JP2014096334A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】発光性と信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。
【解決手段】基板1上に、第1電極5と有機発光層6と第2電極7とをこの順に有する有機発光体8が形成された有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。有機エレクトロルミネッセンス素子は、第1電極5に接して設けられた網目状の補助電極3と、有機発光体8と基板1との間に透光性を有する光取り出し部2と、を備えている。光取り出し部2は、屈折率の異なる第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとを基板1側からこの順で有している。第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとの境界には凹凸構造4が部分的に形成されており、補助電極3は、平面視における凹凸構造4が形成されている領域と重複しない位置に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
一般的な構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」ともいう)として、透明基板の表面に、透明電極、正孔輸送層、発光層、電子注入層、対電極が順に積層されたものが知られている。有機EL素子では、陽極と陰極の間に電圧を印加することによって有機発光層で発した光は、透明電極、透明基板を通して取り出される。
有機EL素子は、自発光であること、比較的高効率の発光特性を示すこと、各種の色調で発光可能であること等の特徴を有している。そのため、表示装置、例えばフラットパネルディスプレイ等の発光体として、あるいは光源、例えば液晶表示機用のバックライトや照明への活用が期待され、また一部のものはすでに実用化されている。これらの用途に有機EL素子を応用展開するために、より高効率・長寿命・高輝度で大面積な有機EL素子の開発が望まれている。
有機EL素子の効率を支配する要因の一つとして、光取り出し効率が挙げられる。有機EL素子の光取り出し効率は、一般に20〜30%程度と言われており(この値は発光パターンや内部の層構造によって多少変化する)、この数値は高くはない。光取り出し効率が低い値になる要因としては、光の発生部位及びその周辺を構成する材料が高屈折率や吸光性などの特性を有するために、屈折率の異なる界面での全反射、材料による光の吸収などが生じ、外界へ有効に光が伝播できないからであると考えられる。これはすなわち、いわゆる発光として有効に活用できていない光が全発光量の70〜80%を占めるということであり、光取り出し効率向上による有機EL素子の効率向上の期待値は、非常に大きい。
以上の背景に伴い、光取り出し効率を向上するための試みがこれまで非常に多くなされている。中でも特に、有機層から基板層への到達光を増やす試みが多くなされている。有機層の屈折率が約1.7とすると、通常、基板として用いられるガラスの屈折率が約1.5、透明電極として一般的なITOの屈折率は1.8〜2.0程度であるため、透明電極とガラスの界面で発生する全反射ロスは、全放射光の約50%に達すると考えられる。なお、この値は点光源近似で得られる値であり、発光が有機分子からの3次元放射光の積算であることを考慮している。このように有機層と基板との界面での全反射ロスは大きく、この有機層−基板間の全反射ロスを低減することで、有機EL素子の光取り出し効率を大きく改善することが可能である。
また、有機EL素子の大面積化には、輝度ムラを抑制するために素子の電流密度を均一化することが求められる。そのため、上記の対となる電極(透明電極及び対電極)以外に透明電極の通電を補佐する補助電極を基板上に設けることが行われている。
国際公開第2010/0411611号
有機層と基板との間での全反射ロスを低減する方法として、基板と透明電極との間に光取り出し構造を有する層を設けることが知られている。この光取り出し構造は、樹脂に微粒子を分散させて光を散乱させたり、樹脂層に回折構造を設けたりして形成されている。光取り出し構造が設けられると、通常、凹凸を有する層が形成される。ここで、透明電極や有機層は、可能な限り凹凸がない状態の表面に形成することが好ましいため、光取り出し構造は一般的に、凹凸を平坦化する層を備える。したがって、光取り出し構造は、少なくとも二つの層で構成され、この二つの層の界面が凹凸界面となる積層構造によって表面を平坦化して形成される。
ここで、素子の発光効率を向上させるとともに素子を大面積化するよう、特許文献1に示すように、素子に光取り出し構造と補助電極との両方を設けることがある。このとき、光取り出し構造の上に補助電極が設けられたりして、補助電極が不均一に形成されると、その上に積層される有機発光層、対電極等にも凹凸が多く生じるなどして膜質が不均一になりやすくなる。すると、電極間の距離が小さくなることで素子がショート不良を起こしたり、発光不良を生じたりする。このように、素子が光取り出し構造と補助電極とを備える場合、補助電極や有機発光層等の膜質が不均一になったりして、これらの膜を平坦で均一に安定して形成することが難しくなる。そして、素子の発光性や信頼性が低下しやすくなる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、全反射ロスを低減して光取り出し性を高めるとともに、素子内の膜を均一に形成しやすくしてショート不良が生じることを抑制し、発光性と信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とするものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板上に、第1電極と有機発光層と第2電極とをこの順に有する有機発光体が形成された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記第1電極に接して設けられた網目状の補助電極と、前記有機発光体と前記基板との間に透光性を有する光取り出し部と、を備え、
前記光取り出し部は、屈折率の異なる第1屈折率層と第2屈折率層とを前記基板側からこの順で有し、前記第1屈折率層と前記第2屈折率層との境界には凹凸構造が部分的に形成されており、
前記補助電極は、平面視における前記凹凸構造が形成されている領域と重複しない位置に設けられていることを特徴とするものである。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、前記光取り出し部は溝部を有し、前記補助電極は、平面視における前記溝部の位置に設けられていることが好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、前記光取り出し部と前記基板との間に応力緩和層が形成されており、前記応力緩和層の屈折率が前記基板の屈折率と略同等であることが好ましい。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、前記基板の前記光取り出し部が設けられた側の表面には、基板に対して密着性を高める密着層が設けられていることが好ましい。
有機エレクトロルミネッセンス素子の好ましい一形態は、前記光取り出し部を分断するように前記溝部が設けられ、前記補助電極は、前記溝部の底部上に設けられているものである。
有機エレクトロルミネッセンス素子の好ましい一形態は、前記光取り出し部に形成されている前記溝部の位置に設けられた前記補助電極の厚みは、前記溝部の深さの半分以上であるものである。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子にあっては、前記有機発光層は、前記第1電極と接する表面に高分子材料により形成される層を有することが好ましい。
本発明によれば、素子が、第1屈折率層と第2屈折率層の境界に凹凸構造を有する光取り出し部と、網目状の補助電極とを備えることで、全反射ロスを低減して光取り出し性を高めることができると共に通電性を高めて、素子の発光性を高めることができる。そして、網目状の補助電極が平面視における凹凸構造が形成されている領域と重複しない位置に設けられていることで、素子の各層を均一に形成しやすくすることができ、素子の信頼性を高めることができる。その結果、発光性と信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す一部を分解した平面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図である。
図1は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の実施形態の一例を示す断面図である。この有機EL素子は、基板1と、基板1上に透光性を有する第1電極5、有機発光層6及び第2電極7がこの順で設けられた有機発光体8とを備えるものである。有機EL素子はさらに、第1電極5に接して設けられた網目状の補助電極3と、有機発光体8と基板1との間に透光性を有する光取り出し部2と、を備えている。光取り出し部2は、屈折率の異なる第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとを基板1側からこの順で有している。第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとの境界には凹凸構造4が部分的に形成されており、補助電極3は、平面視における凹凸構造4が形成されている領域と重複しない位置に設けられている。本形態では、有機発光体8は、基板1に接着された封止材9によって封止されている。
図2は、図1の形態の有機EL素子の平面図(基板1の表面に垂直な方向から見た図)を示している。図2では素子の内部構造がわかりやすいように、素子を一部分解し封止材9を取り除いて図示し、封止材9が接着される領域を斜線で、隠れている補助電極3を破線で示している。また、凹凸構造4が設けられる領域を二点破線に囲まれたドット模様で示している。なお、図1は、図2の(i)−(i)断面図を図示している。
基板1は、透光性を有する基材を用いることが好ましい。透光性を有する基材とは、もちろん無色透明の基材であってよく、透光性を有すれば、多少着色された基材であってもよく、すりガラス状の基材であってもよい。透光性を有する基材としては、例えば、ソーダライムガラスや無アルカリガラスなどの透明ガラス板を用いることができる。基板1を透明ガラス板で構成することにより、光をよく透過させることができると共に、ガラスは水分の透過性が低いので、封止領域の内部に水分が浸入することを抑制することができる。また、透光性を有する基材としては、樹脂材を用いることができる。樹脂材とは、樹脂で構成されるものであってよく、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、エポキシ、フッ素系樹脂等で構成されるものであってよい。また、樹脂材とは任意の方法で作製されたプラスチックフィルムやプラスチック板であってよい。また、基板1が透湿性を有する基材で構成される場合、防湿性を有する層を基板1上に敷設することが好ましい。これにより、素子の内部に水分が浸入することを抑制して、有機EL素子の劣化を抑制することができる。また、基板1としては、熱伝導性の高い基材を用いることができる。熱伝導性の高い基材とは、ガラスや樹脂等の基板母材が屈折率の異なる粒子、粉体、泡等を含むことによって構成されるものであってよい。基板1として熱伝導性の高いものを用いることにより、素子の発熱による温度上昇を軽減することができ、素子の変形や発光不良を抑制して、素子の信頼性を向上することができる。基板1は、適宜の形状であってよいが、本形態では矩形状のものが用いられている。
