JP2015018772A - 有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】補助電極の非発光の形状が視認されることを抑制することができ、光取り出し面を均一に発光させることができる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。【解決手段】光透過性を有する第1基板21の表面に、光透過性を有する第1電極31と、発光層を含む機能層4と、第2電極32とを有する有機発光体5が形成され、有機発光体5は第2基板22によって覆われて封止されている有機エレクトロルミネッセンス素子1に関する。第1電極31に接して線状の補助電極6が設けられている。機能層4の補助電極6側の表面には、平面視において補助電極6と重複する領域を含む補助電極重複領域82に絶縁膜7が設けられている。第1基板21の内部に、平面視において補助電極6と重複しない領域である光取り出し領域81に、第1基板21の厚み方向に屈折率が異なるように屈折率異方構造9が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを用いた照明装置に関する。
一般的な構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」ともいう。)として、光透過性の基板の表面に、光透過性電極、発光層を含む機能層、対電極が積層されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような有機EL素子を利用して面状発光素子(照明パネル)を得ることができる。
有機EL素子では、陽極と陰極の間に電圧を印加することによって、陽極から正孔(ホール)が発光層に注入され、陰極から電子が発光層に注入される。そして、発光層の内部で正孔と電子とが再結合して光が発生し、この光は光透過性電極及び基板を通して外部に取り出される。
特開2012−69249号公報
通常、有機EL素子では、光透過性と導電性とを有する材料(ITOなど)で光透過性電極を形成しているが、光透過性電極の材料は比抵抗が高く、通電性があまりよくない。特に発光効率の向上のために電極層を薄膜化した場合や、素子の発光面積を大面積化した場合にはシート抵抗が大きくなる。そして、光取り出し面の外周部に電流が集中する一方で、中央部付近には電流が流れにくくなるため、光取り出し面の全体の発光の均一性が低下することが懸念される。
そこで、光透過性電極よりも導電性の高い材料でグリッド状の補助電極を形成し、この補助電極で光透過性電極の電気伝導性を補って電極の通電性を高めることが行われる場合がある。すなわち、補助電極により、光取り出し面を微小領域に区分して、各領域内での面内発光均一性を向上させることで、光取り出し面全体の面内発光均一性の向上を図ることが可能となる。
しかし、補助電極が形成された部分は、通常、透明ではなく光を取り出すことができない部分であるため、補助電極に対応してグリッド状の非発光形状が視認される場合がある。そして、非発光の形状が確認されると、照明用途などにおいて意匠性を低下させるなどの問題が発生するおそれがある。また、補助電極の形成された部分は光を取り出すことができないため、この部分で生じた発光は外部に取り出すことができず無駄になって、発光効率が低下するおそれがある。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、補助電極の非発光の形状が視認されることを抑制することができ、光取り出し面を均一に発光させることができる有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置を提供することを目的とする。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、光透過性を有する第1基板の表面に、光透過性を有する第1電極と、発光層を含む機能層と、第2電極とを有する有機発光体が形成され、前記有機発光体は第2基板によって覆われて封止されている有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記第1電極に接して線状の補助電極が設けられ、
前記機能層の前記補助電極側の表面には、平面視において前記補助電極と重複する領域を含む補助電極重複領域に絶縁膜が設けられ、
前記第1基板の内部に、平面視において前記補助電極と重複しない領域である光取り出し領域に、前記第1基板の厚み方向に屈折率が異なるように屈折率異方構造が形成されていることを特徴とする。
前記有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記光取り出し領域を複数有し、前記光取り出し領域の各々が前記屈折率異方構造を複数有していることが好ましい。
前記有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記屈折率異方構造が、前記第1基板の厚み方向において、異なる位置に分布して形成されていることが好ましい。
前記有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記屈折率異方構造が、前記第1基板の両面近傍に形成されていることが好ましい。
前記有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記屈折率異方構造は、前記第1基板の屈折率と異なる屈折率を有する材料で形成されていることが好ましい。
前記有機エレクトロルミネッセンス素子において、前記第1基板の前記第1電極側の表面に、又は前記第1基板の前記第1電極側とは反対側の表面に、反射防止膜が形成されていることが好ましい。
本発明に係る照明装置は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする。
