JP2013165007A - 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 Download PDF

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和幸 山江
Nobuhiro Ide
伸弘 井出
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裕子 松久
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Abstract

【課題】光取り出し性に優れ、水分の浸入を効果的に抑制し、劣化を低減した信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【解決手段】有機エレクトロルミネッセンス素子は、第1の防湿性基材1と樹脂基材2とにより構成された複合基材3における樹脂基材2側の表面に、第1電極4、有機発光層5及び第2電極6をこの順で有する発光積層体10が設けられ、この発光積層体10が、外周部において複合基材3に接着される第2の防湿性基材7により封止されたものである。樹脂基材2は、第2の防湿性基材7の封止により形成された封止領域からはみ出した部分が、防湿膜8によって被覆されている。防湿膜8の表面に、第1電極4に電気的に接続された第1取り出し電極部11と、第2電極6に電気的に接続された第2取り出し電極部12とが設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法に関する。
近年、有機エレクトロルミネセンス素子(以下「有機EL素子」ともいう)が照明パネルなどの用途に応用されている。有機EL素子としては、透光性の第1電極(陽極)と、発光層を含む複数の層により構成される有機発光層と、第2電極(陰極)とが、この順で透光性の基板の表面に積層形成されたものが知られている。有機EL素子では、陽極と陰極の間に電圧を印加することによって、発光層で発した光が透光性の電極及び基板を通して外部に取り出される。
有機EL素子では、一般的に、発光層の光は基板での吸収や層界面での全反射などによって光量が減少するため、外部に取り出される光は理論上の発光量よりも少なくなる。そのため、有機EL素子においては、高輝度化のために光取り出し効率を高めることが課題の一つとなっている。その方策の一つとして、光取り出し性を高めるために、透光性基板の第1電極側の表面に光取り出し性を高める基材を設けて複合基材を形成し、この複合基材の表面に電極及び有機発光層を積層させることが知られている。光取り出性を高めた複合基材を用いることにより、基板と電極との界面における全反射が低減されて、光をより多く外部に取り出すことが可能になる。
特開2005−108824号公報 特開2011−165444号公報
有機EL素子においては、有機発光層が水分によって劣化しやすいため、素子内部に水分を浸入させないようにすることが重要である(例えば特許文献1参照)。水分によって有機発光層が劣化すると、発光不良等の原因となり、有機EL素子の信頼性を低下させてしまう。特に、光取り出し性を高める基材として、プラスチック、樹脂材料など、水分の透過性が比較的高い材料を用いて複合基材を形成した場合は、この材料を介しての内部への水分の侵入が問題となる。
光取り出し性を高める基材からの水分の浸入を抑制するために、基材を防湿性の材料で形成することも考えられる。しかしながら、光取り出し性を高める基材を防湿性の材料で形成しようとすると、この基材は光透過性や光取り出し性を満たしながら防湿性を満足させる必要があり、基材を簡単に得ることができなくなるおそれがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、光取り出し性に優れ、水分の浸入を効果的に抑制し、劣化を低減した信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とするものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、第1の防湿性基材と樹脂基材とにより構成された複合基材における前記樹脂基材側の表面に、第1電極、有機発光層及び第2電極をこの順で有する発光積層体が設けられ、この発光積層体が、外周部において前記複合基材に接着される第2の防湿性基材により封止された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、前記樹脂基材は、前記第2の防湿性基材の封止により形成された封止領域からはみ出した部分が、防湿膜によって被覆されており、前記防湿膜の表面に、前記第1電極に電気的に接続された第1取り出し電極部と、前記第2電極に電気的に接続された第2取り出し電極部とが設けられていることを特徴とするものである。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、好ましくは次のうちのいずれか1つ以上の特徴を有する。
・前記第2の防湿性基材は、平面視において前記防湿膜が設けられている領域において、前記複合基材に接着されている。
・前記樹脂基材の端部側面は、前記第1の防湿性基材の表面に対して素子内部側に傾斜した傾斜面として形成されている。
・前記樹脂基材の端部は、表面から側面にかけて縁部が曲線状に形成されている。
・前記防湿膜における素子内部側の端部側面は、前記樹脂基材の表面に対して素子外部側に傾斜した傾斜面として形成されている。
・前記防湿膜における素子内部側の端部は、表面から側面にかけて縁部が曲線状に形成されている。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、上記の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する方法であって、前記第1の防湿性基材の表面に前記樹脂基材を設けた後、この樹脂基材を複数に分断して前記樹脂基材の端部側面を露出させる分断露出工程と、前記樹脂基材が分断された部位に前記防湿膜の材料を供給して、個別化された前記樹脂基材の端部を前記防湿膜で被覆する被覆工程と、前記樹脂基材の端部が前記防止膜で被覆された前記第1の防湿性基材の表面に、電極材料を積層した後、パターン状に加工して、前記樹脂基材の表面に前記第1電極を形成するとともに、前記防湿膜の表面に前記第1取り出し電極部及び前記第2取り出し電極部を形成する電極形成工程と、を有する工程により製造することを特徴とするものである。
