JP2003192400A - ガラスパネル - Google Patents

ガラスパネル

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JP2003192400A
JP2003192400A JP2001391998A JP2001391998A JP2003192400A JP 2003192400 A JP2003192400 A JP 2003192400A JP 2001391998 A JP2001391998 A JP 2001391998A JP 2001391998 A JP2001391998 A JP 2001391998A JP 2003192400 A JP2003192400 A JP 2003192400A
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JP
Japan
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glass
heat
plate glass
lid
thermal expansion
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JP2001391998A
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Hideo Yoshizawa
英夫 吉沢
Hiroaki Kato
浩昭 加藤
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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    • E06DOORS, WINDOWS, SHUTTERS, OR ROLLER BLINDS IN GENERAL; LADDERS
    • E06BFIXED OR MOVABLE CLOSURES FOR OPENINGS IN BUILDINGS, VEHICLES, FENCES OR LIKE ENCLOSURES IN GENERAL, e.g. DOORS, WINDOWS, BLINDS, GATES
    • E06B3/00Window sashes, door leaves, or like elements for closing wall or like openings; Layout of fixed or moving closures, e.g. windows in wall or like openings; Features of rigidly-mounted outer frames relating to the mounting of wing frames
    • E06B3/66Units comprising two or more parallel glass or like panes permanently secured together
    • E06B3/6612Evacuated glazing units
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C27/00Joining pieces of glass to pieces of other inorganic material; Joining glass to glass other than by fusing
    • C03C27/06Joining glass to glass by processes other than fusing
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
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    • E06B3/677Evacuating or filling the gap between the panes ; Equilibration of inside and outside pressure; Preventing condensation in the gap between the panes; Cleaning the gap between the panes
    • E06B3/6775Evacuating or filling the gap during assembly
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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    • Y02A30/249Glazing, e.g. vacuum glazing
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    • Y02B80/22Glazing, e.g. vaccum glazing

Abstract

(57)【要約】 【課題】熱溶融性シール材により蓋体を孔付き板ガラス
に接着するに際し、孔付き板ガラスに対するクラックや
