JP2017068895A - 有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】発熱を抑制し、温度ムラと輝度ムラを低減した信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。【解決手段】有機エレクトロルミネッセンス素子は、光透過性を有する基板1と、基板1に支持される有機発光体10と、基板1に対向して配置される封止板5とを備える。有機発光体10は、光透過性を有する第1電極2と、第1電極2と対をなす第2電極4と、第1電極2と第2電極4との間に配置された有機発光層10とを有する。有機発光体10が封止板5に覆われて封止されている。基板1と封止板5との間の間隙には、充填材6が配置されている。充填材6は、有機発光層3の縁部3eの位置に、基板1の熱伝導率よりも熱伝導率が高い高熱伝導領域6Aを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを用いた照明装置に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」ともいう)として、光透過性の基板の表面に、光透過性の電極(陽極)、発光層を含む複数の機能層で構成される有機発光層、及び、光透過性の電極と対となる電極(陰極)が積層されたものが知られている。有機EL素子では、陽極と陰極の間に電圧を印加することによって発光層で発した光は、光透過性の電極及び基板を通して外部に取り出される。発光層は外部から保護するために封止材によって封止される(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2012−212555号公報 特開2003−100447号公報
有機EL素子では、光透過性と導電性とを有する材料(ITOなど)で光透過性の電極が形成されているが、通常、光透過性を有する電極の材料は比抵抗が高く、通電性があまりよくない。特に発光効率の向上のために電極層を薄膜化した場合や、素子の発光面積を大面積化した場合にはシート抵抗が大きくなる。ここで、有機EL素子に電圧を印加して発光を生じさせると、光透過性電極が単体となった部分では、電流の流れに伴ってジュール熱による発熱が生じる場合がある。発熱が生じると、有機層の劣化の原因となるおそれがある。特に、有機EL素子の端部においては、外部電源との接続を行うために封止領域から外部に電極を引き出しており、電極を引き出した部分に電流が集中して局所的に発熱が生じやすくなる。局所的に熱が発生すると、素子に温度ムラが生じて、局所的に有機層の劣化が進行したりするおそれがある。また、局所的に熱が発生すると、素子の温度が高くなりその部分だけ電流が流れやすくなって輝度が発光面内において不均一になり、輝度ムラの問題が生じるおそれがある。
光透過性電極に対する通電性を高めるために、光透過性電極よりも導電性の高い材料で光透過性電極の表面に補助配線を形成し、この補助配線で光透過性電極の電気伝導性を補って電極の通電性を高めることが考えられる。しかしながら、封止構造上、補助配線が形成されない部分が設けられると、その部分での抵抗が高くなって、電流が流れ発熱が生じることになり、かえって局所的な発熱が問題となる。
有機EL素子の発熱を抑制する構造として、均熱板を用いる構造も提案されている。例えば、特許文献1には、均熱板として機能するシート部材を封止部材の外面に設けた発光装置の構造が開示されている。均熱板を用いた場合、発生した熱を均熱板によってできるだけ均一化することはできるが、発熱は電流の流れに伴って連続して生じるものであり、発熱をさらに抑制する構造が求められる。
また、特許文献2には、有機EL素子において、電極を引き出した部分に高熱伝導性の樹脂層を設けることが開示されている。しかしながら、この文献の方法では、高熱伝導性の樹脂層は、封止構造の外周部に形成されており、封止構造の外周部での発熱を抑制することはできるが、封止領域の内部の発熱を抑制するものではないため、温度ムラと輝度ムラを低減することは難しい。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、素子の発熱を抑制し、温度ムラと輝度ムラを低減した信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置を提供することを目的とする。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、光透過性を有する基板と、前記基板に支持される有機発光体と、前記基板に対向して配置される封止板とを備えている。前記有機発光体は、光透過性を有する第1電極と、前記第1電極と対をなす第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される有機発光層とを有する。前記有機発光体が前記封止板に覆われて封止されている。前記基板と前記封止板との間の間隙には、充填材が配置されている。前記充填材は、前記有機発光層の縁部の位置に、前記基板の熱伝導率よりも熱伝導率が高い高熱伝導領域を有する。
有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、好ましくは、封止内部における前記有機発光体の外周に、補助配線を有する。そして、前記高熱伝導領域は、前記補助配線の位置に配置されている。
有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、好ましくは、前記補助配線は、前記有機発光体の外周全体に連続する多角形の枠状に設けられている。そして、前記高熱伝導領域は、前記多角形を構成する一辺の全長に亘って少なくとも配置されている。
有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、好ましくは、前記補助配線は、前記有機発光体の外周において分断して設けられている。そして、前記高熱伝導領域は、前記補助配線の分断形状に合わせて配置されている。
有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、好ましくは、前記高熱伝導領域は、前記有機発光層の縁部全域に配置されている。
有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、好ましくは、前記第1電極から引き出された電極引き出し部を有する。そして、前記高熱伝導領域は、前記電極引き出し部の位置に配置されている。
有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、好ましくは、前記充填材は、前記有機発光体の外周に設けられた封止側壁によって囲まれている。そして、前記高熱伝導領域は、前記封止側壁と接している。
有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、好ましくは、前記封止側壁は、前記高熱伝導領域と接した部分に、前記高熱伝導領域よりも熱伝導率が高い高熱伝導部を有する。
本発明に係る照明装置は、上記の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えている。
本発明によれば、高熱伝導領域から熱を効率よく外部に逃がすことにより発熱を抑制することができ、温度ムラと輝度ムラを低減した信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置を得ることができる。
