JPWO2013046403A1 - 金属空気電池 - Google Patents

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Abstract

空気極への電解液供給を速やかに効率良く行うことが可能であり、充放電容量を向上することができる金属空気電池を提供する。空気極層と、負極層と、前記空気極層及び前記負極層との間に配置される電解質層とを備え、前記電解質層が、絶縁性及び多孔質構造を有するセパレータと、該セパレータ内に含浸された電解液とを有し、前記セパレータと前記空気極層との間に、前記セパレータよりも孔径が大きい多孔質構造を有する電解液リザーブ層を備えることを特徴とする金属空気電池。

Description

本発明は、金属空気電池に関する。
正極活物質として酸素を利用する金属空気電池は、エネルギー密度が高い、小型化及び軽量化が容易である等の利点を有する。そのため、現在、広く使用されているリチウム二次電池を超える高容量電池として注目を集めている。金属空気電池としては、例えば、リチウム空気電池、マグネシウム空気電池、亜鉛空気電池等が知られている。
金属空気電池は、空気極(正極)において酸素の酸化還元反応が行われ、負極において負極に含まれる金属の酸化還元反応が行われることで、充放電が可能である。例えば、伝導イオンが一価の金属イオンである金属空気電池(二次電池)では、以下のような充放電反応が進むと考えられる。尚、下記式においてMは金属種を示す。
[放電時]
負極 : M → M + e
空気極 : 2M + O + 2e → M
[充電時]
負極 : M + e → M
空気極 : M → 2M + O + 2e
空気電池は、例えば、導電性材料及び結着材を含有する空気極層と、空気極層の集電を行う空気極集電体と、負極活物質(金属や合金等)からなる負極層と、負極層の集電を行う負極集電体と、空気極層及び負極層の間に介在する電解質とを有する。
具体的な金属空気電池としては、例えば、特許文献1〜6に開示されているものが挙げられる。
特許文献1には、正極層、負極層、及び該正極層と負極層との間に介在する非水電解質層を有し、非水電解質層が非水電解液をセパレータに含浸・保持することで形成された金属空気電池が開示されている。
また、特許文献5には、空気取り入れ孔を有する電池容器と、正極、負極、及び正極と負極との間に配置されたセパレータを含む電極群と、前記電池容器の前記取り入れ孔が形成された面と前記正極との間に空隙保持部材と、を有する金属空気電池が開示されている。
また、特許文献6には、多孔質集電体と、前記多孔質集電体の表面内部に形成され、前記多孔質集電体の開口径よりも小さな粒径を有する第2の電極材料を含有する内部電極層と、前記内部電極層上に形成され、前記多孔質集電体の開口径よりも大きな粒径を有する第1の電極材料を含有する外部電極層と、を有する電池電極が開示されている。
特開2002−15782号公報 特開2010−103064号公報 国際公開WO2007−21717 特開平09−306509号公報 特開2004−319464号公報 特開2010−92721号公報
金属空気電池では、放電時、空気極にLiO等の金属酸化物等が析出することが知られている。本発明者は、このような空気極での析出物の生成によって、空気極に含浸された電解液が空気極から押し出されるという知見を得た。そして、充電時に、押し出された分の電解液が空気極に戻らない場合には、空気極において電解液不足が生じ、充放電容量が低下することを見い出した。
しかしながら、特許文献1に記載されているような従来の金属空気電池では、放電時に空気極から押し出され、セパレータ内に取り込まれた電解液は、放電時に生成した析出物よりもむしろセパレータの保液力が強いゆえに、充電時に空気極へ戻りにくい。従って、従来の金属空気電池では、充電時の空気極への速やかな電解液供給が難しく、充放電容量の低下が生じてしまう。
本発明は上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、本発明の目的は、空気極への電解液供給を速やかに効率良く行うことが可能であり、充放電容量を向上することができる金属空気電池を提供することである。
本発明の金属空気電池は、空気極層と、負極層と、前記空気極層及び前記負極層との間に配置される電解質層とを備え、
前記電解質層が、絶縁性及び多孔質構造を有するセパレータと、該セパレータ内に含浸された電解液とを有し、
前記セパレータと前記空気極層との間に、前記セパレータよりも孔径が大きい多孔質構造を有する電解液リザーブ層を備えることを特徴とする。
本発明の金属空気電池は、上記のような電解液リザーブ層により、空気極層への電解液供給が促進されるため、高い充放電容量を得ることができる。
前記電解液リザーブ層の孔径は、前記空気極層の孔径よりも大きいことが好ましい。電解液リザーブ層から空気極層への電解液の供給がより促進されるためである。
本発明の金属空気電池において、前記電解液リザーブ層及び前記セパレータの具体的な孔径は特に限定されないが、好ましい範囲として、例えば、前記電解液リザーブ層の孔径が1〜50μmであり、前記セパレータの孔径が0.02〜1μmである態様が挙げられる。
前記電解液リザーブ層の空隙率は50〜90%であることが好ましい。充分な量の電解液を保持することができるからである。
前記電解液リザーブ層は導電性を有することが好ましい。導電性を有する電解液リザーブ層は、空気極層の集電体としても機能させることが可能であり、金属空気電池を小型化することができるからである。
本発明の金属空気電池の具体的な形態としてはリチウム空気電池が挙げられる。
