JPWO2013146625A1 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、芳香族ポリエステル樹脂を含有し、耐加水分解性と成形性とを高い水準で兼備する樹脂組成物を提供することにある。本発明は、末端カルボキシル基量が30当量/ton以下の芳香族ポリエステル樹脂(A成分)、一つの環の中にカルボジイミド基を一つだけ有するカルボジイミド環を少なくとも2つ有する環状カルボジイミド化合物(B成分)およびヒドロキシル価が200以上の多価水酸基含有化合物(C成分)を含有する樹脂組成物である。

Description

本発明は、芳香族ポリエステルを含有し、耐加水分解性と流動性に優れ、成形時におけるイソシアネートガスの発生が抑制された樹脂組成物に関する。
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等に代表される芳香族ポリエステル樹脂は、優れた機械的性質、電気的性質、耐熱性、耐候性、耐水性、耐薬品性、耐溶剤性および加工性を有するため、エンジニアリングプラスチックとして、自動車部品、電気・電子部品等の種々の用途に広く利用されている。
一方、最近の自動車分野においては、環境対策の一環としての燃費向上目的で、車両搭載部品の軽量化が求められており、樹脂部品の薄肉化、軽量化が進行し、材料としては、薄肉部品に対応できる流動性が重要視されるようになってきた。また、部品の品質の面では、引張り強さ等の機械的強度や、耐加水分解性等の湿熱安定性のさらなる向上がより強く求められている。
近年、芳香族ポリエステル樹脂は、シートやフィルム用途で使用されることも多くなっている。特に、太陽光発電(太陽電池)用途において、裏面封止用フィルム(バックシートフィルム)として用いられる場合には、耐候性、耐加水分解性等、特に、長期にわたる耐加水分解性が要求される。
芳香族ポリエステル樹脂は、フッ素系樹脂やポリエチレン系樹脂に比べて耐久性に劣るため、耐久性向上のために種々の手法が提案されている。
例えば、特許文献1および2では、芳香族ポリエステル樹脂にポリカルボジイミドを添加することにより、耐加水分解性が向上することが示されている。
しかしながら、ポリカルボジイミド化合物を高分子化合物の末端封止剤として用いると、ポリエステルと架橋反応をすることで著しい粘度増加を起こすことが知られている(特許文献3)。
この粘度が増加したポリエステルを成形するためには成形温度を上げる必要があるが、単純に成形温度を上昇させると、得られる成形品に黄変が生じる、設定すべき温度が高すぎて成形自体困難となる、という問題があった。
また、カルボジイミド化合物を高分子化合物の末端封止剤として用いると、カルボジイミド化合物がポリエステルの末端に結合する反応に伴いイソシアネート基を有する化合物が遊離し、イソシアネート化合物の独特の臭いを発生し、作業環境を悪化させることが問題となっていた。
この課題を解決するため、イソシアネート化合物を遊離しない構造のカルボジイミドとして、一つの環の中にカルボジイミド基を一つだけ有するカルボジイミド環を有する新規化合物(以下、環状カルボジイミド化合物と称することがある。)を含有する樹脂組成物について提案されている(特許文献4)。本提案では、イソシアネートを遊離せず、耐加水分解性を高い水準で満足する樹脂組成物が得られている。
ところが、熱可塑性芳香族ポリエステルとして、上記提案されている化合物のうち、一つの環の中にカルボジイミド基を一つだけ有するカルボジイミド環を少なくとも2つ有する環状カルボジイミド化合物を選択した場合には、耐加水分解性の改善度は高いが、同時に、従来公知のポリカルボジイミド化合物を適用した場合と比べて、溶融粘度が増加するという、新たな問題が顕在化した。
特開平8−73719号公報 国際公開WO2010/018662号パンフレット 特許第3618940号公報 国際公開WO2010/071213号パンフレット
本発明の目的は、上記従来技術が潜在的に有していた問題点を解消し、芳香族ポリエステル樹脂を含有し、耐加水分解性と成形性とを高い水準で兼備する樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記従来技術に鑑み、特に、一つの環の中にカルボジイミド基を一つだけ有するカルボジイミド環を少なくとも2つ有する環状カルボジイミド化合物の適用について検討した結果、芳香族ポリエステル樹脂、環状カルボジイミド化合物に加え、特定の多価水酸基含有化合物を含有させることで、上記目的を達成しうる樹脂組成物が得られることを見出し、更に鋭意検討を重ね、本発明に到達した。
すなわち本発明の目的は、以下の発明により達成される。
1. 末端カルボキシル基量が30当量/ton以下の芳香族ポリエステル樹脂(A成分)、一つの環の中にカルボジイミド基を一つだけ有するカルボジイミド環を少なくとも2つ有する環状カルボジイミド化合物(B成分)およびヒドロキシル価が200以上の多価水酸基含有化合物(C成分)を含有する樹脂組成物。
2. A成分は、ポリブチレンテレフタレートを50質量%以上含む上記1記載の樹脂組成物。
3. B成分は、複数のカルボジイミド環がスピロ結合または結合基を介して結合している環状カルボジイミド化合物である上記1記載の樹脂組成物。
4. B成分は、下記式で表される環状カルボジイミド化合物である上記1記載の樹脂組成物。
Figure 2013146625
(式中Xは、下記式(i−1)で表される4価の基である。Ar〜Arは各々独立に、置換基で置換されていてもよい、オルトフェニレン基または1,2−ナフタレン−ジイル基である。)
Figure 2013146625
5. B成分の含有量は、A成分100質量部を基準として、0.1〜3質量部である上記1に記載の樹脂組成物。
6. C成分は、多価アルコール若しくはその部分エステルである上記1に記載の樹脂組成物。
7. C成分のヒドロキシル価が1000以下である上記1に記載の樹脂組成物。
8. C成分は、多価アルコールと炭素数12以上の脂肪酸との部分エステルである、上記6に記載の樹脂組成物。
9. C成分の含有量は、A成分100質量部を基準として、0.05〜5質量部である上記1に記載の樹脂組成物。
10. 末端カルボキシル基量が5当量/ton以下である上記1に記載の樹脂組成物。
11. 温度280℃での溶融粘度が300Pa・s以下、且つ121℃、100%RH(0.2MPa)のプレッシャクッカーテストにおいて、96時間保持後の還元粘度保持率が50%以上である上記1記載の樹脂組成物。
12. 温度260℃での溶融粘度が300Pa・s以下、且つ121℃、100%RH(0.2MPa)のプレッシャクッカーテストにおいて、100時間保持後の還元粘度保持率が80%以上である上記2記載の樹脂組成物。
13. 末端カルボキシル基量が30当量/ton以下の芳香族ポリエステル樹脂(A成分)、一つの環の中にカルボジイミド基を一つだけ有する環を少なくとも2つ有する環状カルボジイミド化合物(B成分)およびヒドロキシル価が200以上の多価水酸基含有化合物(C成分)を含有する樹脂組成物の製造方法であって、
(i)芳香族ポリエステル樹脂(A成分)および多価水酸基含有化合物(C成分)を溶融混練した後、得られた混合物に環状カルボジイミド化合物(B成分)を添加し溶融混練するか、または
(ii)芳香族ポリエステル樹脂(A成分)に、環状カルボジイミド化合物(B成分)および多価水酸基含有化合物(C成分)を同時に添加し溶融混練する、前記製造方法。
14. 上記1〜12のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる成形品。
発明の効果
本発明の樹脂組成物は、耐加水分解特性と成形性とを高い水準で兼備し、且つ、成形時におけるイソシアネートガスの発生が極めて少ない。本発明の樹脂組成物は、長期間、外部環境に曝される部品、例えば、太陽電池用バックシート、太陽電池モジュールの材料として好適に用いることができる。また射出成形で薄肉流動性が要求される部品、例えば各種ハウジング、歯車、ギア等の機構部品、コネクタ等の電気・電子部品、建築部材、土木部材、農業資材、自動車部品(内装、外装部品等)および日用部品などの材料として好適に用いることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<芳香族ポリエステル樹脂(A成分)>
芳香族ポリエステル樹脂(A成分)とは、ジカルボン酸化合物及び/又はそのエステル形成性誘導体を主成分とするジカルボン酸成分と、ジオール化合物及び/又はそのエステル形成性誘導体を主成分とするジオール成分との反応により得られる熱可塑性ポリエステル樹脂であり、ジカルボン酸成分かジオール成分の少なくとも1種に芳香族化合物を含むものである。
ジカルボン酸成分としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸として、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドテカンジカルボン酸、ヘキサデカンジカルボン酸、ダイマー酸などの炭素数4〜40の脂肪族ジカルボン酸、好ましくは炭素数4〜14の脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。
脂環族ジカルボン酸として、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ハイミック酸などの炭素数4〜40の脂環族ジカルボン酸、好ましくは炭素数8〜12の脂環族ジカルボン酸が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸として、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、メチルイソフタル酸、メチルテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などのナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエーテルジカルボン酸、4,4’−ジオキシ安息香酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルケトンジカルボン酸などの炭素数8〜16の芳香族ジカルボン酸又はこれらの誘導体が挙げられる。誘導体として低級アルキルエステル、アリールエステル、酸無水物などのエステル形成可能な誘導体が挙げられる。
