以下、第1の実施の形態の調理器例えば一般家庭等での使用に好適なミキサーについて、図1〜図12を参照して詳細に説明する。
図1に示すミキサー1は、閉じ部材を兼ねる駆動装置2と、調理容器41と、蓋51と、加工具61を具備している。
駆動装置2は、筐体3と、AC(交流)/DC(直流)スイッチング電源7と、DC(直流)/DC(直流)コンバータ8と、モータ9と、減圧手段10と、制御装置11と、操作パネル13と、後述する加工具61の支持部として機能する工具連結部材21と、逆止弁23と、解放弁31と、第一のシール材33と、シールリング35と、蓋検知手段37等を備えている。
筐体3は、例えば円筒形状をなした周壁3aと、上壁3bと、閉鎖壁部3cとで形成されている。上壁3bは周壁3aの上端部を閉じている。閉鎖壁部3cは周壁3aの下部を仕切っている。
閉鎖壁部3cより下方に突出された周壁下部3dは周壁3aの下部で作られている。この周壁下部3dの下端は開放されている。周壁下部3dの内周面に雌ねじ部5が形成されている。閉鎖壁部3cはその中央部に上向きの凸部6を有している。この凸部6の内側に形成された空間は下方に開放されている。
AC/DCスイッチング電源7と、DC/DCコンバータ8と、モータ9と、減圧手段10と、制御装置11と、逆止弁23と、解放弁31の一部は、筐体3に内蔵されている。
AC/DCスイッチング電源7に図示しない電源コードを経由して商用交流電源が供給される。AC/DCスイッチング電源7は電力変換装置である。このスイッチング電源7は、半導体スイッチ素子のオン・オフ時間比率(デューティ比)を調整して入力電力から所望の出力電力を得る。
DC/DCコンバータ8は、AC/DCスイッチング電源7から出力される直流出力電圧を別の直流電力に変換する。このDC/DCコンバータ8で得た直流電力は、モータ9、減圧手段10、及び制御装置11、及び操作パネル13等に供給される。
モータ9には電動モータ例えばDC(直流)モータが用いられる。このモータ9には、正逆回転な電動モータを用いることが好ましく、この電動モータは供給される電流の方向によって出力軸の回転を反転させることが可能である。
減圧手段10には例えば電動式の真空ポンプを好適に使用できる。しかし、減圧手段10は、真空ポンプには制約されず、排気動作を営むことできれば、使用可能である。減圧手段10は、DC/DCコンバータ8から供給される直流電力により駆動される。減圧手段10の吐出し口に排気管12が接続され、この排気管12の先端は筐体3の外部に開放されている。
制御装置11には例えばマイクロコンピュータを好適に使用できるが、これに代えてシーケンサを用いることも可能である。マイクロコンピュータ製の制御装置11は、演算部やメモリ等を有している。この制御装置11は、メモリに記憶された各種のプログラムにしたがってモータ9及び減圧手段10の駆動を夫々制御するとともに、操作パネル13での各種の表示を制御する。なお、ミキサー1のモータ9と減圧手段10は手動操作で駆動させることも可能であり、この場合、制御装置11は省略して実施できる。
操作パネル13は、駆動装置2にこの装置の外部から操作ができるように取付けられている。具体的には、筐体3の例えば上壁3bの表面に操作パネル13が取付けられている。なお、操作パネル13は筐体3の周壁3aの表面に取付けることもできる。
この操作パネル13は、図6に例示するようにスタートスイッチ14、停止スイッチ15、調理モード表示部具体的にはミキシングモード表示部16、調理時間表示部17、減圧モード表示部18、及び減圧時間表示部19等を有している。
スタートスイッチ14及び停止スイッチ15は、例えばタッチスイッチからなり、操作者が手指でタッチするたびにオン・オフを繰り返す。スタートスイッチ14がオン操作されることにより、ミキシング等の調理や減圧の動作が制御装置11による制御で開始される。この後、所定の調理時間が経過すると自動的に停止スイッチ15がオンされ、若しくは手動で停止スイッチ15がオン操作されることに伴い、制御装置11による制御で調理動作や減圧動作が停止される。
ミキシングモード表示部16及び減圧モード表示部18は、タッチスイッチとディスプレイを兼ねている。そのため、これらの表示部には、使用者がタッチする度に、制御装置11による制御にしたがって、予め設定されたモードの表示内容が選択されて表示される。
ミキシングモード表示部16及び減圧モード表示部18の表示内容として、例えば「自動」、「手動」、「タイマー」、「なし」が予め設定されている。
ミキシングモード表示部16に「自動」が表示されると、スタートスイッチ14のオン操作に基づいて制御装置11のメモリに予め記憶された調理動作(例えばミキシング動作)を実行する自動運転モードが選択される。それにより、調理動作が開始されるとともに、その停止が自動で実行される。ミキシングモード表示部16に「手動」が表示されると、スタートスイッチ14と停止スイッチ15のタッチ操作にしたがって、調理動作の開始と停止が実行される。ミキシングモード表示部16に「タイマー」が表示されると、調理時間表示部17に表示された調理時間(タイマー設定時間)にしたがって調理動作の開始と停止が自動で実行される。ミキシングモード表示部16に「なし」が表示されると、調理モードは実行されない。
減圧モード表示部18に「自動」が表示されると、スタートスイッチ14のオン操作に基づいて制御装置11のメモリに予め記憶された減圧動作を実行する自動運転モードが選択される。それにより、減圧動作が開始されその停止が自動で実行される。減圧モード表示部18に「手動」が表示されると、スタートスイッチ14と停止スイッチ15のタッチ操作にしたがって、減圧動作の開始と停止が実行される。減圧モード表示部18に「タイマー」が表示されると、減圧時間表示部19に表示された減圧時間にしたがって減圧動作の開始と停止が自動で実行される。減圧モード表示部18に「なし」が表示されると、減圧モードは実行されない。
調理時間表示部17と減圧時間表示部19には設定時間が制御装置11による制御にしたがって表示される。これらの表示部にミキシング時間などの調理時間又は減圧時間が表示される。表示された時間は、操作者が調理時間表示部17又は減圧時間表示部19がタッチされる度に増える。なお、調理時間表示部17と減圧時間表示部19に表示された時間をキャンセルするには、停止スイッチ15をタッチすれば良い。
前記操作パネル13で、例えばミキシングモードと減圧モードを共に「自動」に設定してスタートスイッチ14をタッチすると、制御装置11の制御によってこの装置のメモリに記憶されたミキシング動作と減圧動作が実行される。ミキシングモードを「なし」に設定するとともに減圧モードを「手動」に設定してスタートスイッチ14をタッチすると、減圧動作のみが実行される。この減圧動作の停止は停止スイッチ15のタッチにより行なわれる。なお、操作パネル13での各種スイッチや各種表示部のラインナップは、図6の例に制約されない。
工具連結部材21はモータ9の出力軸の先端(図1などでは下端)に固定されている。工具連結部材21は筐体3の外部例えば筐体3が有した凸部6の内側空間に配設されている。この工具連結部材21は後述する工具軸63の端部が上下方向に挿脱可能に接続される。工具軸63の端部が挿入して接続された状態で、前記出力軸の回転が工具軸に伝えられるように、工具連結部材21は工具軸63の端部と凹凸係合される。
そのための軸継手構造として、例えば、工具連結部材21が係合溝(図示しない)を有し、工具軸63が係合ピン(図示しない)を有している。係合溝は、工具連結部材21の中心を横切るとともに工具連結部材21の下端及び周面にわたって開放されている。係合ピンは工具軸63の端部にその軸方向と直交する方向に貫通して取付けられている。これにより、工具軸63の端部が工具連結部材21に挿入されるに伴い、係合ピンが係合溝に嵌り込んだ状態となる。したがって、工具連結部材21の回転を工具軸63に伝えることが可能である。
逆止弁23は、使用者の手が届かない駆動装置2内に配置されている。具体的には、閉じ部材を兼ねた駆動装置2の例えば閉鎖壁部3cに逆止弁23が取付けられている。この逆止弁23は、後述する調理容器41内から外への空気の流れ(排気)を可能とするとともに、この逆の空気の流れを止めるために用いられる。そのために、逆止弁23は、図4A及び図4Bに示すようにベース24と、弁筐25と、シール材26と、弁体27を備えている。逆止弁23と減圧手段10とは、減圧手段10が発生する負圧を逆止弁23に波及させる吸気管20で接続されている。
ベース24の上下方向両端は開放されている。このベース24の上部は下端開放径より小径な小径円筒部24aで形成されている。弁筐25は、円筒形の筐体壁25aと、カバー周壁25bと、弁座壁25cを有している。カバー周壁25bは、筐体壁25aの上端から下方に折り返して連続され、筐体壁25aの外周をこれから離れて覆っている。弁座壁25cは筐体壁25aの下部を仕切るように設けられている。弁座壁25cは、その中央部に貫通孔25dを有するとともに、この貫通孔25dの周囲に複数の弁孔25eを有している。
弁筐25は、その筐体壁25aとカバー周壁25bとの間に小径円筒部24aを納める形で、ベース24の上部に配設されている。シール材26は、小径円筒部24aと筐体壁25aとの間の気密を確保するためにこれらで挟まれている。このシール材26はゴム等の柔軟性を有した材料で形成されている。シール材26は、ベース24の内部を上下に仕切るように設けられた板部26aを有している。この板部26aの中央部に通孔26bが形成されている。通孔26bに、食品加工中に食品が吸気管20に進入するのを防ぐための網やスポンジ(図示しない)が装着されている。
弁体27は、その弁体基部27eの上端に弁板部27aを有している。弁体基部27eを弁座壁25cの貫通孔25dに挿入した形態で弁体27が弁筐25に固定されている。弁体基部27eは通孔26bに対向されている。弁板部27aは弁体基部27eの周囲に一体に張り出して形成されている。この弁板部27aは弁孔25eを上方から開閉する。そのために、弁板部27aは、その周縁に近付くに従い次第に薄肉となっていて、可撓変形することが可能に形成されていている。
逆止弁23は、その開放された下端を筐体3の外部に臨ませて閉鎖壁部3cに固定されている。弁板部27aが配置されている筐体壁25aの内側スペースは、減圧手段10の吸気口(図示しない)に、図1〜図3に示す吸気管20を介して連通されている。このため、減圧手段10が駆動された場合に前記内側スペースに上方から吸気圧が作用する。これにより、弁板部27aの周部がめくれ上がって弁孔25eが開かれるので、この状態で逆止弁23を通して筐体3外の空気が吸引されるようになっている。減圧手段10が非駆動状態にあるときは、弁板部27aが弁座壁25cに上側から接して弁孔25eが閉じられた状態を保持する。減圧手段10が非駆動状態にあるときとは、減圧手段10が停止状態にあるとき、及び逆止弁23が臨んだ後述の食品の収納空間Sが減圧状態にあるとき、を指している。
解放弁31は、後述する調理容器41の内部が減圧状態にあるときにこの調理容器41内の圧力で閉じた状態を維持する。これとともに、解放弁31は、解放指令に基づいて開かれて調理容器41内への空気の流入を許す。この解放弁31の構成は、弁体の構成と、この弁体の一部の配置を除いて前記逆止弁23と同じ構成である。そのため、逆止弁23と同一構成については、同じ符号を、解放弁31の構成を示した図5に付して、その説明を省略する。
解放弁31の弁体27は、弁座壁25cの貫通孔25dに挿入して固定された弁体基部27eと、弁板部27aと、弁棒27bと、解放ボタン27cを有している。弁棒27bは弁体基部27eに上側から連結されて上方に延びている。解放ボタン27cは弁棒27bの上端に形成されている。
解放弁31は、閉じ部材を兼ねた駆動装置2の筐体3に取付けられている。具体的には、解放弁31は、その開放された下端を筐体3の外部に臨ませて閉鎖壁部3cに解放弁31が固定されている。これとともに、解放ボタン27cは筐体3の上方から押込み可能となるように筐体3の上壁3bに配設されている。
このため、解放ボタン27cが押下げ操作されることによって、弁棒27bを介して弁体基部27eが押下げられる。それに伴って弁板部27aの周部がめくれ上がって弁孔25eが開かれる。これにより、筐体3内の空気が弁孔25eを通って収納空間S内に入ることが可能である。筺体3は密閉されていないので、大気が筺体3内へ入る。したがって、この状態で解放弁31を通して収納空間Sに空気が供給される。
なお、図5に示した解放弁31は手動で解放操作される。しかし、これに代えて、解放弁31を手動によらずして開閉できるようにすることも可能である。例えば、弁棒27bを上げ下げする正逆回転可能な弁駆動モータと、このモータをオン・オフさせるスイッチを備えた弁駆動機構を筐体3に内蔵し、そのスイッチを制御装置11で制御すればよい。それにより、解放弁31を自動制御で開閉することが可能となる。
第一のシール材33は、後述する調理容器41を密封するために用いられ、ゴムなどの柔軟性をする材料でリング形に形成されている。第一のシール材33は、筐体3の閉鎖壁部3cと周壁下部3dとがなす角部に沿って配設されている。この第一のシール材33は、洗浄を容易にするために取外し可能であることが望ましい。
シールリング35にはゴム製のリング等が用いられる。このシールリング35は閉鎖壁部3cにその下側から取付けられていて、逆止弁23が有したベース24の開放された下端を囲んでいる。このシールリング35の厚みは、第一のシール材33の厚みより薄い。なお、シールリング35は、閉じ部材を兼ねた駆動装置2ではなく、後述する蓋51にその上面から突出させて配置することも可能である。
蓋検知手段37は後述する蓋51を検知するために用いられる。この蓋検知手段37は、閉じ部材を兼ねた駆動装置2の閉鎖壁部3cに取付けられている。蓋検知手段37は例えばプッシュスイッチからなる。そのため、蓋検知手段37は、後述する蓋51が駆動装置2に取付けられた場合、この蓋51で押されてオンされる。プッシュスイッチ製の蓋検知手段37は、それに対する押圧力が消失すると、オフ位置に復帰される。そのため、蓋検知手段37は、駆動装置2に蓋51が取付けられていない状態では、押されることがないので、オフ状態を維持する。
なお、図面中図2と図3とは、プッシュスイッチのオン状態とオフ状態を明確にするために、蓋検知手段37は上下に移動する形で描いた。しかし、アクチュエータを有しこのアクチュエータが蓋に接して移動されてスイッチング動作を行う構成のスイッチを採用する場合は、スイッチ全体を移動させる必要はない。更に、蓋検知手段37として、プッシュスイッチに限らず、近接センサ例えば赤外線距離センサを用いることも可能である。
図1等に示すように調理容器41は食品の収納空間Sを区画して形成されている。調理容器41は、内部の収納空間Sを透視できる材料、例えばガラスやプラスチックス等の材料で形成することが好ましいが、これには限定されない。この調理容器41の上端は開放されている。
調理容器41の開口縁部41aの外周に外側螺合部42が形成されているとともに、開口縁部41aの内周に内側螺合部43が形成されている。外側螺合部42は雄ねじ部からなる。この外側螺合部42と、閉じ部材を兼ねた駆動装置2の雌ねじ部5とは、着脱自在に螺合することができる。
なお,駆動装置2と調理容器41との接合が確保され、密閉できれば、接合方式はねじ込み方式に限らない。例えば着脱を簡単にするために、ゴム製のOリングを複数個装備してもよい。即ち、半径方向の断面が二等辺三角状をなすOリングを、その一対の等辺が挟む角部(頂部)を開口縁部41aから離した形で、かつ、開口縁部41aの軸方向に複数並べて、開口縁部41aの外周に装着し、これらOリングの頂部を周壁下部3dの内面に密接させて、駆動装置2と調理容器41との接合と及び密閉を確保できるようする。この場合、周壁下部3dの内周の雌ねじ部は省略するとともに、蓋側逆止弁55と逆止弁23との位置合わせのための部材(図示しない)を別途用意して実施すればよい。
内側螺合部43は雌ねじ部からなる。この内側螺合部43と後述する蓋51の雄ねじ部52とは、着脱自在に螺合することができる。蓋51を装着した状態で食品の保存や携帯をするので、蓋51を確実に装着するために,接続方式は螺合であることが望ましい.
