JP6521443B2 - 深紫外光を放射する半導体発光素子、該半導体発光素子を備える発光モジュール、及び該半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

深紫外光を放射する半導体発光素子、該半導体発光素子を備える発光モジュール、及び該半導体発光素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、深紫外光を放射する半導体発光素子、該半導体発光素子を備える発光モジュール、及び該半導体発光素子の製造方法に関する。
従来、深紫外光を放射する半導体発光素子が知られている(非特許文献1)。また、可視または赤外の光を放射する半導体発光素子では、半導体発光素子の光取り出し効率を向上させるために、半導体発光素子の基板の側面を傾斜させることが知られている(非特許文献2、非特許文献3)。
James R. Grandusky、外8名、「270 nm Pseudomorphic Ultraviolet Light-Emitting Diodes with Over 60 mW Continuous Wave Output Power」、Applied Physics Express、2013年2月26日、第6巻、p.032101 M. R. Krames、外12名、「High-power truncated-inverted-pyramid (AlxGa1-x)0.5In0.5P/GaP light-emitting diodes exhibiting >50% external quantum efficiency」、Applied Physics Letters、1999年10月18日、第75巻、第16号、p.2365−2367 U. Strauss、外8名、「Progress of InGaN Light Emitting Diodes on SiC」、Physica Status Solidi (c)、2002年、第0巻、第1号 p.276−279
半導体発光素子の基板は、可視及び赤外の光よりも、格段に多くの深紫外光を吸収する。そのため、非特許文献1に記載された深紫外光を放射する半導体発光素子では、深紫外光の取り出し効率を高めるために、基板をできる限り薄くしている。しかし、非特許文献1に記載の深紫外光を放射する半導体発光素子は、依然として、深紫外光の取り出し効率が低い。他方、非特許文献2及び3に記載された可視及び赤外の光を放射する半導体発光素子では、可視及び赤外の光が基板で吸収されることを無視し得る。そのため、可視及び赤外の光を放射する半導体発光素子では、半導体発光素子から放射された光が基板で吸収されることが全く考慮されておらず、厚い基板が用いられている。これに対し、半導体発光素子の基板は、可視及び赤外の光よりも、格段に多くの深紫外光を吸収する。そのため、可視及び赤外の光を放射する半導体発光素子に用いられていた技術を、深紫外光を放射する半導体発光素子にそのまま適用すると、多くの深紫外光が基板で吸収されてしまい、深紫外光を放射する半導体発光素子の光取り出し効率を十分に向上させることができないことが、我々の検討の結果明らかになった。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、向上した光取り出し効率を有する、深紫外光を放射する半導体発光素子及びその製造方法を提供することである。
本発明の別の目的は、向上した光取り出し効率を有する、深紫外光を放射する半導体発光素子を備える発光モジュールを提供することである。
本発明の深紫外光を放射する半導体発光素子は、第1の主面と、第1の主面と反対側の第2の主面と、第1の主面と第2の主面との間に延在する側面とを有する基板と、基板の第1の主面上に設けられた活性層とを備え、基板の第1の主面と少なくとも一部の側面とがなす角の補角θは、20°以上70°以下、または、100°以上140°以下であり、基板の光吸収係数α(cm-1)及び基板の厚さt(μm)は、340exp(−0.16α)≦t≦3200α-0.7を満たす。
本発明の深紫外光を放射する半導体発光素子の製造方法は、第1の主面と、第1の主面と反対側の第2の主面とを有するウエハの光吸収係数α(cm-1)を求めることと、ウエハの第1の主面上に活性層を形成することと、ウエハの光吸収係数α(cm-1)及びウエハの厚さt(μm)が、340exp(−0.16α)≦t≦3200α-0.7を満たすように、ウエハの厚さtを定めることと、ウエハを、複数の基板に分割することとを備える。複数の基板のそれぞれは、活性層が形成された第1の主面と、第1の主面と反対側の第2の主面と、第1の主面と第2の主面との間に延在する側面とを有する。本発明の深紫外光を放射する半導体発光素子の製造方法は、さらに、基板の第1の主面と基板の少なくとも一部の側面とがなす角の補角が、20°以上70°以下、または、100°以上140°以下になるように、基板の少なくとも一部の側面を加工することを備える。
本発明の発光モジュールは、上記のような半導体発光素子と、半導体発光素子を支持する支持部材と、半導体発光素子を収容するパッケージとを備える。パッケージは、半導体発光素子から放射される光に対して透明な透明部材を有する。
本発明の半導体発光素子によれば、向上した光取り出し効率を有する、深紫外光を放射する半導体発光素子を提供することができる。
本発明の半導体発光素子の製造方法によれば、向上した光取り出し効率を有する、深紫外光を放射する半導体発光素子を製造する方法を提供することができる。
本発明の発光モジュールによれば、向上した光取り出し効率を有する、深紫外光を放射する半導体発光素子を備える発光モジュールを提供することができる。
実施の形態1に係る半導体発光素子(θ<90°)の概略断面図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子(θ>90°)の概略断面図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板が、窒化アルミニウムで形成されるとともに、1cm-1の光吸収係数α、2.29の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子(θ<90°)の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板が、窒化アルミニウムで形成されるとともに、1cm-1の光吸収係数α、2.29の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子(θ>90°)の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板が、窒化アルミニウムで形成されるとともに、3cm-1の光吸収係数α、2.29の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子(θ<90°)の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板が、窒化アルミニウムで形成されるとともに、3cm-1の光吸収係数α、2.29の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子(θ>90°)の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板が、窒化アルミニウムで形成されるとともに、9cm-1の光吸収係数α、2.29の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子(θ<90°)の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板が、窒化アルミニウムで形成されるとともに、9cm-1の光吸収係数α、2.29の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子(θ>90°)の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板が、窒化アルミニウムで形成されるとともに、20cm-1の光吸収係数α、2.29の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子(θ<90°)の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板が、窒化アルミニウムで形成されるとともに、20cm-1の光吸収係数α、2.29の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子(θ>90°)の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板が、窒化アルミニウムで形成されるとともに、30cm-1の光吸収係数α、2.29の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子(θ<90°)の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板が、窒化アルミニウムで形成されるとともに、30cm-1の光吸収係数α、2.29の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子(θ>90°)の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板が、窒化アルミニウムで形成されるとともに、40cm-1の光吸収係数α、2.29の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子(θ<90°)の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板が、窒化アルミニウムで形成されるとともに、40cm-1の光吸収係数α、2.29の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子(θ>90°)の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板が、窒化アルミニウムで形成されるとともに、5.6cm-1の光吸収係数α、2.18の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子(θ<90°)の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板が、窒化アルミニウムで形成されるとともに、5.6cm-1の光吸収係数α、2.18の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子(θ>90°)の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板が窒化アルミニウムで形成される場合の、光吸収係数αと基板の厚さtとの関係のシミュレーション結果を示す図である。 (A)は、実施の形態1に係る半導体発光素子(θ<90°)の基板の第1の主面の中央部の発光点から放射される光線を示す図である。(B)は、実施の形態1に係る半導体発光素子(θ>90°)の基板の第1の主面の中央部の発光点から放射される光線を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板が、サファイアで形成されるとともに、9cm-1の光吸収係数α、1.88の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子(θ<90°)の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板が、サファイアで形成されるとともに、9cm-1の光吸収係数α、1.88の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子(θ>90°)の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板が、サファイアで形成されるとともに、1cm-1の光吸収係数α、1.80の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子(θ<90°)の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板が、サファイアで形成されるとともに、1cm-1の光吸収係数α、1.80の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子(θ>90°)の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の基板がサファイアで形成される場合の、光吸収係数αと基板の厚さtとの関係のシミュレーション結果を示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の製造方法のフローチャートを示す図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の製造方法における一つの工程を示す概略部分断面図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の製造方法における、図25の次の工程を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の製造方法における、図26の次の工程を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の製造方法における、図27の次の工程を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の製造方法における、図28の次の工程を示す概略断面図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子の製造方法における、図29の次の工程を示す概略斜視図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子(θ<90°)の製造方法における、図30に示す断面線XXXI−XXXIにおける概略断面図である。 実施の形態1に係る半導体発光素子(θ>90°)の製造方法における、図30に示す断面線XXXII−XXXIIにおける概略断面図である。 (A)は、実施の形態1の第1の変形例に係る半導体発光素子(θ1、θ2<90°)の概略断面図である。(B)は、実施の形態1の第1の変形例に係る半導体発光素子(θ1、θ2>90°)の概略断面図である。 (A)は、実施の形態1の第2の変形例に係る半導体発光素子(θ1<90°)の概略断面図である。(B)は、実施の形態1の第2の変形例に係る半導体発光素子(θ1>90°)の概略断面図である。 (A)は、実施の形態1の第3の変形例に係る半導体発光素子(θ1<90°)の概略断面図である。(B)は、実施の形態1の第3の変形例に係る半導体発光素子(θ1>90°)の概略断面図である。 実施の形態2に係る半導体発光素子(θ<90°)の概略断面図である。 実施の形態2に係る半導体発光素子(θ>90°)の概略断面図である。 実施の形態2に係る半導体発光素子の製造方法のフローチャートを示す図である。 実施の形態3に係る発光モジュールの概略断面図である。 実施の形態4に係る発光モジュールの概略断面図である。 実施の形態5に係る発光モジュールの概略断面図である。 実施の形態6に係る発光モジュールの概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。特に説明しない限り、同一の構成には同一の符号を付し、説明を繰り返さない。