本発明によれば、樹脂基材を有する複合基材を用いることにより光取り出し性を高めることができ、樹脂基材の封止領域からはみ出した部分が防湿膜によって被覆されていることにより、水分の浸入を効果的に抑制することができる。そのため、光取り出し性に優れ、劣化を低減した信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子の実施の形態の一例を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のX−X’断面図である。 (a)及び(b)は、有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を説明する拡大断面図である。 (a)、(b)及び(c)は、有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を説明する拡大断面図である。 (a)〜(f)は、有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を説明する拡大断面図である。 (a)、(b)及び(c)は、有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を説明する拡大断面図である。 (a)〜(f)は、有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を説明する拡大断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造の一例を示す斜視図である。 (a)及び(b)は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造の一例を示す斜視図である。 (a)〜(c)は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造の一例を示す斜視図である。 (a)〜(f)は、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造の一例を示す平面図である。
図1は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の実施の形態の一例を示している。この有機EL素子は、第1の防湿性基材1と樹脂基材2とにより構成された複合基材3が、積層体を形成するための基材として用いられている。そして、複合基材3における樹脂基材2側の表面に、第1電極4、有機発光層5及び第2電極6をこの順で有する発光積層体10が設けられている。発光積層体10は、外周部において複合基材3に接着される第2の防湿性基材7により封止されている。第2の防湿性基材7の接着は、複合基材3の外周端部の表面に形成された接着層9により行われている。なお、図1(a)では、素子構成を分かりやすくするため、第2の防湿性基材7の記載を省略し、接着層9が設けられる領域を破線に囲まれた斜線の範囲で示している。また、有機発光層5及び第2電極6を点線で示し、第1電極4を形成している導電層を実線で示している。また、樹脂基材2の外縁F1を一点鎖線で示している。また、図1(b)では、端部の構成を分かりやすくするため、中央部を省略している。
第1の防湿性基材1は、光透過性を有する透明な基板(透光性基板)であり、ガラス基板などを用いることができる。第1の防湿性基板1をガラス基板で構成した場合、ガラスは水分の透過性が低いので、封止領域の内部に水分が浸入することを抑制することができる。本形態の有機EL素子では、この第1の防湿性基材1の表面に樹脂基材2が設けられて、複合基材3が構成されている。樹脂基材2は、平面視(第1の防湿性基材1表面と垂直な方向から見た場合)において、第1の防湿性基材1よりもやや小さい範囲で設けられている。
樹脂基材2は、透光性を有し、有機発光層5で生じた光を外部側へより多く取り出す基材であり、光取り出し性を有するものである。第1の防湿性基材1の表面に樹脂基材2を設けることにより、第1の防湿性基材1と第1電極4との間の屈折率差を緩和することができ、光取り出し性を高めることができる。すなわち、発光層において発光した光は直接又は反射して基板に到達するが、この界面における屈折率差が大きいと全反射によって光を多く取り出せなくなるおそれがある。そこで、光取り出し性を有する樹脂基材2を、第1の防湿性基材1の第1電極4側の表面に設けると、全反射光を低減して光取り出し性を高めることができるのである。例えば、第1の防湿性基材1と第1電極4との間の屈折率を有するような樹脂基材2を設けることにより、屈折率差を小さくして全反射光を低減して光取り出し性を高めることができる。あるいは、光を散乱させるような機能を有する樹脂基材2を第1の防湿性基材1の表面に設けると、第1の防湿性基材1側に向かう光が、樹脂基材2によって散乱されて全反射が抑制され、光をより多く外部に取り出すことができる。
樹脂基材2としては、例えば、プラスチック基材により構成することができる。プラスチック基材としては、プラスチックの原料となる合成樹脂が成形されて硬化した成形体(シート、フィルムなど)を用いることができる。このプラスチック基材を第1の防湿性基材1に張り合わせることにより複合基材3を形成することができる。貼り合わせは、熱圧着により行ってもよいし、接着剤を用いて行ってもよい。プラスチック基材としては、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)などのプラスチック材料により形成されたものを用いることができる。なお、樹脂基材2は、例えば、第1の防湿性基材1の表面に樹脂組成物を塗布して硬化させることにより形成することもできる。ただし、プラスチック基材を用いる方が簡単に光取り出し性を高める複合基材3を得ることができる。また、プラスチック基材を用いれば、簡単に発光積層体10の形成基板としての機能を付与することができる。
