JP2007203256A - 排気ガス浄化用触媒コンバータ - Google Patents

排気ガス浄化用触媒コンバータ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、900℃を超える環境で使用する際に排気ガス浄化性能の劣化が抑制され、優れた浄化性能が得られる排気ガス浄化触媒コンバータを提供する。
【解決手段】ステンレス箔を加工してなるメタルハニカム基材と、ステンレス箔上に形成した触媒層から構成される排気ガス浄化用触媒コンバータであって、前記ステンレス箔は少なくともFe、Cr及びAlを含有し、前記ステンレス箔の表面にはステンレス箔成分が酸化してできた酸化物皮膜を有し、該酸化物皮膜の含有するFeの濃度が酸化物に対する質量%で0.1%以上7%以下であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒コンバータである。
【選択図】なし

Description

本発明は、排気ガス中に含まれる炭化水素(HC)、CO、NOX成分を浄化する排気ガス浄化用触媒コンバータに関し、特に触媒を担持するための基材がメタルハニカムであり、その排気ガス浄化性能の向上に関するものである。
内燃機関の排気ガスを浄化する目的で、排気ガス経路に触媒を担持した触媒コンバータが配置される。また、メタノール等の炭化水素化合物を水蒸気改質して水素リッチなガスを生成するメタノール改質装置や、COをCO2に改質して除去するCO除去装置、あるいはH2をH2Oに燃焼して除去するH2燃焼装置においても、同様に触媒を担持したハニカム基材が用いられる。これらハニカム基材は、ガスが通過する多数のセル状の流路を有し、各セルの壁面に触媒層をコーティングして、触媒コンバータとする。このような構造にすることによって、通過するガスと触媒が広い面積で接触することを可能にしている。
これらの目的で用いられるハニカム基材としては、セラミックスハニカム基材とメタルハニカム基材とがある。メタル基材は、耐熱合金を用いた厚み数十μmの平箔と波箔とを交互に巻き回し、あるいは積層することによって円筒形等のメタルハニカム体とし、このハニカム体を金属製の外筒に装入してメタルハニカム基材とする。このメタルハニカム基材のガス流路となるハニカム体の各セルの金属箔の表面に、触媒をしみ込ませた触媒担持層を形成し、触媒コンバータとする。ハニカム体の平箔と波箔との接触部は、ろう付け等の手段によって接合し、ハニカム体を強度のある構造体とする。
ここで、耐熱合金としては、Al含有のステンレス箔を用いることが一般的となっている。このステンレスは、高温大気中で表面に酸素透過性の低い酸化物皮膜が形成され、優れた耐酸化特性が得られることを特徴としている。
ハニカム基材の表面には、γアルミナ粉末等を塗布して形成された多孔質の層が設けられ、ここに触媒主金属の白金、パラジウムやロジウム等の貴金属が担持され、触媒層が形成される。排気ガスに含まれるHC、CO、NOX等は、これら貴金属の触媒効果で酸化、還元反応を起こし、浄化される。
この浄化に関わる反応をより効率的に進めるために、各セルの壁面には、貴金属触媒に加えて、助触媒を塗布することが一般的になっている。例えば、HC、CO等の還元物質を酸化させる際に、触媒付近により多くの酸素が存在すると反応を促進させられるので、酸素を大量にストレージできるセリウムやランタン等の希土類金属成分を有する酸化化合物を担持する。
特許文献1や特許文献2に示された排ガス浄化用触媒では、高温時における貴金属の結晶粒成長を抑制するために、セリウムの酸化物CeO2(セリア)にZrO2(ジルコニア)を固溶させて、触媒層に含有させている。これらには、この他にLa、Nd、Y等の希土類金属成分が酸化化合物の形態で触媒層に含有させることが示されている。
特許文献3に示された触媒用メタル担体の製造方法は、メタルハニカム体の表面にアスペクト比2以下の塊状酸化物を形成しておき、次いで、大気中で950℃以上に加熱保持することによって、αアルミナ皮膜を形成するものである。この上に、γアルミナを主体とする触媒層を付与すると、高い密着性が得られることが示されている。しかしながら、特許文献3は、酸化物皮膜に含有する元素成分の濃度を制御して浄化性能を改善する技術では無かった。
特許文献4に示された金属担体触媒は、基材成分が加熱により酸化された酸化皮膜層を表面に備えると共に、Ce、La、Zr等の助触媒成分を含有する触媒層を基材に形成させている。これによって、熱膨張が改良される効果が示されている。しかしながら、特許文献4は、酸化物皮膜に含有する元素成分の濃度を制御して浄化性能を改善する技術では無かった。
