JPWO2013038449A1 - 電極、それを用いた通電加熱式触媒装置及び通電加熱式触媒装置の製造方法 - Google Patents

電極、それを用いた通電加熱式触媒装置及び通電加熱式触媒装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明の一態様に係る電極は、セラミックスからなる基材上に形成されるものである。Ni−Cr合金(但し、Cr含有量は20〜60質量%)又はMCrAlY合金(但し、MはFe、Co、Niのうち少なくとも一種)からなるマトリクスと、層状構造を有する酸化物鉱物からなり、前記マトリクス中に分散された分散相と、を備える。当該電極の断面における分散相の占める面積率が40〜80%である。このような構成により、熱サイクルが負荷された後も、電気抵抗値の上昇を抑制することができる。

Description

本発明は電極、それを用いた通電加熱式触媒装置及び通電加熱式触媒装置の製造方法に関する。
近年、自動車等のエンジンから排出される排気ガスを浄化する排気浄化装置として通電加熱式触媒(EHC:Electrically Heated Catalyst)が注目されている。EHCでは、エンジンの始動直後などのように排気ガスの温度が低く、触媒が活性化し難い条件下であっても、通電加熱により強制的に触媒を活性化させ、排気ガスの浄化効率を高めることができる。
特許文献1に開示されたEHCは、白金やパラジウム等の触媒が担持されたハニカム構造を有する円筒状の担体と、当該担体と電気的に接続され、かつ、当該担体の外周面に互いに対向配置された一対の電極と、を備えている。このEHCでは、一対の電極間において担体を通電加熱し、担体に担持された触媒を活性化する。これにより、担体を通過する排気ガス中の未燃焼HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)等の有害物質が触媒反応により浄化される。
EHCは自動車等の排気経路上に設けられるため、上記電極の材料には、電気伝導度のみならず、耐熱性、高温下における耐酸化性、及び排気ガス雰囲気における耐腐食性等が要求される。そのため、特許文献1に開示されているように、Ni−Cr合金やMCrAlY合金(但し、MはFe、Co、Niのうち少なくとも一種)などの金属材料が用いられる。他方、上記担体の材料としては、SiC(炭化珪素)などのセラミックス材料が用いられる。
上述の通り、EHCは排気経路上に設けられるため、上記電極や担体は熱サイクル(常温〜900℃程度)により膨張・収縮を繰り返す。ここで、電極を構成する金属材料と、担体を構成するセラミックス材料との線膨張係数差によって、電極に亀裂あるいは剥離が生じるなどの問題があった。このような問題に対し、特許文献2では、電極と担体との間に、電極と同様の金属材料からなる多孔質の中間層を挿入することにより、上記線膨張係数差に基づく応力を緩和している。
特開2011−106308号公報 特開2011−132561号公報
発明者は以下の課題を見出した。
特許文献2に記載の多孔質の中間層には、グラファイトやポリエステルが含まれている。つまり、炭素が含まれている。発明者は、このように中間層に炭素が含まれていると、熱サイクルが負荷された後、電極の電気抵抗値が大きく上昇してしまうことを見出した。なお、この原因は、中間層において耐酸化特性を担うCrが、炭素と反応することによりCr炭化物が生成され、電極の酸化が進行してしまうためであると推察される。
本発明は、上記を鑑みなされたものであって、熱サイクルが負荷された後も、電気抵抗値の上昇が抑制された電極を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る電極は、
セラミックスからなる基材上に形成される電極であって、
Ni−Cr合金(但し、Cr含有量は20〜60質量%)又はMCrAlY合金(但し、MはFe、Co、Niのうち少なくとも一種)からなるマトリクスと、
層状構造を有する酸化物鉱物からなり、前記マトリクス中に分散された分散相と、を備え、
当該電極の断面における前記分散相の占める面積率が40〜80%であるものである。
このような構成により、熱サイクルが負荷された後も、電気抵抗値の上昇が抑制できる。
本発明の第2の態様に係る電極は、上記の第1の態様において、前記酸化物鉱物が、ベントナイト及びマイカの少なくともいずれか一方であることを特徴とするものである。これにより、確実に、熱サイクルが負荷された後も、電気抵抗値の上昇が抑制できる。
本発明の第3の態様に係る電極は、上記の第1又は2の態様において、非酸化雰囲気における溶射により形成されることを特徴とするものである。これにより、より確実に、熱サイクルが負荷された後も、電気抵抗値の上昇が抑制できる。