調理容器41の内周に、円形のシール材受け用の段部44が形成されている。段部44は内側螺合部43の下に連続している。調理容器41の底壁中央部に、支持部例えば固定軸45が上向きに突設されている。固定軸45は、後述する加工具61を回転自在に支持する。この固定軸45は耐摩耗性が高い材料例えば金属で形成することが好ましい。なお、支持部は、調理容器41の底壁中央部の上面に開放する軸受穴であっても差し支えない。
蓋51は、調理容器41の上部に着脱可能に取付けられて収納空間Sを開閉する。蓋51の直径は前記第一のシール材33の内径より小さい。蓋51はその最外周より少し小径の筒部51aを有し、この筒部51aの外周に雄ねじ部52が形成されている。
蓋51に第二のシール材53と第三のシール材54が取付けられている。これらのシール材は、いずれもゴム等の材料により円形に形成されたOリング等である。第二のシール材53は筒部51aの上端部外周に配置されている。第三のシール材54は筒部51aの下端部外周に配置されている。
第二のシール材53は、図3に示すように蓋51が調理容器41にねじ込まれた状態で、調理容器41の開口縁部41aの上端部内周と、蓋51の周縁部とで圧縮状態に挟まれて、これらの間の気密を保持する。同様に、第三のシール材54は、図3に示すように蓋51が調理容器41にねじ込まれた状態で、調理容器41の段部44と、筒部51aの下端部外周とで圧縮状態に挟まれて、これらの間の気密を保持する。したがって、これらのシール材によって、第一に蓋51が調理容器41にねじ込んで取付けられた状態で、調理容器41は密閉される。
なお、内側螺合部43と雄ねじ部52の噛み合い精度が高く、この噛み合い部で気密性能が確保される場合は、第二のシール材53および第三のシール材54は省略することが可能である。
蓋51に蓋側逆止弁55が取付けられている。蓋側逆止弁55は、蓋51で閉じられた調理容器41が駆動装置2に接続された状態で、逆止弁23の真下に対向して同じ向きに配設される。
この蓋側逆止弁55の構成は、図7及び図8に示すように弁解放用の押しボタン27dを有しており、これ以外の各部の構成は前記逆止弁23と同じ構成である。そのため、逆止弁23と同一構成については、同じ符号を付して、その説明を省略する。
押しボタン27dは弁体27の一部をなしている。即ち、押しボタン27dは、弁体基部27eに連結されて上方に突出されている。この押しボタン27dは手動で押込み操作することができる。押しボタン27dが押下げられることに伴って弁板部27aの周部がめくれ上がって弁孔25eが開かれる。したがって、この状態で蓋側逆止弁55を通しての空気の流通が可能となる。これ以外の状態では、弁孔25eが弁板部27aで閉じられ、蓋側逆止弁55は空気の流通を断つ状態に保持される。蓋側逆止弁55が閉じた状態にある場合、押しボタン27dは図8に示すように蓋51の上面より低く配置されていることが好ましい。これによって、蓋51で閉じられた調理容器41を携帯する場合等に、蓋側逆止弁55が不用意に押されて開くことを抑制できる。
図1に示すように加工具61は、例えば接続部62と、工具軸63と、工具軸63の下端部に連結された工具要素64とを備えている。
接続部62はその下面に開放された接続穴62aを有している。この接続穴62aは前記固定軸45に上方から着脱自在に嵌合できる。接続穴62aが固定軸45に嵌合された状態で、接続部62の下面と調理容器41の底壁上面との間に隙間(図2参照)が形成される。これにより、加工具61が固定軸45を支点に回転された状態で、接続部62と調理容器41の底壁との干渉が防止されている。
工具軸63は接続部62の上側に連結されて上下方向に真っ直ぐ延びている。この工具軸63の上端部は前記工具連結部材21に下方から着脱可能に挿入して着脱される。したがって、加工具61の上下両端部は、固定軸45と工具連結部材21とで回転自在に支持される。工具要素64は工具軸63の下端部に連結されている。この工具要素64は、調理容器41内の食品を加工するための部材であり、例えば食品の破砕や混練等に適したミキシング刃が使用されている。
ミキサー1を例えば自動モードで使用する場合の手順を説明する。
まず、調理容器41内に加工具61を収めて、この加工具61の接続部62を調理容器41の固定軸45に上方から嵌合させる。この後、調理容器41の内部、つまり、収納空間Sに適当な大きさに切断された食品を収納するとともに、場合によっては必要とされる液体等も収納する。
次に、調理容器41の上部に駆動装置2を取付けて、調理容器41の上端開口を閉じる。駆動装置2の取付けは、その雌ねじ部5を調理容器41の雄ねじ部42に上方からねじ込むことにより実施される。それにより、駆動装置2の閉鎖壁部3cが調理容器41の上端開口を覆うとともに、周壁下部3dが調理容器41の開口縁部41aを外側から覆う。
これとともに、第一のシール材33が、閉鎖壁部3cと開口縁部41aとで挟まれて、調理容器41の収納空間Sが密封される。更に、駆動装置2の前記ねじ込みに伴って、固定軸45で位置決めされた加工具61の工具軸63の上端部が、工具連結部材21にその下側から挿入される。これにより、加工具61が両端支持される。駆動装置2と調理容器41とが適正に連結された状態を図2に示す。このとき、蓋51は使用されない。
この後、ミキシングモード表示部16及び減圧モード表示部18の表示内容を夫々「自動」に選択してから、スタートスイッチ14をオンさせる。このとき蓋51が使用されていないので、蓋検知手段37はオフされた状態に保持されている。
スタートスイッチ14がオンされると、制御装置11により、減圧手段10とモータ9が同時又は時間差を持って駆動される。これらの駆動は予め定められた時間の経過後に自動的に停止される。なお、駆動中に停止スイッチ15がオンされると、その時点で制御装置11は減圧手段10とモータ9が駆動を停止させる。
駆動された減圧手段10の排気動作によって、負圧が逆止弁23に波及してこの逆止弁23が開かれる。そのため、調理容器41内の空気が逆止弁23を通って外部に排気され、調理容器41内が減圧される。言い換えれば、調理容器41内の酸素濃度が、大気中の酸素濃度よりも低くなる。
こうした減圧状態で、駆動されたモータ9の回転動作によって加工具61が回転される。それにより、調理容器41内の食品が破砕されてミキシングされて、ジュースが作られる。
次に、減圧手段10とモータ9が停止された状態で、解放ボタン27cを押下げ操作することによって解放弁31を開く。それにより、筐体3内の空気、言いかえれば、収納空間S外の空気が解放弁31を通って調理容器41内に流入される。この後、閉じ部材である駆動装置2と調理容器41を相対的に弛む方向に回転させて、これらを分離させる。この場合、既述のように調理容器41内の減圧状態が解除されているので、分離作業が困難となることがない。最後に、加工具61を調理容器41から取除く。
こうしたジュースの製造において、制御装置11によって、以上のようにミキシング動作を制御することがこのましい。この場合、最初にミキシングが開始されてから所定時間の間は、正逆回転が可能なモータ9の回転を正転及び逆転させる。或いはモータ9を断続的に正転又は逆転させ、次に、前記所定時間が経過した後は、モータ9を連続的に正回転させる。このように制御装置11でモータ9の回転方向と回転時間を制御することにより、破砕された食品の粒度が均質となったジュース、所謂滑らかなジュースを作ることが可能である。
この制御において、制御装置11は、モータ9を正逆回転させるために、モータ9に流される電流の流れ方向を切換える制御を行う。更に、制御装置11は、モータ9をPWM制御することで、モータ9に印加される電圧のデューティー比を調節してモータ9の回転時間を制御する。具体的には、デューティー比を小さくしてモータ9に電圧を印加することで、モータ9を断続運転できる。デューティー比を大きくしてモータ9に電圧を印加することで、モータ9を連続運転できる。
このようにモータ9の駆動が制御装置11で制御されることにより、初期の段階では大きな食品が粗く刻まれ、その後に、食品の粒が次第に細かく均質となって、滑らかなジュースに仕上げることができる。
以上の手順により調理容器41内で作られたジュース等は、そのまま調理容器41を飲料容器として飲むことに供され、或いは他の保管容器に移して冷蔵庫等で低温保管することが可能である。なお、調理容器41を飲料容器として内部のジュースを直接飲む場合、既述のように加工具61は既に外されているので、加工具61がジュースを飲む際に邪魔となることがない。
ミキサー1の制御装置11は、前記自動モード及びそれ以外のモードにおいて、スタートスイッチ14がオンされるに伴い、図9に示すフローチャートにしたがう制御をする。即ち、はじめにステップS1の減圧動作を実行させ、次にステップS2の保圧ミキシング動作を実行させる。
減圧動作は、調理容器41の内圧が目標圧力に達するまで、減圧手段10の駆動を継続して実行される。即ち、制御装置11は、図10に示すフローチャートにしたがい、はじめにステップS11の減圧動作を実行させ、次に、目標圧力に達したか否かの判断をステップS12で行なって実施する。ステップ12の判断がNOの場合、ステップS11に戻るので、ステップS12の判断は、調理容器41の内圧が目標圧力に達するまで繰り返される。
目標圧力は食品の変色防止の観点から0.7気圧未満であることが望ましい。ミキシング時に食品が酸素と大きく接触するため、目標圧力は低ければ低いほど酸化を抑制できる。完全な真空を実現することは難しいため、目標圧力は0.11気圧が最も望ましい。
ここで、目標圧力を取得する手段としては、圧力センサを用いても差し支えないが、圧力センサを用いない以下の手段で取得することが好ましい。例えば、調理容器41の容積及び減圧手段10による減圧速度が既知である場合は、以下のように制御すればよい。つまり、既知の前記容積と減圧速度との条件から演算される規定の時間を制御装置11のメモリに記憶させる。次に、この規定時間に減圧動作時間が達した時に、調理容器41の内圧が目標圧力まで下がったと判定し、減圧手段10の駆動を停止させる。
保圧ミキシン動作とは、調理容器41内を目標圧力に保持しながらミキシングを行なわせる動作を指している。閉じ部材を兼ねた駆動装置2のねじ込みの程度によって、駆動装置2と調理容器41との接続部分の密閉が不十分となる場合が考えられる。こうした状態であると、ステップS1で減圧動作を実施した後において、調理容器41内の圧力は次第に大気圧に戻る。そのため、捕圧ミキシング動作を行なうことによって、調理容器41内を定期的に減圧して、目標圧力に保つことが可能である。
この保圧ミキシン動作は、制御装置11により図11に示すフローチャートにしたがって実行される。図11に示すフローチャートは、並行して実行される第1制御系統と第2制御系統を有している。第1制御系統はステップS21〜ステップ24を有し、第2制御系統はステップS25とステップS26を有している。
ステップS21は、調理容器41の内圧が、予め設定された再減圧実施圧力まで上昇したか否かを判断する。この判断はYESになるまで繰り返される。ステップS21の判断がYESになると、次のステップS22により減圧手段10が駆動されて減圧動作が実行される。この次のステップS23は、調理容器41の内圧が目標圧力に到達したか否かを判断する。この判断がNOの場合、ステップS22に戻って基って減圧手段10の駆動が継続される。ステップS23の判断がYESになると、次のステップ24でミキシング開始から所定時間(X秒)経過したか否かを判断する。このステップ24での判断がNOである場合、ステップS21に戻って保圧ミキシング動作が継続される。ステップ24での判断がYESになると、保圧ミキシング動作が終了される。
第2制御系統では、まず、ステップS25によって、モータ9を駆動させて、ミキシング動作を実行する。次のステップS26は、ミキシング動作の開始から所定時間が経過したか否かの判断を行なう。ステップS26での判断がNOである場合、ステップS25に戻ってモータ9の駆動が継続される。ステップS26での判断がNOである場合、第1制御系統のステップS24に進む。
こうした保圧ミキシン動作でのステップS21及びステップS23での判定は、圧力センサを用いてすることもできる。しかし、ステップS12で説明したように目標圧力の取得と同様に減圧動作を実行するステップS1での終了時間からの経過時間に基づいて判定することが好ましい。なお、第一のシール材33による気密(密封)の性能が高く密封性能が十分に維持できる場合は、図11のフローチャートを実行するステップS21〜S24は省略することが可能である。
以上説明したように前記構成のミキサー1は、調理容器41により区画された収納空間S内が排気されて減圧された状態で、収納空間Sに収納された食品を、加工具61の回転により加工例えばミキシングする。このように減圧により実現される低酸素濃度下で食品がミキシングされるため、ミキシングされる食品が、空気によって酸化されることを抑制できる。これにより、ミキシングされた食品の酸化による変色が起こり難く、食品の香味も低下し難くなるので、高品質なジュースを作ることができる。
ミキサー1は、その調理容器41内にスープ等の熱い食品を入れて、それを加工具61の回転でミキシングして滑らかさを増やす加工をすることができる。この場合、調理容器41と駆動装置2とが不用意に分離することが抑制される。つまり、熱い食品がミキシングされる時に、それに混入される空気量が多いと、混入された空気が食品の熱で膨張する。この膨張により圧力は調理容器41と駆動装置2とを分離させる力として働く。しかし、既述のようにミキサー1は減圧下でミキシングをするので、熱い食品に混じる空気量が少なく、それに伴い膨張圧力も低下する。したがって、既述の不具合が発生することを回避することが可能である。
前記構成のミキサー1は、調理容器41内を低酸素濃度とするために、この調理容器41内の空気を減圧手段10で排気する構成である。このため、窒素ガス等の酸素を含まないガスで調理容器41内の空気を置換する必要がない。これに伴い、酸素を含まないガスを生成するガス分離装置や分離されたガスを送込むための配管及びポンプ等の構成部品を要しない。したがって、ミキサー1の構成が単純である。それだけではなく、酸素を含まないガスの供給がないので、このガスが混入される場合のようにミキシングされる食品の香味が、供給されたガスによって影響を受けることがない。更に、酸素を含まないガスの供給がないことに伴い、調理容器内が高圧にならないので、既述のように熱い食品を調理する場合に、調理容器の内圧が高められることがない。
ミキサー1は、既述のように調理容器41の内部(収納空間S)を減圧した後に、ミキシング動作を行うので、確実に低酸素濃度下で調理をすることができる点で好ましい。しかし、減圧動作の開始と同時にミキシング動作(調理動作)を開始させて調理することも可能である。
次に、ミキシングによって作られたジュースを調理容器41と蓋51等を用いて、携帯する場合や長期保存する場合に、再びジュースを減圧下に保持する手順を説明する。
既述の手順でジュースを作った駆動装置2と調理容器41を分離し、かつ、加工具61を外した状態で、蓋51を調理容器41の内側螺合部43にねじ込んで、この蓋51で調理容器41の上端開口を閉じる。この後、再び駆動装置2を調理容器41の外側螺合部42にねじ込んで接続する。それにより、閉じ部材を兼ねた駆動装置2は蓋51を覆って配置される。
駆動装置2と調理容器41とが適正に接続されることにより、蓋51に取付けられた蓋側逆止弁55が駆動装置2の取付けられた逆止弁23の真下に配置される。これとともに、蓋51の上面がシールリング35の下面に密接されて、逆止弁23と蓋側逆止弁55とが連通される。この連通の経路は、シールリング35の内側スペースであり、シールリング35によって外部からシールされる。更に、駆動装置2に取付けられた蓋検知手段37が蓋51で押上げられてオン状態となり、その検知信号は制御装置11に供給可能となる。こうして駆動装置2と調理容器41と蓋51が適正に組み合された状態を図3に示す。
この状態でのミキサー1の運転は図12に示すフローチャートにしたがって制御されて、調理容器41内を再び減圧する。
即ち、制御装置11は、まず、ステップS31の判断、つまり、スタートスイッチ14がオンされたか否かの判断を行なう。この判断はYWSになるまで繰り返される。ステップS31の判断がYESになると、制御装置11は次のステップS32で蓋検知手段37をなすプッシュスイッチがオンされたか否かを判断する。
図3の状態では蓋検知手段37は既にオンされているので、制御装置11は、次のステップS33を実行する。即ち、制御装置11により、減圧手段10が一定時間の間、駆動される減圧動作が実行される。なお、このとき、モータ9は駆動されない。これに伴い、減圧手段10の排気動作によって、負圧が逆止弁23に波及されるので、この逆止弁23が開かれる。これとともに、逆止弁23が開かれたことに伴い、前記負圧が蓋側逆止弁55に作用されるので、この蓋側逆止弁55も開かれる。そのため、調理容器41内の空気が蓋側逆止弁55及び逆止弁23を経由して排気されて、調理容器41内が減圧される。
保存時はミキシング時と比べて食品が酸素と接触する面積が小さく,酸化が進み難い。一般的に飽和蒸気圧の観点から、圧力が低いと水分が蒸発しやすくなるので、長時間保存した食品の食味がパサつく虞がある。そこで、目標圧力はミキシング時より高く設定することが望ましい。例えば、ミキシング時の目標圧力が0.1気圧とした場合、保存時の圧力を0.5気圧とするよい。
この減圧動作が終了した後、駆動装置2は調理容器41から手動で外される。この取外しに拘わらず、蓋51は調理容器41を密閉した状態にある。これとともに、蓋51に取付けられた蓋側逆止弁55には調理容器41内の負圧が作用しているので、蓋側逆止弁55の弁板部27aが弁孔25eを閉じた状態にある。即ち、蓋側逆止弁55が閉じているので、調理容器41内は減圧された状態に保持される。
そのため、蓋51で減圧状態に保持された調理容器41を、保存容器として冷蔵庫などで保管すれば、ジュースを低酸素下でかつ低温の状態に置くことが可能である。それにより、ジュースを新鮮な状態で長期間保存することが可能である。
冷蔵庫に保管せず、蓋51で減圧状態に保持された調理容器41を携帯することも可能である。この場合、蓋側逆止弁55は、蓋51の押しボタン27dが上面より下がって配置されている。このため、携帯中に押しボタン27dが不用意に押されることが抑制され、ジュースの保存環境を減圧状態(低酸素状態)に維持することが可能である。
携帯された調理容器41内のジュースを飲用する場合、その間際に使用者が手指で押しボタン27dを押込めばよい。それにより、蓋51が開かれて、蓋側逆止弁55を通して調理容器41内に外気を流入させることができる。そのため、調理容器41内の圧力に妨げられることなく、蓋51を手動操作により容易に調理容器41から外すことができる。この後、調理容器41内のジュースを飲むことが可能である。
図13は第2の実施の形態を示している。この第2実施形態は以下説明する構成が第1実施形態とは相違しており、それ以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第1実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態は、調理容器41が保温機能を有し、調理容器41内で作られたジュース等の保温性を高めた構成である点が、第1実施形態とは異なる。
調理容器41は、保温機能を有するために、容器本体47と外側器体48とで二重構造に形成されている。これ以外の容器本体47の構成は、第1実施形態で説明した調理容器41と同じである。
外側器体48は、容器本体47の開口縁部41a以外の部位を、この部位との間に断熱空間49を形成して外側から覆っている。断熱空間49は真空であることが好ましい。なお、容器本体47と外側器体48は内部を透視できない不透明材料で形成することが可能である。これとともに、外側器体48は容器本体47より熱伝導性が低い材料製とすることが望ましい。
このような調理容器41を備えた第2実施形態では、減圧状態にあるジュースが温まらないように保温して、冷蔵庫外で保存するや携帯することが可能である。
第2実施形態のミキサー1は、以上説明した構成以外は図示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。したがって、この第2実施形態においても、減圧下でミキシングができることにより、前記課題が解決される。しかも、簡単な構成でありながら、食品の酸化を抑制できるとともに調理容器41内の圧力が過大に上昇することも抑制しつつ食品を加工することが可能なミキサー1を提供できる。なお、第2実施形態のミキサー1が備える保温機能を有した調理容器41は、以下説明する各実施形態にも適用することが可能である。
図14〜図16は第3の実施の形態を示している。この第3実施形態は以下説明する構成が第1実施形態とは相違しており、それ以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第1実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
第3実施形態は、モータ9と減圧手段10が内蔵された駆動装置2の内部を減圧できる構成を備えた点が第1実施形態とは異なる。
詳しくは、第3実施形態のミキサー1で、駆動装置2の筐体3は、密封構造に形成されている。この筐体3内に排気手段70が配設されている。排気手段70は、好ましくは減圧手段10を利用して、筐体3内の空気を外部に排出するように構成されている。具体的には、図14に示すように排気手段70は、例えば切換弁71と、弁駆動モータ72と、弁側逆止弁73とを有している。
切換弁71は、減圧手段10の吸込み口と逆止弁23とを接続した吸気管20に取付けられている。切換弁71は弁駆動モータ72により、第1の状態と第2の状態とのいずれかに切換えられる。切換弁71に弁側逆止弁73が接続されている。弁側逆止弁73は、それに減圧手段10の吸気圧(陰圧)が作用した時に開かれ、それ以外のときには閉じた状態を保持する。この弁側逆止弁73の構成は図4A及び図4Bに示した逆止弁23と同じである。
切換弁71が第1の状態に切換えられると、弁側逆止弁73が閉じた状態を保持して減圧手段10と筐体3内とが非連通状態となるとともに、減圧手段10と逆止弁23とが連通状態に保持される。切換弁71が第2の状態に切換えられると、弁側逆止弁73が開かれた状態を保持して減圧手段10と筐体3内とが連通されるとともに、減圧手段10と逆止弁23とが非連通状態に保持される。
そのため、減圧手段10の動作下で、弁側逆止弁73が第1の状態に切換えられると、調理容器41内は排気され減圧状態となる。減圧手段10の動作下で、弁側逆止弁73が第2の状態に切換えられると、筐体3内が排気されて、この筐体3内を減圧させることができる。
こうした排気手段70を備えたミキサー1は図16に示すフローチャートにしたがって制御される。
