JPWO2013015164A1 - ポリ乳酸樹脂およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、乳酸単位を主成分とするプレポリマーであって、光学純度(Ea)が60〜94%、重量平均分子量が5,000〜100,000、結晶融解エンタルピー(ΔHma)が4〜50J/gである結晶化プレポリマーを固相重合する工程を含むポリ乳酸樹脂の製造方法である。本発明によれば、溶融加工時の成形性に優れ、溶融加工時の耐ドローダウン性に優れ、さらに耐加水分解性に優れるポリ乳酸樹脂を得ることができる。

Description

本発明は、フィルムやシートに加工することに適したポリ乳酸樹脂およびそれを効率的に製造する方法に関するものである。
近年、環境保全の観点から、植物を原料とするポリ乳酸樹脂が注目されている。ポリ乳酸樹脂の主な製造方法としては、乳酸の2量体であるラクチドを開環して重合する開環重合法と、乳酸を用い脱水重縮合する直接重縮合法がある。直接重縮合法は、開環重合法に比べ、ラクチドを合成する工程を経ることなく、乳酸を直接重合原料として用いることができることから、安価にポリ乳酸を製造できる一方、得られるポリ乳酸樹脂の分子量が低いという課題がある。そのため、直接重縮合と固相重合を組み合わせた製造方法が開示されている(特許文献1、2)。
しかしながら、ポリ乳酸樹脂の固相重合処理を行う場合には、事前に結晶化を行う工程が必要である。ポリ乳酸樹脂の結晶化度が低いと、固相重合処理において、ポリ乳酸樹脂のペレット間で融着を起こしてしまう。しかし、ポリ乳酸樹脂は結晶化速度が遅く、充分な結晶化度を得るためには長時間の処理を必要とする問題がある。そのためその結晶性を向上する方法がいろいろと検討されている(特許文献3〜6など)。
国際公開第2010/147176号 特開2010−209321号公報 特開2009−13352号公報 特開2009−24058号公報 特開2009−24081号公報 特開2009−67856号公報
ポリ乳酸樹脂は、フィルム、シート、繊維および射出成形品などに成形加工し利用することができる。しかし、結晶性の高いポリ乳酸樹脂は、溶融加工性が不十分で、フィルムやシートに成形することが難しかった。一方、結晶性の低いポリ乳酸樹脂、すなわち、光学純度の低いポリ乳酸樹脂を用いると、溶融加工時の成形性を改善できる。しかし、フィルムやシートに用いられる樹脂は、溶融加工時の耐ドローダウン性および耐加水分解性に優れることが求められている。従来の製造方法では、光学純度が低く、かつ、耐ドローダウン性および耐加水分解性に優れるポリ乳酸樹脂を得ることはできなかった。開環重合法を用いた場合は、光学純度が低く、溶融加工時の成形性に優れたポリ乳酸樹脂を得ることができるものの、耐ドローダウン性および耐加水分解性に優れるポリ乳酸樹脂を得ることができなかった。一方、直接重縮合法と固相重合を組み合わせた製造方法を用いた場合は、耐ドローダウン性および耐加水分解性に優れるポリ乳酸樹脂を得ることができるものの、光学純度が低く、溶融加工時の成形性に優れたポリ乳酸樹脂を得ることはできなかった。
本発明は、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果、次のような手段を採用するものである。
本発明は、乳酸単位を主成分とするプレポリマーであって、光学純度(Ea)が60〜94%、重量平均分子量が5,000〜100,000、結晶融解エンタルピー(ΔHma)が4〜50J/gである結晶化プレポリマーを固相重合する工程を含むポリ乳酸樹脂の製造方法である。
また、本発明は、光学純度(Eb)が60〜94%、重量平均分子量が150,000〜300,000、かつ、分子量分布が2.2以上であるポリ乳酸樹脂である。
本発明によれば、溶融加工時の成形性に優れ、溶融加工時の耐ドローダウン性に優れ、さらに耐加水分解性に優れるポリ乳酸樹脂を得ることができる。
本発明において、プレポリマーおよびポリ乳酸樹脂とは、L−乳酸および/またはD−乳酸を主成分とする重合体であり、L−乳酸が主成分である場合はポリ−L−乳酸と呼び、D−乳酸が主成分である場合はポリ−D−乳酸と呼ぶ。なお、L−乳酸が主成分とは、重合体中にL−乳酸単位を50モル%よりも多く含有することであり、D−乳酸が主成分とは、重合体中にD−乳酸単位を50モル%よりも多く含有することである。
プレポリマーおよびポリ乳酸樹脂は、L−乳酸単位およびD−乳酸単位を含有する共重合体であることが好ましい。プレポリマーおよびポリ乳酸樹脂がポリ−L−乳酸である場合、D−乳酸単位を3モル%以上20モル%以下含有することが好ましく、4モル%以上15モル%以下含有することがより好ましく、4モル%以上10モル%以下含有することがさらに好ましく、4モル%以上8モル%以下含有することが特に好ましい。プレポリマーおよびポリ乳酸樹脂が、ポリ−D−乳酸である場合、L−乳酸単位を3モル%以上20モル%以下含有することが好ましく、4モル%以上15モル%以下含有することがより好ましく、4モル%以上10モル%以下含有することがさらに好ましく、4モル%以上8モル%以下含有することが特に好ましい。
本発明で用いる結晶化プレポリマーは、プレポリマーを後述の結晶化工程によって結晶化させたものである。結晶化プレポリマーは、光学純度(Ea)が60〜94%の範囲であることが必要である。固相重合時に融着を生じにくく、収率に優れるという点で、光学純度(Ea)は、70〜92%の範囲であることがより好ましく、結晶化しやすいという点で80〜92%の範囲であることがさらに好ましく、高分子量体が得られるという点で84〜92%の範囲であることが特に好ましく、88〜92%の範囲であることが最も好ましい。結晶化プレポリマーの光学純度が60%より低い場合、結晶化に要する熱処理時間が長くなることによる着色が生じたり、固相重合に要する時間が長くなることで生産性が低下したりするため好ましくない。結晶化プレポリマーの光学純度が94%より高い場合、ガラス転移温度が高くなることで、固相重合温度領域でのポリマーの分子運動性が低下し、固相重合による高分子量化が進みにくくなるため好ましくない。なお、結晶化プレポリマーの光学純度(Ea)とは、結晶化プレポリマーをモノマー単位まで加水分解した後、高速液体クロマトグラフィーを用いて測定されるL−乳酸含有量lとD−乳酸含有量dから下記式(A)で求められる値である。
Ea=|l−d|/(l+d)×100(%) (A)。
結晶化プレポリマーは、重量平均分子量が5,000〜100,000の範囲であることが必要である。固相重合時に融着を生じにくく、収率に優れるという点で、結晶化プレポリマーの重量平均分子量は、7,000〜80,000の範囲が好ましく、高分子量体が得られるという点で10,000〜50,000の範囲がより好ましい。本発明においては、上記分子量範囲の結晶化プレポリマーを用いて固相重合を行うことで、高い生産性を得ることができる。本発明において、プレポリマーおよびポリ乳酸樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いて測定した標準ポリメチルメタクリレート換算の重量平均分子量である。
結晶化プレポリマーは、o−クロロフェノール溶液を25℃で測定したときの固有粘度が0.36〜1.60dl/gの範囲であることが好ましく、0.50〜1.25dl/gの範囲であることがより好ましい。
なお、結晶化工程の前後でプレポリマーの光学純度および重量平均分子量は、ほぼ維持される。
