JP5454692B2 - 空気極、金属空気電池及び金属空気電池用空気極の製造方法 - Google Patents

空気極、金属空気電池及び金属空気電池用空気極の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属空気電池用の空気極、該空気極を有する金属空気電池及び金属空気電池用空気極の製造方法に関する。
金属空気電池は、空気極において酸素の酸化還元反応が行われ、負極において負極に含まれる金属の酸化還元反応が行われることで、充放電が可能である。空気(酸素)を正極活物質として用いることから、エネルギー密度が高い、小型化及び軽量化が容易である等の利点を有する。そのため、現在、広く使用されているリチウム二次電池を超える高容量二次電池として注目を集めている。金属空気電池としては、例えば、リチウム空気電池、マグネシウム空気電池、亜鉛空気電池等が知られている。
このような金属空気電池は、例えば、導電性材料、触媒、及び結着材を含有する空気極層と、空気極層の集電を行う空気極集電体と、金属又は合金からなる負極層と、負極層の集電を行う負極集電体と、空気極層及び負極層の間に介在する電解質とを有する。
例えば、伝導イオンが一価の金属イオンである金属空気電池では、以下のような充放電反応が進むと考えられる。尚、下記式においてMは金属種を示す。
[放電時]
負極 : M → M + e
正極 : 2M + O + 2e → M
[充電時]
負極 : M + e → M
正極 : M → 2M + O + 2e
金属空気電池は、上記のようなメリットを有する一方、充放電のサイクル特性や容量特性の向上等、解決すべき課題を有している。
例えば、特許文献1には、正極炭素表面付近における電解液の揮発を防止することによって、サイクル性能と放電容量に優れた空気電池を提供することを目的とした技術が開示されている。具体的には、金属イオンを放出する能力を有する負極と、炭素材料を含有する正極と、前記負極及び正極に挟まれた[−O−(C=O)−O−]骨格を有する有機カーボネート化合物を含有する非水電解液と、前記正極に酸素を取り込む空気孔が形成された収納ケースを具備した非水電解質電池において、前記正極の炭素材料表面を前記有機カーボネート化合物の分解生成物の皮膜で被覆した非水電解液電池が開示されている。
特開2003−100309号公報
本発明者が、従来の金属空気電池、特に上記特許文献1に記載の金属空気電池(リチウム空気二次電池)ついて検討したところ、放電ごとに空気極(正極)上に有機カーボネート化合物が生成し、充放電を繰り返すことによって、電池抵抗の増加、電池容量の減少等が生じ、電池寿命が低下することが見出された。これは、空気極で生成した酸素ラジカルと電解液中の有機溶媒が反応し、高抵抗分解物(有機カーボネート化合物)が生成するためと考えられる。
本発明は、上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、空気極における酸素ラジカルと金属イオンとの反応を促進させ、耐久性や容量特性に優れた金属空気電池を提供することを目的とする。
本発明の金属空気電池は、空気極と、負極と、前記空気極及び前記負極の間に介在して前記空気極及び前記負極との間の金属イオン伝導を行う電解質層と、を備える金属空気電池であって、
前記空気極が、少なくとも導電性材料及び第1の支持電解質塩を含有する空気極層を有し、
前記電解質層が、第2の支持電解質塩を含む電解液を含有し、
前記電解質層に含有される前記電解液1Lに対して、前記空気極層に含有される前記第1の支持電解質塩と前記電解質層に含有される前記第2の支持電解質塩の合計量[(前記第1の支持電解質塩のmol数)+(前記第2の支持電解質塩のmol数)]が、1.25〜3.0molであることを特徴とする。
本発明の金属空気電池においては、放電の際、空気極における酸素ラジカルと金属イオンとの反応が促され、金属酸化物が効率良く生成する。その結果、酸素ラジカルの副反応、例えば、電解質層の電解液に含まれる有機溶媒等と酸素ラジカルとの反応の進行が抑制される。従って、本発明の金属空気電池は、容量特性に優れると共に、高い耐久性を有する。さらに、空気極層に含有される第1の支持電解質塩と電解質層に含有される第2の支持電解質塩の合計量が、上記範囲内であることによって、電解質層におけるイオン伝導性を確保しつつ、容量特性や耐久性を向上させ、さらには、空気極及び電解質の内部や、空気極と電解質層との界面での抵抗増加を抑制することが可能である。
本発明の金属空気電池において、
前記空気極層が、前記電解質層に含有される前記電解液1Lに対して、0.05〜2.5molの前記第1の支持電解質塩を含有し、
前記電解質層が、該電解質層に含有される前記電解液1Lに対して、0.5〜1.2molの前記第2の支持電解質塩を含有することが好ましい。
耐久性及び容量特性を向上させつつ、電池抵抗の上昇を抑制することができるからである