即ち、まず、ステップS41が実行される。つまり、制御装置11は、弁駆動モータ72を正回転させて、切換弁71を第1の状態に切換える。これにより、減圧手段10と調理容器41内とが連通される。次に、制御装置11は、ステップS42を実行し、それにより、減圧手段10が動作されて調理容器41内が減圧される。
この後、制御装置11はステップS43の判断を行なう。つまり、調理容器41内圧が下がって目標圧力に到達したか否かを判断する。この判断がNOの場合、ステップS42に戻る。ステップS43の判断がYESになると、制御装置11は次のステップS44を実行する。このステップ44により、弁駆動モータ72が逆回転されて、切換弁71が第2の状態に切換えられる。したがって、減圧手段10と筐体3内とが連通される。
この状態で、制御装置11は次のステップS45を実行するので、減圧手段10が再駆動されて、筐体3内が排気され減圧される。次に、制御装置11はステップS46を実施する。つまり、筐体3内が目標圧力に達したか否かを判断する。この判断がNOの場合は、ステップS45に戻る。ステップS46の判断がYESとなった場合、筐体3の減圧動作が終了する。この後、モータ9を駆動する保圧ミキシング動作に移行する。
このように筐体3が減圧状態のときにミキシング動作(調理動作)が行なわれるので、モータ9の駆動音が筐体3の外部に伝播することを抑制されて、静穏化することができる。
なお、筐体3内を減圧する時期は、第3実施形態とは逆の順番、つまり、調理容器41の減圧に先んじて実施することも可能である。なお、第3実施形態では、筐体3を減圧するのに減圧手段10を利用したが、筐体3内を減圧するための専用の筐体減圧手段(排気ポンプ)を、減圧手段10とは別に設けてもよい。この場合、排気ポンプの吸込み口は筐体内に連通され、排気ポンプの吐出し口は筐体3外に連通される。したがって、排気ポンプを適時駆動して、筐体3内を減圧させることによって、モータ9が発する駆動音の周囲への伝播を抑制させ、騒音を低減させることが可能である。
密閉された筺体3の減圧を解除するため、図15A及び図15Bに示すように解放弁31の解放ボタン27cの周囲は、この解放ボタン27cに取付けられたシール27fでシールされている。図15Aに示すように解放ボタン27cが押し下げられていない場合は、シール27fが筺体3内を密閉した状態に保持される。図15Aに示すように解放ボタン27cが押し下げられると、筺体3内とシール27fとの間に空間ができる。このため、筐体3外の空気が筺体3内に取り込まれて,筐体3の減圧状態を解除できる。これと同時に、収納空間S内の減圧状態も解除される。
第3実施形態のミキサー1は、以上説明した構成以外は図示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。したがって、この第3実施形態においても、減圧下でミキシングができることにより、前記課題が解決される。しかも、簡単な構成でありながら、食品の酸化を抑制できるとともに調理容器41内の圧力が過大に上昇することも抑制しつつ食品を加工することが可能なミキサー1を提供できる。なお、第3実施形態のミキサー1が他の備える排気手段70は、以下説明する第5〜第7の各実施形態にも適用することが可能である。
第3実施形態は、筐体3内を精度良く減圧するのに好適であるが、減圧の精度が低くても良い場合には、図17に示す第4の実施の形態で実施することができる。
この第4実施形態は以下説明する構成が第1実施形態とは相違しており、それ以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第1実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。なお、必要により第3実施形態も参照する。
第4実施形態は、モータ9と減圧手段10が内蔵された駆動装置2の内部を減圧できる構成を備えた点が第1実施形態とは異なる。
詳しくは、第4実施形態のミキサー1で、駆動装置2の筐体3は、密封構造に形成されている。筐体3の密閉状態は、解放弁31の解放ボタン27Cを押下げることで解除できる。その構成は、第3実施形態の図15Aと図15Bを用いて説明した構成と同じである。
図17に示すように筐体3内に排気手段70が配設されている。排気手段70は、吸気管20と、これから分岐された分岐管76と、弁側逆止弁73とで形成されている。吸気管20は減圧手段10と逆止弁23とを接続している。弁側逆止弁73分岐管76に取付けられている。この弁側逆止弁73の構成は第1実施形態で説明した弁側逆止弁と同じであるので、その説明を省略する。
筐体3内の圧力と調理容器41内の圧力とが略同時に同じとなるように、吸気管20の径と分岐管76の径とは異なっている。これらの管径は、筐体3の容積と調理容器41の容積に応じて設定される。このように管径が異なることで、減圧手段10が動作したときに、筐体3内を排気する速度と調理容器41内を排気する速度が異なる。
それにより、第4実施形態では、減圧手段10の駆動に伴って、筐体3内の減圧と、調理容器41内の減圧と同時に進行させることができとともに、減圧終了時に調理容器41内と筐体3内の圧力を、同時に所定の圧力まで低下させることができる。したがって、この後に行われるミキシング動作において、筐体3に配置されたモータ9が発する駆動音の周囲への伝播が抑制されて、騒音を低減させることが可能である。
なお、この第4実施形態が採用して排気手段70は、第3実施形態で用いた排気手段と比較して切換弁及び減駆動用モータを必要としない。このため、構成が簡単で低コストである利点を有する。
第4実施形態のミキサー1は、以上説明した構成以外は図示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。したがって、この第4実施形態においても、減圧下でミキシングができることにより、前記課題が解決される。しかも、簡単な構成でありながら、食品の酸化を抑制できるとともに調理容器41内の圧力が過大に上昇することも抑制しつつ食品を加工することが可能なミキサー1を提供できる。なお、第4実施形態のミキサー1が他の備える排気手段70は、以下説明する第5〜第7の各実施形態にも適用することが可能である。
図18〜図20は第5の実施の形態を示している。この第5実施形態は以下説明する構成が第1実施形態とは相違しており、それ以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第1実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。更に、必要により第2実施形態で説明した調理容器41も参照する。
第5実施形態は、駆動装置2が閉じ部材を兼ねるものではなく、調理容器41の下側に配置される。言い換えれば、調理容器41が駆動装置2の上に着脱自在に載置されるようにした点が第1実施形態とは異なる。
詳しくは、第5実施形態で駆動装置2の筐体3は、調理容器41が載置される台として構成されている。この筐体3では、第1実施形態の筐体が有した雄ねじ部が形成された周壁は省略されている。これに伴い、第1実施形態の筐体が有した閉鎖壁部は底壁として用いられている。第5実施形態で、モータ9に連動する工具連結部材21は、筐体3の上壁3b上に配設されている。これとともに、第5実施形態で操作パネル13は筐体3の周壁3aの前面に取付けられている。
更に、第5実施形態では、第1実施形態で使用した蓋検知手段に代えて、この蓋検知手段と同様の容器検知手段81が、筐体3の上壁3bにこれから上向きに突出して取付けられている。容器検知手段81は例えばプッシュスイッチからなる。
このプッシュスイッチは、駆動装置2に調理容器41が載置された場合、この容器で押されてオンされる。プッシュスイッチは、駆動装置2に調理容器41が載置されていない状態では押されることがないので、オフ状態を維持する。
なお、図面中図18〜図20では、プッシュスイッチのオン状態とオフ状態を明確にするために、容器検知手段81は上下に移動する形で描いた。しかし、アクチュエータを有しこのアクチュエータが蓋に接して移動されてスイッチング動作を行う構成のスイッチを用いる場合は、スイッチ全体を移動させる必要はない。更に、容器検知手段81には、プッシュスイッチに限らず、近接センサ例えば赤外線距離センサを用いることも可能である。
筐体3の例えば上壁3bに管継手28が取付けられている。
第5実施形態で使用する調理容器41には、加工具61の支持部を兼ねる回転軸46が、調理容器41の底壁中央部を貫通して回転自在に取付けられている。回転軸46の下部は工具連結部材21にその上方から挿入して着脱可能に接続される。これら回転軸46と工具連結部材21とが接続された状態で、工具連結部材21の回転とともに回転軸46が回転される。
この回転軸46の上部は、第1実施形態で説明した加工具61が有した工具軸63の上端部の構成と同じである。回転軸46には上方から加工具61の接続部62が着脱可能に接続される。第5実施形態での加工具61は、第1実施形態で説明した工具軸を有さない構成である。
第5実施形態で、調理容器41の開口縁部41aには内側螺合部43が形成されているだけで、開口縁部41aの外周に第1実施形態で説明した外側螺合部は形成されていない。
第5実施形態において、蓋51は閉じ部材を兼ねている。蓋51は、調理容器41の上端開口を開閉するとともに、上端開口を閉じた状態で調理容器41を密封状態に保持する。この蓋51及びこれに取付けられた各種の部品や弁の構成は、第1実施形態と同じである。
更に、第5実施形態のミキサー1は吸気配管85を備えている。吸気配管85は可撓性を有するチューブ等からなるが、硬質なものであっても良い。この吸気配管85の一端部は、管継手28に筐体3の外側から着脱可能である。この接続を確実に保持するために管継手28に手動操作されるロック機構を設けることは好ましい。同様に、吸気配管85の他端部は、蓋51に取付けられた蓋側逆止弁55にその上方等から着脱可能である。この接続を確実に保持するために蓋側逆止弁55に手動操作されるロック機構を設けることは好ましい。
第5実施形態のミキサー1が使用される状態を図19に示す。この状態では、食品が収納された調理容器41が駆動装置2上に載置され、調理容器41に蓋51が取付けられて収納空間Sが密閉されている。これとともに、吸気配管85の両端部が、逆止弁23と蓋側逆止弁55とに夫々接続されて、これらの弁が連通されている。
この状態では、容器検知手段81が調理容器41に押下げられてこの容器を検知している。このため、制御装置11はモータ9及び減圧手段10を動作させることが可能な状態にある。更に、調理容器41の回転軸46を介して工具連結部材21と加工具61の接続部62とが接続された状態にある。
したがって、減圧手段10が駆動されるに伴い形成される負圧が、吸気配管85を経由して調理容器41内に波及する。このため、調理容器41内が排気されて、調理容器41内は減圧されて低酸素状態となる。
この状態で、モータ9が駆動されると、調理容器41内の加工具61が工具連結部材21及び回転軸46を介して回転される。それにより、食品のミキシングが行なわれる。なお、これら減圧動作とミキシング動作の制御は、第1実施形態で説明した各種フローチャートにしたがって行なわれる。
こうして調理容器41内の食品を減圧下でミキシングをした後に、吸気配管85が取除かれるとともに、調理容器41が駆動装置2から外される。外された調理容器41は、収納空間S内の減圧が保たれた状態で保存容器として用いることができる。調理容器41内の食品(ジュース)を取出す際は,蓋側逆止弁55を手で押して開放させてから蓋51を調理容器41から外せばよい。
第5実施形態のミキサー1は、調理容器41の他に保存容器87を更に備えている。保存容器87の構成は、回転軸46を有していない他は、第2実施形態で説明した調理容器41と同じである。この保存容器87に調理容器41内のジュースが移され、このジュースは以下の手順で低酸素下に置かれて、保存又は携帯に供される。
即ち、調理容器41から外された蓋51が保存容器87にねじ込んで付け替えられ、この保存容器87が密封される。なお、この蓋51に代えて、保存容器87に専用でかつ蓋側逆止弁55が取付けられた蓋を用いることも可能である。調理容器41の密封後に、吸気配管85の両端部が逆止弁23と蓋側逆止弁55とに夫々接続される。この状態は図20に示されている。この後、図6に示した操作パネル13の減圧モード表示部18をタッチ操作して「手動」モードを選択した上で、スタートスイッチ14を操作するとともに、適当時間後に停止スイッチ15を操作する。それによって、適当時間の間、減圧手段10が動作されるので、蓋51で密封された保存容器87内を減圧させることができる。この減圧において自動モードを選択した場合、容器検知手段81が非検知状態となっているので、モータ9は駆動されず、減圧手段10の駆動による減圧動作が行われる。
なお、駆動装置2から外された調理容器41をそのまま保存容器として用い、その内部のジュースを低酸素下に置く手順は以下の通りである。まず、蓋51を調理容器41に再度取付けるとともに、吸気配管85の両端部を逆止弁23と蓋側逆止弁55とに夫々接続する。次に、図6に示した操作パネル13の減圧モード表示部18をタッチ操作して「手動」モードを選択する。この後、スタートスイッチ14を操作するとともに、適当時間後に停止スイッチ15を操作する。
それによって、適当時間の間、減圧手段10が動作されるので、蓋51で密封された調理容器41内を減圧させることができる。この減圧において自動モードを選択した場合、容器検知手段81が調理容器を検知した状態となっていないので、モータ9は駆動されず、減圧手段10の駆動による減圧動作が行われる。
以上のようにして減圧された調理容器41は、冷蔵庫などにて低温下で保存できるとともに、調理容器41をそのまま携帯して飲用容器として用いることが可能である。
第5実施形態のミキサー1は、以上説明した構成以外は図示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。したがって、この第5実施形態においても、減圧下でミキシングができることにより、前記課題が解決される。しかも、簡単な構成でありながら、食品の酸化を抑制できるとともに調理容器41内の圧力が過大に上昇することも抑制しつつ食品を加工することが可能なミキサー1を提供できる。なお、第5実施形態のミキサー1が付属品として備えた保存容器87は、他の各実施形態にも適用することが可能である。
図21〜図23は第6の実施の形態を示している。この第6実施形態は以下説明する構成が第5実施形態とは相違しており、それ以外の構成は第5実施形態と同じである。このため、第5実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、第5実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。更に、必要に応じて、第1実施形態も参照する。
第6実施形態で、駆動装置2は図23に示すように駆動部2aと閉じ部材2bとで形成されている。
駆動部2aは、第5実施形態で説明した駆動装置から、減圧手段10及び逆止弁23を取り除いた構成である。取り除かれた減圧手段10及び逆止弁23は閉じ部材2bの筐体91に内蔵されている。駆動部2aには調理容器41が着脱自在に載置される。調理容器41の着脱は容器検知手段81により検知される。これとともに、調理容器41内の加工具61に、工具連結部材21及び回転軸46を介して回転力が伝達される構成となっている。
閉じ部材2bは、第1実施形態で説明した駆動装置から、AC/DCスイッチング電源7、DC/DCコンバータ8、モータ9、制御装置11、操作パネル13、及び工具連結部材21が取除かれた構成である。そのため、閉じ部材2bは閉鎖壁部3c及び雌ねじ部5が形成された周壁下部3dを有している。これとともに、閉じ部材2bに、解放弁31、第一のシール材33、及びシールリング35が取付けられている。なお、閉じ部材2bには、第1実施形態で用いた蓋検知手段を取付けられていない。前記取り除かれた各部品は駆動部2aの筐体90に配設されている。
第6実施形態で使用する調理容器41は第1実施形態で説明した調理容器と同様に、その開口縁部41aの外周に外側螺合部42が形成されている。このため、閉じ部材2bは調理容器41の上端開口を閉じて着脱可能である。これとともに、調理容器41に蓋51が取付けられている状態では、この蓋51を覆って調理容器41の上部を覆って閉じ部材2bが取付けられる。
更に、第6実施形態では、駆動部2aの制御装置11と閉じ部材2bの減圧手段10とを、電気的に接続する接続手段95を備えている。接続手段95は例えば電力及び電気信号の経路をなす電気ケーブルで形成されている。この電気ケーブルは十分な長さを持っていて、その両端は制御装置11と減圧手段10に直接固定されている。駆動部2aの筐体90及び閉じ部材2bの筐体91のうちの少なくとも一方に電気コネクタ96を配置し、この電気コネクタ96に電気ケーブルが着脱可能に接続しても良い。なお、電気的な接続手段は、有線ではなく無線通信で行なうことも可能である。
第6実施形態のミキサー1が使用される状態を図21に示す。この状態では、食品が収納された調理容器41が駆動装置2上に載置されているとともに、調理容器41に閉じ部材2bが蓋として取付けられて収納空間Sが密閉されている。同状態で、接続手段95により、駆動部2aの制御装置11と閉じ部材2bの減圧手段10とが電気的に接続されている。
これとともに、調理容器41の回転軸46を介して工具連結部材21と加工具61の接続部62とが接続された状態にある。更に、容器検知手段81が調理容器41に押されてこの容器を検知しているので、制御装置11はモータ9及び減圧手段10を動作させることが可能な状態にある。
したがって、調理容器41の上側に配置された閉じ部材2b内の減圧手段10が駆動されると、それに伴って生成される負圧が、逆止弁23を通して調理容器41内に波及する。それにより、調理容器41内が排気されて、調理容器41内は減圧される。この減圧下で、調理容器41が載置された駆動部2a内のモータ9が駆動される。それに伴い、調理容器41内の加工具61が工具連結部材21及び回転軸46を介して回転されるので、食品がミキシングされて、ジュースが作られる。なお、これら減圧動作とミキシング動作の制御は、第1実施形態で説明した各種フローチャートにしたがって行なわれる。
こうして調理容器41内の食品を減圧下でミキシングをした後、調理容器41は駆動部2aから外される。これにより、加工具61が付いたまま減圧状態でジュースを保存することが可能である。
食品を取出す場合は、まず、解放弁31の解放ボタン27cを押して解放弁31を開いて、調理容器41内の圧力を大気圧に戻してから、閉じ部材2bを調理容器41から外す。この状態で、調理容器41内のジュースを保存容器89に移し変えて保存すること、或いは携帯することが可能である。
既述のように保存及び携帯する場合、内部のジュースを以下の手順で低酸素下に置くことができる。なお、保存容器89は、その底部に回転軸や支持部がない構成であり、それ以外の構成は第1実施形態で説明した調理容器41と同じ構成である。
まず、蓋51を調理容器41の開口縁部41aの内側にねじ込んで、この調理容器41を密封する。この後、閉じ部材2bを開口縁部41aの外側に嵌合するようにねじ込んで、蓋51を覆った状態に取付ける。この状態で、閉じ部材2b内の減圧手段10と駆動部2a内の制御装置11とを絶縁被覆された電線等の電気的な接続手段95で接続する。この状態は図23に示されている。なお、図21〜図23において符号93は電線コネクタを示している。この電線コネクタ93は筐体90に固定され、これには接続手段95の端末が取外し可能に接続されている。
図6に示した操作パネル13の減圧モード表示部18をタッチ操作して「手動」モードを選択した上で、スタートスイッチ14を操作するとともに、適当時間後に停止スイッチ15を操作する。それによって、適当時間の間、減圧手段10が動作されることにより、蓋51で密封された調理容器41内を減圧することができる。なお、この減圧において自動モードを選択した場合、容器検知手段81が非検知状態となっているので、モータ9は駆動されないが、減圧手段10の駆動による減圧動作は行われる。一定時間後に減圧動作が停止された後、閉じ部材2bを調理容器41から外す。それにより、蓋51で密封された調理容器41を保存容器乃至は携帯容器として用いることができる。
なお、以上のように駆動装置2から外された調理容器41をそのまま保存容器として用い、その内部のジュースを低酸素下に置くことも可能である。この場合、蓋51で密封された調理容器41内を減圧させる際において自動モードが選択される。しかし、容器検知手段81が調理容器を検知した状態となっていないので、モータ9は駆動されず、減圧手段10の駆動による減圧動作が行われる。そのため、減圧された調理容器41を、冷蔵庫等に入れて低温下で保存できるとともに、調理容器41をそのまま携帯して飲用容器として用いることが可能である。
第6実施形態のミキサー1は、以上説明した構成以外は図示されない構成を含めて第5実施形態と同じである。したがって、この第6実施形態においても、減圧下でミキシングができることにより、前記課題が解決される。しかも、簡単な構成でありながら、食品の酸化を抑制できるとともに調理容器41内の圧力が過大に上昇することも抑制しつつ食品を加工することが可能なミキサー1を提供できる。
図24は第7の実施の形態を示している。この第7実施形態は以下説明する構成が第1実施形態とは相違しており、それ以外の構成は第7実施形態と同じである。このため、第1実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
第7実施形態は、第1実施形態の構成において、シールリング、調理容器及びそれに取付けられた部品、蓋及びそれに取付けられ部品を省略した構成である。これとともに、加工具61は、工具連結部材21にその下側から挿入して着脱可能に接続される。しかし、この接続状態で加工具61が自重により脱落しないように保持する図示しない保持手段が設けられている。
この第7実施形態では、調理容器として既に説明した実施形態のように専用の容器ではなく、他の容器98が使用される。ここで、他の容器98とは、その開口縁部の外周に閉じ部材を兼ねる駆動装置2が上方から着脱可能にねじ込んで取付けられるような大きさ及び外側螺合部99を有した容器である。他の容器98の底壁に、固定軸に相当する構成は設けられていない。他の容器98は、ミキサー1の製造販売会社から提供されても、或いは前記製造販売会社とは異なる別会社から提供されたものであっても良い。
第7実施形態のミキサー1は、以上説明した構成以外は図示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。したがって、この第7実施形態においても、以上説明したように第1実施形態と同様に、減圧下でミキシングができることにより、前記課題が解決される。しかも、簡単な構成でありながら、食品の酸化を抑制できるとともに調理容器41内の圧力が過大に上昇することも抑制しつつ食品を加工することが可能なミキサー1を提供できる。なお、第7実施形態で、閉じ部材と兼ねた駆動装置2の筐体3に、使用者が握ることができる棒状のアームを取付けて実施する場合、ハンドミキサー的に使用することが可能である。