本形態の有機EL素子では、基板1上に、第1電極5と、有機発光層6と、第2電極7とが基板1側からこの順で形成されている。
第1電極5及び第2電極7は、互いに対となる電極である。通常、第1電極5は陽極を構成し、第2電極7は陰極を構成するが、その逆であってもよい。第1電極5は光透過性を有することが好ましく、光取り出し側の電極として構成することができる。また、第2電極7は光反射性を有していてもよい。その場合、第2電極7側に向かって発せられる発光層からの光を第2電極7で反射させて取り出すことができる。また、第2電極7は透過性の電極であってもよい。第2電極7側が光透過性の場合、封止材9側の面(背面)から光を取り出す構造にすることが可能である。あるいは、第2電極7が光透過性の場合、第2電極7の背面(有機発光層6とは反対側の面)に光反射性の層を設けることによって、第2電極5の方向に進行した光を反射させて基板1側から取り出すことが可能である。その際、光反射性の層は、散乱反射性であってもよいし、鏡面反射性であってもよい。
また、有機発光層6における発光を光取り出し側の電極(本形態では、第1電極5)を透過させて外部に照射するためには、光取り出し側の電極の光透過率を70%以上にすることが好ましい。さらに、光取り出し側の電極のシート抵抗は数百Ω/□以下とすることが好ましく、より好ましく100Ω/□以下とするものである。ここで、光取り出し側の電極の膜厚は、光取り出し側の電極の光透過率、シート抵抗等の特性を上記のように制御するために、500nm以下にするのが好ましく、より好ましくは10〜200nmの範囲に設定するのがよい。
第1電極5を光取り出し側の電極として構成する場合、第1電極5は、透明な電極材料を用いて構成することができる。透明な電極材料としては、導電性の金属酸化物や、導電性高分子(任意のアクセプタ等でドープしたものを含む)、導電性光通過性材料を挙げることができる。この中で、導電性の金属酸化物を好ましく用いることができる。光取り出し側の電極を導電性の金属酸化物で構成することで、透明性が高く導電性が高い電極を光取り出し側に形成することができる。透明な金属酸化物としては、例えば、ITO、IZO、AZOなどを挙げることができる。また、導電性高分子としては、PEDOT、ポリアニリン等を例示することができ、導電性光通過性材料としては、カーボンナノチューブを例示することができる。第1電極5の形成には、薄膜を形成する適宜の方法を用いることができ、真空蒸着法やスパッタリング法、塗布等の方法を用いることができる。真空蒸着法やスパッタリング法で第1電極5を作製する場合には、マスク等を用いて成膜パターニングすることにより、電極を低コストで作製することができる。
第2電極7は、適宜の電極材料を用いて構成することができる。例えば電極材料として、金属や合金、その他の電気伝導性化合物、あるいはこれらの混合物を用いることができる。電極材料としては、例えば、Al、Ag、Mg等であってよく、これらと他の金属との合金や混合物であってよい。合金や混合物の具体例としては、Mg−Ag混合物、Mg−In混合物、Al−Li合金を挙げることができる。また、電極材料は、金属の導電材料や金属酸化物であってもよく、あるいは、これらと他の金属の混合物や合金であってもよい。例えば、Al/Al混合物などを使用することができる。第2電極7は、これらの電極材料を真空蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜に形成することによって作製することができる。また、有機EL素子を第2電極7から光を取り出す構成にする場合は、第2電極7は、透明な電極材料を用いて薄膜を形成する適宜の方法で作製することができる。
有機発光層6は、発光を生じさせる機能を有する層であり、通常、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、中間層などから適宜選ばれる複数の層によって構成されるものである。有機発光層6の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、60〜1000nm程度にすることができる。
有機発光層6の積層構造は、例えば、第1電極5を陽極とし、第2電極7を陰極とした場合、第1電極5から順に、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層とすることができる。なお、積層構造は、これらに限定されるものではなく、例えば、発光層の単層としたり、正孔輸送層と発光層と電子輸送層との積層構造にしたり、正孔輸送層と発光層との積層構造にしたり、発光層と電子輸送層との積層構造にしたりすることができる。また、発光層は、単層構造でも多層構造でもよく、例えば、発光色が白色の場合には、発光層中に、赤色、緑色、青色の3色のドーパント色素をドーピングしてもよいし、青色正孔輸送性発光層と緑色電子輸送性発光層と赤色電子輸送性発光層との積層構造にしてもよい。あるいは、青色電子輸送性発光層と緑色電子輸送性発光層と赤色電子輸送性発光層との積層構造にしてもよい。また、対となる電極(陽極と陰極)に挟んでこの電極に電圧を印加した際に発光が生じる積層構造を1つの発光ユニットとした場合に、複数の発光ユニットが光透過性及び導電性を有する中間層を介して積層され、電気的に直接接続したマルチユニット構造になっていてもよい。マルチユニット構造とは、対となる電極の間に、厚み方向に重なる複数の発光ユニットを備えた構造である。また、これらの材料からなる有機層は、蒸着、転写等の乾式プロセスによって成膜してもよいし、スピンコート、スプレーコート、ダイコート、グラビア印刷等、湿式プロセスによって成膜するものであってもよい。
図1で示すように、本形態の有機EL素子では、有機発光体8が、基板1に接着される封止材9によって覆われて封止されている。
封止材9は、水分の透過性が低い基板材料を用いて形成することができる。例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラスなどのガラス材料で形成されたガラス基板を用いることができる。これらは比較的安価なガラス材料であるため、有機EL素子の製造コストを抑えることができる。封止材9には、有機発光体8を収容するための凹部を有していてもよいが、有していなくてもよい。封止材9が凹部を有している場合、有機発光体8を側部まで覆って封止することができるため、水分の浸入をより抑制することができ、封止性を高めることができる。凹部を有する封止材9としては、例えばキャップガラスを用いることができる。封止材9が凹部を有していない場合、封止材9の平坦な面を基板1に対向させて封止することが可能になり、また、板状の基材をそのまま用いることができる。ただし、封止材9が凹部を有していない場合には、有機発光体8を封止するためのスペーサとなる側壁が形成されることが求められる。
封止材9と基板1とは、接着材料により設けられた接着部15により互いに接合している。接着部15は有機発光体8の外周を取り囲んで基板1に設けられるものである。封止材9が接着部15によって基板1に接着されることにより、有機発光体8は外部空間から遮断されて封止されることになる。本形態では、封止材9はキャップガラス状の基材で形成されていて、有機発光体8を収納する凹部を有している。そして、側壁を形成する部分の下面に接着部15が設けられて基板1と接着している。
接着部15を構成する接着材料は、接着剤として機能する適宜の材料により構成されるものであり、例えば、樹脂性の接着材料を用いることができる。樹脂性の接着材料は、防湿性を有しているものが好ましい。例えば、樹脂性の接着材料は乾燥剤を含有することにより、防湿性を高めることができる。樹脂性の接着材料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂などを主成分とするものであってよい。
基板1と封止材9とに挟まれて有機発光体8が封止された領域(封止間隙10)には、充填材が充填されていてもよいし、空洞となった封止空間が形成されていてもよい。封止間隙10を封止空間にする場合、封止材9で簡単に封止することができ、素子を容易に作製することができる。また、封止間隙10に充填剤が充填されずに封止空間が形成された場合、封止空間には乾燥剤を設けることが好ましい。それにより、封止空間に水分が浸入したとしても、浸入した水分を吸収することができる。例えば、封止材9の有機発光体8側の表面に貼り付けることにより乾燥剤を封止空間内に設けることができる。
また、基板1と封止材9とに挟まれた封止領域の封止間隙10を充填剤で満たした場合、封止材9で封止する際に、封止材9が内側に湾曲するなどしたとしても、有機発光体8に接触したりすることを低減でき、より安全に素子を製造することができる。充填剤は乾燥剤や吸湿剤が配合された樹脂組成物で構成することができる。また、流動性を有する樹脂組成物を用いることにより、封止間隙10に充填剤を簡単に充填することができる。充填剤は硬化するものであっても、硬化しないものであってもよい。また、充填剤が乾燥剤や吸湿剤を含有することによって、素子の内部に水分が浸入したとしても、充填剤で水分を吸収することができ、水分が有機発光層6に到達して有機発光層6を劣化させることを抑制することができる。
有機EL素子では、第1電極5と第2電極7とに電圧を印加し、有機発光層6において正孔と電子を結合させて発光を生じさせる。そのため、第1電極5及び第2電極7のそれぞれと導通する電極端子を封止領域よりも外部に引き出して設ける必要がある。電極端子は、外部電極と電気的に接続するための端子である。図1の形態では、第1電極5を構成する導電層を基板1の端部に引き出すことにより、電極引き出し部16を形成し、この電極引き出し部16で電極端子を構成するようにしている。
電極引き出し部16は、基板1の端部表面に設けられている。電極引き出し部16は、第1電極5と導通する第1電極引き出し部16aと第2電極7と導通する第2電極引き出し部16bとに区分される。本形態では、電極引き出し部16は、第1電極5を構成する導電層が基板1の端部側に引き出され、封止材9が設けられる領域よりも外側に延出されることによって形成されている。第2電極引き出し部16bが設けられる端部は、この導電層が分断されるとともに分断された導電層が延伸することにより封止領域からはみ出して基板1の表面に形成されている。第2電極引き出し部16bは、封止領域の内部において、積層された第2電極7と接触しており、それにより第2電極引き出し部16bと第2電極7とが導通する構造となっている。
なお、電極引き出し部16の構造(電極を封止領域よりも外部に引き出す構造)は、図1及び図2の形態に限られるものではなく、例えば、第1電極引き出し部16a及び第2電極引き出し部16bの一方又は両方を、第1電極5を構成する導電層とは別の導電層を用いて形成してもよい。
本形態の有機EL素子では、基板1と有機発光体8との間に、透光性を有する光取り出し部2を備えている。光取り出し部2は、屈折率の異なる第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとを基板1側からこの順で有している。また、第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとの境界には部分的に凹凸構造4が設けられている。このような光取り出し部2を設けることにより、素子の光取り出し効率を向上させ、発光性の高い有機EL素子を得ることができる。
