JP2017002742A - 内燃機関の吸気量算出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の空気量算出装置に関し、センサの応答遅れの影響を受けることなく、ターボチャージャを備える内燃機関の吸気量を、過渡時をも含めて正確に算出することを目的とする。
【解決手段】ターボチャージャを備える内燃機関の吸気量を算出する。内燃機関の運転状態を表す変数(Pm、IVC、Ne、Ta、EVC、バルブオーバーラップ量)に基づいて、定常時の内燃機関に吸入される空気量に相当する基準吸気量Gnを推定する(ブロック48)。排気弁の閉弁時期EVCとバルブO/L量に対して相関を有し、バルブO/L量が最大値より小さい所定量以下の場合では、バルブO/L量が大きいほど大きくなり、バルブO/L量が所定量より大きい場合には、バルブO/L量が大きいほど小さくなり、かつ、閉弁時期EVCが遅いほど大きくなる補正量を演算する(ブロック80)。過渡時に、基準吸気量Gnを前記補正量で補正する(ブロック82)。
【選択図】図2

Description

この発明は、内燃機関の空気量算出装置に係り、特に、ターボチャージャを備える内燃機関の吸入空気量を算出する装置として好適な空気量算出装置に関する。
特開2012−163048号公報(下記特許文献1)には、ターボチャージャを備える内燃機関の吸入空気量を正確に計算するための手法が開示されている。内燃機関においては、排気行程から吸気行程に移行する段階で、排気弁と吸気弁が同時に開弁する期間、即ちバルブオーバーラップ(以下、「バルブO/L」とする)が生ずることがある。
ターボチャージャを備える内燃機関では、過給により吸気圧が高圧となると、バルブO/Lの際に、吸気ポートから排気ポートに空気が吹き抜けることがある(以下、この吹き抜けを「掃気」と称す)。このため、過給機を備える内燃機関では、吸気通路を通過して内燃機関に流入する空気量(以下、「流入空気量」と称す)をそのまま吸気量として捕らえると、過給時の吸気量に大きな誤差が生ずることになる。
特許文献1には、その誤差を解消するため、以下の手順で掃気率を算出し、その掃気率に基づいて流入空気量を補正する手法が開示されている。
(1)流入空気量、機関回転速度、点火時期、及び吸気温から排気温を推定する(図4参照)。
(2)推定した排気温、流入空気量、及び大気圧等から排気圧力を推定する(図3参照)。
(3)推定した排気圧力とコレクタ圧力(吸気マニホールド圧力)との差圧、後述する過渡圧力変動値、機関回転速度、及びバルブO/L量から掃気率を推定する(図2参照)。
上記の手順(2)で推定される排気圧力は、内燃機関の定常時に発生が予想される圧力である。ターボチャージャを備える内燃機関では、タービン回転速度が上昇する過渡時には、タービンが抵抗となり排気圧力が上昇する。上記の手順(3)で用いられる過渡圧力変動値は、その上昇分を補償するための補正値である。
特許文献1は、過渡圧力変動値を、流入空気量の変化速度(増加速度)に基づいて計算する手法を開示している(図5参照)。タービンの抵抗は、排気ガスの増加に伴って大きくなる。排気ガス量は、流入空気量と相関を有している。このため、上記の手法によれば、タービン回転速度の上昇に伴って排気圧力に生ずる上昇分を過渡圧力変動値に正しく反映させることができる。
このように、特許文献1に開示される手法によれば、内燃機関の定常時に限らず、タービン回転速度が上昇する過渡時においても、正しく掃気率を計算することができる。そして、その掃気率を用いて流入空気量を補正すれば、過渡時も含めて、内燃機関の吸気量を高い精度で計算することができる。
特開2012−163048号公報 特開2005−307847号公報 特開2008−075549号公報