図25〜図27は第8の実施の形態を示している。この第8実施形態は以下説明する構成が第1実施形態とは相違しており、それ以外の構成は第1実施形態と同じである。このため、第1実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、第1実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。
第8実施形態のミキサー1は第1実施形態のミキサーとは次の構成が異なる。閉じ部材を兼ねた駆動装置2の筐体3内に減圧手段10を配置することに代えて、減圧手段10は筐体3の外部に用意されている。これとともに、第1実施形態のミキサーが備えた解放弁、弁棒、及び解放ボタン、並びに吸気管と逆止弁を省略することに代えて、弁装置111、及びこの弁装置111と収納空間Sとを連通させる空気配管108を備えている。
詳しくは、減圧手段10には真空ポンプが用いられている。この減圧手段10は、ミキサー1の製造販売会社から調理部とセットで提供されるものであるが、これに代えて調理部とは別に、ミキサー1の製造販売会社とは異なる別会社から提供されるものであっても良い。ここで、前記調理部とは、モータ9が内蔵された駆動装置2と、調理容器41と、蓋51と、加工具61を備える。
減圧手段10の一例を図27に示す。この減圧手段10は、例えばシリンダ101に挿入されたピストン102を、手動で軸方向に往復移動させることにより、ポンプ動作をする手動式の真空ポンプである。
シリンダ101の一端部は吸口101aとして用いられ、吸口101aの内周面は、弾性変形が可能なシールリング103で覆われている。シリンダ101の他端から突出されたピストン102の端部に、押引き操作用のハンドル104が連結されている。シリンダ101内に配置されたピストン102の端部の外周に、シリンダ101の内面に摺接するピストンリング105が装着されている。ピストンリング105は切れ目を有している。この切れ目を通って吸口101aからシリンダ101の他端部101b側への空気抜きが可能である。シリンダ101の他端部101bの内周面とピストン102との間に、空気抜き用の隙間106が設けられている。
減圧手段10は、その使用者がハンドル104を掴んでピストン102を引出すことにより、吸口101aに負圧を発生させる。このとき、シリンダ101とピストン102との間の空気は隙間106を通って外部に流出する。この逆に、引出されたピストン102をシリンダ101に押込むことにより、吸口101a内の空気圧が高められる。このとき、隙間106を通って外部の空気がシリンダ101内に流入する。したがって、図27に示した減圧手段10は、手動でピストン102を往復移動せせることによってポンプ動作をすることができる。
筐体3を有する閉じ部材である駆動装置2に取付けられた弁装置111は、第1実施形態で説明した逆止弁と解放弁との機能を兼ね備えている。このため、第1実施形態と比較して使用する弁や配管の数を減らすことができる。図26に示すように弁装置111の構成は、図7を用いて既に説明した蓋側逆止弁55と同じであるので、蓋側逆止弁55と同一構成には同じ符号を付してその説明を省略する。
弁装置111は筐体3の平らな上壁3bに取付けられ上向きに突出している。弁装置111が有する弁解放用の押しボタン27dは下方に押込み操作することができる。この操作により弁装置111は開かれる。
空気配管108の一端は弁装置111が有するベース24に接続されている。空気配管108の他端は筐体3の閉鎖壁部3cに支持されている。この他端は、シールリング35で囲まれた内側空間に開口している。そのため、弁装置111に上方から作用する負圧や押しボタン27dが押されて、弁装置111の弁孔25eが開かれた場合に、弁装置111と空気配管108が連通される。
第8実施形態で以上説明した以外のミキサー1の構成は第1実施形態のミキサーと同じである。
次に、第8実施形態のミキサー1を使用する手順を簡単に説明する。
まず、調理容器41内に加工具61を収めて、この加工具61の接続部62を調理容器41の固定軸45に上方から嵌合させる。この後、調理容器41の内部(収納空間S)に適当な大きさに切断された食品等を収納する。
次に、調理容器41の上部に閉じ部材である駆動装置2を螺合して取付け、調理容器41の上端開口を閉じる。これに伴い、加工軸63が工具具連結部材21に嵌合し、よって、加工具61は両端支持される。これとともに、調理容器41の収納空間Sが密封される。
この後、手動式の減圧手段10を、閉じ部材を兼ねた駆動装置2の筐体3上に載せる。この場合、図26に二点鎖線で示すように弁装置111が有した弁筐25の少なくとも上部が、減圧手段10の吸口101a内に配置されるように減圧手段10を載せる。次に、ピストン102を操作し、上下方向に繰り返し往復移動させることにより、減圧手段10を動作させる。なお、減圧手段10が不用意に動くことを妨げる保持部を筐体3の上壁3bに設けることは、減圧手段10の載置状態が安定するので、手動によるポンプ動作を円滑に行うことが可能となる点で好ましい。
ピストン102がシリンダ101から引出される度に、減圧手段10は排気動作をする。これにより生じた負圧は弁板部27aにその上方から波及するので、この弁板部27aがめくれ上がって弁孔25eが開かれる。そのため、調理容器41内の空気が、空気配管108及び弁装置111の弁孔25eを通り、更に減圧手段10を通って外部に排気される。この逆に、ピストン102がシリンダ101に押し込まれた場合は、弁板部27aにその上方から作用する空気圧が高くなって、弁板部27aが弁孔25eを閉じるので、排気は行われない。このため、ピストン102が繰り返し押引き操作されることに伴い、収納空間Sが排気される。それによって、調理容器41内が減圧され、調理容器41内の酸素濃度が、大気中の酸素濃度よりも低くなる。
こうして調理容器41内が適当に減圧された後、減圧手段10が筐体3上から外される。この状態では、空気配管108を通じて収納空間Sの負圧が、弁孔25eに波及して弁板部27aを弁座壁25cに引き付けている。このため、弁孔25eが閉じた状態に保持され、収納空間Sの減圧状態が維持される。
この状態で、スタートスイッチ14をオンさせ、制御装置11によりモータ9を所望時間駆動させる。それにより、加工具61が回転されるので、減圧状態で、調理容器41内の食品が破砕されミキシングされて、ジュースが作られる。
モータ9が停止された状態で、押しボタン27dを押下げ操作する。それにより、弁体27の中心部が押し下げられるに伴い、弁座壁25cとの関係では、弁板部27aの周部がめくれ上がるようになって、弁孔25eが開かれる。つまり、弁装置111が開かれる。それにより、収納空間S外の空気が弁装置111及び空気配管108を通って調理容器41内に流入される。この後、閉じ部材である駆動装置2と調理容器41を相対的に弛む方向に回転させて、これらを分離させる。最後に、加工具61を調理容器41から取除く。
したがって、第8実施形態においても、減圧下でミキシングができることにより、前記課題が解決される。しかも、簡単な構成でありながら、食品の酸化を抑制できるとともに調理容器41内の圧力が過大に上昇することも抑制しつつ食品を加工することが可能なミキサー1を提供できる。
第8実施形態では、加工具61を除いた後に、蓋51を調理容器41に取付ける。この状態で、減圧手段10を蓋側逆止弁55の真上に配置し、減圧手段10を手動動作してもよい。これにより、蓋側逆止弁55が開かれて、調理容器41内を減圧できる。
図28は第9の実施の形態を示している。この第9実施形態は以下説明する構成が第5実施形態とは相違しており、それ以外の構成は第5実施形態と同じである。このため、第5実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、第5実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。更に、必要に応じて図26及び図27等も参照して説明する。
第9実施形態のミキサー1は第5実施形態のミキサーとは次の構成が異なる。駆動装置2の筐体3内に減圧手段及び吸気管を配置することに代えて、減圧手段10が筐体3の外部に用意されている。これに伴い、第5実施形態のミキサーが備える吸気配管は省略されている。更に、第5実施形態のミキサーが備える蓋側逆止弁に代えて弁装置111が閉じ部材を兼ねる蓋51に取付けられ、蓋51は軸支持部57を有している。これと共に、加工具61が工具軸63を有している。
詳しくは、減圧手段10には真空ポンプが用いられている。この減圧手段10は、ミキサー1の製造販売会社から調理部とセットで提供されるものであるが、これに代えて調理部とは別に、ミキサー1の製造販売会社とは異なる別会社から提供されるものであっても良い。ここで、前記調理部とは、モータ9が内蔵された駆動装置2と、調理容器41と、蓋51と、加工具61を備えている。
減圧手段10は、第8実施形態で図27を用いて説明した減圧手段と同一であるため、ここでは、減圧手段10の構成についての説明は省略する。
弁装置111は、第8実施形態で図26を用いて説明した弁装置と同一であるため、ここでは、弁装置111の構成についての説明は省略する。この弁装置111は蓋51に取付けられ上向きに突出している。そのため、弁装置111が有する弁解放用の押しボタン27d(図26参照)は下方に押込み操作することができる。この操作により弁装置111は開かれる。
軸支持部57は蓋51の裏面中央部に突設されている。軸支持部57はその下面に開放する軸受穴57aを有している。
加工具61は、接続部62と、工具軸63と、工具要素64とを備える。接続部62は、調理容器41の底壁に回転自在に取付けられた回転軸46に上方から取外し可能に嵌合して支持される。接続部62にはこれと嵌合した回転軸46の動力が与えられる。工具軸63は、接続部62の上側に連結され、真っ直ぐ上方に延びている。この工具軸63の上端部は、軸受穴57aにその下方から取外し可能に挿入され、軸支持部57に回転可能に支持される。工具要素64は工具軸63に連結されている。
第9実施形態で以上説明した以外のミキサー1の構成は第5実施形態のミキサーと同じである。
次に、第9実施形態のミキサー1を使用する手順を簡単に説明する。
まず、調理容器41内に加工具61を収めて、この加工具61の接続部62を調理容器41の固定軸45に上方から嵌合させる。この後、調理容器41の内部(収納空間S)に適当な大きさに切断された食品等を収納する。
次に、調理容器41の上部に閉じ部材である蓋51を螺合して取付け、調理容器41の上端開口を閉じる。これに伴い、加工軸83が軸支持部57に嵌合され、よって、加工具61が両端支持される。これとともに、調理容器41の収納空間Sが密封される。
この後、手動式の減圧手段10を、閉じ部材を兼ねた蓋51上に載せる。この場合、図26に二点鎖線で示すように弁装置111が有した弁筐25体の少なくとも上部が、減圧手段10の吸口101a(図27参照)内に配置されるように減圧手段10を載せる。次に、ピストン102(図27参照)を操作し、上下方向に繰り返し往復移動させることにより、減圧手段10を動作させる。なお、減圧手段10が不用意に動くことを妨げる保持部を蓋51に設けた場合は、減圧手段10の載置状態が安定するので、手動によるポンプ動作を円滑に行うことが可能となる点で好ましい。
ピストン102がシリンダ101(図27参照)から引出される度に、減圧手段10は排気動作をする。これにより生じた負圧は弁板部27a(図26参照)にその上方から波及するので、この弁板部27aがめくれ上がって弁孔25e(図26参照)が開かれる。そのため、調理容器41内の空気が、弁装置111の弁孔25eを通り、更に減圧手段10を通って外部に排気される。この逆に、ピストン102がシリンダ101に押し込まれた場合は、弁板部27aにその上方から作用する空気圧が高くなって、弁板部27aが弁孔25eを閉じるので、排気は行われない。このため、ピストン102が繰り返し押引き操作されることに伴い、収納空間Sが排気される。それによって、調理容器41内が減圧され、調理容器41内の酸素濃度が、大気中の酸素濃度よりも低くなる。
こうして調理容器41内が適当に減圧された後、減圧手段10が筐体3上から外される。この状態では、収納空間Sの負圧が、弁孔25eに波及して弁板部27aを弁座壁25c(図26参照)に引き付けている。このため、弁孔25eが閉じた状態に保持され、収納空間Sの減圧状態が維持される。
この状態で、操作パネル13のスタートスイッチ14(図6参照)をオンさせ、制御装置11によりモータ9を所望時間駆動させる。それにより、加工具61が回転されるので、減圧状態で、調理容器41内の食品が破砕されミキシングされて、ジュースが作られる。この場合、加工具61は上下両端部が軸支持部57と回転軸46で支持されているので、回転される加工具61が回転軸46から外れることがなく、この加工具61を安定させた状態で回転させて、調理を行なうことができる。
モータ9が停止された状態で、押しボタン27dを押下げ操作する。それにより、弁体27(図26参照)の中心部が押し下げられるに伴い、弁座壁25cとの関係では弁板部27aの周部がめくれ上がるようになって、弁孔25eが開かれる。つまり、弁装置111が開かれる。それにより、収納空間S外の空気が弁装置111を通って調理容器41内に流入される。この後、閉じ部材である蓋51と調理容器41を相対的に弛む方向に回転させて、これらを分離させる。最後に、工具軸63の上端部を掴んで加工具61を調理容器41から取除く。このため、ジュースを調理容器41から流出させることなく、ジュースに触れないで、加工具61を外すことが可能である。
第9実施形態では、加工具61を除いた後に、蓋51を調理容器41に取付ける。この状態で、減圧手段10を蓋側逆止弁55の真上に配置し、減圧手段10を手動動作してもよい。これにより、蓋側逆止弁55が開かれて、調理容器41内を減圧できる。
以上説明したように第9実施形態においても、減圧下でミキシングができることにより、前記課題が解決される。しかも、簡単な構成でありながら、食品の酸化を抑制できるとともに調理容器41内の圧力が過大に上昇することも抑制しつつ食品を加工することが可能なミキサー1を提供できる。
図29は第10の実施の形態を示している。この第10実施形態は以下説明する構成が第6実施形態とは相違しており、それ以外の構成は第6実施形態と同じである。このため、第6実施形態と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、第6実施形態と同じ符号を付してその説明を省略する。更に、必要に応じて図26及び図27等も参照して説明する。
第10実施形態のミキサー1は第6実施形態のミキサーとは次の構成が異なる。閉じ部材を兼ねた駆動装置2の筐体3内に減圧手段10を配置することに代えて、減圧手段10は筐体3の外部に用意されている。これに伴い、第6実施形態のミキサーが備えた電気的な接続手段及び電気コネクタも省略されている。これとともに、第6実施形態のミキサーが備えた閉じ部材に設けられた解放弁、弁棒、及び解放ボタン、並びに吸気管と逆止弁を省略することに代えて、閉じ部材2bに弁装置111、及びこの弁装置111と収納空間Sとを連通させる空気配管108を備えている。
詳しくは、減圧手段10には真空ポンプが用いられている。この減圧手段10は、ミキサー1の製造販売会社から調理部とセットで提供されるものであるが、これに代えて調理部とは別に、ミキサー1の製造販売会社とは異なる別会社から提供されるものであっても良い。ここで、前記調理部とは、モータ9が内蔵された駆動装置2と、調理容器41と、綴じ部材2bと、加工具61を備えている。
減圧手段10は、第8実施形態で図27を用いて説明した減圧手段と同一であるため、ここでは、減圧手段10の構成についての説明は省略する。
弁装置111は、第8実施形態で図26を用いて説明した弁装置と同一であるため、ここでは、弁装置111の構成についての説明は省略する。この弁装置111は閉じ部材2bの筐体91の上壁に取付けられ上向きに突出している。そのため、弁装置111が有する弁解放用の押しボタン27d(図26参照)は下方に押込み操作することができる。この操作により弁装置111は開かれる。
空気配管108の一端は弁装置111が有するベース24(図26参照)に接続されている。空気配管108の他端は閉じ部材2bが有した筐体91の閉鎖壁部3cに支持されている。この他端は、シールリング35で囲まれた内側空間に開口している。そのため、弁装置111に上方から作用する負圧や押しボタン27dが押されて、弁装置111の弁孔25eが開かれた場合に、弁装置111及び空気配管108が連通される。なお、第10実施形態において、閉じ部材2bは、筐体91を有する構成に限らず、蓋51と同様な構成とすることができる。この場合、空気配管108を省略して実施すればよい。
第10実施形態で以上説明した以外のミキサー1の構成は第6実施形態のミキサーと同じである。
次に、第10実施形態のミキサー1を使用する手順を簡単に説明する。
まず、調理容器41内に加工具61を収めて、この加工具61の接続部62を調理容器41の固定軸45に上方から嵌合させる。この後、調理容器41の内部(収納空間S)に適当な大きさに切断された食品等を収納する。
次に、調理容器41の上部に閉じ部材2bを螺合して取付け、調理容器41の上端開口を閉じて、収納空間Sを密閉する。
この後、手動式の減圧手段10を、閉じ部材2bの筐体91上に載せる。この場合、図26に二点鎖線で示すように弁装置111が有した弁筐25の少なくとも上部が、減圧手段10の吸口101a(図26参照)内に配置されるように減圧手段10を載せる。次に、ピストン102(図27参照)を操作し、上下方向に繰り返し往復移動させることにより、減圧手段10を動作させる。なお、減圧手段10が不用意に動くことを妨げる保持部を閉じ部材2bが有した筐体91の上壁に設けた場合は、減圧手段10の載置状態が安定するので、手動によるポンプ動作を円滑に行うことが可能となる点で好ましい。
ピストン102がシリンダ101(図27参照)から引出される度に、減圧手段10は排気動作をする。これにより生じた負圧は弁板部27a(図26参照)にその上方から波及するので、この弁板部27aがめくれ上がって弁孔25e(図26参照)が開かれる。そのため、調理容器41内の空気が、空気配管108及び弁装置111の弁孔25e(図26参照)を通り、更に減圧手段10を通って外部に排気される。この逆に、ピストン102がシリンダ101に押し込まれた場合は、弁板部27aにその上方から作用する空気圧が高くなって、弁板部27aが弁孔25eを閉じるので、排気は行われない。このため、ピストン102が繰り返し押引き操作されることに伴い、収納空間Sが排気される。それによって、調理容器41内が減圧され、調理容器41内の酸素濃度が、大気中の酸素濃度よりも低くなる。
こうして調理容器41内が適当に減圧された後、減圧手段10が閉じ部材2b上から外される。この状態では、空気配管108を通じて収納空間Sの負圧が、弁孔25eに波及して弁板部27aを弁座壁25c(図26参照)に引き付けている。このため、弁孔25eが閉じた状態に保持されるとともに、収納空間Sの減圧状態が維持される。
次に、調理容器41を駆動部2aの筐体90上に載せて、工具連結部材21と回転軸46とを接続する。なお、既述の調理容器41の排気は、駆動部2a上に密閉された調理容器41を配置した状態で行なうこともできる。
この後、操作パネル13のスタートスイッチ14(図6参照)をオンさせ、制御装置11によりモータ9を所望時間駆動させる。それにより、加工具61が回転されるので、減圧状態で、調理容器41内の食品が破砕されミキシングされて、ジュースが作られる。
モータ9が停止された状態で、押しボタン27dを押下げ操作する。それにより、弁体27(図26参照)の中心部が押し下げられるに伴い、弁座壁25c(図26参照)との関係では、弁板部27aの周部がめくれ上がるようになって、弁孔25eが開かれる。つまり、弁装置111が開かれる。それにより、収納空間S外の空気が弁装置111及び空気配管108を通って調理容器41内に流入される。この後、閉じ部材2bと調理容器41を相対的に弛む方向に回転させて、これらを分離させる。最後に、必要に応じて加工具61を調理容器41から取除く。
したがって、第10実施形態においても、減圧下でミキシングができることにより、前記課題が解決される。しかも、簡単な構成でありながら、食品の酸化を抑制できるとともに調理容器41内の圧力が過大に上昇することも抑制しつつ食品を加工することが可能なミキサー1を提供できる。
第10実施形態では、加工具61を除いた後に、蓋15を調理容器41に取付ける。この状態で、減圧手段10を蓋側逆止弁55の真上に配置し、減圧手段10を手動動作してもよい。これにより、蓋側逆止弁55が開かれて、調理容器41内を減圧できる。
図30〜図32は第11の実施の形態を示している。以下説明する第11実施形態のミキサーで、第1〜第10の実施形態で説明した部品や構成と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。更に、必要に応じて図4A、図4B、図7、及び図8等も参照して説明する。
第11実施形態のミキサー1は、駆動装置2と、調理容器41と、第1閉じ部材をなす第1蓋121と、第2閉じ部材をなす第2蓋131を備えている。
図31及び図32に示すように駆動装置2は、筐体3と、AC(交流)/DC(直流)スイッチング電源7と、DC(直流)/DC(直流)コンバータ8と、モータ9と、減圧手段10と、制御装置11と、操作パネル13と、後述する加工具61の支持部として機能する工具連結部材21と、蓋検知手段37と、減圧手段10を保護するための第1保護手段141と、判定手段151等を備えている。
AC/DCスイッチング電源7と、DC/DCコンバータ8と、モータ9と、減圧手段10と、制御装置11と、第1保護手段141と、判定手段151は、筐体3に内蔵されている。
モータ9には電動モータ例えばDC(直流)モータが用いられる。このモータ9に供給される電流の方向によって出力軸の回転を反転させることが可能である。減圧手段10には例えば電動式の真空ポンプを好適に使用できる。減圧手段10は、DC/DCコンバータ8から供給される直流電力により駆動される。減圧手段10の吐出し口に排気管12が接続され、この排気管12の先端は筐体3の外部に開放されている。
減圧手段10に収納空間S内の空気を導くために、第1吸気管20a及びこれに連通される第2吸気管20bが用意されている。第1吸気管20aは筐体3の厚み方向の一端壁3eに開口されている。第2吸気管20bは減圧手段10に接続されている。
