JPH08332394A - 排気浄化用金属担体触媒およびその製造方法 - Google Patents

排気浄化用金属担体触媒およびその製造方法

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JPH08332394A
JPH08332394A JP7140860A JP14086095A JPH08332394A JP H08332394 A JPH08332394 A JP H08332394A JP 7140860 A JP7140860 A JP 7140860A JP 14086095 A JP14086095 A JP 14086095A JP H08332394 A JPH08332394 A JP H08332394A
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metal carrier
catalyst
exhaust gas
carrier material
film layer
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JP7140860A
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Katsufumi Inoue
勝文 井上
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Calsonic Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、排気浄化用触媒を担持する金属担
体の熱膨張を改良したハニカム状の排気浄化用金属担体
触媒とその製造方法を提供することである。 【構成】 金属担体素材の基材成分が加熱により酸化さ
れた酸化皮膜層を表面に備えると共にこの酸化皮膜層に
触媒成分を担持しかつCe、La、Zr等の助触媒成分を含有
する耐熱性無機材からなるウオシュコートを備えて成る
排気浄化用金属担体触媒。および、Alを含有するステン
レス薄鋼板の平板と波板とで巻回体を形成し、これを一
体化し金属担体素材を形成し、これを大気中で加熱して
酸化皮膜層を生成し、この酸化皮膜層を生成した金属担
体素材に、触媒成分とCe、La、Zr等の助触媒成分を有す
る耐熱性無機材からなるウオシュコートを形成する各工
程からなる排気浄化用金属担体触媒の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の内燃機関の
排気浄化用触媒コンバータに用いられる排気浄化用金属
担体触媒およびその製造方法に関し、特に、触媒成分を
担持するこの金属担体の熱膨張を改良した排気浄化用金
属担体触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】図4および図5に示すように、近年、た
とえば、自動車の排気浄化用触媒コンバータ10は、そ
の担体に、ステンレス薄鋼板からなる平板12と波板1
4とを積層巻回して一体化したハニカム状の排気浄化用
金属担体触媒18が用いられている(実開平2−787
10号公報)。
【0003】この排気浄化用金属担体触媒18には、耐
熱性、耐久性に優れた、例えばFe-Cr-Alからなるフェラ
イト型ステンレスの薄鋼板が用いられている。そして、
前記積層ハニカム状の排気浄化用金属担体触媒18に
は、ウオシュコートと称する触媒担持層が形成されてい
る。このウオシュコートは、例えばアルミナ(Al2O3
を主成分とする耐熱性無機材からなるバインダー中に白
金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)等の触媒成分を
分散させて担持せしめた触媒担持層であって、前記薄鋼
板への触媒成分の担持を可能ならしめている。
【0004】また、ウオシュコートとしては、前記耐熱
性無機材の塗布層を形成し、その表面に触媒成分を付着