本発明の金属空気電池用空気極の製造方法は、少なくとも、支持電解質塩と、導電性材料と、溶媒とを混合して空気極材混合物を調製する工程と、
前記空気極材混合物を乾燥させて、前記支持電解質塩を蒸発乾固させる工程と、
を備えることを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、支持電解質塩が均一に分散した空気極層を製造することができる。
本発明によれば、空気極における酸素ラジカルと金属イオンとの反応を促進させ、金属空気電池の耐久性や容量特性を向上させることができる。
本発明の金属空気電池の一形態例を示す断面図である。 実施例における定電流充放電曲線である。 実施例及び比較例における充放電サイクル特性を示すものである。
以下、本発明の金属空気電池用空気極、金属空気電池用空気極の製造方法、及び、金属空気電池について説明する。
尚、本発明において、金属空気電池とは、空気極(正極)において、正極活物質である酸素の酸化還元反応が行われ、負極において、金属の酸化還元反応が行われ、空気極と負極との間に介在する電解質層によって金属イオンが伝導される電池を指す。金属空気電池の種類としては、例えば、リチウム空気電池、ナトリウム空気電池、カリウム空気電池、マグネシウム空気電池、カルシウム空気電池、亜鉛空気電池、アルミニウム空気電池等を挙げることができる。
また、本発明において、空気金属電池は、一次電池であっても二次電池であってもよいが、二次電池の場合、サイクル特性等の本発明の効果が強く発揮されるため好ましい。
1.金属空気電池用空気極及びその製造方法
本発明の空気極は、空気極と、負極と、前記空気極及び前記負極の間に介在して前記空気極及び前記負極の間の金属イオン伝導を行う電解質層と、を備える金属空気電池に用いられる空気極であって、
少なくとも導電性材料及び第1の支持電解質塩を含有する空気極層を有することを特徴とする。
図1に、本発明の空気極を備えた金属空気電池の一形態例を示す。
図1において、金属空気電池10は、酸素を活物質とする空気極(正極)1、金属(例えば、Li金属)からなる負極2、並びに、空気極1及び負極2の間で金属イオンの伝導を担う電解質層3が、空気極缶6及び負極缶7で構成される電池ケース内に収容されている。空気極缶6及び負極缶7は、ガスケット8により固定されており、電池ケース内の密封性が確保されている。
空気極1は、空気極層5と、空気極層5の集電を行う空気極集電体4とから構成される。空気極層5は、酸素の酸化還元反応場であり、導電性材料(例えばカーボンブラック)、触媒(例えば、二酸化マンガン)、支持電解質塩(例えば、Li塩)及び結着材(例えば、ポリフッ化ビニリデン)を含んでいる。空気極集電体4は、多孔質構造を有する導電性材料(例えば、金属メッシュ)から構成されており、空気極缶6に設けられた空気孔9から取り込まれた空気が、空気集電体4を経て空気極層5に供給される。
負極2は、金属(例えば、Li金属)からなる。すなわち、負極2は、伝導イオン種である金属イオンを放出・取り込み可能な負極活物質を含んでいる。
電解質層3は、支持電解質塩(例えばLi塩)を有機溶媒(例えば、ジメチルカーボネート)に溶解した電解液を含んでいる。空気極1と負極2との間には、絶縁性及び多孔質構造を有するセパレータが配置されており(図示せず)、該セパレータの多孔質内に電解液が含浸されている。
本発明の空気極は、金属空気電池用空気極であって、支持電解質塩を含む空気極層を有している点が大きな特徴である。
従来の金属空気電池において、放電時の空気極(正極)では、負極で生成し、電解質層を経て移動してきた金属イオン(伝導イオン)が、空気極に供給された酸素から生成した酸素ラジカルと反応し、金属酸化物が生成する。この際、空気極では、酸素ラジカルと金属イオンとの反応性が低いため、金属イオン以外の物質(例えば、電解液の有機溶媒等)と酸素ラジカルとの副反応が進行しやすい。酸素ラジカルと有機溶媒との反応の結果、電子伝導性の低い生成物が生成し、電池の耐久性低下が生じる。また、酸素ラジカルの副反応により電池の容量特性が低下する。
これに対して、本発明の空気極は、放電時、負極で生成して移動してきた金属イオンに加えて、予め空気極層に含有されている支持電解質塩由来の金属イオンが存在する。尚、空気極層に含有される支持電解質塩は、電解質層に含有される液体に溶解、典型的には電解液に溶解し、金属イオンに解離する。
このように、本発明の空気極は、放電時、金属イオン濃度が高いために、空気極における酸素ラジカルと金属イオンとの反応を促進することができる。その結果、従来の金属空気電池の空気極で生じていた、金属イオン以外の物質(例えば、電解液の溶媒等)と酸素ラジカルとの反応を抑制することができる。すなわち、本発明によれば、酸素ラジカルの副反応抑制による容量特性の向上と共に、該副反応により生じた生成物に起因する電池寿命の低下の抑制が可能である。