このように、従来公知技術には、ステンレス箔の表面にαアルミナ等の酸化物皮膜を形成させたメタル担体はあるが、酸化物皮膜中の構成元素を規定したものは無かった。
近年、エンジン性能の向上と高速走行の増加に伴い、排ガス温度が著しく上昇している。このため、排気ガスに晒される触媒コンバータにおいては、より高温での耐久性が求められるようになってきた。
特開2004−243177号公報 特開2004−261641号公報 特開平8−299808号公報 特開平8−332394号公報
ステンレス箔から構成されるメタルハニカム体を基材とし、基材表面にジルコニア−セリア、アルミナ−セリア−ジルコニア、セリア−ジルコニア−イットリア、ジルコニア−カルシア複合酸化物の内の少なくとも1つを含有し、Pt、Pd、Rh等の貴金属触媒を含有した触媒層を担持した触媒コンバータでは、燃費改善の目的で排気ガス温度が上昇する傾向の中で、触媒床温度が900℃を超える場合に排気ガス浄化性能の劣化が大きく、この劣化が顕在化してきた。
そこで、本発明では、上記のような触媒層を担持した場合でも、より高温で使用する際に上記劣化が抑制され、優れた浄化性能が得られる排気ガス浄化触媒コンバータを提供することを目的とする。
本発明の要旨とするところは、以下の通りである。
(1) ステンレス箔を加工してなるメタルハニカム基材と、ステンレス箔上に形成した触媒層から構成される排気ガス浄化用触媒コンバータであって、前記ステンレス箔は少なくともFe、Cr、及びAlを含有し、前記ステンレス箔の表面にはステンレス箔成分が酸化してできた酸化物皮膜を有し、該酸化物皮膜の含有するFeの濃度が酸化物に対する質量%で0.1%以上7%以下であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒コンバータ。
(2) 前記触媒層が、ジルコニア−セリア、アルミナ−セリア−ジルコニア、セリア−ジルコニア−イットリア、ジルコニア−カルシア複合酸化物の内の少なくとも1つを含有する前記(1)に記載の排気ガス浄化用触媒コンバータ。
(3) 前記酸化物皮膜を構成する酸化物が少なくともアルミナ系酸化物を含有している前記(1)記載の排気ガス浄化用触媒コンバータ。
本発明の排気ガス浄化触媒コンバータは、ステンレス箔を加工してなるメタルハニカム基材とステンレス箔上に形成された触媒層から構成されており、ステンレス箔の表面に形成された酸化物皮膜中のFe濃度をコントロールすることによって、900℃を超える環境下で使用する場合に、触媒層の熱劣化を著しく抑制できる。特に、触媒層にジルコニア−セリア、アルミナ−セリア−ジルコニア、セリア−ジルコニア−イットリア、ジルコニア−カルシア複合酸化物の内の少なくとも1つを含有した場合に、本発明の効果は大きい。その結果、高燃費、かつ、クリーンな排気ガスの内燃機関が実現でき、例えば、ガソリン自動車等への応用が期待される。
本発明者らは、ステンレス箔を加工してなるメタルハニカム基材と、ステンレス箔上に形成させた触媒層から構成される排気ガス浄化用触媒コンバータにおいて、排気ガス中で触媒床温度が900℃を超える条件に暴露させた場合の排気ガス浄化性能について、詳細に調べた。
使用したステンレス箔は、Cr:20mass%、Al:5mass%を含有したFe−Cr−Alフェライト系ステンレスであった。触媒層は、ジルコニア−セリアの複合酸化物とγアルミナ粉末の混合物に主触媒成分であるPt、Pd、Rh等の貴金属を担持したものである。ステンレス箔表面に該触媒層を形成させた触媒コンバータへ高温の排気ガスを通過させて、触媒床温度が900℃を超える状態にした後に浄化性能の経時劣化を調べた。その結果、触媒コンバータの浄化性能は、時間の経過と共に著しく劣化し、この劣化が触媒層単独で起こる熱劣化よりも大きなことが判った。
この劣化の原因を調べるため、ステンレス箔と触媒層の両領域をEPMAで成分分析した。すると、このような触媒コンバータでは、ステンレス箔に含有されるFeが触媒層へ移動しており、Feが触媒層全体に分散していることを発見した。触媒層中に移動したFeの濃度は、時間経過に伴って増加し、浄化性能の劣化と相関関係があった。触媒層へ移動したFeは、触媒層中のアルミナのγ→α変態を促進して触媒層の比表面積を減少させたり、助触媒等と化学的結合して触媒活性に悪い影響を与えるようになったと推定している。
該ステンレス箔の表面には、箔成分が酸化してなる酸化物皮膜が形成されるが、上記複合酸化物が含有された触媒層の直下で発生し、形成した酸化物皮膜はFeを容易に透過し、ステンレス箔素材から触媒層中へのFeの移動を助長していることを見出した。
