JPWO2012137331A1 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
この発明は、WGV制御を実行する場合でも、これと並行して空燃比を安定的に制御することを目的とする。エンジン10は、過給機36、ウェイストゲートバルブ(WGV)40等を備える。ECU60は、WGV40の開度または当該開度に対応する指標を含む複数のパラメータに基いて吸気ポート20の壁面に付着する燃料の量である壁面燃料付着量FMWを算出する。そして、算出した壁面燃料付着量FMWを燃料噴射量ETAUoutに反映させる。これにより、WGV制御を実行する場合でも、WGV開度に伴って変化する排気ガスの吹き戻し量の状態を壁面燃料付着量、即ち、燃料噴射量に反映させることができ、吹き戻し量の変化による空燃比の乱れ等を抑制することができる。
Description
本発明は、例えば自動車用エンジンとして好適に用いられ、過給機及びウェイストゲートバルブ(WGV)を備えた内燃機関の制御装置に関する。
従来技術として、例えば特許文献1(日本特開平10−159632号公報)に開示されているように、燃料の動的挙動モデルを用いて燃料噴射量を制御する構成とした内燃機関の制御装置が知られている。従来技術では、吸気ポート等の壁面に付着する燃料の割合である壁面燃料付着率と、付着した燃料が壁面に残る割合である壁面燃料残留率とを、動的挙動モデルのパラメータとして可変に設定し、これらのパラメータを用いて燃料噴射量を補正するようにしている。
尚、出願人は、本発明に関連するものとして、上記の文献を含めて、以下に記載する文献を認識している。
尚、出願人は、本発明に関連するものとして、上記の文献を含めて、以下に記載する文献を認識している。
ところで、過給機付きのエンジンにおいては、過給応答性と燃費とを両立させるために、WGVを作動させて背圧を適切に調整する制御が知られている。しかし、従来技術において、このようなWGV制御を実行しようとすると、空燃比の制御性が悪化し易いという問題がある。即ち、WGV制御の実行時には、背圧の変化に伴って吸気ポートに逆流する排気ガスの吹き戻し量が変化するが、排気ガスの吹き戻し量と燃料の壁面付着量との間には、強い相関関係がある。従来技術では、背圧の変化(WGVの開度変化)について考慮していないため、WGV制御を実行すると、背圧の変化に応じて燃料の壁面付着量が変動し、空燃比が乱れる虞れがある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、WGV制御を実行する場合でも、これと並行して空燃比を安定的に制御することが可能な内燃機関の制御装置を提供することにある。
第1の発明は、内燃機関の吸入空気中に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
内燃機関の排気通路に設けれたタービンと吸気通路に設けられたコンプレッサとを有し、排気圧を利用して吸入空気を過給する過給機と、
前記過給機のタービンをバイパスして流れる排気ガスの量を調整するウェイストゲートバルブと、
前記燃料噴射弁から噴射された燃料のうち内燃機関の壁面に付着する燃料の量である壁面燃料付着量を算出する手段であって、前記ウェイストゲートバルブの開度または当該開度に対応する指標をWGVパラメータとして取得し、少なくとも前記WGVパラメータに基いて前記壁面燃料付着量を算出する燃料付着量算出手段と、
内燃機関の運転状態に基いて設定される燃料噴射量に対して、前記壁面燃料付着量を反映させる燃料付着量反映手段と、を備えることを特徴とする。
内燃機関の排気通路に設けれたタービンと吸気通路に設けられたコンプレッサとを有し、排気圧を利用して吸入空気を過給する過給機と、
前記過給機のタービンをバイパスして流れる排気ガスの量を調整するウェイストゲートバルブと、
前記燃料噴射弁から噴射された燃料のうち内燃機関の壁面に付着する燃料の量である壁面燃料付着量を算出する手段であって、前記ウェイストゲートバルブの開度または当該開度に対応する指標をWGVパラメータとして取得し、少なくとも前記WGVパラメータに基いて前記壁面燃料付着量を算出する燃料付着量算出手段と、
内燃機関の運転状態に基いて設定される燃料噴射量に対して、前記壁面燃料付着量を反映させる燃料付着量反映手段と、を備えることを特徴とする。
第2の発明によると、前記燃料付着量算出手段は、前記ウェイストゲートバルブの開度が大きいほど前記壁面燃料付着量の算出値を増加させる構成としている。
第3の発明によると、前記燃料付着量算出手段は、
内燃機関の機関回転数、負荷、機関温度及び前記負荷の変化量のうち少なくとも1つのパラメータに基いて前記壁面燃料付着量を算出する基本算出手段と、
前記WGVパラメータに基いて前記壁面燃料付着量を補正するWGV対応補正手段と、を備える。
内燃機関の機関回転数、負荷、機関温度及び前記負荷の変化量のうち少なくとも1つのパラメータに基いて前記壁面燃料付着量を算出する基本算出手段と、
