JPWO2014041764A1 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Abstract

透光性基板1に、透光性を有する第1電極5、有機発光層6及び第2電極7がこの順で設けられた有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。透光性基板1は、第1電極5側に防湿層1aを有して構成される。防湿層1aと第1電極5との間には、防湿層1a側から低屈層2とこの低屈層2よりも屈折率の高い高屈層3とがこの順で設けられ、低屈層2と高屈層3との界面には凹凸構造4が設けられている。防湿層1aの線膨張係数α、低屈層2の線膨張係数β、高屈層3の線膨張係数γは、α≦β≦γの関係を満たしている。

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
一般的な構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」ともいう)として、透明基板の表面に、透明電極、ホール輸送層、発光層、電子注入層、対電極が順に積層されたものが知られている。そして、このような有機EL素子を利用して面状発光素子(照明パネル)を得ることが知られている。有機EL素子では、陽極と陰極の間に電圧を印加することによって有機発光層で発した光は、透明電極、透明基板を通して取り出される。
有機EL素子は、自発光であること、比較的高効率の発光特性を示すこと、各種の色調で発光可能であること等の特徴を有している。そのため、表示装置、例えばフラットパネルディスプレイ等の発光体として、あるいは光源、例えば液晶表示機用のバックライトや照明への活用が期待され、また一部のものはすでに実用化されている。これらの用途に有機EL素子を応用展開するために、より高効率・長寿命・高輝度の優れた特性を有する有機EL素子の開発が望まれている。
有機EL素子の効率を支配する要因は、主として電気−光変換効率、駆動電圧、光取り出し効率の3つである。電気−光変換効率は、最近のいわゆる燐光材料の登場により、外部量子効率が20%を超えるものが報告されている。この値は、内部量子効率に換算するとほぼ100%と考えられ、電気−光変換効率の観点では、いわゆる限界値に到達した例が実験的に確認されたといえる。また駆動電圧についても、エネルギーギャップに相当する電圧の10〜20%増し程度の電圧で比較的高輝度の発光を示す素子が得られるようになってきている。言い換えると、低電圧化による有機EL素子の効率向上の余地はさほど大きくない。よってこれら2つの要因の克服による有機EL素子の効率向上はあまり期待できない。
一方、有機EL素子の光取り出し効率は、一般に20〜30%程度と言われており(この値は発光パターンや内部の層構造によって多少変化する)、この数値は高くはない。光取り出し効率が低い値になる要因としては、光の発生部位及びその周辺を構成する材料が高屈折率や吸光性などの特性を有するために、屈折率の異なる界面での全反射、材料による光の吸収などが生じ、外界へ有効に光が伝播できないからであると考えられる。これはすなわち、いわゆる発光として有効に活用できていない光が全発光量の70〜80%を占めるということであり、光取り出し効率向上による有機EL素子効率向上の期待値は、非常に大きい。
以上の背景に伴い、光取り出し効率を向上するための試みがこれまで非常に多くなされている。中でも特に、有機層から基板層への到達光を増やす試みが多くなされている。有機層の屈折率が約1.7とすると、通常、基板として用いられるガラスの屈折率が約1.5、透明電極として一般的なITOの屈折率は1.8〜2.0程度であるため、透明電極とガラスの界面で発生する全反射ロスは、全放射光の約50%に達すると考えられる。なお、この値は点光源近似で得られる値であり、発光が有機分子からの3次元放射光の積算であることを考慮している。このように有機層と基板との界面での全反射ロスは大きく、この有機層−基板間の全反射ロスを低減することで、有機EL素子の光取り出し効率を大きく改善することが可能である。
特開2005−322490号公報
有機層と基板との間での全反射ロスを低減する方法として、基板と透明電極との間に光取り出し構造を有する層を設けることが知れられている。この光取り出し構造は、樹脂に微粒子を分散させて光を散乱させたり、樹脂層に回折構造を設けたりして形成されている。光取り出し構造が設けられると、通常、層に凹凸が形成される。ここで、透明電極や有機層は、可能な限り凹凸がない状態の表面に形成することが好ましいため、光取り出し構造の凹凸は一般的に平坦化される。したがって、光取り出し構造は、少なくとも二つの層で構成され、この二つの層の界面が凹凸界面となる積層構造によって形成される。例えば、特許文献1では、二つの透光性樹脂層の界面に物理的凹凸状の領域を設ける技術が開示されている。
しかしながら、光取り出し構造を形成するに際して、平坦化を行いながら屈折率を調整すると、屈折率の調整には粒子などが用いられるため、粒子が含まれることにより樹脂が脆くなってしまうおそれがある。そして、二層の間の熱応力が異なるものとなってしまい、その結果、光取り出し構造自体や、積層される層(発光層や電極など)にクラックが生じやすくなってしまう。特に、有機EL素子の製造においては、光取り出し構造の形成の後、電極や有機層が、樹脂に対して比較的高温となった条件で積層されるため、この加熱条件下においてクラックなどが生じやすい。したがって、良好な積層ができなくなったり、例え積層されたとしても細かいクラックなどによって信頼性が低下したりするおそれがある。また、有機EL素子は発光する際に熱が生じることがあり、この稼動時の発熱で層が膨張してクラックが生じるおそれもある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、全反射ロスを低減して光取り出し性を高めるとともに、クラックなどが生じることを抑制して、発光性と信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とするものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、次の構成を有する。
透光性基板に、透光性を有する第1電極、有機発光層及び第2電極がこの順で設けられた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記透光性基板は、前記第1電極側に防湿層を有して構成され、前記防湿層と前記第1電極との間には、前記防湿層側から低屈層とこの低屈層よりも屈折率の高い高屈層とがこの順で設けられ、前記低屈層と前記高屈層との界面には凹凸構造が設けられており、前記防湿層の線膨張係数をαとし、前記低屈層の線膨張係数をβとし、前記高屈層の線膨張係数をγとしたときに、α≦β≦γの関係を満たしている。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の好ましい態様においては、前記第1電極の表面に、網目状の補助電極が設けられている。この場合、より好ましくは、前記補助電極の前記有機発光層側に、絶縁膜が設けられている。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の好ましい態様においては、前記高屈層を少なくとも分断する溝部が形成されている。この場合、好ましくは、前記溝部は、前記高屈層及び前記低屈層の両方を分断している。また、より好ましくは、前記溝部は、深くなるほど幅が狭くなる。また、より好ましくは、前記溝部に、補助配線が設けられている。また、より好ましくは、前記補助配線の厚みは、前記溝部の深さ以下である。また、より好ましくは、前記溝部には、前記補助配線よりも前記第2電極側に、絶縁部が設けられている。また、より好ましくは、前記防湿層と前記低屈層との間には絶縁層が設けられ、この絶縁層の線膨張係数をσとしたときに、α≦σ≦β≦γの関係を満たす。
本発明によれば、低屈層と高屈層による光取り出し構造により光取り出し性を高めるとともに、これらの層の線膨張係数を上記のような条件にすることにより、これらの層や上部に積層される層にクラックなどが生じることを抑制することができる。その結果、発光性と信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す一部を分解した平面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す一部の断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造工程の一例を示し、(a)〜(g)は断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造工程の一例を示し、(a)〜(g)は断面図である。