しかしながら、上記の手法では、排気圧力の推定に際して、流入空気量並びに吸気温が用いられる。流入空気量は、また、過渡圧力変動値の算出にあたっても用いられる。吸入空気量を検出するエアフロメータや、吸気温を検出する温度センサには、一般に応答遅れが伴う。このため、上記の手法により推定される排気圧力には、特に過渡時においてある程度の誤差が伴う。この点、上記従来の手法は、ターボチャージャを備える内燃機関の吸気量を計算する手法として、更なる改良の余地を残すものであった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、センサの応答遅れの影響を受けることなく、ターボチャージャを備える内燃機関の吸気量を、過渡時をも含めて正確に算出し得る吸気量算出装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、ターボチャージャを備える内燃機関の吸気量算出装置であって、
内燃機関の運転状態を表す変数に基づいて、定常時の内燃機関に吸入される空気量に相当する基準吸気量を推定する基準吸気量推定手段と、
排気弁の閉弁時期(以降EVC)とバルブオーバーラップ量に対して相関を有し、前記バルブオーバーラップ量が最大値より小さい所定量以下の場合では、前記バルブオーバーラップ量が大きいほど大きくなり、前記バルブオーバーラップ量が前記所定量より大きい場合には、前記バルブオーバーラップ量が大きいほど小さくなり、かつ、前記閉弁時期EVCが遅いほど大きくなる補正量を演算する補正量演算手段と、
過給圧が上昇する過渡時に、前記基準吸気量を前記補正量で補正する吸気量補正手段と、
を備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、内燃機関の定常時に生ずる吸気量は、基準吸気量として精度良く推定することができる。また、過給圧が上昇する過渡時には、基準吸気量を補正量で補正することにより、吸気量を精度良く算出することができる。補正量は、バルブオーバーラップ量と排気弁の閉弁時期EVCに対して決まる値であるから、応答遅れを伴うセンサの検出値を必要とせずに決定することができる。このため、本発明によればターボチャージャを備える内燃機関の吸気量を、過渡時をも含めて正確に算出することができる。
本発明の実施の形態1の構成を示す図である。 図1に示すECUの機能を説明するためのブロック図である。 定常時に生ずる内燃機関の背圧(破線)と過渡時に生ずる背圧とを対比して示した図である。 図1に示す内燃機関において過渡時に生じ得る問題を説明するためのタイミングチャートである。 バルブO/L量が過渡時の背圧に与える影響を説明するための図である。 バルブO/L量と補正量F1との関係を定めたマップの一例である。 排気弁の閉弁時期EVCが過渡時の背圧に与える影響を説明するための図である。 排気弁の閉弁時期EVCと補正量F2との関係を定めたマップの一例である。 内燃機関の背圧が負荷に影響を受け難いことを示した図である。 内燃機関の過渡変化率と補正反映係数αとの関係を定めたマップの一例である。 図1に示すECUが実行するルーチンのフローチャートである。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態は内燃機関10を備えている。内燃機関10は吸気弁12及び排気弁14を備えている。吸気弁12及び排気弁14は、図中右上に示す可変動弁機構16により、バルブタイミングを変化させることができる。吸気弁12及び排気弁14の間には、先端が燃焼室に露出するように点火プラグ15が配置されている。
内燃機関10には、吸気通路18が連通している。吸気通路18は、エアクリーナ20の下流側にエアフロメータ(AFM)22を備えている。AFM22は、吸気通路18を流れる空気量に応じたセンサ信号を発生する。AFM22の下流にはターボチャージャ24のコンプレッサ26が配置されている。コンプレッサ26の下流には過給圧センサ28が配置されている。また、過給圧センサ28の下流には、インタークーラー30を介して、スロットル弁32が配置されている。スロットル弁32は、スロットルモータ34に駆動されることにより、吸気通路18の内部で開閉することができる。吸気通路18は、スロットル弁32の下流において、内燃機関10の吸気マニホールドに連通している。