(実施の形態1)
図1及び図2を参照して、実施の形態1に係る深紫外光を放射する半導体発光素子1は、主に、基板11と、n型半導体層12と、活性層13と、p型半導体層14と、n型電極15と、p型電極16とを備える。
基板11は、第1の主面11aと、第1の主面11aと反対側の第2の主面11bと、第1の主面11aと第2の主面11bとの間に延在する側面11cとを有する。第2の主面11bは、出射面であってもよい。半導体発光素子1の光取り出し効率を向上させるために、基板11は、半導体発光素子1が放射する深紫外光の波長に対して、例えば50%以上のような、高い透過率を有することが好ましい。基板11の材料として、窒化アルミニウム(AlN)、サファイア(Al23)を例示することができる。基板11は、物理的蒸気輸送(PVT)、ハイドライド気相成長(HVPE)のような方法によって製造されてもよい。ハイドライド気相成長(HVPE)によって製造された窒化アルミニウム(AlN)からなる基板11は、基板11の製造条件に依るが、例えば、330nm、265nm、220nmの波長において、それぞれ、5.6cm-1、9.0cm-1、14.5cm-1の光吸収係数αを有する。サファイア(Al23)からなる基板11は、基板11の製造方法及び製造条件に依るが、例えば、265nm、220mの波長において、それぞれ、1cm-1、9cm-1の光吸収係数αを有する。基板11は、半導体発光素子1から放射される深紫外光の波長において、1cm-1以上、好ましくは、0.1cm-1以上、さらに好ましくは0.01cm-1以上の光吸収係数αを有してもよい。
基板11の厚さの範囲は、後述するように、深紫外光に対する基板11の光吸収係数によって主に定まる。基板11は、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上の厚さを有してもよい。基板11の厚さは、基板11の第1の主面11aと第2の主面11bとの最短距離で定義される。基板11は50μm以上の厚さを有するため、半導体発光素子1の機械的強度が向上して、半導体発光素子1の取り扱いが容易になる。基板11は50μm以上の厚さを有するため、基板11が割れにくくなる。基板11は50μm以上の厚さを有するため、基板11と、活性層13を含む半導体層、n型電極15及びp型電極16との間の熱膨張係数の差に起因して発生する応力等により、基板11が反ることを抑制することができる。基板11の機械的な強度の向上及び基板11の反りの抑制は、半導体発光素子1の作製プロセスにおいて歩留りが低下すること、並びに、半導体発光素子1の信頼性及び品質が低下することを防ぐことができる。基板11を50μm以上に厚くできることは、基板11の厚みを薄くするプロセスを省略したり、基板11の厚みを薄くするプロセスに要する時間を短くすることができる。そのため、半導体発光素子1の製造コストを抑制し、半導体発光素子1の生産スループットを向上させることができる。
基板11の側面11cは、基板11の第1の主面11aに対して傾斜している。本実施の形態では、基板11の側面11cの全てが、基板11の第1の主面11aに対して同じ角度で傾斜している。特定的には、基板11の第1の主面11aと側面11cとがなす角βの補角θは、20°以上70°以下、または、100°以上140°以下である。図1は、90°より小さい補角θを有する半導体発光素子1を示す。θ<90°である場合には、補角θは、20°以上70°以下、好ましくは20°以上60°以下、さらに好ましくは30°以上60°以下であってもよい。図2は、90°より大きい補角θを有する半導体発光素子1を示す。θ>90°である場合には、補角θは、100°以上140°以下、好ましくは110°以上140°以下であってもよい。θ>90°である場合には、基板11の厚さtは、t≦0.5wtan(180−θ)であることが好ましい。ここで、wは、基板11の第1の主面11aにおける幅である。t>0.5wtan(180−θ)であると、基板11の形状が逆三角形となり、実質的に基板11の厚さtが小さくなるからである。
基板11の第1の主面11aの上に、n型半導体層12が設けられる。n型半導体層12は、AlInGaNからなる窒化物半導体から構成されてもよい。より特定的には、n型半導体層12は、Alx1Iny1Gaz1N(x1、y1、z1は、0≦x1≦1.0、0≦y1≦0.1、0≦z1≦1.0を満たす有理数とし、x1+y1+z1=1.0である)から構成されてもよい。n型半導体層12は、珪素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、酸素(O)、炭素(C)のようなn型不純物を含むことが好ましい。n型半導体層12におけるn型不純物の濃度は、1.0×1017cm-3以上1.0×1020cm-3以下、好ましくは、1.0×1018cm-3以上1.0×1019cm-3以下であってもよい。n型半導体層12は、100〜10000nm、好ましくは500〜3000nmの膜厚を有してもよい。基板11の側面11cと同様に、n型半導体層12の側面は、基板11の第1の主面11aに対して傾斜してもよい。
n型半導体層12によって活性層13に電子及び正孔を閉じ込めるとともに、活性層13から放射される深紫外光がn型半導体層12によって吸収されることを抑制するために、n型半導体層12は、活性層13から放射される深紫外光のエネルギーよりも大きなバンドギャップエネルギーを有することが好ましい。n型半導体層12は、活性層13よりも低い屈折率を有し、クラッド層として機能してもよい。n型半導体層12は、単層から構成されてもよいし、Al組成、In組成、もしくはGa組成が互いに異なる複数層から構成されてもよい。Al組成、In組成、もしくはGa組成が互いに異なる複数層は、超格子構造、または、その組成が徐々に変化する傾斜組成構造を有してもよい。
n型半導体層12の上に、活性層13が設けられる。半導体発光素子1は、190nm以上350nm以下の波長を有する深紫外光を放射する。半導体発光素子1は、好ましくは200nm以上320nm以下、より好ましくは220nm以上300nm以下の波長を有する深紫外光を放射してもよい。特定的には、半導体発光素子1の活性層13から、190nm以上350nm以下の波長を有する深紫外光が放射される。本明細書において、半導体発光素子1から放射される深紫外光の波長は、半導体発光素子1から放射される深紫外光のピーク発光波長を意味してもよい。
活性層13は、AlInGaNからなる窒化物半導体から構成されてもよい。より特定的には、活性層13は、Alx2Iny2Gaz2N(x2、y2、z2は、0≦x2≦1.0、0≦y2≦0.1、0≦z2≦1.0を満たす有理数とし、x2+y2+z2=1.0である)から構成される井戸層と、井戸層よりもバンドギャップエネルギーが大きいAlx3Iny3Gaz3N(x3、y3、z3は、0≦x3≦1.0、0≦y3≦0.1、0≦z3≦1.0を満たす有理数とし、x3+y3+z3=1.0である)から構成される障壁層とを含む多重量子井戸(MQW)構造を有してもよい。n型半導体層12及びp型半導体層14によって活性層13に電子及び正孔を閉じ込めるために、活性層13は、n型半導体層12及びp型半導体層14よりも小さなバンドギャップエネルギーを有することが好ましい。活性層13は、n型半導体層12及びp型半導体層14よりも高い屈折率を有してもよい。
活性層13の上に、p型半導体層14が設けられる。p型半導体層は、活性層13側に位置する第1のp型半導体層14aと、活性層13と反対側に位置する第2のp型半導体層14bとから構成されてもよい。
第1のp型半導体層14aは、AlInGaNからなる窒化物半導体から構成されてもよい。より特定的には、第1のp型半導体層14aは、Alx4Iny4Gaz4N(x4、y4、z4は、0≦x4≦1.0、0≦y4≦0.1、0≦z4≦1.0を満たす有理数とし、x4+y4+z4=1.0である)から構成されてもよい。第1のp型半導体層14aは、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)のようなp型不純物を含むことが好ましい。第1のp型半導体層14aにおけるp型不純物の濃度は、1.0×1017cm-3以上、好ましくは、1.0×1018cm-3以上であってもよい。第1のp型半導体層14aは、5〜1000nm、好ましくは10〜500nm以下の膜厚を有してもよい。
第1のp型半導体層14aによって活性層13に電子及び正孔を閉じ込めるとともに、活性層13から放射される深紫外光が第1のp型半導体層14aによって吸収されることを抑制するために、第1のp型半導体層14aは、活性層13から放射される深紫外光のエネルギーよりも大きなバンドギャップエネルギーを有してもよい。第1のp型半導体層14aは、活性層13よりも低い屈折率を有し、クラッド層として機能してもよい。第1のp型半導体層14aは、単層から構成されてもよいし、Al組成、In組成、もしくはGa組成が互いに異なる複数層から構成されてもよい。Al組成、In組成、もしくはGa組成が互いに異なる複数層は、超格子構造、または、その組成が徐々に変化する傾斜組成構造を有してもよい。
第2のp型半導体層14bは、AlInGaNからなる窒化物半導体から構成されてもよい。より特定的には、第2のp型半導体層14bは、Alx5Iny5Gaz5N(x5、y5、z5は、0≦x5≦1.0、0≦y5≦0.1、0≦z5≦1.0を満たす有理数とし、x5+y5+z5=1.0である)から構成されてもよい。第2のp型半導体層14bは、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、ベリリウム(Be)のようなp型不純物を含むことが好ましい。第2のp型半導体層14bは、第1のp型半導体層14aよりも高いp型伝導度を有し、p型コンタクト層として機能してもよい。第2のp型半導体層14bにおけるp型不純物の濃度は、1.0×1017cm-3以上、好ましくは、1.0×1018cm-3以上であってもよい。活性層13から放射される深紫外光が第2のp型半導体層14bによって吸収されることを抑制するためと、第2のp型半導体層14bにおいて良好なp型コンタクトを得るために、第2のp型半導体層14bは、1〜500nmの膜厚を有してもよい。
第1のp型半導体層14aと第2のp型半導体層14bとが窒化物半導体から構成される場合には、窒化物半導体のAl組成が小さくバンドギャップが小さいほど、第2のp型半導体層14bから活性層13により均一に正孔を注入することができ、良好なp型コンタクト特性を得ることができる。そのため、第2のp型半導体層14bは、小さなAl組成比を有してもよい。活性層13から放射される深紫外光が第2のp型半導体層14bによって吸収されることを抑制するために、第2のp型半導体層14bは、活性層13から放射される深紫外光のエネルギーよりも大きなバンドギャップエネルギーを有してもよい。
n型電極15は、n型半導体層12の露出面に設けられる。n型半導体層12の露出面は、基板11の上に、n型半導体層12、活性層13、及びp型半導体層14を積層した後、n型半導体層12の一部と、活性層13と、p型半導体層14とを部分的に除去することによって、n型半導体層12が露出した面を意味する。p型電極16は、p型半導体層14の表面、より特定的には、p型コンタクト層として機能してもよい第2のp型半導体層14bの表面に設けられる。
図3から図16に、基板11が窒化アルミニウム(AlN)で形成されるとともに、所定の光吸収係数α、所定の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板11の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子1の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す。図3から図16のそれぞれにおける半導体発光素子1の規格化光取り出し効率は、所定の光吸収係数α、所定の屈折率n、厚さtと、補角θとを有する基板11を備える半導体発光素子1の光取り出し効率を、当該所定の光吸収係数αと当該所定の屈折率nを有する基板11を備える半導体発光素子の光取り出し効率の最大値で割った値として定義される。例えば、図3及び図4を参照して、基板の屈折率nが2.29であり、基板11の光吸収係数α=1cm-1である場合には、補角θが20°である半導体発光素子1の光取り出し効率が最大となる。そこで、基板の屈折率nが2.29であり、基板11の光吸収係数α=1cm-1であり、補角θを有する半導体発光素子1の光取り出し効率を、基板の屈折率nが2.29であり、基板11の光吸収係数α=1cm-1であり、補角θが20°である半導体発光素子1の最大光取り出し効率で割った値が、図3及び図4に示されている。
図3、5、7、9、11、13は、それぞれ、図1に示されるように補角θが90°より小さく、窒化アルミニウムで形成された基板の屈折率nが2.29であり、基板11の光吸収係数α=1cm-1、3cm-1、9cm-1、20cm-1、30cm-1、40cm-1である場合の、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す。基板11の屈折率nは、基板11に入射する光の波長によってほぼ決まる。窒化アルミニウム(AlN)は、265nmの波長を有する深紫外光に対して、2.29の屈折率を有する。これに対し、基板11の光吸収係数αは、基板11に入射する光の波長及び基板11の製造方法等によって変化する。図3、5、7、9、11、13は、基板11の光吸収係数αを変化させたときの、265nmの波長を有する深紫外光を放射する半導体発光素子1の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を表す。
図3、5、7、9、11、13を参照して、20°以上70°以下の補角θを有する基板11を備える本実施の形態の半導体発光素子1の規格化光取り出し効率は、90°の補角θを有する基板を備える比較例の半導体発光素子の規格化光取り出し効率より大きくなる。20°以上70°以下の補角θを有する基板11を備える本実施の形態の半導体発光素子1は、90°の補角θを有する基板を備える比較例の半導体発光素子の光取り出し効率よりも、向上した光取り出し効率を有する。第一に、基板11の第1の主面11aに対して基板11の側面11cを補角θで傾斜させることによって、基板11の側面11cの面積が大きくなるからである。第二に、基板11の第1の主面11aに対して基板11の側面11cを補角θで傾斜させることによって、基板11の側面11cで全反射される深紫外光の割合、及び基板11の側面11cで全反射された深紫外光が基板11の第2の主面11bでさらに全反射される深紫外光の割合を急速に減少するからである。