本発明者らは、酸化物皮膜の性質を変えてFeの透過が抑制でき、触媒層へのFeの移動を抑制できる技術を、数多くの実験から導き出すことに成功した。以下に、その詳細を示す。
酸化物皮膜中に意図的に一定量のFeを含有させることによって、ステンレス箔のFeが酸化物皮膜を透過し難くなり、Feの触媒層への移動が抑制できることを見出した。その結果、900℃を超える厳しい環境下においても、浄化性能の劣化が低減できるとの知見を得た。本発明の酸化物皮膜の含有する具体的なFeの濃度範囲は、以下の通りである。
酸化物皮膜の含有するFeの濃度が、酸化物皮膜に対する質量%で0.1%以上7%以下であると、Feの透過を著しく抑制できる。7%を超えると、触媒層中に移動するFeが急激に増加し、900℃を超える触媒層直下の環境では浄化性能の劣化が大きくなる。0.1%未満であると、繰り返し冷熱等において酸化物皮膜に微小な亀裂が発生し易くなる。その結果、亀裂の隙間から触媒層へFeが移動するようになり、触媒層中のFe濃度が高くなった。以上から、望ましいFeの濃度は0.1%以上7%以下とした。
ここで、酸化物皮膜の含有するFe濃度を測定するためには、例えば、定量GDS法を用いると良い。触媒層を剥ぎ取った後に、触媒層側から酸化物皮膜をグロー放電で剥ぎ取って行き、この中に含まれるFeの濃度分布を測定できる。
ステンレス箔成分が酸化してできた酸化物皮膜には、ステンレス箔中のAlが酸化してできるアルミナ系酸化物を少なくとも含有していることが望ましい。アルミナ系酸化物が含有されると、酸化物皮膜中のFeの濃度が制御し易く、その結果、浄化性能の劣化を抑制し易くなる。ここで、アルミナ系酸化物は、結晶構造による分類でα、γ、θ、χ、δ、η、κアルミナがあり、本発明の酸化物皮膜には、これらの内の少なくとも1種類のアルミナを含有することが望ましい。アルミナ系酸化物のAlをステンレス箔成分のAl以外の金属元素等の他元素で一部置換した酸化物も本発明に含まれる。
酸化物皮膜の平均厚みの望ましい範囲は0.01μm以上10μm以下である。平均厚みが0.01μm未満であると、触媒層を形成した後に酸化物皮膜のFe含有量が増加し易くなり、触媒層へのFeの移動が容易になる場合がある。このため、酸化物皮膜の厚みは0.01μm以上とした。平均厚みが10μmを超えると、酸化物皮膜が剥離し易くなり、剥離した部分から触媒層へFeが溶出することがあるので、10μm以下とした。
ここで、本発明のハニカム基材を構成するステンレス箔の厚みは、5μm以上150μm以下が望ましい。5μmを下回ると、箔の強度が低くなり過ぎて、変形等が生じ易くなるからである。また、150μmを超えると、排気ガスの通気性が低下し易いためである。
上記に示した本発明は、触媒層にジルコニア−セリア複合酸化物を含有する場合に加えて、ジルコニア−セリア、アルミナ−セリア−ジルコニア、セリア−ジルコニア−イットリア、ジルコニア−カルシア複合酸化物の内の少なくとも1つを含有する場合においても、同等な効果を発揮する。なお、主触媒である貴金属元素としては、Pt、Pd、Rh等が挙げられ、本発明では、これらの内の少なくとも1つは触媒層に添加される。
触媒層に対する上記複合酸化物の含有量が、質量%で、20%以上95%以下の場合に、本発明の効果が得られる。20%未満であると、触媒層中に吸蔵できる酸素量が低下して、十分な排気ガスの浄化が行い難い。95%を超えると、貴金属を担持できる比表面積が減少して、浄化性能が低下する。したがって、95%以下とした。
次に、より好ましいステンレス箔の成分系について説明する。
本発明のメタルハニカム基材のステンレス箔にはAlを含有させる。含有されたAlは、ステンレス箔表面にアルミナ系酸化物を形成させたり、形成される酸化物皮膜の厚みを制御するために利用される。ステンレス箔と酸化物皮膜に含有する全てのAl量の望ましい範囲は、質量%で、1.5%以上13%以下である。1.5%未満であると、900℃を超えた排気ガス中でAlが酸化物皮膜の形成に消費してしまい、ステンレス箔内のAlが枯渇してしまうことがある。この場合には、ステンレス箔が異常酸化してボロボロになってしまうため、1.5%以上が望ましい。13%を超えると、ステンレス箔の靭性が著しく低下し、排気ガスの圧力や振動によって、箔の欠けや亀裂が発生して、構造信頼性が損なわれる。したがって、酸化物皮膜とステンレス箔に含有する全Al濃度の最大値は13%以下が好ましい。
Cは、不可避的に混入し、ステンレス箔の靭性、延性、耐酸化性に悪影響するので、低い方が望ましいが、本発明においては、0.1%以下であれば実害が許容できるので、上限は0.1%であることが望ましい。