割れの発生を抑制することのできる複層ガラス。 【解決手段】一対の板ガラス1,2が、両板ガラス1,
2の面間に間隙部Vを有して互いに対向配置されるとと
もに、両板ガラス1,2の周縁部が、接合用シール材で
接合されて密閉され、両板ガラス1,2の一方に間隙部
Vに連通する連通孔5が設けられて、連通孔5が設けら
れた孔付き板ガラス1に対して、熱溶融性シール材7に
より蓋体6が接着されて連通孔5が封止されている複層
ガラスPで、蓋体6が、孔付き板ガラス1の熱膨張係数
γよりも小さい熱膨張係数αを有する材料で形成されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の板ガラス
が、その両板ガラスの面間に間隙部を有して互いに対向
配置されるとともに、両板ガラスの周縁部が、接合用シ
ール材で接合されて密閉され、前記両板ガラスの一方に
前記間隙部に連通する連通孔が設けられて、その連通孔
が設けられた孔付き板ガラスに対して、熱溶融性シール
材により蓋体が接着されて前記連通孔が封止されている
複層ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】このような複層ガラスでは、熱溶融性シ
ール材を加熱によって溶融させ、その後の冷却に伴う固
化によって、熱溶融性シール材の上に置いた蓋体を孔付
き板ガラスに接着させて連通孔を封止するのであるが、
従来では、孔付き板ガラスと蓋体との熱膨張に関し、特
別な配慮が払われていなかったのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、図5に示
すように、例えば、熱溶融性シール材7として400℃
以上で溶融する低融点ガラスを使用する場合であれば、
低融点ガラスを400℃以上にまで加熱する必要があ
り、その上に置いた蓋体6も、全体が400℃近くにま
で加熱されて、(イ)に示すように、Tで示す常温位置
に対してその温度に見合った量だけ熱膨張することにな
る。しかし、孔付き板ガラス1に関しては、連通孔5の
近傍のみが部分的に400℃近くにまで加熱されるだけ
で、連通孔5から離れた周部では、それ以下の温度、例
えば、180℃程度にまでしか加熱されず、したがっ
て、連通孔5の近傍部分では、その熱膨張が周部に拘束
されて、400℃の温度に見合った量だけ熱膨張するこ
とができず、その熱膨張量は、蓋体6の熱膨張量よりも
少なくなる。
【0004】このような状態で、熱溶融性シール材7が
冷却され、例えば、380℃程度で固化して蓋体6が孔
付き板ガラス1に接着されると、蓋体6と孔付き板ガラ
ス1とは、互いに熱収縮を拘束しあうことになる。そし
て、互いに熱収縮を拘束しあった状態で、更に常温にま
で冷却されると、蓋体6の熱収縮が孔付き板ガラス1に
よって抑制されて、(ロ)に示すように、Tの位置まで
収縮することができずに、t2で示す量だけ熱収縮が抑
制され、その結果、孔付き板ガラス1における熱溶融性
シール材7への接着面付近には、t2に見合った引張り
応力W2が発生する。ところが、板ガラスにあっては、
圧縮応力に対して比較的強いが、引張り応力に対して比
較的弱いという特性があり、そのため、引張り応力W2
が発生する孔付き板ガラス1側において、蓋体6の接着
箇所近くでクラックや割れが発生する可能性があった。
【0005】本発明は、このような問題点に着目したも
ので、その目的は、熱溶融性シール材によって蓋体を孔
付き板ガラスに接着するに際し、孔付き板ガラスに対す
るクラックや割れの発生を抑制することのできる複層ガ
ラスを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔構成〕請求項1の発明
の特徴構成は、図1〜図4に例示するごとく、一対の板
ガラス1,2が、その両板ガラス1,2の面間に間隙部
Vを有して互いに対向配置されるとともに、両板ガラス
1,2の周縁部が、接合用シール材4で接合されて密閉
され、前記両板ガラス1,2の一方に前記間隙部Vに連
通する連通孔5が設けられて、その連通孔5が設けられ
た孔付き板ガラス1に対して、熱溶融性シール材7によ
り蓋体6が接着されて前記連通孔5が封止されている複
層ガラスPであって、前記蓋体6が、前記孔付き板ガラ
ス1の熱膨張係数γよりも小さい熱膨張係数αを有する
材料で形成されているところにある。
【0007】請求項2の発明の特徴構成は、図1〜図4
に例示するごとく、前記熱溶融性シール材7が、前記孔
付き板ガラス1の熱膨張係数γよりも小さく、かつ、前
記蓋体6の熱膨張係数αよりも大きい熱膨張係数βを有
する材料で構成されているところにある。
【0008】請求項3の発明の特徴構成は、図1〜図4
に例示するごとく、前記蓋体6が、ガラスで形成され、
かつ、前記熱溶融性シール材7が、低融点ガラスで構成
されているところにある。
【0009】請求項4の発明の特徴構成は、図1〜図4
に例示するごとく、前記間隙部Vが、減圧されていると
ころにある。
【0010】なお、上述のように、図面との対照を便利
にするために符号を記したが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【0011】〔作用および効果〕請求項1の発明の特徴
構成によれば、熱溶融性シール材による接着で、孔付き
