 Active JP5897200B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015500230A JP5897200B2 (ja) 2013-02-13 2014-02-10 研磨用組成物、研磨用組成物製造方法および研磨物製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013026020 2013-02-13
JP2013026020 2013-02-13
PCT/JP2014/053065 WO2014126051A1 (ja) 2013-02-13 2014-02-10 研磨用組成物、研磨用組成物製造方法および研磨物製造方法
JP2015500230A JP5897200B2 (ja) 2013-02-13 2014-02-10 研磨用組成物、研磨用組成物製造方法および研磨物製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016038583A Division JP6387032B2 (ja) 2013-02-13 2016-03-01 研磨用組成物、研磨用組成物製造方法および研磨物製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5897200B2 JP5897200B2 (ja) 2016-03-30
JPWO2014126051A1 true JPWO2014126051A1 (ja) 2017-02-02

Family

ID=51354053

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015500230A Active JP5897200B2 (ja) 2013-02-13 2014-02-10 研磨用組成物、研磨用組成物製造方法および研磨物製造方法
JP2016038583A Active JP6387032B2 (ja) 2013-02-13 2016-03-01 研磨用組成物、研磨用組成物製造方法および研磨物製造方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016038583A Active JP6387032B2 (ja) 2013-02-13 2016-03-01 研磨用組成物、研磨用組成物製造方法および研磨物製造方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20150376464A1 (ja)
EP (1) EP2957613B1 (ja)
JP (2) JP5897200B2 (ja)
KR (1) KR102226441B1 (ja)
CN (1) CN104995277B (ja)
SG (1) SG11201506001VA (ja)
TW (1) TWI624536B (ja)
WO (1) WO2014126051A1 (ja)

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10717899B2 (en) 2013-03-19 2020-07-21 Fujimi Incorporated Polishing composition, method for producing polishing composition and polishing composition preparation kit
US10351732B2 (en) 2013-03-19 2019-07-16 Fujimi Incorporated Polishing composition, method for producing polishing composition and polishing composition preparation kit
JP6314019B2 (ja) * 2014-03-31 2018-04-18 ニッタ・ハース株式会社 半導体基板の研磨方法
JP6185432B2 (ja) 2014-06-24 2017-08-23 株式会社フジミインコーポレーテッド シリコンウェーハ研磨用組成物
EP3227098B1 (en) * 2014-12-05 2022-06-15 3M Innovative Properties Company Abrasive composition
WO2016181888A1 (ja) * 2015-05-08 2016-11-17 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物
JP6582601B2 (ja) * 2015-06-22 2019-10-02 日立化成株式会社 研磨液、貯蔵液及び研磨方法
WO2017002433A1 (ja) * 2015-07-01 2017-01-05 東亞合成株式会社 研磨用濡れ剤及び研磨液組成物
EP3448673B1 (en) 2016-04-28 2022-06-08 NatureWorks LLC Polymer foam insulation structure having a facing of a multi-layer sheet that contains a heat resistant polymer layer and a polylactide resin layer
CN110167879A (zh) * 2016-10-28 2019-08-23 株式会社德山 气相二氧化硅及其制备方法
JP6792413B2 (ja) * 2016-10-31 2020-11-25 花王株式会社 シリコンウェーハ用研磨液組成物
JP7061965B2 (ja) * 2016-11-22 2022-05-02 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物
KR102565682B1 (ko) * 2017-02-20 2023-08-11 가부시키가이샤 후지미인코퍼레이티드 실리콘 기판 중간 연마용 조성물 및 실리콘 기판 연마용 조성물 세트
JP7074525B2 (ja) 2017-03-30 2022-05-24 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物および研磨方法
JP6879798B2 (ja) * 2017-03-30 2021-06-02 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物および研磨方法
WO2018216733A1 (ja) * 2017-05-26 2018-11-29 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物およびこれを用いた研磨方法
CH713822A2 (fr) * 2017-05-29 2018-11-30 Swatch Group Res & Dev Ltd Dispositif et procédé d'ajustement de marche et correction d'état d'une montre.
JP7227132B2 (ja) * 2017-07-21 2023-02-21 株式会社フジミインコーポレーテッド 基板の研磨方法および研磨用組成物セット
KR20220066438A (ko) * 2017-08-14 2022-05-24 쇼와덴코머티리얼즈가부시끼가이샤 연마액, 연마액 세트 및 연마 방법
JP6929239B2 (ja) * 2018-03-30 2021-09-01 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物および研磨方法
JPWO2020009055A1 (ja) * 2018-07-04 2021-08-05 住友精化株式会社 研磨用組成物
JP7424768B2 (ja) * 2019-08-08 2024-01-30 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用添加剤含有液の濾過方法、研磨用添加剤含有液、研磨用組成物、研磨用組成物の製造方法およびフィルタ
EP3792327A1 (en) * 2019-09-11 2021-03-17 Fujimi Incorporated Polishing composition, polishing method and method for manufacturing semiconductor substrate
CN112175524B (zh) * 2020-09-21 2022-02-15 万华化学集团电子材料有限公司 一种蓝宝石抛光组合物及其应用
KR102492236B1 (ko) * 2020-12-17 2023-01-26 에스케이실트론 주식회사 연마장치 및 웨이퍼의 연마방법