結晶化プレポリマーは、結晶融解エンタルピー(ΔHma)が4〜50J/gの範囲であることが必要である。固相重合時に融着を生じにくいという点で、結晶化プレポリマーの結晶融解エンタルピー(ΔHma)が9J/g以上が好ましく、14J/g以上がより好ましく、20J/g以上が特に好ましい。固相重合が効率的に進行するという点で、結晶融解エンタルピー(ΔHma)が、45J/g以下が好ましく、40J/g以下がより好ましい。結晶融解エンタルピー(ΔHma)が4J/g未満である場合、結晶化プレポリマー中の非晶領域が多すぎるため、プレポリマーの末端基濃度が低く、固相重合が十分に進行しないため好ましくない。結晶融解エンタルピー(ΔHma)が50J/gより大きい場合、固相重合工程での結晶化度の増加が顕著となり、分子鎖が過度に拘束されることで、末端接触頻度が低下し、固相重合反応での分子量頭打ちが起きるため好ましくない。本発明においては、上記結晶融解エンタルピー(ΔHma)の範囲の結晶化プレポリマーを用いることで高い固相重合性を発現し、特に成形性および機械物性に優れる高分子量のポリ乳酸樹脂を得ることができる。なお、結晶融解エンタルピー(ΔHma)は示差走査型熱量計(DSC)により測定される昇温融解ピークのエンタルピーである。
また、発明者らは、結晶化プレポリマーの結晶融解エンタルピー(ΔHma)の好ましい範囲が、結晶化プレポリマーの光学純度(Ea(%))によって影響を受けることを見出した。すなわち、高分子量のポリ乳酸樹脂を得るために、結晶融解エンタルピー(ΔHma)と光学純度(Ea(%))の関係が、式(1)を満たすことが好ましく、式(4)を満たすことがより好ましく、式(5)を満たすことがさらに好ましいことを実験的に見出した。
24≦ΔHma(J/g)+(100−Ea(%))/2≦53(1)
29≦ΔHma(J/g)+(100−Ea(%))/2≦49(4)
34≦ΔHma(J/g)+(100−Ea(%))/2≦44(5)。
次に、結晶化プレポリマーおよびポリ乳酸樹脂の製造方法について説明する。本発明では、乳酸を原料とし、直接重縮合でポリ乳酸プレポリマーを製造する。乳酸中の不純物として、アルコール類の合計が70ppm以下、かつ、有機酸類の合計が800ppm以下、かつ、アルデヒド類の合計が50ppm以下、かつ、エステル類の合計が400ppm以下である乳酸を原料として用いることが好ましい。
用いる乳酸の光学純度は、60%以上であることが好ましく、固相重合時に融着を生じにくく、収率に優れるという点で70%以上であることがより好ましく、結晶化しやすいという点で80%以上であることがさらに好ましく、高分子量体を得やすいという点で84%以上であることが特に好ましく、88%以上であることが最も好ましい。
乳酸の光学純度を上記の範囲にするために、乳酸がL−乳酸である場合は、D−乳酸の含有量が20モル%以下であることが好ましく、15モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましく、8モル%以下であることが特に好ましく、6モル%以下であることが最も好ましい。乳酸がD−乳酸である場合は、L−乳酸の含有量が20モル%以下であることが好ましく、15モル%以下であることがより好ましく、10モル%以下であることがさらに好ましく、8モル%以下であることが特に好ましく、6モル%以下であることが最も好ましい。また溶融重合時のラセミ化によって、光学純度を低下させることも可能である。
本発明において、ポリ乳酸樹脂は、得られるポリ乳酸樹脂の性能を損なわない範囲で、L−乳酸またはD−乳酸以外の他の成分が共重合されていてもよい。他の成分としては、多価カルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトンなどが挙げられる。具体的には、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸、フランジカルボン酸などの多価カルボン酸類またはそれらの誘導体;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、イソソルビド、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールにエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを付加した多価アルコール、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させた芳香族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの多価アルコール類またはそれらの誘導体;グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類;グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン類などが挙げられる。
プレポリマーの製造方法は、特に限定されるものではなく、乳酸を原料とし、公知の直接重縮合で製造することができる。回分重合および連続重合のいずれでもよいが、カルボキシル末端基量を少なくすることができ、かつ、流動性および耐加水分解性向上効果が大きくなるという点で、連続重合が好ましい。なお、本発明において、溶融重合により得られるものをプレポリマー、プレポリマーを結晶化して得られるものを結晶化プレポリマー、結晶化プレポリマーを固相重合して得られるものをポリ乳酸樹脂と呼ぶ。
まず、溶融重合工程について説明する。重合触媒としては、高分子量を有するポリ乳酸樹脂を得ることができるという点で、錫化合物、チタン化合物、鉛化合物、亜鉛化合物、コバルト化合物、鉄化合物、リチウム化合物、希土類化合物、アンチモン化合物、ビスマス化合物および酸化数が+5以上の硫黄を有する硫黄含有化合物およびリン化合物から選ばれる化合物が好ましい。触媒としては、錫化合物、チタン化合物、希土類化合物、酸化数が+5以上の硫黄を有する硫黄含有化合物およびリン化合物から選ばれる化合物がさらに好ましい。また、熱安定性および色相にも優れるポリ乳酸樹脂を得ることができるという点で、触媒としては、配位子が2個である錫の有機カルボン酸塩がさらに好ましく、酢酸錫(II)またはオクチル酸錫(II)が特に好ましい。酸化数が+5以上の硫黄を有する硫黄含有化合物としては、スルホン酸化合物が好ましい。また、2種以上の触媒を併用することもできる。併用する場合には、錫化合物から選択される1種以上の触媒および酸化数が+5以上の硫黄を有する硫黄含有化合物から選択される1種以上の触媒を用いることが好ましい。
触媒の添加量は、特に限定されないが、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、0.0001〜2重量部となるように添加することが好ましく、0.001〜1重量部がより好ましく、0.005〜0.5重量部がさらに好ましく、0.01〜0.3重量部が特に好ましい。
触媒として酸化数が+5以上の硫黄を有する硫黄含有化合物を用いる場合、その添加量は、高分子量を有するポリ乳酸樹脂を効率的に得ることができるという点で、使用する原料(L−乳酸および/またはD−乳酸など)に対して、硫黄原子換算で30〜3,000ppmであることが好ましく、35〜2,700ppmがより好ましく、40〜2,500ppmがさらに好ましく、45〜2,200ppmが特に好ましい。
触媒の添加時期は、高分子量のポリ乳酸樹脂を効率的に得ることができるという点で、溶融重合工程開始時または溶融重合工程中であることが好ましい。
