JP5325079B2 - 排ガス浄化用金属担体触媒 - Google Patents

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本発明は、内燃機関等の排気ガスを浄化する排ガス浄化用触媒に金属製の担体を用いた排ガス浄化用金属担体触媒に関する。
自動車や、二輪車の排気ガスを浄化するために、排ガス浄化用装置が用いられている。この排ガス浄化用装置には、サーマルリアクタ方式、希薄燃焼方式、エンジンモディフィケーション方式および触媒方式などがあり、この中で触媒方式が広く用いられている。
触媒方式は、Pt、Rh、Pd等の触媒貴金属を用いて、排気ガスを浄化する方式である。この触媒方式の排ガス浄化用触媒は、触媒担体の表面に活性アルミナ(γ−アルミナ)等により担持層を形成し、この担持層に貴金属触媒を担持させたものが用いられる。
排気ガス浄化用触媒は、触媒担体の形状により、モノリス形状、粒状、あるいはパイプ状等に分類される。さらに、触媒担体の材質としては、高温の排気ガスに曝されることから、耐熱性材料が用いられ、このような材質として、たとえば、コーディエライト等のセラミックス、ステンレス等の耐熱性金属等をあげることができる。
セラミックス製担体は、機械的な衝撃に弱く、また排気抵抗が大きいといった課題があり、排気系の圧力損失の低減や担体の耐熱性の向上等の理由から金属担体が用いられるようになってきた。
金属担体を用いた排ガス浄化用触媒は、オーステナイト系ステンレス鋼SUS304(18Cr−8Ni)やフェライト系ステンレス鋼SUS430(16Crフェライト系ステンレス鋼)などの鋼材を箔状あるいはシート状に圧延し、この鋼板を加工して金属担体を形成し、この金属担体の表面に担持層を形成し、担持層に触媒金属を担持させた触媒がある。
金属担体を用いた排ガス浄化用触媒は、金属担体の表面に触媒金属が付与されるため、触媒金属の触媒活性により、金属担体が腐食して、触媒の浄化能が低下するという問題を有していた。
詳しくは、触媒担体に直接担持層および触媒金属が付与されているため、触媒金属の活性作用により金属担体が酸化されて腐食し、この金属担体の酸化物(酸化鉄)が担持層および触媒金属に侵入し、触媒金属の触媒活性を低下させていた。また、金属担体の腐食により、触媒金属を担持した担持層に剥離が生じるようになっていた。
さらに、金属担体にCr等の元素が添加されていない一般鋼材を用いると、担持層および触媒金属を担持させた状態で放置しておくだけで、上述のような酸化や腐食が生じ、触媒担体として用いることができなかった。
加えて、オートバイなどに用いられる内燃機関から排出される排ガスは、水分が比較的多く含まれているなど酸化性を有していた。このため、オートバイなどにおいて、金属担体を用いる排ガス浄化用触媒は、金属担体の酸化による腐食が問題となっていた。
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、金属担体の酸化、腐食による触媒性能の低下が抑えられた排ガス浄化用金属担体触媒を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため本発明者らは、担持層および触媒金属が金属担体の被酸化成分に接触していることが金属担体の腐食を生じさせていることに着目し、金属担体が担持層および触媒金属と直接接触することを避ける方法について検討を重ねた結果、触媒担体の表面に担体被膜を形成し、この担体被膜の表面に担持層および触媒金属を付与することで、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、鉄系金属箔あるいは鉄系金属シートにより形成された金属担体と、Niを50〜97wt%で含有し、該金属担体の表面を被覆して該金属担体が酸化されることを防止する均一に形成されてなる担体被膜と、担体被膜の表面に形成された担持層と、担持層に担持された触媒金属と、からなることを特徴とする。
本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、触媒担体の表面に担体被膜が被覆されているため、触媒金属が金属担体と直接接触しなくなっている。このため、金属担体に腐食が生じなくなる。この結果、金属担体の腐食により生じる浄化能の低下が生じなくなり、排ガス浄化用金属担体触媒は、その浄化性能を長時間保持できるようになる。