前記WGVパラメータに基いて前記壁面燃料付着量を補正するWGV対応補正手段と、を備える。
第4の発明は、前記ウェイストゲートバルブの開度を所定値よりも大きく変化させる要求が生じた場合にのみ、前記WGV対応補正手段より前記壁面燃料付着量を補正する補正実行判定手段を備える。
第5の発明は、内燃機関の吸入空気量を調整するスロットルバルブの上流側かつ前記過給機のコンプレッサの下流側となる位置で吸気圧を検出する吸気圧センサを備え、
前記燃料付着量算出手段は、前記WGVパラメータとして前記吸気圧センサの出力を用いる構成としている。
前記燃料付着量算出手段は、前記WGVパラメータとして前記吸気圧センサの出力を用いる構成としている。
第1の発明によれば、WGV開度等に基いて壁面燃料付着量し、その算出値を実際の壁面燃料付着量に追従して正確に変化させることができる。そして、壁面燃料付着量が反映された燃料噴射量に基いて燃料噴射制御を実行することができる。これにより、WGV制御を実行する場合でも、WGV開度に伴って変化する排気ガスの吹き戻し量の状態を壁面燃料付着量、即ち、燃料噴射量に反映させることができ、吹き戻し量の変化による空燃比の乱れ等を抑制することができる。従って、WGV制御による排気ガスの吹き戻し量の変化を考慮して空燃比を安定的に制御することができる。
第2の発明によれば、燃料付着量算出手段は、WGV開度が大きいほど壁面燃料付着量の算出値を増加させることができる。即ち、WGV開度が大きいほど過給圧が低下して吸入空気の流速が減少し、噴射燃料が壁面に付着し易くなるので、この特性に基いて壁面燃料付着量を適切に算出することができる。
第3の発明によれば、基本算出手段は、機関回転数、負荷、機関温度及び負荷の変化量のうち少なくとも1つのパラメータに基いて壁面燃料付着量を算出し、WGV対応補正手段は、WGVパラメータに基いて前記壁面燃料付着量を補正することができる。従って、実際の燃料噴射量に対して、上記各パラメータの変化を全て反映させることができ、個々のパラメータに応じて噴射量を適切に制御することができる。
第4の発明によれば、補正実行判定手段は、WGV開度を所定値よりも大きく変化させる要求が生じた場合にのみ、WGV対応補正手段より壁面燃料付着量を補正することができる。即ち、前記要求が生じていない場合には、WGV開度に基いた壁面燃料付着量の補正を停止することができる。これにより、WGV開度が急変して補正が必要となる場合にのみ、壁面燃料付着量を的確に補正することができるので、WGV開度が小さく変化しただけで、壁面燃料付着量が過剰に補正されるのを回避することができる。従って、壁面燃料付着量のばらつき等を抑制し、制御を安定させることができる。
第5の発明によれば、燃料付着量算出手段は、WGVパラメータである吸気圧センサの出力(過給圧)に基いて、壁面燃料付着量を補正することができる。これにより、排気系の温度変化等によるWGV開度の検出誤差を抑制し、壁面燃料付着量の補正精度を向上させることができる。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
以下、図1乃至図12を参照しつつ、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。本実施の形態のシステムは、多気筒型内燃機関としてのエンジン10を備えている。なお、図1は、エンジン10に搭載された複数気筒のうちの1気筒のみを例示している。エンジン10の各気筒には、ピストン12により燃焼室14が形成されており、ピストン12は、エンジンのクランク軸16に連結されている。
[実施の形態1の構成]
以下、図1乃至図12を参照しつつ、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための全体構成図である。本実施の形態のシステムは、多気筒型内燃機関としてのエンジン10を備えている。なお、図1は、エンジン10に搭載された複数気筒のうちの1気筒のみを例示している。エンジン10の各気筒には、ピストン12により燃焼室14が形成されており、ピストン12は、エンジンのクランク軸16に連結されている。
また、エンジン10は、各気筒に吸入空気を吸込む吸気通路18を備えており、吸気通路18の下流側には、各気筒の燃焼室14内(筒内)に開口する吸気ポート20が設けられられている。また、吸気通路18には、吸入空気量を調整する電子制御式のスロットルバルブ22が設けられている。一方、エンジン10は、各気筒から排気ガスが排出される排気通路24を備えており、排気通路24には、排気ガスを浄化する三元触媒等の触媒26が設けられている。また、各気筒には、吸気ポート20内の吸入空気中に燃料を噴射する燃料噴射弁28と、筒内の混合気に点火する点火プラグ30と、吸気ポート20を開閉する吸気バルブ32と、排気ポートを開閉する排気バルブ34とが設けられている。