溶融重合工程の反応条件は、特に制限さないが、高分子量を有するポリ乳酸樹脂を効率的に得ることができるという点で、溶融重合工程は、実質的な反応温度として、140〜180℃の温度で行うことが好ましく、色相にも優れるポリ乳酸樹脂を効率的に得ることができるという点で、145〜175℃の温度で行うことが好ましく、140〜170℃の温度で行うことがより好ましい。また、溶融重合工程の温度は、一定温度で維持する1段階の温度条件でもよく、温度を2段階以上に段階的に変化させる多段階の温度条件でもよいが、高分子量および高融点を有するポリ乳酸樹脂を効率的に得ることができるという点で、2段階以上の多段階の温度条件とすることが好ましい。例えば、140〜160℃の温度で反応を行った後、160〜180℃の温度で反応を行う方法などが挙げられる。
高分子量を有するポリ乳酸樹脂を効率的に得ることができるという点で、溶融重合工程は、実質的な反応圧力として、0.13〜130kPaの圧力で行うことが好ましく、色相にも優れるポリ乳酸樹脂を効率的に得ることができるという点で、1〜100kPaの圧力で行うことが好ましく、10〜90kPaの圧力で行うことがより好ましく、10〜80kPaの圧力で行うことがさらに好ましく、20〜70kPaの圧力で行うことが特に好ましい。また、溶融重合工程の圧力は、一定圧力を維持する1段階の圧力条件でもよく、圧力を2段階以上に段階的に変化させる多段階の圧力条件でもよいが、高分子量化でき、色相に優れるという点で、2段階以上の多段階の圧力条件とすることが好ましい。例えば、13.3〜66.6kPaの圧力で反応を行った後、1.3〜6.5kPaの圧力で反応を行う方法などが挙げられる。また、窒素などの不活性ガスの流通下で反応させることも好ましい。
溶融重合工程を温度140℃〜160℃、圧力13.3〜66.6kPaの条件と温度160℃〜180℃、圧力1.3〜6.5kPaの条件との少なくとも2段階の条件を含む反応条件で連続的に行うことが好ましい。
溶融重合工程は、0.5〜50時間の反応時間で行うことが好ましく、色相にも優れるポリ乳酸樹脂を効率的に得ることができるという点で、1〜45時間の反応時間で行うことが好ましく、2〜40時間の反応時間で行うことがより好ましく、3〜35時間の反応時間で行うことがさらに好ましく、4〜30時間の反応時間で行うことが特に好ましい。また、溶融重合工程の温度および圧力を2段階以上の多段階の条件で行う場合は、例えば、140〜160℃の温度、13.3〜66.6kPaの圧力で、2〜15時間の反応時間で反応を行った後、160〜180℃の温度、1.3〜6.5kPaの圧力で、2〜15時間の反応時間でさらに反応を行う方法などが挙げられる。なお、温度および圧力を2段階以上の多段階の条件で行う場合であっても、溶融重合工程の反応時間の合計は、0.5〜50時間が好ましい。
溶融重合工程が、回分法の場合、室温から実質的な反応温度に達するまでの時間は、工程時間の30%以内であることが好ましく、20%以内であることがより好ましく、10%以内であることがさらに好ましい。また、常圧から実質的な反応圧力に達するまでの時間は、工程時間の50%以内であることが好ましく、40%以内であることがより好ましく、30%以内であることがさらに好ましい。
溶融重合工程に用いられる反応槽は、特に限定されるものではなく、例えば、撹拌槽型反応槽、ミキサー型反応槽、塔型反応槽および押出機型反応槽などを用いることができる。高分子量および色相にも優れるポリ乳酸樹脂を効率的に得ることができるという点で、反応槽と還流装置を接続した装置を用いることが好ましい。還流装置は、反応槽の上部に接続されていることが好ましく、還流装置に真空ポンプが接続されていることがより好ましい。なお、還流装置とは、揮発成分を分離するものであり、揮発成分の一部を反応系外に除去する働きをもつ気化部と揮発成分の一部を反応系内に戻す働きをもつ凝縮部を有するものである。具体的には、揮発成分のうち、水を除去し、乳酸およびラクチドまたはそれらの低分子量重合体を溶融重合工程の反応槽に戻すものであればいずれも用いることができる。ここで、凝縮部を構成する凝縮器の方式としては、例えば、二重管式、多管式、コイル式、プレート式、プレートフィン式、渦巻式、ジャケット式などの方式を挙げることができる。反応槽は、反応室が一つでもよく、仕切板などで分割された二つ以上の反応室から構成されているものでもよいが、高分子量を有するポリ乳酸樹脂を効率的に得ることができるという点で、二つ以上の反応室から構成されているものが好ましい。
溶融重合工程において、反応終了後に、生成したプレポリマーを反応槽から取り出す方法は、特に限定されるものではなく、窒素などの不活性気体による押出により取り出す方法、ギヤポンプなどで取り出す方法などが挙げられる。低粘度であるプレポリマーのハンドリング性の点から、窒素などの不活性気体による押出により取り出す方法が好ましい。
次に結晶化工程について説明する。溶融重合工程によって得られたプレポリマーは、結晶融解エンタルピーが観測されず、非晶状態である。非晶状態でのプレポリマーは、加熱すると融着してしまうため、そのままでは、固相重合を行うことができない。そのため、溶融重合工程終了後かつ固相重合工程開始前にプレポリマーの結晶化処理を行い、結晶化プレポリマーを得る。
結晶化処理の方法は、限定されないが、窒素や空気などの気相中または水やエタノールなどの液相中において結晶化処理温度で熱処理する方法、プレポリマーを溶媒に溶解させ溶液とした後に溶媒を揮発させる方法、プレポリマーを溶媒に接触させる方法、およびプレポリマーが溶融した状態で、せん断および/または圧力を付与する方法などが挙げられる。短時間で目的の結晶融解エンタルピーまで結晶化できるという点で、プレポリマーが溶融した状態で、せん断および/または圧力を付与する方法が好ましい。
プレポリマーが溶融した状態で、せん断および/または圧力を付与する方法としては、プレポリマーを溶融機内で、せん断および/または圧力付与下、滞留させる方法が好ましい。溶融重合工程で得られるプレポリマーを、固化させることなく、溶融した状態で溶融機内に入れ、せん断および/または圧力を付与してもよいし、溶融重合工程で得られるプレポリマーをいったん固化させた後、溶融機内に入れ、再び溶融させて、せん断および/または圧力を付与してもよい。工程を簡略にすることができる点で、溶融重合工程で得られるプレポリマーを、溶融した状態で溶融機内に入れ、せん断および/または圧力を付与することが好ましい。
溶融機は、せん断あるいは圧力を付与することができるものであれば限定されず、重合缶、ニーダー、バンバリーミキサー、単軸押出機、二軸押出機、射出成形機などを用いることができる。好ましくは単軸押出機または二軸押出機である。
結晶化させる際の温度としては、短時間で目的の結晶融解エンタルピーまで結晶化できるという点で70℃〜140℃が好ましく、より好ましくは融点80℃〜140℃、さらに好ましくは90℃〜135℃、特に好ましくは100℃〜130℃である。溶融機の温度は、通常、樹脂が溶融して良好な流動性を発現するために融点+20℃以上を設定するが、140℃を超える温度で滞留した場合には、結晶が生成しても再融解してしまうため好ましくない。70℃未満の温度で結晶化を行った場合には、過度に結晶化が進行することで、得られる結晶化プレポリマーの結晶融解エンタルピーが50J/gを越え、固相重合性が低下するため好ましくない。
また溶融機にプレポリマーを滞留させる時間は、0.5分〜10分が好ましく、より好ましくは0.5分〜5分、特に好ましくは0.5分〜3分である。滞留時間が0.5分未満の場合には、結晶化が不十分となるため好ましくない。滞留時間が10分を超える場合には滞留により樹脂の熱分解を生じやすくなるため好ましくない。