図3、5、7、9、11、13を参照して、20°以上70°以下の補角θを有する本実施の形態の半導体発光素子1が小さな厚さtを有する基板11を備えるとき、基板11の厚さtが増加するにつれて、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率が向上する。基板11の厚さtが増加するほど、傾斜した基板11の側面11cの面積が大きくなる。そのため、基板11の厚さtが増加するほど、活性層13から基板11の側面11cに入射する深紫外光の割合が増加する。基板11の厚さtが増加することによる、基板11の側面11cから出射される深紫外光の増加が、基板11の厚さtが増加することによる、基板11における深紫外光の吸収の増加よりも大きいため、基板11の厚さtが増加するにつれて、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率が向上する。半導体発光素子1の規格化光取り出し効率は、ある基板11の厚さtmaxにおいて最大となり、基板11の厚さtがさらに大きくなると、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率は減少する。基板11の厚さtがtmaxより大きい場合には、基板11の厚さtが増加することによる、基板11の側面11cから出射される深紫外光の増加よりも、基板11の厚さtが増加することによる、基板11における深紫外光の吸収の増加が大きくなるためである。以上に述べた、基板11の厚さtに対する半導体発光素子1の規格化光取り出し効率の変化は、基板11による光の吸収を無視することができない深紫外光を放射する半導体発光素子1に特有であり、基板による光の吸収が無視できるほど小さい可視または赤外の光を放射する半導体発光素子では見られない。
図4、6、8、10、12、14は、それぞれ、図2に示されるように補角θが90°より大きく、窒化アルミニウムで形成された基板の屈折率nが2.29であり、基板11の光吸収係数α=1cm-1、3cm-1、9cm-1、20cm-1、30cm-1、40cm-1である場合の、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率を示す。図4、6、8、10、12、14は、基板11の光吸収係数αを変化させたときの、265nmの波長を有する深紫外光を放射する半導体発光素子1の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を表す。
図4、6、8、10、12、14を参照して、100°以上140°以下の補角θを有する基板11を備える本実施の形態の半導体発光素子1の規格化光取り出し効率は、90°の補角θを有する基板を備える比較例の半導体発光素子の規格化光取り出し効率より大きくなる。100°以上140°以下の補角θを有する基板11を備える本実施の形態の半導体発光素子1は、90°の補角θを有する基板を備える比較例の半導体発光素子の光取り出し効率よりも、向上した光取り出し効率を有する。第一に、基板11の第1の主面11aに対して基板11の側面11cを補角θで傾斜させることによって、基板11の側面11cの面積が大きくなり、活性層13から基板11の側面11cに入射する深紫外光の割合が増加するからである。第二に、基板11の第1の主面11aに対して基板11の側面11cを補角θで傾斜させることによって、基板11の側面11cで全反射される深紫外光の割合、及び基板11の側面11cで全反射された深紫外光が基板11の第2の主面11bでさらに全反射される深紫外光の割合を急速に減少するからである。
図4、6、8、10、12、14を参照して、100°以上140°以下の補角θを有する本実施の形態の半導体発光素子1が小さな厚さtを有する基板11を備えるとき、基板11の厚さtが増加するにつれて、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率が向上する。基板11の厚さtが増加するほど、傾斜した基板11の側面11cの面積が大きくなる。そのため、基板11の厚さtが増加するほど、活性層13から基板11の側面11cに入射する深紫外光の割合が増加する。基板11の厚さtが増加することによる、基板11の側面11cから出射される深紫外光の増加が、基板11の厚さtが増加することによる、基板11における深紫外光の吸収の増加よりも大きいため、基板11の厚さtが増加するにつれて、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率が向上する。半導体発光素子1の規格化光取り出し効率は、ある基板11の厚さtmaxにおいて最大となり、基板11の厚さtがさらに大きくなると、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率は減少する。基板11の厚さtがtmaxより大きい場合には、基板11の厚さtが増加することによる、基板11の側面11cから出射される深紫外光の増加よりも、基板11の厚さtが増加することによる、基板11における深紫外光の吸収の増加が大きくなるためである。以上に述べた、基板11の厚さtに対する半導体発光素子1の規格化光取り出し効率の変化は、基板11による光の吸収を無視することができない深紫外光を放射する半導体発光素子1に特有であり、基板による光の吸収が無視できるほど小さい可視または赤外の光を放射する半導体発光素子では見られない。
また、90°より大きい補角θを有する半導体発光素子1は、90°より小さい補角θを有する半導体発光素子1よりも、基板11の厚さtが増加しても、規格化光取り出し効率が減少しにくい。これは、90°より大きい補角θを有する半導体発光素子1における、基板11の側面11cから出射される深紫外光の基板11内の経路長が、90°より小さい補角θを有する半導体発光素子1における、基板11の側面11cから出射される深紫外光の基板11内の経路長よりも短く(図18(A)及び(B)を参照)、90°より大きい補角θを有する半導体発光素子1は、90°より小さい補角θを有する半導体発光素子1よりも、基板11に吸収される深紫外光が少なくなるからである。
図15は、図1に示されるように補角θが90°より小さく、基板の屈折率nが2.18であり、基板11の光吸収係数α=5.6cm-1である場合の、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す。基板11の屈折率nは、基板11に入射する光の波長によってほぼ決まる。窒化アルミニウム(AlN)は、330nmの波長を有する深紫外光に対して、2.18の屈折率を有する。図15は、窒化アルミニウムで形成された基板11が5.6cm-1の光吸収係数αを有するときの、330nmの波長を有する深紫外光を放射する半導体発光素子1の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を表す。図15に示される半導体発光素子1の規格化光取り出し効率の変化は、図3、5、7、9、11、13に示される半導体発光素子1の規格化光取り出し効率の変化と同様の傾向を示す。基板11の屈折率nが変化しても、すなわち、半導体発光素子1の発光波長が変化しても、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率を効果的に向上させることができる補角θ、厚さt及び光吸収係数αの範囲は大きく変化しないことが分かる。
図16は、図2に示されるように補角θが90°より大きく、基板の屈折率nが2.18であり、基板11の光吸収係数α=5.6cm-1である場合の、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す。基板11の屈折率nは、基板11に入射する光の波長によってほぼ決まる。窒化アルミニウム(AlN)は、330nmの波長を有する深紫外光に対して、2.18の屈折率を有する。図16は、窒化アルミニウムで形成された基板11が5.6cm-1の光吸収係数αを有するときの、330nmの波長を有する深紫外光を放射する半導体発光素子1の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を表す。図16に示される半導体発光素子1の規格化光取り出し効率の変化は、図4、6、8、10、12、14に示される半導体発光素子1の規格化光取り出し効率の変化と同様の傾向を示す。基板11の屈折率nが変化しても、すなわち、半導体発光素子1の発光波長が変化しても、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率を効果的に向上させることができる補角θ、厚さt及び光吸収係数αの範囲は大きく変化しないことが分かる。
図17は、図3から図16に示されるシミュレーション結果から得られた、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率が50%となる、基板11の光吸収係数α(cm-1)及び基板11の厚さt(μm)の範囲を示す図である。図17に示される一方の点線は、20°以上70°以下または100°以上140°以下の補角θを有する基板11を備える半導体発光素子1の規格化光取り出し効率が50%となる基板の上限厚さの近似線t=3200α-0.7である。図17に示される他方の点線は、20°以上70°以下または100°以上140°以下の補角θを有する基板11を備える半導体発光素子1の規格化光取り出し効率が50%となる基板の下限厚さの近似線t=340exp(−0.16α)である。図17を参照して、基板11の光吸収係数α(cm-1)及び基板11の厚さt(μm)がこの2本の点線の間に位置する場合に、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率が50%以上となる。具体的には、基板11の第1の主面11aと少なくとも一部の側面11cとがなす角の補角θが、20°以上70°以下、または、100°以上140°以下であり、かつ、基板11の光吸収係数α(cm-1)及び基板11の厚さt(μm)が、340exp(−0.16α)≦t≦3200α-0.7を満たす場合に、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率が50%以上となる。このように、基板11の光吸収係数α(cm-1)、基板11の厚さt(μm)及び基板11の補角θを定めることによって、本実施の形態の半導体発光素子1の光取り出し効率は、90°の補角θを有する基板を備える比較例の半導体発光素子よりも、向上した光取り出し効率を有する。半導体発光素子1から放射される深紫外光の一部が基板11で吸収されることを考慮することによってはじめて、深紫外光を放射する半導体発光素子1の光取り出し効率を向上させることができる基板11を正確に設計することができる。
図19から図22に、基板11がサファイア(Al23)で形成されるとともに、所定の光吸収係数α、所定の屈折率n及び800μmの幅wを有する場合の、基板11の厚さt及び補角θに対する半導体発光素子1の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す。図19から図22のそれぞれにおける半導体発光素子1の規格化光取り出し効率は、所定の光吸収係数α、所定の屈折率n、厚さtと、補角θとを有する基板11を備える半導体発光素子1の光取り出し効率を、当該所定の光吸収係数αと当該所定の屈折率nを有する基板11を備える半導体発光素子の光取り出し効率の最大値で割った値として定義される。例えば、図19及び図20を参照して、基板の屈折率nが1.88であり、基板11の光吸収係数α=9cm-1である場合には、補角θが35°である半導体発光素子1の光取り出し効率が最大となる。そこで、基板の屈折率nが1.88であり、基板11の光吸収係数α=9cm-1であり、補角θを有する半導体発光素子1の光取り出し効率を、基板の屈折率nが1.88であり、基板11の光吸収係数α=9cm-1であり、補角θが35°である半導体発光素子1の最大光取り出し効率で割った値が、図19及び図20に示されている。
図19は、図1に示されるように補角θが90°より小さく、基板の屈折率nが1.88であり、基板11の光吸収係数α=9cm-1である場合の、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す。基板11の屈折率nは、基板11に入射する光の波長によってほぼ決まる。サファイア(Al23)は、220nmの波長を有する深紫外光に対して、1.88の屈折率を有する。図19は、サファイアで形成された基板11が9cm-1の光吸収係数αを有するときの、220nmの波長を有する深紫外光を放射する半導体発光素子1の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を表す。図21は、図1に示されるように補角θが90°より小さく、基板の屈折率nが1.80であり、基板11の光吸収係数α=1cm-1である場合の、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す。基板11の屈折率nは、基板11に入射する光の波長によってほぼ決まる。サファイア(Al23)は、265nmの波長を有する深紫外光に対して、1.80の屈折率を有する。図21は、サファイアで形成された基板11が1cm-1の光吸収係数αを有するときの、265nmの波長を有する深紫外光を放射する半導体発光素子1の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を表す。
図19及び図21を参照して、20°以上70°以下の補角θを有する本実施の形態の半導体発光素子1は、図3、5、7、9、11、13に示される半導体発光素子1の規格化光取り出し効率の変化と同様の傾向を示す。具体的には、本実施の形態の半導体発光素子1の規格化光取り出し効率は、ある基板11の厚さtmaxにおいて最大となる。このような、基板11の厚さtに対する半導体発光素子1の規格化光取り出し効率の変化は、基板11による光の吸収を無視することができない深紫外光を放射する半導体発光素子1に特有であり、基板による光の吸収が無視できるほど小さい可視または赤外の光を放射する半導体発光素子では見られない。
図20は、図2に示されるように補角θが90°より大きく、基板の屈折率nが1.88であり、基板11の光吸収係数α=9cm-1である場合の、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す。サファイア(Al23)は、220nmの波長を有する深紫外光に対して、1.88の屈折率を有する。図20は、サファイアで形成された基板11が9cm-1の光吸収係数αを有するときの、220nmの波長を有する深紫外光を放射する半導体発光素子1の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を表す。図22は、図2に示されるように補角θが90°より大きく、基板の屈折率nが1.80であり、基板11の光吸収係数α=1cm-1である場合の、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を示す。サファイア(Al23)は、265nmの波長を有する深紫外光に対して、1.80の屈折率を有する。図22は、サファイアで形成された基板11が1cm-1の光吸収係数αを有するときの、265nmの波長を有する深紫外光を放射する半導体発光素子1の規格化光取り出し効率のシミュレーション結果を表す。