本発明の金属空気電池では、放電時に空気極層で生成した析出物によって空気極層から電解液が押し出されても、続く充電時に空気極層への電解液供給を速やかに効率良く行うことが可能であり、充放電容量を向上することができる。従って、本発明によれば、エネルギー密度が高い金属空気電池を提供することが可能である。
本発明の金属空気電池の第一実施形態を示す断面模式図である。 本発明の金属空気電池の第二実施形態を示す断面模式図である。 本発明の金属空気電池の第三実施形態を示す断面模式図である。 実施例1で作製した電解液リザーブ層及び空気極層の積層体の断面SEM写真である。 実施例1、2及び比較例1、2の金属空気電池の放電曲線である。
本発明の金属空気電池は、空気極層と、負極層と、前記空気極層及び前記負極層との間に配置される電解質層とを備え、
前記電解質層が、絶縁性及び多孔質構造を有するセパレータと、該セパレータ内に含浸された電解液とを有し、
前記セパレータと前記空気極層との間に、前記セパレータよりも孔径が大きい多孔質構造を有する電解液リザーブ層を備えることを特徴とするものである。
以下、本発明の金属空気電池について、図を参照しながら説明する。図1〜図3は、本発明の金属空気電池の形態例を示す断面模式図である。
図1の金属空気電池100において、空気極層1、負極層2、及び電解質層3は、空気極層1と負極層2との間に電解質層3が配置されるように積層されており、電解液が、空気極1と負極層2との間に介在している。電解質層3と空気極層1との間には、電解液リザーブ層4が設けられている。これら空気極層1、電解液リザーブ層4、電解質層3及び負極層2は、この順序で積層され、空気極缶5及び負極缶6で構成される電池ケース内に収容されている。空気極缶5及び負極缶6は、ガスケット7により固定されている。
空気極層1は、酸素を活物質とする電極反応層であり、導電性材料(例えばカーボンブラック)、触媒(例えば、二酸化マンガン)、及び結着材(例えば、ポリテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体)を含む。
空気極層1は、多孔質構造を有し、空気極缶5に設けられた空気孔8から取り込まれる空気(酸素)が供給される。
負極層2は、伝導イオン種である金属イオンを放出・取り込み可能な負極活物質(例えば、Li金属)を含む。
電解質層3は、絶縁性多孔質体(例えば、ポリプロピレン製不織布)からなるセパレータと、該セパレータに含浸された電解液(例えば、リチウム塩のプロピレンカーボネート溶液)とを有している。
電解液リザーブ層4は、電解質層3を構成する前記セパレータと、空気極層1との間に配置され、前記セパレータを構成する絶縁性多孔質体の孔径よりも大きな孔径を有する多孔質構造体(例えば、カーボンペーパー)から構成され、電解液を含浸している。
本発明者は、金属空気電池の空気極層において、放電時、析出物の生成により空気極層に含浸された電解液が空気極層から押し出されるという知見を得た。押し出された分の電解液が空気極層に戻らないと、充電時、空気極層において電解液が不足し、充放電容量低下という問題が生じる。しかしながら、従来の金属空気電池では、空気極層から押し出されてセパレータ内に取り込まれた電解液は、放電時に生成した析出物よりもむしろセパレータの保液力及び毛管力が強いために、充電時に析出物が分解されても空気極層へと戻りにくい。
そこで、本発明では、上記のような孔径を有する多孔質構造を有する電解液リザーブ層を、空気極層とセパレータとの間に配置することによって、空気極層への電解液の供給を促進し、空気極層での電解液不足の抑制を可能にした。セパレータよりも孔径が大きい多孔質構造体は、セパレータよりもその保液力及び毛管力が小さいために、セパレータと比較してその内部に取り込まれた電解液が空気極層へ移動しやすいからである。
一方、空気極層とセパレータとの間に、電解液を保持可能な空間(空隙)を設けた場合、類似の効果を奏するが、電池が大型化してしまい、体積ロスにつながるという問題が生じる。或いは、空間に溜まった電解液を空気極層が吸い続けるフラッティング現象にもつながりかねない。
以上のように、本発明では、空気極層への電解液の供給能力と空気極層から押し出された電解液の貯留能力とのバランスに優れ、セパレータと空気極層との間の保液力及び毛管力の緩衝層として優れた機能を発揮する多孔質構造体を配置することで、空気極層への電解液の供給を促進させることができる。
しかも、上記電解液リザーブ層は、金属空気電池の小型化を阻むことなく、効率良く空気極性能の向上が実現可能である。
以下、本発明の金属空気電池の各構成について詳しく説明する。
尚、本発明において、金属空気電池とは、空気極層において、正極活物質である酸素の酸化還元反応が行われ、負極層において、金属の酸化還元反応が行われ、空気極層と負極層との間に介在する電解質によって金属イオンが伝導される電池を指す。金属空気電池の種類としては、例えば、リチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カリウム空気電池、マグネシウム空気電池、カルシウム空気電池、亜鉛空気電池、アルミニウム空気電池等を挙げることができる。特にリチウム空気電池は、放電時、空気極層において固体金属酸化物(リチウム酸化物)が析出しやすく、空気極層から押し出される電解液の量が多いことから、本発明の効果が強く発揮されるといえる。
また、本発明において、空気金属電池は、一次電池であっても二次電池であってもよいが、二次電池の場合、充放電容量向上等の本発明の効果が強く発揮されるため好ましい。