第1の防湿性基材1と樹脂基材2との間には、光取り出し性を高める光取り出し構造部が設けられていてもよい。それにより、光取り出し性をさらに高めることができる。光取り出し構造部は、第1の防湿性基材1の表面に凹凸構造を設けたり、光散乱物質を含有する光散乱層を設けたりすることによって形成できる。また、第1の防湿性基材1の外部側の表面に、光散乱層などの光取り出し機能部がさらに設けられていてもよい。光取り出し構造部や光取り出し機能部は、光透過性を有する構造であればよい。
発光積層体10は、第1電極4、有機発光層5及び第2電極6により形成される積層体である。通常、第1電極4は陽極を構成し、第2電極6は陰極を構成するが、その逆であってもよい。第1電極4は、光透過性を有しており、光取り出し側の電極となる。また、第2電極6は光反射性を有していてもよい。その場合、第2電極6側に向って発せられる発光層からの光を、第2電極6で反射させて複合基材3側から取り出すことができる。有機発光層5は、発光を生じさせる機能を有する層であり、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、中間層などから適宜選ばれる複数の層によって構成されるものである。
第2の防湿性基材7は、発光積層体10を封止するための基材(封止基材)であり、水分の透過性が低い基板材料を用いて形成することができる。例えば、ガラス基板や、金属基材などを用いることができる。第2の防湿性基材7は接着層9により複合基材3に接着されている。第2の防湿性基材7によって封止された領域、すなわち、接着層9の内部側の領域が、封止領域となる。第2の防湿性基材7によって封止された領域(封止領域)には、封止空間13が形成されている。封止空間13には乾燥剤を設けてもよい。それにより、封止空間13に水分が浸入したとしても、浸入した水分を吸収することができる。例えば、第2の防湿性基材7の発光積層体10側の面に貼り付けることにより乾燥剤を封止空間13内に設けることができる。また、封止空間13は充填材により充填されていてもよい。
本形態の有機EL素子では、樹脂基材2は、第2の防湿性基材7の封止により形成された封止領域からはみ出した部分が、防湿膜8によって被覆されている。発光積層体10は、接着層9によって複合基材3に接着される第1の防湿性基材7により封止されるものであるが、複合基材3が樹脂基材2を有する場合には、樹脂基材2を介しての水分の浸入が問題となる。すなわち、樹脂基材2が外部に露出していると、この外部の露出部分から樹脂基材2の内部に水分が浸入し、浸入した水分は樹脂基材2を通って封止領域の内部において封止空間13に放出されるおそれがある。そこで、本形態の有機EL素子では、樹脂基材2の封止領域外部にはみ出した部分を防湿膜8によって被覆するようにしている。それにより、樹脂基材2が外部に露出しなくなるので、外部からの水分の浸入を抑制することができる。この防湿膜8は、封止領域の外部において防湿膜8が存在しないと仮定した場合に外部に露出される樹脂基材2の領域に少なくとも設けられるものであってよい。封止領域の外部において樹脂基材2の露出がなくなると、樹脂基材2が外部空間に直接接触することがなくなるため、水分の浸入を効果的に抑制することができる。
防湿膜8は、樹脂基材2と第1の防湿性基材1との境界部分を被覆していることが好ましい。平面視において樹脂基材2が第1の防湿性基材1よりも小さい場合には、図1(b)に示すように、防湿膜8は、第1の防湿性基材1の外周端部の表面に接触して形成されることになる。また、樹脂基材2が第1の防湿性基材1と同じかそれよりも大きい場合には、防湿膜8は、第1の防湿性基材1の外周端部の側面に接触して形成されることになる。第1の防湿性基材1と樹脂基材2との境界部分が外部に露出していると、第1の防湿性基材1と樹脂基材2との界面から水分が浸入するおそれがある、しかし、樹脂基材2と第1の防湿性基材2との境界部分が防湿膜8によって被覆されていると、第1の防湿性基材1と樹脂基材2との界面が外部に露出しなくなるので、外部からの水分の浸入をさらに抑制することができる。
防湿膜8は、平面視における複合基板3の中央領域には設けられなくてよい。複合基板3の中央領域は、発光積層体10が設けられることにより発光領域を形成する領域であり、この部分に防湿膜8が設けられると、光取り出し性を高めることができなくなるおそれがある。また、防湿膜8を複合基板3の外周端部のみに設けるようにすれば、発光領域に防湿膜8が形成されないことになるので、防湿膜8の屈折率を調整したり、防湿膜8を透明にしたりする必要がなくなり、防湿膜8を簡単に形成することができる。
防湿膜8は、樹脂基材2よりも水分透過性が低いものである。それにより、樹脂基材2に水分が浸入するのを抑制できる。したがって、防湿膜8は、樹脂基材2よりも水分透過性の低い材料で形成することができる。また、防湿膜8は、絶縁性を有するものである。防湿膜8が絶縁性を有していないと、二つの電極がショートしてしまう。したがって、防湿膜8は、絶縁材料により形成することができる。よって、防湿膜8は、絶縁性と防湿性を有する材料により形成することができるものである。
防湿膜8は、例えば、無機成分を主成分とする材料により形成することができる。無機成分が主成分となることで水分の浸入を高く抑制することができる。無機成分を主成分とする材料には、バインダーなどの目的で有機成分や樹脂を含んでもよいが、有機成分や樹脂を含まないことがより好ましい。それにより、水分の浸入の抑制効果をさらに高めることができる。無機成分としては、例えば、SiO、SiN、MoO、SiCから選ばれる少なくとも1種以上を用いることができる。これらの材料を用いることにより、水分に対するバリア性を高めることができる。
また、防湿膜8をガラス粒子含有組成物や塗布ガラスにより構成することも好ましい。ガラス粒子含有組成物はガラス粒子が流動媒体に分散されたものである。また、塗布ガラスは、流動性のあるガラス材料である。流動性のあるガラス材料又はガラス組成物が固化することにより、防湿膜8を形成することができる。材料としてガラスを用いれば、簡単に水分透過性の低い防湿膜8を形成することができる。なお、後述のように分断して個別化する方法で有機EL素子を製造する場合において防湿膜8がガラス材料であれば、分断する材料をガラス材料に揃えることができるので、個別化を容易にすることができる。