図20及び図22を参照して、100°以上140°以下の補角θを有する本実施の形態の半導体発光素子1は、図4、6、8、10、12、14に示される半導体発光素子1の規格化光取り出し効率の変化と同様の傾向を示す。具体的には、本実施の形態の半導体発光素子1の規格化光取り出し効率は、ある基板11の厚さtmaxにおいて最大となる。このような、基板11の厚さtに対する半導体発光素子1の規格化光取り出し効率の変化は、基板11による光の吸収を無視することができない深紫外光を放射する半導体発光素子1に特有であり、基板による光の吸収が無視できるほど小さい可視または赤外の光を放射する半導体発光素子では見られない。また、90°より大きい補角θを有する半導体発光素子1は、90°より小さい補角θを有する半導体発光素子1よりも、基板11の厚さtが増加しても、規格化光取り出し効率が減少しにくい。これは、90°より大きい補角θを有する半導体発光素子1における、基板11の側面11cから出射される深紫外光の基板11内の経路長が、90°より小さい補角θを有する半導体発光素子1における、基板11の側面11cから出射される深紫外光の基板11内の経路長よりも短く(図18(A)及び(B)を参照)、90°より大きい補角θを有する半導体発光素子1は、90°より小さい補角θを有する半導体発光素子1よりも、基板11に吸収される深紫外光が少なくなるからである。
図23は、図19から図22に示されるシミュレーション結果から得られた、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率が50%以上となる、基板11の光吸収係数α(cm-1)及び基板11の厚さt(μm)の範囲を示す図である。図23に示される一方の点線は、t=3200α-0.7を表す線である。図23に示される他方の点線は、t=340exp(−0.16α)を表す線である。図23を参照して、基板11の光吸収係数α(cm-1)及び基板11の厚さt(μm)がこれら2本の点線の間に位置すれば、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率が50%以上となる。具体的には、基板11の第1の主面11aと少なくとも一部の側面11cとがなす角の補角θが、20°以上70°以下、または、100°以上140°以下であり、かつ、基板11の光吸収係数α(cm-1)及び基板11の厚さt(μm)が、340exp(−0.16α)≦t≦3200α-0.7を満たす場合に、半導体発光素子1の規格化光取り出し効率が50%以上となる。このように、基板11の光吸収係数α(cm-1)、基板11の厚さt(μm)及び基板11の補角θを定めることによって、本実施の形態の半導体発光素子1の光取り出し効率は、90°の補角θを有する基板を備える比較例の半導体発光素子よりも、向上した光取り出し効率を有する。半導体発光素子1から放射される深紫外光の一部が基板11で吸収されることを考慮することによってはじめて、深紫外光を放射する半導体発光素子1の光取り出し効率を向上させることができる基板11を正確に設計することができる。
図24から図32を参照して、本実施の形態に係る半導体発光素子1の製造方法の一例を説明する。
図24を参照して、本実施の形態の半導体発光素子1の製造方法は、第1の主面10aと、第1の主面10aと反対側の第2の主面10bとを有するウエハ10の光吸収係数α(cm-1)を求めること(S1)を備える。具体的には、図25を参照して、第1の主面10aと、第1の主面10aと反対側の第2の主面10bとを有するウエハ10を準備する。それから、分光エリプソメータまたは分光光度計を用いて、ウエハ10の光吸収係数α(cm-1)を求めてもよい。
図24を参照して、本実施の形態の半導体発光素子1の製造方法は、ウエハ10の第1の主面10a上に活性層13を形成すること(S2)を備える。具体的には、図26を参照して、ウエハ10の第1の主面10a上に、n型半導体層12、活性層13、およびp型半導体層14がこの順で堆積される。n型半導体層12、活性層13、およびp型半導体層14を含む半導体層は、有機金属化学気相成長法(MOCVD法)、有機金属気相成長法(MOVPE法)、分子線エピタキシー法(MBE法)、ハイドライド気相成長法(HVPE法)等の方法で堆積される。
図27を参照して、n型半導体層12、活性層13、及びp型半導体層14を含む半導体層の一部を、エッチング等により部分的に除去し、メサ構造を形成する。n型半導体層12、活性層13、及びp型半導体層14を含む半導体層の一部を、エッチング等により部分的に除去することは、反応性イオンエッチング、誘導結合プラズマエッチング等のエッチングによって行ってもよい。エッチングによるダメージを除去するために、半導体層のエッチングされた面に、酸またはアルカリの溶液で表面処理を施すことが好ましい。
図28を参照して、n型半導体層12上にn型電極15を形成し、p型半導体層14上にp型電極16を形成する。特定的には、n型電極15を形成した後に、p型電極16を形成してもよい。
n型電極15及びp型電極16のパターンニングは、リフトオフ法を用いて実施してもよい。具体的には、電極を形成する面にフォトレジストを塗布した後、紫外線をフォトレジストに部分的に照射する。その後、現像液にフォトレジストを浸漬させて、感光したフォトレジストを溶解させることにより所望のパターンのレジスト膜を形成する。パターニングされたレジスト膜上に電極となるべき金属膜を堆積させる。剥離液でレジスト膜を溶解し、レジスト膜上に位置していた金属膜を除去することにより、レジスト膜が形成されていない領域に位置する金属膜を残存させて所定のパターンを有する金属膜(電極)を形成する。
電極をパターンニングする方法として、さらに以下の別の方法を例示することができる。電極を形成しようとする面(たとえばn型半導体層12の露出面)に電極となるべき金属膜を形成する。金属膜上にフォトレジストを塗布後、露光、現像工程を経てフォトレジストをパターニングする。その後、上記パターニングされたフォトレジスト(レジスト膜)をマスクとして用いて、金属膜にドライエッチングまたはウェットエッチングを施して、金属膜を部分的に除去する。その後、剥離液でフォトレジストを溶解する。
n型電極15及びp型電極16を構成する金属膜を堆積する方法は、真空蒸着法、スパッタリング法、化学気相成長法などの方法を用いることができる。金属膜中の不純物を排除する観点から、真空蒸着法を用いることが好ましい。n型電極15となるべき金属膜を堆積後、n型半導体層12とn型電極15との電気的コンタクトを向上させるため、300℃以上1100℃以下の温度で、30秒以上3分以下の時間、アニールすることが好ましい。p型電極16となるべき金属膜を堆積後、p型半導体層14(第2のp型半導体層14b)との電気的コンタクトを向上させるため、200℃以上800℃以下の温度で、30秒以上3分以下の時間、アニールすることが好ましい。
図24を参照して、本実施の形態の半導体発光素子1の製造方法は、ウエハ10の光吸収係数α(cm-1)及びウエハ10の厚さt(μm)が、340exp(−0.16α)≦t≦3200α-0.7を満たすように、ウエハ10の厚さtを定めること(S3)を備える。ウエハ10の厚さtは、ウエハ10の第1の主面10aと第2の主面10bとの最短距離で定義される。具体的には、ウエハ10の厚さを測定する。ウエハ10の厚さt(μm)と、ウエハ10の光吸収係数α(cm-1)とが、340exp(−0.16α)≦t≦3200α-0.7を満たす場合には、ウエハ10を研磨しないでそのまま用いる。ウエハ10の厚さt(μm)と、ウエハ10の光吸収係数α(cm-1)とが、340exp(−0.16α)≦t≦3200α-0.7を満たさない場合には、ウエハ10の光吸収係数α(cm-1)及びウエハ10の厚さt(μm)が、340exp(−0.16α)≦t≦3200α-0.7を満たすように、ウエハ10の厚さを薄くしてもよい(図29を参照)。ウエハ10の厚みを薄くする方法として、化学的機械研磨(CMP)を例示することができる。本実施の形態において、ウエハ10の厚さtを定めることは、ウエハ10を研磨しないでそのまま用いることと、ウエハ10の厚さを薄くすることの両者を含む。
図24を参照して、本実施の形態の半導体発光素子1の製造方法は、ウエハ10を、複数の基板11に分割すること(S5)を備える。複数の基板11のそれぞれは、活性層13が形成された第1の主面11aと、第1の主面11aと反対側の第2の主面11bと、第1の主面11aと第2の主面11bとの間に延在する側面11cとを有する。基板11の第1の主面11a及び第2の主面11bは、それぞれ、ウエハ10の第1の主面10a及び第2の主面10bに対応する。図24を参照して、本実施の形態の半導体発光素子1の製造方法は、基板11の第1の主面11aと基板11の少なくとも一部の側面11cとがなす角βの補角θが、20°以上70°以下、または、100°以上140°以下になるように、基板11の少なくとも一部の側面11cを加工すること(S6)をさらに備える。基板11の少なくとも一部の側面11cを加工することは、ウエハ10を複数の基板11に分割した後に、基板11の側面をエッチング、研磨または研削することを含んでもよい。
ウエハ10を複数の基板11に分割する際に、基板11の少なくとも一部の側面11cを加工してもよい。すなわち、ウエハ10を、複数の基板11に分割すること(S5)と、基板11の少なくとも一部の側面11cを加工すること(S6)とを、一つの工程で行ってもよい。具体的には、図30を参照して、活性層13等を含む半導体層が形成されたウエハ10をダイシングテープ24上に貼着する。ウエハ10にダイシングライン27を形成する。図31及び図32を参照して、ダイシングライン27に沿ってブレード37を動かして、ウエハ10を複数の半導体発光素子1に分割するとともに(S5)、基板11の少なくとも一部の側面11cを加工する(S6)。基板11の少なくとも一部の側面11cを加工することは、先端にテーパ部を有するブレードを用いることを含んでもよい(図31及び図32を参照)。ブレード37として、ダイヤモンドブレードを用いてもよい。
図31を参照して、90°より小さい補角θを有する半導体発光素子1を製造する場合、活性層13等を含む半導体層が形成されたウエハ10のウエハ10側をダイシングテープ24に貼着する。先端にテーパ部37aを有するブレード37を用いてウエハ10を複数の半導体発光素子1に分割することによって、基板11の側面11cを、基板11の第1の主面11aに対して補角θで傾斜させることができる。こうして、基板11の第1の主面11aと側面11cとがなす角βの補角θを90°未満とすることができる。より特定的には、基板11の第1の主面11aと側面11cとがなす角βの補角θを、20°以上70°以下、好ましくは、20°以上60°以下、30°以上60°以下としてもよい。半導体発光素子1をダイシングテープ24から剥離することによって、半導体発光素子1を得ることができる。
図32を参照して、90°より大きい補角θを有する半導体発光素子1を製造する場合、活性層13等を含む半導体層が形成されたウエハ10の半導体層側をダイシングテープ24に貼着する。先端にテーパ部37aを有するブレード37を用いてウエハ10を複数の半導体発光素子1に分割することによって、基板11の側面11cを、基板11の第1の主面11aに対して補角θで傾斜させることができる。こうして、基板11の第1の主面11aと側面11cとがなす角βの補角θを90°より大きくすることができる。より特定的には、基板11の第1の主面11aと側面11cとがなす角βの補角θを、100°以上140°以下、好ましくは、110°以上140°以下としてもよい。半導体発光素子1をダイシングテープ24から剥離することによって、半導体発光素子1を得ることができる。
本実施の形態の第1の変形例の半導体発光素子1aでは、図33(A)及び(B)に示すように、基板11の側面11cは、補角θの大きさが異なる複数の部分(第1の部分11c1、第2の部分11c2)を含んでもよい。基板11の第1の主面11aと側面11cの第1の部分11c1とがなす角β1の補角θ1は、基板11の第1の主面11aと側面11cの第2の部分11c2とがなす角β2の補角θ2と異なってもよい。本実施の形態の第1の変形例の半導体発光素子1aの製造方法では、基板11の少なくとも一部の側面11cを加工すること(S6)は、基板11の側面11cに、補角の大きさが異なる複数の部分(側面11cの第1の部分11c1、側面11cの第2の部分11c2)を形成することを含んでもよい。本実施の形態の第1の変形例では、基板11の第1の主面11aと側面11cの第1の部分11c1とがなす角β1の補角θ1と、基板11の第1の主面11aと側面11cの第2の部分11c2とがなす角β2の補角θ2とは、20°以上70°以下、または、100°以上140°以下である。基板11の側面11cが、補角θの大きさが異なる複数の部分(第1の部分11c1、第2の部分11c2)を含むため、半導体発光素子1の用途に応じて半導体発光素子1の配光特性等を変化させることができる。
本実施の形態の第2の変形例の半導体発光素子1bでは、図34(A)及び(B)に示すように、基板11の側面11cの周方向において基板11の一部の側面11c(側面11cの第1の部分11c1)が、基板11の第1の主面11aに対して、20°以上70°以下、または、100°以上140°以下の補角で傾斜してもよい。基板11の第1の主面11aと側面11cの第1の部分11c1とがなす角β1の補角θ1は、20°以上70°以下、または、100°以上140°以下であるが、基板11の第1の主面11aと側面11cの第2の部分11c3とがなす角β2の補角θ2は、20°未満、70°より大きく100°未満、または、140°より大きくてもよい。基板11の第1の主面11aと側面11cの第1の部分11c1とがなす角β1の補角θ1は、20°以上70°以下、または、100°以上140°以下であるが、基板11の第1の主面11aと側面11cの第2の部分11c3とがなす角β2と、角β2の補角θ2とは90°であり、基板11の第1の主面11aに対して傾斜していなくてもよい。基板11の第1の主面11aと少なくとも一部の側面11c(側面11cの第1の部分11c1)とがなす角の補角θ1は、20°以上70°以下、または、100°以上140°以下であるため、本実施の形態と同様の効果が得られる。
本実施の形態の第3の変形例の半導体発光素子1cでは、図35(A)及び(B)に示すように、基板11の厚さ方向において基板11の一部の側面11c(側面11cの第1の部分11c1)が、基板11の第1の主面11aに対して、20°以上70°以下、または、100°以上140°以下の補角で傾斜してもよい。基板11の第1の主面11aと側面11cの第1の部分11c1とがなす角β1の補角θ1は、20°以上70°以下、または、100°以上140°以下であるが、基板11の第1の主面11aと側面11cの第2の部分11c3とがなす角β2の補角θ2は、20°未満、70°より大きく100°未満、または、140°より大きくてもよい。基板11の第1の主面11aと側面11cの第1の部分11c1とがなす角β1の補角θ1は、20°以上70°以下、または、100°以上140°以下であるが、基板11の第1の主面11aと側面11cの第2の部分11c3とがなす角β2と、角β2の補角θ2とは90°であり、基板11の第1の主面11aに対して傾斜していなくてもよい。基板11の第1の主面11aと少なくとも一部の側面11c(側面11cの第1の部分11c1)とがなす角の補角θ1は、20°以上70°以下、または、100°以上140°以下であるため、本実施の形態と同様の効果が得られる。
本実施の形態(第1の変形例から第3の変形例を含む)に係る半導体発光素子1及びその製造方法の効果を説明する。