図1は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の実施の形態の一例を示している。この有機EL素子は、透光性基板1に、透光性を有する第1電極5、有機発光層6及び第2電極7がこの順で設けられたものである。透光性基板1は、第1電極5側に防湿層1aを有して構成されている。防湿層1aと第1電極5との間には、防湿層1a側から低屈層2とこの低屈層2よりも屈折率の高い高屈層3とがこの順で設けられている。低屈層2と高屈層3との界面には凹凸構造4が設けられている。防湿層1aの線膨張係数をαとし、低屈層2の線膨張係数をβとし、高屈層3の線膨張係数をγとしたときに、α≦β≦γの関係を満たしている。このように、低屈折率の層である低屈層2が透光性基板1側に配置され、高屈折率の層である高屈層3が第1電極5側に配置されることにより、屈折率差が低減されるため全反射を抑制することができ、光をより多く外部に取り出すことができる。また、低屈層2と高屈層3との界面に凹凸構造4が設けられていることにより、この凹凸構造4によって光が散乱されるため、全反射ロスを低減させて光取り出し性をさらに高めることができる。また、低屈層2及び高屈層3の線膨張係数が前記のような条件になることにより、クラックなどが生じることを抑制することができる。その結果、発光性と信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
図2は、図1の形態の有機EL素子を平面視(透光性基板1の表面に垂直な方向から見た場合)した様子を示している。図2では、素子の内部構成が分かりやすいように、封止材8を取り除いて図示し、封止材8が接着される領域を斜線で示している。なお、図1は、図2の(i)−(i)断面を図示している。また、破線は、隠れている補助電極10を示している。
透光性基板1は、光透過性を有する透明な基板である。本形態では、透光性基板1は、防湿性を有する防湿層1aを備えている。防湿層1aを有することにより、透光性基板1側からの水分の浸入を抑制することができる。透光性基板1は、防湿層1aを含んで構成されていればよく、防湿層1aのみで構成されていたり、防湿層1aと防湿層1aとは別の透明材料層との積層体で構成されていたりしてよい。防湿層1aは、透光性基板1の第1電極5側に配置されている。透光性基板1が防湿層1aの単層によって構成されている場合、透光性基板1の第1電極5側に配置される層は、防湿層1aとなる。透光性基板1が複層構造の場合、透光性基板1は、防湿層1aと、防湿層1aの第1電極5とは反対側の面に設けられる透明材料層とで構成されることになる。図1では、透光性基板1として防湿層1aの単層で構成されたものを記載しているが、防湿層1aの第1電極5とは反対側には透明材料層が形成されていてもよい。なお、透光性と光透過性は同義である。
防湿層1aとしては、ガラス基板などを用いることができる。防湿層1aをガラス基板で構成した場合、ガラスは水分の透過性が低いので、封止領域の内部に水分が浸入することを抑制することができる。本形態の有機EL素子では、透光性基板1における防湿層1aの表面に低屈層2と高屈層3とがこの順で設けられ、高屈層3の表面に、第1電極5と有機発光層6と第2電極7との積層物によって構成される発光積層体が設けられている。発光積層体の設けられる領域は、平面視(基板表面と垂直な方向から見た場合)において、透光性基板1の中央部の領域である。発光積層体は、発光積層体を取り囲む外周の位置において透光性基板1に接合される封止材8によって覆われて封止されており、発光積層体は封止領域の内部に配置されている。
第1電極5及び第2電極7は、互いに対となる電極である。通常、第1電極5は陽極を構成し、第2電極7は陰極を構成するが、その逆であってもよい。第1電極5は、光透過性を有しており、光取り出し側の電極を構成することができる。また、第2電極7は光反射性を有していてもよい。その場合、第2電極7側に向って発せられる発光層からの光を、第2電極7で反射させて透光性基板1側から取り出すことができる。また、第2電極7は光透過性の電極であってもよい。第2電極7が光透過性の場合、封止材8側の面(背面)から光を取り出す構造にすることが可能である。あるいは、第2電極7が光透過性の場合、第2電極7の背面(有機発光層6とは反対側の面)に光反射性の層を設けることによって、第2電極7の方向に進行した光を反射させて、透光性基板1側から取り出すことが可能である。その際、光反射性の層は、散乱反射性であってもよいし、鏡面反射性であってもよい。
第1電極5は、透明な電極材料を用いて構成することができる。例えば、導電性の金属酸化物などを好ましく用いることができる。透明金属酸化物としては、ITO、IZO、AZOなどが例示される。また、第2電極7は、適宜の電極材料を用いて構成することができる。例えば、第2電極7は、AlやAgなどにより形成することができる。
ところで、第2電極7を透光性の電極にして、封止材8側から光を取り出す構造にする場合、透光性基板1(又は防湿層1a)の外部側の表面に光反射膜を設けてもよい。光反射膜を設けた場合、有機発光層6から第1電極5を透過して防湿層1a側に進んだ光は、光反射膜によって反射されて封止材8側に向かう光になるため、封止材8側から光をより多く取り出すことが可能になる。光反射膜はAlやAgなどの反射性の金属膜で構成することができる。
有機発光層6は、発光を生じさせる機能を有する層であり、通常、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、中間層などから適宜選ばれる複数の層によって構成されるものである。有機発光層6の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、60〜300nm程度にすることができる。
有機発光層6の積層構造は、例えば、第1電極5を陽極とし、第2電極7を陰極とした場合、第1電極5側から順に、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層とすることができる。なお、積層構造は、これに限定されるものではなく、例えば、発光層の単層としたり、ホール輸送層と発光層と電子輸送層との積層構造にしたり、ホール輸送層と発光層との積層構造にしたり、発光層と電子輸送層との積層構造にしたりすることができる。また、発光層は単層構造でも多層構造でもよく、例えば発光色が白色の場合には、発光層中に赤色、緑色、青色の3色のドーパント色素をドーピングしてもよいし、青色正孔輸送性発光層と緑色電子輸送性発光層と赤色電子輸送性発光層との積層構造にしてもよい。あるいは、青色電子輸送性発光層と緑色電子輸送性発光層と赤色電子輸送性発光層との積層構造にしてもよい。また、対となる電極に挟んでこの電極に電圧を印加した際に発光が生じる積層構造を1つの発光ユニットとした場合に、複数の発光ユニットが光透過性及び導電性を有する中間層を介して積層され、電気的に直接的に接続したマルチユニット構造になっていてもよい。マルチユニット構造とは、対となる電極(陽極と陰極)の間に、厚み方向に重なる複数の発光ユニットを備えた構造である。
封止材8は、水分の透過性が低い基板材料を用いて形成することができる。例えば、ガラス基板などを用いることができる。具体的には、ソーダライムガラス、無アルカリガラスなどが挙げられる。これらは比較的安価なガラス材料であるため素子の製造コストを抑えることが可能になる。封止材8には、発光積層体を収容するための凹部を有してもよいが、有していなくてもよい。封止材8が凹部を有している場合、発光積層体を側部まで覆って封止することができるため、水分の浸入をより抑制することができ、封止性を高めることができる。凹部を有する封止材8としては、例えば、キャップガラスを用いることが可能である。封止材8が凹部を有していない場合、封止材8の平坦な面を透光性基板1に対向させて封止することが可能になり、また、板状の基材をそのまま用いることができる。ただし、封止材8が凹部を有していない場合には、発光積層体を封止するためのスペーサとなる側壁が形成されることを要する。
封止材8は、接着材料により透光性基板1に接合されている。封止材8を接着する接着材料は、発光積層体の外周を取り囲んで透光性基板1に設けられるものである。図2における斜線部分で示すように、本形態では、この接着材料は、第1電極5を構成する導電層の表面と、その導電層が分断された隙間における高屈層3の表面とに接して設けられている。このように、封止材8が接着材料によって透光性基板1に接着されることにより、発光積層体は、外部空間から遮断されて封止されることになる。
封止材8を接着する接着材料は、接着剤として機能する適宜の材料により構成されるものであり、例えば、樹脂製の接着材料を用いることができる。樹脂製の接着材料は、防湿性を有しているものが好ましい。例えば、乾燥剤を含有することにより防湿性を高めることができる。樹脂製の接着材料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂などを主成分とするものであってもよい。
透光性基板1と封止材8とに挟まれて発光積層体(有機発光層6)が封止された部分(封止内部間隙9)には、充填剤が充填されていてもよいし、空洞となった封止空間が形成されていてもよい。封止内部間隙9を封止空間にする場合、封止材8で簡単に封止することができ、素子を容易に作製することができる。また、封止内部間隙9に充填剤が充填されずに封止空間が形成された場合、封止空間には乾燥剤を設けることが好ましい。それにより、封止空間に水分が浸入したとしても、浸入した水分を吸収することができる。例えば、封止材8の発光積層体側の面に貼り付けることにより乾燥剤を封止空間内に設けることができる。