また、防湿膜8を防湿性の樹脂組成物で形成することもできる。防湿性の樹脂組成物は、乾燥剤や充填剤を含有していてもよい。ペースト状の樹脂組成物を用いると、塗布によって簡単に防湿膜8を形成することができる。樹脂としては、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂を用いる場合は、硬化温度が樹脂基材2の耐熱温度よりも低いことが好ましい。熱硬化性樹脂としてはエポキシ系樹脂などが例示される。紫外線硬化樹脂としてはアクリル系樹脂などが例示される。
有機EL素子では、第1電極4と第2電極6とに電圧を印加し、有機発光層5において正孔と電子を結合させて発光を生じさせる。そのため、第1電極4及び第2電極6のそれぞれと導通する電極端子として機能する部分を封止領域よりも外部に引き出して設ける必要がある。電極端子は、外部電極と電気的に接続するための端子であり、いわゆる取り出し電極である。
本形態では、複合基板3の表面端部には、電極端子を構成する第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12が形成されている。第1取り出し電極部11は第1電極4と電気的に接続されており、第2取り出し電極部12は第2電極6と電気的に接続されている。第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12は封止領域の縁部である接着層9を跨って形成されている。それにより、外部電極との接続が可能になっている。そして、第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12は、防湿膜8の表面に形成されている。
第1取り出し電極部11は、第1電極4を構成する導電層が複合基材3の端部側に引き出され、封止領域の内部から外部に延出されることによって形成されている。すなわち、第1電極4を構成する導電層は、第1取り出し電極部11が設けられる端部では、防湿膜8の内部側の縁部を乗り越えるようにして跨いで、封止領域外部における防湿膜8の表面にまで形成されている。第1電極4と導通する第1取り出し電極部11が、第2の防湿性基材7によって封止された領域(封止領域)よりも外側に引き出されることにより、封止領域の外部に電極端子を形成することが可能になる。
また、第2取り出し電極部12は、第1電極4を形成するための導電層の一部が第1電極4から分離されるとともに、複合基材3の端部側に引き出され、封止領域の内部から外部に延出されることによって形成されている。すなわち、第2取り出し電極部12を構成する導電層は、樹脂基材2の表面に形成されるとともに、防湿膜8の内部側の縁部を乗り越えるようにして跨いで、封止領域外部における防湿膜8の表面にまで形成されている。第2電極6と導通する第2取り出し電極部12が、第2の防湿性基材7によって封止された領域(封止領域)よりも外側に引き出されることにより、封止領域の外部に電極端子を形成することが可能になる。第2取り出し電極部12は、封止領域の内部において、積層された第2電極6と接触しており、それにより第2取り出し電極部12と第2電極6とが導通する構造となっている。
第1電極4、第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12は、同じ導電材料を用いて形成することができる。例えば、透明金属酸化物により形成することができる。具体的には、例えば、この導電層をITOで構成することができる。この導電層は、金属含有材料によって構成されるため、通常、樹脂材料よりも水分の透過性が低い。したがって、第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12が封止領域の外部に露出していても、この部分からの水分の侵入は抑制される。また、導電層により樹脂基材2を被覆すると、樹脂基材2が外部や封止空間13において露出しなくなるので、この部分を介して水分が透過するのを抑制することができる。
第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12の表面には、通電を補助する補助電極が設けられていてもよい。補助電極は、第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12を形成する材料よりも導電性の高い材料で形成することができる。例えば、金属層にすることができる。第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12は、第1電極4を構成する透明導電層により形成されるものであるが、そのような透明導電層は電気的抵抗が比較的高く導通性が低下するおそれがある。しかしながら、補助電極を設けることにより通電が補助され、第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12の導通性を高めることができる。特に、発光領域の面積が大きくなると電極に均一に電荷を与えにくくなって面内で均一な発光を得られにくくなるが、補助電極を設けることにより、面内における発光をより均一に近づけることができる。なお、補助電極は、封止領域の内部に設けられていてもよいし、外部に設けられていてもよい。
第2の防湿性基材7は、接着層9により複合基材3に接合されている。この接着層9は、発光積層体10の外周を取り囲んで複合基材3の表面に設けられている。発光積層体10は、接着層9により外縁が形成される封止領域の内部に配置されている。そして、接着層9が発光積層体10の外周を取り囲んで第2の防湿性基材7と複合基材3とを接合することにより、発光積層体10は、外部空間から遮断されて封止されることになる。
接着層9は、適宜の接着材料により構成されるものであり、例えば、樹脂性の接着材料を用いることができる。樹脂性の接着材料は、防湿性を有していてもよい。例えば、乾燥剤を含有することにより防湿性を高めることができる。樹脂性の接着材料は、粘着性材料であってもよく、あるいは、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂などを主成分とするものであってもよい。熱硬化性樹脂を用いる場合は、樹脂基材2の耐熱温度よりも低い温度で硬化する樹脂を用いることが好ましい。