本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、鉄系金属よりなる金属担体の表面に担体被膜を形成し、この担体被膜の表面に担持層および触媒金属を付与している。このため、金属担体に触媒金属が直接接触しなくなり、触媒金属の活性作用による金属担体の腐食が抑えられる。この結果、金属担体が腐食することによる担持層の剥離が生じなくなり、排ガス浄化用金属担体触媒としての寿命が長くなる効果を示す。また、金属担体が触媒成分と接触しなくなるため、金属担体の材質についても、耐酸化性等の特性が不要となり、一般鋼材等の安価な材料を用いることができる。
実施例1のパイプ触媒を示した図である。
本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、金属担体と、担体被膜と、担持層と、触媒金属と、からなる。
金属担体は、鉄系金属箔あるいは鉄系金属シートにより形成される。ここで、金属箔あるいは金属シートを形成する鉄系金属は、鉄を主成分とした金属をしめす。また、この鉄系金属は、金属担体として用いたときに十分な特性を有している。この鉄を主成分とした鉄系金属としては、従来の金属担体に用いられているようなステンレス(SUS403、SUS436)以外にも、冷間圧延鋼板(SPCC)等の一般鋼材をあげることができる。
また、金属担体の形状は、特に限定されるものではなく、用途に応じて、適宜選択できる。たとえば、金属シートあるいは金属箔からなる平板と波板とを交互に積そうさせたハニカム体や、あるいは、それぞれを重ね合わせてロール状に巻回して形成されたハニカム体などを用いることができる。このとき、ハニカム体を外筒により収納保持することで、機械的強度が十分に確保できる。この外筒は、ハニカム体と同じ組成をもつ金属シートで形成することができる。このハニカム体の収納保持は、公知の方法でハニカム体を外筒に一体化することができる。なお、いずれの形態においても、金属シートあるいは金属箔の厚さは、用途に応じて適宜選択することができる。
また、別の金属担体の形状として、金属シートあるいは金属箔をパイプ状に形成したパイプ触媒としてもよい。さらに、このパイプ形状の内部の空間を区画する十字状、波板状等の担体板を付与した形状のパイプ触媒としてもよい。
担体被膜は、金属担体の表面を被覆する。担体被膜を金属担体の表面に形成することで、金属担体と担持層および担持層に担持された触媒金属とが接触しなくなり、金属担体が触媒金属の作用により腐食されなくなる。ここで、担体被膜は、耐酸化性を有する物質により形成されることが好ましい。
担持層は、担体被膜の表面に形成される。担持層は、排ガス浄化触媒において、排ガスとの接触面積を大きくするために用いられる。担持層は、通常の排ガス浄化用触媒に形成される担持層とすることができる。
すなわち、担持層は、通常の排ガス浄化用触媒に用いられる耐熱性無機酸化物を用いることができ、好ましい担持層としては、活性アルミナを主成分とする耐熱性無機酸化物である。また、担持層は、セリウムやジルコニウムの酸化物を含むことが好ましい。これらの酸化物を担持層に有することで、排ガス浄化用触媒の浄化特性が向上する。また、担持層の層厚は、特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択することができる。
触媒金属は、担持層に担持されている。この触媒金属の担持は、担持層を形成した後に担持させても、担持層を形成するときに活性アルミナ等からなるスラリーに混合させて金属担体にコートすることにより付与させても、どちらでも良い。触媒金属は、排ガス浄化用触媒において、排ガスを浄化する成分である。触媒金属は、通常の排ガス浄化用触媒に用いられる触媒金属を用いることができる。すなわち、酸化触媒、還元触媒、三元触媒のいずれの触媒を用いてもよい。