板ガラスに設けられた連通孔を封止する蓋体が、その孔
付き板ガラスの熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数を有
する材料で形成されているので、蓋体を接着するために
熱溶融性シール材を溶融温度にまで加熱した際、蓋体の
熱膨張量は、孔付き板ガラスの熱膨張量に較べて比較的
抑制された少ない量となる。他方、孔付き板ガラスの連
通孔近傍部分は、上述したように周部により熱膨張が拘
束されるため、本来の熱膨張量に比較して少ない量とな
る。したがって、その状態で熱溶融性シール材の冷却に
より蓋体が孔付き板ガラスに接着され、蓋体と孔付き板
ガラスとが互いに熱収縮を拘束しあう状態のまま更に常
温にまで冷却されても、蓋体と孔付き板ガラスの連通孔
近傍における熱収縮量は、比較的近似した量となり、そ
のため、孔付き板ガラスに発生する引張り応力も比較的
小さく、孔付き板ガラスの蓋体接着箇所近くでのクラッ
クや割れの発生が効果的に抑制される。
【0012】請求項2の発明の特徴構成によれば、熱溶
融性シール材が、孔付き板ガラスの熱膨張係数よりも小
さく、かつ、蓋体の熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数
を有する材料で構成されているので、換言すると、熱溶
融性シール材の熱膨張係数が、孔付き板ガラスの熱膨張
係数と蓋体の熱膨張係数との間に位置することになるの
で、熱溶融性シール材を溶融温度にまで加熱した際、そ
の熱溶融性シール材の熱膨張量は、蓋体の熱膨張量と孔
付き板ガラスの熱膨張量との間の量となる。したがっ
て、その状態で熱溶融性シール材の冷却により蓋体が孔
付き板ガラスに接着されて、蓋体、熱溶融性シール材、
ならびに、孔付き板ガラスの三者が互いに熱収縮を拘束
しあう状態のまま常温にまで冷却されると、蓋体の熱収
縮に伴って発生する引張り応力の一部を熱溶融性シール
材が負担することになる。そのため、その分だけ孔付き
板ガラスに発生する引張り応力が軽減され、孔付き板ガ
ラスの蓋体接着箇所近くでのクラックや割れの発生がよ
り一層効果的に抑制される。
【0013】請求項3の発明の特徴構成によれば、前記
蓋体が、ガラスで形成され、かつ、熱溶融性シール材
が、低融点ガラスで構成されているので、複層ガラスを
構成する一対の板ガラスに加えて、蓋体と熱溶融性シー
ル材も共にガラス質となり、三者間での接着も良好で、
かつ、熱溶融性シール材が低融点であるため、接着時の
加熱温度を低くすることができ、したがって、蓋体の熱
収縮に伴って熱溶融性シール材や孔付き板ガラスに発生
する引張り応力そのものを小さくして、孔付き板ガラス
でのクラックや割れの発生をより確実に抑制することが
できる。
【0014】請求項4の発明の特徴構成によれば、両板
ガラスの間隙部が、減圧されているので、減圧による断
熱効果を期待することができ、上述したようにクラック
や割れのおそれが少なくて、しかも、断熱効果に優れた
複層ガラスを提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明による複層ガラスの実施の
形態につき、複層ガラスの一例である真空複層ガラスを
例にして図面に基づいて説明する。真空複層ガラスP
は、図1に示すように、一対の板ガラス1,2におい
て、両板ガラス1,2の面が、その間に多数のスペーサ
3を介在させ、それによって、両板ガラス1,2の面間
に間隙部Vを有する状態で互いに対向するように配置さ
れ、両板ガラス1,2の周縁部が、両板ガラス1,2よ
りも溶融温度が低く、かつ、気体透過度の低い低融点ガ
ラスからなる接合用シール材4で接合され、両板ガラス
1,2の間隙部Vが、減圧状態で密閉されて構成されて
いる。
【0016】両板ガラス1,2には、その厚みが2.6
5〜3.2mm程度の透明なソーダ石灰ガラスからなる
フロート板ガラスが使用され、両板ガラス1,2の間隙
部Vが、1.33Pa(1.0×10-2Torr)以下
に減圧されている。その間隙部Vの減圧については、後
に詳しく説明するが、間隙部V内の気体を吸引排気して
減圧するため、一方の板ガラス1には、図2および図3
に示すように、間隙部Vに連通する連通孔の一例である
断面が円形の吸引孔5が穿設されている。この吸引孔5
は、円柱形状のゲッターGを収納するゲッター収納空間
を兼用するもので、吸引孔5内にゲッターGが収納され
て、吸引孔5を有する孔付き板ガラス1に熱溶融性シー
ル材7により接着固定された円形の透明なフロート板ガ
ラスからなる蓋体6によって、その吸引孔5が封止され
ている。
【0017】吸引孔5を封止する蓋体6には、孔付き板
ガラス1に使用されるソーダ石灰ガラスの熱膨張係数γ
よりも小さい熱膨張係数αを有する硼珪酸ガラスが使用
され、その蓋体6が、接合用シール材4を構成する低融
点ガラスよりも融点が高くて、蓋体6や孔付き板ガラス
1よりも融点の低い低融点ガラスからなる熱溶融性シー
ル材7によって孔付き板ガラス1に接着固定されてい
る。その熱溶融性シール材7としての低融点ガラスに
は、その熱膨張係数βが、孔付き板ガラス1の熱膨張係
数γよりも小さく、かつ、蓋体6の熱膨張係数αよりも
大きい低融点ガラスが選択されて、蓋体6の熱膨張係数
α、熱溶融性シール材7の熱膨張係数β、孔付き板ガラ