させて成ることもある。これは、触媒成分は一般に貴金
属と呼ばれる高価なものなので、触媒成分の使用量を浄
化性能を維持したまま極力少量で済ませようとするため
であり、無機材層中に埋没して活性化されない触媒成分
がほとんど無く、使用触媒成分は、効率よく触媒反応に
供せられる。
【0005】ところで、これら触媒成分を、助触媒成分
と呼ばれるセリウム(Ce)、ランタン(La)、ジルコニウム
(Zr)等々とともに用いると、触媒作用が促進されたり、
安定化されたりすることが知られている。そこで、前記
ウオシュコートは、耐熱性無機材中に触媒成分とともに
助触媒成分を分散させたものや、耐熱性無機材中に助触
媒成分が分散された塗布層の表面に触媒成分を付着させ
たものが用いられている。
【0006】ところが、このようなウオシュコートを施
した排気浄化用金属担体触媒18では、高温に加熱する
と、この金属担体素材が有する固有の熱膨張より大きな
残留延が金属担体素材に残ることが分かった。図6は、
前記金属担体素材の延び率を、この素材が有する固有の
熱膨張率に基づいて計算した3点の温度での熱膨張の理
論値と、前記ウオシュコートを施した排気浄化用金属担
体触媒を、3点の温度で加熱処理した後の残留延びを実
測し、この実測値から、これら温度での延び率を計算し
た値と、をグラフ化したものである。なお、加熱処理時
間は、それぞれ2時間である。
【0007】このグラフより、ウオシュコートを施した
前記排気浄化用金属担体触媒は、高温になる程延び率が
大きく、特に1100℃では、金属担体素材の熱膨張率
に基づいた高温時の理論値より残留延びが大きく、金属
担体用素材では説明がつかないことが分かる。この現象
を子細に検討した結果、温度が高くなるに従って、ウオ
シュコート中の組成物が金属担体素材の酸化に伴う表面
酸化層の成長に特異性をもたらし、その影響で金属担体
素材表面の酸化反応が促進されるとともにその水平方向
の成長が助長されるためと推測された。
【0008】なお、図6の前記理論値は加熱状態での延
び率であり、前記ウオシュコートを施した排気浄化用金
属担体触媒の実測値は加熱処理した後の常温状態での残
留延びに基づく延び率であるので、直接比較できるもの
ではない。すなわち、850℃では、前記理論値は1.
2%で、前記実測値は0.1%程度であるが、この実測
値を加熱状態で実測したならば前記理論値程度はある。
【0009】そして、その原因となる組成物を特定する
検討を行った結果、前記助触媒成分が関与していること
が見いだされた。図7は、ウオシュコートとして、つぎ
の4種類を用意し、それぞれを金属担体素材に塗布して
試験体を作成し、同一条件で加熱試験を行い、それぞれ
測定した残留延びに基づく延び率を算出し、そして、そ
の結果を比較したグラフである。
【0010】 γ-アルミナ(γ-Al2O3)単体 γ-Al2O3 にセリウム(Ce)を添加 γ-Al2O3 にランタン(La)を添加 γ-Al2O3 にジルコニウム(Zr)を添加 これにより、前記助触媒成分が金属担体素材の延び率増
加を助長しており、特にCeの影響が大きいことが判明し
た。
【0011】図8は、ウオシュコート中にCeが存在する
時の酸化皮膜の成長状態を模式的に表したものである。
この模式図から分かるように、ウオシュコート中にCeが
存在すると、金属担体素材中のAlが酸化して酸化皮膜を
形成する際、その酸化物の成長方向に特異性が現れ、従
来に比べて水平方向の成長が助長される。その結果、金
属担体素材に引っ張りが働き、延びを助長するのではな
いかと推測される。
【0012】この現象は、メカニズムは不明としながら
以前から知られており、この現象を経験的に防止する技
術が、特開平4ー265155号公報および特開平5ー
305242号公報に開示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】これらの特許出願に開
示されている技術は、前者においては、ウオシュコート