また、透光性基板1と封止材8とに挟まれた封止領域の封止内部間隙9を充填剤で満たした場合、封止材8で封止する際に、封止材8が内側に湾曲するなどしたとしても、発光積層体に接触したりすることを低減でき、より安全に素子を製造することができる。充填剤は乾燥剤や吸湿剤が配合された硬化性の樹脂組成物で構成することができる。また、流動性を有する樹脂組成物を用いることにより、封止内部間隙9に充填剤を簡単に充填することができる。充填剤は硬化するものであっても、硬化しないものであってもよい。また、充填剤が乾燥剤や吸湿剤を含有することによって、内部に水分が浸入したとしても、充填剤で水分を吸収することができ、有機発光層6に水分が到達することを抑制することができる。
有機EL素子では、第1電極5と第2電極7とに電圧を印加し、有機発光層6において正孔と電子を結合させて発光を生じさせる。そのため、第1電極5及び第2電極7のそれぞれと導通する電極端子を封止領域よりも外部に引き出して設ける必要がある。電極端子は、外部電極と電気的に接続するための端子である。図1の形態では、第1電極5を構成する導電層を透光性基板1の端部に引き出すことにより、電極引き出し部16を形成し、この電極引き出し部16で電極端子を構成するようにしている。
電極引き出し部16は、透光性基板1の端部表面に設けられている。図1の形態では、電極引き出し部16は、透光性基板1に設けられた高屈層3の表面に形成されており、高屈層3を介して透光性基板1の端部表面に設けられている。電極引き出し部16は、第1電極5と導通する第1電極引き出し部16aと、第2電極7と導通する第2電極引き出し部16bとに区分される。本形態では、電極引き出し部16は、第1電極5を構成する導電層が透光性基板1の端部側に引き出され、封止材8が設けられる領域よりも外側に延出されることによって形成されている。すなわち、第1電極5を構成する導電層は、第1電極引き出し部16aが設けられる端部では、この導電層が延伸することにより封止領域からはみ出して高屈層3の表面に形成されている。また、第1電極5を構成する導電層は、第2電極引き出し部16bが設けられる端部では、この導電層が分断されるとともに分断された導電層が延伸することにより封止領域からはみ出して高屈層3の表面に形成されている。第2電極引き出し部16bは、封止領域の内部において、積層された第2電極7と接触しており、それにより第2電極引き出し部16bと第2電極7とが導通する構造となっている。
なお、電極引き出し部16の構造(電極を封止領域よりも外部に引き出す構造)は、図1の形態の構造に限られるものではない。例えば、第1電極引き出し部16a及び第2電極引き出し部16bの一方又は両方を、第1電極5を構成する導電層とは別の導電層を用いて形成してもよい。
本形態の有機EL素子では、防湿層1aと第1電極5との間に、低屈層2と高屈層3とがこの順で設けられている。そして、低屈層2と高屈層3との界面には凹凸構造4が設けられている。低屈層2及び高屈層3の積層構造は、光取り出し構造を構成するものである。この光取り出し構造は、透光性を有し、有機発光層6で生じた光を第1電極5を通して外部側へより多く取り出す構造である。
低屈層2は、屈折率の低い層である。低屈層2は、低屈折率層とも呼ばれる。高屈層3は、屈折率の高い層である。高屈層3は、高屈折率層とも呼ばれる。
低屈層2と高屈層3との屈折率の高低は両者の間における相対的なものである。したがって、低屈層2は防湿層1aと屈折率が同じであったり、屈折率がそれよりも高くなったりしてもよい。もちろん、低屈層2の屈折率が防湿層1aよりも低くてもよい。また、高屈層3は第1電極5と屈折率が同じであったり、屈折率がそれよりも低くなったりしてもよい。もちろん、高屈層3の屈折率が第1電極5よりも高くてもよい。屈折率の好ましい関係の一例としては、防湿層1a、低屈層2、高屈層3、第1電極5の順で屈折率が高くなる関係である。それにより、屈折率が徐々に変化するため、光取り出し性を高めることができる。また、低屈層2の屈折率が防湿層1aの屈折率と同じかそれよりも低いことも好ましい。それにより、透光性基板1と低屈層2との間の全反射をより抑制することができる。このとき、例えば、防湿層1aよりも低屈層2の屈折率が低く、さらに、低屈層2、高屈層3、第1電極5の順で屈折率が高くなる関係にすることができる。また、高屈層3の屈折率が第1電極5の屈折率と同じかそれよりも高いことも好ましい。それにより、第1電極5と高屈層3との間の全反射をより抑制することができる。このとき、例えば、防湿層1aよりも低屈層2の屈折率が低く、さらに、第1電極5よりも高屈層3の屈折率が高くなる関係にすることができる。
層界面(防湿層1aと低屈層2の間の界面、高屈層3と第1電極5の界面)において全反射を低減して光取り出し性を高めるために、隣り合う層の屈折率を近づけ、屈折率差を小さくすることが好ましい。発光層において発光した光は直接又は反射して基板に到達するが、この界面における屈折率差が大きいと全反射によって光を多く取り出せなくなる。一方、第1電極5の下層(光取り出し側の層)として、第1電極5の屈折率に近い光取り出し構造を設けることにより、第1電極5と光取り出し構造との間の屈折率差を緩和することができ、光取り出し性を高めることができる。また、光取り出し構造の下層である低屈層2の屈折率を防湿層1aに近づけることにより、屈折率差を緩和することができ、光取り出し性を高めることができる。隣り合う層(防湿層1aと低屈層2、高屈層3と第1電極5)の間の屈折率差は小さい方がよく、例えば0.1以下や0.3以下にすることができるが、これに限定されるものではない。なお、低屈層2と高屈層3との間には、凹凸構造4が設けられており、この界面では光は散乱されたり拡散されたりするため、屈折率差はある程度存在してもよい。
低屈層2と高屈層3との間の屈折率差は、特に限定されるものではないが、例えば、0.1以上などに設定することができる。低屈層2の屈折率は、特に限定されるものではないが、1.4〜1.7の範囲にすることができる。高屈層3の屈折率は、特に限定されるものではないが、1.6〜2.0の範囲にすることができる。
防湿層1aの屈折率は、特に限定されるものではないが、ガラス材料を用いた場合などには、例えば1.4〜1.6にすることができる。また、第1電極5の屈折率は、特に限定されるものではなく、材料、形成方法などによって変化し得るが、例えば、1.6〜2.2の範囲などにすることができる。ITOなどの透明金属酸化物で第1電極5を構成する場合、屈折率を1.7〜2.0の範囲にすれば、屈折率の調整を行いやすくすることができる。
低屈層2と高屈層3との界面で設けられる凹凸構造4によって構成される光取り出し構造は、レンズアレイ構造であってもよい。レンズアレイ構造とは、微細な突起が面状に密に並ぶ構造である。レンズアレイ構造の突起は半球状、ひだ状、ピラミッド状(四角錐型)などの形状であってよい。本形態では、高屈層3は、低屈層2を平坦化する層としても機能する。平坦化によって、第1電極5よりも上に重なる層を安定して成膜することができる。なお、凹凸構造4は回折構造であってもよい。凹凸構造4はランダムに凹凸が面状に配置されるものであってもよい。
ところで、透光性基板1の外部側の表面に、凹凸形状や光散乱層などの光取り出し機能部がさらに設けられていてもよい。それにより、透光性基板1の表面に光取り出し機能部を設けることによって、簡単に光取り出し性を高めることができる。また、防湿層1aの低屈層2側の表面に凹凸が設けられていてもよい。それにより、光取り出し性をさらに高めることができる。ただし、安定して成膜を行うためには防湿層1aの表面は平坦な方が好ましい。
低屈層2及び高屈層3は、樹脂により構成することができる。樹脂により屈折率を簡単に調整することができるとともに、その界面に凹凸を設けやすくすることができる。低屈層2及び高屈層3の形成は、例えば、樹脂組成物を塗布することにより行うことができる。樹脂としては、熱硬化性の樹脂、光硬化性の樹脂など硬化性の樹脂が好ましい。あるいは、熱可塑性の樹脂を用いてもよい。樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、などの樹脂が挙げられる。
また、低屈層2及び高屈層3のうちの一方又は両方を、無機物を用いて構成してもよい。その場合も簡単に凹凸構造4を形成することができる。無機物としては、例えば、シロキサン、チタノキサンなどが挙げられる。
また、低屈層2及び高屈層3のうちの一方又は両方を、プラスチック層として構成することもできる。プラスチック層は、プラスチックの原料となる合成樹脂が成形されて硬化した成形体(シート、フィルムなど)を貼り合わせることにより形成することができる。プラスチック層としては、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)などのプラスチック材料により形成されたものを用いることができる。また、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系などのものを用いてもよい。プラスチックの成形方法は特に限定されるものではなく、圧延成形、ロール成形、射出成形など適宜の成形方法であってよい。プラスチック層を用いる場合、その基材は、可撓性を有することが好ましい。可撓性を有することにより、例えば、ロール状の基材を順次に送り出して透光性基板1に貼り付けることができ、プラスチック層の積層が容易となる。また、可撓性があればフレキシブルな素子を構成することも可能になる。プラスチックのシートを用いる場合、プラスチックシートを貼り合わせるなどしてプラスチック層を形成することができる。貼り合わせは、熱圧着や接着剤などで行うことができる。