詳しくは、触媒金属に、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)の少なくとも1種を用いることで排ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、および窒素酸化物(NOx)を効率よく除去できる。また、触媒金属の担持層への担持量も特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択することができる。
担体被膜は、ニッケルおよびクロムを有することが好ましい。すなわち、ニッケルおよびクロムを含むことで、排ガス浄化用触媒が酸化性雰囲気となっても、ニッケルおよびクロムが耐酸化性を発揮する酸化被膜である不動態層が担持層との接触面に形成され、金属担体が酸化されることを防止する。
担体被膜は、更に、CrおよびSiを有する被膜であることが好ましい。
ニッケルは50〜97wt%、クロムは3〜50wt%含まれることが好ましい。なお、含有量のwt%とは、担体被膜全体を100wt%としたときのニッケルおよびクロムの割合を示した。
このような担体被膜としては、たとえば、全体を100wt%としたときに、Niを主体とした18wt%Crと10wt%Siとよりなるロウ材や、Niを主体とした6wt%Crと4wt%Siとよりなるロウ材、を用いて形成した等をあげることができる。
担体被膜は、ロウ材により形成された被膜であることが好ましい。ここで、ロウ材とは、金属材料をロウ付けするときに用いられる非鉄金属またはその合金を示す。ロウ材は、ロウ付けに用いられることからわかるように、金属材料とよくなじむため、金属担体の表面に均一に付与できる。さらに、ロウ材により形成された担体被膜は、金属担体の表面に強固に被覆する。加えて、ロウ材による担体被膜は、ロウ材を金属担体表面で加熱することで被膜を形成できるため、簡単に担体被膜を形成できる。
ロウ材は金属材料であるため熱伝導性が高いことから、担体被膜をロウ材により形成することで、排ガス浄化用触媒が排気ガスにより加熱されても、排ガス浄化用触媒からの熱の拡散が十分に行われ、過熱による排ガス浄化性能の低下は生じない。
担体被膜は、その厚さが3μm以上であることが好ましい。被膜の厚さが3μm未満となると、担体被膜にムラが生じ、厚さの薄いところから金属担体に酸化が生じ、担持層にFe酸化物が侵入するようになる。
(排ガス浄化用金属担体触媒の製造)
本発明の排ガス浄化用金属担体触媒の製造は、金属担体の表面に担体被膜を形成した後に担持層を形成し、この担持層に後から触媒金属を担持させること、あるいは触媒金属を担持層を形成するスラリーに混ぜ、このスラリーを担体被膜の表面にコートさせること、で行われる。
まず、金属担体を所定の形状に形成する。すなわち、箔状あるいはシート状の鉄系金属よりなる金属板を加工し、触媒担体を形成する。
つづいて、形成された金属担体の表面に担体被膜を形成する。ここで、ロウ材を用いた担体被膜の形成は、金属担体の表面に、ロウ材を配置した状態で加熱することで形成させることが好ましい。なお、加熱は、真空雰囲気でなされることが好ましい。真空雰囲気で加熱されることで、まわりの雰囲気ガスの元素が形成される被膜に含まれることが防止される。また、このときの加熱温度は、ロウ材が溶融できる程度の温度であることが好ましい。
その後、担体被膜の表面に担持層を形成し、この担持層に触媒金属を担持させる。担体被膜の表面に担持層を形成する方法は、通常の触媒担体の製造方法に用いられる方法を用いることができる。すなわち、担持層を形成する耐熱性無機酸化物のスラリーを調整し、このスラリーを担体被膜の表面に塗布し、乾燥、焼成させることで製造される。
また、担持層への触媒金属の担持は、担持層が形成された触媒担体を、触媒金属が含まれる溶液に浸漬させることで行われる。担持層に触媒金属を供給した触媒担体は乾燥、焼成されて排ガス浄化用触媒となる。また、この触媒金属の担持は、担持層を形成する耐熱性無機酸化物のスラリーに触媒金属を混合させた混合スラリーとし、この混合スラリーを担体被膜の表面にコートして触媒金属を有する担持層を形成する方法を用いても良い。すなわち、本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、その製造方法として、金属担体の表面にロウ材を配置した状態で、ロウ材が溶融する温度に加熱して担体被膜を形成する工程と、担体被膜の表面に担持層を形成する工程と、担持層に触媒金属を担持する工程と、を有することが好ましい。