本実施の形態の半導体発光素子1では、基板11の第1の主面11aと少なくとも一部の側面11cとがなす角βの補角θは、20°以上70°以下、または、100°以上140°以下である。基板11の光吸収係数α(cm-1)及び基板11の厚さt(μm)は、340exp(−0.16α)≦t≦3200α-0.7を満たす。本実施の形態の半導体発光素子1の製造方法は、ウエハ10の光吸収係数α(cm-1)及びウエハ10の厚さt(μm)が、340exp(−0.16α)≦t≦3200α-0.7を満たすように、ウエハ10の厚さtを定めること(S3)と、ウエハ10を、複数の基板11に分割することと、基板11の第1の主面11aと基板11の少なくとも一部の側面11cとがなす角βの補角θが、20°以上70°以下、または、100°以上140°以下になるように、基板11の少なくとも一部の側面11cを加工すること(S6)を備える。そのため、本実施の形態の半導体発光素子1及びその製造方法によれば、向上した光取り出し効率を有する、深紫外光を放射する半導体発光素子及びその製造方法を提供することができる。
基板11の側面11cは、補角θの大きさが異なる複数の部分(側面11cの第1の部分11c1、側面11cの第2の部分11c2)を含んでもよい。基板11の側面11cが、補角θの大きさが異なる複数の部分(側面11cの第1の部分11c1、側面11cの第2の部分11c2)を含むため、半導体発光素子1の用途に応じて半導体発光素子1の配光特性等を変化させることができる。
(実施の形態2)
図36及び図37を参照して、実施の形態2に係る半導体発光素子2を説明する。本実施の形態の半導体発光素子2は、基本的には、図1及び図2に示す実施の形態1の半導体発光素子1と同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の半導体発光素子2は、活性層13から放射される深紫外光を半導体発光素子2の外部に取り出す効率を向上させる凹凸構造17を含む。図36は、90°より小さい補角θを有する半導体発光素子2を示す。図37は、90°より大きい補角θを有する半導体発光素子2を示す。より具体的には、深紫外光を半導体発光素子2の外部に取り出す効率を向上させる凹凸構造17は、半導体発光素子2の出射面(第2の主面11b)に含まれてもよい。凹凸構造17は、半導体発光素子2の出射面(第2の主面11b)において、活性層13から放射される深紫外光が全反射されることを低減する。そのため、半導体発光素子2に凹凸構造17を設けることによって、半導体発光素子2の外部に深紫外光を取り出す効率を向上させることができる。
凹凸構造17は、凹部と凸部とがランダムに配列されてもよい。凹凸構造17は、凹部と凸部とが周期的に配列されてもよい。凹凸構造17は、三角格子、正方格子、または六方格子で配列されてもよい。凹凸構造17は、フィリングファクターが最大となる三角格子で配列されることが好ましい。凹凸構造17の凹部または凸部の形状は、角柱、円柱、円錐、角錐、球または半楕円球の形状を有してもよい。凹凸構造17は、フォトニック結晶構造を含んでもよい。
本実施の形態に係る半導体発光素子2の製造方法を説明する。本実施の形態に係る半導体発光素子2の製造方法の一例は、図24から図32に示される製造方法と基本的に同じであるが、ウエハ10の第2の主面10bに、半導体発光素子2の活性層13から放射される深紫外光を半導体発光素子2の外部に取り出す効率を向上させる凹凸構造17を形成すること(S4)をさらに備える(図38を参照)。より特定的には、n型電極15及びp型電極16を形成した後、かつ、ウエハ10を複数の基板11に分割する前に、ウエハ10の第1の主面10aと反対側の第2の主面10bに、半導体発光素子2の活性層13から放射される深紫外光を半導体発光素子2の外部に取り出す効率を向上させる凹凸構造17を形成することを含む。
ウエハ10の第2の主面10bに凹凸構造17を形成することは、ウエハ10の第2の主面10bにパターニングされたマスクを形成することと、パターニングされたマスクを用いてウエハ10の第2の主面10bをエッチングすることとを含んでもよい。ウエハ10の第2の主面10bをエッチングすることは、誘導結合プラズマ(ICP)エッチング、もしくは反応性イオンエッチング(RIE)等のドライエッチング、または酸性溶液、もしくはアルカリ性溶液をエッチング液として用いるウェットエッチングなどによって行ってもよい。それから、ウエハ10をダイシングして、個片化された半導体発光素子2が得られる。
本実施の形態の半導体発光素子2及びその製造方法は、実施の形態1の半導体発光素子1及びその製造方法が有する作用及び効果に加えて、以下の作用及び効果を説明する。
凹凸構造17は、深紫外光の出射面である半導体発光素子2の第2の主面11bにおいて、半導体発光素子2の活性層13から放射される深紫外光が全反射されることを低減する。そのため、凹凸構造17は、半導体発光素子2の外部に深紫外光を取り出す効率を向上させることができる。本実施の形態の半導体発光素子2及びその製造方法によれば、さらに向上した光取り出し効率を有する、深紫外光を放射する半導体発光素子及びその製造方法を提供することができる。
(実施の形態3)
図39を参照して、実施の形態3に係る発光モジュール5を説明する。
図39を参照して、実施の形態3に係る発光モジュール5は、主に、深紫外光を放射する半導体発光素子1と、半導体発光素子1を支持する支持部材(30)と、半導体発光素子1を収容するパッケージ(30,40,44)とを備える。パッケージ(30,40,44)は、基台30と、透明部材40と、キャップ44とを含んでもよい。
基台30は、半導体発光素子1を支持する。半導体発光素子1は、基台30上にフリップチップボンディングされている。本実施の形態の発光モジュール5では、図2に示される90°より大きい補角θを有する半導体発光素子1が用いられている。本実施の形態における半導体発光素子1は、第1の主面11aと、第1の主面11aと反対側の第2の主面11bと、第1の主面11aと第2の主面11bとの間に延在する側面11cとを有する基板11と、基板11の第1の主面11a上に設けられた活性層13とを備える。基板11の第1の主面11aと少なくとも一部の側面11cとがなす角βの補角θは、100°以上140°以下である。
基台30に用いられる材料として、金属、樹脂、セラミックを例示することができる。本明細書において、金属で形成される基台30を含むパッケージ(30,40,44)をメタルパッケージと呼び、樹脂で形成される基台30を含むパッケージ(30,40,44)を樹脂パッケージと呼び、セラミックで形成される基台30を含むパッケージ(30,40,44)をセラミックパッケージと呼ぶ。本実施の形態のパッケージ(30,40,44)は、メタルパッケージ、樹脂パッケージ、セラミックパッケージのいずれかであってもよい。基台30は、高い熱伝導性を有する材料から構成され、ヒートシンクとして機能してもよい。
パッケージ(30,40,44)は、サブマウント20をさらに含んでもよい。本実施の形態では、基台30は、サブマウント20を介して、半導体発光素子1を支持する。サブマウント20は、半導体発光素子1を載置する。サブマウント20の材料として、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al23)、炭化珪素(SiC)、ダイヤモンド、珪素(Si)を例示することができる。サブマウント20は、高い熱伝導性を有する材料から構成されることが好ましい。そのため、サブマウント20は、好ましくは、160〜250W/(m・K)の熱伝導率を有する窒化アルミニウム(AlN)から構成されてもよい。半導体発光素子1が載置されるサブマウントの表面は、平らな面であってもよいし、曲面であってもよい。半導体発光素子1が載置されるサブマウント20の表面に、半導体発光素子1が放射する深紫外光を反射するために、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、金(Au)、または銀(Ag)などで形成される反射部材が設けられてもよい。
半導体発光素子1が載置されるサブマウント20の表面に、第1の導電パッド21と第2の導電パッド22とが設けられてもよい。導電性を有する接合部材25を用いて、半導体発光素子1のn型電極15とサブマウント20の第1の導電パッド21とが電気的及び機械的に接続され、半導体発光素子1のp型電極16とサブマウント20の第2の導電パッド22とが電気的及び機械的に接続される。接合部材25として、金−すず(AuSn)、銀−すず(AgSn)などからなる半田、金(Au)や銅(Cu)などからなる金属バンプ、銀ペーストなどの導電性ペーストを例示することができる。
本実施の形態では、半導体発光素子1はサブマウント20の上にフリップチップボンディングされてもよい。すなわち、半導体発光素子1の基板11側の面をサブマウント20及び基台30と反対側に向けるとともに、半導体発光素子1の半導体層(n型半導体層12、活性層13、p型半導体層14)側の面をサブマウント20及び基台30の側に向けて、半導体発光素子1をサブマウント20の上に載置してもよい。半導体発光素子1がサブマウント20の上にフリップチップボンディングされると、活性層13から放射される深紫外光がp型半導体層14で吸収されることを抑制しながら、活性層13から放射される深紫外光を半導体発光素子1の外部に取り出すことができる。
サブマウント20は、金−すず(AuSn)などからなる共晶半田、銀ペーストなどの導電性ペースト、または接着剤を用いて、基台30に固着される。半導体発光素子1から放射される深紫外光を効率的にパッケージ(30,40,44)の外部に取り出すために、半導体発光素子1は、基台30の主面30aの中央付近に載置されることが好ましい。
本実施の形態のパッケージ(30,40,44)は、さらに、リードピン31と、導電ワイヤ33とを含んでもよい。リードピン31は基台30に固定されてもよい。導電ワイヤ33は、リードピン31と、第1の導電パッド21及び第2の導電パッド22とを電気的に接続する。導電ワイヤ33として、金(Au)ワイヤを例示することができる。リードピン31、第1の導電パッド21、第2の導電パッド22、接合部材25を介して、図示されない外部の電源から、半導体発光素子1に電流が供給され、半導体発光素子1は深紫外光を放射する。
パッケージ(30,40,44)は、半導体発光素子1から放射される深紫外光に対して透明な透明部材40を有する。本実施の形態では、透明部材40は、平板である。透明部材40は、表面にレンズが形成された透明板であってもよい。このレンズによって、半導体発光素子1aから放射された深紫外光の配光特性を変化させることができる。透明部材40は、キャップ44によって機械的に支持されてもよい。キャップ44に用いられる材料として、金属または樹脂を例示することができる。キャップ44は、接着剤42または溶接等によって、基台30に固定されてもよい。
透明部材40は、半導体発光素子1から放射される深紫外光に対して透明である。本明細書において、透明部材40は、半導体発光素子1から放射される深紫外光に対して透明であるとは、透明部材40は、半導体発光素子1から放射される深紫外光の波長において、60%以上の透過率を有することを意味する。透明部材40は、半導体発光素子1から放射される深紫外光の波長において、好ましくは75%以上、さらに好ましくは90%以上の透過率を有してもよい。ここで、透明部材40の透過率は、単位長さ当たりの透明部材40の透過率が高いほど高くなり、透明部材40が厚いほど低くなる。透明部材40は、190nm以上350nm以下、好ましくは200nm以上320nm以下、さらに好ましくは220nm以上300nm以下の波長を有する深紫外光に対して低い光吸収係数と高い光透過率を有してもよい。透明部材40は、半導体発光素子1から放射される深紫外光の波長において、100μmの経路長当たり80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の透過率を有する材料から構成されてもよい。
透明部材40は、合成石英、石英ガラス、無アルカリガラス、サファイア、蛍石(CaF)などの無機化合物、および樹脂のいずれかから構成されてもよい。
透明部材40に用いることができる樹脂として、芳香族環を有しないシリコーン樹脂、非晶質のフッ素含有樹脂、ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリオレフィン、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリスルホン系樹脂、ポリシラン、ポリビニルエーテル、無機化合物が添加された樹脂を例示することができる。
芳香環を有しないシリコーン樹脂として、ポリジメチルシロキサンであるJCR6122(東レ・ダウコーニング製)、JCR6140(東レ・ダウコーニング製)、HE59(日本山村硝子製)、HE60(日本山村硝子製)、HE61(日本山村硝子製)、KER2910(信越化学工業製)、含フッ素系オルガノポリシロキサンであるFER7061(信越化学工業製)を例示することができる。
非晶質のフッ素含有樹脂として、ペルフルオロ(4−ビニルオキシ−1−ブテン)重合体(サイトップ(登録商標)、旭硝子製)、2,2−ビストリフルオロメチル−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソール重合体(テフロン(登録商標)AF、DuPont製)を例示することができる。
ポリイミドとして、芳香族化合物が脂環式化合物に置換されたポリイミドが好ましい。脂環式ポリイミドとして、脂環式酸二無水物と脂環式ジアミンの反応物を例示することができる。脂環式酸二無水物として、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−endo,3−endo,5−exo,6−exo−テトラカルボン酸−2,3:5,6−二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−exo,3−exo,5−exo,6−exo−テトラカルボン酸−2,3:5,6−二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−endo,3−endo,5−exo,6−exo−テトラカルボン酸2,3:5,6−二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−exo,3−exo,5−exo,6−exo−テトラカルボン酸2,3:5,6−二無水物、(4arH,8acH)−デカヒドロ−1t,4t:5c,8c−ジメタノナフタレン2c,3c,6c,7c−テトラカルボン酸−2,3:6,7−二無水物を例示することができる。脂環式ジアミンとして、ビス(アミノメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタンを例示することができる。
エポキシ樹脂として、芳香環が脂環式化合物に変更されたエポキシ樹脂が好ましい。芳香環が脂環式化合物に変更されたエポキシ樹脂としては、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(セロキサイド2021P,ダイセル製)、ε−カプロラクトン変性3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(セロキサイド2081,ダイセル製)、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(セロキサイド2000,ダイセル製)を例示することができる。