図1は図1A、図1B及び図1Cから構成される。図1は有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示している。図1Aは一部を分解した平面図である。図1Bは断面図である。図1Cは一部の断面図である。 図2は図2A、図2B及び図2Cから構成される。図2は有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示している。図2Aは一部を分解した平面図である。図2Bは断面図である。図2Cは一部の断面図である。 図3は図3A〜図3Dから構成される。図3Aは有機エレクトロルミネッセンス素子の一例における一部の断面図である。図3Bは有機エレクトロルミネッセンス素子の一例における一部の断面図である。図3Cは有機エレクトロルミネッセンス素子の一例における一部の断面図である。図3Dは有機エレクトロルミネッセンス素子の一例における一部の断面図である。 図4は図4A、図4B及び図4Cから構成される。図4Aは一部を分解した有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の一部の平面図である。図4Bは一部を分解した有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の一部の平面図である。図4Cは一部を分解した有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の一部の平面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示し、一部を分解した平面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。 照明装置の一例を示す概略図である。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)は、光透過性を有する基板1と、基板1に支持される有機発光体10と、基板1に対向して配置される封止板5とを備える。有機発光体10は、光透過性を有する第1電極2と、第1電極2と対をなす第2電極4と、第1電極2と第2電極4との間に配置される有機発光層3とを有する。有機発光体10が封止板5に覆われて封止されている。基板1と封止板5との間の間隙には、充填材6が配置されている。充填材6は、有機発光層3の縁部3eの位置に、基板1の熱伝導率よりも熱伝導率が高い高熱伝導領域6Aを有する。この有機EL素子では、高熱伝導領域6Aが熱の生じやすい有機発光層3の縁部3eの位置に配置されているため、有機発光層3の縁部3eで発生した熱を効率よく吸収して放熱し、有機発光層3の発熱を抑制することができる。高熱伝導領域6Aを利用した熱伝達によって、有機発光層3の一部で過剰に発光することが抑制され、面内に不均一に発光するような輝度ムラを低減することができる。また、温度が一部において高くなるような温度ムラを低減し、局所的に輝度が高くなったり、有機発光体10が面内で不均一に劣化したりすることを抑制することができる。つまり、発熱を抑制して、温度ムラと輝度ムラを低減することができ、発光が良好で信頼性の高い有機EL素子を得ることができる。
以下、本発明を具現化した実施形態を説明する。もちろん、本発明は実施形態に限定されるものでない。
図1は、有機EL素子の一例(第1実施形態)を示している。図1は図1A〜図1Cから構成される。図2は、有機EL素子の他の一例(第2実施形態)を示している。図2は図2A〜図2Cから構成される。図1及び図2に示すように、有機EL素子は、光透過性を有する基板1と、基板1に支持される有機発光体10と、基板1に対向して配置される封止板5とを備える。有機発光体10は、光透過性を有する第1電極2と、第1電極2と対をなす第2電極4と、第1電極2と第2電極4との間に配置される有機発光層3とを有する。有機発光体10は封止板5に覆われて封止されている。
図1A及び図2Aは、有機EL素子を平面視(基板1の表面に垂直な方向から見た場合)した様子を示している。図1A及び図2Aは、封止板5側、すなわち発光面とは反対側の面から見た平面図である。図1A及び図2Aでは、素子の内部構成が分かりやすいように、封止板5及び充填材6を取り除いて図示し、封止板5の外周部の位置に配置される封止側壁8を斜線で示している。図1Aでは隠れている補助配線7を破線で示している。図1A及び図1Bでは、高熱伝導領域6Aを一点鎖線で示している。図1B及び図1Cは、図1Aの横方向の断面図である。図2B及び図2Cは、図2Aの横方向の断面図である。図1B及び図2Bでは、第1電極引き出し部11aが形成された部分における断面図を示している。図1B及び図2Bにおいては、充填材6が充填された部分はドットで示され、高熱伝導領域6Aが濃いドット、充填領域6Bが薄いドットとなっている。図1C及び図2Cでは、第2電極引き出し部11bが形成された部分における断面図を示している。
図1の形態と図2の形態とでは、電極の引き出し構造、及び、補助配線7の構造が異なる。図1の形態では、補助配線7は連続して一体化した環状の枠体となっている。図2の形態では、電極の引き出しパターンに合わせて補助配線7は分断されている。以下、図1及び図2の共通事項を中心にまず説明し、その後、適宜、図1の形態と図2の形態との異なる部分を説明する。共通事項については、図1又は図2を参照することで構成を理解できる。
基板1としては、光透過性を有する板状体を用いることができる。基板1は、光を透過させるものであればよく、透明であっても半透明であってもよい。基板1は透明であることがより好ましい。基板1は、ガラス基板、樹脂基板などで構成することができる。基板1がガラスで構成された場合、ガラスは水分の透過性が低いので、基板1側からの水分の浸入を抑制することができる。また、基板1は、ガラスと他の材料との複合材によって構成されていてもよい。例えば、ガラス表面に光取り出し性の樹脂層を設けた基板1を用いた場合、光取り出し性を効果的に高めることができる。この樹脂層は基板1の第1電極2側の面に設けることができる。光取り出し性の樹脂層としては、散乱構造を有する層などが例示される。樹脂層はプラスチック材の貼り付けにより設けてもよい。プラスチック材料としては、PET、PENなどを用いることができる。また、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系などの材料を塗布することにより樹脂層を設けてもよい。あるいは、樹脂層は、高屈折率層と低屈折率層の複層構造にしたり、さらにその複層構造の界面に微細な凹凸構造を設けたりした層であってもよい。また、基板1の第1電極2とは反対側の面には、光拡散層が配置されてもよい。それにより、光を拡散させて光をより多く取り出すことができる。また、視野角依存性を低減することができる。光拡散層は、光学フィルムや樹脂層などにより形成され得る。
第1電極2、有機発光層3及び第2電極4の積層体によって、有機発光体10が構成されている。有機発光体10は、第1電極2、有機発光層3及び第2電極4が厚み方向に積層された構造と定義できる。有機発光体10の設けられる領域は、平面視(基板表面と垂直な方向から見た場合)において、光透過性を有する基板1の中央部の領域である。有機発光体10は、平面視において有機発光体10よりも大きい封止板5によって覆われて封止されており、有機発光体10は封止領域の内部に配置されている。有機発光体10においては、基板1側から、第1電極2、有機発光層3及び第2電極4がこの順で配置されている。
第1電極2は光透過性を有する電極である。また、第2電極4は、第1電極2と対となる電極である。通常、第1電極2は陽極を構成し、第2電極4は陰極を構成するが、その逆であってもよい。第1電極2は、光透過性を有するため、光取り出し側の電極を構成することができる。また、第2電極4は光反射性を有していてもよい。その場合、第2電極4側に向って発せられる発光層からの光を、第2電極4で反射させて基板1側から取り出すことができる。また、第2電極4は光透過性の電極であってもよい。第2電極4が光透過性の場合、封止板5側の面(背面)から光を取り出す構造にすることが可能である。あるいは、第2電極4が光透過性の場合、第2電極4の背面(有機発光層3とは反対側の面)に光反射性の層を設けることによって、第2電極4の方向に進行した光を反射させて、基板1側から光を取り出すことが可能である。その際、光反射性の層は、散乱反射性であってもよいし、鏡面反射性であってもよい。
第1電極2は、透明な電極材料を用いて構成することができる。例えば、導電性の金属酸化物などを好ましく用いることができる。透明金属酸化物としては、ITO、IZO、AZOなどが例示される。第1電極2の材料としてはITOが好適である。第1電極2は、スパッタ法、蒸着法、塗布法などで形成され得る。第1電極2の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、10nm〜1000nmの範囲にすることができる。
第2電極4は、適宜の電極材料を用いて構成することができる。例えば、第2電極4は、AlやAgなどにより形成することができる。第2電極4は蒸着法やスパッタ法などで形成され得る。第2電極4の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、10nm〜1000nmの範囲にすることができる。