また、本発明において、セパレータ、電解液リザーブ層、及び空気極層の孔径とは、これら層の断面方向に貫通する細孔の最も小さい直径(ボトルネック径)を意味し、例えば、パームポロメトリーにおけるバブルポイント法によって測定することが可能である。バブルポイント法とは、多孔質試料を液体で濡らした状態でガス圧をかけ、ガス圧を徐々に高め、細孔内の液体が押し出されるガス圧から多孔質試料の細孔径分布を求めることができる手法であり、液体の透過性を支配する多孔質試料のネック部の径を測定することができる。ここで、層の断面方向とは、各層と、該層と隣接する層(部材)とが、積層する方向を意味する(図1中の矢印参照)。
(空気極層)
空気極層は、通常、少なくとも導電性材料を含み、多孔質構造を有するものである。空気極層では、導電性材料の表面において、供給された酸素と金属イオンとの反応(金属酸化物や金属水酸化物等の生成、分解など)が起こる。多孔質構造の空隙には、電解液が含浸され、金属イオンの伝導パスとして、また、酸素の拡散パスとして機能する。さらには、放電時に生成する析出物の格納場としても機能する。
導電性材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、導電性炭素材料が挙げられる。
導電性炭素材料は特に限定されないが、空気極層における反応場の面積や空間の観点から、高比表面積を有する炭素材料が好ましい。具体的には、導電性炭素材料は10m/g以上、特に100m/g以上、さらに600m/g以上の比表面積を有することが好ましい。高比表面積を有する導電性炭素材料の具体例として、カーボンブラック、活性炭、カーボン炭素繊維(例えばカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等)等を挙げることができる。ここで、導電性材料の比表面積は、たとえば、窒素吸着測定によるBET法によって測定することができる。
導電性炭素材料は、多孔質構造を有するものであってもなくてもよいが、反応場の空間を確保する観点から、多孔質構造を有するものが好ましく、特に1cc/g以上の高い細孔容積を有するものが好ましい。高い細孔容積を有する導電性炭素材料の具体例としては、カーボンブラック、活性炭、カーボン炭素繊維(例えばカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等)等を挙げることができる。ここで、導電性材料の細孔容積は、たとえば窒素吸着測定によるBJH法によって測定することができる。
空気極層における導電性材料の含有量は、その密度や比表面積等にもよるが、例えば、10重量%〜99重量%の範囲であることが好ましい。
空気極層は、空気極層における酸素の反応を促進する空気極触媒を含有していてもよい。このような空気極触媒は、上記導電性材料に担持されていてもよい。
空気極触媒としては、特に限定されず、例えば、コバルトフタロシアニン、マンガンフタロシアニン、ニッケルフタロシアニン、スズフタロシアニンオキサイド、チタンフタロシアニン、ジリチウムフタロシアニン等のフタロシアニン系化合物;コバルトナフトシアニン等のナフトシアニン系化合物;鉄ポルフィリン等のポリフィリン系化合物等の有機材料や、MnO、CeO、Co、NiO、V、Fe、ZnO、CuO、LiMnO、LiMnO、LiMn、LiTi12、LiTiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiVO、LiFeO、LiFeO、LiCrO、LiCoO、LiCuO、LiZnO、LiMoO、LiNbO、LiTaO、LiWO、LiZrO、NaMnO、CaMnO、CaFeO、MgTiO、KMnO等の金属酸化物;Au、Pt、Ag等の貴金属等の無機材料等が挙げられる。また、上記材料の複数を組み合わせた複合体を空気極触媒として用いることもできる。
空気極層における空気極触媒の含有量は、例えば、1重量%〜90重量%の範囲であることが好ましい。
空気極層は、導電性材料や空気極触媒の固定化の観点から、さらに、結着材を含有することが好ましい。
結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、PVdFとヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。
空気極層における結着材の含有量は、例えば、1重量%〜40重量%の範囲であることが好ましい。
空気極層の厚さは、金属空気電池の用途等により異なるものであるが、例えば2μm〜500μmの範囲内、特に5μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
空気極層の多孔質構造の孔径は特に限定されないが、例えば、0.02〜1μmの範囲内、特に0.05〜0.2μmの範囲内であることが好ましい。
空気極層には、該空気極層の集電を行う空気極集電体が設けられてもよい。
空気極集電体としては、所望の電子伝導性を有していれば、多孔質構造を有するものであっても、或いは緻密構造を有するものであってもよいが、空気(酸素)の拡散性の観点から、多孔質構造を有するものが好ましい。多孔質構造としては、例えば、構成繊維が規則正しく配列されたメッシュ構造、構成繊維がランダムに配列された不織布構造、独立孔や連結孔を有する三次元網目構造等が挙げられる。多孔質構造を有する集電体の空隙率は特に限定されないが、例えば、20〜99%の範囲であることが好ましい。
空気極集電体は、空気極層と電気的に接続されていればその配置位置は特に限定されず、空気極層の電解液リザーブ層側とは反対側の面に積層されてもよいし、或いは、多孔質構造を有する空気極集電体を用いる場合には、空気極層の内部に配置されてもよい。
