JP6494510B2 - 半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、発光ダイオード(LED)などの半導体発光素子に関し、特に素子内で発光した光の外部への光取出しについて改善をはかった半導体発光素子及びその製造方法に関する。
半導体発光素子は、発光層やn型半導体層、p型半導体層、電極層、支持基板など、幾つかの層から形成される。このため、半導体素子内部の発光層で発光した光は、これら幾つかの層を通過した後に外部に取り出される。しかしながら光については、屈折率の異なる媒質の境界、つまり層界面や表面などを通過する際には必ず一定割合の反射が起こる。また、上述した光の波長(発光波長)に対し吸収係数を有する媒質層を光が通過あるいは反射する際には、一定割合の光吸収が発生する。このため、発光層で発光した光を半導体発光素子の外部に効率良く取り出すことは一般的に困難である。
特に屈折率の大きな媒質から小さな媒質に光が進む場合には光の全反射が起こり、臨界角以上の光は外部に取り出すことができない。半導体発光素子の表面、つまり空気(または封止材料)と半導体素子との界面では、両媒質間の屈折率差が大きくなるため、全反射の起こる臨界角が小さくなり、結果的に界面において全反射される光の割合は増大する。
例えば、サファイア基板の屈折率nは1.8で、空気に対する臨界角は33.7度である。すなわち、半導体発光素子を構成する基板としてサファイア基板を用いる場合であって、サファイア基板を通過して空気側へ光を取り出す場合、入射角が33.7度より大きい光は全反射され外部に取り出すことができない。さらに屈折率の大きな窒化アルミニウム(AlN)基板(屈折率n=2.29)の場合は、臨界角が25.9度となり、さらに少ない光しか外部に取り出すことができない。
3次元時間領域有限差分法(Finite−difference time−domain method:FDTD法)を用いた光放射伝搬特性の理論計算を用いて、例えばAlN基板上にAlGaN層を積層した半導体発光素子における光の取り出し効率を計算した。この結果、AlGaN層内の発光部から放射された波長265nmの光の内、発光部から見てAlN基板と反対側に位置するp型GaN層の吸収なども考慮すると、AlN基板の表面(光取出し面)側から取り出せる光の取出し効率は、約4%と極めて低い。
このような問題に対し、光取出し効率を向上させる目的で、基板表面(光取出し面)にナノメートルスケールの凹凸構造を設けた半導体発光素子が提案されている。例えば特許文献1では、発光層より発光される光の平均光学波長の2倍以下となる平均周期を有する凹凸構造を、光取出し面に設けることが開示されている。このような凹凸構成を形成することにより、光取出し面における全反射される光の割の割合を低減する(すなわち素子表面での光の反射を抑制する)方法が提案されている。しかしながら、半導体発光素子の表面にナノメートルスケールの凹凸構造を形成することは容易ではない。また、凹凸構造の形状や発光波長によっても光取出し効率が大きく変動し、十分な効果が得られていない。
発光波長が短くなればなるほど、要求される凹凸構造の周期(例えば凸構造の場合、凸構造の頂点部と隣接する凸構造の頂点部までの距離)は短くなるため、当該凹凸構造の作製は困難となる。特に紫外・深紫外波長領域の光を発光する半導体発光素子においては、当該凹凸構造のサイズは光リソグラフィーでは作製困難な領域となる。この結果、作製コストの増大、歩留まり、生産性の低下などの問題が発生するため実用的では無い。
特許文献1(特開2005−354020号公報)では、ナノメートルスケールの周期凹凸構造を形成するため、蒸着した金属を加熱し凝集させたナノメートルサイズの微細金属マスクを光取出し面上に形成し、当該光取出し面の表面をエッチングする方法を開示している。しかしこのような凝集効果を利用した周期マスクは、凹凸構造の配置がランダムであり、その形状の不均一性が大きい。そのため、半導体発光素子から外部に出力される光のパワーのバラつきが大きく、安定で均質な光を出射する半導体発光素子を提供することは難しい。
非特許文献1(ISDRS 2011, December 7-9, 2011, College Park, MD, USA, WP2-04)では、ナノメートルスケールの凹凸構造を形成するため、ウェットエッチングによって基板表面を粗面化する方法を開示する。しかしウェットエッチングを用いる手法によって形成される凹凸構造も、形状が不均一なランダム構造となるため、光取出し効率は大きく変動し、また光取出し効率向上の効果も不十分である。
非特許文献2(Appl. Phys. Express 3 (2010) 061004)では、深紫外の光を出射する半導体発光素子において、リソグラフィー、ドライエッチングにより表面周期凹凸構造を設けているが、当該凹凸構造の周期は500nmと発光波長より2倍程度も大きく、光取出し効率向上の十分な効果は得られていない。また、光出力のバラつきも極めて大きい。
特開2005−354020号公報
ISDRS 2011, December 7-9, 2011, College Park, MD, USA, WP2-04 Appl. Phys. Express 3 (2010) 061004
上記のように、基板表面(光取出し面)にナノメートルスケールの凹凸構造を設けた半導体発光素子が、光取出し効率を向上させる目的で提案されているが、このような従来の発光素子では、凹凸構造の周期、凹凸構造を構成する凸部の高さや形状等の最適値が定かではなく、発光波長や基板の屈折率などによって変動するため、十分な効果が発揮されていないのが現状である。さらに、発光波長が短波長になるにつれて、基板表面(光取出し面)に、より小さなスケールの凹凸構造を形成する必要があるため、当該凹凸構造の作製がますます困難となる。このため、発光波長が短波長でも、光取出し効率を十分に向上させる凹凸構造を再現性良く均一に形成し、さらに半導体発光素子から外部に出力される光のパワーを均一化、安定化させることが大きな課題であった。
したがって、本発明の目的は、上記のような従来課題の解決を図るもので、発光波長が短波長でも高い光取出し効率、均一な光出力が得られる半導体発光素子、および当該半導体発光素子を再現性、生産性が高く製造可能な半導体発光素子の製造方法を提供することにある。
この発明に従った半導体発光素子は、発光層を含む半導体層を備えた半導体発光素子であって、半導体発光素子の表面は光取出し面を含む。光取出し面および半導体発光素子内において互いに屈折率の異なる2つの層の界面の少なくともいずれか一方には、発光層から出射される光の波長の0.5倍を超える周期を有する周期凹凸構造と、周期凹凸構造の表面上に位置し、光の波長の0.5倍以下である平均直径を有する微細凹凸構造とが形成されている。
本発明によれば、高い光取出し効率が得られる半導体発光素子を得ることができる。
本発明に係る半導体発光素子の実施の形態1の断面模式図である。 図1に示した半導体発光素子の光取出し面の平面模式図である。 図2の線分III−IIIにおける部分断面模式図である。 図1に示した半導体発光素子の変形例を説明するための平面模式図である。 図1に示した半導体発光素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。 本発明に係る半導体発光素子の実施の形態2を説明するための平面模式図である。 図6の線分VII−VIIにおける部分断面模式図である。 図6に示した半導体発光素子の変形例を説明するための平面模式図である。 図6に示した半導体発光素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。 実施例1の試料として用いた半導体発光素子の平面模式図である。 図10の線分XI−XIにおける断面模式図である。 図10に示した半導体発光素子の光取出し面の走査型電子顕微鏡写真である。 図10に示した半導体発光素子の光取出し面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1の実験結果を示すグラフである。 実施例2の試料として用いた半導体発光素子の光取出し面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例2の試料として用いた半導体発光素子の光取出し面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例2の試料として用いた半導体発光素子の光取出し面の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例2の実験結果を示すグラフである。 実施例3のシミュレーション計算結果を示すグラフである。 実施例3のシミュレーション計算結果を示すグラフである。 実施例4のシミュレーション計算結果を示すグラフである。 実施例4のシミュレーション計算結果を示すグラフである。 実施例5の実験結果を示すグラフである。 実施例6の実験結果を示すグラフである。 実施例7の実験結果を示すグラフである。 実施例8および実施例9の実験結果を示すグラフである。 実施例における実験値とシミュレーション計算結果とを示すグラフである。
初めに、実施の形態の概要について説明する。
(1) 本実施形態による半導体発光素子は、発光層(活性層13)を含む半導体層を備えた半導体発光素子であって、半導体発光素子の表面は光取出し面を含み、光取出し面および半導体発光素子内において互いに屈折率の異なる2つの層の界面の少なくともいずれか一方には、発光層から出射される光の波長の0.5倍を超える周期を有する周期凹凸構造21と、周期凹凸構造21の表面上に位置し、光の波長の0.5倍以下である平均直径を有する微細凹凸構造22とが形成されている。