有機発光層3は、発光を生じさせる機能を有する層であり、通常、ホール注入層、ホール輸送層、発光層(発光ドーパントを含む層)、電子輸送層、電子注入層、中間層などから適宜選ばれる複数の層によって構成されるものである。有機発光層3は複層構造であり得る。有機発光層3内の各層は機能層と定義される。有機発光層3の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、60〜300nm程度にすることができる。
有機発光層3の積層構造は、例えば、第1電極2を陽極とし、第2電極4を陰極とした場合、第1電極2側から順に、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層とすることができる。なお、積層構造は、これに限定されるものではなく、例えば、発光層の単層としたり、ホール輸送層と発光層と電子輸送層との積層構造にしたり、ホール輸送層と発光層との積層構造にしたり、発光層と電子輸送層との積層構造にしたりすることができる。また、発光層は単層構造でも多層構造でもよく、例えば発光色が白色の場合には、発光層中に赤色、緑色、青色の3色のドーパント色素をドーピングしたり、赤、緑、青の発光層を積層させたりしてもよい。また、対となる二つの電極に挟んでこの電極間に電圧を印加した際に発光が生じる積層構造を1つの発光ユニットとした場合に、複数の発光ユニットが光透過性及び導電性を有する中間層を介して積層されたマルチユニット構造になっていてもよい。マルチユニット構造とは、対となる電極(陽極と陰極)の間に、厚み方向に重なる複数の発光ユニットを備えた構造である。
有機EL素子では、第1電極2と第2電極4とに電圧を印加し、有機発光層3において正孔と電子を結合させて発光を生じさせる。そのため、第1電極2及び第2電極4のそれぞれと導通する電極の延長部分を封止領域よりも外部に引き出して設けることを要する。図1及び図2の形態では、第1電極2を構成する導電層を基板1の端部に引き出すことにより、電極引き出し部11を形成している。そして、この電極引き出し部11の表面に、電極端子を構成する電極パッド9が配置されている。電極端子は、外部電源に電気的に接続するための端子である。
電極引き出し部11は、基板1の端部表面に配置されている。電極引き出し部11は、第1電極2と電気的に接続される第1電極引き出し部11aと、第2電極4と電気的に接続される第2電極引き出し部11bとに区分される。第1電極引き出し部11aは、平面視において、第1電極2が延長して有機発光層3からはみ出した部分と定義できる。第2電極引き出し部11bは、基板1の端部において第1電極2を構成する導電層がパターニングにより分断された部分と定義できる。なお、第2電極引き出し部11bは、第2電極4の材料を引き出して形成してもよく、その場合、第2電極引き出し部11bは、有機発光層3からはみ出した第2電極4の部分と定義できる。
電極引き出し部11は、第1電極2を構成する導電層が基板1の端部側に引き出され、封止板5が設けられる領域よりも外側に延出されることによって形成されている。すなわち、図1B及び図2Bで示すように、第1電極引き出し部11aが設けられる端部では、第1電極2を構成する導電層が延伸することにより封止領域からはみ出して基板1の表面に形成されている。そして、第1電極引き出し部11aは、第1電極2の延長部分により構成されている。また、図1C及び図2Cで示すように、第2電極引き出し部11bが設けられる端部では、第1電極2を構成する導電層が分断されるとともに分断された導電層が延伸することにより封止領域からはみ出して基板1の表面に形成されている。そして、第2電極引き出し部11bは、第1電極2から分離した導電層の延長部分により構成されている。第2電極引き出し部11bは、封止領域の内部において、積層された第2電極4と接触しており、それにより第2電極引き出し部11bと第2電極4とが導通する構造となっている。
なお、電極引き出し部11の構造(電極を封止領域よりも外部に引き出す構造)は、図1及び図2の形態の構造に限られるものではなく、例えば、第1電極引き出し部11a及び第2電極引き出し部11bの一方又は両方を、第1電極2を構成する導電層とは別の導電層を用いて形成してもよい。
電極引き出し部11の外部に露出した表面には、電極パッド9が配置されている。電極パッド9は、非発光領域に形成されるものであるため、光透過性を有さなくてもよい。電極パッド9を設けることにより、外部電源との接続を電極パッド9で行うことができ、電気接続性を高めることができる。また、電極パッド9を設けることにより、第1電極2及び電極引き出し部11を構成する導電層の通電性を高めることができる。電極パッド9は、第1電極2に電気的に接続されるものと、第2電極4に電気的に接続されるものとが、電気的に絶縁されて形成されている。
電極引き出し部11の封止領域の内部の表面には、補助配線7が配置されている。補助配線7は、非発光領域に形成されるものであるため、光透過性を有さなくてもよい。また、補助配線7を設けることにより、第1電極2及び電極引き出し部11を構成する導電層の通電性を高めることができる。補助配線7は、第1電極2に電気的に接続されて形成されており、第2電極4とは電気的に絶縁されている。補助配線7は、第1電極2の延長部分に形成されている。補助配線7は、電極引き出し部11の上に設けられている。図1及び図2では、補助配線7は、第1電極引き出し部11aの上に配置されている。
補助配線7は、有機EL素子における電極引き出し部11が形成された端部に配置されることが好ましい。それにより、通電補助効果をより高めることができる。補助配線7は、第1電極引き出し部11aが形成された端部に配置されることがさらに好ましい。それにより、第1電極引き出し部11aの通電性を高めることができる。
補助配線7は、有機発光層3を囲むように全体として枠状に設けられることが好ましい。それにより、面内の電流密度をより均一にして面内でより均一な発光を得ることができる。ただし、補助配線7は、全体として枠状であればよく、図1のように、連続したパターンで形成されてもよいし、図2のように、第1電極2と第2電極4とがショートしないように分断されたパターンで形成されてもよい。なお、図1及び図2では補助配線7を有する例を示しているが、有機EL素子においては、補助配線7を有していなくてもよい。その場合も、有機発光層3の縁部3eにおける発熱は抑制され得る。
補助配線7は、例えば、金属層で形成することができる。これらは、金属層の積層構造で形成することが好ましい一態様である。例えば、Mo/Al/Moの積層構造を用いることができる。また、Agを含む層で補助配線7を形成してもよい。電極パッド9は、補助配線7と同じ材料で構成してもよい。それにより、簡単に導通性の高い電極パッド9を形成することができる。
また、第1電極2に接して網目状の補助電極を形成してもよい。補助電極は有機発光層3が積層された領域に設けることができる。補助電極はグリッド状のパターンであることが好ましい。グリッド状のパターンとしては、四角格子、六角格子などが例示される。補助電極は補助配線7と同じ材料で形成することができる。補助電極は、第1電極2の有機発光層3側の面に設けてもよいし、第1電極2の基板1側の面に設けてもよい。補助電極を設けることにより、第1電極2の通電性を高めることができる。
ここで、図1の形態と図2の形態とでは、電極の引き出し構造及び補助配線7の形状が異なる。図1の形態では、有機EL素子は絶縁層12を備えている。図1Cで示すように、絶縁層12は、補助配線7を被覆する被覆層として形成されている。絶縁層12は絶縁材料によって形成されるものであり、例えば、樹脂により構成される。絶縁層12は、第1電極引き出し部11bの素子内部側に設けられた補助配線7の位置に形成されている。絶縁層12は第1電極引き出し部11bに対応して設けられていてよい。絶縁層12は有機発光層3と接していてよい。絶縁層12の第1電極2とは反対側において、補助配線7と接触しないように、第2電極4の一部が延長されている。第2電極4の延長部分は、第2電極引き出し部11bに接触している。このように、絶縁層12を設けることにより、電気的にショートの発生しない電極引き出し構造を構成することができる。
図1のように、補助配線7の上に絶縁層12が設けられる場合、有機発光体10を取り囲むようにして環状に補助配線7を設けることができる。すなわち、第1電極2の外周全体に亘って補助配線7を設けることができる。絶縁層12によって、第1電極2の延長部分と第2電極4の延長部分とが絶縁されるからである。この場合、補助配線7は分断しておらず、連続しており、一体にすることができる。そのため、第1電極2の通電性を高めることができ、面内でより均一な輝度の高い発光を得ることができる。なお、絶縁層12は補助配線7の全周に亘って補助配線7を被覆していてもよい。その場合、絶縁層12は連続した枠状に形成されていてよい。絶縁層12は環状に形成されていてよい。絶縁層12は、第1電極2と第2電極4との絶縁性を確保するものであればよく、適宜のパターンにすることができる。