Family Cites Families (38)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001185516A (ja) * 1999-12-24 2001-07-06 Kao Corp 研磨助剤
JP2004051756A (ja) * 2002-07-19 2004-02-19 Sanyo Chem Ind Ltd Cmpプロセス用研磨組成物
JP4593064B2 (ja) 2002-09-30 2010-12-08 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物及びそれを用いた研磨方法
JP4212861B2 (ja) * 2002-09-30 2009-01-21 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物及びそれを用いたシリコンウエハの研磨方法、並びにリンス用組成物及びそれを用いたシリコンウエハのリンス方法
JP4668528B2 (ja) 2003-09-05 2011-04-13 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物
JP2005268664A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Fujimi Inc 研磨用組成物
US20070240366A1 (en) * 2004-05-19 2007-10-18 Nissan Chemical Industries, Ltd Composition for Polishing
US20060000808A1 (en) * 2004-07-01 2006-01-05 Fuji Photo Film Co., Ltd. Polishing solution of metal and chemical mechanical polishing method
JP4814502B2 (ja) * 2004-09-09 2011-11-16 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物及びそれを用いた研磨方法
JP2006086462A (ja) * 2004-09-17 2006-03-30 Fujimi Inc 研磨用組成物およびそれを用いた配線構造体の製造法
JP5026665B2 (ja) * 2004-10-15 2012-09-12 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物及びそれを用いた研磨方法
JP4027929B2 (ja) * 2004-11-30 2007-12-26 花王株式会社 半導体基板用研磨液組成物
JP2006352043A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Nitta Haas Inc 半導体研磨用組成物
JP2007073548A (ja) * 2005-09-02 2007-03-22 Fujimi Inc 研磨方法
JP2007095946A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Fujifilm Corp 金属用研磨液及び研磨方法
TW200734436A (en) * 2006-01-30 2007-09-16 Fujifilm Corp Metal-polishing liquid and chemical mechanical polishing method using the same
JP2007214205A (ja) * 2006-02-07 2007-08-23 Fujimi Inc 研磨用組成物
JP5335183B2 (ja) * 2006-08-24 2013-11-06 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物及び研磨方法
JP5204960B2 (ja) * 2006-08-24 2013-06-05 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物及び研磨方法
JP2008091524A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Fujifilm Corp 金属用研磨液
JP5196819B2 (ja) * 2007-03-19 2013-05-15 ニッタ・ハース株式会社 研磨用組成物
KR101564676B1 (ko) * 2008-02-01 2015-11-02 가부시키가이샤 후지미인코퍼레이티드 연마용 조성물 및 이를 이용한 연마 방법
US9202709B2 (en) * 2008-03-19 2015-12-01 Fujifilm Corporation Polishing liquid for metal and polishing method using the same
JP2009231486A (ja) * 2008-03-21 2009-10-08 Kao Corp シリコンウエハ用研磨液組成物
MY155495A (en) * 2008-06-18 2015-10-30 Fujimi Inc Polishing composition and polishing method using the same
