JP5706972B2 - 面状発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、面状発光素子に関し、特に有機エレクトロルミネッセンス素子を用いた面状発光素子に関する。
一般的な構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」ともいう)として、透明基板の表面に、透明電極からなる陽極、ホール輸送層、発光層、電子注入層、陰極が順に積層されたものが知られている。そして、このような有機EL素子を利用して面状発光素子(照明パネル)を得ることが知られている。有機EL素子では、陽極と陰極の間に電圧を印加することによって有機発光層で発した光は、透明電極、透明基板を通して取り出される。
有機EL素子は、自発光であること、比較的高効率の発光特性を示すこと、各種の色調で発光可能であること等の特徴を有している。そのため、表示装置、例えばフラットパネルディスプレイ等の発光体として、あるいは光源、例えば液晶表示機用のバックライトや照明への活用が期待され、また一部のものはすでに実用化されている。これらの用途に有機EL素子を応用展開するために、より高効率・長寿命・高輝度の優れた特性を有する有機EL素子の開発が望まれている。
有機EL素子の効率を支配する要因は、主として電気−光変換効率、駆動電圧、光取り出し効率の3つである。電気−光変換効率は、最近のいわゆる燐光材料の登場により、外部量子効率が20%を超えるものが報告されている。この値は、内部量子効率に換算するとほぼ100%と考えられ、電気−光変換効率の観点では、いわゆる限界値に到達した例が実験的に確認されたといえる。また駆動電圧についても、エネルギーギャップに相当する電圧の10〜20%増し程度の電圧で比較的高輝度の発光を示す素子が得られるようになってきている。言い換えると、低電圧化による有機EL素子の効率向上の余地はさほど大きくない。よってこれら2つの要因の克服による有機EL素子の効率向上はあまり期待できない。
一方、有機EL素子の光取り出し効率は、一般に20〜30%程度と言われており(この値は発光パターンや内部の層構造によって多少変化する)、この数値は高くはない。光取り出し効率が低い値になる要因としては、光の発生部位及びその周辺を構成する材料が高屈折率や吸光性などの特性を有するために、屈折率の異なる界面での全反射、材料による光の吸収などが生じ、外界へ有効に光が伝播できないからであると考えられる。これはすなわち、いわゆる発光として有効に活用できていない光が全発光量の70〜80%を占めるということであり、光取り出し効率向上による有機EL素子効率向上の期待値は、非常に大きい。
以上の背景に伴い、光取り出し効率を向上するための試みがこれまで非常に多くなされている。中でも特に、有機層から基板層への到達光を増やす試みが多くなされている。有機層の屈折率が約1.7とすると、通常、基板として用いられるガラス層の屈折率が約1.5であるため、有機層とガラス層の界面で発生する全反射ロスは、全放射光の約50%に達すると考えられる。なお、この値は点光源近似で得られる値であり、発光が有機分子からの3次元放射光の積算であることを考慮している。このように有機層と基板との界面での全反射ロスは大きく、この有機層−基板間の全反射ロスを低減することで、有機EL素子の光取り出し効率を大きく改善することが可能である。
有機層と基板との界面の全反射ロスを低減するための最もシンプルで効果的なアプローチは有機層と基板の屈折率差を低減することである。このため、(1)有機層の屈折率を下げる、(2)基板の屈折率を上げる、という試みが考えられている。上記(1)に関しては材料の制限が大きく、場合によっては発光効率や寿命が大きく劣化することにつながるため難しい。一方、上記(2)に関してはこれまでもさまざまな試みがなされている。
例えば、文献1(米国特許第7053547号)では、高屈折率ガラスを基板として高い光取り出し効率を達成している。しかしながら、高屈折率ガラスはそれ自体が一般に使用されるガラスに比べて非常に高価であり、産業応用としては現実性に欠ける。また高屈折率ガラスは一般に重金属などの様々な不純物が含まれているため、脆くなったり耐候性が不十分になったりするものが多い。
また、その他の方式としては、例えば、文献2(米国特許第5693956号)では、ガラスより屈折率の高いプラスチック基板上に有機EL素子を作製することで高い光取り出し効率を達成しようとする提案がなされている。この場合、コスト面においても通常のガラス基板以下になる可能性がある。しかしながら、プラスチックは水を非常に良く通すため、有機EL素子の寿命が通常のガラス基板のものに対して格段に短くなり、また表面に傷がつきやすいなど耐候性に不安がある。
また、文献3(特開2004−322489号公報)では、水の透過を防止するためプラスチック基板と有機層の間に無機/有機系のガスバリア基材を設ける提案がなされている。しかし、この文献に示される構造では、耐候性に不安があり、構造やプロセスが複雑化してコスト面でのデメリットも否めない。
また、文献4(特開2002−373777号公報)ではフィルム上に形成した有機EL素子をガラスやガスバリア構造で完全に密閉する構造が開示されている。しかしながら、この構造は電極の取り回しに別の部材が必要になるなど、構造的・プロセス的に非常に複雑になる。また、光を取り出すための構造を有さないため、この構造のみでは取り出し効率の向上が望めない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、全反射ロスを低減して光取り出し効率を高めるとともに、防水性及び耐候性に優れた面状発光素子を提供することを目的とするものである。
本発明に係る第1の形態の面状発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子と、形成基板と、光取り出し構造部と、第1防湿部と、第2防湿部と、を備える。前記有機エレクトロルミネッセンス素子は、第1面および前記第1面とは反対側の第2面を有し、前記第1面から光を放射するように構成される。前記形成基板は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子から放射された光に対して透光性を有する樹脂材料により形成され、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の前記第1面側に配置される。前記光取り出し構造部は、前記形成基板に設けられ、前記形成基板の表面における前記有機エレクトロルミネッセンス素子から放射された光の反射を抑制するように構成される。前記第1防湿部は、防湿性を有し、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の前記第2面側に前記有機エレクトロルミネッセンス素子を覆うように配置される。前記第2防湿部は、防湿性を有し、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の前記第1面側において水分が前記形成基板を通過することを防止するように前記形成基板を覆う。前記第2防湿部は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の前記厚み方向において前記第1面と重なる重複部位を有する。前記重複部位は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子から放射された光に対して透光性を有する材料により形成される。
本発明に係る第2の形態の面状発光素子では、第1の形態において、前記第2防湿部は、前記重複部位として保護基板を有する。前記保護基板は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子から放射された光に対して透光性を有し、かつ、防湿性を有する。前記保護基板は、前記形成基板において前記有機エレクトロルミネッセンス素子とは反対側に配置される。
本発明に係る第3の形態の面状発光素子では、第2の形態において、前記第1防湿部は、前記形成基板の側面を覆わないように形成される。
本発明に係る第4の形態の面状発光素子では、第3の形態において、前記第2防湿部は、さらに、コート層を備える。前記コート層は、防湿性を有し、前記形成基板の前記側面を覆うように形成される。
本発明に係る第5の形態の面状発光素子では、第4の形態において、前記コート層は、乾燥剤を含有する材料により形成される。
本発明に係る第6の形態の面状発光素子は、第4または第5の形態において、さらに、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に給電するための電極接続部を備える。前記電極接続部は、前記コート層に形成される。
本発明に係る第7の形態の面状発光素子では、第2の形態において、前記第1防湿部は、前記第2防湿部の前記保護基板とともに前記有機エレクトロルミネッセンス素子を水分から保護するように収納するハウジングを形成するように構成される。
本発明に係る第8の形態の面状発光素子では、第2〜第7の形態のいずれか1つにおいて、前記光取り出し構造部は、前記形成基板の前記表面に設けられた凹凸構造部である。
本発明に係る第9の形態の面状発光素子では、第8の形態において、前記光取り出し構造部は、前記保護基板よりも屈折率が高い。
本発明に係る第10の形態の面状発光素子では、第8または第9の形態において、前記光取り出し構造部は、前記形成基板よりも屈折率が高い。
本発明に係る第11の形態の面状発光素子では、第2〜第7の形態のいずれか1つにおいて、前記光取り出し構造部は、前記形成基板とは異なる材料で形成される。
本発明に係る第12の形態の面状発光素子では、第11の形態において、前記光取り出し構造部は、前記形成基板と前記保護基板との間に介在される。
本発明に係る第13の形態の面状発光素子では、第11の形態において、前記光取り出し構造部は、前記形成基板と前記有機エレクトロルミネッセンス素子との間に介在される。
本発明に係る第14の形態の面状発光素子では、第11〜第13の形態において、前記光取り出し構造部は、前記保護基板よりも屈折率が高い母材に前記母材と異なる屈折率を有する光拡散材を分散させて形成される光拡散層である。