本発明の第4の態様に係る電極は、上記の第1〜3のいずれかの態様において、前記セラミックスが、SiCを含むことを特徴とするものである。セラミックスとしてはSiCが好適である。
本発明の第5の態様に係る通電加熱式触媒装置は、
触媒が担持されたセラミックスからなる担体と、
前記担体上に形成された1対の電極と、を備えた通電加熱式触媒装置であって、
前記電極が、
Ni−Cr合金(但し、Cr含有量は20〜60質量%)又はMCrAlY合金(但し、MはFe、Co、Niのうち少なくとも一種)からなるマトリクスと、
層状構造を有する酸化物鉱物からなり、前記マトリクス中に分散された分散相と、を備え、
当該電極の断面における前記分散相の占める面積率が40〜80%であるものである。
このような構成により、熱サイクルが負荷された後も、電気抵抗値の上昇が抑制できる。
本発明の第6の態様に係る通電加熱式触媒装置は、上記の第5の態様において、前記酸化物鉱物が、ベントナイト及びマイカの少なくともいずれか一方であることを特徴とするものである。これにより、確実に、熱サイクルが負荷された後も、電気抵抗値の上昇が抑制できる。
本発明の第7の態様に係る通電加熱式触媒装置は、上記の第5又は6の態様において、非酸化雰囲気における溶射により形成されることを特徴とするものである。これにより、より確実に、熱サイクルが負荷された後も、電気抵抗値の上昇が抑制できる。
本発明の第8の態様に係る通電加熱式触媒装置は、上記の第5〜7のいずれかの態様において、前記セラミックスが、SiCを含むことを特徴とするものである。セラミックスとしてはSiCが好適である。
本発明の第9の態様に係る通電加熱式触媒装置の製造方法は、
Ni−Cr合金(但し、Cr含有量は20〜60質量%)又はMCrAlY合金(但し、MはFe、Co、Niのうち少なくとも一種)からなるマトリクスの粒子を造粒するステップと、
層状構造を有する酸化物鉱物からなる分散相の粒子を造粒するステップと、
前記マトリクスの粒子と前記分散相の粒子とを複合化し、溶射用粒子を造粒するステップと、
触媒が担持されたセラミックスからなる担体上に、前記溶射用粒子を溶射し、一対の電極を形成するステップと、を備え、
前記電極の断面における前記分散相の占める面積率を40〜80%とするものである。
このような構成により、熱サイクルが負荷された後も、電気抵抗値の上昇が抑制できる。
本発明の第10の態様に係る通電加熱式触媒装置の製造方法は、上記の第9の態様において、前記酸化物鉱物を、ベントナイト及びマイカの少なくともいずれか一方とすることを特徴とするものである。これにより、確実に、熱サイクルが負荷された後も、電気抵抗値の上昇が抑制できる。
本発明の第11の態様に係る通電加熱式触媒装置の製造方法は、上記の第10の態様において、前記分散相の粒子を造粒するステップにおいて、造粒された前記分散相の粒子を焼結することを特徴とするものである。ベントナイトやマイカからなる分散相の粒子は水分を除去するために焼結することが好ましい。
本発明の第12の態様に係る通電加熱式触媒装置の製造方法は、上記の第11の態様において、前記溶射用粒子を造粒するステップにおいて、造粒された前記溶射用粒子を焼結することを特徴とするものである。ベントナイトやマイカからなる分散相の粒子は水分を除去するために焼結することが好ましい。
本発明の第13の態様に係る通電加熱式触媒装置の製造方法は、上記の第9〜12の態様のいずれかにおいて、前記マトリクスの粒子を造粒するステップにおいて、前記マトリクスの粒子の平均粒径を10〜50μmとすることを特徴とするものである。これにより、溶射時のマトリクスの酸化を効果的に抑制することができる。
本発明の第14の態様に係る通電加熱式触媒装置の製造方法は、上記の第9〜13の態様のいずれかにおいて、非酸化雰囲気において、前記溶射用粒子を溶射することを特徴とするものである。これにより、溶射時のマトリクスの酸化を効果的に抑制することができる。
本発明の第15の態様に係る通電加熱式触媒装置の製造方法は、上記の第14の態様において、フレームをArガスによりシールドする前記非酸化雰囲気において、前記溶射用粒子をプラズマ溶射することを特徴とするものである。これにより、溶射時のマトリクスの酸化をより効果的に抑制することができる。
本発明の第16の態様に係る通電加熱式触媒装置の製造方法は、上記の第14の態様において、減圧による前記非酸化雰囲気において、前記溶射用粒子をプラズマ溶射することを特徴とするものである。これにより、溶射時のマトリクスの酸化をより効果的に抑制することができる。
本発明の第17の態様に係る通電加熱式触媒装置の製造方法は、上記の第14の態様において、酸素とアセチレンガスとの混合ガスにおけるアセチレンガス比を高めることにより還元雰囲気とする前記非酸化雰囲気において、前記溶射用粒子をフレーム溶射することを特徴とするものである。これにより、溶射時のマトリクスの酸化をより効果的に抑制することができる。
