JP5949881B2 - ポリ乳酸系樹脂の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高分子量を有し、好ましい態様においては、高融点を有し、熱安定性および色相にも優れるポリ乳酸系樹脂を効率的に製造する方法およびポリ乳酸系プレポリマーペレットに関するものである。
近年、環境保全の観点から、植物を原料とするポリ乳酸系樹脂が注目され、特に植物由来のカーボンニュートラルな素材としてポリ乳酸樹脂が注目されている。ポリ乳酸樹脂は、融点がおよそ170℃と高く、溶融成形加工が可能であり、さらに、モノマーである乳酸が微生物を利用した発酵法によって安価に製造されるようになったため、石油原料由来の汎用プラスチックを代替できるバイオマスプラスチックとして期待され、徐々に使用されつつある。
ポリ乳酸樹脂の主な製造方法としては、乳酸の2量体であるラクチドを開環して重合する開環重合法と、乳酸を用い脱水重縮合する直接重縮合法があり、直接重縮合法は、開環重合法に比べ、ラクチドを合成する工程を経ることなく、乳酸を直接重合原料として用いることができることから、安価にポリ乳酸樹脂を製造できるといわれている。
特許文献1〜10には、直接重縮合法について記載されている。特許文献1〜3には、直接溶融重合によるポリ乳酸の製造方法が記載されている。特許文献4には、溶融重合と固相重合を組み合わせた製造方法が開示されている。また、特許文献5〜8においても、溶融重合と固相重合を組み合わせた製造方法が開示されている。特許文献9、10においても、溶融重合と固相重合を組み合わせた製造方法が開示されている。
特開平8−183840号公報(第1〜4頁) 特開2000−297145号公報(第1〜8頁) 特開2000−297143号公報(第1〜14頁) 特開平11−106499号公報(第1〜6頁) 特開2000−302852号公報(第1〜32頁) 特開2001−192444号公報(第1〜24頁) 特開2001−64375号公報(第1〜10頁) 特開2009−144132号公報(第1〜29頁) 特開2000−273165号公報(第1〜11頁) 国際公開第2009/142196号公報(第1〜77頁)
特許文献1〜3に記載の技術には、得られる分子量が低いことや高分子量物を得るために溶媒を使用する必要があるという課題があり、また特許文献3の方法ではポリマーが着色するという課題もあった。
特許文献4に記載の技術では、固相重合前の分子量が高いにも関わらず固重後の分子量が十分ではなかった。
特許文献5〜8に記載の技術には、固相重合前に、水中で結晶化や長時間の結晶化または水分を含んだ熱風での結晶化が行われているために、ポリマー中で酸性化合物が増加し、固相重合の速度やポリマーの収率が低下するという問題があった。
特許文献9に記載の技術では、固相重合前の結晶化が不十分であり、十分な固相重合速度を得ることができておらず、特許文献10に記載の技術では、溶融重合から固相重合までに粉砕などで空気に触れる時間が長く、酸性物質が増加して、固重性が低下するという問題があった。
本発明は、高分子量を有し、好ましい態様においては、高融点を有し、熱安定性および色相にも優れるポリ乳酸系樹脂を効率的に製造する方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく検討した結果、高分子量を有し、好ましい態様においては、高融点を有し、熱安定性および色相にも優れるポリ乳酸系樹脂を効率的に製造する方法を見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の上記課題は、
乳酸を主原料として、錫系の有機カルボン酸塩、または、錫化合物及びメタンスルホン酸を触媒として、直接重縮合ならびに70〜130℃の結晶化処理温度で結晶化を行い、かつ結晶化工程の温度を2段階以上の多段階でかつ第2段階以上を窒素気流中で結晶化することにより、重量平均分子量が5,000〜25,000、融解エンタルピーΔHmが50〜65[J/g]、酸価A[mol/ton]が次式(1)を満たす結晶化プレポリマーを調製し、前記結晶化プレポリマーを固相重合するポリ乳酸系樹脂の製造方法により解決することができる。
450/(Mw/10,000−0.14)<A<950/(Mw/10,000−0.14) (1)
(Mwは結晶化プレポリマーの重量平均分子量
発明の製造方法においては、結晶化工程の温度を3段階で行い、かつ第1段階として70〜90℃の温度、第2段階として90〜110℃の温度、第3段階として110〜130℃の温度で行うことが好ましい。
本発明の製造方法においては、結晶化プレポリマーのラクチド含有量Lが0.1〜3.0[wt%]であることが好ましい。
本発明の製造方法においては、結晶化プレポリマーがポリL乳酸又はポリD乳酸であり、ポリL乳酸の場合にはD−乳酸含有量dが0.2〜2.0[mol%]であり、ポリD乳酸の場合にはL−乳酸含有量lが0.2〜2.0[mol%]であることが好ましい。
本発明の製造方法においては、結晶化プレポリマーの融解エンタルピーΔHmが53[J/g]以上であることが好ましい。
本発明の製造方法においては、結晶化プレポリマーの酸価A[mol/ton]が次式(2)を満たすことが好ましい。
550/(Mw/10,000−0.14)<A<850/(Mw/10,000−0.14) (2)
本発明の製造方法においては、固相重合の昇温速度が毎時10℃以下であることが好ましい。
本発明の製造方法においては、固相重合の最終温度が155〜165℃であることが好ましい。
高分子量を有し、好ましい態様においては、高融点を有し、熱安定性および色相にも優れるポリ乳酸系樹脂を効率的に製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、ポリ乳酸系樹脂とは、L−乳酸および/またはD−乳酸を主成分とする重合体であり、L−乳酸が主成分である場合はポリ−L−乳酸と呼び、D−乳酸が主成分である場合はポリ−D−乳酸と呼ぶ。
ポリ乳酸系樹脂が、ポリ−L−乳酸である場合、L−乳酸単位を70mol%以上含有していることが好ましく、90mol%以上含有していることがより好ましく、95mol%以上含有していることがさらに好ましく、98mol%以上含有していることが特に好ましい。
ポリ乳酸系樹脂が、ポリ−D−乳酸である場合、D−乳酸単位を70mol%以上含有していることが好ましく、90mol%以上含有していることがより好ましく、95mol%以上含有していることがさらに好ましく、98mol%以上含有していることが特に好ましい。
また、ポリ乳酸系樹脂は、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸の混合物であることが好ましく、ステレオコンプレックスを形成していることがさらに好ましい。
また、L−乳酸単位からなるセグメントとD−乳酸単位からなるセグメントから構成されるブロック共重合体であることも好ましく、ここで、L−乳酸単位からなるセグメントとは、L−乳酸を主成分とする重合体であり、L−乳酸単位を70mol%以上含有している重合体をいう。90mol%以上含有していることがより好ましく、95mol%以上含有していることがさらに好ましく、98mol%以上含有していることが特に好ましい。また、D−乳酸単位からなるセグメントとは、D−乳酸を主成分とする重合体であり、D−乳酸単位を70mol%以上含有している重合体をいう。90mol%以上含有していることがより好ましく、95mol%以上含有していることがさらに好ましく、98mol%以上含有していることが特に好ましい。
本発明では、乳酸を主原料とし、直接重縮合でポリ乳酸系樹脂を製造するが、乳酸中の不純物として、アルコール類の合計が70ppm以下、かつ、有機酸類の合計が800ppm以下、かつ、アルデヒド類の合計が50ppm以下、かつ、エステル類の合計が400ppm以下である、高純度乳酸を主原料として用いることが好ましい。
用いる乳酸の光学純度は、95%以上であることが好ましく、98%以上であることがさらに好ましく、99%以上であることが特に好ましい。乳酸がL−乳酸である場合は、D−乳酸の含有量が2.5%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましく、0.5%以下であることが特に好ましい。乳酸がD−乳酸である場合は、L−乳酸の含有量が2.5%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましく、0.5%以下であることが特に好ましい。
本発明において、ポリ乳酸は、得られるポリ乳酸の性能を損なわない範囲で、L−乳酸またはD−乳酸単位以外の他の成分単位を含んでいてもよい。他の成分単位としては、多価カルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトンなどが挙げられる。具体的には、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、5−テトラブチルホスホニウムスルホイソフタル酸、フランジカルボン酸などの多価カルボン酸類またはそれらの誘導体;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、イソソルビド、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールにエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを付加した多価アルコール、ビスフェノールにエチレンオキシドを付加反応させた芳香族多価アルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの多価アルコール類またはそれらの誘導体;グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類;グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトンなどのラクトン類などが挙げられる。