このようにすれば、光取出し面において発光層から出射される光の波長(発光波長)に応じた周期の周期凹凸構造21および当該波長に応じた平均直径を有する微細凹凸構造22が形成されているので、光取出し面にこれらの凹凸構造が無い場合に比べて光取出し効率を確実に高めることができる。すなわち、波長より周期の大きな周期凹凸構造を形成する場合でも、微細凹凸構造と組み合わせることにより、十分に光取出し効率を高めることができる。さらに、発光波長が短波長(たとえば450nm以下、あるいは350nm以下)である場合に、本実施形態による半導体発光素子では周期凹凸構造の製造に係るコストの増大を抑制するという効果が顕著となる。また、周期凹凸構造の発光波長より大きな周期で形成可能となるため、均一な凹凸構造の形成が容易となる。
(2) 上記半導体発光素子において、周期凹凸構造21の配列パターンは三角格子状であってもよい。この場合、周期凹凸構造21の凸形状部の単位面積当たりの数を容易に多くすることができる。
(3) 上記半導体発光素子において、周期凹凸構造21は、空気より屈折率の高い高屈折率材料からなる凸部(凸形状部)を含んでいてもよい。発光層(活性層13)から光取出し面(基板16の裏面16A)に向かう方向に対して垂直な面における凸部の断面積は、発光層(活性層13)から離れるほど小さくなっていてもよい。このようにすれば、光取出し面の外部媒体が空気である場合に、確実に光取出し面からの光取出し効率を高めることができる。
(4) 上記半導体発光素子において、凸部の形状は、錐体形状または半楕円球形状であってもよい。この場合、エッチングなどの比較的一般的なプロセスを用いて凸部を容易に形成することができる。
(5) 上記半導体発光素子において、発光層はIII族窒化物半導体を含んでいてもよい。半導体層は、導電型がn型であるn型III族窒化物半導体層(n型半導体層15)と、発光層から見てn型III族窒化物半導体層と反対側に位置し、導電型がp型であるp型III族窒化物半導体層(p型半導体層12)とを含んでいてもよい。このようなIII族窒化物半導体を用いれば、発光波長が450nm以下といった短波長の光を出射する半導体発光素子を得ることができる。
(6) 上記半導体発光素子は、発光層から光取出し面側に配置され、発光層から出射される光に対し透明性を有する透明性基板を備えていてもよい。この場合、透明性基板の裏面(半導体層が形成された主表面と反対側の裏面)を、光取出し面として利用することができる。
(7) 上記半導体発光素子において、透明性基板が窒化アルミニウム基板であってもよい。この場合、III族窒化物半導体からなる発光層を含む半導体層の欠陥密度を大幅に低減することができる。
(8) 上記半導体発光素子において、発光層から出射される光の波長は450nm以下であってもよい。このような発光波長が短波長である場合に、上述したような効果を顕著に得ることができる。
(9) 上記半導体発光素子において、周期凹凸構造21の高さH1は、周期凹凸構造21の周期L1に対し1/3倍以上5倍以下であってもよく、微細凹凸構造22の平均高さは、微細凹凸構造22の平均直径に対し0.1倍以上10倍以下であってもよい。この場合、光取出し効率を確実に向上させることができる。
(10) 本実施形態による半導体発光素子は、窒化アルミニウムからなる基板16と、基板16の主表面上に形成された半導体層とを備える。半導体層は、III族窒化物半導体を含む発光層(活性層13)と、発光層を挟むように配置された、導電型がn型であるn型III族窒化物半導体層(n型半導体層15)と導電型がp型であるp型III族窒化物半導体層(p型半導体層12)とを含む。発光層から出射する光の波長は350nm以下である。基板16において主表面と反対側に位置する裏面には、発光層から出射される光の波長を、基板を構成する窒化アルミニウムの屈折率と基板の外部に位置する外部媒質の屈折率との差で割った値(評価値)の1/3倍以上5倍以下である周期を有する周期凹凸構造21が形成されている。
この場合、発光層から出射される光の波長(発光波長)と、AlNからなる基板16の屈折率と、外部媒質の屈折率とに応じて周期凹凸構造21の周期が決定されているので、基板16の裏面(光取出し面)からの光取出し効率を確実に向上させることができる。
なお、上記周期は、好ましくは評価値の0.5倍以上4倍以下、さらに好ましくは1倍以上3ば以下である。
(11) 上記半導体発光素子において、周期凹凸構造21の配列パターンは三角格子状であってもよい。この場合、周期凹凸構造21の凸形状部の単位面積当たりの数を容易に多くすることができる。
(12) 上記半導体発光素子において、周期凹凸構造は凸部を含み、当該凸部の形状は、錐体形状または半楕円球形状であってもよい。この場合、エッチングなどの比較的一般的なプロセスを用いて凸部を容易に形成することができる。
(13) 上記半導体発光素子において、周期凹凸構造の高さは、周期凹凸構造の周期に対し1/3倍以上5倍以下であってもよい。この場合、確実に光取出し効率を高めることができる。
なお、上記高さは、好ましくは評価値の0.5倍以上2倍以下、さらに好ましくは0.6倍以上1.8倍以下である。
(14) 本実施形態による半導体発光素子の製造方法は、発光層を有する半導体層を含む半導体発光素子となるべき素子部材を準備する工程と、素子部材において、半導体発光素子の光取出し面となるべき領域上に、パターンを有するマスク層を形成する工程と、マスク層をマスクとして用いて、エッチングにより光取出し面となるべき領域を部分的に除去することにより、周期凹凸構造を形成する工程とを備える。マスク層は金属マスク層である。周期凹凸構造を形成する工程では、フッ素系ガスをエッチングガスとして用いたドライエッチングを行なうことにより、周期凹凸構造を形成し、前記マスク層の残渣を除去する工程で、周期凹凸構造の表面に微細凹凸構造を形成する。周期凹凸構造は、発光層から出射される光の波長の0.5倍を超える周期を有する。微細凹凸構造は、光の波長の0.5倍以下である平均直径を有する。また、周期凹凸構造と微細凹凸構造とは同じ材質からなることを特徴とする。このようにすれば、本実施形態による半導体発光素子を容易に得ることができる。
(15) 本実施形態による半導体発光素子の製造方法は、窒化アルミニウムからなる基板と、当該基板の主表面上に形成され、発光層を有する半導体層とを含む半導体発光素子となるべき素子部材を準備する工程と、素子部材において、半導体発光素子の光取出し面となるべき領域上に、パターンを有するマスク層を形成する工程と、マスク層をマスクとして用いて、エッチングにより光取出し面となるべき領域を部分的に除去することにより、周期凹凸構造を形成する工程とを備える。周期凹凸構造は、発光層から出射される光の波長を、基板を構成する窒化アルミニウムの屈折率と基板の外部に位置する外部媒質の屈折率との差で割った値の1/3倍以上5倍以下である周期を有する。このようにすれば、本実施形態による半導体発光素子を容易に得ることができる。
(16) 上記半導体発光素子において、周期凹凸構造21の周期は、光の波長の1倍以上であってもよい。この場合、周期凹凸構造21を容易に製造することができる。
(17) 上記半導体発光素子において、周期凹凸構造21の周期は、光の波長の2倍以上であってもよい。また、微細凹凸構造22の平均直径は、光の波長の0.4倍以下であってもよい。この場合、半導体発光素子の製造コストが増大することを避けつつ、光取出し効率を確実に高めることができる。
(18) 上記半導体発光素子において、透明性基板はサファイア基板であってもよい。このような構成であっても、光取出し効率を高めた半導体発光素子を得ることができる。
(19) 上記半導体発光素子において、発光層から出射される光の波長(発光波長)は350nm以下であってもよい。この場合、上記のような短波長な光を出射する半導体発光素子において本実施形態による効果が顕著である。
次に、発明の実施の形態の具体例について、適宜図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する発光素子は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、本発明を以下のものに限定しない。特に、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。また、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。さらに、以下に記載されている各実施の形態についても同様に、特に排除する記載が無い限りは各構成等を適宜組み合わせて適用できる。
(実施の形態1)
図1〜図3は、本発明の第1の実施形態にかかる半導体発光素子の構造を概念的に示している。図1〜図3を参照して、半導体発光素子は、AlN(窒化アルミニウム)からなる基板16と、n型半導体層15と、活性層13と、p型半導体層12と、正電極11と、負電極14とを主に備えている。基板16の主表面上にn型半導体層15が形成されている。n型半導体層15の一部表面に凸部が形成されており、当該凸部上に活性層13が形成されている。活性層13上にp型半導体層12が形成されている。p型半導体層12上に正電極11が形成されている。また、n型半導体層15の表面において、上記凸部が形成されていない領域には負電極14が形成されている。
発光層としての活性層13から出射する光の波長は350nm以下である。基板16において主表面と反対側に位置する裏面には、活性層13から出射される光の波長を、基板16を構成する窒化アルミニウムの屈折率と基板16の外部に位置する外部媒質である空気の屈折率との差で割った値(基準値)の1/3倍以上5倍以下である周期L1を有する周期凹凸構造21が形成されている。