ス1の熱膨張係数γとの間に、α<β<γの関係が成立
するように設定されている。
【0018】前記蓋体6は、例えば、吸引孔5の直径が
12mmで、直径10mmのゲッターGを収納する場合
であれば、20mm程度の直径を有する大きさに構成さ
れている。また、前記スペーサ3は、形状として円柱状
が好ましく、両板ガラス1,2に作用する大気圧に耐え
得るように、圧縮強度が4.9×108 Pa(5×10
3kgf/cm2 )以上の材料、例えば、ステンレス鋼
(SUS304)やインコネル718などにより形成さ
れ、円柱状の場合であれば、直径が0.3〜1.0mm
程度、高さが0.15〜1.0mm程度に設定され、各
スペーサ3の間の間隔は、20mm程度に設定されてい
る。
【0019】つぎに、この真空ガラスPを製造する工程
などについて説明する。まず、一対の板ガラス1,2の
うち、吸引孔5の穿設されていない方の板ガラス2をほ
ぼ水平に支持して、その周縁部の上面にペースト状の低
融点ガラスからなる接合用シール材4を塗布し、かつ、
多数のスペーサ3を所定の間隔で配設して、その上方か
ら孔付き板ガラス1を載置する。その際、下方に位置す
る板ガラス2の面積を多少大きくし、その周縁部が上方
の孔付き板ガラス1周縁部から若干突出するように構成
すると、接合用シール材4の塗布などに好都合である。
そして、両板ガラス1,2をほぼ水平にして図外の加熱
炉内に収納し、焼成により接合用シール材4を溶融さ
せ、溶融状態にある接合用シール材4によって両板ガラ
ス1,2の周縁部を接合して間隙部Vを密閉する接合処
理を実行する。
【0020】その後、図2に示すように、孔付き板ガラ
ス1の吸引孔5内にゲッターGを挿入し、孔付き板ガラ
ス1の吸引孔5の周りに円環状の熱溶融性シール材7を
載置して、その熱溶融性シール材7上に蓋体6を載置す
る。熱溶融性シール材7には、その周方向に複数の吸引
用凹部7aが設けられているので、その吸引用凹部7a
を介して間隙部Vからの気体の吸引が可能となり、この
ように配置した上で、図3に示すように、その上方から
吸引封止装置8を被せる。吸引封止装置8は、上面が透
明な石英ガラス9で閉鎖された円筒状の吸引カップ10
を備え、その吸引カップ10には、吸引カップ10の内
部空間に連通するフレキシブルパイプ11が連通され、
吸引カップ10の下面には、孔付き板ガラス1上面との
間を密閉するOリング12が設けられ、吸引カップ10
の石英ガラス9外側上面には、ランプやレーザー発生器
などからなる加熱源13が配設されている。
【0021】このような吸引封止装置8を孔付き板ガラ
ス1に被せた状態で、間隙部Vを徐々に加熱しながら、
フレキシブルパイプ11に接続した図外のロータリーポ
ンプやターボ分子ポンプによる吸引で吸引カップ10内
を減圧し、間隙部V内の気体を吸引孔5を介して吸引排
気するベーキング処理を実行し、さらに、間隙部V内を
1.33Pa以下にまで減圧する。その減圧中に、加熱
源13により熱溶融性シール材7を局部的に、例えば、
400℃以上に加熱して溶融させ、蓋体6を孔付き板ガ
ラス1に接着する。そして、間隙部V内が所定の圧力に
減圧される頃に、ゲッターGも加熱されて活性化され、
ベーキング処理の吸引排気によって吸引されなかった水
分、CO、CO2 、N2 、H2 、O2 などのガス、つま
り、酸化ガス、硫化ガス、炭化ガス、有機ガスなどの各
種のガスが吸着されて除去される。
【0022】熱溶融性シール材7の加熱溶融によって、
蓋体6も全体的に400℃程度にまで加熱され、孔付き
板ガラス1においては、吸引孔5の近傍部分が400℃
程度にまで、吸引孔5から離れた周部では180℃程度
にまで加熱される。その際、図4の(イ)に示すよう
に、蓋体6は、Tで示す常温位置に対して加熱温度に見
合った量だけ熱膨張し、孔付き板ガラス1の吸引孔5の
近傍部分では、周部に拘束されて加熱温度に見合った量
だけ熱膨張することができないが、蓋体6の熱膨張係数
αと孔付き板ガラス1の熱膨張係数γとの間には、α<
γの関係が成立するので、蓋体6と孔付き板ガラス1の
吸引孔5近傍部分では、その熱膨張量がほぼ近似したも
のとなる。したがって、溶融した熱溶融性シール材7の
固化により蓋体6が孔付き板ガラス1に接着され、更に
常温にまで冷却されて熱収縮しても、蓋体6と孔付き板
ガラス1の吸引孔5近傍部分では、その熱収縮量がほぼ
近似したものとなり、例えば、蓋体6は、図4の(ロ)
においてt1で示す量だけしか熱収縮が抑制されず、そ
の結果、孔付き板ガラス1に発生する引張り応力W1は
比較的小さなものとなる。
【0023】〔別実施形態〕 (1)先の実施形態では、複層ガラスの一例として真空
複層ガラスPを示したが、両板ガラス1,2の間隙部V
に気体を封入したプラズマディスプレイパネルなどに適
用することもでき、その場合には、ベーキング処理を実
行した後、間隙部Vに所定の気体を封入することにな
る。また、真空複層ガラスPに適用する場合、その真空
複層ガラスPを一対のフロート板ガラス1,2により構
成した例を示したが、真空複層ガラスPの用途や目的に
応じて、例えば、型板ガラス、表面処理により光り拡散
機能を備えたすりガラス、網入りガラス、線入板ガラ
ス、強化ガラス、倍強化ガラス、低反射ガラス、高透過
板ガラス、セラミック印刷ガラス、熱線や紫外線吸収機
