JP2014073434A - 通電加熱式触媒装置及びその製造方法 - Google Patents

通電加熱式触媒装置及びその製造方法 Download PDF

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健二 下田
Kazuaki Nishio
和晃 西尾
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靖朗 木下
Masao Nakayama
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Abstract

【課題】熱サイクル負荷後も、表面電極と担体とが表面剥離せずに電気抵抗値の上昇が抑制された通電加熱式触媒装置の提供。
【解決手段】触媒が担持されたセラミックスからなる担体20に形成された表面電極31を備えた通電加熱式触媒装置。表面電極31が、Ni−Cr合金(但し、Cr含有量は20〜60質量%)又はMCrAlY合金(但し、MはFe、Co、Niのうち少なくとも一種)からなる第1の金属相と、Siを主成分とする第2の金属相と、層状構造を有する酸化物鉱物からなり、第1の金属相及び第2の金属相の中に分散された酸化物相と、を備えている。表面電極31の断面において、第2の金属相の占める面積率が10〜30%、酸化物相の占める面積率が40〜80%であり、第2の金属相と酸化物相との占める面積率の合計が90%以下である。
【選択図】図5

Description

本発明は通電加熱式触媒装置及びその製造方法に関する。
近年、自動車等のエンジンから排出される排気ガスを浄化する排気浄化装置として通電加熱式触媒(EHC:Electrically Heated Catalyst)が注目されている。EHCでは、エンジンの始動直後などのように排気ガスの温度が低く、触媒が活性化し難い条件下であっても、通電加熱により強制的に触媒を活性化させ、排気ガスの浄化効率を高めることができる。
特許文献1に開示されたEHCは、白金やパラジウム等の触媒が担持されたハニカム構造を有する円筒状の担体と、当該担体と電気的に接続され、かつ、当該担体の外周面に互いに対向配置された一対の電極と、を備えている。このEHCでは、一対の電極間において担体を通電加熱し、担体に担持された触媒を活性化する。これにより、担体を通過する排気ガス中の未燃焼HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)等が触媒反応により浄化される。
EHCは自動車等の排気経路上に設けられるため、上記電極の材料には、電気伝導度のみならず、耐熱性、高温下における耐酸化性、及び排気ガス雰囲気における耐腐食性等が要求される。そのため、特許文献1に開示されているように、Ni−Cr合金やMCrAlY合金(但し、MはFe、Co、Niのうち少なくとも一種)などの金属材料が用いられる。他方、上記担体の材料としては、SiC(炭化珪素)などのセラミックス材料が用いられる。
特開2012−057508号公報
発明者は以下の課題を見出した。
上述の通り、EHCは排気経路上に設けられるため、上記電極や担体は熱サイクル(常温〜900℃程度)により膨張・収縮を繰り返す。ここで、電極を構成する金属材料と、担体を構成するセラミックス材料との熱膨張率差によって、電極と担体との間に剥離が生じ、電気抵抗値が上昇してしまう問題があった。
本発明は、上記を鑑みなされたものであって、熱サイクル負荷後も、電極と担体とが剥離せずに電気抵抗値の上昇が抑制された通電加熱式触媒装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る通電加熱式触媒装置は、
触媒が担持されたセラミックスからなる担体と、
前記担体の上に形成された表面電極と、を備えた通電加熱式触媒装置であって、
前記表面電極が、
Ni−Cr合金(但し、Cr含有量は20〜60質量%)又はMCrAlY合金(但し、MはFe、Co、Niのうち少なくとも一種)からなる第1の金属相と、
Siを主成分とする第2の金属相と、
層状構造を有する酸化物鉱物からなり、前記第1の金属相及び前記第2の金属相の中に分散された酸化物相と、を備え、
前記表面電極の断面において、前記第2の金属相の占める面積率が10〜30%であり、前記酸化物相の占める面積率が40〜80%であり、前記第2の金属相と前記酸化物相との占める面積率の合計が90%以下であるものである。
このような構成により、熱サイクル負荷後も、表面電極と担体とが剥離せずに電気抵抗値の上昇を抑制することができる。
本発明の第2の態様に係る通電加熱式触媒装置は、上記の第1の態様において、前記酸化物鉱物が、ベントナイト及びマイカの少なくともいずれか一方であるものである。これにより、確実に、熱サイクル負荷後も、表面電極と担体とが剥離せずに電気抵抗値の上昇を抑制することができる。