低屈層2及び高屈層3は、樹脂や無機物などの材料を設定することのほか、適宜の方法で、屈折率を調整することができる。例えば、これらの層に、低屈折率粒子又は高屈折率粒子を分散して混合することにより、屈折率を低くしたり、あるいは、高くしたりすることができる。低屈折率粒子としては例えばシリカ微粒子が例示される。なかでも多孔質シリカ微粒子を用いると屈折率を効果的に下げることが可能である。高屈折率粒子としては、層媒体よりも屈折率の高い樹脂によって構成される樹脂粒子などを用いることができる。屈折率の調整は、空隙を混入することによっても行うことができる。空隙がより多く混入することにより屈折率を低下させることができる。なお、空隙を形成する場合、空隙に酸素や水が含まれていると素子が劣化しやすくなるので、空隙には酸素や水が入っていないことが好ましく、例えば、不活性ガス(窒素など)が充填されたような空隙であることが好ましい。
低屈層2及び高屈層3には光散乱性の粒子が含まれることが好ましい。光散乱性の粒子が含まれることにより、低屈層2及び高屈層3に入射する光が散乱するので、光をより多く取り出すことができる。光散乱粒子は、上記の低屈折率粒子又は高屈折率粒子において、光散乱機能を有している粒子によって構成されることが好ましい。この場合、屈折率の調整と光散乱とを同じ粒子で行うことができるため、効率よく光取り出し性を高めることができる。低屈層2及び高屈層3によって構成される光取り出し構造では、凹凸界面や粒子表面の反射あるいは異なる成分の界面の屈折率差に由来する反射や屈折によって、光が散乱されるものである。
低屈層2及び高屈層3により構成される光取り出し構造は、有機発光層6が積層されている中央領域から封止領域をはみ出して外部側まで形成されていることが好ましい。そして、凹凸構造4は、低屈層2と高屈層3とが積層する界面全体に亘って設けられていることが好ましい。光取り出し構造を設けた場合、有機発光層6で生じた光は、高屈層3及び低屈層2を介して透光性基板1から外部に取り出されるが、このとき、低屈層2及び高屈層3による光取り出し構造が光拡散性を有すると光が拡散するため、外周側に向かう光が発生する。低屈層2及び高屈層3における光の拡散は、凹凸構造4を設けることによってより有効に発生する。そして、低屈層2及び高屈層3が、封止材8が接着された位置やそれよりも外部側に設けられていると、光の拡散によって外周部に向かう光がより多く生じるため、発光積層体が形成されていない領域からも光を取り出すことが可能になる。そのため、外周部の非発光領域をより小さくしたり失くしたりすることができ、面内における発光面積率の高い有機EL素子を得ることができる。
低屈層2と高屈層3との間の凹凸構造4は、低屈層2及び高屈層3をその間の界面が凹凸面になるように積層することによって形成することができる。例えば、低屈層2と高屈層3を順に積層する場合、低屈層2を積層した後に低屈層2の表面に凹凸加工を施し、あるいは、低屈層2を表面凹凸を有するように積層し、その後、高屈層3を積層することにより、簡単に凹凸構造4を形成することができる。低屈層2及び高屈層3の積層は樹脂の塗布などにより行うことができる。凹凸加工で凹凸を形成する場合、凹凸のスタンパなどを用いたスタンプにより凹凸を形成することができる。凹凸はインプリントによって形成してもよい。例えば、光インプリントでは効率よく簡単に光取り出し性の高い凹凸を形成することができる。
樹脂中の材料によって樹脂層の表面に凹凸を形成する場合、表面凹凸を形成することが可能な大きさの粒子を配合することによって、粒子に起因する凹凸を形成することができる。この場合、粒子は、屈折率を調整したり光散乱性を付与したりする粒子であってよい。また、シートを用いて低屈層2と高屈層3とを積層させてもよい。例えば、低屈層2と高屈層3とが凹凸界面となってあらかじめ積層されたシートを透光性基板1に貼り付けることにより、簡単に低屈層2及び高屈層3を両方同時に設けることができる。また、低屈層2を構成するシートを貼り付けた後、高屈層3の樹脂を塗布したり、あるいは、低屈層2を構成する樹脂を塗布した後、高屈層3のシートを貼り付けたりしてもよい。その際、表面凹凸を有するシートを用いれば、簡単に凹凸構造4を形成することができる。
低屈層2及び高屈層3を塗布によって形成する場合、塗布方法としては、適宜の方法を用いることができる。例えば、スピンコート、スリットコートなどを用いることができる。また、グラビア印刷、スクリーン印刷などの印刷によって材料を塗布してもよい。印刷法の場合、パターン状に塗布することが容易である。
そして、本形態の有機EL素子では、防湿層1aの線膨張係数をαとし、低屈層2の線膨張係数をβとし、高屈層3の線膨張係数をγとしたときに、これらの層の線膨張係数の関係が、α≦β≦γの関係を満たしている。これらの層の線膨張係数(長さ方向の熱膨張係数)が前記のような条件になることにより、これらの層や上部に積層された層にクラックなどが生じることを抑制することができる。その結果、発光性と信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができるものである。なお、長さ方向の熱膨張係数とは、面方向(層表面に沿った方向)の線膨張係数であってよい。
有機EL素子においては、積層された二層の間の熱応力が異なると、クラックが生じやすくなる。特に、有機EL素子の製造においては、光取り出し構造の形成の後、電極や有機層が、樹脂に対して比較的高温となった状態で積層され得るため、この加熱条件下においてクラックなどが生じやすい。しかしながら、本形態においては、熱膨張係数(線膨張係数)が上記のような条件で調整されることによって、有機EL素子の製造の際の加熱においてもクラックが生じにくくなり、電気接続性に優れた信頼性の高い素子を製造することができるものである。また、有機EL素子の稼動時の発熱に対しても熱応力を分散することができ、クラックを低減して、ショート不良などを抑制することができるものである。ここで、低屈層2は、防湿層1aと高屈層3とによって挟まれる層である。そのため、この低屈層2の熱膨張率が高いと、加熱された際に、低屈層2が高屈層3を強く引っ張る力が働いたりしてクラックが生じやすくなると考えられる。そのため、低屈層2の熱膨張率を高屈層3と防湿層1aとの間に設定することにより、クラックの発生が抑制されるものと推測される。
防湿層1aの線膨張係数は、特に限定されるものではないが、その単位を「10−6×1/℃」とした場合、10以上100未満の範囲にすることができる。また、低屈層2の線膨張係数は、特に限定されるものではないが、その単位を「10−6×1/℃」とした場合、40以上110未満の範囲にすることができる。また、高屈層3の線膨張係数は、特に限定されるものではないが、その単位を「10−6×1/℃」とした場合、50以上120未満の範囲にすることができる。
各層における線膨張係数の差は小さい方がよい。そのため、理想的には、α=β=γの関係が好ましく、そうでなくても、α<β=γの関係や、α=β<γの関係が好ましい。しかしながら、実際的には、層を構成する材料が異なっていたり、同種の材料を用いたとしても積層構造になっていたりすることによって、積層された層には、通常、熱膨張係数の差は発生することが多い。そのため、α<β<γの関係を満たすことがより実用的であり、かつ好ましい。ただし、低屈層2と高屈層3とは、同じような材料を用い同種の方法で積層させることが可能であるため、屈折率を同じ値に調整しやすく、α<β≦γの関係を満たすことも実用的に可能であり、かつ好ましい。
各層における線膨張係数の差は小さい方がよく、具体的には次のように設定することができる。まず、防湿層1aと高屈層3との間の線膨張係数の差は、特に限定されるものではないが、その単位を「10−6×1/℃」とした場合、5以上100未満の範囲にすることができる。また、防湿層1aと低屈層2との間の線膨張係数の差は、特に限定されるものではないが、その単位を「10−6×1/℃」とした場合、3以上80未満の範囲にすることができる。また、低屈層2と高屈層3との間の線膨張係数の差は、特に限定されるものではないが、その単位を「10−6×1/℃」とした場合、0以上50未満の範囲にすることができる。線膨張係数は、TMAなど、汎用の熱膨張測定装置によって測定することができる。
線膨張係数の調整は、特に限定されるものではなく、適宜の方法により行うことができる。例えば、防湿層1aがガラスで構成される場合、このガラスの線膨張係数を基準として、低屈層2及び高屈層3の線膨張係数を調整する。低屈層2及び高屈層3が樹脂材料で構成される場合、樹脂材料の選定や添加物質の選定により線膨張係数は調整され得る。一般的に、粒子を多く含ませると線膨張係数は低くなる傾向がある。樹脂よりも粒子の方が膨張率が小さいことが多いからである。特に、無機粒子、無機フィラーといった無機材料を配合すると膨張率を低下させることができる。そのため、例えば、高屈層3の粒子含有量よりも低屈層2の粒子含有量を多くすることにより、低屈層2の線膨張係数を高屈層3よりも低くすることができる可能性がある。