これらのジカルボン酸成分は、単独又は二種以上組合せて使用できる。好ましいジカルボン酸成分には、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられる。特にテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。ジカルボン酸成分中には、例えば、50モル%以上、好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上の芳香族ジカルボン酸が含まれているのが好ましい。さらに、必要に応じて、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸又はそのエステル形成誘導体(アルコールエステル等)等を併用してもよい。このような多官能性化合物を併用すると、分岐状の熱可塑性ポリエステル樹脂を得ることもできる。
ジオール成分として、脂肪族ジオール、ポリオキシアルキレングリコール、脂環族ジオールなどが挙げられる。
脂肪族ジオールとして、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオールなどの炭素数2〜12の脂肪族ジオール、好ましくは炭素数2〜10の脂肪族ジオールが挙げられる。
ポリオキシアルキレングリコールとして、アルキレン基の炭素数が2〜4程度であり、複数のオキシアルキレン単位を有するグリコールが挙げられる。例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジテトラメチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
脂環族ジオールとして、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールAが挙げられる。
また、ハイドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパン、キシリレングリコールなどの芳香族ジオールを併用してもよい。
これらのジオール成分は、単独又は二種以上組合せて使用できる。好ましいジオール成分は、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどの炭素数2〜10のアルキレングリコールなどが挙げられる。
ジオール成分中には、例えば、50モル%以上、好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上の炭素数2〜10のアルキレングリコールが含まれているのが好ましい。さらに、必要に応じて、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなどのポリオール又はそのエステル形成性誘導体を併用してもよい。このような多官能性化合物を併用すると、分岐状の熱可塑性ポリエステル樹脂を得ることもできる。
芳香族ポリエステル樹脂(A成分)としては、上述のジカルボン酸成分とジオール成分を2種以上組み合せたコポリエステルや、さらに他の共重合可能なモノマー(以下、共重合性モノマーという場合がある)として、オキシカルボン酸成分、ラクトン成分等を組み合わせたコポリエステルも使用できる。
オキシカルボン酸には、例えば、オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸、ヒドロキシフェニル酢酸、グリコール酸、オキシカプロン酸等のオキシカルボン酸又はこれらの誘導体等が含まれる。ラクトンには、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン(例えば、ε−カプロラクトン等)等の炭素数3〜12のラクトン等が含まれる。
なお、コポリエステルにおいて、共重合性モノマーの割合は、例えば、0.01モル%以上30モル%以下程度の範囲から選択でき、通常、1モル%以上30モル%以下程度、好ましくは3モル%以上25モル%以下程度、更に好ましくは5モル%以上20モル%以下程度である。また、ホモポリエステルとコポリエステルとを組み合わせて使用する場合、ホモポリエステルとコポリエステルとの割合は、共重合性モノマーの割合が、全単量体に対して0.1モル%以上30モル%以下(好ましくは1モル%以上25モル%以下程度、更に好ましくは5モル%以上25モル%以下程度)となる範囲であり、通常、前者/後者=99/1〜1/99(質量比)、好ましくは95/5〜5/95(質量比)、更に好ましくは90/10〜10/90(質量比)程度の範囲から選択できる。
好ましい芳香族ポリエステル樹脂(A成分)には、アルキレンテレフタレート、アルキレンナフタレートなどのアルキレンアリレート単位を主成分(例えば、50〜100モル%、好ましくは75〜100モル%程度)とするホモポリエステル又はコポリエステルが挙げられる。
ポリアルキレンテレフタレートとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのアルキレン部分の炭素数が2〜4のポリアルキレンテレフタレート、1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)が挙げられる。
ポリアルキレンナフタレートとして、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのアルキレン部分の炭素数が2〜4のポリアルキレンナフタレートが挙げられる。これらを1種単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
特に好ましい芳香族ポリエステル樹脂(A成分)は、エチレンテレフタレート、トリメチレンテレフタレート、テトラメチレンテレフタレート、テトラメチレン−2,6−ナフタレートなどのアルキレン部分の炭素数が2〜4のアルキレンアリレート単位を80モル%以上(特に90モル%以上)含むホモポリエステル樹脂又はコポリエステル樹脂が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリテトラメチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂などが挙げられる。これらの内、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂が好ましく、特にポリブチレンテレフタレート樹脂が好ましい。
芳香族ポリエステル樹脂(A成分)は、ポリブチレンテレフタレートを50質量%以上含むことが好ましい。
芳香族ポリエステル樹脂(A成分)の末端カルボキシル基量は30当量/ton以下である。より好ましい末端カルボキシル基量は25当量/ton以下である。
本発明によれば、環状カルボジイミド化合物(B成分)の使用により、樹脂組成物の耐加水分解性を高められるが、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)の末端カルボキシル基量が多すぎると、樹脂組成物の耐加水分解性は充分に高まらない。したがって、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)の末端カルボキシル基量を30当量/ton以下にする必要がある。
芳香族ポリエステル樹脂(A成分)の固有粘度(IV)は、0.6dL/g以上であることが好ましく、更に好ましくは0.7dL/g以上であってもよい。また、上記固有粘度は1.3dL/g以下であることが好ましく、1.2dL/g以下であることがより好ましい。異なる固有粘度を有する芳香族ポリエステル樹脂(A成分)をブレンドすることによって、例えば固有粘度1.5dL/gと0.5dL/gの芳香族ポリエステル樹脂をブレンドすることによって、0.6〜1.3dL/g以下の固有粘度を実現してもよい。固有粘度(IV)は、o−クロロフェノール中もしくはフェノール/テトラクロロエタン(質量比60/40)の混合溶媒、温度35℃の条件で測定できる。このような範囲の固有粘度を有する芳香族ポリエステル樹脂を使用すると、十分な耐加水分解性の付与と溶融粘度の低減とを効率よく実現しやすい。固有粘度が小さすぎると、十分な耐加水分解性の向上効果が得られない可能性があり、固有粘度が大きすぎると、成形時の溶融粘度が高くなり、場合により成形金型内で樹脂の流動不良、充填不良を起こす可能性がある。
芳香族ポリエステル樹脂(A成分)は、市販品を使用してもよく、ジカルボン酸成分又はその反応性誘導体と、ジオール成分又はその反応性誘導体と、必要により共重合可能なモノマーとを、慣用の方法、例えばエステル交換反応法や、直接エステル化法等により共重合(重縮合)することにより製造したものを使用してもよい。
本発明の樹脂組成物は、末端カルボキシル基量が5当量/ton以下であることが好ましい。この範囲にあるときには特に良好な耐加水分解性を有する。また、さらに好ましい末端カルボキシル基量は3当量/ton以下である。
本発明の樹脂組成物は、121℃、100%RH(0.2MPa)のプレッシャクッカーテストにおいて、100時間後の還元粘度保持率が50%以上であることが望ましい。還元粘度保持率が50%以上であれば、最終的に得られるフィルム、成形品は著しく機械強度を低下することなく、十分な耐加水分解性を有する。