尚、本発明者が検討した結果、空気極には予め支持電解質塩を含有させずに、電解質層における支持電解質塩濃度を高くしたとしても、上記したような本発明の効果は得られない、という知見が得られている。具体的には、後述する実施例3と比較例1に示されるように、空気極と電解質層に含有される合計支持電解質塩量が同じであっても、比較例1に対して実施例3の方が、大幅に高い放電容量が維持できるという結果が得られている。この結果から、電解質層の支持電解質塩濃度を高めるのではなく、本発明のように、空気極にも支持電解質塩を含有させることによって、上記したような酸素ラジカルの副反応の進行を抑制し、容量特性及び電池寿命を効果的に向上可能であるといえる。
また、本発明の空気極は、充放電に伴う負極でのデンドライトの抑制効果を発揮することも期待できる。
従来、充電時の負極における金属析出の際、析出金属が樹状(デンドライト状)に成長し、電池容量の低下や短絡等の原因となることが知られている。従来の金属空気電池では、充電時、金属イオンは、空気極での金属酸化物の分解により生成し、電解質層を経て負極へと移動し、負極表面で析出する。そのため、負極層近傍における金属イオン濃度は、負極層表面から遠いほど高くなる。その結果、負極層表面の凹凸に応じて金属析出が不均一に進行、すなわち、凹部よりも凸部で金属析出が進行し、金属結晶がデンドライト状に成長すると考えられている。
本発明の空気極によるデンドライト抑制のメカニズムは、次のように考えられる。すなわち、本発明の空気極を備える金属空気電池では、充電時、負極表面近傍には、空気極での金属酸化物の分解により生成した金属イオンに加えて、空気極に予め含有されていた支持電解質塩に由来する金属イオンも存在する。すなわち、従来の金属空気電池と比較して充電時の負極表面における金属イオン濃度を高くすることができる。その結果、上記のような負極層表面の凹凸に応じた不均一な金属析出の進行を抑制することができると考えられる。
以下、本発明の空気極について詳しく説明する。
本発明の空気極は、少なくとも導電性材料及び第1の支持電解質塩を含む空気極層を備える。空気極層では、供給された酸素(酸素ラジカル)が金属イオンと反応し、導電性材料の表面に金属酸化物が生成する。空気極層は、通常、多孔質構造を有し、活物質である酸素の拡散性が確保される。
導電性材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、炭素材料が挙げられる。炭素材料は、多孔質構造を有するものであっても、多孔質構造を有さないものであってもよいが、空気極に多くの反応場を導入することができることから、多孔質構造を有するものが好ましい。多孔質構造を有するカーボン材料としては、例えば、メソポーラスカーボン等が挙げられる。多孔質構造を有さない炭素材料としては、例えば、グラファイト、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等を挙げることができる。
空気極層における導電性材料の含有量は、その密度や比表面積等にもよるが、例えば、10重量%〜99重量%の範囲であることが好ましい。
第1の支持電解質塩としては、空気極−負極間を伝導させたい金属イオンを伝導することができれば特に限定されず、適宜選択すればよい。通常、伝導させたい金属イオンを含む金属塩を第1の支持電解質塩として用いることができる。
例えば、リチウム空気電池の場合、支持電解質塩としてリチウム塩を用いることができる。リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiOH、LiCl、LiNO、LiSO等の無機リチウム塩が挙げられる。
また、CHCOLi等の有機リチウム塩、下記式(1)、(2)で表わされる有機リチウム塩を用いることもできる。
Li(C2m+1SO) (1)
式(1)中、mは、1以上8以下、好ましくは1以上4以下である。
LiN(C2n+1SO)(C2p+1SO
式(2)中、n及びpは、それぞれ1以上8以下、好ましくは1以上4以下であり、互いに同じであっても異なっていてもよい。
式(1)で表わされる有機リチウム塩としては、例えば、LiCFSO等が挙げられる。また、式(2)で表わされる有機リチウム塩としては、例えば、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO等が挙げられる。
また、ナトリウム空気電池の場合、第1の支持電解質塩として、NaI、NaSCN、NaBr、NaClO、NaPF、NaTFSA[ナトリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド]等のナトリウム塩を用いることができる。
また、カリウム空気電池の場合、第1の支持電解質塩として、KClO、KSCN、KPF、KTFSA[カリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド]等のカリウム塩を用いることができる。