以下、各構成要素について個別に説明する。
<基板>
基板16としては、窒化物半導体結晶が表面にエピタキシャル成長可能な基板であって、かつ、半導体発光素子が発する光の波長域に対して透過率が高い(たとえば当該光の透過率が50%以上である)ことを満たす基板を選択して用いることができる。例えば、基板16の材料としては、上述したAlN、さらにサファイア、GaNなどが挙げられる。

基板16は、上述のように光取出し面(裏面)に周期凹凸構造21が形成されている。具体的には、周期凹凸構造21は凸形状部を含み、該凸形状部は図2および図3に示すような錐体形状(たとえば底面の直径D1、底面から頂点までの高さH1、側面と底面との為す角度θを有する錐体形状)である。また、凸形状部は、図4に示すような半楕円球形状であってもよい。
また、周期凹凸構造の配列(凸形状部の配列)は、三角格子配列、正方格子配列、六方格子配列等の周期配列方法であればよく、好ましくは、フィリングファクターが最大となる三角格子配列である。さらに、周期凹凸構造21は、半導体発光素子の発光波長を、基板16を構成する窒化アルミニウムの屈折率と基板16の外部に位置する外部媒質である空気の屈折率との差で割った値(基準値)の1/3倍以上5倍以下である周期L1を有していてもよい。また、周期凹凸構造21の高さH1は、当該周期L1に対して1/3倍以上5倍以下の範囲であることが好ましい。
なお、上述した周期凹凸構造21の周期L1は、より好ましくは上記基準値の0.5倍以上4倍以下、さらに好ましくは1倍以上3倍以下である。このようにすれば、より確実に光取り出し効率を向上させることができる。また、周期凹凸構造21の高さH1は、当該周期L1に対して好ましくは0.5倍以上2倍以下、さらに好ましくは0.6倍以上1.8倍以下である。このようにしても、より確実に光取り出し効率を向上させることができる。
次いで、周期凹凸構造21の作製方法について以下に述べる。周期凹凸構造21は、第一にエッチングマスク作製工程(図5の工程(S41))、第二にエッチング工程(図5の工程(S42))、第三にマスク除去工程(図5の工程(S43))といったプロセスにより作製することができる。エッチングマスク作製工程は、基板16の裏面上にエッチングマスクパターンを作製する工程であり、電子線リソグラフィー法、光リソグラフィー法、ナノインプリントリソグラフィー法等、任意の方法を適用することができる。また、エッチング工程でのエッチング選択比を向上させるために、上述した任意の方法によりパターンを有するマスクパターン(たとえばレジストマスク)を形成した後、当該マスクパターンを覆うように金属を堆積させて、その後リフトオフ法によってマスクパターンと共に当該金属の一部を除去することにより、金属のマスクパターンを作製してもよい。
マスクパターンをエッチングマスクとして、基板16の裏面をエッチングして所望のパターンを基板16の裏面に形成する。エッチングの手法は、誘導結合プラズマ(ICP)エッチング、反応性イオンエッチング(RIE)等のドライエッチング、もしくは酸性溶液、またはアルカリ性溶液をエッチング液として用いるウェットエッチング等を適用することができる。ここで、周期性の高いパターンを形成するためには、ドライエッチングを適用する方が好ましい。ドライエッチングを用いたエッチング工程では、エッチングマスクとしてレジスト等の樹脂材料や金属を用いることができ、また、エッチングガスとしては、塩素系のガスやフッ素系のガス、臭素系のガス等が適用できる。さらに、上述したエッチングガスに水素や酸素等を混合させたガスを用いてもよい。
上述したエッチング工程後、マスク除去工程を実施する。すなわち、エッチングマスクの残渣を除去する。エッチングマスクの残渣の除去方法は、当該エッチングマスクの材質によって適宜決定すればよい。例えば、エッチングマスクの材質が金属であれば、当該金属に対して溶解性を有する酸性溶液やアルカリ性溶液を用いて残渣を除去すればよい。
また周期凹凸構造21の上に、樹脂やガラス、石英などの封止材を形成してもよい。さらに封止材の表面に、凹凸構造を形成してもよい。当該凹凸構造の構成は、上記周期凹凸構造21と同様の構成としてもよい。
<積層半導体層>
積層半導体層は、III族窒化物半導体からなるものであり、図1に示すように基板16上にn型半導体層15、活性層13、およびp型半導体層12がこの順で積層されてなるものである。積層半導体層は、有機金属化学気相成長法(MOCVD法)、有機金属気相成長法(MOVPE法)、分子線エピタキシー法(MBE法)、ハイドライド気相成長法(HVPE法)等の方法で積層される。
n型半導体層:
n型半導体層15は、AlInGaN(x、y、zは、0<x≦1.0、0≦y≦0.1、0≦z<1.0を満たす有理数とし、x+y+z=1.0である)から構成される半導体層であり、n型不純物を含むことが好ましい。不純物としては特に限定されるものではないが、珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)などが挙げられ、好ましくはSi、Geが挙げられる。n型不純物の濃度は1.0×1017/cm以上1.0×1020/cm以下としてもよい。また、n型半導体層15の結晶性およびコンタクト特性の両観点から、好ましくは、n型不純物の濃度は1.0×1018/cm以上1.0×1019/cm以下である。
また、n型半導体層15の膜厚は100nm以上10000nm以下である。また、n型半導体層15の結晶性および導電性の両観点から、好ましくは、n型半導体層15の膜厚は500nm以上3000nm以下である。
活性層:
活性層13は、多重量子井戸構造を有している。活性層13は、AlInGaN(x、y、zは、0<x≦1.0、0≦y≦0.1、0≦z<1.0を満たす有理数とし、x+y+z=1.0である)から構成される井戸層と、当該井戸層よりもバンドギャップエネルギーが大きいAlInGaN(x、y、zは、0<x≦1.0、0≦y≦0.1、0≦z<1.0を満たす有理数とし、x+y+z=1.0である)から構成される障壁層とが交互に積層した積層構造からなる。井戸層の膜厚は1nm以上であり、好ましくは2nm以上である。障壁層の膜厚は1nm以上であり、好ましくは2nm以上である。
p型半導体層:
p型半導体層12は、たとえばp型クラッド層およびp型コンタクト層から構成される。p型クラッド層は、AlInGaN(x、y、zは、0<x≦1.0、0≦y≦0.1、0≦z<1.0を満たす有理数とし、x+y+z=1.0である)から構成される。活性層13に電子を閉じ込める必要があるため、活性層13を構成する半導体層よりもp型クラッド層はバンドギャップエネルギーが大きいことが好ましい。従って、p型クラッド層のAl組成は、活性層13を構成する半導体層のAl組成よりも大きいことが好ましい。
p型クラッド層の不純物としては、マグネシウム(Mg)が好適に挙げられる。Mgの濃度(ドーピング濃度)は1.0×1017/cm以上、好ましく1.0×1017/cm以上である。p型クラッド層の膜厚は、5nm以上1000nm以下、好ましくは10nm以上50nm以下である。
p型コンタクト層は、AlInGaN(x、y、zは、0<x≦1.0、0≦y≦0.1、0≦z<1.0を満たす有理数とし、x+y+z=1.0である)から構成される。p型コンタクト層のAl組成はp型クラッド層のAl組成よりも小さいことが好ましい。この理由は、p型コンタクト層のバンドギャップエネルギーがp型クラッド層より小さい方が、良好なコンタクト特性を得やすいためである。p型コンタクト層の不純物としては、p型クラッド層と同様Mgが好適に挙げられる。Mgのドーピング濃度は1.0×1017/cm以上とすることができる。p型コンタクト層の膜厚は、紫外光の透過性とp型コンタクト層でのコンタクト特性の観点から、1nm以上50nm以下、好ましくは5nm以上30nm以下である。
<負電極層>
負電極14は、n型半導体層15の露出面(n型半導体層15の凸部を囲む上部表面)に形成される。n型半導体層15の露出面は、n型半導体層15の一部、および活性層13やp型半導体層12を部分的に除去する(たとえばエッチング等により除去する)ことにより形成される。エッチングの手法としては、好適には反応性イオンエッチング、誘導結合プラズマエッチング等のドライエッチングを用いることができる。n型半導体層15の露出面を形成後、n型半導体層15においてエッチングされた面(露出面)でのエッチングによるダメージを受けた部分を除去するため、酸またはアルカリの溶液で表面処理を施すことが好ましい。その後、前記n型半導体層15の露出面にオーミック性を有する負電極14を形成する。
負電極14や正電極11などの電極のパターンニングは、リフトオフ法を用いて実施することができる。具体的には、電極を形成する面にフォトレジストを塗布した後、フォトマスクを備えたUV露光機により紫外線をフォトレジストに部分的に照射する。その後、現像液にフォトレジストを浸漬させて、感光したフォトレジストを溶解させることにより所望のパターンのレジスト膜を形成する。パターニングされたレジスト膜上に電極となるべき金属膜を堆積させる。そして、剥離液でレジスト膜を溶解し、レジスト膜上に位置していた金属膜を除去することにより、レジスト膜が形成されていない領域に位置する金属膜を残存させて所定のパターンを有する金属膜(電極)を形成する。
