JPWO2013002099A1 - 部品供給装置 - Google Patents
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Abstract
Description
したがって、製品組立の自動化を推進するためには、組立装置に供給する部品を、何らかの手段で位置姿勢を揃える必要がある。
また、パーツフィーダによる部品整列が不可能な形状の部品が存在することから、パーツフィーダすら使えない場合もある。
または、バラ積み状態の部品の位置姿勢を認識し、必要があれば向きを変更して仮置き後、さらに必要があれば向きを変更して整列させる技術が知られている(たとえば、特許文献2参照)。
また、好ましい姿勢になる確率が低い部品を供給対象とした場合には、より多くの部品を投入しておかなければならないので、手持ち在庫を多くかかえる必要があり、工場の空間体積(床面積、高さ)を浪費するという問題がある。
なお、吸着パッドが使用不可の場合に、ブロワで吸い付けることも考えられるが、この場合には、騒音が大きいうえ、電力消費が大きいという問題が生じる。
また、部品ごとにハンドを設計し直さなければならず、生産する機種の切替え時に、ハンドを作りなおすためのコスト(設計、製作、調整費)を要するという問題がある。
また、特許文献2の技術では、吸着パットが当てられる部位がない部品に対しては対応できないという課題があった。
さらに、従来の部品供給装置は、部品ごとに設計した特化ハンドを使用しているので、多大な設計コスト、ハンド切替え時間およびハンド仮置き場所を必要とするという課題があった。
また、複雑な形状の部品であっても、整列処理のサイクルタイムが延長を回避することができる。さらに、ソフトウェアの変更のみで生産機種の切替を迅速に行うことができるので、部品ごとに専用ハンドを必要とせず、ハンドのコスト削減、ハンド設計時間の短縮、ハンド仮置き場所の削減が可能となる。
以下、図1〜図5を参照ながら、この発明の実施の形態1について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1に係る部品供給装置の全体構成を概略的示す側面図であり、複数(ここでは4台)のロボット3、6a、6b、6cを用いて、バラ積み部品を整列供給する構成を示している。
距離画像とは、撮像されたシーンの画像の各ピクセルに対し、ある座標系から見たときの「特定座標軸方向の座標値をマッピングしたもの」であり、たとえば、ロボット3のベース座標系から見たときの、部品が積み上がった高さのマップのことである。
なお、バラ積み部品箱2は、内部を仕切って複数種類の部品を格納可能な構成としてもよく、この場合、仕切り区画の大きさは均等でなくてもよい。
さらに、パレットチェンジャやベルトコンベアなどでバラ積み部品箱2を交換可能とすることにより、連続的に部品を使い切らないように構成してもよい。
ロボット3は、3次元ビジョンセンサ1、仮置き台4および制御装置7とともに、単離手段(後述する)として機能し、ピンセット状または鉗子状の細い爪3tを有するハンド3hを備えている。
一方、ロボット群6は、2次元ビジョンセンサ5および制御装置7とともに、部品の位置姿勢変更手段として機能し、ロボット群6内のロボット6a〜6cは、それぞれ平行チャックハンドを有している。
まず、3次元ビジョンセンサ1は、距離画像を解析することにより、バラ積み部品箱2内に積み上がった部品の中から、ロボット3が把持可能な部位候補(以下、単に「候補」ともいう)を算出し、さらに最適化することにより、把持可能な部位候補を1つに絞り込む。
なお、把持可能な候補の演算処理に際しては、あらかじめ、ロボット3のハンド3hの爪3tの形状およびサイズを数値化しておく。
このとき、円柱または角柱の太さは、爪3tの太さを近似し、円柱または角柱の長さは、把持する際に部品に爪3tを掛ける深さを近似することになる。