内燃機関10の排気マニホールドには、排気通路36が連通している。排気通路36はターボチャージャ24のタービン38に連通しており、タービン38の下流で触媒40に連通している。また、排気通路36には、タービン38をバイパスするように、ウェストゲートバルブ(WGV)42を備えるバイパス路が連通している。
本実施形態のシステムは、電子制御ユニット(ECU)44を備えている。ECU44には、上述したAFM22及び過給圧センサ28の他、クランク角センサ46、吸気温センサ(図示略)など、内燃機関10に搭載される各種センサからの信号が供給されている。また、ECU44は、上述した点火プラグ15、可変動弁機構16、スロットルモータ34及びWGV42など、内燃機関10に搭載されている各種アクチュエータに対して駆動信号を供給することができる。
[基準吸気量Gnの推定]
図2は、図1に示すECU44の機能を説明するためのブロック図を示す。ECU44は、入出力インターフェース、CPU、ROM・RAM等のメモリを備えている。メモリ内には、後述するルーチン等を実行するためのプログラムやデータが格納されている。図2は、ECU44がそのプログラムを実行することで実現される主要な機能をブロック別に表したものである。
図2中に符号48を付して示す破線の枠は、基準吸気量Gnの算出ブロックを示している。基準吸気量Gnは、後述するように、内燃機関10の運転状態を表す各種パラメータに基づいて算出される。この算出の手法によれば、定常時の内燃機関10において筒内に吸入される空気量に相当する値が基準吸気量Gnとして精度良く算出される。尚、基準吸気量Gnを算出するブロック48の機能は、特開2005−307847号公報に開示されているものと同様である。
上記のブロック48には、筒内ガス量Gnbの算出ブロック50が含まれている。運転中の内燃機関10の筒内には、新たに取り込まれた空気と、既燃ガス(以下、「EGRガス」とする)とが混在する。筒内ガス量Gnbは、その混在ガスの総量に相当する。
筒内ガス量Gnbの算出ブロック50には、基本空気量Gbaseの算出ブロック51が含まれている。基本空気量Gbaseは、内部EGRが最小である場合に吸気通路18から筒内に吸い込まれる空気量に相当する。基本空気量Gbaseは、吸気マニホールド圧Pm、吸気弁12の閉弁時期IVC及び機関回転速度Neに基づいて算出される。ここで、吸気マニホールド圧Pmとしては、公知のスロットル遅延モデルを用いて、スロットル弁32の開度に基づいて予測した値が用いられる。また、機関回転速度Ne及び吸気弁12の閉弁時期IVCには、クランク角センサ46又は可変動弁機構16による検出値がそれぞれ用いられる。ECU44は、Ne毎に定めたGbaseマップを記憶している。このマップは、Pmが高いほど、また、IVCが進角されているほど、Gbaseが大きくなるように設定されている。基本空気量Gbaseは、具体的には、そのマップに従って算出される。
ブロック50は、また、吸気温補正係数Kaの算出ブロック52を有している。上述したGbaseマップは、基準温度の下で発生する基本空気量を定めている。吸気温補正係数Kaは、基準温度と実温度との差に起因する空気量の変化を補正するための係数である。図2に示す通り、吸気温補正係数Kaは吸気温Ta(実測値)に基づいて算出される。
ブロック50は、更に、脈動補正係数Kbの算出ブロック53を有している。筒内に吸入される空気の充填率には、吸気の脈動を受けてバラツキが生ずる。脈動補正係数Kbは、そのバラツキを補正するための係数である。吸気の脈動は吸気マニホールド圧Pmと機関回転速度Neに対して概ね決定される。ECU44は、脈動補正係数KbをPmとNeとの関係で定めたマップを記憶している。ここでは、そのマップに従って係数Kbが算出される。
基本空気量Gbaseは、補正ブロック54にて、吸気温補正係数Ka及び脈動補正係数Kbにより補正される。ここでは、具体的には、下記の演算式により筒内ガス量Gnbが算出される。
Gnb=Gbase×Ka×Kb ・・・(1)