図1の形態の有機EL素子では、第1電極5の表面に、網目状の補助電極10が設けられている。補助電極10を設けることにより、通電性を高めることができ、発光面における電流分布を改善し、面内での発光がより均一になった有機EL素子を得ることができる。ここで、第1電極5は、透光性を有する材料(透明金属酸化物など)で形成されるため、通常、比抵抗が高く、通電性があまりよくない。そこで、第1電極5よりも通電性の高い材料で電極配線を構成し、この配線で補助電極10を形成することにより、第1電極5の電気伝導性を補って通電性をより高めることができる。また、補助電極10は第1電極5の表面に形成されている。このように、補助電極10が設けられることによって、この補助電極10が第1電極5を介して高屈層3と低屈層2を押さえ込む作用が与えられるため、加熱時の熱膨張を抑制することができ、クラックの発生をより低減させることができる。
図2に示されるように、本形態では、補助電極10は格子状に設けられている。このような補助電極10は、グリッド電極とも呼ばれるものである。格子状の補助電極10によってより均一な電流分布が得られる。この格子状の補助電極10は、縦横に延伸する直線状の配線が等間隔で配置されて構成されている。図2の形態では、縦5本、横5本の配線によって、16個の矩形の穴が設けられて網目が形成されている。もちろん、配線の数はこれに限定されるものではなく、縦横それぞれ3〜10本の範囲などの適宜の数であってもよい。
補助電極10は、電極材料で構成される層である。透明性は有さなくてもよい。補助電極10は、例えば、導電性の金属材料で形成することができる。具体的には、銅、銀、金、アルミ、ニッケル、モリブデンなどが例示される。補助電極10の好ましい材料の一つは、MAMと称せられるモリブデン/アルミニウム/モリブデン積層体(Mo/Al/Mo)である。MAMを用いた場合、第1電極5の導電性を効果的に補助して向上することができる。補助電極10が網目状に形成されていることにより、補助電極10の網目の間(穴)から光を透光性基板1側に取り出すことが可能になる。
ところで、補助電極10は、通常、透光性を有していないため、この部分からは光を取り出すことができず、補助電極10の形状に沿った非発光部分が形成されるおそれがある。しかしながら、本形態においては、低屈層2と高屈層3との間の凹凸構造4によって光が拡散されるため、補助電極10によって形成される非発光の領域に光を拡散することができる。そのため、補助電極10による非発光を失くしたり目立たなくしたりして、より自然な発光を得ることができる。
また、本形態では、補助電極10の有機発光層6側に絶縁膜11が設けられている。このように、補助電極10の表面に絶縁膜11が設けられていると、この絶縁膜11が第1電極5を介して高屈層3と低屈層2を押さえ込む作用が与えられるため、加熱時の熱膨張を抑制することができ、クラックの発生をより低減させることができる。また、補助電極10は第1電極5の表面で盛り上がって形成されているため、この表面に直接有機発光層6及び第2電極7を形成した際には、層が分断されたり薄くなったりして、電気的にショートしやすくなるおそれがある。しかしながら、図1の形態では、補助電極10が絶縁膜11によって電気的に絶縁されているので、たとえ補助電極10の上に第2電極7が積層されたとしても、絶縁膜11によって補助電極10と第2電極7とが直接接することがないため、電気的にショートすることを防ぐことができる。
ここで、補助電極10が設けられた部分は、通常、補助電極10は透光性を有していないため、光を取り出すことができないので、この部分で発光が生じると、発光のロスが生じ、発光効率が低下するおそれがある。しかしながら、本形態のように絶縁膜11を設けると、補助電極10が設けられた部分では発光が生じないようし、光取り出し可能な補助電極10以外の領域(網目)に電流をより多く流すことができるため、発光ロスを低減して発光効率を向上させることができる。また、絶縁膜11を設けることにより補助電極10の部分において過剰に発光することを抑制することができる。
さらに本形態では、補助電極10は、第1電極5に接していない部分が、絶縁膜11によって被覆されている。すなわち、補助電極10の上には補助電極10を覆うように絶縁膜11が積層され、補助電極10は表面だけでなく側面も絶縁膜11に被覆されている。このように補助電極10が絶縁膜11によって被覆されていると、層の分断を生じにくくすることができるとともに、絶縁性を確保できるため、ショート不良をさらに抑制することができる。また、光をより取り出しやすい補助電極10以外の部分に電流を多く流すことができるため、発光効率をさらに高めることができる。そして、絶縁膜11が第1電極5の表面に接していることにより、絶縁膜11によって第1電極5を介して高屈層3と低屈層2を押さえ込む作用を強く得ることができるため、加熱時の熱膨張を抑制して、クラックの発生をさらに低減させることができる。絶縁膜11の側面は傾斜していることが好ましい。それにより、層の分断をより一層抑制することができる。
ここで、本形態の有機EL素子では、高屈層3は端部に延伸し封止領域からはみ出して外部に露出しており、高屈層3の透湿性が高いと、高屈層3から水分が浸入しやすくなるおそれがある。高屈層3の露出部分は、電極引き出し部16を構成する導電層が分断された部分や、基板端部の領域で形成され得る。そこで、高屈層3の露出される部分に、高屈層3を被覆する防湿膜を形成するようにすると、高屈層3を介して水分が浸入することを抑制することができるので好ましい。同様に、低屈層2が露出する部分が存在する場合は、低屈層2を被覆するように防湿膜を形成することが好ましい。例えば、透光性基板1の側面などに防湿膜を形成することができる。防湿膜は、例えば、無機材料により形成することができる。無機材料としては、例えば、シリカなどが挙げられる。
ところで、図1の形態では、補助電極10は第1電極5の上層として形成されているものを示しているが、補助電極10は、第1電極5の下層として形成されていてもよい。その場合も、第1電極5に接することにより、補助電極10で第1電極5の通電性を高めることができる。この場合、補助電極10の位置での発光を抑制するため、絶縁膜11は、第1電極5と第2電極7との間における補助電極10が設けられた位置に設けられることが好ましい。
図1の形態では、補助電極10及び絶縁膜11が設けたられた形態を示したが、もちろん、有機EL素子においては、補助電極10及び絶縁膜11が設けられていなくてもよい。その場合も、線膨張係数が上記のように設定されることで、クラックを抑制することができる。
図3は、有機EL素子の実施の形態の一例を示している。図1の形態と同様の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
図3の有機EL素子は、図1の形態と同様に、透光性基板1に、透光性を有する第1電極5、有機発光層6及び第2電極7がこの順で設けられたものである。透光性基板1は、第1電極5側に防湿層1aを有して構成されている。防湿層1aと第1電極5との間には、防湿層1a側から低屈層2とこの低屈層2よりも屈折率の高い高屈層3とがこの順で設けられている。低屈層2と高屈層3との界面には凹凸構造4が設けられている。このように、低屈折率の層である低屈層2が透光性基板1側に配置され、高屈折率の層である高屈層3が第1電極5側に配置されることにより、屈折率差が低減されるため全反射を抑制することができ、光をより多く外部に取り出すことができる。また、低屈層2と高屈層3との界面に凹凸構造4が設けられているにより、この凹凸構造4によって光が散乱されるため、全反射ロスを低減させて光取り出し性をさらに高めることができる。
また、本形態の有機EL素子においても、防湿層1aの線膨張係数をαとし、低屈層2の線膨張係数をβとし、高屈層3の線膨張係数をγとしたときに、これらの層の線膨張係数の関係が、α≦β≦γの関係を満たしている。これらの層の線膨張係数(長さ方向の熱膨張係数)が前記のような条件になることにより、これらの層や上部に積層された層にクラックなどが生じることを抑制することができる。その結果、発光性と信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができるものである。
図2は、図3の形態の有機EL素子を平面視(透光性基板1の表面に垂直な方向から見た場合)した様子でもある。この場合、図3は、図2の(i)−(i)断面を図示している。また、破線は、隠れている補助配線13を示している。
有機EL素子では、高屈層3を少なくとも分断する溝部12が形成されていることが好ましい一形態である。高屈層3を分断する溝部12が形成されると、層が分断されているために、加熱されたときに、熱膨張が溝部12において吸収されるので、熱膨張による応力を低減することができる。そのため、クラックを生じにくくしてより信頼性の高い素子を得ることができる。溝部12は、低屈層2及び高屈層3を構成する積層構造において形成される。溝部12は少なくとも高屈層3を分断して設けられる。高屈層3を分断することにより、高屈層3の熱膨張を溝部12で吸収することができる。
溝部12は、適宜の方法で形成することができる。溝部12は、例えば、低屈層2及び高屈層3を形成する段階で層をパターニングすることにより形成することができる。あるいは、溝部12は、例えば、溝部12を有さない低屈層2及び高屈層3を形成した後、物理的方法及び化学的方法の一方又は両方によって溝部12の部分を除去することで形成してもよい。あるいは、溝部12は、例えば、低屈層2及び高屈層3に応力をくわえることでクラックを生じさせ、そのクラックを溝部12として用いてもよい。