本発明によれば、補助電極の非発光の形状が視認されることを抑制することができ、光取り出し面を均一に発光させることができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示し、(a)は断面図、(b)は一部を拡大した断面図である。 同上の有機エレクトロルミネッセンス素子を示し、(a)は一部を分解した平面図、(b)は(a)の一部を拡大した平面図である。 (a)〜(d)は第1基板の複数の例を示し、それぞれ一部を拡大した断面図である。 (a)は補助電極が設けられた部分の一例を示す断面図、(b)は補助電極が設けられた部分の他の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の他の一例を示し、(a)(b)は反射防止膜の形成箇所が異なる断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態のさらに他の一例を示し、(a)は断面図、(b)は一部を拡大した断面図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、有機エレクトロルミネッセンス素子1(有機EL素子1)の実施の形態の一例を示している。この有機EL素子1においては、光透過性を有する第1基板21の表面に、光透過性を有する第1電極31と、発光層を含む機能層4と、第2電極32とを有する有機発光体5が形成されている。有機発光体5は、第2基板22によって覆われて封止されている。第1電極31に接して線状の補助電極6が設けられている。機能層4の補助電極6側の表面には、平面視において補助電極6と重複する領域を含む補助電極重複領域82に絶縁膜7が設けられている。第1基板21の内部に、平面視において補助電極6と重複しない領域である光取り出し領域81に、第1基板21の厚み方向に屈折率が異なるように屈折率異方構造9が形成されている。このように、本実施形態の有機EL素子1では、補助電極6が設けられているため、補助電極6によって第1電極31の通電性を高めることができる。また、補助電極重複領域82に絶縁膜7が設けられているため、光取り出し領域81に電気をより供給して発光させることができ、効率よく発光を行うことができる。そのため、補助電極6によって効率よく電気伝導性を向上させることができると共に、補助電極6の非発光の形状が視認されることを抑制することができ、光取り出し性の優れた有機エレクトロルミネッセンス素子1を得ることができる。さらに第1基板21内の屈折率異方構造9によって、機能層4の発光層で生じた光を、光取り出し領域81だけでなく、補助電極重複領域82にも配向させることができる。そのため、補助電極6の非発光の形状が視認されることをさらに抑制することができると共に、光取り出し領域81及び補助電極重複領域82からなる光取り出し面80を均一に発光させることができる。以下、さらに詳細に説明する。
図1(a)は、有機EL素子1の断面図を示し、図1(b)は、その一部を拡大した断面図を示している。図1(a)では素子の構成が分かりやすいように、左側に第1電極引き出し部301側の端部を図示し、右側に第2電極引き出し部302側の端部を図示している。図2(a)は、図1(a)の有機EL素子1を平面視(第1基板21の表面に垂直な方向から見た場合)した様子を示し、図2(b)は、その一部を拡大した様子を示している。図2(a)では、素子の内部構成が分かりやすいように、第2基板22を取り除いて図示し、第2基板22が接着される領域に設けられる封止接着部71を斜線で示している。また、図2(a)では、隠れている補助電極6を破線で示している。
第1基板21としては、光透過性を有する透明な基板であることが好ましい。本実施形態では、第1基板21は、ガラス基板で構成することができる。第1基板21がガラスで構成されることにより、ガラスは水分の透過性が低いので、第1基板21側からの水分の浸入を抑制することができる。また第1基板21は、ガラスと他の材料との複合材によって構成されていてもよい。例えば、ガラス表面に光取り出し性の樹脂層を設けた第1基板21を用いた場合、光取り出し性を効果的に高めることができる。この樹脂層は第1基板21の有機発光体5側の面に設けられるものであってよい。光取り出し性の樹脂層としては、散乱構造を有する層などが例示される。樹脂層はプラスチック材料の貼り付けにより設けてもよい。プラスチック材料としては、PET、PENなどを用いることができる。また、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系などの材料を用いてもよい。あるいは、樹脂層は、高屈折率層と低屈折率層の複層構造にしたり、さらにその複層構造の界面に微細な凹凸構造を設けたりした層であってもよい。
第1基板21の外部に露出している側の面(第1電極31側とは反対側の面)が光取り出し面80となる。光取り出し面80は、光取り出し領域81及び補助電極重複領域82からなる。光取り出し領域81は、平面視において補助電極6と重複しない領域である。補助電極重複領域82は、平面視において補助電極6と重複する領域を含む領域である。すなわち、補助電極重複領域82は、平面視において補助電極6と重複する領域を含んでいればよく、補助電極6と重複しない領域をわずかに含んでいてもよい(図1の破線参照)。補助電極重複領域82が、補助電極6と重複する領域のみからなる場合、補助電極6と重複しない領域もわずかに含む場合のいずれの場合であっても、光取り出し領域81は、光取り出し面80において補助電極重複領域82以外の領域を意味する。
第1基板21の内部において、光取り出し領域81には、第1基板21の厚み方向に屈折率が異なるように、屈折率異方構造9が形成されている。このように、第1基板21内に形成された屈折率異方構造9によって、機能層4の発光層で生じた光を、光取り出し領域81だけでなく、補助電極重複領域82にも配向させることができる。例えば、図1(b)に示すように、機能層4内の平面視で補助電極6と重複しない点Aで生じた光は、経路a1〜a4を通って光取り出し面80から取り出される。このうち、経路a1及びa2を通って光取り出し領域81から取り出される光もあれば、経路a3及びa4を通って補助電極重複領域82から取り出される光もある。経路a3のように点Aで生じた光がそのまま補助電極重複領域82から取り出されることは少ないが、経路a4のように点Aで生じた光が屈折率異方構造9によって進行方向が変えられて補助電極重複領域82から取り出されることが多くなる。そのため、補助電極6の非発光の形状が視認されることを抑制することができると共に、光取り出し領域81及び補助電極重複領域82からなる光取り出し面80を均一に発光させることができる。なお、第1基板21の内部において、補助電極重複領域82には、屈折率異方構造9は形成されていない。
