JP4832292B2 - 有機エレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置に関する。より詳しくは、表示装置内部に入射した外光が、素子内部で反射・散乱等することに起因するコントラストの低下を抑制した有機エレクトロルミネッセンス表示装置に関する。
実用的な有機エレクトロルミネッセンス表示装置(以下、エレクトロルミネッセンスをELと示すことがある。)を提供するために、例えば、図9に示す表示装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
この有機EL表示装置9では、遮光層の開口領域24(色変換層22)の面積を有機EL素子10の発光領域41の面積よりも大きくすることにより、有機EL素子の発光を効率よく色変換層に入射させ、有機EL表示装置の発光効率を向上させている。
しかしながら、上記の表示装置では、遮光層の端部23−1が有機EL発光領域の端部41−1の外側に位置しているため、遮光層の開口領域24から有機EL発光領域41に入射した外光が、有機EL素子の発光領域の両端部(この場合、層間絶縁膜14のエッジ部等)で反射・散乱したりする。その結果、外光の反射光や散乱光の一部が、表示光として外部に出て、視覚者(人間)の目に入るため、本来の有機EL表示装置の発光表示が見にくくなる。即ち、有機EL表示装置のコントラストが低い(視認性の低い)状態になる。
コントラスト比は、EL発光時の輝度:EL非発光時の輝度で表される。従って、外光の反射、散乱によって、EL非発光時の輝度が大きくなると、コントラスト比が小さくなる(低くなる)ため、有機EL表示装置の発光表示が見にくくなる。
国際公開第WO98/34437号パンフレット
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、コントラストの高い(視認性が高い)有機EL表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、この課題を解決するために鋭意研究したところ、遮光層の開口領域の端部を有機EL素子の発光領域の端部よりも開口領域の中央側に位置させることにより、遮光層の開口領域から有機EL素子の発光領域の端部への外光の入射を低減させ、たとえ入射した外光が有機EL素子の発光領域端部で反射・散乱等を起こしたとしても、反射・散乱光が素子の外部に漏出することを防止でき、その結果、コントラストの高い有機EL表示装置が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の有機EL表示装置が提供される。
1.有機エレクトロルミネッセンス素子と、遮光層、及び色変換層からなる遮光層開口領域を有する色変換部材と、を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、前記遮光層開口領域の端部が、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光領域の端部より開口領域の中央側にある有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
2.前記遮光層と前記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層間の垂直距離h(μm)と、前記遮光層と前記発光領域の重なり部の長さX(μm)が、下記式(I)を満たす1に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
X/h≧0.60・・・(I)
3.前記遮光層開口領域の面積が、前記有機エレクトロルミネッセンス発光領域の面積の70%以上である1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
4.前記色変換部材の、有機エレクトロルミネッセンス素子からの発光を取出す側に、反射防止部を設けた1〜3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
5.前記反射防止部が反射防止膜である4に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
6.前記反射防止部がアンチグレア膜である4に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
7.前記有機エレクトロルミネッセンス素子と色変換部材の間に透光性媒体層を設けた1〜6のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
8.アクティブ駆動させる1〜7のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
本発明の有機EL表示装置では、有機EL素子内部に入射した外光が、素子内部で反射・散乱することにより生じる、有機EL表示装置のコントラストの低下を抑制することができる。
本発明の一実施形態である有機EL表示装置を示す図である。 本発明の他の実施形態である有機EL表示装置を示す図である。 有機EL表示装置のX/h値とコントラスト比との関係を示す図である。 有機EL表示装置内部に入射する外光の様子を示した図であり、(a)はX/hが小さい場合、(b)はX/hが大きい場合を示す図である。 外光の入射角と透光性基板表面での反射率との関係を示す。 ポリシリコンTFTの形成工程を示す図である。 ポリシリコンTFTを含む電気スイッチ接続構造を示す回路図である。 ポリシリコンTFTを含む電気スイッチ接続構造を示す平面透視図である。 従来の有機EL表示装置を示す図である。
図1は、本発明の一実施形態である有機EL表示装置を示す図である。
有機EL表示装置1は、有機EL素子が形成されている基板側から光を取り出すボトムエミッション型の表示装置の実施形態である。
有機EL表示装置1は、有機EL素子10と色変換部材20を、透光性媒体30を介して結合した構成をしている。
有機EL素子10は、透光性媒体30上に下部電極11、発光層12、上部電極13をこの順に積層した構成を有している。1つの有機EL素子10と隣接する有機EL素子(図示せず)間には層間絶縁膜14が形成されている。
下部電極11、上部電極13は、両電極間に電圧を印加することによって、発光層12に電荷(電子又は正孔)を供給する。発光層12は、電子と正孔の再結合によって光を発生する層である。
色変換部材20は、透光性基板21上に、色変換層22(遮光層開口領域24)と遮光層23を形成したものである。
透光性基板21は、色変換層22と遮光層23を支持する基板であり、色変換層22は、有機EL素子10で発生した光を調節及び/又は波長変換等し、任意の色の光とする層であり、遮光層23は、隣接する素子の混色を防止するものである。
有機EL表示装置1では発光層12のうち、層間絶縁膜14で挟まれた領域が発光領域41となる。発光領域41からの光は、下部電極11、透光性媒体30を透過して、色変換部材20に到達する。
色変換部材20に到達した光は、色変換層22に入射し、調節及び/又は変換されて任意の色に発光する。色変換層22を通過した光は、透光性基板21から外部に取り出され、表示光として視認される。
本実施形態では、遮光層の端部23−1が、有機EL素子の発光領域の端部41−1より開口領域24の中央側に位置している。即ち、遮光層の端部23−1が発光領域41の一部を覆い、重なり部Xを形成している。