空気極集電体の材料としては、例えば、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、銅等の金属材料、カーボンファイバー、カーボンペーパー、カーボンクロス等のカーボン材料、窒化チタン等の高電子伝導性セラミックス材料等が挙げられる。好ましい具体的な空気極集電体としては、カーボンペーパー、カーボンクロス、及び金属メッシュ等の多孔質構造体、特に、多孔質カーボンが挙げられる。
空気極集電体の厚さは特に限定されないが、例えば、10μm〜1000μmの範囲内、特に20〜400μmの範囲内であることが好ましい。
尚、後述する金属空気電池の電池ケースが空気極の集電体としての機能を兼ね備えていてもよい。また、後述する電解液リザーブ層が導電性を有する場合には、該リザーブ層を空気極集電体として機能させてもよい。電解液リザーブ層を空気極集電体として機能させる場合、金属空気電池の小型化、構成部材の削減等が可能である。
空気極層の製造方法は特に限定されない。例えば、導電性材料と結着材等のその他の材料とを混合した空気極層用材料を用いて形成することができる。具体的には、後述する電解液リザーブ層を構成する多孔質体の表面に、溶媒を含む空気極層用材料を塗布し、必要に応じて、乾燥処理、加圧処理、加熱処理等を施すことで空気極層と電解液リザーブ層とが積層した積層体を作製することができる。或いは、溶媒を含む空気極層用材料を、基材上で圧延又は塗布して成形し、必要に応じて、乾燥処理、加圧処理、加熱処理等を施すことで空気極層を作製することもできる。電解液又は電解液溶媒を添加した空気極層用材料を用い、予め電解液又は電解液溶媒を含有する空気極層を形成することもできる。この場合、電解液及び電解液溶媒としては、後述する電解液及び該電解液に使用する非水溶媒を用いることができる。
このようにして作製した空気極層は、適宜、空気極集電体や電解液リザーブ層用多孔質体と重ね合わせ、必要に応じて加圧や加熱等を行うことで、これら部材と積層することができる。
空気極層用材料に用いる溶媒としては、揮発性を有していれば特に限定されず、適宜選択することができる。具体的には、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が挙げられる。空気極層用材料の乾燥が容易になることから、沸点が200℃以下の溶媒が好ましい。
空気極層用材料を塗布する方法は特に限定されず、ドクターブレード法、インクジェット法、スプレー法等の一般的な方法を用いることができる。
(電解質層)
電解質層は、絶縁性及び多孔質構造を有するセパレータと、該セパレータ内に含浸された電解液とを有する。
セパレータは、空気極層と負極層との間の絶縁性を確保できる絶縁性と、電解液を保持できる多孔質構造と、を有していれば特に限定されず、公知の材料、多孔質構造を採用することができる。セパレータの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の絶縁性樹脂、ガラス等を挙げることができる。また、セパレータの多孔質構造としては、例えば、構成繊維が規則正しく配列されたメッシュ構造、構成繊維がランダムに配列された不織布構造、独立孔や連結孔を有する三次元網目構造等が挙げられる。
セパレータの孔径は特に限定されないが、保液性の観点から、例えば、0.02〜1μmであることが好ましく、特に0.05〜0.2μmであることが好ましい。
セパレータの厚さは特に限定されず、例えば、10〜500μm程度でよい。
セパレータに含浸される電解液は、空気極層と負極層との間で金属イオンを伝導できれば、特に限定されず、支持電解質塩及び非水溶媒を含有する非水系電解液でもよいし、支持電解質塩及び水系溶媒を含有する水系電解液でもよい。非水電解液を用いた場合、空気極層で析出物が生成しやすいことから、本発明の金属空気電池は、非水系電解液を用いた場合に大きな効果が発揮されるといえる。
非水溶媒としては、特に限定されず、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート、イソプロピオメチルカーボネート、プロピオン酸エチル、プロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸メチル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコージジエチルエーテル、アセトニトリル(AcN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジエトキシエタン、ジメトキシエタン(DME)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(TEGDME)等が挙げられる。
また、イオン性液体を非水溶媒として用いることもできる。