本発明の第18の態様に係る通電加熱式触媒装置の製造方法は、上記の第9〜17の態様のいずれかにおいて、前記セラミックスが、SiCを含むことを特徴とするものである。セラミックスとしてはSiCが好適である。
本発明により、熱サイクルが負荷された後も、電気抵抗値の上昇が抑制された電極を提供することができる。
実施の形態1に係る通電加熱式触媒装置100の斜視図である。 固定層33が形成された部位での断面図である。 分散相の面積率と溶射皮膜の剥離の有無及び溶射皮膜の電気抵抗との関係を示すグラフである。 分散相としてグラファイトを用いた比較例の断面組織写真である。 比較例に係る溶射皮膜の熱サイクル負荷後の組織写真である。 比較例に係る溶射皮膜の熱サイクル負荷後の拡大組織写真である。 実施の形態1に係る溶射皮膜を生成するための溶射用粒子の電子顕微鏡写真である。 分散相としてグラファイトを用いた比較例の溶射用粒子の電子顕微鏡写真である。 比較例の溶射用粒子の断面の電子顕微鏡写真である。 比較例に係る溶射皮膜におけるマトリクスの電子顕微鏡写真である。 本実施の形態に係る溶射皮膜の断面組織写真である。 大気プラズマ溶射による溶射皮膜の組織写真である。 Arシールドプラズマ溶射による溶射皮膜の組織写真である。 減圧プラズマ溶射による溶射皮膜の組織写真である。 Arシールド溶射によりSiC担体上に形成された溶射皮膜(熱サイクル負荷前)の断面組織写真である。 図13に示した溶射皮膜に熱サイクルを負荷した後の断面組織写真である。 本発明に係る実施例と比較例の一覧表である。 実施例2に係る溶射皮膜の断面組織写真である。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
(実施の形態1)
まず、図1、図2を参照して、本実施の形態に係る通電加熱式触媒装置について説明する。図1は、実施の形態1に係る通電加熱式触媒装置100の斜視図である。通電加熱式触媒装置100は、例えば自動車等の排気経路上に設けられ、エンジンから排出される排気ガスを浄化する。図1に示すように、通電加熱式触媒装置100は、担体20、電極30を備えている。
担体20は、白金やパラジウム等の触媒を担持する多孔質部材である。また、担体20自体は、通電加熱されるため、導電性を有するセラミックス、具体的には例えばSiC(炭化珪素)からなる。図1に示すように、担体20は、外形が円筒形状であって、内部はハニカム構造を有している。矢印で示すように、排気ガスが担体20の内部を担体20の軸方向に通過する。
電極30は、担体20に電流を流し、加熱するための一対の電極である。各電極30は、担体20の外周面において互いに対向配置されている。また、各電極30は、担体20の長手方向の両端に亘り形成されている。各電極30には、端子(不図示)が設けられており、バッテリ等の電源から電力の供給が可能となっている。なお、電極30の一方がプラス極、他方がマイナス極であるが、いずれの電極30がプラス極あるいはマイナス極になってもよい。つまり、担体20を流れる電流の向きは限定されない。
ここで、図1に示すように、各電極30は、下地層31、金属箔32、固定層33を備えている。また、図2は、固定層33が形成された部位での断面図である。
図1に示すように、下地層31は、電極30の形成領域の全体に亘って担体20の外周面上に形成された溶射皮膜である。つまり、各下地層31は、担体20の外周面において互いに対向配置されており、また、担体20の長手方向の両端に亘り形成されている。図2に示すように、下地層31は、担体20と物理的に接触しているとともに電気的に接続されている。
図2に示すように、金属箔32は、下地層31上に配置されており、下地層31と物理的に接触するとともに電気的に接続されている。また、図1に示すように、金属箔32は、下地層31の形成領域の全体に亘って、担体20の周方向に延設されている。また、金属箔32は、各下地層31上において、担体20の軸方向に沿って、所定の間隔で複数本ずつ配置されている。図1の例では、各下地層31上に8本ずつの金属箔32が設けられている。当然のことながら、金属箔32の本数は8本に限定されるものではなく、適宜決定される。金属箔32は、例えばFe−Cr合金等の金属からなる薄板である。
固定層33は、金属箔32を下地層31に固定するために、金属箔32を覆うように形成されたボタン形状の溶射皮膜である。ここで、固定層33がボタン形状であるのは、金属をベースとする溶射皮膜である下地層31及び固定層33と、セラミックスからなる担体20との線膨張係数差に基づく応力を緩和するためである。つまり、固定層33を極力小さい形状とすることにより、上記応力を緩和している。図2に示すように、固定層33は、金属箔32及び下地層31と物理的に接触するとともに電気的に接続されている。また、図1に示すように、固定層33は、1本の金属箔32に対し、金属箔32の長手方向(担体20の周方向)に沿って、所定の間隔で複数設けられている。さらに、互いに隣接する金属箔32では、固定層33が金属箔32の長手方向において異なる位置となるように配置されている。