本発明に係る第15の形態の面状発光素子では、第11〜第13の形態のいずれか1つにおいて、前記光取り出し構造部は、前記形成基板よりも屈折率が高い母材に前記母材と異なる屈折率を有する光拡散材を分散させて形成される光拡散層である。
本発明に係る第16の形態の面状発光素子では、第11〜第13の形態のいずれか1つにおいて、前記光取り出し構造部は、前記形成基板よりも屈折率が低い。
本発明に係る第17の形態の面状発光素子では、第11〜第13,第16の形態のいずれか1つにおいて、前記光取り出し構造部は、前記保護基板よりも屈折率が低い。
本発明に係る第18の形態の面状発光素子では、第2〜第17の形態のいずれか1つにおいて、前記形成基板は、前記保護基板よりも屈折率が高い。
本発明に係る第19の形態の面状発光素子では、第2〜第18の形態のいずれか1つにおいて、前記保護基板は、ガラスにより構成されている。
本発明に係る第20の形態の面状発光素子では、第1の形態において、前記第2防湿部は、前記重複部位としてガスバリア層を有する。前記ガスバリア層は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子から放射された光に対して透光性を有し、かつ、防湿性を有する。前記ガスバリア層は、前記形成基板と前記有機エレクトロルミネッセンス素子との間に介在される。
本発明に係る第21の形態の面状発光素子では、第20の形態において、前記ガスバリア層は、前記ガスバリア層と前記形成基板との屈折率との差の、可視光領域に含まれる光についての平均値が0.05以下となるように、形成される。
本発明に係る第22の形態の面状発光素子では、第20または第21の形態において、前記第2防湿部は、前記重複部位として保護基板を有する。前記保護基板は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子から放射された光に対して透光性を有し、かつ、防湿性を有する。前記保護基板は、前記形成基板において前記有機エレクトロルミネッセンス素子とは反対側に配置される。
本発明に係る第23の形態の面状発光素子では、第22の形態において、前記保護基板は、前記形成基板に剥離可能に取り付けられる。
本発明に係る第24の形態の面状発光素子では、第1〜第23の形態のいずれか1つにおいて、前記有機エレクトロルミネッセンス素子は、発光層と、前記発光層と前記形成基板との間に介在される電極と、を備える。前記電極は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子から放射された光を通すような厚みの金属薄膜を用いて形成される。
本発明に係る第25の形態の面状発光素子では、第24の形態において、前記金属薄膜は、AgまたはAg合金により形成される。
実施形態1の面状発光素子を示す断面図である。 実施形態1の面状発光素子を示す断面図である。 面状発光素子の実施形態の変形例を示す断面図である。 光取り出し構造部による光の取り出しを説明する模式図である。 光取り出し構造部による光の取り出しを説明する模式図である。 光取り出し構造部による光の取り出しを説明する模式図である。 ITO膜における成膜温度と比抵抗との関係を示すグラフである。 実施形態2の面状発光素子を示す断面図である。 実施形態2の面状発光素子の変形例を示す断面図である。 実施形態3の面状発光素子を示す断面図である。
(実施形態1)
図1に、実施形態1の面状発光素子の一例を示す。この面状発光素子は、透光性を有する形成基板1の表面に、透光性の第1電極2、発光層3及び第2電極4を形成基板1側からこの順で有する有機エレクトロルミネッセンス素子5(有機EL素子5)が形成されたものである。
すなわち、本実施形態の面状発光素子は、有機EL素子5と、形成基板1と、を備える。有機EL素子5は、厚み方向(図1における上下方向)の第1面(図1における下面)5aおよび第1面5aとは反対側の第2面(図1における上面)5bを有する。有機EL素子5は、第1面5aから光を放射するように構成される。形成基板1は、有機EL素子5の第1面5a側に配置される。
面状発光素子の形成基板1は樹脂で構成されている。すなわち、形成基板1は、有機EL素子から放射された光に対して透光性を有する樹脂材料により形成される。それにより有機EL素子5と形成基板1との間の屈折率差が小さくなり、有機層と基板との界面における全反射ロスが低減される。
形成基板1は、有機EL素子5を積層形成するための基板となる。したがって、耐熱性が高い方が好ましい。形成基板1は、プラスチック基板であってよい。そして、剛性のある基板であってもよく、あるいは、可撓性のあるようなシート、フィルムなどであってもよい。また、全反射ロスを低減させるために、形成基板1の屈折率は1.6以上であることが好ましく、1.8以上であることがより好ましい。
形成基板1の材料としては、通常のガラス(屈折率1.5程度)よりも屈折率が高いものが好ましく、そのような材料であれば特に限定されるものではない。例えば、ガラスよりも屈折率が高く、かつ代表的なプラスチック素材であるPET基板を使用することができる。PET(ポリエチレンテレフタレート)はもっとも普及している素材の一つであり、非常に安価で安全性の高い材料である。その他に、例えば、PEN(ポリエチレンナフタレート)やPES(ポリエーテルサルフォン)、PC(ポリカーボネート)などの素材を基板として使用することも高屈折率、高耐熱性などの観点で有効である。
有機EL素子5は、厚み方向(図1における上下方向)の第1面(図1における下面)5aおよび第1面5aとは反対側の第2面(図1における上面)5bを有する。有機EL素子5は、第1面5aから光を放射するように構成される。
有機EL素子5は、第1電極2と、第1電極2上に形成される発光層3と、発光層3上に形成される第2電極4と、を備える。有機EL素子5においては、第1電極2を透光性の電極とし、第2電極4を反射性の電極とすることができる。これにより、発光層3で生じた光は第1電極2側から外部に放出される。すなわち、第1電極2における発光層3とは反対側(図1における下側)の面が第1面5aを規定する。また、第2電極4における発光層3とは反対側(図1における上側)の面が第2面5bを規定する。
通常、第1電極2は陽極となり第2電極4は陰極となるが、その逆であっても構わない。発光層3は、陽極(第1電極2)から注入された正孔と、陰極(第2電極4)から注入された電子とを結合させて発光させるための層である。発光層3は、発光材料を含んで構成される発光材料層の他、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層などの層、その他、発光や電荷輸送を助ける中間層、機能層などの層から選ばれる適宜の層を含んで構成される。
第1電極2の屈折率は、例えば1.8〜2程度にすることができるが、これに限定されるものではない。また、有機層と基板との界面の全反射ロス低減のためには、第1電極2と形成基板1との間の屈折率差は小さい方が好ましい。
形成基板1の有機EL素子5側の面には、有機EL素子5を収納して封止する第1保護部(第1防湿部)6(61)が設けられている。第1保護部61は有機EL素子5を封止して保護するものであり、適宜の材料により構成される。
本形態では、ガラス基板などにより構成される封止基板6aと、防湿性の樹脂などにより構成される封止材6bにより構成される。すなわち、第1保護部61は透湿性の低い材料によって形成されている。それにより、第2電極4側から水分が素子内部に侵入することを抑制することができる。
第1保護部61は、防湿性を有し、有機EL素子5の第2面5b側に有機EL素子5を覆うように配置される。また、第1保護部61は、形成基板1の側面を覆わないように形成される。第1保護部61は、形成基板1の外周面を覆わないように形成される。言い換えれば、第1保護部61は、有機EL素子5の厚み方向に交差する(本実施形態の場合、直交する)面内において、形成基板1を囲まないように形成される。
具体的には、例えば、封止基板6aをガラスや金属などの材料で構成することができ、これにより、外部から封止基板6aを介して水分が透過するのを抑制できる。
また、封止材6bは透湿性の低い樹脂材料で形成したり、防湿剤などを含有させたりすることができ、これにより、外部から封止材6bを介して水分が透過するのを抑制できる。封止材6bは、外部に露出される端部(周端部)を少なくとも防湿性の材料で構成するようにし、内部を封止樹脂で構成するようにしてもよい。その場合、水分の浸入を抑制しつつ、密着性、充填性などの封止材6bとしての特性を高めることができる。
第1保護部61は、平面視において形成基板1の端部近傍がはみ出すように設けられている。例えば、面状発光素子を形成基板1に垂直な方向から見た場合に、第1保護部61の外縁よりも形成基板1の端部近傍がはみ出して形成されるようにする。はみ出した形成基材1の端部近傍は、第2保護部9がないと仮定したときに露出する領域であってよい。この形成基板1のはみ出す端部近傍は、面状となった形成基板1の周端部の全長に亘るものであってよい。
形成基板1の端部には第1電極2が延出して形成された電極延出部11、及び、第2電極4と導通する電極導通部12が設けられている。そのため、形成基板1の端部が第1保護部61に覆われないことにより、電極延出部11及び電極導通部12を封止領域よりも外側に配置することができ、第1電極2及び第2電極4への給電が可能になる。
本実施形態の面状発光素子は、第2防湿部16(161)を備える。第2防湿部161は、防湿性を有し、有機EL素子5の第1面5a側において水分が形成基板1を通過することを防止するように形成基板1を覆うように構成される。
第2防湿部161は、有機EL素子5の厚み方向において第1面5aと重なる重複部位を有している。重複部位は、有機EL素子から放射された光に対して透光性を有する材料により形成される。すなわち、重複部位は、有機EL素子からの光を通すように構成される。
本実施形態において、第2防湿部161は、保護基板7と、第2保護部9とで構成される。
保護基板7は、形成基板1の有機EL素子5とは反対側の面に設けられている。すなわち、保護基板7は、形成基板1において有機EL素子5とは反対側に配置される。
保護基板7は、透光性があり透湿性の低い適宜の材料により構成される。すなわち、保護基板7は、防湿性を有し、かつ、有機EL素子から放射された光に対して透光性を有する。本実施形態では、保護基板7が、第2防湿部161の重複部位となっている。