本発明のポリ乳酸系樹脂の製造方法は、溶融重合して得られたプレポリマーを結晶化して、重量平均分子量が5,000〜25,000、融解エンタルピーΔHmが50〜65[J/g]、酸価A[mol/ton]が次式(1)を満たす結晶化プレポリマーを調製し、この結晶化プレポリマーを固相重合する工程を含む。
450/(Mw/10,000−0.14)<A<950/(Mw/10,000−0.14) (1)
(Mwはプレポリマーの重量平均分子量)
まず、溶融重合工程について説明する。
溶融重合工程では触媒を共存させることが重要である。触媒としては、高分子量または高融点を有し、特に熱安定性にも優れるポリ乳酸系樹脂を得ることができるという点で、メタンスルホン酸が好ましい。
また、触媒として金属触媒と酸化数が+5以上の硫黄を有する硫黄含有化合物以外の酸触媒も好ましく用いることができる。
また、触媒として錫化合物も好ましく用いることができる。化合物の種類としては、金属アルコキシド、金属ハロゲン化合物、有機カルボン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、酸化物などが好ましい。具体的には、錫粉末、塩化錫(II)、塩化錫(IV)、臭化錫(II)、臭化錫(IV)、エトキシ錫(II)、t−ブトキシ錫(IV)、イソプロポキシ錫(IV)、酢酸錫(II)、酢酸錫(IV)、オクチル酸錫(II)、ラウリン酸錫(II)、ミリスチン酸錫(II)、パルミチン酸錫(II)、ステアリン酸錫(II)、オレイン酸錫(II)、リノール酸錫(II)、アセチルアセトン錫(II)、シュウ酸錫(II)、乳酸錫(II)、酒石酸錫(II)、ピロリン酸錫(II)、p‐フェノールスルホン酸錫(II)、ビス(メタンスルホン酸)錫(II)、硫酸錫(II)、酸化錫(II)、酸化錫(IV)、硫化錫(II)、硫化錫(IV)、酸化ジメチル錫(IV)、酸化メチルフェニル錫(IV)、酸化ジブチル錫(IV)、酸化ジオクチル錫(IV)、酸化ジフェニル錫(IV) 、酸化トリブチル錫、水酸化トリエチル錫(IV)、水酸化トリフェニル錫(IV)、水素化トリブチル錫、モノブチル錫(IV)オキシド、テトラメチル錫(IV)、テトラエチル錫(IV)、テトラブチル錫(IV)、ジブチルジフェニル錫(IV)、テトラフェニル錫(IV)、 酢酸トリブチル錫(IV)、酢酸トリイソブチル錫(IV)、酢酸トリフェニル錫(IV)、二酢酸ジブチル錫、ジオクタン酸ジブチル錫、ジラウリン酸ジブチル錫(IV)、マレイン酸ジブチル錫(IV)、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、塩化トリブチル錫(IV)、二塩化ジブチル錫、三塩化モノブチル錫、二塩化ジオクチル錫、塩化トリフェニル錫(IV)、硫化トリブチル錫、硫酸トリブチル錫、トリフルオロメタンスルホン酸錫(II)、ヘキサクロロ錫(IV)酸アンモニウム、ジブチル錫スルフィド、ジフェニル錫スルフィド、硫酸トリエチル錫およびフタロシアニン錫(II)等の錫化合物が挙げられ、中でも、塩化錫(II)以外の錫化合物が好ましい。
また、立体選択重合性を有する触媒を用いて、L−乳酸およびD−乳酸の等量混合物であるラセミ体を原料として、ポリ乳酸系樹脂の重合を行う場合においては、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸をそれぞれ同時に製造することもできる。
本発明において、高分子量および高融点を有するポリ乳酸系樹脂を得ることができるという点で、錫化合物としては、配位子が2個である錫系の有機カルボン酸塩がさらに好ましく、酢酸錫(II)またはオクチル酸錫(II)が特に好ましい。また、2種以上併用することもでき、併用する場合には、錫化合物およびメタンスルホン酸を用いることが好ましい。
本発明において、触媒であるメタンスルホン酸の添加量は、高分子量および高融点を有するポリ乳酸系樹脂を効率的に得ることができるという点で、使用する原料(L−乳酸および/またはD−乳酸など)に対して、硫黄原子換算で30〜3,000ppmであることが好ましく、35〜2,700ppmがより好ましく、40〜2,500ppmがさらに好ましく、45〜2,200ppmが特に好ましい。
本発明において、触媒であるメタンスルホン酸の添加時期は、高分子量および高融点を有するポリ乳酸系樹脂を効率的に得ることができるという点で、溶融重合工程開始時または溶融重合工程中であることが好ましい。
その他の触媒の添加量は、特に限定されないが、ポリ乳酸系樹脂100重量部に対して、0.0001〜2重量部であることが好ましく、0.001〜1重量部であることがより好ましく、0.005〜0.5重量部であることがさらに好ましく、0.01〜0.3重量部であることが特に好ましい。
本発明において、溶融重合工程の反応条件は特に制限されるものではなく、各種条件で実施することができるが、溶融重合工程を少なくとも下記の2段階を含む条件で連続的に行うことが好ましい。
溶融重合条件1:140℃〜160℃、13.3〜66.6kPa
溶融重合条件2:160℃〜180℃、1.3〜6.5kPa
本発明において、高分子量を有するポリ乳酸系樹脂を効率的に得ることができるという点で、溶融重合工程は、実質的な反応温度として、140〜180℃の温度で行うことが好ましく、高融点を有し、色相にも優れるポリ乳酸系樹脂を効率的に得ることができるという点で、145〜175℃の温度で行うことが好ましく、140〜170℃の温度で行うことがより好ましい。また、溶融重合工程の温度は、一定温度で維持する1段階でもよく、温度を段階的に変化させる2段階以上の多段階でもよいが、高分子量および高融点を有するポリ乳酸系樹脂を効率的に得ることができるという点で、2段階以上の多段階とすることが好ましく、例えば、140〜160℃の温度で反応を行った後、160〜180℃の温度で反応を行う方法などが挙げられる。
本発明において、高分子量を有するポリ乳酸系樹脂を効率的に得ることができるという点で、溶融重合工程は、実質的な反応圧力として、0.13〜130kPaの圧力で行うことが好ましく、色相にも優れるポリ乳酸系樹脂を効率的に得ることができるという点で、1〜100kPaの圧力で行うことが好ましく、10〜90kPaの圧力で行うことがより好ましく、10〜80kPaの圧力で行うことがさらに好ましく、20〜70kPaの圧力で行うことが特に好ましい。また、溶融重合工程の圧力は、一定圧力を維持する1段階でもよく、圧力を段階的に変化させる2段階以上の多段階でもよいが、高分子量化でき、色相に優れるという点で、2段階以上の多段階とすることが好ましく、例えば、13.3〜66.6kPaの圧力で反応を行った後、1.3〜6.5kPaの圧力で反応を行う方法などが挙げられる。また、窒素などの不活性ガスの流通下で反応させることも好ましい。
本発明において、溶融重合工程は、0.5〜50時間の反応時間で行うことが好ましく、色相にも優れるポリ乳酸系樹脂を効率的に得ることができるという点で、1〜45時間の反応時間で行うことが好ましく、2〜40時間の反応時間で行うことがより好ましく、3〜35時間の反応時間で行うことがさらに好ましく、4〜30時間の反応時間で行うことが特に好ましい。また、溶融重合工程の温度および圧力を2段階以上の多段階で行う場合は、例えば、140〜160℃の温度、13.3〜66.6kPaの圧力で、2〜15時間の反応時間で反応を行った後、160〜180℃の温度、1.3〜6.5kPaの圧力で、2〜15時間の反応時間で反応を行う方法などが挙げられる。なお、温度および圧力を2段階以上の多段階で行う場合であっても、溶融重合工程の反応時間の合計は、0.5〜50時間が好ましい。
溶融重合工程は、回分法でも連続法でもよいが、回分法の場合、室温から溶融重合条件1に示す実質的な反応温度に達するまでの時間は、工程時間内の30%以内であることが好ましく、20%以内であることがより好ましく、10%以内であることがさらに好ましい。また、常圧から溶融重合条件1に示す実質的な反応圧力に達するまでの時間は、工程時間内の50%以内であることが好ましく、40%以内であることがより好ましく、30%以内であることがさらに好ましい。
本発明において、溶融重合工程は、回分法でも連続法でもよく、また、反応槽は特に限定されるものではなく、例えば、撹拌槽型反応槽、ミキサー型反応槽、塔型反応槽および押出機型反応槽などを用いることができ、これらの反応槽は2種以上組み合わせて使用することができる。また、生産性の点からは連続法で行うことが好ましい。
本発明において、溶融重合工程は、どのような反応装置を用いることもできるが、高分子量および高融点を有し、熱安定性および色相にも優れるポリ乳酸系樹脂を効率的に得ることができるという点で、反応槽と還流装置を接続した装置を用いることが好ましい。
本発明において、反応槽は、反応室が一つでもよく、仕切板などで分割された二つ以上の反応室から構成されているものでもよいが、高分子量を有するポリ乳酸系樹脂を効率的に得ることができるという点で、二つ以上の反応室から構成されているものが好ましい。
本発明において、還流装置は、反応槽の上部に接続されていることが好ましく、還流装置に真空ポンプが接続されていることがより好ましい。なお、本発明において、還流装置とは、揮発成分を分離するものであり、揮発成分の一部を反応系外に除去する働きをもつ気化部と揮発成分の一部を反応系内に戻す働きをもつ凝縮部を有するものであればいずれでもよく、具体的には、揮発成分のうち、水を除去し、乳酸およびラクチドまたはそれらの低分子量重合体を溶融重合工程の反応槽に戻すものであればいずれも用いることができる。ここで、凝縮部を構成する凝縮器としては、例えば、二重管式、多管式、コイル式、プレート式、プレートフィン式、渦巻式、ジャケット式などの方式を挙げることができる。
本発明の溶融重合工程において、反応終了後に、生成した低分子量体を反応槽から取り出す方法は、特に限定されるものではなく、窒素などの不活性気体による押出により取り出す方法、ギヤポンプなどで取り出す方法などが挙げられ、低粘度である低分子量体のハンドリング性の点から、窒素などの不活性気体による押出により取り出す方法が好ましい。
本発明において、溶融重合工程で製造されるプレポリマーの重量平均分子量は5,000〜25,000とするものであり、10,000〜20,000であることが好ましい。また、プレポリマーの酸価をa[mol/ton]とすると、次式(2)を満たすことが好ましく、より好ましくは次式(3)、さらに好ましくは次式(4)を満たす。