本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、担持層および触媒金属と金属担体との間に担体被膜が形成されているため、金属担体が触媒金属の活性作用により腐食しなくなる。金属担体に腐食が生じなくなることで排ガス浄化用金属担体触媒の触媒性能が低下しなくなり、長寿命となる。また、本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、金属担体の材質に安価な一般鋼材等の鋼材を用いることができる効果を有する。すなわち、触媒金属の活性作用が担体被膜により抑えられているため、金属担体に耐酸化性等の特性が得に必要とされなくなるためである。
本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、耐酸化性に優れていることから、酸化性雰囲気の排ガスが排出されやすい二輪車等において特に有用である。
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
本発明の実施例として、鉄系金属よりなるパイプ状の金属担体を用いて触媒を作製した。
(実施例1)
実施例1は、パイプ状の金属担体1と、パイプ状の金属担体1の内周面を被覆するロウ付けされたロウ材よりなる担体被膜2と、担体被膜2の表面に形成された担持層3と、担持層3に担持された触媒金属と、から構成される。この実施例1のパイプ触媒において、断面の様子を図1に示した。
ここで、金属担体には、SPCC(冷間圧延鋼板)により形成された厚さ1.5mm、内径30mm、容量100lのパイプを用いた。ここで、パイプの容量とは、パイプの内部空間の容積を示す。このパイプは、市販のSPCC製のパイプを所定の長さに切断して用いられた。
また、担体被膜を形成するロウ材は、Niを主体とし、Cr18wt%、Si10wt%よりなるロウ材が用いられた。
担持層は、活性アルミナを主成分とする耐熱性無機酸化物により形成され、その担持厚は、30μmであった。また、触媒金属は、PtおよびRhが、それぞれ5wt%、1wt%の担持量で担持された。
実施例1のパイプ触媒は、以下の手段により製造された。
SPCCよりなる金属担体の内周面にロウ材を、厚さが10〜100μmの厚さとなるように塗布し、この状態で真空雰囲気で、1200℃で1時間保持して金属担体の表面に担体被膜を形成した。
つづいて、活性アルミナ、バインダー、水を所定量となるように秤量し、これらを均一に混合したスラリーを調整した。調整されたスラリーを金属担体にコートし、乾燥させた。つづいて、触媒金属の溶液を、この乾燥したスラリーコート担体に含浸させ、担持層に貴金属を付着させた。その後、このコート担体を250℃、1時間焼成して製造した。
(実施例2)
実施例2は、金属担体がSUS304により形成されていること以外は実施例1と同様なパイプ触媒である。また、実施例2のパイプ触媒の製造方法も、実施例1の手段と同様であった。
(実施例3)
実施例3は、金属担体がSUS436Lにより形成されていること以外は実施例1と同様なパイプ触媒である。また、実施例3のパイプ触媒の製造方法も、実施例1の手段と同様であった。
(実施例4)
実施例4は、パンチングされたパイプを金属担体として用い、このパンチングされたパイプの外周面および内周面に触媒成分を付与した触媒である。
詳しくは、触媒担体に、SUS304よりなり、厚さ1.0mm、内径25mm、容量150lのパイプを用いた。なお、パンチング穴は、φ3mmの穴が6mmの間隔で千鳥状に開けられている。
また、担体被膜を形成するロウ材は、Niを主体とし、Cr6wt%、Si4wt%よりなるロウ材が用いられた。
実施例4の触媒は、パンチングされたパイプを金属担体として用い、このパンチングパイプの表面に担体被膜を付与し、パンチングパイプの内周面側および外周面側の担体被膜表面に触媒成分を形成させて製造された。
実施例4の触媒は、パンチングパイプの表面に担体被膜を形成するときに、ロウ材の塗布厚さを50〜200μmとして、1000℃で1時間保持して金属担体の表面に担体被膜を形成した。