制御装置11には例えばマイクロコンピュータを好適に使用できる。この制御装置11は、それが有したメモリに記憶された各種のプログラムにしたがってモータ9及び減圧手段10の駆動を夫々制御するとともに、操作パネル13での各種の表示を制御する。操作パネル13は、駆動装置2の表面にこの装置の外部から操作ができるように取付けられている。
操作パネル13は、図6を用いて既に説明したスタートスイッチ、停止スイッチ、調理モード表示部具体的にはミキシングモード表示部、調理時間表示部、減圧モード表示部、及び減圧時間表示部等を有している。
工具連結部材21はモータ9の出力軸に固定されている。工具連結部材21は筐体3の外部に配設されている。この工具連結部材21は後述する工具軸63の端部が上下方向に挿脱可能に接続される。工具軸63の端部が挿入して接続された状態で、前記出力軸の回転が工具軸63に伝えられるように、工具連結部材21は工具軸63の端部と凹凸係合される。
蓋検知手段37は後述する第1蓋121と第2蓋131を検知するために用いられる。この蓋検知手段37は、工具連結部材21が近接した筐体3の一端壁3eに取付けられている。蓋検知手段37は例えばプッシュスイッチからなる。そのため、蓋検知手段37は、後述する第1蓋121又は第2蓋131が、一端壁3eを覆った状態に配置された場合、これらの蓋で押されてオンされる。プッシュスイッチ製の蓋検知手段37は、それに対する押圧力が消失すると、オフ位置に復帰される。
なお、図31と図32とにおいて、プッシュスイッチのオン状態とオフ状態を明確にするために、蓋検知手段37は上下に移動する形で描いた。しかし、アクチュエータを有しこのアクチュエータが蓋に接して移動されてスイッチング動作を行う構成のスイッチを採用する場合は、スイッチ全体を移動させる必要はない。
第1保護手段141は、減圧手段10にジュースが到達しないようにするために用意されている。この第1保護手段141は、液溜め容器142と、排液管143と、液面検知手段144とを備えている。
液溜め容器142は、吸気管の途中、つまり、第1吸気管20aと第2吸気管20bとの間に、これらの管と連通して配設されている。第1吸気管20aは液溜め容器142の上下方向の一端部に接続されている。第2吸気管20bは、第1吸気管20aとは異なる高さ位置で液溜め容器142に接続されている。
排液管143は、液溜め容器142内のジュースを筐体3外に排出するために、液溜め容器142の他端部と筐体3の外部とを連通している。この排液管143は液溜め容器142内の液体が自重で流出されるように傾斜されている。排液管143から排出されるジュースを受けるはカップ145が、筐体3の外面に取外し可能に装着されている。このカップ145により、筐体3の外面がジュースで汚されることを防止できるとともに、筐体3外に排出されたジュースの処理が容易となる。
液面検知手段144にはフロートスイッチ等の水位センサが用いられる。この液面検知手段144は液溜め容器142内の残液(残ったジュース)が所定の高さに達したか否かを検出する。ここで、所定の高さとは、液溜め容器142と第2吸気管20bとの接続箇所より低い高さに設定される。液面検知手段144の検知情報は制御装置11に供給される。制御装置11は、液面検知手段144が所定高さを超える液面を検出した場合、減圧手段10が停止中であっても駆動中であっても、減圧手段10の動作を禁止する制御を担っている。なお、液面検知手段144が所定高さを超える液面を検出した場合、その情報を元に制御装置11により、使用者に注意を促す報知を、操作パネル13に表示させるようにすることも可能である。
判定手段151は、例えば上下方向に長い容器15a内に上下に移動可能に収容された錘152と、前記容器の一端に配置されて錘152が接離されることによってON−OFFされるスイッチ153を有している。この判定手段151により、減圧手段10が調理容器41の上下どちらかに位置するのかが判定される。
つまり、図31に示すようにスイッチ153が錘152の下側に位置された場合、スイッチ153は錘152で押されて例えばONとなる。それにより、減圧手段10が調理容器41の下に位置していることが判定される。図32に示すようにスイッチ153が錘152の上側に位置された場合、錘152はスイッチ153の下方に離れるので、スイッチ153はOFFとなる。それにより、減圧手段10が調理容器41の上に位置していることが判定される。
この判定手段151の検知情報は制御装置11に供給される。減圧手段10が調理容器41の上に位置していると判定手段151が判定した場合、制御装置11は減圧手段10の駆動を可能とする制御をする。この逆に、減圧手段10が調理容器41の下に位置していると判定手段151が判定した場合、制御装置11は減圧手段10の駆動を禁止する。したがって、後述する逆止弁23が故障した場合、又は加工具61の回転時に減圧手段10が誤って駆動された場合に、調理容器41内のジュース等が減圧手段10に吸込まれることを防止することが可能である。
図31及び図32に示すように調理容器41は食品の収納空間Sを区画して形成されている。調理容器41は、内部の収納空間Sを透視できる材料、例えばガラスやプラスチックス等の材料で形成することが好ましい。この調理容器41の一端は開放されている。
調理容器41の一端開口縁部に、第1、第2の蓋との接続のために用いられる螺合部、例えば一端開口縁部に雌ねじ部からなる内側螺合部43が形成されている。
第1蓋121は調理容器41を減圧する際及び食品を加工する際に使用される。この第1蓋121は螺合部例えば雄ねじ部からなる外側螺合部122を有している。外側螺合部122は内側螺合部43に着脱可能に螺合される。それにより、第1蓋121は、調理容器41に着脱されて収納空間Sを開閉可能である。外側螺合部122の根元にシール材53が取付けられている。外側螺合部122の先端部にシール材54が取付けられている。
図31に示すように第1蓋121はその厚み方向に貫通する通気孔123を有している。この第1蓋121は、図示しないクランプとクランプ受け等の連結手段により、駆動装置2に着脱可能に取付けることができる。
第1蓋121に、加工具61と、蓋側逆止弁55と、第2保護手段125が取付けられている。
加工具61は、工具軸63と、この工具軸63の一端に連結された工具要素64を有している。工具軸63は、第1蓋121にその厚み方向に貫通して回転自在に取付けられている。外側螺合部122が突出された側に工具要素64が配置されている。工具要素64と反対側の工具軸63の端部は、工具連結部材21に着脱可能に嵌合され、その接続状態で工具連結部材21の回転力が工具軸63に与えられる。
蓋側逆止弁55は通気孔123に内蔵されている。この蓋側逆止弁55は、既述の各実施形態で説明した逆止弁と同一構成である。このため、蓋側逆止弁55は、調理容器41内が排気されるときに開かれ、この排気時以外のときに閉じられる。
第2保護手段125は、通気孔123を通る気流を基準として蓋側逆止弁55より上流側で、通気孔123を開閉する。この第2保護手段125は例えば通気孔123と交差する方向に往復移動されるシャッタ板で形成されている。シャッタ板は、図31中実線で示すように通気孔123を横切った閉じ位置と、通気孔123を横切らない閉じ位置とにわたって移動可能である。シャッタ板の移動は例えば手動で行われる。なお、第1蓋121に、電磁石からなる駆動機構やモータを含む駆動機構を組込んで、この機構により自動でシャッタ板を往復移動させることも可能である。
第2保護手段125は、減圧時に通気孔123を開く位置に配置され、食品加工時などに通気孔123を閉じる位置に配置される。このため、蓋側逆止弁55が故障した場合、又は加工具61の回転時に減圧手段10が誤って駆動された場合に、調理容器41内のジュース等が減圧手段10に吸込まれることを、第2保護手段125で防止することが可能である。
第11実施形態は、第2保護手段125以外に、既述の第1保護手段141を備えているので、減圧手段10を二重に保護でき、保護性能が高い。しかし、第2保護手段125を省略して第11実施形態を実施することも可能である。
第1蓋121と筐体3の一端壁3eとのいずれか一方、例えば一端壁3eにシールリング35が取付けられている。このシールリング35は、通気孔123の開口端を囲むような形態で第1蓋121と一端壁3eとで挟まれる。挟まれた状態のシールリング35の内部空間は、通気孔123に連通されるだけではなく、第1吸気管20aにも連通される。したがって、通気孔123は、シールリング35の内部空間、第1吸気管20a、液溜め容器142、第2吸気管20bを経由して減圧手段10の吸込み口に連通可能である。
第2蓋131は第1蓋121と交換して使用される。具体的には、第2蓋131は、加工済みのジュースが溜まっている調理容器41を減圧するとき、及びこの後に調理容器41を携帯し、或いは冷蔵庫などに保存するとき等に使用される。この第2蓋131は、図示しないクランプとクランプ受け等の連結手段により、駆動装置2に着脱可能に取付けることができる。
図32に示すように第2蓋131は螺合部例えば雄ねじ部からなる外側螺合部132を有している。外側螺合部132は内側螺合部43に着脱可能に螺合される。それにより、第2蓋131は、調理容器41に着脱されて収納空間Sを開閉可能である。外側螺合部132の根元にシール材53が取付けられている。外側螺合部132の先端部にシール材54が取付けられている。なお、図32中符号131aは第2蓋131に形成された凹部を示している。凹部131aは工具連結部材21を逃げるために設けられている。
第2蓋131はその厚み方向に貫通する通気孔133を有している。第2蓋131に蓋側逆止弁55が取付けられている。この蓋側逆止弁55は、既述の各実施形態で説明した蓋側逆止弁と同一構成である。このため、蓋側逆止弁55は、調理容器41内が排気されるとき、及び蓋側逆止弁55が有する押しボタン27dが手動で押されたときに開かれるとともに、これら以外のときに閉じられる。
第2蓋131と筐体3の一端壁3eとのいずれか一方、例えば一端壁3eに取付けられたシールリング35は、通気孔133を囲むような形態で第2蓋131と一端壁3eとで挟まれる。挟まれた状態のシールリング35の内部空間は、通気孔133に連通されるだけではなく、第1吸気管20aにも連通される。したがって、通気孔133は、シールリング35の内部空間、第1吸気管20a、液溜め容器142、第2吸気管20bを経由して減圧手段10の吸込み口に連通可能である。
次に、図30(A)〜図30(G)を参照して第11実施形態のミキサー1の取扱い方法を説明する。
まず、図30(A)に示すように駆動装置2と加工具61付きの第1蓋121とを連結すると共に、このアセンブリから調理容器41を独立させる。この状態で、調理容器41内に加工対象の食品等を収納する。
次に、前記アセンブリを調理容器41に対して上方から取付ける。この場合、加工具61が第1蓋121の下に位置されるように前記アセンブリを上下逆様にした上で、第1蓋121の外側螺合部122を調理容器41の内側螺合部43に螺合させる。それにより、第1蓋121が図30(B)に示すように調理容器41の上側に駆動装置2が配置される、これとともに、調理容器41内の食品(液体を含む)に接しない状態となる。この状態で、判定手段151のスイッチ153がオフとなる。それに基づいて、制御装置11は、モータ9の動作を禁止させる状態に制御するとともに、減圧手段10の駆動を可能な状態に制御とする。なお、同状態において、第2保護手段125をなすシャッタ板は、通気孔123を開いた状態に配置される。
この図30(B)の状態で、操作パネル13を用いて減圧のための操作をし、減圧手段10を駆動させる。それにより生成される負圧で蓋側逆止弁55が開かれる。そのため、調理容器41内の空気が排出されて、収納空間Sは減圧され低酸素濃度となる。この場合、調理容器41内の液面が第1蓋121の下方に離れているので、調理容器41内の液が減圧手段10に吸込まれることはない。
この後、第2保護手段125をなすシャッタ板で通気孔123を閉じる、この状態で、図30(C)に示すようにミキサー1全体を上下逆様にする。それにより、調理容器41の下側に駆動装置2が配置されるとともに、調理容器41内の食品が第1蓋121に上方から接する。この状態で、判定手段151のスイッチ153がオン状態となる。それに基づいて、制御装置11は、モータ9の動作が可能となる状態に制御するとともに、減圧手段10の駆動を禁止する状態に制御とする。
この図30(C)の状態で操作パネル13を用いて加工(ミキシング)のための操作をし、加工具61を回転させて、食品をミキシングする。この状態を図30(D)に示す。このようにミキシングをするときは、モータ9などが内蔵されて重量的に重い駆動装置2調理容器41の下側に配置されている。これとともに、加工具61も調理容器41に対して下部に配置されている。したがって、駆動装置2が調理容器41の上側に配置された状態でミキシングをする場合のように、ミキサー1の上部が振れ回るような挙動をすることがない。これに伴い、ミキサー1が使用者により上方から押えられない場合であっても、ミキサー1が安定した状態に保持され、ミキシングができる。この場合、減圧手段10は駆動されないので、調理容器41内の液が減圧手段10に吸込まれることはない。
この後、再度、ミキサー1を上下逆様にする。この状態で駆動装置2を取外し、次に、第1蓋121を取外す。こうした手順により加工具61が調理容器41から除かれて、調理容器41内には、ミキシングされたジュースが残された状態となる。
次に、駆動装置2に第2蓋131を連結して第2アセンブリを形成する。この状態を図30(E)に示す。更に、組立てられた第2アセンブリを、図30(F)に示すように調理容器41に取付ける。つまり、駆動装置2の下側に第2蓋131を配置した状態で、この第2蓋131の外側螺合部132を調理容器41の内側螺合部43に螺合させる。
それにより、調理容器41の上側に駆動装置2が配置されるとともに、調理容器41内のシュースに第2蓋131が接しない状態となる。この状態では、判定手段151のスイッチ153がオフとなる。それに基づいて、制御装置11は、モータ9の動作を禁止させる状態に制御するとともに、減圧手段10の駆動を可能な状態に制御とする。
この図30(F)の状態で、操作パネル13を用いて減圧のための操作をし、減圧手段10を駆動させる。それにより生成される負圧で蓋側逆止弁55が開かれる。そのため、調理容器41内の空気が排出されて、収納空間Sは再び減圧され低酸素濃度となる。この場合、調理容器41内の液面が第2蓋121の下方に離れているので、調理容器41内のジュースが減圧手段10に吸込まれることはない。
この後、図30(G)に示すように調理容器41と第2蓋131との接続を維持したままで、第2蓋131と駆動装置2との連結を解除して、駆動装置2を取外す。この状態では、調理容器41内の負圧により蓋側逆止弁55は閉じた状態に保持されるため、ジュースを低酸素下に保つことができる。そのため、第2蓋131で密封された調理容器41を用いて、ジュースを低酸素下に保持した状態で携帯できるとともに、冷蔵庫などに保管することが可能である。
調理容器41内のジュースを飲用するには、まず、第2蓋131の蓋側逆止弁55の押しボタン27dを手で押して、この蓋側逆止弁55を開く。これにより、調理容器41内を大気圧とした上で、第2蓋131を調理容器41から外す。この状態で、調理容器41を飲用容器として用いて、内部のジュースを飲むことが可能である。
以上説明したように第11実施形態においても、減圧下でミキシングができることにより、前記課題が解決される。しかも、簡単な構成でありながら、食品の酸化を抑制できるとともに調理容器41内の圧力が過大に上昇することも抑制しつつ食品を加工することが可能なミキサー1を提供できる。
図33〜図35は第12の実施の形態を示している。以下説明する第12実施形態のミキサーで、第5実施形態で説明した部品や構成と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
第12実施形態のミキサー1は、駆動装置2と、調理容器41と、閉じ部材161と、加工具61を備えている。
図33に示すように駆動装置2は、台171と、この台171から起立したカバー部172と、このカバー部172の上端部に連続されたヘッド部173を有している。
台171は第5実施形態で説明した駆動部に相当している。この台171は、筐体3と、AC(交流)/DC(直流)スイッチング電源7と、DC(直流)/DC(直流)コンバータ8と、モータ9と、減圧手段10と、制御装置11と、操作パネル13と、後述する加工具61の支持部として機能する工具連結部材21と、容器検知手段81等を備えている。
カバー部172は、例えば台171の背面側部位から上向きに突設されていて、台171の内部に連通されている。ヘッド部173は台171に上方から対向されている。このヘッド部173は、カバー部172から正面方向に突出されていて、例えば先細り状に形成されている。
調理容器41は、カップ数杯分のジュースを溜め置くことができるような容積を有している。台171に載置される調理容器41は、台171とヘッド部173との間に出し入れすることができる。調理容器41が台171に載置された状態で、調理容器41の底壁を貫通して取付けられた回転軸46は、工具連結部材21にこれから回転が伝達可能に嵌合される。
調理容器41の上端は開口されている。調理容器41はその下部にストッパ部175を有している。ストッパ部175は、例えば調理容器41の内周面から一体に突出された環状の凸部で形成されている。これに代えて調理容器41の下部を上部より小径とすることにより、これらの間に形成される段部をストッパ部として利用することもできる。調理容器41のストッパ部175より上部は、直径に変化がない円筒部である。少なくとも円筒部は、調理容器41の内部の視認を可能とするために透明となっている。
加工具61は、接続部62と工具要素64で形成されていて、工具軸を有さない構成である。この加工具61は、調理容器41内で回転軸46の上部に着脱可能、若しくは固定して接続されている。この加工具61の上端は、ストッパ部175の上端の高さ位置よりも低く配置される。
ストッパ部175より下方でかつ調理容器41の底部にコック176が取付けられている。コック176は流出管と、この流出管を開閉するコック本体と、このコック本体に連結されたコックハンドルを有している。コック本体は流出管内に回転可能に配置されている。コックハンドルでコック本体を回転させて流出管を開けることにより、調理容器41内のジュースが流出可能となる。
コック176とストッパ部175との間に位置して調理容器41に空気補給弁177が取付けられている。空気補給弁177は、調理容器41内に溜められたジュースなどの液状食品を、コック176から流出させる際に、使用者により手動で開放される。この空気補給弁177は、手動による開き力が作用した場合に、ばねの力等で自動的に閉じる構成であることが好ましい。
閉じ部材161は、ヘッド162と、及びハンドル166を有している。
ヘッド162は、ヘッド本体163と、このヘッド本体163の周部に取付けられたシール164を有している。シール164は弾性変形が可能なゴムやエラストマ等で形成されている。シール164によって規定されるヘッド162の直径は、調理容器41の円筒形をなした上部の内径に見合った大きさである。
ヘッド162は調理容器41内に上下方向に移動可能に嵌合されている。この嵌合状態で、シール164は弾性変形をした状態で調理容器41の上部内面に摺動可能に接している。ヘッド162は調理容器41に対して上方から挿脱することができる。
ヘッド本体163にはその下面に開放する凹部163aが設けられ、この凹部163aに蓋側逆止弁55が配設されている。蓋側逆止弁55は、既に説明したものと同じ構成であり、ヘッド本体163の下側空間が排気されるときに負圧により開かれ、それ以外のとき閉じた状態を保持する。
図34に示すようにハンドル166は、例えば二本の縦棒166aと、横棒からなる握り部166bとで形成されている。縦棒166aの下端はヘッド本体163に上側から連結されている。縦棒166aの上端は握り部166bに連続されていて、この握り部166bを略水平に支持している。このハンドル166を握ってヘッド162を上下に移動させることができる。ハンドル166と駆動装置2のヘッド部173とが干渉しないように、二本の縦棒166a間に駆動装置2のヘッド部173が配置されている。
ヘッド162に取付けられた蓋側逆止弁55に吸気管168の一端が接続されている。吸気管168は、ヘッド部173及びカバー部172の内部を経由して台171に引き込まれており、その引き込み端(他端)は減圧手段10の吸込み口に接続されている。この吸気管168は閉じ部材161の移動に追従して自在に変形ができる材料で作られている。
吸気管168の途中に液溜め容器169が取付けられている。例えば、ヘッド部173とヘッド162との間にわたる配管部位に液溜め容器169が取付けられている。この液溜め容器169はヘッド162の上面に取外し可能に置かれている。
ヘッド本体163に支持されてこの上側に液検知手段179が配設されている。液検知手段179は、ジュース等の調理後の液状食品が蓋側逆止弁55を流通したか否かを検知する。この液検知手段179は、以下の説明に制約されず、液面計などを用いることもできるが、吸気管168の動きを利用してON−OFFされるマイクロスイッチで形成されている。
即ち、図35A及び図35Bに示すようにマイクロスイッチは、押込み可能な可動子179aが突設されたスイッチ本体179bと、この本体に回動可能に取付けられてスイッチ本体179bに接近する方向に回動されたときに可動子179aを押し込むレバー状のアクチュエータ179cを有している。マイクロスイッチは、可動子179aがアクチュエータ179cで押されていないときはOFF状態を保持し、可動子179aがアクチュエータ179cで押されると、ONとなる。
吸気管168の一部はアクチュエータ179cに沿って配管されている。この吸気管168に空気が流通しているときの空気圧は低い。このため、図35Aに示すようにアクチュエータ179cが吸気管168で押されることはなく、マイクロスイッチはOFF状態を保持する。吸気管168に液状食品が流通しているときの流体圧は高い。このため、図35Bに示すようにアクチュエータ179cが吸気管168でスイッチ本体179bに接近する方向押されるので、マイクロスイッチはON状態となる。
液検知手段179の検知情報は、図33に示す信号線165を介して制御装置11に供給される。制御装置11は、液検知手段179が液状食品の流出を検知した信号が供給された場合、減圧手段10の運転を禁止させる制御を担う。こうした制御により、吸気管168に流入した液状食品が減圧手段10に吸込まれることが防止され、減圧手段10が保護される。
第12実施形態のミキサー1は、以上説明した構成以外は図示されない構成を含めて既に説明した実施形態と同じである。
次に、第12実施形態のミキサー1の使用手順を説明する。