本発明の第3の態様に係る通電加熱式触媒装置は、上記の第1又は2の態様において、非酸化雰囲気における溶射により形成されるものである。これにより、より確実に、熱サイクル負荷後も、表面電極と担体とが剥離せずに電気抵抗値の上昇が抑制できる。
本発明の第4の態様に係る通電加熱式触媒装置は、上記の第1〜3のいずれかの態様において、前記セラミックスが、SiCを含むものである。セラミックスとしてはSiCが好適である。
本発明の第5の態様に係る通電加熱式触媒装置の製造方法は、
Ni−Cr合金(但し、Cr含有量は20〜60質量%)又はMCrAlY合金(但し、MはFe、Co、Niのうち少なくとも一種)からなる第1の金属相の粒子を造粒するステップと、
Siを主成分とする第2の金属相の粒子を造粒するステップと、
層状構造を有する酸化物鉱物からなる酸化物相の粒子を造粒するステップと、
前記第1の金属相の粒子と前記第2の金属相の粒子と前記酸化物相の粒子とを複合化し、溶射用粒子を造粒するステップと、
触媒が担持されたセラミックスからなる担体の上に、前記溶射用粒子を溶射し、一対の表面電極を形成するステップと、を備え、
前記表面電極の断面において、前記第2の金属相の占める面積率を10〜30%とし、前記酸化物相の占める面積率を40〜80%とし、前記第2の金属相と前記酸化物相との占める面積率の合計を90%以下とするものである。
このような構成により、熱サイクル負荷後も、表面電極と担体とが剥離せずに電気抵抗値の上昇を抑制することができる。
本発明の第6の態様に係る通電加熱式触媒装置の製造方法は、上記の第5の態様において、900℃以上で前記表面電極の熱処理を行うステップをさらに備えるものである。これにより、確実に、熱サイクル負荷後も、表面電極と担体とが剥離せずに電気抵抗値の上昇を抑制することができる。
本発明の第7の態様に係る通電加熱式触媒装置の製造方法は、上記の第5又は6の態様において、前記酸化物鉱物を、ベントナイト及びマイカの少なくともいずれか一方とすることを特徴とするものである。これにより、確実に、熱サイクル負荷後も、表面電極と担体とが剥離せずに電気抵抗値の上昇を抑制することができる。
本発明の第8の態様に係る通電加熱式触媒装置の製造方法は、上記の第7の態様において、前記酸化物相の粒子を造粒するステップにおいて、造粒された前記酸化物相の粒子を焼結するものである。ベントナイトやマイカからなる酸化物相の粒子は水分を除去するために焼結することが好ましい。
本発明の第9の態様に係る通電加熱式触媒装置の製造方法は、上記の第8の態様において、前記溶射用粒子を造粒するステップにおいて、造粒された前記溶射用粒子を焼結するものである。ベントナイトやマイカからなる酸化物相の粒子は水分を除去するために焼結することが好ましい。
本発明の第10の態様に係る通電加熱式触媒装置の製造方法は、上記の第5〜9の態様のいずれかにおいて、前記第1の金属相の粒子及び前記第2の金属相の粒子の平均粒径を10〜50μmとするものである。これにより、溶射時の第1の金属相及び第2の金属相の酸化を効果的に抑制することができる。
本発明の第11の態様に係る通電加熱式触媒装置の製造方法は、上記の第5〜10の態様のいずれかにおいて、非酸化雰囲気において、前記溶射用粒子を溶射するものである。これにより、溶射時の第1の金属相及び第2の金属相の酸化を効果的に抑制することができる。
本発明の第12の態様に係る通電加熱式触媒装置の製造方法は、上記の第5〜11の態様のいずれかにおいて、前記セラミックスが、SiCを含むものである。セラミックスとしてはSiCが好適である。
本発明により、熱サイクル負荷後も、表面電極と担体とが剥離せずに電気抵抗値の上昇が抑制された通電加熱式触媒装置を提供することができる。
実施の形態1に係る通電加熱式触媒装置100の斜視図である。 実施の形態1に係る通電加熱式触媒装置100の表面電極31の真上から見た平面図である。 図2におけるIII-III切断線による断面図である。 図3に対応する固定層33が形成された部位における断面組織写真である。 Si相の面積率と溶射皮膜の熱膨張率及び電気抵抗との関係を示すグラフである。 比較例に係る溶射皮膜の熱サイクル負荷後の組織写真である。 実施例に係る溶射皮膜の熱サイクル負荷後の組織写真である。 実施の形態1に係る溶射皮膜を生成するための溶射用粒子の電子顕微鏡写真である。 1000℃×10時間の熱処理後の溶射皮膜と担体との界面近傍の断面組織写真である。 図9の点A、BにおけるEPMA分析によるX線スペクトルを示す図である。 本発明に係る実施例と比較例の一覧表である。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
(実施の形態1)
まず、図1、図2を参照して、本実施の形態に係る通電加熱式触媒装置について説明する。図1は、実施の形態1に係る通電加熱式触媒装置100の斜視図である。図2は、実施の形態1に係る通電加熱式触媒装置100の表面電極31の真上から見た平面図である。図3は、図2におけるIII-III切断線による断面図であって、固定層33が形成された部位での断面図である。