滞留時にせん断を付与すると、溶融樹脂の分子が配向する傾向があり、その結果、結晶化を著しく速くすることができるので好ましい。このときのせん断速度は、10〜400/秒の範囲が好ましい。せん断速度が10/秒未満の場合は結晶化速度が遅くなるため好ましくない。一方、せん断速度が400/秒を超える場合には、せん断発熱により樹脂温度が上昇して熱分解を生じやすくなるため好ましくない。
また、滞留時に圧力を付与すると、溶融樹脂の結晶化が促進され、特に圧力が0.05〜10MPaの範囲のときに良好な流動性と結晶性を併せ持つ結晶化プレポリマーを得ることができるため好ましい。圧力が0.05MPa未満および10MPaを超える時には結晶化速度が遅くなるため好ましくない。
さらに、10〜400/秒のせん断速度と0.05〜10MPaの圧力を同時に満たす場合には結晶化速度がより速くなるため特に好ましい。
前記のように製造された結晶化プレポリマーは、溶融機から吐出後、アンダーウォーターカッターもしくはホットカッターによりペレット化することができる。また吐出後ストランド状にして冷却後、ストランドカッターによりペレット化することもできる。
このように、溶融重合工程終了後のプレポリマーに特定の温度条件下でせん断および/または圧力を付与し、結晶化することで、結晶化速度の遅いプレポリマーでも容易に結晶化プレポリマーを得ることができ、固相重合性に優れる結晶化度の高いペレットを得ることができる。
次に、固相重合工程について説明する。固相重合工程は、結晶化プレポリマーの融点以下の温度で行うことが好ましく、高分子量を有し、色相にも優れるポリ乳酸樹脂を効率的に得ることができるという点で、70〜155℃の温度で行うことが好ましく、80〜155℃の温度で行うことがより好ましく、90〜150℃の温度で行うことがさらに好ましい。中でも固相重合工程の最終温度は130〜155℃であることが好ましく、140〜150℃がより好ましい。固相重合温度が70℃未満の場合、重合活性が不十分であり、固相重合の進行が遅く、生産性が低下するため好ましくない。固相重合温度が155℃よりも高い場合、結晶が溶融することで、ペレットが融着しやすく、収率が低下するため好ましくない。
また、固相重合工程の温度条件は、1段階でもよく、2段階以上の多段階でもよいが、短時間で高分子量化しやすく、色相にも優れるという点で、2段階以上の多段階の温度条件とすることが好ましく、反応の進行とともに温度を段階的に上げることがより好ましい。なお、各段階間の温度上昇幅は15℃以下が好ましく、10℃以下がより好ましく、5℃以下がさらに好ましい。固相重合を多段階で行う場合、ペレットの融着が生じず、固相重合が効率的に進行し、高分子量体が得られるという点で、少なくとも70℃〜140℃の条件および140℃〜155℃の条件の2段階を含む条件で連続的に行うことが好ましい。
高分子量および高融点を有し、耐ドローダウン性および耐加水分解性にも優れるポリ乳酸樹脂を効率的に得ることができるという点で、固相重合工程は、1〜100時間の反応時間で行うことが好ましく、色相にも優れるポリ乳酸樹脂を効率的に得ることができるという点で、3〜80時間の反応時間で行うことが好ましく、5〜50時間の反応時間で行うことがより好ましく、10〜30時間の反応時間で行うことがさらに好ましい。
また、固相重合工程の温度を多段階の条件で行う場合は、例えば、第1段階として70〜140℃の温度で1〜50時間、第2段階として140〜155℃の温度で1〜50時間で行う方法が挙げられる。短時間で高分子量化しやすく、色相にも優れるという点で、第1段階として70〜140℃の温度で5〜30時間、第2段階として140〜150℃の温度で5〜60時間、第3段階として150〜155℃の温度で10〜60時間で行うことがより好ましい。なお、多段階の温度条件で行う場合であっても、固相重合工程の反応時間の合計は、1〜100時間である。
なお、固相重合工程の温度条件としては、上記のように各段階で温度を一定に維持する方式の多段階昇温ではなく、連続的に昇温してもよい。例えば、110℃から150℃まで20時間かけて、毎時2℃で昇温させた後に150℃に維持する方法などが挙げられる。連続的に昇温する場合の昇温速度は毎時10℃以下であることが好ましい。
固相重合工程の圧力条件は特に限定されることはなく、減圧条件、常圧条件および加圧条件のいずれでもよいが、高分子量を有するポリ乳酸樹脂を効率的に得ることができるという点で、減圧条件または常圧条件であることが好ましい。減圧条件で行う場合には、0.13〜1300Paの圧力で行うことが好ましい。また、1〜1000Paの圧力で行うことが好ましく、10〜900Paの圧力で行うことがより好ましく、100〜800Paの圧力で行うことがさらに好ましく、500〜700Paの圧力で行うことが特に好ましい。また、固相重合工程の圧力は、1段階の条件でもよく、2段階以上の多段階の条件でもよいが、多段階の圧力条件とすることが好ましい。例えば、700〜1300Paの圧力で反応を行った後、0.13〜700Paの圧力で反応を行う方法などが挙げられる。また、乾燥窒素などの不活性気体気流下で行うことが好ましく、流量としてはプレポリマー1kgあたり0.01〜200L/分が好ましく、0.1〜150L/分がさらに好ましく、0.5〜100L/分が特に好ましい。
固相重合工程に用いる結晶化プレポリマーの形状は、特に限定されるものではなく、塊状、フィルム、ペレットおよび粉末などいずれでもよいが、ペレットまたは粉末の形状とすることが好ましい。ペレットとは、例えば最大径が1〜10mm程度、特に1.2〜8mm程度、最も多くの場合1.5〜6mm程度の、球状、長球状、偏平球、板状、棒状、それらに類似する形状、不定形その他任意の形状のものを言い、別名チップとも呼ぶ。粉末の場合は、効率的に固相重合できるという点で、平均粒子径0.01〜5mmであることが好ましく、0.1〜1mmであることがより好ましい。ペレットの形状とすることが、固相重合する場合に特に生産性に優れ、効果が高い。
固相重合工程は、回分法でも連続法でもよい。また、反応槽は、撹拌槽型反応槽、ミキサー型反応槽および塔型反応槽などを用いることができ、これらの反応槽は2種以上組み合わせて使用することができる。生産性の点からは連続法で行うことが好ましい。
固相重合工程により得られる本発明のポリ乳酸樹脂は、光学純度(Eb)が60〜94%の範囲であり、溶融加工性に優れるという点で70〜92%の範囲であることがより好ましく、成形品の外観に優れるという点で80〜92%の範囲であることがさらに好ましく、84〜92%の範囲であることが特に好ましい。光学純度が60%より低い場合、耐加水分解性が低下するため好ましくない。光学純度が94%より高い場合、溶融加工時の成形温度を高くする必要があり、成形品の外観不良を生じやすいため好ましくない。
なお、光学純度(Eb)とは、ポリ乳酸樹脂をモノマー単位まで加水分解した後、液体クロマトグラフィーで測定される全乳酸成分中におけるL−乳酸含有量lとD−乳酸含有量dから表される下記式(A)で求められる値である。
Eb=|l−d|/(l+d)×100(%) (A)。
ポリ乳酸樹脂が、ポリ−L−乳酸である場合、D−乳酸単位を3モル%以上20モル%以下含有していることが好ましく、4モル%以上15モル%以下含有していることがより好ましく、4モル%以上10モル%以下含有していることがさらに好ましく、4モル%以上8モル%以下含有していることが特に好ましい。
