JP2003297547A - 有機el表示装置 - Google Patents

有機el表示装置

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JP2003297547A
JP2003297547A JP2002092729A JP2002092729A JP2003297547A JP 2003297547 A JP2003297547 A JP 2003297547A JP 2002092729 A JP2002092729 A JP 2002092729A JP 2002092729 A JP2002092729 A JP 2002092729A JP 2003297547 A JP2003297547 A JP 2003297547A
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organic
layer
display device
substrate
resin
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JP2002092729A
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English (en)
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Masahiko Fukuda
雅彦 福田
Hitoshi Kuma
均 熊
Noboru Sakaeda
暢 栄田
Chishio Hosokawa
地潮 細川
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機EL表示装置にかかる衝撃や応力を緩和
して有機EL素子等を保護する有機EL表示装置を提供
する。 【解決手段】 本発明の有機EL表示装置は、支持基板
1上に、TFT6、下部電極22、絶縁部材7、有機発
光媒体21、上部電極23、封止層3、応力緩和層9、
平坦化層8及び着色層4が形成され、最上面に透明基板
5が設けられている。下部電極22、有機発光媒体21
及び上部電極23により有機EL素子2が構成される。
応力緩和層9により、有機EL表示装置にかかる衝撃や
応力を緩和できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機EL(エレク
トロルミネッセンス)表示装置に関し、特に、薄型又は
大型の有機EL表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】有機EL表示装置は、互いに対向する電
極間に有機発光分子を含む有機発光媒体を挟持した有機
EL素子から構成されている。有機EL素子の両電極間
に電圧を印加すると、一方の電極から注入された電子と
他方の電極から注入されたホールとが、有機発光媒体中
の有機発光層で再結合する。有機発光層中の有機発光分
子は、再結合エネルギーによりいったん励起状態とな
り、その後、励起状態から基底状態に戻る。この際に放
出されるエネルギーを光として取り出すことにより、有
機EL発光素子は発光する。
【0003】このような発光原理を有する有機EL素子
から構成された有機EL表示装置は、完全固体素子であ
り、視認性に優れ、軽量化、薄膜化が図れ、その上、わ
ずか数ボルトという低電圧で駆動させることができる。
このため、有機EL表示装置は、カラーディスプレイと
しての利用が期待され、現在盛んに研究されている。
【0004】図6に、従来の有機EL表示装置の一例を
示す。図6に示すように、有機EL表示装置では、支持
基板1上にTFT6と下部電極22が形成され、さら
に、この上に順次、絶縁部材7、有機発光媒体21、上
部電極23、封止層3、平坦化層8及び着色層4が設け
られ、最上面に透明基板5が設けられている。下部電極
22、有機発光媒体21及び上部電極23により有機E
L素子2が構成される。矢印は光の取出し方向を示す。
この有機EL表示装置は、いわゆる上取出型であり、有
機発光媒体21が発した光を着色層4で変換して所望の
光を透明基板5側から取り出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
有機EL表示装置においては、製造、移送又は使用等の
間に、支持基板1又は透明基板5に、機械的な衝撃が加
えられることが予想される。その場合、有機EL素子2
や周辺接着部等に機械的な衝撃が伝わりやすい。
【0006】特に近年、有機EL表示装置の薄型化、軽
量化の要請が強いため、支持基板及び/又は透明基板の
厚さが極めて薄くなっている。このため、ますます有機
EL素子や周辺接着部等に衝撃が伝わりやすくなってい
る。そして、有機EL素子や周辺接着部等に衝撃が伝わ
ると、有機EL素子が破損したり周辺接着部が破壊しま
う恐れがある。
【0007】さらに、環境の湿度、温度が変化すると装
置内に応力が発生する。その結果、有機EL素子等が破
損したり、着色層が透明基板等の下地から剥離したりす
るおそれがある。特に、有機EL表示装置の大画面化が
進めば、応力がより大きくなることが予想される。
【0008】また、有機EL表示装置は、プラズマディ
スプレイパネル(PDP)や液晶ディスプレイ(LC
D)とは異なり、画面に可撓性をもたせることが可能で
ある。しかし、画面を撓ませる際には、支持基板と透明
基板との間にかかる応力を緩和する必要がある。
【0009】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、有機EL表示装置にかかる衝撃や応力を緩和
して、有機EL素子等を保護する有機EL表示装置の提
供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的の達成を図るた
め、本発明の第1の態様によれば、支持基板、光を発す
る有機EL素子、有機EL素子が発する光を変換する着
色層及び透明基板を、この順序で設け、さらに、支持基
板と透明基板の間に応力緩和層を設けた、有機EL表示
装置が提供される。ここで、応力緩和層は、透明基板、
有機EL素子、支持基板又は着色層等の装置の各部材に
直接接して形成でき、また、平坦化層、封止層、絶縁層
等の他の層を介して形成してもよい。好ましくは、応力
緩和層は、有機EL素子と着色層の間に設ける。また、
有機EL表示装置の構造の機能に応じて、応力緩和層は
単数でも複数でもよい。この態様によれば、支持基板と
透明基板との間に応力緩和層を備えているため、装置に
加わる外部からの衝撃又は応力から有機EL素子等を保
護することができる。装置にかかる応力としては、例え
ば、環境の湿度、温度の変化により生じる応力がある。
湿度、温度が変化すると、基板面内に膨張の差が生じる
恐れがあり、特に、基板間の熱膨張係数が異なると基板
間に応力が生じやすい。また、装置を製造する際、基板
の片側面に各種膜(層)を作製していくため、温度履歴
を受け裏表で異方性が生じ、「ソリ」が発生する恐れが
あり、これが応力の原因となる。好ましくは、有機EL
素子に隣接して封止層が形成され、着色層に隣接して平
坦化層が形成され、これら封止層と平坦化層の間に応力
緩和層がある。
【0011】好ましくは、着色層に隣接して平坦化層が
形成され、透明基板と平坦化層の間に応力緩和層があ
る。かかる構成では、有機EL素子と着色層の間に平坦
化層を介在させる必要が無いので、有機EL素子と着色
層との距離を短くすることができ、視野角特性が高ま
る。
【0012】
【発明の実施の形態】[第一実施形態]以下、図面を参
照して、本発明の第一実施形態に係る有機EL表示装置
及びその製造方法について説明する。図1は、第一実施