イオン性液体としては、例えば、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド[略称:TMPA−TFSA]、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド[略称:PP13−TFSA]、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド[略称:P13−TFSA]、N−メチル−N−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド[略称:P14−TFSA]、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド[略称:DEME−TFSA]等の脂肪族4級アンモニウム塩;1−メチル−3−エチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート[略称:EMIBF]、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド[略称:EMITFSA]、1−アリル−3−エチルイミダゾリウムブロマイド[略称:AEImBr]、1−アリル−3−エチルイミダゾリウムテトラフルオロボラート[略称:AEImBF]、1−アリル−3−エチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド[略称:AEImTFSA]、1,3−ジアリルイミダゾリウムブロマイド[略称:AAImBr]、1,3−ジアリルイミダゾリウムテトラフルオロボラート[略称:AAImBF]、1,3−ジアリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド[略称:AAImTFSA]等のアルキルイミダゾリウム4級塩等が挙げられる。
酸素ラジカルに対する電気化学安定性という観点からは、非水溶媒として、AcN、DMSO、DME、PP13−TFSA、P13−TFSA、P14−TFSA、TMPA−TFSA、DEME−TFSA等が好ましい。
非水系電解液において、支持電解質塩は、非水溶媒に対して溶解性を有し、所望の金属イオン伝導性を発現するものであればよい。通常、伝導させたい金属イオンを含む金属塩を用いることができる。例えば、リチウム空気電池の場合、支持電解質塩としてリチウム塩を用いることができる。リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiOH、LiCl、LiNO、LiSO等の無機リチウム塩が挙げられる。また、CHCOLi、リチウムビスオキサレートボレート(略称 LiBOB)、LiN(CFSO(略称 LiTFSA)、LiN(CSO(略称 LiBETA)、LiN(CFSO)(CSO)等の有機リチウム塩を用いることもできる。
非水系電解液において、非水溶媒に対する支持電解質塩の含有量は、特に限定されないが、例えば、リチウム塩の濃度は、例えば0.5mol/L〜3mol/Lの範囲内とすることができる。
水系電解液において、支持電解質塩は、水に対して溶解性を有し、所望のイオン伝導性を発現するものであれば特に限定されない。通常、伝導させたい金属イオンを含む金属塩を用いることができる。例えば、リチウム空気電池の場合、例えば、LiOH、LiCl、LiNO、LiSO、CHCOOLi等のリチウム塩を用いることができる。
電解液はゲル化してもよいし、又は、固体電解質を含んでいてもよい。
例えば、非水電解液のゲル化方法としては、非水系電解液に、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリルニトリル(PAN)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)またはポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリマーを添加する方法が挙げられる。
また、固体電解質は、伝導金属イオンに応じて適宜選択すればよく特に限定されない。例えば、リチウム空気電池の場合、Li(XはB、Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn、Sb及びSeよりなる群から選択される少なくとも1種であり、YはTi、Zr、Ge、In、Ga、Sn及びAlよりなる群から選択される少なくとも1種であり、a〜eは、0.5<a<5.0、0≦b<2.98、0.5≦c<3.0、0.02<d≦3.0、2.0<b+d<4.0、3.0<e≦12.0の関係を満たす)で表されるNASICON型酸化物;LiLa1−xTiO等のペロブスカイト型酸化物;LiXO−LiYO(XはSi、Ge,及びTiから選ばれる少なくとも1種であり、YはP、As及びVから選ばれる少なくとも1種である)並びにLiDO−LiYO(DはB、YはP、As及びVから選ばれる少なくとも1種である)等のLISICON型酸化物;LiLaZr12等のLi−La−Zr−O系酸化物等のガーネット型酸化物等が挙げられる。
(電解液リザーブ層)
電解液リザーブ層は、空気極層と電解質層を構成するセパレータとの間に設けられる。すなわち、電解液リザーブ層は、空気極層及びセパレータの両方に接触する。典型的には、空気極、電解液リザーブ層及びセパレータが、この順序で積層され、これらの各層は電解液を含浸する。
電解液リザーブ層は多孔質構造を有し、その孔径は、電解質層を構成するセパレータの孔径よりも大きい。電解液リザーブ層の孔径はセパレータの孔径よりも大きければよいが、電解液リザーブ層に取り込まれた電解液をより効率良く空気極層へ供給できることから、空気極層の孔径よりも大きいことが好ましい。
電解液リザーブ層の具体的な孔径は特に限定されないが、空気極層へ電解液を供給する駆動力としての毛管力の観点から、例えば、1〜50μmであることが好ましく、特に10〜40μmであることが好ましい。
電解液リザーブ層の多孔質構造は、特に限定されず、例えば、構成繊維が規則正しく配列されたメッシュ構造、構成繊維がランダムに配列された不織布構造、独立孔や連結孔を有する三次元網目構造等が挙げられる。