電極のパターンニング手法として、さらに以下の手法が挙げられる。すなわち、電極形成面(たとえばn型半導体層15の露出面)に電極となるべき金属膜を形成する。そして、金属膜上にフォトレジストを塗布後、露光、現像工程を経てフォトレジストをパターニングする。その後、上記パターニングされたフォトレジスト(レジスト膜)をマスクとして用いて、ドライエッチング、またはウェットエッチングで金属膜を部分的に除去する。その後、剥離液でフォトレジストを溶解する。このようにしても、電極を形成することができる。なお、上述したリフトオフ法は、金属膜上にレジストパターンを形成するパターニング手法と比較して、工程が簡略であるため好適に用いられる。
負電極14を構成する金属膜を堆積する手法は、真空蒸着法、スパッタリング法、化学気相成長法等任意の方法を用いることができるが、金属膜中の不純物を排除する観点から真空蒸着法を用いることが好ましい。負電極14に用いられる材料は、様々挙げられるが公知の材料から選択することができる。負電極14となるべき金属膜を堆積後、n型半導体層15と負電極14とのコンタクト性向上のため、300℃以上1100℃以下の温度で30秒以上3分以下の加熱時間という条件で熱処理を施すことが好ましい。熱処理の温度および加熱時間については、負電極14を構成する金属の種類、および金属膜の膜厚に応じて適宜最適な条件で実施すればよい。
<正電極層>
正電極11は、p型半導体層12におけるp型コンタクト層上に形成される。正電極11のパターニングは、負電極14のパターニングと同様、リフトオフ法を用いることが好ましい。正電極11に用いられる金属材料は、様々挙げられるが公知の材料から選択することができる。また、正電極11は透光性を有することが好ましいため、正電極11の厚みは薄いほど好ましい。具体的には正電極11の厚みは10nm以下、さらに好適には5nm以下である。
正電極11となるべき金属膜を堆積する方法としては、負電極14の形成と同様、真空蒸着法、スパッタリング法、化学気相成長法等が挙げられるが、金属膜中の不純物を極力排除するため真空蒸着法を用いることが好ましい。正電極11となるべき金属膜を堆積後、p型コンタクト層とのコンタクト性向上のため、200℃以上800℃以下の温度で30秒以上3分以下の時間、熱処理を施すことが好ましい。熱処理の温度および時間については、正電極11を構成する金属の種類および正電極11の厚みに応じて適宜好適な条件を選択することができる。
上述した半導体発光素子は、図5に示すような製造工程により製造される。すなわち、図5を参照して、まず基板準備工程(S10)を実施する。この工程(S10)では、AlNからなる基板を準備する。なお、この段階ではまだ基板の裏面には周期凹凸構造21は形成されていない。次に、半導体層形成工程(S20)を実施する。この工程(S0)では、基板16の主表面上に、p型半導体層12、活性層13、n型半導体層15からなる積層半導体層を形成する。これらのp型半導体層12、活性層13、n型半導体層15それぞれは、上述のようにMOCVD法やMOVPE法など、任意の方法により形成することができる。
次に、電極形成工程(S30)を実施する。この工程では、エッチングによりp型半導体層12、活性層13、n型半導体層15の一部を除去することにより、図1に示すようにn型半導体層15の露出面を形成する。また、リフトオフ法などを用いて、p型半導体層12上に正電極11を形成し、n型半導体層15の露出面上に負電極14を形成する。
その後、凹凸構造形成工程(S40)を実施する。この工程(S40)では、まずマスク形成工程(S41)を実施する。この工程(S41)では、上述のようにリソグラフィー法等を用いて基板16の裏面上にエッチングマスクパターンを形成する。次に、エッチング工程(S42)を実施する。この工程(S42)では、基板16の裏面に対して上記エッチングマスクパターンをマスクとして用いてエッチングを行なう。この結果、周期凹凸構造21が形成される。そして、次にマスク除去工程(S43)を実施する。この工程(S43)では、エッチングマスクの残渣を任意の方法により除去する。このようにして、図1に示した半導体発光素子を得ることができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る半導体発光素子は、基本的には図1〜図3に示した半導体発光素子と同様の構造を備えるが、基板16の裏面の構成が図1〜図3に示した半導体発光素子とは異なっている。図6は、本発明の実施の形態2に係る半導体発光素子の基板16における裏面の平面構造を概念的に示している。図6を参照して、本発明の実施の形態2における半導体発光素子では、光取出し面の一例として基板16の裏面を用いており、当該基板16の裏面において周期凹凸構造21が形成されている。そして、さらに当該周期凹凸構造21の表面に微細凹凸構造22が形成されている。
すなわち、図6に示した半導体発光素子は、発光層である活性層13を含む半導体層を備えた半導体発光素子であって、半導体発光素子の表面は光取出し面としての基板16の裏面を含む。光取出し面および半導体発光素子内において互いに屈折率の異なる2つの層の界面の少なくともいずれか一方には、活性層13から出射される光の波長の0.5倍を超える周期L1を有する周期凹凸構造21と、周期凹凸構造21の表面上に位置し、光の波長の0.5倍以下である平均直径(直径D2の平均値)を有する微細凹凸構造22とが形成されている。なお、平均直径は、周期凹凸構造21の一周期を一辺の長さとする正方形領域に含まれる微細凹凸構造22の直径をそれぞれ測長し、それらの平均値から決定することができる。
また、ここでは光取出し面の一例として基板16の裏面を用い、当該基板16の裏面16Aに周期凹凸構造21などが形成される場合を例として説明しているが、上述した周期凹凸構造21および微細凹凸構造22が形成される場所は光取出し面に限られない。すなわち、周期凹凸構造21および微細凹凸構造22が形成される場所は半導体発光素子内の屈折率の異なる層同士の界面であってもよい。たとえば、基板16の裏面16A上に封止材などの別部材が形成された場合における当該裏面16Aと封止材(別部材)との界面、もしくは半導体発光素子内の半導体層などにおいて屈折率の互いに異なる層同士の界面など)に、上述した周期凹凸構造21および微細凹凸構造22を形成してもよい。
また、上述のように基板16の裏面上に封止材などの別部材が形成されていれば、当該封止材表面(別部材表面)が外部に対する光取出し面となる。そして、この場合には、たとえば屈折率差が最も大きくなる界面(たとえば当該裏面16Aと封止材(別部材)との界面)に加えて、封止材表面の光取出し面となる部分にも、上述した周期凹凸構造21および微細凹凸構造22を形成してもよい。
本実施形態に係る半導体発光素子は、p型半導体層12、活性層13、n型半導体層15、正電極11、負電極14の構成は基本的に図1〜図3に示した半導体発光素子と同様である一方、上述のように基板16の構成は図1〜図3に示した半導体発光素子と異なっている。そのため、基板16の構成について以下説明する。
<基板>
基板16の材質や特性は、基本的に図1〜図3に示した半導体発光素子における基板16と同様であり、例えば、サファイア、AlN、GaNなどを用いることができる。基板16は、上述のように光取出し面(裏面)に周期凹凸構造21を有する。具体的には、周期凹凸構造21は凸形状部を含み、当該凸形状部は図6および図7に示すような錐体形状である。また、凸形状部は図8に示すように半楕円球形状であってもよい。
また、周期凹凸構造21の配列は、三角格子配列、正方格子配列、六方格子配列等の周期配列方法であればよく、好ましくは、フィリングファクターが最大となる三角格子配列がよい。さらに、周期凹凸構造21は、半導体発光素子の発光波長に対して、0.5倍を超える範囲の周期L1を有していてもよい。また、周期凹凸構造21の高さ(凸形状部の高さH1)は、周期L1に対して1/3倍以上5倍以下の範囲であることが好ましい。
上述した周期凹凸構造21の周期L1の数値範囲の例としては、たとえば上記発光波長の2/3倍以上1000倍以下、あるいは2倍以上100倍以下とすることができる。このようにすれば、より確実に光取り出し効率を向上させつつ製造コストを抑制し、より均一な素子形状と光出力を得ることができる。また、周期凹凸構造21の高さH1は、当該周期L1に対して好ましくは1/2倍以上3倍以下、さらに好ましくは3/4倍以上2倍以下である。このようにしても、より確実に光取り出し効率を向上させつつ製造コストを抑制し、より均一な素子形状と光出力を得ることができる。
さらに、周期凹凸構造21が形成される基板16の裏面には、周期凹凸構造21の表面に、周期凹凸構造21よりも小さい微細凹凸構造22を形成する。微細凹凸構造22は微細凸形状部を含む。微細凹凸構造22は、周期凹凸構造21の凸形状部の表面と、周期凹凸構造21の凹部(凸形状部の間に位置する平坦部)に配置される。微細凹凸構造22の平均直径は、半導体発光素子の発光波長の1/2以下であり、微細凹凸構造22の高さは、平均直径の0.1倍以上10倍以下の範囲であることが好ましい。また、微細凹凸構造22の高さは、より好ましくは0.2倍以上5倍以下、より好ましくは0.5倍以上2倍以下である。微細凹凸構造22の微細凸形状部は、錐体形状または半楕円球形状を有することが好ましい。
上述した微細凹凸構造22の平均直径は、より好ましくは上記発光波長の1/30倍以上2/5倍以下、さらに好ましくは1/10倍以上3/10倍以下である。このようにすれば、より確実に光取り出し効率を向上させることができる。また、微細凹凸構造22の平均高さは、当該平均直径に対して好ましくは0.2倍以上5倍以下、さらに好ましくは0.5倍以上2倍以下である。このようにしても、より確実に光取り出し効率を向上させることができる。
なお、微細凹凸構造22の平均高さは、周期凹凸構造の一周期を一辺の長さとする正方形領域に含まれる微細凹凸構造の高さをそれぞれ測長し、それらの平均値から決定することができる。