450/(Mw/10,000−0.14)<a<950/(Mw/10,000−0.14) (2)
(Mwはプレポリマーの重量平均分子量(万))
500/(Mw/10,000−0.14)<a<900/(Mw/10,000−0.14) (3)
550/(Mw/10,000−0.14)<a<850/(Mw/10,000−0.14) (4)
なお、重量平均分子量とは、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリメチルメタクリレート換算の重量平均分子量の値であり、酸価aとはアルカリ溶液による中和滴定で測定されるカルボキシル末端基量である。
次に、結晶化工程について説明する。
本発明において、固相重合工程を実施する際には、プレポリマーが結晶化していることが必要であり、溶融重合工程終了後かつ固相重合工程開始前に結晶化処理を行う。
結晶化させる方法としては窒素、空気などの気相中または水やエタノールなどの液相中において結晶化処理温度で熱処理する方法、プレポリマーを溶媒に溶解させ溶液とした後に溶媒を揮発させる方法、プレポリマーを溶媒に接触させる方法、および溶融状態のプレポリマーを延伸または剪断の操作を行った後に冷却固化させる方法などが挙げられる。上記の方法の中でも、窒素の気相中おいて結晶化処理温度で熱処理する方法、および溶融状態のプレポリマーを延伸または剪断の操作後に冷却固化させる方法が好ましい。また、上記の複数の方法を組み合わせてもよい。なお、本発明においては、後述のように結晶化工程の温度を2段階以上の多段階とするものであり、第2段階以上の段階においては窒素気流中で結晶化することが重要である。
溶融状態のプレポリマーを延伸または剪断の操作後に冷却固化させる場合の冷却方法は、水冷が好ましく、水に接触させる時間としては10分以内が好ましく、5分以内がより好ましく、3分以内がさらに好ましく、1分以内が好ましく、30秒以内が特に好ましい。水に接触する時間が上記好ましい範囲であると、ポリマー中に酸性化合物が増加しにくい。また、冷却から固相重合までの時間は12時間以内が好ましく、6時間以内がより好ましく、3時間以内がさらに好ましく、1時間以内が特に好ましい。
ここでいう結晶化処理温度とは、溶融重合工程で得ることができるプレポリマーのガラス転移温度より高く、融点よりも低い温度範囲である必要があり、予め示差走査型熱量計(DSC)により測定した昇温結晶化温度および降温結晶化温度の範囲内であるようにする。ポリ乳酸系樹脂がポリ乳酸系樹脂の場合は、高分子量および高融点を有し、色相に優れるポリ乳酸系樹脂を効率的に得ることができるという点で、70〜130℃であることが重要であり、75〜130℃であることが好ましく、80〜130℃であることがさらに好ましい。
また、結晶化工程の温度は、温度を段階的に変化させる2段階以上の多段階とすることが重要で、反応の進行とともに温度を段階的に上げることがより好ましく、例えば、80〜100℃の温度で反応を行った後、100〜130℃の温度で反応を行う方法などが挙げられる。なお、段毎の温度上昇幅は30℃以下が好ましく、25℃以下がより好ましく、20℃以下がさらに好ましい。
また、結晶化させる際の時間については1〜7時間が好ましく、1.5〜5時間がより好ましく、1.5〜3時間が特に好ましい。なお、結晶化処理における圧力条件は、減圧、常圧および加圧のいずれの条件でもよいが、中でも常圧が好ましい。また、結晶化は無水雰囲気で行うことが好ましく、水分の含まれる雰囲気で行う場合にはできるだけ短時間で行うことが好ましい。
また、結晶化工程の温度を2段階以上の多段階として行うに際し、例えば、第1段階として70〜100℃の温度で1〜4時間、第2段階として100〜130℃の温度で1〜4時間で行う方法が好ましく挙げられ、第1段階として70〜90℃の温度で1〜3時間、第2段階として90〜110℃の温度で1〜3時間、第3段階として110〜130℃の温度で1〜3時間で行うことがより好ましい。なお、結晶化工程の反応時間の合計は、1〜7時間が好ましい。
なお、上記のような各段階で温度を一定に維持する方式の多段階で昇温するのに代えて、連続的に昇温してもよく、この態様も本発明においては多段階の概念に含まれる。例えば、70℃から120℃まで2時間かけて、すなわち毎時25℃で昇温させた後に160℃で維持する方法などが挙げられる。連続的に昇温する場合の昇温速度は毎時30℃以下であることが好ましい。
本発明において、結晶化処理する際のプレポリマーの形状は、特に限定されるものではなく、塊状、フィルム、ペレットおよび粉末などいずれでもよいが、効率的に結晶化できるという点で、ペレットまたは粉末の形状とすることが好ましい。ペレットとは、ポリマーの成型された小粒子で、例えば最大径が1〜10mm程度、特に1.2〜8mm程度、最も多くの場合1.5〜6mm程度の、球状、長球状、偏平球、板状、棒状、それらに類似する形状、不定形その他任意の形状のものを言い、別名チップとも呼ぶ。ペレットにする方法としては、溶融状態のプレポリマーを、ストランド状に押出し、ストランドカッターでペレタイズする方法、滴下ノズルを用いて液滴状に滴下し、固体、気体または液体と接触させて、ペレット化する方法、口金から気体又は液体中に押出とともにカッティングする方法などが挙げられる。ペレット化する際には、乾燥雰囲気で行うことが好ましく、水分に接触する場合はその時間をできるだけ短くすることが好ましい。
また、粉末にする方法としては、ミキサー、ブレンダー、ボールミルおよびハンマー粉砕機を用いて粉砕する方法が挙げられる。粉末の場合は、効率的に結晶化できるという点で、平均粒子径0.01〜5mmであることが好ましく、0.1〜1mmであることがより好ましい。
通常工業的にはペレットとすることがほとんどであるが、本発明の製造方法では、ペレットの形状として結晶化処理する場合に特に生産性に優れ、効果が高い。
また、結晶化されたプレポリマーの重量平均分子量は、5,000〜25,000とするものであり、10,000〜20,000がより好ましく、12,000〜20,000が特に好ましい。結晶化工程を経ても溶融重合直後の重量平均分子量がほぼ維持される。ポリ乳酸では、従来のポリエステルでの知見と異なり、重量平均分子量が高いと固相重合での反応性が低く、また到達分子量も低くなるが、一方、重量平均分子量が低すぎると固相重合で溶融するのを防ぐため低い固重温度を設定する必要があり生産性は低下する。本発明においては上記分子量範囲のプレポリマーを用いることで高い生産性を得ることができる。
また、本発明において、結晶化プレポリマーの融解エンタルピーΔHmは50〜65[J/g]とするものであり、53〜60がより好ましい。従来の固相重合では、結晶化度が高いと、すなわち融解エンタルピーが大きいと、固相重合での反応性が低下するとされていたが、本発明においては、融解エンタルピーが大きいほど固相重合での反応性が高くなる。結晶化プレポリマーの融解エンタルピーΔHmが上記好ましい範囲であると、結晶化度を高くしつつ固相重合での反応性を高く保つことができる。
また、結晶化プレポリマーの酸価A[mol/ton]は、次式(1)を満たすことが必要であり、好ましくは次式(5)、さらに好ましくは次式(6)を満たす。酸価が高すぎると固相重合工程で分解が促進され、小低すぎると反応性が低下するため、高分子量化や高融点化が困難となる。ここでいう酸価は、ポリマーの末端カルボキシル基とダイマーなどのオリゴマー、乳酸などの酸性化合物に由来するものであり、ポリマーの末端カルボキシル量は分子量に依存する。その中で、酸性化合物が多すぎると固相重合中に分解が生じるため、酸価は低くすることが好ましいが、一方低くすると重合反応性が低下する。本発明において、以下の式を満たす時に高い生産性が得られることが見出された。
450/(Mw/10,000−0.14)<A<950/(Mw/10,000−0.14) (1)
(Mwは結晶化プレポリマーの重量平均分子量)
500/(Mw/10,000−0.14)<A<900/(Mw/10,000−0.14) (5)
550/(Mw/10,000−0.14)<A<850/(Mw/10,000−0.14) (6)
また、ラクチド含有量Lは0.1〜3.0[wt%]であることが好ましく、0.5〜2.5[wt%]であることがより好ましい。ラクチド含有量をかかる好ましい範囲とすると、ポリマーの分子運動性を高める一方、分解により酸性化合物が生じるのを防ぐことができる。
また、結晶化プレポリマーがポリ−L−乳酸又はポリ−D−乳酸であり、ポリ−L−乳酸の場合にはD−乳酸含有量dが0.2〜2.0[mol%]であり、ポリ−D−乳酸の場合にはL−乳酸含有量lが0.2〜2.0[mol%]であることが好ましく、さらに、0.3〜1.5[mol%]であることがより好ましい。
なお、融解エンタルピーΔHmとは示差走査型熱量計(DSC)により測定される昇温融解ピークのエンタルピーであり、結晶化プレポリマーの酸価Aとはアルカリ溶液による中和滴定で測定されるカルボキシル末端基量であり、ラクチド含有量とはプロトン核NMRにより測定されるプレポリマー中の含有量であり、D−乳酸含有量dやL−乳酸含有量lとは液体クロマトグラフィーで測定される全乳酸成分中の含有量である。
次に、固相重合工程について説明する。
固相重合工程を少なくとも下記の2段階を含む条件で連続的に行うことが好ましい。
固相重合条件1:130℃〜155℃
固相重合条件2:155℃〜165℃
本発明において、固相重合工程は、プレポリマーの融点以下の温度で行うことが好ましく、高分子量および高融点を有し、色相にも優れるポリ乳酸系樹脂を効率的に得ることができるという点で、130〜165℃の温度で行うことが好ましく、135〜165℃の温度で行うことがより好ましく、140〜165℃の温度で行うことがさらに好ましい。中でも最終温度は155〜165℃であることが好ましく、160〜165℃がより好ましい。
また、固相重合工程の温度は、1段階でもよく、2段階以上の多段階でもよいが、短時間で高分子量化しやすく、色相にも優れるという点で、2段階以上の多段階とすることが好ましく、反応の進行とともに温度を段階的に上げることがより好ましく、例えば、130〜155℃の温度で反応を行った後、155〜165℃の温度で反応を行う方法などが挙げられる。なお、段毎の温度上昇幅は15℃以下が好ましく、10℃以下がより好ましく、5℃以下がさらに好ましい。