電解液リザーブ層の多孔質構造を構成する材料は特に限定されず、ポリプロピレン等の絶縁性材料を用いることもできるが、空気極層の集電体としても機能できることから、導電性を有していることが好ましい。電解液リザーブ層を構成する導電性材料としては、例えば、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、銅等の金属材料、カーボンファイバー、カーボンペーパー、カーボンクロス等のカーボン材料、窒化チタン等の高電子伝導性セラミックス材料等が挙げられ、中でも、カーボンペーパー、カーボンクロス等のカーボン繊維を含むカーボン多孔質体が好ましい。
また、電解液リザーブ層の空隙率は特に限定されないが、充分量の電解液を保持できるように、例えば、50〜90%であることが好ましく、特に70〜90%であることが好ましい。電解液リザーブ層の空隙率は、例えば、水銀圧入法によって測定することができる。
電解液リザーブ層の厚さは特に限定されず、例えば、2〜500μm程度でよい。
(負極層)
負極層は、金属イオン(伝導イオン)を放出・取り込み可能な負極活物質を含有する。負極層には、負極層の集電を行う負極集電体が設けられてもよい。
負極活物質は、伝導イオン種、典型的には金属イオンの放出・取り込みが可能なものであれば特に限定されず、例えば、伝導イオン種である金属イオンを含有する単体金属、合金、金属酸化物、金属硫化物、及び金属窒化物等が挙げられる。また、炭素材料も負極活物質として用いることができる。負極活物質としては、単体金属又は合金が好ましく、特に単体金属が好ましい。単体金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛及び鉄等が挙げられ、合金としては、これら単体金属を少なくとも1種含む合金が挙げられる。
より具体的には、リチウム空気電池の負極活物質としては、例えば金属リチウム;リチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金等のリチウム合金;スズ酸化物、ケイ素酸化物、リチウムチタン酸化物、ニオブ酸化物、タングステン酸化物等の金属酸化物;スズ硫化物、チタン硫化物等の金属硫化物;リチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物等の金属窒化物;並びにグラファイト等の炭素材料等を挙げることができ、中でも金属リチウム及び炭素材料が好ましく、高容量化の観点から金属リチウムがより好ましい。
負極層は、少なくとも負極活物質を含有してればよいが、必要に応じて、負極活物質を固定化する結着材を含有していてもよい。例えば、負極活物質として箔状の金属や合金を用いる場合には、負極層を負極活物質のみを含有する形態とすることができるが、粉末状の負極活物質を用いる場合には、負極層を負極活物質と結着材を含有する形態とすることができる。また、負極層は、導電性材料を含有していてもよい。結着材及び導電性材料の種類、使用量等については、上述した空気極層と同様とすることができる。
負極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されない。例えば、銅、ステンレス、ニッケル等が挙げられ、中でもステンレス又はニッケルが好ましい。負極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、及びメッシュ状等が挙げられる。また、電池ケースが負極集電体としての機能を有していてもよい。
負極層及び負極集電体の製造方法は特に限定されない。例えば、箔状の負極活物質と負極集電体とを重ね合わせて加圧し、負極層と負極集電体とが積層した負極を作製することができる。或いは、負極活物質と結着材等とを含有する負極層用材料を調製し、該材料を基材(例えば負極集電体)上に塗布、乾燥することで、負極層と負極集電体とが積層した負極を作製することができる。
(その他)
本発明の金属空気電池は、上記したような空気極層、電解液リザーブ層、電解質層、及び負極層以外のその他構成部材を有していてもよい。
例えば、図2に示す金属空気電池101及び図3に示す金属空気電池102において、空気極層1には、電解液リザーブ層4とは反対側に、空気極層1に隣接して設けられた空気リザーブ層9が設けられている。空気リザーブ層9は、空気極層へ供給される酸素を貯留しておくことが可能な構造を有しており、例えば、多孔質体により構成することができる。空気リザーブ層を構成する多孔質体は、導電性を有していてもよいし、又は、絶縁性を有していてもよい。空気リザーブ層を構成する多孔質体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、カーボンペーパー、カーボンクロス等の多孔質体が挙げられる。空気リザーブ層は、例えば、2〜500μm程度の厚さを有していることが好ましい。
また、図2の金属空気電池101のように、負極層2と電解質層3との間に、負極保護層11を設けることもできる。負極保護層11は、電解液を貯留しておくことが可能な液だめ構造(間隙)を有するものである。このような負極保護層11を設けることで、電解液の電池全体での増減を緩和することができる。
本発明の金属空気電池は、通常、空気極層、負極、電解質層を収納する電池ケースを有する。電池ケースの形状は特に限定されないが、具体的にはコイン型、平板型、円筒型、ラミネート型等を挙げることができる。電池ケースは、大気開放型であっても、密閉型であってもよい。
大気開放型の電池ケースは、少なくとも空気極層が十分に大気を接触可能な構造を有する。例えば、図1〜図3の金属空気電池100、101、及び102のように、空気極層1に連通する空気取り込み孔8を有する構造が挙げられる。空気取り込み孔8には、図2の金属空気電池101及び図3の金属空気電池102のように、酸素を選択的に透過可能な酸素透過膜10を設けてもよい。酸素透過膜10は、空気中の水(水蒸気)や二酸化炭素が電池ケース内に取り込まれるのを阻止できることが好ましい。具体的な酸素透過膜としては、例えば、ポリシロキサン系膜等が挙げられる。また、空気取り込み孔には、ポリテトラフルオロエチレン膜等の撥水膜を設けてもよい。酸素透過膜が撥水膜としても機能を兼ね備えていてもよい。