光取り出し部2は、有機発光体8で生じた光を素子の外部側へより多く取り出すための構造を有している。光取り出し部2は、屈折率の異なる第1屈折率層2a及び第2屈折率層2bを備えており、粒子表面の反射あるいは異なる成分の界面の屈折率差に由来する反射や屈折によって、光が散乱される。また、光取り出し部2は凹凸構造4を備えることにより、凹凸に由来する反射や屈折によって、さらに光が散乱される。そして、光が散乱されることにより、有機発光層6で生じた光を外部に効率よく取り出すことができ、有機EL素子の発光効率を向上することができる。
光取り出し部2を構成する第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとの屈折率は異なっている。第1屈折率層2aと第2屈折率層2bの屈折率の高低は、どちらが高くともよく、どちらが低くともよい。好ましい一形態は、第1屈折率層2aの屈折率が第2屈折率層2bの屈折率より低い形態である。この場合、第1屈折率層2aを低屈折率層として形成し、第2屈折率層2bを高屈折率層として形成することができる。これにより、基板1に近い第1屈折率層2aの屈折率を低くして、全反射ロスを低減し、光取り出し効率を高めることができる。また、屈折率の好ましい関係の一例としては、第1屈折率層2a、第2屈折率層2b、第1電極5、有機発光層6の順で屈折率が高くなる関係である。それにより、屈折率が徐々に変化するため、光取り出し性を高めることができる。基板1に直接、第1屈折率層2aを設ける場合には、第1屈折率層2aの屈折率が基板1の屈折率と同じかそれよりも低いことが好ましい。これにより、基板1と第1屈折率層2aとの間の全反射を抑制して、光取り出し効率を高めることができる。また、防湿性を有する層を基板1上に付加する場合には、第1屈折率層2aの屈折率が防湿性を有する層の屈折率と同じかそれよりも低いことも好ましい。それにより、基板1と第1屈折率層2aとの間の全反射をより抑制することができる。このとき、例えば、基板1上に防湿性を有する層が防湿性を有する層よりも第1屈折率層2aの屈折率が低く、さらに、第1屈折率層2a、第2屈折率層2b、第1電極5、有機発光層6の順で屈折率が高くなる関係にすることができる。また、第2屈折率層2bの屈折率が第1電極5の屈折率と同じかそれよりも高いことも好ましい。それにより、第1電極5と第2屈折率層2bとの間の全反射をより抑制することができる。このとき、例えば、防湿性を有する層よりも第1屈折率層2aの屈折率が低く、さらに、第1電極5よりも第2屈折率層2bの屈折率が高くなる関係にすることができる。
層界面(光取り出し部2の両表面の界面)において全反射を低減して光取り出し性を高めるために、光取り出し部2と隣り合う層との屈折率を近づけ、屈折率差を小さくすることが好ましい。発光層において発光した光は直接又は反射して基板1に到達するが、この界面における屈折率差が大きいと全反射によって光を多く取り出せなくなるおそれがある。一方、第1電極5の下層(光取り出し部2側の層)として、第1電極5の屈折率に近い層を設けることにより、第1電極5と光取り出し部2との間の屈折率差を緩和することができ、光取り出し性を高めることができる。光取り出し部2と隣り合う層との間の屈折率差は小さい方がよく、例えば0.2以下や0.1以下にすることができるが、これに限定されるものではない。なお、第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとの間には、凹凸構造4が設けられており、この界面では光は散乱されたり拡散されたりするため、第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとの屈折率差はある程度存在してもよい。
光取り出し部2を構成する第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとの間の屈折率差は、特に限定されるものではないが、例えば、0.1以上、0.5以上、1以上又は2以上などに設定することができる。第1屈折率層2aの屈折率は、特に限定されるものではないが、1.4〜1.7の範囲にすることができる。第2屈折率層2bの屈折率は、特に限定されるものではないが、1.6〜2.0の範囲にすることができる。ここで、第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとは、屈折率が異なって構成されるため、異なる材料で構成されて線熱膨張係数が異なることが多い。このとき、線膨張係数の差が大きいと、2層間の熱応力が大きく異なることにより、素子の製造や発光の際の発熱でクラックを生じるおそれがある。クラックが生じると、光取り出し部2上に良好な積層ができなくなったり、素子の信頼性が低下したりする。そのため、第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとの線熱膨張係数の差は小さい方が好ましく、これにより、信頼性の高い素子を得ることができる。
光取り出し部2は、透過時の光の損失を低減するために、光の吸収が小さい方が望ましい。そのため、吸収の小さい材料(透光材料)を用いることが好ましい。特に発光波長領域において消衰係数(k)を0.05以下にすることにより、光の損失を低減することができる。また、吸収を抑制する方法としては、膜厚を薄くすることが好ましい。第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとの間の界面に有効に凹凸構造4を形成し、さらに光取り出し部2の表面を平坦に形成するためには、それぞれの膜厚が20μm以下であることが望ましい。また、それぞれの膜厚が10μm以下であってもよく、5μm以下であってもよい。下限は特に設定されないが、それぞれが1μm以上であることが好ましい。第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとは、同じ膜厚で構成されていてもよく、異なる膜厚で構成されていてもよい。但し、第2屈折率層2bが第1屈折率層2aよりも厚く形成されている方が、光取り出し部2の表面を平坦化する上で好ましい。
光取り出し部2は、樹脂により構成することができる。樹脂により屈折率を簡単に調整することができると共に、その界面に凹凸を設けやすくすることができ、光取り出し効率を簡単に向上させて、発光性の高い素子を容易に得ることができる。光取り出し部2の形成は、例えば、樹脂組成物を塗布することにより行うことができる。光取り出し部2を構成する樹脂としては、熱硬化性の樹脂、光硬化性の樹脂など硬化性の樹脂が好ましい。あるいは、熱可塑性の樹脂を用いてもよい。光取り出し部2を構成する樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、などの樹脂が挙げられる。
また、光取り出し部2は、プラスチック層で構成することもできる。これにより、凹凸界面を有するプラスチック層の貼りつけで、素子に凹凸構造4を備える光取り出し部2を簡単に設けることができ、素子の製造効率を高めることができる。プラスチック層は、プラスチックの原料となる合成樹脂が成形されて硬化した成形体(シート、フィルムなど)を貼り合わせることにより形成することができる。プラスチック層としては、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)などのプラスチック材料により形成されたものを用いることができる。また、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系などのものを用いてもよい。プラスチック材料の成形方法は特に限定されるものではなく、圧延成形、ロール成形、射出成形など適宜の成形方法であってよい。プラスチック材料を用いる場合、その基材は、可撓性を有することが好ましい。可撓性を有することにより、例えば、ロール状の基材を順次に送り出して基板1に貼り付けることができ、プラスチック層の積層が容易となる。また、可撓性があればフレキシブルな素子を構成することも可能になる。プラスチックのシートを用いる場合、プラスチックシートを貼り合わせるなどしてプラスチック層を形成することができる。貼り合わせは、熱圧着や接着剤などで行うことができる。
光取り出し部2は、樹脂やプラスチック等の材料の選択により屈折率を調整することができるほか、適宜の方法で屈折率を調整することができる。例えば、これらの層に、低屈折粒子又は高屈折粒子を分散して混合することにより、屈折率を低くしたり、あるいは、高くしたりすることができる。低屈折粒子としては例えばシリカ微粒子を挙げることができる。なかでも、多孔質シリカ微粒子を用いると屈折率を効果的に下げることが可能である。高屈折粒子としては、層媒体よりも屈折率の高い樹脂によって構成される樹脂粒子などを用いることができる。屈折率の調整は、空隙を混入することによっても行うことができる。空隙がより多く混入することにより屈折率を低下させることができる。なお、空隙を形成する場合、空隙に酸素や水が含まれていると素子が劣化しやすくなるので、空隙には酸素や水が入っていないことが好ましく、例えば、不活性ガス(窒素など)が充填されたような空隙であることが好ましい。
光取り出し部2を構成する第1屈折率層2aと第2屈折率層2bには光散乱性の粒子が含まれることが好ましい。光散乱性の粒子が含まれることにより、入射する光が散乱するので、光をより多く取り出すことができる。光散乱粒子は、上記の低屈折粒子又は高屈折粒子において、光散乱機能を有している粒子によって構成されることが好ましい。この場合、屈折率の調整と光散乱とを同じ粒子で行うことができるため、効率よく光取り出し性を高めることができる。
光取り出し部2は、有機発光体8と基板1との間に形成されており、平面視において封止材9よりも内側に形成されている。すなわち、光取り出し部2は、封止材9によって封止された封止領域内に設けられている。そして、光取り出し部2は、封止材9の基板1側の表面よりも小さい大きさで形成されており、基板1における封止材9が接着部15で接着される部分には、光取り出し部2は形成されていない。このように、光取り出し部2が封止材9よりも内側に形成されることにより、水分を透過しやすい樹脂などで光取り出し部2を設けたとしても、水分の浸入を抑制することができ、水分による劣化を抑制することができる。ここで光取り出し部2を樹脂で構成する場合、樹脂は空気(水、酸素)を透過しやすいため、この樹脂層が大気に直接接触すると、この樹脂層を通して有機発光層6にダメージを与えるおそれがある。しかしながら、光取り出し部2は、封止材9の内側に設けられて外部と接触していないので、光取り出し部2を通じて外部から水分や酸素が侵入することを抑制することができる。光取り出し部2は、外部と接触しない封止領域内でなるべく広い範囲で設けられることが好ましい。これにより、広い範囲で光を散乱して光取り出し効率を向上することができる。また、光取り出し部2は、補助電極3が設けられた領域よりも広い領域で形成されていることが好ましい。これにより、補助電極3で非発光領域が生じたとしても、光取り出し部2で光を分散させて非発光領域を目立ちにくくすることができる。
光取り出し部2を構成する第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとは、平面視においてどちらが大きい領域で形成されていてもよい。例えば、第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとが同じ大きさの領域で形成されていてもよく、第1屈折率層2aが第2屈折率層2bよりも大きい領域で形成されていてもよく、第2屈折率層2bが第1屈折率層2aよりも大きい領域で形成されていてもよい。本形態では、第2屈折率層2bが第1屈折率層2aを覆うように設けられていて、第1屈折率層2aは第2屈折率層2bよりも小さい領域で、第2屈折率層2bの平面視における内側に設けられている。これにより、光取り出し部2の表面を滑らかにして、この上に積層される層を良好に形成することができ、ショート不良や発光不良を抑制して、素子の信頼性を向上することができる。このとき、第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとの境界に形成される凹凸構造4は、光取り出し部2の外周部よりも内側に形成され、光取り出し部2よりも平面視において小さい領域で形成されることになる。このように、光取り出し部2は、第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとの一方又は両方が部分的に形成されて構成されていてもよい。