図2の場合であれば、図2の中程に突起状に伸びている箇所と、図2中の手前側で凹みが生じている箇所に隣接した箇所と、の2カ所が発見されることになる。
最適化演算の方法として、2本の円柱に挟まれた突起物(または、発見された微少な角柱)のうち、最も高いZ軸値を評価値として採用し、その評価値が最大となる候補を選択する。
図2の場合であれば、図2の中央の突起が存在する箇所が、最適化された候補となる。
すなわち、部品を把持できるロボット3の位置姿勢を、ロボット座標系におけるXYZ値および各軸周りの回転角として、把持可能な候補の位置姿勢に対する相対位置姿勢を加えることにより、算出することができる。
このとき、ロボット3は、部品を丁寧に仮置き台4に置くのではなく、放り投げるように仮置き台4に置くことが望ましい。これにより、絡まった部品が解けて、1つずつ、分離した状態で仮置き台4に転がって静止する確率が高くなる。
なお、「単離」とは、パラ積み部品箱2の中から1つの部品のみを摘み出すことを指す。
仮置き台4に排除機構を設けた場合には、エラーリカバリが迅速に行われ、タクトタイム(Tact Time)が伸びにくくなるという効果がある。
なお、仮置き台4の天板上面の高さ(ロボット座標系Z軸方向)は、あらかじめ計測されて、制御装置7の記憶領域に記憶されているのとする。
ただし、ロボット3は、部品の取り出しに失敗して部品を把持できないこともあり、複数の部品が絡まって、ひとかたまりの状態で仮置き台4に転がることもあり、また、複数の部品が絡まらずに、それぞれが仮置き台4の上に転がることもある。
たとえば、バラ積み部品箱2からの部品の取り出しに失敗した場合は、ロボット3による摘み出し操作を再度行う。
なお、ラインアウトとは、たとえば部品捨て箱(図示せず)を用意しておき、部品捨て箱内に部品を廃棄する、などを行うことにより、容易に実現することができる。
部品の位置姿勢の算出演算処理は、2次元ビジョンセンサ5内または制御装置7において、たとえばテンプレートマッチング法により行われる。
取り扱う部品に対して登録される画像は、裏表が無関係の部品の場合には1つ、裏表に関係がある部品の場合には2つ、5通りの姿勢で静止する部品の場合には5つとなる。
まず、3次元ビジョンセンサ1による部品認識を行い、認識された部品の把持可能な部品の一部分(たとえば、耳のように突き出た部分、または、突き出た形状と推定される部分)の位置姿勢を1つに絞り込む。
続いて、ロボット3は、バラ積み部品箱2から部品を取り出して、仮置き台4の上方で爪3tを開き、部品を仮置き台4に転がすことにより、部品を仮置き台4の上に置く。
また、部品が絡みや重なりを起こさずに仮置き台4に置かれた状態を、「単離された状態」と記すことにする。
このとき、部品に複数の安定状態がある場合には、2次元ビジョンセンサ5は、それらすべての安定状態に対して認識プログラムを実行し、認識結果の信頼性が最も高い安定状態の結果を、全体の認識結果として採用する。
前述のように、裏表が無関係の部品の場合には、安定姿勢は1つのみになる。
なぜなら、仮置き台4の高さが既知であり、且つ部品が単離されているので、どの安定状態であるかを判別できれば、部品の高さ位置が決定し、部品の姿勢ズレも平面内の回転のみになるからである。
2次元ビジョンセンサ5は、部品の位置姿勢の座標がどのテンプレート画像とマッチしたかを示す「パターンの識別情報」を出力する。
また、2次元ビジョンセンサ5は、仮置き台4上に部品が存在しなかったこと、部品がセンサ視野から外れていること、または、部品の位置姿勢の座標がいずれのテンプレート画像ともマッチしなかったこと、を示す「識別情報」を出力する。
図5のシーケンスは、制御プログラムとしてソフトウェア化されており、制御装置7内に格納されているものとする。
ロボット3は、3次元ビジョンセンサ1の計測により把持候補の座標を取得すると、把持座標に移動し(ステップS13)、ハンド3hを閉動作させて把持候補を把持する(ステップS14)。