本発明は、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)の全質量を基準として、ポリブチレンテレフタレートが50質量%以上を占めるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物であって、温度260℃での溶融粘度が300Pa・s以下、且つ121℃、100%RH(0.2MPa)のプレッシャクッカーテストにおいて、100時間後の還元粘度保持率が80%以上であるポリブチレンテレフタレート樹脂組成物を包含する。
本発明のポリブチレンテレフタレート樹脂組成物において、ポリブチレンテレフタレートは、A成分の全質量を基準として50質量%以上を占める。ポリブチレンテレフタレートの特性を発揮するためには好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上、最も好ましくは97.5質量%以上である。
本発明の樹脂組成物は、温度260℃での溶融粘度が1000Pa・s以下であることが好ましく、300Pa・s以下であることがより好ましい。260℃での溶融粘度が1000Pa・s以下、特に300Pa・s以下であれば、射出成形も容易であり、溶融製膜、溶融成形の際に黄変を生じることが無い。
<環状カルボジイミド化合物(B成分)>
本発明の樹脂組成物は、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)に対して、一つの環の中にカルボジイミド基をひとつだけ有するカルボジイミド環を少なくとも2つ有する環状カルボジイミド化合物(B成分)を含有する。
本発明において、「カルボジイミド環」とは、複数の原子が環構造をとるように結合した化合物、いわゆる環式化合物において、カルボジイミド基が一つのみ存在する環を意味し、環状カルボジイミド化合物(B成分)全体としては、一分子中には、一つの環の中にカルボジイミド基(−N=C=N−)を一つだけ有するカルボジイミド環を、少なくとも2つ有する化合物である。このような構造を有する化合物は、特に、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)の湿熱耐久性向上効果が著しく、また、末端封止反応により、イソシアネート化合物が発生しない。
カルボジイミド環を構成する環状構造中の原子数は、好ましくは8〜50、より好ましくは10〜30、さらに好ましくは10〜20、特に好ましくは10〜15である。
ここで、環状構造中の原子数とは、環構造を直接構成する原子の数を意味し、例えば、8員環であれば8、50員環であれば50である。環状構造中の原子数が8以上ならば、環状カルボジイミド化合物(B成分)の安定性が高いため、保管、使用がしやすい。また反応性の観点よりは環員数の上限値に関しては特別の制限はないが、50以下の原子数の環状カルボジイミド化合物(B成分)は合成が容易なため、コストが大きく上昇することを抑制できる。
環状カルボジイミド化合物(B成分)の分子量は、好ましくは100〜1,000である。100以上ならば、環状カルボジイミド化合物(B成分)について構造の安定性や揮発性が有利となる。また1,000以下ならば、環状カルボジイミドの製造上、希釈系での合成が不要であり、収率も低下しにくいため、コスト面で有利となる。かかる観点より、より好ましくは100〜750であり、さらに好ましくは250〜750である。ここで、環状カルボジイミド化合物(B成分)の分子量とは、環状カルボジイミド化合物(B成分)が分子量分布を持つものである場合には、重量平均分子量を指す。
また、B成分としては、複数のカルボジイミド環がスピロ結合または結合基を介して結合している環状カルボジイミド化合物であることが好ましい。このような構造をとる場合には、さらに、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)の湿熱耐久性向上効果を高めることができる。
特には、下記式で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013146625
(式中Xは、下記式(i−1)で表される4価の基である。Ar〜Arは各々独立に、置換基で置換されていてもよい、オルトフェニレン基または1,2−ナフタレン−ジイル基である。)
Figure 2013146625
本願で用いることのできる、一つの環の中にカルボジイミド基を一つだけ有するカルボジイミド環を少なくとも2つ有する環状カルボジイミド化合物(B成分)として、具体的には下記に示す化合物を例示することができる。
Figure 2013146625
(ポリマーの主鎖に環状カルボジイミド化合物が付加している場合で、nはポリマーの繰返し単位の数である。)
Figure 2013146625
Figure 2013146625
Figure 2013146625
これらの化合物は、国際公開WO2010/071211号パンフレットの記載、特開2011−256139号公報の記載に従って製造することができる。
樹脂組成物中の環状カルボジイミド化合物(B成分)の含有量は、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)100質量部に対して、好ましくは0.1〜3質量部、より好ましくは0.3〜2質量部、さらに好ましくは0.5〜1.5質量部である。B成分の含有量が上記の範囲であれば、基質の特性を変性させることなく、カルボジイミドの効果を得ることができる。
<多価水酸基含有化合物(C成分)>
多価水酸基含有化合物(C成分)は、一分子中に水酸基を2個以上有する化合物である。また、多価水酸基含有化合物(C成分)は、後述する通り、ヒドロキシル価が200以上である。ヒドロキシル価が200以上の多価水酸基含有化合物(C成分)は、1種単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
この多価水酸基含有化合物(C成分)は、樹脂組成物の流動性を高める。通常、芳香族ポリエステル樹脂に流動性を高める成分を添加すると、流動性を向上できても、芳香族ポリエステル樹脂そのものが有する機械的強度や靱性等の特性の低下を避けることができない。しかし、ヒドロキシル価が200以上の多価水酸基含有化合物(C成分)を使用することにより、芳香族ポリエステル樹脂の特性を高いレベルで保持しつつ樹脂組成物の溶融時の流動性を効率よく向上できる。
また、ヒドロキシル価200以上の多価水酸基含有化合物(C成分)は、環状カルボジイミド化合物(B成分)が配合される樹脂組成物において、B成分による樹脂組成物の耐加水分解性向上効果を促進させる耐加水分解性向上助剤としても働く。この原因は定かではないが、ヒドロキシル価200以上の多価水酸基含有化合物(C成分)が、樹脂組成物の粘度上昇を抑制することで溶融混練性が向上し、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)と環状カルボジイミド化合物(B成分)との反応が効率よく行われるためと考えられる。
したがって、ヒドロキシル価200以上の多価水酸基含有化合物(C成分)が、樹脂組成物に含まれることで、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)の特性を活かすとともに、樹脂組成物の流動性を高めつつ、樹脂組成物の耐加水分解性も高めることができる。
ヒドロキシル価200以上の多価水酸基含有化合物(C成分)は、従来公知の方法で製造したものを使用してもよいし、市販品を購入して使用してもよい。
多価水酸基含有化合物(C成分)のヒドロキシル価は200以上である。また、好ましいヒドロキシル価は250以上である。上記ヒドロキシル価が200以上であれば、上記流動性向上の効果がより高まる傾向にある。
一方、多価水酸基含有化合物(C成分)のヒドロキシル価は、好ましくは1000以下、より好ましくは800以下、さらに好ましくは600以下、特に好ましくは500以下である。上記ヒドロキシル価が1000以下であると、得られる樹脂組成物の成形時にモールドデポジット(金型付着)が発生するのを効果的に抑制することができるという更なる効果を奏することができる。
加えて、多価水酸基含有化合物(C成分)と芳香族ポリエステル樹脂(A成分)との反応が過剰に進行することが抑制されるため、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)の分子量が低下しにくく、機械特性や耐加水分解性、耐熱性、耐薬品性等の特性が維持されやすい。
なお、本願において、ヒドロキシル価とは、日本油化学会法2.3.6.2−1996(ピリジン・無水酢酸法)(日本油化学会制定 基準油脂分析試験法)により測定されたものをいう。
多価水酸基含有化合物(C成分)として、多価アルコール若しくはその部分エステルが挙げられる。C成分は、多価アルコールと炭素数12以上の脂肪酸との部分エステルが好ましい。
多価アルコールとしてヒドロキシメチル基を同一分子内に2つ以上有する化合物が挙げられる。具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリメチロールメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、各種ソルビトール類等が挙げられる。これらから選択された少なくとも1種よりなるものが好ましく使用でき、1種のみでも良くまた2種以上を併用することもできる。
多価アルコールの部分エステルの脂肪酸としては、炭素数12以上のものが流動性の観点で、好ましい。炭素数12以上の脂肪酸として、ラウリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸等が挙げられる。好ましくは炭素数12〜32の脂肪酸であり、特に好ましくは炭素数12〜22の脂肪酸である。具体的には、ラウリン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸又はベヘニン酸が特に好ましい。炭素数12以上の脂肪酸を用いることで、樹脂の耐熱性を充分に維持できる傾向にあるため好ましい。炭素数が32以下であれば、上記流動性改善の効果が高いため好ましい。