ポリ乳酸樹脂が、ポリ−D−乳酸である場合、L−乳酸単位を3モル%以上20モル%以下含有していることが好ましく、4モル%以上15モル%以下含有していることがより好ましく、4モル%以上10モル%以下含有していることがさらに好ましく、4モル%以上8モル%以下含有していることが特に好ましい。
また、本発明のポリ乳酸樹脂は、上記の好ましい含有量のL−乳酸単位とD−乳酸単位からなる共重合体であることが好ましいが、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物であってもよい。
本発明のポリ乳酸樹脂の重量平均分子量は、機械物性に優れるという点で15〜30万の範囲であることが好ましく、成形性および機械物性に優れるという点で18〜30万の範囲であることがより好ましく、成形性および機械物性、耐ドローダウン性に優れるという点で20〜30万の範囲であることがさらに好ましい。重量平均分子量が15万未満である場合、機械物性が低く、耐ドローダウン性も低下するため好ましくない。
本発明のポリ乳酸樹脂は、分子量分布が2.2以上であり、ドローダウン抑制の点から2.4以上であることが好ましく、2.6以上であることがより好ましく、2.8以上であることがさらに好ましい。分子量分布の上限は限定されないが、溶融加工性および生産性に優れるという点で、5以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましい。分子量分布が上記の範囲にあることにより、耐ドローダウン性および耐加水分解性に優れるポリ乳酸樹脂を得ることができるため好ましい。なお、重量平均分子量、数平均分子量とは溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリメチルメタクリレート換算の重量平均分子量、数平均分子量の値であり、分子量分布とは数平均分子量に対する重量平均分子量の比である。
本発明においては、前記のような特定の光学純度(Ea)、重量平均分子量および結晶融解エンタルピー(ΔHma)を有する結晶化プレポリマーを固相重合することにより、上記のような好ましい範囲の光学純度(Eb)、重量平均分子量および分子量分布を有するポリ乳酸樹脂を得ることができる。
ポリ乳酸樹脂は、溶融加工性に優れ、成形品の外観が良好となるという点で、示差走査型熱量計を用い、昇温速度20℃/分で30℃から200℃まで昇温したときの1stRunで観測される、融点が150〜190℃の範囲であることが好ましく、160〜180℃の範囲であることがより好ましい。ポリ乳酸樹脂の融点が150℃未満の場合、固相重合時に一部結晶が溶融し、ペレットが融着しやすく、収率が低下するため好ましくない。ポリ乳酸樹脂の融点が190℃を越える場合、溶融加工時の成形温度を高くする必要があり、成形品の外観不良を生じやすいため好ましくない。
ポリ乳酸樹脂は、耐加水分解性に優れるという点で、示差走査型熱量計を用い、昇温速度20℃/分で30℃から200℃まで昇温したときの1stRunで観測される、結晶融解エンタルピー(ΔHmb)が60〜98J/gの範囲であることが好ましく、65〜90J/gの範囲であることがより好ましい。ΔHmbが60J/g未満である場合、耐加水分解性に劣るため好ましくない。上記融点とΔHmbの範囲のポリ乳酸樹脂とすることで、光学純度の低いポリ乳酸樹脂においても、高分子量を有し、耐加水分解性および溶融加工性に優れるポリ乳酸樹脂を得ることができる。
なお、結晶融解エンタルピー(ΔHmb)を測定する具体的方法としては、PERKIN ELMER社製示差走査型熱量計(DSC7)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下中、昇温速度20℃/分で30℃から200℃まで昇温したときの1stRunで観測される、ポリ乳酸樹脂の結晶融解温度である融点をTm、結晶融解エンタルピーをΔHmbとした。
ポリ乳酸樹脂は、高い耐加水分解性および溶融加工性が得られるという点で、式(2)を満たすことが好ましく、式(6)を満たすことがより好ましくは、式(7)を満たすことがさらに好ましい。
(ΔHmb−ΔHmc)>50(J/g)(2)
(ΔHmb−ΔHmc)>60(J/g)(6)
(ΔHmb−ΔHmc)>70(J/g)(7)
なお、示差走査型熱量計により試料を30℃から速度20℃/minで200℃まで昇温し、200℃で5分間保持した後、200℃から速度20℃/minで30℃まで降温し、30℃で1分間保持した後、さらに30℃から速度20℃/minで200℃まで昇温したときの2ndRunで観測される、ポリ乳酸樹脂の結晶融解エンタルピーをΔHmcとした。
また、発明者らは、ポリ乳酸樹脂の結晶融解エンタルピー(ΔHmb)の好ましい範囲が、ポリ乳酸樹脂の光学純度(Eb(%))によって影響を受けることを見出した。すなわち、結晶融解エンタルピー(ΔHmb)と光学純度(Eb(%))の関係が、式(3)を満たすことが好ましく、結晶性に優れるという点で式(8)を満たすことがより好ましく、耐加水分解性に優れるという点で式(9)を満たすことがさらに好ましい。
ΔHmb(J/g)+0.25(100−Eb(%))≧60(3)
ΔHmb(J/g)+0.25(100−Eb(%))≧65(8)
ΔHmb(J/g)+0.25(100−Eb(%))≧70(9)。
熱安定性に優れるポリ乳酸樹脂を得るために、溶融重合工程開始時、溶融重合工程中または固相重合終了後において、安定剤を添加することが好ましい。
安定剤としては、酸化数が+5未満の硫黄を有する硫黄含有化合物、リン化合物、芳香族ケトン化合物、芳香族環を有する炭化水素化合物、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオール、脂環式炭化水素化合物、ヒンダードフェノール類、ビタミン類、トリアゾール類、ヒドラジン誘導体などが挙げられ、これらの複数を用いてもよい。中でも、酸化数が+5未満の硫黄を有する硫黄含有化合物、リン化合物、芳香族ケトン化合物、芳香族環を有する炭化水素化合物、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオールおよび脂環式炭化水素化合物から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。酸化数が+5未満の硫黄を有する硫黄含有化合物としては、ジフェニルスルホン、亜硫酸、亜硫酸ナトリウム、硫黄、住友化学工業(株)製“スミライザー(登録商標)”TPD(ペンタエリスリトールテトラキス(β−ラウリル−チオ−プロピオネート))が好ましい。リン化合物のうち、無機リン化合物としてはリン酸化合物または亜リン酸化合物が好ましい。有機リン化合物としてはホスフェート化合物またはホスファイト化合物が好ましい。好ましい具体例としては、無機リン化合物としてはリン酸、亜リン酸、リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウムであり、有機リン化合物としては(株)ADEKA製“アデカスタブ(登録商標)”AX−71(ジオクタデシルホスフェート)、PEP−8(ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト)、PEP−36(サイクリックネオペンタテトライルビス(2,6−t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト)、HP−10(2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチル−1−フェニルオキシ)(2−エチルヘキシルオキシ)ホスホラス)、PEP−24G(ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト)、3010(亜リン酸トリイソデシル)、TPP(亜リン酸トリフェニル)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製“イルガフォス(登録商標)”168(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト)、三光(株)製HCA(9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサイド)である。