空気極層に含有される第1の支持電解質塩は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。また、電解質層に含有される支持電解質塩(第2の支持電解質塩)と同じであってもよいし、異なってもよい。
特に、本発明の空気極と組み合わせられる電解質層が、第2の支持電解質塩を含む電解液を含有する場合には、空気極層は、該電解質層に含有される電解液1Lに対して、0.05〜2.5molの第1の支持電解質塩を含有することが好ましい。空気極層における第1の支持電解質塩の含有量が、電解質層の電解液1Lに対して、0.05mol以上であることによって、耐久性向上及び容量特性向上等の本発明の効果が十分に発揮され、2.5mol以下であることによって、空気極層における電子伝導性を十分に確保することができるからである。空気極層における第1の支持電解質塩量は、上記電解質液1Lに対して、0.1mol〜2.0molであることが特に好ましく、0.25mol〜1.25molであることがさらに好ましい。
空気極層において、第1の支持電解質塩は全域にわたって均一に含有されていてもよいし、第1の支持電解質塩濃度の異なる領域が分布していてもよい。
例えば、空気極層において、酸素供給側、典型的には、空気極集電体側の第1の支持電解質塩濃度を、電解質層側よりも高くする形態が挙げられる。このように、酸素供給側の支持電解質塩濃度を高くすることで、効果的に酸素ラジカルと金属イオンとの反応を促進することができる。さらに、電解質層側の支持電解質塩濃度を低くすることで、空気極層中の支持電解質塩が電解質層へ過度に溶出することを抑制し、長期間にわたって空気極層に支持電解質塩を含有させておくことができる。その結果、本発明の効果を長期間にわたって得ることが可能となる。このような効果を十分に発揮させるためには、特に、空気極層の酸素供給側にのみ支持電解質塩を含有させ、電解質層側には支持電解質塩を含有させない形態が好ましい。
空気極層は、必要に応じて、導電性材料及び後述する触媒等を固定するための結着材を含有していてもよい。導電性材料や触媒が固定化されることで、サイクル特性を向上させることができるからである。
結着材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。
空気極層における結着材の含有量は、例えば、40重量%以下であることが好ましく、特に1重量%〜10重量%の範囲であることが好ましい。
空気極層は、空気極における酸素の酸化還元反応を促進する触媒を含有していてもよい。触媒は、上記導電性材料に担持されていることが好ましい。触媒の凝集を抑制し、触媒利用率を向上させることができるからである。
触媒としては、特に限定されず、例えば、コバルトフタロシアニン、マンガンフタロシアニン、ニッケルフタロシアニン、スズフタロシアニンオキサイド、チタニルフタロシアニン、ジリチウムフタロシアニン等のフタロシアニン系化合物;コバルトナフトシアニン等のナフトシアニン系化合物;鉄ポルフィリン等のポリフィリン系化合物;MnO、CeO、Co、NiO、V、Fe、ZnO、CuO、LiMnO、LiMnO、LiMn、LiTi12、LiTiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiVO、LiFeO、LiFeO、LiCrO、LiCoO、LiCuO、LiZnO、LiMoO、LiNbO、LiTaO、LiWO、LiZrO、NaMnO、CaMnO、CaFeO、MgTiO、KMnO等の金属酸化物、Pt、Ag、Au等の貴金属等が挙げられる。
空気極層における触媒の含有量は、例えば、1重量%〜90重量%の範囲であることが好ましい。
空気極は、空気極層の他、さらに該空気極層の集電を行う空気極集電体を備えていてもよい。
空気極集電体としては、所望の電子伝導性を有していれば、多孔質構造を有するものであっても、或いは緻密構造を有するものであってもよいが、空気(酸素)の拡散性の観点から、多孔質構造を有するものが好ましい。多孔質構造としては、例えば、構成繊維が規則正しく配列されたメッシュ構造、構成繊維がランダムに配列された不織布構造、独立孔や連結孔を有する三次元網目構造等が挙げられる。多孔質構造を有する集電体の気孔率は特に限定されないが、例えば、20〜99%の範囲であることが好ましい。
尚、多孔質構造を有する空気極集電体を用いる場合、空気極層と該空気極集電体を積層(隣接)させた図1とは異なり、空気極層の内部に該空気極集電体を配置することもできる。空気極層の内部に空気極集電体を配置する場合、空気極の集電効率の向上効果が期待できる場合がある。
空気極集電体の材料としては、例えば、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、銅等の金属材料、カーボンファイバー等のカーボン材料、窒化チタン等の高電子伝導性セラミックス材料等が挙げられる。中でも、耐腐食性の観点から、カーボン材料を用いた集電体が好ましい。空気極における放電反応により強アルカリ性の金属酸化物が生成した場合に、多孔質集電体が溶出するのを抑制し、これに起因する電池特性の低下を抑えることができるからである。