樹脂組成物に溶融時の流動性を付与する観点、得られる成形体が芳香族ポリエステル樹脂(A成分)の物性をほとんど低下させずに維持する観点から、多価水酸基含有化合物(C成分)として、グリセリン脂肪酸エステル又はジグリセリンに酸化アルキレンを付加重合して得られるエーテルが好ましい。
以下、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリンに酸化アルキレンを付加重合して得られるエーテルを説明する。グリセリン脂肪酸エステルは、グリセリン及び/又はその脱水縮合物と脂肪酸とから構成されるエステルである。
グリセリン脂肪酸エステルの中でも、炭素数12以上の脂肪酸を用いて得られるものが好ましい。炭素数12以上の脂肪酸として、ラウリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸等が挙げられる。好ましくは炭素数12〜32の脂肪酸であり、特に好ましくは炭素数12〜22の脂肪酸である。
好ましいグリセリン脂肪酸エステルを例示すると、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、ジグリセリンモノステアレート、トリグリセリンモノステアレート、トリグリセリンステアリン酸部分エステル、テトラグリセリンステアリン酸部分エステル、デカグリセリンラウリン酸部分エステル、グリセリンモノ12−ヒドロキシステアレート等が挙げられる。
ジグリセリンに酸化アルキレンを付加重合して得られるエーテルとは、例えば、ジグリセリンに酸化プロピレンを付加重合して得られるポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルや、ジグリセリンに酸化エチレンを付加重合して得られるポリオキシエチレンジグリセリルエーテルが挙げられる。本発明においては、これらのエーテルの中でも、特に、ポリオキシエチレンジグリセリルエーテルの使用が好ましい。
樹脂組成物中の多価水酸基含有化合物(C成分)の含有量は、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)100質量部に対して、好ましくは0.05〜5質量部、より好ましくは0.1〜3質量部、更に好ましくは0.5〜2質量部である。多価水酸基含有化合物の含有量が0.05質量部以上であれば、流動性向上の効果が十分に得られる傾向にあるため好ましく、5質量部以下であれば、成形時のガス発生による成形品の外観不良や金型汚れを生じるおそれがほとんどないため好ましい。
<樹脂組成物の製造方法>
本発明の樹脂組成物は、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)、環状カルボジイミド化合物(B成分)、多価水酸基含有化合物(C成分)を溶融混練して製造することができる。
ここで、多価水酸基含有化合物(C成分)の系内への添加時期は重要であり、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)にカルボジイミド化合物(B成分)を添加する前にヒドロキシル価が200以上の多価水酸基含有化合物(C成分)を添加しないと、C成分添加による増粘抑制効果を発揮する前に、カルボジイミド化合物(B成分)による増粘が起こるため、B成分添加後に、C成分を後から添加したとしても本発明の樹脂組成物は得られ難い。
従って、
(I)芳香族ポリエステル樹脂(A成分)と多価水酸基含有化合物(C成分)との共存下にカルボジイミド化合物(B成分)を添加し溶融混練するか、または、
(II)芳香族ポリエステル樹脂(A成分)に対して多価水酸基含有化合物(C成分))とカルボジイミド化合物(B成分)とを同時に添加し溶融混練すればよい。
上記(I)において、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)と多価水酸基含有化合物(C成分)とを共存させた場合には、カルボジイミド化合物(B成分)を添加する前に、C成分を分散させておくという観点から、予め溶融混練しておくことが好ましい。
混練に際しては、溶融状態での混練法が、生産性、均一混練性の観点より好ましい。混練装置としては、とくに限定なく、従来公知の縦型の反応容器、混合槽、混練槽あるいは横置き型の一軸式混練装置または多軸式の混練装置、例えば一軸式あるいは多軸式のルーダー、ニーダーなどが例示される。溶融混練時間は特に指定はなく、混合装置、混合温度にもよるが、0.1分間から2時間、好ましくは0.2分間から60分間、より好ましくは0.2分間から30分間が選択される。
環状カルボジイミド化合物(B成分)による、芳香族ポリエステル樹脂のカルボキシル基の封止反応は、室温(25℃)〜300℃程度の温度で可能であるが、反応効率の観点より50℃〜280℃、より好ましくは100℃〜280℃の範囲ではより促進されるので好ましい。
芳香族ポリエステル樹脂(A成分)は、溶融している温度ではより反応が進行しやすいが、環状カルボジイミド化合物(B成分)の揮散、分解などを抑制するため、300℃より低い温度で反応させることが好ましい。また芳香族ポリエステル樹脂(A成分)の溶融温度を低下、攪拌効率を上げるためにも、溶媒を適用することは効果がある。
封止反応は無触媒で十分速やかに進行するが、封止反応を促進する触媒を使用することもできる。触媒としては、従来の線状カルボジイミド化合物を用いて封止反応を行う際に使用される触媒が適用できる。これらは1種または2種以上使用することができる。触媒の添加量は、特に限定されるものではないが、熱可塑性芳香族ポリエステルと環状カルボジイミドとの合計100質量部に対し、0.001〜1質量部が好ましく、また0.01〜0.1質量部がより好ましく、さらには0.02〜0.1質量部が最も好ましい。
<安定剤>
本発明の樹脂組成物には、安定剤を含有することができる。安定剤としては通常の熱可塑性樹脂の安定剤に使用されるものを用いることができる。例えば酸化防止剤、光安定剤等を挙げることができる。これらの剤を配合することで機械的特性、成形性、耐熱性および耐久性に優れた成形品を得ることができる。
酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、ホスファイト系化合物などのリン系化合物、チオエーテル系化合物等を挙げることができる。
ヒンダードフェノール系化合物としては、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−tert−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等が挙げられる。
ヒンダードアミン系化合物として、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−テトラメチレン−ビス[3−(3’−メチル−5’−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ジアミン、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオニル]ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N’−ビス[2−{3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]オキシアミド等を挙げることができる。好ましくは、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、およびテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられる。
ホスファイト系化合物としては、少なくとも1つのP−O結合が芳香族基に結合しているものが好ましく、具体的には、トリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、トリス(ミックスドモノおよびジ−ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、4,4’−イソプロピリデンビス(フェニル−ジアルキルホスファイト)等が挙げられる。
なかでもトリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4’−ビフェニレンホスファイト等が好ましく使用できる。
チオエーテル系化合物の具体例として、ジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−オクタデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ミリスチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ステアリルチオプロピオネート)等が挙げられる。
光安定剤としては、具体的には例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、芳香族ベンゾエート系化合物、蓚酸アニリド系化合物、シアノアクリレート系化合物およびヒンダードアミン系化合物等を挙げることができる。