図2の形態では、補助配線7は、第2電極引き出し部11bの位置で分断されている。第2電極引き出し部11bは、補助配線7が形作る枠の内側に侵入している。図2の形態では、有機EL素子は絶縁層12を有していない。図2Cで示すように、有機発光層3が第1電極2を覆った位置において、第2電極4が延長し、この延長部分が第2電極引き出し部11bと接続されている。それにより、電気的接続が可能になる。図2の形態は、絶縁層12を設けなくてもよいため、製造が容易になり得る。
封止板5は、水分の透過性が低い基板材料を用いて形成することができる。例えば、ガラス基板などを用いることができる。具体的には、ソーダライムガラス、無アルカリガラスなどが挙げられる。これらは比較的安価なガラス材料であるため素子の製造コストを抑えることが可能になる。封止板5は表面が平坦な板材を用いることができる。もちろん、封止板5は樹脂や金属により構成されてもよい。
基板1と封止板5との間における有機発光体10の外周には、封止側壁8が設けられることが好ましい。図1A及び図2Aにおける斜線部分で示すように、封止側壁8は有機発光体10を囲むように有機発光体10の外周に配置される。封止側壁8は、枠状であってよい。封止側壁8は、有機発光体10を収容するためのスペーサ材としての機能を有する。封止側壁8は、基板1と封止板5とを接着する機能を有することが好ましい。封止側壁8は、充填材6を堰き止めて充填させる機能を有することが好ましい。この封止材料で囲まれた領域に充填材料を充填させる構造は、充填封止構造と呼ばれる。
封止側壁8の材料は、封止性を有するとともに接着剤として機能する適宜の材料により構成され得る。封止側壁8の材料として、例えば、樹脂材料を用いることができる。樹脂材料は、防湿性を有していることが好ましい。例えば、乾燥剤を含有することにより防湿性を高めることができる。樹脂材料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂などを主成分とするものであってもよい。樹脂の硬化により封止側壁8が形成される。封止側壁8の材料として、スペーサ成分を含むことが好ましい。スペーサ成分とは、有機発光体10の厚み分のスペースを確保するために混合される材料である。スペーサ成分としては、例えば、粒子が挙げられる。適宜の大きさの粒子が用いられることにより、基板1と封止板5との間の間隙の厚みが調整され、有機発光体10を収容するスペースが形成される。
封止側壁8の材料は、硬化前の状態において、充填材6を充填して堰き止めることができる程度の粘性を有することが好ましい。それにより、ダム材としての機能を発揮することができ、充填材6を封止側壁8に囲まれた領域に充填できることができる。
封止板5は、接着材料により基板1に接合されている。接着材料は、少なくとも封止側壁8により構成される。封止板5が基板1に接着されることにより、有機発光体10は、外部空間から遮断されて封止されることになる。
基板1と封止板5との間の間隙には、充填材6が配置されている。充填材6は、封止側壁8に囲まれて配置されている。充填材6が設けられる場合、封止板5が内部側に押されても変形しにくくなり、有機発光体10が封止板5と接触して損傷することを抑制することができる。充填材6は、接着性を有していてもよいし、接着性を有していなくてもよいが、接着性を有する方が基板1と封止板5との接着強度を高めることができるため好ましい。
充填封止構造は、熱伝導性がより高い構造である。有機EL素子の封止構造としては、有機発光体10が収められた間隙が中空となった中空封止構造も存在する。中空封止構造の場合、熱は中空部に存在する空気(窒素などの気体)を通して外部に伝達することになる。空気の熱伝導率は0.03〔W/(m・K)〕よりも小さいレベルであり、空気は断熱機能を発揮し得るものでもあるため、中空封止構造では熱が逃げにくい。一方、充填封止構造では、樹脂が充填した構造であり、樹脂の熱伝導率は空気の熱伝導率に比べて高く、また、樹脂は材料の選択により熱伝導率の向上も可能なため、充填封止構造の方が、熱が伝わりやすく熱が放出されやすいのである。
そして、本発明の有機EL素子の充填材6は、有機発光層3の縁部3eの位置に高熱伝導領域6Aを有している。高熱伝導領域6Aの熱伝導率は、基板1の熱伝導率よりも高い。高熱伝導領域6Aが設けられることにより、高熱伝導領域6Aで熱を吸収し、熱を伝えて外部に逃がすことができる。そのため、発熱を抑制することができる。さらに、高熱伝導領域6Aの熱伝導率が基板1の熱伝導率よりも高いと、基板1を伝って熱が広がるよりも速い速度で有機発光層3の縁部3eで生じた熱を封止板5側に伝達し、封止板5から外部に熱を逃がすことができる。基板1へ熱が伝わると有機発光体10に熱がかかりやすくなるが、封止板5側へ熱を逃がすことにより、有機発光体10に熱負荷がかかることを抑制することができる。そのため、有機発光体10の劣化を抑制することができる。図1A及び図2Aでは、高熱伝導領域6Aの外縁を一点鎖線で示している。図1B及び図2Bでは、有機発光層3の縁部3eが、有機発光層3の端部の位置に示されている。
充填材6における高熱伝導領域6A以外の部分は、充填領域6Bと定義される。充填材6は、高熱伝導領域6Aと充填領域6Bとから構成される。充填領域6Bは、高熱伝導領域6Aよりも熱伝導率の低い領域であってよい。その場合、充填領域6Bは低熱伝導領域と呼ぶことができる。ただし、低熱伝導領域における熱伝導率の低さは、充填材6内の相対的なものである。高熱伝導領域6Aと充填領域6Bとの両方を設けることにより、高熱伝導領域6Aを熱の通り道にして熱を外部に逃がすことができる。
高熱伝導領域6Aは、その熱伝導率が、封止板5の熱伝導率よりも高いことが好ましい。それにより、外部にさらに効率よく熱を逃がすことができる。
有機EL素子の平面視形状は好ましくは多角形である。有機EL素子の平面視形状は矩形状の四角形であることが好ましい。矩形状は長方形と正方形とを含む。図1及び図2では、基板1は矩形状の四角形となっている。封止板5は矩形状の四角形となっている。電極引き出し部11は、四角形の対向する二辺に設けられていてよい。そして、高熱伝導領域6Aは、電極引き出し部11が設けられた辺に設けられることが好ましい。この場合、熱がより生じやすい部分に高熱伝導領域6Aを配置することができる。また、高熱伝導領域6Aは、少なくとも封止板5の四角形の四隅となる角隅部を含んで配置されていることが好ましい。この場合、角隅部は熱が生じやすいため、熱を効率よく吸収することができる。
ここで、有機EL素子においては、電流は電極パッド9から電極引き出し部11を経由して流れるため、電極引き出し部11に電流が集中し、そこで発生するジュール熱の影響で、素子温度が局所的に高くなる傾向がある。面状(パネル状)となった有機EL素子においては、電圧降下の関係上、電流密度は、有機発光体10の中央領域で最も低く、外周部で最も高くなるからである。また、発光領域となる有機発光体10と電極端子となる電極パッド9との間には、ITO膜などによって形成された抵抗の高い第1電極2のみからなる箇所が設けられており、さらにジュール熱が局所的に発生しやすい要因となる。さらに、補助配線7はショートしないように、第2電極引き出し部11bには形成されず、第1電極2を引き出した第1電極引き出し部11aに形成されており、補助配線7の近傍に相対的により多くの電流が流れる。補助配線7を伝って電流が流れ、その電流が第1電極2(有機発光層3の下側)に流れ込むからである。そのため、補助配線7近傍の基板外周部においてはジュール熱の発生が相対的に多くなる。そして、局所的に温度が高くなると電流が流れやすくなって過剰に発光して局所的に輝度が高くなり、面内において輝度ムラが発生するおそれがある。さらには、温度が高くなると電流が流れやすくなって電流密度が増加し、この部分においてさらにジュール熱が発生するという悪循環が生じる場合もある。そこで、図1及び図2に示される有機EL素子では、高熱伝導領域6Aを有機発光層3の縁部3eの位置に設けるようにしている。すると、局所的に熱が発生しやすい部分において熱を吸収し、熱を外部に逃がすことができるため、効率よく発熱を抑制することができる。また、高熱伝導領域6Aによって発熱の生じやすい部分の熱を優先的に吸収することにより、局所的な温度分布の偏在が抑制され、面内において温度がより均一化され、温度ムラと輝度ムラを抑制することができる。また、全体の温度上昇が抑制されるため、高温による有機発光層3の劣化が抑制され、通電の持続性が向上するので、信頼性を高めることができる。