まず、調理容器41内に加工具61と加工すべき食品等を収納した上で、この調理容器41の上端部に閉じ部材161のヘッド162を挿入する。これにより、閉じ部材161が調理容器41を密封するとともに、シール164の摩擦力でヘッド162は挿入された高さ位置に保持される。
次に、調理容器41を駆動装置2の台171上に載置するとともに、ヘッド162上に液溜め容器169を配置する。こうしてセットされた状態を図33に示す。
この状態で、まず、減圧手段10を駆動させる。それにより、吸気管168を介して負圧が蓋側逆止弁55に作用して、この蓋側逆止弁55が開かれる。よって、調理容器41内が減圧され、低酸素雰囲気下に食品が置かれる。
この後、減圧手段10を停止させてからモータ9を所望時間駆動する。それにより、加工具61が回転されて、調理容器41内の食品が粉砕されてジュースとなる。これに伴う食品等の容積減少により、ジュースの液面とヘッド162との間には空気層が形成される。
次に、ハンドル166bを掴んで、閉じ部材161を押下げる。この押下げによって、前記空気層の圧力が高まるので、適当なところで、再び減圧手段10を適当時間駆動させて、調理容器41内を排気する。こうした作業を適当回数繰り返すことにより、ヘッド162の下面を調理容器41内のジュースの液面全体に接触させる。この接触状態になったかどうかは、目視により調理容器41を透視して確認する。
この状態で、調理容器41内の空気は殆ど排出されている。このため、調理容器41内に溜め置かれたジュースを、酸化が殆ど生じない状態に保持できる。
このように溜め置かれたジュースは、コック176を開くと共に空気補給弁177を開くことにより、調理容器41から取出すことができる。これに伴って、調理容器41には空気補給弁177から空気が補給される。
そのため、コック176から所望量のジュースを流出させた後に、既述のように閉じ部材161の押下げと、減圧手段10の駆動を再度行なう。それにより、ヘッド162の下面を調理容器41内のジュースの液面に再び接触させて、調理容器41内のジュースを、酸化が殆ど生じない状態に保持できる。
閉じ部材161にその下方からストッパ部175が接触することによって、それ以上、閉じ部材161が押下げられることがない。そのため、閉じ部材161が加工具61の工具要素64に接して傷付けられることが防止される。なお、この時点で、調理容器41に残っているジュースの残量は、例えばカップ一杯に相当する量に設定することが好ましい。
以上説明したように第12実施形態においても、減圧下でミキシングができることにより、前記課題が解決される。しかも、簡単な構成でありながら、食品の酸化を抑制できるとともに調理容器41内の圧力が過大に上昇することも抑制しつつ食品を加工することが可能なミキサー1を提供できる。
図36〜図38は第13の実施の形態を示している。以下説明する第13実施形態のミキサーで、第5実施形態で説明した部品や構成と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
第13実施形態のミキサー1は、駆動装置2と、調理容器41と、閉じ部材を兼ねる蓋51と、加工具61と、吸気配管85と、中蓋181を備えている。
駆動装置2は調理容器41が着脱可能に載置される台として使用される。この駆動装置2の構成は第5実施形態で説明した駆動装置と同じである。
調理容器41は、カップ数杯分のジュースを溜め置くことができるような容積を有している。調理容器41の底壁を貫通して取付けられた回転軸46は、調理容器41が駆動装置2の筐体3に載置された状態で、工具連結部材21にこれから回転が伝達可能に嵌合される。回転軸46の上部に接続される加工具61の構成は第5実施形態で説明した加工具と同じである。
調理容器41の上端は開口されている。調理容器41はその下部にストッパ部175を有している。ストッパ部175は、例えば調理容器41の内周面から一体に突出された環状の凸部で形成されているが、これに代えて調理容器41の下部を上部より小径とすることにより、これらの間に形成される段部をストッパ部として利用することもできる。調理容器41のストッパ部175より上部は、その上端部を除いて直径に変化がない円筒部である。
ストッパ部175より下方でかつ調理容器41の底部にコック176が取付けられている。コック176は、流出管と、この流出管を開閉するコック本体と、このコック本体に連結されたコックハンドルを有している。コック本体は流出管内に回転可能に配置されている。コックハンドルによるコック本体を回転させて流出管を開けることにより、調理容器41内のジュースが流出可能となる。
調理容器41の上端開口を開閉する蓋51の構成は第5実施形態で説明した蓋と同じである。
中蓋181は調理容器41に出し入れ可能である。この中蓋181は、調理容器41内内に溜められたジュース等の液状食品の液面の略全体を覆うように液面に接した状態に配置して使用される。
そのために、図36に示すように中蓋181は、蓋本体182と、ひれ部183を有している。蓋本体182は円形であり、その直径は調理容器41のストッパ部175より上部の内径と略等しい。ひれ部183は、蓋本体182より遥かに薄く自在に変形ができる。このひれ部183は、図38に示すように蓋本体182の外周に沿って例えばぎざぎざ形状ないしは波形状をなして一体に突設されている。
第13実施形態のミキサー1は、以上説明した構成以外は図示されない構成を含めて既に説明した第5実施形態と同じである。
次に、第13実施形態のミキサー1の使用手順を説明する。
まず、管継手28と蓋側逆止弁55を吸気配管85で連通させた上で、第5実施形態で説明した手順により、調理容器41内を減圧し、この減圧下で食品を加工してジュースを作る。ジュース作成後、蓋51が閉じている状態での調理容器41内の圧力は、負圧に保持されている。このため、コック176を開けても、ジュースを取り出すことはできない。
そこで、蓋51を外し、その上でコック176を開くことにより、調理容器41内のジュースを取り出すことができる。この後、使用者により、中蓋181が調理容器41内に落とし込まれる。それにより、図37に示すように蓋本体182が、ジュースの液面の略全体を覆ってこの液面に接した状態で、かつ、ジュース上に浮かんだ状態に配置される。これとともに、ひれ部183がその根元部から曲がって調理容器41の内面に接するように配置される。
こうして中蓋181がジュースと空気との接触を実質的に遮断した状態に配置されるので、調理容器41内に溜められたジュースの酸化を抑制できる。ひれ部183はぎざぎざ形状となっているので、中蓋181で覆われたジュースは僅かではあるが空気と接することが可能である。この状態でコック176が開けられると、ジュースを取出すことが可能である。この場合、ジュースの流出による液面の低下に追従して、中蓋181は下方に移動される。そのため、ジュースの一部が取り出されても、調理容器41内に溜められたジュースの酸化を抑制できる状態は維持される。
中蓋181の蓋本体182にその下方からストッパ部175が接触することによって、それ以上、中蓋181が下がることはない。そのため、中蓋181が加工具61の工具要素64に接して傷付けられることが防止される。なお、この時点で、調理容器41に残っているジュースの残量は、例えばカップ一杯に相当する量に設定することが好ましい。
以上説明したように第13実施形態においても、簡単な構成でありながら、食品の酸化を抑制できるとともに調理容器41内の圧力が過大に上昇することも抑制しつつ食品を加工することが可能なミキサー1を提供できる。
図39〜図44は第14の実施の形態を示している。以下説明する第14実施形態のミキサーで、第5実施形態で説明した部品や構成と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
第14実施形態のミキサー1は、図39に示すように駆動装置2と、調理容器41と、閉じ部材191と、加工具61と、吸気配管85を備えている。
駆動装置2は調理容器41が着脱可能に載置される台として使用される。この駆動装置2の構成は第5実施形態で説明した駆動装置と同じである。
調理容器41はその内部を透視可能であるとともに上端が開口されている。調理容器41の開口縁部41aには、内周螺合部に代えて雄ねじ部からなる外側螺合部42が設けられている。調理容器41はその下部にストッパ部175を有している。ストッパ部175は、例えば調理容器41の内周面から一体に突出された環状の凸部で形成されているが、これに代えて調理容器41の下部を上部より小径とすることにより、これらの間に形成される段部をストッパ部として利用することもできる。
調理容器41は駆動装置2の筐体3に着脱可能に載置できる。調理容器41の底壁を貫通して取付けられた回転軸46は、調理容器41が筐体3に載置された状態で、工具連結部材21にこれから回転が伝達可能に嵌合される。回転軸46の上部に接続される加工具61の構成は第5実施形態の加工具と同じである。
閉じ部材191は、図40に示すように部材ベース192と、袋部材195を備えている。
部材ベース192は、円形で、その直径は調理容器41の上端開口を覆うことができる大きさである。部材ベース192は、その周部裏面に円形の壁192aを有し、この壁192aの内周面に雌ねじ部からなる内側螺合部193が形成されている。内側螺合部193は外側螺合部42に着脱可能に螺合される。この螺合により、閉じ部材191を、調理容器41にその開口を覆って取外し可能に接続できる。内側螺合部193の上端部に位置してシール材53が取付けられている。
部材ベース192の例えば中央部に上下方向に貫通する通気孔194が開けられている。
袋部材195は、膨縮可能な軟質な材料例えばゴムにより形成されていて、部材ベース192の裏面に装着されている。袋部材195の内部空間は通気孔194に連通されている。袋部材195は、連通孔184を通しての外気の出入りを伴って膨縮される。
この膨縮を可能とするために、袋部材195は例えば図40に示されるように底板部196と膨縮部197を有して袋状に形成されている。底板部196は容易に変形しない硬質な円板である。この底板部196の直径は調理容器41の上部の内径と略等しい。膨縮部197は弾性変形を伴って自在に変形ができるように薄く形成されている。この膨縮部197の上端は部材ベース192の裏面に固定され、膨縮部197の上端は底板部196の周縁に一体に連続されている。
膨縮部197は通気部198を有している。図41に示すように通気部198は溝によって形成されている。この通気部198は、膨縮部197の膨張に伴って容易に変形することがないように肉厚となっている。通気部198は上下方向に延びていて、その下端が底板部196に開放されている。
なお、膨縮部197は、通気部198を設けることに代えて、調理容器41の上部内周面の一部に設けてもよい。この場合、調理容器41に上部内周面に、上下方向に延びる複数本のリブを互に接近させて設けることにより、隣接したリブ間に形成される溝を通気部198として利用することが望ましい。
閉じ部材191の周部に蓋側逆止弁55が取付けられている。この蓋側逆止弁55の下側に連続するように通気部198が配設されている。蓋51に取付けられた蓋側逆止弁55は第5実施形態で説明した蓋側逆止弁と同一である。蓋側逆止弁55の構成は図7及び図8を用いて既に説明した通りであるので詳しい説明を省略するが、この蓋側逆止弁55は弁解放用の押しボタン(図示しない)を有している。
第14実施形態のミキサー1は、以上説明した構成以外は図示されない構成を含めて既に説明した第5実施形態と同じである。
第14実施形態のミキサー1の使用手順を説明する。
まず、調理容器41内に加工具61を収納して回転軸46に接続すると共に,調理容器41内に加工すべき食品や水等を収納する。この後、調理容器41の外側螺合部42に閉じ部材191の内側螺合部193を螺合して、閉じ部材191を調理容器41に取付ける。この状態で、閉じ部材191の袋部材195が調理容器41の上部に収納されて、通気部198は調理容器41の上部内面に接近する。
次に、管継手28と蓋側逆止弁55とを吸気配管85で連通させた上で、第5実施形態で説明した手順により、調理容器41内を減圧する。この場合、減圧手段10によって生成される負圧は、閉じ部材である蓋191の蓋側逆止弁55に吸気配管85を通して波及される。それに伴い、この蓋側逆止弁55が開かれて、収納空間Sが排気されるので、調理容器41内が減圧される。
この減圧に伴って、袋部材195は、通気孔194から外気を補給されながら膨張される。このため、調理容器41内の空気量が減らされる。これとともに、膨張した袋部材195の膨縮部197が、調理容器41の上部内周面に張り付くように接触される。この接触に伴い通気部198と調理容器41の上部内周面との間に通気路が確保される。そのため、袋部材195の膨張に拘わらず、前記通気路を通して袋部材195の下方空間の排気が継続される。こうして調理容器41内が確実に減圧され、調理容器41内の空気量を減らされる。この状態を図42に示す。
この後、減圧手段10の駆動が停止されるので、閉じ部材191の蓋側逆止弁55は閉じ状態となり、調理容器41内が減圧状態に保持される。この後、モータ9が駆動される。このため、調理容器41内の空気量が少なく、かつ、減圧された状態で、加工具61により食品をミキシングすることができ、それに伴い、ジュースが作られる。ジュースが作られた状態を図43に示す。この状態でのジュースは、空気との接触を実質的に遮断された状態に保持されるので、調理容器41内に溜められたジュースの酸化が抑制される。
ジュースが作られた状態では、食品等の嵩が減少し、ジュースの液面と袋部材195の底板部196との間に空気層が形成される。この場合、調理容器41外からの視認により前記空気層をなくす場合、再度、減圧手段10を駆動することで、袋部材195を膨張させて、調理容器41内を排気して、空気層を減少させればよい。
減圧手段10の再駆動されるともに袋部材195が下向きに膨張する。こうして袋部材195が下方に延びながら膨張した場合、ある時点で、袋部材195の底板部196にその下方からストッパ部175が接触するので、それ以上、底板部196が下がることはない。そのため、底板部196が加工具61の工具要素64に接して傷付けられることが防止される。
加工されたジュースが溜められた調理容器41は、閉じ部材191で閉じられた状態のままで、駆動装置2の筐体3上から外されて、携帯され、若しくは冷蔵後等に保管される。調理容器41内のジュースを飲む手順では、まず、閉じ部材191に取付けられた蓋側逆止弁55を開く。この操作は、使用者の手指などで、蓋側逆止弁55の押しボタン27d(図7及び図8参照)を図44中矢印で示す方向に押すことで行われる。
こうして蓋側逆止弁55が開らかれると、前記通気路を通って調理容器41内に外気が導入される。これに伴って、膨縮部197内の空気が通気孔194を通して排出されながら、膨縮部197が収縮されるに伴って底板部196は上昇される。このイメージを、図44中二点鎖線と実線との関係で示す。
調理容器41内への空気の導入により、この後、負圧の影響を受けることなく閉じ部材191を調理容器41から容易に外すことができる。こうした後に、調理容器41を飲用容器として利用して、内部のジュースを飲むことが可能である。これと共に、別に用意された飲用容器に調理容器41からジュースを移して、このジュースを飲むことができる。
以上説明したように第13実施形態においても、減圧下でミキシングができることにより、前記課題が解決される。しかも、簡単な構成でありながら、食品の酸化を抑制できるとともに調理容器41内の圧力が過大に上昇することも抑制しつつ食品を加工することが可能なミキサー1を提供できる。更に、第13実施形態のミキサー1は、袋部材195の膨張により調理容器41内の空気量を減らした状態で調理容器41内を減圧するので、減圧手段10に減圧性能が低く安価な減圧手段10を使用することが可能である。
図45〜図49は第15の実施の形態を示している。以下説明する第15実施形態のミキサーで、第9実施形態で説明した部品や構成と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
第15実施形態のミキサー1は、図45に示すように駆動装置2と、吸気管20と、調理容器41と、閉じ部材を兼ねる蓋51と、加工具61と、昇降部材205と、昇降機構211等を備えている。
調理容器41の構成は、第9実施形態で説明した調理容器と略同一である。既に説明したようにこの調理容器41の開口縁部41aに内周螺合部43が設けれ、調理容器41の底壁に回転軸46が貫通して取付けられている。
蓋51の筒部51aの外周に雄ねじ部52を有している。これ以外の蓋51の構成は第9実施形態で説明した蓋と同一である。蓋51はその下面中央部に下向きの軸支持部57を有している。更に、蓋51には蓋側逆止弁55が取付けられている。既に説明したように蓋側逆止弁55は、収納空間Sが排気される際に収納空間Sから外への空気の流出を許すと共に、この逆の空気の流れを排気の後に止める。
加工具61は、第9実施形態で説明した加工具と同一構成である。既に説明したように加工具61が有する接続部62は、回転軸34に取外し可能に接続されると共に、加工具61が有した工具軸63は、調理容器41を密封した蓋51の軸支持部57に取外し可能に接続される。なお、加工具61は、工具軸を有さないで、回転軸46の上部に取外し可能に接続される構成でもよい。或いは、加工具61は、工具軸を有さないで、取外せないように回転軸46の上部に固定されていてもよい。
次に、駆動装置2を説明する。図45〜図49に示すように駆動装置2が備える筐体3は、筐体主部4a及び台4bを有している。筐体主部4aは上下方向に延びて縦長に形成されている。台4bは筐体主部4aの下部から前方に向けて略水平に突出されている。この台4bの内部と筐体主部4aの内部は連通されている。
台4bには調理容器41が着脱可能に載置される。そのため、筐体主部4aは、台4bに載置された調理容器41に対して横方向に並んで配置される。例えば筐体主部4aは、調理容器41の後側に並べられる状態に配置される。
このように台4b上の調理容器41と筐体主部4aとは、上下方向に重なるように配置されるのではなく、横方向に並んで配置される。このため、ミキサー1の高さを低くできると共に、ミキサー1が設置された状態でのミキサー1の設置状態をより安定化させることが可能である。
調理容器41が載置される台4bに、既に第9実施形態で説明した工具連結部材21が取付けられているとともに、容器検知手段81が取付けられている。
筐体主部4aには、AC(交流)/DC(直流)スイッチング電源7と、DC(直流)/DC(直流)コンバータ8と、モータ9と、減圧手段10と、制御装置11とが内蔵されていると共に、筐体主部4aの外面に操作パネル(図示しない)が取付けられている。これらの部品は第9実施形態で説明した該当部品と同じである。更に、筐体主部4aには、この外面と減圧手段10とを連通する排気管12も配管されている。
筐体3には、その筐体主部4aと台4bとにわたる伝動機構201が内蔵されている。伝動機構201は、例えば駆動プーリ202と、従動プーリ203と、これらプーリに巻き掛けられた無端状の伝動ベルト204とを有した巻き掛け伝動機構である。しかし、この機構に代えて、歯車列により形成される歯車伝動機構を用いることも可能である。伝動機構201の入力車をなす駆動プーリ202は、モータ9の出力軸に連結されている。伝動機構201の出力車をなす従動プーリ203は、台4b内に挿入された工具連結部材21の軸接に連結されている。
そのため、モータ9が有した出力軸の回転は、伝動機構201を介して工具連結部材21に伝えられる。この場合、伝動機構201の入力車と出力車との直径差等により、出力軸の回転を変速して工具連結部材21に伝え、この部材を回転させることが可能である。
昇降部材205は、台4bの上方に配設され、筐体主部4aに支持されて、この筐体主部4aの上部をガイドとして上下動可能である。昇降部材205は、蓋51が取付けられた調理容器41を台4bとの間に挟んだ状態に保持するとともに、減圧手段10の吸込み口に接続された吸気管20を移動させるために用いられている。
即ち、昇降部材205は台4bと略同じ形状で箱形に形成されていて、その内部に吸気管20が引き込まれている。吸気管20の先端は、昇降部材205の下壁に接続されて下方に開放されている。そのため、自在に変形が可能である吸気管20は、昇降部材205の移動に追従して上下方向に動かされる。
なお、筐体主部4aの前壁には吸気管20が通るためのスリットが上下方向に延びて設けられている。更に、吸気管20は、筐体主部4a内に配設された図示しないケーブルキャリヤに挿通されている。それにより、吸気管20が筐体主部4a内に配置された部品に接すること、及びそれに伴って吸気管20に動きに対する抵抗が増えることなどが防止される。よって、昇降部材205の移動に追従して吸気管20を円滑に動かすことが可能である。
昇降部材205の下壁と蓋51とのいずれか一方、例えば前記下壁にシールリング35が取付けられている。このシールリング35は、吸気管20の先端を囲むような形態で昇降部材205と蓋51とで挟まれる。挟まれた状態のシールリング35の内部空間は、吸気管20に連通されるだけではなく、蓋側逆止弁55にも連通される。
昇降機構211は筐体主部4aに内蔵されている。昇降機構211は、機構モータ212と、上部プーリ213と、下部プーリ214と、無端状の伝動ベルト215を有している。機構モータ212は、上部プーリ213とこの下方に配置された下部プーリ214のうちの一方に接続されて、このプーリを駆動する。機構モータ212は正逆回転可能である。伝動ベルト215は上部プーリ213と下部プーリ214とにわたって撒き掛けられている。伝動ベルト215は、昇降部材205と連結されて、この昇降部材205を片持ち状態に支持している。
昇降部材205は手動で上下にスライドする形態で移動可能に設けることもできる。この場合、例えばてこの原理等を利用する保持機構により、昇降部材205をそれがスライドされた任意の高さ位置で静止状態に保持させるようにすることが好ましい。このように手動で昇降部材205の移動を可能とする構成を採用すると、機構モータ212、第1スイッチ216、及び第2スイッチ216等を省略できる。
筐体主部4aの例えば上壁に第1スイッチ216と第2スイッチ217が配設されている。第1スイッチ216が押されることにより、機構モータ212を正転させる信号が制御装置11に与えられる。この第1スイッチ216が押されている間、制御装置11により機構モータ212が正回転される。それにより、昇降部材205が下降されるように伝動ベルト215が回転される。第2スイッチ217が押されることにより、機構モータ212を逆転させる信号が制御装置11に与えられる。この第2スイッチ217が押されている間、制御装置11により機構モータ212が逆回転される。それにより、昇降部材205が上昇されるように伝動ベルト215が回転される。