を、金属担体素材に直接塗布される第1層としてCeを含
まないアルミナ層を形成し、ついでこの第1層に助触媒
成分のCe、La、Zr等々を含有するアルミナ層を塗布して
第2層を形成し、さらにこの第2層にPt、Rh、Pd等の触
媒成分を担持して形成するものであり、ウオシュコート
に3工程を有し、製造工程が煩雑であるとともにコスト
高であるという欠点があった。
【0014】また、前記第1層は、金属担体素材に塗布
によって形成されるので、金属担体素材との密着力は強
固なものではなく、その上ポーラスな構造のため、助触
媒成分の拡散を防止できない虞がある。後者において
は、前者と同様のウオシュコートを、特に熱条件が厳し
い箇所のみに形成するものであり、前者と同様の問題を
有しているとともに、特定箇所に他と異なるウオシュコ
ートを施すので、さらに製造工程が煩雑であるとともに
コスト高になる。
【0015】本発明者の更なる研究によると、前述のCe
を代表とする助触媒成分の金属担体素材の延びに対する
影響は、この金属担体素材の物性および板厚の相違によ
っても異なることが判明した。すなわち、金属担体素材
の延びは、加工歪みが比較的大きい金属担体素材で著し
く現れ、また板厚が薄くなると著しく現れる。
【0016】この点をさらに詳述する。図9は、金属担
体素材の物性および板厚の相違による延び率の相違を比
較したグラフである。物性の異なる金属担体素材として
は、以下の2種類を比較した。 数回の冷間圧延により50μmの箔に成形し、この
成形時の加工歪を各圧延段階において低酸素雰囲気で焼
鈍し、金属光沢を失うことなくして歪みを除去した冷間
圧延箔材(以後BA材と称する。BAはブライト・アニ
ーリングの略称である。)。
【0017】 数回の冷間圧延により徐々に薄くし5
0μmの箔に成形する際に、最後の冷間圧延後は低酸素
雰囲気での焼鈍をせず、多少加工歪が残留している冷間
圧延箔材(以後HT材と称する。HTはハイ・テンショ
ン材の略称である。)。BA材は、20Cr-5AlのSU
S合金とし、HT材は18Cr-3AlのSUS合金とし
た。
【0018】試験条件は、以下の通りである。 ・ウオシュコート:アルミナ+Ce ・熱処理条件 :1000℃×2hr×5回 図9から明らかなように、延び率はBA材では0.6%
で、HT材では1.8%であり、HT材の方が3倍延び
率が大きくなっている。
【0019】この理由は必ずしも明確ではないが、この
試験においてBA材とHT材とで合金組成が異なってい
てBA材の方がAl含量が多いが、このことが、酸化皮膜
の生成に有利に働き、酸化皮膜が厚く形成され、金属担
体素材とウオシュコートとを有効に隔絶し、BA材の延
び率を小さくしているとも思われる。板厚の相違による
延び率の相違は、板厚のみ異なる3種類のHT材を用い
て比較した。
【0020】18Cr-3AlのHT材の、50μm、40
μm、30μmの金属担体素材を用意し、前記試験条件
で延び率を測定した。その結果は、図9から明らかなよ
うに、延び率はそれぞれ1.8%、3.4%、4.0%
であり、延び率は、30μm品>40μm品>50μm
品の順で薄いもの程延び率が大きいことが判明した。
【0021】なお、前記延び率は、前述の場合と同様、
加熱処理後の常温状態での残留延びから算出したもので
ある。つぎに、この金属担体素材を用いた排気浄化用触
媒コンバータの製造条件に対する延びの影響を検討し
た。
【0022】前記排気浄化用金属担体触媒は、ステンレ
ス薄鋼板からなる平板と波板とを積層巻回してハニカム
状に形成し(図5参照)、これを真空炉中で加熱してロ
ー付ないしは拡散接合により一体化して形成される。そ
して、この金属担体素材に触媒成分を担持したウオシュ
コートを施すとともに、これをケース内に収納して排気
浄化用触媒コンバータが完成する。
【0023】この排気浄化用触媒コンバータに排気を流
して加熱状態とした際、前述のような延びが生ずると、
排気浄化用金属担体触媒が変形し、ケースへの収納状態