高熱伝導領域6Aは、封止板5に接している。それにより、熱を効率よく吸収し、外部に逃がすことができる。封止領域の端部である有機発光層3の縁部3eで生じた熱は、高熱伝導領域6Aを通って封止板5に伝わり、封止板5から熱を外部に逃がすことができる。従来、局所的な発熱を抑制する構造として、封止板5の外部表面に均熱板を設ける構造が知られているが、均熱板は、熱伝導により熱を均一化させる機能のものであり、熱吸収性は少ない。また、均熱板は外部に設けられており、熱が封止板5を介して伝達するため、直接的に発熱を抑制することはできない。一方、高熱伝導領域6Aは封止領域の内部において、熱が発生しやすい有機発光層3の縁部3eに配置されているために、効率よく熱を吸収して、局所的な発熱を抑制するとともに、それによって素子全体が高温になることを抑制することができる。そのため、温度ムラと輝度ムラを抑制し、信頼性を高めることができるのである。
封止板5の素子外部側の表面(基板1とは反対側の面)には、均熱板がさらに設けられていてもよい。それにより、温度分布の不均一化をさらに低減することができる。例えば、均熱板はCuなどで構成することができる。
高熱伝導領域6Aは、有機発光層3の縁部3eと平面視において重複している。有機発光層3は、有機発光体10の各層のパターン形状によって、第2電極4からはみ出したり、第2電極4に被覆されたりし得るが、平面視したときに、高熱伝導領域6Aが有機発光層3の縁部3eの位置に配置されていればよい。高熱伝導領域6Aは、有機発光層3の縁部3eを跨るように配置されることがより好ましい。それにより、有機発光層3の縁部3eの近傍における熱を効率よく逃がすことができる。
高熱伝導領域6Aは、有機発光体10に接していてよい。高熱伝導領域6Aが有機発光体10に接していると、有機発光体10の発熱を効率よく吸収することができる。高熱伝導領域6Aは、第2電極4に接していてもよい。高熱伝導領域6Aは、有機発光層3に接していてもよい。なお、有機発光体10が封止領域内で被覆剤によって被覆される場合などには、高熱伝導領域6Aは有機発光体10に直接接していなくてもよい。この場合、高熱伝導領域6Aは平面視において有機発光層3の縁部3eと重複していればよい。要するに、高熱伝導領域6Aは、有機発光層3の縁部3eの近傍で生じる熱を吸収することができる配置であればよい。
図1及び図2で示すように、有機EL素子は、封止内部における有機発光体10の外周に、補助配線7を有している。このとき、高熱伝導領域6Aは、補助配線7の位置に配置されていることが好ましい。それにより、熱を効率よく吸収して外部に放出することができる。補助配線7の位置は局所的に電流が流れやすくなるため、発熱が生じやすい部位となるが、その部位での熱を吸収し伝達することができるのである。高熱伝導領域6Aは、平面視において補助配線7に重複して配置されていることが好ましい。補助配線7は、第1電極2の延長部分の表面に電気伝導性を高めるために形成された層であり、補助配線7近傍の電極引き出し部11が熱の発生しやすい部分である。そのため、より効率よく発熱を抑えることができる。
また、有機EL素子は、第1電極2から引き出された電極引き出し部11として第1電極引き出し部11aを有している。このとき、図1及び図2で示すように、高熱伝導領域6Aは、第1電極引き出し部11aの位置に配置されていることが好ましい。それにより、熱を効率よく吸収して外部に逃がすことができる。電極引き出し部11は抵抗が高く電気の流れによって発熱が生じやすい部位となる。特に第1電極引き出し部11aは、第1電極2の延長部分であり、熱が生じやすい部分である。そのため、電極の引き出し部分での熱を吸収し伝達することができるため、効率よく発熱を抑制することができる。高熱伝導領域6Aは第2電極引き出し部11bの位置に設けられてもよい。第2電極引き出し部11bも端部に配置されており、この部分でも熱が生じやすい。そのため、第2電極引き出し部11bの位置に高熱伝導領域6Aが設けられると、熱を効率よく逃がすことができる。高熱伝導領域6Aは、平面視において電極引き出し部11に重複して配置されていることが好ましい。さらに平面視において、第1電極引き出し部11aに重複して高熱伝導領域6Aが配置されていることが好ましい。第1電極引き出し部11aは熱が発生しやすい部分であり、第1電極引き出し部11aと高熱伝導領域6Aとが平面視において重複した配置になると、より効率よく発熱を抑えることができる。高熱伝導領域6Aは第1電極引き出し部11aと接していることが好ましい。高熱伝導領域6Aは第2電極引き出し部11bと接していることがより好ましい。
また、有機EL素子は、充填材6が有機発光体10の外周に設けられた封止側壁8に囲まれている。このとき、図1及び図2で示すように、高熱伝導領域6Aは、封止側壁8と接していることが好ましい。それにより、熱を効率よく吸収して外部に放出することができる。高熱伝導領域6Aが封止側壁8に接していると、高熱伝導領域6Aで吸収した熱を封止板5だけでなく封止側壁8に伝えて封止側壁8から熱を外部に放出することができるからである。
図3により、高熱伝導領域6Aによる熱の伝導について説明する。図3は、図3A〜図3Dから構成される。図3A〜図3Dでは、高熱伝導領域6Aは、有機発光層3の縁部3eの位置に配置されている。図3A〜図3Dでは、熱の伝わる方向を矢印で示している。
図3A〜図3Cでは、高熱伝導領域6Aは、封止側壁8と離間して配置されている。これらの例では、高熱伝導領域6Aと封止側壁8との間には、充填領域6Bが配置されている。一方、図3Dでは、高熱伝導領域6Aは、封止側壁8に接して配置されている。
図3Aでは、第1電極引き出し部11aの位置に高熱伝導領域6Aが形成されている。第1電極引き出し部11aは、第1電極2が延長して有機発光層3からはみ出した部分である。高熱伝導領域6Aと第1電極引き出し部11aとは平面視において重複している。高熱伝導領域6Aは、補助配線7と有機発光層3との間における第1電極引き出し部11aと、平面視において重複しており、この部分で接している。そのため、発熱が生じやすい第1電極引き出し部11aで生じた熱を効率よく吸収し伝達することができる。ただし、図3Aの例では、高熱伝導領域6Aは補助配線7の位置には設けられていない。
図3Bでは、補助配線7の位置に高熱伝導領域6Aが配置されている。高熱伝導領域6Aと補助配線7とは平面視において重複している。また、第1電極引き出し部11aの位置に高熱伝導領域6Aが形成されている。高熱伝導領域6Aと第1電極引き出し部11aとは平面視において重複している。図3Bでは、電流が集中しやすい補助配線7及びその近傍で生じた熱を効率よく吸収し伝達することができるため、図3Aよりも、熱を効率よく吸収して熱を逃がすことができる。
図3Cでは、補助配線7を覆うように高熱伝導領域6Aが配置されている。高熱伝導領域6Aは、補助配線7を跨って形成されている。補助配線7は、高熱伝導領域6Aによって包まれている。高熱伝導領域6Aの外縁が補助配線7の外縁よりも外側に配置されているといってもよい。高熱伝導領域6Aは、補助配線7と有機発光層3との間における第1電極引き出し部11aと、平面視において重複しており、この部分で接している。高熱伝導領域6Aは、封止側壁8と補助配線7との間における第1電極引き出し部11aと、平面視において重複しており、この部分で接している。図3Cでは、電流が集中しやすい補助配線7及びその近傍で生じた熱をさらに効率よく吸収し伝達することができるため、図3A及び図3Bよりも、熱を効率よく吸収して熱を逃がすことができる。
