JP6516663B2 - 機械システムの生産性能評価装置及び機械システムの生産性能評価方法 - Google Patents

機械システムの生産性能評価装置及び機械システムの生産性能評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、製品の生産を自動的に行う機械システムにおいて生産性能の分析を行う、機械システムの生産性能評価装置及び機械システムの生産性能評価方法に関する。
複数の機械システムからなる生産システムの生産性について、生産量、機械システムの専有面積、機械システム故障率、必要な投資額を基に生産システム設計者が評価し、生産性の向上を図ることができる構成を決定する。この中で、これらの評価を自動的に実施する手段として、適用する生産設備の能力を定義し、定義された能力に基づいて生産効率を計算し、問題のある生産設備を別の生産設備に切り替え比較検討する生産効率評価方法が特許文献1に提案されている。
特開平8−77247号公報
近年、生産システムへの要求の変化により、1つの生産システムで多品種の部品を取り扱う必要性が増えている。このため、従来のように「失敗が生じない」ことを前提とした機械システムの設計をするには設計が複雑化および専用機化してしまうため、品種の追加または削減といった変更に柔軟な対応ができないという問題がある。これに対して、機械システムに対してビジョンセンサや力覚センサといったセンサを活用して、多品種の部品を同一システム内で取り扱うことができたり、生産設備内で生じる位置決め誤差を吸収したりすることができる機械システムが提案されている。
このような機械システムでは、物体把持に失敗するなど従来ではエラーとなっていた状態に対しても、センサを用いて作業状態を認識し自動的に復旧する構成を構築することができる。結果として、対象部品(ワーク)の位置決め装置およびジグを排除した簡素なロボット生産設備を構成できる。
しかし、このような機械システムには、従来の生産性の評価方法を適用することが難しい。例えば、従来は、各生産設備として機械システムや作業者を故障率や作業効率で定義し、その配置により要求仕様であるタクトタイムを満たすかどうかという点に注目していた。一方で、エラー状態および失敗を許容し、自動的に復旧するようなシステムにおいては、失敗を許容するためにサイクルタイムの単純な積み上げではタクトタイムが予測できない。すなわち、連続的に稼働している場合でも実際にどの程度の生産性能を持っているのか、従来の評価方法では定量的に予測することが難しい。
また、従来の評価方法に基づいて、当該機械システムに対する生産量目標値が定量的に算出されれば、生産量目標値を実現する機械システムの改善が必要となる。この場合、各作業に対する失敗の発生頻度を改善すべきであるが、機械システム内部の設計改善目標値を定量的に表現することは困難であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、エラー状態および失敗を許容し自動的に復旧することが可能な機械システムにおいて、生産性能を定量的に演算し、設計改善を検討するために演算結果を提示することで、高効率に機械システム設計することができる機械システムの生産性能評価装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、機械システムの作業工程の前後で部品が取りうる位置または姿勢によって定義される部品状態に対し、部品状態間の状態遷移確率と作業時間を定義する状態遷移定義手段と、状態遷移確率と作業時間に基づいて、初期状態から目標状態への遷移経路を抽出する経路抽出手段と、を備える。また、経路に対して、部品状態間を遷移するのにかかる時間の期待値である経路サイクルタイムを、状態遷移確率と作業時間とから演算する経路サイクルタイム演算手段と、経路サイクルタイムと、経路抽出手段で抽出された遷移経路から、機械システムで1つの部品が目標状態となるのにかかる時間である期待タクトタイムを演算する期待タクトタイム演算手段と、を備える。
本発明にかかる機械システムの生産性能評価装置によれば、エラー状態および失敗を許容し自動的に復旧することが可能な機械システムにおいて、生産性能を定量的に演算し、設計改善を検討するために演算結果を提示することで、高効率に機械システム設計することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係る機械システムの生産性能評価装置の構成を示す図 実施の形態1に係る機械システムの生産性能評価装置を用いた機械システム評価装置を示す図 実施の形態1に係る機械システムの生産性能評価装置の機能構成を示す図 実施の形態1におけるロボットの動作と状態遷移図とを関連付けて示す図 実施の形態1におけるロボットの動作と状態遷移図とを関連付けて示す図 実施の形態2に係る機械システムの生産性能評価装置の機能構成を示す図 実施の形態2に係る機械システムの生産性能評価装置の機能構成の他の例を示す図 実施の形態3に係る機械システムの生産性能評価装置の機能構成を示す図 実施の形態4に係る機械システムの生産性能評価装置の機能構成を示す図 実施の形態5に係る機械システムの生産性能評価装置の機能構成を示す図 実施の形態6に係る機械システムの生産性能評価装置の機能構成を示す図 機械システムの生産性能評価装置のハードウェア構成を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかる機械システムの生産性能評価装置及び機械システムの生産性能評価方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る機械システムの生産性能評価装置の構成を示す図である。図2は、実施の形態1に係る機械システムの生産性能評価装置を用いた機械システム評価装置を示す図である。まず、実施の形態1に係る機械システムの生産性能評価装置1の処理内容および以下の説明で用いる用語の定義について説明する。