保護基板7は防湿性を有するため、第1電極2側から水分が素子内部に侵入することを抑制できる。例えば、保護基板7をガラスや防湿透明樹脂などの材料で構成すると、外部から保護基板7を介して水分が透過するのを抑制できるとともに、有機EL素子5で発光した光を外部に取り出すことができる。防湿性を高める観点からは、保護基板7はガラスで構成されることが好ましい。保護基板7の屈折率は、例えば、1.5程度にすることができるが、これに限定されるものではない。
保護基板7は、形成基板1よりも大きく形成されていてもよい。すなわち、形成基板1の全体が保護基板7の表面に配置され、形成基板1の端部が保護基板7の外縁よりも内側に配置されるような構成である。それにより、後述するコート層13により形成基板1を被覆することが容易になる。
また、形成基板1は、保護基板7よりも屈折率が高いことが好ましい。それにより、全反射ロスを効率よく低減することができる。すなわちこの場合、屈折率の値が、形成基板1、保護基板7、外部(大気の屈折率1)、の順に小さくなるため、素子の内部から外部にかけて徐々に外部との屈折率差を小さくすることができ、全反射を抑制して光取り出し性を高めることができる。特にこのような構造は薄型の面状発光素子となる薄膜モードにおいて有利である。
保護基板7と形成基板1との間には、有機EL素子5から放射された光が反射するのを抑制する光取り出し構造部8が設けられている。すなわち、光取り出し構造部8は、形成基板1に設けられ、形成基板1の表面における有機EL素子5から放射された光の反射を抑制するように構成される。
光取り出し構造部8は、後述のように、形成基板1の表面を光取り出し性の高い構造に成形したり、あるいは、層界面での屈折率差を小さくしたり層内で光の方向を変更したりするなど、光取り出し機能を有する層を形成したりすることによって構成することができる。
保護基板7と形成基板1とは接着層10によって接着されていることが好ましい。接着層10は適宜の接着性の樹脂材料などにより構成される。なお、光取り出し構造部8が樹脂により構成される場合には、光取り出し構造部8が接着層10を兼ねるようにしてもよい。
そして、面状発光素子にあっては、形成基板1には、形成基板1を介して有機EL素子5に水分が浸入するのを抑制する第2保護部9が設けられている。
第2保護部9は、形成基板1を通路(透湿経路)として考えた場合に、この通路によって外部と内部(有機EL素子5)とが連通するのを遮断するためのものである。このような通路の遮断は、外部と連通する部分、及び、内部(有機EL素子5)と連通する部分の少なくともいずれかで行うことができる。つまり、第2保護部9は、形成基板1が外部に露出しないように形成基板1の少なくとも一部を覆う外部側の遮断構造、及び、形成基板1が有機EL素子5と接触しないように形成基板1の少なくとも一部を覆う内部側の遮断構造の一方又は両方にすることができる。
図1の形態では、第2保護部9は、外部側の遮断構造である。この第2保護部9は、形成基板1における第1保護部61よりも外側の部分を被覆するコート層13として形成されている。すなわち、コート層13は、形成基板1の側面を覆うように形成される。特に、コート層13は、形成基板1の外周面全体を覆うように形成される。言い換えれば、コート層13は、有機EL素子5の厚み方向に交差する(本実施形態の場合、直交する)面内において、形成基板1を囲むように形成される。
上記のように、第1保護部61で有機EL素子5を封止する場合、外部から有機EL素子5へ電気を通す経路を確保するため、電極延出部11及び電極導通部12が設けられた形成基板1の端部を第1保護部61よりも外側に配置させることになる。その際、形成基板1が樹脂で構成されていると、この形成基板1が水分の浸入経路となるおそれがあり、水分の浸入によって素子の信頼性の低下を招くおそれがある。その際の水分の浸入経路は、主として樹脂により構成される形成基板1自体、電極延出部11と形成基板1との界面、及び、電極導通部12と形成基板1との界面である。
そこで、形成基板1の第1保護部61よりも外部側にはみ出した部分をコート層13で被覆して第2保護部9を設けることより、形成基板1の端部、電極延出部11及び電極導通部12が第2保護部9で覆われて透湿経路を遮断することができる。これにより、形成基板1を介した水分の浸入が抑制され、素子の劣化を低減することができるのである。
コート層13は、形成基板1の表面の端縁(角部)を跨るように形成されるものであってよい。それにより、形成基板1の外表面(上面及び側面)の全体を被覆することができる。
コート層13は保護基板7に接するように形成することが好ましい。それより、形成基板1の側面全体を被覆して形成基板1の側面を外部に露出しないようにすることができる。
また、コート層13は第1保護部61に接するように形成することが好ましい。それにより、第1保護部6と形成基板1との界面領域で形成基板1が外部に露出するのを防ぐことができる。
このような第1保護部61は、例えば、コート層13及び第1保護部61のうち先に形成基板1に形成したものの境界領域を覆うように、コート層13及び第1保護部61のうち後に形成するものを形成することにより得ることができる。
例えば、第1保護部61を形成した後にコート層13を積層して形成すれば、図1のように、第1保護部61における形成基板1近傍の側面をコート層13で覆って形成基板1を被覆することができる。あるいは、コート層13を先に形成する場合、このコート層13の表面に第1保護部61を形成すれば、形成基板1の表面を外部に露出しないようにできる。
本形態では、有機EL素子5は、全体として、保護基板7、第1保護部61及び第2保護部9に囲まれて封止され保護されることになる。この保護基板7、第1保護部61及び第2保護部9は防湿性が高いものである。したがって、有機EL素子5への水分の浸入を効果的に抑制することができる。
第2保護部9を構成するコート層13は、無機材料や、透湿性の低い適宜の樹脂などによって形成することができる。特に、無機材料でコート層13を構成した場合には高い防湿性を得ることができる。また、樹脂でコート層13を構成した場合には密着性の高いコート層13を得ることができる。電気的短絡を抑制するために第2保護部9は導電性の低い(絶縁性の高い)材料によって構成することが好ましい。
コート層13としては、SiNなどの無機膜、低透湿の樹脂膜、およびそれらの膜とめっき膜との複合膜などが挙げられる。無機材料としては、SiO2やTiO2なども用いることができる。無機膜はスパッタなどにより、また、樹脂膜は印刷などにより形成することができる。めっき膜を形成する場合には、めっき膜によって短絡しないとともに電極と導通可能なように形成することが好ましい。例えば、電極延出部11及び電極導通部12の領域にはめっき膜を施し、その他の領域には樹脂膜を形成するようにすれば、電気的接続と透湿経路の遮断とを効率よく行うことができる。
また、コート層13には乾燥剤を含有させることが好ましい。乾燥剤により防湿性を向上して、水分が有機EL素子5へ到達するのを防止する効果を高めることができる。特に樹脂でコート層13を構成した場合、このコート層13から水分が浸入されるおそれが高くなるが、乾燥剤が含有されていることにより、水分の浸入を効果的に抑制することができる。
コート層13には、有機EL素子5に給電するための電極接続部18(図2参照)が設けられていることが好ましい。電極接続部18としては、電極延出部11に接続されるものと、電極導通部12に接続されるものとを設けることができる。このように電極接続部18が設けられることにより、有機EL素子5への電圧の印加が容易となる。電極接続部18は、金属などの導電材料によって構成することができる。電極接続部18はコート層13の形成前に形成してもよいし、コート層13の形成後に形成してもよい。コート層13の形成前に電極接続部を形成した場合、コート層13はこの電極接続部の少なくとも一部を覆わないように形成すればよい。また、図2に示すように、コート層13の形成後に電極接続部18を形成する場合、コート層13に貫通孔17を設け、この貫通孔17に電極接続部18を形成すればよい。また、上記のめっき膜のようにコート層13の一部を導電材料にして電極接続部18にすることも好ましい。
図3に、面状発光素子の他の一例(変形例)を示す。この面状発光素子は、第1保護部6(62)以外は、図1の形態と同様の構成となっている。
図3の形態では、第1保護部62は、形成基板1とで有機EL素子5を収納するハウジングを形成している。第1保護部62は、有機EL素子5を収納する凹部6cが設けられている。この凹部6cはハウジングの内部空間となるものであり、第1保護部62の材料をエッチングなどによって掘り込み加工して得ることができる。第1保護部62の好ましい材料はガラスである。そして、この凹部6cを有機EL素子5に覆い被せて第1保護部62を形成基板1に接合することにより、第1保護部62で有機EL素子5を封止することができる。
図3の形態においては、吸収材15を凹部6cの表面(内底面)に貼り付けておくことが好ましい。吸水材15を設けることにより、ハウジングに水分が浸入してきたとしても、この水分が吸水材15に吸水されるので、有機EL素子5に水分が浸入するのを抑制することができる。吸水材15としては、酸化カルシウムなどの吸水性無機塩を練りこんだゲッタなどを用いることができる。
なお、第1保護部62と形成基板1との接合は、接着樹脂などによって行うことができる。または、接着樹脂に代えて、あるいは、接着樹脂ととともに、第2保護部9を構成する材料で第1保護部62の周囲を覆うようにして第2保護部9(コート層13)を形成して第1保護部62と形成基板1とを接合させてもよい。その場合、形成基板1と第1保護部62との境界部分が第2保護部9によって覆われるので、水分の浸入の抑制効果を高めることができる。
以下、光取り出し構造部8について、さらに詳しく説明する。
面状発光素子においては、光を取り出すにあたって、光取り出し構造部8が重要な要素となる。光取り出し構造部8がないと、光取り出し効率の向上が見込めなくなる。