一方、密閉型の電池ケースは、正極活物質である酸素(空気)の導入管及び排気管を設けることができる。
金属空気電池に供給される酸素濃度は高いことが好ましく、純酸素であることが特に好ましい。
金属空気電池が、空気極層、電解液リザーブ層、電解質層、負極層の順番で配置されている積層体を、繰り返し何層も重ねる構造(例えば、積層構造又は捲回構造)を取る場合には、安全性の観点から、異なる積層体に属する空気極および負極の間に、セパレータを有することが好ましい。このようなセパレータとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔膜;および樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等を挙げることができる。
また、空気極集電体及び負極集電体には、それぞれ、外部との接続部となる端子を設けることができる。
本発明の金属空気電池の製造方法は特に限定されず、一般的な方法を採用することができる。
[金属空気電池の作製]
(実施例1)
以下のようにして図2に示す形態のリチウム空気電池を作製した。ただし、下記リチウム空気電池では、負極層の外面側に負極集電体を積層させた。
空気リザーブ層として、ポリテトラフルオロエチレン膜を用意した。
カーボンブラック(TIMCAL製、SuperP)(導電性材料)と、MnO(三井金属鉱山製)(触媒)と、PVdF−HFP共重合体(Alkema製、Kynar2801)(結着材)とを、重量比で、25:42:33となるように、アセトン溶媒中、混合及び攪拌し、空気極層スラリーを調製した。空気極層スラリーを、カーボンペーパー(東レ製、TGP−H−90、孔径30μm、空隙率80%)(導電性多孔質体)上に、ドクターブレード法により塗工し、乾燥させた。得られた塗工物を切断し、空気極層と電解液リザーブ層(孔径30μm)との積層体を得た。
上記同様にして形成した空気極層の孔径をパームポロメトリーにより測定したところ、120nmであった。
一方、Ar雰囲気下、プロピレンカーボネート(キシダ化学製)(非水溶媒)に、LiTFSA(リチウムビストリフルオロメタンスルフォニルアミド、キシダ化学製)(リチウム塩)を、濃度1mol/Lとなるように添加し、一晩、攪拌混合し、非水系電解液を得た。
また、セパレータとして、ポリプロピレン製不織布(孔径50nm)を用意した。
負極保護層(空間)を形成するためのPEEKリングを用意した。
金属Li(本城金属製)(負極活物質)に、SUS304製箔(ニラコ製)(集電体)を貼付し、負極層と負極集電体とが積層した負極を得た。
空気極側に酸素取り込み孔を有する電池ケースを用意した。尚、電池ケースの酸素取り込み孔が設けられた面の内側には、酸素透過膜(ポリテトラフルオロエチレン膜)を配置した。
電池ケース内に、酸素取り込み孔側(酸素透過膜側)から順に、空気リザーブ層、空気極層、電解液リザーブ層、セパレータ、負極保護層、負極層及び負極集電体が積層するように、各部材を収容した。電解液リザーブ層、セパレータ及び負極保護層に、非水系電解液を充填させ、リチウム空気電池を作製した。
(比較例1)
空気極層を以下のようにして作製し、電解液リザーブ層を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にしてリチウム空気電池を作製した。すなわち、空気極層は、実施例1と同様の空気極層スラリーをガラス基板上に塗工及び乾燥させ、得られた塗工物をガラス基板から剥離及び切断することによって作製した。
(実施例2)
以下のようにして図3に示す形態のリチウム空気電池を作製した。ただし、下記リチウム空気電池では、負極層の外面側に負極集電体を積層させた。
空気リザーブ層として、ポリテトラフルオロエチレン膜を用意した。
ケッチェンブラック(ケッチェンブラック・インターナショナル製、ECP600JD)(導電性材料)と、PVdF−HFP共重合体(Alkema製、Kynar2801)(結着材)と、PP13TFSA(N−メチル−N−プロピルピペリジニウムビストリフルオロメタンスルフォニルアミド、関東化学製)(非水系溶媒)を、重量比で、25:15:60となるように、混合及び攪拌し、空気極層スラリーを調製した。空気極層スラリーを、カーボンペーパー(東レ製、TGP−H−30、孔径30μm、空隙率78%)(導電性多孔質体)上に、ドクターブレード法により塗工し、乾燥させた。得られた塗工物を切断し、空気極層と電解液リザーブ層(孔径30μm)との積層体を得た。
上記同様にして形成した空気極層の孔径をパームポロメトリーにより測定したところ、120nmであった。
一方、Ar雰囲気下、PP13TFSA(関東化学製)(非水溶媒)に、LiTFSA(キシダ化学製)(リチウム塩)を、濃度0.32g/kgとなるように添加し、一晩、攪拌混合し、非水系電解液を得た。
また、セパレータとして、ポリプロピレン製不織布(孔径50nm)を用意した。
金属Li(本城金属製)(負極活物質)に、SUS304製箔(ニラコ製)(集電体)を貼付し、負極層と負極集電体とが積層した負極を得た。
空気極側に酸素取り込み孔を有する電池ケースを用意した。尚、電池ケースの酸素取り込み孔が設けられた面の内側には、酸素透過膜(ポリテトラフルオロエチレン膜)を配置した。