通電加熱式触媒装置100は、例えば自動車等の排気経路上に設けられ、エンジンから排出される排気ガスを浄化する。図1に示すように、通電加熱式触媒装置100は、担体20、表面電極31、配線32、固定層33を備えている。なお、図2では一方の表面電極31について、担体20、配線32、固定層33の位置関係が示されているが、他方の表面電極31についても同様である。
担体20は、白金やパラジウム等の触媒を担持する多孔質部材である。また、担体20自体は、通電加熱されるため、導電性を有するセラミックス、具体的には例えばSiC(炭化珪素)からなる。図1に示すように、担体20は、外形が略円筒形状であって、内部はハニカム構造を有している。矢印で示すように、排気ガスが担体20の内部を担体20の軸方向に通過する。
図1に示すように、表面電極31は、担体20の外表面において、互いに対向配置された一対の電極である。また、図2に示すように、表面電極31は、矩形状の平面形状を有し、担体軸方向に延設されている。なお、表面電極31は、担体軸方向の両端近傍には形成されていない。表面電極31は、配線32を介して、バッテリ等の電源に接続されている。そして、表面電極31を介して、担体20に電流が供給され、通電加熱される。なお、一対の表面電極31のうちの一方がプラス極、他方がマイナス極であるが、いずれの表面電極31がプラス極あるいはマイナス極になってもよい。つまり、担体20を流れる電流の向きは限定されない。
図1に示すように、複数の配線32は、一対の表面電極31のそれぞれの上に配置されている。複数の配線32は、表面電極31と物理的に接触するとともに電気的に接続されたリボン状の金属薄板である。配線32は、800℃以上の高温下での使用に耐えるため、例えば、ステンレス系合金、Ni基系合金、Co基系合金など耐熱(耐酸化)合金からなることが好ましい。
また、図2に示すように、複数の配線32は、担体円周方向には、表面電極31の形成領域の全体に亘って延設されている。さらに、全ての配線32は、表面電極31の形成領域の片側から突出して延設されており、その突出した終端において一体化されている。他方、複数の配線32は、表面電極31上において、担体軸方向に沿って、略等間隔で配置されている。本実施の形態に係る通電加熱式触媒装置100では、各表面電極31上の担体20の軸方向中央部に12本ずつの配線32が設けられている。当然のことながら、配線32の本数は12本に限定されるものではなく、適宜決定される。
なお、担体20は担体軸方向両端部近傍において耐熱材料からなるマット(不図示)により、排気経路上に固定・保持される。配線32がマットと接触すると、熱サイクル負荷によってマットとの間に摩擦が生じ、配線32が断線する恐れがある。そのため、配線32は、マットが形成されない担体軸方向中央部のみに配置されている。
図1、2に示すように、配線32は、固定層33により表面電極31に固定されている。ここで、図3は、図2におけるIII-III切断線による断面図であって、固定層33が形成された部位での断面図である。また、図4は、図3に対応する固定層33が形成された部位における断面組織写真である。図3に示すように、表面電極31は、担体20の外周面上に形成された厚さ50〜200μm程度の溶射皮膜である。表面電極31は、担体20と物理的に接触しているとともに電気的に接続されている。
固定層33は、配線32を表面電極31に固定するために、配線32を覆うように形成されたボタン形状の溶射皮膜である。ここで、固定層33がボタン形状であるのは、金属をベースとする溶射皮膜である表面電極31及び固定層33と、セラミックスからなる担体20との熱膨張率差に基づく応力を緩和するためである。つまり、固定層33を極力小さい形状とすることにより、上記応力を緩和している。図3に示すように、固定層33は、配線32及び表面電極31と物理的に接触するとともに電気的に接続されている。
また、図2に示すように、固定層33は、配線32を表面電極31に、担体円周方向の略両端において固定するように、各配線32に2箇所ずつ設けられている。さらに、図2に示すように、互いに隣接する配線32では、固定層33が担体円周方向にずらして配置されている。換言すると、各表面電極31上では、矩形状の表面電極31の2本の長辺に沿って、片側12個ずつの固定層33が、担体軸方向にジグザグに配置されている。
上記構成により、通電加熱式触媒装置100では、一対の表面電極31間において担体20が通電加熱され、担体20に担持された触媒が活性化される。これにより、担体20を通過する排気ガス中の未燃焼HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)等が触媒反応により浄化される。