有機EL素子5、形成基板1及び保護基板7の屈折率は、通常、光を取り出す外部である大気の屈折率に比べて大きい。例えば、一般によく用いられる有機層は屈折率n=1.7前後であり、ガラスは屈折率n=1.5前後である。この場合、高屈折率から低屈折率となる層の界面において光の全反射が生じ、全反射角以上(臨界角以上)の角度で界面に入射する光は反射することになる。反射された光は、有機層または基板内部において多重反射し、外部に取り出されることなくやがて減衰する。そのため、光取り出し効率が低下するのである。
また、全反射角以下の角度で界面に入射する光についても、屈折率の異なる界面においてはフレネル反射が発生する。そのため、光取出し効率はさらに低減するのである。
そこで、形成基板1の光出射面に光取り出し構造部8を設けることによって、外部への光取り出し効率を向上させるものである。
光取り出し構造部8の好ましい一形態は、図4〜7に示すような、形成基板1の表面に設けられた凹凸構造部8aである。形成基板1の表面に凹凸構造部8aを設けることによって、外部への光取り出し効率を向上させることができる。すなわち、凹凸構造部8aによって光の入射角度が変わるため、光が散乱し、全反射角度以上の光を取り出すことが可能になるため、形成基板1から保護基板7側に光を取り出すことができる。
凹凸構造部8aは、2次元周期構造を有することが好ましい。ここで、この2次元周期構造の周期Pは、発光層3で発光する光の波長が300〜800nmの範囲内にある場合、媒質内の波長をλ(真空中の波長を媒質の屈折率で除した値)とすれば、波長λの1/4〜10倍の範囲で適宜設定することが好ましい。
周期Pを例えば5λ〜10λの範囲で設定した場合には、幾何光学的な効果、つまり、入射角が全反射角未満となる表面の広面積化により、光取り出し効率が向上する効果が得られる。
また、周期Pを例えばλ〜5λの範囲で設定した場合には、回折光による全反射角以上の光を取り出す作用により、光の取り出し効率が向上する。
また、周期Pをλ/4〜λの範囲で設定した場合には、凹凸構造部8a付近の有効屈折率が有機EL素子5からの距離が大きくなるにつれて徐々に低下することとなる。そのため、形成基板1と保護基板7の間に、凹凸構造部8aの媒質の屈折率と、保護基板7(又は凹凸構造部8aと保護基板7との間を満たす媒質)の屈折率との間の屈折率を有する薄膜層を介在させるのと同等となり、フレネル反射を低減させることが可能となる。
要するに、周期Pをλ/4〜10λの範囲で設定すれば、反射(全反射あるいはフレネル反射)を抑制することができ、有機EL素子5からの光取り出し効率が向上するのである。ただし、幾何光学的な効果による光取り出し効率の向上を図る際の周期Pの上限としては、例えば、1000λまでが適用可能である。
また、凹凸構造部8aは必ずしも2次元周期構造などの周期構造を有していなくてもよい。例えば、凹凸のサイズがランダムな凹凸構造や周期性のない凹凸構造でも光取り出し効率の向上を図ることが可能である。なお、異なるサイズの凹凸構造が混在する場合(例えば、周期Pが1λの凹凸構造と5λ以上の凹凸構造とが混在する場合)には、その中で最も凹凸構造部8aにおける占有率の大きい凹凸構造の光取り出し効果が支配的になる。
凹凸構造部8aにより形成される光取り出し構造部8は、保護基板7よりも屈折率が高いことが好ましい。そしてさらに、凹凸構造部8aにより形成される光取り出し構造部8は、形成基板1よりも屈折率が高いことが好ましい。
ここで、凹凸構造部8aの屈折率をn、形成基板1の屈折率をn1、保護基板7の屈折率をn2として、光の反射を考える。図4〜7は、凹凸構造部8aによる光の反射の模式図を示している。
前述したように、形成基板1は保護基板7よりも屈折率が高いことが好ましい。すなわち、屈折率の関係は、(保護基板)<(形成基板)の関係、つまり、n2<n1の関係となる。このとき、凹凸構造部8aの屈折率が保護基板よりも低いと屈折率の関係は、(凹凸構造部)<(保護基板)<(形成基板)の関係、つまり、n<n2<n1の関係になる。
すると、図4に示すように、凹凸構造部8aと形成基板1との界面での全反射ロスが非常に大きくなる。図4では、ある角度で入射する光L1と、その角度よりも大きい角度で入射する光L2との両方の光が、界面において反射する様子を示している。このように、形成基板1と凹凸構造部8aとの間で全反射が発生し、取り出し光が制限されるのである。
そこで、凹凸構造部8aが保護基板7よりも屈折率が高いことが好ましいのである。ここで、まず、凹凸構造部8aが保護基板7よりも屈折率が高い場合として、凹凸構造部8aの屈折率が保護基板7と形成基板1との間になることが考えられる。このとき、屈折率の関係は、(保護基板)<(凹凸構造部)<(形成基板)の関係、つまり、n2<n<n1の関係になる。
すると、図5に示すように、凹凸構造部8aと形成基板1との界面での臨界角が大きくなり全反射光が低減する。図5では、大きい角度で入射する光L2は全反射するものの、比較的小さい角度で入射する光L1は全反射せずに界面を通過し、保護基板7側に取り出される様子を示している。このように、形成基板1と凹凸構造部8aとの間で全反射が抑制され、光取り出し性が向上されるのである。ただし、このような屈折率条件では、光L2のように全反射光は未だ存在している。
そこで、さらに凹凸構造部8aが形成基板1よりも屈折率が高いことが好ましいのである。このとき、屈折率の関係は、(保護基板)<(形成基板)<(凹凸構造部)の関係、つまり、n2<n1<nの関係になる。
すると、図6に示すように、凹凸構造部8aと形成基板1との界面での臨界角がなくなり、全反射光が完全に消滅する。図6では、小さい角度で入射する光L1だけではなく、大きい角度で入射する光L2についても全反射せずに界面を通過し、保護基板7側に取り出される様子を示している。このように、形成基板1と凹凸構造部8との間で全反射が消失し、光取り出し性が向上されるのである。
凹凸構造部8aの凹凸高さは、特に限定されるものではないが、素子設計上の観点と光取り出し効率の観点とから、500〜50000nmの範囲であることが好ましい。凹凸高さが比較的小さい領域(〜3000nm)では回折の効果が、比較的大きい領域(3000nm〜)では屈折の効果が強くなり光が拡散され、全反射ロスが抑制される。回折の強い領域では光の波長依存性が強くなるため、視野角による色差を抑えるための構造を例えば保護基板7の外側に別途挿入してもよい。
凹凸構造部8aは、形成基板1を成形して形成基板1に直接形成したものであってもよいし、形成基板1に他の部材を設けて形成したものであってもよい。すなわち、光取り出し構造部8は、形成基板1とは異なる材料で形成されていてもよい。
例えば、凹凸構造部8aは、プリズムシートや光拡散フィルムなどといった凹凸構造を有する光拡散シートを形成基板1に貼ることにより形成できる。あるいは、凹凸構造部8aは、形成基板1の光取り出し側の表面にインプリント法(ナノインプリント法)により凹凸構造を転写することによって形成することができる。また、形成基板1を射出成形により形成するようにし、その際に適宜の金型を用いて形成基板1に凹凸構造を直接形成してもよい。
ここで、インプリント法により、凹凸構造部8aを形成する方法について簡単に説明する。
まず、PET基板、PEN基板などからなる形成基板1の表面に、凹凸構造部8aの基礎となる高屈折率の透明材料(例えば、TiO2のナノ粒子を混入させた熱硬化性樹脂など)からなる層を、スピンコートやスリットコートなどを利用して形成する。
そして、プリベークを行うことにより被転写層(凹凸構造が転写される層)が形成される。
次に、凹凸構造部8aの形状に応じてパターン設計して凹凸パターンを形成したモールドを用い、このモールドを被転写層に押し付ける。モールドとしては、例えば、周期が2μm、高さが1μmの錘状(例えば、四角錘状、円錐状、半球状、円柱状など)の微細突起が2次元アレイ状にパターニングされたNi製モールドやSi製モールドを用いることができる。
そして、モールドによって変形した被転写層を硬化させ、モールドを離すことにより、凹凸パターンが転写され、凹凸構造部8aが形成される。なお、硬化は例えば熱硬化などとすることができるが、光硬化であってもよい。
インプリント法としては、上述のように熱硬化性樹脂を被転写層の透明材料として用いる熱インプリント法(熱ナノインプリント法)を用いることができる。
熱インプリント法では、モールドを直接、形成基板1の表面に押し付けて熱を加えることにより、形成基板1を変形させて凹凸構造部8aを形成し、その後、モールドを凹凸構造部8aから離すようにすることができる。
また、熱インプリント法に限らず、被転写層の材料として光硬化性樹脂を用いる光インプリント法(光ナノインプリント法)を採用してもよい。この場合には、粘度の低い光硬化性樹脂層からなる被転写層をモールドにより変形させて、その後に紫外線を照射して光硬化性樹脂を硬化させ、モールドを被転写層から離すようにすればよい。
例えば、形成基板1がPEN基板のような紫外線を透過しないものである場合には、モールドとして、紫外線を透過する透明樹脂で形成した樹脂製モールドを使用し、モールド側から紫外線を照射するようにすればよい。紫外線を透過する透明樹脂としては、例えば、PDMS(ポリジメチルシロキサン)などを使用することができる。
インプリント法では、モールド用の金型を作製すれば、このモールド用金型によって凹凸構造部8aを再現性良く繰り返し形成することができるので、低コスト化を図ることが可能になる。その場合、モールド用金型がマスターモールドを構成し、モールドが反転モールドを構成することになる。
光取り出し構造部8の好ましい他の一形態は、保護基板7よりも屈折率が高い母材に、この母材とは屈折率が異なる光拡散材が分散された光拡散層として構成されているものである。つまり、光取り出し構造部8は、保護基板7よりも屈折率が高い母材に、母材と異なる屈折率を有する光拡散材を分散させて形成される光拡散層である。
全反射ロスは、有機EL素子5から大気中に光を取り出すにあたって、屈折率の高い媒質から、屈折率の小さい媒質、特に大気に、臨界角以上の角度で入射した光が取り出せないため発するロスである。したがって、媒質内部で何らかの形で光の進行方向を変えるような構造があれば、一度取り出されなかった光が進行方向が変更されて再び屈折率界面に再入射した際に臨界角より小さい角度であれば、その光を取り出すことが可能である。