図1に示すように、機械システムの生産性能評価装置1は、状態遷移情報101が入力され、生産性能情報102を出力する装置である。図2では、機械システムの生産性能評価装置1によって生産性能が評価される機械システムとして、ロボット2およびコンベア3を構成要素として有する機械システムを例として挙げている。各構成要素は、制御コントローラ4によってコントロールされている。各構成要素のそれぞれの動作が成功したか否かについては、機械システムが作業した結果、作業対象があるべき状態に置かれたか否かを、ロボット2に備えられたビジョンセンサ2cを使って取得することで判定される。動作が成功したか否かの情報を含む機械システムデータは、情報統合機器5で機械システムデータを管理する。なお、情報統合機器5とは、シーケンサといったプログラマブル・ロジック・コントローラといったような各種の入力情報を統合的に活用して、状態を判断することができ、次の処理を決定する機器を指している。
機械システムデータの中で特に、状態遷移情報101である2つのデータが抽出される。抽出される1つ目のデータは、状態遷移確率である。状態遷移確率は、総作業回数および作業の成否から得られるデータであり、作業中の部品状態の発生頻度を示す。抽出される2つ目のデータは、1回あたりの作業時間である。
これら2つのデータが、パーソナルコンピュータに実装された機械システムの生産性能評価装置1に入力され、機械システムの生産性能評価装置1で演算された生産性能情報102が表示装置6に表示される。ただし、本発明の提供するシステムとして、ビジョンセンサ2cの取り付け位置などは図2に示す位置に限られない。
ここで、機械システムデータには、機械システムの設計情報に基づき、機械システム内で実施される作業内容、各作業内容の前後関係、各作業に要する時間、各作業における部品の位置姿勢の状態遷移確率が含まれる。なお、各作業に要する時間を作業時間と呼ぶ。また、状態遷移情報101は、状態遷移確率、各作業内容の前後関係、および作業時間を示す。
作業対象である部品が、安定した姿勢である状態および不安定な姿勢である状態を含む取りうる状態および区別すべき状態を「部品状態」として定義する。機械システム内では、ロボット2または自動機が部品に対して状態遷移をさせて、所望の位置姿勢まで「部品状態」を遷移させるというモデルで記述されている。
例えば、サイコロの「部品状態」を考える場合、サイコロの目が部品状態の区別の基準となる。すなわち、サイコロの目である1〜6のいずれの数を示す面が上面に見えているかで区別すると、サイコロには6つの「部品状態」あると定義できる。さらに、ある特定の位置および姿勢になった場合には、作業継続が困難な状態になる場合がある。このような状態にも部品状態を定義して、全体の部品状態の1つとして定義する。このとき、例えばサイコロの例でいうと、作業継続が困難な部品状態の中には、姿勢は部品状態1〜6と同じであるが、ロボット可動範囲外の位置にある場合、またはロボットに取り付けられたエンドエフェクタでは掴むことができない方向を向いているために作業継続が困難な場合が含まれる。このような作業継続が困難な部品状態は、7つ目の「部品状態」に属すると定義される。
次に、ロボット2または機械システムが部品に操作をして位置姿勢に変化を与える場合に、この操作を「作業」と呼ぶ。1つの作業を処理するのにかかる時間を「作業時間」と呼ぶ。このとき作業時間は可変でもよい。なお、以下の説明では、作業は一定時間で処理されているもの、すなわち「作業時間」が一定であるものとして説明する。
ここで、有限の数だけ定義された部品状態において、ある作業の実施前の部品状態と、ある作業の実施後の部品状態の遷移する割合について考える。すなわち、作業を経て生じる部品状態間での状態遷移として一定量の生産処理が行われた後に取っていた部品状態をカウントして全生産処理数で割ったものを「状態遷移確率」として定義する。サイコロの例でいうと、例えばサイコロの目が1である状態から、サイコロの目が2である状態に遷移された作業が、作業の全試行回数に対してどれほどの割合で行われたかが「状態遷移確率」の1つとして定義される。
状態遷移確率は、部品ごとに定義され、設計段階では過去の他の機械システムにおいて実施された作業工程の生産量実績に基づいて、ある部品について各部品状態になった個数を、機械システムがある部品に対して作業した個数全体で割った値で決定することができる。
次に、部品整列するロボットシステムを対象として図3〜図5を参照しながら本実施の形態1の機械システムの生産性能評価装置の構成と生産性能評価手順を示す。図3は、実施の形態1に係る機械システムの生産性能評価装置の機能構成を示す図である。図4および図5は、実施の形態1におけるロボット2の動作と状態遷移図とを関連付けて示す図である。図4および図5に示す例では、部品を取りだす作業である作業1には5秒、取りだした部品を整列させる作業2には10秒かかっている様子を表している。