このような構成とすることにより、色変換層22(遮光層開口領域24)を通過して有機EL表示装置1内部に入射する外光の量を低減でき、外光が装置内部で反射、散乱することを抑制できる。また、素子内部で外光の反射光、散乱光が発生しても、遮光層23により遮光されるため、反射光、散乱光が色変換層22に再入射し、表示光として素子外部に放射されることを抑制できる。このため、有機EL表示装置1の発光に起因しない発光を抑制できるので、有機EL表示装置のコントラストが高くなる、即ち、視認性が向上する。
尚、本実施形態では、層間絶縁膜14の端部が有機ELの発光領域41の端部となっているが、これに限らず、例えば、層間絶縁膜を使用しない場合には、下部電極、上部電極の端部が発光領域41の端部となる(下部及び上部電極で狭持された部分が発光領域になる)。
また、透光性媒体30は必須の構成要素ではないが、遮光層、色変換層の膜厚差、表面粗さ等による色変換部材の表面の凹凸を緩和して、有機EL素子の短絡、断線を抑制したり、色変換部材等からの水分による有機EL素子のダークスポット発生を防止できることから、形成することが好ましい。
図2は、本発明の他の有機EL表示装置を示す図である。
有機EL表示装置2は、有機EL素子が形成されている基板の反対側から光を取り出すトップエミッション型の表示装置の実施形態である。
尚、上述した実施形態と同じ部位には、共通の番号を付し、その説明は省略する。
有機EL表示装置2は、有機EL素子10’と、色変換部材20を透光性媒体30で結合した構成をしている。
有機EL素子10’は基板50上に、下部電極11、発光層12、上部電極13をこの順に積層した構成をしている。その他については、上述した第一の実施形態と同じである。
この有機EL表示装置2では、光を基板50の反対側から取り出すため、例えば、EL素子を駆動するため、基板50上に形成されるTFT等が、素子からの発光を遮ることがない。従って、発光効率の高い表示装置となる。
本発明の有機EL表示装置では、遮光層と有機EL素子の発光層(有機EL素子の発光媒体)までの垂直距離h(μm)と、遮光層と有機EL発光領域との重なり部の長さX(μm)が、下記式(I)を満たすことが好ましい。
X/h≧0.60・・・(I)
以下、この理由について説明する。
図3は、X/h値とコントラスト比との関係を示す図である。
図3は、後述する本発明の実施例と比較例のデータをグラフ化したものである。コントラスト比は、100(発光時の輝度):1(非発光時の輝度)の時を、100として表示している。
図3より、X/hが大きいほど、コントラスト比が向上することがわかるが、さらに、X/hが0.60以上になると、急激にコントラスト比が向上している。従って、有機EL表示装置において、X/hが0.60以上であることが好ましい。
この理由について、簡単に説明する。
図4は、有機EL表示装置内部に入射する外光の様子を示した図であり、(a)はX/hが小さい場合、(b)はX/hが大きい場合を示す。
図4(a)に示すように、X/hが小さい場合には、外光が有機EL表示装置に対して、入射角(α)が小さい場合にも入射するので、外光の多くが有機EL素子10の発光領域41の端部(図4では、層間絶縁膜14のエッジ部)に届くことになり、端部にて外光の反射、散乱を生じて、コントラストが低下することになる。
一方、図4(b)に示すように、X/hが大きい場合には、外光は有機EL表示装置に対して、入射角(α)がある程度大きくならないと入射しない。従って、有機EL素子10の発光領域41の端部に届く外光が少なくなり、反射、散乱が減るので、コントラストが向上することになる。
また、外光は、フレンネルの公式から、外光の入射角がある角度を超える(ブリュースター角:tan−1(入射する媒質の屈折率/入射してくる媒質の屈折率))と、透光性基板21表面での反射率が大きくなるので、有機EL表示装置に入射する外光が急激に減ることになる。図5に、外光の入射角と反射率の関係を示す。図5は、空気からガラス板(透光性基板21に相当)への外光入射の場合を示している。RsはS偏向を有する外光、RpはP偏向を有する外光である。さらに、例え、外光が有機EL表示装置内部で、反射、散乱を起こしても、X/hが大きい場合には、外部への再出射が減る。
このような理由から、X/hが、あるしきい値(本発明の場合は0.60)以上になると、急激にコントラストが向上するものと推定する。
以上の検討結果より、X/h≧0.60であることが好ましいという結果を得る。
尚、垂直距離hは、有機EL表示装置の精細度、ディメンジョンによって異なるが、hが大きくなると混色や色にじみが生じる場合があり、また、hが小さくなると、色変換部材の表面の凹凸や色変換部材からのガスにより欠陥が生じる場合がある。従って、垂直距離hは、0.05μm〜100μmとすることが好ましく、0.1μm〜20μmとすることが特に好ましい。
重なり部Xは、垂直距離hに合わせて適宜調整することができる。
本発明の有機EL表示装置では、有機EL素子の発光領域が遮光層によって狭められるので、上述した重なり部(X)を形成しない場合と比べると、有機EL表示装置の発光輝度が低下する。そのため、所望の輝度を得るためには、駆動電圧を上げる必要がある。
このため、本発明の有機EL表示装置では、遮光層の開口領域の面積は、有機ELの発光領域の面積の70%以上であることが好ましく、80%以上(100%未満)であることがより好ましい。70%未満の場合、重なり部(X)を形成しない表示装置と同等の発光輝度を得るには、有機EL素子の性能にもよるが、駆動電圧を上げ、有機EL素子の輝度を1.4倍以上にする必要がある。このため、有機EL表示装置の消費電力が大きくなるため好ましくない。
本発明の有機EL表示装置では、外光が透光性基板等の色変換部材の表面で反射することによって、表示装置の表示が見にくくなる場合には、色変換部材の有機EL素子からの発光を取り出す側に、反射防止部を配置することが好ましい(図1、反射防止部25参照)。反射防止部としては、例えば、反射防止膜を形成することが挙げられる。
反射防止膜としては、屈折率の異なる薄膜、SiO、TiO、ZnO等を、外光の1/4波長厚(0.1〜0.3μm)に積層したものが挙げられる。この積層体を色変換部材の表面に形成することにより、表面反射率を低く抑えることができる。
また、表面を凹凸にして、反射光を拡散させたアンチグレア膜等も用いて、背景の映りこみを抑制してもよい。
続いて、本発明の有機EL表示装置の構成要素について説明する。
(A)有機EL素子
本発明に用いられる有機EL素子は、上部電極及び下部電極間に有機発光層等(有機発光媒体)を形成したものである。以下に電極間に形成される有機発光媒体の代表的な構成例を示す。但し、本発明に用いられる有機EL素子はこれらに限定されるものではない。
(a)有機発光層
(b)正孔注入層/有機発光層
(c)有機発光層/電子注入層
(d)正孔注入層/有機発光層/電子注入層
(e)有機半導体層/有機発光層
(f)有機半導体層/電子障壁層/有機発光層
(g)正孔注入層/有機発光層/付着改善層
これらの中で、通常(d)の構成が好ましく用いられる。
(1)有機発光媒体
(i)有機発光層
有機発光層の発光材料としては、例えば、p−クオーターフェニル誘導体、p−クィンクフェニル誘導体、ベンゾジアゾール系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物、金属キレート化オキシノイド化合物、オキサジアゾール系化合物、スチリルベンゼン系化合物、ジスチリルピラジン誘導体、ブタジエン系化合物、ナフタルイミド化合物、ペリレン誘導体、アルダジン誘導体、ピラジリン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ピロロピロール誘導体、スチリルアミン誘導体、クマリン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、8−キノリノール誘導体を配位子とする金属錯体、ポリフェニル系化合物等の一種単独又は二種以上の組合せが挙げられる。