ベンゾフェノン系化合物としては、ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2’−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−メチル−アクリロキシイソプロポキシ)ベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4’−メチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(5−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(4’−オクトキシ−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
芳香族ベンゾエート系化合物としては、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等のアルキルフェニルサリシレート類が挙げられる。
蓚酸アニリド系化合物としては、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−5−tert−ブチル−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリド、2−エトキシ−3’−ドデシルオキザリックアシッドビスアニリド等が挙げられる。
シアノアクリレート系化合物としては、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等が挙げられる。
ヒンダードアミン系化合物としては、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−オクタデシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)カーボネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)オギザレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α,α’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−トリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート、1−「2−{3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β’,β’−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジメタノールとの縮合物等を挙げることができる。本発明において安定剤成分は1種類で使用してもよいし2種以上を組み合わせて使用してもよい。また安定剤成分として、ヒンダードフェノール系化合物および/またはベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。
安定剤の含有量は芳香族ポリエステル樹脂(A成分)100質量部当たり、好ましくは0.01〜3質量部、より好ましくは0.03〜2質量部である。
<結晶化促進剤>
本発明の樹脂組成物は、有機若しくは無機の結晶化促進剤を含有することができる。結晶化促進剤を含有することで、機械的特性、耐熱性、および成形性に優れた成形品を得ることができる。
即ち、結晶化促進剤の適用により、成形性、結晶性が向上し、通常の射出成形においても十分に結晶化し耐熱性、耐湿熱安定性に優れた成形品を得ることができる。加えて、成形品を製造する製造時間を大幅に短縮でき、その経済的効果は大きい。
本発明で使用する結晶化促進剤は一般に結晶性樹脂の結晶化核剤として用いられるものを用いることができ、無機系の結晶化核剤および有機系の結晶化核剤のいずれをも使用することができる。
無機系の結晶化核剤として、タルク、カオリン、シリカ、合成マイカ、クレイ、ゼオライト、グラファイト、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫化カルシウム、窒化ホウ素、モンモリロナイト、酸化ネオジム、酸化アルミニウム、フェニルフォスフォネート金属塩等が挙げられる。これらの無機系の結晶化核剤は組成物中での分散性およびその効果を高めるために、各種分散助剤で処理され、一次粒子径が0.01〜0.5μm程度の高度に分散状態にあるものが好ましい。
有機系の結晶化核剤としては、安息香酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸リチウム、安息香酸カリウム、安息香酸マグネシウム、安息香酸バリウム、蓚酸カルシウム、テレフタル酸ジナトリウム、テレフタル酸ジリチウム、テレフタル酸ジカリウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸カルシウム、ミリスチン酸バリウム、オクタコ酸ナトリウム、オクタコ酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カルシウム、トルイル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム、サリチル酸亜鉛、アルミニウムジベンゾエート、β−ナフトエ酸ナトリウム、β−ナフトエ酸カリウム、シクロヘキサンカルボン酸ナトリウム等の有機カルボン酸金属塩、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、スルホイソフタル酸ナトリウム等の有機スルホン酸金属塩が挙げられる。
また、ステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、トリメシン酸トリス(tert−ブチルアミド)等の有機カルボン酸アミド、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリイソプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリ−3−メチルブテン−1、ポリビニルシクロアルカン、ポリビニルトリアルキルシラン、高融点ポリ乳酸、エチレン−アクリル酸コポマーのナトリウム塩、スチレン−無水マレイン酸コポリマーのナトリウム塩(いわゆるアイオノマー)、ベンジリデンソルビトールおよびその誘導体、例えばジベンジリデンソルビトール等が挙げられる。
これらのなかでタルク、および有機カルボン酸金属塩から選択された少なくとも1種が好ましく使用される。本発明で使用する結晶化促進剤は1種のみでもよく、2種以上を併用しても良い。
結晶化促進剤の含有量は、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)100質量部当たり、好ましくは0.01〜30質量部、より好ましくは0.05〜20質量部である。
<充填剤>
本発明の樹脂組成物は、有機若しくは無機の充填剤を含有することができる。充填剤成分を含有することで、機械的特性、耐熱性、および金型成形性に優れた成形品を得ることができる。
有機充填剤として、籾殻、木材チップ、おから、古紙粉砕材、衣料粉砕材等のチップ状のもの、綿繊維、麻繊維、竹繊維、木材繊維、ケナフ繊維、ジュート繊維、バナナ繊維、ココナツ繊維等の植物繊維もしくはこれらの植物繊維から加工されたパルプやセルロース繊維および絹、羊毛、アンゴラ、カシミヤ、ラクダ等の動物繊維等の繊維状のもの、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維等の合成繊維、紙粉、木粉、セルロース粉末、籾殻粉末、果実殻粉末、キチン粉末、キトサン粉末、タンパク質、澱粉等の粉末状のものが挙げられる。成形性の観点から紙粉、木粉、竹粉、セルロース粉末、ケナフ粉末、籾殻粉末、果実殻粉末、キチン粉末、キトサン粉末、タンパク質粉末、澱粉等の粉末状のものが好ましく、紙粉、木粉、竹粉、セルロース粉末、ケナフ粉末が好ましい。紙粉、木粉がより好ましい。特に紙粉が好ましい。
これら有機充填剤は天然物から直接採取したものを使用してもよいが、古紙、廃材木および古衣等の廃材をリサイクルしたものを使用してもよい。
また木材として、松、杉、檜、もみ等の針葉樹材、ブナ、シイ、ユーカリ等の広葉樹材等が好ましい。
紙粉は成形性の観点から接着剤、とりわけ、紙を加工する際に通常使用される酢酸ビニル樹脂系エマルジョンやアクリル樹脂系エマルジョン等のエマルジョン系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリアミド系接着剤等のホットメルト接着剤等を含むものが好ましく例示される。
本発明において有機充填剤の配合量は特に限定されるものではないが、成形性および耐熱性の観点から、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)100質量部当たり、好ましくは1〜300質量部、より好ましくは5〜200質量部、さらに好ましくは10〜150質量部、特に好ましくは15〜100質量部である。有機充填剤の配合量が1質量部未満であると、組成物の成形性向上効果が小さく、300質量部を超える場合には充填剤の均一分散が困難になり、あるいは成形性、耐熱性以外にも材料としての強度、外観が低下する可能性があるため好ましくない。
本発明の組成物は、無機充填剤を含有しても良い。無機充填剤合有により、機械特性、耐熱性、成形性の優れた組成物を得ることができる。本発明で使用する無機充填剤としては、通常の熱可塑性樹脂の強化に用いられる繊維状、板状、粉末状のものを用いることができる。
具体的には例えば、カーボンナノチューブ、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、マグネシウム系ウイスカー、珪素系ウイスカー、ワラストナイト、イモゴライト、セピオライト、アスベスト、スラグ繊維、ゾノライト、石膏繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、窒化珪素繊維およびホウ素繊維等の繊維状無機充填剤、層状珪酸塩、有機オニウムイオンで交換された層状珪酸塩、ガラスフレーク、非膨潤性雲母、グラファイト、金属箔、セラミックビーズ、タルク、クレイ、マイカ、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、ドロマイト、カオリン、粉末珪酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシクム、酸化アルミニウム、酸化チタン、珪酸アルミニウム、酸化ケイ素、石膏、ノバキュライト、ドーソナイトおよび白土フラーレンなどのカーボンナノ粒子等の板状や粒子状の無機充填剤が挙げられる。