Siも不可避的に混入し、ステンレス箔の靭性、延性を低下させ、一般には耐酸化性を向上させるが、2%を超えると、効果が少なくなるばかりでなく、靱性が低下する問題を生じる。したがって、2%以下が好ましい。
Mnも不可避的に混入し、これが2%を超えて含有すると、ステンレス箔の耐酸化性が劣化するので、その上限は2%であることが好ましい。
Crは、本発明においてアルミナ酸化物皮膜を安定にして、耐酸化性を向上させるために添加するが、9%未満ではその効果は不十分で、また、25%を超えると鋼が脆くなり、冷間圧延や加工に耐えなくなるので、その範囲は9%以上25%以下であることが好ましい。
Ti、Zr、Nb、Hfは、アルミナ酸化物皮膜の酸素透過性を低下させ、酸化速度を著しく減少させる効果があるため、必要な添加元素である。しかしながら、合計で2.0%を超えると、箔中に金属間化合物の析出が増えて、箔を脆くするため、それらの合計は2.0%以下であることが好ましい。
Mg、Ca、Baもアルミナ酸化物皮膜に固溶し、ステンレス箔の高温耐酸化性を向上させる場合がある。合計で0.01%を超えると箔の靭性が低下するため、0.01%以下であることが好ましい。
Y、希土類元素は、酸化物皮膜の密着性を確保する元素として添加は必要である。但し、合計で0.5%を超えると、箔中に金属間化合物の析出が増加し、靭性が低下するので、0.5%以下であることが好ましい。
次に、酸化物皮膜の含有するFeの濃度を制御し、浄化性能の劣化を低減させる方法について述べる。
本発明者らは、メタルハニカム基材を構成するステンレス箔の表面に、Feや、Feを含有する合金、酸化物を付着させ、その後、高温、低酸素雰囲気中でこれらをステンレス中へ拡散させた後、さらに、大気中等で高温に暴露して酸化させると、酸化物皮膜に含有されるFe濃度が制御できることを見出した。
例えば、Al−Fe系合金をFe−Cr−Al箔、もしくは、Fe−Cr箔に付着させた後に、真空中でAl−Feを箔中へ拡散させ、各種加工を施した後に大気中で酸化処理を行うと、酸化物皮膜中のFe濃度を本発明の範囲に制御可能である。
また、Feを含有する酸化物粉末をステンレス箔の表面に付着させた後に、真空中でFeを箔中へ拡散させ、各種加工を施した後に大気中で酸化処理を行うと、酸化物皮膜中のFe濃度を本発明の範囲に制御可能である。拡散されない酸化物粉末の残部については、触媒層を形成させる前に掻き落として除去しても良いし、残存させてその上に触媒層を形成させても良い。例えば、Feを固溶させたαアルミナ粉末等を用いることができる。
酸化物皮膜に含有されるFeは、合金中のFe濃度、拡散条件、酸化処理条件で決定でき、本発明の範囲に容易に制御可能である。Al−Fe合金に含有するFe濃度は数%〜90%でよい。
合金の付着方法としては、クラッド法や溶融めっき法が挙げられ、ドライプロセス法で付着させることも可能である。溶融めっき法では、Si等を添加して融点を下げることによって、付着を安定化させることも可能である。
酸化物粉末の付着方法としては、水等にαアルミナ粉末を混錬したスラリーをステンレス箔表面に塗布し、その後、乾燥させる方法が挙げられる。
Feや、Feを含有する合金をステンレス箔へ拡散させる方法としては、真空、もしくは、減圧雰囲気の中で、900〜1300℃前後の熱処理を施せばよい。この時の真空度は10-1〜10-3Pa程度が望ましい。真空度が10-0Pa以下になると、本発明の酸化物皮膜が得られなくなるので、注意が必要である。
この後、箔厚みを調整する圧延や、真空熱処理を含むハニカム基材への加工工程を経た後、大気中で高温に暴露して酸化物皮膜を形成させる。酸化物皮膜の形成は、例えば、大気中で700℃〜1200℃程度に暴露すればよい。酸化物皮膜のFe含有量は、前者の拡散熱処理における真空度、及び、後者の大気熱処理における水蒸気露点に依存し、これらのパラメータで制御することができる。水蒸気露点は10℃〜50℃程度に制御すると、本発明の条件を満たす酸化物皮膜が得られる。高温排気ガス中に暴露させて本発明の酸化物皮膜を形成させることもできる。