ポリオレフィンとして、ポリエチレン、ポリプロピレン、メチルペンテンなどの鎖状オレフィンの重合体、ノルボルネンなどの環状オレフィンの重合体、TPX(三井化学製)、APEL(三井化学製)、ARTON(JSR製)、ZEONOR(日本ゼオン製)、ZEONEX(日本ゼオン製)、TOPAS(ポリプラスチックス製)を例示することができる。
無機化合物が添加された樹脂として、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化ホフニウム、α-酸化アルミニウム、γ-酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、フッ化カルシウム、ルテチウムアルミニウムガーネット、二酸化ケイ素、マグネシウムアルミネート、サファイア、ダイヤモンドなどの無機化合物を、上記の樹脂に添加したものを例示することができる。
本実施の形態に係る発光モジュール5の作用及び効果を説明する。
本実施の形態に係る発光モジュール5は、図2に示される半導体発光素子1と、半導体発光素子1を支持する支持部材(30)と、半導体発光素子1を収容するパッケージ(30,40,44)とを備える。パッケージ(30,40,44)は、半導体発光素子1から放射される光に対して透明な透明部材40を有する。本実施の形態の発光モジュール5によれば、向上した光取り出し効率を有する、深紫外光を放射する半導体発光素子1を備える発光モジュールを提供することができる。
透明部材40は、半導体発光素子1から放射される深紫外光に対して透明であるので、透明部材40は、深紫外光の波長において、低い光吸収係数及び高い光透過率を有する。そのため、半導体発光素子1から放射される深紫外光をパッケージ(30,40,44)の外部へ効率よく取り出すことができる。さらに、透明部材40が深紫外光に長時間さらされても、深紫外光の波長における透明部材40の光透過率が低下することを防ぐことができる。その結果、本実施の形態の発光モジュール5によれば、向上した光取り出し効率を有する、深紫外光を放射する半導体発光素子1を備える、信頼性が高くかつ高い光出力を有する発光モジュールを提供することができる。
(実施の形態4)
図40を参照して、実施の形態4に係る発光モジュール5aを説明する。本実施の形態の発光モジュール5aは、基本的には、図39に示す実施の形態3の発光モジュール5と同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、主に以下の点で異なる。本実施の形態に係る発光モジュール5aは、主に、深紫外光18を放射する半導体発光素子2と、半導体発光素子2を支持する支持部材(60)と、半導体発光素子2を収容するパッケージ(40、60)とを備える。
本実施の形態の発光モジュール5aでは、パッケージ(40、60)は、基台60と透明部材40とを含む。本実施の形態のパッケージ(40、60)は、実施の形態3の基台30に代えて、基台60を含む。基台60に用いられる材料として、金属、樹脂、セラミックを例示することができる。本明細書において、金属で形成される基台60を含むパッケージ(40、60)をメタルパッケージと呼び、樹脂で形成される基台60を含むパッケージ(40、60)を樹脂パッケージと呼び、セラミックで形成される基台60を含むパッケージ(40、60)をセラミックパッケージと呼ぶ。本実施の形態のパッケージ(40、60)は、メタルパッケージ、樹脂パッケージ、セラミックパッケージのいずれかであってもよい。基台60は、高い熱伝導性を有する材料から構成され、ヒートシンクとして機能してもよい。本実施の形態では、基台60の材料として、窒化アルミニウム(AlN)を用いてもよい。
基台60は、その周囲に側壁61が設けられている。透明部材40の周縁部は、基台60の側壁61の頂部に載置され、透明部材40は、基台60の側壁61によって、機械的に支持される。透明部材40は、接着剤42などを用いて、基台60の側壁61の上に固定される。
側壁61の内部には、半導体発光素子1を収容する凹部62が形成されている。基台30は、半導体発光素子1を載置する。基台60は半導体発光素子1を支持する。より特定的には、半導体発光素子1は、基台60の凹部62の底面64上にフリップチップボンディングされている。本実施の形態の発光モジュール5aでは、図1に示される90°より小さい補角θを有する半導体発光素子1が用いられている。本実施の形態における半導体発光素子1は、第1の主面11aと、第1の主面11aと反対側の第2の主面11bと、第1の主面11aと第2の主面11bとの間に延在する側面11cとを有する基板11と、基板11の第1の主面11a上に設けられた活性層13とを備える。基板11の第1の主面11aと少なくとも一部の側面11cとがなす角βの補角θは、20°以上70°以下である。
側壁61は、凹部62に面する側面63を有する。基台60の凹部62の底面64に、第1の導電パッド65と第2の導電パッド66とが設けられる。基台60は、凹部62と反対側の底面67を有する。基台60の底面67の上に、第3の導電パッド68と第4の導電パッド69とが設けられている。基台60には、第1の貫通孔71と第2の貫通孔72とが設けられている。第1の貫通孔71と第2の貫通孔72とは、底面67と凹部62の底面64とを接続する。第1の貫通孔71と第2の貫通孔72とに、導電部材74が設けられている。導電部材74を用いて、第1の導電パッド65と第3の導電パッド68が電気的に接続され、第2の導電パッド66と第4の導電パッド69が電気的に接続される。
導電性を有する接合部材25を用いて、半導体発光素子1のn型電極15と基台60の第1の導電パッド65とが電気的及び機械的に接続され、半導体発光素子1のp型電極16と基台60の第2の導電パッド66とが電気的及び機械的に接続される。接合部材25、第1の導電パッド65、第2の導電パッド66、導電部材74、第3の導電パッド68、及び第4の導電パッド69を介して、図示されない外部の電源から、半導体発光素子1に電流が供給されて、半導体発光素子1は深紫外光を放射する。
本実施の形態の発光モジュール5aでは、半導体発光素子1側の支持部材(基台60)の表面、より特定的には、側壁61の側面63及び凹部62の底面64の少なくとも1つに、反射部材76が設けられてもよい。本実施の形態の発光モジュール5aのように、半導体発光素子1側の支持部材(基台60)の表面に反射部材76を設けることによって、半導体発光素子1から基板11の第1の主面11a側、すなわち支持部材(基台60)側に放射される深紫外光を、透明部材40の方に方向変換することができる。その結果、反射部材76によって、発光モジュール5aの光出力を向上させることができる。
本実施の形態の発光モジュール5aは、実施の形態3の発光モジュール5が有する作用及び効果に加えて、以下の作用及び効果を説明する。
本実施の形態の発光モジュール5aでは、半導体発光素子1側の支持部材(基台60)の表面に、反射部材76が設けられてもよい。反射部材76を設けることによって、半導体発光素子1から支持部材(基台60)に向けて放射された深紫外光を、透明部材40の方に方向転換することができる。本実施の形態の発光モジュール5aによれば、光出力が向上された発光モジュールを提供することができる。
本実施の形態の発光モジュール5aでは、外部の電源から半導体発光素子1に電流を供給するための導電ワイヤを用いていないので、ワイヤボンディング工程を省略することができる。そのため、本実施の形態の発光モジュール5aによれば、発光モジュールの生産性を向上させ、生産コストを低下させることができる。
(実施の形態5)
図41を参照して、実施の形態5に係る発光モジュール5bを説明する。本実施の形態の発光モジュール5bは、基本的には、図40に示す実施の形態4の発光モジュール5aと同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、主に以下の点で異なる。
本実施の形態の発光モジュール5bでは、図36に示される90°より小さい補角θを有する半導体発光素子2が用いられている。半導体発光素子2は、基板11の第2の主面11bに、半導体発光素子2の活性層13から放射される深紫外光を半導体発光素子2の外部に取り出す効率を向上させる凹凸構造17を有する。凹凸構造17は、半導体発光素子2の出射面(第2の主面11b)において、半導体発光素子2の活性層13から放射される深紫外光が全反射されることを低減する。
本実施の形態に係る発光モジュール5bでは、半導体発光素子2は凹凸構造17を有するため、半導体発光素子2の外部に深紫外光を取り出す効率を向上させることができる。その結果、本実施の形態の発光モジュール5bによれば、さらに向上した光取り出し効率を有する、深紫外光を放射する半導体発光素子を備える発光モジュールを提供することができる。
(実施の形態6)
図42を参照して、実施の形態6に係る発光モジュール5cを説明する。本実施の形態の発光モジュール5cは、基本的には、図39に示す実施の形態3の発光モジュール5と同様の構成を備え、同様の効果を得ることができるが、主に以下の点で異なる。本実施の形態に係る発光モジュール5cは、主に、深紫外光18を放射する半導体発光素子2と、半導体発光素子2を支持する支持部材(30)と、半導体発光素子2を封止する液体50と、半導体発光素子2と液体50とを収容するパッケージ(30、40c)とを備える。
本実施の形態の発光モジュール5cでは、図37に示される90°より大きい補角θを有する半導体発光素子2が用いられている。半導体発光素子2は、基板11の第2の主面11bに、半導体発光素子2の活性層13から放射される深紫外光を半導体発光素子2の外部に取り出す効率を向上させる凹凸構造17を有する。凹凸構造17は、半導体発光素子2の出射面(第2の主面11b)において、半導体発光素子2の活性層13から放射される深紫外光が全反射されることを低減する。
本実施の形態に係る発光モジュール5cでは、パッケージ(30、40c)は、基台30と、透明部材40cとを含む。本実施の形態のパッケージ(30、40c)は、実施の形態3の透明部材40及びキャップ44に代えて、透明部材40cを含む。
透明部材40cは、半導体発光素子2を覆うように、基台30の上に設けられてもよい。基台30と透明部材40cとは、接着剤42等によって接合されてもよい。
透明部材40cは、実施の形態3の透明部材40と同様に、半導体発光素子2から放射される深紫外光18に対して透明である。透明部材40cは、半導体発光素子2から放射される深紫外光18の波長において、好ましくは75%以上、さらに好ましくは90%以上の透過率を有してもよい。ここで、透明部材40cの透過率は、単位長さ当たりの透明部材40cの透過率が高いほど高くなり、透明部材40cが厚いほど低くなる。透明部材40cは、190nm以上350nm以下、好ましくは200nm以上320nm以下、さらに好ましくは220nm以上300nm以下の波長を有する深紫外光に対して低い光吸収係数と高い光透過率を有してもよい。透明部材40cは、半導体発光素子2から放射される深紫外光18の波長において、100μmの経路長当たり80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の透過率を有する材料から構成されてもよい。
透明部材40cは、実施の形態3の透明部材40と同様の材料から構成されてもよい。すなわち、透明部材40cは、合成石英、石英ガラス、無アルカリガラス、サファイア、蛍石(CaF)などの無機化合物、および樹脂のいずれかから構成されてもよい。
透明部材40cは、一方に開口を有し、内部に空間を有する凹の形状を有してもよい。透明部材40cは、キャップであってもよい。本明細書において、キャップとは、一方に開口を有し、内部に空間を有する殻の形状を有するものをいう。本実施の形態では、キャップである透明部材40cは、一方に開口を有し、内部に空間を有する半球殻の形状を有してもよい。透明部材40cを半球殻の形状を有するキャップで構成することによって、半導体発光素子2から放射される深紫外光18の透明部材40cへの入射角を垂直に近づけることができる。透明部材40cは、半楕円球殻、及び砲弾の形状を有する殻のいずれかの形状を有するキャップであってもよい。キャップである透明部材40cによって、半導体発光素子2から放射された深紫外光18は、屈折され得る。そのため、キャップである透明部材40cの形状を変化させることによって、半導体発光素子2から放射された深紫外光18の配光特性を多様に変化させることができる。
液体50は、パッケージ(30、40c)の内部空間に充填され、半導体発光素子2を封止する。具体的には、液体50は、基台30と透明部材40cとの間の空間に充填され、半導体発光素子2を封止する。液体50は、少なくとも半導体発光素子2の出射面(基板11の第2の主面11b)を封止してもよい。
液体50は、半導体発光素子2から放射される深紫外光18に対して透明である。本明細書において、液体50は、半導体発光素子2から放射される深紫外光18に対して透明であるとは、液体50が、半導体発光素子2から放射される深紫外光18の波長において、60%以上の透過率を有することを意味する。液体50は、半導体発光素子2から放射される深紫外光18の波長において、好ましくは75%以上、さらに好ましくは90%以上の透過率を有してもよい。ここで、液体50の透過率は、単位長さ当たりの液体50の透過率が高いほど高くなり、液体50が厚いほど低くなる。液体50は、190nm以上350nm以下、好ましくは200nm以上320nm以下、さらに好ましくは220nm以上300nm以下の波長を有する深紫外光18に対して低い光吸収係数と高い光透過率を有する。液体50は、半導体発光素子2から放射される深紫外光18の波長において、100μmの経路長(厚さ)当たり80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の透過率を有する材料から構成されてもよい。
液体50は、純水、液体有機化合物、塩溶液、及び微粒子分散液のいずれかから構成されてもよい。
液体有機化合物は、飽和炭化水素化合物、芳香環を有しない有機溶媒、有機ハロゲン化物、シリコーン樹脂、シリコーンオイルのいずれかから構成されてもよい。
液体50に用いることができる飽和炭化水素化合物として、鎖式飽和炭化水素化合物と、環式飽和炭化水素化合物とを例示することができる。鎖式飽和炭化水素化合物として、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、n−トリデカン、n−テトラデカン、n−ペンタデカン、n−ヘキサデカン、n−ヘプタデカン、n−オクタデカン、2,2−ジメチルブタン、2−メチルペンタンを例示することができる。環式飽和炭化水素化合物ととして、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、プロピルシクロヘキサン、ブチルシクロヘキサン、メチルキュバン、メチルジノルボルネン、オクタヒドロインデン、2−エチルノルボルネン、1,1’−ビシクロヘキシル、trans−デカヒドロナフタレン、cis−デカヒドロナフタレン、exo−テトラヒドロジシクロペンタジエン、トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカン、ペルヒドロフルオレン、3−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、1,3−ジメチルアダマンタン、ペルヒドロフェナントレン、ペルヒドロピレンを例示することができる。飽和炭化水素化合物として、IF131(DuPont製)、IF132(DuPont製)、IF138(DuPont製)、IF169(DuPont製)、HIL-001(JSR製)、HIL-002(JSR製)、HIL-203(JSR製)、HIL-204(JSR製)、Delphi(三井化学製)、Babylon(三井化学製)をさらに例示することができる。