屈折率異方構造9は、第1基板21の屈折率と異なる屈折率を有する材料で形成されていることが好ましく、第1基板21の厚み方向に屈折率が異なれば、その形成方法は特に限定されない。第1基板21の屈折率と異なる屈折率を有する材料を用いれば、屈折率異方構造9を簡便に形成することができる。例えば、第1基板21がガラス基板である場合、屈折率異方構造9は、第1基板21への金属又は金属酸化物等のイオン注入によるドーピングや熱拡散によって形成したり、あるいは第1基板21の形成時に微粒子粉体を溶融させることによって形成したりすることができる。上記の金属、金属酸化物、微粒子粉体の具体例としては、特に限定されるものではないが、例えば、Ag、Cu、その他の遷移金属、AlやMg等の金属、TiO2、ZnO、その他の遷移金属の酸化物、AlやMg等の酸化物、これらの粉体等を挙げることができる。
また有機EL素子1は、図2に示すように、光取り出し領域81を複数有し、光取り出し領域81の各々が屈折率異方構造9を複数有していることが好ましい。すなわち、図2(a)に示すように、グリッド状(格子状)に形成された補助電極重複領域82によって、複数の矩形状の光取り出し領域81が島状に分断されて形成されている。これ以外に補助電極重複領域82は例えばハニカム状に形成されてもよく、この場合には各光取り出し領域81は六角形状となる。さらに図2(b)に示すように、各光取り出し領域81には複数の屈折率異方構造9が均一に分布して形成されている。このようにすることで、光取り出し領域81及び補助電極重複領域82からなる光取り出し面80をさらに均一に発光させることができる。
屈折率異方構造9は、図3(a)に示すように第1基板21の片側の表面の近傍のみに形成されていてもよいが、図3(b)〜(d)に示すように第1基板21の厚み方向において、異なる位置に分布して形成されていることが好ましい。特に図3(b)(c)に示すように、屈折率異方構造9が、第1基板21の両面近傍に形成されていることも好ましい。このようにすることで、異なる位置に存在する屈折率異方構造9により、第1基板21に進入した光の進行方向を複数回変えやすくなったり、補助電極重複領域82にも光を配向しやすくなったりして、光取り出し効率をさらに向上させることができる。例えば、図6(b)に示すように、機能層4内の平面視で補助電極6と重複しない点Bで生じた光は、経路b1〜b4を通って光取り出し面80から取り出される。このうち、経路b1及びb2を通って光取り出し領域81から取り出される光もあれば、経路b3及びb4を通って補助電極重複領域82から取り出される光もある。経路b3のように点Bで生じた光がそのまま補助電極重複領域82から取り出されることは少ないが、経路b4のように点Bで生じた光が屈折率異方構造9によって進行方向が変えられて補助電極重複領域82から取り出されることが多くなる。また、機能層4内の平面視で補助電極6と重複しない点Cで生じた光は、経路c1を通って光取り出し面80から取り出される。すなわち、経路c1を通る光は、点Cで生じて、一旦、光取り出し領域81に進入しているが、その後は第1基板21の両面近傍に存在する屈折率異方構造9で進行方向を複数回変えて、最終的に補助電極重複領域82から取り出されている。このような光が増加するため、補助電極6の非発光の形状が視認されることを抑制することができると共に、光取り出し領域81及び補助電極重複領域82からなる光取り出し面80を均一に発光させることができる。なお、図3(b)に示すように、屈折率異方構造9を第1基板21の両側の表面の近傍にイオン注入により形成する場合には、第1基板21の両面にそれぞれ同じエネルギーでイオンを打ち込めばよい。また図3(c)(d)に示すように、屈折率異方構造9を第1基板21内の異なる深さにイオン注入により形成する場合には、例えばイオンを打ち込むエネルギーの高低を変えればよい。すなわち、イオンを打ち込むエネルギーを低くすることで第1基板21の浅い箇所に屈折率異方構造9を形成することができ、イオンを打ち込むエネルギーを高くすることで第1基板21の深い箇所に屈折率異方構造9を形成することができる。このように、屈折率異方構造9を第1基板21の厚み方向において異なる位置に分布して形成する場合、異なる深さに存在する屈折率異方構造9同士は、平面視で重複しないことが好ましい。平面視で重複すると、機能層4から第1基板21に進入した光が、それぞれの深さの屈折率異方構造9で遮られて、光取り出し面80から取り出されにくくなって、均一に発光させることが難しくなるおそれがある。また図3(d)に示すように屈折率異方構造9が片面に偏在した第1基板21を用いる場合には、屈折率異方構造9が偏在した面を素子外部に向けて第1基板21を配置することが好ましい。これにより、光取り出し領域81に進入した光を補助電極重複領域82から取り出しやすくなる。
有機発光体5は、第1電極31、機能層4及び第2電極32の積層体によって形成されている。有機発光体5の設けられる領域は、平面視(第1基板21の表面と垂直な方向から見た場合)において、第1基板21の中央部の領域である。有機発光体5は、有機発光体5を取り囲む外周の位置において第1基板21に接合される第2基板22によって覆われて封止されており、有機発光体5は封止領域の内部に配置されている。本実施形態では、第1基板21側から、第1電極31、機能層4及び第2電極32がこの順で設けられているが、その逆に、いわゆる逆層構造として、第1基板21側から、第2電極32、機能層4及び第1電極31がこの順で設けられた素子であってもよい。