さらに、エンジン10は、排気圧を利用して吸入空気を過給する公知の過給機36を備えている。過給機36は、触媒26の上流側で排気通路24に設けられたタービン36aと、吸気通路18に設けられたコンプレッサ36bとにより構成されている。過給機36の作動時には、タービン36aが排気圧を受けてコンプレッサ36bを駆動することにより、コンプレッサ36bが吸入空気を過給する。また、排気通路24には、タービン36aをバイパスするバイパス通路38と、バイパス通路38を流れる排気ガスの量を調整するウェイストゲートバルブ(WGV)40とが設けられている。バイパス通路38は、タービン36aの上流側で排気通路24から分岐し、タービン36aの下流側かつ触媒26の上流側となる位置で排気通路24に合流している。
次に、エンジンの制御系統について説明する。本実施の形態のシステムは、センサ50〜58を含むセンサ系統と、エンジン10の運転状態を制御するECU(Electronic Control Unit)60とを備えている。まず、センサ系統について説明すると、クランク角センサ50は、クランク軸16の回転に同期した信号を出力するもので、エアフローセンサ52はエンジンの吸入空気量を検出する。水温センサ54は、エンジンの機関温度の一例として、エンジン冷却水の温度(エンジン水温)を検出する。なお、本実施の形態では、例えばエンジン本体の温度、潤滑油の油温等を機関温度として用いてもよい。
また、アクセルセンサ56は、運転者のアクセル操作量(アクセル開度)を検出し、吸気圧センサ58は、エンジンの吸気圧(過給圧)を検出する。吸気圧センサ58は、スロットルバルブ22の上流側かつ過給機36のコンプレッサ36bの下流側となる位置で吸気通路18に設けられている。これらのセンサの他にも、センサ系統には、エンジン制御に必要な各種のセンサ(触媒26の上流側で排気空燃比を検出する空燃比センサ等)が含まれており、個々のセンサは、ECU60の入力側に接続されている。一方、ECU60の出力側には、スロットルバルブ22、燃料噴射弁28、点火プラグ30、WGV40等を含む各種のアクチュエータが接続されている。
ECU60は、例えばROM、RAM、不揮発性メモリ等の記憶回路と入出力ポートとを備えた演算処理装置により構成されている。そして、ECU60は、センサ系統により検出したエンジンの運転情報に基いて各アクチュエータを駆動し、エンジンの運転制御を行う。具体的には、クランク角センサ50の出力に基いて機関回転数(エンジン回転数)とクランク角とを検出し、エアフローセンサ52により検出した吸入空気量と、エンジン回転数とに基いてエンジンの負荷(負荷率)を算出する。
また、ECU60は、エンジン回転数、負荷率、エンジンの暖機状態、加速操作の有無等に基いて燃料噴射量(基本燃料噴射量)を算出する燃料噴射制御と、クランク角等に基いて点火時期を算出する点火時期制御とを実行する。そして、各気筒において、燃料噴射時期が到来した時点で燃料噴射弁28を駆動し、点火時期が到来した時点で点火プラグ30を駆動する。これにより、筒内の混合気を燃焼させ、エンジン10を運転することができる。さらに、ECU60は、空燃比センサ等の出力に基いて排気空燃比が目標空燃比と一致するように燃料噴射量を補正する空燃比制御と、吸気圧センサ58の出力等に基いてWGV40の開度(WGV開度)を変化させるWGV制御とを実行する。なお、上述の燃料噴射制御、点火時期制御、空燃比制御及びWGV制御は、何れも公知の制御である。
[実施の形態1の特徴]
一般に、吸気ポート20に噴射された燃料の一部は、吸気ポート20の壁面や吸気バルブ32等に付着するが、この現象は筒内に流入する燃料の量(空燃比)の変動要因となる。特に、WGV開度が変化した場合には、図2に示すように、排気圧及び過給圧が変化したり、図3に示すように、排気脈動のピーク値等が変化する。このように、排気圧の状態が変化すると、吸気ポート20に逆流する排気ガスの吹き戻し量が変化することになり、これに伴って吸気ポート20の壁面に付着する燃料の量(以下、壁面燃料付着量と称す)が変化するので、空燃比の乱れが生じ易くなる。このため、本実施の形態では、以下に述べるWGV対応制御を実行することを特徴としている。なお、図2は、WGVの開弁時と閉弁時とで過給圧が変化する状態を示す特性線図であり、図3は、WGVの開弁時と閉弁時とで排気脈動のピーク値等が変化する状態を示す特性線図である。
一般に、吸気ポート20に噴射された燃料の一部は、吸気ポート20の壁面や吸気バルブ32等に付着するが、この現象は筒内に流入する燃料の量(空燃比)の変動要因となる。特に、WGV開度が変化した場合には、図2に示すように、排気圧及び過給圧が変化したり、図3に示すように、排気脈動のピーク値等が変化する。このように、排気圧の状態が変化すると、吸気ポート20に逆流する排気ガスの吹き戻し量が変化することになり、これに伴って吸気ポート20の壁面に付着する燃料の量(以下、壁面燃料付着量と称す)が変化するので、空燃比の乱れが生じ易くなる。このため、本実施の形態では、以下に述べるWGV対応制御を実行することを特徴としている。なお、図2は、WGVの開弁時と閉弁時とで過給圧が変化する状態を示す特性線図であり、図3は、WGVの開弁時と閉弁時とで排気脈動のピーク値等が変化する状態を示す特性線図である。