ここで、Fe濃度を本発明の範囲に制御できる第二の方法として、Feを含有する合金や酸化物粉末をステンレス箔に付着させて、真空中で熱処理したステンレス箔表面に、セリア−ジルコニア等の複合酸化物を含有しないか、あるいは、影響無い程度僅かに含有した下地層を設けて、この上に、上記複合酸化物の含有する触媒層を設けて、大気中熱処理によって、酸化物皮膜を形成させる方法がある。ステンレス箔表面に酸化物皮膜が発生する際に、上記複合酸化物が箔表面に接触しないことが重要であり、下地層がこの役割を果たす。下地層を構成する物質としては、例えば、アルミナ粉末を焼き固めたものが挙げられる。下地層の厚みは0.5μm以上20μm以下が望ましい。0.5μm未満であると、触媒層の含有する複合酸化物の影響が無視できなくなり、触媒層へFeが移動する場合があるので、0.5μm以上とした。浄化性能への寄与が少ない下地層の層厚みが20μmを超えると、浄化性能が低下するばかりでなく、コンバータの圧損が高くなり、エンジンの出力性能が低下する。したがって、下地層の層厚みは20μm以下とした。
下地層へ許容される複合酸化物の含有量は、20%未満が望ましい。20%以上であると、酸化物皮膜形成に悪影響がでて、Fe含有量が増加し、触媒層へのFeの移動が起こり易い。したがって、20%未満とした。
メタルハニカム基材の製造は、ステンレス箔に波付け加工を施した波箔と平箔を組み合わせて捲き回し、波箔と平箔を部分的に接合している。接合は、ろう材を使用したろう付け接合によって実施できる。前述したFeや、Feを含有する合金をステンレス箔に拡散させるための真空、もしくは、減圧雰囲気における熱処理をろう付けのための熱処理と兼ねて行うと効率的である。この時の真空度は10-1〜10-3Pa程度が望ましい。真空度が100Pa以上になると、本発明の酸化物皮膜が得られなくなるので、注意が必要である。また、酸化物皮膜は、ろう材表面にも付与させる必要があるが、必ずしも最適な酸化物皮膜が形成されない場合がある。このような場合には、接合はろう付け法を用いず、箔同士の拡散接合法を利用すれば良い。
(実施例1)
厚み20μmのステンレス箔(I)を用意して、メタルハニカム基材を作製した。ステンレス箔(I)の成分系は、質量%で、20%Cr−5.0%Al−0.04%Ti−0.1%(La,Ce)−bal.Feであった。
メタルハニカム基材の製造は、ステンレス箔にコルゲート加工を施した波箔と平箔を組み合わせた捲き回し、真空中熱処理によるNi系ろう材接合で行った。この時、真空度は10-2Paに制御して、熱処理を行った。
次に、質量%で、90%Al−10%Feの合金粉末(粒径1μm)をハニカム基材のステンレス箔表面に付着させて、引き続き真空中で熱処理を行って、該粉末成分をステンレス箔中に拡散させた。この時の真空度は10-2Pa、温度は1000℃であった。この処理を処理Aと称する。処理Aの実施後のステンレス箔に含有される全Al濃度は5.5%であった。
次に、触媒層を形成させる前に高温大気中に暴露してステンレス箔の表面に酸化物皮膜を形成させたハニカム基材を用意した。ここで、大気の水蒸気露点は10〜50℃であった。それぞれの熱処理温度については表1に示した。
一方、触媒層を形成させる前にセリア−ジルコニア等の複合酸化物を含有しない下地層をステンレス箔表面に形成させたハニカム基材も用意した。この処理では、αアルミナ粉末を主体とする10μmの下地層を形成させた。
表1には、上記処理を組み合わせて製造した諸条件をまとめて示した。
Figure 2007203256
本実施例で、ステンレス箔の上に形成させる触媒層には、セリア、ジルコニア、γアルミナの混合物に、その他希土類金属酸化物を微量に添加したものを用いた。ここで、セリアにはジルコニアが固溶しており、X線回折法で求めた格子定数から、セリアとジルコニアの質量比率が90:10であることを同定した。また、この複合酸化物が触媒層に占める質量割合は40%であった。触媒貴金属としては、Pt、Pd、Rhを質量比で10:1:2で添加した。いずれの触媒コンバータにおいても、触媒層質量はコンバータ体積当たり120g/Lであった。
3.5L・V6ガソリンエンジンから排出される排気ガスを触媒コンバータに通過させて、排気ガス浄化性能の経時変化を測定して、触媒劣化試験を行った。エンジン制御、及び、エンジンとコンバータの距離を調整して、最高触媒床温度が900℃となるように制御した。浄化性能はCO、HC、NOXの浄化率で測定した。
ここで、排気ガス浄化の初期性能は、触媒温度が900℃になっている間の累積時間が1時間になった時に測定した浄化性能とした。同じ条件で試験を継続し、触媒温度が900℃になっている間の累積時間が500時間になった時に測定した浄化性能を最終性能とした。耐久試験結果は、初期性能に対する最終性能の劣化率で表した。
これに対応して、ステンレス箔の表面に形成された排気ガス浄化の初期性能、及び、最終性能を測定した時点の触媒コンバータにおいて、ステンレス箔の表面に形成された酸化物皮膜に定量GDS法を適用して含有するFe濃度を測定した。表1にそれぞれの測定結果をまとめて示した。