まず、図3に示す状態遷移定義手段11では、機械システムにおいて実施される作業に対して、機械システムが実施する作業を初めの作業を作業W1、次の作業を作業W2、k番目の作業を作業Wk(k=1、2、・・・N)とする。また、ある部品の部品状態を部品状態Si(i=1、2、・・・、M)とする。また、作業Wkのある部品状態Siから別の部品状態Sjが生じる確率を状態遷移確率P(Si;Wk;Sj)とする。部品状態と次の部品状態は網羅的に接続されるものとするが、状態遷移が発生しえないものについては上足し状態遷移確率(Si;Wk;Sj)=0とする。
これらを踏まえて、対象とする機械システムに対して、作業Wkの前後で取りえる部品状態を全て定義する。この時、作業継続が困難な状態が生じるならば、これを1つの状態として定義する。次に、作業の前後で取りえる部品状態間での状態遷移確率P(Si;Wk;Sj)、および作業Wkを1回実施するのにかかる時間を作業時間T(Wk)として定義する。
1回の作業にかかる時間は、自動機器においては固定で定義することもできるため、ここでは、簡単のため部品状態に依存せず1回の作業は必ず同じ時間で実施されるものとして説明する。ただし、作業Wkを実施する際に、部品状態Siに依存して作業実施時間が変わる場合は、作業Wkを1回実施するのにかかる時間を作業時間T(Si;Wk;Sj)として部品状態に依存した形で定義することもできる。
状態遷移確率103と作業時間104およびこれらの接続関係を示す情報、すなわち図4に示す状態遷移図となる情報を、図3に示す経路抽出手段12に入力する。なお、状態遷移情報101は、経路サイクルタイム演算手段13にも入力される。経路抽出手段12では、生産量としてカウントできる状態に到ることができる経路を抽出する処理を行う。抽出された経路情報105は、経路サイクルタイム演算手段13に入力される。まず、機械システムにおいて、初めの作業における部品状態全てを初期状態とする。また、機械システムにおいて作業完了の状態となる部品状態を目標状態とする。すなわち、作業1における状態を初期状態、作業Nにおける状態を目標状態と呼ぶ。初期状態から目標状態に到ることができる経路とは、作業1で生じうる部品状態から作業Nにおいて目標状態に到るすべての遷移経路である。このすべての遷移経路を抽出する処理が、生産量としてカウントできる状態に到ることができる経路を抽出する処理である。
図3に示す経路サイクルタイム演算手段13では、経路抽出手段12から入力された経路情報105から得られた全ての経路のそれぞれについて、経路サイクルタイムTr(Si;Wk;Sj)106が、状態遷移確率103と作業時間104を用いた式(1)で演算される。
Tr(Si;Wk;Sj)=T(Wk)/P(Si;Wk;Sj)・・・(1)
なお、式(1)中の「/」 は割り算を表している。
演算された経路サイクルタイム106は、期待タクトタイム演算手段14に入力される。期待タクトタイム演算手段14では、経路サイクルタイム106を用いて、抽出された経路全ての生産効率を総和した処理能力として、1個の部品あたりの目標状態に到達するのにかかる時間を期待タクトタイム107として出力する。期待タクトタイム107の定義として、一例を以下に示す。まず経路毎に期待される処理個数を得るために、経路毎の期待タクトタイムである経路タクトタイムを演算する。経路サイクルタイムを例えば単純に足し合わせることで、経路タクトタイムTr sum(l)(l=1,2・・・Nl。Nlは自然数)は次のように定義できる。lはルートを意味しているため、目標状態に到るルートがN個有る場合は、Nl=Nとなる。
Tr sum(l)=Tr(Si1;W1;Sj1)+Tr(Si2;W1;Sj2)+・・・+Tr(Si;W;Sj)・・・(2)
ただし、nは3以上の自然数である。また、1つのルートlを対象としているため、作業Wkのある部品状態Sjが次の作業Wk+1に置いて部品状態Siで始まる場合、2つの状態、すなわちSjn-1はSinと状態が等しいことに注意する。
経路毎の経路タクトタイムTr sum(l)として得られた全ての経路のそれぞれの経路サイクルタイムTr sum(l) (l=1,2,..,Nl)の逆数を、経路毎に期待される単位時間当たりの生産個数である経路の単位時間当たりの期待生産個数Nrsumとして表現する。
すなわち、期待タクトタイムは、[秒/個]の単位であるが、各経路間のタクトタイムを足し合わせて求める場合、単純な時間の和ではなく、生産量を表す経路の単位時間当たりの期待生産個数Nrsum(l)[個/秒]の表現に変換した上で足した期待生産量Nestを計算する。なお、一般に「タクトタイム」とは生産時間/生産量で表現されるものであるが、本発明においては、機械システムにおける生産時間/生産量として定義している。
Nest = Σ 経路の単位時間当たりの期待生産個数Nrsum(l)・・・(3)
更に、期待生産量Nestの逆数を取ることで期待タクトタイムTestを演算する。
Test = (1/Nest)・・・(4)
以上の手続きで、期待タクトタイムを計算することができる。
ここで、具体的な変化量の演算方法の一例として、図4に示すような事例における変化量の計算方法を述べる。図4では、2台のロボット2(2a,2b)を用いた機械システムを構成しており、それぞれのロボット2が1つの作業を実施する。
作業内容としては、ロボット2aが1つめの作業W1としてビンピッキング作業を実施し、ロボット2bが2つ目の作業W2としてビンピッキングされた部品を掴み、整列させる部品整列作業を実施する。また、ロボット2aが作業を完了した時の部品は仮置き台という台の上に設置され、ロボット2bが仮置き台から部品を掴みだして部品整列を実施する機械システムである。