担体被膜が形成されたパンチングパイプの内周面および外周面に、実施例1〜3において作製されたものと同様のスラリーを塗布し、乾燥させて担持層を形成した。つづいて、この担持層に、実施例1〜3と同様に調整された触媒金属溶液を、含浸させた後に250℃、1時間焼成した。
(比較例1)
比較例1は、担体被膜を金属担体と担持層の間に形成していないこと以外は、実施例2のパイプ触媒と同様なパイプ触媒である。詳しくは、実施例2において用いられた金属担体のパイプの内周面に、担持層および触媒金属を直接付与したパイプ触媒である。
比較例1のパイプ触媒の製造は、実施例2において用いられたパイプの内周面に直接、担持層を形成し、この担持層に触媒金属を担持させたものである。ここで、担持層の形成および担持層への触媒金属への担持は、実施例2において用いられた方法と同様の材料を用いてなされた。
(比較例2)
比較例2は、金属担体の表面にロウ材層を形成させ、このロウ材層の表面に担持層および触媒金属を付与したパイプ触媒である。なお、このロウ材層は、金属担体の表面と接触しているだけで、金属担体の表面にロウ付けされているものではない。
比較例2のパイプ触媒の製造は、まず、実施例2において用いられたパイプの内周面にロウ材を10〜100μmの厚さで塗布し、この状態で乾燥機を用いて大気雰囲気下250℃で1時間保持した。この保持により、ロウ材に含まれていたバインダ成分が蒸発し、金属成分がパイプの表面に残留する。このとき、パイプの表面で、ロウ材中の金属成分は、粒子の状態のままパイプの表面に付着している。
つづいて、このロウ材層を形成した金属担体のパイプの内周面に、実施例2と同様にして担持層を形成した後に触媒金属を担持させて製造された。
(評価)
実施例の評価として、高温に保持された炉内に触媒を配置し、この炉内に二種類の試験ガスを交互に導入することを繰り返す耐久試験を行った後に、触媒の状態を確認する評価試験を行った。
詳しくは、内部の温度が900℃に保持された炉の内部に触媒を配置し、この炉内の雰囲気を、10%HO、1%O、Nバランスよりなるガスと、10%HO、1%CO、Nバランスよりなるガスと、を60秒ごとに交互に導入することを5時間繰り返した。その後、触媒の様子を観察し、その状態により評価を行った。
この評価の結果を表1に示した。表1において、耐酸化性の評価の○は、担持層への金属酸化物の侵入なしを示し、△は、担持層への金属酸化物の侵入が一部に見られる状態であり、×は、金属酸化物が担持層の表面を覆っている状態を示すものであった。また、耐剥離性の評価における○は、担持層の剥離無しであり、×は、担持層の剥離有りであった。
Figure 0005325079
表1より、実施例1〜4の触媒は、耐酸化性に優れている。さらに、担持層の剥離も見られなかったことから、金属担体に腐食が生じていない。また、比較例1は、耐酸化性の評価が悪く、金属担体が腐食し、担持層に剥離が生じていた。比較例2は、金属担体の酸化が若干見られ、担持層の剥離も多少発生していた。
すなわち、実施例1〜4の触媒は、耐酸化性に優れていることから、金属担体に腐食が生じなくなり、金属担体が腐食することにより生じていた担持層の剥離が生じなくなった。
また、比較例1は、金属担体の表面に担持層が形成されており、酸化性物質が金属担体に接触でき、金属担体が容易に酸化され腐食を生じ、担持層が剥離している。比較例2は、金属担体表面に形成されたロウ材層が、酸化性物質が金属担体に接触することを抑えているが、完全にブロックできず、耐酸化性がやや劣る。
1…金属担体 2…担体被膜 3…担持層

Claims (2)

  1. 鉄系金属箔あるいは鉄系金属シートにより形成された金属担体と、Niを50〜97wt%で含有し、該金属担体の表面を被覆して該金属担体が酸化されることを防止する均一に形成されてなる担体被膜と、該担体被膜の表面に形成された担持層と、該担持層に担持された触媒金属と、からなることを特徴とする排ガス浄化用金属担体触媒。
  2. 前記担体被膜は、更に、CrおよびSiを有する被膜である請求項1記載の排ガス浄化用金属担体触媒。
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