No.1、2の触媒コンバータでは、触媒層を形成させる前にステンレス箔表面へ酸化物皮膜を形成しなかった。触媒劣化試験中における酸化物皮膜中のFe濃度は、いずれの場合も本発明の範囲から外れていた。浄化性能の劣化率は大きく、十分に排気ガスを浄化できない状態になっていた。これらは、酸化物皮膜のFeの透過性が高く、触媒層にステンレス箔のFeが移動し易かったことに原因していると考えられる。
これに対して、処理Aを行った後、酸化物皮膜を形成したNo.3〜5の触媒コンバータでは、いずれの場合においても、酸化物皮膜に含有するFe濃度は、本発明の範囲に含まれていた。これらの浄化性能の劣化率は小さく、耐久試験後も排気ガスを十分に浄化できていた。これらの酸化物皮膜のFe透過性は低く、触媒層へのFeの移動が抑制されたものと考えられる。
処理Aを省略したNo.6の触媒コンバータでは、酸化物皮膜中のFe濃度が本発明の範囲に比べて小さかった。そして、大きな浄化性能の劣化が観察され、触媒層へのFeの移動が観察された。この原因は、繰り返し冷熱等において酸化物皮膜に微小な亀裂が発生し、亀裂を通ってFeが触媒層へ移動したものと考えている。
No.7、8の触媒コンバータは、αアルミナの下地層を形成させたものであり、処理Aを予め施したNo.7において、酸化物皮膜中のFe濃度は本発明の範囲に入っていた。そして、No.7のコンバータの浄化性能の劣化は小さかった。No.8には処理Aを施しておらず、酸化物皮膜中のFe濃度は本発明の範囲を下回っていた。そして、No.8では、浄化性能の劣化は大きかった。
以上示したように、メタルハニカム基材を構成するステンレス箔の表面には、箔成分が酸化してできた酸化物皮膜が形成されており、該酸化物皮膜に含有するFeの濃度が本発明の範囲内で制御されていれば、その上に、ジルコニア−セリア、アルミナ−セリア−ジルコニア、セリア−ジルコニア−イットリア、ジルコニア−カルシア複合酸化物の内の少なくとも1つを含有する触媒層が形成されても、優れた排気ガス浄化性能を有する触媒コンバータが得られることが明らかになった。
(実施例2)
二種類の方法で、質量%で、20%Cr−6.0%Al−0.05%Zr−0.1%La−bal.Feの成分系のステンレス箔を製造し、厚み40μmのステンレス箔(II)、及び(III)を用意した。
ステンレス箔(II)は、同成分のインゴットを溶製した後、熱延、冷延を施して製品とした。ステンレス箔(III)は、溶製と圧延で製造した21%Cr−5.0%Al−0.05%Zr−0.1%La−bal.Feの鋼板と、質量%で95%Al−5%Feの合金板を複合させて製造した。即ち、クラッド法で一体化した後に、真空中で熱処理を施し拡散合金化させたものを製品とした。この時の真空度は10-3Pa、熱処理温度は1100℃であった。
メタルハニカム基材の製造は、ステンレス箔にコルゲート加工を施した波箔と平箔を組み合わせた捲き回し、真空中熱処理によるNi系ろう材接合で行った。この時、真空度は10-2Paに制御して熱処理を行った。
次に、触媒層を形成させる前に高温大気中に暴露して、ステンレス箔の表面に酸化物皮膜を形成させたハニカム基材を用意した。ここで、大気の水蒸気露点は10〜50℃であった。それぞれの熱処理温度については、表2に示した。
一方、触媒層を形成させる前にセリア−ジルコニア等の複合酸化物を含有しない下地層をステンレス箔表面に形成させたハニカム基材も用意した。この処理では、αアルミナ粉末を主体とする10μmの下地層を形成させた。
表2には、上記処理を組み合わせて製造した諸条件をまとめて示した。
Figure 2007203256
本実施例で、ステンレス箔の上に形成させる触媒層には、セリア、ジルコニア、イットリア、γアルミナの混合物に、その他希土類金属酸化物を微量に添加したものを用いた。ここで、セリアにはジルコニアとイットリアが固溶しており、X線回折法で求めた格子定数から、セリアとジルコニアとイットリアの質量比率は70:25:5であることを同定した。また、この複合酸化物が触媒層に占める質量割合は50%であった。触媒貴金属としては、Pt、Pd、Rhを質量比率で10:1:2の割合で添加した。いずれの触媒コンバータにおいても、触媒層質量はコンバータ体積当たり130g/Lであった。
3.5L・V6ガソリンエンジンから排出される排気ガスを触媒コンバータに通過させて、排気ガス浄化性能の経時変化を測定して触媒劣化試験を行った。エンジン制御、及び、エンジンとコンバータの距離を調整して、最高触媒床温度が950℃となるように制御した。浄化性能は、CO、HC、NOXの浄化率で測定した。