能を備えた特殊ガラス、あるいは、それらの組み合わせ
など、種々のガラスを適宜選択して実施することができ
る。
【0024】さらに、一対の板ガラス1,2をソーダ石
灰ガラスにより、蓋体6を硼珪酸ガラスにより形成した
例を示したが、これら蓋体6と板ガラス1,2の組成に
ついては、蓋体6の熱膨張係数αと板ガラス1,2の熱
膨張係数γとの間にα<γの関係さえ成立すれば、例え
ば、ソーダ珪酸ガラス、ほう珪酸ガラス、アルミノ珪酸
ガラス、各種結晶化ガラスなどから適宜選択して使用す
ることができ、また、蓋体6に関しては、特にガラスに
限るものではなく、例えば、金属やセラミックスなどの
ような各種の材料から形成することも可能である。ま
た、その蓋体6により封止する吸引孔5内にゲッターG
を収納した例を示したが、真空ガラスPの間隙部Vにお
ける減圧の程度によってはゲッターGが不要な場合もあ
るので、ゲッターGに関しては必要不可欠ではない。
【0025】(2)先の実施形態では、蓋体6を孔付き
板ガラス1に接着するための熱溶融性シール材7として
低融点ガラスを使用した例を示したが、低融点ガラスに
代えて、金属製の溶融ハンダを使用することもでき、同
様に、一対の板ガラス1,2の周縁部を接合する接合用
シール材4として金属製の溶融ハンダを使用することも
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空複層ガラスの一部切欠き斜視図
【図2】真空複層ガラスの製造過程を示す要部の斜視図
【図3】製造過程における真空複層ガラスと吸引封止装
置の断面図
【図4】真空複層ガラスの作用を示す説明図
【図5】従来の真空複層ガラスの作用を示す説明図
【符号の説明】
1 孔付き板ガラス 2 板ガラス 4 接合用シール材 5 連通孔 6 蓋体 7 熱溶融性シール材 P 複層ガラス V 間隙部 α 蓋体の熱膨張係数 β 熱溶融性シール材の熱膨張係数 γ 孔付き板ガラスの熱膨張係数
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年2月28日(2003.2.2
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ガラスパネル
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一対の板ガラス
が、その両板ガラスの面間に間隙部を有して互いに対向
配置されるとともに、両板ガラスの周縁部が、接合用シ
ール材で接合されて密閉され、前記両板ガラスの一方に
前記間隙部に連通する連通孔が設けられて、その連通孔
が設けられた孔付き板ガラスに対して、熱溶融性シール
材により蓋体が接着されて前記連通孔が封止されている
ガラスパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】このようなガラスパネルでは、熱溶融性
シール材を加熱によって溶融させ、その後の冷却に伴う
固化によって、熱溶融性シール材の上に置いた蓋体を孔
付き板ガラスに接着させて連通孔を封止するのである
が、従来では、孔付き板ガラスと蓋体との熱膨張に関
し、特別な配慮が払われていなかったのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、図5に示
すように、例えば、熱溶融性シール材7として400℃
以上で溶融する低融点ガラスを使用する場合であれば、
低融点ガラスを400℃以上にまで加熱する必要があ
り、その上に置いた蓋体6も、全体が400℃近くにま
で加熱されて、(イ)に示すように、Tで示す常温位置
に対してその温度に見合った量だけ熱膨張することにな
る。しかし、孔付き板ガラス1に関しては、連通孔5の
近傍のみが部分的に400℃近くにまで加熱されるだけ
で、連通孔5から離れた周部では、それ以下の温度、例
えば、180℃程度にまでしか加熱されず、したがっ
て、連通孔5の近傍部分では、その熱膨張が周部に拘束
されて、400℃の温度に見合った量だけ熱膨張するこ
とができず、その熱膨張量は、蓋体6の熱膨張量よりも
少なくなる。
【0004】このような状態で、熱溶融性シール材7が
冷却され、例えば、380℃程度で固化して蓋体6が孔
付き板ガラス1に接着されると、蓋体6と孔付き板ガラ
ス1とは、互いに熱収縮を拘束しあうことになる。そし
て、互いに熱収縮を拘束しあった状態で、更に常温にま
で冷却されると、蓋体6の熱収縮が孔付き板ガラス1に
よって抑制されて、(ロ)に示すように、Tの位置まで
収縮することができずに、t2で示す量だけ熱収縮が抑
制され、その結果、孔付き板ガラス1における熱溶融性
シール材7への接着面付近には、t2に見合った引張り
応力W2が発生する。ところが、板ガラスにあっては、
圧縮応力に対して比較的強いが、引張り応力に対して比
較的弱いという特性があり、そのため、引張り応力W2
が発生する孔付き板ガラス1側において、蓋体6の接着
箇所近くでクラックや割れが発生する可能性があった。
【0005】本発明は、このような問題点に着目したも
ので、その目的は、熱溶融性シール材によって蓋体を孔
付き板ガラスに接着するに際し、孔付き板ガラスに対す
るクラックや割れの発生を抑制することのできるガラス
パネルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔構成〕請求項1の発明
の特徴構成は、図1〜図4に例示するごとく、一対の板
ガラス1,2が、その両板ガラス1,2の面間に間隙部
Vを有して互いに対向配置されるとともに、両板ガラス
1,2の周縁部が、接合用シール材4で接合されて密閉
され、前記両板ガラス1,2の一方に前記間隙部Vに連
通する連通孔5が設けられて、その連通孔5が設けられ
た孔付き板ガラス1に対して、熱溶融性シール材7によ
り蓋体6が接着されて前記連通孔5が封止されている
ラスパネルPであって、前記蓋体6が、前記孔付き板ガ
ラス1の熱膨張係数γよりも小さい熱膨張係数αを有す
る材料で形成されているところにある。
【0007】請求項2の発明の特徴構成は、図1〜図4
に例示するごとく、前記熱溶融性シール材7が、前記孔
付き板ガラス1の熱膨張係数γよりも小さく、かつ、前
記蓋体6の熱膨張係数αよりも大きい熱膨張係数βを有
する材料で構成されているところにある。
【0008】請求項3の発明の特徴構成は、図1〜図4
に例示するごとく、前記蓋体6が、ガラスで形成され、
かつ、前記熱溶融性シール材7が、低融点ガラスで構成
されているところにある。
【0009】請求項4の発明の特徴構成は、図1〜図4
に例示するごとく、前記間隙部Vが、減圧されていると
ころにある。
【0010】なお、上述のように、図面との対照を便利
にするために符号を記したが、該記入により本発明は添
付図面の構成に限定されるものではない。
【0011】〔作用および効果〕請求項1の発明の特徴
構成によれば、熱溶融性シール材による接着で、孔付き
板ガラスに設けられた連通孔を封止する蓋体が、その孔
付き板ガラスの熱膨張係数よりも小さい熱膨張係数を有
する材料で形成されているので、蓋体を接着するために
熱溶融性シール材を溶融温度にまで加熱した際、蓋体の
熱膨張量は、孔付き板ガラスの熱膨張量に較べて比較的
抑制された少ない量となる。他方、孔付き板ガラスの連
通孔近傍部分は、上述したように周部により熱膨張が拘
束されるため、本来の熱膨張量に比較して少ない量とな
る。したがって、その状態で熱溶融性シール材の冷却に
より蓋体が孔付き板ガラスに接着され、蓋体と孔付き板
ガラスとが互いに熱収縮を拘束しあう状態のまま更に常
温にまで冷却されても、蓋体と孔付き板ガラスの連通孔
近傍における熱収縮量は、比較的近似した量となり、そ
のため、孔付き板ガラスに発生する引張り応力も比較的
小さく、孔付き板ガラスの蓋体接着箇所近くでのクラッ
クや割れの発生が効果的に抑制される。
【0012】請求項2の発明の特徴構成によれば、熱溶
融性シール材が、孔付き板ガラスの熱膨張係数よりも小
さく、かつ、蓋体の熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数
を有する材料で構成されているので、換言すると、熱溶
融性シール材の熱膨張係数が、孔付き板ガラスの熱膨張
係数と蓋体の熱膨張係数との間に位置することになるの
で、熱溶融性シール材を溶融温度にまで加熱した際、そ
の熱溶融性シール材の熱膨張量は、蓋体の熱膨張量と孔
付き板ガラスの熱膨張量との間の量となる。したがっ
て、その状態で熱溶融性シール材の冷却により蓋体が孔
付き板ガラスに接着されて、蓋体、熱溶融性シール材、
ならびに、孔付き板ガラスの三者が互いに熱収縮を拘束
しあう状態のまま常温にまで冷却されると、蓋体の熱収
縮に伴って発生する引張り応力の一部を熱溶融性シール
材が負担することになる。そのため、その分だけ孔付き
板ガラスに発生する引張り応力が軽減され、孔付き板ガ
ラスの蓋体接着箇所近くでのクラックや割れの発生がよ
り一層効果的に抑制される。
【0013】請求項3の発明の特徴構成によれば、前記
蓋体が、ガラスで形成され、かつ、熱溶融性シール材
が、低融点ガラスで構成されているので、ガラスパネル
を構成する一対の板ガラスに加えて、蓋体と熱溶融性シ
ール材も共にガラス質となり、三者間での接着も良好
で、かつ、熱溶融性シール材が低融点であるため、接着
時の加熱温度を低くすることができ、したがって、蓋体
の熱収縮に伴って熱溶融性シール材や孔付き板ガラスに
発生する引張り応力そのものを小さくして、孔付き板ガ
ラスでのクラックや割れの発生をより確実に抑制するこ
とができる。
【0014】請求項4の発明の特徴構成によれば、両板
ガラスの間隙部が、減圧されているので、減圧による断
熱効果を期待することができ、上述したようにクラック
や割れのおそれが少なくて、しかも、断熱効果に優れた
ガラスパネルを提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明によるガラスパネルの実施
の形態につき、ガラスパネルの一例である真空複層ガラ
スを例にして図面に基づいて説明する。真空複層ガラス
Pは、図1に示すように、一対の板ガラス1,2におい
て、両板ガラス1,2の面が、その間に多数のスペーサ
3を介在させ、それによって、両板ガラス1,2の面間
に間隙部Vを有する状態で互いに対向するように配置さ
れ、両板ガラス1,2の周縁部が、両板ガラス1,2よ
りも溶融温度が低く、かつ、気体透過度の低い低融点ガ
ラスからなる接合用シール材4で接合され、両板ガラス
1,2の間隙部Vが、減圧状態で密閉されて構成されて