(WGV対応制御)
この制御では、WGV開度または当該開度に対応する指標をWGVパラメータとして取得し、少なくともWGVパラメータに基いて壁面燃料付着量を算出する。そして、前述の燃料噴射制御により設定された燃料噴射量に対して、壁面燃料付着量を反映させる。具体的に述べると、WGV対応制御では、まず、壁面燃料付着量FMWのベースとなる基本壁面付着量FMWBを算出する。基本壁面付着量FMWBには、エンジン回転数及び負荷率に応じて変化する壁面燃料付着量の特性が反映されている。
この制御では、WGV開度または当該開度に対応する指標をWGVパラメータとして取得し、少なくともWGVパラメータに基いて壁面燃料付着量を算出する。そして、前述の燃料噴射制御により設定された燃料噴射量に対して、壁面燃料付着量を反映させる。具体的に述べると、WGV対応制御では、まず、壁面燃料付着量FMWのベースとなる基本壁面付着量FMWBを算出する。基本壁面付着量FMWBには、エンジン回転数及び負荷率に応じて変化する壁面燃料付着量の特性が反映されている。
(基本壁面付着量FMWBの算出)
図4は、エンジン回転数及び負荷率の変化に対する壁面燃料付着量の特性を示す特性線図である。この図に示すように、エンジン回転数が高いほど、また、負荷率が大きいほど、壁面燃料付着量は増加する特性がある。ECU60には、この特性に基いて設定された2次元データマップが予め記憶されている。図5は、前記2次元データマップの一部を構成するもので、エンジン回転数を一定とした場合における負荷率と基本壁面付着量との関係を示す特性データである。即ち、ECU60には、図5に示す特性データがそれぞれ異なるエンジン回転数毎に記憶されている。
図4は、エンジン回転数及び負荷率の変化に対する壁面燃料付着量の特性を示す特性線図である。この図に示すように、エンジン回転数が高いほど、また、負荷率が大きいほど、壁面燃料付着量は増加する特性がある。ECU60には、この特性に基いて設定された2次元データマップが予め記憶されている。図5は、前記2次元データマップの一部を構成するもので、エンジン回転数を一定とした場合における負荷率と基本壁面付着量との関係を示す特性データである。即ち、ECU60には、図5に示す特性データがそれぞれ異なるエンジン回転数毎に記憶されている。
従って、ECU60は、エンジン回転数と負荷率とに基いて前記2次元データマップを参照することにより、基本壁面付着量FMWBを算出することができる。なお、基本壁面付着量FMWBは、エンジンの暖機が完了した状態での基準値として設定される。また、本実施の形態では、このように算出した基本壁面付着量FMWBを、以下に述べるWGV補正係数Kv、水温補正係数Kt、負荷率変化補正係数Kdl等により補正することで、最終的な壁面燃料付着量FMWを算出する。
(WGV補正係数Kvの算出)
WGV補正係数Kvは、WGV開度に基いて基本壁面付着量FMWBを補正するための補正係数である。ここで、図6は、WGV開度の変化に対する壁面燃料付着量の特性を示している。この図に示すように、WGV開度が大きいほど、即ち、過給圧が小さいほど、壁面燃料付着量は増加する特性がある。この特性は、WGV開度が大きいほど過給圧が低下して吸入空気の流速が減少し、噴射燃料が壁面に付着し易くなることに起因する。上記特性は、例えばWGV開度とWGV補正係数Kvとの関係を表すデータマップとしてECU60に予め記憶されている。ECU60は、WGV開度に基いて前記データマップを参照することにより、WGV開度が大きいほど増加する特性のWGV補正係数Kvを算出する。従って、WGV開度に対する特性に基いて壁面燃料付着量FMWを適切に算出することができる。
WGV補正係数Kvは、WGV開度に基いて基本壁面付着量FMWBを補正するための補正係数である。ここで、図6は、WGV開度の変化に対する壁面燃料付着量の特性を示している。この図に示すように、WGV開度が大きいほど、即ち、過給圧が小さいほど、壁面燃料付着量は増加する特性がある。この特性は、WGV開度が大きいほど過給圧が低下して吸入空気の流速が減少し、噴射燃料が壁面に付着し易くなることに起因する。上記特性は、例えばWGV開度とWGV補正係数Kvとの関係を表すデータマップとしてECU60に予め記憶されている。ECU60は、WGV開度に基いて前記データマップを参照することにより、WGV開度が大きいほど増加する特性のWGV補正係数Kvを算出する。従って、WGV開度に対する特性に基いて壁面燃料付着量FMWを適切に算出することができる。