ここで、排気ガス浄化の初期性能は、触媒温度が950℃になっている間の累積時間が1時間になった時に測定した浄化性能とした。同じ条件で試験を継続し、触媒温度が950℃になっている間の累積時間が500時間になった時に測定した浄化性能を最終性能とした。耐久試験結果は、初期性能に対する最終性能の劣化率で表した。
これに対応して、ステンレス箔の表面に形成された排気ガス浄化の初期性能、及び、最終性能を測定した時点の触媒コンバータにおいて、ステンレス箔の表面に形成された酸化物皮膜に定量GDS法を適用して含有するFe濃度を測定した。表2に、それぞれの測定結果をまとめて示した。
No.9、10の触媒コンバータには、触媒層を形成させる前にステンレス箔表面には酸化物皮膜を形成しなかった。触媒劣化試験中における酸化物皮膜中のFe濃度は、いずれの場合も本発明の範囲から外れていた。浄化性能の劣化率は大きく、十分に排気ガスを浄化できない状態になっていた。これらは酸化物皮膜のFeの透過性が高く、触媒層にステンレス箔のFeが移動し易かったことに原因していると考えられる。
これに対して、ステンレス箔(III)を使用し、酸化物皮膜を形成したNo.11〜13の触媒コンバータでは、いずれの場合においても、酸化物皮膜に含有するFe濃度は、本発明の範囲に含まれていた。これらの浄化性能の劣化率は小さく、排気ガスを十分に浄化できていた。これらの酸化物皮膜のFe透過性は低く、触媒層へのFeの移動が抑制されたものと考えられる。
ステンレス箔(II)を使用したNo.14の触媒コンバータでは、酸化物皮膜中のFe濃度が本発明の範囲に比べて小さかった。そして、大きな浄化性能の劣化が観察され、触媒層へのFeの移動が観察された。この原因は、繰り返し冷熱等において酸化物皮膜に微小な亀裂が発生し、亀裂を通ってFeが触媒層へ移動したものと考えている。
No.15、16の触媒コンバータは、αアルミナの下地層を形成させたものであり、ステンレス箔(III)を使用したNo.15において、酸化物皮膜中のFe濃度は本発明の範囲に入っていた。そして、No.15のコンバータの浄化性能の劣化は小さかった。No.16では、ステンレス箔(II)を使用しており、酸化物皮膜中のFe濃度は本発明の範囲を下回っていた。そして、No.16では浄化性能の劣化は大きかった。
以上示したように、メタルハニカム基材を構成するステンレス箔の表面には、箔成分が酸化してできた酸化物皮膜が形成されており、該酸化物皮膜に含有するFeの濃度が本発明の範囲内で制御されていれば、その上に、ジルコニア−セリア、アルミナ−セリア−ジルコニア、セリア−ジルコニア−イットリア、ジルコニア−カルシア複合酸化物の内の少なくとも1つを含有する触媒層が形成されても、優れた排気ガス浄化性能を有する触媒コンバータが得られることが明らかになった。
(実施例3)
2種類の方法で、質量%で、20%Cr−8.0%Al−0.05%Ti−0.08%(La,Ce)−bal.Feの成分系のステンレス箔を製造して、厚み30μmのステンレス箔(IV)及び(V)を用意した。
ステンレス箔(IV)は、同成分のインゴットを溶製した後、熱延、冷延を施して製品とした。ステンレス箔(V)は、溶製と圧延で製造した21%Cr−5.0%Al−0.05%Ti−0.08%(La,Ce)−bal.Feの鋼板に、質量%で89%Al−9%Si−2%Feの合金を複合化させて製造した。即ち、溶融めっき法で一体化した後に、真空中で熱処理を施し拡散合金化させたものを製品とした。この時の真空度は10-2Pa、温度は1000℃であった。
メタルハニカム基材の製造は、ステンレス箔にコルゲート加工を施した波箔と平箔を組み合わせた捲き回し、真空中熱処理によるNi系ろう材接合で行った。この時、真空度は10-2Paに制御して熱処理を行った。
次に、触媒層を形成させる前に高温大気中に暴露して、ステンレス箔の表面に酸化物皮膜を形成させたハニカム基材を用意した。ここで、大気の水蒸気露点は10〜50℃であった。それぞれの熱処理温度については、表3に示した。
一方、触媒層を形成させる前にセリア−ジルコニア等の複合酸化物を含有しない下地層をステンレス箔表面に形成させたハニカム基材も用意した。この処理では、αアルミナ粉末を主体とする10μmの下地層を形成させた。
表3には、上記処理を組み合わせて製造した諸条件をまとめて示した。
Figure 2007203256
本実施例で、ステンレス箔の上に形成させる触媒層には、セリア、ジルコニア、カルシア、γアルミナの混合物に、その他希土類金属酸化物を微量に添加したものを用いた。ここで、セリアにはジルコニアとカルシアが固溶しており、X線回折法で求めた格子定数から、セリアとジルコニアとアルミナの質量比率は48:47:5であることを同定した。また、この複合酸化物が触媒層に占める質量割合は60%であった。触媒貴金属としてはPt、Pd、Rhを添加した。いずれの触媒コンバータにおいても、触媒層質量はコンバータ体積当たり125g/Lであった。