ロボット6aは、2次元ビジョンセンサ5の計測によりパターン識別情報および把持座標を取得すると、計測結果(制御装置7内の部品情報)に応じて、ステップS31、S32、S34への分岐判定を行い、判定結果にしたがう分岐動作を行う(ステップS33)。
ロボット6bは、ロボット6aの部品送り座標に移動し(ステップS43)、ハンドを閉動作させて、ロボット6aが把持していた部品を把持する(ステップS44)。
ロボット6cは、ロボット6bの部品送り座標に移動し(ステップS53)、ハンドを閉動作させて、ロボット6bが把持していた部品を把持する(ステップS54)。
ロボット6aは、ステップ33において、計測結果に基づく以下の判定処理と、判定結果にしたがう分岐動作とを行う。
仮置き台4から部品を排除した後は、ロボット6aは、ステップS31に戻り、待機姿勢に移動する。これと同時に、制御装置7はロボット3に対する動作指令を生成し、ロボット3に一連の動作(ステップS11〜S16)を再度実行させる。
この部品姿勢反転手数低減動作の終了後、ロボット6aは、ステップS32に戻り、2次元ビジョンセンサ5の計測動作を再度実行させる。
この場合、ロボット3が各升目に対して順番に抽出作業を行うと、間違った部品に行き当たったとき、本来の順番とは異なる部品を抽出して仮置き台4上に乗せることになるが、2次元ビジョンセンサ5のパターン計測結果により、異種部品であることを判定することができる。
また、単離手段は、ロボット3による把持後に解放されて(転がされた)1つ以上の部品が載置される仮置き台4を備えている。
ロボット群6は、複数のロボット6a〜6cからなり、仮置き台4から摘み上げた部品を複数のロボット6a〜6cの相互間で受渡ししながら、部品の位置姿勢を変更する。
また、ソフトウェアの変更のみで生産機種の切替を迅速に行うことができるので、部品ごとに専用ハンドを必要とせず、ハンドのコスト削減、ハンド設計時間の短縮、ハンド仮置き場所の削減が可能となる。
また、複数種類の部品を供給対象とした場合でも、部品ごとに専用ハンドを必要とせず、ハンドのコスト削減、ハンド設計時間の短縮、ハンド仮置き場所の削減が可能となる。
なお、上記実施の形態1(図1〜図5)では、特に言及しなかったが、3次元ビジョンセンサ1および制御装置7と関連するロボット3の動作において、バラ積み部品箱2内の部品の摘み上げ成功率を最良化するために、最適なパラメータを選択するパラメータ最適化手段を設けてもよい。
ロボット3の動作において、部品の耳の位置姿勢と、ロボット3のハンド3hの爪3tの位置姿勢とが一致するようにロボット3を動作させた後に、爪3tを閉じて、部品を把持する動作がある。
したがって、タクトタイムが短くなるようなパラメータを選択することが重要である。
このとき、与えたパラメータ値と、各パラメータ値で得られた単離成功確率Pとからなる複数の組合わせマップデータは、制御装置7内に記録されていく。
なお、試行を始める前に、パラメータの組合わせを最適化するのであれば、直交表またはD最適などの手法を用いればよい。また、試行の最中に動的に最適化を行うことも可能である。これには、公知文献(たとえば、特開2008−36812号公報)に示される実験条件の自動発生方法を使用することができる。
図6において、図6(a)は、単離成功確率Pが低い摘み出し動作を示し、図6(b)は、この発明の実施の形態2による単離成功確率Pが高い摘み出し動作を示し、図6(c)は、図6(b)におけるハンド3hの動作パラメータを示し、図6(d)は、単離成功確率Pを最大化するパラメータ(水平距離d、角度θ)の組合わせ(黒丸参照)を示している。
一方、図6(b)、図6(c)において、部品を把持したハンド3hは、太線矢印で示すように、角度θ方向に水平距離dだけ移動した後に、鉛直上方に引き上げている。
つまり、把持部品が引き抜き軌道を移動している期間において、把持点には外力が加わるので、この外力が、把持初期の安定把持状態を破壊して、単離成功確率Pを低下させる要因となっている。