ロボット2a,2bによるそれぞれの作業は一定時間で行われるものとし、T(W1)=5秒、T(W2)=10秒、として定義する。すなわち、作業W1を1回実施し次工程に部品が供給されるのは5秒毎、後工程で作業W2を実施して整列完了品が現れるのは10秒毎、ということを表している。
これらの工程が直列で行われるようにロボット2a,2bが配置された機械システムを例として説明する。この時、整列される部品は、例えばサイコロのように6つの安定姿勢を有し、いずれの作業においても6つの姿勢状態を取りうるとする。
ビンピッキングの初期状態の部品状態はあらゆる状態があるため、初期状態Si(k=1)としてはi=1,2,3,4,5,6それぞれの状態が存在している。
次に、ロボット2aがビンピッキング作業を完了すると、仮置き台で取りうる状態であるSj(k=1)としては、j=1,2,3,4,5,6,7の7つが定義される。j=7は失敗状態を表している。失敗状態とはj=1〜6のいずれかの姿勢に属するが、作業継続が困難な状態になったもので、ラインアウトなどで対処される部品状態を表す。
ビンピッキング作業によって仮置き台に移動する状態遷移の状態遷移確率はP(Si,W1,S1)=0.4、P(Si,W1,S2)=0.3、P(Si,W1,S3)=0.1、P(Si,W1,S4)=0.05、P(Si,W1,S5)=0.05、P(Si,W1,S6)=0.05、P(Si,W1,S7)=0.15と定義する。ただし、Siは全ての状態を含んでおり、ビンピッキングなど初期状態が明確にわからない場合に、このような定義をする。
また、後述するように仮置き台に移動された状態が、状態S1および状態S2以外の状態である場合は、次の作業である部品整列を実施できない部品状態となる。そのため、部品整列を実施できない複数の部品状態は、1つの状態としてまとめられる。そのため、実際に取り扱う状態遷移確率は、図4に示すように初期状態から状態1へと遷移するP(Si,W1,S1)=0.4、初期状態から状態2へと遷移するP(Si,W1,S2)=0.3、初期状態から状態3へと遷移するP(Si,W1,S3,S4,S5,S6,S7)=0.4の3つの状態遷移確率にまとめられる。
部品整列を実施できない部品状態とは、部品整列作業を行うロボットが仮置き台の上から取り出し部品状態の表裏変化させるような操作が必要とされる部品状態のことを示している。この場合、部品整列作業自体を実施せずにラインアウトさせる。なお、ラインアウトとは、生産ラインで人や機械が作業する中で、不良品や何らかの問題があり、ラインアウト対象となっている部品、仕掛品あるいは製品を一端生産ラインから外すことを指している。
次に、ロボット2bによる部品整列作業については、整列前の状態Si(k=2)が、i=1,2のみが存在し、その他の状態からは部品整列ができない状態を仮定している。すなわち、i=1,2以外の状態にあるとき、部品整列が実施できないとする。この場合、状態遷移は、i=1,2の2つとi=3,4,5,6と失敗状態(取り損ねてラインアウトさせたなどの例外状態)の1つを合わせた3つの状態を考えうる。
部品整列完了の姿勢をi=1とするとき、これら3つの状態のうち、i=1,2の状態については状態遷移確率P(S1,W2,S1)=0.7、P(S2,W2,S1)=0.3と定義する。i=3,4,5,6および作業継続が困難な状態(取り損ねてラインアウトさせたなどの例外状態)からは状態遷移が生じないためP(S3,S4,S5,S6,S7,W2,S1)=0.0と定義する。
このような状態遷移において、目標状態に至ることのできる経路は2つある。経路1は状態Si→S1→S1という経路でTr sum(1)、経路2はSi→S2→S1という経路でTr sum(2)ある。それぞれの経路について、Tr(Si;Wk;Sj)=T(Wk) / P(Si;Wk;Sj)を求めて、Tr sum(1)とTr sum(2)を求めると、
Tr(Si;W1;S1)=T(W1) / P(Si;W1;S1)=5/0.4=12.5
Tr(S1;W2;S1)=T(W2) / P(S1;W2;S1)=10/0.7=14.3
Tr sum(1) = Tr(Si;W1;S1)+Tr(S1;W2;S1)=26.8
Tr(Si;W1;S2)=T(W1) / P(Si;W1;S2)=5/0.3=16.7
Tr(S2;W2;S1)=T(W2) / P(S2;W2;S1)=10/0.3=33.3
Tr sum(2) = Tr(Si;W1;S2)+Tr(S2;W2;S1)=50.0
となる。
以上の結果から、期待生産量Nestおよび期待タクトタイムTestを計算すると、
Nest = Σ [1/(Trsum(l))] = (1/26.8 + 1/50.0) = 0.0573
Test = 1/Nest = 1/0.0573 = 17.5
となる。
以上の計算で、ここでは期待タクトタイムは17.5[秒/個]と計算される(図5も参照)。本実施の形態1では、図1に示す機械システムの生産性能評価装置から出力される生産性能情報102は、期待タクトタイムとなっている。
以上に述べたように、機械システムの生産性能評価装置1は、各作業における作業時間と各作業が実施された際の部品状態の状態遷移確率をもとに、経路サイクルタイムを演算し、得られた経路サイクルタイムから期待タクトタイムを演算するように構成したので、経路サイクルタイムおよび期待タクトタイムを機械システムの生産性能としてシステム設計者に表示することが可能となる。すなわち、失敗を許容して自動的に復旧することが可能な機械システムの生産性能の定量化を可能としたことで、機械システムが設計者の求める生産性を持つかどうかが判断できるようになる。そのため、構想設計および改造設計段階における検討時間の短縮化を図ることができる。