溝部12は、複数の直線状の溝により構成されるものであってよい。例えば、縦横に延伸する複数の溝により溝部12は形成される。溝部12の全体形状は、網目状であってよく、またグリッド状であってよく、また格子状であってよい。補助配線13が設けられる場合、溝部12は補助配線13の形状と対応するものであってよい。
溝部12は幅が狭いほど好ましい。それにより、光取り出し構造の面積をより広く取ることができる。溝部12の幅は、溝部12を構成する一つの溝の横幅(平面視において溝が延伸する方向と垂直な方向の幅)と定義される。溝部12の幅は好ましくは100μm以下である。溝部12の幅はより好ましくは10μm以下である。溝部12の幅の下限は特に限定されるものではないが、例えば、溝部12の幅は0.1μm以上であってよい。溝部12の間隔、すなわち隣り合う溝部12の間の距離は、広いほど好ましい。それにより、光取り出し構造の面積をより広く取ることができる。溝部12の間隔は好ましくは1mm以上である。溝部12の間隔は、より好ましくは2mm以上である。溝部12の間隔の上限は特に限定されるものではないが、例えば、溝部12の間隔は10mm以下であってよい。ただし、溝部12の幅及び溝部12の間隔は、光取り出し構造材料、加工方法によって好適な値は変動し得るため、上記の範囲に限定されるものではない。
溝部12は、低屈層2及び高屈層3の両方を分断することが好ましい。本形態では、溝部12は高屈層3だけではなく低屈層2も分断している。すなわち、溝部12は、高屈層3を厚み方向に切り裂いて面方法に分断するとともに、低屈層2を厚み方向に切り裂いて面方向に分断している。そして、溝部12の底部は、透光性基板1(防湿層1a)の表面に達している。このように溝部12が形成されると、二つの層が分断されているために、加熱されたときに、熱膨張が溝部12において吸収されるので、熱膨張による応力を低減することができる。そのため、クラックを生じにくくしてさらに信頼性の高い素子を得ることができる。また、溝部12を設けることにより、クラックによる不良を低減するだけでなく、クラックが入りやすい大面積素子や、フレキシブル素子の作製も可能とすることができる。
溝部12は、深くなるほど幅が狭くなっていることが好ましい。それにより、溝部12の側面が透光性基板1の表面に対して傾斜した傾斜面となって、溝部12の側面どうしが平行な状態で対向することがなくなる。そして、溝部12の開口部分の幅が広がっていることにより、熱膨張によって層が膨張したときに、応力の集中しやすい端部の応力を緩和することができ、加熱によってクラックが発生するのを抑制することができる。また、熱膨張した際に、溝部12の間が狭くなるような変形が起こったとしても、溝部12が開口部分で広がっていることで、熱による応力を吸収しながら、変形を吸収することができるため、クラックの発生を抑制することができる。ここで、溝部12の側面が透光性基板1の表面に垂直となって段状になると、層を積層した際に、この段において層が分断されやすくなり、接続信頼性が低下するおそれがある。しかしながら、溝部12が深くなるほど幅狭となり、溝部12の側面が透光性基板1の表面に対して傾斜した傾斜面となることにより、層の段切れを低減することができ、接続信頼性を高めることができる。このような形状の溝部12は、フィレット状の溝ということができる。なお、溝部12の開口部の縁部(表面と側面の境界部分)においては、高屈層3は角が丸まって曲面状になっていてもよい。それにより、角張った部分が面取りされるので、層の分断がより一層抑制される。
本形態では、溝部12に、補助配線13が設けられている。補助配線13は、図1の形態の補助電極10と、同じ材料、同じパターン形状で形成されるものであってよい。すなわち、補助配線13はグリッド配線と呼ばれるものであってよい。補助配線13を設けることにより、通電性を高めることができ、面内において電流分布を改善し、面内での発光がより均一になった有機EL素子を得ることができる。第1電極5は、透光性を有する材料(透明金属酸化物など)で形成されるため、通常、比抵抗が高く、通電性があまりよくない。そこで、第1電極5よりも通電性の高い材料で配線を構成し、この配線で補助配線13を形成することにより、第1電極5の電気伝導性を補って通電性をより高めることができる。第1電極5の通電性を高めるためには、補助配線13と第1電極5とは接触して設けられている。そして、補助配線13は溝部12に形成されている。このように、補助配線13が溝部12に設けられるによって、透光性基板1の表面で窪んだ溝部12を利用して補助配線13を設けることができるため、効率よく補助配線13を設けることができる。また、溝部12が形成されると、この溝によって、第1電極5が分断されたり、電極間距離が大きくなったりして、給電性が不安定になるおそれがあるが、溝部12に補助配線13を設けることによって、補助配線13の上に、第1電極5を積層させることができる。そのため、安定に給電することが可能な素子をより得ることができる。
ここで、一般的に、発光面積を広くすればするほど、発光面の中心付近への給電が不足しやすくなる。透光性を有する電極層が比較的高抵抗であるためである。しかしながら、補助配線13を設けることにより、発光面の中心付近へも安定に給電することができるようになる。そのため、発光素子の大面積化が容易となる。補助電極10についても同様である。
図3に示すように、補助配線13は、溝部12の底部に設けられており、透光性基板1(防湿層1a)の表面に接して設けられている。このように、溝部12の底部に補助配線13が設けられていると、より効率よく補助配線13を設けることができる。
図2に示されるように、補助配線13は、網目状の形状であってよく、好ましくは格子状に設けることができる。格子状の補助配線13によってより均一な電流分布が得られる。この格子状の補助配線13は、縦横に延伸する直線状の配線が等間隔で配置されて構成されている。網目のパターンは、図1の形態で説明したものと同様にであってよい。
補助配線13は、電極材料で構成される層である。透明性は有さなくてよい。例えば、導電性の金属材料で形成することができる。具体的には、銅、銀、金、アルミ、ニッケル、モリブデンなどが例示される。補助配線13の材料として、MAMも好ましい。Mo/Al/Moを用いた場合、第1電極5の導電性を効果的に補助して向上することができる。補助配線13は網目状に形成されていることにより、補助配線13の網目の間(穴)から光を透光性基板1側に取り出すことが可能になる。
また、補助配線13の厚みは、溝部12の深さ以下であることが好ましい。補助配線13の厚みが溝部12の深さよりも大きくなると、補助配線13が溝部12の開口から飛び出してしまうため、安定な成膜を行うことができなくなるおそれがある。また、補助配線13によって溝部12が全て埋められてさらに盛り上がるように形成されると、応力を吸収しにくくなり、クラックを有効に低減することができなくなるおそれがある。しかしながら、補助配線13の厚みが溝部12の深さ以下であると、電気信頼性を維持するとともに、クラックを高く抑制することができる。
溝部12が、高屈層3及び低屈層2の両方を分断する溝である場合、補助配線13の厚みは、低屈層2の厚み以下であってもよい。補助配線13の厚みがより薄くなることで、層の分断を低減するとともに、熱膨張の応力をより吸収することが可能になる。なお、このときの低屈層2の厚みは平均厚みであってよい。あるいは、低屈層2の最も薄い部分の厚みよりも補助配線13の厚みが薄くなってもよい。
本形態では、溝部12には、補助配線13よりも第2電極7側に、絶縁部14が設けられていることが好ましい。溝部12は、高屈層3及び低屈層2の一方又は両方が分断された形状で形成されているため、この溝部12に直接第1電極5、有機発光層6及び第2電極7を積層して形成した際には、層が分断されたり薄くなったりして、電気的にショートしやすくなるおそれがある。しかしながら、補助配線13の第2電極7側に絶縁部14を設けるようにすると、溝部12が絶縁部14によって埋められるため、層の分断を生じにくくすることができる。また、補助配線13が絶縁部14によって電気的に絶縁されているので、たとえ補助配線13の上に第2電極7が積層されたとしても、絶縁部14によって補助配線13と第2電極7とが直接接することがないため、電気的にショートすることを防ぐことができる。ここで、補助配線13が設けられた部分は、通常、補助配線13は透光性を有していないため、光を取り出すことができないので、この部分で発光が生じると、発光のロスが生じ、発光効率が低下するおそれがある。しかしながら、本形態のように絶縁部14を設けていると、補助配線13が設けられた部分では発光が生じないようし、光取り出し可能な補助配線13以外の領域(網目)に、電流をより多く流すことができるため、発光ロスを低減して発光効率を向上させることができる。また、絶縁部14を設けることにより補助配線13の部分において過剰に発光することを抑制することができる。
絶縁部14は、溝部12を埋めるように設けられることが好ましい。絶縁部14で溝部12が埋められると、層を安定して形成することができる。特に、絶縁部14によって溝部12が埋められ、有機発光層6を積層する前の第1電極5の表面に窪みがなくなって平坦になると、安定して有機発光層6を積層させることができ、信頼性の高い素子を得ることができる。