形態の有機EL表示装置の構成を説明するための模式図
である。この図に示すように、この有機EL表示装置で
は、支持基板1上にTFT6と下部電極22が形成さ
れ、さらに、この上に順次、絶縁部材7、有機発光媒体
21、上部電極23、封止層3、応力緩和層9、平坦化
層8及び着色層4が形成され、最上面に透明基板5が設
けられている。下部電極22、有機発光媒体21及び上
部電極23により有機EL素子2が構成される。光の取
出し方向を示す矢印が示すように、この装置は支持基板
1と反対側から光を取り出す上取出型である。この装置
では、下部電極22と上部電極23の間に電圧が印加さ
れると、これら電極に挟まれた、有機発光媒体21が発
光し、その光が封止層3を透過して着色層4に達する。
着色層4は必要に応じて光を吸収し変換してそれぞれ
赤、緑、青色の光を発する。これら三色の光が透明基板
5を通して外に取り出される。この実施形態では、封止
層3と平坦化層8との間に応力緩和層9を設けたので、
支持基板1側及び/又は透明基板5側から有機EL素子
2等に伝わる衝撃を軽減し、その衝撃から有機EL素子
2等を保護することができる。特に、この装置は上取出
型であり、透明基板5が表側になり、透明基板5から衝
撃が加わりやすいが、その衝撃は間に介在する応力緩和
層9により有機EL素子2に伝わりにくい。
【0013】また、環境の湿度、温度が変化したり、画
面を撓ませたりするために基板1及び5間に応力が加わ
る場合、その応力を応力緩和層9が緩和する。このた
め、有機EL素子2や着色層4にかかる応力を軽減する
ことができる。その結果、有機EL素子2が破損した
り、着色層4が剥離したりすることを防止することがで
きる。
【0014】次に、この有機EL表示装置の製造方法に
ついて簡単に説明する。まず、従来公知の方法により、
支持基板1上に有機EL素子2を形成し、さらに、この
有機EL素子2を封止層3で封止する。この封止層3の
上に応力緩和層9を形成する。これにより、支持基板1
側が形成できる。一方、従来公知の方法により、透明基
板5上に着色層4を形成し、着色層4を平坦化層8で封
止して、透明基板5側を形成する。次に、支持基板1側
と透明基板5側とを貼り合わせて有機EL表示装置を製
造する。好ましくは、応力緩和層9は貼り合わせのとき
封止層3の上に形成する。尚、この実施形態では、応力
緩和層9は支持基板1側に形成したが、透明基板5側に
形成して貼り合わせてもよい。
【0015】[第二実施形態]図2は、第二実施形態の
有機EL表示装置の構成を説明するための模式図であ
る。第一実施形態と同一の構成要素については同じ参照
番号を付してその詳細な説明を省略する。第二実施形態
では、着色層4が封止層3上に形成され、着色層4上に
平坦化層8が形成され、平坦化層8と透明基板5との間
に、応力緩和層9が設けられている点が、第一実施形態
における構成と異なっている。
【0016】平坦化層8と透明基板5との間に応力緩和
層9を設けているので、第一実施形態と同様に、有機E
L素子2等にかかる衝撃や応力を軽減することができ
る。その結果、有機EL素子2が破損したり、着色層4
が剥離したりすることを防止することができる。
【0017】また、第一実施形態と異なり、有機EL素
子2と着色層4の間に、平坦化層8と応力緩和層9が介
在しないので、有機EL素子2と着色層4との距離を短
くすることができる。このため、視野角特性の向上を図
ることができる。また、後述するように、支持基板1に
有機EL素子2と着色層4が共に形成されているので、
支持基板1や透明基板5に応力が加わった場合において
も、有機EL素子2と着色層4との配置関係がずれるこ
とを防止することができる。
【0018】次に、この有機EL表示装置の製造方法に
ついて簡単に説明する。まず、従来公知の方法により、
支持基板1上に有機EL素子2を形成し、さらに、この
有機EL素子2を封止層3で封止する。次に、この封止
層3の上に着色層4を形成して、支持基板1側が形成で
きる。ここで、一般に有機発光媒体は紫外線によりダメ
ージを受けやすいため、封止層3の上に着色層4を形成
するために、通常のフォトリソグラフィ法をそのまま用
いることは好ましくない。従って、封止層3にインジウ
ムスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ジルコニウ
ム等の紫外線遮蔽材料を含有させたり、封止層3の上に
紫外線反射性多層膜を設けたり、紫外線吸収剤入りポリ
マーを塗布したりして、有機EL素子2を紫外線から保
護する必要がある。また、封止層3の上にインク受容層
を形成してインクジェット法等の印刷法を適用すること
も好ましい。さらに、封止層3の着色層形成部に撥イン
ク処理又は凹部を形成して、インクジェット法等の印刷
法で着色層4を形成することもできる。一方、透明基板
5側として、透明基板5上に応力緩和層9を形成する。
次に、支持基板1側と透明基板5側とを貼り合わせて有
機EL表示装置を製造する。この製造方法は、実施形態
1のように、支持基板1側の有機EL素子2と透明基板
5側の着色層4を正確に位置あわせして貼り合わせる必
要が無いので製造歩留まりが高いという利点を有する。
尚、本実施形態では、透明基板5と応力緩和層9とを接
触させて設けた例について説明したが、透明基板5と応
力緩和層9との間に下地層等を介在させてもよい。ま
た、応力緩和層9を、支持基板1側の平坦化層8に形成
して貼り合わせてもよい。
【0019】上述した実施形態においては、本発明を特
定の条件で構成した例について説明したが、本発明は、
種々の変更を行うことができる。例えば、これらの実施
形態において、応力緩和層9をほぼ均一な厚みを有する
層として説明したが、応力緩和層9は、例えば、封止層
3、透明基板5等の上に、応力緩和層9を構成するスペ
ーサを配置してから、支持基板1側と透明基板5側とを
貼り合わせ、スペーサ間の空隙に、シリコン樹脂等の充
填剤を充填して形成してもよい。
【0020】また、上述した実施形態において、TFT
を備えたディスプレイの例について説明したが、本発明
は、TFTを備えていないディスプレイに適用しても好
適である。
【0021】以下、本実施形態における有機EL表示装
置の各構成部材について説明する。その他特に記載して
いない限り通常の部材及び構成を使用できる。
【0022】1.支持基板 有機EL表示装置における支持基板1は、有機EL素子
2等を支持するための部材であり、そのための機械強度
や寸法安定性に優れていることが好ましい。このような
支持基板1の材料としては、例えば、ガラス板、金属
板、セラミックス板あるいはプラスチック板(例えば、
ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹
脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリイミド樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリエーテルサルフォ
ン樹脂)等を挙げることができる。
【0023】また、これら材料からなる支持基板1は、
有機EL表示装置内への水分の侵入を防ぐため、さらに
無機膜を形成したり、フッ素樹脂を塗布したりして、防
湿処理や疎水性処理を施してあることが好ましい。特
に、有機発光媒体21への水分の侵入を避けるため、支
持基板1における含水率及びガス透過係数を小さくする
ことが好ましい。具体的には、支持基板1の含水率を
0.0001重量%以下の値とし、かつ、ガス透過係数
を1×10-13cc・cm/cm2・sec.cmHg以
下の値とすることが好ましい。尚、本発明では、支持基