ここまで、期待タクトタイムについて、経路タクトタイム(経路の単位時間当たりの期待生産個数Nr[個/秒]の逆数)を各作業間で和を取る方法を紹介したが、例えば積を取る方法もある。具体的には、次の手順で、直接経路の単位時間当たりの期待生産個数Nrsumを求める手順で算出する。
まず、ある経路lに注目して、経路の先頭にある経路サイクルタイムTr(Si1;W1;Sj1)と、次の工程の作業時間T(W2)の大小を比較する。次の工程の作業時間Tの方が小さい場合は、工程の律速段階がW1の工程にあるとして、まずその作業単位当たりの生産個数としてNr(Si;Wk;Sj)=1/Tr(Si;Wk;Sj)とする。
それ以降の生産効率は後工程の状態遷移確率P(Si;Wk;Sj)に依存するものとして、下記の様に定義する。
Nrsum(l)=Tr(Si1;W1;Sj1)*P(Si2;W2;Sj2)・・・*P(Si;W;Sj)・・・(5)
ただし、nは3以上の自然数である。また*は掛け算を表す記号である。
前記大小比較にて、後工程が大きい場合は、次の工程(ここではW2作業)を先頭にある作業として置き換えて、経路サイクルタイムTr(Si2;W2;Sj2)を求めて同様に大小比較し、これを作業時間の方が小さくなるまで繰り返す。なお、最終作業まで繰り返した場合は、Nrsum(l)=Tr(Sin;W;Sjn)として定義する。これ以降の処理は、前述の通りでNestを計算することが出来る。
実施の形態2.
図6は、実施の形態2に係る機械システムの生産性能評価装置の機能構成を示す図である。実施の形態2では、生産システム全体のタクトタイムを満たすために、評価対象となる機械システムの目標タクトタイムを定めた場合に、その目標タクトタイムを満たすための設計時間の短縮化を図ることができる。なお、上記実施の形態1と同様の構成要素については同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図6に示す状態遷移変化量演算手段21では、実施の形態1にて記述した期待タクトタイム演算手段14で得られた期待タクトタイム(Test)107と、目標タクトタイム(Tdes)201を比較し、目標タクトタイム201の方が大きかった場合は、状態遷移確率および作業時間の変化量を0として、状態遷移情報101に足して変化量を反映し、状態遷移変化量に基づく状態遷移情報202として出力し、作業時間・状態遷移確率記憶手段22に記憶する。設計変更情報については、各部品状態の状態遷移確率または作業時間の少なくともいずれか1つの変化量を示す。設計変更情報は、図1に示す生産性能情報102の一部として出力され、設計変更しなくてよいことを設計者に提示する情報となる。
一方で、期待タクトタイム演算手段14で得られた期待タクトタイム(Test)107と、目標タクトタイム(Tdes)201を比較し、目標タクトタイム(Tdes)201の方が小さかった場合は、期待タクトタイムが目標タクトタイムに到達していないことになるので、期待タクトタイムを目標タクトタイムに到達させるのに必要な状態遷移情報の変化量が演算される。
ここで、実施の形態1と同じ条件の具体例を考えると、期待タクトタイムが17.5[秒/個]と演算されている。ここで、目標タクトタイムが16.5[秒/個]である場合、状態遷移変化量演算手段21は、いくつかの方法で目標タクトタイムを実現するのに必要な状態遷移情報101の変化量を演算する。具体的には、状態遷移情報101である状態遷移確率および作業時間の少なくとも一方の変化量を演算する。
状態遷移確率のみを変化させる場合、仮置き台から部品整列作業を実施する際のP(S1,W2,S1)またはP(S2,W2,S1)の状態遷移確率を上げることで、目標タクトタイムを実現できる経路の候補をいくつか挙げる。ここでは、部品状態および把持による部品状態の変化が多様なビンピッキングの作業成功率を上げる改善よりも、部品整列の作業成功率を上げる改善が有効であるという重みづけがなされていることになる。
ここでは、一例としてP(S1,W2,S1)とP(S2,W2,S1)のそれぞれを独立に変化させた場合に、変化量が最小となるものを選ぶものとする。
このとき、P(S1,W2,S1)の状態遷移確率を改善して0.8とした場合は16.7[秒/個]の期待タクトタイムとなり、P(S2,W2,S1)の状態遷移確率を改善して0.4とした場合は16.3[秒/個]となる。状態遷移変化量演算手段21は、最小の変化量を選択してP(S2,W2,S1)の状態遷移確率を0.1改善して0.4とすることを出力する。ただし、状態遷移変化量の決定方法については、目的に応じて優先順位や評価関数を定めることでユーザによって再定義可能である。そのため、この方法に限るものではない。
また、作業時間・状態遷移確率記憶手段22を含まない構成を図7に示すが、状態遷移変化量演算手段21の出力する状態遷移変化量に基づく状態遷移情報202について、一端記憶することなく、図7の構成でも同様の効果を発揮する。作業時間・状態遷移確率記憶手段22を含む場合は、過去の履歴から選択的に作業時間・状態遷移確率を選び、その結果を比較する構成を取ることができる。
以上のような処理を実施する機械システムの生産性能評価装置を適用することで、設計者は短時間で機械システムを目標仕様である目標タクトタイムを満たす設計改善の期間の短縮化を図ることができる。
実施の形態3.