本発明において、高分子量および高融点を有し、熱安定性および色相にも優れるポリ乳酸系樹脂を効率的に得ることができるという点で、固相重合工程は、1〜100時間の反応時間で行うことが好ましく、色相にも優れるポリ乳酸系樹脂を効率的に得ることができるという点で、3〜80時間の反応時間で行うことが好ましく、5〜50時間の反応時間で行うことがより好ましく、10〜30時間の反応時間で行うことがさらに好ましい。
また、固相重合工程の温度を2段階以上の多段階で行う場合は、例えば、第1段階として130〜150℃の温度で1〜50時間、第2段階として150〜165℃の温度で1〜50時間で行う方法が挙げられ、短時間で高分子量化しやすく、色相にも優れるという点で、第1段階として120〜140℃の温度で1〜10時間、第2段階として140〜155℃の温度で1〜10時間、第3段階として155〜165℃の温度で10〜30時間で行うことがより好ましい。なお、温度を2段階以上の多段階で行う場合であっても、固相重合工程の反応時間の合計は、1〜100時間とするのが好ましい。
なお、上記のような各段階で温度を一定に維持する方式の多段階で昇温するのに代えて、連続的に昇温してもよい。例えば、140℃から160℃まで20時間かけて、すなわち毎時1℃で昇温させた後に160℃で維持する方法などが挙げられる。連続的に昇温する場合の昇温速度は毎時10℃以下であることが好ましい。
本発明において、固相重合工程において、圧力条件は特に限定されることはなく、減圧条件、常圧条件および加圧条件のいずれでもよいが、高分子量を有するポリ乳酸系樹脂を効率的に得ることができるという点で、減圧条件または常圧条件であることが好ましい。減圧条件で行う場合には、0.13〜1,300Paの圧力で行うことが好ましい。また、1〜1,000Paの圧力で行うことが好ましく、10〜900Paの圧力で行うことがより好ましく、100〜800Paの圧力で行うことがさらに好ましく、500〜700Paの圧力で行うことが特に好ましい。また、固相重合工程の圧力は、1段階でもよく、2段階以上の多段階でもよいが、2段階以上の多段階とすることが好ましく、例えば、700〜1,300Paの圧力で反応を行った後、0.13〜700Paの圧力で反応を行う方法などが挙げられる。常圧条件で行う場合には、乾燥窒素などの不活性気体気流下で行うことが好ましく、流量としてはプレポリマー1kgあたり0.01〜200L/minが好ましく、0.1〜150L/minがさらに好ましく、0.5〜100L/minが特に好ましい。
本発明において、固相重合工程に用いる結晶化プレポリマーの形状は、特に限定されるものではなく、塊状、フィルム、ペレットおよび粉末などいずれでもよいが、ペレットまたは粉末の形状とすることが好ましい。ペレットとは、ポリマーの成型された小粒子で、例えば最大径が1〜10mm程度、特に1.2〜8mm程度、最も多くの場合1.5〜6mm程度の、球状、長球状、偏平球、板状、棒状、それらに類似する形状、不定形その他任意の形状のものを言い、別名チップとも呼ぶ。粉末の場合は、効率的に固相重合できるという点で、平均粒子径0.01〜5mmであることが好ましく、0.1〜1mmであることがより好ましい。通常工業的にはペレットとすることがほとんどであるが、本発明の製造方法では、ペレットの形状として固相重合する場合に特に生産性に優れ、効果が高い。
本発明において、固相重合工程は、回分法でも連続法でもよく、また、反応槽は、撹拌槽型反応槽、ミキサー型反応槽および塔型反応槽などを用いることができ、これらの反応槽は2種以上組み合わせて使用することができる。また、生産性の点からは連続法で行うことが好ましい。
本発明の方法により得られるポリ乳酸系樹脂の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、100,000以上であることが、機械物性の点で好ましい。特に成形性および機械物性に優れるという点で、100,000〜1200,000であることが好ましく、120,000〜300,000であることがより好ましく、140,000から250,000であることがさらに好ましい。なお、重量平均分子量とは、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリメチルメタクリレート換算の重量平均分子量の値である。
また、数平均分子量に対する重量平均分子量の比は1.4〜3であることがポリマー物性の均一性の点から好ましく、より好ましくは1.5〜2.5である。また、窒素気流下200℃で20分保持した時の重量減少率は0.6%以下であることが、耐熱性に優れるという点で好ましく、より好ましくは0.4%以下である。
固相重合後の酸化数が+5以上の硫黄を有する硫黄含有化合物の含有量は、硫黄原子換算で生成ポリマー対比10〜4,000ppmであることが好ましく、30〜3,000ppmであることが好ましく、40〜2,000ppmがさらに好ましく、50〜500ppmが特に好ましい。
固相重合後の酸化数が+5以上の硫黄を有する硫黄含有化合物の残存率は0〜90%であることが好ましく、1〜50%であることがさらに好ましく、5〜30%であることが特に好ましい。ここでいう残存率(R)とは、重合反応前後の触媒である酸化数が+5以上の硫黄を有する硫黄含有化合物の濃度変化の尺度であり、下記式(7)〜(9)で示される。
R[%]=Ca[ppm]/Cb[ppm]×100 (7)
(Cb:式(8)により算出される添加された触媒が全てポリマー中に残存する場合の理論触媒濃度、Ca:式(9)により算出される重合反応後のポリマー中に残存する実際の触媒濃度)
Cb[ppm]=Wb[g]/Wp[g]×10 (8)
(Wb:重合工程に添加された触媒の重量、Wp:重合反応後のポリマーの重量)
Ca[ppm]=Wa[g]/Wp[g]×10 (9)
(Wb:重合反応後のポリマー中触媒の重量、Wp:重合反応後のポリマーの重量)
また、錫化合物、チタン化合物、鉛化合物、亜鉛化合物、コバルト化合物、鉄化合物、リチウム化合物、希土類化合物を用いる場合には、固相重合後の総金属モル量に対する酸化数が+5以上の硫黄を有する硫黄含有化合物の硫黄原子モル量との比は、3.0〜50であることが、金属化合物と酸化数が+5以上の硫黄を有する硫黄含有化合物との相互作用の点で好ましく、より好ましくは4.0〜40である。
本発明においては、熱安定性に優れる脂肪族ポリエステルを得るために、溶融重合工程開始時、溶融重合工程中または固相重合終了後において、安定剤を添加することが好ましい。
本発明でいう安定剤としては、酸化数が+5未満の硫黄を有する硫黄含有化合物、リン系化合物、芳香族ケトン化合物、芳香族環を有する炭化水素化合物、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオール、脂環式炭化水素化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ビタミン系化合物、トリアゾール系化合物、ヒドラジン誘導体系化合物などが挙げられ、これらを併用して用いてもよい。
酸化数が+5未満の硫黄を有する硫黄含有化合物の具体例としては、ジフェニルスルホン、ジトリルスルホン、ジベンジルスルホン、メチルフェニルスルホン、エチルフェニルスルホン、プロピルフェニルスルホン、メチルトリルスルホン、エチルトリルスルホン、プロピルフェニルスルホン、ベンジルフェニルスルホン、フェニルトリルスルホン、ベンジルトリルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(トリルスルホニル)メタン、ビス(ベンジルスルホニル)メタン、亜硫酸、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、硫黄、ジラウリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−オクタデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ミリスチルチオプロピオネート)、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ステアリルチオプロピオネート)などが挙げられる。酸化数が+5未満の硫黄を有する硫黄含有化合物の具体的な商品名としては、(株)ADEKA製“アデカスタブ”AO−23、AO−412S、AO−503A、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製“イルガノックス”PS802、住友化学工業(株)製“スミライザー”TPL−R、TPM、TPS、TP−D、(株)エーピーアイコーポレーション製DSTP、DLTP、DLTOIB、DMTP、シプロ化成(株)製“シーノックス”412S、サイアナミド社製“サイアノックス”1212などが挙げられる。