上記構成により、通電加熱式触媒装置100では、一対の電極30間において担体20が通電加熱され、担体20に担持された触媒が活性化される。これにより、担体20を通過する排気ガス中の未燃焼HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)等の有害物質が触媒反応により浄化される。
本実施の形態に係る通電加熱式触媒装置100では、溶射皮膜である下地層31及び固定層33に特徴を有している。金属箔32に通電するため、溶射皮膜のマトリクスは金属である必要がある。溶射皮膜のマトリクスを構成する金属としては、高温下での使用に耐えるため、高温下での耐酸化性に優れたNi−Cr合金(但し、Cr含有量は20〜60質量%)、MCrAlY合金(但し、MはFe、Co、Niのうち少なくとも一種)が好ましい。ここで、上記NiCr合金、MCrAlY合金は、他の合金元素を含んでいてもよい。
更に、溶射皮膜である下地層31及び固定層33は、金属マトリクスにヤング率を低下させるための分散相を備えている。金属マトリクスと分散相とからなる複合材料のヤング率が、50GPa以下となることが好ましい。本実施の形態に係る溶射皮膜では、この分散相が、層状構造を有し、かつ、SiOやAlなどの酸化物を主な成分とする酸化物鉱物からなる。具体的には、分散相は、ベントナイトやマイカあるいはそれらの混合物などからなることが好ましい。
ここで、図3を用いて金属マトリクスに対する好適な分散相の比率について説明する。図3は、分散相の面積率と溶射皮膜の剥離の有無及び溶射皮膜の電気抵抗との関係を示すグラフである。ここで、担体はSiC、金属マトリクスはNi−50質量%Cr、分散相はベントナイトからなる。横軸は分散相の面積率(%)、左側の縦軸は溶射皮膜の剥離の有無、右側の縦軸は電気抵抗(Ω)である。電気抵抗は対数スケールで示されている。また、図3において、剥離の有無のデータ点は、×印(剥離・有)及び○印(剥離・無)によりプロットされ、破線により結ばれている。一方、電気抵抗のデータ点は△印でプロットされており、実線で結ばれている。溶射皮膜の電気抵抗は、測定間隔10mmで、テスターにより測定した。また、溶射皮膜(下地層31及び固定層33)の断面組織における分散相の面積率は、断面組織写真から簡単に求めることができる。
図3に示すように、分散相の面積率が40%未満では、応力緩和の効果が不十分であり、担体からの溶射皮膜の剥離が観察された。一方、分散相の面積率が80%を越えると、溶射皮膜の電気抵抗が急激に増加する。この結果から、分散相の面積率は、断面組織における面積率にして、40〜80%であることが好ましく、50〜70%であることが更に好ましい。分散相がマイカの場合も同様の結果が得られた。
分散相を構成する材料としては、上記の線膨張係数差に基づく応力を緩和するために層状構造を有している必要がある。この点、固体潤滑剤として知られた、グラファイト、MoS(二硫化モリブデン)、WS(二硫化タングステン)、h−BN(六方晶窒化ホウ素)も層状構造を有しているため、分散相を構成する材料の候補として考えられる。
ここで、図4を用いて、分散相としてグラファイトを用いた比較例について説明する。図4は、分散相としてグラファイトを用いた比較例の断面組織写真である。図1、2を用いて説明したように、図4に示すように、SiCからなる担体20上に、厚さ200μmの下地層31と、厚さ400μmの固定層33とが順に形成されており、両層の間に金属箔32が挟持されている。図4の溶射皮膜(下地層31、固定層33)において、白い領域がNi−50質量%Cr(以下、Ni−50Crとも記載する)合金からなる金属マトリクス、黒い領域がグラファイトからなる分散層を示している。図4に示した溶射皮膜は熱サイクルを負荷する前の初期状態を示しており、電気抵抗は0.1Ωで良好であった。
図5は、比較例に係る溶射皮膜の熱サイクル負荷後の組織写真である。具体的には、室温〜800℃の熱サイクルを2000サイクル負荷したものである。熱サイクル負荷後の溶射皮膜では、電気抵抗が約500Ωまで大きく上昇していた。図5に矢印で示すように、金属マトリクス中に灰色の酸化物が観察された。つまり、金属マトリクスの酸化が進行していた。
そこで、発明者は、金属マトリクスの酸化が進行した原因について調査した。図6は、比較例に係る溶射皮膜の熱サイクル負荷後の拡大組織写真である。図6に矢印で示すように、白色の金属マトリクス(Ni−50Cr)中に灰色のCr炭化物が多数観察された。このように、金属マトリクス中のCrの炭化が進行すると、耐酸化性を担う金属Crの量が減少し、耐酸化性が低下する。その結果、金属マトリクスの酸化が進行したものと考えられる。Cr炭化物が生成される時期としては、溶射用粒子生成時、溶射時、熱サイクル負荷時などが考えられる。