第1電極31は光透過性を有する電極である。また第2電極32は、第1電極31と対となる電極である。通常、第1電極31は陽極を構成し、第2電極32は陰極を構成するが、その逆であってもよい。第1電極31は、光透過性を有するため、光取り出し側の電極を構成することができる。また、第2電極32は光反射性を有していてもよい。その場合、第2電極32側に向って発せられる発光層からの光を、第2電極32で反射させて、光透過性を有する第1基板21側から取り出すことができる。また、第2電極32は光透過性を有する電極であってもよい。第2電極32が光透過性を有する場合、第2基板22側の面(背面)から光を取り出す構造にすることが可能である。あるいは、第2電極32が光透過性を有する場合、第2電極32の背面(機能層4とは反対側の面)に光反射性を有する層を設けることによって、第2電極32の方向に進行した光を反射させて、光透過性を有する第1基板21側から取り出すことが可能である。その際、光反射性を有する層は、散乱反射性であってもよいし、鏡面反射性であってもよい。
第1電極31は、透明な電極材料を用いて構成することができる。例えば、導電性の金属酸化物などを好ましく用いることができる。透明金属酸化物としては、ITO、IZO、AZOなどが例示される。第1電極31はスパッタ法などで形成され得る。第1電極31の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、10nm〜1000nmの範囲にすることができる。
第2電極32は、適宜の電極材料を用いて構成することができる。例えば、第2電極32は、AlやAgなどにより形成することができる。第2電極32は蒸着法やスパッタ法などで形成され得る。第2電極32の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、10nm〜1000nmの範囲にすることができる。
機能層4は、発光を生じさせる機能を有する層であり、通常、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、中間層などから適宜選ばれる複数の層によって構成されるものである。機能層4の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、60〜300nm程度にすることができる。
機能層4の積層構造は、例えば、第1電極31を陽極とし、第2電極32を陰極とした場合、第1電極31側から順に、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層とすることができる。なお、積層構造は、これに限定されるものではなく、例えば、発光層の単層としたり、ホール輸送層と発光層と電子輸送層との積層構造にしたり、ホール輸送層と発光層との積層構造にしたり、発光層と電子輸送層との積層構造にしたりすることができる。また、発光層は単層構造でも多層構造でもよく、例えば発光色が白色の場合には、発光層中に赤色、緑色、青色の3色のドーパント色素をドーピングしたり、赤、緑、青の発光層を積層させたりしてもよい。また、対となる二つの電極に挟んでこの電極間に電圧を印加した際に発光が生じる積層構造を1つの発光ユニットとした場合に、複数の発光ユニットが光透過性及び導電性を有する中間層を介して積層されたマルチユニット構造になっていてもよい。マルチユニット構造とは、対となる電極(陽極と陰極)の間に、厚み方向に重なる複数の発光ユニットを備えた構造である。
第2基板22は、水分の透過性が低い基板材料を用いて形成することができる。例えば、ガラス基板などを用いることができる。具体的には、ソーダライムガラス、無アルカリガラスなどが挙げられる。これらは比較的安価なガラス材料であるため素子の製造コストを抑えることが可能になる。第2基板22には、有機発光体5を収容するための凹部を有してもよいが、有していなくてもよい。本実施形態の第2基板22では、第2基板22は凹部を有しており、この凹部によって外周に封止側壁22aが形成されている。第2基板22が凹部を有している場合、有機発光体5の側方を覆って封止することができるため、水分の浸入をより抑制することができ、封止性を高めることができる。凹部を有する第2基板22としては、例えば、キャップガラスを用いることが可能である。第2基板22が凹部を有していない場合、第2基板22の平坦な面を第1基板21に対向させて封止することが可能になり、また、板状の第2基板22をそのまま用いることができる。ただし、第2基板22が凹部を有していない場合には、封止接着部71の厚み(高さ)を大きくして、封止接着部71によって有機発光体5を封止するためのスペーサとなる側壁が形成されることを要する。
第2基板22は、接着材料により構成される封止接着部71により第1基板21に接合されている。封止接着部71は、有機発光体5の外周を取り囲んで第1基板21に設けられるものである。図2(a)における斜線部分で示すように、本実施形態では、封止接着部71は、第1電極31を構成する導電層の表面と、その導電層が分断された隙間における第1基板21の表面とに接して設けられている。このように、第2基板22が封止接着部71によって第1基板21に接着されることにより、有機発光体5は、外部空間から遮断されて封止されることになる。
封止接着部71の材料は、接着剤として機能する適宜の材料により構成されるものであり、例えば、樹脂性の接着材料を用いることができる。樹脂性の接着材料は、防湿性を有していることが好ましい。例えば、乾燥剤を含有することにより防湿性を高めることができる。樹脂性の接着材料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂などを主成分とするものであってもよい。
第1基板21と第2基板22とに挟まれて有機発光体5(機能層4)が封止された部分(封止内部間隙)には、充填剤が充填されていてもよいし、空洞となった封止空間が形成されていてもよい。封止内部間隙を封止空間にする場合、第2基板22で簡単に封止することができ、素子を容易に製造することができる。また、封止内部間隙に充填剤が充填されずに封止空間が形成された場合、封止空間には乾燥材(図示省略)を設けることが好ましい。それにより、封止空間に水分が浸入したとしても、浸入した水分を吸収することができる。例えば、第2基板22の有機発光体5側の面に貼り付けることにより乾燥材を封止空間内に設けることができる。あるいは、乾燥材は塗布により設けられてもよい。