いる。
【0016】両板ガラス1,2には、その厚みが2.6
5〜3.2mm程度の透明なソーダ石灰ガラスからなる
フロート板ガラスが使用され、両板ガラス1,2の間隙
部Vが、1.33Pa(1.0×10-2Torr)以下
に減圧されている。その間隙部Vの減圧については、後
に詳しく説明するが、間隙部V内の気体を吸引排気して
減圧するため、一方の板ガラス1には、図2および図3
に示すように、間隙部Vに連通する連通孔の一例である
断面が円形の吸引孔5が穿設されている。この吸引孔5
は、円柱形状のゲッターGを収納するゲッター収納空間
を兼用するもので、吸引孔5内にゲッターGが収納され
て、吸引孔5を有する孔付き板ガラス1に熱溶融性シー
ル材7により接着固定された円形の透明なフロート板ガ
ラスからなる蓋体6によって、その吸引孔5が封止され
ている。
【0017】吸引孔5を封止する蓋体6には、孔付き板
ガラス1に使用されるソーダ石灰ガラスの熱膨張係数γ
よりも小さい熱膨張係数αを有する硼珪酸ガラスが使用
され、その蓋体6が、接合用シール材4を構成する低融
点ガラスよりも融点が高くて、蓋体6や孔付き板ガラス
1よりも融点の低い低融点ガラスからなる熱溶融性シー
ル材7によって孔付き板ガラス1に接着固定されてい
る。その熱溶融性シール材7としての低融点ガラスに
は、その熱膨張係数βが、孔付き板ガラス1の熱膨張係
数γよりも小さく、かつ、蓋体6の熱膨張係数αよりも
大きい低融点ガラスが選択されて、蓋体6の熱膨張係数
α、熱溶融性シール材7の熱膨張係数β、孔付き板ガラ
ス1の熱膨張係数γとの間に、α<β<γの関係が成立
するように設定されている。
【0018】前記蓋体6は、例えば、吸引孔5の直径が
12mmで、直径10mmのゲッターGを収納する場合
であれば、20mm程度の直径を有する大きさに構成さ
れている。また、前記スペーサ3は、形状として円柱状
が好ましく、両板ガラス1,2に作用する大気圧に耐え
得るように、圧縮強度が4.9×108Pa(5×103
kgf/cm2)以上の材料、例えば、ステンレス鋼
(SUS304)やインコネル718などにより形成さ
れ、円柱状の場合であれば、直径が0.3〜1.0mm
程度、高さが0.15〜1.0mm程度に設定され、各
スペーサ3の間の間隔は、20mm程度に設定されてい
る。
【0019】つぎに、この真空ガラスPを製造する工程
などについて説明する。まず、一対の板ガラス1,2の
うち、吸引孔5の穿設されていない方の板ガラス2をほ
ぼ水平に支持して、その周縁部の上面にペースト状の低
融点ガラスからなる接合用シール材4を塗布し、かつ、
多数のスペーサ3を所定の間隔で配設して、その上方か
ら孔付き板ガラス1を載置する。その際、下方に位置す
る板ガラス2の面積を多少大きくし、その周縁部が上方
の孔付き板ガラス1周縁部から若干突出するように構成
すると、接合用シール材4の塗布などに好都合である。
そして、両板ガラス1,2をほぼ水平にして図外の加熱
炉内に収納し、焼成により接合用シール材4を溶融さ
せ、溶融状態にある接合用シール材4によって両板ガラ
ス1,2の周縁部を接合して間隙部Vを密閉する接合処
理を実行する。
【0020】その後、図2に示すように、孔付き板ガラ
ス1の吸引孔5内にゲッターGを挿入し、孔付き板ガラ
ス1の吸引孔5の周りに円環状の熱溶融性シール材7を
載置して、その熱溶融性シール材7上に蓋体6を載置す
る。熱溶融性シール材7には、その周方向に複数の吸引
用凹部7aが設けられているので、その吸引用凹部7a
を介して間隙部Vからの気体の吸引が可能となり、この
ように配置した上で、図3に示すように、その上方から
吸引封止装置8を被せる。吸引封止装置8は、上面が透
明な石英ガラス9で閉鎖された円筒状の吸引カップ10
を備え、その吸引カップ10には、吸引カップ10の内
部空間に連通するフレキシブルパイプ11が連通され、
吸引カップ10の下面には、孔付き板ガラス1上面との
間を密閉するOリング12が設けられ、吸引カップ10
の石英ガラス9外側上面には、ランプやレーザー発生器
などからなる加熱源13が配設されている。
【0021】このような吸引封止装置8を孔付き板ガラ
ス1に被せた状態で、間隙部Vを徐々に加熱しながら、
フレキシブルパイプ11に接続した図外のロータリーポ
ンプやターボ分子ポンプによる吸引で吸引カップ10内
を減圧し、間隙部V内の気体を吸引孔5を介して吸引排
気するベーキング処理を実行し、さらに、間隙部V内を
1.33Pa以下にまで減圧する。その減圧中に、加熱
源13により熱溶融性シール材7を局部的に、例えば、
400℃以上に加熱して溶融させ、蓋体6を孔付き板ガ
ラス1に接着する。そして、間隙部V内が所定の圧力に
減圧される頃に、ゲッターGも加熱されて活性化され、
ベーキング処理の吸引排気によって吸引されなかった水
分、CO、CO2、N2、H2、O2などのガス、つまり、
酸化ガス、硫化ガス、炭化ガス、有機ガスなどの各種の
ガスが吸着されて除去される。
【0022】熱溶融性シール材7の加熱溶融によって、
蓋体6も全体的に400℃程度にまで加熱され、孔付き
板ガラス1においては、吸引孔5の近傍部分が400℃
程度にまで、吸引孔5から離れた周部では180℃程度
にまで加熱される。その際、図4の(イ)に示すよう