また、これらの有機発光材料のうち、芳香族ジメチリディン系化合物としての、4,4−ビス(2,2−ジ−t−ブチルフェニルビニル)ビフェニル(DTBPBBiと略記する。)や4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBiと略記する。)及びこれらの誘導体がより好ましい。
さらに、ジスチリルアリーレン骨格等を有する有機発光材料をホスト材料とし、当該ホスト材料に、ドーパントとしての青色から赤色までの強い蛍光色素、例えば、クマリン系材料、あるいはホストと同様の蛍光色素をドープした材料を併用することも好適である。より具体的には、ホスト材料として、上述したDPVBi等を用い、ドーパントとして、1,4−ビス[4−(N,N−ジフェニルアミノスチリルベンゼン)](DPAVBと略記する。)等を用いることが好ましい。
(ii)正孔注入層
正孔注入層には、1×10〜1×10V/cmの電圧を印加した場合に測定される正孔移動度が1×10−6cm/V・秒以上であって、イオン化エネルギーが5.5eV以下である化合物を使用することが好ましい。このような正孔注入層を設けることにより、有機発光層への正孔注入が良好となり、高い発光輝度が得られたり、あるいは、低電圧駆動が可能となる。
このような正孔注入層の構成材料としては、具体的に、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、縮合芳香族環化合物、例えば、4,4−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPDと略記する。)や、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(MTDATAと略記する。)等の有機化合物が挙げられる。
また、正孔注入層の構成材料として、p型−Siやp型−SiC等の無機化合物を使用することも好ましい。
尚、上述した正孔注入層と、陽極層との間、あるいは、上述した正孔注入層と、有機発光層との間に、導電率が1×10−10S/cm以上の有機半導体層を設けることも好ましい。このような有機半導体層を設けることにより、さらに有機発光層への正孔注入がより良好となる。
(iii)電子注入層
電子注入層には、1×10〜1×10V/cmの電圧を印加した場合に測定される電子移動度が1×10−6cm/V・秒以上であって、イオン化エネルギーが5.5eVを超える化合物を使用することが好ましい。このような電子注入層を設けることにより、有機発光層への電子注入が良好となり、高い発光輝度が得られたり、あるいは、低電圧駆動が可能となる。
このような電子注入層の構成材料としては、具体的に、8−ヒドロキシキノリンの金属錯体(Alキレート:Alq)、又はその誘導体、あるいは、オキサジアゾール誘導体が挙げられる。
(iv)付着改善層
付着改善層は、このような電子注入層の一形態とみなすことができる。即ち、付着改善層は、電子注入層のうち、特に、陰極との接着性が良好な材料からなる層であり、8−ヒドロキシキノリンの金属錯体又はその誘導体等から構成することが好ましい。
尚、上述した電子注入層に接して、導電率が1×10−10S/cm以上の有機半導体層を設けることも好ましい。このような有機半導体層を設けることにより、さらに有機発光層への電子注入性が良好となる。
(v)有機発光媒体の厚さ
有機発光媒体の厚さについては特に制限はないが、例えば、5nm〜5μmとすることが好ましい。有機発光媒体の厚さが5nm未満となると、発光輝度や耐久性が低下する場合がある。一方、5μmを超えると、印加電圧の値が高くなる場合がある。有機発光媒体の厚さは、10nm〜3μmとすることがより好ましく、20nm〜1μmとすることがさらに好ましい。
(2)上部電極
上部電極は、有機EL素子の構成に応じて、陽極層又は陰極層に該当する。陽極層に該当する場合には、正孔の注入を容易にするため、仕事関数の大きい材料、例えば、4.0eV以上の材料を使用することが好ましい。また、陰極層に該当する場合には、電子の注入を容易にするため、仕事関数の小さい材料、例えば4.0eV未満の材料を使用することが好ましい。
また、上取出型の有機EL表示装置では上部電極を介して光を取り出すため、上部電極は透明性を有する必要がある。従って、上部電極が陽極層に該当する場合、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウム銅(CuIn)、酸化スズ(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化アンチモン(Sb23、Sb24、Sb25)、酸化アルミニウム(Al23)等の一種単独、又は、二種以上の組合せを用いることができる。
尚、本発明では、透明性を損なわない範囲で、上部電極の低抵抗化を図るため、Pt、Au、Ni、Mo、W、Cr、Ta、Al等の金属を一種単独、又は、二種以上組合せて添加することも好ましい。
また、上部電極の構成材料として、光透過性金属膜、非縮体の半導体、有機導電体、半導性炭素化合物等からなる群から選択される少なくとも一つの構成材料から選択することができる。例えば、有機導電体としては、導電性共役ポリマー、酸化剤添加ポリマー、還元剤添加ポリマー、酸化剤添加低分子又は還元剤添加低分子であることが好ましい。
尚、有機導電体に添加する酸化剤としては、ルイス酸、例えば、塩化鉄、塩化アンチモン、塩化アルミニウム等が挙げられる。また、同様に、有機導電体に添加する還元剤としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ化合物、アルカリ土類化合物又は希土類等が挙げられる。さらに、導電性共役ポリマーとしては、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ルイス酸添加アミン化合物等が挙げられる。
また、非縮体の半導体としては、例えば、酸化物、窒化物又はカルコゲナイド化合物であることが好ましい。
また、炭化化合物としては、例えば、非晶質C、グラファイト又はダイヤモンドライクCであることが好ましい。
さらに、無機半導体としては、例えば、ZnS、ZnSe、ZnSSe,MgS、MgSSe、CdS、CdSe、CdTe又はCdSSeであることが好ましい。
上部電極の厚さは、面抵抗等を考慮して定めることが好ましい。例えば、上部電極の厚さを50〜5,000nmとするのが好ましく、100nm以上とするのがより好ましい。上部電極をこのような厚さにすると、均一な厚さ分布や、EL発光において60%以上の光透過率が得られるとともに、上部電極の面抵抗を15Ω/□以下、より好ましくは、10Ω/□以下とすることができる。
(3)下部電極
下部電極は、有機EL表示装置の構成に応じて、陰極層又は陽極層に該当する。例えば、下部電極が陰極層に該当する場合には、電子の注入を容易にするため、仕事関数の小さい材料、例えば、4.0eV未満の金属、合金、電気導電性化合物又はこれらの混合物あるいは含有物を使用することが好ましい。
そのような材料としては、例えば、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、セシウム、マグネシウム、リチウム、マグネシウム−銀合金、アルミニウム、酸化アルミニウム、アルミニウム−リチウム合金、インジウム、希土類金属、これら金属と有機発光媒体材料との混合物、及び、これらの金属と電子注入層材料との混合物等からなる電極材料を一種単独、又は、二種以上組み合わせて使用することが好ましい。