層状珪酸塩の具体例としては、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト等のスメクタイト系粘土鉱物、バーミキュライト、ハロサイト、カネマイト、ケニヤイト等の各種粘土鉱物、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Li型四珪素フッ素雲母、Na型四珪素フッ素雲母等の膨潤性雲母等が挙げられる。これらは天然のものであっても合成のものであって良い。これらのなかでモンモリロナイト、ヘクトライト等のスメクタイト系粘土鉱物やLi型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母等の膨潤性合成雲母が好ましい。
これらの無機充填剤のなかでは繊維状もしくは板状の無機充填剤が好ましく、特にガラス繊維、ワラステナイト、ホウ酸アルミニウムウイスカー、チタン酸カリウムウイスカー、マイカ、およびカオリン、陽イオン交換された層状珪酸塩が好ましい。また繊維状充填剤のアスペクト比は5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、20以上であることがさらに好ましい。
かかる充填剤はエチレン/酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で被覆または収束処理されていてもよく、またアミノシランやエポキシシラン等のカップリング剤で処理されていても良い。
無機充填剤の含有量は、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)100質量部に対し、好ましくは0.1〜200質量部、より好ましくは0.5〜100質量部、さらに好ましくは1〜50質量部、特に好ましくは1〜30質量部、最も好ましくは1〜20質量部である。
<離型剤>
本発明の樹脂組成物は、離型剤を含有することができる。本発明において使用する離型剤は通常の熱可塑性樹脂に用いられるものを使用することができる。
離型剤として具体的には、脂肪酸、脂肪酸金属塩、オキシ脂肪酸、パラフィン、低分子量のポリオレフィン、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド、脂肪族ケトン、変性シリコーン等を挙げることができる。これらを配合することで機械特性、成形性、耐熱性に優れた成形品を得ることができる。
離型剤は、1種類でも用いて2種以上を組合わせても良い。離型剤の含有量は、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)100質量部に対し、好ましくは0.01〜3質量部、より好ましくは0.03〜2質量部である。
<帯電防止剤>
本発明の樹脂組成物は、帯電防止剤を含有することができる。帯電防止剤として、(β−ラウラミドプロピオニル)トリメチルアンモニウムスルフェート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどの第4級アンモニウム塩系、スルホン酸塩系化合物、アルキルホスフェート系化合物等が挙げられる。本発明において帯電防止剤は1種類で用いても良いし2種以上を組み合わせて用いても良い
帯電防止剤の含有量は、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)100質量部に対し、好ましくは0.05〜5質量部、より好ましくは0.1〜5質量部である。
<可塑剤>
本発明の樹脂組成物は、可塑剤を含有することができる。可塑剤としては一般に公知のものを使用することができる。可塑剤は、1種のみでも良くまた2種以上を併用することもできる。可塑剤の含有量は、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)100質量部当たり、好ましくは0.01〜30質量部、より好ましくは0.05〜20質量部、さらに好ましくは0.1〜10質量部である。本発明においては結晶化促進剤と可塑剤を各々単独で使用してもよいし、両者を併用して使用することがさらに好ましい。
<耐衝撃改良剤>
本発明の樹脂組成物は、耐衝撃改良剤を含有することができる。耐衝撃改良剤とは熱可塑性樹脂の耐衝撃性改良に用いることができるものであり、特に制限はない。例えば以下の耐衝撃改良剤の中から選択される少なくとも1種を用いることができる。
耐衝撃改良剤の具体例としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、各種アクリルゴム、エチレン−アクリル酸共重合体およびそのアルカリ金属塩(いわゆるアイオノマー)、エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体(例えばエチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体)、変性エチレン−プロピレン共重合体、ジエンゴム(例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン)、ジエンとビニル共重合体(例えばスチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレンランダム共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリブタジエンにスチレンをグラフト共重合させたもの、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体)、ポリイソブチレン、イソブチレンとブタジエンまたはイソプレンとの共重合体、天然ゴム、チオコールゴム、多硫化ゴム、ポリウレタンゴム、ポリエーテルゴム、エピクロロヒドリンゴム等が挙げられる。
さらに各種架橋度を有するものや各種ミクロ構造、例えばシス構造、トランス構造等を有するものやコア層とそれを覆う1以上のシェル層とから構成され、また隣接する層が異種重合体から構成されるいわゆるコアシェル型と呼ばれる多層構造重合体等も使用することができる。
さらに上記具体例に挙げた各種の(共)重合体はランダム共重合体、ブロック共重合体およびブロック共重合体等のいずれであっても、本発明の耐衝撃改良剤として用いることができる。
耐衝撃改良剤の含有量は、芳香族ポリエステル樹脂(A成分)100質量部に対して、好ましくは1〜30質量部、より好ましくは5〜20質量部、さらに好ましくは10〜20質量部である。
<その他>
また本発明の樹脂組成物は、本発明の趣旨に反しない範囲において、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含有させても良い。また本発明の樹脂組成物は、本発明の趣旨に反しない範囲において、臭素系、リン系、シリコーン系、アンチモン化合物等の難燃剤を含有させても良い。また有機、無機系の染料、顔料を含む着色剤、例えば、二酸化チタン等の酸化物、アルミナホワイト等の水酸化物、硫化亜鉛等の硫化物、紺青等のフェロシアン化物、ジンククロメート等のクロム酸塩、硫酸バリウム等の硫酸塩、炭酸カルシウム等の炭酸塩、群青等の珪酸塩、マンガンバイオレット等のリン酸塩、カーボンブラック等の炭素、ブロンズ粉やアルミニウム粉等の金属着色剤等を含有させても良い。また、ナフトールグリーンB等のニトロソ系、ナフトールイエローS等のニトロ系、ナフトールレッド、クロモフタルイエロー等のアゾ系、フタロシアニンブルーやファストスカイブルー等のフタロシアニン系、インダントロンブルー等の縮合多環系着色剤等、グラファイト、フッソ樹脂等の摺動性改良剤等の添加剤を含有させても良い。これらの添加剤は単独であるいは2種以上を併用することもできる。
<成形品>
本発明の樹脂組成物よりなる成形品は、射出成形、押し出し成形、真空、圧空成形およびブロー成形等により成形できる。成形品として、ペレット、繊維、布帛、繊維構造体、フィルム、シート、シート不織布などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物よりなるペレットは、その溶融成形法は何ら限定されず、公知のペレット製造法により製造されたものが好適に使用できる。即ち、ストランド、あるいは板状に押し出された樹脂組成物を、樹脂が完全に固化した後、あるいは完全には固化されないで、いまだ溶融状態にあるとき、空気中、あるいは水中でカッティングする等の手法が従来公知であるが、本発明においてはいずれも好適に適用できる。
射出成形は、射出成形時、成形品の結晶化、成形サイクルを上げる観点から、シリンダー温度230〜290℃、金型温度は好ましくは30〜120℃、より好ましくは40〜110℃である。
またこれらの成形品は、各種ハウジング、歯車、ギア等の機構部品、コネクタ等の電気・電子部品、建築部材、土木部材、農業資材、自動車部品(内装、外装部品等)および日用部品などを挙げることができる。
また、本発明のフィルム、シートは従来公知の方法により成形されたものである。例えばフィルム、シートにおいては、押し出し成形、キャスト成形等の成形手法を用いることができる。即ち、Tダイ、円形ダイ等が装着された押出機等を用いて、未延伸フィルムを押し出し、さらに延伸、熱処理して成形することができる。このとき、未延伸のフィルムはシートとしてそのまま実用に供することもできる。フィルム化に際し、事前に樹脂組成物および前述した各種成分を溶融混練した材料を用いることもできれば、押し出し成形時に溶融混練を経て成形することもできる。未延伸フィルムを押し出し時、溶融樹脂にスルホン酸四級ホスホニウム塩などの静電密着剤を配合し表面欠陥の少ない未延伸フィルムを得ることができる。