なお、昇降部材205が所定の下降位置又は上昇位置に達したときに、その位置で昇降部材205の移動は停止されるとともに同位置に昇降部材205が保持される。このための操作として、第1スイッチ216又は第2スイッチ217の押圧を解除すればよい。この場合、所定高さ位置に昇降部材205をより確実に保持するために、ロック機構を設けることが好ましい。このロック機構のロック動作を有効にするか解除させるかは、筐体主部の外部から操作されるボタンで行うことができる。しかも、このボタンが押される度に、ロックとその解除が繰り返し行なわれる機構を採用することが好ましい。
第15実施形態のミキサー1は、以上説明した構成以外は図示されない構成を含めて既に説明した第9実施形態と同じである。
第15実施形態のミキサー1の使用手順を説明する。
まず、調理容器41内に加工具61を収納して回転軸46に接続すると共に,調理容器41内に加工すべき食品や水等を収納する。この後、調理容器41の内側螺合部43に蓋51の雄ねじ部52を螺合して、閉じ部材を兼ねる蓋51を調理容器41に取付ける。これにより、調理容器41内が密封されるとともに、工具軸63が軸支持部57に嵌合して支持される。
次に、台4b上の工具連結部材21と調理容器41の回転軸46とを接続する、これとともに、蓋51が取付けられた調理容器41を筐体3の台4bに載置する。この状態を図46に示す。
この後、第1スイッチ216を押して、昇降機構211を動作させることにより、昇降部材205を下降させる。この下降により、蓋51が取付けられた調理容器41が、図47に示すように台4bと昇降部材205とで挟まれる。この状態では、シールリング35が蓋51と昇降部材205とで圧縮された状態に挟まれ、吸気管20の先端開口と蓋側逆止弁55とがシールリング35を介して連通される。
この状態で減圧手段10を駆動する。それに伴い、減圧手段10が生成した負圧が吸気管20を通じて蓋側逆止弁55に上方から作用するので、この蓋側逆止弁55が開かれる。したがって、調理容器41内が排気されて減圧されるので、調理容器41内の食品は低酸素濃度下に置かれる。
この後、減圧手段10が停止されると、調理容器41内の負圧で蓋側逆止弁55が閉じられる。次に、第2スイッチ217を押して、昇降機構211を動作させ、昇降部材205を上昇させる。
引き続いてモータ9が駆動される。そのため、モータ9の動力が、伝動機構201を介して工具連結部材21に伝えられ、その結果として、回転軸46とともに加工具61が回転される。よって、低酸素状態にある調理容器41内で、食品が粉砕され、ジュースが作られる。この状態を図48に示す。
なお、図47に示した状態で、モータ9を駆動させて、ジュースを作るようにしても良い。この場合、調理容器41は押さえられている。そのため、調理容器41を使用者の手で押さえなくても、加工具61の回転の影響で調理容器41が動揺することを抑制できる。
次に、調理容器41から蓋51を一旦取外す。引き続いて、工具軸63を掴んで調理容器41外に加工具61を取出す。この後、蓋51を再度、調理容器41に取付ける。
この状態で、再び、第1スイッチ216を押して、昇降機構211を介して昇降部材205を下降させる。それにより、蓋51が取付けられた調理容器41が、図49に示すように台4bと昇降部材205とで挟まれる。この後、再び、減圧手段10を駆動させる。それにより、調理容器41内の空気が排出され、調理容器41内が減圧されるとともに低酸素状態になる。
最後に、再び第2スイッチ216を押して、昇降部材205を上昇させた上で、調理容器41を蓋51とともに台4b上から外す。外された調理容器41と蓋51は、調理容器41内のジュースを低酸素状態に保っている。この収納容器41は、そのまま保存容器として冷蔵庫などで保管されるか、携帯することができる。
調理容器41に溜められたジュース等は、蓋側逆止弁55を上方から押しこの弁を開らいた上で、蓋51を外すことにより、調理容器41を飲料容器として飲むことができる。
以上説明したように第15実施形態においても、減圧下でミキシングができることにより、前記課題が解決される。しかも、簡単な構成でありながら、食品の酸化を抑制できるとともに調理容器41内の圧力が過大に上昇することも抑制しつつ食品を加工することが可能なミキサー1を提供できる。
なお、第15実施形態において、昇降部材、昇降機構、及び第1スイッチと第2スイッチを省略して実施することも可能である。この場合、吸気管20を、筐体主部4aの上端部から引出し、及び押込むことができるように設ける。これとともに、引出された吸気管20の先端部が蓋51の取外し可能に接続する管接続部を、蓋51に取付ければよい。管接続部は例えば蓋側逆止弁55の真上に設けられる。そのため、吸気管20を介して調理容器41内を減圧するための負圧を蓋側逆止弁55に波及させることが可能である。
図50〜図53は第16の実施の形態を示している。以下説明する第16実施形態のミキサーで、既に説明した各実施形態で説明した部品や構成と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
第16実施形態のミキサー1は、図50に示すように調理容器41と、閉じ部材を兼ねる蓋51と、蓋側逆止弁55と、加工具61と、第1筐体221と、減圧手段10と、第2筐体をなす筐体3と、モータ9等を備えている。
調理容器41は収納空間Sを区画し、この調理容器41の上端は開口されている。この開口縁部41aに内側螺合部43が形成されている。調理容器41の底壁に回転軸46が貫通して取付けられている。この回転軸46は工具連結部材21にこれから回転が伝達可能に嵌合される。回転軸46と工具連結部材21との動力伝達は、一方に設けられたキー溝と、他方に設けられたキーとの係合により実現される。
蓋51の筒部51aの雄ねじ部52が形成されている。なお、符号53.54は夫々シール材を示している。この蓋51は調理容器41の上端開口を閉じて調理容器41に着脱可能に接続でき、接続された状態で調理容器41を密封できる。
蓋51に取付けられた蓋側逆止弁55の構成は他の実施形態で既に説明した通りである。そのため、この蓋側逆止弁55は、収納空間Sが排気される際に収納空間Sから外への空気の流れを許し、この逆の空気の流れを排気の後に止めることができる。
加工具61は、接続部62と、工具軸63と、工具要素64とを有している。この加工具61は回転軸46に接続して、この軸と共に回転することができる。
第1筐体221は蓋51に着脱可能に載置することができる。第1筐体221と蓋51とは位置決め手段で適正に位置決めされる。位置決め手段は、例えば第1筐体221の厚み方向の一端壁221aから下向きに突出された突起222と、蓋51の上面に開放して蓋51に設けられた穴223とで形成されている。突起222が穴223に嵌合されることで、蓋51と第1筐体221とが位置決めされる。
減圧手段10は以下説明する入力軸226を除いて第1筐体221に内蔵されている。図51に示すように減圧手段10は、モータを有さない構成であり、例えば図51に示すように回転部材225と、入力軸226と、シリンダ227と、ピストン228と、リンク229と、一方向弁からなる吸気弁300と、一方向弁からなる排気弁301とを有している。
回転部材225は例えば円板からなる。入力軸226は、回転部材225の中心部に回転部材225に対して直角に連結されている。この入力軸226は一端壁221aに対向した第1筐体221の他端壁221bを通って、第1筐体221の外部に突出されている。入力軸226の太さは前記回転軸46と同じであり、入力軸226の周面には図示しないキー溝もしくはキーが形成されている。そのため、この入力軸226は工具連結部材21に着脱可能に嵌合して接続できる。
シリンダ227にはピストン228のヘッドが摺動可能に挿入されている。ピストン228のロッド部は、リンク229を介して回転部材225に接続されている。吸気弁300と排気弁301とは、夫々ピストン室に連通してピストン228に接続されている。
回転部材225の回転運動は、リンク229を介してピストン228の直線往復運動に変換される。これに伴いピストン228が引き動かされると、ピストン室の容積が増えて負圧が発生する。この逆に、ピストン228が押し込まれると、ピストン室が圧縮されてその容積が減る。
吸気弁300には吸気管20が接続され、この管の先端は一端壁221aに開口されている。排気弁301には排気管12が接続され、この管の先端は第1筐体221の外面に開口されている。
このため、ピストン室に負圧が発生した場合、この負圧によって吸気弁300が開かれるので、吸気管20から吸気される。このとき、排気弁301に作用する負圧によって排気弁301は閉じられる。この逆に、ピストン室の圧力が高められた場合、その圧力によって吸気弁200が閉じられる。このとき、排気弁301に作用する圧力によって排気弁301が開かれるで、排気管12から排気される。
第2筐体をなす筐体3は駆動装置2の筐体である。筐体3には、AC(交流)/DC(直流)スイッチング電源7と、DC(直流)/DC(直流)コンバータ8と、モータ9と、制御装置11とが内蔵されている。これと共に、筐体3の外面に操作パネル13が取付けられている。更に、モータ9によって回転される工具連結部材21は筐体3外に配設されている。この工具連結部材21には、回転軸46又は入力軸226のうちで選択された方の軸が着脱可能に嵌合して接続される。
第16実施形態のミキサー1は、以上説明した構成以外は図示されない構成を含めて既に説明した第5実施形態と同じである。
第16実施形態のミキサー1の使用手順を説明する。
まず、調理容器41内に加工具61を収納して回転軸46に接続すると共に,調理容器41内に加工すべき食品や水等を収納する。この後、調理容器41の内側螺合部43に閉じ部材である蓋51の雄ねじ部52を螺合して、蓋51を調理容器41に取付ける。この状態で、加工具61の工具軸63は蓋51の軸支持部57に嵌合して支持される。
次に、図52に示すように第1筐体221がその入力軸226を上向きに突出する姿勢とし、この第1筐体221を蓋51上に載置する。このとき、突起222が穴223に嵌り込む。それにより、蓋51に対し第1筐体221が適正に位置決めされる。これとともに、シールリング35が蓋側逆止弁55の真上に配置され、かつ、このシールリング35が弾性変形した状態で第1筐体221を蓋51との間に挟まれる。そのため、吸気管20の先端開口が、シールリング35の内側空間を間に置いて蓋側逆止弁55の真上に接近した状態で配置される。
更に、駆動部2aを、上下逆様した状態、つまり、工具連結部材21が下向きに突出する勢として、第1筐体221上に駆動部2aの筐体3を載置する。この載置に伴い、工具連結部材21と入力軸226とが嵌合して接続される。これと共に、容器検知手段81が第1筐体221を検知する。つまり、第1筐体221と第2筐体である筐体3とが適正に組み合わされたことが検知されて、制御装置11はモータ9の駆動を可能とする。
以上の手順で、調理容器41上に、蓋51と、第1筐体221と、第2筐体である筐体3とがセットされた状態を図52に示す。
この後、モータ9を駆動させて調理容器41内を減圧する。つまり、モータ9が駆動されると、その回転力は工具連結部材21及びこれに接続された入力軸226を経由して、減圧手段10の回転部材225に伝えられる。言い換えれば、減圧手段10は、筐体3内のモータ9を動力源として駆動される。
このため、減圧手段10の駆動により生成される負圧が、閉じ部材である蓋51の蓋側逆止弁55に吸気管20を通して波及される。それに伴い、この蓋側逆止弁55が開かれて、収納空間Sが排気される。これにより、調理容器41内が減圧され、内部の食品は低酸素濃度下に置かれる。減圧手段10の駆動が停止されと、蓋側逆止弁55が閉じ状態となるので、調理容器41内は減圧状態に保持される。
この後、駆動装置2を第1筐体221上から外して、工具連結部材21が上向きとなるように図52の状態とは逆様にする。更に、蓋51上から第1筐体221を外す。
次に、蓋51で密封された調理容器41を駆動装置2の筐体3上に載置する。この載置に伴い、上向きの工具連結部材21と調理容器41に取付けられた回転軸46の下部とが嵌合して接続される。これと共に、容器検知手段81が調理容器41を検知する。つまり、駆動装置2と調理容器41とが適正に組み合わされたことが検知されて、制御装置11はモータ9の駆動を可能とする。
以上の手順で、駆動装置2の筐体3上に調理容器41がセットされた状態を図53に示す。
この後、モータ9を駆動させて、減圧された調理容器41内の食品をミキシングする。つまり、モータ9の回転が、工具連結部材21とこれに接続された回転軸46を経由して加工具61に伝えられる。これにより、食品が粉砕されてミキシングされるに伴い、ジュースが作られる。このとき、調理容器41内は減圧され低酸素酸素状態にあるから、調理容器41内で作られるジュースの酸化が抑制される。
こうしてジュースが溜められた調理容器41は、閉じ部材である蓋51で閉じられた状態のままで、駆動装置2の筐体3上から外されて、携帯され、若しくは冷蔵後等に保管される。調理容器41内のジュースを飲む手順では、まず、使用者の手指などで、蓋側逆止弁55の押しボタン27d(図7及び図8参照)を押して、蓋51の蓋側逆止弁55を開く。蓋側逆止弁55が開らかれると、前記通気路を通って調理容器41内に外気が導入される。
調理容器41内への空気の導入により、この後、負圧の影響を受けることなく蓋51を調理容器41から容易に外すことができる。こうした後に、調理容器41を飲用容器として利用して、内部のジュースを飲むことが可能である。これと共に、別に用意された飲用容器に調理容器41からジュースを移して、このジュースを飲むことができる。
以上説明したように第16実施形態においても、減圧下でミキシングができることにより、前記課題が解決される。しかも、簡単な構成でありながら、食品の酸化を抑制できるとともに調理容器41内の圧力が過大に上昇することも抑制しつつ食品を加工することが可能なミキサー1を提供できる。更に、駆動装置2の筐体(第2筐体)3内のモータ9は、調理容器41内を減圧するとき、及び、減圧されたままの状態で加工具61を回転させるときの駆動源として共通に使用されている。このため、減圧用のモータを用意する必要がなくなるので、コストの低減を図ることが可能である。
図54は第17の実施の形態を示している。以下説明する第17実施形態のミキサーで、第1実施形態で説明した部品や構成と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
第17実施形態のミキサー1で、駆動装置2の筐体3に内蔵された減圧手段10は、複数の電動式の真空ポンプを直列に接続して形成されている。
即ち、この多段式の減圧手段10は、例えば、排気の空気の流れを基準として上流側に配置される真空ポンプ10aと、下流側に配置される真空ポンプ10bとを有する。これら真空ポンプ10aの吐出し口と真空ポンプ19bの吸込み口とは、これらの両端が接続された通気管10cにより連通されている。
真空ポンプ10aの吸込み口に吸気管20が接続されている。真空ポンプ10bの吐出し口には気管12が接続されている。
第17実施形態のミキサー1は、以上説明した構成以外は図示されない構成を含めて既に説明した第1実施形態と同じである。
したがって、第17実施形態においても、第1実施形態と同様に減圧下でミキシングができることにより、前記課題が解決される。しかも、簡単な構成でありながら、食品の酸化を抑制できるとともに調理容器41内の圧力が過大に上昇することも抑制しつつ食品を加工することが可能なミキサー1を提供できる。
更に、第17実施形態で減圧手段10は多段式である。このため、調理容器41内を排気して減圧するために所定の真空圧(負圧)を発生させる上で、所定の真空圧を発生可能な一台の真空ポンプを用いる場合よりも、個々の真空ポンプ10a,10bに必要とするポンプ性能を低くできる。ポンプ性能が低い真空ポンプ10a,10bは安価であるので、調理器全体のコストを低減するのに貢献できる。更に、より多くの真空ポンプを直列に接続して使用する減圧手段を採用する場合には、より排気能力を向上させることが可能である。
図55及び図56は第18の実施の形態を示している。以下説明する第18実施形態のミキサーで、既に説明した前記各実施形態で説明した部品や構成と同一ないしは同様の機能を奏する構成については、同じ符号を付してその説明を省略する。
第18実施形態のミキサー1は、駆動装置2と、調理容器41と、蓋51と、吸気配管85と、ピストン部材231と、加工具61を備えている。
駆動装置2は、第5実施形態で説明した駆動装置と同じである。そのため、この駆動装置2の筐体3に、AC(交流)/DC(直流)スイッチング電源7と、DC(直流)/DC(直流)コンバータ8と、モータ9と、減圧手段10と、制御装置11が内蔵されている。これとともに、筐体3に、操作パネル13と、工具連結部材21と、容器検知手段81等が取付けられている。
調理容器41の上端は開口されている。調理容器41はその開口縁部の外周に雄ねじ部52を有している。調理容器41はその下部にストッパ部175を有している。ストッパ部175は、例えば調理容器41の内周面から一体に突出された環状の凸部で形成されている。これに代えて調理容器41の下部を上部より小径とすることにより、これらの間に形成される段部をストッパ部として利用することもできる。調理容器41のストッパ部175より上部は、直径に変化がない円筒部である。少なくとも円筒部は、調理容器41の内部の視認を可能とするために透明となっている。
この調理容器41は、例えばカップ数杯分のジュースを溜め置くことができるような容積を有している。この調理容器41は、筐体3上に載置される。この載置状態で、調理容器41の底壁を貫通して取付けられた回転軸46は、工具連結部材21にこれから回転が伝達可能に嵌合される。
ストッパ部175より下方でかつ調理容器41の底部にコック176が取付けられている。コック176、は流出管と、この流出管を開閉するコック本体と、このコック本体に連結されたコックハンドルを有している。コック本体は流出管内に回転可能に配置されている。コックハンドルによるコック本体を回転させて流出管を開けることにより、調理容器41内のジュースが流出可能となる。
蓋51は、その筒部51aの内周に雌ねじ部5を有する。ふた51には、シール材33と、蓋側逆止弁55とが取付けられている。
加工具61は、接続部62と工具要素64で形成されていて、工具軸を有さない構成である。この加工具61は、調理容器41内で回転軸46の上部に着脱可能、若しくは固定して接続されている。この加工具61の上端は、ストッパ部175の上端の高さ位置よりも低く配置される。
ピストン部材231は、ヘッド232と、及びハンドル237を有している。
ヘッド232は、ヘッド本体233と、このヘッド本体233の周部に取付けられたシール234を有している。シール234は弾性変形が可能なゴムやエラストマ等で形成されている。シール234によって規定されるヘッド232の直径は、調理容器41の円筒形をなした上部の内径に見合った大きさである。
ヘッド232は調理容器41内に上下方向に移動可能に嵌合されている。この嵌合状態で、シール234は弾性変形をした状態で調理容器41の上部内面に摺動可能に接している。ヘッド232は調理容器41に対して上方から挿脱することができる。
ヘッド本体233はその厚み方向に貫通する通気孔235を有している。ヘッド本体233に通気孔235を開閉する開閉部材236が取付けられている。この開閉部材236は、手動操作によりヘッド本体233の上面に沿って移動可能である。開閉部材236は、通気孔235を閉じる位置と、通気孔235を開く位置とにわたって移動できる。開閉部材236は、ロック手段により前記各位置に仮保持されることが望ましい。
ハンドル237は、例えば二本の縦棒237aと、横棒からなる握り部237bとで形成されている。縦棒237aの下端はヘッド本体233に上側から連結されている。縦棒237aの上端は握り部237bに連続されていて、この握り部237bを略水平に支持している。調理容器41にヘッド232が挿入された状態で、調理容器41外に突出される握り部237bを握ってヘッド232を上下に移動させることができる。
次に、第18実施形態のミキサー1の使用手順を説明する。
まず、調理容器41内に加工具61と加工すべき食品等を収納するとともに、調理容器41をこれに蓋51を取付けて密封する。この状態で、調理容器41を駆動装置2の筐体3上に載置し、次に、吸気配管85で減圧手段10と蓋側逆止弁55とを連通させる。この状態で、減圧手段10を駆動して調理容器41内を減圧した後、モータ9を駆動して加工具61を回転させ、ジュースを作る。
簡単に説明すれば、吸気配管85を通じて、減圧手段10が発生した負圧を蓋側逆止弁55に波及させることにより、この弁を開いて、調理容器41内を減圧し、低酸素状態とする。次に、減圧動作の停止後に、モータ9を駆動させて、その回転を加工具61に伝えることにより、調理容器41内の食品を、減圧下で粉砕し、ジュースとする。
この後、蓋51を調理容器41から外してから、調理容器41にピストン部材231を挿入する。この場合、通気孔235を開く位置に開閉部材236を移動させた上で、ヘッド232を調理容器41内に挿入する。この挿入に伴い、調理容器41内の空気が通気孔235を通ってヘッド232の上方に抜ける。ヘッド232の挿入は、このヘッド232の下面を調理容器41内のジュースの液面に接触した時に停止させる。この場合、接触状態になったかどうかは、目視により調理容器41を透視して確認する。
更に、こうしてヘッド232の適正位置まで挿入された状態で、通気孔235を閉じる位置に開閉部材236を移動させる。この状態では、ピストン部材231が、これより上の空気と下方のジュースとを仕切っているので、ジュースに空気が触れることが防止される。このため、調理容器41内に溜め置かれたジュースを、酸化が殆ど生じない状態に保持できる。
このように溜め置かれたジュースを調理容器41から取り出すには。まず、通気孔235を開く位置に開閉部材236を移動させる。この後、コック176を開けばよい。それにより、コック176を通して調理容器41から流出させることができる。
これに伴うジュースの液面低下により、この液面とヘッド232との間には空気層が形成される。
そのため、ハンドル237を掴んで、ピストン部材231を押下げる。この押下げによって、ジュースとヘッド232との間の空気が、通気孔235を通して排気され、ヘッド232の下面をジュースに接触させることができる。この後に、開閉部材236を動かして通気孔235を閉じることにより、再び、調理容器41内のジュースを、酸化が殆ど生じない状態に保持できる。
ピストン部材231のヘッド232にその下方からストッパ部175が接触することによって、それ以上、ピストン部材231は押下げられることがない。そのため、ヘッド部173が加工具61の工具要素64に接して傷付けられることが防止される。なお、この時点で、調理容器41に残っているジュースの残量は、例えばカップ一杯に相当する量に設定することが好ましい。