本形態の有機EL素子では、樹脂基材2が外部に露出しなくなり、外部空間から遮断される。すなわち、樹脂基材2における発光積層体10と反対側の表面は、第1の防湿性基材1によって覆われて外部空間から遮断されている。また、樹脂基材2における発光積層体10側の表面は、平面視において中央領域が第1の防湿性基材7によって封止されることにより、外部空間から遮断されている。また、樹脂基材2における封止領域より外側の外周端部は、表面及び側面が防止膜8によって覆われて、外部空間から遮断されている。したがって、樹脂基材2は全体として外部に露出しなくなっている。そのため、樹脂基材2が外部空間と接触しなくなり、外部から水分が樹脂基材2に浸入することを効果的に抑制することができるものである。
第2の防湿性基材7は、平面視において防湿膜8が設けられている領域において、複合基材3に接着されていることが好ましい。図1においては、防湿膜8の外縁を外縁E1で示し、防湿膜8の内縁を内縁E2で示している。そして、接着層9は、防湿膜8の外縁E1と内縁E2との間の領域において、すなわち、防湿膜8が設けられている基材端部領域において形成されている。よって、図1の形態では、第2の防湿性基材7は、防湿膜8が設けられている領域で複合基材3に接着されているものとなる。
図1の形態では、接着層9は、その大部分が第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12の表面(導電層の表面)に形成されているが、第1取り出し電極部11と第2取り出し電極部12とが分離してできた間隙にも接着層9は形成されている。接着層9は、第1取り出し電極部11の端部と第2取り出し電極部12の端部とを跨いで形成されているためである。第1取り出し電極部11と第2取り出し電極部12との間の間隙には、第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12の下層(第1の防湿性基材1側の層)が配置されている。
図2は、第1取り出し電極部11と第2取り出し電極部12との分離部分を示す各一例である。図2(b)は、第2の防湿性基材7が、防湿膜8が設けられていない領域において、複合基材3に接着されている例である。この例では、接着層9が防湿膜8の内縁E2よりも内側で設けられており、防湿膜8の内縁E2は接着層9の外縁よりも外側に配置している。図2(b)の場合、第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12の間隙には樹脂基材2が存在しており、接着層9は樹脂基材2の表面に形成されることになる。そして、図2(b)に示すように、接着層9と防湿膜8との間において隙間ができやすくなり、隙間が形成されることによって樹脂基材2が外部に露出する部分として露出部2xが形成されてしまうおそれがある。また、防湿膜8の内縁E2と接着層9の側面とを密着させて樹脂基材2の露出部2xを形成しないようにした場合であっても、防湿膜8が接着層9の側面で途切れることになるため、防湿膜8と接着層9との界面から樹脂基材2に水分が浸入しやすくなるおそれがある。
一方、図2(a)は、第2の防湿性基材7が、防湿膜8が設けられている領域において、複合基材3に接着されている例である。この例では、接着層9が防湿膜8の内縁E2よりも外側で設けられており、防湿膜8の内縁E2は接着層9の内縁よりも内側に配置している。図2(a)の場合、第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12の間隙には防湿膜8が存在しており、接着層9は防湿膜8の表面に形成されることになる。そし、図2(a)に示すように、防湿膜8が接着層9の領域を跨って封止領域の内部と外部とに連続して設けられているため、図2(b)の場合のような接着層9の側部からの水分の浸入を防ぐことができる。したがって、防湿膜8が設けられている領域に接着層9を形成することにより、水分の浸入を効果的に抑制することができるものである。
防湿膜8は、さらに、第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12によって形成される間隙の全体を被覆するものであってもよい。その場合、図1のような形態においては、防湿膜8の内縁E2は、第1電極2及び第1取り出し電極部11を一体的に形成している導電層の外縁よりも内側に配置されることになる。つまり、防湿膜8は、第1電極2を形成している導電層が第1取り出し電極部11に分岐する位置よりも内部側に延出して設けられることになる。それにより、封止領域13の内部において樹脂基材2を防湿膜8で被覆するため、樹脂基材2と封止空間13とが接触することがなくなり、樹脂基材2に水分が浸入したとしても、樹脂基材2から封止空間13内に水分が放出されるのを抑制することができる。
本形態の有機EL素子では、樹脂基材2の端部側面2bは、第1の防湿性基材1の表面1aに対して素子内部側に傾斜した傾斜面として形成されていることが好ましい。図1では、樹脂基材2の外縁を外縁F1で示している。そして、この外縁F1における端部の側面2bが傾斜面となっていることが好ましいのである。このとき、樹脂基材2においては、側面2bと第1の防湿性基材1側の表面とのなす角(傾斜角θ1)は、鋭角となる。
また、樹脂基材2の端部は、表面2aから側面2bにかけて縁部2cが曲線状に形成されていることが好ましい。すなわち、樹脂基材2の端部における発光積層体10側の角部が丸まっていることが好ましい。
図3は、樹脂基材2の端部近傍の一例を示している。図3(a)は、第1の防湿性基材1の表面に樹脂基材2が形成された複合基材3を示している。有機EL素子では、この複合基材3の表面に防湿膜8を積層して形成する。その際、図3(b)のように、積層が良好になされると、防湿膜8が樹脂基材2の側面2bを覆って、樹脂基材2の端部全体を被覆することができる。それにより、樹脂基材2が外部に露出しなくなる。しかしながら、図3(c)のように、防湿膜8の積層が良好に行われない場合、防湿膜8が段切れして分断され、防湿膜8の分断部8xが形成されるおそれがある。例えば、樹脂基材2の厚みが防湿膜8の厚みに比べてかなり厚い場合などが考えられる。そして、防湿膜8が分断されると、樹脂基材2が外部に露出し、この部分から水分が浸入しやすくなるおそれがある。また、防湿膜8が分断されなくても防湿膜8の厚みが薄くなったりした場合、防湿膜8が薄いとその部分における水分に対するバリア性が十分でなくなり、水分が浸入しやくするなるおそれがある。そこで、樹脂基材2の端部側面2bを傾斜面にしたり、縁部2cを曲線状にしたりすることによって、防湿膜8による被覆を十分なものにすることができる。