リン系化合物のうち、有機リン化合物としては、例えば、ホスファイト系化合物、ホスフェート系化合物が挙げられる。かかるホスファイト系化合物の具体例としては、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−1,6−ヘキサメチレン−ビス(N−ヒドロキシエチル−N−メチルセミカルバジド)−ジホスファイト、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−1,10−デカメチレン−ジ−カルボキシリックアシッド−ジ−ヒドロキシエチルカルボニルヒドラジド−ジホスファイト、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−1,10−デカメチレン−ジ−カルボキシリックアシッド−ジ−サリシロイルヒドラジド−ジホスファイト、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−ジ(ヒドロキシエチルカルボニル)ヒドラジド−ジホスァイト、テトラキス[2−t−ブチル−4−チオ(2′−メチル−4′−ヒドロキシ−5′−t−ブチルフェニル)−5−メチルフェニル]−N,N′−ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド−ジホスファイトなどが挙げられるが、少なくとも1つのP−O結合が芳香族基に結合しているものがより好ましく、具体例としては、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4′−ビフェニレンホスフォナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシル)ホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ジトリデシルホスファイト−5−t−ブチル−フェニル)ブタン、トリス(ミックスドモノおよびジ−ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、4,4′−イソプロピリデンビス(フェニル−ジアルキルホスファイト)などが挙げられ、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4′−ビフェニレンホスホナイト、9,10−ジハイドロー9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサイド、亜リン酸トリイソデシルなどが好ましく使用できる。ホスファイト系化合物の具体的な商品名としては、(株)ADEKA製“アデカスタブ” C、PEP−4C、PEP−8、PEP−11C、PEP−24G、PEP−36、HP−10、2112、260、522A、329A、1178、1500、C、135A、3010、TPP、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製“イルガフォス”168、住友化学工業(株)製“スミライザー”P−16、クラリアント社製“サンドスタブ” P−EPQ、GE社製“ウエストン”618、619G、624、三光(株)製SANKO−HCAなどが挙げられる。
ホスフェート系化合物の具体例としては、モノステアリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェート、メチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェートなどが挙げられ、中でも、モノステアリルアシッドホスフェート、ジステアリルアシッドホスフェートが好ましい。ホスフェート系化合物の具体的な商品名としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製“イルガノックス”MD1024、イーストマン・コダック社製“インヒビター”OABH、(株)ADEKA製“アデカスタブ”CDA−1、CDA−6、AX−71などを挙げることができる。
リン系化合物のうち、無機リン化合物としては、例えば、リン酸系化合物、亜リン酸系化合物、次亜リン酸系化合物が挙げられる。かかるリン酸系化合物の具体例としては、リン酸、二リン酸、三リン酸、リン酸リチウム、リン酸ベリリウム、リン酸ナトリウム、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸カリウム、リン酸カルシウムなどが挙げられ、亜リン酸系化合物の具体例としては亜リン酸、亜リン酸リチウム、亜リン酸ベリリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸アルミニウム、亜リン酸カリウム、亜リン酸カルシウムなどが挙げられ、次亜リン酸系化合物の具体例としては次亜リン酸、次亜リン酸リチウム、次亜リン酸ベリリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リン酸アルミニウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸カルシウムなどが挙げられる。
芳香族ケトン化合物の具体例としては、1,4−ジベンゾイルベンゼン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、プロピオフェノン、ベンゾイルナフタレンなどがあげられる。
芳香族環を有する炭化水素化合物の具体例としては、トリフェニルメタン、ジフェニルメタン、トルエンなどがあげられる。
脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、シュウ酸、コハク酸、ブタン酸、アジピン酸、ペンタン酸などがあげられる。
脂肪族ジオールの具体例としては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、スピログリコール、イソソルビドなどがあげられる。
脂環式炭化水素化合物の具体例としては、1,2−ジメチルシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、1,2,4−トリメチルシクロヘキサン、1,2−ジエチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、1,2,4−トリエチルシクロヘキサン、1,2−ジプロピルシクロヘキサン、プロピルシクロヘキサン、1,2,4−トリプロピルシクロヘキサンなどがあげられる。
ヒンダードフェノール系化合物の具体例としては、n−オクタデシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3′−メチル−5′−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、2,2′−メチレンビス−(4−メチル−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N′−ビス−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N′−テトラメチレン−ビス−3−(3′−メチル−5′−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N′−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル]ヒドラジン、N−サリチロイル−N′−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N,N′−ビス[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]オキシアミド、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド等をあげることができる。好ましくは、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイドである。ヒンダードフェノール系化合物の具体的な商品名としては、(株)ADEKA製“アデカスタブ”AO−20,AO−30,AO−40,AO−50,AO−60,AO−70,AO−80,AO−330、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製“イルガノックス”245,259,565,1010,1035,1076,1098,1222,1330,1425,1520,3114,5057、住友化学工業(株)製“スミライザー”BHT−R、MDP−S、BBM−S、WX−R、NW、BP−76、BP−101、GA−80、GM、GS、サイアナミド社製“サイアノックス”CY−1790などが挙げられる。
ビタミン系化合物の具体例としては、酢酸d−α−トコフェロール、コハク酸d−α−トコフェロール、d−α−トコフェロール、d−β−トコフェロール、d−γ−トコフェロール、d−δ−トコフェロール、d−α−トコトリエノール、d−β−トコフェトリエノール、d−γ−トコフェトリエノール、d−δ−トコフェトリエノールなどの天然品、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロールカルシウム、ニコチン酸dl−α−トコフェロールなどの合成品を挙げることができる。ビタミン系化合物の具体的な商品名としては、エーザイ(株)製“トコフェロール”、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製“イルガノックス”E201などが挙げられる。
トリアゾール系化合物の具体例としては、ベンゾトリアゾール、3−(N−サリシロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾールなどが挙げられる。
ヒドラジン誘導体系化合物の具体例としては、デカメチレンジカルボキシリックアシッド−ビス(N′−サリシロイルヒドラジド)、イソフタル酸ビス(2−フェノキシプロピオニルヒドラジド)、N−ホルミル−N′−サリシロイルヒドラジン、2,2−オキザミドビス−[エチル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロオキシフェニル)プロピオネート]、オギザリル−ビス−ベンジリデン−ヒドラジド、ニッケル−ビス(1−フェニル−3−メチル−4−デカノイル−5−ピラゾレート)、2−エトキシ−2′−エチルオキサニリド、5−t−ブチル−2−エトキシ−2′−エチルオキサニリド、N,N−ジエチル−N′,N′−ジフェニルオキサミド、N,N′−ジエチル−N,N′−ジフェニルオキサミド、オキサリックアシッド−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、チオジプロピオニックアシッド−ビス(ベンジリデンヒドラジド)、ビス(サリシロイルヒドラジン)、N−サリシリデン−N′−サリシロイルヒドラゾン、N,N′−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、N,N′−ビス[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]オキサミドなどが挙げられる。