その後、単離成功確率Pを角度θおよび水平距離dの関数と見なして、単離成功確率Pを計算するための回帰式、たとえば、以下の式(1)において、各係数A、B、C、D、Eを求める。
回帰式が求まったら、単離成功確率Pを最大化する角度θおよび水平距離dをマップデータから読み出す。
こうして、試行と回帰式係数A、B、C、D、Eの演算とを行い、求まった回帰式から、単離成功確率Pを最大化するパラメータ(角度θ、水平距離d)の読み出しを行うことにより、図6(d)に示すように、角度θおよび水平距離dの選択値が決定する。
なお、上記実施の形態1、2では、各部の機能および特徴について、総括的に言及しなかったが、この発明によるバラ積み部品の整列効果は、以下の第1〜第5の特徴(機能)により実現されている。
まず、第1の特徴は、3次元ビジョンセンサ1および制御装置7からなる距離画像計測手段を備えていることである。
すなわち、部品の転がった姿勢ごとに、以下のロボット群6がどの位置姿勢の部品をハンドで把持すればよいかという順序シーケンスを有限個用意し、その順序シーケンスのうちのいずれを選択するかを、2次元ビジョンセンサ5の計測値の結果に基づき決定することができる。このように、臨機応変に把持位置姿勢のシーケンスを変更することにより、部品整列の成功確率を確実に向上させることができる。
従来装置では、部品全体の形状モデルと計測データとのマッチングが行われていたが、この発明においては、把持可能な部品の部位(たとえば、部品の耳)を探して、その部位が爪3tの間に入る位置まで爪先を移動させ、ロボット3を動作させて爪先を移動した後、爪3tを閉じる機能を有する。これにより、確実に部品を把持できる確率が高くなるという効果がある。
従来装置では、部品を把持する位置姿勢(部品と爪との相対位置姿勢)を、あらかじめ1つのみ設定し、設定した位置姿勢を変更することなく、一旦把持した後は、相対姿勢を固定した状態で最後まで把持し続けて作業が行われていた。
実験では、部品整列作業の成功確率は、部品の種類にもよるが、たとえば9割以上得られることが分かっている。たとえ失敗したとしても、再度、計測および把持の動作を繰り返すことにより、先に示すような成功確率のもとでは、失敗し続ける確率は極端に低くなる。
また、把持位置変更機能によれば、他の方向から把持し直すことにより、作業の最終段階で必要となる部品の位置姿勢の精度が、把持し直しを行うごとに現在精度よりも高くなるので、最終段階で必要な精度が得られるという効果がある。
従来装置のように、1台のロボットのみで部品をハンドリングした場合、部品姿勢反転操作(たとえば、部品の裏表をひっくり返す作業)が成功しないという問題がある。
なぜなら、1台のロボットが一度把持した部品の裏表を反転させる操作において、部品を把持したまま反転させ、反転状態で把持を解放して仮置きし、再度把持する必要があるが、反転状態で把持を解放して仮置きしようとしても、部品の重力方向にハンドが存在するので、仮置き台に置くことができないからである。
これにより、生産システムの立上げと機種切替の際に、制御装置7内のソフトウェアの変更のみでロボット群6の動作を変更して、部品の反転を実現することができる。
この最終的な把持位置と部品の姿勢とを制約条件として、仮置き台4に転がった部品の姿勢から出発して、最終的な把持位置および姿勢に至る位置姿勢変更手段として、複数台のロボット6a〜6cを備えている。
各扇型図形(破線)内の占有空間は、各ロボット6a〜6cの移動可能範囲に対応し、各占有空間には制限が与えられているが、この制限は、部品の表裏反転動作に制限があることを表現している。
図8においては、仮置き台4上に或る部品を単離して転がした際に3通りの安定的な姿勢を取る場合での、3通りの姿勢変更操作を例にとって、ロボット6aによる仮置き台4上の部品の3通りの把持位置姿勢L1〜L3(破線と実線との接続点)と、ロボット6bによる3通りの姿勢変更軌道M1〜M3とが、関連付けて示されている。
部品の形状によっては、裏表すら不問の場合もあるし、裏表の2通りの場合、図8のように3通りの場合、または複雑な形状の部品であれば、5通り以上の安定姿勢を取り得ることが、実験的に観測されている。