光取り出し部2は、境界に凹凸構造4を部分的に有する第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとを備えていれば、さらに他の機能層を備えて、3層以上の複数層で構成されていてもよい。その際、第1屈折率層2a及び第2屈折率層2b以外の機能層についても、層が粒子を有していたり、それぞれの界面が凹凸面で形成されていたりして、光分散性を有することが好ましい。これにより、素子の光取り出し効率をより高めることができる。但し、光取り出し部2は、光吸収の観点から薄く形成されることが好ましく、製造効率の観点からも2層で形成されることが好ましい。
第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとの境界には部分的に凹凸構造4が設けられている。そして、凹凸構造4は、平面視における補助電極3が形成されている位置と重複しない領域に形成されている。光取り出し部2は、凹凸構造4を備えることで境界面での光の分散や反射により光を多く散乱することができ、全反射ロスを低減させて、光取り出し性をより高めることができる。
第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとの界面で設けられる凹凸構造4は、レンズアレイ構造であってもよい。レンズアレイ構造とは、微細な突起が面状に密に並ぶ構造である。レンズアレイ構造とは、同じ形状の微細な突起が密に並ぶ構造であってよく、微細な突起が略均一に並ぶ構造であってよい。また、特定の光のみの回折を抑制するために、微細な突起が略ランダムに並ぶ構造であってもよい。レンズアレイ構造の突起は半球状、ひだ状、ピラミッド状(四角錐型)、錐台状などの適宜の形状であってよい。また、突起が並ぶピッチは小さく設けられていることが光の分散性の観点から好ましく、1μm以下であってよい。下限は特に設定されないが、0.01μm以上であってよい。本形態では、第2屈折率層2bは、第1屈折率層2aを平坦化する層としても機能する。平坦化によって、光取り出し部2の上に重なる層を安定して成膜することができる。なお、凹凸構造4は回折構造であってもよい。本形態では、光取り出し部2は、第1屈折層2aと第2屈折率層2bとの界面に、断面が台形状の微細な突起が密に並ぶレンズアレイ構造で凹凸構造4が設けられて、形成されている。
第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとの境界の凹凸構造4は、第1屈折率層2a及び第2屈折率層2bをその間の界面が凹凸面になるように積層することによって形成することができる。例えば、第1屈折率層2aと第2屈折率層2bをこの順で積層する場合、第1屈折率層2aを積層した後に第1屈折率層2aの表面に凹凸加工を施し、あるいは、第1屈折率層2aが表面凹凸を有するように積層し、その後、第2屈折率層2bを積層することにより、簡単に凹凸構造4を形成することができる。第1屈折率層2a及び第2屈折率層2bの積層は樹脂の塗布などにより行うことができる。凹凸加工で凹凸を形成する場合、凹凸のスタンパなどを用いたスタンプにより凹凸を形成することができる。凹凸はインプリントによって形成してもよい。例えば、光インプリントでは効率よく簡単に光取り出し性の高い凹凸を形成することができる。第1屈折率層2aが表面凹凸を有するように形成された後、第2屈折率層2bは適宜の方法で形成することができる。例えば、インクジェット法を用いると簡単に第2屈折率層2bを形成することができる。
また、シートを用いて第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとを積層させてもよい。例えば、第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとが凹凸界面となってあらかじめ積層されたシートを基板1に貼り付けることにより、第1屈折率層2a及び第2屈折率層2bを両方同時に簡単に設けることができる。また、第1屈折率層2aを構成するシートを貼り付けた後、第2屈折率層2bの樹脂を塗布したり、あるいは、第1屈折率層2aを構成する樹脂を塗布した後、第2屈折率層2bのシートを貼り付けたりしてもよい。その際、表面凹凸を有するシートを用いれば、簡単に凹凸構造4を形成することができる。
第1屈折率層2a及び第2屈折率層2bを塗布によって形成する場合、塗布方法としては、適宜の方法を用いることができる。例えば、スピンコート、スリットコート、インクジェットなどを用いることができる。また、グラビア印刷、スクリーン印刷などの印刷によって材料を塗布してもよい。インクジェット法および印刷法の場合、パターン状に塗布することが容易である。
凹凸構造4は、図2に示すように、補助電極3が形成されている位置と重複しない領域に形成されている。凹凸構造4は、補助電極3が形成されている位置と重複しない領域に広い範囲で設けられていることが好ましい。これにより、凹凸構造4で広い範囲で光をより多く散乱させることができ、素子の光取り出し効率をより向上させることができる。また、凹凸構造4は、補助電極3よりも素子の外周側に設けられて、補助電極3を取り囲むように形成されていることが好ましい。これにより、素子における補助電極3が設けられた位置より外周側によく光を分散して、広い範囲で素子の光を取り出すことができる。また、凹凸構造4は、網目状の補助電極3の網目の内部に形成されていることが好ましい。これにより、補助電極3が設けられていない位置に効率的に凹凸構造4を形成することができ、素子の光取り出し性を高めることができる。本形態の凹凸構造4は、図2に示すように、網目状の補助電極3が設けられている位置と重複しないよう、補助電極3の縁部に沿って形成されている。そして、凹凸構造4は、補助電極3で分断されて島状に設けられており、平面視における補助電極3を取り囲む枠状の領域と、補助電極3の網目の穴の中の領域と、に形成されている。
凹凸構造4は、図1で示す本形態のように、光取り出し部2の外周部よりも内側に形成されていてもよい。これにより、光取り出し部2の側面を簡単に滑らかな表面で形成することができ、この上に層を良好に成膜しやすくして、素子の信頼性を高めることができる。また、凹凸構造4は、光取り出し部2の外周端にまで形成されていてもよい。これにより、より大きな範囲で凹凸構造4を設けて、光取り出し効率を高め、発光性の高い素子を得ることができる。
補助電極3は、第1電極5に接して形成されている。これにより、補助電極3で第1電極5の通電を補助することができる。また、本形態の補助電極3は、第1電極5の第2電極7側の表面に形成されている。これにより、補助電極3を容易に形成することができる。また、補助電極3が第1電極5を介して光取り出し部2を押さえ込むことができ、光取り出し部2にクラックが発生することを低減させることができる。補助電極3は網目状に形成され、平面視における凹凸構造4が形成されている領域と重複しない位置に設けられている。これにより、補助電極3で通電性を高めることができると共に、補助電極3を平坦な光取り出し部2の上に形成しやすくなり、補助電極3の膜質をより均質にして安定性を向上させることができる。また、補助電極3が網目状に形成されていることにより、補助電極3の網目の間(穴)から光を基板1側に取り出すことができる。このように、素子が網目状の補助電極3を平面視における凹凸構造4が形成されている領域と重複しない位置に備えることで、輝度ムラを抑制し、発光性を高めることができる。さらに、この補助電極3上に積層される有機発光層6等の膜を安定に形成することができるため、有機EL素子の電気的なショートを抑制し、素子の信頼性を向上させることができる。
補助電極3は、第1電極5の通電性を補助して有機EL素子の電流分布を安定化させるための電極である。補助電極3を設けることにより、発光面における電流分布を改善し、面内での発光がより均一になった有機EL素子を得ることができる。ここで、第1電極5は、透光性を有する材料(透明金属酸化物など)で形成されるため、通常、比抵抗が高く、通電性があまりよくない。そこで、第1電極5よりも通電性の高い材料で電極配線を構成し、この配線で補助電極3を形成することにより、第1電極5の電気伝導性を補って通電性をより高めることができる。当然のことながら、第1電極5に接して設けられる補助電極3は、素子のショート不良を抑制するため、第2電極7に接していない。
補助電極3は、電極材料で構成される層である。透光性は有さなくてもよい。補助電極3は、例えば、導電性の金属材料で形成することができる。具体的には、銅、銀、金、アルミ、ニッケル、モリブデンなどが例示される。補助電極3の好ましい材料の一つは、MAMと称せられるモリブデン/アルミニウム/モリブデン積層体(Mo/Al/Mo)である。MAMを用いた場合、第1電極5の導電性を効果的に補助して向上することができるとともに、第1電極5との密着性がよいため信頼性が向上する。
ところで、補助電極3は、通常、透光性を有していないため、この部分からは光を取り出すことができず、補助電極3の形状に沿った非発光部分が形成されるおそれがある。しかしながら、本形態においては、補助電極4の縁部に沿って光取り出し部2に凹凸構造4が形成されており光が拡散されるため、補助電極3によって形成される非発光の領域に光を拡散することができる。そのため、補助電極3による非発光を失くしたり目立たなくしたりして、より自然な発光を得ることができる。
補助電極3が平面視において設けられる面積は、発光面積(有機発光体8が形成された面積)に対して10%以下にすることが好ましい。補助電極3の幅を広げて面積を大きくすることにより、より均一な電流分布が得られる一方で、補助電極3の網目の間の面積が小さくなる。すると、補助電極3の形状に沿った非発光部分が増加するおそれがある。そのため、十分な発光強度を得るためには、非発光部分を減少させたり、駆動電流密度を大きくしたりすることが求められる。しかしながら、駆動電流密度を大きくすると、有機EL素子が劣化しやすくなって寿命が短くなることがある。そこで、平面視における補助電極3の面積を発光面積の10%以下とすることで、非発光部分をできるだけ少なくして、素子の寿命をより保持することができる。発光面積に対する補助電極3の面積の割合の下限は、特に設けられるものではないが、素子の電流分布をより均一化して素子の発光性を高めるために、0.1%以上であってよく、1%以上であってよい。
補助電極3は網目状に設けられている。網目状とは、複数の直線や曲線が配置されることにより穴が密に並ぶように形成される形状であってよい。補助電極3の線の幅は5〜200μmの範囲であってよく、10〜100μmの範囲とすることが好ましい。これにより、素子の寿命を保持しつつ、素子の電流密度を均一化することができ、発光性を高めることができる。補助電極3の断面形状は、適宜設定してよく、台形状であってよく、矩形状であってよい。本形態では、補助電極3の断面は、基板1に向かって幅広となる台形状に形成されている。このように、補助電極3が厚み方向に異なる幅を有する場合は、最も大きい部分の幅を補助電極3の幅としてよい。また、補助電極3は網目状に設けられるが、網目の線同士の間隔は、200μm以上とすることが好ましい。これにより、光をより多く網目の穴から取り出すことができると共に、素子の寿命をより保持して、発光性を高めることができる。