基準吸気量Gnの算出ブロック48は、上記のブロック50と共にEGR量Gegrの算出ブロック60を有している。このブロック60には、隙間容積に起因するEGR量を算出するためのブロック61が含まれている。本実施形態の内燃機関10は、排気弁14の閉弁時期EVCを変化させることができる。EVCが排気上死点より進角側に設定されると、その進角量に応じた隙間が筒内に残存する段階で排気が終了される。この場合、筒内には、その隙間の容積に応じた内部EGRガスが残存する。また、EVCが排気上死点より遅角側に設定されると、ピストンが排気上死点を通過した後EVCまでの間に排気通路から筒内に既燃ガスが逆流する。このため、この場合にも、筒内にはEVCに応じた隙間の容積分だけ内部EGRガスが残存することになる。以下、このようにして生ずるEGRガスの量を「隙間容積EGR量」と称す。ECU44は、排気弁14の閉弁時期EVCとの関係で隙間容積EGR量を定めたマップを記憶している。本ブロック61では、そのマップに従って隙間容積EGR量が算出される。
ブロック60には、吹き戻しによるEGR量を算出するためのブロック62が含まれている。排気行程から吸気行程への移行時にはバルブO/Lが生ずることがある。排気圧力は吸気圧力より高圧であるため、バルブO/Lの間は、排気通路36から吸気通路18へ既燃ガスの吹き戻しが生ずる。そして、排気弁14が閉じてバルブO/Lが終了した後、吹き戻された既燃ガスは新たな空気と共に筒内に吸入される。その結果、筒内には、吹き戻しに起因する内部EGRガスが発生する。以下、以下、このようにして生ずるEGRガスの量を「吹き戻しEGR量」と称す。吹き戻しEGR量は、バルブO/L量、機関回転速度Ne、及び吸気マニホールド圧Pmに応じた値となる。ECU44は、それらのパラメータとの関係で吹き戻しEGR量を定めたマップを記憶している。本ブロック62では、そのマップに従って吹き戻しEGR量が算出される。
ブロック61の機能により算出された隙間容積EGR量と、ブロック62の機能により算出された吹き戻しEGR量とは、ブロック63にて加算される。ブロック63の処理によれば、筒内に残存するEGR量の総量が算出される。
上述した通り、ブロック50で算出される筒内ガス量Gnbは、筒内に新たに取り込まれる空気と、筒内に残存するEGRガスの総量である。ブロック70では、次式(2)に示すように、その筒内ガス量GnbからEGR量が減算される。この処理によれば、筒内に新たに吸入される空気の量を、基準吸気量Gnとして算出することができる。
Gn=Gnb−Gegr ・・・(2)
[過渡時の特殊性]
上述した基準吸気量Gnの算出手法には、各種のマップが用いられる。これらのマップは、定常時の内燃機関10の特性に適合するように設けられている。このため、上記の算出手法によれば、定常時の内燃機関10に新たに取り込まれる空気量と精度良く一致する基準吸気量Gnを算出することができる。
しかしながら、過給圧が上昇する過渡時には、内燃機関10の特性が、定常時の特性からずれる事態が生ずる。このため、そのような過渡時には、上記の手法で算出された基準吸気量Gnが、内燃機関10に新たに吸入される空気量から乖離した値となる事態が生じ得る。
図3は、内燃機関10の排気弁外側の圧力、つまり、排気ポートの排気マニホールド側圧力の変化を示している。以下、この圧力を内燃機関10の「背圧」と称す。図3において、破線の波形は定常時の背圧を、実線の波形は過渡時の背圧を、それぞれ示している。
過給圧の上昇を伴う過渡時は、排気弁14が開いて排気ガスが勢い良く排出される時点で、ターボチャージャ24のタービン38が排気ガスに流れに対する負荷となる。このため、この時点の背圧は、過渡時の方が定常時に比して高くなる。
吸気弁12が開いてバルブO/Lが開始されると、排気通路36から吸気通路18への既燃ガスの吹き戻しが生ずる。過渡時は定常時に比してバルブO/Lの開始時に高い背圧が生じていることから、吹き戻しの際に大きな慣性力が生まれる。このため、図3に示すように、過渡時の背圧は、バルブO/Lの開始後、定常時の背圧に比して低い領域まで低下する。吹き戻しに起因する内部EGR量は、バルブO/L中の背圧が低いほど少量となる。このため、過渡時の内部EGR量は、図3中にハッチングを付して示す面積に対応する量だけ、定常時に比して少量となる。そして、減少したEGR量の分だけ、過渡時の吸気量は定常時の吸気量に比して多量となる。