にくるいが生ずる虞がある。本発明は前述の種々の知見
に基づいてなされたもので、その目的は、排気浄化用触
媒を担持する金属担体の熱膨張を改良したハニカム状の
排気浄化用金属担体触媒とその製造方法を提供すること
である。
【0024】
【課題を解決するための手段】請求項1は、Alを含有す
るステンレス薄鋼板からなる平板と波板とを積層巻回し
て一体化して成るとともに、その表面に金属触媒を担持
しかつCe、La、Zr等の助触媒成分を含有する耐熱性無機
材からなるウオシュコートを有して成るハニカム状の排
気浄化用金属担体触媒において、前記平板と波板とを積
層巻回して一体化した後に大気中において加熱すること
により生成させた酸化皮膜層を備えるとともにこの酸化
皮膜層に前記ウオシュコートを備えて成ることを特徴と
するものである。
【0025】請求項2は、請求項1において、ステンレ
ス薄鋼板は、加工歪みが残留する冷間圧延材から成るこ
とを特徴とするものである。請求項3は、ステンレス薄
鋼板は、30ないし40μmの前記冷間圧延材から成る
ことを特徴とするものである。請求項4は、酸化皮膜層
は、その酸化増量が0.04mg/cm2〜0.20m
g/cm2であることを特徴とするものである。
【0026】請求項5は、Alを含有するステンレス薄鋼
板からなる平板と波板とを積層するとともに巻回し、こ
れらの巻回体を形成する工程と、ついでこの巻回体を一
体化し金属担体素材を形成する工程と、ついでこの金属
担体素材を大気中で加熱しその表面に酸化皮膜層を生成
させる工程と、ついでこの酸化皮膜層を生成した金属担
体素材に、触媒成分を担持するとともにCe、La、Zr等の
助触媒成分を含有する耐熱性無機材からなるウオシュコ
ートを形成する工程とからなることを特徴とするもので
ある。
【0027】請求項6は、金属担体素材を形成する工程
は、巻回体をロー材を用いて一体化することにより形成
していることを特徴とするものである。請求項7は、金
属担体素材を形成する工程は、巻回体を拡散接合を用い
て一体化することにより形成していることを特徴とする
ものである。
【0028】
【作用】請求項1ないし7に記載の発明においては、金
属担体素材を大気中で加熱しその表面に酸化皮膜層を生
成させた該金属担体素材に、この金属担体素材の過剰な
延びの原因物質となっているCe、La、Zr等を含有する助
触媒成分と金属触媒とを担持する耐熱性無機材からなる
ウオシュコートを形成する構造となっているので、前記
酸化皮膜層が、Ce等の助触媒成分と金属担体素材との直
接的な接触を防止し、該金属担体素材の過剰な延びの発
生を防止する。
【0029】また、この排気浄化用金属担体触媒は、Al
を含有するステンレス薄鋼板の平板と波板とが一体化さ
れた金属担体素材を大気中で加熱することにより、その
表面に酸化皮膜層が生成され、ついでこの酸化皮膜層が
生成された金属担体素材に、金属触媒を担持しかつCe、
La、Zr等を含有する助触媒成分を含有する耐熱性無機材
からなるウオシュコートを形成することにより製造され
る。
【0030】すなわち、前記酸化皮膜層は、大気中で加
熱するという極めて容易な工程で形成することができ、
またこの酸化皮膜層は、前記ウオシュコートの接着力を
向上するので該ウオシュコートの形成が極めて容易にな
る。
【0031】
【実施例】本発明を、図に示す実施例に基づいてにさら
に詳述する。
【0032】本実施例は、本発明を自動車の排気浄化用
触媒コンバータに適用したものである。なお、図4およ
び図5に示す従来の排気浄化用触媒コンバータと共通す
る構成要素に関しては、同じ番号を用いて説明する。図
1は本実施例の積層ハニカム状の排気浄化用金属担体触
媒18の部分拡大図である。
【0033】この排気浄化用金属担体触媒18は、Alを
含有するステンレス薄鋼板からなる平板12と波板14
とを積層巻回するとともに一体化して成る金属担体素材
と、この金属担体素材の表面に形成された被覆層5とか