また、第1基板21と第2基板22とに挟まれた封止領域の封止内部間隙を充填剤で満たした場合、第2基板22で封止する際に、第2基板22が内側に湾曲するなどしたとしても、有機発光体5に接触したりすることを低減でき、より安全に素子を製造することができる。充填剤は乾燥剤や吸湿剤が配合された樹脂組成物で構成することができる。また、流動性を有する樹脂組成物を用いることにより、封止内部間隙に充填剤を簡単に充填することができる。充填剤は硬化するものであっても、硬化しないものであってもよい。また、充填剤が乾燥剤や吸湿剤を含有することによって、内部に水分が浸入したとしても、充填剤で水分を吸収することができ、機能層4に水分が到達することを抑制することができる。
有機EL素子1では、第1電極31と第2電極32とに電圧を印加し、機能層4において正孔と電子を結合させて発光を生じさせる。そのため、第1電極31及び第2電極32のそれぞれと導通する電極端子を封止領域よりも外部に引き出して設ける必要がある。電極端子は、外部電極と電気的に接続するための端子である。図1の実施形態では、第1電極31を構成する導電層を第1基板21の端部に引き出すことにより、電極引き出し部300を形成している。そして、この電極引き出し部300の表面に、電極端子を構成する電極パッド310が設けられている。
電極引き出し部300は、第1基板21の端部表面に設けられている。電極引き出し部300は、第1電極31と導通する第1電極引き出し部301と、第2電極32と導通する第2電極引き出し部302とに区分される。本実施形態では、電極引き出し部300は、第1電極31を構成する導電層が第1基板21の端部側に引き出され、第2基板22が設けられる領域よりも外側に延出されることによって形成されている。すなわち、第1電極31を構成する導電層は、第1電極引き出し部301が設けられる端部では、この導電層が延伸することにより封止領域からはみ出して第1基板21の表面に形成されている。そして、第1電極引き出し部301は、第1電極31の延長部分により構成されている。また、第1電極31を構成する導電層は、第2電極引き出し部302が設けられる端部では、この導電層が分断されると共に分断された導電層が延伸することにより封止領域からはみ出して第1基板21の表面に形成されている。そして、第2電極引き出し部302は、第1電極31から分離した導電層の延長部分により構成されている。第2電極引き出し部302は、封止領域の内部において、積層された第2電極32と接触しており、それにより第2電極引き出し部302と第2電極32とが導通する構造となっている。
電極引き出し部300の表面には、電極パッド310が設けられている。電極パッド310は、非発光領域に形成されるものであるため、透光性を有さなくてもよい。電極パッド310を設けることにより、外部電源との接続を電極パッド310で行うことができ、電気接続性を高めることができる。また、電極パッド310を設けることにより、第1電極31及び電極引き出し部300を構成する導電層の通電性を高めることができる。電極パッド310は、補助電極6と同じ材料の層であってよい。それにより、簡単に導通性の高い電極パッド310を形成することができる。
なお、電極引き出し部300の構造(電極を封止領域よりも外部に引き出す構造)は、図1の実施形態の構造に限られるものではなく、例えば、第1電極引き出し部301及び第2電極引き出し部302の一方又は両方を、第1電極31を構成する導電層とは別の導電層を用いて形成してもよい。また、第1基板21側に第2電極32が配設され、第2基板22側に第1電極31が配設される構造(第2基板22側から光を取り出す構造)の場合、第2電極32の延長部分により、電極引き出し部300が構成されてもよい。
そして、本実施形態の有機EL素子1では、線状のパターンとなった補助電極6が第1電極31に接して設けられている。補助電極6は、導電材料で構成される配線材により形成されている。補助電極6は第1電極31の機能層4側の表面に形成されている。補助電極6を設けることにより、第1電極31の通電性を高めることができ、光取り出し面80における電流分布を改善し、光取り出し面80内での発光がより均一になった有機EL素子1を得ることができる。ここで、第1電極31は、光透過性を有する材料(透明金属酸化物など)で形成されるため、通常、比抵抗が高く、通電性があまりよくない。そこで、第1電極31よりも抵抗が低い材料で配線材を形成し、この配線材で補助電極6を構成することにより、第1電極31の電気伝導性を補って通電性をより高めることができる。例えば、ガラス基板上に膜厚50nm程度で形成されたITOにおいてはシート抵抗が70Ω程度となり、シート抵抗が比較的高くなるが、線状の補助電極6を設けると、シート抵抗を下げることが可能になる。補助電極6が線状に形成されていることにより、補助電極6の網目の間(穴)つまり光取り出し領域81から光を第1基板21側に取り出すことが可能になる。なお、補助電極6は、グリッド状(格子状)、ハニカム状、スリット状、網状、櫛状のいずれの形状に形成されていてもよいが、以下では説明の都合上、補助電極6がグリッド状に形成されている場合について説明する。
図2に示されるように、補助電極6のグリッドパターンは、縦横に延伸する直線が等間隔で配置されて構成されているものであってよい。図2の実施形態では、縦5本、横5本の直線によって、16個の矩形の穴つまり16個の矩形の光取り出し領域81が設けられてグリッドの網目が形成されているが、網目の個数や線の本数は、これに限定されるものではない。図2ではグリッドパターンの概略を示しており、実際には、より密にグリッドパターンが構成されていてよい。例えば、縦横それぞれ10〜100本の範囲などの適宜の数であってもよい。具体的には、例えば、光取り出し領域81の形状が、縦10〜1000mm、横10〜1000mmの長方形又は正方形である場合には、グリッドを構成する直線が縦10〜100本×横10〜100本のようなパターンにすることができる。