以上のように、分散相としてグラファイトを用いた場合、高温において金属マトリクス特にCrと反応するため好ましくないことが分かった。
また、MoS、WS、h−BNについては、高温で分解してしまったり、金属マトリクスと反応してしまったりするため、分散相を構成する材料として適切でないことが分かった。一般化すると、炭化物系、硫化物系、窒化物系の材料は、高温において金属マトリクス中のCrと反応するため好ましくないと言える。これに対し、高温においてCr酸化物よりも安定な酸化物(SiOやAl)からなる酸化物系の材料は、高温においても金属マトリクスと反応することがなく、好ましい。具体的には、SiOやAlを主な成分とするベントナイトやマイカなどの層状構造を有する鉱物が好ましい。
次に、溶射皮膜の形成方法について説明する。
まず、ガスアトマイズ法などにより、金属マトリクスを構成するNi−Cr合金(但し、Cr含有量は20〜60質量%)又はMCrAlY合金(但し、MはFe、Co、Niのうち少なくとも一種)からなり、比表面積の小さいマトリクス粒子を造粒する。マトリクス粒子の粒径は、平均粒径にして、10〜50μmが好ましく、20〜40μmが更に好ましい。また、5μm未満の微粉末は含まないことが好ましい。溶射時の酸化を抑制する観点からは粒径は大きい方が好ましい。一方、溶射皮膜において分散相を均一に分散させるには、粒径は小さい方が好ましい。
他方、スプレードライ法などにより、分散相を構成するベントナイト又はマイカからなる略球状の分散相粒子を造粒する。分散相粒子の粒径は、平均粒径にして、10〜50μmが好ましく、20〜40μmが更に好ましい。ここで、ベントナイトは水分を吸収し膨潤する性質を有し、マイカは結晶水を有している。そのため、この粒子を水素雰囲気下で温度1000〜1100℃において焼結し、分散相粒子の水分を除去する。
次に、マトリクス粒子と分散相粒子とを高分子系の接着剤を媒体に、練り込み造粒法により複合化する。その後、更に水素雰囲気下で温度1000〜1100℃において焼結し、溶射用粒子を製造した。溶射用粒子の粒径は、平均粒径にして、30〜150μmが好ましい。
図7は、実施の形態1に係る溶射皮膜を生成するための溶射用粒子の電子顕微鏡写真である。ここで、白色の粒子がマトリクス(Ni−50Cr)粒子、黒色の粒子が分散相(ベントナイト)粒子である。マトリクス粒子及び分散相粒子の粒径は、ともに10〜50μm(平均粒径30μm)である。
次に、上記溶射用粒子をSiCからなる担体20の表面に、プラズマ溶射し、厚さ100〜200μmの下地層31を形成する。
次に、下地層31上に、厚さ100μm、幅1mmの金属箔32を配置する。この金属箔32上に、マスキングジグ治具を用いたプラズマ溶射により、ボタン形状で厚さ300〜500μmの固定層33を形成する。
ここで、プラズマ溶射は、大気雰囲気で行なってもよいが、非酸化雰囲気で行なうことが好ましい。具体的には、Arなどの不活性ガスによるプラズマフレームのシールド、減圧雰囲気などでプラズマ溶射することにより、溶射皮膜の溶射時の酸化を抑制することができる。さらに、プラズマ溶射に代わり、酸素−アセチレンの燃焼炎を利用したフレーム溶射を行い、燃焼炎をアセチレンリッチにして還元雰囲気としてもよい。
次に、図7を参照して説明したように、マトリクス粒子と分散相粒子とを複合化し、平均粒径30〜150μmの溶射用粒子をとした理由について説明する。
図8は、分散相としてグラファイトを用いた比較例の溶射用粒子の電子顕微鏡写真である。図9は、比較例の溶射用粒子の断面の電子顕微鏡写真である。図9に示すように、比較例の溶射用粒子は、グラファイト粒子の表面に、5μm未満のフレーク状に粉砕されたマトリクス(Ni−50Cr)の微粉末を貼り付ける(クラッド)ことにより製造されていた。マトリクスの微粉末は、ガスアトマイズ法により製造されたマトリクス粒子を粉砕することにより製造される。
図8、9に示した比較例のように、マトリクス(Ni−50Cr)を微粉末にしてしまうと、熱サイクルを負荷する前、即ち溶射時にマトリクス中のCrの酸化が進行してしまうことが判明した。図10は、比較例に係る溶射皮膜におけるマトリクスの電子顕微鏡写真である。図10に示すように、溶射皮膜中に多数のあばた状のCr酸化物が確認された。
このように、溶射時にマトリクス中のCrの酸化が進行してしまうと、マトリクス中のCr濃度が相対的に低下することになる。つまり、マトリクスにおいて耐酸化性を担うCrの濃度が低下するため、熱サイクル時におけるマトリクスの酸化も進行し易くなり、電気抵抗が上昇するという問題があった。この原因は、マトリクス(Ni−50Cr)を微粉末にした結果、比表面積が増加することにより、溶射時の酸化が促進されたものと推察される。