また、樹脂組成物および添加剤成分を共通溶媒、例えばクロロホルム、二塩化メチレン等の溶媒を用いて、溶解、キャスト、乾燥固化することにより未延伸フィルムをキャスト成形することもできる。
未延伸フィルムを機械的流れ方向に縦一軸延伸、機械的流れ方向に直交する方向に横一軸延伸することができ、またロール延伸とテンター延伸の逐次2軸延伸法、テンター延伸による同時2軸延伸法、チューブラー延伸による2軸延伸法等によって延伸することにより2軸延伸フィルムを製造することができる。さらに該フィルムは、熱収縮性などの抑制のため延伸後、通常熱固定処理を行う。かくして得られた延伸フィルムには、所望により従来公知の方法で、表面活性化処理、たとえばプラズマ処理、アミン処理、コロナ処理を施すことも可能である。
本発明のフィルム、シートは単一の形態である以外、他種類のフィルム、シートと混用することもできる。混用の態様としては、他種材料からなるフィルム、シートとの各種組み合わせ、例えば、積層、ラミネートなどのほか、他種形態たとえば射出成形品、繊維構造体などとの組み合わせが例示できる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるものではない。
実施例1〜3、比較例1〜5
1.本実施例における各測定値は以下の方法に従って求めた。
(1)環状カルボジイミド構造のNMRによる同定
合成した環状カルボジイミド化合物(B成分)はH−NMR、13C−NMRによって確認した。NMRは日本電子(株)製JNR−EX270を使用した。溶媒は重クロロホルムを用いた。
(2)環状カルボジイミド化合物(B成分)のカルボジイミド骨格のIRによる同定
合成した環状カルボジイミド化合物(B成分)のカルボジイミド骨格の有無は、FT−IRによりカルボジイミドに特徴的な2,100〜2,200cm−1の確認を行った。FT−IRはサーモニコレー(株)製Magna−750を使用した。
(3)溶融粘度
樹脂組成物の溶融粘度はレオメーターにより確認した。レオメーターはTAインスルツメント社製レオメーターARESを使用した。測定条件は温度を260℃、剪断速度を1s−1、測定雰囲気を窒素、測定時間を6秒として測定を行い、その時の溶融粘度を確認した。
溶融粘度特性(MV)は樹脂組成物のペレット状サンプルを140℃で3時間乾燥後、ISO11443:2005に準拠し、キャピログラフ1B(東洋精機製作所社製)を用いて、炉体温度260℃、キャピラリーφ1mm×20mmL、剪断速度1000sec−1にて測定した。
(4)カルボキシル基濃度
樹脂組成物を精製o−クレゾールに窒素気流下溶解、ブロモクレゾールブルーを指示薬とし、0.05規定水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定した。
(5)還元粘度保持率(加水分解に対する安定性):
樹脂組成物をプレッシャークッカー試験機にて、121℃、100%RH(0.2MPa)にて100時間処理したときの還元粘度保持率を評価した。
還元粘度(ηsp/c)の測定は試料40mgを〔テトラクロロエタン/フェノール=(1/1)混合溶媒〕10mlに溶解、35℃でウベローデ粘度管を使用して測定し、還元粘度保持率は、分子を試料処理後の還元粘度、分母を試料処理前の還元粘度とし百分率で求めた。
(6)イソシアネート臭の発生の有無
樹脂組成物において、250℃で5分間溶融混練したとき、官能評価により、測定者がイソシアネート臭を感じるかどうかで判定した。イソシアネート臭を感じないときを「無」、イソシアネート臭を感じるときを「有」とした。
2.A〜C成分
(1)芳香族ポリエステル樹脂(A成分)
ウィンテックポリマー(株)製のポリブチレンテレフタレートを用いた(以下、(A1)として表記することがある。)。
芳香族ポリエステル樹脂(A1)の還元粘度は0.84dl/g(固有粘度は0.69dL/g)であった。また、カルボキシル基濃度、溶融粘度、還元粘度保持率を表1に示す。
(2)環状カルボジイミド化合物(B成分)
環状カルボジイミド化合物(B成分)は以下の方法で製造した。
o−ニトロフェノール(0.11mol)とペンタエリトリチルテトラブロミド(0.025mol)、炭酸カリウム(0.33mol)、N,N−ジメチルホルムアミド200mlを攪拌装置および加熱装置を設置した反応装置にN2雰囲気下仕込み、130℃で12時間反応後、DMFを減圧により除去し、得られた固形物をジクロロメタン200mlに溶かし、水100mlで3回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、ジクロロメタンを減圧により除去し、中間生成物(ニトロ体)を得た。
次に中間生成物(ニトロ体)(0.1mol)と5%パラジウムカーボン(Pd/C)(2g)、エタノール/ジクロロメタン(70/30)400mlを、攪拌装置を設置した反応装置に仕込み、水素置換を5回行い、25℃で水素を常に供給した状態で反応させ、水素の減少がなくなったら反応を終了した。Pd/Cを回収し、混合溶媒を除去して中間生成物(アミン体)を得た。
次に攪拌装置および加熱装置、滴下ロートを設置した反応装置に、N雰囲気下、トリフェニルホスフィンジブロミド(0.11mol)と1,2−ジクロロエタン150mlを仕込み攪拌した。そこに中間生成物(アミン体)(0.025mol)とトリエチルアミン(0.25mol)を1,2−ジクロロエタン50mlに溶かした溶液を25℃で徐々に滴下した。滴下終了後、70℃で5時間反応させた。その後、反応溶液をろ過し、ろ液を水100mlで5回分液を行った。有機層を硫酸ナトリウム5gで脱水し、1,2−ジクロロエタンを減圧により除去し、中間生成物(トリフェニルホスフィン体)を得た。
次に、攪拌装置および滴下ロートを設置した反応装置に、N2雰囲気下、ジ−tert−ブチルジカーボネート(0.11mol)とN,N−ジメチル−4−アミノピリジン(0.055mol)、ジクロロメタン150mlを仕込み攪拌した。そこに、25℃で中間生成物(トリフェニルホスフィン体)(0.025mol)を溶かしたジクロロメタン100mlをゆっくりと滴下させた。滴下後、12時間反応させる。その後、ジクロロメタンを除去し得られた固形物を、精製することで、C成分としての、下記の一つの環の中にカルボジイミド基を一つだけ有するカルボジイミド環を2つ有する環状カルボジイミド化合物(B1:分子量=516)を得た。なお、この環状カルボジイミド化合物(B1)の構造はNMR、IRにより確認した。
Figure 2013146625
(3)多価水酸基含有化合物(C成分)
C成分として、以下を用いた。
多価水酸基含有化合物(C1):東京化成工業(株)製のペンタエリスリトール、ヒドロキシル価=1648
多価水酸基含有化合物(C2):東京化成工業(株)製のトリメチロールエタン、ヒドロキシル価=1401
実施例1
芳香族ポリエステル樹脂(A1)100質量部を、110℃、5時間真空乾燥した後、環状カルボジイミド化合物(B1)1質量部とヒドロキシル価が200以上の多価水酸基含有化合物(C1)1質量部を加え、ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)を使用して、樹脂温度250℃で5分間溶融混練して、樹脂組成物(M1)を得た。樹脂組成物製造時にイソシアネート臭は感じられなかった。この組成物のカルボキシル基濃度、溶融粘度、還元粘度保持率等の結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、多価水酸基含有化合物(C1)の量を1質量部から1.5質量部に変更したこと以外は同様にして、樹脂組成物(M2)を得た。樹脂組成物製造時にイソシアネート臭は感じられなかった。この組成物のカルボキシル基濃度、溶融粘度、還元粘度保持率等の結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、多価水酸基含有化合物(C1)を加えなかったこと以外は同様にして、樹脂組成物(M3)を得た。樹脂組成物製造時にイソシアネート臭は感じられなかった。この組成物のカルボキシル基濃度、溶融粘度、還元粘度保持率等の結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、多価水酸基含有化合物として(C1)から代えて、(C2)を用いたこと以外は同様にして、樹脂組成物(M4)を得た。樹脂組成物製造時にイソシアネート臭は感じられなかった。この組成物のカルボキシル基濃度、溶融粘度、還元粘度保持率等の結果を表1に示す。
比較例2
比較例1において、B成分としての環状カルボジイミド化合物(B1)を線状構造のポリカルボジイミドSb−P(ラインケミージャパン(株)製「スタバクゾール(登録商標)」P)に変更したこと以外は同様にして、樹脂組成物(M5)を得た。樹脂組成物製造時イソシアネート臭を感じた。この組成物のカルボキシル基濃度、溶融粘度、還元粘度保持率等の結果を表1に示す。
比較例3
比較例1において、B成分としての環状カルボジイミド化合物(B1)を線状構造のポリカルボジイミドLA−1(日清紡ケミカル(株)製「カルボジライト(登録商標)」LA−1)に変更したこと以外は同様にして、樹脂組成物(M6)を得た。組成物製造時イソシアネート臭を感じた。この組成物のカルボキシル基濃度、溶融粘度、還元粘度保持率等の結果を表1に示す。
比較例4
比較例1において、B成分としての環状カルボジイミド化合物(B1)を線状構造のモノカルボジイミドSb−I(ラインケミージャパン(株)製「スタバクゾール(登録商標)」I)に変更したこと以外は同様にして、樹脂組成物(M7)を得た。組成物製造時イソシアネート臭を感じた。この組成物のカルボキシル基濃度、溶融粘度、還元粘度保持率等の結果を表1に示す。