本実施の形態に係る通電加熱式触媒装置100では、溶射皮膜である表面電極31及び固定層33に特徴を有している。表面電極31及び固定層33を構成する溶射皮膜は、配線32と同様に通電するため、金属ベースである必要がある。溶射皮膜の第1の金属相を構成する金属としては、800℃以上の高温下での使用に耐えるため、高温下での耐酸化性に優れたNi−Cr合金(但し、Cr含有量は20〜60質量%)、MCrAlY合金(但し、MはFe、Co、Niのうち少なくとも一種)が好ましい。ここで、上記NiCr合金、MCrAlY合金は、他の合金元素を含んでいてもよい。表面電極31及び固定層33を構成する溶射皮膜は、多孔質である。多孔質であることにより、応力を緩和する機能が高まる。
さらに、溶射皮膜である表面電極31及び固定層33は、多孔質の間隙にヤング率を低下させるための酸化物相を備えている。金属相と酸化物相とからなる複合材料のヤング率が、50GPa以下となることが好ましい。溶射皮膜のヤング率低下により、担体20からの溶射皮膜の剥離を抑制することができる。
本実施の形態に係る溶射皮膜では、この酸化物相が、層状構造を有し、かつ、SiOやAlなどの酸化物を主な成分とする酸化物鉱物からなる。具体的には、酸化物相は、ベントナイトやマイカあるいはそれらの混合物などからなることが好ましい。
ここで、SiOやAlなどは、高温においてCr酸化物よりも安定しているため、第1の金属相と反応することがない。そのため、金属Crによる溶射皮膜の耐酸化性が低下せず、好ましい。
酸化物相の面積率は、断面組織における面積率にして、40〜80%とする必要があり、50〜70%であることが更に好ましい。酸化物相の面積率が40%未満では、応力緩和の効果が不十分であり、担体20からの溶射皮膜の剥離してしまう。一方、酸化物相の面積率が80%を越えると、溶射皮膜の電気抵抗が急激に増加する。
また、本実施の形態に係る溶射皮膜は、担体20との熱膨張率の差を小さくするため、第2の金属相として、熱膨張率(線膨張係数)が2.8〜7.3×10−6/Kと小さい(金属)Si相を備えている。このSi相により、溶射皮膜の熱膨張率を、担体20を構成するSiCの熱膨張率(約4×10−6/K)に近づけることができる。そのため、熱サイクル負荷時に担体20と溶射皮膜との界面に発生する応力(すなわち熱応力)を低減することができる。その結果、担体20からの溶射皮膜の剥離を抑制することができる。
また、溶射皮膜がSi相を含むことにより、SiCからなる担体20との界面での密着性も高まるため、担体20からの溶射皮膜の剥離をさらに抑制することができる。
ここで、上記Si相は、純Siに限らず、他の合金元素を含んでいてもよい。すなわち、第2の金属相は、Siを主成分とする合金であってもよい。
なお、熱膨張率の小さい金属として知られたW(熱膨張率:4.3×10−6/K)やMo(熱膨張率:4.9×10−6/K)についても検討したが、高温大気下では激しく酸化してしまい、使用することができなかった。また、溶射皮膜に第2の金属相としてSiを含ませるのではなく、第1の金属相である上記NiCr合金やMCrAlY合金への合金元素としてSiを添加することも考えられる。しかしながら、上記NiCr合金やMCrAlY合金へSiの添加は、10質量%程度が限界であり、熱膨張率の低減効果が十分でない。
ここで、図5を用いて、溶射皮膜における好適なSi相の比率について説明する。図5は、Si相の面積率と溶射皮膜の熱膨張率及び電気抵抗との関係を示すグラフである。ここで、担体はSiC、第1の金属相はNi−50質量%Cr、酸化物相はベントナイトからなる。酸化物相の面積率は60%に固定されている。横軸はSi相の面積率(%)、左側の縦軸は溶射皮膜の熱膨張率(×10−6/K)、右側の縦軸は電気抵抗(Ω)である。電気抵抗は対数スケールで示されている。また、図5において、熱膨張率のデータ点は、○印によりプロットされ、破線により結ばれている。一方、電気抵抗のデータ点は△印でプロットされており、実線で結ばれている。溶射皮膜の電気抵抗は、測定間隔10mmで、テスターにより測定した。また、溶射皮膜(表面電極31及び固定層33)の断面組織におけるSi相の面積率は、断面組織写真及びEPMA(Electron Probe Micro Analyzer)分析によるマッピングから求めることができる。
図5に示すように、Si相の面積率が10%未満では、熱膨張率低減の効果が不十分である。一方、Si相の面積率が30%を越えると(すなわち、Si相の面積率と酸化物層の面積率との合計が90%を越えると)、溶射皮膜の電気抵抗が急激に増加する。この結果から、Si相の面積率は、断面組織における面積率にして、10〜30%とする必要がある。さらに、Si相及び酸化物層の面積率の合計を90%以下とする必要がある。