空気極集電体の厚さは特に限定されないが、例えば、10μm〜1000μm、特に20〜400μmであることが好ましい。
尚、金属空気電池においては、後述する電池ケースが空気極の集電体としての機能を兼ね備えていてもよい。
空気極の厚さは、金属空気電池の用途等により異なるものであるが、例えば2μm〜500μmの範囲内、特に5μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
本発明の金属空気電池用空気極の製造方法は、特に限定されない。好ましい方法としては、例えば、少なくとも、支持電解質塩(第1の支持電解質塩)と、導電性材料と、溶媒とを混合して空気極材混合物を調製する工程と、該空気極材混合物を乾燥させて、支持電解質塩を蒸発乾固させる工程とを備える方法が挙げられる。このように、支持電解質塩を、溶媒に溶解させた状態で導電性材料等その他の空気極層構成材料と混合した後、再結晶させることによって、支持電解質塩が均一に分散した空気極層を作製することができる。空気極材混合物を乾燥させた後、必要に応じて、さらに、加圧処理や加熱処理を施してもよい。
上記空気極材混合物を、空気極集電体の表面に塗布、乾燥させることで、空気極層と空気極集電体とが積層した空気極を作製することができる。或いは、上記空気極材混合物を塗布、乾燥して得られた空気極層を、空気極集電体と重ね合わせ、適宜、加圧や加熱等を行うことで、空気極層と空気極集電体とが積層した空気極を作製することもできる。
空気極材混合物の溶媒としては、揮発性を有していれば特に限定されず、適宜選択することができる。具体的には、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)等が挙げられる。空気極材混合物の乾燥が容易になることから、沸点が200℃以下の溶媒が好ましい。
空気極材混合物を塗布する方法は特に限定されず、ドクターブレード、スプレー法等の一般的な方法を用いることができる。
2.金属空気電池
本発明の金属空気電池は、空気極と、負極と、前記空気極及び前記負極の間に介在して前記空気極及び前記負極の間の金属イオン伝導を行う電解質層とを備える金属空気電池であって、
前記空気極が、少なくとも導電性材料及び第1の支持電解質塩を含有する空気極層を有し、
前記電解質層が、少なくとも第2の支持電解質塩を含む電解液を含有する、
ことを特徴とする。
図1に示す金属空気電池は、本発明の金属空気電池の一形態例である。図1の金属空気電池については、既に説明したため、ここでの説明は省略する。
本発明の金属空気電池は、上述した本発明の金属空気電池用空気極を具備するため、酸素ラジカルの副反応、すなわち、金属イオン以外の物質(例えば、電解液の溶媒等)と酸素ラジカルとの反応を抑制することができる。従って、本発明の金属空気電池は、副反応抑制により優れた容量特性を示すと共に、副反応生成物による電池寿命の低下を抑制することができる。また、上記空気極を備える本発明の金属空気電池は、既に説明した理由により、充放電に伴う負極でのデンドライトの抑制効果も期待できる。
本発明の金属空気電池の用途は特に限定されず、例えば、車両搭載用途、定置型電源用途、家庭用電源用途等を挙げることができる。
以下、本発明の金属空気電池の構成要素のうち、負極及び電解質層について説明する。空気極については上述した本発明の空気極と同様であるため、ここでの説明は省略する。
(負極)
負極は、金属イオンを放出・取り込み可能な負極活物質を含有する負極層を備える。通常は、負極層に加えて、負極層の集電を行う負極集電体も備える。
負極活物質は、金属イオンを放出・取り込みすることができるものであれば特に限定されず、例えば、伝導イオンである金属イオンを含有する単体金属、合金、金属酸化物、金属硫化物、及び金属窒化物等が挙げられる。また、炭素材料も負極活物質として用いることができる。負極活物質としては、単体金属又は合金が好ましく、特に単体金属が好ましい。
具体的には、リチウム空気電池の負極活物質としては、例えば金属リチウム;リチウムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合金、リチウムケイ素合金等のリチウム合金;スズ酸化物、ケイ素酸化物、リチウムチタン酸化物、ニオブ酸化物、タングステン酸化物等の金属酸化物;スズ硫化物、チタン硫化物等の金属硫化物;リチウムコバルト窒化物、リチウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物等の金属窒化物;並びにグラファイト等の炭素材料等を挙げることができ、中でも金属リチウム及び炭素材料が好ましく、高容量化の観点から金属リチウムがより好ましい。