3.5L・V6ガソリンエンジンから排出される排気ガスを触媒コンバータに通過させて、排気ガス浄化性能の経時変化を測定して触媒劣化試験を行った。エンジン制御、及び、エンジンとコンバータの距離を調整して、最高触媒床温度が1000℃となるように制御した。浄化性能は、CO、HC、NOXの浄化率で測定した。
ここで、排気ガス浄化の初期性能は、触媒温度が1000℃になっている間の累積時間が1時間になった時に測定した浄化性能とした。同じ条件で試験を継続し、触媒温度が1000℃になっている間の累積時間が500時間になった時に測定した浄化性能を最終性能とした。耐久試験結果は、初期性能に対する最終性能の劣化率で表した。
これに対応して、ステンレス箔の表面に形成された排気ガス浄化の初期性能、及び、最終性能を測定した時点の触媒コンバータにおいて、ステンレス箔の表面に形成された酸化物皮膜に定量GDS法を適用して含有するFe濃度を測定した。表3に、それぞれの測定結果をまとめて示した。
No.17、18の触媒コンバータには、触媒層を形成させる前にステンレス箔表面には酸化物皮膜を形成しなかった。触媒劣化試験中における酸化物皮膜中のFe濃度は、いずれの場合も本発明の範囲から外れていた。浄化性能の劣化率は大きく、十分に排気ガスを浄化できない状態になっていた。これらは、酸化物皮膜のFeの透過性が高く、触媒層にステンレス箔のFeが移動し易かったことに原因していると考えられる。
これに対して、ステンレス箔(V)を使用し、酸化物皮膜を形成したNo.19〜21の触媒コンバータでは、いずれの場合においても、酸化物皮膜に含有するFe濃度は、本発明の範囲に含まれていた。これらの浄化性能の劣化率は小さく、耐久試験後も排気ガスを十分に浄化できていた。これらの酸化物皮膜のFe透過性は低く、触媒層へのFeの移動が抑制されたものと考えられる。
ステンレス箔(IV)を使用したNo.22の触媒コンバータでは、酸化物皮膜中のFe濃度が本発明の範囲に比べて小さかった。そして、大きな浄化性能の劣化が観察され、触媒層へのFeの移動が観察された。この原因は、繰り返し冷熱等において酸化物皮膜に微小な亀裂が発生し、亀裂を通ってFeが触媒層へ移動したものと考えている。
No.23、24の触媒コンバータは、αアルミナの下地層を形成させたものであり、ステンレス箔(V)を使用したNo.23において、酸化物皮膜中のFe濃度は、本発明の範囲に入っていた。そして、No.23のコンバータの浄化性能の劣化は小さかった。No.24は、ステンレス箔(IV)を使用しており、酸化物皮膜中のFe濃度は本発明の範囲を下回っていた。そして、No.24では浄化性能の劣化は大きかった。
以上示したように、メタルハニカム基材を構成するステンレス箔の表面には、箔成分が酸化してできた酸化物皮膜が形成されており、該酸化物皮膜に含有するFeの濃度が本発明の範囲内で制御されていれば、その上にジルコニア−セリア、アルミナ−セリア−ジルコニア、セリア−ジルコニア−イットリア、ジルコニア−カルシア複合酸化物の内の少なくとも1つを含有する触媒層が形成されても、優れた排気ガス浄化性能を有する触媒コンバータが得られることが明らかになった。

Claims (3)

  1. ステンレス箔を加工してなるメタルハニカム基材と、ステンレス箔上に形成した触媒層から構成される排気ガス浄化用触媒コンバータであって、前記ステンレス箔は少なくともFe、Cr、及びAlを含有し、前記ステンレス箔の表面にはステンレス箔成分が酸化してできた酸化物皮膜を有し、該酸化物皮膜の含有するFeの濃度が酸化物に対する質量%で0.1%以上7%以下であることを特徴とする排気ガス浄化用触媒コンバータ。
  2. 前記触媒層が、ジルコニア−セリア、アルミナ−セリア−ジルコニア、セリア−ジルコニア−イットリア、ジルコニア−カルシア複合酸化物の内の少なくとも1つを含有する請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒コンバータ。
  3. 前記酸化物皮膜を構成する酸化物が少なくともアルミナ系酸化物を含有していることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化用触媒コンバータ。
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