また、本形態での補助電極3の厚みは、薄いほうが好ましく、例えば、10μm以下であってよく、5μm以下であってよい。下限は、特に設定されないが、通電性を考慮して0.1μm以上であってよい。補助電極3が薄く形成されることで、基板1上の凹凸を小さくすることができ、素子の信頼性を高めることができる。
網目状の補助電極3における線の配置は、適宜の配置であってよい。例えば、矩形の穴が並ぶように線が配置されていてもよく、多角形の穴が並ぶように線が配置されていてもよい。網目状の補助電極3は、略同一形状の穴が密に並ぶように線が配置されて形成されることが好ましい。これにより、素子の電流分布をより均一にすることができる。また、網目状とは、縦横に直線が同ピッチで配置されて、略同じ矩形状の穴が密に並ぶような格子状であってよい。つまり、網目状の補助電極3とは、格子状の補助電極3であってよい。格子状の電極は、グリッド電極とも呼ばれるものである。格子状の補助電極3によって、より均一な電流分布を得ることができる。ここで、格子状の補助電極3の格子のピッチは、200μm以上にすることができる。本形態では、網目状の補助電極3は格子状に形成され、縦4本、横4本の配線によって9個の矩形の穴が設けられている。また、格子状の補助電極3の配線は、縦の配線と横の配線とを同数にするものに限定されるものではなく、例えば、縦4本と横2本とで設けられるものであってよい。このとき、この配線によって縦長の長方形の穴が3個設けられることになる。また、配線の数は適宜設定することができる。例えば、縦横それぞれ3〜10本の範囲であってよい。
補助電極3は、平面視における凹凸構造4が形成されている領域と重複しない位置に設けられる。これにより、光取り出し効率を向上することができると共に、素子内の電流密度をより均一に向上して通電性を高めることができ、補助電極3や有機発光層6、第2電極7をより平坦な膜でより均一に形成することができる。その結果、発光性と信頼性の高い有機EL素子を得ることができる。
図2に示すように、本形態では、凹凸構造4は縦横各3個ずつ並んだ計9個の矩形の領域と、それらを取り囲む大きな矩形の枠状の領域と、に設けられている。そして、補助電極3は、凹凸構造4が形成された枠状の領域に沿って内側に形成され、網目状の穴の部分に凹凸構造4の矩形の領域が嵌るように形成されている。補助電極3は、本形態のように、凹凸構造4が形成されている領域の縁部に沿って設けられていることが好ましい。これにより、補助電極3を平坦な膜で形成しやすくすることができると共に、補助電極3により非発光となった領域が生じても近傍の凹凸構造4により光を分散させて目立ちにくくすることができる。また、補助電極3は、本形態のように素子における凹凸構造4の内側に設けられていることが好ましい。これにより、凹凸構造4が補助電極3よりも素子の外周側に設けられることになり、外周側にも光を分散しやすくなり、広い範囲で光取り出し効率を向上することができる。補助電極3は、凹凸構造4が形成されている領域を網目の穴の間に有するように形成されていることが好ましい。これにより、補助電極3と凹凸構造4とを平面視において重複しない位置に簡単に形成することができるので、膜の不均一化によるショート不良を抑制し、素子の信頼性を高めることができる。補助電極3は、凹凸構造4が形成されている領域を網目の穴の位置全体に有するように形成されていることが好ましい。これにより、広い領域で設けられた凹凸構造4により光分散性を高めることができ、光取り出し効率を向上することができる。
ここで、平面視における凹凸構造4が形成されている領域と重複しない位置とは、図1に示すように、光取り出し部2が第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとで構成されていてその境界に凹凸構造4が形成されていない位置であってよい。また、後述の形態のように、第1屈折率層2aと第2屈折率層2bの一方が部分的に形成され、光取り出し部2が単層で形成されて凹凸構造4が形成されない位置であってよい。また、後述の形態のように、第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとの両方が部分的に形成されて、光取り出し部2が形成されていない位置であってよい。
補助電極3は、第1電極5に接して設けられており、本形態では、補助電極3は第1電極5の第2電極7側の表面に形成されている。このように、補助電極3が第1電極5上に設けられることによって、補助電極3を簡単に形成することができると共に、補助電極3で第1電極5を介して光取り出し部2を押さえ込むことができる。そして、加熱時の光取り出し部2の熱膨張を抑制して、クラックの発生を抑制することができる。また、補助電極3は第1電極5に接していれば、第1電極5の第2電極7側の表面に形成されていなくてもよい。例えば、光取り出し部2上に設けられて第1電極5の基板1側の表面に形成されていてもよく、基板1の表面に直接設けられていてもよい。また、第1電極5に接していれば他の層上に設けられていてもよい。
補助電極3は、平面視において光取り出し部2の凹凸構造4が設けられていない領域に形成されていることにより、より平坦に作製しやすくなっている。これにより、補助電極3の膜質をより均質にして安定性を向上することができる。さらに、補助電極2上に積層される有機発光層6や第2電極7等も安定に膜を形成することができるため、有機EL素子の電気的なショートを抑制したり、電流密度分布を安定化したりして素子の信頼性を向上することができる。
本形態では、網目状の補助電極3を形成するにあたって、補助電極3となる膜を一面に成膜した後、パターニング等で網目状の補助電極3を形成することができる。パターニングは適宜の方法を用いてよいが、マスク露光やレーザーパターニングなどを用いて光学的にパターンを形成してもよい。光学的にパターニングを行なう場合には、凹凸構造4にパターニング用光源が照射されると、凹凸構造4によって光が乱反射されるため、パターンエッジにおいてパターンのボケが発生する。一方、補助電極3が凹凸構造4が形成されている領域と重複しない位置に設けられている場合には、パターンボケを抑制することができ、パターニング精度を向上することができる。これにより、補助電極3をより均一に安定して形成することができると共に、補助電極3上に形成される膜もより平坦に形成することができ、素子のショート不良を抑制して、素子の信頼性を高めることができる。ここで、凹凸構造4と補助電極3との平面視における離間距離は、パターンボケを抑制するためには、1μm以上にすることが好ましい。上限は、特に設定されないが、5μm以下であってよい。なお、網目状の補助電極3を形成する方法は、上記のように、一面に膜を形成した後に網目状にパターンを形成する方法に限るものではない。例えば、補助電極3の材料を網目状に印刷やパターン塗布することにより、形成することもできる。
補助電極3が、第1電極5の第2電極7側の表面に形成されている場合には、有機発光層6と補助電極3の間には、補助電極3の形状に沿って網目状に絶縁膜が設けられていてもよい。本形態では、補助電極3は第1電極5の表面で盛り上がったように形成されているため、この表面に直接有機発光層6及び電極を形成した際には、層が分断されたり薄くなったりして、電気的にショートしやすくなるおそれがある。しかしながら、絶縁膜を設けた場合、補助電極3が絶縁膜によって電気的に絶縁されているので、たとえ補助電極3の上に電極が積層されたとしても、絶縁膜によって補助電極3と第2電極7とが直接接することを抑制して、電気的にショートすることを抑制することができる。また、絶縁膜が第1電極5を介して光取り出し部2を押さえ込むことができるため、加熱時の熱膨張を抑制することができ、クラックの発生を低減させることができる。また、絶縁膜の端部をなだらかにすることにより、絶縁膜上に形成される有機発光層6や第2電極7等の膜を凹凸を抑制してより平坦な膜に形成し、膜質をより均質にすることができる。そして、有機EL素子の電気的なショートを抑制したり電流密度分布を安定化したりすることができ、素子の信頼性をより向上することができる。
ここで、通常、補助電極3は透光性を有していないため、補助電極3が設けられた部分は、光を取り出すことができない。そのため、この部分で発光が生じると、発光のロスが生じ、発光効率が低下するおそれがある。しかしながら、補助電極3と有機発光層6との間に絶縁膜を設けると、補助電極3が設けられた部分では発光が生じないようにし、光取り出し可能な補助電極3以外の領域(網目の穴)に電流をより多く流すことができるため、発光ロスを低減して発光効率を向上させることができる。
図3は、有機EL素子の実施の形態の他の一例を示す断面図である。図1、図2の形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略するものとする。
図3に示すように、有機EL素子は、基板1と有機発光体8との間に光取り出し部2を備えている。光取り出し部2は、基板1側から第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとを有し、第1屈折率層2aと第2屈折率層2bとの界面に部分的に凹凸構造4を有している。本形態では、光取り出し部2は溝部11を有していて、補助電極3は、平面視における溝部11の位置で溝部11に収容されるように設けられている。
このように、光取り出し部2が溝部11を有していて、補助電極3は、平面視における溝部11の位置に設けられていることが好ましい。これにより、補助電極3を平面視における凹凸構造4が形成されていない位置に簡単に設けることができ、溝部11に補助電極3を収容することができる。そのため、補助電極3上に形成される有機発光層6や第2電極7等の膜を凹凸を抑制してより平坦な膜に形成し、膜質をより均質にすることができる。そして、有機EL素子の電気的なショートを抑制したり電流密度分布を安定化したりすることができ、素子の信頼性をより向上することができる。
溝部11は、補助電極3を収容するための溝である。溝部11は、補助電極3の一部を収容するものであってよい。これにより、素子の電流密度分布をより均一に向上するとともに、補助電極3上に形成される膜を良好に形成しやすくして、素子の信頼性を高めることができる。また、溝部11は、補助電極3を完全に収容できるように、補助電極3の高さよりも大きい深さで補助電極3を取り囲むように設けられていることが好ましい一形態である。これにより、補助電極3上に積層される膜をより平坦に形成することができ、膜質を安定化して有機EL素子の電気的なショートを抑制することができ、素子の電流密度分布の信頼性をさらに向上することができる。本形態では、溝部11に第1電極5が溝部11の形状に沿って形成され、第1電極5には凹部5aが設けられている。そして、この凹部5a上に補助電極3が形成され、補助電極3の一部が凹部5aに収容されることで、補助電極3の一部が溝部11に収容されている。
溝部11は、光取り出し部2に設けられており、補助電極3が設けられている位置に沿って線状に凹んで形成されている。本形態では、補助電極3は網目状に設けられているので、溝部11は平面視における補助電極3の位置に網目状に設けられている。また、補助電極3の位置には凹凸構造4は形成されていないので、平面視における溝部11の位置には、凹凸構造4は設けられていない。溝部11は、平面視における補助電極3の位置以外には、設けられていなくてよい。これにより、光取り出し部2の表面の凹凸を減らして光取り出し部2をより平坦に形成することができる。