下部電極の厚さについても、上部電極と同様に特に制限されるものではないが、例えば、10〜1,000nmとするのが好ましく、10〜200nmとするのがより好ましい。
有機EL素子の作製ついて、陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極が順次設けられた構成の有機EL素子の例を記載する。
まず、適当な基板上に、陽極材料からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの範囲の膜厚になるように蒸着やスパッタリング等の方法により形成して、陽極を作製する。
次いで、この陽極上に正孔注入層を設ける。正孔注入層の形成は、前述したように真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法等の方法により行なうことができるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが発生しにくい等の点から、真空蒸着法により形成することが好ましい。
真空蒸着法により正孔注入層を形成する場合、その蒸着条件は、使用する化合物(正孔注入層の材料)、目的とする正孔注入層の結晶構造や再結合構造等により異なるが、一般に蒸着源温度50〜450℃、真空度10−7〜10−3torr、蒸着速度0.01〜50nm/sec、基板温度−50〜300℃、膜厚5nm〜5μmの範囲内で適宜選択することが好ましい。
次いで、正孔注入層上に発光層を設ける発光層の形成も、所望の有機発光材料を用いて、真空蒸着法、スパッタリング、スピンコート法、キャスト法等の方法により有機発光材料を薄膜化することにより形成できる。
但し、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法により形成することが好ましい。真空蒸着法により発光層を形成する場合、その蒸着条件は、使用する化合物により異なるが、一般的に正孔注入層と同じ様な条件範囲の中から選択することができる。
次いで、この発光層上に電子注入層を設ける。正孔注入層、発光層と同様、均質な膜を得る必要から真空蒸着法により形成することが好ましい。蒸着条件は、正孔注入層、発光層と同様の条件範囲から選択することができる。
最後に、陰極を積層して有機EL素子を得ることができる。
陰極は、金属から構成されるもので、蒸着法、スパッタリングを用いることができる。しかし、下地の有機物層を成膜時の損傷から守るためには、真空蒸着法が好ましい。
これまで記載してきた有機EL素子の作製は、一回の真空引きで一貫して陽極から陰極まで作製することが好ましい。
尚、平面的に分離配置して発光する有機EL素子を作製するには、ストライプ状の陽極及び陰極を交差させ、それぞれの電極に直流電圧を印加し、交差部分を発光させるX−Yドットマトリックス方式と陽極又は陰極のいずれかをドット状に形成し、TFT(Thin Film Transister)のようなスイッチング表示装置にて特定のドット部分だけに直流電圧を印加して発光させるアクティブマトリックス方式が挙げられる。ストライプ状又はドット状の陽極及び陰極はフォトリソグラフィー法にてエッチングするかリフトオフするか、又はマスキング蒸着等の方法にて形成することができる。
(B)層間絶縁膜
層間絶縁膜の材料としては、通常、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、メラミン樹脂、環状ポリオレフィン、ノボラック樹脂、ポリケイ皮酸ビニル、環化ゴム、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
また、層間絶縁膜を無機酸化物から構成する場合、好ましい無機酸化物として、酸化ケイ素(SiO2又はSiOX)、酸化アルミニウム(Al23又はAlOX)、酸化チタン(TiO3又はTiOX)、酸化イットリウム(Y23又はYOX)、酸化ゲルマニウム(GeO2又はGeOX)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、ホウ酸(B23)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化バリウム(BaO)、酸化鉛(PbO)、ジルコニア(ZrO2)、酸化ナトリウム(Na2O)、酸化リチウム(Li2O)、酸化カリウム(K2O)等が挙げられる。
尚、上記の無機化合物中のxは、1≦x≦3である。
また、層間絶縁膜に耐熱性が要求される場合には、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素化ポリイミド、環状オレフィン、エポキシ樹脂、無機酸化物を使用することが好ましい。
また、層間絶縁膜を黒色化又は低反射化させて、外光の反射、散乱を抑制することが好ましい。黒色化は後述する遮光層の材料を使用でき、低反射化は上述した反射防止膜の材料を使用できる。
尚、これら絶縁部材は、有機質の場合、感光性基を導入してフォトリソグラフィー法で所望のパターンに加工するか、印刷手法によって所望のパターンに形成することができる。
層間絶縁膜の厚さは、表示の精細度、有機EL素子と組み合わせられる他の部材の凹凸にもよるが、10nm〜1mmとすることが好ましい。このような厚さにすれば、TFT等の凹凸を十分に平坦化できる。
層間絶縁膜の厚さは、100nm〜100μmとすることがより好ましく、100nm〜10μmとすることがさらに好ましい。
(C)色変換部材
色変換部材は、遮光層、及び色変換層からなる遮光層開口領域を有する。尚、必要に応じて後述する透光性基板を含んでいてもよい。
(1)遮光層
遮光層は、有機EL素子から発せられた不必要な光を遮光して、有機EL表示装置における混色を防止し、視野角特性を向上させるために用いられる。
ここで、遮光層の膜厚は、通常10nm〜1mmの範囲内の値、好ましくは1μm〜1mmの範囲内の値、より好ましくは5μm〜100μmの範囲内の値である。また、色変換層が蛍光体の場合はカラーフィルタに比べて遮光層の膜厚を厚くすることが好ましい。
遮光層の表面形状は格子状でもストライプ状でもよい。
遮光層の断面は、矩形状が一般的であるが逆台形状、T字状にすることもできる。
遮光層を形成する材料としては、金属及び黒色色素を挙げることができる。
金属としては、Ag、Al、Au、Cu、Fe、Ge、In、K、Mg、Ba、Na、Ni、Pb、Pt、Si、Sn、W、Zn、Cr、Ti、Mo、Ta、ステンレス等の1種又は2種以上の金属又は合金が挙げられる。また、上記金属の酸化物、窒化物、硫化物、硝酸塩、硫酸塩等を用いてもよく、必要に応じて炭素が含有されていてもよい。
遮光層は、スパタリング法、蒸着法、CVD法、イオンプレーティング法、電析法、電気メッキ法、化学メッキ法等の方法により、上記材料を透光性基板上に成膜し、フォトリソグラフィー法等によりパターニングすることでにより、遮光層のパターン(平面的に分離配置)を形成することができる。
黒色色素としては、カーボンブラック、チタンブラック、アニリンブラック、前記カラーフィルタ色素を混合して黒色化したものが挙げられる。
これらの黒色色素又は前記金属材料を色変換層で用いたバインダー樹脂中に溶解又は分散させた固体状態とし、色変換層と同様な方法でパターニングしてパターン化された遮光層を形成する。
(2)色変換層
有機EL素子が発する光の色を調整及び/又は変換する色変換層としては、a.カラーフィルタ単独の場合、b.蛍光媒体単独の場合、又は、c.カラーフィルタと蛍光媒体とを組み合わせた場合の三通りの場合が挙げられる。