負極層は、少なくとも負極活物質を含有してればよいが、必要に応じて、負極活物質を固定化する結着材を含有していてもよい。例えば、負極活物質として箔状の金属や合金を用いる場合には、負極層を負極活物質のみを含有する形態とすることができるが、粉末状の負極活物質を用いる場合には、負極層を負極活物質と結着材を含有する形態とすることができる。また、負極層は、導電性材料を含有していてもよい。結着材及び導電性材料の種類、使用量等については、上述した空気極と同様であるため、ここでの説明は省略する。
負極集電体の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されない。例えば、銅、ステンレス、ニッケル等が挙げられる。負極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、及びメッシュ状等が挙げられる。また、電池ケースが負極集電体としての機能を有していてもよい。
負極の製造方法は特に限定されない。例えば、箔状の負極活物質と負極集電体とを重ね合わせて加圧する方法が挙げられる。また、別の方法として、負極活物質と結着材とを含有する負極材混合物を調製し、該混合物を負極集電体上に塗布、乾燥する方法を挙げることができる。
(電解質層)
電解質層は、第2の支持電解質塩を含む電解液を含有するものであり、空気極と負極との間で金属イオンの伝導を行う。電解質層に含まれる電解液の液体成分、典型的には、後述する非水溶媒や水が、空気極層に含有される支持電解質塩(第1の支持電解質塩)の金属イオンの解離を促進し、さらには、該支持電解質塩由来の金属イオンの負極層への移動を促進する。
電解液としては、非水電解液及び水系電解液が挙げられるが、水系電解液の場合、負極を保護する必要がある。負極の保護方法は特に限定されず、一般的な方法を採用すればよい。
非水電解液は、非水溶媒に支持電解質塩(第2の支持電解質塩)を溶解させたものである。
非水溶媒としては、特に限定されず、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート、イソプロピオメチルカーボネート、プロピオン酸エチル、プロピオン酸メチル、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸メチル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコージジエチルエーテル、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジエトキシエタン、ジメトキシエタン等が挙げられる。
また、イオン性液体を非水溶媒として用いることもできる。イオン性液体としては、例えば、N,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド[略称:TMPA−TFSA]、N−メチル−N−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド[略称:PP13−TFSA]、N−メチル−N−プロピルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド[略称:P13−TFSA]、N−メチル−N−ブチルピロリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド[略称:P14−TFSA]、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド[略称:DEME−TFSA]等の脂肪族4級アンモニウム塩;1−メチル−3−エチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート[略称:EMIBF]、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド[略称:EMITFSI]、1−アリル−3−エチルイミダゾリウムブロマイド[略称:AEImBr]、1−アリル−3−エチルイミダゾリウムテトラフルオロボラート[略称:AEImBF]、1−アリル−3−エチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド[略称:AEImTFSA]、1,3−ジアリルイミダゾリウムブロマイド[略称:AAImBr]、1,3−ジアリルイミダゾリウムテトラフルオロボラート[略称:AAImBF]、1,3−ジアリルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミド[略称:AAImTFSA]等のアルキルイミダゾリウム4級塩等が挙げられる。
非水電解液に含まれる非水溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上であってもよい。
非水電解液に用いられる第2の支持電解質塩は、非水溶媒に対して溶解性を有し、所望の金属イオン伝導性を発現するものであればよい。通常、伝導させたい金属イオンを含む金属塩を用いることができる。