したがって、2次元ビジョンセンサ5により仮置き台4上の部品の位置姿勢を計測し、各場合においてどの動作シーケンスを選択したうえで、部品を把持する位置姿勢を算出し、動作シーケンスを制御装置7で行うように構成する。
なお、供給対象部品を最終的にパレット8に整列させる場合について説明したが、パレット8への整列に限定されることはなく、最終段階で部品同士を順次に勘合させて製品を組立てるように構成してもよい。
このように、バラ積み供給された部品を製品に組立てるように構成した部品供給装置においても、同様の効果を奏することは言うまでもない。
なお、上記実施の形態1〜3(図1〜図8)では、3次元ビジョンセンサ1を、ロボット3とは別構成としたが、図9のように、3次元ビジョンセンサ1をロボット3のハンド横に装着してハンドアイ構成としてもよい。
図9はこの発明の実施の形態4に係る部品供給装置の全体構成を概略的示す側面図であり、前述(図1参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または符号の後に「A」を付して詳述を省略する。
3次元ビジョンセンサ1は、ロボット3のハンド3hの横に取り付けられて、ハンド3hとともにハンドアイ構成を実現している。これにより、3次元ビジョンセンサ1は、ロボット3の運動にともなって撮像位置姿勢を変更可能に構成されている。
また、図11はこの発明の実施の形態4によるロボット3の動作を示す説明図である。
まず、ロボット3は、自身の待機位置(ステップS11)を出発し、撮像軌道による運動を開始する(ステップS70)。
なお、撮像軌道とは、たとえば、バラ積み部品箱2の上方から、3次元ビジョンセンサ1の撮像素子の撮像方向がバラ積み部品箱2に向くように、左右に移動するような軌道を指す。
これにより、3次元ビジョンセンサ1は、複数回(ここでは、2回)の画像撮像G1、G2を行う(ステップS61、S62)。
また、3次元ビジョンセンサ1および制御装置7Aは、把持候補の座標を最適化して(ステップS2)、把持座標を確定し、把持候補の座標をロボット3に送出して(ステップS3)、ステップS61に戻る。
以下、2次元ビジョンセンサ5、制御装置7Aおよびロボット群6は、前述(図5)と同様の処理動作を行う。
図11においては、撮像指示F1におけるハンド3h(F1)および3次元ビジョンセンサ1(F1)の姿勢と、撮像指示F2におけるハンド3h(F2)および3次元ビジョンセンサ1(F2)の姿勢と、把持座標に移動したハンド3hの姿勢とが示されている。
また、バラ積み部品箱2のサイズを、3次元ビジョンセンサ1の視野よりも大きく構成することができる効果がある。
なお、上記実施の形態4(図9〜図11)では、位置姿勢変更手段として、前述の実施の形態1〜3と同様に、ロボット群6(ロボット6a〜6c)を用いたが、図12のように、1台のロボット6Bを用いてもよい。
ロボット3は、ピンセット状または鉗子状の細い爪3t(図3、図4参照)を有するハンド3hを備えており、ロボット6Bは、平行チャックハンドを備えている。
また、前述と同様に、距離画像を解析することにより、積み上がった部品の中から、ロボット3が、摘める部位(図2内の中程に突起状に伸びている箇所、手前側に凹みが生じている箇所)の候補を算出し、最適化することで候補を1つに絞り込む。
その後、ロボット3は、部品を仮置き台4に運び、丁寧に仮置き台4上に置くのではなく、仮置き台4の上方で部品を解放して、放り投げるように仮置き台4に転がす。
また、前述と同様に、3次元ビジョンセンサ1の座標系とロボット3の座標系のキャリブレーション誤差のうち、姿勢誤差が小さくなる領域を使うことにより、単離成功確率を向上させることが可能となる。
なお、位置姿勢の算出演算は、前述と同様に、3次元ビジョンセンサ1内、または制御装置7B内で行われる。また、算出演算は、たとえばテンプレートマッチング法により行われ、テンプレート画像はあらかじめ登録されるものとする。