本実施形態の有機EL素子1では、機能層4の補助電極6側の表面に絶縁膜7が設けられている。この絶縁膜7は、部分的に設けられており、平面視において補助電極6と重複する位置に設けられている。ここで、補助電極6が設けられた部分は、通常、補助電極6は光透過性を有しておらず、光を取り出すことができないので、この部分で発光が生じると、発光のロスが生じ、発光効率が低下するおそれがある。しかし、絶縁膜7を設けると、補助電極6が設けられた部分では発光が生じないようし、補助電極6以外の光取り出し可能な領域(格子の網目)つまり光取り出し領域81に電流をより多く流すことができるため、発光ロスを低減して発光効率を向上させることができる。
また、図1の有機EL素子1では、補助電極6は第1電極31の表面で盛り上がって形成されている。そのため、この表面に機能層4及び第2電極32を直接形成した際には、層が分断されたり薄くなったりして、電気的にショートしやすくなるおそれがある。しかし、本実施形態では、補助電極6が絶縁膜7によって電気的に絶縁されているので、たとえ補助電極6の位置で機能層4が途切れて第2電極32が積層されたとしても、絶縁膜7によって第1電極31と第2電極32とが直接接することがない。そのため、電気的にショートすることを防ぐことができる。絶縁膜7は補助電極6と略同じ形状のパターンで設けられるものであってよい。すなわち、線状のパターンで設けられるものであってよい。
図4(a)に示すように、本実施形態では、補助電極6は、第1電極31に接していない部分が、絶縁膜7によって被覆されている。すなわち、補助電極6の上には補助電極6を覆うように絶縁膜7が積層され、補助電極6は表面だけでなく側面も絶縁膜7に被覆されている。このように補助電極6が絶縁膜7によって被覆されていると、層の分断を生じにくくすることができると共に、絶縁性を確保できるため、ショート不良をさらに抑制することができる。また、光をより取り出しやすい補助電極6以外の部分つまり光取り出し領域81に電流を多く流すことができるため、発光効率をさらに高めることができる。絶縁膜7の側面は傾斜していることが好ましい。それにより、層の分断をより一層抑制することができる。
補助電極6は、電極材料で構成される層である。透明性は有さなくてもよい。補助電極6は、例えば、導電性の金属材料で形成することができる。具体的には、銅、銀、金、アルミニウム、ニッケル、モリブデン、クロムなどが例示される。補助電極6の好ましい材料の一つは、MAMと称せられるモリブデン/アルミニウム/モリブデン積層体(Mo/Al/Mo)である。MAMを用いた場合、第1電極31の導電性を効果的に補助して向上することができる。MAMでは、例えばシート抵抗を0.07Ωにすることができる。また補助電極6は、Cr/Al/Crなどで構成することもできる。その場合も、低抵抗化することが可能である。
絶縁膜7は、絶縁性を有する材料によって構成される。例えば、絶縁性樹脂又は無機材料により形成される。絶縁性の樹脂としては、アクリル樹脂、ノボラック樹脂、ポリイミド樹脂などが例示される。無機材料としては、Si系材料などが例示される。
グリッドパターンを構成する線のピッチは、隣り合う線の中心間の距離として表される。このピッチは、例えば、200〜4000μmの範囲にすることができ、好ましくは400〜2000μmの範囲にすることができる。補助電極6を構成する配線材の配線幅は、例えば、10〜50μmの範囲にすることができ、例えば、30μmにすることができる。
補助電極6を構成する配線材の膜厚は、例えば、100〜1000nmの範囲にすることができる。例えば、MAMで補助電極6を構成する場合、膜厚20〜80nmのMoと膜厚200〜800nmのAlと膜厚20〜800nmのMoとの積層構造にすることができる。具体的には、膜厚50nmのMoと膜厚500nmのAlと膜厚50nmのMoとの積層構造にすることができる。補助電極6のパターニングは、フォトリソ法やマスクスパッタ法などにより行うことができる。
図4に示すように、断面形状において絶縁膜7の側面は第1基板21の表面に対して傾斜していることが好ましい。この場合、絶縁膜7の側面は傾斜面となる。絶縁膜7の側面が傾斜面となることにより、層の段切れを抑制することができる。補助電極6は、第1電極31の表面に盛り上がって形成されるため、補助電極6の形状に沿って機能層4及び第2電極32を積層して形成した際には、層が分断されたり薄くなったりして、電気的にショートしやすくなるおそれがある。特に機能層4は薄膜の積層構造で構成され得るものであり、層の分断が発生しやすくなるおそれがある。しかし、絶縁膜7の側面を傾斜するようにすると、傾斜面に機能層4及び第2電極32を積層させることができるため、層の分断を生じにくくすることができる。
図1の有機EL素子1の製造について説明する。有機EL素子1を製造するにあたっては、まず、第1基板21において、光取り出し領域81となる予定の箇所には屈折率異方構造9を形成しておき、補助電極重複領域82となる予定の箇所には屈折率異方構造9を形成しないようにしておく。次に第1基板21の表面に透明導電層を設け、この透明導電層をパターニングする。透明導電層の中央部分は第1電極31となり、透明導電層の端部は電極引き出し部300となる。第1電極31の領域は有機発光体5が形成される領域となる。
そして、この透明導電層のうちの有機発光体5が形成される領域に、線状の補助電極6を導電材料によって形成する。補助電極6の形成はスパッタなどにより行うことができる。パターニングは、マスクスパッタやフォトリソ法により行うことができる。電極引き出し部300の上に補助電極6と同じ導電材料を積層させることにより、電極パッド310を形成することができる。なお、補助電極6のパターニングは、これに限定されるものではなく、例えば、全面塗布した後、不要部分を除去してパターニングしてもよい。不要部分の除去は、エッチングにより行うことができる。エッチングは、エッチング液を用いる湿式の方法などを用いることができる。
次に、絶縁膜7を形成する材料を第1基板21の補助電極6が設けられた面に塗布する。例えば、スピンコートにより塗布することができる。塗布は全面塗布であってよい。そして、フォトリソ法により、補助電極6の位置と同じ位置を硬化させると共にそれ以外の部分を除去してパターニングすることにより、グリッドパターンとなった絶縁膜7を形成する。パターン形状は、マスクパターンの開口形状により調整することができる。塗布及びフォトリソ法により絶縁膜7を形成すると、精度よく絶縁膜7を形成することができる。なお、絶縁膜7はパターン状に塗布したり、パターン状に蒸着したりして形成されてもよい。絶縁膜7を直接パターン状に形成する場合、効率よく絶縁膜7を形成することが可能である。