図4は、樹脂基材2の端部近傍の一例を示している。図4(a)の形態は、樹脂基材2の端部側面2bを内側に傾斜した傾斜面にした複合基材3の例である。そして、この複合基材3に防湿膜8を積層して形成すると、図4(b)に示すように、傾斜面の表面に防湿膜8が形成されるため、防湿膜8が段切れすることを低減することができ、樹脂基材2が外部に露出することを抑制することができる。
図4(c)の形態は、樹脂基材2における表面2aと側面2bとの縁部2cを曲線状に形成した複合基材3の例である。そして、この複合基材3に防湿膜8を積層して形成すると、図4(d)に示すように、角が丸まった縁部2cを跨って防湿膜8が形成されるため、防湿膜8が段切れすることを低減することができ、樹脂基材2が外部に露出することを抑制することができる。
図4(e)の形態は、樹脂基材2の端部側面2bを内側に傾斜した傾斜面にし、さらに、樹脂基材2における表面2aと側面2bとの縁部2cを曲線状に形成した複合基材3の例である。そして、この複合基材3に防湿膜8を積層して形成すると、図4(f)に示すように、角が丸まった縁部2cを跨りながら傾斜面の表面に防湿膜8が形成されるため、防湿膜8が段切れすることをさらに低減することができ、樹脂基材2が外部に露出することを抑制することができる。
なお、傾斜角θ1は、90度より小さい範囲で適宜に設定されるものであり、30度以上、45度以上、60度以上又は75度以上であってもよい。また、傾斜角θ1は、75度以下又は60度以下であってもよい。
本形態の有機EL素子では、防湿膜8における素子内部側の端部側面8bは、樹脂基材2の表面2aに対して素子外部側に傾斜した傾斜面として形成されていることが好ましい。図1では、防湿膜8における素子内部側の端部の内縁が内縁E2で示されている。そして、この内縁E2における端部の側面8bが傾斜面となっていることが好ましいのである。このとき、防湿膜8においては、側面8bと樹脂基材2側の表面とのなす角(傾斜角θ2)は、鋭角となる。
また、防湿膜8における素子内部側の端部は、表面8aから側面8bにかけて縁部8cが曲線状に形成されていることが好ましい。すなわち、防湿膜8の内部側の表面端部の角部が丸まっていることが好ましい。
図5は、防湿膜8の端部近傍の一例を示している。図5(a)は、樹脂基材2の表面に防湿膜8が形成された複合基材3を示している。有機EL素子では、防湿膜8と樹脂基材2の表面に導電層を積層して第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12を形成する。その際、図5(b)のように、積層が良好になされると、導電層が防湿膜8の側面8bを覆って、導電層が分断しなくなる。それにより、第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12の導通性が確保される。しかしながら、図5(c)のように、導電層の積層が良好に行われない場合、導電層が段切れして分断され、第1取り出し電極部11の分断部11x、11yや第2取り出し電極部12の分断部12x、12yが形成されるおそれがある。例えば、防湿膜8の厚みが導電層の厚みに比べてかなり厚い場合などが考えられる。そして、導電層が分断されると、第1取り出し電極部11や第2取り出し電極部12の導通性が阻害されて、第1電極4や第2電極6と電気的に接続されなくなるおそれがある。また、導電層が分断されなくても導電層の厚みが薄くなったりした場合、導電層が薄いとその部分における電気的抵抗が高くなり、良好な通電性を得られなくなるおそれがある。そこで、防湿膜8の端部側面8bを傾斜面にしたり、縁部8cを曲線状にしたりすることによって、第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12の導通性を十分なものにすることができる。
図6は、防湿膜8の素子内部側の端部近傍の一例を示している。図6(a)の形態は、防湿膜8の端部側面8bを外側に傾斜した傾斜面にして形成した例である。そして、内部側の端部側面8bが傾斜面として形成された防湿膜8に導電層を積層して形成すると、図6(b)に示すように、傾斜面の表面に導電層が形成されるため、導電層が段切れすることを低減することができる。そのため、第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12の導通性を高めることができる。
図6(c)の形態は、防湿膜8における表面8aと側面8bとの縁部8cを曲線状に形成した例である。そして、縁部8cが曲線状に形成された防湿膜8に導電層を積層して形成すると、図6(d)に示すように、角が丸まった縁部8cを跨って導電層が形成されるため、導電層が段切れすることを低減することができる。そのため、第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12の導通性を高めることができる。
図6(e)の形態は、防湿膜8の端部側面8bを外側に傾斜した傾斜面にして形成し、さらに、防湿膜8における表面8aと側面8bとの縁部8cを曲線状に形成した例である。そして、この防湿膜8に導電層を積層して形成すると、図6(f)に示すように、角が丸まった縁部8cを跨りながら傾斜面の表面に導電層が形成されるため、導電層が段切れすることをさらに低減することができる。そのため、第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12の導通性をさらに高めることができる。
なお、傾斜角θ2は、90度より小さい範囲で適宜に設定されるものであり、30度以上、45度以上、60度以上又は75度以上であってもよい。また、傾斜角θ2は、75度以下又は60度以下であってもよい。
次に、図1の形態の有機EL素子を製造する方法の一例を説明する。