板1と反対側、即ち、上部電極側23からEL発光を取
り出すため、支持基板は必ずしも透明性を有する必要は
ない。
【0024】2.有機EL素子 通常、有機EL素子2は、有機発光媒体21と、これを
挟持する上部電極23及び下部電極22とにより構成さ
れている。以下、有機EL素子2の各構成要素につい
て、(1)有機発光媒体、(2)上部電極及び(3)下
部電極の順に説明する。
【0025】(1)有機発光媒体 有機発光媒体21は、電子と正孔とが再結合してEL発
光が可能な有機発光層を含む媒体である。この有機発光
媒体21は、例えば、陽極上に以下の〜のいずれか
に示す各層を積層して構成することができる。
【0026】有機発光層 正孔注入層/有機発光層 有機発光層/電子注入層 正孔注入層/有機発光層/電子注入層 有機半導体層/有機発光層 有機半導体層/電子障壁層/有機発光層 正孔注入層/有機発光層/付着改善層 尚、上記〜の構成のうち、の構成が、より高い発
光輝度が得られ、耐久性にも優れているので特に好まし
い。以下、有機発光媒体の構成材料、及び、有機発
光媒体の厚さについて順に説明する。
【0027】有機発光媒体の構成材料 以下、有機発光媒体21の構成要素例について、(i)
有機発光層、(ii)正孔注入層、(iii)電子注入層及
び(iv)付着改善層の順に説明する。
【0028】(i)有機発光層 有機発光媒体21における有機発光層の発光材料として
は、例えば、p−クオーターフェニル誘導体、p−クィ
ンクフェニル誘導体、ベンゾジアゾール系化合物、ベン
ゾイミダゾール系化合物、ベンゾオキサゾール系化合
物、金属キレート化オキシノイド化合物、オキサジアゾ
ール系化合物、スチリルベンゼン系化合物、ジスチリル
ピラジン誘導体、ブタジエン系化合物、ナフタルイミド
化合物、ペリレン誘導体、アルダジン誘導体、ピラジリ
ン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ピロロピロール
誘導体、スチリルアミン誘導体、クマリン系化合物、芳
香族ジメチリディン系化合物、8−キノリノール誘導体
を配位子とする金属錯体、ポリフェニル系化合物等の一
種単独又は二種以上の組合せが挙げられる。
【0029】また、これら有機発光材料のうち、芳香族
ジメチリディン系化合物としての、4,4−ビス(2,
2−ジ−t−ブチルフェニルビニル)ビフェニル(DT
BPBBiと略記する。)や4,4−ビス(2,2−ジ
フェニルビニル)ビフェニル(DPVBiと略記す
る。)及びこれらの誘導体がより好ましい。
【0030】さらに、ジスチリルアリーレン骨格等を有
する有機発光材料をホスト材料とし、当該ホスト材料
に、ドーパントとしての青色から赤色までの強い蛍光色
素、例えばクマリン系材料、あるいはホストと同様の蛍
光色素をドープした材料を併用することも好適である。
より具体的にはホスト材料として、上述したDPVBi
等を用い、ドーパントとして、N,N−ジフェニルアミ
ノベンゼン(DPAVBと略記する。)等を用いること
が好ましい。
【0031】(ii)正孔注入層 また、有機発光媒体21における正孔注入層には、1×
104〜1×106V/cmの範囲の電圧を印加した場合
に測定される正孔移動度が1×10-6cm2/V・秒以
上であって、イオン化エネルギーが5.5eV以下であ
る化合物を使用することが好ましい。このような正孔注
入層を設けることにより、有機発光層への正孔注入が良
好となり、高い発光輝度が得られたり、あるいは、低電
圧駆動が可能となる。
【0032】このような正孔注入層の構成材料として
は、具体的に、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミ
ン化合物、スチルアミン化合物、芳香族ジメチリディン
系化合物、縮合芳香族環化合物、例えば、4,4−ビス
[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェ
ニル(NPDと略記する。)や、4,4´,4´´−ト
リス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミ
ノ]トリフェニルアミン(MTDATAと略記する。)
等の有機化合物が上げられる。また、正孔注入層の構成
材料として、p型−Siやp型−SiC等の無機化合物
を使用することも好ましい。
【0033】尚、上述した正孔注入層と、陽極層との
間、あるいは、上述した正孔注入層と、有機発光層との
間に、導電率が1×10-10S/cm以上の有機半導体
層を設けることも好ましい。このような有機半導体層を
設けることにより、さらに有機発光層への正孔注入がよ
り良好となる。
【0034】(iii)電子注入層 また、有機発光媒体21における電子注入層には、1×
104〜1×106V/cmの範囲の電圧を印加した場合
に測定される電子移動度が1×10-6cm2/V・秒以
上であって、イオン化エネルギーが5.5eVを超える
化合物を使用することが好ましい。このような電子注入
層を設けることにより、有機発光層への電子注入が良好
となり、高い発光輝度が得られたり、あるいは、低電圧
駆動が可能となる。このような電子注入層の構成材料と
しては、具体的に、8−ヒドロキシキノリンの金属錯体
(Alキレート:Alq)、又はその誘導体、あるい
は、オキサジアゾール誘導体が上げられる。
【0035】(iv)付着改善層 また、有機発光媒体21における付着改善層は、このよ
うな電子注入層の一形態とみなすことができる。即ち、
電子注入層のうち、特に陰極との接着性が良好な材料か
らなる層であり、8−ヒドロキシキノリンの金属錯体又
はその誘導体等から構成することが好ましい。尚、上述
した電子注入層に接して、導電率が1×10-10S/c
m以上の有機半導体層を設けることも好ましい。このよ
うな有機半導体層を設けることにより、さらに有機発光
層への電子注入性が良好となる。
【0036】有機発光媒体の厚さ 有機発光媒体21の厚さについては特に制限はないが、
例えば、厚さを5nm〜5μmの範囲内の値とすること
が好ましい。その理由は、有機発光媒体21の厚さが5
nm未満となると、発光輝度や耐久性が低下する場合が
あり、一方、有機発光媒体の厚さが5μmを超えると、
印加電圧の値が高くなるためである。従って、有機発光
媒体21の厚さを10nm〜3μmの範囲内の値とする
ことがより好ましく、20nm〜1μmの範囲内の値と
することがさらに好ましい。
【0037】(2)上部電極 本実施形態では、上部電極23は、表示領域全面にわた
って連続して設けられている。上部電極23は、有機E
L素子2の構成に応じて、陽極層又は陰極層に該当す
る。陽極層に該当する場合には、正孔の注入を容易にす
るため、仕事関数の大きい材料、例えば、4.0eV以
上の材料を使用することが好ましい。また、陰極層に該
当する場合、電子の注入を容易にするため、仕事関数の
構成材料、例えば4.0eV未満の材料を使用すること
が好ましい。
【0038】また、上取出型の有機EL表示装置では上
部電極23を介して光を取り出すため、上部電極23は
透明性を有する必要がある。従って、上部電極23が陽
極層に該当する場合、例えば、インジウムスズ酸化物
(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジ
ウム銅(CuIn)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛
(ZnO)、酸化アンチモン(Sb23、Sb2
Sb25)、酸化アルミニウム(Al23)等の一種単
独、又は、二種以上の組合せが挙げられる。
【0039】尚、透明性を損なわない範囲で上部電極2