図5におけるSi相の面積率が0%の溶射皮膜が形成された通電加熱式触媒装置100を比較例として、排気管に接続し、熱サイクル(100℃〜900℃、2000回)を負荷した。その後、6kWの電力を投入し、通電加熱試験を実施した。この比較例では、溶射皮膜が形成された領域の一部が局部的に異常発熱することが確認された。この比較例について、溶射皮膜とSiC担体との界面近傍を組織観察した。図6は、比較例に係る溶射皮膜の熱サイクル負荷後の組織写真である。図6に示すように、溶射皮膜とSiC担体との界面に界面割れが確認された。上記の局部的な異常発熱は、この界面割れによるものと推察される。
一方、図5におけるSi相の面積率が20%の溶射皮膜が形成された通電加熱式触媒装置100を実施例として、排気管に接続し、熱サイクル(100℃〜900℃、2000回)を負荷した。その後、6kWの電力を投入し、通電加熱試験を実施した。この実施例では、局部的な異常発熱は確認されず、良好であった。この実施例についても、溶射皮膜とSiC担体との界面近傍を組織観察した。図7は、実施例に係る溶射皮膜の熱サイクル負荷後の組織写真である。図7に示すように、溶射皮膜とSiC担体との界面に界面割れは確認されなかった。
ところで、溶射皮膜とSiC担体との界面の密着性は、主に溶射によるアンカー効果によるものである。換言すると、溶射皮膜とSiC担体との界面に拡散層は形成されていない。そこで、発明者らは、溶射皮膜とSiC担体との界面に拡散層を形成し、両者の密着性を高めるため、比較例係る通電加熱式触媒装置100に対し、大気圧下で1000℃×10時間の熱処理を行った。ここで、図8は、1000℃×10時間の熱処理後の溶射皮膜と担体との界面近傍の断面組織写真である。この熱処理の結果、図8に示すように、界面近傍の溶射皮膜に約2μmの拡散層が形成された。
また、図9は、図8の点A(拡散層)、点B(SiC担体)におけるEPMA分析によるX線スペクトルを示す図である。ここで、図9の左側が点A(拡散層)でのX線スペクトル、右側が点B(SiC担体)でのX線スペクトルである。この溶射皮膜は、元々はSiを含んでいないが、図9に示すように、図8の拡散層(点A)にはSiの存在が確認された。つまり、拡散層中のSiは、図8のSiC担体から拡散したものであると考えられる。
この熱処理を施した通電加熱式触媒装置100を排気管に接続し、熱サイクル(100℃〜900℃、2000回)を負荷した。その後、6kWの電力を投入し、通電加熱試験を実施した。その結果、局部的な異常発熱は確認されず、良好であった。また、溶射皮膜とSiC担体との界面に界面割れは確認されなかった。このように、溶射皮膜形成後の熱処理によっても、溶射皮膜とSiC担体との界面における密着性を向上させることができる。なお、当然のことながら、この熱処理による密着性の向上は、溶射皮膜がSi相を含んでいる場合も有効である。
次に、溶射皮膜の形成方法について説明する。
まず、ガスアトマイズ法などにより、Ni−Cr合金(但し、Cr含有量は20〜60質量%)又はMCrAlY合金(但し、MはFe、Co、Niのうち少なくとも一種)からなり、比表面積の小さい第1の金属相粒子を造粒する。同様に、ガスアトマイズ法などにより、Siからなり、比表面積の小さい第2の金属相粒子を造粒する。第1及び第2の金属相粒子の粒径は、いずれも平均粒径にして、10〜50μmが好ましく、20〜40μmが更に好ましい。また、第1及び第2の金属相粒子は、溶射時のCrやSiの酸化を抑制する観点からいずれも5μm未満の微粉末は含まないことが好ましい。溶射時の酸化を抑制する観点からは粒径は大きい方が好ましい。一方、溶射皮膜において酸化物相を均一に分散させるには、粒径は小さい方が好ましい。
なお、溶射時に第1の金属相中のCrの酸化が進行してしまうと、第1の金属相中のCr濃度が相対的に低下することになる。つまり、第1の金属相において耐酸化性を担うCrの濃度が低下するため、熱サイクル時における第1の金属相の酸化も進行し易くなり、電気抵抗が上昇してしまう。
他方、スプレードライ法などにより、ベントナイト又はマイカからなる略球状の酸化物相粒子を造粒する。酸化物相粒子の粒径は、平均粒径にして、10〜50μmが好ましく、20〜40μmが更に好ましい。ここで、ベントナイトは水分を吸収し膨潤する性質を有し、マイカは結晶水を有している。そのため、この粒子を水素雰囲気下で温度1000〜1100℃において焼結し、酸化物相粒子の水分を除去する。
次に、第1及び第2の金属相粒子と酸化物相粒子とを高分子系の接着剤を媒体に、練り込み造粒法により複合化する。その後、更に水素雰囲気下で温度1000〜1100℃において焼結し、溶射用粒子を製造した。溶射用粒子の粒径は、平均粒径にして、30〜150μmが好ましい。ここで、第1及び第2の金属相粒子と、酸化物相粒子とを単に混合したのみでは、両者の比重差により、生成された溶射皮膜において酸化物相が均一に分散しない。そのため、第1及び第2の金属相粒子と、酸化物相粒子とを複合化して溶射用粒子を製造する。これにより、生成された溶射皮膜において酸化物相を均一に分散させることができる。