溝部11の形状は、補助電極3を収容することができれば、特に限定されるものではない。溝部11は、深くなるほど幅狭となる形状であることが好ましい一形態である。溝部11の側面が基板1の表面に垂直となって段状になると、層を積層した際に、この段において層が分断されやすくなり、接続信頼性が低下するおそれがある。しかしながら、溝部11が深くなるほど幅狭となり、側面が基板1の表面に傾斜した傾斜面となることにより、層の段切れを低減することができ、接続信頼性を高めることができる。また、溝部11の底面が基板1に対向して略平坦に設けられると、補助電極3をこの面上でより均一に形成することができる。
溝部11の深さは、適宜設定してよく、例えば、光取り出し部2の厚みの1/5以上の深さであってよく、1/2以上の深さであってよく、光取出し部2と同じ厚みの深さであってよい。溝部11の深さが光取り出し部2と同じ厚みで形成されている場合、後述するように、溝部11で光取り出し部2を分断することができて好ましい。
溝部11の底面の幅は、適宜設定してよい。溝部11の底面の幅は、補助電極3の幅の
1倍以上であってよく、あるいは、1.2倍以上であってもよい。また、溝部11の底面の幅は、補助電極3の幅の2倍以下であってよい。溝部11の底面の幅は、例えば、10〜200μmの範囲であってよい。溝部11が補助電極3の幅以上の幅で設けられると、補助電極3を溝部11の底面の略平坦な面上に形成することができ、補助電極3をより均一に形成しやすくして、発光性の高い素子を得ることができる。溝部11の底面と対向する開口の部分の幅は、適宜設定してよいが、本形態のように溝部11の形状が深くなるほど幅狭となる形状で設けられる場合は、溝部11の底面の幅以上であってよい。溝部11の開口の幅の上限は、特に限定されるものではないが、例えば、溝部の底面の幅の2倍以下であってよい。
溝部11は、光取り出し部2が部分的に単層で形成されて凹んでいることで設けられていることが好ましい。これにより、溝部11を光取り出し部2が単層で形成されて凹凸構造4が設けられていない位置に簡単に形成することができる。また、溝部11は、本形態のように、第1屈折率層2aが平面視における補助電極3の位置で分断されていて、光取り出し部2が部分的に第2屈折率層2bの単層で形成されて凹んでいることで設けられていることが好ましい。これにより、第1屈折率層2aをパターン形成するなどして第1屈折率層2aを分断した形状に設けることで、溝部11を簡単に形成することができる。また、溝部11は、後述するように、第1屈折率層2a及び第2屈折率層2b(光取り出し部2)が部分的に形成されていないことで、光取り出し部2を分断するように設けられていることも好ましい。また、溝部11は、第1屈折率層2aと第2屈折率層2bの一方又は両方の厚みが部分的に薄くなることで、設けられていてもよい。但し、第1屈折率層2aと第2屈折率層2bの両方が形成されている場合、平面視における溝部11の位置には凹凸構造4は形成されないようにする。
溝部11は、光取り出し部2に設けられるが、基板1にも溝が設けられていてもよい。つまり、基板1の溝部11側の表面であって、平面視において溝部11が形成されている位置に溝が形成されて、溝部11と基板1の溝とをあわせて深い溝が基板1上に形成されていてもよい。これにより、厚い補助電極3を収容しやすくすることができる。
図3では、第1屈折率層2aは平面視において補助電極3が設けられた位置で分断されており、縞状又は島状に形成されている。第1屈折率層2aが分断されて形成されると、層が分断されているために、加熱されたときに、熱膨張を溝部11において吸収することができる。これにより、熱膨張による応力を低減することができ、光取り出し部2にクラックを生じにくくして、より信頼性の高い素子を得ることができる。
第1屈折率層2aが分断されている図3の形態では、第1屈折率層2aを構成する材料を基板1全面に塗布した後に、スタンパなどを用いたスタンプにより第1屈折率層2aを分断して、溝部11を形成することができる。また、レーザー加工により第1屈折率層2aを分断して溝部11を形成してもよい。また、基板1に第1屈折率層2aを部分的に設けて分断されたようにして、溝部11を形成してもよい。
図3において、第1屈折率層2aは平面視において補助電極3が設けられた位置で分断されていなくてもよい。第1屈折率層2aが分断されずに形成されている場合には、第1屈折率層2aを構成する材料を基板1全面に塗布した後に、スタンパなどを用いたスタンプにより第1屈折率層2aを凹ませて溝部11を形成することができる。溝部11はインプリントによって形成してもよい。例えば、光インプリントでは効率よく簡単に溝部11を形成することができる。
本形態の補助電極3は、第1電極5が溝部11に形成されてできた凹部5aに設けられている。凹部5aに設けられた補助電極3の厚みの上限は特に限定されるものでないが、凹部5aの深さと補助電極3が第1電極5に接する位置とに応じて、補助電極3が光取り出し部2の上面から大きく突出したり凹んだりしないように設定されていればよい。凹部5aの位置に設けられた補助電極3の厚みは、例えば、凹部5aの深さの1.5倍以下であってよく、1.2倍以下であってよく、1倍以下であってよく、凹部5aの深さの半分以上であってよい。また、凹部5aに設けられた補助電極3の厚みは、第1電極5の上面と補助電極3の上面とが略同一平面上にあるように設定してもよい。これにより、補助電極3上に形成される層の凹凸を抑制して、素子の信頼性を向上することができる。
図4は、有機EL素子の実施形態の他の一例を示す断面図である。図1〜図3の形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略するものとする。
図4に示すように、有機EL素子は、基板1と有機発光体8との間に光取り出し部2を備えている。光取り出し部2は溝部11と凹凸構造4とを有している。本形態では、光取り出し部2と基板1との間に応力緩和層12が形成されている。また、補助電極3は、図1〜3の形態と異なり、第1電極5の基板1側に形成されている。
有機EL素子は、本形態のように、光取り出し部2と基板1との間に応力緩和層12が形成され、応力緩和層12の屈折率が基板1の屈折率と略同等であることが好ましい一形態である。有機EL素子がこのような応力緩和層12を備えることで、全反射ロスを低減すると共に、基板1と光取り出し部2との応力を緩和することができ、膜のはがれやクラックを低減して、発光性、耐熱性及び信頼性の高い素子を得ることができる。
応力緩和層12は、光取り出し部2と基板1との間に応力が働く際、この応力を緩和するための層である。応力緩和層12は、光取り出し部2と基板1との間に形成されていることにより、熱が加わった際に光取り出し部2と基板1とに働く応力を緩和することができる。光取り出し部2と基板1とは、異なる材料で設けられることが多く、積層された2層の熱応力は異なることが多い。特に、光取り出し部2が樹脂で構成され基板1がガラス材料で構成された場合、2層の熱応力は大きく異なることがある。積層された2層の間の熱応力が異なると、はがれやクラックが生じやすくなる。特に、有機EL素子の製造においては、光取り出し部2の形成の後、電極や有機層が、樹脂に対して比較的高温となった状態で積層され得るため、この加熱条件下においてはがれやクラックなどが生じやすい。しかしながら、本形態においては、応力緩和層12が基板1と光取り出し部2の間に形成されることによって、有機EL素子の製造の際の加熱において異なる熱応力が生じても、それを緩和して、はがれやクラックを生じにくくすることができる。そして、これにより、電気接続性に優れた信頼性の高い素子を製造することができる。また、有機EL素子の稼動時の発熱に対しても熱応力を分散することができ、はがれやクラックを低減して、ショート不良などを抑制することができる。また、応力緩和層12として、基板1と光取り出し部2との両方に親和性を有する層を形成することにより、基板1と光取り出し部2との密着性を高めることもできる。
応力緩和層12は、応力緩和層12の屈折率が基板1の屈折率と略同等となるよう構成されている。応力緩和層12の屈折率は、応力緩和層12と基板1との間の全反射ロスを少なくすることができる程度に基板1の屈折率と略同等であってよい。基板1の屈折率と略同等となる応力緩和層12の屈折率は、例えば、基板1との屈折率の差が0.5以下の範囲にあるものであってよく、0.1以下の範囲にあるものであってよい。屈折率差は小さいほど好ましく、特に設定されるものではないが、0.01以上の範囲にあるものであってよい。応力緩和層12の屈折率を基板1の屈折率と略同等に形成することよって、応力緩和層12と基板1との間の全反射ロスを低減して、素子の光取り出し効率を向上することができる。応力緩和層12の屈折率は、全反射ロスを低減することができる範囲であれば、基板1の屈折率より高くても低くともよい。また、応力緩和層12の屈折率は、基板1の屈折率と略同等の範囲で、基板1の屈折率と第1屈折率層2aの屈折率との間に設定されていてもよい。それにより、屈折率を徐々に変化させて、光取り出し性を高めることができる。応力緩和層12は、応力緩和層12の屈折率が基板1の屈折率と略同等となる適宜の材料で形成されていてよい。
応力緩和層12は、透過時の光の損失を低減するために、吸収が小さい方が好ましい。そのため、吸収の小さい材料を用いることが好ましい。特に発光波長領域において消衰係数(k)を0.05以下にすることにより、光の損失を低減することができる。また、吸収を抑制するために、応力緩和層12は膜厚を薄くすることが好ましく、具体的には、5μm以下であることが好ましい。下限は、特に設定されないが、応力を緩和することができる範囲であってよく、例えば、0.1μm以上であってよい。
応力緩和層12の熱膨張率は、光取り出し部2の熱膨張率と基板1の熱膨張率との間の値に設定されることが好ましい。応力緩和層12は、基板1と光取り出し部2とによって挟まれる層であるため、光取り出し部2の熱膨張率が高いと、加熱された際に、光取り出し部2が基板1を強く引っ張る力が働いたりしてはがれやクラックが生じやすくなる。ここで、応力緩和層12の熱膨張率を光取り出し部2の熱膨張と基板1の熱膨張率との間に設定することにより、はがれやクラックの発生を抑制することができ、素子のショート不良などを抑制して、信頼性の高い素子を得ることができる。
応力緩和層12はこのように、光吸収が小さく、熱膨張率を基板1と光取り出し部2との間の値に設定することができれば、適宜の材料を用いてよい。例えば、樹脂等の有機材料やガラス等の無機材料を用いることができる。また、応力緩和層12は、塗布や貼り付け、蒸着等の適宜の方法で形成することができる。
応力緩和層12は、基板1と光取り出し部2との間に形成される。応力緩和層12は、光取り出し部2と平面視において同じ大きさで形成されていることが好ましい。これにより、応力緩和層12ではがれやクラックを高く抑制して、信頼性を向上した素子を効率的に得ることができる。
応力緩和層12の外周端は、本形態で示されるように、素子の外周部に向かって膜厚が薄くなった形状で形成されていてもよい。つまり、上面の角が面取りされたような形状で設けられていてもよい。これにより、この上に積層される光取り出し部2等の層が端部で分断されて段切れが生じることを低減することができ、接続信頼性を高めることができる。但し、応力緩和層12の平面視における凹凸構造4が設けられた領域は、均一に光を分散するために、略均一な膜厚で形成されていることが好ましい。
応力緩和層12は、基板1と光取り出し部2との間に形成されていれば、本形態のように基板1の表面に形成されていなくともよい。例えば、基板1の表面に機能層が形成されている場合には、この機能層と光取り出し部2との間に応力緩和層12が形成されていてもよい。この場合、応力緩和層12は、機能層を介して基板1と光取り出し部2との間の応力を緩和することができる。