液体50に用いることができる芳香環を有しない有機溶媒として、ヒドロキシル基を有する化合物と、カルボニル基を有する化合物と、スルフィニル基を有する化合物と、エーテル結合を有する化合物、ニトリル基を有する化合物、アミノ基を有する化合物、及び含硫黄化合物を例示することができる。ヒドロキシル基を有する化合物として、イソプロパノール、イソブタノール、グリセロール、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールを例示することができる。カルボニル基を有する化合物として、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、n−アクリル酸ブチルを例示することができる。スルフィニル基を有する化合物として、ジメチルスルホキシドを例示することができる。エーテル結合を有する化合物として、テトラヒドロフラン、1,8−シネオールを例示することができる。ニトリル基を有する化合物として、アセトニトリルを例示することができる。アミノ基を有する化合物として、トリエチルアミン、ホルムアミドを例示することができる。含硫黄化合物として、二硫化炭素を例示することができる。
液体50に用いることができる有機ハロゲン化物として、フッ素化合物、塩素化合物、臭素化合物、及びヨウ素化合物を例示することができる。フッ素化合物として、ペルフルオロ(4−ビニルオキシ−1−ブテン)重合体(サイトップ)(登録商標)、2,2−ビストリフルオロメチル−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソール重合体(テフロン(登録商標)AF、DuPont製)を例示することができる。塩素化合物として、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、クロロプロパン、ジクロロプロパン、トリクロロプロパン、テトラクロロプロパン、ペンタクロロプロパン、ヘキサクロロプロパン、クロロヘキサノール、トリクロロアセチルクロリド、四塩化炭素、クロロアセトン、1−クロロブタン、クロロシクロヘキサン、クロロホルム、クロロエタノール、クロロヘキサン、クロロヘキサノン、エピクロロヒドリンを例示することができる。臭素化合物として、ブロモエタン、ブロモエタノール、ジブロモメタン、ジブロモエタン、ジブロモプロパン、ブロモホルム、トリブロモエタン、トリブロモプロパン、テトラブロモエタン、1−ブロモプロパンを例示することができる。ヨウ素化合物として、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化プロピル、ジヨードメタン、ジヨードプロパンなどのヨウ素化合物を例示することができる。
液体50に用いることができるシリコーン樹脂またはシリコーンオイルは、オルガノポリシロキサンを主鎖とし、Si原子に有機基が結合している。有機基として、炭素原子を含む官能基、フッ素原子を含む官能基、塩素原子を含む官能基、臭素原子を含む官能基、ヨウ素原子を含む官能基、窒素原子を含む官能基、酸素原子を含む官能基、硫黄原子を含む官能基のいずれか1つ以上を含む官能基を例示することができる。炭素原子を含む官能基として、メチル基、エチル基、プロピル基を例示することができる。フッ素原子を含む官能基として、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、トリフルオロプロピル基を例示することができる。塩素原子を含む官能基として、トリクロロメチル基、トリクロロエチル基、トリクロロプロピル基を例示することができる。臭素原子を含む官能基として、トリブロモメチル基、トリブロモエチル基、トリブロモプロピル基を例示することができる。ヨウ素原子を含む官能基として、トリヨードメチル基、トリヨードエチル基、トリヨードプロピル基を例示することができる。窒素原子を含む官能基として、アミノ基、ニトリル基、イソシアネート基、ウレイド基を例示することができる。酸素原子を含む官能基として、エポキシ基、メタクリル基、エーテル基を例示することができる。硫黄原子を含む官能基として、メルカプト基、スルフィニル基を例示することができる。シリコーン樹脂、またはシリコーンオイルとして、JCR6122(東レ・ダウコーニング製)、JCR6140(東レ・ダウコーニング製)、HE59(日本山村硝子製)、HE60(日本山村硝子製)、HE61(日本山村硝子製)、KER2910(信越化学工業製)、FER7061(信越化学工業製)をさらに例示することができる。これらの材料の中には、深紫外光以外の光を照射したり加熱したりすることによって硬化し得る材料が含まれるが、本実施の形態では、これらの材料を硬化処理しないで液体の状態のものを、液体50として利用する。
液体50に用いることができる塩溶液は、酸溶液、無機塩溶液、有機塩溶液のいずれかから構成されてもよい。
液体50に用いることができる酸溶液に含まれる酸として、リン酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸、硝酸、クエン酸、メタンスルホン酸、メタクリル酸、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸を例示することができる。
液体50に用いることができる無機塩溶液に含まれる無機塩として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、塩化アンモニウム、塩化カルシウム、塩化リチウム、塩化ルビジウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化アルミニウム6水和物、臭化ナトリウム、臭化亜鉛、臭化リチウム、臭化カリウム、臭化ルビジウム、臭化セシウム、臭化アンモニウム、硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ルビジウム、硫酸セシウム、硫酸マグネシウム、硫酸ガドリニウム、硫酸亜鉛、ミョウバン、アンモニウムミョウバン、硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、過塩素酸ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムを例示することができる。
液体50に用いることができる有機塩溶液に含まれる有機塩として、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸ルビジウム、酢酸セシウム、酢酸テトラメチルアンモニウム、酢酸テトラエチルアンモニウム、酢酸テトラプロピルアンモニウム、酢酸トリエチルアンモニウム、酢酸ジエチルジメチルアンモニウム、酢酸テトラブチルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、メタンスルホン酸バリウム、メタンスルホン酸ランタン、メタンスルホン酸セシウム、メタンスルホン酸シクロヘキシルトリメチルアンモニウム、シクロヘキサンスルホン酸ナトリウム、シクロヘキシルメタンスルホン酸ナトリウム、デカヒドロナフタレン−2−スルホン酸ナトリウム、1−アダマンタンメタンスルホン酸カリウム、1−アダマンタンスルホン酸カリウム、メタンスルホン酸デシルトリメチルアンモニウム、メタンスルホン酸ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、メタンスルホン酸アダマンチルトリメチルアンモニウム、メタンスルホン酸シクロヘキシルトリメチルアンモニウム、メタンスルホン酸1,1’−ジメチルピペリジニウム、メタンスルホン酸1−メチルキヌクリジニウム、メタンスルホン酸1,1−ジメチルデカヒドロキノリニウム、メタンスルホン酸1,1,4,4−テトラメチルピペラジン−1,4−ジイウム、1,4−ジメチル1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタンを例示することができる。
塩溶液に用いる溶媒として、水、有機溶媒、及びシリコーン樹脂またはシリコーンオイルに溶解した溶液を例示することができるが、これらに限られない。有機溶媒として、シクロヘキサン、デカン、デカヒドロナフタレンなどの飽和炭化水素化合物溶液、n−アクリル酸ブチル、n−アクリル酸メチル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、メチルエチルケトン、メタクリル酸メチル、ジクロロメタン、ジメチルシリコーンオイルを例示することができる。
液体50に用いることができる微粒子分散液の微粒子として、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、α-酸化アルミニウム、γ-酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、フッ化カルシウム、ルテチウムアルミニウムガーネット、二酸化ケイ素(シリカ)、マグネシウムアルミネート、サファイア、ダイヤモンドなどの無機化合物を例示することができる。微粒子は、表面修飾ジルコニアのように、その表面が他の材料で修飾されてもよい。
微粒子を分散させる溶媒として、水、有機溶媒、及びシリコーン樹脂またはシリコーンオイルに溶解した溶液を例示することができるが、これらに限られない。有機溶媒として、シクロヘキサン、デカン、デカヒドロナフタレンなどの飽和炭化水素化合物溶液、n−アクリル酸ブチル、n−アクリル酸メチル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、メチルエチルケトン、メタクリル酸メチル、ジクロロメタン、ジメチルシリコーンオイルを例示することができる。
液体50は、半導体発光素子2から放射される深紫外光18の波長において、1.32以上、好ましくは1.40以上、さらに好ましくは1.45以上の屈折率を有してもよい。液体50は、好ましくは、1.50以上、さらに好ましくは1.55以上の屈折率をさらに有してもよい。液体50は、半導体発光素子2から放射される深紫外光18の波長において、1.32以上の屈折率を有するので、半導体発光素子2から放射される深紫外光18の波長における液体50の屈折率を、深紫外光18の波長における半導体発光素子2の出射面(第2の主面11b)の屈折率(基板11の屈折率)により一層近づけることができる。
液体50は、半導体発光素子2から放射される深紫外光18の波長において、半導体発光素子2の出射面(第2の主面11b)よりも小さな屈折率を有し、かつ、透明部材40より大きな屈折率を有してもよい。そのため、半導体発光素子2の出射面(第2の主面11b)と液体50との界面における反射率と、液体50と透明部材40との界面における反射率とを低下させることができる。
液体50は、絶縁性を有することが好ましい。本実施の形態では、液体50は、n型電極15と、p型電極16と、第1の導電パッド21と、第2の導電パッド22と、接合部材25と、リードピン31と、導電ワイヤ33とに接触している。液体50が絶縁性を有すると、n型電極15とp型電極16とが短絡することを防ぐことができる。液体50が導電性を有する場合には、半導体発光素子2の表面と、第1の導電パッド21の表面と、第2の導電パッド22の表面と、接合部材25の表面と、リードピン31の表面と、導電ワイヤ33の表面とに薄い絶縁膜を設けてもよい。
本実施の形態に係る発光モジュール5cの製造方法の一例は、以下の製造方法を備えてもよい。半導体発光素子2を準備する。半導体発光素子2を基台30の上に載置する。透明部材40の内部に液体50を充填する。半導体発光素子2が載置された基台30を、液体50が充填された透明部材40の開口部に被せる。その結果、液体50が充填された透明部材40の内部に半導体発光素子2は挿入されるとともに、基台30は透明部材40に当接される。透明部材40と基台30とを接着剤42によって接着する。
本実施の形態に係る発光モジュール5cの作用及び効果を以下説明する。
本実施の形態に係る発光モジュール5cは、半導体発光素子2を封止する液体50をさらに備える。液体50は、半導体発光素子2から放射される深紫外光18に対して透明である。パッケージ(30,40c)は、液体50をさらに収容する。
透明部材40c及び液体50は、半導体発光素子2から放射される深紫外光18に対して透明であるので、透明部材40c及び液体50は、深紫外光18の波長において、低い光吸収係数及び高い光透過率を有する。そのため、半導体発光素子2から放射される深紫外光18をパッケージ(30、40c)の外部へ効率よく取り出すことができる。さらに、透明部材40c及び液体50が深紫外光18に長時間さらされても、深紫外光18の波長における透明部材40c及び液体50の光透過率が低下することを防ぐことができる。その結果、本実施の形態の発光モジュール5cによれば、深紫外光18を放射する半導体発光素子2を備える、信頼性が高くかつ高い光出力を有する発光モジュールを提供することができる。
液体50は流動性を有するので、半導体発光素子2で生じた熱によって、液体50は、パッケージ(30、40c)の内部空間を対流する。液体50は、パッケージ(30、40c)の内部空間を対流するので、液体50の特定の一部分が、深紫外光18の光密度が高い半導体発光素子2の近傍に存在し続けることがない。そのため、液体50の特定の一部分だけが、半導体発光素子2から放射された高い光密度の深紫外光18に照射され続けて、液体50が劣化すること及び深紫外光18の波長における液体50の光透過率が低下することを防ぐことができる。また、透明部材40cと深紫外光18を放射する半導体発光素子2との間に液体50が位置するので、透明部材40cにおける深紫外光18の光密度は、半導体発光素子2の近傍における深紫外光18の光密度よりも十分小さい。そのため、固体である透明部材40cが、液体50よりも、深紫外光18に対して高い光吸収係数を有していても、深紫外光18が透明部材40cに照射されることによって透明部材40cが劣化することを十分に抑制することができる。その結果、本実施の形態の発光モジュール5cによれば、深紫外光18を放射する半導体発光素子2を備える、信頼性の高い発光モジュールを提供することができる。
これに対し、深紫外光18を放射する半導体発光素子2を硬化された樹脂によって封止する比較例では、硬化された樹脂は、液体50と異なり、流動しない。そのため、半導体発光素子2の近傍に位置する硬化された樹脂は、高い光密度の深紫外光18に照射され続けて、急速に劣化する。深紫外光18の波長領域において、硬化された樹脂は、液体50よりも、深紫外光18に対して高い光吸収係数を有することも、半導体発光素子2の近傍に位置する硬化された樹脂の劣化をさらに促進する。そのため、深紫外光18を放射する半導体発光素子2を硬化された樹脂によって封止する比較例では、信頼性の高い発光モジュールを提供することができない。