図8は、実施の形態3に係る機械システムの生産性能評価装置の機能構成を示す図である。実施の形態3では、生産システム全体のタクトタイムを満たすために、評価対象となる機械装置の目標タクトタイムを定めた場合に、その目標タクトタイムを満たすための設計変更手段として具体的に交換可能な機器を制約することで、検討時間を実施の形態2の構成に比べ、さらに短縮することができる。なお、上記実施の形態1および実施の形態2と同様の構成要素については同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図8に示す機器選定手段31では、予め登録された設計の選択肢として登録された機器情報に基づいて置き換え可能な機器の情報を機器情報301として出力することができる。ここで機器情報301としては、具体的には物体を掴む作業に関連する点についてロボットハンドの指先形状、ロボットハンドの製品種類が挙げられる。他にも、物体の搬送、供給の方法として、パーツフィーダ、ベルトコンベアといった、機械システムにおいて物体を目標状態に遷移させるために、置き換え可能な機器を指す。機器選定手段31には、対象とする作業毎に、考えられる機器の組み合わせについて、組み合わせごとに状態遷移確率103と作業時間104を作業時間・状態遷移確率記憶手段22に事前に登録しておき、それぞれの組み合わせについて設計者の指示に従って、機器情報301で指定して状態遷移定義手段11において状態遷移情報101を切り替えて出力することもできる。
状態遷移定義手段11は、機器情報301に従って指定された機器における状態遷移確率103を使用して、各機器構成における経路サイクルタイム106および期待タクトタイム107を計算することができる。
以上の構成によって、システム設計者は想定している機器構成ごとの経路サイクルタイムおよび期待タクトタイムを容易に比較検討することができるため、短時間で機械システムを目標仕様である目標タクトタイムを満たす設計改善について短期間で設計を完了することができる。
実施の形態4.
図9は、実施の形態4に係る機械システムの生産性能評価装置の機能構成を示す図である。実施の形態4では、生産システム全体のタクトタイムを満たすだけでなく、構成する機器によるコストを評価対象とすることができる。機械装置の目標タクトタイムを定めた場合に、その目標タクトタイムを満たすこと、および機器構成の目標コストを定めた場合に機器の初期投資と運用にかかるコストを満たすことの両面を評価することで、設計することができる。実施の形態4の構成により、機械システムを構築および運用するコストが目標コストを満たさないことによる手戻りが低減されることから、さらに設計時間を短縮することができる。なお、上記実施の形態1〜3と同様の構成要素については同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図9に示すコスト算出手段41には、状態遷移定義手段11から状態遷移情報101が入力される。コスト算出手段41には、機器選定手段31から機器情報401が入力される。コスト算出手段41は、状態遷移情報101と機器情報401とに基づいて、コストを算出する。
ここで、機器情報401は、機器単体の調達コスト、機器に関連する立ち上げコスト、機器の寿命、機器の保守に関する交換部品の交換頻度と交換に要するコスト、および電力消費量を含む運用コストを含んでいる。コスト算出手段は、機器情報401、状態遷移情報101、および機械システムが稼働する期間に基づいて計算される機器投資等から機器運用コスト情報402を算出して状態遷移変化量演算手段21に入力する。
状態遷移変化量演算手段21は、目標コスト403と機器投資および機器運用コスト情報402を比較し、目標コスト403より機器投資および機器運用コスト情報402が大きくなる場合に、機器選定手段31に対して、他の機器情報301を出力させ、状態遷移定義手段11に入力される。例えば、目標コスト403より機器投資および機器運用コスト情報402が大きくなる場合に、同様の機器構成で、ロボットハンドの指先形状の簡略化など設計を一部変更することで状態遷移確率103を悪化させるがコストを低減させることができる場合についても、機器選定手段31における、機器情報301の定義を機器そのものの変更が無い場合でも別の構成として取り扱うことで、同様に検討することができる。
以上の構成によって、機械装置の目標タクトタイムを定めた場合に、その目標タクトタイムを満たすこと、および機器構成の目標コストを定めた場合に機器の初期投資と運用にかかるコストを満たすことの両面を評価することで、実施の形態3と比較してさらに設計時間を短くすることができる。
実施の形態5.