以上挙げた中でもt−ブチル基を有しないものが好ましい。中でも、酸化数が+5未満の硫黄を有する硫黄含有化合物、リン系化合物、芳香族ケトン化合物、芳香族環を有する炭化水素化合物、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオール、脂環式炭化水素化合物から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。酸化数が+5未満の硫黄を有する硫黄含有化合物としては、ジフェニルスルホン、亜硫酸、亜硫酸ナトリウム、硫黄、住友化学工業(株)製“スミライザー”TPD(ペンタエリスリトールテトラキス(β−ラウリル−チオ−プロピオネート))が好ましい。リン系化合物のうち、無機リン化合物としてはリン酸系化合物、亜リン酸系化合物、また、有機リン化合物としてはホスフェート系化合物、ホスファイト系化合物であることがさらに好ましい。具体例のさらなる好ましい例としては、無機リン化合物としてはリン酸、亜リン酸、リン酸ナトリウム、亜リン酸ナトリウムであり、有機リン化合物としては(株)ADEKA製“アデカスタブ”AX−71(ジオクタデシルホスフェート)、PEP−8(ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト)、PEP−36(サイクリックネオペンタテトライルビス(2,6―t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト)、HP−10(2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチル−1−フェニルオキシ)(2−エチルヘキシルオキシ)ホスホラス)、PEP−24G(ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト)、3010(亜リン酸トリイソデシル)、TPP(亜リン酸トリフェニル)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製“イルガフォス”168(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト)、三光(株)製HCA(9,10−ジハイドロー9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサイド)である。また、中でも芳香族環を構成する炭素原子にリン原子が直接結合しているリン化合物が好ましく、中でも三光(株)製HCA(9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−フォスファフェナントレン−10−オキサイド)が好ましい。
芳香族ケトン化合物として特に好ましいのは1,4−ジベンゾイルベンゼン、ベンゾフェノンであり、芳香族環を有する炭化水素化合物としてはトリフェニルメタン、脂肪族ジカルボン酸としてはシュウ酸、脂肪族ジオールとしてはヘキサンジオール、脂環式炭化水素化合物としては1,2−ジメチルシクロヘキサンが特に好ましい。
安定剤の添加量は、特に限定されないが、熱安定性に優れるという点で、ポリ乳酸系樹脂100重量部に対して、0.001〜2重量部であることが好ましく、0.01〜1重量部であることがより好ましく、0.05〜0.5重量部であることがさらに好ましく、0.08〜0.3重量部であることが最も好ましい。安定剤の添加時期は、特に限定されず、溶融重合工程および固相重合工程のそれぞれの開始前および終了後のいずれでもよいが、高融点、高分子量のポリ乳酸系樹脂を得ることができるという点で、溶融重合工程の段階において、添加する場合、生産性に優れるという点で、前記した溶融重合条件1(140℃〜160℃、13.3〜66.6kPa)の終了直前または、前記した溶融重合条件2(160℃〜180℃、1.3〜6.5kPa)の開始時に添加することがより好ましく、溶融重合条件1の終了直前および溶融重合条件2の開始時にそれぞれ添加することがさらに好ましい。なお、溶融重合条件2の開始時に添加する場合は、安定剤を添加した後に、固相重合用の触媒を添加することが好ましい。溶融重合条件1、または、溶融重合条件2のそれぞれの段階において添加する場合は、ポリ乳酸系樹脂100重量部に対して、0.001〜1重量部ずつ添加することが好ましく、生産性に優れるという点で、0.01〜0.5重量部ずつ添加することがより好ましく、0.01〜0.1重量部ずつ添加することがさらに好ましい。
また、熱安定性に優れるポリ乳酸系樹脂を得ることができるという点で、固相重合工程の終了後に安定剤を添加することも好ましい。その場合、安定剤を添加する方法は、特に限定されず、ポリ乳酸系樹脂の融点以上で溶融混練する方法や溶媒に溶解させて混合した後、溶媒を除去する方法等を挙げることができるが、効率的に製造することができるという点で、ポリ乳酸系樹脂の融点以上で溶融混練する方法が好ましい。なお、溶融混練する方法としては、回分法でも連続法でもよく、装置としては、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機、プラストミル、ニーダーおよび減圧装置付き撹拌型反応器などを用いることができ、効率的に均一に混練することができるという点で、単軸押出機または二軸押出機を用いることが好ましい。安定剤を添加する温度は、180〜250℃の温度が好ましく、機械物性に優れるという点で、190〜230℃の温度がより好ましい。安定剤を添加する圧力は、減圧、常圧および加圧のいずれでもよく、溶融混練時に発生ガスを除去できるという点で、減圧とすることが好ましい。溶融混練時の雰囲気条件としては、大気雰囲気下または窒素などの不活性気体雰囲気下のいずれでもよいが、溶融混練時に発生するガス量を低減できるという点で、不活性気体雰囲気下で行うことが好ましい。
溶媒中で混合する場合には、ポリマーおよびモノマーを溶解する溶媒を用いる。溶媒としては、たとえば、クロロホルム、塩化メチレンおよびアセトニトリルなどを用いることができる。混合後に溶媒を除去する必要がある場合に溶媒を除去する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、室温で溶媒を揮発させる方法および減圧下で溶媒の沸点以上の温度で溶媒を揮発させる方法などを用いることができる。
本発明においては、さらに耐加水分解性を向上させるという点で、溶融重合工程開始時から固相重合工程終了後のいずれかの段階において、アミン化合物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物から選ばれる少なくとも1種を添加することが好ましい。重合触媒、特に酸を有する触媒が残存している場合、その残存触媒による溶融混練時および溶融成形時でのポリ乳酸系樹脂の加水分解を抑制し、耐加水分解性を向上することができる。
アミン化合物の具体例としては、メチルエチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルプロピルアミン、エチルアミン、イソアミルアミン、ブチルアミン、プロピルアミン、エチレンジアミン、ブタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,2,3−トリアミノプロパン、テトラエチルアンモニウムハイドロキサイド、アニリン、ナフチルアミン、ナフタレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、ベンゼンジアミン、ベンジジン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルメタン、ジベンジルアミン、ジドデシルアミン、ピリミジン、2−アミノピリミジン、2−アミノ−4−メチル−6−メトキシピリミジン、ピリミジン−2,4,6−トリアミン、N−(2−アミノエチル)−N−ピリミジン−2−イルアミン、6−t-ブチルピリミジン−4−アミン、4,6−ジメトキシ−5−フェニルピリミジン−2−アミン、2−エトキシピリミジン−4,6−ジアミン、5−フェニルピリミジン−4−アミン3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、エチレンジアミン−テトラアセチックアシッド、エチレンジアミン−テトラアセチックアシッドのアルカリ金属塩(Li,Na,K)塩、N,N′−ジサリシリデン−エチレンジアミン、N,N′−ジサリシリデン−1,2−プロピレンジアミン、N,N′′−ジサリシリデン−N′−メチル−ジプロピレントリアミン、3−サリシロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、N、N、N′-トリメチルエチレンジアミンが挙げられ、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルアセトキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−フェノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(エチルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(フェニルカルバモイルオキシ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−カーボネイト、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−オキサレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−マロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−テレフタレート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−エタン、α、α′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)−p−キシレン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルトリレン−2,4−ジカルバメート