カラーフィルタは、光を分解又はカットして色調整又はコントラストを向上させる機能を有する。
蛍光媒体は、有機EL素子の発光を吸収して、より長波長の蛍光を発光する機能を有する。
色変換層は、蛍光媒体を含むことが好ましい。蛍光媒体を含むと、本来の有機EL光にない発光色を創出したり、弱い色の光を強めることが可能になり、有機EL表示装置の発光効率を向上(消費電力を低減)することができる。
上記a〜cのうち、c.カラーフィルタと蛍光媒体とを組み合わせた場合が、三原色の各色を発光させるにあたり、低消費電力で輝度の向上を図ることができ、さらに、表示の色純度が良く、又色バランスの向上を図ることもできるので特に好適である。
カラーフィルタ及び蛍光媒体の構成、形成方法等については公知のものが使用できる。例えば、特願2002−301852号等に記載されているものを使用できる。
(D)透光性基板
透光性基板は、有機EL表示装置の発光を取り出す側に配置され、本発明では色変換層と遮光層を支持する基板である。有機EL表示装置からの光を透過させる必要から、波長400〜700nmの可視領域における光の透過率が50%以上であることが好ましい。
透光性基板の具体例としては、ガラス板を挙げることができる。特に、ソーダ−石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス等の1種又は2種以上を挙げることができる。
また、ポリカーボネート板、アクリル板等のプラスチック板や、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルスルフィドフィルム等のプラスチックフィルムも使用できる。
板厚は、視野角にはほとんど影響を及ぼさないので、特に制限はないが、厚くなりすぎると、光の透過率に影響を及ぼすので、通常1μm〜5mmの範囲内で選ぶことができる。
(E)透光性媒体
透光性媒体は、有機EL素子と、色変換層及び遮光層との間を媒介するものであり、400nm〜700nmの光の透過率を50%以上の値とすることが好ましい。また、電気絶縁層性のものであればより好ましい。
また、透光性媒体は単層でも多層に構成されていてもよい。また固相、液相、気相状態のいずれであってもよい。
透光性媒体を固相とする場合、例えば、上述した透光性基板、ポリフェニルメタクリレート、ポリ−o−クロロスチレン、ポリ−o−ナフチルメタクリレート、ポリビニルナフタレン、ポリビニルカルバゾール、フルオレン骨格含有ポリエステル、紫外線硬化型樹脂、可視光硬化型樹脂、熱硬化型樹脂又はそれらを用いた接着剤等の透明な各種樹脂、SiO2、SiOx、SiOxNy、Si34、Al23、AlOxNy、TiO2、TiOx、SiAlOxNy、TiAlOx、TiAlOxNy、SiTiOx、SiTiOxNy(式中、0.1≦x≦2、0.1≦y≦3である)等の無機物を挙げることができる。ここで、これらの無機材料は、水分や酸素を遮断する効果を有するため、パッシベーション層と呼ばれることがある。
透光性媒体を気相及び液相とする場合には、窒素、アルゴン等の不活性気体や、フッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体の使用が挙げられる。また、透光性媒体を真空とすることも可能である。
有機EL素子と色変換部材を接着するのに、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型等の接着剤、エポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混合)等の接着剤を使用することができる。
これらの透光性媒体は、液状の材料の場合は、スピンコート、ロールコート、キャスト法等の方法で成膜し、固体状の材料の場合は、スパッタリング、蒸着、CVD、イオンプレーティング等の方法で成膜される。不活性液体や不活性気体は、有機EL素子の発光領域外をシーリングして、発光領域内に封入する。
[実施例]
参考例1
(1)有機EL表示装置の作製
112mm×143mm×1.1mmの支持基板(OA2ガラス:日本電気硝子社製)上に、遮光層(ブラックマトリックス:BM)の材料として、V259BK(新日鉄化学社製)をスピンコートし、格子状のパターン(遮光層開口領域(A):60×280μm)になるようなフォトマスクを介して紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、ブラックマトリックス(膜厚1.0μm)のパターンを形成した。
次に、緑色カラーフィルタの材料として、V259G(新日鉄化学社製)をスピンコートし、長方形(90μmライン、240μmギャップ)のストライプパターンが320本得られるようなフォトマスクを介して、BMに位置合わせして紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、緑色カラーフィルタ(膜厚1.0μm)のパターンを形成した。
次に、赤色カラーフィルタの材料として、V259R(新日鉄化学社製)をスピンコートし、長方形(90μmライン、240μmギャップ)のストライプパターンが320本得られるようなフォトマスクを介して、緑色カラーフィルタに隣接(110μmピッチずらして)するように位置合わせして紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、赤色カラーフィルタ(膜厚1.0μm)のパターンを形成した。
次に、青色カラーフィルタの材料として、V259B(新日鉄化学社製)をスピンコートし、長方形(90μmライン、240μmギャップ)のストライプパターンが320本得られるようなフォトマスクを介して、赤色カラーフィルタに隣接(110μmピッチずらして)するように位置合わせして紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、緑色カラーフィルと赤色カラーフィルタとの間に、青色カラーフィルタ(膜厚11μm)のパターンを形成した。
次に、緑色蛍光体層の材料として、0.04mol/kg(対固形分)となる量のクマリン6をアクリル系ネガ型フォトレジスト(V259PA、固形分濃度50%:新日鉄化学社製)に溶解させたインキを調製した。
このインキを、先の基板上にスピンコートし、カラーフィルタの形成に用いたフォトマスクを、緑色カラーフィルタ上に重なるように位置あわせ後、紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、緑色蛍光体層のパターン(膜厚10μm)を形成した。
次に、赤色蛍光体層の材料として、クマリン6:0.53g、ベーシックバイオレット11:1.5g、ローダミン6G:1.5g、アクリル系ネガ型フォトレジスト(V259PA、固形分濃度50%:新日鉄化学社製):100gに溶解させたインキを調製した。
このインキを、先の基板上にスピンコートし、カラーフィルタの形成に用いたフォトマスクを、赤色カラーフィルタ上に重なるように位置あわせ後、紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、赤色蛍光体層のパターン(膜厚10μm)を形成した。
次に、透光性媒体(平坦化膜)としてアクリル系熱硬化性樹脂(V259PH:新日鉄化学社製)を先の基板上にスピンコートし、200℃でベークして、平坦化膜(膜厚5μm)を形成した。
次に、IZO(インジウム亜鉛酸化物)をスパッタリングにより200nm膜厚で成膜した。