中でも芳香族環を構成する炭素原子にリン原子が直接結合しているリン化合物が好ましく、三光(株)製HCA(9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサイド)が特に好ましい。芳香族ケトン化合物として特に好ましいのは1,4−ジベンゾイルベンゼン、ベンゾフェノンである。芳香族環を有する炭化水素化合物としてはトリフェニルメタン、脂肪族ジカルボン酸としてはシュウ酸、脂肪族ジオールとしてはヘキサンジオール、脂環式炭化水素化合物としては1,2−ジメチルシクロヘキサンが特に好ましい。
安定剤の添加量は、特に限定されないが、熱安定性に優れるという点で、ポリ乳酸樹脂100重量部に対して、0.001〜2重量部であることが好ましく、0.01〜1重量部であることがより好ましく、0.05〜0.5重量部であることがさらに好ましく、0.08〜0.3重量部であることが最も好ましい。安定剤の添加時期は、特に限定されず、溶融重合工程および固相重合工程のそれぞれの開始前および終了後のいずれでもよい。高分子量のポリ乳酸樹脂を得ることができるという点で、溶融重合工程において、添加することが好ましい。
また、熱安定性に優れるポリ乳酸樹脂を得ることができるという点で、固相重合工程の終了後に安定剤を添加することも好ましい。その場合、安定剤を添加する方法は、特に限定されず、ポリ乳酸樹脂と安定剤を溶融混練する方法や、安定剤を溶媒に溶解させて混合した後、溶媒を除去する方法等を挙げることができる。効率的に製造することができるという点で、ポリ乳酸樹脂と安定剤を溶融混練する方法が好ましい。なお、溶融混練する方法としては、回分法でも連続法でもよく、装置としては、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機、プラストミル、ニーダーおよび減圧装置付き撹拌型反応器などを用いることができる。効率的に均一に混練することができるという点で、単軸押出機または二軸押出機を用いることが好ましい。安定剤を添加する温度は、160〜200℃の温度が好ましく、機械物性に優れるという点で、170〜190℃の温度がより好ましい。安定剤を添加する圧力は、減圧、常圧および加圧のいずれでもよく、溶融混練時に発生ガスを除去できるという点で、減圧とすることが好ましい。溶融混練時の雰囲気条件としては、大気雰囲気下または窒素などの不活性気体雰囲気下のいずれでもよいが、溶融混練時に発生するガス量を低減できるという点で、不活性気体雰囲気下で行うことが好ましい。
溶媒中で混合する場合には、ポリマーおよびモノマーを溶解する溶媒を用いる。溶媒としては、たとえば、クロロホルム、塩化メチレンおよびアセトニトリルなどを用いることができる。混合後に溶媒を除去する必要がある場合に溶媒を除去する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、室温で溶媒を揮発させる方法および減圧下で溶媒の沸点以上の温度で溶媒を揮発させる方法などを用いることができる。
本発明のポリ乳酸樹脂には、本発明の特徴を損なわない範囲で充填材や、その他の添加剤を添加することができる。充填材としては、特に限定されず、繊維状、板状、粉末状、粒状などのいずれの充填剤も使用することができる。充填剤の具体例としては、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、炭酸カルシウムウィスカ、ワラステナイトウィスカ、硼酸アルミウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填材;あるいはタルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレイ、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケートなどの珪酸塩;酸化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属硫酸塩;ガラスビーズ、セラミックビ−ズ、窒化ホウ素、炭化珪素、燐酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物;ガラスフレーク、ガラス粉、カーボンブラックおよびシリカ、黒鉛などの非繊維状充填材;およびモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物;バーミキュライト、ハロイサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウムなどの各種粘土鉱物;Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母等の膨潤性雲母に代表される層状珪酸塩などが用いられる。
その他の添加剤としては、酸化防止剤(たとえばリン系酸化防止剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤)、紫外線吸収剤(たとえばレゾルシノール、サリシレート)、着色防止剤(亜リン酸塩、次亜リン酸塩など)、滑剤および離型剤(ステアリン酸、モンタン酸およびその金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、着色剤(染料、顔料など)、導電剤あるいは着色剤としてカーボンブラック、結晶核剤、可塑剤、難燃剤(臭素系難燃剤、燐系難燃剤、赤燐、シリコーン系難燃剤など)、難燃助剤、および帯電防止剤などが挙げられる。
また、本発明のポリ乳酸樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、他の樹脂を混合することができる。他の樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどの熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂;またはエチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、エチレン/プロピレンターポリマー、エチレン/ブテン−1共重合体などの軟質熱可塑性樹脂などから選ばれる少なくとも1種以上を用いることができる。
本発明の製造方法により得られるポリ乳酸樹脂組成物は、成形品などに加工する際に、いったん熱溶融させて固化した後も、高分子量を有し、溶融加工時の耐ドローダウン性に優れるポリ乳酸樹脂を形成しやすい。
本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、成形品として広く用いることができる。成形品としては、例えば、フィルム、シート、繊維・布、不織布、射出成形品、押出成形品、真空圧空成形品、ブロー成形品、および他の材料との複合体などが挙げられ、これらの成形品は、農業用資材、園芸用資材、漁業用資材、土木・建築用資材、文具、医療用品、自動車用部品、電気・電子部品またはその他の用途として有用である。本発明のポリ乳酸樹脂組成物は、フィルムやシートに加工することに特に適している。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ここで、実施例中の部数は、重量部を示す。