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ヘキサメチレン−1,6−ジカルバメート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−ベンゼン−1,3,4−トリカルボキシレート、1−[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}ブチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β′,β′,−テトラメチル−3,9−[2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]ジエタノールとの縮合物、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジンの重縮合物などのヒンダードアミン化合物も挙げられ、3,9−ビス[2−(3,5−ジアミノ−2,4,6−トリアザフェニル)エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、エチレンジアミン−テトラアセチックアシッド、エチレンジアミン−テトラアセチックアシッドのアルカリ金属塩(Li,Na,K)塩、N,N′−ジサリシリデン−エチレンジアミン、N,N′−ジサリシリデン−1,2−プロピレンジアミン、N,N′′−ジサリシリデン−N′−メチル−ジプロピレントリアミン、3−サリシロイルアミノ−1,2,4−トリアゾールなどの多価アミンも挙げられ、中でも芳香族アミン化合物、炭素数4以上のアルキルアミン化合物、ピリミジン骨格を有するアミン化合物を少なくとも1種含むことが好ましい。
アルカリ金属化合物の具体例としては、リチウムイソプロポキシド 、塩化リチウム、酢酸リチウム、乳酸リチウム、オクチル酸リチウム、ステアリン酸リチウム、ナフテン酸リチウム、炭酸t-ブチルリチウム、硫酸リチウム、酸化リチウム等のリチウム化合物、ナトリウムイソプロポキシド 、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、オクチル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ナフテン酸ナトリウム、炭酸t-ブチルナトリウム、硫酸ナトリウム、酸化ナトリウム等のナトリウム化合物、カリウムイソプロポキシド 、塩化カリウム、酢酸カリウム、乳酸カリウム、オクチル酸カリウム、ステアリン酸カリウム、ナフテン酸カリウム、炭酸t-ブチルカリウム、硫酸カリウム、酸化カリウム等のカリウム化合物が挙げられ、中でも炭素数4以上の有機カルボン酸アルカリ金属化合物を少なくとも1種含むことが好ましい。
アルカリ土類金属化合物の具体例としては、マグネシウムジイソプロポキシド 、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム等のマグネシウム化合物、ジイソプロポキシカルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、オクチル酸カルシウム、ナフテン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、硫酸カルシウム等のカルシウム化合物、ジイソプロポキシバリウム、塩化バリウム、酢酸バリウム、オクチル酸バリウム、ナフテン酸バリウム、乳酸バリウム、ステアリン酸バリウム、硫酸バリウム等のバリウム化合物が挙げられ、中でも炭素数4以上の有機カルボン酸アルカリ土類金属化合物を少なくとも1種含むことが好ましい。
アミン化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属の添加量は、特に限定されないが、耐加水分解性に優れるという点で、ポリ乳酸系樹脂100重量部に対して、0.001〜2重量部であることが好ましく、0.01〜1重量部であることがより好ましく、0.05〜0.5重量部であることがさらに好ましく、0.08〜0.3重量部であることが最も好ましい。また、アミン化合物を用いる場合には、固相重合後のポリマー中において、触媒である酸化数が+5以上の硫黄を有する硫黄含有化合物の硫黄原子モル量に対するアミン化合物の窒素原子モル量の比が0.3〜0.9であることが好ましく、0.4〜0.8であることがより好ましい。アミン化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属の添加時期は、特に限定されず、溶融重合工程および固相重合工程のそれぞれの開始前および終了後のいずれでもよいが、高融点、高分子量のポリ乳酸系樹脂を得ることができるという点で、溶融重合工程の段階において、添加することが好ましく、生産性に優れるという点で、前記した溶融重合条件1(140℃〜160℃、13.3〜66.6kPa)の終了直前または、前記した溶融重合条件2(160℃〜180℃、1.3〜6.5kPa)の開始時に添加することがより好ましく、溶融重合条件1の終了直前および溶融重合条件2の開始時にそれぞれ添加することがさらに好ましい。また、同じく生産性に優れるという点で、触媒である酸化数が+5以上の硫黄を有する硫黄含有化合物の添加後に、添加することが好ましい。なお、溶融重合工程の条件2の開始時に添加する場合は、アミン化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属を添加した後に、固相重合用の触媒を添加することが好ましい。溶融重合条件1、または、溶融重合条件2のそれぞれの段階において添加する場合は、ポリ乳酸系樹脂100重量部に対して、0.001〜1重量部ずつ添加することが好ましく、生産性に優れるという点で、0.01〜0.5重量部ずつ添加することがより好ましく、0.01〜0.1重量部ずつ添加することがさらに好ましい。また、耐加水分解性に優れるポリ乳酸系樹脂を得ることができるという点で、固相重合工程の終了後に添加することも好ましい。アミン化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属を添加する方法は、特に限定されず、ポリ乳酸系樹脂の融点以上で溶融混練する方法や溶媒に溶解させて混合した後、溶媒を除去する方法等を挙げることができる。効率的に製造することができるという点で、ポリ乳酸系樹脂の融点以上で溶融混練する方法が好ましい。なお、溶融混練する方法としては、回分法でも連続法でもよく、装置としては、単軸押出機、二軸押出機、多軸押出機、プラストミル、ニーダーおよび減圧装置付き撹拌型反応器などを用いることができ、効率的に均一に混練することができるという点で、単軸押出機または二軸押出機を用いることが好ましい。アミン化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属を添加する温度は、180〜250℃の温度が好ましく、機械物性に優れるという点で、190〜230℃の温度がより好ましい。アミン化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属を添加する圧力は、減圧、常圧および加圧のいずれでもよく、溶融混練時に発生ガスを除去できるという点で、減圧とすることが好ましい。溶融混練時の雰囲気条件としては、大気雰囲気下または窒素などの不活性気体雰囲気下のいずれでもよいが、溶融混練時に発生するガス量を低減できるという点で、不活性気体雰囲気下で行うことが好ましい。
溶媒中で混合する場合には、ポリマーおよびモノマーが溶解する溶媒を用いる。溶媒としては、たとえば、クロロホルム、塩化メチレンおよびアセトニトリルなどを用いることができる。混合後に溶媒を除去する必要がある場合に溶媒を除去する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、室温で溶媒を揮発させる方法および減圧下で溶媒の沸点以上の温度で溶媒を揮発させる方法などを用いることができる。
本発明において調製する結晶化ポリ乳酸系プレポリマーは、重量平均分子量は5,000〜25,000とするものであり、10,000〜20,000が好ましい。また、融解エンタルピーはΔHmが50〜65[J/g]であり、53〜60がより好ましい。
また、結晶化プレポリマーの酸価A[mol/ton]は次式(1)を満たすことが必要であり、好ましくは次式(5)、さらに次式(6)を満たすのが好ましい。
450/(Mw/10,000−0.14)<A<950/(Mw/10,000−0.14) (1)
(Mwは結晶化プレポリマーの重量平均分子量)
500/(Mw/10,000−0.14)<A<900/(Mw/10,000−0.14) (5)
550/(Mw/10,000−0.14)<A<850/(Mw/10,000−0.14) (6)
また、ラクチド含有量Lは0.1〜3.0[wt%]であることが好ましく、0.5〜2.5[wt%]であることがより好ましい。
また、結晶化プレポリマーがポリ−L−乳酸又はポリ−D−乳酸であり、ポリ−L−乳酸の場合にはD−乳酸含有量dが0.2〜2.0[mol%]であることが好ましく、0.3〜1.5[mol%]であることがより好ましく、ポリ−D−乳酸の場合にはL−乳酸含有量lが0.2〜2.0[mol%]であることが好ましく、0.3〜1.5[mol%]であることがより好ましい。
また、数平均分子量に対する重量平均分子量の比は1.2〜3であることがポリマー物性の均一性の点から好ましく、より好ましくは1.4〜2.5である。
なお、重量平均分子量、数平均分子量とは、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノールを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリメチルメタクリレート換算の重量平均分子量、数平均分子量の値であり、融解エンタルピーΔHmとは示差走査型熱量計(DSC)により測定される昇温融解ピークのエンタルピーであり、酸価Aとはアルカリ溶液による中和滴定で測定されるカルボキシル末端基量であり、ラクチド含有量とはプロトン核NMRにより測定されるプレポリマー中の含有量であり、D−乳酸含有量dやL−乳酸含有量lとは液体クロマトグラフィーで測定される全乳酸成分中の含有量である。