絶縁膜7の形成後、機能層4の各層、第2電極32を順次に積層して有機発光体5を形成する。積層方法は、例えば、蒸着などを利用することができる。その後、第2基板22で有機発光体5を覆いながら、封止接着部71で第2基板22を第1基板21に接着する。第2基板22としては、あらかじめ凹部に乾燥材(図示省略)が設けられたものを用いることができる。乾燥材は、吸湿性シートの貼り付けや、吸湿材料の塗布により設けることができる。これにより、有機EL素子1を形成することができる。
図4(b)は、有機EL素子1の実施の形態の他の一例を示している。図4(b)の実施形態では、補助電極6が第1基板21と第1電極31との間に形成され、絶縁膜7が第1電極31と機能層4との間に形成されている点で、図1の実施形態とは異なる。それ以外の構成は、図1の実施形態と同様である。図4(b)の有機EL素子1の平面図は、図2であると考えてよい。図1の実施形態と同様の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、第1電極31の第1基板21側に、補助電極6が設けられている。補助電極6は、図1の実施形態の補助電極6と、同じ材料、同じパターン形状で形成されるものであってよい。すなわち、補助電極6は、図2に示すようなグリッド状のパターンであってよい。補助電極6を設けることにより、第1電極31の通電性を高めることができ、光取り出し面80における電流分布を改善し、光取り出し面80内での発光がより均一になった有機EL素子1を得ることができる。ここで、第1電極31は、光透過性を有する材料(透明金属酸化物など)で形成されるため、通常、比抵抗が高く、通電性があまりよくない。そこで、第1電極31よりも抵抗が低い材料で配線材を形成し、この配線材で補助電極6を構成することにより、第1電極31の電気伝導性を補って通電性をより高めることができる。補助電極6と第1電極31とは接触して設けられている。それにより、第1電極31の通電性を高めることができる。
図4(b)に示すように、本実施形態では、補助電極6は、第1基板21の表面に接して設けられている。このように、第1基板21の表面に補助電極6を設けると、補助電極6を第1基板21表面に直接形成することができ、補助電極6のパターニングが簡単になって、効率よく容易に補助電極6を形成することができる。もちろん、第1基板21の有機発光体5が設けられる側の表面には反射防止膜10が設けられていてもよい。その場合も、容易に補助電極6を形成することができる。
図2の実施形態と同様に、補助電極6は、グリッド状のパターンとなっており、格子状になっている。格子状の補助電極6によってより均一な電流分布が得られる。このグリッドパターンは、縦横に延伸する直線状の線が等間隔で配置されて構成されている。グリッドパターンを構成する配線材の配置、配線幅、配線ピッチは、図1の実施形態で説明したものと同様であってよい。
補助電極6は、電極材料で構成される層である。透明性は有さなくてよい。例えば、導電性の金属材料で形成することができる。具体的には、銅、銀、金、アルミニウム、ニッケル、モリブデン、クロムなどが例示される。補助電極6は、図1の実施形態の補助電極6と同様の材料で構成されるものであってよい。
本実施形態では、補助電極6の第1基板21側の表面は、光反射性が、第1電極31の第1基板21側の面の光反射性よりも高いことが好ましい。それにより、第1基板21内で反射して素子内部側に戻ってきた光が第1電極31で吸収されることを抑制することができると共に、素子内部側に向かう光を補助電極6で反射させて外部側に向かう光に変換することができ、より多く外部に光を取り出すことができる。多重反射する光が第1電極31において減衰することを抑制することができるのである。
本実施形態においては、補助電極6の材料として、Al/Moの積層構造を好ましく用いることができる。この積層構造は、第1基板21側からAlとMoとを順に積層させた構造である。その場合、第1電極31の導電性を効果的に補助して向上することができると共に、反射性を高めることができ、第1基板21内で反射する光をより多く外部に取り出すことができる。ここで、AlとMoとを用いた積層構造においては、図1の実施形態では、Mo/Al/Moの方が有利であるが、これは、透明電極層や樹脂層などに直接接する層がAlであると劣化しやすくなる傾向があるのでそれを抑制するため、Moを表面層として入れるからである。一方、本実施形態においては、補助電極6は防湿性の高い第1基板21の表面に形成されるため、第1基板21側の表面にMoを表面層(下地層)として設けなくてもよい。そして、Alを第1基板21側に直接設けた場合、Alは反射性が高いので、第1基板21内の光をより反射させて外部に取り出すことができる。そのため、本実施形態では、Al/Moの積層構造による補助電極6が好ましいのである。もちろん、Al/Crの積層構造であってもよい。その場合も、光反射性を高めることができる。
本実施形態では、絶縁膜7は、機能層4の第1電極31側の表面に形成されている。この絶縁膜7は、第1電極31における補助電極6が形成された位置の表面に形成されている。すなわち、第1電極31は、補助電極6の上に乗り上げて形成され、補助電極6と同じパターンで補助電極6の位置が盛り上がって形成されており、その第1電極31が盛り上がった部分を覆うように絶縁膜7が積層されている。絶縁膜7は、第1電極31の盛り上がった部分の表面だけでなく側面にも形成されている。このように補助電極6が設けられた位置に絶縁膜7が設けられると、層の分断を生じにくくすることができると共に、絶縁性を確保できるため、ショート不良をさらに抑制することができる。また、光をより取り出しやすい補助電極6以外の部分に電流を多く流すことができるため、発光効率をさらに高めることができる。