補助電極3は、本形態では、第1電極5の光取り出し側に形成されている。このように、補助電極3は、第1電極5の基板1側の表面に形成されていることが好ましい。これにより、補助電極3を第1電極5で覆うことができ、補助電極3が表面に露出することを抑制して、補助電極3の表面の腐食や劣化を抑制することができる。
ここで、有機EL素子の作製工程において、第1電極5を形成した後に、表面の異物を除去するために洗浄を実施する場合がある。この洗浄工程は、一般的に水やブラシによる物理的洗浄や薬品による化学的洗浄が行なわれる。本工程において、補助電極3や第1電極5の腐食や劣化が起きた場合には、表面の面粗度が大きくなり、その上に形成される有機発光層6の膜質の安定性が低下したりする。すると、有機EL素子の電気的なショートが起こりやすくなったりして、電流密度分布の信頼性が低下したりする。また、電気的に導電性が低下して有機EL素子の電流密度の均一性が低下するおそれがある。そこで、補助電極3を第1電極5の基板1側の表面に形成することにより、補助電極3が表面に露出することを抑制して、補助電極3の表面の腐食や劣化を抑制することができる。そして、素子の電流密度を均一に高くして、発光性の高い素子を得ることができる。
また、本形態の補助電極3は、第1電極5の基板1側に設けられているため、補助電極3を簡単に形成することができる。また、補助電極3で光取り出し部2を直接押さえ込むことができ、加熱時の光取り出し部2の熱膨張をよく抑制して、クラックやはがれをより抑制することができる。
補助電極3の厚みは、溝部11の深さと略同等であることが好ましい一形態である。これにより、補助電極3上に形成される層の凹凸を抑制して、素子の信頼性を向上することができる。また、補助電極3を溝部11の深さよりもやや大きい厚みで形成した場合、補助電極3が光取り出し部2よりも盛り上がって形成される。補助電極3が、光取り出し部2の表面よりも飛び出して形成されている場合には、補助電極3が光取り出し部2の表面よりも飛び出して形成されている部分の厚みが、有機発光層6の厚みの半分以下になることが好ましい一形態である。これにより、補助電極3の端部において有機発光層6が分断されたり薄くなったりすることを抑制することができ、素子のショートを抑制することができる。補助電極3が溝部11の位置に設けられた場合の補助電極3の厚みの上限は、特に設定されるものではないが、溝部11の深さの1.5倍以下であってよく、あるいは、1.2倍以下であってよい。また、補助電極3の厚みは、溝部11の深さの半分以上であってよい。補助電極3の厚みが溝部11の深さの半分以上あれば、補助電極3上に形成される層の凹凸を抑制することができる。
このように、補助電極3が溝部11の位置に形成されている場合は、補助電極3が光取り出し部2の表面から大きく突出したり大きく凹んだりしないように形成されていることが、素子の信頼性向上の点で好ましい。
図4では、素子が応力緩和層12を有する一つの形態について説明したが、素子が応力緩和層12を有する形態は、これに限られたものではない。例えば、図1、図2の形態のように光取り出し部2に溝部11が形成されていないもので応力緩和層12が形成されていてもよく、溝部11が他の形態で設けられていてもよい。また、図3の形態のように、補助電極3が第1電極5の有機発光層6側に形成されたものにおいて、応力緩和層12が形成されていてもよい。
図5は、有機EL素子の実施形態の他の一例を示す断面図である。図1〜図4の形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略するものとする。
有機EL素子は、基板1と有機発光体8との間に光取り出し部2を備えている。補助電極3は、第1電極5に接しており、平面視における光取り出し部2の凹凸構造4が形成されていない溝部11の位置に設けられている。本形態では、基板1と光取り出し部2との間に応力緩和層12が形成されており、基板1の光取り出し部2が設けられた側の表面に密着層13が形成されている。
密着層13は、基板1と光取り出し部2との密着性を高める層である。本形態のように、密着層13と光取り出し部2との間に応力緩和層12が形成されている場合は、密着層13で基板1と応力緩和層12との密着性を高めることにより、基板1と光取り出し部2との密着性を高めることができる。この場合の応力緩和層12は、密着層1と光取り出し部2との密着性が高く構成されていてよい。
有機EL素子はその製造工程において、電極や有機層の形成のために高温状態になることがある。また、表面を洗浄するために、水やブラシによる物理的洗浄や薬品による化学的洗浄が行なわれることがある。そのため、成膜や洗浄工程に耐えうる密着性を有することが求められる。そこで、本形態のように、基板1の光取り出し部2が設けられた側の表面に密着層13が形成されていることにより、基板1とその上に積層された層との密着性を向上させることができ、層がはがれたりすることを抑制して、素子の信頼性を高めることができる。
密着層13は、両親媒性材料で構成されていてよい。両親媒性材料とは、基板1とその上に形成される層との両方に親和性を有する材料である。本形態では、基板1の上に密着層13、応力緩和層12がこの順で形成されている。この場合の両親媒性材料とは、基板1と応力緩和層12との両方に親和性を有する材料であってよい。これにより、密着層13が応力緩和層12を介して基板1と光取り出し部2との密着性を高めることができる。また、応力緩和層12が設けられずに、基板1、密着層13、光取り出し部2が基板1側からこの順に形成されている場合には、両親媒性材料とは、基板1と光取り出し部2との両方に親和性を有する材料であってよい。これにより、密着層13で基板1と光取り出し部2との密着性を直接的に向上させることができる。
密着層13を構成する両親媒性材料とは、例えば、ケイ素と有機物から構成されるシランカップリング剤であってよい。シランカップリング剤で密着層13を形成することにより、基板1とシランカップリング剤およびシランカップリング剤と基板1上の層との密着力がそれぞれ向上するために、基板1とその上の層との密着性を高めることができる。そして、これにより、基板1と光取り出し部2の密着性を向上させることができる。密着層13は、シランカップリング剤を用いて基板1を表面処理することで、形成することができる。例えば、基板1上にシランカップリング剤をスピンコート、スプレーコート、ダイコート等、湿式プロセスによって基板1上に成膜することにより、密着層13を形成することができる。
密着層13は、膜厚を薄く形成することが好ましい。これにより、密着層13による光の吸収を抑制し、有機発光層6で発生した光を外部に効率的に取り出すことができる。密着層13は単分子層で形成すると、膜厚を薄く形成することができ、吸収による光損失を抑制することができる。例えば、密着層13をシランカップリング剤で構成すると、単分子層で密着層13を形成することができるため、吸収による光損失を大幅に抑制することができるとともに、密着性を向上させることができる。密着層13の膜厚は特に限定されるものではないが、例えば、1μm以下であってよく、1nm以上であってよい。
密着層13は、基板1の平面視における光取り出し部2が設けられている領域に、光取り出し部2と同じ大きさで形成されていることが好ましい。これにより、効率的に密着層13を設けて、信頼性を向上した素子を効率的に得ることができる。
密着層13の外周端は、応力緩和層12と同様に、素子の外周部に向かって端部の膜厚が薄くなっていてもよい。また、密着層13は単分子層などで薄く設けられて、略均一な膜厚で設けられていてもよい。例えば、基板1全体に略均一な膜厚で設けられていてもよい。また、膜厚が厚い場合にも、封止性に影響を与えない膜厚であれば、基板1全体に略均一な膜厚で設けられていてもよい。また、少なくとも密着層13の平面視における凹凸構造4が設けられた領域は、均一に光を取り出すために、略均一な膜厚で形成されていることが好ましい。
図5では、有機EL素子が密着層13を備える一つの形態を説明したが、有機EL素子が密着層13を備える形態は、これに限られるものではない。素子に応力緩和層12が形成されていないものにおいて、密着層13が形成されていてもよい。また、光取り出し部2に溝部11が形成されていないものにおいて、密着層13が形成されていてもよい。
図6は、有機EL素子の実施形態の他の一例を示す断面図である。図1〜図5の形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略するものとする。
図6に示すように、有機EL素子は、基板1と有機発光体8との間に光取り出し部2を備えている。本形態の光取り出し部2は、溝部11により分断されるように設けられている。補助電極3は、第1電極5に接しており、平面視において光取り出し部2が分断された位置で溝部11の底部11aに設けられている。
このように、光取り出し部2を分断するように溝部11が設けられていることが好ましい一形態である。これにより、光取り出し部2が補助電極3により島状に分断されることになり、製造や補助電極3の通電の際に光取り出し部2が加熱されて熱膨張したとしても、溝部11において熱膨張を吸収することができ、熱膨張による応力を低減することができる。そのため、光取り出し部2のクラックや膜はがれを生じにくくしてより信頼性の高い素子を得ることができる。
溝部11は、本形態では、光取り出し部2の厚みと同じ深さで形成され、光取り出し部2を分断するように設けられている。そして、溝部11の底面には、平面視において光取り出し部2が設けられていない領域が形成されている。
底部11aは、溝部11で光取り出し部2が分断された際の底面であり、平面視における底部11aの領域には、光取り出し部2は形成されていない。底部11aは、基板1の有機発光体8側の表面や、基板1に設けられた密着層13や応力緩和層12の表面で構成される。本形態では、溝部11の部分において応力緩和層12が分断されており、底部11aは基板1の表面で設けられている。
補助電極3が底部11aに形成されていることで、基板1や密着層13の表面に補助電極3を形成することができ、補助電極3の密着性を向上することができる。光取り出し部2は、通常、樹脂などの有機層で構成されるので、MAMなどの無機材料で構成される補助電極3との密着性は、一般的に高くない。一方、基板1は適宜のガラス材料で構成することで補助電極3を構成する無機材料との親和性を高くすることができる。また、密着層13や応力緩和層12についても、無機材料との親和性を高く構成することができる。例えば、密着層13をシランカップリング剤で構成すると、補助電極3を構成する無機材料との密着性を高くすることができる。そこで、底部11aに補助電極3を設けることで、補助電極3を基板1や密着層13などの親和性の高い表面上に形成することができ、補助電極3の密着性を高く形成することができる。