そこで、本実施の形態に係る溶射用粒子では、上述のように、ガスアトマイズ法により製造されたマトリクス粒子を粉砕することなく、そのまま用いる。これにより、マトリクスの酸化が抑制できるのみならず、製造工程を削減することができる。
また、マトリクス粒子と、分散相粒子とを単に混合したのみでは、両者の比重差により、生成された溶射皮膜において分散相が均一に分散しないことが確認された。そこで、図7を参照して説明したように、マトリクス粒子と、分散相粒子とを複合化して溶射用粒子を製造することとした。これにより、生成された溶射皮膜において分散相を均一に分散させることができた。図11は、本実施の形態に係る溶射皮膜の断面組織写真である。図11に示すように、溶射皮膜において、マトリクス(Ni−50Cr)中に分散相(ベントナイト)が非常に均一に分散している。なお、図11に示す溶射皮膜は、大気雰囲気下において、SiCからなる担体上に溶射されたものである。
次に、図12A〜12Cを参照して、溶射雰囲気の検討結果について説明する。溶射時のマトリクス(Ni−50Cr)中のCrの酸化を防止するため、Arシールドプラズマ溶射及び10Paでの減圧プラズマ溶射について検討した。なお、いずれの溶射皮膜も、分散相はベントナイトからなり、その面積率は60%である。図12Aは、大気プラズマ溶射による溶射皮膜の組織写真である。図12Bは、Arシールドプラズマ溶射による溶射皮膜の組織写真である。図12Cは、減圧プラズマ溶射による溶射皮膜の組織写真である。
図12Aに矢印で示すように、大気プラズマ溶射による溶射皮膜では、Cr酸化物が確認された。これに対し、図12B、12Cの溶射皮膜では、図12Aの溶射皮膜に比べ、Cr酸化物が減少している。また、図12Aの溶射皮膜では、熱サイクル(100〜900℃、2000サイクル)を負荷した後に、電気抵抗の増加が確認された。一方、図12B、12Cの溶射皮膜では、同じ熱サイクルを負荷した後も、電気抵抗の増加は確認されなかった。つまり、溶射時におけるCrの酸化が抑制され、その耐酸化性が十分に発揮されたものと考えられる。さらに、十分な酸化抑制効果を得るためには、溶射フレーム部の酸素濃度を0.2体積%以下とする必要があることが分かった。
図13は、Arシールド溶射によりSiC担体上に形成された溶射皮膜(熱サイクル負荷前)の断面組織写真である。マトリクスはNi−50Cr、分散相はベントナイトからなる。図14は、図13の溶射皮膜に熱サイクル(100〜900℃、2000サイクル)を負荷した後の断面組織写真である。図14に示すように、熱サイクル負荷後もマトリクスの酸化が進行していない。
また、上記のプラズマ溶射におけるArシールド溶射や減圧溶射の代替手段として、酸素−アセチレンの燃焼炎を利用したフレーム溶射において、燃焼炎をアセチレンリッチにし、還元雰囲気下で溶射してもよい。Arシールドプラズマ溶射や減圧プラズマ溶射を実現するには、大気プラズマ溶射設備から何らか変更する必要がある。これに対し、上記のフレーム溶射では、その変更規模が小さいという利点がある。
さらに、溶射時のマトリクスの酸化を抑制するため、上述のマトリクス粒子の表面にAl、Ti、Mgなどの活性金属をクラッドその他の方法により付着させてもよい。溶射時にそれら活性金属が優先的に酸化されることにより、マトリクスの酸化を抑制することができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。図15は、本発明に係る実施例と比較例の一覧表である。
(実施例1)
ガスアトマイズ法により、金属マトリクスを構成するNi−50質量%Cr合金からなる粒径10〜50μm(平均粒径30μm)のマトリクス粒子を造粒した。
他方、スプレードライ法より、分散相を構成するベントナイトからなる粒径10〜50μm(平均粒径30μm)の分散相粒子を造粒した。この粒子を水素雰囲気下で温度1050℃において焼結した。
次に、マトリクス粒子と分散相粒子とを高分子系の接着剤を媒体に、練り込み造粒法により複合化し、水素雰囲気下で温度1050℃において焼結し、溶射用粒子を製造した。
次に、上記溶射用粒子をSiCからなる担体20の表面に、プラズマ溶射し、厚さ150μmの下地層31を形成した。
次に、下地層31上に、厚さ100μm、幅1mmの金属箔32を配置し、その上にマスキングジグ治具を用いたプラズマ溶射により、厚さ400μmの固定層33を形成した。
プラズマ溶射装置として、Metco社製F4ガンを使用した。プラズマガスには、流量60L/minのArガスと流量10L/minのHガスとからなるAr−H混合ガスを使用した。プラズマ電流は600A、プラズマ電圧は60V、溶射距離は150mm、溶射用粒子供給量は30g/minとした。さらに、溶射時のマトリクスの酸化を抑制するため、プラズマフレームをArガスによりシールドした。