図10は、実施の形態1に係る溶射皮膜を生成するための溶射用粒子の電子顕微鏡写真である。ここで、白色の粒子が第1の金属相(Ni−50%質量Cr)粒子と第2の金属相(Si)、黒色の粒子が酸化物相(ベントナイト)粒子である。第1の金属相粒子、第2の金属相粒子、及び酸化物相粒子の粒径は、いずれも10〜50μm(平均粒径30μm)である。
次に、上記溶射用粒子をSiCからなる担体20の表面に、プラズマ溶射し、厚さ100〜200μmの表面電極31を形成する。
次に、表面電極31上に、厚さ100μm、幅1mmの配線32を配置する。この配線32上に、マスキングジグ治具を用いたプラズマ溶射により、ボタン形状で厚さ300〜500μmの固定層33を形成する。
ここで、プラズマ溶射は、大気雰囲気で行なってもよいが、非酸化雰囲気で行なうことが好ましい。具体的には、Arなどの不活性ガスによるプラズマフレームのシールド、減圧雰囲気などでプラズマ溶射することにより、溶射皮膜の溶射時の酸化を抑制することができる。さらに、プラズマ溶射に代わり、酸素−アセチレンの燃焼炎を利用したフレーム溶射を行い、燃焼炎をアセチレンリッチにして還元雰囲気としてもよい。
次に、必要に応じ、溶射皮膜が形成された担体20に対し、900〜1100℃×5時間以上の熱処理を行ってもよい。温度は、950〜1050℃がより好ましい。900℃未満では拡散層の形成が不十分となる。他方、1100℃を超えると異常酸化が発生する。図8、9を参照して上述したように、この熱処理により、溶射皮膜とSiC担体中との密着性がさらに向上する。また、溶射皮膜が非酸化雰囲気で形成されているため、当該熱処理は大気雰囲気下で行われても、溶射皮膜に異常酸化は生じない。そのため、当該熱処理は、大気雰囲気下で行うことができる。当然のことながら、非酸化雰囲気で行えば、より好ましい。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。図11は、本発明に係る実施例と比較例の一覧表である。
(実施例1)
ガスアトマイズ法により、Ni−50質量%Cr合金からなる粒径10〜50μm(平均粒径30μm)の第1の金属相粒子を造粒した。
同様に、ガスアトマイズ法により、Siからなる粒径10〜50μm(平均粒径30μm)の第2の金属相粒子を造粒した。
他方、スプレードライ法より、ベントナイトからなる粒径10〜50μm(平均粒径30μm)の酸化物相粒子を造粒した。この粒子を水素雰囲気下で温度1050℃において焼結した。
次に、第1の金属相粒子、第2の金属相粒子、及び酸化物相粒子を高分子系の接着剤を媒体に、練り込み造粒法により複合化し、水素雰囲気下で温度1050℃において焼結し、溶射用粒子を製造した。
次に、上記溶射用粒子をSiCからなる担体20の表面に、プラズマ溶射し、厚さ150μmの表面電極31を形成した。
次に、表面電極31上に、厚さ100μm、幅1mmの配線32を配置し、その上にマスキングジグ治具を用いたプラズマ溶射により、厚さ400μmの固定層33を形成した。
プラズマ溶射装置として、Metco社製F4ガンを使用した。プラズマガスには、流量60L/minのArガスと流量10L/minのHガスとからなるAr−H混合ガスを使用した。プラズマ電流は600A、プラズマ電圧は60V、溶射距離は150mm、溶射用粒子供給量は30g/minとした。さらに、溶射時の第1及び第2の金属相の酸化を抑制するため、プラズマフレームをArガスによりシールドした。
実施例1に係る溶射皮膜(表面電極31及び固定層33)では、各層の面積率を第1の金属相=30%、第2の金属相=10%、酸化物相=60%とした。熱サイクル(100〜900℃、2000サイクル)を負荷した後、6kWの電力を投入し、通電加熱試験を実施した。局部的な異常発熱は確認されず、良好であった。また、溶射皮膜と担体との界面の組織観察において、界面割れは確認されなかった。
(実施例2)
各層の面積率を第1の金属相=20%、第2の金属相=20%、酸化物相=60%とした以外は実施例1と同様にして溶射皮膜を形成した。実施例1と同一条件の熱サイクル負荷後の通電加熱試験において、局部的な異常発熱は確認されず、良好であった。また、溶射皮膜と担体との界面の組織観察において、界面割れは確認されなかった。
(実施例3)
各層の面積率を第1の金属相=10%、第2の金属相=30%、酸化物相=60%とした以外は実施例1と同様にして溶射皮膜を形成した。実施例1と同一条件の熱サイクル負荷後の通電加熱試験において、局部的な異常発熱は確認されず、良好であった。また、溶射皮膜と担体との界面の組織観察において、界面割れは確認されなかった。
(実施例4)
各層の面積率を第1の金属相=30%、第2の金属相=20%、酸化物相=50%とした以外は実施例1と同様にして溶射皮膜を形成した。実施例1と同一条件の熱サイクル負荷後の通電加熱試験において、局部的な異常発熱は確認されず、良好であった。また、溶射皮膜と担体との界面の組織観察において、界面割れは確認されなかった。