なお、WGV開度を検出する方法としては、例えば開度センサ等によりWGV40の開度を直接検出する方法、WGV40の流出口近傍に配置した排気圧センサや排気温度センサの出力に基いてWGV開度を検出する方法等が知られている。また、前述のWGV制御により設定されたWGV40の開度目標値をWGV開度として用いる方法や、例えば日本特開2010−185302号公報に記載されているように、WGV40を駆動する負圧アクチュエータに供給される負圧の大きさをWGV開度として用いてもよい。
また、本実施の形態では、WGV開度に基いてWGV補正係数Kvを算出する場合を例示したが、本発明はこれに限らず、WGV開度に対応する各種の指標をWGVパラメータとして取得し、この指標に基いてWGV補正係数Kvを算出する構成としてもよい。このような指標の例としては、前述した排気圧センサや排気温度センサの出力、負圧アクチュエータに供給される負圧の大きさ、吸気圧センサ58の出力(過給圧)等がある。
特に、WGV開度に代えて、過給圧に基いてWGV補正係数Kvを算出した場合には、排気系の温度変化等によるWGV開度の検出誤差を抑制し、WGV補正係数Kv(壁面燃料付着量FMW)の算出精度を向上させることができる。この場合、コンプレッサ36bの出口側における過給圧の絶対値(abs.)は、図7に示すように、WGV開度が大きいほど減少する特性がある。従って、WGV補正係数Kvの特性は、過給圧が小さいほど壁面燃料付着量FMWの算出値が増加するように設定すればよい。なお、図7は、WGV開度と過給圧との関係の一例を示す特性線図である。また、より詳しく述べると、WGV開度と過給圧との関係は、吸入空気量(またはスロットル開度)によっても変化する。従って、過給圧と吸入空気量とに基いてWGV補正係数Kvを算出する構成としてもよい。この構成によれば、WGV補正係数Kvの算出精度を更に向上させることができる。
(水温補正係数Ktの算出)
水温補正係数Ktは、エンジン水温に基いて基本壁面付着量FMWBを補正するための補正係数である。ここで、図8は、エンジン水温と水温補正係数との関係を示す特性線図であり、この図に示す特性は、データマップとしてECU60に予め記憶されている。ECU60は、エンジン水温に基いて前記データマップを参照し、水温補正係数Ktを算出することができる。エンジン水温等の機関温度が上昇した場合には、噴射燃料が蒸発し易くなるので、壁面燃料付着量は減少する特性がある。図8に示すデータは、この特性が反映されたもので、水温補正係数Ktは、エンジン水温が高くなるほど減少し、例えばエンジン水温≧70℃となる完全暖機状態では零に設定される。
水温補正係数Ktは、エンジン水温に基いて基本壁面付着量FMWBを補正するための補正係数である。ここで、図8は、エンジン水温と水温補正係数との関係を示す特性線図であり、この図に示す特性は、データマップとしてECU60に予め記憶されている。ECU60は、エンジン水温に基いて前記データマップを参照し、水温補正係数Ktを算出することができる。エンジン水温等の機関温度が上昇した場合には、噴射燃料が蒸発し易くなるので、壁面燃料付着量は減少する特性がある。図8に示すデータは、この特性が反映されたもので、水温補正係数Ktは、エンジン水温が高くなるほど減少し、例えばエンジン水温≧70℃となる完全暖機状態では零に設定される。
(負荷率変化補正係数Kdlの算出)
負荷率変化補正係数Kdlは、負荷率の変化量に基いて基本壁面付着量FMWBを補正するための補正係数である。なお、負荷率の変化量とは、例えばアクセル開度等に基いて設定される負荷率の目標値から現在の負荷率を減算した差分値として定義される。図9は、負荷率の変化量と負荷率変化補正係数との関係を示す特性線図であり、この図に示す特性は、データマップとしてECU60に予め記憶されている。エンジンの負荷率が大きく変化した場合には、壁面燃料付着量の変化も大きくなるので、基本壁面付着量FMWBを大きく補正する必要がある。図9に示すデータは、この点が反映されたもので、負荷率変化補正係数Kdlは、負荷率の変化量が大きいほど増加するように設定されている。ECU60は、負荷率の変化量を算出し、この変化量に基いて前記データマップを参照することにより、負荷率変化補正係数Kdlを算出することができる。
負荷率変化補正係数Kdlは、負荷率の変化量に基いて基本壁面付着量FMWBを補正するための補正係数である。なお、負荷率の変化量とは、例えばアクセル開度等に基いて設定される負荷率の目標値から現在の負荷率を減算した差分値として定義される。図9は、負荷率の変化量と負荷率変化補正係数との関係を示す特性線図であり、この図に示す特性は、データマップとしてECU60に予め記憶されている。エンジンの負荷率が大きく変化した場合には、壁面燃料付着量の変化も大きくなるので、基本壁面付着量FMWBを大きく補正する必要がある。図9に示すデータは、この点が反映されたもので、負荷率変化補正係数Kdlは、負荷率の変化量が大きいほど増加するように設定されている。ECU60は、負荷率の変化量を算出し、この変化量に基いて前記データマップを参照することにより、負荷率変化補正係数Kdlを算出することができる。