3の低抵抗化を図るため、Pt、Au、Ni、Mo、
W、Cr、Ta、Al等の金属を一種単独、又は、二種
以上組合せて添加することも好ましい。
【0040】また、上部電極23として、光透過性金属
膜、非縮体の半導体、有機導電体、半導性炭素化合物等
からなる群から選択される少なくとも一つの構成材料か
ら選択することができる。例えば、有機導電体として
は、導電性共役ポリマ、酸化剤添加ポリマ、還元剤添加
ポリマ、酸化剤添加低分子又は還元剤添加低分子である
ことが好ましい。
【0041】尚、有機導電体に添加する酸化剤として
は、ルイス酸、例えば塩化鉄、塩化アンチモン、塩化ア
ルミニウム等が挙げられる。また、同様に、有機導電体
に添加する還元剤としては、アルカリ金属、アルカリ土
類金属、希土類金属、アルカリ化合物、アルカリ土類化
合物又は希土類等が挙げられる。さらに、導電性共役ポ
リマとしてはポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフ
ェン及びその誘導体、ルイス酸添加アミン化合物等が挙
げられる。
【0042】また、非縮体の半導体としては、例えば、
酸化物、窒化物又はカルコゲナイド化合物であることが
好ましい。また、炭化化合物としては、例えば、非晶質
C、グラファイト又はダイヤモンドライクCであること
が好ましい。さらに、無機半導体としては、例えば、Z
nS、ZnSe、ZnSSe,MgS、MgSSe、C
dS、CdSe、CdTe又はCdSSeであることが
好ましい。
【0043】上部電極23の厚さは、面抵抗等を考慮し
て定めることが好ましい。例えば、上部電極23の厚さ
を50nm〜5000nmの範囲内の値とするのが好ま
しく、より好ましくは100nm以上の値とするのがよ
い。この理由は、上部電極23の厚さをこのような範囲
内の値とすることにより、均一な厚さ分布や、EL発光
において60%以上の光透過率が得られるとともに、上
部電極23の面抵抗を15Ω/□以下の値、より好まし
くは、10Ω/□以下の値とすることができるためであ
る。
【0044】(3)下部電極 本実施形態では、下部電極22は、画素ごとに、平面パ
ターンで個別に分離配置されている。下部電極22は、
有機EL表示装置の構成に応じて、陰極層又は陽極層に
該当する。陰極層に該当する場合、電子の注入を容易に
するため、仕事関数の小さい材料、例えば、4.0eV
未満の金属、合金、電気導電性化合物又はこれらの混合
物あるいは含有物を使用することが好ましい。
【0045】そのような材料としては、例えば、ナトリ
ウム、ナトリウム−カリウム合金、セシウム、マグネシ
ウム、リチウム、マグネシウム−銀合金、アルミニウ
ム、酸化アルミニウム、アルミニウム−リチウム合金、
インジウム、希土類金属、これら金属と有機発光媒体材
料との混合物、及び、これらの金属と電子注入層材料と
の混合物等からなる電極材料を一種単独、又は、二種以
上組み合わせて使用することが好ましい。
【0046】尚、本発明では、上部電極23の側から発
光と取り出すので、下部電極22の材料については必ず
しも透明性を有する必要はない。むしろ、一つの好まし
い形態として、光吸収性の導電材料から形成するとよ
い。このように構成すれば、有機EL表示装置の表示コ
ントラストをより向上させることができる。また、その
場合の好ましい光吸収性の導電材料としては、半導性の
炭素材料、有色性の有機化合物、又は、前述した還元剤
及び酸化剤の組合せの他、有色性の導電性酸化物(例え
ば、VOX、MoOX、WOX等の遷移金属酸化物)が挙
げられる。
【0047】下部電極22の厚さについても、上部電極
23と同様に特に制限されるものではないが、例えば、
10nm〜1000nmの範囲内の値とするのが好まし
く、より好ましくは10〜200nmの範囲内の値とす
るとよい。
【0048】3.絶縁部材 本実施形態の有機EL表示装置における絶縁部材7(電
気絶縁膜)は、有機EL素子2の近傍又は周辺に設けら
れる。そして、絶縁部材7は、有機EL表示装置全体と
しての高精細化、有機EL素子2の下部電極22と上部
電極23との短絡防止に用いられる。また、TFT6に
より有機EL素子2を駆動する場合、絶縁部材7は、T
FT6を保護したり、有機EL素子2の下部電極22を
平坦面に成膜するための下地としても用いられる。従っ
て、絶縁部材7は、必要に応じて隔壁、スペーサ、平坦
化膜等と称する場合があり、本発明では、それらを包含
するものとする。
【0049】本実施形態では、画素ごとに分離配置して
設けられた下部電極どうしの間を埋めるように、絶縁部
材7を設けている。即ち、絶縁部材7は、画素どうしの
境界に沿って設けられている。
【0050】絶縁部材7の材料としては、通常、アクリ
ル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリイミド樹脂、フッ
素化ポリイミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン
樹脂、環状ポリオレフィン、ノボラック樹脂、ポリケイ
皮酸ビニル、環化ゴム、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチ
レン、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹
脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
【0051】また、絶縁部材7を無機酸化物から構成す
る場合、好ましい無機酸化物として、酸化ケイ素(Si
2又はSiOX)、酸化アルミニウム(Al23又はA
lO X)、酸化チタン(TiO3又はTiOX)、酸化イ
ットリウム(Y23又はYOX)、酸化ゲルマニウム
(GeO2又はGeOX)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マ
グネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、ホ
ウ酸(B23)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化
バリウム(BaO)、酸化鉛(PbO)、ジルコニア
(ZrO2)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸化リチウ
ム(Li2O)、酸化カリウム(K2O)等を挙げること
ができる。尚、上記の無機化合物中のxは、1≦x≦3
の範囲内の値である。
【0052】また、絶縁部材7に耐熱性が要求される場
合には、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリ
イミド、環状オレフィン、エポキシ樹脂、無機酸化物を
使用することが好ましい。尚、これら絶縁部材7は、有
機質の場合、感光性基を導入してフォトリソグラフィー
法で所望のパターンに加工するか、印刷手法によって所
望のパターンに形成することができる。
【0053】絶縁部材7の厚さは、表示の精細度、有機
EL素子と組み合わせられる他の部材の凹凸にもよる
が、好ましくは、10nm〜1mmの範囲内の値とする
ことが好ましい。その理由は、このように構成すること
により、TFT等の凹凸を十分に平坦化できるためであ
る。従って、絶縁部材7の厚さを、例えば100nm〜
100μmの範囲内の値とすることが好ましく、より好
ましくは100nm〜10μmの範囲内の値とするのが
よい。
【0054】4.封止層 封止層3の材料としては、透明樹脂、封止液及び透明無
機物が挙げられる。封止層3を構成する材料として用い
ることができる透明樹脂としては、ポリフェニルメタク
リレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ−o−ク
ロロスチレン、ポリ−o−ナフチルメタクリレート、ポ
リビニルナフタレン、ポリビニルカルバゾール、フルオ
レン骨格含有ポリエステル等が挙げられる。また、封止
層3の材料に透明樹脂を用いる場合、これを紫外線硬化
型樹脂や、可視光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂又はそれら
を用いた接着剤から構成することも好ましい。これらの
具体例としては、ラックストラックLCR0278や、
0242D(いずれも東亜合成(株)製)、TB310
2(エポキシ系:スリーボンド(株)製)、ベネフィッ
クスVL(アクリル系:アーデル(株)製)等の市販品
が挙げられる。
【0055】また、封止層3を構成する材料として用い
ることができる透明無機物としては、SiO2、Si
x、SiOxy、Si34、Al23、AlOxy
TiO2、TiOx、SiAlOxy、TiAlOx、T
iAlOxy、SiTiOx、SiTiOxy等が挙げ
られる。尚、封止層3の材料に透明無機物を用いる場合
には、有機EL素子2を劣化させないように、低温(1
00℃以下)で、成膜速度を遅くして成膜するのが好ま
しく、具体的にはスパッタリング、蒸着、CVD等の方
法が好ましい。また、これらの透明無機物は、非晶質
(アモルファス)であることが、水分、酸素、低分子モ
ノマー等の遮断効果が高く、有機EL素子2の劣化を制
御するので好ましい。
【0056】また、封止層3を構成する材料として用い
ることができる封止液としては、フッ素化炭化水素、フ
ッ素化オレフィンのオリゴマー等が挙げられる。尚、芳
香族環含有化合物、フルオレン骨格含有化合物、臭素含
有化合物又はイオウ含有化合物、さらに、高屈折率の化
合物、例えば、アルコキシチタン等の金属化合物(ジメ
トキシチタンや、ジエトキシチタン)、アルコキシチタ
ン等を添加して屈折率を調整してもよい。
【0057】また、封止層3の厚さについては特に制限
はないが、例えば、厚さを10nm〜1mmとすること
が好ましい。この理由は、封止層3の厚さが10nm未
満となると、水分や酸素の透過量が大きくなる場合があ
り、一方、封止層3の厚さが1mmを超えると、全体と
して膜厚が厚くなり薄型化できない場合があるためであ
る。また、このような理由から、封止層3の厚さを10
nm〜100μmとすることがより好ましい。
【0058】5.応力緩和層 応力緩和層9は、透明性を有し、ヤング率が小さく、高
伸張率を示す高弾性体からなることが好ましい。例え
ば、シリコーンゴム等の各種ゴムやゲル等である。応力
を緩和するためには、ヤング率が0.1〜10Mpaで
あることが好ましい。尚、応力緩和層9が光取出側にあ
るときは、透過率が50%以上である必要がある。応力
緩和層9の厚さは、応力や衝撃を十分に吸収できれば特
に制限されないが、好ましくは、ほぼ均一な厚さであ
り、有機EL表示装置を薄型化するため、薄いことが好
ましい。例えば、1μm〜1mmの範囲が好ましい。応
力緩和層9は、塗布(スピンコーター、ロールコータ
ー)等により形成できる。また、例えば、応力緩和層9
を、散在したスペーサと、スペーサ間の空隙を充填する
充填剤とにより構成してもよい。好ましくは、スペーサ
と充填剤は同一平面内にある。スペーサの材料として
は、シリカスペーサ、プラスチックスペーサ、ガラス等
が挙げられ、充填剤としては、液状シリコーン等が挙げ
られる。また、スペーサは、液晶ディスプレイ製造装置
のスペーサ散布装置等により形成できる。
【0059】6.平坦化層 透明基板5上に設けられた着色層4を封止する平坦化層
8は、透光性を有する材料で構成される。平坦化層8の
材料としては、例えば、封止層3の材料と同じものを使
用することが好ましい。また、平坦化層8の厚さは、着
色層4を平坦化できれば特に制限されないが、有機EL
表示装置を薄型化するため、薄いことが好ましい。例え
ば、着色層4を含めて、厚さ1μm〜10μmの範囲が
好ましい。
【0060】7.着色層 本発明の着色層4は、カラーフィルタ単独の場合、
蛍光媒体単独の場合、又は、カラーフィルタと蛍光媒
体とを組み合わせた場合の三通りの場合を含む。
【0061】上記〜のうち、カラーフィルタと蛍
光媒体とを組み合わせが、三原色の各色を発光させるに
あたり、低電力で輝度の向上を図ることができ、さら
に、表示の色バランスの向上を図ることもできるので特
に好適である。例えば、有機EL素子2で青色の光を発
光する場合、青色画素では、青色カラーフィルタのみを
設け、緑色の画素では、青色光を緑色光に変換する蛍光
媒体と緑色カラーフィルタとを設け、さらに、赤色の画
素では、青色光を赤色に変換する蛍光媒体と赤色カラー
フィルタとを組み合わせて設けるとよい。
【0062】以下、カラーフィルタ及び蛍光媒体の構成
等についてそれぞれ説明する。 (1)カラーフィルタ カラーフィルタは光を分解又はカットして色調整又はコ
ントラストを向上させる機能を有する。カラーフィルタ
の材料としては、例えば、下記色素又は、当該色素をバ
インダー樹脂中に溶解又は分散させた固体状態のものを
挙げることができる。 赤色(R)色素:ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系
顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、ア
ントラセン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインド
リノン系顔料等の単品及び少なくとも二種類以上の混合
物が使用可能である。 緑色(G)色素:ハロゲン多置換フタロシアニン系顔
料、ハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料、トリフェ
ルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソイ
ンドリノン系顔料等の単品及び少なくとも二種類以上の
混合物が使用可能である。 青色(B)色素:銅フタロシアニン系顔料、インダンス
ロン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔
料、ジオキサジン系顔料等の単品及び少なくとも二種類
以上の混合物が使用可能である。
【0063】カラーフィルタの材料のバインダー樹脂と
しては、透明な(可視光領域における透過率50%以
上)材料を使用することが好ましい。例えば、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネー
ト、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒ
ドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス等の透明樹脂(高分子)等が挙げられ、これらの1種
又は2種以上の混合使用が可能である。また、カラーフ
ィルタの形成にインクジェット法等の印刷法を用いる場
合には、透明樹脂を用いた印刷インキ(メジウム)を使
用することができる。例えば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹
脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂の
モノマー、オリゴマー、ポリマーからなる組成物、ま
た、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポ
リカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピ
ロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース等の透明樹脂を、1種又は2種以上用い
ることができる。
【0064】カラーフィルタの形成にフォトリソグラフ
ィー法を用いる場合は、感光性樹脂を使用することが好
ましい。例えば、アクリル酸系、メタクリル酸系、ポリ
ケイ皮酸ビニル系、環化ゴム系等の反応性ビニル基を有
する光硬化型レジスト材料等が挙げられ、これらの1種
又は2種以上の混合使用が可能である。
【0065】蛍光媒体が蛍光色素とこのような樹脂から
なるときは、蛍光色素と樹脂と適当な溶剤とを混合、分
散又は可溶化させて液状物とし、この液状物をスピンコ
ート、ロールコート、キャスト法等の方法で成膜し、そ
の後、フォトリソグラフィ法で所望の蛍光媒体のパター
ンにパターニングしたり、インクジェット、スクリーン
印刷等の方法で所望のパターンにパターニングして、蛍
光媒体を形成するのが好ましい。
【0066】カラーフィルタの厚さは、特に制限される
ものではないが、例えば、10nm〜1,000μmと
することが好ましく、0.5μm〜500μmとするこ
とがより好ましく、1μm〜100μmとすることがさ
らに好ましい。
【0067】(2)蛍光媒体 蛍光媒体は、有機EL素子2の発光を吸収して、より長
波長の蛍光を発光する機能を有する。各蛍光媒体は、有
機EL素子2の発光領域、例えば上部電極23と下部電
極22との交差部分の位置に対応して配置してあること
が好ましい。上部電極23と下部電極22との交差部分
における有機発光層が発光すると、その光を各蛍光媒体
が受光して、異なる色(波長)の発光を外部に取り出す
ことが可能になる。
【0068】蛍光媒体の構成材料は特に制限されるもの
ではないが、例えば、蛍光色素及び樹脂、又は蛍光色素
のみからなり、蛍光色素及び樹脂は、蛍光色素を顔料樹
脂及び/又はバインダ−樹脂中に溶解又は分散させた固
形状態のものを挙げることができる。
【0069】具体的な蛍光色素について説明すると、有
機EL素子2における近紫外光から紫色の発光を青色発
光に変換する蛍光色素としては、1,4−ビス(2−メ
チルスチリル)ベンゼン(以下Bis−MBS)、トラ
ンス−4,4′−ジフェニルスチルベン(以下DPS)
等のスチルベン系色素、7−ヒドロキシ−4−メチルク
マリン(以下クマリン4)等のクマリン系色素を挙げる
ことができる。
【0070】また、有機EL素子2における青色、青緑
色又は白色の発光を緑色発光に変換する場合の蛍光色素
については、例えば、2,3,5,6−1H,4H−テ
トラヒドロ−8−トリフロルメチルキノリジノ(9,9
a,1−gh)クマリン(以下クマリン153)、3−
(2′−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマ
リン(以下クマリン6)、3−(2′−ベンズイミダゾ
リル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(以下ク
マリン7)等のクマリン色素、その他クマリン色素系染
料であるベ−シックイエロ−51、また、ソルベントイ
エロ−11、ソルベントイエロ−116等のナフタルイ
ミド色素を挙げることができる。
【0071】また、有機EL素子2における青色から緑
色までの発光、又は白色の発光を、橙色から赤色までの
発光に変換する場合の蛍光色素については、例えば、4
−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチル
アミノスチルリル)−4H−ピラン(以下DCM)等の
シアニン系色素、1−エチル−2−(4−(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)−ピリジ
ニウム−パ−クロレ−ト(以下ピリジン1)等のピリジ
ン系色素、ロ−ダミンB、ロ−ダミン6G等のロ−ダミ
ン系色素、その他にオキサジン系色素等が挙げられる。
【0072】さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、
塩基性染料、分散染料等)も蛍光性があれば蛍光色素と
して選択することが可能である。また、蛍光色素をポリ
メタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢
酸ビニル共重合体、アルキッド樹脂、芳香族スルホンア
ミド樹脂、ユリア樹脂、メラニン樹脂、ベンゾグアナミ
ン樹脂等の顔料樹脂中にあらかじめ練り込んで顔料化し
たものでもよい。
【0073】バインダ−樹脂については、カラーフィル
タと同様のバインダ−樹脂を使用できる。また、蛍光媒
体の形成方法も、カラーフィルタと同様の形成方法を使
用できる。蛍光媒体の厚さは、特に制限されるものでは
ないが、例えば、10nm〜1,000μmとすること
が好ましく、0.1μm〜500μmとすることがより
好ましく、5μm〜100μmとすることがさらに好ま
しい。
【0074】8.透明基板 透明基板5は、有機発光媒体内部への水分侵入を防止す
るために、少なくとも有機EL表示装置の発光領域を覆
うように設けることが好ましい。このような透明基板5
としては、支持基板1と同種の材料を用いることができ
る。特に、水分や酸素の遮断効果の高いガラス板又はセ
ラミックス基板を用いることができる。また、透明基板
5の形態についても、特に制限されるものでなく、例え
ば、板状やキャップ状とすることが好ましい。そして、
例えば、板状とした場合、その厚さを、0.01〜5m
mの範囲内の値とすることが好ましい。さらに、透明基
板5は、支持基板1の一部に溝等を設けておき、それに
圧入して固定することも好ましいし、あるいは、光硬化
型の接着剤等を用いて、支持基板1の一部に固定するこ
とも好ましい。
【0075】
【実施例】実施例1(第一実施形態) (1)TFT基板の作製 図3(a)〜(i)は、ポリシリコンTFTの形成工程
を示す図である。また、図4は、ポリシリコンTFTを
含む電気スイッチ接続構造を示す回路図であり、図5は
ポリシリコンTFTを含む電気スイッチ接続構造を示す
平面透視図である。まず、112mm×143mm×
1.1mmのガラス基板2(OA2ガラス、日本電気硝
子(株)製)上に、減圧CVD(Low Pressure Chemica
l Vapor Deposition, LPCVD)等の手法により、α
−Si層40を積層した(図3(a))。次に、KrF
(248nm)レーザ等のエキシマーレーザをα−Si
層40に照射して、アニール結晶化を行い、ポリシリコ
ンとした(図3(b))。このポリシリコンを、フォト
リソグラフィにより、アイランド状にパターン化した
(図3(c))。得られたアイランド化ポリシリコン4
1及び基板2の表面に、絶縁ゲート材料42を化学蒸着
(CVD)等により積層して、ゲート酸化物絶縁層42
とした(図3(d))。次に、ゲート電極43を、蒸着
又はスパッタリングで成膜して形成し(図3(e))、
ゲート電極43をパターニングするとともに、陽極酸化
を行った(図3(f)〜(h))。さらに、イオンドー
ピング(イオン注入)により、ドーピング領域を形成
し、それにより活性層を形成して、ソース45及びドレ
イン47とし、ポリシリコンTFTを形成した(図3
(i))。この際、ゲート電極43(及び図5の走査電
極50、コンデンサー57の底部電極)をAl、TFT
のソース45及びドレイン47をn+型とした。
【0076】次に、得られた活性層上に、層間絶縁膜
(SiO)を500nmの膜厚でCRCVD法にて形
成した後、信号電極線51及び共通電極線52、コンデ