次いで、凹凸構造の作製方法について以下に述べる。前記周期凹凸構造21と微細凹凸構造22は、第一にエッチングマスク作製工程(図9の工程(S410))、第二にエッチング工程(図9の工程(S420))、第三にエッチングマスク除去工程(図9の工程(S430))といったプロセスで作製することができる。エッチングマスク作製工程は、基板にエッチングマスクパターンを作製する工程であり、電子線リソグラフィー法、光リソグラフィー法、ナノインプリントリソグラフィー法等を適用することができる。また、エッチング工程でのエッチング選択比を向上させるために、上述した任意の方法によりパターンを有するマスクパターン(たとえばレジストマスク)を形成した後、当該マスクパターンを覆うように金属を堆積させて、その後リフトオフ法によってマスクパターンと共に当該金属の一部を除去することにより、金属のマスクパターンを作製してもよい。
ここで、微細凹凸構造22の形成においては、リフトオフ法で金属のマスクを形成することが好ましく、金属のマスクがニッケル膜により構成されることがさらに好ましい。その理由は、エッチング工程(S420)でエッチングされたニッケル粒子、もしくはニッケルとエッチングガスとの反応物が基板16の裏面に再付着し、ナノサイズのエッチングマスクとして作用して微細凹凸構造22を確実に形成できるためである。
マスクパターンをエッチングマスクとして、基板16の裏面をエッチングして所望のパターンを基板16の裏面に形成する。エッチングの手法は、誘導結合プラズマ(ICP)エッチング、反応性イオンエッチング(RIE)等のドライエッチング、もしくは酸性溶液、またはアルカリ性溶液をエッチング液として用いるウェットエッチング等を適用することができる。ここで、周期性の高いパターンを形成するためには、ドライエッチングを適用する方が好ましい。
ドライエッチングを用いたエッチング工程では、エッチングマスクとしてレジスト等の樹脂材料や金属を用いることができる。さらに、エッチングガスとして反応性ガス、好ましくは塩素系のガスやフッ素系のガス、臭素系のガス、または、エッチングガスに水素、酸素、アルゴン等を混合させたガスも用いることができる。また、微細凹凸構造22を形成するためには、ドライエッチングのガスにフッ素系ガス、特にカーボンを含有するフッ素系ガスを用いることが好ましい。
あるいは、上述したマスク作製工程前に、基板16の裏面をドライエッチングやウェットエッチングによって予め粗面化しておいてもよい。この場合、該粗面上に上述したプロセスによって周期凹凸構造21を形成し、周期凹凸構造21と微細凹凸構造22の組合せを作製することができる。
または、周期凹凸構造21を形成後、金属やセラミックスの微粒子を基板16の裏面(周期凹凸構造21が形成された表面)に配置し、微粒子をエッチングマスクとしてドライエッチングを施してもよい。このようにしても、周期凹凸構造21と微細凹凸構造22の組合せを作製することができる。上記微粒子の配置方法は、微粒子を溶解させた溶媒を基板16の裏面に塗布し乾燥させる方法や、基板16の裏面上に金属薄膜を形成した後、加熱して金属薄膜の金属を凝集させる方法等が挙げられるが、いずれの方法を用いてもよい。
上記の通り、周期凹凸構造21と微細凹凸構造22を共存させる作製手法は様々あるが、プロセスの簡便性等を考慮すると、金属マスクをカーボン含有フッ素系ガスでエッチングする手法がもっとも好ましい。
エッチング工程後、マスク除去工程として、エッチングマスクの残渣を除去する。エッチングマスクの残渣の除去方法については、実施の形態1で示した方法を用いることができる。
また、周期凹凸構造21と微細凹凸構造22との組合せの上に、樹脂やガラス、石英などの封止部を形成してもよい。さらに封止部の表面に、周期凹凸構造21と微細凹凸構造22の組合せ、または周期凹凸構造21もしくは微細凹凸構造22を形成してもよい。
上述した本実施の形態に係る半導体発光素子は、図9に示すような製造工程により製造される。すなわち、図9を参照して、基板準備工程(S100)〜電極形成工程(S300)を実施する。これらの工程(S100)〜(S300)は、基本的に図5に示した工程(S10)〜(S30)と同様に実施することができる。
その後、凹凸構造形成工程(S400)を実施する。この工程(S400)では、まずマスク形成工程(S410)を実施する。この工程(S410)では、上述のようにリソグラフィー法等を用いて基板16の裏面上に金属からなるエッチングマスクパターンを形成する。次に、エッチング工程(S420)を実施する。この工程(S420)では、基板16の裏面に対して上記エッチングマスクパターンをマスクとして用いて、カーボン含有フッ素系ガスによりエッチングを行なう。この結果、周期凹凸構造21および微細凹凸構造22が形成される。そして、次にマスク除去工程(S430)を実施する。この工程(S430)では、エッチングマスクの残渣を任意の方法により除去する。このようにして、図6に示した半導体発光素子を得ることができる。
なお、上述した周期凹凸構造21および微細凹凸構造22は、基板16の裏面ではなく、半導体発光素子内において互いに屈折率の異なる2つの層の界面に形成してもよい。この場合も、発光層から出射する光が、当該界面において反射・全反射される割合を低減し、結果的に半導体発光素子の光の取り出し効率を高めることができる。
ここで、上述した実施の形態と一部重複する部分もあるが、本発明の特徴的な構成を列挙する。
すなわち、本発明の一態様は、半導体発光素子の表面(光取出し面の一例である基板16の裏面16A、もしくは基板16の裏面16A上に封止材などの別部材が配置された場合には当該別部材の表面、など)、または半導体発光素子内の屈折率の異なる層同士の界面(たとえば基板16の裏面16A上に樹脂などが配置された場合の裏面16Aと樹脂との界面、もしくは半導体発光素子内の半導体層などにおいて屈折率の互いに異なる層同士の界面など)に、発光波長の0.5倍を超える周期を有する周期凹凸構造21と、発光波長に対し1/2以下の平均直径を有する微細凹凸構造22とが、併せて同一の表面(または界面)上に形成されていることを特徴とする。
この場合、周期凹凸構造21同士の隙間の平坦面部や、周期凹凸構造21表面上に、周期凹凸構造よりも小さなスケールの微細凹凸構造22が形成されているため、周期凹凸構造21が単体で存在する場合と比較して、より表面・界面での屈折率差が緩和され、反射や全反射を抑制することが可能になる。
また、周期凹凸構造21単体の場合では、通常、光取出し効率を高めるために、波長以下程度に小さなスケールの周期凹凸構造21を形成する必要があるが、本実施態様の構造では、波長よりも大きなサイズの周期凹凸構造21でも、微細凹凸構造22と組合わせることで、十分に光取出し効率を高めることが可能である。つまり、発光波長が短波長でも、光取出し構造の作製に掛かるコストを低くし、またプロセスウィンドウが拡がることで、均一な構造を作製することが容易になる。
さらに、周期凹凸構造21の配列パターンが、三角格子状であることが好ましい。
さらに、周期凹凸構造21の形状が、底部から頂点方向(光取出し方向)にいくほど高屈折率媒質の断面面積が減少していくことが好ましい。
さらに、周期凹凸構造21の形状が、凸形状であり、その凸形状が錐体形状または半楕円球形状であることが好ましい。
本発明を以下のものに特定するものではないが、本発明の一態様は、以下の特徴をもつ。
n型III族窒化物半導体層(n型半導体層15)、III族窒化物半導体発光層(活性層13)、およびp型III族窒化物半導体層(p型半導体層12)を有した半導体積層構造を備えることを特徴とする。
フリップチップ構造を有し、III族窒化物半導体発光層から光取出し面側に、発光波長に対し透明性を有する透明性基板(基板16)を備えることを特徴とする。
透明性基板が、窒化アルミニウム(AlN)基板あるいはサファイア基板であることを特徴とする。
発光波長が、450nm以下あるいは350nm以下であることを特徴とする。
周期凹凸構造21の高さが、周期に対し1/3〜5倍の範囲であり、微細凹凸構造22の平均高さが、平均直径に対し1/10〜5倍の範囲であることを特徴とする。
また本発明の別の一態様は、AlN基板(基板16)と、n型III族窒化物半導体層(n型半導体層15)、III族窒化物半導体発光層(活性層13)、およびp型III族窒化物半導体層(p型半導体層12)を有した半導体積層構造を備え、発光波長が350nm以下であり、AlN基板表面上に、発光波長/(AlN基板の屈折率と外部媒質の屈折率との差)に対し1/3〜5倍の範囲の周期を有する周期凹凸構造21が形成されてい
ることを特徴とする。
さらに周期凹凸構造21の配列パターンが、三角格子状であることが好ましい。
さらに周期凹凸構造21の形状が、凸形状であり、その凸形状が錐体形状または半楕円球形状であることが好ましい。
さらに周期凹凸構造21の高さが、周期に対し1/3〜5倍の範囲であることが好ましい。
また、本発明の別の一態様は、上記半導体発光素子の製造方法であり、有機系薄膜を周期的に加工する工程と、有機膜(有機系薄膜)を用いて金属マスクを形成する工程と、マスクを用いてドライエッチング法により、周期凹凸構造21を形成する工程を含むことを特徴とする。
さらに、金属マスクとフッ素系ガスを用いたドライエッチング法により、周期凹凸構造21と微細凹凸構造22とを同時に形成する工程を含むことを特徴とする。