調理容器41内に溜め置かれたジュースを調理容器41から取出す他の方法として、コック176を開いた後、通気孔235を閉じた状態でピストン部材231を押下げてもよい。この場合、注射器のように、ピストン部材231を押し下げる圧力によって、コック176からジュースを流出させることができる。この方法は、先述の方法に対してジュースを空気とより触れさせない利点がある。
以上説明したように第12実施形態においても、減圧下でミキシングができることにより、前記課題が解決される。しかも、簡単な構成でありながら、食品の酸化を抑制できるとともに調理容器41内の圧力が過大に上昇することも抑制しつつ食品を加工することが可能なミキサー1を提供できる。
以上のように本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これら新規な実施形態は、その他様々な形態で実施されることが可能であるとともに、発明の要旨を逸脱しない限り、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形などは、発明の範囲に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
各実施形態では、調理空間を排気するために使用される逆止弁を、調理空間を密閉する蓋等の閉じ部材に取付けたが、これに代えて、調理容器に逆止弁を設けることも可能である。つまり、しかし、閉じ部材に逆止弁を取付けることは、調理容器の構想が複雑にならないので、その製造や取扱いが容易になる点で好ましい。
各実施形態において、調理容器を密閉したこれに取付けられる蓋(閉じ部材)は、ねじ込みによって取付けられる構成に制約されない。例えば、蓋と調理容器の開口縁部との内周又は外周に接して、調理容器の開口縁部とこの開口縁部に嵌合して調理容器に取付けられる蓋との間をシールする環状のシール材を、蓋と調理容器とのうちの一方に一個以上取付けてもよい。この場合、シール材にはゴム製のOリング等を使用することができる。このような構成でも調理容器を密封でき、その上、ねじ込み方式に比較して蓋(閉じ部材)の着脱を容易に行うことが可能である。
第5実施形態のミキサー1が使用される状態を図19に示す。この状態では、食品が収納された調理容器41が駆動装置2上に載置され、調理容器41に蓋51が取付けられて収納空間Sが密閉されている。これとともに、吸気配管85の両端部が、管継手28と蓋側逆止弁55とに夫々接続されて、これらの弁が連通されている。
詳しくは、減圧手段10には真空ポンプが用いられている。この減圧手段10は、ミキサー1の製造販売会社から調理部とセットで提供されるものであるが、これに代えて調理部とは別に、ミキサー1の製造販売会社とは異なる別会社から提供されるものであっても良い。ここで、前記調理部とは、モータ9が内蔵された駆動装置2と、調理容器41と、閉じ部材2bと、加工具61を備えている。
この後、モータ9を駆動させて、減圧された調理容器41内の食品をミキシングする。つまり、モータ9の回転が、工具連結部材21とこれに接続された回転軸46を経由して加工具61に伝えられる。これにより、食品が粉砕されてミキシングされるに伴い、ジュースが作られる。このとき、調理容器41内は減圧され低酸素状態にあるから、調理容器41内で作られるジュースの酸化が抑制される。
各実施形態において、調理容器を密閉したこれに取付けられる蓋(閉じ部材)は、ねじ込みによって取付けられる構成に制約されない。例えば、蓋と調理容器の開口縁部との内周又は外周に接して、調理容器の開口縁部とこの開口縁部に嵌合して調理容器に取付けられる蓋との間をシールする環状のシール材を、蓋と調理容器とのうちの一方に一個以上取付けてもよい。この場合、シール材にはゴム製のOリング等を使用することができる。このような構成でも調理容器を密封でき、その上、ねじ込み方式に比較して蓋(閉じ部材)の着脱を容易に行うことが可能である。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
食品を加工する加工具が配置される収納空間を排気した状態で、モータにより回転される前記加工具で前記収納空間内の食品を加工する調理器であって、
前記収納空間を開閉する閉じ部材と、
この閉じ部材で閉じられた前記収納空間が排気される際に前記収納空間から外への空気の流出を許すとともにこの逆の空気の流れを前記排気の後に止める逆止弁と、
を備えることを特徴とする調理器。
[2]
前記逆止弁を通して前記収納空間を排気する減圧手段を、更に備えることを特徴とする[1]に記載の調理器。
[3]
前記減圧手段は前記モータが内蔵された筐体外に用意され、
前記減圧手段によって開閉される弁孔を有する弁装置を前記閉じ部材が備え、前記弁孔が前記収納空間に連通可能であることを特徴とする[2]に記載の調理器。
[4]
前記減圧手段が手動式の真空ポンプであることを特徴とする[3]に記載の調理器。
[5]
前記弁装置が、前記弁孔を有して前記減圧手段の吸口内に配置される弁筐と、この弁筐に固定された弁体とを備え、前記弁体が可撓変形して前記弁孔を開閉する弁板部を有することを特徴とする[3]又は[4]に記載の調理器。
[6]
前記モータが内蔵された筐体内に前記減圧手段を配置したことを特徴とする[2]に記載の調理器。
[7]
排気された前記収納空間内の圧力で閉じた状態に維持されるとともに、前記収納空間内への空気の流入を許す場合に開かれる解放弁を、更に備えることを特徴とする[1]から[6]のうちのいずれか一つに記載の調理器。
[8]
前記収納空間を区画しかつ上端が開口された調理容器を、更に備え、前記上端開口を囲んだ前記調理容器の開口縁部に上方から前記閉じ部材が取外し可能に接続されることを特徴とする[1]から[7]のうちのいずれか一つに記載の調理器。
[9]
前記調理容器が保温機能を有することを特徴とする[8]に記載の調理器。
[10]
前記減圧手段を駆動するとともに、この減圧手段の駆動後に前記モータを駆動させる制御装置を、更に備えることを特徴とする[2]、[6]から[8]のうちのいずれか一つに記載の調理器。
[11]
前記閉じ部材は前記調理容器に上方から取外し可能に接続することができ、
前記調理容器が取外し可能に載置される駆動装置と、吸気配管とを、更に備え、
前記駆動装置内に前記減圧手段と前記モータと前記制御装置を配設し、
前記吸気配管で前記減圧手段と前記逆止弁を連通することを特徴とする[10]に記載の調理器。
[12]
前記駆動装置は、前記減圧手段が配設されるとともに前記調理容器に上方から取外し可能に接続される前記閉じ部材と、前記モータ及び前記制御装置が配設されるとともに前記調理容器が取外し可能に載置される駆動部とで形成され、
前記減圧手段と前記制御装置とを電気的に接続する接続手段を、更に備えることを特徴とする[11]に記載の調理器。
[13]
前記調理容器の上部に取外し可能に接続されるとともに、前記調理容器に接続された状態で前記調理容器に接続される前記閉じ部材で覆われる蓋を、更に備え、
この蓋が、減圧された前記調理容器内の圧力で閉じた状態を維持するとともに人為的解放操作により開かれて前記調理容器内への空気の流入を許す蓋側逆止弁を有し、
この蓋側逆止弁を前記閉じ部材が有した前記逆止弁と同じ向きに配設したことを特徴とする[8]、[10]から[12]のうちのいずれか一つに記載の調理器。
[14]
前記閉じ部材と前記蓋とのいずれかに取付けられ、これら閉じ部材と蓋とで挟まれて前記逆止弁と前記蓋側逆止弁とを連通させるシールリングを、更に有することを特徴とする[13]に記載の調理器。
[15]
前記蓋と前記調理容器の開口縁部との内周又は外周に接して、前記調理容器の開口縁部とこの開口縁部に嵌合して調理容器に取付けられる前記蓋との間をシールするシール材を、前記蓋と前記調理容器とのうちの一方に取付けたことを特徴とする[13]又は[14]に記載の調理器。
[16]
前記蓋が前記調理容器に取付けられているか否かを検知する蓋検知手段を、更に備え、この蓋検知手段が前記蓋を検知している場合、前記制御装置により前記減圧手段を駆動させ、前記蓋検知手段が前記蓋を検知していない場合、前記制御装置により前記減圧手段と前記モータとを駆動させることを特徴とする[13]から[15]のうちのいずれか一つに記載の調理器。
[17]
前記筐体が密閉構造であり、この筐体内を排気する排気手段を、更に備えることを特徴とする[6]から[8],[13]から[16]のうちのいずれか一つに記載の調理器。
[18]
前記排気手段が、前記減圧手段と前記筐体内とを非連通状態とするとともに前記減圧手段と前記逆止弁とを連通させる第1の状態と、前記減圧手段と前記筐体内とを連通させるとともに前記減圧手段と前記逆止弁とを非連通状態とする第2の状態とを切換える切換弁を有していることを特徴とする[17]に記載の調理器。
[19]
前記排気手段が、前記減圧手段と前記逆止弁とを連通した吸気管と、この吸気管から分かれて前記筐体内に開放された分岐管とを備え、前記吸気管の直径と前記吸気管の直径とが、前記筐体内の圧力と前記調理容器内の圧力が略同時に同じとなるように異なっていることを特徴とする[17]に記載の調理器。
[20]
前記調理容器を検知する容器検知手段を、更に備え、この容器検知手段が前記調理容器を検知していない場合、前記制御装置により前記減圧手段を駆動させ、前記容器検知手段が前記調理容器を検知している場合、前記制御装置により前記減圧手段と前記モータとを駆動させることを特徴とする[10]から[16]のうちのいずれか一つに記載の調理器。
[21]
上端が開口されるとともに、この上端開口を囲んだ開口縁部に上方から前記蓋が取外し可能に接続される保存容器を、更に備えることを特徴とする[11]又は[12]に記載の調理器。
[22]
上端が開口されるとともに、この上端開口を囲んだ開口縁部に対して上方から前記蓋が取外し可能に接続される保存容器を、更に備えることを特徴とする[13]から[16],[20]のうちのいずれか一つに記載の調理器。
[23]
前記保存容器が保温機能を有することを特徴とする[21]又は[22]に記載の調理器。
[24]
食品を加工する加工具が配置される収納空間を排気した状態で、モータにより回転される前記加工具で前記収納空間内の食品を加工する調理器であって、
前記収納空間を区画し一端が開口された調理容器と、
前記一端開口を閉じて前記調理容器に取外し可能に接続され、かつ、回転軸及び前記調理容器内の空気を流出させる第1吸気孔を有する第1閉じ部材と、
この第1閉じ部材に取付けられ、前記収納空間が排気される際に前記第1吸気孔を通って前記収納空間から外への空気の流出を許すと共にこの逆の空気の流れを前記排気の後に止める第1逆止弁と、
前記第1閉じ部材が前記調理容器に接続された状態で、前記調理容器内で前記回転軸に連結される前記加工具と、
前記第1閉じ部材と交換されて前記一端開口を閉じて前記調理容器に取外し可能に接続され、かつ、前記調理容器内の空気を流出させる第2吸気孔を有する第2閉じ部材と、
この第2閉じ部材に取付けられ、前記収納空間が排気される際に前記第2吸気孔を通って前記収納空間から外への空気の流出を許すと共にこの逆の空気の流れを前記排気の後に止める第2逆止弁と、
前記第1閉じ部材又は第2閉じ部材を境に前記調理容器と反対側に配置される筐体と、
この筐体に内蔵され、前記調理容器に前記第1閉じ部材が接続された状態で前記回転軸に接続されて前記加工具を回転させる前記モータと、
前記筐体に内蔵され、前記調理容器に前記第1閉じ部材又は前記第2閉じ部材が接続された状態で、前記第1逆止弁又は前記第2逆止弁を通して前記収納空間を排気する減圧手段と、
を備えることを特徴とする調理器。
[25]
前記筐体に液溜め容器とこの液溜め容器内の残液を流出させる排液管とを内蔵し、前記調理容器に接続された前記第1閉じ部材の前記第1吸気孔又は前記調理容器に接続された前記第2閉じ部材の前記第2吸気孔と前記減圧手段とを連通する吸気配管中に、前記液溜め容器を配置し、前記排液管により前記液溜め容器の底部と前記筐体外とを連通させたことを特徴とする[24]に記載の調理器。
[26]
前記残液の液面の高さを検出する液面検知手段と、前記減圧手段を制御する制御装置と、を更に備え、
前記制御装置は、前記液面が所定高さ以上であることを前記液面検知手段が検知した場合に前記減圧手段の動作を禁止させ、所定高さ未満の液面を前記液面検知手段が検知した場合に前記減圧手段の動作を許す制御を担うことを特徴とする[25]に記載の調理器。
[27]
前記減圧手段が前記調理容器の上下どちらに位置するのかを判定する判定手段と、前記減圧手段タを制御する制御装置と、を更に備え、
前記制御装置は、前記減圧手段が前記調理容器の下に位置すると前記判定手段が判定した場合に前記減圧手段の動作を禁止させる制御を担うことを特徴とする[25]に記載の調理器。
[28]
前記収納空間を区画し上端が開口された調理容器と、
この調理容器の底部に取付けられたコックと、
前記調理容器に取付けられ、前記調理容器内に溜められた調理後の液状食品を前記コックから流出させる際に開放されて前記調理容器内に空気を供給する空気補給弁と、
を更に備えるとともに、
前記閉じ部材が、前記調理容器の内周面にそって摺動する環状のシールを有して前記調理容器内に上下方向に移動可能に嵌合されるヘッドを備え、前記調理容器内で調理後の液状食品の液面に前記ヘッドの下面を接する形態で前記閉じ部材が配置されることを特徴とする[6]に記載の調理器。
[29]
前記モータと前記減圧手段とこれら減圧手段及びモータを制御する制御装置が内蔵されるとともに、前記調理容器が取外し可能に載置される筐体と、
前記逆止弁と前記減圧手段とを接続しかつ前記閉じ部材の移動に追従して自在に変形可能な吸気管と、
この吸気管中に取付けられ、前記調理容器内に溜められた調理後の液状食品が前記逆止弁を流通した場合にこの液状食品を溜める液溜め容器と、
調理後の液状食品が前記調理容器から前記逆止弁を流通したか否かを検出する液検知手段と、
を更に備え、
前記制御装置は、液状食品が前記逆止弁を流通したことを前記液検知手段が検知した場合に前記減圧手段の動作を禁止するとともに、液状食品が前記逆止弁を流通しないことを前記液検知手段が検知した場合に前記減圧手段の動作を許す制御を担うことを特徴とする[28]に記載の調理器。
[30]
前記調理容器が前記閉じ部材に下方から接するストッパ部を有し、このストッパ部を、前記調理容器の底部に配設される前記加工具より高い位置に設けたこと特徴とする[28]又は[29]に記載の調理器。
[31]
前記調理容器から取出し可能な中蓋を、更に備え、この中蓋は、前記調理容器内に溜められた調理後の液状食品の液面の略全体を覆うように前記液面に接して前記調理容器内に配置され、かつ、前記液面の変位に追従して移動可能であることを特徴とする[8]に記載の調理器。
[32]
前記調理容器が前記中蓋に下方から接するストッパ部を有し、このストッパ部を、前記調理容器の底部に配設される前記加工具より高い位置に設けたこと特徴とする[31]に記載の調理器。
[33]
前記閉じ部材が、通気孔を有するとともに周部に前記逆止弁が取付けられた部材ベースと、このベースの裏面に装着され前記通気孔を通しての外気の出入りを伴って膨縮される袋部材とを備え、前記袋部材の膨張により前記収納空間の空気量を減少させることを特徴とする[8]に記載の調理器。
[34]
前記収納空間を区画した調理容器の内周面と前記袋部材とのうちの一方に、前記袋部材が膨らんで前記内周面に接した状態で通気路を形成する通気部を設け、前記通気路で前記逆止弁と前記袋部材の下方空間とを連通することを特徴とする[33]に記載の調理器。
[35]
前記袋部材が、前記収納容器の内径に略等しい硬質な底板部と、この底板部の周縁と前記部材ベースの裏面とわたる軟質な膨縮部とを有し、
前記調理容器が前記底板部に下方から接するストッパ部を有し、このストッパ部を、前記調理容器の底部に配設される前記加工具より高い位置に設けたこと特徴とする[33]又は[34]に記載の調理器。
[36]
前記逆止弁は上方から押されることにより開かれて、前記収納空間と前記調理容器の外部とを連通することを特徴とする[33]から[35]のうちのいずれか一つに記載の調理器。
[37]
食品を加工する加工具が配置される収納空間を排気した状態で、モータにより回転される前記加工具で前記収納空間内の食品を加工する調理器であって、
前記収納空間を区画し上端が開口されかつ底壁に回転軸が貫通して取付けられた調理容器と、
前記一端開口を閉じて前記調理容器に取外し可能に接続される閉じ部材と、
この閉じ部材に取付けられ、前記収納空間が排気される際に前記収納空間から外への空気の流出を許すと共にこの逆の空気の流れを前記排気の後に止める逆止弁と、
前記回転軸の上部に連結されて回転される前記加工具と、
筐体主部、及びこの主部の下部から突出され前記調理容器が取外し可能に載置される台を有し、前記台に載置された前記調理容器に対し前記筐体主部が横方向に並んで配置される筐体と、
前記台に回転可能に配置され前記回転軸の下部が取外し可能に接続される軸継手と、
前記筐体主部に内蔵された前記モータと、
前記筐体主部と前記台にわたって内蔵され前記モータの回転を前記軸継手に伝える伝動機構と、
前記筐体に内蔵され、前記逆止弁を通して前記収納空間を排気する減圧手段と、
変形が自在な材料で形成され、一端が前記減圧手段に接続され他端が前記筐体主部外に配置され、前記載置台に前記調理容器が載置された状態で、前記減圧手段が生成した負圧を前記収納空間に前記逆止弁を通して波及させる吸気管と、
を備えることを特徴とする調理器。
[38]
前記台に載置された状態の前記調理容器よりも高く前記筐体主部を形成するとともに、
この筐体主部にガイドされる昇降部材と、
この昇降部材を上下動させる昇降機構と、
この昇降部材と前記閉じ部材とのいずれかに取付けられ、前記逆止弁を囲むような形態で前記閉じ部材と前記昇降部材とで挟まれるシールリングと、
を更に備えることを特徴とする[37]に記載の調理器。
[39]
食品を加工する加工具が配置される収納空間を排気した状態で、モータにより回転される前記加工具で前記収納空間内の食品を加工する調理器であって、
前記収納空間を区画し上端が開口されかつ底壁に回転軸が貫通して取付けられた調理容器と、
前記一端開口を閉じて前記調理容器に取外し可能に接続される閉じ部材と、
この閉じ部材に取付けられ、前記収納空間が排気される際に前記収納空間から外への空気の流出を許すと共にこの逆の空気の流れを前記排気の後に止める逆止弁と、
前記回転軸の上部に連結して回転される前記加工具と、
前記蓋に取外し可能に載置される第1筐体と、
この第1筐体に内蔵され、回転運動をする回転部材及び前記第1筐体外に突出されて前記回転部材と一体に回転される入力軸を有し、前記閉じ部材に載置された状態で前記回転部材の回転運動に基づいて生成される負圧を前記収納空間に前記逆止弁を通して波及させて前記収納空間を排気する減圧手段と、
前記モータが内蔵されるとともに、このモータによって回転される軸継手が取付けられ、かつ、前記調理容器が取外し可能に載置されるとともに、前記調理容器が載置された状態とは上下逆様にして前記第1筐体に取外し可能に載置することができる第2筐体であって、前記軸継手が、前記調理容器が載置された状態で前記回転軸の下部に取外し可能に接続されるとともに、前記逆様の載置状態で前記入力軸に取外し可能に接続される前記第2筐体と、
を具備し、
前記モータの動力で前記加工具と前記回転部材のいずれかを選択して回転させることが可能であることを特徴とする調理器。
[40]
前記収納空間を区画し上端が開口された調理容器と、
この調理容器の底部に取付けられたコックと、
通気孔を有して前記調理容器内に上下方向に移動可能に嵌合されるヘッド、このヘッドの周面に装着されて前記調理容器の内周面に摺接する環状のシール、及び前記通気孔を開閉する開閉部材を備えるピストン部材と、
を更に備え、
前記調理容器内に溜められた調理後の液状食品の液面に前記ヘッドの下面を接する形態で前記ピストン部材が配置されることを特徴とする[6]に記載の調理器。
[41]
前記調理容器が前記閉じ部材に下方から接するストッパ部を有し、このストッパ部を、前記調理容器の底部に配設される前記加工具より高い位置に設けたこと特徴とする[40]に記載の調理器。
[42]
前記閉じ部材が前記収納空間を閉じた状態で、前記収納空間を密封するシール材を、更に備えることを特徴とする[1]から[8],[10]から[22],[24]から[41]のうちのいずれか一つに記載の調理器。
[43]
前記減圧手段が複数台の電動式の真空ポンプを直列に接続してなることを特徴とする[6],[10]から[12],[16]から[20],[24]から[27],[31],[37],[39]のうちのいずれか一つに記載の調理器。
[44]
前記モータにより前記加工具が回転されている期間において、前記制御装置により前記減圧手段を断続的に駆動させることを特徴とする[10]から[12],[16]から[20],[24]から[27],[31],[37],[39]のうちのいずれか一つに記載の調理器。
[45]
前記調理容器内の圧力は、前記加工具が回転されている時より、加工後に食品を保存する時の方が高いことを特徴とする[10]から[12],[16]から[20],[24]から[27],[31],[37],[39]のうちのいずれか一つに記載の調理器。
[46]
前記加工具を回転可能に支持する支持部を備え、この支持部に対して前記加工具が取外し可能であることを特徴とする[1],[2],[8]、[10]から[22],[24]、[25],[37]から[39]のうちのいずれか一つに記載の調理器。
[47]
前記モータは正逆回転が可能であり、このモータの回転方向を前記制御装置で制御することを特徴とする[10]から[12],[16],[20],[24],[28],[31]から[37]、[44]のうちのいずれか一つに記載の調理器。
[48]
前記制御装置で前記モータに印加される電圧のデューティー比を調節して前記モータの回転時間を制御することを特徴とする[47]に記載の調理器。
[49]
前記調理容器がこの容器の底壁を貫通し前記モータにより回転される回転軸を有し、前記閉じ部材が軸支持部を有し、
前記加工具が、前記回転軸に取外し可能に嵌合して支持されるとともにこの嵌合状態で前記回転軸の動力が与えられる接続部と、この接続部の上側に連結され上端部が前記軸支持部に取外し可能に嵌合して支持される工具軸と、この工具軸に連結された工具要素と、を備えることを特徴とする[8]に記載の調理器。
前記課題を解決するために、実施形態の調理器は、上端を開口させた調理容器と、前記調理容器の上部に着脱可能に接続される閉じ部材と、前記閉じ部材に設けられ、前記調理容器と前記閉じ部材で形成された収納空間を排気して減圧する減圧手段と、前記減圧手段による前記収納空間からの空気の流出を許し、この逆の空気の流れを止める第1逆止弁と、前記閉じ部材に接続され、前記減圧手段によって排気して減圧されている状態又は減圧された状態の前記収納空間内の食品を加工する加工具と、前記閉じ部材に設けられ、前記加工具を回転させるモータと、前記加工具を取り外した状態で前記調理容器の上部に着脱可能に接続されるとともに、前記調理容器に接続された状態で前記閉じ部材と接続される蓋と、を備えている。