らなる。Alを含有するステンレス薄鋼板としては、板厚
30μmの18Cr-3Alのフェライト型ステンレス合金
のHT材を用いている。
【0034】この被覆層5は、金属担体素材の表面にス
テンレス合金基材中のAl成分が酸化して生成したAl2O3
からなる酸化皮膜層1と触媒成分を担持するウオシュコ
ート3とから形成されている。そして、このウオシュコ
ート3は、Ce、La、Zr等の助触媒成分を含有するγ-Al2
O3 からなる耐熱性無機材皮膜と、その表面に担持され
ているPt、Rh、Pd等の触媒成分からなる。
【0035】前記HT材は、前述したように数回の冷間
圧延により徐々に薄くし最終厚さの箔に成形する際に、
最後の冷間圧延後は低酸素雰囲気での焼鈍をせず、多少
加工歪みが残留している冷間圧延箔材であり、前記の板
厚30μmに限らず、概30μm〜50μmのものが使
用される。
【0036】この厚さが30μm未満の箔材だと、機械
強度および耐熱性に不安が生じ用途が限られ、自動車排
気系用には不向きであり、50μmを越えると、機械強
度および耐熱性は著しく向上するが、製品重量やコスト
上も不利になる。従って、自動車排気系および類似内燃
機関の排気系においては、概30μm〜50μmのもの
が適当であるが、特殊用途においてはこの範囲に限らな
い。
【0037】なお、図9からも明らかなように、本発明
は、その効果から板厚が薄いもの程有効なので、コスト
も考慮すると、自動車排気系においては、30μm〜4
0μmの箔材が好ましい。また、本発明は、前記HT材
に限らず前記BA材においても有効である。BA材は、
前述したように数回の冷間圧延により最終厚さの箔に成
形する際に、この成形時の加工歪みを各圧延段階におい
て低酸素雰囲気で焼鈍し、金属光沢を失うことなくして
歪みをなくした冷間圧延箔材である。
【0038】そして、図9からも明らかなように、HT
材に較べて1/3の残留延びしか現さずHT材に本発明
を適用した時程の効果はないが、助触媒成分の影響を受
けるのは確かなので、その程度が小さいとは言え、本発
明をBA材に適用することも有効である。前記酸化皮膜
層1は、その厚さが厚いほど、金属担体素材の延びを防
止するのに有効である。
【0039】図2は、金属担体素材の表面に酸化皮膜層
1が無いものと、厚さの異なる酸化皮膜層1を生成した
時のそれぞれの状態を模式的に描いたものである。ま
た、図3は、図2のそれぞれの排気浄化用金属担体触媒
18の延び率の相違を比較したグラフである。(A)
は、表面に酸化皮膜層1が無い金属担体素材に、γ-Al2
O3 +Ceのウオシュコート3を施した前記排気浄化用金
属担体触媒18(生材(A)と称す)。
【0040】(B)は、925℃×4hrの熱処理を行
い、0.04mg/cm2の比較的薄い酸化皮膜層1を
形成した金属担体素材に、γ-Al2O3 +Ceのウオシュコ
ート3を施した前記排気浄化用金属担体触媒18(92
5℃処理品(B)と称す)。(C)は、1100℃×2
hrの熱処理を行い、0.17mg/cm2の比較的厚い
酸化皮膜層1を形成した金属担体素材に、γ-Al2O3 +C
eのウオシュコート3を施した前記排気浄化用金属担体
触媒18(1100℃処理品(C)と称す)。
【0041】これら(A)、(B)、(C)それぞれの
前記排気浄化用金属担体触媒18を、1000℃×2hr
×5回の加熱処理を行った後の延びを測定し、これより
延び率を算出して比較すると、生材(A)は4%、92
5℃処理品(B)は1.1%、1100℃処理品(C)
は0.3%であり、酸化皮膜層1が厚いものほど延びが
少なくなっている。
【0042】そして、排気浄化用触媒コンバータに用い
る排気浄化用金属担体触媒18としては延びが約1%以
下が好ましいので、酸化皮膜層1は0.04mg/cm
2 以上であることが好ましく、一方、加熱による酸化増
量が余り多いと金属担体素材中のAl成分が少なくなり該
素材の耐熱耐久性が劣化するので、酸化皮膜層1は0.