図10は、実施の形態5に係る機械システムの生産性能評価装置の機能構成を示す図である。実施の形態5では、実施の形態4に対し、状態遷移定義手段11によって作業継続困難であると定義された部品状態の一部を作業継続可能であると再定義する構成をさらに加えたものである。このように、状態遷移を増やすという手段について評価対象とすることができる実施の形態5の構成により、ある部品状態の状態遷移確率103を向上させることが難しい場合に、全体として生産効率が上がる新しい経路が生成され、システム設計の変更を早期に完了させることができる。なお、上記実施の形態1〜4と同様の構成要素については同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図10に示す状態遷移定義変更手段51では、設計段階で一度評価した後に、期待タクトタイムの値を小さく変更させたい場合に、経路抽出手段12が出力する経路情報105を増やすために、状態遷移定義手段11で、作業継続困難であると定義された部品状態のうち、一部または全部の状態を目標状態に接続可能な部品状態に遷移させる設計変更を実施する。これにより、変更された部品状態の状態遷移確率103を更新した状態遷移情報501を出力し、経路抽出手段12に入力することを特徴とする。例えば、サイコロの事例では、偶数の目「2」「4」「6」を上向きにして作業を完了したい場合を考える。初めは1つ目の作業が完了した状態で偶数状態「2」「4」「6」を取ったものに対してのみ、2つ目の作業を実施して状態遷移することを想定するとする。この場合、「2」「4」「6」を掴むことに特化したハンドを作成することが考えられる。ただし、タクトタイムが上がらない場合、1つ目の作業が完了した状態で奇数状態「1」「3」「5」であっても、2つ目の作業が可能なハンド設計に変更することで、全体のタクトタイムをあげることが出来る。これを状態遷移で考えると、これまでは接続不可能としていた状態遷移を、システムの改造を加えるなどの処置を加えることで、接続可能な遷移を作り出すことに該当する。
以上の構成により、実施の形態4に比べ、検討段階で設計変更をするにあたり、既存の経路情報105に含まれる状態遷移確率103の設計改善だけでは期待タクトタイムの改善が目標タクトタイム201に到達できない場合、または目標コストが高くなるような場合に、対象とする部品状態を増やし経路を増やす設計変更によって全体として目標コストと目標タクトタイムを満たす手段を設計者に提示でき、設計時間を短縮するという効果を得ることができる。
実施の形態6.
図11は、実施の形態6に係る機械システムの生産性能評価装置の機能構成を示す図である。実施の形態6では、実施の形態1に対し、状態遷移定義手段11に入力する状態遷移確率103について、部品の挙動を模擬し、失敗が生じうるシミュレーションを活用し、状態遷移確率103に関する事前知識や機械システムの稼働実績が無くても、状態遷移確率103を得られるという構成をさらに含む実施の形態である。なお、上記実施の形態1〜5と同様の構成要素については同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本実施の形態6では、実施の形態1の構成に加えて、図11に示す機械システム動作シミュレーション手段61を備える。機械システム動作シミュレーション手段61では、実空間と同様の相対寸法関係を再現したロボット、機械システムおよび部品の挙動を再現したシミュレーションを用いて、実際にロボットおよび機械システムをシミュレーション上で動作させ、作業継続できない状態を再現する。例えば、物体間の接触現象を模擬し、一定の条件を満たさなければ物体を把持できない状態を再現したり、ビジョンセンサを活用した画像処理を模擬し、正しく物体の形状や位置姿勢が認識できない場合に、物体を掴み損ねる状態を再現したりする。このような機械システム動作シミュレーション手段61を用いて繰り返し作業を行わせ、統計的に状態遷移確率103を得ることが、本実施の形態6の特徴である。
以上の構成により、実際の機械システムの状態遷移確率103に関する過去の知見や実際の機械システムの稼働実績を用いることなく、状態遷移確率103を定義することができるため、機械システムの試作評価を削減し、設計時間を短縮することができる。
図12は、機械システムの生産性能評価装置のハードウェア構成を示す図である。実施の形態1〜6に例示した機械システムの生産性能評価装置1は、例えばCPU(Central Processing Unit)1aとメモリ1bを備えて構成される。機械システムの生産性能評価装置1では、プログラムを実行することでCPU(Central Processing Unit)1aが状態遷移定義手段11、経路抽出手段12、経路サイクルタイム演算手段13、期待タクトタイム演算手段14、状態遷移変化量演算手段21、機器選定手段31、コスト算出手段41、状態遷移定義変更手段51、および機械システ動作ムシミュレーション手段61として機能する。また、ROM(Read Only Memory)等のメモリ1bが作業時間・状態遷移確率記憶手段22として機能する。CPU1aが実行するプログラムは、メモリ1bに記憶されていてもよいし、他の記憶媒体に記憶されていてもよい。なお、機器選定手段31のように機器情報を登録する機能も有する場合には、情報を登録する機能部分については、メモリ1bによって実現されればよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 機械システムの生産性能評価装置、2,2a,2b ロボット、2c ビジョンセンサ、3 コンベア、4 制御コントローラ、5 情報統合機器、6 表示装置、11 状態遷移定義手段、12 経路抽出手段、13 経路サイクルタイム演算手段、14 期待タクトタイム演算手段、21 状態遷移変化量演算手段、22 作業時間・状態遷移確率記憶手段、31 機器選定手段、41 コスト算出手段、51 状態遷移定義変更手段、61 機械システム動作シミュレーション手段。