絶縁部14は第1電極5の上に設けられている。それにより、第1電極5と補助配線13の導通性を十分に確保することが可能になる。なお、絶縁部14の設けられる位置はこれに限定されるものではなく、絶縁部14は有機発光層6と第2電極7との間に設けられていてもよい。
ところで、図3の形態では、補助配線13は第1電極5の下層として形成されているものを示しているが、補助配線13は、第1電極5の上層として形成されていてもよい。その場合も、第1電極5に接することにより、補助配線13で第1電極5の通電性を高めることができる。
図4は、有機EL素子の実施の形態の他の一例を示している。上記の形態と同様の構成には同じ符号を付して説明を省略する。本形態では、防湿層1aと低屈層2との間に絶縁層15が設けられている点で、図3の形態と異なっている。それ以外は、図3と同様の構成を有している。
図4の形態では、絶縁層15を設けることにより、熱膨張の際の応力をさらに吸入することができる。溝部12は、高屈層3、低屈層2及び絶縁層15を分断しており、補助配線13は、溝部12の底部において、防湿層1aの表面に形成されている。補助配線13は、絶縁層15よりも厚みが薄いことが好ましい。補助配線13の厚みが薄くなることで、層の分断がより抑制される。
本形態の有機EL素子においては、防湿層1aの線膨張係数をαとし、絶縁層15の線膨張係数をσとし、低屈層2の線膨張係数をβとし、高屈層3の線膨張係数をγとしたときに、これらの層の線膨張係数の関係がα≦σ≦β≦γの関係を満たしていることが好ましい。これらの層の線膨張係数(長さ方向の熱膨張係数)が前記のような条件になることにより、これらの層や上部に積層される層にクラックなどが生じることを抑制することができる。その結果、発光性と信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができるものである。
絶縁層15は、樹脂材料や無機材料により形成することができる。樹脂で構成する場合、低屈層2及び高屈層3に用いる樹脂と同様の樹脂であってよい。無機材料で構成する場合、シリカ系の無機材料などを用いることができる。絶縁層15の屈折率は、特に限定されるものではないが、光取り出し性を高めるために、例えば、防湿層1aと低屈層2との間の屈折率であってよい。
図3及び図4の形態では、補助配線13及び絶縁部14が設けられた形態を示したが、もちろん、有機EL素子においては、補助配線13及び絶縁部14が設けられていなくてもよい。その場合も、線膨張係数が上記のように設定されることで、クラックを抑制することができる。そして、溝部12が設けられていることにより、加熱の際の膨張により発生する応力を吸収することができるので、クラックの抑制効果をさらに高く得ることができる。
なお、第1電極5の表面に補助電極10が設けられ、溝部12に補助配線13が設けられた有機EL素子を構成することも可能である。
次に、有機EL素子の製造方法について説明する。図5は、図1の形態の有機EL素子を製造する工程の一例を示している。
有機EL素子を製造するにあたっては、まず、図5(a)に示すように、防湿層1aを有する透光性基板1を準備する。次に、図5(b)に示すように、低屈層2を防湿層1aの表面に形成する。低屈層2の積層は、低屈層2を構成する材料(樹脂材料又は無機材料)の塗布により行うことができる。例えば、スピンコート、スリットコート、印刷などにより塗布を行うことができる。あるいは、蒸着法などによって低屈層2を設けるようにしてもよい。そして、低屈層2の表面を凹凸面にする。凹凸面の形成はインプリント法によって行うことができる。光インプリントを用いれば簡単に凹凸を形成することができる。また、凹凸スタンパを用いて凹凸を形成してもよい。あるいは、光散乱微粒子を分散させて微粒子による凹凸を形成してもよい。ここで、低屈層2の材料としては、防湿層1aよりも線膨張係数が高いものが用いられる。
次に、図5(c)に示すように、低屈層2の表面(凹凸面)に、高屈層3を積層する。高屈層3の積層は、高屈層3を構成する材料(樹脂材料又は無機材料)の塗布により行うことができる。例えば、スピンコート、スリットコート、印刷などにより塗布を行うことができる。高屈層3の積層により、低屈層2と高屈層3との界面には凹凸構造4が形成される。なお、低屈層2及び高屈層3の積層は、プラスチックシートを用いてもよい。例えば、低屈層2と高屈層3とが積層されたプラスチックシートを貼り付けることにより、透光性基板1の表面に低屈層2及び高屈層3を同時に設けることができる。あるいは、低屈層2を構成するシートを貼り付けた後に、高屈層3を塗布により形成したり、もしくは、低屈層2を塗布して形成した後に、高屈層3を構成するシートを貼り付けたりしてもよい。その際、凹凸面を有するシートを利用して、凹凸構造4を形成してもよい。ここで、高屈層3の材料としては、低屈層2よりも線膨張係数が高く、屈折率が高いものが用いられる。
次に、図5(d)に示すように、高屈層3の表面に、第1電極5を形成し、さらにその上に、補助電極10を形成する。第1電極5及び補助電極10の形成は、蒸着法、スパッタ法、塗布法などにより行うことができる。蒸着法の場合、簡単に導電性の高い電極層を形成することができる。ここで、第1電極5及び補助電極10の形成では、パターン状に層が形成される。すなわち、第1電極5においては、基板端部において電極引き出し部16を設けるために、パターン状に層を形成する。また、補助電極10においては、網目状の電極となるように、パターン状に層を形成する。このようなパターン状の層の形成は、マスク法による成膜により行ってもよいし、全面に成膜した後にエッチングしてパターン形成してもよい。なお、補助電極10は、網目状となって成形された導電成形体を貼り付けて積層してもよい。
次いで、図5(e)に示すように、補助電極10の上に、補助電極10を被覆するように絶縁膜11を形成する。絶縁膜11の形成は、絶縁膜11の材料を塗布することにより行うことができる。塗布は、スピンコート法やスリットコート法、印刷法などを用いることができる。熱硬化性の材料が用いられたときは加熱により熱硬化して絶縁膜11が形成される。
次に、図5(f)に示すように、有機発光層6、第2電極7を順次に積層する。有機発光層6は、蒸着や塗布により、有機発光層6を構成する各層を順次に積層することにより形成することができる。第2電極7は、蒸着やスパッタや塗布などによって形成することができる。有機発光層6及び第2電極7の積層にあたっては、第2電極引き出し部16bが設けられた位置において、有機発光層6及び第2電極7を延伸させて第1電極5よりもはみ出させ、第2電極7の延伸部を第2電極引き出し部16bに接続するようにする。それにより、電極間をショートさせずに電気的接続することができる。
ここで、第1電極5、補助電極10、絶縁膜11、有機発光層6及び第2電極7の形成においては、蒸着等の際に熱が加えられる場合がある。また、塗布においても加熱状態の組成物が塗布されたり、熱硬化の際に加熱されたりする場合がある。加熱温度は、例えば100℃以上200℃以下の範囲である。このとき、線膨張係数の関係が、α≦β≦γでない場合、例えば、α<γ<βなどである場合、膨張率の差によって、加熱時に高屈層3及び低屈層2の一方又は両方にクラックが生じやすくなる。しかしながら、本形態においては、防湿層1a、低屈層2及び高屈層3の線膨張係数の関係が、α≦β≦γであることにより、積層の際に熱が加えられても、クラックが発生するのを抑制することができるものである。
そして、図5(g)に示すように、封止材8を透光性基板1に接着して、封止材8で有機発光層6を有する積層体(発光積層体)を封止する。封止材8による封止は、透光性基板1の外周部分における電極引き出し部16の表面(ただし一部は高屈層3の表面であってよい)に、発光積層体の外周を囲うように封止用の接着剤を設ける。そして、封止材8を透光性基板1に発光積層体側の面から近づけて、透光性基板1と封止材8とを接着剤で接着して発光積層体を封止する。
以上により、図1の形態のような有機EL素子を得ることができる。図5に示す製造方法では、線膨張係数を調整して積層しているため、クラックの発生を抑制することができる。また、補助電極10を形成し、この補助電極10を絶縁膜11で被覆しているため、電流分布が向上し、面内発光のより均一な有機EL素子を得ることができる。なお、補助電極10及び絶縁膜11を設けない場合は、図5の工程から、これらの作製工程を省略すればよい。
図6は、図3の形態の有機EL素子を製造する工程の一例を示している。
有機EL素子を製造するにあたっては、まず、図6(a)に示すように、防湿層1aを有する透光性基板1を準備する。次に、図6(b)に示すように、補助配線13を透光性基板1の表面に形成する。補助配線13の形成方法は、図5の形態における補助電極10の形成方法と同じであってよい。
次に、図6(c)に示すように、低屈層2及び高屈層3を、防湿層1aにおける補助配線13が設けられていない部分の表面に形成する。低屈層2及び高屈層3の積層は、図5の形態と同様の方法で行うことができる。ただし、溝部12を形成するために、パターン状に塗布を行い、補助配線13の上には低屈層2及び高屈層3を形成しないようにする。パターン状の塗布は、マスクを用いたスピンコートやスリットコートなどにより行うことができる。溝部12の側面を傾斜面にするには、傾斜するように層を積層したり、積層した層の端面を斜めに削り落とす加工を行ったりして傾斜面を形成することができる。なお、透光性基板1の表面に低屈層2及び高屈層3を形成した後、低屈層2及び高屈層3をレーザ照射などによって除去して溝部12を形成し、この形成された溝部12に補助配線13を形成するようにしてもよい。その場合も、図6(c)に示すような、低屈層2及び高屈層3が分断されて溝部12が形成され、その溝部12に補助配線13が形成された形態のものを得ることができる。なお、レーザ照射の場合、レーザ光の角度を調整することにより溝部12の側面を傾斜面に形成することが可能であり、簡単に傾斜面を形成することができる。