に、蓋体6は、Tで示す常温位置に対して加熱温度に見
合った量だけ熱膨張し、孔付き板ガラス1の吸引孔5の
近傍部分では、周部に拘束されて加熱温度に見合った量
だけ熱膨張することができないが、蓋体6の熱膨張係数
αと孔付き板ガラス1の熱膨張係数γとの間には、α<
γの関係が成立するので、蓋体6と孔付き板ガラス1の
吸引孔5近傍部分では、その熱膨張量がほぼ近似したも
のとなる。したがって、溶融した熱溶融性シール材7の
固化により蓋体6が孔付き板ガラス1に接着され、更に
常温にまで冷却されて熱収縮しても、蓋体6と孔付き板
ガラス1の吸引孔5近傍部分では、その熱収縮量がほぼ
近似したものとなり、例えば、蓋体6は、図4の(ロ)
においてt1で示す量だけしか熱収縮が抑制されず、そ
の結果、孔付き板ガラス1に発生する引張り応力W1は
比較的小さなものとなる。
【0023】〔別実施形態〕 (1)先の実施形態では、ガラスパネルの一例として真
空複層ガラスPを示したが、両板ガラス1,2の間隙部
Vに気体を封入したプラズマディスプレイパネルなどに
適用することもでき、その場合には、ベーキング処理を
実行した後、間隙部Vに所定の気体を封入することにな
る。また、真空複層ガラスPに適用する場合、その真空
複層ガラスPを一対のフロート板ガラス1,2により構
成した例を示したが、真空複層ガラスPの用途や目的に
応じて、例えば、型板ガラス、表面処理により光り拡散
機能を備えたすりガラス、網入りガラス、線入板ガラ
ス、強化ガラス、倍強化ガラス、低反射ガラス、高透過
板ガラス、セラミック印刷ガラス、熱線や紫外線吸収機
能を備えた特殊ガラス、あるいは、それらの組み合わせ
など、種々のガラスを適宜選択して実施することができ
る。
【0024】さらに、一対の板ガラス1,2をソーダ石
灰ガラスにより、蓋体6を硼珪酸ガラスにより形成した
例を示したが、これら蓋体6と板ガラス1,2の組成に
ついては、蓋体6の熱膨張係数αと板ガラス1,2の熱
膨張係数γとの間にα<γの関係さえ成立すれば、例え
ば、ソーダ珪酸ガラス、ほう珪酸ガラス、アルミノ珪酸
ガラス、各種結晶化ガラスなどから適宜選択して使用す
ることができ、また、蓋体6に関しては、特にガラスに
限るものではなく、例えば、金属やセラミックスなどの
ような各種の材料から形成することも可能である。ま
た、その蓋体6により封止する吸引孔5内にゲッターG
を収納した例を示したが、真空ガラスPの間隙部Vにお
ける減圧の程度によってはゲッターGが不要な場合もあ
るので、ゲッターGに関しては必要不可欠ではない。
【0025】(2)先の実施形態では、蓋体6を孔付き
板ガラス1に接着するための熱溶融性シール材7として
低融点ガラスを使用した例を示したが、低融点ガラスに
代えて、金属製の溶融ハンダを使用することもでき、同
様に、一対の板ガラス1,2の周縁部を接合する接合用
シール材4として金属製の溶融ハンダを使用することも
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】真空複層ガラスの一部切欠き斜視図
【図2】真空複層ガラスの製造過程を示す要部の斜視図
【図3】製造過程における真空複層ガラスと吸引封止装
置の断面図
【図4】真空複層ガラスの作用を示す説明図
【図5】従来の真空複層ガラスの作用を示す説明図
【符号の説明】 1 孔付き板ガラス 2 板ガラス 4 接合用シール材 5 連通孔 6 蓋体 7 熱溶融性シール材 P ガラスパネル V 間隙部 α 蓋体の熱膨張係数 β 熱溶融性シール材の熱膨張係数 γ 孔付き板ガラスの熱膨張係数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G061 AA02 AA09 AA11 AA23 BA01 CA02 CB02 CB13 CD02 CD23 CD24 DA24 DA26 DA32 DA43 DA52 DA53 DA68

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の板ガラスが、その両板ガラスの面
    間に間隙部を有して互いに対向配置されるとともに、両
    板ガラスの周縁部が、接合用シール材で接合されて密閉
    され、前記両板ガラスの一方に前記間隙部に連通する連
    通孔が設けられて、その連通孔が設けられた孔付き板ガ
    ラスに対して、熱溶融性シール材により蓋体が接着され
    て前記連通孔が封止されている複層ガラスであって、 前記蓋体が、前記孔付き板ガラスの熱膨張係数よりも小
    さい熱膨張係数を有する材料で形成されている複層ガラ
    ス。
  2. 【請求項2】 前記熱溶融性シール材が、前記孔付き板
    ガラスの熱膨張係数よりも小さく、かつ、前記蓋体の熱
    膨張係数よりも大きい熱膨張係数を有する材料で構成さ
    れている請求項1に記載の複層ガラス。
  3. 【請求項3】 前記蓋体が、ガラスで形成され、かつ、
    前記熱溶融性シール材が、低融点ガラスで構成されてい
    る請求項2に記載の複層ガラス。
  4. 【請求項4】 前記間隙部が、減圧されている請求項1
    〜3のいずれか1項に記載の複層ガラス。
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