20mg/cm2 以下が好ましい。
【0043】なお、前記酸化皮膜層1の酸化増量は、そ
れぞれの酸化皮膜層形成の熱処理を行った直後の酸化増
量(初期酸化増量と称す)を表したもので、ウオシュコ
ート3を施した排気浄化用金属担体触媒18を加熱処理
した後の酸化増量ではない。本実施例の様に、HT材に
本発明を適用した場合は、HT材がBA材に比較して、
素材特性として助触媒成分の影響による延びが大きいの
で、延び抑制の効果が優れている。
【0044】また、厚さについては薄いものほど該延び
が大きいので、30μmのHT材に本発明を適用した場
合が、最も延び抑制の効果が顕著に現れる。つぎに、本
発明の製造方法の実施例を説明する。本実施例の排気浄
化用金属担体触媒の製造方法は、以下の通りである。Al
を含有するステンレス薄鋼板としては、例えば30μm
の18Cr-3Alのフェライト型ステンレス合金のHT材
を用いている。
【0045】なお、Alを含有するステンレス薄鋼板であ
れば、上記材料に限らず種々のものが用いられる。最初
の工程は、従来と同様に、このHT材からなる平板12
と波板14とを積層するとともに巻回し、これらの巻回
体16を形成する(図9参照)。第2の工程は、この巻
回体16を真空炉で加熱することにより平板12と波板
14との接触部を拡散接合により固着し、巻回体16を
一体化した金属担体素材を形成する。
【0046】この工程は、公知の種々の条件が適用でき
るが、例えば10ー3Pa、1100℃の条件で行う。第3
の工程は、この金属担体素材を大気中、1100℃、2
時間加熱しその表面に酸化皮膜層1を生成させる。この
条件は、大気中、925℃、4時間でも良い。
【0047】要は、酸化皮膜層1が、該金属担体素材の
酸化増量で表して0.04mg/cm2 以上0.20m
g/cm2 以下になる条件が好ましい。第4の工程は、
この酸化皮膜層1を生成した金属担体素材に、Ce、La、
Zr等の助触媒成分を含有する耐熱性無機材としてのγ-A
l2O3 からなるスラリーをディッピング法により塗布
し、乾燥後その表面に触媒成分を担持してウオシュコー
ト3を形成する。
【0048】耐熱性無機材としては、その他、「γ-Al2
O3 +SiO2」および「SiO2」等が用いられ、その塗布方
法は種々の公知のものが用いられる。触媒成分の担持
は、それぞれの酸溶液に浸積する等して行う。
【0049】なお、第2の工程である前記巻回体16を
一体化して金属担体素材を形成する工程は、拡散接合に
代わってロー材を用いて行うこともできる。
【0050】
【発明の効果】請求項1記載の本発明は、排気浄化用金
属担体触媒の基材成分が加熱により酸化された酸化皮膜
層を表面に備えるとともにこの酸化皮膜層に触媒成分を
担持しかつCe、La、Zr等の助触媒成分を含有する耐熱性
無機材からなるウオシュコートを備えて成る排気浄化用
金属担体触媒であるので、酸化皮膜層が助触媒成分と金
属担体素材とが直接接触することを防止する緩衝材とし
て働く結果、助触媒成分に起因する用金属担体素材の過
剰な延びが、有効に防止される。その上、酸化皮膜層
は、金属担体素材の基材そのものの化学変化で生成され
るものなので、皮膜の密着性が強い。
【0051】請求項2記載の本発明は、延びが著しい加
工歪みが残留する冷間圧延材から成るステンレス薄鋼板
に本発明を適応したので、前記効果が顕著である。請求
項3記載の本発明は、延びが著しい板厚が薄くかつ加工
歪みが残留する冷間圧延材から成るステンレス薄鋼板に
本発明を適応したので、前記効果が顕著である。
【0052】請求項4記載の本発明は、助触媒成分と金
属担体素材とが直接接触することを防止する緩衝材とし
て働く酸化皮膜層が適切な膜厚を有するので前記効果が
顕著である。請求項5記載の本発明は、前述した工程で
製造されるので、前記酸化皮膜層は、金属担体素材の基
材そのものの化学変化で生成され、皮膜の密着性が強
い。
【0053】また、前記酸化皮膜層は、該金属担体素材
を大気中で加熱するだけで生成されるので生産が容易で
ある。請求項6記載の本発明は、前記巻回体をロー材を
用いて一体化しているので、前記酸化皮膜層の生成処理