次に、この基板上にポジ型レジスト(HPR204:富士オーリン製)をスピンコートし、陰極の取り出し部と90μmライン、20μmギャップのストライプ状のパターンになるようなフォトマスクを介して、紫外線露光し、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)の現像液で現像し、130℃でベークした。
次に、5%蓚酸水溶液からなるIZOエッチャントにて、露出している部分のIZOをエッチングした。次に、レジストを、エタノールアミンを主成分とする剥離液(N303:長瀬産業製)で処理して、IZOパターン(下部電極:陽極、ライン数960本)を得た。
次に、第一の層間絶縁膜として、ネガ型レジスト(V259PA:新日鉄化学社製)をスピンコートし、格子状のパターンになるようなフォトマスクを介して、紫外線露光し、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)の現像液で現像した。次に、200℃でベークして、IZOのエッジを被覆した(IZOの開口部、即ち有機ELの発光領域(B)が70×290μm)層間絶縁膜を形成した。
次に、第二の層間絶縁膜(隔壁)として、ネガ型レジスト(ZPN1100:日本ゼオン製)をスピンコートし、20μmライン、310μmギャップのストライプパターンになるようなフォトマスクを介して、紫外線露光後、さらに露光後ベークを行なった。次に、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)の現像液でネガレジストを現像し、IZOストライプに直交した有機膜の第二の層間絶縁膜(隔壁)を形成した。
このようにして得られた基板を純水及びイソプロピルアルコール中で超音波洗浄し、Airブローにて乾燥後、UV洗浄した。
次に、この基板を有機蒸着装置(日本真空技術製)に移動し、基板ホルダーに基板を固定した。尚、あらかじめ、それぞれのモリブテン製の加熱ボートに、正孔注入材料として、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPD)、発光材料として、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)、電子注入材料として、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)をそれぞれ仕込み、さらに陰極としてAlLi合金(Li濃度:10atm%)をタングステン製フィラメントに装着した。
その後、真空槽を5×10−7torrまで減圧にしたのち、以下の順序で正孔注入層から陰極まで途中で真空を破らず一回の真空引きで順次積層していった。
まず、正孔注入層としては、MTDATAを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、膜厚60nm及び、NPDを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、膜厚20nm、発光層としては、DPVBiを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、膜厚50nm、電子注入層としては、Alqを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、膜厚20nm、で蒸着した。
さらに、陰極(上部電極)として、AlとLiを蒸着速度0.5〜1.0nm/秒で蒸着し、膜厚を150nmとした。尚、有機層(正孔注入層〜電子注入層まで)は、表示領域範囲にマスク蒸着したが、陰極は先に形成したIZO取り出し電極に接続できるような範囲でマスク蒸着した。陰極は、先に基板上に作製した隔壁により、自動的に分離されたパターン(ライン数240本)となっていた。
このようにして、基板上に有機EL素子を作製後、乾燥窒素を流通したドライボックスに基板を大気にふれないように移動し、そのドライボックス内にて、封止基板の青板ガラスで表示部を被覆し、表示部周辺部はカチオン硬化性の接着剤(TB3102:スリーボンド製)で光硬化させて封止した。
このようにして、下部電極と上部電極がXYマトリックスを形成してなるフルカラー有機EL表示装置を作製し、その下部電極と上部電極にDC電圧を印加(下部電極:(+)、上部電極:(−))したところ、各電極の交差部分(画素)が発光した。
この有機EL表示装置の遮光層開口領域の端部は、有機EL素子の発光領域の端部よりも開口領域の中央側にあった。尚、この有機EL表示装置の垂直距離hは16.2μm、重なり部Xは5.0μmであり、X/hは0.31であった。
(2)コントラスト評価
得られた有機EL表示装置を発光させない状態(電極間に電圧を印加しない状態)で、蛍光灯の光を装置の表示面に対し45°の角度から照らし(表示面の照度1000lux相当)、表示面に対し垂直の方向で反射してきた光について、分光放射輝度計(CS1000:ミノルタ製)で、輝度を測定した結果、1.5nitであった。
一方、蛍光灯の光を同様に照射しながら、有機EL表示装置の下部電極と上部電極にDC電圧を印加(下部電極:(+)、上部電極:(−))して、全色点灯させ、電圧を調整しながら分光放射輝度計にて、輝度を100nitとした。尚、このときの駆動電圧は7Vであった。
よって、本有機EL表示装置のコントラストは、1000luxの蛍光灯照射時では、100(発光時の輝度):1.5(非発光時の輝度)、即ち、67:1であることがわかった。
参考例1及び以下に示す実施例及び比較例で作製した有機EL表示装置の各部の寸法、X/h値、コントラスト比及び駆動電圧を表1に示す。
Figure 0004832292
実施例2
(1)有機EL表示装置の作製
112mm×143mm×1.1mmの支持基板(OA2ガラス:日本電気硝子社製)上に、緑色カラーフィルタの材料として、V259G(新日鉄化学社製)をスピンコートし、長方形(90μmライン、240μmギャップ)のストライプパターンが320本得られるようなフォトマスクを介して、紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、緑色カラーフィルタ(膜厚1.0μm)のパターンを形成した。
次に、赤色カラーフィルタの材料として、V259R(新日鉄化学社製)をスピンコートし、長方形(90μmライン、240μmギャップ)のストライプパターンが320本得られるようなフォトマスクを介して、緑色カラーフィルタに隣接(110μmピッチずらして)するように位置合わせして紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、赤色カラーフィルタ(膜厚1.0μm)のパターンを形成した。
次に、遮光層(ブラックマトリックス:BM)の材料としてV259BK(新日鉄化学社製)をスピンコートし、格子状のパターン(開口部60×280μm)になるようなフォトマスクを用い、各カラーフィルタ間に遮光層が形成できるように位置合わせをして紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、ブラックマトリックス(膜厚12μm)のパターンを形成した。
次に、青色カラーフィルタの材料として、V259B(新日鉄化学社製)をスピンコートし、長方形(90μmライン、240μmギャップ)のストライプパターンが320本得られるようなフォトマスクを介して、BMに位置合わせして紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、緑色カラーフィルと赤色カラーフィルタとの間に、青色カラーフィルタ(膜厚12μm)のパターンを形成した。
次に、緑色蛍光体層の材料として、0.04mol/kg(対固形分)となる量のクマリン6をアクリル系ネガ型フォトレジスト(V259PA、固形分濃度50%:新日鉄化学社製)に溶解させたインキを調製した。