ンサ上部電極(Al)の形成と、第2のトランジスタ
(Tr2)56のソース電極と共通電極との連結、第1
のトランジスタ(Tr1)55のドレインと信号電極と
の連結を行った(図5、図6)。各TFTと各電極の連
結は、適宜、層間絶縁膜SiOを弗酸によるウエット
エッチングにより開口して行った。次に、CrとITO
を順次、スパッタリングにより、それぞれ2000Å、
1300Åで成膜した。この基板上にポジ型レジスト
(HPR204:富士フィルムアーチ製)をスピンコー
トし、90μm×320μmのドット状のパターンにな
るようなフォトマスクを介して、紫外線露光し、TMA
H(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)の現像液
で現像し、130℃でベークし、レジストパターンを得
た。次に、47%臭化水素酸からなるITOエッチャン
トにて、露出している部分のITOをエッチングし、次
に硝酸セリウムアンモニウム/過塩素酸水溶液(HC
E:長瀬産業製)にて、Crをエッチングした。次に、
レジストをエタノールアミンを主成分とする剥離液(N
303:長瀬産業製)で処理して、Cr/ITOパター
ン(下部電極:陽極)を得た。この際、Tr2 56と
下部電極10が開口部59を介して接続された(図
6)。次に、第二の層間絶縁膜として、ネガ型レジスト
(V259BK:新日鉄化学社製)をスピンコートし、
紫外線露光し、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシド)の現像液で現像した。次に、180℃でベ
ークして、Cr/ITOのエッジを被覆した(ITOの
開口部が70μm×200μm)有機膜の層間絶縁膜を
形成した(図示せず)。
【0077】(2)有機EL素子の作製 このようにして得られた層間絶縁膜付き基板を純水及び
イソプロピルアルコール中で超音波洗浄し、Airブロ
ーにて乾燥後、UV洗浄した。次に、TFT基板を、有
機蒸着装置(日本真空技術製)に移動し、基板ホルダー
に基板を固定した。尚、予め、それぞれのモリブテン製
の加熱ボートに、正孔注入材料として、4,4’,
4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フ
ェニルアミノ]トリフェニルアミン(MTDATA)、
4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル
アミノ]ビフェニル(NPD)、発光材料のホストとし
て、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフ
ェニル(DPVBi)、ドーパントとして、1,4−ビ
ス[4−(N,N−ジフェニルアミノスチリルベンゼ
ン)](DPAVB)、電子注入材料及び陰極として、
トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)と
Liをそれぞれ仕込み、さらに陰極の取出し電極として
IZO(前出)ターゲットを別のスパッタリング槽に装
着した。
【0078】その後、真空槽を5×10−7torrま
で減圧にしたのち、以下の順序で正孔注入層から陰極ま
で途中で真空を破らず一回の真空引きで順次積層した。
まず、正孔注入層としては、MTDATAを蒸着速度
0.1〜0.3nm/秒、膜厚60nm及び、NPDを蒸
着速度0.1〜0.3nm/秒、膜厚20nm、発光層と
しては、DPVBiとDPAVBをそれぞれ蒸着速度
0.1〜0.3nm/秒、蒸着速度0.03〜0.05nm
/秒を共蒸着して膜厚50nm、電子注入層としては、
Alqを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、膜厚20n
m、さらに、陰極として、AlqとLiをそれぞれ蒸着
速度0.1〜0.3nm/秒、0.005nm/秒で共蒸
着し、膜厚を20nmとした。次に、基板をスパッタリ
ング槽に移動し、陰極の取り出し電極としてIZOを、
成膜速度0.1〜0.3nm/秒で、膜厚200nmと
し、有機EL素子を作製した。
【0079】(3)封止層の作製と有機EL素子基板の
作製 次に、封止層として、有機EL素子の上部電極上に透明
無機膜としてSiOxNy(O/O+N=50%:At
omic ratio)を低温CVDにより200nm
の厚さで成膜した。これにより、有機EL素子基板を得
た。
【0080】(4)色変換基板(透明基板と着色層)の
作製 102mm×133mm×1.1mmの支持基板(透明
基板)(OA2ガラス:日本電気硝子社製)上に、ブラ
ックマトリックス(BM)の材料としてV259BK
(新日鉄化学社製)をスピンコートし、格子状のパター
ンになるようなフォトマスクを介して紫外線露光し、2
%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークし
て、ブラックマトリックス(膜厚1.5μm)のパター
ンを形成した。
【0081】次に、青色カラーフィルタの材料として、
V259B(新日鉄化学社製)をスピンコートし、長方
形(90μmライン、240μmギャップ)のストライ
プパターンが320本得られるようなフォトマスクを介
して、BMに位置合わせして紫外線露光し、2%炭酸ナ
トリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、青色
カラーフィルタ(膜厚1.5μm)のパターンを形成し
た。次に、緑色カラーフィルタの材料として、V259
G(新日鉄化学社製)をスピンコートし、長方形(90
μmライン、240μmギャップ)のストライプパター
ンが320本得られるようなフォトマスクを介して、B
Mに位置合わせして紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム
水溶液で現像後、200℃でベークして、青色カラーフ
ィルタの隣に緑色カラーフィルタ(膜厚1.5μm)の
パターンを形成した。次に、赤色カラーフィルタの材料
として、V259R(新日鉄化学社製)をスピンコート
し、長方形(90μmライン、240μmギャップ)の
ストライプパターンが320本得られるようなフォトマ
スクを介して、BMに位置合わせして紫外線露光し、2
%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークし
て、青色カラーフィルタと緑色カラーフィルタの間に赤
色カラーフィルタ(膜厚1.5μm)のパターンを形成
した。
【0082】次に、緑色蛍光媒体の材料として、0.0
4mol/kg(対固形分)となる量のクマリン6をア
クリル系ネガ型フォトレジスト(V259PA、固形分
濃度50%:新日鉄化学社製)に溶解させたインキを調
製した。このインキを、先の基板上にスピンコートし、
緑色カラーフィルタ上を紫外線露光し、2%炭酸ナトリ
ウム水溶液で現像後、200℃でベークして、緑色カラ
ーフィルタ上に緑色変換膜のパターン(膜厚10μm)
を形成した。次に、赤色蛍光媒体の材料として、クマリ
ン6:0.53g、ベーシックバイオレット11:1.5
g、ローダミン6G:1.5g、アクリル系ネガ型フォ
トレジスト(V259PA、固形分濃度50%:新日鉄
化学社製):100gに溶解させたインキを調製した。
このインキを、先の基板上にスピンコートし、赤色カラ
ーフィルタ上を紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶
液で現像後、180℃でベークして、赤色カラーフィル
タ上に赤色変換膜のパターン(膜厚10μm)を形成
し、色変換基板を得た。平坦化膜として、アクリル系熱