この場合、金属マスクとフッ素系ガスを用いたドライエッチング法により、周期凹凸構造が、人工的に均一・高精度に作製でき、またドライエッチング後の金属マスク剥離を目的とする酸処理により、周期凹凸構造同士の隙間の平坦面部や、周期凹凸構造21表面上に、波長よりも十分小さなスケールの微細凹凸構造22が自発的に形成されるため、一つのプロセスで周期凹凸構造21と微細凹凸構造22とを同時に形成することが可能となる。よって波長と同程度かそれ以上の大きさで、形状の変化が特性に大きな影響を与える周期凹凸構造21は、均一・高精度に作製でき、波長よりも十分小さなスケールで形状変化がそれほど特性に大きな影響を与えない微細凹凸構造22は、自発的に密に形成できる。また、周期凹凸構造21と微細凹凸構造22とは同じ材質から成ることを特徴とする。結果として、加工形状の均一性、プロセスの再現性が高まり、光取出し効率とその均一性を高められるとともに、製造コストを低く抑えることが可能となる。
本発明によれば、スケールの異なる周期凹凸構造21と微細凹凸構造22とを組合わせることによって、基板表面(光取出し面)や界面における反射や全反射を効果的に抑制する。またプロセスウィンドウが拡げられることで、発光波長が短波長でも、高い光取出し効率と、均一な光出力が得られる半導体発光素子を、再現性、生産性高く作製することが可能となる。さらに、本発明では、周期凹凸構造21と微細凹凸構造22とを同時に作製する製造方法により、加工形状の均一性、プロセスの再現性が高まり、光取出し効率とその均一性を高められるとともに、製造コストを低く抑えることが可能となる。
本発明の上記実施形態に係る半導体発光素子の構造に基づいて、図10および図11に示すように実施例1に係る半導体発光素子を作製した。具体的には、単結晶AlNからなる基板16上にMOCVD法によってn型半導体層15、活性層13(発光層)、p型半導体層12を順次成長して得られる発光素子基板に、正電極11、および負電極14を所定の位置に配置した。半導体発光素子の発光層を含むエピタキシャル層は、上記実施の形態と同様のAlGaN系半導体で構成し、素子の発光波長は265nmとした。
作製した半導体発光素子基板のエピタキシャル層とは逆側の基板面(光取出し面)に、電子線レジストを塗布し、半導体発光素子の発光部を覆うようにアライメントして電子線描画することによって、エッチングマスクパターンを作製した。発光部は、直径100μmの円形状の領域であり、発光部の中心を描画中心として、描画領域を900μm×900μmとした。描画パターンは、直径220nm、パターン周期300nm、パターン配列は三角格子配列とした。次いで、エッチングマスクパターンの上に、真空蒸着法によりニッケルを100nm〜500nm堆積させた。ニッケルを堆積させる理由は、上述した実施の形態で説明したとおり、基板16とエッチングマスクパターンとのエッチング選択比を高めるためである。ニッケルの堆積後、半導体発光素子基板を電子線レジストの剥離液に浸漬してレジストおよび当該レジスト上に位置するニッケルを除去した(リフトオフ法)。このようにして、ニッケルからなるマスクパターンを基板16の裏面上に形成した。
続いて、ICPエッチング装置に上記半導体発光素子基板を導入し、三フッ化メタン(CHF)ガスを用いてエッチング処理を10分〜30分間施した。その後、ニッケルのマスクパターンを除去するために、20℃〜30℃の塩酸に半導体発光素子基板を15分間浸漬させた。このとき、半導体発光素子基板の電極金属が塩酸によって腐食することを防止するため、半導体発光素子基板の電極を形成している面には予めフォトレジストを塗布、硬化させて保護膜として用いた。塩酸への浸漬後、超純水で半導体発光素子基板をリンスし、保護膜としてのフォトレジストを剥離液で溶解した。
これにより、円錐底部の直径250nm、周期L1が300nm、高さH1が250nmの錐体構造を有する基板16からなる実施例1の紫外発光の半導体発光素子を作製した。作製した凹凸構造のSEM写真を図12および図13に示す。
実施例1に対する比較例として、基板16に凹凸構造を形成する前の紫外発光の半導体発光素子を準備した(比較例1)。そして、これらの実施例および比較例1の試料について、光出力を測定した。その結果を図14に示す。
図14を参照して、横軸は比較例1を基準とした場合の実施例の光出力比を示し、縦軸はサンプル個数を示す。比較例1の光出力を1.00としたとき、実施例の光出力比の平均値は1.31であった。図14は、実施例1の試料である紫外発光の半導体発光素子の光出力比を表すヒストグラムである。また、実施例1の光出力比の標準偏差は0.031であり、光出力比平均値の2.3%に相当した。すなわち、実施例1の試料は、発光出力のバラつきが極めて小さい半導体発光素子であることが示された。
本発明の上記実施形態に係る半導体発光素子の構造に基づいて、実施例2に係る半導体発光素子を作製した。なお、実施例2に係る半導体発光素子の構成は、基本的には実施例1における半導体発光素子と同様である。すなわち、単結晶AlNからなる基板16上にMOCVD法によってn型半導体層15、活性層13(発光層)、p型半導体層12を順次成長して得られる発光素子基板に、正電極11、および負電極14を所定の位置に配置した。半導体発光素子の発光層を含むエピタキシャル層は、上記実施の形態と同様のAlGaN系半導体で構成し、素子の発光波長は265nmとした。
作製した半導体発光素子ウェハの発光素子層とは逆の基板面(光取出し面)に電子線レジストを塗布し、半導体発光素子の発光部を覆うようにアライメントして電子線描画することによって、エッチングマスクパターンを作製した。発光部は、直径100μmの円領域であり、発光部の中心を描画中心として、描画領域を900μm×900μとした。描画パターンは、直径300nm、パターン周期600nm、パターン配列は正三角格子配列とした。次いで、マスクパターンの上に、真空蒸着法によりニッケルを100nm〜500nm堆積させた。ニッケルを堆積させる理由は、実施例1に記載の理由と同様である。ニッケルの堆積後、半導体発光素子基板を電子線レジストの剥離液に浸漬してレジストおよび当該レジスト上に位置するニッケルを除去した(リフトオフ法)。このようにして、ニッケルからなるマスクパターンを基板16の裏面上に形成した。
続いて、ICPエッチング装置に上記半導体発光素子基板を導入し、三フッ化メタン(CHF)ガスを用いてエッチング処理を30分〜80分間施した。ニッケル膜厚とエッチング時間を調整することで、微細凹凸構造の発現の有無と形状を制御した。最後に、ニッケルのマスクパターンを除去するために、60℃〜90℃に加熱した塩酸に半導体発光素子基板を15分間浸漬させた。このとき、半導体発光素子基板の電極金属が塩酸によって腐食することを防止するため、半導体発光素子基板の電極を形成している面には予めフォトレジストを塗布、硬化させて保護膜として用いた。塩酸浸漬後、超純水でリンスし、保護膜として用いたフォトレジストを剥離液で溶解した。
これにより、円錐底部の直径600nm、周期600nm、高さ550nmの周期凹凸構造と、平均直径52nm、平均高さ52nmの微細凹凸構造とを有する基板からなる実施例2の紫外発光の半導体発光素子を作製した。作製した凹凸構造のSEM写真を図15〜図17に示す。
実施例2に対する比較例として、基板に凹凸構造を形成する前の紫外発光の半導体発光素子を準備した(比較例2)。そして、これらの実施例2および比較例2の試料について、光出力を測定した。その結果を図18に示す。
図18を参照して、横軸は比較例2を基準とした場合の実施例2の光出力比を示し、縦軸はサンプル個数を示す。比較例2の光出力を1.00としたとき、実施例2の光出力比平均値は1.70であった。また、微細凹凸構造のみを有する紫外発光の半導体発光素子を比較例3とすると、比較例2に対する比較例3の光出力比の平均値は1.25であった。この結果、実施例2で作製した周期凹凸構造と微細凹凸構造の両方を有する構造の優位性を示すことができた。図18には、実施例2の試料である紫外発光の半導体発光素子の光出力比を表すヒストグラムである。また、実施例2の光出力比の標準偏差は0.029であり、実施例2の光出力比平均値の1.7%に相当した。すなわち、実施例2の試料も、発光出力のバラつきが極めて小さい半導体発光素子であることが示された。
本発明による半導体発光素子に形成される周期凹凸構造21の効果を確認するべく、以下のようなシミュレーション計算を行なった。すなわち、発光層としてのAlGaN層で発光した光(波長265nm)がAlN基板とAlN基板表面に加工された周期凹凸構造(AlNからなる円錐の2次元周期配列(三角格子))を介して外部(空気)へ取り出される光取出し効率を計算した。また、同様の系において周期凹凸構造が無い場合における光取り出し効率も計算した。
計算は時間領域有限差分法(FDTD法)を用い、初期光源としてダイポール点光源を設定しているが、ダイポールの振動方向や位置を複数変えて計算し平均化(疑似ランダム化)することにより、非コヒーレントな光源を人工的に再現した。屈折率は、AlGaN部について2.43、AlN部について2.29、空気部について1.0を仮定した。発光層から見て光取出し面と反対側(裏面側)については通常p−GaN層により光が吸収されるため、吸収境界とした。その結果を、図19および図20に示す。
図19および図20は、発光層としてのAlGaN層で発光した光(波長265nm)がAlN基板とAlN基板表面に加工された周期凹凸構造(AlNからなる円錐の2次元周期配列(三角格子))を介して外部(空気)へ取り出される光取出し効率を計算し、それを周期凹凸構造が無い場合(フラット面)の結果で規格化した数値(光出力比)を示している。周期凹凸構造の凸形状部(円錐形状部)の底部の幅と周期は一致させた。図19の横軸は周期凹凸構造の周期(単位:nm)を示し、縦軸は光出力比を示す。図19では、アスペクト比の異なる場合ごとにデータを示している。また、図20の横軸はアスペクト比(周期凹凸構造の凸形状部(円錐形状部)の底部の幅に対する凸形状部の高さの比)を示し、縦軸は光出力比を示す。図20では、周期凹凸構造の周期(a)ごとにデータを示している。