JP5474400B2 (ja) * 2008-07-03 2014-04-16 株式会社フジミインコーポレーテッド 半導体用濡れ剤、それを用いた研磨用組成物および研磨方法
JP5362319B2 (ja) * 2008-10-21 2013-12-11 花王株式会社 研磨液組成物
US20100164106A1 (en) * 2008-12-31 2010-07-01 Cheil Industries Inc. CMP Slurry Composition for Barrier Polishing for Manufacturing Copper Interconnects, Polishing Method Using the Composition, and Semiconductor Device Manufactured by the Method
JP2011171689A (ja) * 2009-07-07 2011-09-01 Kao Corp シリコンウエハ用研磨液組成物
JP5493528B2 (ja) * 2009-07-15 2014-05-14 日立化成株式会社 Cmp研磨液及びこのcmp研磨液を用いた研磨方法
JP5441578B2 (ja) * 2009-09-11 2014-03-12 花王株式会社 研磨液組成物
JP5321430B2 (ja) * 2009-12-02 2013-10-23 信越半導体株式会社 シリコンウェーハ研磨用研磨剤およびシリコンウェーハの研磨方法
JP5492603B2 (ja) * 2010-03-02 2014-05-14 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物及びそれを用いた研磨方法
JP5544244B2 (ja) * 2010-08-09 2014-07-09 株式会社フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物および研磨方法
JP2012079964A (ja) * 2010-10-04 2012-04-19 Nissan Chem Ind Ltd 半導体ウェーハ用研磨液組成物
WO2012102144A1 (ja) * 2011-01-26 2012-08-02 株式会社 フジミインコーポレーテッド 研磨用組成物、それを用いた研磨方法及び基板の製造方法
KR20140034231A (ko) * 2011-05-24 2014-03-19 가부시키가이샤 구라레 화학 기계 연마용 부식 방지제, 화학 기계 연마용 슬러리, 및 화학 기계 연마 방법
JP2014041978A (ja) * 2012-08-23 2014-03-06 Fujimi Inc 研磨用組成物、研磨用組成物の製造方法、及び研磨用組成物原液の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
EP2957613B1 (en) 2020-11-18
CN104995277A (zh) 2015-10-21
SG11201506001VA (en) 2015-09-29
KR20150119062A (ko) 2015-10-23
EP2957613A4 (en) 2016-11-09
JP6387032B2 (ja) 2018-09-05
TW201443212A (zh) 2014-11-16
CN104995277B (zh) 2018-05-08
JP2016138278A (ja) 2016-08-04
WO2014126051A1 (ja) 2014-08-21
US20150376464A1 (en) 2015-12-31
KR102226441B1 (ko) 2021-03-12
EP2957613A1 (en) 2015-12-23
TWI624536B (zh) 2018-05-21
JP5897200B2 (ja) 2016-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6387032B2 (ja) 研磨用組成物、研磨用組成物製造方法および研磨物製造方法
JP5890583B2 (ja) 研磨用組成物および研磨物製造方法
JP6360108B2 (ja) シリコンウエハ研磨用組成物
JP6259723B2 (ja) シリコンウェーハの研磨方法、研磨用組成物および研磨用組成物セット
JP5857310B2 (ja) 研磨用組成物およびその製造方法
JP5892638B2 (ja) 研磨用組成物およびその製造方法
JP6110681B2 (ja) 研磨用組成物、研磨用組成物製造方法および研磨物製造方法
JP2017101248A (ja) 研磨用組成物、研磨用組成物製造方法および研磨物製造方法
JP5920840B2 (ja) 研磨用組成物およびその製造方法
JP6255287B2 (ja) 研磨方法およびそれに用いられる研磨用組成物
WO2015005433A1 (ja) 研磨用組成物およびその製造方法
KR101732331B1 (ko) 실리콘 웨이퍼 연마용 조성물
JP6246638B2 (ja) 研磨方法およびそれに用いられる研磨用組成物
KR101753022B1 (ko) 실리콘 웨이퍼 연마용 조성물

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160301

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5897200

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250