実施例1に係る溶射皮膜(下地層31及び固定層33)では、分散相の面積率を40%とした。熱サイクル(100〜900℃、2000サイクル)を負荷した後、テスターを用い、測定間隔10mmにて電気抵抗を測定した結果、3.0Ωと極めて良好であった。
(実施例2)
分散相の面積率を60%とした以外は実施例1と同様にして溶射皮膜を形成した。この結果、熱サイクル負荷後の電気抵抗が、2.8Ωと極めて良好であった。
ここで、図16は、実施例2に係る溶射皮膜の断面組織写真である。
(実施例3)
分散相の面積率を80%とした以外は実施例1と同様にして溶射皮膜を形成した。この結果、熱サイクル負荷後の電気抵抗は4.0Ωであり、実施例1、2よりは若干高いものの良好であった。
(実施例4)
分散相を構成する材料をマイカとした以外は実施例2と同様にして溶射皮膜を形成した。この結果、熱サイクル負荷後の電気抵抗が、3.1Ωと極めて良好であった。
(実施例5)
マトリクスを構成する材料をCo−25質量%Ni−16質量%Cr−6.5質量%Al−0.5質量%Y合金とした以外は実施例2と同様にして溶射皮膜を形成した。この結果、熱サイクル負荷後の電気抵抗が、3.5Ωと良好であった。
(実施例6)
分散相を構成する材料をマイカとした以外は実施例5と同様にして溶射皮膜を形成した。この結果、熱サイクル負荷後の電気抵抗が、3.6Ωと良好であった。
(実施例7)
マトリクスを構成する材料をNi−23質量%Co−20質量%Cr−8.5質量%Al−0.6質量%Y合金とした以外は実施例2と同様にして溶射皮膜を形成した。この結果、熱サイクル負荷後の電気抵抗が、3.5Ωと良好であった。
(実施例8)
マトリクスを構成する材料をFe−20質量%Cr−6.5質量%Al−0.5質量%Y合金とした以外は実施例2と同様にして溶射皮膜を形成した。この結果、熱サイクル負荷後の電気抵抗が、3.3Ωと良好であった。
(実施例9)
プラズマフレームをArガスによりシールドせずに、大気プラズマ溶射を行なった以外は実施例1と同様にして溶射皮膜を形成した。この結果、熱サイクル負荷後の電気抵抗が、20Ωであった。
(実施例10)
プラズマフレームをArガスによりシールドせずに、大気プラズマ溶射を行なったこと及び溶射用粒子を製造するためのマトリクス粒子の粒径が5μm未満であること以外は実施例2と同様にして溶射皮膜を形成した。この結果、熱サイクル負荷後の電気抵抗が、46Ωであった。
(比較例1)
分散相を構成する材料をグラファイトとした以外は実施例10と同様にして溶射皮膜を形成した。この結果、熱サイクル負荷後の電気抵抗が、490Ωと極めて高い値となった。図6を参照して説明したように、分散相を構成する材料をグラファイトとしたため、良好な結果が得られなかったものと考えられる。
(比較例2)
プラズマフレームをArガスによりシールドせずに、大気プラズマ溶射を行なったこと及び分散相を構成する材料をグラファイトとしたこと以外は実施例2と同様にして溶射皮膜を形成した。この結果、熱サイクル負荷後の電気抵抗が、310Ωと極めて高い値となった。図6を参照して説明したように、分散相を構成する材料をグラファイトとしたため、良好な結果が得られなかったものと考えられる。
(比較例3)
分散相を構成する材料をグラファイトとした以外は実施例2と同様にして溶射皮膜を形成した。この結果、熱サイクル負荷後の電気抵抗が、200Ωと高い値となった。図6を参照して説明したように、分散相を構成する材料をグラファイトとしたため、良好な結果が得られなかったものと考えられる。
(比較例4)
分散相の面積率を30%とした以外は実施例9と同様にして溶射皮膜を形成した。この結果、溶射皮膜が担体20から剥離してしまい、電気抵抗を測定することはできなかった。分散相の面積率が低過ぎるため、良好な結果が得られなかったものと考えられる。
(比較例5)
分散相の面積率を30%とした以外は実施例1と同様にして溶射皮膜を形成した。この結果、溶射皮膜が担体20から剥離してしまい、電気抵抗を測定することはできなかった。分散相の面積率が低過ぎるため、良好な結果が得られなかったものと考えられる。
実施例1〜10の結果から、ベントナイト又はマイカからなる分散相を面積率にして40〜80%含有することにより、熱サイクル負荷後の電気抵抗が50Ω以下となる良好な溶射皮膜が得られた。さらに、実施例1〜8の結果から、非酸化雰囲気において溶射することにより、熱サイクル負荷後の電気抵抗が5Ω以下となる極めて良好な溶射皮膜が得られた。また、溶射用粒子を製造するためのマトリクス粒子については、粒径5μm未満の微粉末とするよりも、平均粒径30μm程度とする方が、溶射時の酸化を抑制することができ、より良好な結果が得られた。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