硬化性樹脂(V259PH:新日鉄化学製)を先の基板
上にスピンコートし、180℃でベークして平坦化膜
(膜厚12μm)を形成した。
【0083】(5)応力緩和層の作製と上下基板の貼合
わせ 作製した上記色変換基板に液状シリコーンゴム(東芝シ
リコーン社製XE14-128)をスピンコーターを用いて塗布
し、その上に、上記有機EL素子基板を位置合せマーク
に合せて貼り合わせた。その後、減圧装置に入れ、シリ
コーンゴム中の気泡を脱泡させた。80℃の恒温槽に3
時間投入し、硬化させた。得られる応力緩和層の厚みは
100μm、ヤング率は0.6Mpaであった。
【0084】(6)有機EL表示装置の特性評価 このようにして、アクティブ有機EL表示装置を作製
し、その下部電極(ITO/Cr)と上部電極(IZ
O)にDC7Vの電圧を印加(下部電極:(+)、上部
電極:(−))したところ、各電極の交差部分(画素)
が発光した。発光輝度は、色彩色差計(CS100,ミ
ノルタ製)にて、青色カラーフィルタ部(青色画素)で
17cd/mでCIE色度座標は、X=0.15、Y
=0.16の青色の発光、緑色蛍光媒体/緑色カラーフ
ィルタ部(緑色画素)で47cd/mでCIE色度座
標は、X=0.27、Y=0.67の緑色の発光、赤色蛍
光媒体/赤色カラーフィルタ部(赤色画素)で16cd
/mでCIE色度座標は、X=0.64、Y=0.35
の赤色の発光が得られ、光の三原色が得られた。尚、こ
のとき、有機EL素子の発光輝度は200cd/m
(全画素発光に相当、各色画素に対してはその1/3
に相当)であって、CIE色度座標は、X=0.17、
Y=0.28の青色の発光であった。次に、本装置につ
いて、熱サイクル試験(―40℃〜85℃、100サイ
クル)を実施し、実施前後の形態を目視観察及び点灯試
験を行ったところ、異常はなかった。評価結果を表1に
示す。
【0085】実施例2(第二実施形態) (1)TFT基板の作製 実施例1と同様に作製した。
【0086】(2)有機EL素子の作製 実施例1と同様に作製した。
【0087】(3)封止層の作製と有機EL素子基板の
作製 封止層として、有機EL素子の上部電極上に透明無機膜
としてSiOxNy(O/O+N=50%:Atomi
c ratio)を低温CVDにより200nmの厚さ
で成膜した。さらに紫外線遮光膜としてベンゾトリアゾ
ールを溶解させたアクリル系熱硬化樹脂(新日鉄化学社
製V259PH)をスピンコートにより、上記基板上に
2μmの厚さで製膜した。これにより、有機EL素子基
板を得た。
【0088】(4)着色層の作製 実施例1において着色層を作製した支持基板を、上記
(1)〜(3)で作製した有機EL素子基板と置き換え
た以外は、実施例1と同様に作製した。
【0089】(5)応力緩和層の作製と上下基板の貼合
わせ 作製した上記有機EL基板に、液状シリコーンゴム(東
芝シリコーン社製XE14-128)をスピンコーターを用いて
塗布し、さらに10μmシリカスペーサー(宇部日東化
成社製ハイプレシカ)を液晶デイィスプレイ作製に使用
されるスペーサー散布機を用いて散布した。その後、透
明基板を貼り合わせた。減圧装置に入れ、シリコーンゴ
ム中の気泡を脱法させた。80℃の恒温槽に3時間投入
し、硬化させた。得られる応力緩和層のヤング率は0.
6Mpaであった。実施例1と同様に評価した。評価結
果を表1に示す。
【0090】比較例1 (1)TFT基板の作製 実施例1と同様に作製した。
【0091】(2)有機EL素子の作製 実施例1と同様に作製した。
【0092】(3)封止層の作製と有機EL素子基板の
完成 実施例1と同様に作製した。
【0093】(4)色変換基板の作製 実施例1と同様に作製した。
【0094】(5)上下基板の貼合わせ 実施例1の液状シリコーンの代わりに、カチオン性エポ
キシ接着剤(スリーボンド社製TB3102)を使用し
た以外は、実施例1と同様に作製した。硬化物のヤング
率は2GPaであった。実施例1と同様に評価した。評
価結果を表1に示す。
【表1】
【0095】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
有機EL表示装置によれば、支持基板と透明基板との間
に、応力緩和層を備えている。このため、支持基板及び
/又は透明基板側から有機EL素子等に伝わる衝撃を軽
減し、有機EL素子等を保護することができる。また、
装置に衝撃や応力が加わる場合、それらを応力緩和層が
緩和する。このため、有機EL素子が破損したり、着色
層が剥離したりすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態の有機EL表示装置の構成を説明
するための模式図である。
【図2】第二実施形態の有機EL表示装置の構成を説明
するための模式図である。
【図3】ポリシリコンTFTの形成工程を示す図であ
る。
【図4】ポリシリコンTFTを含む電気スイッチ接続構
造を示す回路図である。
【図5】ポリシリコンTFTを含む電気スイッチ接続構
造を示す平面透視図である。
【図6】従来の有機EL表示装置の構成を示す模式図で
ある。
【符号の説明】
1 支持基板 2 有機EL素子 3 封止層 4 着色層 5 透明基板 6 TFT 7 絶縁部材 8 平坦化層 9 応力緩和層 21 有機発光媒体 22 下部電極 23 上部電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細川 地潮 千葉県袖ヶ浦市上泉1280番地 Fターム(参考) 3K007 AB04 AB11 AB13 AB14 AB15 BB02 BB06 DB03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持基板、光を発する有機エレクトロル
    ミネッセンス素子、前記有機エレクトロルミネッセンス
    素子が発する光を変換する着色層及び透明基板を、この
    順序で設け、 さらに、前記支持基板と前記透明基板の間に応力緩和層
    を設けた、 有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  2. 【請求項2】 前記有機エレクトロルミネッセンス素子
    に隣接して封止層が形成され、前記着色層に隣接して平
    坦化層が形成され、前記封止層と前記平坦化層の間に前
    記応力緩和層がある請求項1に記載の有機エレクトロル
    ミネッセンス表示装置。
  3. 【請求項3】 前記着色層に隣接して平坦化層が形成さ
    れ、前記透明基板と前記平坦化層の間に前記応力緩和層
    がある請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス
    表示装置。
  4. 【請求項4】 前記応力緩和層が、透明性を有する高弾
    性体である請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機エ
    レクトロルミネッセンス表示装置。
  5. 【請求項5】 前記応力緩和層が、シリコーンゴム層で
    ある請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機エレクト
    ロルミネッセンス表示装置。
  6. 【請求項6】 前記応力緩和層が、散在したスペーサ
    と、前記スペーサ間の空隙を充填する充填剤からなる請
    求項1〜5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミ
    ネッセンス表示装置。
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