このインキを、先の基板上にスピンコートし、カラーフィルタの形成に用いたフォトマスクを、緑色カラーフィルタ上に重なるように位置あわせ後、紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、緑色蛍光体層のパターン(膜厚11μm)を形成した。
次に、赤色蛍光体層の材料として、クマリン6:0.53g、ベーシックバイオレット11:1.5g、ローダミン6G:1.5g、アクリル系ネガ型フォトレジスト(V259PA、固形分濃度50%:新日鉄化学社製):100gに溶解させたインキを調製した。
このインキを、先の基板上にスピンコートし、カラーフィルタの形成に用いたフォトマスクを、赤色カラーフィルタ上に重なるように位置あわせ後、紫外線露光し、2%炭酸ナトリウム水溶液で現像後、200℃でベークして、赤色蛍光体層のパターン(膜厚11μm)を形成した。
その後、基板表面をラッピング研磨して表面を平滑にした色変換部材を得た。
次に、透光性媒体(平坦化膜)としてアクリル系熱硬化性樹脂(V259PH:新日鉄化学社製)を先の基板上にスピンコートし、200℃でベークして、平坦化膜(膜厚8.1μm)を形成した。
次に、IZO(インジウム亜鉛酸化物)をスパッタリングにより200nm膜厚で成膜した。
この基板上にポジ型レジスト(HPR204:富士オーリン製)をスピンコートし、陰極の取り出し部と90μmライン、20μmギャップのストライプ状のパターンになるようなフォトマスクを介して、紫外線露光し、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)の現像液で現像し、130℃でベークした。
次に、5%蓚酸水溶液からなるIZOエッチャントにて、露出している部分のIZOをエッチングした。次に、レジストを、エタノールアミンを主成分とする剥離液(N303:長瀬産業製)で処理して、IZOパターン(下部電極:陽極、ライン数960本)を得た。
以下、参考例1と同一の条件で、第一、二の層間絶縁膜及び有機EL素子の各層等を形成し、有機EL表示装置を作製した。
この有機EL表示装置の垂直距離hは8.3μm、重なり部Xは5.0でありX/h値は0.60となった。
(2)コントラスト評価
参考例1と同様な方法で評価した結果、この有機EL表示装置のコントラストは、1000luxの蛍光灯照射時に、100(発光時の輝度):1.3(非発光時の輝度)即ち77:1であることがわかった。
実施例3
実施例2の有機EL表示装置において、透光性媒体(平坦化膜)の膜厚を6.8μmとした以外は、同一条件で有機EL表示装置を作製した。
この有機EL表示装置の垂直距離hは、7.0μm、重なり部Xは、5.0μmであり、X/h値は、0.71となった。
さらに、参考例1と同様な方法でコントラスト評価を実施した結果、1000luxの蛍光灯照射時に、100(発光時の輝度):1.0(非発光時の輝度)即ち100:1であることがわかった。
実施例4
実施例2の有機EL表示装置において、透光性媒体(平坦化膜)の膜厚を5.0μmとした以外は、同一条件で有機EL表示装置を作製した。
この有機EL表示装置の垂直距離hは、5.2μm、重なり部Xは、5.0μmであり、X/h値は、0.96となった。
さらに、参考例1と同様な方法でコントラスト評価を実施した結果、1000luxの蛍光灯照射時に、100(発光時の輝度):0.7(非発光時の輝度)即ち143:1であることがわかった。
実施例5
(1)TFT基板の作製
図6(a)〜(i)は、ポリシリコンTFTの形成工程を示す図である。また、図7は、ポリシリコンTFTを含む電気スイッチ接続構造を示す回路図であり、図8はポリシリコンTFTを含む電気スイッチ接続構造を示す平面透視図である。
まず、112mm×143mm×1.1mmのガラス基板31(OA2ガラス、日本電気硝子(株)製)上に、減圧CVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition, LPCVD)等の手法により、α−Si層32を積層した(図6(a))。
次に、KrF(248nm)レーザ等のエキシマーレーザをα−Si層32に照射して、アニール結晶化を行い、ポリシリコンとした(図6(b))。このポリシリコンを、フォトリソグラフィにより、アイランド状にパターン化した(図6(c))。得られたアイランド化ポリシリコン33及び基板31の表面に、絶縁ゲート材料34を化学蒸着(CVD)等により積層して、ゲート酸化物絶縁層34とした(図6(d))。次に、ゲート電極35を、蒸着又はスパッタリングで成膜して形成し(図6(e))、ゲート電極35をパターニングするとともに、陽極酸化を行った(図6(f)〜(h))。さらに、イオンドーピング(イオン注入)により、ドーピング領域を形成し、それにより活性層を形成して、ソース36及びドレイン37とし、ポリシリコンTFTを形成した(図6(i))。この際、ゲート電極35(及び図7の走査電極50、コンデンサ57の底部電極)をAl、TFTのソース36及びドレイン37をn+型とした。
次に、得られた活性層上に、層間絶縁膜(SiO)を500nmの膜厚でCRCVD法にて形成した後、信号電極線51及び共通電極線52、コンデンサ57上部電極(Al)の形成と、第2のトランジスタ(Tr2)56のソース電極と共通電極との連結、第1のトランジスタ(Tr1)55のドレインと信号電極との連結を行った(図7、図8)。各TFTと各電極の連結は、適宜、層間絶縁膜SiOを弗酸によるウエットエッチングにより開口して行った。
次に、CrとITOを順次、スパッタリングにより、それぞれ2000Å、1300Åで成膜した。この基板上にポジ型レジスト(HPR204:富士フィルムアーチ製)をスピンコートし、90μm×320μmのドット状のパターンになるようなフォトマスクを介して、紫外線露光し、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)の現像液で現像し、130℃でベークし、レジストパターンを得た。
次に、47%臭化水素酸からなるITOエッチャントにて、露出している部分のITOをエッチングし、次に硝酸セリウムアンモニウム/過塩素酸水溶液(HCE:長瀬産業製)にて、Crをエッチングした。次に、レジストをエタノールアミンを主成分とする剥離液(N303:長瀬産業製)で処理して、Cr/ITOパターン(下部電極:陽極)を得た。
この際、Tr2 56と下部電極11が開口部59を介して接続された。
次に、第二の層間絶縁膜として、ネガ型レジスト(V259PA:新日鉄化学社製)をスピンコートし、紫外線露光し、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)の現像液で現像した。次に、200℃でベークして、Cr/ITOのエッジを被覆した(ITOの開口部、即ち有機ELの発光領域70μm×200μm)層間絶縁膜を形成した(図示せず)。
(2)有機EL素子の作製
(1)で得た層間絶縁膜付きTFT基板を純水及びイソプロピルアルコール中で超音波洗浄し、Airブローにて乾燥後、UV洗浄した。
次に、この基板を、有機蒸着装置(日本真空技術製)に移動し、基板ホルダーに固定した。尚、予め、それぞれのモリブテン製の加熱ボートに、正孔注入材料として、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPD)、発光材料のホストとして、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)、ドーパントとして、1,4−ビス[4−(N,N−ジフェニルアミノスチリルベンゼン)](DPAVB)、電子注入材料及び陰極として、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)とLiをそれぞれ仕込み、さらに陰極の取出し電極としてIZO(前出)ターゲットを別のスパッタリング槽に装着した。