Claims (10)

  1. 複数の作業を順番に行う機械システムの前記複数の作業のうちの各業の前後で部品が取りうる位置または姿勢によって定義される部品状態に対し、前記各作業の前後の前記部品状態間の状態遷移確率と前記各作業の作業時間を定義する状態遷移定義手段と、
    前記状態遷移確率に基づいて、複数の前記部品状態を経て初期状態から目標状態に至るすべての遷移経路を抽出する経路抽出手段と、
    前記遷移経路のそれぞれに対して、前記部品状態間を遷移するのにかかる時間の期待値である経路サイクルタイムを、前記状態遷移確率と前記作業時間とから演算する経路サイクルタイム演算手段と、
    前記経路サイクルタイムと、前記経路抽出手段で抽出された遷移経路から、前記機械システムで1つの部品が前記目標状態となるのにかかる時間である期待タクトタイムを演算する期待タクトタイム演算手段と、を備えることを特徴とする機械システムの生産性能評価装置。
  2. 前記状態遷移定義手段は、前記各作業の前後の前記部品状態間を網羅的に接続して前記状態遷移確率を定義することを特徴とする請求項1に記載の機械システムの生産性能評価装置。
  3. 前記経路サイクルタイム演算手段は、前記各作業のひとつであるk番目の作業Wkによって前記部品状態のひとつである部品状態Siから前記部品状態のひとつである部品状態Sjが生じる状態遷移確率P(Si;Wk;Sj)と、前記作業Wkの作業時間T(Wk)とを用いて、
    Tr(Si;Wk;Sj)=T(Wk)/P(Si;Wk;Sj)
    で表される式で経路サイクルタイムTr(Si;Wk;Sj)を演算することを特徴とする請求項1または2に記載の機械システムの生産性能評価装置。
  4. 前記期待タクトタイム演算手段は、前記経路サイクルタイムと前記遷移経路とに基づいて、経路毎に期待される単位時間当たりの生産個数である経路の単位時間当たりの期待生産個数を求め、前記経路の単位時間当たりの期待生産個数に基づいて前記期待タクトタイムを演算することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の機械システムの生産性能評価装置。
  5. 前記期待タクトタイムが、目標とするタクトタイムである目標タクトタイムより大きい場合に、少なくとも1つの前記遷移経路に対して、前記状態遷移確率および前記作業時間の少なくとも1つの変化量を決定し、前記状態遷移確率および前記作業時間の少なくとも1つを前記変化量で変化させる状態遷移変化量演算手段をさらに備え、
    前記期待タクトタイム演算手段は、変化された前記状態遷移確率および前記作業時間に基づいて前記期待タクトタイムを再度演算することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の機械システムの生産性能評価装置。
  6. 前記状態遷移変化量演算手段は、複数の前記遷移経路に対して前記変化量の候補を決定することを特徴とする請求項に記載の機械システムの生産性能評価装置。
  7. 前記期待タクトタイムが、目標とするタクトタイムである目標タクトタイムより大きい場合に、前記機械システムに含まれる機器のうち置き換え可能な機器を示す機器情報を出力する機器選定手段をさらに備え、
    前記期待タクトタイム演算手段は、前記機器を置き換えた場合の前記期待タクトタイムを演算することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の機械システムの生産性能評価装置。
  8. 前記機械システムの機器に関連するコストを演算するコスト算出手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の機械システムの生産性能評価装置。
  9. 前記機械システムおよび前記部品の挙動をシミュレーションする機械システム動作シミュレーション手段をさらに備え、
    前記状態遷移定義手段は、シミュレーション結果に基づいて前記状態遷移確率を定義することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の機械システムの生産性能評価装置。
  10. 複数の作業を順番に行う機械システムの前記複数の作業のうちの各業の前後で部品が取りうる位置または姿勢によって定義される部品状態に対し、前記各作業の前後の前記部品状態間の状態遷移確率と前記各作業の作業時間を定義するステップと、
    前記状態遷移確率に基づいて、複数の前記部品状態を経て初期状態から目標状態に至るすべての遷移経路を抽出するステップと、
    前記遷移経路のそれぞれに対して、前記部品状態間を遷移するのにかかる時間の期待値である経路サイクルタイムを、前記状態遷移確率と前記作業時間とから演算するステップと、
    前記経路サイクルタイムと、前記遷移経路から、前記機械システムで1つの部品が前記目標状態となるのにかかる時間である期待タクトタイムを演算するステップと、を備えることを特徴とする機械システムの生産性能評価方法。
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