溝部11で光取り出し部2を分断した本形態では、光取り出し部2が分断された領域に補助電極3を設けるので、補助電極3を形成した後に光取り出し部2を形成することができる。光取出し部2を形成した後に補助電極3を形成する場合では、補助電極3の成膜時やパターニング時に下地層である光取出し部2が劣化することがある。例えば、スパッタリングで補助電極3を形成する場合には、スパッタリングにより光取出し部2がダメージを受ける。また、エッチングによりパターニングを行なう場合には、ドライエッチングの場合にはガスに、ウェットエッチングの場合にはエッチング液などに光取出し部2がさらされるため、光取り出し部2がダメージを受ける。その結果、光取り出し部2が劣化しやすくなりクラックが発生したりして、有機EL素子の電気的なショートが発生しやすくなったり素子の電流密度分布の信頼性が低下したりする。また、光取り出し部2が劣化すると、着色が生じたりして光の吸収が増大し、素子の光取り出し効率が低下することがある。しかしながら、本形態では、補助電極3を形成した後に光取り出し部2を形成することができるので、光取り出し部2の劣化を抑制することができ、信頼性と発光性の高い素子を簡単に得ることができる。また、補助電極3を光取り出し部2よりも先に形成することで、補助電極3を形成するパターニング光が光取り出し部2により乱反射されることを抑制することができ、補助電極3の膜質をより均質にして、安定性を向上することができる。もちろん、本形態においても、補助電極3の形成は、光取り出し部2の形成の前に限るものではなく、光取り出し部2の形成の後に補助電極3を形成してよい。
このように、光取り出し部2を分断するように溝部11が設けられ、補助電極3が溝部11の底部11aに設けられていることが好ましい一形態である。これにより、より均一な補助電極3を形成することができると共に、補助電極3の密着性を高めることができ、さらに、溝部11で熱膨張を吸収してクラックや膜はがれを抑制することができる。そして、信頼性のより高い有機EL素子を得ることができる。また、補助電極3は、本形態のように、底部11aが基板1の表面で形成されて、基板1の表面に設けられることが好ましい。これにより、簡単に補助電極3との密着性を向上することができると共に、基板1に補助電極3を形成した後に光取り出し部2等の層を形成することができ、補助電極3の形成時に他の層を劣化させることを抑制することができる。そして、信頼性のより高い素子を得ることができる。
図6で示すように、補助電極3は、溝部11の底面の幅と同じ幅で設けられていてもよい。これにより、溝部11が深く設けられていても、補助電極3による溝部11の底上げによって、溝部11内に有機発光層6を十分に形成しやすくすることができ、素子の信頼性を高めることができる。このとき、補助電極3は、溝部11の底面の領域全体に形成されていることになる。本形態では、溝部11の底面は、光取り出し部2が設けられていない底部11aで設けられており、補助電極3は、溝部11の底部11aの領域全体に形成されている。
また、本形態では、光取り出し部2と基板1との間には、応力緩和層12が設けられており、応力緩和層12は光取り出し部2の分断と同じ位置で分断されている。
光取り出し部2が溝部11で分断されている場合、本形態のように溝部11が深くなることにより、応力緩和層12は分断されて形成されていてもよい。応力緩和層12は、光取り出し部2と基板1との間に形成されていれば、基板1と光取り出し部2との間の応力を緩和することができ、素子の信頼性を向上することができる。また、応力緩和層12が分断されていることで、応力緩和層12と隣り合う層との熱膨張が異なっても、クラックやはがれをより抑制することができる。また、応力緩和層12は、光取り出し部2が溝部11で分断されている場合でも、溝部11で分断されずに連続する層で形成されていてもよい。その場合には、溝部11の底部11aは、応力緩和層12の表面で構成されることになる。
図7は、有機EL素子の実施形態の他の一例を示す断面図である。図1〜図6の形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略するものとする。
図7に示すように、有機EL素子は、基板1と有機発光体8との間に光取り出し部2を備えている。図6の形態と同様に、光取り出し部2は、溝部11により分断されるように設けられており、補助電極3は、溝部11の底部11aが形成されている領域全体に設けられている。本形態では、補助電極3は厚く設けられて光取り出し部2を分断するように形成されている。そして、光取り出し部2が補助電極3の側面の一部に被さるように形成されている。
本形態で示すように、補助電極3が溝部11の位置に設けられた場合の補助電極3の厚みTは、溝部11の深さHの半分以上であることが好ましく、溝部11の深さHの0.7倍以上であってもよい。有機発光層6が蒸着により形成される下地の表面に溝部11が形成されていると、溝部11の上端部に遮られ、溝部11の中まで有機発光層6を形成することが難しくなることがある。溝部11が深く設けられている場合には、特に難しくなることが多い。しかしながら、補助電極3の厚みTを溝部11の深さHの半分以上とすることにより、溝部11にも有機発光層6を十分形成することができる。すると、有機発光層6や第2電極7等の層が分断されたり薄くなったりすることを抑制して、素子が電気的にショートすることを抑制することができる。また、補助電極3の厚みTは溝部11の深さHと同等であることが好ましい。これにより、補助電極3の上に形成される層を均一に形成しやすくして、素子の信頼性を高めることができる。補助電極3の厚みTの上限は、特に設定されるものではないが、溝部11の深さHの1.5倍以下であってよく、あるいは、1.2倍以下であってよい。また、図4の形態で説明したように、補助電極3が、光取り出し部2の表面よりも飛び出して形成されている場合には、補助電極3が光取り出し部2の表面よりも飛び出して形成されている部分の厚みが、有機発光層6の厚みの半分以下になることが好ましい。
溝部11は、図3〜6の形態のように深くなるほど一様に幅狭となる溝で形成されていなくてもよく、本形態のように、光取り出し部2の上面から基板1に向かって幅狭になる部分と、補助電極3に沿って幅広になる部分を有していてもよい。本形態では、基板1に補助電極3を形成した後、光取り出し部2を補助電極3の側面の一部に被さるように形成している。これにより、補助電極3の形成時に光取り出し部2が劣化することを抑制することができると共に、光取り出し部2の範囲を広くすることができ、素子の信頼性と発光性を高めることができる。ここで、光取り出し部2は補助電極3の側面に一部被さってはいるが、補助電極3が形成された位置と凹凸構造4が形成された領域は重複していないものである。
図7では、補助電極3が溝部の深さHの半分以上の厚みTで形成された形態を説明したが、補助電極3がこのように厚く形成された形態はこれに限るものではない。例えば、溝部11が光取り出し部2を分断しない図5の形態において、補助電極3の厚みTが溝部の深さHの半分以上であってもよい。
図8は、有機EL素子の実施形態の他の一例を示す断面図である。図1〜図7の形態と同じ構成については、同じ符号を付して説明を省略するものとする。
本形態の有機EL素子は、基板1と有機発光体8との間に光取り出し部2を備えていて、図7の形態と同様に、光取り出し部2は、溝部11により分断されるように設けられており、補助電極3は溝部11の底部11aに設けられている。本形態では、有機発光層6は、高分子材料層6bと高分子材料層6b以外の有機発光層6aとで構成され、高分子材料層6bは有機発光層6の第1電極5と接する表面に形成されている。
高分子材料層6bは、有機発光層6を構成する層で、有機発光層6の第1電極5と接する表面に形成されている。高分子材料層6bは、高分子材料により構成されている。このように、有機発光層6は、第1電極5と接する表面に高分子材料により形成される高分子材料層6bを有することが好ましい。これにより、高分子材料層6bで第1電極5の表面を覆って表面粗さを小さくすることができると共に、凹凸構造4や補助電極3に起因して第1電極5に形成された凹凸を緩和することができる。そのため、有機発光層6や第2電極7等の膜をより均一に形成することができる。そして、素子が電気的にショートすることを抑制することができる。また、本形態では、補助電極3は、第1電極5の基板1側に形成されているが、補助電極3が第1電極5の有機発光層6側に形成されている形態で高分子材料層6bが形成されていてもよい。この場合、高分子材料層6bによって、補助電極3に起因する表面凹凸や補助電極3の表面粗さをも緩和することができる。これにより、素子の信頼性を高めることができる。本形態のように、第1電極5が陽極として構成された場合、高分子材料層6bは、正孔注入層や正孔輸送層であってよい。また、第1電極5が陰極として構成された場合、高分子材料層6bは、電子注入層や電子輸送層であってよい。
高分子材料層6bは、適宜の高分子材料により形成される。高分子材料は、適宜の塗布法で成膜することができるものであってよく、スピンコート、スプレーコート、ダイコート、グラビア印刷等、湿式プロセスによって成膜することができるものであってよい。高分子材料層6bを塗布法で形成することにより、高分子材料層6bで効率的に第1電極5や補助電極3の凹凸を抑制することができる。高分子材料層6bの膜厚は、第1電極5の凹凸や表面粗さに応じて、適宜設定することができる。
高分子材料層6bを備える有機EL素子の形態はこれに限られるものではなく、例えば、図1、図2に示された溝部11がない素子が、高分子材料層6bを備えていてもよい。また、光取り出し部2が溝部11で分断されていない素子が、高分子材料層6bを備えていてもよい。
1 基板
2 光取り出し部
2a 第1屈折率層
2b 第2屈折率層
3 補助電極
4 凹凸構造
5 第1電極
5a 凹部
6 有機発光層
6b 高分子材料層
7 第2電極
8 有機発光体
9 封止材
10 封止間隙
11 溝部
12 応力緩和層
13 密着層
T 補助電極の厚み
H 溝部の深さ

Claims (8)

  1. 基板上に、第1電極と有機発光層と第2電極とをこの順に有する有機発光体が形成された有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記第1電極に接して設けられた網目状の補助電極と、前記有機発光体と前記基板との間に透光性を有する光取り出し部と、を備え、
    前記光取り出し部は、屈折率の異なる第1屈折率層と第2屈折率層とを前記基板側からこの順で有し、前記第1屈折率層と前記第2屈折率層との境界には凹凸構造が部分的に形成されており、
    前記補助電極は、平面視における前記凹凸構造が形成されている領域と重複しない位置に設けられていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記光取り出し部は溝部を有し、前記補助電極は、平面視における前記溝部の位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記光取り出し部と前記基板との間に応力緩和層が形成されており、前記応力緩和層の屈折率が前記基板の屈折率と略同等であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記基板の前記光取り出し部が設けられた側の表面には、基板に対して密着性を高める密着層が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記補助電極は、前記第1電極の前記基板側に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記光取り出し部を分断するように前記溝部が設けられ、前記補助電極は、前記溝部の底部上に設けられていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記光取り出し部に形成されている前記溝部の位置に設けられた前記補助電極の厚みは、前記溝部の深さの半分以上であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記有機発光層は、前記第1電極と接する表面に高分子材料により形成される層を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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