例えば、リチウム空気電池の場合、第2の支持電解質塩としてリチウム塩を用いることができる。リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF等の無機リチウム塩、LiCFSO等の上記式(1)で表わされる有機リチウム塩、並びに、LiN(CFSO、LiN(CSO、及びLiC(CFSO等の上記式(2)で表わされる有機リチウム塩等が挙げられる。
また、ナトリウム空気電池の場合、NaI、NaSCN、NaBr、NaClO、NaPF、NaTFSA等のナトリウム塩、カリウム空気電池の場合、KClO、KSCN、KPF、KTFSA等のカリウム塩を用いることができる。
水系電解液は、水に第2の支持電解質塩を溶解させたものである。水系電解液における第2の支持電解質塩は、水溶性を有し、所望の金属イオン伝導性を発現するものであればよい。例えば、リチウム空気電池の場合、LiOH、LiCl、LiNO、CHCOLi等のリチウム塩が挙げられる。また、ナトリウム空気電池の場合、NaCl、NaNO、NaOH、NaSO等のナトリウム塩が挙げられる。また、カリウム空気電池の場合、KCl、KNO、KOH、KSO等のカリウム塩が挙げられる。
非水電解液及び水系電解液は、固体電解質を含有していてもよい。固体電解質としては、特に限定されず、伝導する金属イオン種に応じて適宜選択することができる。固体電解質としては、例えば、硫化物系無機固体電解質、酸化物系無機固体電解質、ポリマー電解質等が挙げられる。具体的には、Li−La−Ti−O系無機固体電解質;LAGP[Li−Al−Ge−(PO系無機固体電解質(LAGP)及びLi−Al−Ti−(PO系無機固体電解質(LATP)等のNASICON型無機系固体電解質;LiPON(リン酸リチウムオキシナイトライド);Li−La−Zr−O系ガーネット型無機系固体電解質;PEO−TFSA(LiN(CFSO)系ポリマー電解質等が挙げられる。
空気極と負極との短絡を確実に防止する観点から、金属空気電池は、空気極層及び負極層の間に電解液を保持するセパレータを有することが好ましい。セパレータは、絶縁性を有し且つ電解液を保持可能な多孔質構造を有していればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質膜及び樹脂不織布、ガラス繊維不織布等が挙げられる。
また、上記非水電解液又は水系電解液は、ポリマーを添加してゲル化し、得られた電解質ゲルを用いて電解質層を形成することもできる。電解液のゲル化に用いるポリマーとしては、電解液に含まれる支持電解質塩及び溶媒の種類にもよるが、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等が挙げられる。
電解質層における第2の支持電解質塩の含有量は、特に限定されず、一般的な範囲とすることもできる。例えば、電解液1Lに対する第2の支持電解質塩の含有量は、0.5〜1.2molであることが好ましく、特に0.6〜1.2molであることが好ましく、さらに0.8〜1.2molであることが好ましい。電解液1L中の第2の支持電解質塩量が、0.5mol以上であることによって、電解質層における金属イオン伝導性を十分に確保することができ、1.2mol以下であることによって、金属イオン性を高く維持することができるからである。
また、電解質層に含まれる電解液1Lに対して、空気極層に含有される第1の支持電解質塩量(mol)と、電解質層に含まれる第2の支持電解質塩量(mol)との合計が、0.6〜3.0molであることが好ましい。電解液1Lに対する第1の支持電解質塩及び第2の支持電解質塩の合計量が、0.6mol以上であることによって、電解質層における金属イオン伝導性の確保と、容量特性及び耐久性の向上とを両立させることができ、3.0mol以下であることによって、空気極及び電解質の内部、並びに空気極と電解質層との界面での抵抗を過度に増加させないように制御することができるからである。
4.その他
金属空気電池は、通常、空気極、負極、電解質層を収納する電池ケースを有する。電池ケースの形状は特に限定されないが、具体的にはコイン型、平板型、円筒型、ラミネート型等を挙げることができる。電池ケースは、大気開放型であっても、密閉型であってもよい。大気開放型の電池ケースは、少なくとも空気極層が十分に大気を接触可能な構造を有する。一方、密閉型の電池ケースは、正極活物質である酸素(空気)の導入管及び排気管を設けることができる。導入される酸素濃度は高いことが好ましく、純酸素であることが特に好ましい。
また、空気極集電体及び負極集電体には、それぞれ、外部との接続部となる端子を設けることができる。
本発明の金属空気電池の製造方法は特に限定されず、一般的な方法を採用することができる。
尚、下記にて「mAh/g−Electorode」とは、空気極重量当たりの放電容量を示す。
[実施例1]
(リチウム空気電池の作製)
SUS304箔(負極集電体)と金属リチウム箔(負極層)とを重ね合わせ、負極を作製した。