まず、3次元ビジョンセンサ1(距離画像計測手段)は、部品認識を行い、認識された部品の把持可能な部位(耳のように突き出た部分)、または、把持可能な形状と推定できる部分の位置姿勢を、1つに絞り込む。
ここでは、説明を簡単にするため、単離状態(部品が絡みや重なりを起すことなく、仮置き台4に置かれた状態)で安定した場合について説明する。
このとき、部品の向きを変える必要がある場合には、ロボット6Bは、一旦仮置き台4上で部品を離して、再度、違う向きから部品を把持し直す。
なお、ここでは、3次元ビジョンセンサ1が、部品外形計測手段の機能を兼ねる構成としたが、部品外形計測手段として、前述の2次元ビジョンセンサ5を備えていてもよい。
ロボット3と一体の3次元ビジョンセンサ1は、仮置き台4上の部品の外形を計測する部品外形計測手段としても機能し、位置姿勢変更手段の一部機能をも備えている。
また、ソフトウェアの変更のみで生産機種の切替が可能となり、生産機種切替の迅速化を実現することができる。
なお、上記実施の形態5(図12)では、ロボット3のハンド3hのみに3次元ビジョンセンサ1(距離画像計測手段)を取り付けたが、図13のように、ロボット6Bのハンド6hにも3次元ビジョンセンサ1C(距離画像計測手段)を取り付けて、仮置き台4を省略してもよい。
この場合、仮置き台4が除去された点と、ロボット6Bに3次元ビジョンセンサ1Cが追加された点と、が前述と異なる。
すなわち、ロボット3に取り付けられた3次元ビジョンセンサ1は、距離画像の解析結果により、積み上がった部品の中から、ロボット3が、摘める部位の候補を算出し、最適化することで候補を1つに絞り込む。
図2の例であれば、中程に突起状に伸びている箇所と、手前側に凹みが生じている箇所との2カ所が発見されることになる。
ロボット3は、バラ積み部品箱2の中にバラ積みされた部品を、上記ロボット座標算出方法によって、ハンド3hの爪3tが開いた状態にしたうえで、その時点で得られている把持位置に移動して、ハンドを閉じる。
このとき、ロボット6Bは、ロボット3が把持した部品を、ハンド6hに設けられた3次元ビジョンセンサ1C(距離画像計測手段)で計測し、部品の位置姿勢を認識したうえで把持位置を判定し、部品に接近して、部品を把持する。
上記のような単離失敗状態は、ロボット3とロボット6Bとの間の部品受渡し動作の際に、ロボット6Bに取り付けられた3次元ビジョンセンサ1Cの撮像結果により、判別することができる。
まず、ロボット3の3次元ビジョンセンサ1(距離画像計測手段)は、バラ積み部品箱2内の部品を認識し、認識された部品の、把持可能な部位(たとえば、耳のように突き出た部分、または、そのような形状になっていると推定できる部分)の位置姿勢を、1つに絞り込む。
その後、ロボット3は、爪3tを閉じて部品を把持したうえで、バラ積み部品箱2から部品を取り出して、ロボット6Bの近くに差し出す。
このとき、ロボット6Bは、部品の向きを変える必要がある場合には、ハンド6hを回転動作させながら部品を把持し、さらに複雑に姿勢を変更する必要がある場合には、一旦ロボット3に部品を差し出し返して、ロボット3に部品を引き取らせた後、違う向きから部品を再度把持し直す。
また、ソフトウェアの変更のみで生産機種の切替が可能となり、生産機種切替の迅速化を実現することができる。
なお、上記実施の形態5、6(図12、図13)では、ロボット3との間で部品の受渡しを行うロボット6Bを設けたが、図14のように、3次元ビジョンセンサ1を有するロボット3Dが位置姿勢変更手段の機能を兼ねる構成とし、前述のロボット6Bを省略してもよい。
この場合、ロボット6Bが除去された点のみが前述と異なり、前述と同様に、ロボット3Dは、図3または図4のようなハンド3hを有するものとする。
ロボット3Dは、バラ積み部品箱2から把持した部品を仮置き台4に運び、仮置き台4の上方で、放り投げるように部品を解放する。