が容易であるとともに排気浄化用金属担体触媒の機械強
度が優れている。請求項7記載の本発明は、前記巻回体
を拡散接合を用いて一体化しているので一体化のコスト
が低い上に、前記酸化皮膜層の生成処理が容易であると
ともに排気浄化用金属担体触媒の機械強度が優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る排気浄化用金属担体触
媒の部分拡大図。
【図2】同表面状態の異なる排気浄化用金属担体触媒相
互の比較拡大模式図。
【図3】同排気浄化用金属担体触媒相互の延び率比較グ
ラフ。
【図4】従来の排気浄化用触媒コンバータの部分破断図
【図5】同コンバータの排気浄化用金属担体触媒の製造
過程の斜視図。
【図6】排気浄化用金属担体触媒素材の熱膨張理論値と
未対策排気浄化用金属担体触媒素材の延び率比較グラ
フ。
【図7】排気浄化用金属担体触媒素材の延びに及ぼす助
触媒の影響比較グラフ。
【図8】排気浄化用金属担体触媒素材における酸化皮膜
成長による箔材引っ張りの模式図。
【図9】排気浄化用金属担体触媒素材の種類と延びの関
係の比較グラフ。
【符号の説明】
1 酸化皮膜層 3 ウオシュコート 5 被覆層 12 平板 14 波板 16 巻回体 18 排気浄化用金属担体触媒

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Alを含有するステンレス薄鋼板からなる
    平板(12)と波板(14)とを積層巻回して一体化し
    て成るとともに、その表面に金属触媒を担持しかつCe、
    La、Zr等の助触媒成分を含有する耐熱性無機材からなる
    ウオシュコート(3)を有して成るハニカム状の排気浄
    化用金属担体触媒において、前記平板(12)と波板
    (14)とを積層巻回して一体化した後に大気中におい
    て加熱することにより生成させた酸化皮膜層(1)を備
    えるとともにこの酸化皮膜層(1)に前記ウオシュコー
    ト(3)を備えて成ることを特徴とする排気浄化用金属
    担体触媒。
  2. 【請求項2】 ステンレス薄鋼板は、加工歪みが残留す
    る冷間圧延材から成ることを特徴とする請求項1記載の
    排気浄化用金属担体触媒。
  3. 【請求項3】 ステンレス薄鋼板は、30ないし40μ
    mの前記冷間圧延材から成ることを特徴とする請求項1
    または2記載の排気浄化用金属担体触媒。
  4. 【請求項4】 酸化皮膜層(1)は、その酸化増量が
    0.04mg/cm2〜0.20mg/cm2であること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の排気
    浄化用金属担体触媒。
  5. 【請求項5】 Alを含有するステンレス薄鋼板からなる
    平板(12)と波板(14)とを積層するとともに巻回
    し、これらの巻回体(16)を形成する工程と、ついで
    この巻回体(12)を一体化し金属担体素材を形成する
    工程と、ついでこの金属担体素材を大気中で加熱しその
    表面に酸化皮膜層(1)を生成させる工程と、ついでこ
    の酸化皮膜層(1)を生成した金属担体素材に、触媒成
    分を担持するとともにCe、La、Zr等の助触媒成分を含有
    する耐熱性無機材からなるウオシュコート(3)を形成
    する工程とからなることを特徴とする排気浄化用金属担
    体触媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 金属担体素材を形成する工程は、巻回体
    (16)をロー材を用いて一体化することにより形成し
    ていることを特徴とする請求項5記載の排気浄化用金属
    担体触媒の製造方法。
  7. 【請求項7】 金属担体素材を形成する工程は、巻回体
    (16)を拡散接合を用いて一体化することにより形成
    していることを特徴とする請求項5記載の排気浄化用金
    属担体触媒の製造方法。
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