図3Dでは、高熱伝導領域6Aは、補助配線7の位置及び第1電極引き出し部11aの位置に設けられ、さらに、封止側壁8に接している。図3Dでは、図3A〜図3Cのように効率よく熱を吸収することができるのに加え、吸収した熱を封止板5及び封止側壁8の両方から放出することができる。図3A〜図3Cでは、熱を封止板5に伝えるのが支配的であるのに対し、図3Dでは、封止板5に加えて封止側壁8にも熱を伝達させることができるのである(黒矢印)。また、封止側壁8は、電極引き出し部11の補助配線7が設けられていない部分に形成されることが多い。封止側壁8は接着性が高いことが求められるが、補助配線7に接して封止側壁8が形成されると、接着性が低下するおそれがあるからである。このとき、封止側壁8と電極引き出し部11とが接することになる。そして、封止側壁8の位置に補助配線7が形成されていないと、第1電極引き出し部11aの単層が封止側壁8を横切ることになるため、電気を流した際には、抵抗が比較的高い第1電極引き出し部11aを電流が通過することになる。そのため、封止側壁8の近傍は電流が集中して発熱が生じやすくなる。そこで、図3Dでは、高熱伝導領域6Aを封止側壁8に接するようして設けている。すると、高熱伝導領域6Aが封止側壁8に接することにより、封止側壁8近傍で発生した熱を効率よく吸収して放出することができる。そのため、図3Dは、図3A〜図3Cよりもさらに熱を効率よく吸収し、熱を逃がすことができる。
図1及び図2に示すように、有機EL素子が多角形である場合、高熱伝導領域6Aは、有機EL素子における電極パッド9が形成された辺に設けられることが好ましい。有機EL素子を駆動させる際、電流は電極パッド9を通って、素子に入るため、電極パッド9の近傍が温度上昇しやすい。そこで、高熱伝導領域6Aを電極パッド9が形成された辺に設けることによって、熱を効率よく吸収して、発熱を抑制することができる。
充填材6は、適宜の材料により構成される。充填材6は、樹脂組成物により形成されることが好ましい。充填材6は、樹脂組成物が硬化して固まったものであることが好ましい。充填材6は、高熱伝導領域6Aの材料と、充填領域6Bの材料とが用いられて形成されるものであってよい。
高熱伝導領域6Aを構成する樹脂組成物と、充填領域6Bを構成する樹脂組成物とは異なるものであってよい。それにより、熱伝導性の高い高熱伝導領域6Aを容易に形成することができる。高熱伝導領域6Aは、充填領域6Bを形成するための樹脂に高熱伝導性の材料が加えられたものであることが好ましい。それにより、充填材6としては同種の樹脂を用いることができ、充填材6全体としての一体性を高めるとともに、高熱伝導領域6Aにおける熱伝導性を効率よく高めることができる。
充填材6の材料としては、紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂などが挙げられる。例えば、充填材6の材料として、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などが好ましく用いられる。充填材6の材料としては、紫外線硬化性樹脂が好ましい。紫外線硬化性樹脂は、紫外線照射で硬化させることができるため、熱硬化性樹脂よりも低い温度で硬化させることができる。
ここで、樹脂は、樹脂の種類にもよるが、通常、熱伝導率が1よりも低く、例えば、エポキシ樹脂では約0.5程度である。熱伝導率の単位は、W/(m・K)である。一方、基板1や封止板5として用いられ得るガラスの熱伝導率は約1程度である。つまり、樹脂は一般的にガラスよりも熱伝導率が低い傾向にあるため、高熱伝導領域6Aを形成するためには、充填材6の熱伝導性を高めるようにすることが求められる。そのため、熱伝導性を高める成分が高熱伝導領域6Aに含有されることが好ましい。熱伝導性を高める成分としては、熱伝導性を有する粒子が好ましい。熱伝導性を有する粒子としては、金属粒子などが例示される。例えば、酸化アルミや窒化アルミなどが例示される。熱伝導性を有する粒子の添加により、容易に高熱伝導領域6Aの熱伝導率を基板1よりも高くすることができる。なお、電気的信頼性を高めるために、熱伝導性を有する粒子として、絶縁性を有する材料か、あるいは絶縁処理が施された材料を用いてもよい。
高熱伝導領域6Aは、熱伝導率が1より大きいことが好ましい。それにより、熱を効率よく伝達して外部に放出することができる。高熱伝導領域6Aの熱伝導率は、例えば、1〜3の範囲にすることができるが、これに限定されるものではない。基板1の熱伝導率は1より小さくてもよい。封止板5の熱伝導率は1より小さくてもよい。基板1と封止板5とは、熱伝導率の差が0.1以下であり得る。充填領域6Bの熱伝導率は1より小さくてよい。熱伝導率の単位は、W/(m・K)である。
充填領域6Bの熱伝導率は、基板1の熱伝導率よりも低くてもよいし、高くてもよい。いずれであっても、高熱伝導領域6Aが設けられていれば、熱を効率よく伝えることができる。充填領域6Bの熱伝導率は、基板1の熱伝導率より高いことが好ましい一態様である。この場合、充填領域6Bを通して熱を伝達させることができ、発熱をさらに抑制することができる。充填領域6Bの熱伝導率が基板1の熱伝導率よりも小さい場合、熱伝導率は、小さい方から、充填領域6B、基板1、高熱伝導領域6Aの順になる。一方、充填領域6Bの熱伝導率が基板1の熱伝導率よりも高い場合、熱伝導率は、小さい方から、基板1、充填領域6B、高熱伝導領域6Aの順になる。基板1と封止板5とは熱伝導率が同じであってもよく、前記の熱伝導率の順序は、基板1と封止板5とを入れ換えてもよい。なお、充填領域6Bの熱伝導率が基板1の熱伝導率よりも高い場合、後述の形態のように、充填材6の全体が高熱伝導領域6Aになると考えることもできる。ただし、充填領域6Bの熱伝導率を基板1の熱伝導率よりも高くした場合でも、充填材6に、充填領域6Bと、充填領域6Bよりも熱伝導率が高い高熱伝導領域6Aとを設ける構成は有利である。充填材6に熱伝導率が相対的に高い高熱伝導領域6Aを設けることにより、高熱伝導領域6Aから効率よく熱を逃がすことができる。そのため、領域を分けて形成することに利点がある。
封止側壁8の熱伝導率は、充填領域6Bよりも高くてもよい。それにより、熱伝導性が高まって、熱を放出しやすくすることができる。封止側壁8の熱伝導率は、基板1よりも高いことが好ましい。それにより、熱の発生しやすい封止側壁8の近傍における熱を効率よく吸収及び伝達し、熱を外部に逃がすことができる。
封止側壁8は、高熱伝導領域6Aと接した部分に、高熱伝導領域6Aよりも熱伝導率が高い高熱伝導部8Aを有することが好ましい。封止側壁8が高熱伝導性を有することにより、効率よく熱を伝えて外部に熱を放出することができる。高熱伝導部8Aは基板1よりも熱伝導率が高い部分となる。
図4は、封止側壁8に設けられる高熱伝導部8Aの説明図である。図4は図4A〜図4Cから構成される。図4では、封止板5を除いた有機EL素子において、封止側壁8の近傍を平面視した様子を示している。高熱伝導部8Aは、封止側壁8における高熱伝導領域6Aに接する部分の少なくとも一部に設けられればよい。図4A〜図4Cの各例は、上記の有機EL素子に適用可能である。
図4Aでは、高熱伝導部8Aは、封止側壁8に部分的に設けられ、封止側壁8に接した高熱伝導領域6Aの一部と接している。高熱伝導領域6Aと高熱伝導部8Aとが接することにより、この接触部分から熱を効率よく逃がすことができる。図4Bでは、高熱伝導部8Aは、封止側壁8に部分的に設けられ、高熱伝導領域6Aの側方を覆うように配置されている。図4Bでは、高熱伝導部8Aが高熱伝導領域6Aを覆っているため、接触面積が大きくなり、図4Aよりも熱を外部に逃がしやすくすることができる。
図4A及び図4Bのように、封止側壁8の一部を高熱伝導部8Aにする場合、封止側壁8における高熱伝導部8A以外の部分は、低熱伝導部8Bと定義される。ただし、低熱伝導部8Bにおける熱伝導率の低さは、封止側壁8内の相対的な熱伝導性を示すものである。低熱伝導部8Bは、充填領域6Bよりも熱伝導率が高いことが好ましい。低熱伝導部8Bは、基板1よりも熱伝導率が高いことが好ましい。低熱伝導部8Bは、封止板5よりも熱伝導率が高いことが好ましい。
図4Cでは、封止側壁8の全部が高熱伝導部8Aで構成されている。つまり、封止側壁8は高熱伝導領域6Aよりも熱伝導率が高くなっている。図4Cでは、封止側壁8の全体が高熱伝導となるため、熱を外部に伝えやすくすることができ、効率よく発熱を抑制することができる。また、封止側壁8を同じ材料で形成することができるため、封止側壁8を容易に形成することができる。
図4以外の図では、高熱伝導部8A及び低熱伝導部8Bの符号の記載を省略しているが、各図においては、封止側壁8は同種の材料で形成されていると考えてよい。これらにおいても、封止側壁8は高熱伝導部8Aを有していてもよい。封止側壁8は、好ましくは高熱伝導領域6Aよりも熱伝導率が高い高熱伝導部8Aで全体が形成され得る。