そこで、母材と光拡散材とによって光取り出し構造部8を構成することによって、光を拡散して光取り出し性を高めるようにする。そして、この形態では、光取り出し構造部8が形成基板1と保護基板7との間に配置されることにより、光の角度が変更するため、全反射ロスを抑えることが可能になるものである。
光取り出し構造部8を構成する母材の屈折率は、形成基板1よりも高い、もしくは同等であることが好ましい。この場合、形成基板1と母材との界面において全反射が発生しなくなり、光取り出し性がさらに向上する。
また、母材中に分散される光拡散材は、0.5〜50μm、好ましくは0.7〜10μm程度のサイズの粒径の粒子であることが好ましい。この粒径は、レーザ回折粒度分布計などによって測定することができる。
光拡散材がこれより小さい場合には光と拡散材の相互作用(屈折、干渉)が発生しなくなる可能性があり、角度変換が起こらないおそれがある。逆に、拡散材がこれより大きくなると、全光線透過率自体が低下して光取り出し効率が低下する可能性がある。
光拡散材は母材と屈折率が異なる材料であれば何でもよいが、拡散性が高まるように、母材との間の屈折率に差ができるようなものにする。
また、光拡散材は、光を吸収しないものが好ましい。光拡散材の屈折率は母材の屈折率と異なるものであればよく、高くても低くてもどちらでもよい。
母材と光拡散材によって構成される光取り出し構造部8は、光の拡散性(散乱性)を有する光拡散層となる。このような光拡散層を形成することで、形成基板1から光拡散層へ至る光の全反射ロスを低減し、さらに光拡散層へ入射した光の角度を変換して保護基板7から大気へ光が通過する際の全反射ロスを低減することが可能になる。
光取り出し構造部8に用いる母材としては、例えば、樹脂を用いることができる。具体的には、母材として熱または紫外線により硬化する樹脂を用いることができる。樹脂の場合、形成基板1と保護基板7を接着することも可能であり、その場合、光取り出し構造部8が接着層10を兼ねることになってもよい。もちろん、接着層10と光取り出し構造部8とは別の材料で構成されていてもよい。
また、光拡散材としては、例えば、ナノ金属粒子やTiO2粒子などの金属系粒子、ガラスビーズや樹脂系のビーズなどが挙げられる。これらの光拡散材はフィラーとしての機能も有する。
空孔や空隙を含むようなエアロゾルで光取り出し構造部8を形成し、空孔や空隙を光拡散材として使用することもできる。光取り出し構造部8(光拡散層)における光拡散材の含有割合は、例えば、0.01〜10体積%であってよいが、これに限定されるものではない。含有割合よりも、下記の通り結果として得られるヘイズの方が重要である。
ここで、拡散性を定量的に示す値としてヘイズ値という指標が一般的に用いられている。ヘイズ値は、試験片の拡散光透過率を全光線透過率で除した値を百分率で示したものである。一般に、ヘイズ値が上がると全光線透過率が低下するが、ヘイズ及び全光線透過率がともに高いことが好ましい。
光拡散層として機能する光取り出し構造部8の具体的な構成を例示する。例えば母材の樹脂として、紫外線硬化型の高屈折率樹脂の一種である三菱ガス化学株式会社製のLPB−1101(n=1.71)を用い、光拡散材として平均粒径が2μmのTiO2粒子をフィラーとして分散させたものが挙げられる。この場合、ヘイズ値は90%程度、全光線透過率は80〜90%程度にすることができる。
次に、面状発光素子の製造の一例について説明する。まず、形成基板1の光取り出し側の面に凹凸構造部8a又は光拡散層などを設けることにより光取り出し構造部8を形成する。次いで、この面に接着性樹脂などによって保護基板7を接着する。そして、次に、形成基板1の光取り出し構造部8aとは反対側の表面に、有機EL素子5における第1電極2の層を形成する。
ここで、形成基板1には、有機EL素子5を積層形成する前、有機EL素子5の形成途中、又は、有機EL素子5の形成後、つまりは、第1保護部6の接合前に、切断ラインとなる部分においてプリカットが入れられていてもよい。すなわち、保護基板7表面で形成基板1が分断して配置するような形態である。
面状発光素子を複数個連結して形成する場合、素子を形成した後に切断して個別化する際に、ガラス基板(保護基板7)と樹脂基板(形成基板1)とを同時に割ると、意図しない力が樹脂基板側にかかり、内部の有機EL素子5が損傷するおそれがある。しかしながら、プリカットしておくことによって、切断の際には、ガラス基板のみを割ることになるので、有機EL素子5の損傷を低減することができる。
第1電極2の層は、形成基板1の表面に直接設けられるものであってもよいし、他の層を介して設けられるものであってもよい。なお、第1電極2の層とは、第1電極2、電極延出部11及び電極導通部12を含んでパターン状に形成された透明導電層のことである。
第1電極2の形成は、例えば、ITO(スズドープ酸化物インジウム)ターゲットを用いた低温スパッタで行うことができる。そして、レジストによるマスク及びエッチングの方法で、所定のパターンにすることができる。なお、ウェットエッチングによるパターニング方法に限られるものではなく、例えばレーザなどを用いたドライパターニングを用いても構わない。
第1電極2には、ITOのほかにIZOやAZO、ZnOなどの透明導電酸化物を用いてもよい。ITOの抵抗が高く、十分な輝度均斉度が得られない場合は、Ni/Cu/Niの補助電極を用いてもよい。好ましくは、第1電極2の形成と同時に、電極延出部11及び電極導通部12が形成される。
ここで、第1電極2は金属薄膜を含有することが好ましい。形成基板1が樹脂で構成されるもの(プラスチック基板など)である場合、樹脂はガラスなどに比べて耐熱性が低いため、ガラス基板と同等レベルの高温成膜ができなくなる可能性が高い。例えばPETの耐熱温度は通常100℃程度であり、耐熱性の比較的高いPENであっても耐熱温度は180℃程度である。そして、ITOなどの金属酸化物によって形成される電極層の成膜温度と比抵抗値との関係は、一般的に、成膜温度が高くなるほど、比抵抗値が低下する関係となる。
図7に、比抵抗低下の一例として、ITO層の成膜温度と比抵抗値の関係を表すグラフを示す。このグラフから、樹脂基板を用いた場合には、高い成膜温度にすることができないので、電極層の比抵抗値を十分に下げることが難しくなることが理解される。そして、大型基板ではITO層などの電極層を厚く積層するなどしなければ、電圧降下による輝度均斉度の低下等の性能劣化が懸念される。
そこで、有機EL素子5の第1電極2が金属薄膜を含む構成にすることが好ましいのである。金属薄膜を含んで第1電極2を構成することにより、比抵抗を下げることができる。また、薄膜であるので光透過性を確保することが可能になる。それにより、導電特性のよい高効率の面状発光素子を得ることができる。すなわち、第1電極2は、有機EL素子5から放射された光を通すような厚みの金属薄膜を用いて形成される。
第1電極2は、金属薄膜単独の層であってもよいし、ITOなどの透明導電膜と金属薄膜とを組み合わせた層であってもよい。金属薄膜を含有する場合、比抵抗はITO単独の場合よりも1/10〜1/100程度になり、輝度均斉度が改善する。また、通電を補助するための補助電極を不要にすることができる可能性も高くなる。また、ITOを単独で用いる場合よりも、薄い層のITOで容易に低抵抗化することが可能である。
金属薄膜の材料や厚さは、得られる光学性能によって適宜選択することができるが、特に光の吸収の小さい金属が好ましい。光の吸収を低下させる観点から、金属薄膜の材料としてはAg又はAg合金が好ましい。
表1に、各金属の薄膜(厚み10nm)における、反射率、透過率、吸収率を示す。表1に示すとおり、Ag薄膜における光の吸収率は他の金属に比べてもっとも小さい。Ag単独であってもよいが、スパッタ性や安定性を高めるために、ごく微量のMgやCuなどを混ぜたAg合金を使用することもできる。Ag合金を用いた場合も、光の吸収を抑制できるとともに、高効率の面状発光素子を得ることができる。
すなわち、金属薄膜の材料は、Agを含むものであるが、具体的には、Ag単体の他に、Agと例えば下記の金属(Al、Pt、Rh、Mg、Au、Cu、Zn、Ti、Pd、Ni)の合金を用いることができる。このなかでも特にMgAg、PdAgの合金を好ましく用いることができる。合金におけるAg以外の金属の含有率は、合金構造にもよるが、例えば0.001〜3質量%程度であってよい。
Figure 0005706972
第1電極2の形成後、この第1電極2の表面に発光層3を構成する各層を積層する。有機EL素子5を構成する各層は適宜の材料により形成することができる。積層は蒸着や塗布などの適宜の方法で行うことができる。
そして、発光層3の表面に、第2電極4を積層する。このとき第2電極4は電極導通部12と導通するように形成し、第2電極4への給電が可能なようにする。第2電極4は、Alなどの適宜の金属によって構成することができる。これにより、有機EL素子5が形成基板1の表面に形成される。
次に、第2保護部9をコート層13で構成する場合には、コート層13を、形成基板1の表面における有機EL素子5の周囲を取り囲むように形成する。その際、コート層13を形成基板1の周端部の表面及び側面を被覆するように形成し、保護基板7と接触させるようにする。プリカットしている場合には、プリカットした部分に沿ってコート層13を設けてもよい。
そして、コート層13に囲まれた有機EL素子5を含む形成基板1の表面の領域に、第1保護部6を形成する。このとき、第1保護部6はコート層13と接触するように形成し、形成基板1の表面が外部に露出しないようにする。第1保護部6の形成は、防湿性のある樹脂などで封止材6bを形成し、その樹脂でカバーガラスなどの封止基板6aを接着するようにできる。なお、第1保護部6を形成した後に、コート層13を形成するようにしてもよい。
最後に、複数個連結している場合には、プリカットした部分の保護基板7をカットし、素子を個別化する。以上により、図1又は図2に示すような、面状発光素子を得ることができる。