比較例5
実施例1において、ヒドロキシル価が200以上の多価水酸基含有化合物としての多価アルコール(C1)から代えて1級アルコールである、和光純薬工業(株)製のステアリルアルコールを用いたこと以外は同様にして、樹脂組成物(M8)を得た。組成物製造時イソシアネート臭は感じなかった。この組成物のカルボキシル基濃度、溶融粘度、還元粘度保持率等の結果を表1に示す。
Figure 2013146625
実施例4〜13、比較例6〜15
以下、本願の樹脂組成物を成形物にした際の性能を確認した。
1.実施例における各値は以下の方法により求めた。
(1)溶融粘度特性(MV)
樹脂組成物のペレット状サンプルを140℃で3時間乾燥後、ISO11443:2005に準拠し、キャピログラフ1B(東洋精機製作所社製)を用いて、炉体温度260℃、キャピラリーφ1mm×20mmL、剪断速度1000sec−1にて測定した。
(2)引張り強さ(TS)
樹脂組成物のペレット状サンプルを140℃で3時間乾燥後、樹脂温度260℃、金型温度80℃、射出時間15秒、冷却時間15秒で、ISO3167:2002引張り試験片を射出成形し、ISO527−1:1993、ISO527−2:1993に準拠し引張り強さを測定した。結果を表2に示す。
(3)プレッシャクッカーテスト(PCT)
引張り強さ試験に用いた試験片を、プレッシャークッカー試験機で121℃、100%RHの条件で48時間処理し、処理後の引張り強さを測定し、処理前後での強度保持率を求めた。試験結果を表2に示す。なお、表2中で、「不可」は、PCT後の試験片の劣化が激しく、引張り強さ測定時に測定装置に固定するために締め付ける時点で試験片を破壊してしまい、測定不可であったことを示す。
(4)固有粘度:
フェノール/テトラクロロエタン(質量比60/40)の混合溶媒を用い、常法に従って、35℃でウベローデ粘度管を使用して求めた。
(5)イソシアネートガス発生量
樹脂組成物のペレット状サンプル30mgを一定空気気流下(100ml/分)の加熱炉において280℃で10分間加熱し、発生したイソシアネートガスを捕集してガスクロマトグラフィーにてイソシアネートガス発生量を測定した。
結果を表2に示す。なお、表2に示すイソシアネートガス発生量は、ペレット状サンプル1g当たりの値である。
(6)モールドデポジット(MD)発生の有無
樹脂組成物のペレット状サンプルを140℃で3時間乾燥後、樹脂温度260℃、金型温度80℃、射出時間15秒、冷却時間15秒で、ISO3167:2002引張り試験片を100回連続整形し、金型へのMD発生の有無を目視で観察した。その際、下記の評価基準を用いた。結果を表2に示す。
○:100回以上の連続成形でも、MDが観察されなかった場合。
△:11回以上99回以下の連続成形で、MDが観察された場合。
×:10回以下の連続成形で、MDが観察された場合。
2.A〜C成分
(1)芳香族ポリエステル樹脂(A成分)
芳香族ポリエステル樹脂(A成分)は、実施例1と同じものを用いた。
(2)環状カルボジイミド化合物(B成分)
カルボジイミド化合物(B成分)として、上述のB1の他に、B2として、芳香族カルボジイミド化合物ラインケミージャパン株式会社製、「スタバクゾール(登録商標)」P400を用いた。
(3)多価水酸基含有化合物(C成分)
多価水酸基含有化合物(C成分)として以下の化合物を用いた。
C3:グリセリンモノ12−ヒドロキシステアリン酸エステル(ヒドロキシル価420、理研ビタミン株式会社製、「リケマール(登録商標)」HC−100)
C4:トリグリセリンステアリン酸部分エステル(ヒドロキシル価280、理研ビタミン株式会社製、「リケマール(登録商標)」AF−70)
C6:デカグリセリンモノラウレート(ヒドロキシル価600、理研ビタミン株式会社製、「ポエム(登録商標)」L−021)
C7:プロピレングリコールモノベヘネート(ヒドロキシル価145、理研ビタミン株式会社製、「リケマール(登録商標)」PB−100)
(4)その他
酸化防止剤として以下の化合物を用いた。
E1:フェノール系酸化防止剤、BASFジャパン(株)製「イルガノックス(登録商標)」1010。
<樹脂組成物の調製>
芳香族ポリエステル樹脂(A1)、環状カルボジイミド化合物(B成分)、多価水酸基含有化合物(C成分)及び酸化防止剤(E1)を、表2に示す配合組成で秤量後ドライブレンドし、二軸押出機(株式会社日本製鋼所製TEX−30)にて、シリンダー温度を260℃、スクリュー回転数を130rpm、押出量を12kg/hとして、溶融混練を行い、吐出されたストランド状の溶融樹脂を冷却し、ペレタイザーによりカッティングすることにより、樹脂組成物のペレット状サンプルを得各種評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2013146625
Figure 2013146625
実施例14〜15、比較例16
(1)芳香族ポリエステル樹脂(A成分)
芳香族ポリエステル樹脂(A成分)として、帝人(株)製のポリエチレンテレフタレート(FK−OM)を用いた(以下、(A2)として表記することがある。)。
芳香族ポリエステル樹脂(A2)の固有粘度は0.63dL/g(還元粘度は0.85dl/gであった。)また、カルボキシル基濃度は15eq/ton、溶融粘度、還元粘度保持率は表3に示す。なお、A成分としてA2を用いた際は、溶融粘度測定は280℃で実施した。
(2)環状カルボジイミド化合物(B成分)
カルボジイミド化合物(B成分)として、上述のB1を用いた。
(3)多価水酸基含有化合物(C成分)
多価水酸基含有化合物(C成分)として以下の化合物を用いた。
C1:ペンタエリスリトール(ヒドロキシル価1645、関東化学株式会社製)
C3:グリセリンモノ12−ヒドロキシステアリン酸エステル(ヒドロキシル価420、理研ビタミン株式会社製、「リケマール(登録商標)」HC−100)
<樹脂組成物の調製>
芳香族ポリエステル樹脂(A2)、環状カルボジイミド化合物(B1)、多価水酸基含有化合物(C成分)を表3に示す配合組成にて、秤量し、ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)を使用して、樹脂温度280℃で5分間溶融混練して、樹脂組成物(実施例14,15、比較例16)を得た。樹脂組成物製造時にイソシアネート臭は感じられなかった。この組成物のカルボキシル基濃度、溶融粘度、還元粘度保持率等の結果を表3に示す。
Figure 2013146625

Claims (14)

  1. 末端カルボキシル基量が30当量/ton以下の芳香族ポリエステル樹脂(A成分)、一つの環の中にカルボジイミド基を一つだけ有するカルボジイミド環を少なくとも2つ有する環状カルボジイミド化合物(B成分)およびヒドロキシル価が200以上の多価水酸基含有化合物(C成分)を含有する樹脂組成物。
  2. A成分は、ポリブチレンテレフタレートを50質量%以上含む請求項1記載の樹脂組成物。
  3. B成分は、複数のカルボジイミド環がスピロ結合または結合基を介して結合している環状カルボジイミド化合物である請求項1記載の樹脂組成物。
  4. B成分は、下記式で表される環状カルボジイミド化合物である請求項1記載の樹脂組成物。
    Figure 2013146625
    (式中Xは、下記式(i−1)で表される4価の基である。Ar〜Arは各々独立に、置換基で置換されていてもよい、オルトフェニレン基または1,2−ナフタレン−ジイル基である。)
    Figure 2013146625
  5. B成分の含有量は、A成分100質量部を基準として、0.1〜3質量部である請求項1に記載の樹脂組成物。
  6. C成分は、多価アルコール若しくはその部分エステルである請求項1に記載の樹脂組成物。
  7. C成分のヒドロキシル価が1000以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
  8. C成分は、多価アルコールと炭素数12以上の脂肪酸との部分エステルである、請求項6に記載の樹脂組成物。
  9. C成分の含有量は、A成分100質量部を基準として、0.05〜5質量部である請求項1に記載の樹脂組成物。
  10. 末端カルボキシル基量が5当量/ton以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
  11. 温度280℃での溶融粘度が300Pa・s以下、且つ121℃、100%RH(0.2MPa)のプレッシャクッカーテストにおいて、100時間保持後の還元粘度保持率が50%以上である請求項1記載の樹脂組成物。
  12. 温度260℃での溶融粘度が300Pa・s以下、且つ121℃、100%RH(0.2MPa)のプレッシャクッカーテストにおいて、100時間保持後の還元粘度保持率が80%以上である請求項2記載の樹脂組成物。
  13. 末端カルボキシル基量が30当量/ton以下の芳香族ポリエステル樹脂(A成分)、一つの環の中にカルボジイミド基を一つだけ有する環を少なくとも2つ有する環状カルボジイミド化合物(B成分)およびヒドロキシル価が200以上の多価水酸基含有化合物(C成分)を含有する樹脂組成物の製造方法であって、
    (i)芳香族ポリエステル樹脂(A成分)および多価水酸基含有化合物(C成分)を溶融混練した後、得られた混合物に環状カルボジイミド化合物(B成分)を添加し溶融混練するか、または
    (ii)芳香族ポリエステル樹脂(A成分)に、環状カルボジイミド化合物(B成分)および多価水酸基含有化合物(C成分)を同時に添加し溶融混練する、前記製造方法。
  14. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる成形品。
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