図19を参照して、周期が200nm〜450nmの範囲では、アスペクト比1.0の場合が最も光出力比が大きくなっている。また、図20を参照して、アスペクト比が1.0の場合が最も光出力比が大きくなっている。
なお図19および図20は、2次元での計算の結果であるが、3次元での計算とほぼ同様の傾向の結果が得られることを確認している。
本発明による半導体発光素子に形成される周期凹凸構造21の効果を確認するべく、以下のようなシミュレーション計算を行なった。すなわち、発光層としてのAlGaN層で発光した光(波長265nm)がAlN基板とAlN基板表面に加工された周期凹凸構造(AlNからなる円錐の2次元周期配列(三角格子))を介して外部(封止材層)へ取り出される光取出し効率を計算した。また、同様の系において周期凹凸構造が無い場合における光取り出し効率も計算した。なお、計算方法は実施例3と同様である。屈折率は、AlGaN部が2.43、AlN部が2.29、封止材部が1.45を仮定した。封止材部としては、SiOや樹脂などが想定される。そして、他の条件は実施例3と同様とした。
図21および図22は、AlGaN層で発光した光(波長265nm)がAlN基板とAlN基板表面に加工された周期凹凸構造(AlN円錐の2次元周期配列(三角格子))を介して外部(封止材層)へ取り出される光取出し効率を計算し、それをAlN基板表面に周期凹凸構造が無い場合のフラット面から外部(空気層)へ取り出される場合の光取出し効率の計算結果で規格化した数値(光出力比)を示している。
図21の横軸は周期凹凸構造の周期(単位:nm)を示し、縦軸は光出力比を示す。図21では、アスペクト比の異なる場合ごとにデータを示している。また、図22の横軸はアスペクト比を示し、縦軸は光出力比を示す。図22では、周期凹凸構造の周期(a)ごとにデータを示している。
実施例3および実施例4の結果から、例え同じ基板、波長、周期凹凸構造であっても、封止部材などの外部媒質の屈折率により最適な光取出し構造は変化することが分かる。ただし、AlN基板とAlN基板表面に加工された周期凹凸構造からの光の取り出しは、空気もしくは封止材層いずれかへの取り出しの場合が生産工程上好ましく、これらの結果から、周期凹凸構造21の効果を確認できる。
本発明の上記実施形態に係る半導体発光素子の構造に基づいて、実施例5に係る半導体発光素子を作製した。なお、実施例5に係る半導体発光素子の構成は、基本的には実施例1における半導体発光素子と同様である。半導体発光素子の発光層を含むエピタキシャル層は、上記実施の形態と同様のAlGaN系半導体で構成し、素子の発光波長は265nmとした。
作製した半導体発光素子ウェハの発光素子層とは逆の基板面(光取出し面)に電子線レジストを塗布し、半導体発光素子の発光部を覆うようにアライメントして電子線描画することによって、エッチングマスクパターンを作製した。発光部は、直径100μmの円領域であり、発光部の中心を描画中心として、描画領域を900μm×900μmとした。描画パターンは、直径180nm、パターン周期300nm、パターン配列は正三角格子配列とした。次いで、マスクパターンの上に、真空蒸着法によりニッケルを100nm〜500nm堆積させた。ニッケルを堆積させる理由は、実施例1に記載の理由と同様である。ニッケルの堆積後、半導体発光素子基板を電子線レジストの剥離液に浸漬してレジストおよび当該レジスト上に位置するニッケルを除去した(リフトオフ法)。このようにして、ニッケルからなるマスクパターンを基板16の裏面上に形成した。
続いて、実施例2と同様に、ICPエッチング装置に上記半導体発光素子基板を導入し、三フッ化メタン(CHF)ガスを用いてエッチング処理を10分〜80分間施した。実施例5のように実施例2と比べてパターンサイズが小さい構造ではエッチング処理時間は相対的に短くなる。最後に、ニッケルのマスクパターンを除去するために、60℃〜90℃に加熱した塩酸に半導体発光素子基板を15分間浸漬させた。なお、塩酸の温度を調整することで、微細凹凸構造の発現の有無と形状を制御できる。また、実施例2の場合と同様に、半導体発光素子基板の電極金属が塩酸によって腐食することを防止するため、半導体発光素子基板の電極を形成している面には予めフォトレジストを塗布、硬化させて保護膜として用いた。塩酸浸漬後、超純水でリンスし、保護膜として用いたフォトレジストを剥離液で溶解した。
これにより、円錐底部の直径300nm、周期300nm、アスペクト比が1の周期凹凸構造と、平均直径33nm、平均高さ33nmの微細凹凸構造とを有する基板からなる実施例5の紫外発光の半導体発光素子を作製した。
実施例5に対する比較例として、基板に凹凸構造を形成する前の紫外発光の半導体発光素子を準備し、比較例4とした。そして、これらの実施例5および比較例4の試料について、光出力を測定した。その結果を図23に示す。
図23を参照して、横軸は比較例4を基準とした場合の実施例5の光出力比を示し、縦軸はサンプル個数を示す。比較例4の光出力を1.00としたとき、実施例5の光出力比平均値は1.96であった。図23からわかるように、実施例5では高い光出力比が得られており、周期凹凸構造と微細凹凸構造の両方を有する構造の優位性を示すことができた。また、実施例5の光出力比の標準偏差は0.07であり、これは光出力比平均値の3.6%に相当する。このように、実施例5の試料も光出力のバラつきが相対的に小さい半導体発光素子であることが示された。
本発明の上記実施形態に係る半導体発光素子の構造に基づいて、実施例6に係る半導体発光素子を作製した。なお、実施例6に係る半導体発光素子の構成は、基本的には実施例1における半導体発光素子と同様である。また、半導体発光素子の発光層を含むエピタキシャル層の材料および素子の発光波長は上述した実施例5と同様である。
作製した半導体発光素子ウェハの発光素子層とは逆の基板面(光取出し面)に、実施例5と同様に電子線描画によってエッチングマスクパターンを作製した。発光部は、直径100μmの円領域であり、発光部の中心を描画中心として、描画領域を900μm×900μmとした。描画パターンは、直径200nm、パターン周期400nm、パターン配列は正三角格子配列とした。次いで、実施例5と同様に、マスクパターンの上に、真空蒸着法によりニッケルを100nm〜500nm堆積させた。ニッケルの堆積後、半導体発光素子基板を電子線レジストの剥離液に浸漬してレジストおよび当該レジスト上に位置するニッケルを除去した(リフトオフ法)。このようにして、ニッケルからなるマスクパターンを基板16の裏面上に形成した。
続いて、実施例2と同様に、ICPエッチング装置に上記半導体発光素子基板を導入し、三フッ化メタン(CHF)ガスを用いてエッチング処理を10分〜80分間施した。最後に、ニッケルのマスクパターンを除去するために、60℃〜90℃に加熱した塩酸に半導体発光素子基板を15分間浸漬させた。なお、実施例2の場合と同様に、半導体発光素子基板の電極金属が塩酸によって腐食することを防止するため、半導体発光素子基板の電極を形成している面には予めフォトレジストを塗布、硬化させて保護膜として用いた。塩酸浸漬後、超純水でリンスし、保護膜として用いたフォトレジストを剥離液で溶解した。
これにより、円錐底部の直径400nm、周期400nm、アスペクト比が1の周期凹凸構造と、平均直径33nm、平均高さ33nmの微細凹凸構造とを有する基板からなる実施例6の紫外発光の半導体発光素子を作製した。
実施例6に対する比較例として、基板に凹凸構造を形成する前の紫外発光の半導体発光素子を準備し、比較例5とした。そして、これらの実施例6および比較例5の試料について、光出力を測定した。その結果を図24に示す。
図24を参照して、横軸は比較例5を基準とした場合の実施例6の光出力比を示し、縦軸はサンプル個数を示す。比較例5の光出力を1.00としたとき、実施例6の光出力比平均値は1.79であった。図24からわかるように、実施例5と同様に実施例6でも高い光出力比が得られており、周期凹凸構造と微細凹凸構造の両方を有する構造の優位性を示すことができた。また、図24からわかるように、実施例6の試料も実施例5の試料と同様に光出力のバラつきが相対的に小さい半導体発光素子であることが示された。
本発明の上記実施形態に係る半導体発光素子の構造に基づいて、実施例7に係る半導体発光素子を作製した。なお、実施例7に係る半導体発光素子の構成は、基本的には実施例1における半導体発光素子と同様である。また、半導体発光素子の発光層を含むエピタキシャル層の材料および素子の発光波長は上述した実施例5と同様である。
作製した半導体発光素子ウェハの発光素子層とは逆の基板面(光取出し面)に、実施例5と同様に電子線描画によってエッチングマスクパターンを作製した。発光部は、直径100μmの円領域であり、発光部の中心を描画中心として、描画領域を900μm×900μmとした。描画パターンは、直径400nm、パターン周期1000nm、パターン配列は正三角格子配列とした。次いで、実施例5と同様に、マスクパターンの上に、真空蒸着法によりニッケルを100nm〜500nm堆積させた。ニッケルの堆積後、半導体発光素子基板を電子線レジストの剥離液に浸漬してレジストおよび当該レジスト上に位置するニッケルを除去した(リフトオフ法)。このようにして、ニッケルからなるマスクパターンを基板16の裏面上に形成した。
続いて、実施例2と同様に、ICPエッチング装置に上記半導体発光素子基板を導入し、三フッ化メタン(CHF)ガスを用いてエッチング処理を10分〜80分間施した。なお、実施例5のようなパターンサイズが相対的に小さい構造では上記エッチング処理時間は短く、逆に実施例7のようにパターンサイズが相対的に大きい構造では上記エッチング処理時間は長くなる。