(実施例5)
各層の面積率を第1の金属相=10%、第2の金属相=20%、酸化物相=70%とした以外は実施例1と同様にして溶射皮膜を形成した。実施例1と同一条件の熱サイクル負荷後の通電加熱試験において、局部的な異常発熱は確認されず、良好であった。また、溶射皮膜と担体との界面の組織観察において、界面割れは確認されなかった。
(実施例6)
第1の金属相を構成する材料をCo−25質量%Ni−16質量%Cr−6.5質量%Al−0.5質量%Y合金とした以外は実施例1と同様(つまり各層の面積率は第1の金属相=30%、第2の金属相=10%、酸化物相=60%)にして溶射皮膜を形成した。実施例1と同一条件の熱サイクル負荷後の通電加熱試験において、局部的な異常発熱は確認されず、良好であった。また、溶射皮膜と担体との界面の組織観察において、界面割れは確認されなかった。
(実施例7)
第1の金属相を構成する材料をCo−25質量%Ni−16質量%Cr−6.5質量%Al−0.5質量%Y合金とした以外は実施例3と同様(つまり各層の面積率は第1の金属相=10%、第2の金属相=30%、酸化物相=60%)にして溶射皮膜を形成した。実施例1と同一条件の熱サイクル負荷後の通電加熱試験において、局部的な異常発熱は確認されず、良好であった。また、溶射皮膜と担体との界面の組織観察において、界面割れは確認されなかった。
(実施例8)
第1の金属相を構成する材料をNi−23質量%Co−20質量%Cr−8.5質量%Al−0.6質量%Y合金とした以外は実施例2と同様(つまり各層の面積率は第1の金属相=20%、第2の金属相=20%、酸化物相=60%)にして溶射皮膜を形成した。実施例1と同一条件の熱サイクル負荷後の通電加熱試験において、局部的な異常発熱は確認されず、良好であった。また、溶射皮膜と担体との界面の組織観察において、界面割れは確認されなかった。
(実施例9)
第1の金属相を構成する材料をFe−20質量%Cr−6.5質量%Al−0.5質量%Y合金とした以外は実施例2と同様(つまり各層の面積率は第1の金属相=20%、第2の金属相=20%、酸化物相=60%)にして溶射皮膜を形成した。実施例1と同一条件の熱サイクル負荷後の通電加熱試験において、局部的な異常発熱は確認されず、良好であった。また、溶射皮膜と担体との界面の組織観察において、界面割れは確認されなかった。
(実施例10)
実施例2の条件で形成された溶射皮膜に対し、大気雰囲気下で1000℃×10時間の熱処理を施した。実施例1と同一条件の熱サイクル負荷後の通電加熱試験において、局部的な異常発熱は確認されず、良好であった。また、溶射皮膜と担体との界面の組織観察において、界面割れは確認されなかった。
(比較例1)
各層の面積率を第1の金属相=40%、第2の金属相=0%、酸化物相=60%とした以外は実施例1と同様にして溶射皮膜を形成した。実施例1と同一条件の熱サイクル負荷後の通電加熱試験において、局部的な異常発熱が確認された。また、溶射皮膜と担体との界面の組織観察において、界面割れが確認された。第2の金属相であるSi相がないため、溶射皮膜と担体との熱膨張率差が大きく、また、溶射皮膜と担体との界面における密着性も低いため界面割れが生じ、局部的な異常発熱が発生したものと推察される。
(比較例2)
各層の面積率を第1の金属相=35%、第2の金属相=5%、酸化物相=60%とした以外は実施例1と同様にして溶射皮膜を形成した。実施例1と同一条件の熱サイクル負荷後の通電加熱試験において、局部的な異常発熱が確認された。また、溶射皮膜と担体との界面の組織観察において、界面割れが確認された。第2の金属相であるSi相の面積率が低いため、溶射皮膜と担体との熱膨張率差が大きく、また、溶射皮膜と担体との界面における密着性も低いため界面割れが生じ、局部的な異常発熱が発生したものと推察される。
(比較例3)
各層の面積率を第1の金属相=5%、第2の金属相=35%、酸化物相=60%とした以外は実施例1と同様にして溶射皮膜を形成した。実施例1と同一条件の熱サイクル負荷後の通電加熱試験において、溶射皮膜全体で発熱が大きかった。溶射皮膜と担体との界面の組織観察では、界面割れは確認されなかった。第2の金属相及び酸化物相の面積率の合計が90%を超えたため、溶射皮膜の抵抗が大きくなり、溶射皮膜全体で発熱が大きくなったものと推察される。
(比較例4)
各層の面積率を第1の金属相=35%、第2の金属相=30%、酸化物相=35%とした以外は実施例1と同様にして溶射皮膜を形成した。実施例1と同一条件の熱サイクル負荷後の通電加熱試験において、局部的な異常発熱が確認された。担体に割れが確認された。酸化物相の面積率が40%未満のため、溶射皮膜のヤング率が大きく、熱応力の緩和が不十分であり、担体に割れが生じたものと推察される。
(比較例5)