図4は、上述した基準吸気量Gnを、過渡時に吸気量として用いた場合に生ずる問題を説明するためのタイミングチャートである。図4に示す例では、時刻t1に、内燃機関10が定常状態から過渡状態に移行している。時刻t1には、具体的には、以下の現象が生じている。
(1)スロットル弁32の急激な開弁
(2)WGV42の閉弁
その結果、時刻t1以降に下記の現象が生じている。
(3)大気圧の近傍値であった過給圧の上昇、及び負圧であった吸気マニホールド圧Pmの上昇
(4)吸気量の増加
(5)排気空燃比(排気A/F)の目標A/Fからの乖離
上述した通り、過渡時の吸気量は定常時の吸気量に比して多量となる。内燃機関10は、定常時の吸気量と精度良く一致するように基準吸気量Gnを算出する。このため、過渡時には、図4に示すように、基準吸気量Gnが、実吸気量に比して少ない値として算出される事態が生ずる。内燃機関10において、燃料噴射量は、排気A/Fが目標A/Fと一致するように計算される。従って、基準吸気量Gnが過渡時に吸気量として用いられると、燃料噴射量が過少に計算され、その結果、排気A/Fが目標A/Fに比してリッチ側に乖離する事態が生ずる。そこで、本実施形態では、過給圧の上昇を伴う過渡時には、基準吸気量Gnに適切な増量補正を施して空燃比ずれの発生を防ぐこととしている。
[基準吸気量Gnの補正]
図5は、バルブO/L量が内燃機関10の背圧に与える影響を説明するための図である。図5において、バルブO/L量は、AからCの順で大きくなっている。過渡時の背圧(実線)は、上述した通り、排気行程の開始直後は定常時の背圧(破線)より高くなり、また、バルブO/Lの開始後は定常時の背圧より低くなる傾向を示す。そして、過渡時の吸気量は、バルブO/L中の背圧差に応じた量だけ定常時の吸気量、即ち基準吸気量Gnより多量となる。
図5に示すように、バルブO/Lの期間中に、過渡時の背圧が定常時の背圧より高くなる期間及び低くなる期間、並びにそれらの期間における背圧差の大きさは、バルブO/L量の大小に応じて変化する。このため、バルブO/L中の背圧差に起因して過渡時の吸気量に生ずる増加分も、バルブO/L量に応じて異なる値となる。
図6は、上記の背圧差に起因して過渡時の吸気量に生ずる増加分を補正するための補正量F1と、バルブO/Lとの関係を定めたマップの一例である。このマップは、内燃機関10を用いた適合処理により実験的に定めることができる。以下、補正量F1は、その値がバルブO/L量の関数であることを明確にするため、F1(バルブO/L量)と記すことにする。
図7は、排気弁14の閉弁時期EVCが内燃機関10の背圧に与える影響を説明するための図である。本実施形態において、閉弁時期EVCは、バルブO/Lの終了時期を決めるパラメータとして用いられる。但し、作用角が変化しない前提の下であれば、閉弁時期EVCでなく排気弁14の開弁時期EVOを用いることも可能である。
図7において、閉弁時期EVCは、DからEの順で遅角されている。但し、D及びEにおいて、バルブO/L量は同じであるものとする。バルブO/Lの期間中に、過渡時の背圧が定常時の背圧より高くなる期間及び低くなる期間、並びにそれらの期間における背圧差の大きさは、図7に示すように排気弁14の閉弁時期EVCによっても変化する。このため、バルブO/L中の背圧差に起因して過渡時の吸気量に生ずる増加分は、閉弁時期EVCによっても異なった値となる。
図8は、過渡時の吸気量に生ずる増加分を補正するための補正量F2と、排気弁14の閉弁時期EVCとの関係を定めたマップの一例である。このマップも、図6に示すマップと同様に、内燃機関10を用いた適合処理により実験的に定めることができる。以下、補正量F2は、その値がEVCの関数であることを明確にするため、F2(EVC)と記すことにする。