プロピレンカーボネートに、1MのLiN(CFSO(以下、LiTFSAという。)を溶解させ、電解液を調製した。該電解液をポリプロピレン製不織布に含浸させ、電解質層を作製した。
カーボンブラック(導電性材料)、MnO(触媒)及びPVDF(結着材)を、アセトン中、25:42:33(重量比)の割合で混合した混合物に、LiTFSAを添加し、混合して空気極材混合物を調製した。空気極材混合物におけるLiTFSAの含有量は、上記電解質層中の電解液に含有されるLiTFSA量と空気極層に含有されるLiTFSA量の合計が、前記電解液1Lあたり1.25molとなる量、すなわち、差分の0.25mol/L分とした。得られた空気極混合物を、カーボンペーパー(空気極集電体)の表面に塗布、乾燥させ、空気極集電体上に空気極層が形成された空気極を作製した。
得られた負極の負極層と空気極の空気極層との間に、上記電解質層を挟み込み、リチウム空気電池を作製した。
(リチウム空気電池の評価)
得られたリチウム空気電池を用いて、純酸素(99.99%)雰囲気中、0.02mA/cm、25℃にて、慣らし運転として、充放電を2サイクル行った。その後、同条件下、定電流充放電サイクルを行った。
定電流充放電サイクルの1サイクル目の充放電曲線、及び、定電流充放電サイクル特性(サイクル数に対する放電容量の推移)を、それぞれ図2及び図3に示す。
[実施例2]
実施例1において、空気極層を、上記電解質層中の電解液に含有されるLiTFSA量と空気極層に含有されるLiTFSA量の合計が、前記電解液1Lあたり1.5molとなる量のLiTFSAを用いて形成したこと以外は、同様にして、リチウム空気電池を作製した。
実施例1と同様にして、得られたリチウム空気電池の評価を行った。結果を図2及び図3に示す。
[実施例3]
実施例1において、空気極層を、上記電解質層中の電解液に含有されるLiTFSA量と空気極層に含有されるLiTFSA量の合計が、前記電解液1Lあたり2.0molとなる量のLiTFSAを用いて形成したこと以外は、同様にして、リチウム空気電池を作製した。
実施例1と同様にして、得られたリチウム空気電池の評価を行った。結果を図2及び図3に示す。
[比較例1]
実施例3において、電解質層の電解液のリチウム塩濃度を2.0Mとし、且つ、空気極層を、リチウム塩を用いずにカーボンブラックとテフロン(登録商標)粉末を90:10(重量比)で混合してプレス成型により作製したこと以外は同様にして、リチウム空気電池を作製した。 実施例1と同様にして、得られたリチウム空気電池の評価を行った。結果を図3に示す。
[評価結果]
図3に示したように、比較例と実施例との対比から、予め空気極に支持電解質塩であるLi塩を含有させることによって、金属空気電池(リチウム空気電池)のサイクル特性及び容量を向上できることがわかる。特に容量は、比較例1に対して、実施例1〜3のいずれも大幅に向上した。また、実施例2及び実施例3、中でも実施例3は、実施例1と比較して、充放電サイクルの繰り返しによる放電容量の低下が少なく、耐久性に優れている。
図2において、実施例1と比較して、実施例2及び実施例3の初回容量が低下するのは、副反応(酸素ラジカルとプロピレンカーボネート溶媒の反応)が起こりにくくなったためであり、その結果、実施例1よりも実施例2及び3のサイクル性が向上した。
1…空気極
2…負極
3…電解質層
4…空気極集電体
5…空気極層
6…空気極缶
7…負極缶
8…ガスケット
9…空気孔
10…空気金属電池

Claims (3)

  1. 空気極と、負極と、前記空気極及び前記負極の間に介在して前記空気極及び前記負極との間の金属イオン伝導を行う電解質層と、を備える金属空気電池であって、
    前記空気極が、少なくとも導電性材料及び第1の支持電解質塩を含有する空気極層を有し、
    前記電解質層が、第2の支持電解質塩を含む電解液を含有し、
    前記電解質層に含有される前記電解液1Lに対して、前記空気極層に含有される前記第1の支持電解質塩と前記電解質層に含有される前記第2の支持電解質塩の合計量[(前記第1の支持電解質塩のmol数)+(前記第2の支持電解質塩のmol数)]が、1.25〜3.0molであることを特徴とする金属空気電池。
  2. 前記空気極層が、前記電解質層に含有される前記電解液1Lに対して、0.05〜2.5molの前記第1の支持電解質塩を含有し、
    前記電解質層が、該電解質層に含有される前記電解液1Lに対して、0.5〜1.2molの前記第2の支持電解質塩を含有する、請求項1に記載の金属空気電池。
  3. 少なくとも、支持電解質塩と、導電性材料と、溶媒とを混合して空気極材混合物を調製する工程と、
    前記空気極材混合物を乾燥させて、前記支持電解質塩を蒸発乾固させる工程と、
    を備えることを特徴とする、金属空気電池用空気極の製造方法。
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