次に、図6(d)に示すように、第1電極5を形成する。第1電極5の形成は、蒸着法、スパッタ法、塗布法などにより行うことができる。このとき、第1電極5を溝部12の内部にも積層させて第1電極5と補助配線13とが接触して繋がるようにする。それにより、電気的に導通することができ、導電補助の効果を高く得ることができる。
次いで、図6(e)に示すように、補助配線13の上の位置において、溝部12を埋めるように、絶縁材料を塗布や蒸着などにより積層させて絶縁部14を形成する。絶縁部14は、溝部12が埋まって第1電極5の表面と面一になった平坦面になるように設けられることが好ましい。それにより、その上に積層される層を安定して成膜することができる。
次に、図6(f)に示すように、有機発光層6、第2電極7を順次に積層し、その後、図6(g)に示すように、封止材8を透光性基板1に接着して、封止材8で有機発光層6を有する積層体(発光積層体)を封止する。有機発光層6及び第2電極7の積層、及び封止材8の接着は、図5の形態と同様の方法で行うことができる。
ここで、第1電極5、有機発光層6及び第2電極7の形成においては、蒸着等の際に熱が加えられる場合がある。また、塗布においても加熱状態の組成物が塗布されたり、熱硬化の際に加熱されたりする場合がある。加熱温度は、例えば100℃以上200℃以下の範囲である。このとき、線膨張係数の関係が、α≦β≦γでない場合、例えば、α<γ<βなどである場合、膨張率の差によって、加熱時に高屈層3及び低屈層2の一方又は両方にクラックが生じやすくなる。しかしながら、本形態においては、防湿層1a、低屈層2及び高屈層3の線膨張係数の関係が、α≦β≦γであることにより、積層の際に熱が加えられても、クラックが発生するのを抑制することができるものである。そして、図6の形態においては、溝部12が設けられているために、加熱時の応力を溝部12で吸収することができるため、クラックをより有効に低減することができるものである。
以上により、図3の形態のような有機EL素子を得ることができる。図6に示す製造方法では、線膨張係数を調整して積層しているため、クラックの発生を抑制することができる。また、溝部12を形成し、この溝部12に補助配線13を形成し、さらに溝部12を絶縁部14で埋めているため、電流分布が向上し、面内発光がより均一で、光取り出し効率のよい有機EL素子を得ることができる。なお、補助配線13及び絶縁部14の一方又は両方を設けない場合は、図6の工程から、これらの作製工程を省略すればよい。
ところで、図4の形態の有機EL素子の製造は、図6に示す製造工程に準じて行うことができる。すなわち、低屈層2を形成する前に、絶縁層15を透光性基板1の表面に形成する。それ以外は、図6の工程と同様である。それにより、図4の形態の有機EL素子を得ることができる。
本発明では、上記の有機EL素子を用いて照明装置を構成することができる。この照明装置は有機EL素子を備えているため、発光性に優れた照明装置を得ることができる。一つの有機EL素子の発光面は、例えば、縦10cm以上、横10cm以上の矩形状にすることができるが、これに限定されるものではない。照明装置は、複数の有機EL素子を面状に配置するものであってよい。照明装置は、有機EL素子に給電するための配線構造を備えるものであってよい。照明装置は、有機EL素子を支持する筐体を備えるものであってよい。照明装置は、有機EL素子と電源とを電気的に接続するプラグを備えるものであってよい。照明装置は、パネル状に構成することができる。照明装置は面状に構成することができる。照明装置は、厚みを薄くすることができるため、省スペースの照明器具を提供することが可能である。
図1の形態において、補助電極10及び絶縁膜11を設けないようにした有機EL素子を作製した。透光性基板1としては、防湿層1aがガラス基板により形成されたものを用いた。このガラス基板は、屈折率が1.51であり、線膨張係数が32×10−6/℃である。
そして、ガラス基板の表面に、低屈層2及び高屈層3を塗布により形成した。実施例及び比較例に用いた材料を示す。
実施例1では、低屈層2の材料として、フィラーを含有した樹脂(屈折率:1.51)を用い、高屈層3の材料としては、高屈折微粒子を含んだ樹脂(屈折率:1.82)を用いた。
実施例2では、低屈層2の材料として、フィラーを含有した樹脂(屈折率:1.50)を用い、高屈層3の材料としては、高屈折微粒子を含んだ樹脂(屈折率:1.82)を用いた。
実施例3では、低屈層2の材料として、フィラーを含有した樹脂(屈折率:1.48)を用い、高屈層3の材料としては、高屈折微粒子を含んだ樹脂(屈折率:1.68)を用いた。
比較例1では、低屈層2の材料として、フィラーを含有した樹脂(屈折率:1.48)を用い、高屈層3の材料としては、高屈折微粒子を含んだ樹脂(屈折率:1.82)を用いた。
比較例2では、低屈層2の材料として、フィラーを含有した樹脂(屈折率:1.48)を用い、高屈層3の材料としては、高屈折微粒子を含んだ樹脂(屈折率:1.72)を用いた。
なお、実施例及び比較例に用いた低屈層2及び高屈層3の線膨張係数は表1に示す通りである。低屈層2と高屈層3との間の界面の凹凸構造4は、低屈層2の材料として粒子を含んだものを用いることにより形成した。
低屈層2と高屈層3の積層により光取り出し構造を形成した基板が作製された。その後、第1電極5、有機発光層6及び第2電極7を蒸着法で積層し、封止材8で封止した。第1電極5としてはITOを用いた。第2電極7としてはAlを用いた。封止材8としては凹部を有するガラス材を用いた。これにより、有機EL素子を製造した。
実施例及び比較例の光取出し構造を形成した基板に対して、200℃で15分のヒートショックを与えて、クラックの有無を目視及び光学顕微鏡により観察した。結果を表1に示す。
表1に示すように、線膨張係数がα≦β≦γである場合に、クラックが抑制されることが確認された。
Figure 2014041764
1 透光性基板
1a 防湿層
2 低屈層
3 高屈層
4 凹凸構造
5 第1電極
6 有機発光層
7 第2電極
8 封止材
9 封止内部間隙
10 補助電極
11 絶縁膜
12 溝部
13 補助配線
14 絶縁部
15 絶縁層
16 電極引き出し部

Claims (10)

  1. 透光性基板に、透光性を有する第1電極、有機発光層及び第2電極がこの順で設けられた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記透光性基板は、前記第1電極側に防湿層を有して構成され、
    前記防湿層と前記第1電極との間には、前記防湿層側から低屈層とこの低屈層よりも屈折率の高い高屈層とがこの順で設けられ、前記低屈層と前記高屈層との界面には凹凸構造が設けられており、
    前記防湿層の線膨張係数をαとし、前記低屈層の線膨張係数をβとし、前記高屈層の線膨張係数をγとしたときに、
    α≦β≦γ
    の関係を満たしていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記第1電極の表面に、網目状の補助電極が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記補助電極の前記有機発光層側に、絶縁膜が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記高屈層を少なくとも分断する溝部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記溝部は、前記高屈層及び前記低屈層の両方を分断していることを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記溝部は、深くなるほど幅が狭くなることを特徴とする請求項4又は5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記溝部に、補助配線が設けられていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記補助配線の厚みは、前記溝部の深さ以下であることを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記溝部には、前記補助配線よりも前記第2電極側に、絶縁部が設けられていることを特徴とする請求項7又は8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記防湿層と前記低屈層との間には絶縁層が設けられ、この絶縁層の線膨張係数をσとしたときに、
    α≦σ≦β≦γ
    の関係を満たすことを特徴とする請求項4〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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