(1)重量平均分子量、数平均分子量、分子量分布
プレポリマーおよびポリ乳酸樹脂を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリメチルメタクリレート換算の重量平均分子量および数平均分子量の値を求めた。分子量分布は、数平均分子量に対する重量平均分子量の比で表される値である。GPCの測定は、検出器にWATERS社示差屈折計WATERS410を用い、ポンプにMODEL510高速液体クロマトグラフィーを用い、カラムにShodex GPC HFIP−806MとShodex GPC HFIP−LGを直列に接続したものを用いて行った。測定条件は、流速0.5mL/minとし、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用い、測定サンプルとして試料濃度1mg/mLの溶液を0.1mL注入して行った。
(2)光学純度(E)
プレポリマーおよびポリ乳酸樹脂の光学純度は、以下のようにして求めた。測定試料は、1N水酸化ナトリウム水溶液/メタノール混合溶媒下で60℃5時間加水分解した。得られたモノマー溶液を1N塩酸で中和し、0.5g/L硫酸銅水溶液で希釈し、試料濃度0.4mg/mLの溶液を得た。得られた溶液を、光学分割カラムを取り付けた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定して得られたL−乳酸含有量lとD−乳酸含有量dから、下記式(A)で表される光学純度(E)を求めた。
E=|l−d|/(l+d)×100(%) (A)
HPLCの測定は、島津社製超高速LC Nexeraを用い、光学分割カラムに住化分析センター社製スミキラルOA−6100を用いて行った。測定条件は、流速0.5mL/minとし、移動相溶媒として0.5g/L硫酸銅水溶液を用い、サンプラー洗浄用溶媒として超純水を用いた。
(3)固相重合性
固相重合により得られたポリ乳酸樹脂の重量平均分子量を前記(1)の方法で測定した。重量平均分子量が15万以上である場合をA、15万未満である場合をBと判定した。
(4)ペレットの融着性
固相重合により得られたポリ乳酸樹脂ペレットの状態を目視で確認した。固相重合後に融着しなかった場合をA、融着した場合をBと判定した。
(5)熱特性
プレポリマーおよびポリ乳酸樹脂の熱特性をPERKIN ELMER社製示差走査型熱量計(DSC7)を用いて測定した。試料10mgを窒素雰囲気下中、30℃から速度20℃/minで200℃まで昇温したときの結晶化プレポリマーの結晶融解エンタルピーをΔHmaとした。また、同様にして測定したポリ乳酸樹脂の結晶融解温度をTm、結晶融解エンタルピーをΔHmbとした。結晶融解エンタルピーをΔHmbを測定した後、さらに続けて、200℃で5分間保持し、200℃から速度20℃/minで30℃まで降温後、さらに30℃から速度20℃/minで200℃まで昇温したときのポリ乳酸樹脂の結晶融解エンタルピーをΔHmcとした。
(6)耐加水分解性
エスペック社製恒温恒湿槽により、固相重合後のポリ乳酸樹脂50mgを温度60℃、相対湿度95%の条件で24時間湿熱処理を行い、処理前後のポリ乳酸樹脂の重量平均分子量を前記(1)の方法で測定した。処理前のポリ乳酸樹脂の重量平均分子量を基準とした処理後のポリ乳酸樹脂の重量平均分子量保持率が、95%以上である場合をA、95%未満〜85%以上である場合をB、85%未満〜75%以上である場合をC、75%未満である場合をDと判定した。
(7)成形性1
ポリ乳酸樹脂を、ダイス幅100mmおよびリップ幅1mmのTダイ、冷却ロールとして、表面温度50℃の第1ロール、表面温度60℃の第2ロール、表面温度40℃の第3ロールを装備した単軸押出機(30mmφ)を用いて、シリンダー温度210℃、スクリュー回転数80rpm、Tダイ温度210℃、押出速度1m/分、引取速度1m/分にて押出成形することにより、シートを作成した。得られたシートについて表面が平滑な場合をA、表面に凹凸がある場合をB、表面に凹凸があり、かつ破れがある場合をCと判定した。
(8)耐ドローダウン性
(7)により得られたシートを、真空成形機を用いて、加熱温度100℃、加熱時間60秒の条件で加熱した後、該シートを金型温度40℃の金型に密着させると同時に金型内を減圧することにより、内径6cm、深さ10cmの円柱状の容器を得た。このとき、シートがほとんどドローダウンしない場合をA、若干ドローダウンするが成形できる場合をB、ドローダウンするがかろうじて成形ができる場合をC、ドローダウンして成形が不可の場合をDと判定した。
(9)成形性2
所定のポリ乳酸樹脂を、ダイス幅300mmおよびリップ幅0.5mmのTダイ、冷却ロールとして、表面温度50℃の第1ロール、表面温度60℃の第2ロール、表面温度40℃の第3ロールを装備した単軸押出機(57mmφ)を用いて、スクリュー回転数80rpm、所定の成形温度(シリンダー温度、Tダイ温度)、押出速度1m/分、引取速度1m/分にて押出成形することにより、シートを作成した。このとき、シートが得られた場合をA、シートが得られなかった場合をBと判定した。
(10)成形品外観
(9)により得られたシートの外観が良好な場合をA、シワが見られた場合をBと判定した。
(製造例1)
撹拌装置および還流装置のついた反応容器中に、90%L−乳酸水溶液97部と90%D−乳酸水溶液3部を入れ、反応容器の温度を150℃にした後、徐々に系内を減圧して圧力を800Paとし、水を除去しながら3.5時間反応させた。その後、触媒として酢酸錫(II)0.08部およびメタンスルホン酸0.22部を添加し、温度170℃、圧力400Paで6時間重合反応させ、Mw23,000、光学純度92%のプレポリマー(A−1)を得た。
(製造例2)
用いる乳酸水溶液を90%L−乳酸水溶液95部と90%D−乳酸水溶液5部に変更する以外は製造例1と同様に行い、Mw21,000、光学純度88%のプレポリマー(A−2)を得た。
(製造例3)
脱水後の重合温度を200℃、重合時間を15時間に変更する以外は製造例1と同様に行い、Mw42,000、光学純度82%のプレポリマー(A−3)を得た。
(製造例4)
脱水後の重合温度を200℃、重合時間を25時間に変更する以外は製造例1と同様に行い、Mw65,000、光学純度76%のプレポリマー(A−4)を得た。
(製造例5)
用いる乳酸水溶液を90%L−乳酸水溶液88部と90%D−乳酸水溶液11部に変更し、脱水後の重合時間を2時間に変更する以外は製造例1と同様に行い、Mw3,000、光学純度76%のプレポリマー(A−5)を得た。
(製造例6)
用いる乳酸水溶液を90%L−乳酸水溶液93部と90%D−乳酸水溶液7部に変更し、脱水後の重合時間を60時間とする以外は製造例1と同様に行い、Mw104,000、光学純度82%のプレポリマー(A−6)を得た。
(製造例7)
用いる乳酸水溶液を90%L−乳酸水溶液100部に変更する以外は製造例1と同様に行い、Mw20,000、光学純度98%のプレポリマー(A−7)を得た。
(製造例8)
用いる乳酸水溶液を90%L−乳酸水溶液78部と90%D−乳酸水溶液22部に変更する以外は製造例1と同様に行い、Mw25,000、光学純度54%のプレポリマー(A−8)を得た。
(実施例1)