有機EL素子の製造にあたっては、複数の有機EL素子が面方向に縦横に連結して並んだ有機EL素子連結体を形成し、この有機EL素子連結体を分断して個別化することで製造することができる。それにより、複数の有機EL素子を同時に形成することができ、製造効率を高めることができる。
まず、第1の防湿性基材1と樹脂基材2を準備する。第1の防湿性基材1としてはガラス基板を用いることができ、樹脂基材2としてはプラスチックシートを用いることができる。このとき、複数の有機EL素子が並んだ分の大きさ以上の第1の防湿性基材1及び樹脂基材2を準備する。
そして、第1の防湿性基材1の表面に樹脂基材2を設けた後、この樹脂基材2を複数に分断して樹脂基材2の端部側面2bを露出させる。これが分断露出工程となる。第1の防湿性基材1の表面に樹脂基材2を形成するには、例えば、プラスチックシートをガラス基板に重ねて熱圧着することにより行うことができる。あるいは、接着剤によりプラスチックシートをガラス基板に貼り付けてもよい。
樹脂基材2を複数に分断して樹脂基材2の端部側面2bを露出させる際には、複合基材3における樹脂基材2を切断するようにし、第1の防湿性基材1を切断しないようにする。それにより、一体化している第1の防湿性基材1の表面に、分断して個別化された樹脂基材2が形成される。第1の防湿性基材1を切断せずに、樹脂基材2をあらかじめ切断(プリカット)しておくと、有機EL素子を個別化する際に、プリカット部分において切断しやすくすることができる。
図7は、分断露出工程の一例を示している。樹脂基材2の分断は、切断具などによって行うことができ、例えば、カッタ20aを先端に有するカッティングプロッタ20などを用いることができる。あるいは、切断具としてレーザなどのエネルギー照射装置を用い、エネルギー線で樹脂基材2を焼き切ってもよい。分断露出工程により、樹脂基材2が分断され、個別化された樹脂基材2、2間の溝として樹脂間溝14が形成される。
図8(a)は、分断露出工程後の複合基材3の一例を示している。樹脂間溝14においては、樹脂基材2の端部側面2bが露出している。なお、個別化された樹脂基材2、2との間には、樹脂間溝14のような溝ができる程度の隙間が形成されることが好ましい。隣り合う樹脂基材2、2の端部側面2b、2bが密着していると、この部分に防湿膜8の材料が侵入しにくくなり、樹脂基材2の端部を防湿膜8で被覆することができなくなるおそれがある。
樹脂基材2の端部の形状は、分断露出工程の際の切断により形成されるものである。したがって、切断加工を適宜に行うことによって、樹脂基材2の端部側面2bを傾斜面にしたり、樹脂基材2の端部の縁部2cを曲線状に形成したりすることができる。端部の形状の調整は、例えば、分断加工をする際に、先端が傾斜面となったカッタ20aを用いることにより行うことができる。あるいは、カッティングする際にカッティング角度を調整することで行うことができる。また、エネルギー線を照射して分断する場合には、エネルギー線照射角度を調整することで行うことができる。なお、分断露出工程とは別の工程で、端部の形状を調整する工程を行ってもよい。
次に、樹脂基材2が分断された部位に防湿膜8の材料を供給して、個別化された樹脂基材2の端部を防湿膜8で被覆する。これが被覆工程となる。防湿膜8の材料の供給は、塗布や蒸着などによって行うことができる。
図8(b)は、防湿膜8が形成された複合基材3の一例を示している。この形態では、防湿膜8は、樹脂間溝14を充填するように積層して形成されている。また、防湿膜8は、隣り合う樹脂基材2の端部の間を跨って形成されている。このように、隣り合う樹脂基材2を跨いで防湿膜8を形成すると製造効率を向上することができる。
図8(b)のように樹脂基材2の表面に形成された防湿膜8の各端部は、個別化されたときに素子内部側に配置する防湿膜8の端部となる。したがって、適宜に塗布方法や蒸着方法を調整することにより、樹脂基材2表面における防湿膜8の端部の形状を調整することができる。それにより、防湿膜8の端部側面8bを傾斜面にしたり、防湿膜8の端部の縁部8cを曲線状にしたりすることができる。
図9は、防湿膜8を形成する方法の一例を示している。図9の方法では、塗布装置としてディスペンサー21を用い、このディスペンサー21から塗布型の防湿膜8の材料を、樹脂間溝14に沿って、複合基材3の表面に供給している。このようにディスペンサー21を用いると効率よく防湿膜8を形成することができる。
図10は、防湿膜8を形成する方法の別の一例を示している。図10の方法では、まず、図10(a)に示すように、複合基材3における防湿膜8を形成する領域以外の領域に、レジスト22を形成する。次に、図10(b)に示すように、防湿膜8の材料を複合基材3の表面全体に積層する。防湿膜8の積層は、塗布型の防湿膜8の材料を塗布することにより行うことができる。あるいは、防湿膜8の積層は、蒸着型の防湿膜8の材料を蒸着することにより行ってもよい。また、スパッタにより行ってもよい。防湿膜8の積層を塗布で行う場合、例えば、ダイコートで行うことができる。そして、図10(c)に示すように、レジスト22を除去(リフトオフ)することにより、レジスト22表面に形成された防湿膜8が除去され、複合基材3における樹脂基材2の表面が露出する。これにより、所望の領域に防湿膜8を形成することができる。
このようにして、分断されて個別化された樹脂基材2の端部が防止膜8で被覆された複合基材3が得られる。なお、防湿膜8の形成は、上記の方法に限られるものではなく、例えば、マスクパターンを用いて蒸着して形成したりしてもよい。
図11(a)〜(f)は、有機EL素子の製造の一例を示している。図11(a)は、樹脂間溝14が設けられた樹脂基材2の表面を示している。上記で説明したように、樹脂間溝14に沿って防湿膜8を形成することによって、図11(b)に示すように、各端部が防湿膜8で被覆された樹脂基材2を得ることができる。