(壁面燃料付着量FMWの算出)
次の処理では、前記方法により求めた基本壁面付着量FMWB、WGV補正係数Kv、水温補正係数Kt及び負荷率変化補正係数Kdlに基いて、下記(1)式により最終的な壁面燃料付着量FMWを算出する。
次の処理では、前記方法により求めた基本壁面付着量FMWB、WGV補正係数Kv、水温補正係数Kt及び負荷率変化補正係数Kdlに基いて、下記(1)式により最終的な壁面燃料付着量FMWを算出する。
FMW=FMWB×Kv×Kt×Kdl+FMW前回×(1−QTRN) ・・・(1)
上記(1)式において、FMW前回は、前回の演算サイクルで算出されたFMWの値(前回値)である。また、QTRNは、壁面燃料付着量FMWの最新値に対して前回値が反映される度合いを調整する減衰補正係数であり、エンジン水温に基いて設定される。図10は、エンジン水温に基いて減衰補正係数QTRNを設定するための特性線図であり、この図に示す特性は、データマップとしてECU60に予め記憶されている。図10に示すように、減衰補正係数QTRNは、エンジン水温が高くなるほど減少し、完全暖機状態では零に設定される。従って、壁面燃料付着量FMWは、エンジンの冷間時には高い応答性をもって変化し、暖機状態が近くなるにつれて緩やかに変化するように設定されている。
(燃料噴射量への反映)
次の処理では、前述の燃料噴射制御により設定される基本燃料噴射量ETAUbaseと、前述の空燃比制御により設定される空燃比補正量FAFと、壁面燃料付着量FMWとに基いて、下記(2)式により最終的な燃料噴射量ETAUoutを算出する。
次の処理では、前述の燃料噴射制御により設定される基本燃料噴射量ETAUbaseと、前述の空燃比制御により設定される空燃比補正量FAFと、壁面燃料付着量FMWとに基いて、下記(2)式により最終的な燃料噴射量ETAUoutを算出する。
ETAUout=ETAUbase+FMW+FAF ・・・(2)
このように、WGV対応制御では、WGV開度または当該開度に対応する指標であるWGVパラメータと、エンジン回転数と、吸入空気量が反映された負荷率と、機関温度(エンジン水温)と、負荷率の変化量とからなる複数のパラメータに基いて壁面燃料付着量FMWが算出される。そして、算出された壁面燃料付着量FMWは、最終的な燃料噴射量ETAUoutに反映され、燃料噴射量ETAUoutに対応する量の燃料が燃料噴射弁28から噴射される。従って、実際の燃料噴射量に対して、上記各パラメータの変化を全て反映させることができ、個々のパラメータに応じて噴射量を適切に制御することができる。
なお、本実施の形態では、上述した複数のパラメータに基いて壁面燃料付着量FMWを算出する場合を例示した。しかし、本発明では、WGVパラメータを除く他のパラメータを全て用いる必要はない。即ち、本発明は、エンジン回転数、負荷率、機関温度及び負荷率の変化量のうち少なくとも1つのパラメータを必要に応じて選択し、選択したパラメータとWGVパラメータとに基いて壁面燃料付着量FMWを算出すればよいものである。
(WGV開度に応じた補正の実行条件)
上記説明では、WGV補正係数Kv等に基いて壁面燃料付着量FMWを補正するものとした。この場合、WGVパラメータによる壁面燃料付着量FMWの補正処理は、エンジンの運転中に常時実行する構成としてもよいし、または、WGV制御によりWGV開度を急変させる要求(急変要求)が生じた場合にのみ実行する構成としてもよい。具体的に述べると、本発明では、WGV開度の急変要求が生じた場合に、前述の算出方法によりWGV補正係数Kvを算出し、急変要求が生じていない場合には、WGV補正係数Kvによる補正を実行せずに(または、WGV補正係数Kv=1として)壁面燃料付着量FMWを算出してもよい。
上記説明では、WGV補正係数Kv等に基いて壁面燃料付着量FMWを補正するものとした。この場合、WGVパラメータによる壁面燃料付着量FMWの補正処理は、エンジンの運転中に常時実行する構成としてもよいし、または、WGV制御によりWGV開度を急変させる要求(急変要求)が生じた場合にのみ実行する構成としてもよい。具体的に述べると、本発明では、WGV開度の急変要求が生じた場合に、前述の算出方法によりWGV補正係数Kvを算出し、急変要求が生じていない場合には、WGV補正係数Kvによる補正を実行せずに(または、WGV補正係数Kv=1として)壁面燃料付着量FMWを算出してもよい。
ここで、WGV開度の急変要求とは、例えば加速時または減速時等において、WGV開度を所定値よりも大きく(急激に)変化させる必要がある場合に発生されるもので、前記所定値は、例えば全開時と全閉時との開度差等に応じて適宜設定される。そして、ECU60は、例えばWGV制御により制御されるWGV開度の変化量が前記所定値以上となった場合に、急変要求が発生したと判定する。また、本発明では、WGV開度が全開から全閉(または全閉から全開)へと変化した場合に、WGV開度の急変要求が発生したと判定するものとしてもよい。