電池ケース内に、酸素取り込み孔側(酸素透過膜側)から順に、空気リザーブ層、空気極層、電解液リザーブ層、セパレータ、負極層及び負極集電体が積層するように、各部材を収容した。電解液リザーブ層及びセパレータに、非水系電解液を充填させ、リチウム空気電池を作製した。
(比較例2)
空気極層を以下のようにして作製し、電解液リザーブ層を設けなかったこと以外は、実施例2と同様にしてリチウム空気電池を作製した。すなわち、空気極層は、実施例2と同様の空気極層スラリーをガラス基板上に塗工及び乾燥させ、得られた塗工物をガラス基板から剥離及び切断することによって作製した。
[金属空気電池の評価]
上記実施例及び比較例のリチウム空気電池を以下のようにして評価した。
(実施例1及び比較例1)
まず、電池ケース内を60kPaで減圧した後アルゴンガスを封入(パージ)するというガス置換操作を15回繰り返し、電池ケース内にアルゴンガスを密封した。その後、電池ケース内を酸素ガス(純酸素、大陽日酸製、99.9%)で充分に置換した。続いて、リチウム空気電池を、25℃で3時間静置した。
静置後、酸素雰囲気(純酸素、大陽日酸製、99.9%)下、0.02mA/cm、25℃にて、定電流充放電測定を行い、空気極層の単位重量あたりの初回放電容量を計測した。放電終止電圧は2.0Vとした。表1及び図5に結果を示す。
Figure 2013046403
(実施例2及び比較例2)
静置温度及び定電流充放電測定温度を60℃、並びに、定電流充放電測定の電流密度を0.05mA/cmに変更したこと以外は、実施例1及び比較例1と同様にして、評価を行った。表2及び図5に結果を示す。
Figure 2013046403
表1、2及び図5より、セパレータよりも孔径の大きな多孔質構造を有する電解液リザーブ層を空気極層に隣接して設けた実施例1及び実施例2の金属空気電池は、比較例1及び比較例2と比較して、放電容量が増大したことが確認できた。これは、電解液リザーブ層の形成により、空気極層への電解液の供給が促進されたためと推察される。より具体的には、上記定電流充放電測定前に実施した、ガス置換操作及び静置の際に、各実施例の金属空気電池では、各比較例の金属空気電池と比較して、セパレータ側から空気極層への電解液の移動が効果的に行われたために、上記初回放電容量の増大が生じたと考えられる。すなわち、各金属空気電池では、上記ガス置換操作により減圧とガスパージとが繰り返された後、静置されることによって、セパレータ内や電解液リザーブ層内の電解液が空気極層内に移動したり、空気極層内の電解液が電解液リザーブ層内やセパレータ内へ移動したりする、電解液の移動が起きている。つまり、上記ガス置換操作及び静置処理の際、比較例1及び2と比較して実施例1及び実施例2の金属空気電池では、空気極層への電解液の移動が促進され、空気極層における電解液の含浸状態が向上したために、初回の放電容量が増大したと考えられる。
また、上記定電流充放電測定では、初回の放電容量を評価したが、初回の放電容量が向上したことから、実施例1及び2は、比較例1及び2と比較して、充放電サイクル後も優れた充放電容量を示すことが推察できる。
また、上記実施例1及び実施例2では、電解液リザーブ層の孔径が空気極層の孔径よりも大きいため、電解液リザーブ層から空気極層への電解液の供給がより効果的に促進されたと考えられる。
また、実施例2及び比較例2は、実施例1及び比較例1と比較して、高温及び高電流密度条件下で、定電流充放電測定を行った。高温及び高電流密度下では、電解液が低粘度を示すこと及び高負荷であることから電解液の移動が促進されているにもかかわらず、実施例2は比較例2よりも優れた効果を示した。
1…空気極層
2…負極層
3…電解質層
4…電解液リザーブ層
5…空気極缶
6…負極缶
7…ガスケット
8…空気取り込み孔
9…空気リザーブ層
10…酸素透過膜
11…負極保護層
100…金属空気電池
101…金属空気電池
102…金属空気電池
本発明の金属空気電池は、空気極層と、負極層と、前記空気極層及び前記負極層との間に配置される電解質層とを備え、
前記電解質層が、絶縁性及び多孔質構造を有するセパレータと、該セパレータ内に含浸された電解液とを有し、
前記セパレータと前記空気極層との間に、前記セパレータ及び前記空気極層よりも孔径が大きい多孔質構造を有する電解液リザーブ層を備えることを特徴とする。
本発明の金属空気電池は、上記のような電解液リザーブ層により、空気極層への電解液供給が促進されるため、高い充放電容量を得ることができる。

Claims (6)

  1. 空気極層と、負極層と、前記空気極層及び前記負極層との間に配置される電解質層とを備え、
    前記電解質層が、絶縁性及び多孔質構造を有するセパレータと、該セパレータ内に含浸された電解液とを有し、
    前記セパレータと前記空気極層との間に、前記セパレータよりも孔径が大きい多孔質構造を有する電解液リザーブ層を備えることを特徴とする金属空気電池。
  2. 前記電解液リザーブ層の孔径が、前記空気極層の孔径よりも大きい、請求の範囲第1項に記載の金属空気電池。
  3. 前記電解液リザーブ層の孔径が1〜50μmであり、前記セパレータの孔径が0.02〜1μmである、請求の範囲第1項又は第2項に記載の金属空気電池。
  4. 前記電解液リザーブ層の空隙率が50〜90%である、請求の範囲第1項乃至第3項のいずれかに記載の金属空気電池。
  5. 前記電解液リザーブ層が導電性を有する、請求の範囲第1項乃至第4項のいずれかに記載の金属空気電池。
  6. リチウム空気電池である、請求の範囲第1項乃至第5項のいずれかに記載の金属空気電池。
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