次に、図11(c)に示すように、樹脂基材2の端部が防止膜8で被覆された第1の防湿性基材1の表面に、電極材料を積層した後、パターン状に加工して、樹脂基材2の表面に第1電極4を形成するとともに、防湿膜8の表面に第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12を形成する。これが電極形成工程となる。なお、パターンマスクなどによって、電極材料をパターン状に積層させてもよい。電極材料は、透明導電層の材料であってよい。例えば、ITOなどの透明金属酸化物を用いることができる。導電層の形成は、蒸着、スパッタ、塗布などにより行うことができる。パターンの形状は、第1電極4、第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12を形成するための形状にすることができる。このとき、第1取り出し電極部11及び第2取り出し電極部12が防湿膜8の縁部を乗り越えて跨ぐように導電層を積層すれば、防湿膜8の表面に、第1電極取り出し部11及び第2取り出し電極部12を設けることができる。あるいは、第1電極4及び第1取り出し電極部11が一体化して連続する導電層の外縁を、防湿膜8の縁部よりも外側に位置するパターンにして導電層を積層してもよい。その場合、防湿膜8の表面領域内に、第1電極取り出し部11及び第2取り出し電極部12を設けることができる。
そして、図11(d)に示すように、透明導電層の中央領域である第1電極4の表面に、有機発光層5を積層して形成する。有機発光層5は、蒸着や塗布により、有機発光層5を構成する各層を順次に積層することにより形成することができる。有機発光層5は、第2電極6が積層されたときに、第2電極6が第1電極4に接触しないようなパターンで積層する。また、有機発光層5で樹脂基材2の露出する表面を被覆するようにしてもよい。それにより、樹脂基材2を封止空間13内で露出しないようにすることができる。
次に、図11(e)に示すように、有機発光層5の表面に第2電極6を積層する。このとき、第2電極6は、第1電極4及び第1取り出し電極部11とは接触しないようにするとともに、第2取り出し電極部12の表面にも積層させるようにする。これにより、発光積層体10が複合基材3の表面に形成される。
そして、図11(f)に示すように、平面視において防止膜8が設けられている領域における、第1取り出し電極部11、第2取り出し電極部12、及び、その間で露出する防湿層8の表面に、封止用の接着剤を設け、第2の防湿性基材7を接着層9で接着する。第2の防湿性基材7としては、第1の防湿性基材1と同様に、一体化された連続する基材を用いることができる。このとき、第1取り出し電極部11の端部と第2取り出し電極部12の端部との間の領域では、防湿膜8の表面に接着層9が設けられる。封止用の接着剤は防湿性と絶縁性を有する接着剤を用いるようにする。このようにして、複合基材3と第2の防湿性基材7とが接着層9で接着されて、個々の発光積層体10が封止され、有機EL素子連結体が製造される。
最後に、各有機EL素子の端部において、第1の防湿性基材1及び第2の防湿性基材7を切断して分離することにより、有機EL素子を個別化することができる。このとき、防湿膜8も同時に切断するようにする。したがって、防湿膜8は切断しやすい材料で形成されていることが好ましい。なお、樹脂基材7が一体化されていると切断が容易にできないおそれがあるが、上記のように樹脂基材7はプリカットされているので、各有機EL素子の端部において切断することが簡単にできる。
1 第1の防湿性基材
2 樹脂基材
3 複合基材
4 第1電極
5 有機発光層
6 第2電極
7 第2の防湿性基材
8 防湿膜
9 接着層
10 発光積層体
11 第1取り出し電極部
12 第2取り出し電極部
13 封止空間
14 樹脂間溝
1a 第1の防湿性基材の表面
2a 樹脂基材の表面
2b 樹脂基材の端部側面
2c 樹脂基材の縁部
8a 防湿膜の表面
8b 防湿膜の端部側面
8c 防湿膜の縁部

Claims (7)

  1. 第1の防湿性基材と樹脂基材とにより構成された複合基材における前記樹脂基材側の表面に、第1電極、有機発光層及び第2電極をこの順で有する発光積層体が設けられ、この発光積層体が、外周部において前記複合基材に接着される第2の防湿性基材により封止された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記樹脂基材は、前記第2の防湿性基材の封止により形成された封止領域からはみ出した部分が、防湿膜によって被覆されており、
    前記防湿膜の表面に、前記第1電極に電気的に接続された第1取り出し電極部と、前記第2電極に電気的に接続された第2取り出し電極部とが設けられていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記第2の防湿性基材は、平面視において前記防湿膜が設けられている領域において、前記複合基材に接着されていることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記樹脂基材の端部側面は、前記第1の防湿性基材の表面に対して素子内部側に傾斜した傾斜面として形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記樹脂基材の端部は、表面から側面にかけて縁部が曲線状に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記防湿膜における素子内部側の端部側面は、前記樹脂基材の表面に対して素子外部側に傾斜した傾斜面として形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記防湿膜における素子内部側の端部は、表面から側面にかけて縁部が曲線状に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を製造する方法であって、
    前記第1の防湿性基材の表面に前記樹脂基材を設けた後、この樹脂基材を複数に分断して前記樹脂基材の端部側面を露出させる分断露出工程と、
    前記樹脂基材が分断された部位に前記防湿膜の材料を供給して、個別化された前記樹脂基材の端部を前記防湿膜で被覆する被覆工程と、
    前記樹脂基材の端部が前記防止膜で被覆された前記第1の防湿性基材の表面に、電極材料を積層した後、パターン状に加工して、前記樹脂基材の表面に前記第1電極を形成するとともに、前記防湿膜の表面に前記第1取り出し電極部及び前記第2取り出し電極部を形成する電極形成工程と、を有する工程により製造することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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