このような構成とすれば、WGV開度を急変させて補正が必要となる場合にのみ、WGVパラメータに基いて壁面燃料付着量FMWを的確に補正することができる。即ち、WGV開度が小さく変化しただけで、壁面燃料付着量FMWが過剰に補正されるのを回避することができる。従って、壁面燃料付着量FMWのばらつき等を抑制し、制御を安定させることができる。
[実施の形態1の作用効果]
次に、図11を参照しつつ、本実施の形態の作用効果について説明する。図11は、WGV開度が急変した場合の壁面燃料付着量、WGV補正係数等の状態を示すタイミングチャートである。図11中の実線は、例えば加速時のWGV制御によりWGVが全開から全閉に急変した場合を示しており、点線は同WGV制御の非実行時を示している。
次に、図11を参照しつつ、本実施の形態の作用効果について説明する。図11は、WGV開度が急変した場合の壁面燃料付着量、WGV補正係数等の状態を示すタイミングチャートである。図11中の実線は、例えば加速時のWGV制御によりWGVが全開から全閉に急変した場合を示しており、点線は同WGV制御の非実行時を示している。
まず、急加速等のアクセル操作が行われると、負荷率が上昇するのに伴って壁面燃料付着量が一旦増加する。しかし、WGV制御によりWGVが急激に閉弁されると、過給圧及び吸気温度が上昇するので、壁面に付着した燃料の気化量が増加し、壁面燃料付着量は減少に転じる。このとき、WGV対応制御では、図11中の最下部に示すように、当初は負荷率の上昇に応じてWGV補正係数Kvを増加させるが、過給圧及び吸気温度が増加するにつれて、これに対応してWGV補正係数Kvを減少させる。
上述したように、本実施の形態によれば、WGV開度に基いてWGV補正係数Kvを算出し、このWGV補正係数Kv等に基いて算出される壁面燃料付着量FMWを、実際の壁面燃料付着量に追従して正確に変化させることができる。そして、壁面燃料付着量FMWが反映された燃料噴射量ETAUoutに基いて燃料噴射制御を実行することができる。これにより、WGV制御を実行する場合でも、WGV開度に伴って変化する排気ガスの吹き戻し量の状態を壁面燃料付着量FMW、即ち、燃料噴射量ETAUoutに反映させることができ、吹き戻し量の変化による空燃比の乱れ等を抑制することができる。従って、WGV制御による排気ガスの吹き戻し量の変化を考慮して空燃比を安定的に制御することができる。
[実施の形態1を実現するための具体的な処理]
次に、図12を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。図12は、本発明の実施の形態1において、ECUにより実行される制御を示すフローチャートである。この図に示すルーチンは、エンジンの運転中に繰り返し実行されるものとする。図12に示すルーチンでは、まず、ステップ100において、現在の負荷率を読込と共に、アクセル開度等に基いて目標負荷率を設定する。そして、ステップ102では、現在の負荷率と目標負荷率との差分(変化量)を算出する。また、ステップ104では、前述の方法により基本壁面付着量FMWBを算出し、ステップ106では、WGV補正係数Kvを除く各補正係数(水温補正係数Kt、負荷率変化補正係数Kdl、減衰補正係数QTRN等)を算出する。
次に、図12を参照して、上述した制御を実現するための具体的な処理について説明する。図12は、本発明の実施の形態1において、ECUにより実行される制御を示すフローチャートである。この図に示すルーチンは、エンジンの運転中に繰り返し実行されるものとする。図12に示すルーチンでは、まず、ステップ100において、現在の負荷率を読込と共に、アクセル開度等に基いて目標負荷率を設定する。そして、ステップ102では、現在の負荷率と目標負荷率との差分(変化量)を算出する。また、ステップ104では、前述の方法により基本壁面付着量FMWBを算出し、ステップ106では、WGV補正係数Kvを除く各補正係数(水温補正係数Kt、負荷率変化補正係数Kdl、減衰補正係数QTRN等)を算出する。
次に、ステップ108では、現在の負荷率と目標負荷率とを比較することにより、加速要求があるか否かを判定する。具体的には、目標負荷率が現在の負荷率よりも大きい場合に、加速要求が生じたものと判定する。また、ステップ110では、加速要求が生じることにより、前述したWGV開度の急変要求が生じたか否かを判定する。具体例を挙げると、ステップ110では、例えばWGV開度を全開→全閉に急変させる要求があるか否かを判定する。そして、ステップ108,110の判定が何れも成立した場合には、加速時にWGV開度の急変要求が生じたものと判断し、ステップ112において、前述の算出方法によりWGV開度に基いてWGV補正係数Kvを算出する。