20 担体
30 電極
31 下地層
32 金属箔
33 固定層
100 通電加熱式触媒装置

Claims (18)

  1. セラミックスからなる基材上に形成される電極であって、
    Ni−Cr合金(但し、Cr含有量は20〜60質量%)又はMCrAlY合金(但し、MはFe、Co、Niのうち少なくとも一種)からなるマトリクスと、
    層状構造を有する酸化物鉱物からなり、前記マトリクス中に分散された分散相と、を備え、
    当該電極の断面における前記分散相の占める面積率が40〜80%である電極。
  2. 前記酸化物鉱物が、ベントナイト及びマイカの少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項1に記載の電極。
  3. 非酸化雰囲気における溶射により形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電極。
  4. 前記セラミックスが、SiCを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電極。
  5. 触媒が担持されたセラミックスからなる担体と、
    前記担体上に形成された1対の電極と、を備えた通電加熱式触媒装置であって、
    前記電極が、
    Ni−Cr合金(但し、Cr含有量は20〜60質量%)又はMCrAlY合金(但し、MはFe、Co、Niのうち少なくとも一種)からなるマトリクスと、
    層状構造を有する酸化物鉱物からなり、前記マトリクス中に分散された分散相と、を備え、
    当該電極の断面における前記分散相の占める面積率が40〜80%である通電加熱式触媒装置。
  6. 前記酸化物鉱物が、ベントナイト及びマイカの少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項5に記載の通電加熱式触媒装置。
  7. 前記電極が、非酸化雰囲気における溶射により形成されることを特徴とする請求項5又は6に記載の通電加熱式触媒装置。
  8. 前記セラミックスが、SiCを含むことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の通電加熱式触媒装置。
  9. Ni−Cr合金(但し、Cr含有量は20〜60質量%)又はMCrAlY合金(但し、MはFe、Co、Niのうち少なくとも一種)からなるマトリクスの粒子を造粒するステップと、
    層状構造を有する酸化物鉱物からなる分散相の粒子を造粒するステップと、
    前記マトリクスの粒子と前記分散相の粒子とを複合化し、溶射用粒子を造粒するステップと、
    触媒が担持されたセラミックスからなる担体上に、前記溶射用粒子を溶射し、一対の電極を形成するステップと、を備え、
    前記電極の断面における前記分散相の占める面積率を40〜80%とする通電加熱式触媒装置の製造方法。
  10. 前記酸化物鉱物を、ベントナイト及びマイカの少なくともいずれか一方とすることを特徴とする請求項9に記載の通電加熱式触媒装置の製造方法。
  11. 前記分散相の粒子を造粒するステップにおいて、
    造粒された前記分散相の粒子を焼結することを特徴とする請求項10に記載の通電加熱式触媒装置の製造方法。
  12. 前記溶射用粒子を造粒するステップにおいて、
    造粒された前記溶射用粒子を焼結することを特徴とする請求項11に記載の通電加熱式触媒装置の製造方法。
  13. 前記マトリクスの粒子を造粒するステップにおいて、
    前記マトリクスの粒子の平均粒径を10〜50μmとすることを特徴とする請求項9〜12のいずれか一項に記載の通電加熱式触媒装置の製造方法。
  14. 前記電極を形成するステップにおいて、
    非酸化雰囲気において、前記溶射用粒子を溶射することを特徴とする請求項9〜13のいずれか一項に記載の通電加熱式触媒装置の製造方法。
  15. フレームをArガスによりシールドする前記非酸化雰囲気において、前記溶射用粒子をプラズマ溶射することを特徴とする請求項14に記載の通電加熱式触媒装置の製造方法。
  16. 減圧による前記非酸化雰囲気において、前記溶射用粒子をプラズマ溶射することを特徴とする請求項14に記載の通電加熱式触媒装置の製造方法。
  17. 酸素とアセチレンガスとの混合ガスにおけるアセチレンガス比を高めることにより還元雰囲気とする前記非酸化雰囲気において、前記溶射用粒子をフレーム溶射することを特徴とする請求項14に記載の通電加熱式触媒装置の製造方法。
  18. 前記セラミックスが、SiCを含むことを特徴とする請求項9〜17のいずれか一項に記載の通電加熱式触媒装置の製造方法。
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