上記のような状態は、ロボット3Dが把持した部品を解放した直後に、仮置き台4を3次元ビジョンセンサ1で撮像することにより、判別することができる。
また、複数の部品が絡まって、ひとかたまりの状態で仮置き台4に転がった場合には、仮置き台4の天板を反転させる手段などで、部品をラインアウトさせる。
さらに、複数の部品が絡まらずに仮置き台4に転がった場合には、ロボット3Dが、部品を1つずつハンドリングするか、1つのみをハンドリングした後、仮置き台4の天板を反転させる手段などで、残りの部品をラインアウトさせる。
以下、ロボット3Dは、仮置き台4から部品を摘み上げて、パレット8上に整列配置する。
まず、3次元ビジョンセンサ1(距離画像計測手段)は、バラ積み部品箱2内の部品の認識を行い、把持可能な部位を1つに絞り込み、把持可能な部位の位置姿勢と、ロボット3Dのハンド3hの爪3t(図3、図4参照)の位置姿勢とが一致するようにロボット3Dを動作させる。
ここでは、説明を簡単にするため、単離状態で、部品が絡みや重なりを起すことなく仮置き台4に置かれた場合について説明する。
これにより、仮置き台4の上面に転がった部品の、3次元的な位置姿勢が計測できたので、ロボット3Dは、仮置き台4上の部品を把持する。このとき、部品の向きを変える必要のある場合は、一旦仮置き台4上で部品を離して、再度、違う向きから把持し直す。
3次元ビジョンセンサ1(距離画像計測手段)は、ロボット3Dに一体的に設けられている。
これにより、前述と同様に、部品ごとに専用ハンドを必要とせず、ハンドのコスト削減、ハンド設計時間の短縮、ハンド仮置き場所の削減を実現することができる。
また、ソフトウェアの変更のみで生産機種の切替ができ、生産機種切替の迅速化を実現することができる。
なお、前述の実施の形態1では、ロボット3が部品をつまむために、バラ積み部品箱2に近づいていく動作において、ロボット3のハンド3hの姿勢を表わす座標軸のZ軸を、世界座標系の鉛直下向き、または重力加速度の向きに固定したが、ハンド3hの向きは、Z軸回りに回転しさえすればよい。
また、上記実施の形態1〜8では、具体的に言及しなかったが、バラ積み状態の部品のうち、把持可能な部品を、まず3次元ビジョンセンサで計測する際に、図18のように、複数の3次元ビジョンセンサ1Dを用いてもよい。
以下、図15〜図18を参照しながら、複数の3次元ビジョンセンサ1Dを用いたこの発明の実施の形態9について説明する。
図16において、図16(a)はバラ積みされた部品10の側面図、図16(b)は同じ部品10の正面図である。図17において、図17(a)は重ね部品10a、10bの側面図、図17(b)は遮光状態の部品10c、10dの側面図である。
また、図18はこの発明の実施の形態9による複数の3次元ビジョンセンサ1Dを示す側面図であり、図17と同じ状態の部品10a〜10dに対応させて示している。
したがって、図16(a)のように、部品10の突起物(角部)の側面が斜めになっている方向から把持するのではなく、図16(b)のように、側面が垂直に切り立っている方向を探して選択するように、認識アルゴリズムを構成すればよい。
各3次元ビジョンセンサ1Dで計測された距離データは、制御装置7に転送され、1つの空間内のデータとして合成される。または、1つの3次元ビジョンセンサ1Dが計測した距離データに対し、他の3次元ビジョンセンサ1Dが計測した距離データが転送されて合成される。
以下、前述の実施の形態1と同様に、突起している部位を探す動作に続いて、たとえば部品10dの把持動作が行われる。このことは、他の実施の形態2、3、5、7においても、同様に適用可能である。
また、3次元ビジョンセンサ1Dに代えて、前述の実施の形態4、6のようにロボット3に取り付けた状態にして、複数箇所に移動させつつ静止させて、それぞれの静止位置で複数の距離データを計測してもよい。ただし、全体の計測時間は延長されることになる。