一方、ステップ108,110の何れかで判定が不成立となった場合には、例えば極端な急加速ではないので、WGV補正係数Kvによる壁面燃料付着量FMWの補正処理が不要であるものと判断する。この場合には、ステップ114において、WGV補正係数Kvを補正に関与しない状態(Kv=1)に設定する。
次に、ステップ116では、基本壁面付着量FMWB、各補正係数Kv,Kt,Kdl,QTRN等に基いて、前記(1)式により壁面燃料付着量FMWを算出する。そして、ステップ118では、前記(2)式に基いて、算出した壁面燃料付着量FMWを燃料噴射量ETAUoutに反映させ、本ルーチンを終了する。
なお、前記実施の形態1では、図12中のステップ104,106,112,114,116が請求項1〜4における燃料付着量算出手段の具体例を示している。このうち、ステップ104、106は、請求項3における基本算出手段の具体例を示し、ステップ112はWGV対応補正手段の具体例を示している。また、ステップ118は、請求項1における燃料付着量反映手段の具体例を示し、ステップ108,110は、請求項4における補正実行判定手段の具体例を示している。
また、実施の形態1では、吸気ポート噴射型のエンジン10を例に挙げて説明したが、本発明は、吸気ポート噴射型の内燃機関に限定されるものではない。即ち、本発明は、燃料噴射弁により筒内に燃料を直接噴射する筒内噴射型の内燃機関に適用してもよい。この場合には、実施の形態1とほぼ同様の方法により、筒内の壁面に付着する噴射燃料の量を壁面燃料付着量として算出すればよい。
10 エンジン
12 ピストン
14 燃焼室
16 クランク軸
18 吸気通路
20 吸気ポート
22 スロットルバルブ
24 排気通路
26 触媒
28 燃料噴射弁
30 点火プラグ
32 吸気バルブ
34 排気バルブ
36 過給機
36a タービン
36b コンプレッサ
38 バイパス通路
40 ウェイストゲートバルブ
50 クランク角センサ
52 エアフローセンサ
54 水温センサ
56 アクセルセンサ
58 吸気圧センサ
60 ECU
12 ピストン
14 燃焼室
16 クランク軸
18 吸気通路
20 吸気ポート
22 スロットルバルブ
24 排気通路
26 触媒
28 燃料噴射弁
30 点火プラグ
32 吸気バルブ
34 排気バルブ
36 過給機
36a タービン
36b コンプレッサ
38 バイパス通路
40 ウェイストゲートバルブ
50 クランク角センサ
52 エアフローセンサ
54 水温センサ
56 アクセルセンサ
58 吸気圧センサ
60 ECU
Claims (5)
- 内燃機関の吸入空気中に燃料を噴射する燃料噴射弁と、
内燃機関の排気通路に設けれたタービンと吸気通路に設けられたコンプレッサとを有し、排気圧を利用して吸入空気を過給する過給機と、
前記過給機のタービンをバイパスして流れる排気ガスの量を調整するウェイストゲートバルブと、
前記燃料噴射弁から噴射された燃料のうち内燃機関の壁面に付着する燃料の量である壁面燃料付着量を算出する手段であって、前記ウェイストゲートバルブの開度または当該開度に対応する指標をWGVパラメータとして取得し、少なくとも前記WGVパラメータに基いて前記壁面燃料付着量を算出する燃料付着量算出手段と、
内燃機関の運転状態に基いて設定される燃料噴射量に対して、前記壁面燃料付着量を反映させる燃料付着量反映手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。 - 前記燃料付着量算出手段は、前記ウェイストゲートバルブの開度が大きいほど前記壁面燃料付着量の算出値を増加させる構成としてなる請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記燃料付着量算出手段は、
内燃機関の機関回転数、負荷、機関温度及び前記負荷の変化量のうち少なくとも1つのパラメータに基いて前記壁面燃料付着量を算出する基本算出手段と、
前記WGVパラメータに基いて前記壁面燃料付着量を補正するWGV対応補正手段と、
を備えてなる請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。 - 前記ウェイストゲートバルブの開度を所定値よりも大きく変化させる要求が生じた場合にのみ、前記WGV対応補正手段より前記壁面燃料付着量を補正する補正実行判定手段を備えてなる請求項3に記載の内燃機関の制御装置。
- 内燃機関の吸入空気量を調整するスロットルバルブの上流側かつ前記過給機のコンプレッサの下流側となる位置で吸気圧を検出する吸気圧センサを備え、
前記燃料付着量算出手段は、前記WGVパラメータとして前記吸気圧センサの出力を用いてなる請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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