絶縁膜7の側面は傾斜していることが好ましい。それにより、層の分断をより一層抑制することができる。補助電極6は、第1基板21の表面に盛り上がって形成されるため、補助電極6の形状に沿って機能層4及び第2電極32を積層して形成した際には、層が分断されたり薄くなったりして、電気的にショートしやすくなるおそれがある。しかし、補助電極6の位置に設けられた絶縁膜7の側面を傾斜するようにすると、傾斜面に機能層4及び第2電極32を積層させることができるため、層の分断を生じにくくすることができる。また、補助電極6の位置は絶縁膜7が形成されて電気的に絶縁されているので、たとえ補助電極6の位置で機能層4が途切れて第2電極32が積層されたとしても、絶縁膜7によって第1電極31と第2電極32とが直接接することがない。そのため、電気的にショートすることを防ぐことができる。ここで、補助電極6が設けられた部分は、通常、補助電極6は光透過性を有していないため、光を取り出すことができないので、この部分で発光が生じると、発光のロスが生じ、発光効率が低下するおそれがある。しかし、本実施形態のように絶縁膜7を設けていると、補助電極6が設けられた部分では発光が生じないようし、光取り出し可能な補助電極6以外の領域(網目)つまり光取り出し領域81に、電流をより多く流すことができるため、発光ロスを低減して発光効率を向上させることができる。
絶縁膜7は、図1の実施形態で説明した材料と同様の材料を用いて形成することができる。また、絶縁膜7のパターンも、図1の実施形態と同様であってよい。
本実施形態の有機EL素子1の製造では、第1基板21の表面に補助電極6を形成する。形成方法は、図1の実施形態における補助電極6の形成方法と同じであってよい。補助電極6の形成後に、第1電極31及び電極引き出し部300を形成する。そして、第1電極31が補助電極6によって盛り上がった部分に絶縁膜7を形成する。絶縁膜7の形成方法は、図1の実施形態での方法と同じであってよい。その後は、図1の実施形態と同様に、機能層4及び第2電極32を積層形成し、第2基板22により封止する。これにより、図4(b)の実施形態の有機EL素子1を形成することができる。
図1の実施形態の変形例として、図5に示す有機EL素子1を挙げることができる。すなわち、図5(a)に示すように第1基板21の第1電極31側とは反対側の表面に反射防止膜10が形成されていたり、図5(b)に示すように第1基板21の第1電極31側の表面に反射防止膜10が形成されていたりしてもよい。第1基板21の表面に反射防止膜10が設けられると、全反射を抑制して、光取り出し効率を向上させることができる。そのため、補助電極6による非発光を失くしたり目立たなくしたりして、より自然な発光を得ることができる。反射防止膜10は、公知の材料を用いて形成することができる。
さらに図1の実施形態の変形例として、図6に示す有機EL素子1を挙げることができる。すなわち、この有機EL素子1では、図3(b)に示すような両面近傍に屈折率異方構造9が形成された第1基板21が用いられている。
上述の各実施形態の有機EL素子1は、発光特性に優れており、特に発光面積の大きい素子として利用することができる。そのため、面状の発光素子、特に照明パネルとして有用である。
すなわち、上記の各実施形態の有機EL素子1を用いることにより、照明装置(図示省略)を構成することができる。照明装置は有機EL素子1を備えているため、外力によって破壊されにくく、信頼性の高い照明装置を得ることができる。照明装置は、複数の有機EL素子1を面状に配置するものであってよい。照明装置は、有機EL素子1に給電するための配線構造を備えるものであってよい。照明装置は、有機EL素子1を支持する筐体を備えるものであってよい。照明装置は、有機EL素子1と電源とを電気的に接続するプラグを備えるものであってよい。照明装置は、パネル状に構成することができる。照明装置は面状に構成することができる。照明装置は、厚みを薄くすることができるため、省スペースの照明器具を提供することが可能である。
1 有機エレクトロルミネッセンス素子
21 第1基板
22 第2基板
31 第1電極
32 第2電極
4 機能層
5 有機発光体
6 補助電極
7 絶縁膜
81 光取り出し領域
82 補助電極重複領域
9 屈折率異方構造
10 反射防止膜

Claims (7)

  1. 光透過性を有する第1基板の表面に、光透過性を有する第1電極と、発光層を含む機能層と、第2電極とを有する有機発光体が形成され、前記有機発光体は第2基板によって覆われて封止されている有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記第1電極に接して線状の補助電極が設けられ、
    前記機能層の前記補助電極側の表面には、平面視において前記補助電極と重複する領域を含む補助電極重複領域に絶縁膜が設けられ、
    前記第1基板の内部に、平面視において前記補助電極と重複しない領域である光取り出し領域に、前記第1基板の厚み方向に屈折率が異なるように屈折率異方構造が形成されていることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記光取り出し領域を複数有し、前記光取り出し領域の各々が前記屈折率異方構造を複数有していることを特徴とする、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記屈折率異方構造が、前記第1基板の厚み方向において、異なる位置に分布して形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記屈折率異方構造が、前記第1基板の両面近傍に形成されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記屈折率異方構造は、前記第1基板の屈折率と異なる屈折率を有する材料で形成されていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記第1基板の前記第1電極側の表面に、又は前記第1基板の前記第1電極側とは反対側の表面に、反射防止膜が形成されていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする、照明装置。
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