各層の面積率を第1の金属相=5%、第2の金属相=10%、酸化物相=85%とした以外は実施例1と同様にして溶射皮膜を形成した。実施例1と同一条件の熱サイクル負荷後の通電加熱試験において、溶射皮膜全体で発熱が大きかった。溶射皮膜と担体との界面の組織観察では、界面割れは確認されなかった。第2の金属相及び酸化物相の面積率の合計が90%を超えたため、溶射皮膜の抵抗が大きくなり、溶射皮膜全体で発熱が大きくなったものと推察される。
(比較例6)
第1の金属相を構成する材料をCo−25質量%Ni−16質量%Cr−6.5質量%Al−0.5質量%Y合金とした以外は比較例2と同様(つまり各層の面積率は第1の金属相=35%、第2の金属相=5%、酸化物相=60%)にして溶射皮膜を形成した。実施例1と同一条件の熱サイクル負荷後の通電加熱試験において、局部的な異常発熱が確認された。また、溶射皮膜と担体との界面の組織観察において、界面割れが確認された。第2の金属相であるSi相の面積率が低いため、溶射皮膜と担体との熱膨張率差が大きく、また、溶射皮膜と担体との界面における密着性も低いため界面割れが生じ、局部的な異常発熱が発生したものと推察される。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
20 担体
31 表面電極
32 配線
33 固定層
100 通電加熱式触媒装置

Claims (12)

  1. 触媒が担持されたセラミックスからなる担体と、
    前記担体の上に形成された表面電極と、を備えた通電加熱式触媒装置であって、
    前記表面電極が、
    Ni−Cr合金(但し、Cr含有量は20〜60質量%)又はMCrAlY合金(但し、MはFe、Co、Niのうち少なくとも一種)からなる第1の金属相と、
    Siを主成分とする第2の金属相と、
    層状構造を有する酸化物鉱物からなり、前記第1の金属相及び前記第2の金属相の中に分散された酸化物相と、を備え、
    前記表面電極の断面において、前記第2の金属相の占める面積率が10〜30%であり、前記酸化物相の占める面積率が40〜80%であり、前記第2の金属相と前記酸化物相との占める面積率の合計が90%以下である、通電加熱式触媒装置。
  2. 前記酸化物鉱物が、ベントナイト及びマイカの少なくともいずれか一方である、
    請求項1に記載の通電加熱式触媒装置。
  3. 前記表面電極が、非酸化雰囲気における溶射により形成される、
    請求項1又は2に記載の通電加熱式触媒装置。
  4. 前記セラミックスが、SiCを含む、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の通電加熱式触媒装置。
  5. Ni−Cr合金(但し、Cr含有量は20〜60質量%)又はMCrAlY合金(但し、MはFe、Co、Niのうち少なくとも一種)からなる第1の金属相の粒子を造粒するステップと、
    Siを主成分とする第2の金属相の粒子を造粒するステップと、
    層状構造を有する酸化物鉱物からなる酸化物相の粒子を造粒するステップと、
    前記第1の金属相の粒子と前記第2の金属相の粒子と前記酸化物相の粒子とを複合化し、溶射用粒子を造粒するステップと、
    触媒が担持されたセラミックスからなる担体の上に、前記溶射用粒子を溶射し、一対の表面電極を形成するステップと、を備え、
    前記表面電極の断面において、前記第2の金属相の占める面積率を10〜30%とし、前記酸化物相の占める面積率を40〜80%とし、前記第2の金属相と前記酸化物相との占める面積率の合計を90%以下とする、通電加熱式触媒装置の製造方法。
  6. 900℃以上で前記表面電極の熱処理を行うステップをさらに備える、
    請求項5に記載の通電加熱式触媒装置の製造方法。
  7. 前記酸化物鉱物を、ベントナイト及びマイカの少なくともいずれか一方とする、
    請求項5又は6に記載の通電加熱式触媒装置の製造方法。
  8. 前記酸化物相の粒子を造粒するステップにおいて、造粒された前記酸化物相の粒子を焼結する、
    請求項7に記載の通電加熱式触媒装置の製造方法。
  9. 前記溶射用粒子を造粒するステップにおいて、造粒された前記溶射用粒子を焼結する、
    請求項8に記載の通電加熱式触媒装置の製造方法。
  10. 前記第1の金属相の粒子及び前記第2の金属相の粒子の平均粒径を10〜50μmとする、
    請求項5〜9のいずれか一項に記載の通電加熱式触媒装置の製造方法。
  11. 前記表面電極を形成するステップにおいて、
    非酸化雰囲気において、前記溶射用粒子を溶射する、
    請求項5〜10のいずれか一項に記載の通電加熱式触媒装置の製造方法。
  12. 前記セラミックスが、SiCを含む、
    請求項5〜11のいずれか一項に記載の通電加熱式触媒装置の製造方法。
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