したがって、部品10dを把持する成功率が高まり、把持のやり直し回数が減るので、システム全体のタクトタイムが高まる効果が得られる。また、部品10bと爪3tとの衝突によるシステム故障を回避する効果も奏する。
Claims (11)
- バラ積みされた部品を収納するバラ積み部品箱と、
前記バラ積み部品箱内の部品の距離画像を計測する距離画像計測手段と、
前記距離画像に基づき前記バラ積み部品箱から部品を摘み出す単離手段と、
前記単離手段により単離された部品の位置姿勢を、あらかじめ指定される最終位置姿勢に対して一定の誤差以下の位置姿勢に変更する位置姿勢変更手段と、
を備えたことを特徴とする部品供給装置。 - 前記単離手段および前記位置姿勢変更手段は、共通に機能する1台のロボットを備えたことを特徴とする請求項1に記載の部品供給装置。
- 前記距離画像計測手段は、3次元ビジョンセンサを備え、
前記3次元ビジョンセンサは、前記1台のロボットに一体的に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の部品供給装置。 - 前記単離手段は、前記バラ積み部品箱から部品を把持して摘み出す第1のロボットを備え、
前記位置姿勢変更手段は、前記第1のロボットから部品を受け取って、前記部品の位置姿勢を変更する第2のロボットを備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の部品供給装置。 - 前記第1および第2のロボットは、それぞれに一体的に設けられた3次元ビジョンセンサを備えたことを特徴とする請求項4に記載の部品供給装置。
- 前記単離手段は、前記第1のロボットが把持して転がされた1つ以上の部品が載置される仮置き台を備え、
前記位置姿勢変更手段は、前記仮置き台上の部品の外形を計測する部品外形計測手段を備え、
前記第2のロボットは、前記仮置き台上に転がった部品を摘み上げて、前記部品の位置姿勢を変更することを特徴とする請求項4に記載の部品供給装置。 - 前記距離画像計測手段は、3次元ビジョンセンサを備え、
前記部品外形計測手段は、2次元ビジョンセンサを備え、
前記第2のロボットは、複数のロボットからなり、前記仮置き台から摘み上げた部品を前記複数のロボットの相互間で受渡ししながら、前記部品の位置姿勢を変更し、
前記第1および第2のロボット、ならびに、前記3次元ビジョンセンサおよび前記2次元ビジョンセンサの動作および動作タイミングを制御する制御装置を、さらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の部品供給装置。 - 前記3次元ビジョンセンサは、前記第1のロボットに一体的に設けられたことを特徴とする請求項7に記載の部品供給装置。
- 前記距離画像計測手段は、複数の3次元ビジョンセンサを備え、
前記制御装置は、前記複数の3次元ビジョンセンサにより計測された複数の距離画像を合成したデータを用いて、前記第1および第2のロボット、ならびに、前記3次元ビジョンセンサおよび前記2次元ビジョンセンサの動作および動作タイミングを制御することを特徴とする請求項7に記載の部品供給装置。 - 前記第1のロボットは、複数の静止位置での前記3次元ビジョンセンサによる複数の距離画像を取得し、
前記制御装置は、前記複数の距離画像を合成したデータを用いて、前記第1および第2のロボット、ならびに、前記3次元ビジョンセンサおよび前記2次元ビジョンセンサの動作および動作タイミングを制御することを特徴とする請求項8に記載の部品供給装置。 - 前記単離手段は、パラメータ最適化手段を備え、
前記パラメータ最適化手段は、前記バラ積み部品箱からの部品の摘み上げ動作を定義するパラメータを自動的に変化させながら、摘み上げ成功率を観測して記録し、摘み上げ成功率が最良となるパラメータを選択することを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の部品供給装置。
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