製造例1により得られたプレポリマーを、日本製鋼所社製TEX30型2軸押出機(L/D=45.5)を用いて結晶化した。押出機の樹脂供給口よりL/D=10の部分に温度160℃に設定した可塑化部分を設け、可塑化部分よりL/D=35.5の部分に表1記載の温度に設定した結晶化部分を設けた。なお、結晶化部分のスクリューエレメントには複数のニーディングディスクを組み合わせて、L/D=4の長さとしたニーディングブロックを2箇所設けてせん断を付与できるスクリューとした。
押出機の樹脂供給口に、プレポリマーを供給し、表1に記載の条件で結晶化を行った後、押出機の吐出孔からストランド状に吐出された結晶化プレポリマーを冷却した後、ストランドカッターによりペレット化した。得られた結晶化プレポリマーのペレットの重量平均分子量、光学純度および結晶融解エンタルピーは表1に示すとおりである。続いて、得られた結晶化プレポリマーのペレットを50Paの圧力下、110℃から150℃まで20時間で連続的に昇温させ(昇温速度毎時2℃)、150℃で40時間固相重合を行った。得られたポリ乳酸樹脂の重量平均分子量を表1に示す。
Figure 2013015164
(実施例2〜8、比較例1〜7)
用いるプレポリマーと結晶化条件および固相重合条件を表1と表2に示すようにした以外は、実施例1と同様に行った。表1と表2に記載の通り、比較例1では、プレポリマーの重量平均分子量が低すぎるため、固相重合が十分に進行しなかった。比較例2では、プレポリマーの重量平均分子量が高すぎるため、固相重合が十分進行しなかった。比較例3では、プレポリマーの光学純度が高すぎることで、固相重合が十分に進行しなかった。比較例4では、プレポリマーの光学純度が低すぎることで、せん断を加えても結晶化せず、ほとんど固相重合が進行しなかった。比較例5では、結晶化工程においてプレポリマーにかかるせん断が弱く、結晶化プレポリマーの結晶融解エンタルピー(ΔHma)が4J/g未満と十分結晶化しなかったために、低い固相重合性となった。比較例6および比較例7では、結晶化プレポリマーの結晶融解エンタルピー(ΔHma)が50J/gを越えたため、分子拘束により分子量が頭打ちし、低い固相重合性であった。また、実施例1と実施例5を比較すると、結晶融解エンタルピー(ΔHma)がより好ましい様態である実施例1の方が高い固相重合性を示した。
Figure 2013015164
(実施例9〜16、比較例8〜14)
実施例1〜8および比較例1〜7で得られたポリ乳酸樹脂について、前記のようにして、分子量、光学純度、熱特性、耐加水分解性、成形性および耐ドローダウン性を測定した。結果を表3および表4に示す。表3および表4に示すように、実施例9〜16については、いずれも高い耐加水分解性、成形性および耐ドローダウン性が観察されるのに対して、比較例8〜14については、十分な特性が得られなかった。実施例が優れていることは明らかである。
Figure 2013015164
Figure 2013015164
(比較例15)
撹拌装置および還流装置のついた反応容器中に、光学純度92%のL−ラクチドを50部入れ、窒素雰囲気下、120℃で均一に溶解させた後、温度を150℃にし、オクチル酸スズ(II)0.02部を添加して2時間反応させることにより、ポリ−L−乳酸を得た。得られたポリ乳酸樹脂について、前記のようにして、分子量、光学純度、熱特性、耐加水分解性、成形性および耐ドローダウン性を測定した。結果を表5に示す。
Figure 2013015164
(比較例16、17)
用いるラクチドの光学純度を比較例16では76%に、比較例17では97%にした以外は、比較例15と同様に行った。結果を表5に示す。
表5に記載の通り、比較例15〜17では、開環重合によりポリ乳酸樹脂を得た。得られたポリ乳酸樹脂の重量平均分子量は大きかったが、分子量分布は、2.2より小さかった。これらのポリ乳酸樹脂は、耐ドローダウン性に劣り、かつ、耐加水分解性にも劣った。
(実施例17)
実施例1で得られたポリ乳酸樹脂100重量部に、安定剤としてステアリルアシッドホスフェート0.2重量部を混合し、2軸押出機を用いて190℃で溶融混練を行った。得られた安定剤を含むポリ乳酸樹脂を180℃で溶融し、前記(成形性2)の記載に従って成形加工した結果を表6に示す。
Figure 2013015164
(比較例18、19)
使用するポリ乳酸樹脂および成形加工温度を表6に示すようにした以外は、実施例17と同様に行った。結果を表6に示す。表6に記載の通り、実施例17では、成形温度が低いことで、ガスの発生はほとんどなく、さらに得られた成形品は、ドローダウンに起因するシワもなく、外観良好であった。比較例18では、ポリ乳酸樹脂の結晶性が高いため成形温度180℃では十分溶融せず、成形加工できなかった。比較例19では、成形温度200℃とすることで成形品を得ることできたが、温度が高いことによりシワなどの外観不良が見られた。
本発明によれば、溶融加工時の成形性に優れ、溶融加工時の耐ドローダウン性に優れ、さらに耐加水分解性に優れるポリ乳酸樹脂を得ることができる。

Claims (10)

  1. 乳酸単位を主成分とするプレポリマーであって、光学純度(Ea)が60〜94%、重量平均分子量が5,000〜100,000、結晶融解エンタルピー(ΔHma)が4〜50J/gである結晶化プレポリマーを固相重合する工程を含むポリ乳酸樹脂の製造方法。
  2. 結晶化プレポリマーの光学純度(Ea)と結晶融解エンタルピー(ΔHma)が下記式(1)を満たす請求項1に記載のポリ乳酸樹脂の製造方法。
    24≦ΔHma(J/g)+(100−Ea(%))/2≦53(1)
  3. 乳酸単位を主成分とするプレポリマーであって、光学純度(Ea)が60〜94%、重量平均分子量が5,000〜100,000のプレポリマーを溶融機内でせん断付与下、70〜140℃の範囲の温度で滞留させて結晶化させることによって、結晶化プレポリマーを得る工程を含む請求項1または2に記載のポリ乳酸樹脂の製造方法。
  4. 溶融機内でのせん断速度が10〜400/秒である請求項3に記載のポリ乳酸樹脂の製造方法。
  5. 溶融機内に滞留させる時間が0.5〜10分である請求項3または4に記載のポリ乳酸樹脂の製造方法。
  6. 固相重合工程の温度条件が70〜155℃の範囲である請求項1〜5のいずれかに記載のポリ乳酸樹脂の製造方法。
  7. 光学純度(Eb)が60〜94%、重量平均分子量が150,000〜300,000、かつ、分子量分布が2.2以上であるポリ乳酸樹脂。
  8. 示差走査型熱量計を用い、昇温速度20℃/分で30℃から200℃まで昇温したときの1stRunで観測される、前記ポリ乳酸樹脂の融点(Tm)が150〜190℃、結晶融解エンタルピー(ΔHmb)が60〜98J/gである請求項7に記載のポリ乳酸樹脂。
  9. 示差走査型熱量計を用い、昇温速度20℃/分で30℃から200℃まで昇温したときの1stRunで観測される、前記ポリ乳酸樹脂のΔHmbおよび、引き続き200℃で5分間保持した後、降温速度20℃/分で200℃から30℃まで降温し、さらに昇温速度20℃/分で30℃から200℃まで昇温したときの2ndRunで観測される、前記ポリ乳酸樹脂結晶融解エンタルピー(ΔHmc)について、下記式(2)を満たす請求項7または8に記載のポリ乳酸樹脂。
    (ΔHmb−ΔHmc)>50(J/g)(2)
  10. 前記ポリ乳酸樹脂が下記式(3)を満たす請求項7〜9のいずれかに記載のポリ乳酸樹脂。
    ΔHmb(J/g)+0.25×(100−Eb(%))≧60(3)
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