封止側壁8は、適宜の材料により構成される。封止側壁8は、樹脂組成物により形成されることが好ましい。封止側壁8は、樹脂組成物が硬化して固まったものであることが好ましい。封止側壁8が高熱伝導部8Aを有する場合、高熱伝導部8Aを構成する樹脂組成物と、低熱伝導部8Bを構成する樹脂組成物とは異なるものであってよい。それにより、熱伝導性の高い高熱伝導部8Aを容易に形成することができる。高熱伝導部8Aは、低熱伝導部8Bを形成するための樹脂に高熱伝導性の材料が加えられたものであることが好ましい。それにより、封止側壁8としては同種の樹脂を用いることができ一体性を高めるとともに、高熱伝導部8Aにおける熱伝導性を効率よく高めることができる。封止側壁8は全体が高熱伝導部8Aで構成されていることがより好ましい。この場合、封止側壁8は、高熱伝導性の樹脂組成物により一体的に形成され得る。それにより、容易に熱伝導性の高い封止側壁8を形成することができる。
封止側壁8の材料としては、紫外線硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂などが挙げられる。例えば、封止側壁8の材料として、エポキシ樹脂、アクリル樹脂などが好ましく用いられる。封止側壁8の材料としては、紫外線硬化性樹脂が好ましい。紫外線硬化性樹脂は、紫外線照射で硬化させることができるため、熱硬化性樹脂よりも低い温度で硬化させることができる。
ここで、樹脂は、樹脂の種類にもよるが、通常、熱伝導率が1よりも低く、例えば、エポキシ樹脂では約0.5程度である。熱伝導率の単位は、W/(m・K)である。そのため、封止側壁8に高熱伝導性を付与するために、熱伝導性を高める成分が封止側壁8に含有されることが好ましい。熱伝導性を高める成分としては、熱伝導性を有する粒子が好ましい。熱伝導性を有する粒子としては、金属粒子などが例示される。例えば、酸化アルミや窒化アルミなどが例示される。熱伝導性を有する粒子の添加により、容易に封止側壁8の熱伝導性を高くすることができる。なお、電気的信頼性を高めるために、熱伝導性を有する粒子として、絶縁性を有する材料か、あるいは絶縁処理が施された材料を用いてもよい。
封止側壁8は、熱伝導率が1より大きいことが好ましい。それにより、熱を効率よく伝達して外部に放出することができる。封止側壁8の熱伝導率は、例えば、1〜3の範囲にすることができるが、これに限定されるものではない。封止側壁8が高熱伝導部8Aと低熱伝導部8Bとを有する場合、例えば、低熱伝導部8Bの熱伝導率を1〜2の範囲にし、高熱伝導部8Aの熱伝導率を2〜3の範囲にしてもよい。熱伝導率の単位は、W/(m・K)である。
以下、図1及び図2の各形態に分けて、補助配線7と高熱伝導領域6Aとの好ましい関係を説明する。
図1の形態では、有機EL素子は、図1Aに示すように、補助配線7が環状に形成されている。すなわち、補助配線7は、有機発光体10の外周を取り囲むように連続した枠体として形成されている。補助配線7は一体化している。これにより、第1電極2の通電性を高く補助することができる。
有機EL素子では、図1のように、補助配線7は、有機発光体10の外周全体に連続する多角形の枠状に設けられることが好ましい一態様である。多角形は有機EL素子の多角形に対応した形状の多角形であってよい。このとき、高熱伝導領域6Aは、多角形を構成する一辺の全長に亘って少なくとも配置されていることが好ましい。多角形の辺となる端部は、電流が集中しやすく発熱が生じやすい箇所である。そのため、この部分に高熱伝導領域6Aを形成することにより、効率よく熱を吸収して放出することができる。辺の全長に亘って配置される高熱伝導領域6Aは、少なくとも一つであることが好ましく、二つ以上であることがより好ましい。
図1の形態では、有機EL素子の四角形の辺に沿って、高熱伝導領域6Aが線状に配置されている。高熱伝導領域6Aの形状は長方形であってよい。この形態では、電極引き出し部11は、基板1の両端部に形成されており、この両端部の両方に高熱伝導領域6Aが形成されている。高熱伝導領域6Aは、電極引き出し部11が形成された有機EL素子の四角形の対向する二辺に配置されている。高熱伝導領域6Aは、封止板5の端部の全長に亘っている。高熱伝導領域6Aは長尺となっている。高熱伝導領域6Aは絶縁層12と接していてもよい。高熱伝導領域6Aは絶縁層12を被覆していてもよい。絶縁層12は補助配線7の位置に設けられ、発熱がしやすい場所に位置しているため、効率よく熱を逃がすことができる。
図2の形態では、有機EL素子は、図2Aに示すように、補助配線7が、有機発光体10の外周において分断して形成されている。有機EL素子では、補助配線7が分断していることが好ましい一態様である。それにより、効率よく第1電極引き出し部11aの通電性を高めることができる。このとき、高熱伝導領域6Aは、補助配線7の分断形状に合わせて配置されていることが好ましい。それにより、補助配線7の位置で局所的に発生する熱を効率よく吸収して放出させることができる。有機EL素子では、高熱伝導領域6Aは、補助配線7に対応して配置されている。補助配線7は、第1電極引き出し部11aに配置されている。そのため、第1電極引き出し部11aが引き出される部分に対応して、高熱伝導領域6Aが配置されている。補助配線7は、第2電極引き出し部11bが設けられる部分で分断されている。高熱伝導領域6Aは、第2電極引き出し部11bが設けられる部分で分断されている。
図2では、具体的には、高熱伝導領域6Aは、複数(6個)に分断されて配置されている。高熱伝導領域6Aは有機EL素子の平面形状における四角形の四隅に配置されている。四隅は第1電極引き出し部11aが延伸している部分であり、熱が発生しやすい。そのため、四隅に配置された高熱伝導領域6Aにより効率よく発熱を抑制することができる。また、高熱伝導領域6Aは有機EL素子の平面形状における四角形の辺の中央部に配置されている。電極引き出し部11が設けられた辺においては、第2電極引き出し部11bの間に第1電極引き出し部11aが設けられており、この中央の第1電極引き出し部11aに対応して高熱伝導領域6Aが形成されている。そのため、辺の中央で生じ得る発熱を効率よく抑制することができる。
なお、図2の形態のように、補助配線7が分断されるものであっても、図1の形態の高熱伝導領域6Aのように、有機EL素子の四角形の辺の全長に亘って高熱伝導領域6Aが設けられてもよい。その場合も、高熱伝導領域6Aによって効率よく熱を逃がすことができる。
図5は有機EL素子の変形例である。図5では、図1のように連続した環状となった補助配線7を基にしているが、図5の例は図1及び図2の形態のいずれにも適用可能である。図5では、有機EL素子を分解して平面視した様子を示している。図で示される符号は、上記で説明したものと同じである。
図5では、高熱伝導領域6Aは、封止側壁8の内側で連続した環状に形成されている。このように、高熱伝導領域6Aは、有機発光層3の縁部3e全域に配置されていることが好ましい一態様である。高熱伝導領域6Aは連続した枠状であるといってもよい。有機EL素子の面内における電流密度分布及び温度分布においては、電極引き出し部11が設けられた近傍において分布が最も高くなるが、外周部においても比較的これらの分布が高くなる。特に有機発光体10を囲むように補助配線7を設け、補助配線7が、電極が引き出される部分以外の端部にも配置された場合には、補助配線7からの電流の流れにより、補助配線7が設けられた近傍の全体で熱が生じやすくなる。したがって、高熱伝導領域6Aを、有機発光層3の縁部3eの全域と重複するように、有機発光体10の外周に沿って設けることにより、発熱を高く抑制することができ、温度ムラを低減することができる。また、面内の温度分布がより均一化することにより、輝度の均一化をより行うことができ、輝度ムラをさらに低減することができる。高熱伝導領域6Aは、封止板5の外周に沿って設けられるものであってよい。
図6は有機EL素子の変形例である。図6の例は図1及び図2の形態のいずれにも適用可能である。図6では、有機EL素子における第1電極引き出し部11aが設けられた部分における断面図を示している。図6の形態の平面図は、図1A又は図2Aと考えてよい。ただし、高熱伝導領域6Aの外縁は、図1A及び図2Aから変更される。
図6では、充填材6の全体が高熱伝導領域6Aで構成されている。充填材6は充填領域6Bを有していない。すなわち、充填材6全体が基板1よりも熱電伝導率が高くなっている。充填材6においては、基板1と封止板5との間の封止側壁8に囲まれた部分の全体が高熱伝導領域6Aとなっている。充填材6の熱伝導率が基板1の熱伝導率よりも高いといってもよい。そのため、有機発光体10において発生した熱を容易に封止板5及び封止側壁8に伝えて熱を外部に逃がすことができる。図6の形態では、充填材6の種類を減らすことができるため、製造が容易になる利点がある。ただし、全体の発光の均一性を高めるためには、上記の形態のように、充填材6を高熱伝導領域6Aと充填領域6Bとで構成し、外周部の熱を優先的に逃がす態様の方が好ましい。また、全体の温度の均一性を高めるためには、上記の形態のように、充填材6を高熱伝導領域6Aと充填領域6Bとで構成し、外周部の熱を優先的に逃がす態様の方が好ましい。