液体50を備える本実施の形態の発光モジュール5cでは、半導体発光素子2は液体50によって封止される。一般に、液体50の屈折率は、空気の屈折率よりも大きい。深紫外光18の波長における、液体50の屈折率と、半導体発光素子2の出射面(第2の主面11b)の屈折率(基板11の屈折率)との差を、深紫外光18の波長における、空気の屈折率と半導体発光素子2の出射面(第2の主面11b)の屈折率(基板11の屈折率)との差よりも小さくできる。そのため、本実施の形態の発光モジュール5cによれば、半導体発光素子2の活性層13から放射される深紫外光18が半導体発光素子2の出射面(第2の主面11b)で全反射されることを低減し、半導体発光素子2の活性層13から放射される深紫外光18を、半導体発光素子2の出射面(第2の主面11b)の外部に効率的に取り出すことができる。その結果、本実施の形態の発光モジュール5cによれば、高い光出力を有する発光モジュールを提供することができる。
さらに、深紫外光18の波長領域において、液体50は、深紫外光18の波長に対して比較的高い光透過率を有する硬化された樹脂よりも、高い屈折率を有する。深紫外光18の波長における、液体50の屈折率と半導体発光素子2の出射面(第2の主面11b)の屈折率(基板11の屈折率)との差を、深紫外光18の波長における、硬化された樹脂の屈折率と半導体発光素子2の出射面(第2の主面11b)の屈折率(基板11の屈折率)との差よりも小さくできる。そのため、半導体発光素子2が液体50によって封止された本実施の形態の発光モジュール5cによれば、半導体発光素子2が硬化された樹脂によって封止された比較例の発光モジュールよりも、半導体発光素子2の活性層13から放射される深紫外光18が半導体発光素子2の出射面(第2の主面11b)で全反射されることを低減し、半導体発光素子2の活性層13から放射される深紫外光18を、半導体発光素子2の出射面(第2の主面11b)の外部に効率的に取り出すことができる。その結果、本実施の形態の発光モジュール5cによれば、比較例の発光モジュールよりも、高い光出力を有する発光モジュールを提供することができる。
本実施の形態の発光モジュール5cでは、透明部材40cは液体50を収容しており、透明部材40cは液体50と接している。液体50の屈折率は、一般に、空気の屈折率よりも大きい。深紫外光18の波長における、液体50の屈折率と透明部材40cの屈折率との差を、深紫外光18の波長における、空気の屈折率と透明部材40cの屈折率との差よりも小さくすることができる。そのため、半導体発光素子2から放射される深紫外光18が透明部材40cで反射されることを低減し、半導体発光素子2から放射される深紫外光18を、発光モジュール5cの外部に効率的に取り出すことができる。その結果、本実施の形態の発光モジュール5cによれば、高い光出力を有する発光モジュールを提供することができる。
液体50は流動性を有するので、パッケージ(30、40c)の内部空間に液体50を注入するだけで、深紫外光18を放射する半導体発光素子2を封止することができる。そのため、本実施の形態に係る発光モジュール5cによれば、信頼性が高くかつ高い光出力を有する発光モジュールを低コストで提供することができる。
液体50は流動性を有するので、パッケージ(30、40c)の内部空間の形状に応じて、液体50の形状は変化する。そのため、本実施の形態に係る発光モジュール5cによれば、様々な内部空間の形状を有するパッケージ(30、40c)を備える様々なタイプの発光モジュールに、容易かつ安価に半導体発光素子2を封止することができる。
本実施の形態に係る発光モジュール5cでは、透明部材40cは、キャップであってもよい。キャップは、一方に開口を有し、内部に空間を有する殻の形状を有するものであり、板と比べて十分薄い厚さを有する。本実施の形態の発光モジュール5cにおける、キャップである透明部材40cの厚さは、比較例において半導体発光素子2を封止するために用いられる硬化された樹脂の厚さよりも十分薄い。本実施の形態の発光モジュール5cでは、キャップである透明部材40cにおける深紫外光18の吸収を、半導体発光素子を封止する硬化された樹脂における深紫外光18の吸収よりも小さくすることができる。そのため、本実施の形態の発光モジュール5cによれば、パッケージ(30、40)からの深紫外光18の取り出し効率を向上させることができる。
また、キャップである透明部材40cの厚さは薄いため、キャップである透明部材40cの形状を容易かつ低コストで変化させることができる。さらに、パッケージ(30、40c)の内部空間の形状に応じて、液体50の形状は自由に変化する。そのため、本実施の形態に係る発光モジュール5cによれば、キャップである透明部材40cと液体50とを用いることにより、様々な内部空間の形状を有するパッケージ(30、40)を備える様々なタイプの発光モジュールを容易かつ安価に製造することができる。
これに対し、半導体発光素子2が硬化された樹脂によって封止された比較例の発光モジュールでは、半導体発光素子2を封止する硬化された樹脂は、半導体発光素子2に樹脂をポッティングした後、樹脂を硬化させることによって製造される。そのため、硬化された樹脂の外表面の形状を任意の形状に成形することが難しい。また、半導体発光素子2が硬化された樹脂によって封止された比較例の発光モジュールでは、半導体発光素子2を封止する硬化された樹脂は、樹脂を金型に流し込んだ後にこの樹脂を硬化させることによって製造されてもよい。しかし、様々な内部空間の形状を有するパッケージ(30、40c)を備える様々なタイプの発光モジュールに対応して、様々な形状を有する金型を準備しなければならない。その結果、半導体発光素子2が硬化された樹脂によって封止された比較例の発光モジュールでは、様々な内部空間の形状を有するパッケージを備える様々なタイプの発光モジュールを容易かつ安価に製造することは難しい。
本実施の形態に係る発光モジュール5cでは、透明部材40cは、半球殻を有してもよい。半球殻を有する透明部材40cによって、半導体発光素子2から放射される深紫外光18の透明部材40cへの入射角を垂直に近づけることができる。そのため、半導体発光素子2から放射される深紫外光18が透明部材40cで反射されることを抑制することができる。その結果、本実施の形態の発光モジュール5cによれば、高い光出力を有する発光モジュールを提供することができる。
本実施の形態に係る発光モジュール5cでは、半導体発光素子2は凹凸構造17を有するため、半導体発光素子2の外部に深紫外光18を取り出す効率を向上させることができる。その結果、本実施の形態の発光モジュール5cによれば、さらに向上した光取り出し効率を有する、深紫外光を放射する半導体発光素子2を備える発光モジュールを提供することができる。
本実施の形態に係る発光モジュール5cは、半導体発光素子2と、半導体発光素子2を封止する液体50とを備え、半導体発光素子2は、半導体発光素子2の活性層13から放射される深紫外光を半導体発光素子2の外部に取り出す効率を向上させる凹凸構造17を含んでもよい。液体50は、硬化された樹脂よりも高い流動性を有するため、液体50は、凹凸構造17の凹部に隙間なく充填され得る。一般に、液体50の屈折率は、空気の屈折率よりも大きい。そのため、深紫外光18の波長における液体50の屈折率と、深紫外光18の波長における半導体発光素子2の凹凸構造17が形成された面の屈折率との差を、小さくすることができる。本実施の形態の発光モジュール5cによれば、半導体発光素子2の活性層13から放射される深紫外光18が半導体発光素子1の出射面(第2の主面11b)で全反射されることを凹凸構造17と液体50とによって低減し、半導体発光素子2の活性層13から放射される深紫外光18を、半導体発光素子2の外部に効率的に取り出すことができる。その結果、本実施の形態の発光モジュール5cによれば、高い光出力を有する発光モジュールを提供することができる。
これに対して、凹凸構造17が形成された半導体発光素子2を硬化された樹脂で封止すると、硬化された樹脂は凹凸構造17の凹部の一部に空隙が生じる。この空隙は、硬化前の樹脂が凹凸構造17の凹部の一部に入り込まなかったこと、または樹脂を硬化する際に樹脂が熱収縮したことのために生じたと考えられる。凹凸構造17における空隙において、半導体発光素子2は、低い屈折率を有する空気、ガスまたは真空と接する。そのため、この空隙と接する半導体発光素子1の出射面から半導体発光素子2の外部に、半導体発光素子2の活性層13から放射された深紫外光を高い効率で取り出すことは難しい。
実施の形態3から実施の形態6のうちの複数の実施の形態を組み合わせてもよい。例えば、実施の形態3から実施の形態5におけるパッケージが液体50をさらに収容し、半導体発光素子1,2は液体50によって封止されてもよい。実施の形態3及び実施の形態4における半導体発光素子1を、図36(A)から図37に示される半導体発光素子1a、1b、1c、2に置き換えてもよい。実施の形態5及び実施の形態6における凹凸構造17を有する半導体発光素子2を、図1、図2並びに図36(A)から図39(B)に示される半導体発光素子1、1a、1b、1cに置き換えてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
1,1a,1b,1c,2 半導体発光素子、5,5a,5b,5c 発光モジュール、10 ウエハ、10a,11a 第1の主面、10b,11b 第2の主面、11 基板、11c 側面、11c1 第1の部分、11c2,11c3 第2の部分、12 n型半導体層、13 活性層、14 p型半導体層、14a 第1のp型半導体層、14b 第2のp型半導体層、15 n型電極、16 p型電極、17 凹凸構造、18 深紫外光、20 サブマウント、21,65 第1の導電パッド、22,66 第2の導電パッド、24 ダイシングテープ、25 接合部材、27 ダイシングライン、30,60 基台、30a 主面、31 リードピン、33 導電ワイヤ、37 ブレード、37a テーパ部、40,40c 透明部材、42 接着剤、44 キャップ、50 液体、61 側壁、62 凹部、63 側面、64 底面、67 底面、68 第3の導電パッド、69 第4の導電パッド、71 第1の貫通孔、72 第2の貫通孔、74 導電部材、76 反射部材。

Claims (17)

  1. 第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面との間に延在する側面とを有する基板と、
    前記基板の前記第1の主面上に設けられた活性層とを備え、
    前記基板の前記第1の主面と少なくとも一部の前記側面とがなす角の補角は、20°以上70°以下、または、100°以上140°以下であり、
    前記基板の光吸収係数α(cm-1)及び前記基板の厚さt(μm)は、340exp(−0.16α)≦t≦3200α-0.7を満たす、深紫外光を放射する半導体発光素子。
  2. 前記基板は、窒化アルミニウムで形成される、請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記基板は、サファイアで形成される、請求項1に記載の半導体発光素子。
  4. 前記側面は、前記補角の大きさが異なる複数の部分を含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
  5. 前記半導体発光素子は、前記第2の主面に、前記半導体発光素子の前記活性層から放射される前記深紫外光を前記半導体発光素子の外部に取り出す効率を向上させる凹凸構造をさらに有する、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
  6. 前記半導体発光素子から放射される前記深紫外光は、190nm以上350nm以下の波長を有する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
  7. 前記半導体発光素子から放射される前記深紫外光は、200nm以上320nm以下の波長を有する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
  8. 前記半導体発光素子から放射される前記深紫外光は、220nm以上300nm以下の波長を有する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の半導体発光素子。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の半導体発光素子と、
    前記半導体発光素子を支持する支持部材と、
    前記半導体発光素子を収容するパッケージとを備え、
    前記パッケージは前記半導体発光素子から放射される前記深紫外光に対して透明な透明部材を有する、発光モジュール。
  10. 前記半導体発光素子側の前記支持部材の表面に、反射部材が設けられる、請求項9に記載の発光モジュール。
  11. 前記半導体発光素子を封止する液体をさらに備え、前記液体は、前記半導体発光素子から放射される前記深紫外光に対して透明であり、
    前記パッケージは前記液体をさらに収容する、請求項9または請求項10に記載の発光モジュール。
  12. 第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面とを有するウエハの光吸収係数α(cm-1)を求めることと、
    前記ウエハの前記第1の主面上に活性層を形成することと、
    前記ウエハの前記光吸収係数α(cm-1)及び前記ウエハの厚さt(μm)が、340exp(−0.16α)≦t≦3200α-0.7を満たすように、前記ウエハの前記厚さtを定めることと、
    前記ウエハを、複数の基板に分割することとを備え、前記複数の基板のそれぞれは、前記活性層が形成された第1の主面と、前記第1の主面と反対側の第2の主面と、前記第1の主面と前記第2の主面との間に延在する側面とを有し、さらに、
    前記基板の前記第1の主面と前記基板の少なくとも一部の前記側面とがなす角の補角が、20°以上70°以下、または、100°以上140°以下になるように、前記基板の前記少なくとも一部の前記側面を加工することを備える、深紫外光を放射する半導体発光素子の製造方法。
  13. 前記基板は、窒化アルミニウムで形成される、請求項12に記載の半導体発光素子の製造方法。
  14. 前記基板は、サファイアで形成される、請求項12に記載の半導体発光素子の製造方法。
  15. 前記基板の前記少なくとも一部の前記側面を加工することは、先端にテーパ部を有するブレードを用いることを含む、請求項12から請求項14のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  16. 前記基板の前記少なくとも一部の前記側面を加工することは、前記基板の前記側面に、前記補角の大きさが異なる複数の部分を形成することを含む、請求項12から請求項15のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
  17. 前記ウエハの前記第2の主面に、前記半導体発光素子の前記活性層から放射される前記深紫外光を前記半導体発光素子の外部に取り出す効率を向上させる凹凸構造を形成することをさらに備える、請求項12から請求項16のいずれか一項に記載の半導体発光素子の製造方法。
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