最後に、ニッケルのマスクパターンを除去するために、60℃〜90℃に加熱した塩酸に半導体発光素子基板を15分間浸漬させた。なお、実施例2の場合と同様に、半導体発光素子基板の電極金属が塩酸によって腐食することを防止するため、半導体発光素子基板の電極を形成している面には予めフォトレジストを塗布、硬化させて保護膜として用いた。塩酸浸漬後、超純水でリンスし、保護膜として用いたフォトレジストを剥離液で溶解した。
これにより、円錐底部の直径1000nm、周期1000nm、アスペクト比が1の周期凹凸構造と、平均直径33nm、平均高さ33nmの微細凹凸構造とを有する基板からなる実施例7の紫外発光の半導体発光素子を作製した。
実施例7に対する比較例として、基板に凹凸構造を形成する前の紫外発光の半導体発光素子を準備し、比較例6とした。そして、これらの実施例7および比較例6の試料について、光出力を測定した。その結果を図25に示す。
図25を参照して、横軸は比較例6を基準とした場合の実施例7の光出力比を示し、縦軸はサンプル個数を示す。比較例6の光出力を1.00としたとき、実施例7の光出力比平均値は1.69であった。図25からわかるように、実施例5と同様に実施例7でも高い光出力比が得られており、周期凹凸構造と微細凹凸構造の両方を有する構造の優位性を示すことができた。また、図25からわかるように、実施例7の試料も実施例5の試料と同様に光出力のバラつきが相対的に小さい半導体発光素子であることが示された。
実施例8に係る半導体発光素子として、上記実施例1の半導体発光素子ウェハの光取出し面に作製した周期凹凸構造(パターン周期が300nm)の周期を600nmとしたものを作製した。また、アスペクト比を1に固定するため、直径および高さは上記パターン周期に合わせた。なお、上記実施例8に係る半導体発光素子は、上記パターン周期、直径、および高さ以外は全て実施例1に係る半導体発光素子と同様である。また、作製条件も、エッチングの処理の処理時間を30分〜80分とする以外は、実施例1と同様である。
このようにして、実施例8に係る半導体発光素子として、円錐底部の直径600nm、周期600nm、高さ600nmの周期凹凸構造を有する基板からなる紫外発光の半導体発光素子を作製した。
実施例8に対する比較例として、基板に凹凸構造を形成する前の紫外発光の半導体発光素子を準備し、比較例7とした。そして、この実施例8および比較例7の試料について、光出力を測定した。その結果を図26に示す。
図26を参照して、横軸は比較例7を基準とした場合の実施例8の光出力比を示し、縦軸はサンプル個数を示す。比較例7の光出力を1.00としたとき、実施例8の光出力比平均値は1.44であった。ここで、同一の周期凹凸構造(周期600nm)を有する実施例2、実施例8、さらに周期凹凸構造を有さない比較例7とを比べると、光出力比は実施例2>実施例8>比較例7の順に小さくなり、周期凹凸構造と微細凹凸構造の両方を有する構造の優位性を示すことができた。
実施例9に係る半導体発光素子として、上記実施例1の半導体発光素子ウェハの光取出し面に作製した周期凹凸構造(パターン周期が300nm)の周期を1000nmとしたものを作製した。また、アスペクト比を1に固定するため、直径および高さは上記パターン周期に合わせた。なお、上記実施例9に係る半導体発光素子は、上記パターン周期、直径、および高さ以外は全て実施例1に係る半導体発光素子と同様である。また、作製条件も、エッチングの処理の処理時間を30分〜80分とする以外は、実施例1と同様である。
このようにして、実施例9に係る半導体発光素子として、円錐底部の直径1000nm、周期1000nm、高さ1000nmの周期凹凸構造を有する基板からなる紫外発光の半導体発光素子を作製した。
実施例9に対する比較例として、基板に凹凸構造を形成する前の紫外発光の半導体発光素子を準備し、比較例8とした。そして、この実施例9および比較例8の試料について、光出力を測定した。その結果を図26に示す。
図26を参照して、横軸は比較例8を基準とした場合の実施例9の光出力比を示し、縦軸はサンプル個数を示す。比較例8の光出力を1.00としたとき、実施例9の光出力比平均値は1.26であった。ここで、同一の周期凹凸構造(周期1000nm)を有する実施例7、実施例9、さらに周期凹凸構造を有さない比較例8とを比べると、光出力比は実施例7>実施例9>比較例8の順に小さくなり、周期凹凸構造と微細凹凸構造の両方を有する構造の優位性を示すことができた。
また、上述した実施例1、実施例8、および実施例9について得られた光出力比は、図27に示す通り、実施例3で示した計算結果とよく一致している。これは、シミュレーション計算から得られた光取出し構造の最適化に関する指針の妥当性を裏付けるものである。また、図27には、実施例2、実施例5〜実施例7について得られた光出力比も合わせてプロットしている。なお、図27の横軸は凹凸構造の配列周期(単位:nm)を示し、縦軸は光出力比を示している。
図27からもわかるように、周期凹凸構造の配列周期に対する光出力比の傾向は、シミュレーション計算結果とほぼ一致している。すなわち、図27から、光出力比の絶対値の増加分は、微細凹凸構造の付加による光取出し効率の向上効果によるものであることが裏付けられる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、短波長の光を出射する半導体発光素子に特に有利に適用される。
11 正電極、12 p型半導体層、13 活性層、14 負電極、15 n型半導体層、16 基板、16A 裏面、21 周期凹凸構造、22 微細凹凸構造。

Claims (10)

  1. 発光層を含む半導体層を備えた半導体発光素子であって、
    前記半導体発光素子の表面は光取出し面を含み、
    前記光取出し面および前記半導体発光素子内において互いに屈折率の異なる2つの層の界面の少なくともいずれか一方には、前記発光層から出射される光の波長の0.5倍を超える周期を有する周期凹凸構造と、前記周期凹凸構造の表面上に位置し、前記光の前記波長の0.5倍以下である平均直径を有する微細凹凸構造とが形成されており
    前記周期凹凸構造の凹部上に形成される前記微細凹凸構造の微細凹凸の密度は、前記周期凹凸構造の凸部上に形成される前記微細凹凸構造の前記微細凹凸の密度よりも大きい、半導体発光素子。
  2. 前記周期凹凸構造の配列パターンは三角格子状である、請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記周期凹凸構造は、空気より屈折率の高い高屈折率材料部を含み、
    前記発光層から前記光取出し面に向かう方向に対して垂直な面における前記高屈折率材料部の断面積は、前記発光層から離れるほど小さくなる、請求項1または請求項2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記高屈折率材料部は、空気より屈折率の高い高屈折率材料からなる凸部を含み、
    前記凸部の形状は、錐体形状または半楕円球形状である、請求項3に記載の半導体発光素子。
  5. 前記発光層はIII族窒化物半導体を含み、
    前記半導体層は、
    導電型がn型であるn型III族窒化物半導体層と、
    前記発光層から見て前記n型III族窒化物半導体層と反対側に位置し、導電型がp型であるp型III族窒化物半導体層とを含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  6. 前記発光層から前記光取出し面側に配置され、前記発光層から出射される前記光に対し透明性を有する透明性基板を備える、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  7. 前記透明性基板が、窒化アルミニウム基板である、請求項6に記載の半導体発光素子。
  8. 前記周期凹凸構造は、前記光の前記波長を超える前記周期を有し、
    前記光の前記波長は350nm以下である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  9. 前記周期凹凸構造の高さは、前記周期凹凸構造の周期に対し1/3倍以上5倍以下であり、
    前記微細凹凸構造の平均高さは、前記微細凹凸構造の前記平均直径に対し0.1倍以上10倍以下である、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の半導体発光素子。
  10. 発光層を有する半導体層を含む半導体発光素子となるべき素子部材を準備する工程と、
    前記素子部材において、前記半導体発光素子の光取出し面となるべき領域上に、パターンを有するマスク層を形成する工程と、
    前記マスク層をマスクとして用いて、エッチングにより前記光取出し面となるべき領域を部分的に除去することにより、周期凹凸構造を形成する工程とを備え、
    前記マスク層は金属マスク層であり、
    前記周期凹凸構造を形成する工程では、フッ素系ガスをエッチングガスとして用いたドライエッチングを行なうことにより、前記周期凹凸構造を形成するとともに、前記周期凹凸構造の表面に微細凹凸構造を形成し、
    前記周期凹凸構造は、前記発光層から出射される光の波長の0.5倍を超える周期を有し、
    前記微細凹凸構造は、前記光の前記波長の0.5倍以下である平均直径を有する、半導体発光素子の製造方法。
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