本発明の結晶化ポリ乳酸系プレポリマーは、前述のように、乳酸を主原料とし、錫系の有機カルボン酸塩、または、錫化合物及びメタンスルホン酸を触媒として、直接重縮合で得たプレポリマーを70〜130℃の結晶化処理温度で結晶化を行い、かつ結晶化工程の温度を2段階以上の多段階でかつ第2段階以上を窒素気流中で結晶化したものが好ましい。
本発明の製造方法により得られるポリ乳酸系樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、通常の添加剤、例えば、充填剤(ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、天然繊維、有機繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、セラミックスファイバー、セラミックビーズ、アスベスト、ウォラストナイト、タルク、クレイ、マイカ、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、モンモリロナイト、合成マイカ、ドロマイト、カオリナイト、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、石膏、ノバキュライト、ドーソナイトまたは白土など)、紫外線吸収剤(レゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、滑剤、離形剤(モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料(ニグロシンなど)および顔料(硫化カドミウム、フタロシアニンなど)を含む着色剤、着色防止剤(亜リン酸塩、次亜リン酸塩など)、難燃剤(赤燐、燐酸エステル、ブロム化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリカーボネート、水酸化マグネシウム、メラミンおよびシアヌール酸またはその塩など)、導電剤あるいは着色剤(カーボンブラックなど)、摺動性改良剤(グラファイト、フッ素樹脂など)、結晶核剤(タルクなどの無機系核剤、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビス−12−ジヒドロキシステアリン酸アミドおよびトリメシン酸トリシクロヘキシルアミドなどの有機アミド系化合物、銅フタロシアニンおよびピグメントイエロー110などの顔料系核剤、有機カルボン酸金属塩、フェニルホスホン酸亜鉛など)、帯電防止剤などの1種または2種以上を添加することができる。
また、本発明の製造方法により得られるポリ乳酸系樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリエーテルイミドなど)または熱硬化性樹脂(例えば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂など)または軟質熱可塑性樹脂(例えば、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、エチレン/プロピレンターポリマー、エチレン/ブテン−1共重合体など)などの少なくとも1種以上をさらに含有することができる。
本発明の製造方法により得られるポリ乳酸系樹脂組成物は、成形品などに加工する際に、一旦熱溶融させて固化した後も、高分子量を有し、好ましい態様においては、高い耐熱性を有し、熱安定性および色相にも優れるポリ乳酸系樹脂を形成しやすい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ここで、実施例中の部数は、重量部を示す。
本発明で用いた測定方法および判定方法を以下に示す。
(1)重量平均分子量
溶媒にヘキサフルオロイソプロパノールを用いゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、標準ポリメチルメタクリレート換算の重量平均分子量の値である。
(2)酸価
ポリマーをo−クレゾール/クロロホルム混合溶媒(体積比2:1)に溶解させ、これを濃度既知の水酸化カリウム/エタノール溶液で中和滴定し、酸価を測定した。
(3)固相重合前の融解エンタルピー
示差走査型熱量計(DSC)により窒素雰囲気下中、30℃から速度20℃/minで200℃まで昇温し、融解エンタルピーを測定した。
(4)固相重合後の融点
示差走査型熱量計(DSC)により窒素雰囲気下中、200℃で2分間保持後、速度20℃/minで30℃まで降温し、その後速度20℃/minで200℃まで昇温し、融点を測定した。
(5)D体量
ポリマーを水酸化ナトリウム溶液下で加水分解し、その後塩酸で中和し、次いで光学分割カラムを取り付けた液体クロマトグラフィーにより測定した。
(6)ラクチド含有量
ポリマーを重クロロホルムに溶解させ、プロトン核NMRで測定し、ラクチドとポリマー由来のピークの面積比より計算した。
(7)色相
目視判断より、下記基準を用いて判断した。
5:無着色
4:3と5の中間
3:薄黄色に着色
2:1と3の中間
1:黄色に着色。
[実施例1]
撹拌装置、還流装置のついた反応容器中に、90wt%L−乳酸(D体量0.4%、和光純薬工業(株)製)水溶液100重量部を入れ、触媒として酢酸錫(II)(関東化学(株)製)をL−乳酸(原料に共存する水を除く)に対して錫原子換算で120ppm、メタンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)をL−乳酸(原料に共存する水を除く)に対して硫黄原子換算で1,100ppmとなるように加え、温度を155℃にした後、徐々に減圧して700Paとし、水を除去しながら3.5時間反応させた後、温度175℃、圧力400Paで、7時間重合反応させ、重量平均分子量が1.47万のプレポリマーを得た。このプレポリマーを外気に触れることなく窒素雰囲気下のベルト上に滴下、冷却し、直径3mmの球状のペレットを得た後、速やかに窒素ガス中80℃で1時間、100℃で1時間、さらに120℃で1時間結晶化させた。この結晶化プレポリマーの酸価は452[mol/ton]、融解エンタルピーは55.3[J/g]であった。続いて、速やかに50Paの圧力下、140℃から160℃まで20時間で連続的に昇温させ(昇温速度毎時1℃)、160℃で20時間固相重合を行った。さらに得られたポリ乳酸系樹脂100重量部に、ステアリルアシッドホスフェート0.2重量部を混合し、2軸押出機を用いて190℃で溶融混練を行った。得られたポリ乳酸系樹脂の特性について、表1に示す。
[実施例2〜12、比較例1〜8、参考例1〜3]
溶融重合条件、プレポリマーの結晶化条件、固相重合条件を表1と2に示すようにした以外は、実施例1と同様に行った。結果を表1と2に示す。なお、参考例3では固相重合の昇温時間を25時間に延ばした。また、比較例2〜8においては、ペレットの製造を大気中で行った。
Figure 0005949881
Figure 0005949881
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本発明の製造方法により得られるポリ乳酸系樹脂組成物は、成形品として広く用いることができる。成形品としては、例えば、フィルム、シート、繊維・布、不織布、射出成形品、押出し成形品、真空圧空成形品、ブロー成形品、および他の材料との複合体などが挙げられ、これらの成形品は、農業用資材、園芸用資材、漁業用資材、土木・建築用資材、文具、医療用品、自動車用部品、電気・電子部品またはその他の用途として有用である。

Claims (8)

  1. 乳酸を主原料として、錫系の有機カルボン酸塩、または、錫化合物及びメタンスルホン酸を触媒として、直接重縮合ならびに70〜130℃の結晶化処理温度で結晶化を行い、かつ結晶化工程の温度を2段階以上の多段階でかつ第2段階以上を窒素気流中で結晶化することにより、重量平均分子量が5,000〜25,000、融解エンタルピーΔHmが50〜65[J/g]、酸価A[mol/ton]が次式(1)を満たし、最大径が1.5〜6mmの結晶化プレポリマーペレットを調製し、前記結晶化プレポリマーペレットを固相重合するポリ乳酸系樹脂の製造方法。
    450/(Mw/10,000−0.14)<A<950/(Mw/10,000−0.14) (1)
    (Mwは結晶化プレポリマーの重量平均分子量)
  2. 結晶化工程の温度を3段階で行い、かつ第1段階として70〜90℃の温度、第2段階として90〜110℃の温度、第3段階として110〜130℃の温度で行うことを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸系樹脂の製造方法。
  3. 結晶化プレポリマーのラクチド含有量Lが0.1〜3.0[wt%]である請求項1または2記載のポリ乳酸系樹脂の製造方法。
  4. 結晶化プレポリマーがポリL乳酸又はポリD乳酸であり、ポリL乳酸の場合にはD−乳酸含有量dが0.2〜2.0[mol%]であり、ポリD乳酸の場合にはL−乳酸含有量lが0.2〜2.0[mol%]である請求項1〜3記載のポリ乳酸系樹脂の製造方法。
  5. 結晶化プレポリマーの融解エンタルピーΔHmが53[J/g]以上である請求項1〜4のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂の製造方法。
  6. 結晶化プレポリマーの酸価A[mol/ton]が次式(2)を満たす請求項1〜5のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂の製造方法。
    550/(Mw/10,000−0.14)<A<850/(Mw/10,000−0.14) (2)
  7. 固相重合の昇温速度が毎時10℃以下である請求項1〜6のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂の製造方法。
  8. 固相重合の最終温度が155〜165℃である請求項1〜7のいずれかに記載のポリ乳酸系樹脂の製造方法。
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