有機EL素子の製造方法について説明する。有機EL素子の製造では、まず、基板1の上に、有機発光体10を形成する。有機発光体10の形成は、有機発光体10を構成する各層を順次に積層することにより行うことができる。例えば、まず基板1の表面に第1電極2を積層し、次に有機発光層3を積層し、その後、第2電極4を積層する。積層は、スパッタリング、蒸着、塗布の適宜の方法を層ごとに選択して行うことができる。有機発光層3が複層構造の場合は、有機発光層3の各層を順次に積層することができる。第1電極2、有機発光層3及び第2電極4は、有機EL素子が駆動可能なようにパターニングされて形成されていてよい。
第1電極2の形成の際には、好ましくは、第1電極2を構成する導電層を延長させて第1電極引き出し部11aを形成するとともに、第1電極2を構成する導電層をパターニングにより分断させて、第2電極引き出し部11bを形成するようにする。補助配線7は、第1電極2の後、有機発光層3を積層する前に、形成することができる。補助配線7と同時に、電極パッド9及び補助電極の一方又は両方を形成してもよい。第1電極2、有機発光層3及び第2電極4の積層により、有機発光体10が形成される。
有機発光体10の封止にあたっては、基板1の上に、有機発光体10の外周を取り囲むように封止側壁8の材料を枠状に形成し、この封止側壁8の材料で囲まれた部分に充填材6の材料を充填する。封止側壁8の材料は、好ましくは、ある程度の流動性を有しつつ形態保持性を有するものが用いられる。その場合、充填材6の材料を堰き止めるためのダムとして機能することが可能になる。充填材6の材料は流動性を有するものであってよい。例えば、未硬化の樹脂が挙げられる。
充填材6の充填では、好ましくは、高熱伝導領域6Aの場所に高熱伝導領域6Aを形成するための材料を配置し、充填領域6Bの場所に充填領域6Bを形成するための材料を配置することができる。例えば、高熱伝導領域6Aの材料は、有機EL素子の形状を構成する四角形の対向する2辺に、直線状に配置したり、部分的に(分断して)配置したりすることができる。また、充填材6の全体が高熱伝導領域6Aである場合は、高熱伝導領域6Aの材料を、充填材6を充填する場所の全体に配置することができる。充填材6は、好ましくは、点状に塗布された際に、塗布された位置から若干広がる程度の流動性と形状保持性とを有するように構成されている。そして、高熱伝導領域6Aと充填領域6Bとは、混じることが抑制されている。それにより、互いの領域を保持しながら充填材6を配置することができる。充填材6の材料の粘度などによって、流動性と形状保持性の制御は可能である。
そして、基板1と封止板5との間に有機発光体10及び充填材6の材料を挟んで対向配置させ、これらを近づけて封止板5を封止側壁8の材料に接触させる。好ましくは、基板1と封止板5とを封止側壁8の材料で仮接着する。有機発光体10は、基板1と封止板5との間に配置される。なお、封止板5の方に、封止側壁8及び充填材6の材料を配置し、その後、基板1と封止板5とを接着するようにしてもよい。
基板1と封止板5との対向配置の後、充填材6の材料を硬化させる。充填材6の材料の硬化と同時に封止側壁8の硬化を行うことが好ましい。紫外線硬化性樹脂を用いた場合には、紫外線を照射することにより硬化させることができる。例えば、封止板5側から紫外線を照射すると、効率よく樹脂を硬化させることができる。また、熱硬化性樹脂を用いた場合には、熱硬化温度まで加熱することによって樹脂を硬化させることができる。加熱工程を含む場合、温度によっては有機EL素子を劣化させるおそれがある。そのため、比較的低温で硬化性を有する熱硬化性樹脂を用いるか、あるいは、紫外線硬化性樹脂を用いることが好ましい。樹脂の硬化により、充填材6の材料が固化して固体状の充填材6が形成される。また、樹脂の硬化により、封止側壁8の材料が固化して固体状の封止側壁8が形成される。
充填材6及び封止側壁8の材料の硬化により、基板1と封止板5とが接着し、封止が完了する。これにより、有機EL素子が得られる。
照明装置は、上記の有機EL素子を備える。それにより、温度ムラと輝度ムラがなく信頼性の高い照明装置を得ることができる。照明装置は、複数の有機EL素子を面状に配置するものであってよい。照明装置は、有機EL素子に給電するための配線構造を備えるものであってよい。照明装置は、有機EL素子を支持する筐体を備えるものであってよい。照明装置は、有機EL素子と電源とを電気的に接続するプラグを備えるものであってよい。照明装置は、パネル状に構成することができる。照明装置は、厚みを薄くすることができるため、省スペースの照明器具を提供することが可能である。
図7に照明装置の一例を示す。図7の照明装置100は有機EL素子101を備えている。図7に記載した符号で示される構成は、上記で説明したものと同様である。図7の例では、有機EL素子101は配線102を有する。有機EL素子101は電極パッド9に接続された配線102により外部電源103に接続されている。白抜き矢印は光の出射を示している。
1 基板
2 第1電極
3 有機発光層
3e 縁部
4 第2電極
5 封止板
6 充填材
6A 高熱伝導領域
6B 充填領域
7 補助配線
8 封止側壁
8A 高熱伝導部
9 電極パッド
10 有機発光体
11 電極引き出し部
11a 第1電極引き出し部
11b 第2電極引き出し部
12 絶縁層

Claims (9)

  1. 光透過性を有する基板と、前記基板に支持される有機発光体と、前記基板に対向して配置される封止板とを備え、
    前記有機発光体は、光透過性を有する第1電極と、前記第1電極と対をなす第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に配置される有機発光層とを有し、
    前記有機発光体が前記封止板に覆われて封止されている有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記基板と前記封止板との間の間隙には、充填材が配置され、
    前記充填材は、前記有機発光層の縁部の位置に、前記基板の熱伝導率よりも熱伝導率が高い高熱伝導領域を有することを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 封止内部における前記有機発光体の外周に、補助配線を有し、
    前記高熱伝導領域は、前記補助配線の位置に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記補助配線は、前記有機発光体の外周全体に連続する多角形の枠状に設けられ、
    前記高熱伝導領域は、前記多角形を構成する一辺の全長に亘って少なくとも配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記補助配線は、前記有機発光体の外周において分断して設けられ、
    前記高熱伝導領域は、前記補助配線の分断形状に合わせて配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記高熱伝導領域は、前記有機発光層の縁部全域に配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記第1電極から引き出された電極引き出し部を有し、
    前記高熱伝導領域は、前記電極引き出し部の位置に配置されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記充填材は、前記有機発光体の外周に設けられた封止側壁によって囲まれ、
    前記高熱伝導領域は、前記封止側壁と接していることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記封止側壁は、前記高熱伝導領域と接した部分に、前記高熱伝導領域よりも熱伝導率が高い高熱伝導部を有することを特徴とする、請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた照明装置。
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