以上述べたように、本実施形態の面状発光素子は、透光性を有する形成基板1に、透光性の第1電極2、発光層3及び第2電極4を形成基板1側からこの順で有する有機エレクトロルミネッセンス素子5が形成された面状発光素子である。形成基板1は樹脂で形成されている。形成基板1の有機エレクトロルミネッセンス素子5側の面(図1における上面)に、有機エレクトロルミネッセンス素子5を収納して封止する第1保護部6が、平面視において形成基板1の端部近傍がはみ出すように設けられている。形成基板1の有機エレクトロルミネッセンス素子5とは反対側の面(図1における下面)に保護基板7が設けられている。保護基板7と形成基板1との間に有機エレクトロルミネッセンス素子5から放射された光が反射するのを抑制する光取り出し構造部8が設けられている。形成基板1には、形成基板1を介して有機エレクトロルミネッセンス素子5に水分が浸入するのを抑制する第2保護部9が設けられている。
換言すれば、本実施形態の面状発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子5と、形成基板1と、光取り出し構造部8と、第1防湿部(第1保護部)6と、第2防湿部16と、を備える。有機エレクトロルミネッセンス素子5は、厚み方向の第1面5aおよび第1面5aとは反対側の第2面5bを有する。有機エレクトロルミネッセンス素子5は、第1面5aから光を放射するように構成される。形成基板1は、有機エレクトロルミネッセンス素子5から放射された光に対して透光性を有する樹脂材料により形成される。形成基板1は、有機エレクトロルミネッセンス素子5の第1面5a側に配置される。光取り出し構造部8は、形成基板1に設けられる。光取り出し構造部8は、形成基板1の表面における有機エレクトロルミネッセンス素子5から放射された光の反射を抑制するように構成される。第1防湿部6は、防湿性を有し、有機エレクトロルミネッセンス素子5の第2面5b側に有機エレクトロルミネッセンス素子5を覆うように配置される。第2防湿部16は、防湿性を有し、有機エレクトロルミネッセンス素子5の第1面5a側において水分が形成基板1を通過することを防止するように形成基板1を覆う。第2防湿部16は、有機エレクトロルミネッセンス素子5の厚み方向において第1面5aと重なる重複部位を有する。重複部位は、有機エレクトロルミネッセンス素子5から放射された光に対して透光性を有する材料により形成される。
さらに、本実施形態の面状発光素子では、第2防湿部16は、重複部位となる保護基板7を有する。保護基板7は、有機エレクトロルミネッセンス素子5から放射された光に対して透光性を有し、かつ、防湿性を有する。保護基板7は、形成基板1において有機エレクトロルミネッセンス素子5とは反対側に配置される。なお、この構成は任意である。
また、本実施形態の面状発光素子では、形成基板1は、保護基板7よりも屈折率が高い。なお、この構成は任意である。
また、本実施形態の面状発光素子では、光取り出し構造部8は、形成基板1の表面に設けられた凹凸構造部8aである。光取り出し構造部8aは、保護基板7よりも屈折率が高い。光取り出し構造部8aは、形成基板1よりも屈折率が高い。なお、これらの構成は任意である。
また、光取り出し構造部8は、形成基板1とは異なる材料で形成されていてもよい。
例えば、光取り出し構造部8は、保護基板7よりも屈折率が高い母材に、この母材とは屈折率が異なる光拡散材が分散された光拡散層として構成されていてもよい。換言すれば、光取り出し構造部8は、保護基板7よりも屈折率が高い母材に母材と異なる屈折率を有する光拡散材を分散させて形成される光拡散層である。
また、光取り出し構造部8は、形成基板1よりも屈折率が高い母材に、この母材とは屈折率が異なる光拡散材が分散された光拡散層として構成されていてもよい。換言すれば、光取り出し構造部8は、形成基板1よりも屈折率が高い母材に母材と異なる屈折率を有する光拡散材を分散させて形成される光拡散層である。
本実施形態では、光取り出し構造部8は、形成基板1と保護基板7との間に介在されている。なお、この構成は任意である。
なお、本実施形態では、光取り出し構造部8は、形成基板1と有機エレクトロルミネッセンス素子5との間に介在されていてもよい。
例えば、光取り出し構造部8は、形成基板1と有機EL素子5との間において、形成基板1の表面全体に形成されていてもよい。すなわち、有機EL素子5の下部層(第1電極2、電極延出部11及び電極導通部12)は、光取り出し構造部8の表面に形成されている。言い換えれば、第1電極2の層は、光取り出し構造部8を介して形成基板1の表面(図1における上面)に設けられる。この場合には、第1電極2を形成する前に、光取り出し構造部8を形成基板1の表面に積層し、その光取り出し構造部8の表面に第1電極2の層を積層する。
なお、光取り出し構造部8は、形成基板1よりも屈折率が低くても良い。また、光取り出し構造部8は、保護基板7よりも屈折率が低くてもよい。
また、本実施形態の面状発光素子では、第2保護部9は、形成基板1における第1保護部6よりも外側の部分を被覆するコート層13である。換言すれば、第1防湿部6は、形成基板1の側面を覆わないように形成される。第2防湿部16は、さらに、第2保護部9であるコート層13を備える。コート層13は、防湿性を有し、形成基板1の側面を覆うように形成される。なお、これらの構成は任意である。
また、本実施形態の面状発光素子では、コート層13は乾燥剤を含有する。換言すれば、コート層13は、乾燥剤を含有する材料により形成される。なお、この構成は任意である。
また、本実施形態の面状発光素子では、コート層13に、有機エレクトロルミネッセンス素子5に給電するための電極接続部18が設けられている。換言すれば、面状発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子5に給電するための電極接続部18を備える。電極接続部18は、コート層13に形成される。なお、この構成は任意である。
また、本実施形態の面状発光素子では、保護基板7はガラスにより構成されている。なお、この構成は任意である。
また、本実施形態の面状発光素子では、第1電極2は薄膜金属(金属薄膜)を含有する。換言すれば、有機エレクトロルミネッセンス素子5は、発光層3と、発光層3と形成基板1との間に介在される電極(第1電極)2と、を備える。第1電極2は、有機エレクトロルミネッセンス素子5から放射された光を通すような厚みの金属薄膜を用いて形成される。なお、この構成は任意である。
さらに、本実施形態の面状発光素子では、薄膜金属はAg又はAg合金により構成されている。換言すれば、金属薄膜は、AgまたはAg合金により形成される。なお、この構成は任意である。
こうして得られる面状発光素子は、形成基板1が樹脂で構成されているとともに形成基板1には光取り出し構造8が設けられているため、全反射ロスが低減され、素子からの光取り出し効率が従来よりも向上するものである。また、第1保護部6及び第2保護部9によって封止され、透湿経路が遮断されているので、防水性及び耐候性に優れ、素子の劣化を抑制でき、信頼性の高い素子を得ることができるものである。また、形成基板1を樹脂で形成しているので、高屈折率ガラスを基板に用いる場合に比べて、低コストで製造することができるものである。また、防湿性が向上するため、薄型化が可能になるものである。
したがって、本実施形態の面状発光素子によれば、全反射ロスを低減して光取り出し効率を高めるとともに、防水性及び耐候性を向上することができる。
[実施例]
以下、有機EL素子を用いた面状発光体の製造の実施例について説明する。
(形成基板、光取り出し層、保護基板)
有機EL素子の形成基板1として、通常のガラスより屈折率が高く、かつ代表的なプラスチック素材であるPET基板を使用した。この基板の光出射面(発光層3とは反対側の面)に、あらかじめ真空乾燥しておいた粘着材付きプリズムシート(光拡散フィルム:株式会社きもと製のライトアップ(登録商標)GM3)を貼り付けた。この光拡散フィルムは、凹凸構造部8aが表面に形成されたシートである。
また、有機EL素子5への水分到達を防止し、かつ透光性を有する保護基板7としては、ガラス基板を準備した。このガラス基板の表面に粘着シート(アクリル系透明接着剤:屈折率n=1.48)をラミネートし、形成基板1のプリズムシート面側に貼り合わせた。
これにより、外部側(光取り出し側)の表面に光取り出し構造部8及び保護基板7が設けられた形成基板1が得られた。
(第1電極)
次に、形成基板1の光取り出し構造部8とは反対側の表面に、ITO(スズドープ酸化物インジウム)ターゲットを用いて、低温スパッタ(プロセス温度:100℃以下)を行い、ITO層を100nmで形成した。ITO層は、第1電極2、電極延出部11及び電極導通部12を形成するための層である。
次に、ポジ型レジスト(OFPR800LB:東京応化製)をスピンコートで全面塗布してベーキングを行った後、別途用意したガラスマスクを用いて紫外線露光を行い、現像液(NMD−W:東京応化製)で露光部を洗い流してレジストのパターニングを行った。
さらにこれをITOエッチング液(ITO−06N:関東化学製)に浸漬して非レジストマスク部のITOをエッチングし、最後にレジスト剥離液(剥離液106:東京応化)でレジストを剥離してITOのパターンが形成された形成基板1を得た。
上記で得られた形成基板1を中性洗剤と純水にて超音波洗浄し、真空中80℃で2時間程度乾燥させ、次いでUV/O3処理を10分間行った。
(プリカット)
次に、ガラス基板を切断しないように、素子を個別化する際の切断ラインに沿ってPET基板及びプリズムシートを切断し、プリカットを入れた。
(有機EL素子の形成)
上記の形成基板1を真空蒸着装置にセットし、ホール輸送層として、ビス[N−(1−ナフキブ)−N−フェニル]ベンジジン(以下、α−NPDと称する)の層を、ITO層の第1電極2(陽極)となる領域上に厚み40nmで形成した。
次に、発光材料層として、アルミニウム−トリス[8−ヒドロキシキノリン](以下、Alq3と称する)に5%のルブレンをドーピングした層を厚み20nmで形成した。
次いで、電子輸送層としてAlq3の層を厚み40nmで形成した。
さらに、その上に、電子注入層としてLiFの層を厚み1nmで形成した。
そして最後に、第2電極4(陰極)として、Alの層を厚み80nmの膜厚で真空蒸着して形成した。
これにより、第1電極2、発光層3及び第2電極4が順に積層された有機EL素子5が得られた。
(第2保護部の形成)
次に、第2保護部9として、コート層13を、有機EL素子5の周囲を取り囲むように形成基板1の表面に形成した。このとき、プリカットを入れたPET基板(形成基板1)の端面もこのコート層13で被覆し、さらにコート層13を保護基板7に接するように形成することにより、コート層13で形成基板1の表面及び側面を被覆した。