その後、真空槽を5×10−7torrまで減圧にしたのち、以下の順序で正孔注入層から陰極まで、途中で真空を破らず一回の真空引きで順次積層した。
まず、正孔注入層としては、MTDATAを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、膜厚60nm及び、NPDを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、膜厚20nm、発光層としては、DPVBiとDPAVBをそれぞれ蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、蒸着速度0.03〜0.05nm/秒を共蒸着して膜厚50nm、電子注入層としては、Alqを蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、膜厚20nm、さらに、陰極として、AlqとLiをそれぞれ蒸着速度0.1〜0.3nm/秒、0.005nm/秒で共蒸着し、膜厚を20nmとした。
次に、基板をスパッタリング槽に移動し、陰極の取り出し電極としてIZOを、成膜速度0.1〜0.3nm/秒で、膜厚200nmとし、有機EL素子を作製した。
次に、パッシベーション層(第一の透光性媒体)として、有機EL素子の上部電極上に透明無機膜としてSiOxNy(O/(O+N)=50%:Atomic ratio)を低温CVDにより200nmの厚さで成膜した。これにより、有機EL素子基板を得た。
(3)色変換部材の作製
実施例2において、遮光層の開口領域を60μm×190μmとし、平坦化層の膜厚を1μmとした他は、同一の条件で色変換基板を作製した(平坦化層(第三の透光性媒体)まで)。
(4)有機EL表示装置の作製
作製した上記有機EL素子と色変換部材を、乾燥窒素を流通させたドライボックス内に移動し、有機EL素子基板の表示部周辺にカチオン型光硬化型接着剤(スリーボンド製3102)をディスペンサーにて塗布した。
次に、有機EL素子と色変換部材を位置合せマークに合せて、光照射にて貼り合わせ、表示部に相当する部分には、予め脱気処理した不活性液体(第二の透光性媒体、フッ化炭化水素:スリーエム製FC70)を充填した。
この時の、有機EL素子と色変換部材間のギャップを4μmとした。
このようにして、アクティブ有機EL表示装置を作製し、その下部電極(ITO/Cr)と上部電極(IZO)にDC8Vの電圧を印加(下部電極:(+)、上部電極:(−))したところ、各電極の交差部分(画素)が発光した。
この有機EL表示装置の垂直距離hは5.4μm、重なり部Xは5.0であり、X/h値は0.93となった。
(5)コントラスト評価
参考例1と同様な方法で評価した結果、この有機EL表示装置のコントラストは、1000luxの蛍光灯照射時に、100(発光時の輝度):0.7(非発光時の輝度)、即ち、143:1であった。
実施例6
(1)有機EL表示装置の作製
実施例5において、色変換部材の外側の透光性基板に反射防止膜(蒸着にて、透光性基板側から0.2μm膜厚の酸化ケイ素、酸化チタン膜を繰り返し3層積層)を配置した他は、実施例5と同一条件で有機EL表示装置を作製した。
(2)コントラスト評価
参考例1と同様な方法で評価した結果、この有機EL表示装置のコントラストは、1000luxの蛍光灯照射時に、100(発光時の輝度):0.6(非発光時の輝度)、即ち167:1であった。
比較例1
(1)有機EL表示装置の作製
参考例1において、色変換部材の遮光層の開口部70×290μm、有機ELの発光領域を70×290μmとした以外は、参考例1と同一の条件で、有機EL表示装置を作製した。この表示装置では、重なり部(X)は0である。
(2)コントラスト評価
参考例1と同様な方法で評価した結果、この有機EL表示装置のコントラストは、1000luxの蛍光灯照射時に、100(発光時の輝度):2(非発光時の輝度)であり、即ち50:1であった。
比較例2
(1)有機EL表示装置の作製
参考例1において、色変換部材の遮光層の開口部70×290μm、有機ELの発光領域を60×280μmとしたこと以外は、参考例1と同一の条件で、有機EL表示装置を作製した。この表示装置では、重なり部(X)は0よりも小さい(−5.0μm)である。
(2)コントラスト評価
参考例1と同様な方法で評価した結果、この有機EL表示装置のコントラストは、1000luxの蛍光灯照射時に、100(発光時の輝度):3(非発光時の輝度)、即ち33:1であった。
実施例7
(1)有機EL表示装置の作製
参考例1において、遮光層の開口領域を、(開口部50×270μm)としたこと以外は、参考例1と同一の条件で、有機EL表示装置を作製した。
(2)コントラスト評価
参考例1と同様な方法で評価した結果、この有機EL表示装置のコントラストは、1000luxの蛍光灯照射時に、100(発光時の輝度):1.3(非発光時の輝度)、即ち77:1であった。100nitの輝度時の駆動電圧は8Vであった。
本発明の有機EL表示装置は、工業用、民生用(携帯電話、車載、屋内)のディスプレイ全般に利用できる。

Claims (7)

  1. 有機エレクトロルミネッセンス素子と、
    遮光層、及び色変換層からなる遮光層開口領域を有する色変換部材と、を有する有機エレクトロルミネッセンス表示装置であって、
    前記遮光層開口領域の端部が、前記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光領域の端部より開口領域の中央側にあり、
    前記遮光層と前記有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層間の垂直距離h(μm)と、前記遮光層と前記発光領域の重なり部の長さX(μm)が、下記式(I)を満たす有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
    X/h≧0.60・・・(I)
  2. 前記遮光層開口領域の面積が、前記有機エレクトロルミネッセンス発光領域の面積の70%以上である請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  3. 前記色変換部材の、有機エレクトロルミネッセンス素子からの発光を取出す側に、反射防止部を設けた請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  4. 前記反射防止部が反射防止膜である請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  5. 前記反射防止部がアンチグレア膜である請求項3に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  6. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子と色変換部材の間に透光性媒体層を設けた請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  7. アクティブ駆動させる請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
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