なお、コート層13としては、乾燥剤が含有されている防湿性の樹脂組成物を使用した。これにより、形成基板1の端面からの水分侵入を防止することが可能な構造を形成した。
(第1保護部による封止)
第1保護部6の形成には、ダムフィル型の固体封止を用いた。
まず、有機EL素子5の周囲に、低透湿エポキシ樹脂を印刷して、環状のダム部を形成した。その際、環状ダム部を第2保護部9(コート層13)に接触させて形成し、環状ダム部よりも外側の領域で形成基板1が外部に露出しないようにした。
次に、吸湿材と緩衝剤を含有したフィル材を有機EL素子の上方から滴下し、前記エポキシ樹脂で形成した環状ダム内を満たした。
最後に、環状ダムの上方からカバーガラスを貼りあわせ、フィル材を硬化させて、封止材6bと封止基板6aとからなる第1保護部6で有機EL素子5を封止した。
(切断による個別化)
最後に、ダイヤモンドカッターで素子間に切り欠きを入れ、スクライバーによってガラス基板を割った。
これにより、ガラスで封止された有機EL素子5を有する面状発光素子を得た。
(実施形態2)
図8に、実施形態2の面状発光素子の一例を示す。この面状発光素子は、図1の形態と同様、透光性を有する形成基板1の表面に、透光性の第1電極2、発光層3及び第2電極4を形成基板1側からこの順で有する有機EL素子5が形成されたものである。また、図1の形態と同様に、第1保護部6(61)、保護基板7、光取り出し構造部8及び接着層10が形成されている。そして、本形態では、第2保護部9が、内部側の遮断構造となっており、具体的には、形成基板1の有機EL素子5側の表面に形成されるガスバリア層14となっている。本実施形態の面状発光素子の他の構成は、実施形態1の面状発光素子と同様である。したがって、第2保護部9以外の構成(第1保護部6、光取り出し構造部8等)については、実施形態1に記載された構成を採用できる。なお、実施形態1における任意の構成は、本実施形態においても任意の構成である。
本実施形態の面状発光素子では、第2保護部9であるガスバリア層14と、保護基板7とで、第2防湿部16(162)が構成されている。
保護基板7は、有機EL素子5から放射された光に対して透光性を有し、かつ、防湿性を有する。保護基板7は、形成基板1において有機EL素子5とは反対側に配置される。
ガスバリア層14は、有機EL素子5から放射された光に対して透光性を有し、かつ、防湿性を有する。ガスバリア層14は、形成基板1と有機EL素子5との間に介在される。
つまり、第2防湿部162は、重複部位として保護基板7とガスバリア層14とを有する。
以下、ガスバリア層14についてさらに詳細に説明する。
ガスバリア層14として構成される第2保護部9は、形成基板1と有機EL素子5との間において、形成基板1の表面全体に形成されている。すなわち、有機EL素子5の下部層(第1電極2、電極延出部11及び電極導通部12)は、ガスバリア層14の表面に形成されている。
つまり、本実施形態では、第1電極2の層は、ガスバリア層14を介して形成基板1の表面(図8における上面)に設けられる。第2保護部9をガスバリア層14で構成する場合には、第1電極2を形成する前に、ガスバリア層14を形成基板1の表面に積層し、そのガスバリア層14の表面に第1電極2の層を積層する。なお、第1電極2の層とは、第1電極2、電極延出部11及び電極導通部12を含んでパターン状に形成された透明導電層のことである。
本実施形態では、有機EL素子5は、第1保護部6と第2保護部9とに全体が覆い囲まれて保護されることになる。したがって、水分の浸入を効果的に抑制することができる。さらに、保護基板7が形成基板1に接着されていると、この保護基板7でも水分の浸入を高めることができ、さらに防湿性が向上する。
ガスバリア層14は、図1の形態における第2保護部9の材料と同様の材料で構成できるが、特にガスバリア層14に適するためには、透光性があるとともに透湿性の低い材料によって構成されることが好ましい。例えば、SiO2やTiO2などの無機材料によってガスバリア層14を形成することができる。これらは、スパッタ成膜によって形成可能である。
また、ガスバリア性をさらに向上するために、無機材料の複膜層にしたり、あるいは有機膜と無機膜とを順次積層した多層膜構造にしたりしてもよい。また、樹脂層単独で、又は、樹脂層を含んでガスバリア層14を構成する場合には、乾燥剤を含有させることが好ましい。乾燥剤により防湿性を向上して、水分が有機EL素子5へ到達するのを防止する効果を高めることができる。
ガスバリア性を高めるために、ガスバリア層14の厚みは100nm以上であることが好ましい。また、ガスバリア層14の厚みの上限は特に限定されるものではないが、透光性を確保するために、10000nm以下であることが好ましい。また、吸収性のない無機膜であれば上限は特にない。また、ガスバリア層14を光が通過することを考慮して、事前にガスバリア層14の膜厚や屈折率など光学性能を調整しておくことも好ましい。
ガスバリア層14は、可視光領域において平均したときの形成基板1との屈折率の差が0.05以下であることが好ましい。すなわち、ガスバリア層14の可視光領域における屈折率を平均した値と、形成基板1の可視光領域における屈折率を平均した値との差が0.05以下になるものである。
ガスバリア層14の屈折率を形成基板1と同等もしくはなるべく差を小さくすることにより、ガスバリア層14による光学干渉の影響をできるだけ減らすことができる。また、この場合、素子設計の際に、例えば、ガスバリア層14を形成基板1と一体化して考えてもよく、ガスバリア層14を特別に考慮して有機EL素子5の膜厚設計を行わなくてもよくなり、素子の光学設計がしやすくなる。
以上述べたように、本実施形態の面状発光素子では、第2保護部9は、形成基板1の有機EL素子5側の表面(図8における上面)に形成されるガスバリア層14である。
換言すれば、本実施形態の面状発光素子では、第2防湿部16(162)は、重複部位となるガスバリア層14を有する。ガスバリア層14は、有機エレクトロルミネッセンス素子5から放射された光に対して透光性を有し、かつ、防湿性を有する。ガスバリア層14は、形成基板1と有機エレクトロルミネッセンス素子5との間に介在される。
さらに、本実施形態の面状発光素子では、第2防湿部16(162)は、重複部位として保護基板7を有する。保護基板7は、有機EL素子5から放射された光に対して透光性を有し、かつ、防湿性を有する。保護基板7は、形成基板1において有機EL素子5とは反対側に配置される。
また、本実施形態の面状発光素子では、ガスバリア層14は、可視光領域において平均したときの形成基板1との屈折率の差が0.05以下である。つまり、ガスバリア層14は、ガスバリア層14と形成基板1との屈折率との差の、可視光領域に含まれる光についての平均値が0.05以下となるように、形成される。なお、この構成は任意である。
本実施形態の面状発光素子において、保護基板7は任意の構成である。したがって、本形態では、保護基板7が剥離可能に形成されていてもよい。換言すれば、保護基板7は、形成基板1に剥離可能に取り付けられる。
その場合、保護基板7を剥離して面状発光素子を形成することができ、面状発光素子の更なる薄型化が可能になる。また、形成基板1が可撓性のある樹脂材料で構成されていれば、湾曲可能なフレキシブルな面状発光素子を得ることができる。
図9に、保護基板7を剥離した面状発光素子の一例(実施形態2の面状発光素子の変形例)を示す。この面状発光素子は、例えば、図8の形態において、保護基板7が剥離可能な粘着力を有する接着層10によって形成基板1に接着されている場合に、保護基板7を剥離することにより得ることができる。
形成基板1(又はその表面の光取り出し構造部8)と、保護基板7の間を接着する層は、リムーバブルな程度の粘着力にしておけば、このような素子を形成することが可能である。
なお、図9の形態では、接着層10が形成基板1に付着して面状発光素子の一部になっている例を示しているが、もちろん、接着層10は、保護基板7と一緒に剥離されたり、剥離後に除去されたりして、面状発光素子の一部になっていなくてもよい。
このように、ガスバリア層14の存在でガスバリア性が大きく向上する場合には、保護基板7が不要となり、素子の応用範囲が高まる。
つまり、図9に示す面状発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子5と、形成基板1と、光取り出し構造部8と、第1防湿部(第1保護部)6と、第2防湿部16(163)と、を備える。第2防湿部163は、第2保護部9であるガスバリア層14で構成されている。
なお、図9に示される面状発光素子は、例えば、保護基板7とは異なる基板を利用して形成されてもよい。この場合、面状発光素子を形成した後に、面状発光素子から基板を剥離すればよい。
(実施形態3)
図10に、実施形態3の面状発光素子の一例を示す。本実施形態の面状発光素子は、実施形態1と同様の有機EL素子5を備えているが、第1保護部(防湿部)6(63)と第2防湿部16(164)とで実施形態1の面状発光素子と異なる。
本実施形態の面状発光素子の他の構成は、実施形態1の面状発光素子と同様である。したがって、第1防湿部6および第2防湿部16以外の構成(光取り出し構造部8等)については、実施形態1に記載された構成を採用できる。なお、本実施形態において実施形態1と同様の構成については同様の符号を付して説明を省略する。また、実施形態1における任意の構成は、本実施形態においても任意の構成である。
本実施形態において、第2防湿部164は、保護基板7で構成されている。なお、第2防湿部164は、実施形態2と同様のガスバリア層14を備えていても良い。この場合、第2防湿部164は、ガスバリア層14と保護基板7とで構成される。
第1保護部63は、第2防湿部164(保護基板7)とともに有機EL素子5を水分から保護するように収納するハウジングを形成するように構成される。
第1保護部63は、例えば、ガラス基板(例えば、ソーダライムガラス基板、無アルカリガラス基板などの安価なガラス基板)を用いて形成されている。第1保護部63では、保護基板7との対向面(図10における下面)に、有機EL素子5を収納する収納凹所6dが形成されている。
第1保護部63は、接合部19を利用して保護基板7に取り付けられる。第1保護部63は、例えば、第1保護部63の対向面における収納凹所6dの周部の全周で保護基板7に接合される。これによって、有機EL素子5を水分から保護するハウジングが形成される。
本実施形態では、電極延出部11は、形成基板1上から保護基板7の一面(第1保護部63と対向する面、図10における上面)に延長されている。さらに、電極延出部11は、収納凹所6dの外部まで延長されている。すなわち、電極延出部11において収納凹所6dの外部に位置する部位(図10における右端部)は、第1電極2に電位を与えるための外部接続電極として使用される。同様に、電極延出部12は、形成基板1上から保護基板7の一面(第1保護部63と対向する面、図10における上面)に延長されている。さらに、電極延出部12は、収納凹所6dの外部まで延長されている。すなわち、電極延出部12において収納凹所6dの外部に位置する部位(図10における左端部)は、第2電極4に電位を与えるための外部接続電極として使用される。
接合部19は、例えば、低融点ガラス、接着用フィルム、熱硬化樹脂、紫外線硬化樹脂、接着剤(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂など)などである。
なお、第1保護部63の収納凹所6dの内底面に、水分を吸着する吸水材(図示せず)を取り付けても良い。なお、吸水材としては、例えば、酸化カルシウム系の乾燥剤(酸化カルシウムを練り込んだゲッタ)などを用いることができる。
なお、電極延出部11,12を上述のように延長する代わりに、保護基板7の一面(第1保護部63と対向する面)には、有機EL素子5の第1電極2および第2電極4それぞれと電気的に接続される給電用の外部接続電極(図示せず)を設けてもよい。この場合、第1電極2および第2電極4は電極延出部11,12により外部接続電極にそれぞれ電気的に接続される。
光取り出し構造部8は、例えば、形成基板1とは異なる材料で形成される。具体的には、光取り出し構造部8は、プリズムシートや光拡散フィルムなどといった凹凸構造を有する光拡散シートであってもよい。また、光取り出し構造部8は、形成基板1の表面にインプリント法(ナノインプリント法)により凹凸構造を転写することによって形成することができる。また、光取り出し構造部8は、母材に母材と異なる屈折率を有する光拡散材を分散させて形成される光拡散層であってもよい。
光取り出し構造部8は、実施形態1,2と同様に、形成基板1と保護基板7との間に介在されている。
以上述べた本実施形態の面状発光素子では、第1防湿部(第1保護部)63は、第2防湿部164とともに有機エレクトロルミネッセンス素子5を水分から保護するように収納するハウジングを形成するように構成される。
したがって、本実施形態の面状発光素子によれば、全反射ロスを低減して光取り出し効率を高めるとともに、防水性及び耐候性を向上することができる。

Claims (22)

  1. 面状発光素子であって、
    厚み方向の第1面および前記第1面とは反対側の第2面を有し、前記第1面から光を放射する有機エレクトロルミネッセンス素子と、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子から放射された光に対して透光性を有する樹脂材料により形成され、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の前記第1面側に配置される形成基板と、
    前記形成基板に設けられ、前記形成基板の表面における前記有機エレクトロルミネッセンス素子から放射された光の反射を抑制する光取り出し構造部と、
    防湿性を有し、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の前記第2面側に前記有機エレクトロルミネッセンス素子を覆うように配置される第1防湿部と、
    防湿性を有し、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の前記第1面側において水分が前記形成基板を通過することを防止するように前記形成基板を覆う第2防湿部と、
    を備え、
    前記第2防湿部は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の前記厚み方向において前記第1面と重なる重複部位を有し、
    前記形成基板の全体が前記重複部位の表面に配置され、
    前記重複部位は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子から放射された光に対して透光性を有する材料により形成され
    前記第2防湿部は、前記重複部位として保護基板を有し、
    前記保護基板は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子から放射された光に対して透光性を有し、かつ、防湿性を有し、
    前記保護基板は、前記形成基板において前記有機エレクトロルミネッセンス素子とは反対側に配置され、
    前記保護基板は、前記形成基板に剥離可能に取り付けられ
    ことを特徴とする面状発光素子。
  2. 請求項に記載の面状発光素子において、
    前記第1防湿部は、前記形成基板の側面を覆わないように形成される
    ことを特徴とする面状発光素子。
  3. 請求項に記載の面状発光素子において、
    前記第2防湿部は、さらに、コート層を備え、
    前記コート層は、防湿性を有し、前記形成基板の前記側面を覆うように形成される
    ことを特徴とする面状発光素子。
  4. 請求項に記載の面状発光素子において、
    前記コート層は、乾燥剤を含有する材料により形成される
    ことを特徴とする面状発光素子。
  5. 請求項に記載の面状発光素子において、
    さらに、前記有機エレクトロルミネッセンス素子に給電するための電極接続部を備え、
    前記電極接続部は、前記コート層に形成される
    ことを特徴とする面状発光素子。
  6. 請求項に記載の面状発光素子において、
    前記第1防湿部は、前記第2防湿部の前記保護基板とともに前記有機エレクトロルミネッセンス素子を水分から保護するように収納するハウジングを形成するように構成される
    ことを特徴とする面状発光素子。
  7. 請求項に記載の面状発光素子において、
    前記光取り出し構造部は、前記形成基板の前記表面に設けられた凹凸構造部である
    ことを特徴とする面状発光素子。
  8. 請求項に記載の面状発光素子において、
    前記光取り出し構造部は、前記保護基板よりも屈折率が高い
    ことを特徴とする面状発光素子。
  9. 請求項に記載の面状発光素子において、
    前記光取り出し構造部は、前記形成基板よりも屈折率が高い
    ことを特徴とする面状発光素子。
  10. 請求項に記載の面状発光素子において、
    前記光取り出し構造部は、前記形成基板とは異なる材料で形成される
    ことを特徴とする面状発光素子。
  11. 請求項10に記載の面状発光素子において、
    前記光取り出し構造部は、前記形成基板と前記保護基板との間に介在される
    ことを特徴とする面状発光素子。
  12. 請求項10に記載の面状発光素子において、
    前記光取り出し構造部は、前記形成基板と前記有機エレクトロルミネッセンス素子との間に介在される
    ことを特徴とする面状発光素子。
  13. 請求項10に記載の面状発光素子において、
    前記光取り出し構造部は、前記保護基板よりも屈折率が高い母材に前記母材と異なる屈折率を有する光拡散材を分散させて形成される光拡散層である
    ことを特徴とする面状発光素子。
  14. 請求項10に記載の面状発光素子において、
    前記光取り出し構造部は、前記形成基板よりも屈折率が高い母材に前記母材と異なる屈折率を有する光拡散材を分散させて形成される光拡散層である
    ことを特徴とする面状発光素子。
  15. 請求項10に記載の面状発光素子において、
    前記光取り出し構造部は、前記形成基板よりも屈折率が低い
    ことを特徴とする面状発光素子。
  16. 請求項10に記載の面状発光素子において、
    前記光取り出し構造部は、前記保護基板よりも屈折率が低い
    ことを特徴とする面状発光素子。
  17. 請求項に記載の面状発光素子において、
    前記形成基板は、前記保護基板よりも屈折率が高い
    ことを特徴とする面状発光素子。
  18. 請求項に記載の面状発光素子において、
    前記保護基板は、ガラスにより構成されている
    ことを特徴とする面状発光素子。
  19. 請求項1に記載の面状発光素子において、
    前記第2防湿部は、前記重複部位としてガスバリア層を更に備え
    前記ガスバリア層は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子から放射された光に対して透光性を有し、かつ、防湿性を有し、
    前記ガスバリア層は、前記形成基板と前記有機エレクトロルミネッセンス素子との間に介在される
    ことを特徴とする面状発光素子。
  20. 請求項19に記載の面状発光素子において、
    前記ガスバリア層は、前記ガスバリア層と前記形成基板との屈折率との差の、可視光領域に含まれる光についての平均値が0.05以下となるように、形成される
    ことを特徴とする面状発光素子。
  21. 請求項1に記載の面状発光素子において、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子は、
    発光層と、
    前記発光層と前記形成基板との間に介在される電極と、
    を備え、
    前記電極は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子から放射された光を通すような厚みの金属薄膜を用いて形成される
    ことを特徴とする面状発光素子。
  22. 請求項21に記載の面状発光素子において、
    前記金属薄膜は、AgまたはAg合金により形成される
    ことを特徴とする面状発光素子。
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