図9は、低負荷運転時の背圧と、高負荷運転時の背圧とを対比して表した図である。図9に示すように、過渡時の背圧(実線)と定常時の背圧(破線)との間に生ずる差は、内燃機関10の負荷に殆ど影響を受けない。このため、本実施形態では、内燃機関10の負荷に関わらず、過渡時の吸気量に生ずる増加分を、バルブO/L量と、排気弁14の閉弁時期EVCの関数として補正することとしている。
図10は、補正反映係数αと過渡変化率との関係を定めたマップの一例を示す。ここで、「過渡変化率」とは、目標過給率に対する実過給圧の比率である。ECU44は、内燃機関10に対して加速が要求されると、内燃機関10の運転状態に応じた目標過給圧を計算する。ECU44は、その目標過給圧と、過給圧センサ28により実測した実過給圧とに基づいて過渡変化率を算出することができる。
上述した通り、本実施形態では、過給圧の上昇を伴う過渡時に、吸気量の増量分を補うべく、補正量F1(バルブO/L量)と補正量F2(EVC)に基づく補正を基準吸気量Gnに施すこととしている。ここで、過渡時における吸気量の増加は、加速要求の発生後にステップ的に発生するものではなく、過給圧の上昇に伴って連続的に増加していくものである。
図10に示す補正反映係数αは、実過給圧が目標過給圧に向かって上昇していく過程で0→1に向かって変化するように設定されている。補正量F1(バルブO/L量)と補正量F2(EVC)に基づいて算出される補正量に、このような補正反映係数αを掛け合わせることとすれば、加速要求の後にステップ的な増量補正が施されるのを防ぎ、補正吸気量の急変を避けることができる。そこで、本実施形態では、基準吸気量Gnに施す補正量を下記の演算式により算出することとしている。
補正量=F1(バルブO/L量)×F2(EVC)×α ・・・(3)
図2に示すブロック図では、ブロック80において上記(3)式の演算が行われる。ECU44は、上述した図6、図8及び図10に示すマップを記憶しており、それらに基づいて(3)式の演算を行う。
ブロック80で算出された補正量は、ブロック82において、基準吸気量Gnに加算される。その結果、次式に従って補正後吸気量が算出される。
補正後吸気量=基準吸気量Gn+F1(バルブO/L量)×F2(EVC)×α ・・・(4)
補正反映係数αは、内燃機関10の定常運転中は“0”である。従って、上記(4)式で算出される補正後吸気量は、定常運転時には基準吸気量Gnと等しい値となる。このため、補正後吸気量は、過渡時に限らず定常時にも、筒内に吸入される空気量を正しく表す値として用いることができる。
[実施の形態1の動作]
図11は、上記の機能を実現するためにECU44が実行するルーチンのフローチャートを示す。図11に示すルーチンは、内燃機関10の運転サイクル毎に起動される。このルーチンが起動されると、先ず、補正量F1(バルブO/L量)が算出される(ステップ100)。ここでは、具体的には、下記の処理が実行される。
(a)可変動弁機構16の状態に基づいてバルブO/L量を検知
(b)図6に示すマップを参照して補正量F1(バルブO/L量)を算出
上記の処理が終わると、次に、補正量F2(EVC)が算出される(ステップ102)。ここでは、具体的には、下記の処理が実行される。
(c)可変動弁機構16の状態に基づいて排気弁14の閉弁時期EVCを検知
(d)図8に示すマップを参照して補正量F2(EVC)を算出
次いで、補正量F1(バルブO/L量)と補正量F2(EVC)とを掛け合わせることにより、過渡時の吸気量に生ずる増量分に相当する補正量が算出される(ステップ104)。
次に、補正反映係数αが算出される(ステップ106)。ここでは、具体的には、下記の処理が行われる。
(e)目標過給圧の読み込み
(f)実過給圧の検出
(g)過渡変化率(実過給圧/目標過給圧)演算
(h)図10に示すマップを参照して補正反映係数αを算出
上記の処理が終わると、最後に、上記(4)式に従って補正後吸気量が算出される(ステップ108)。以上の処理が実行されることにより、図2に示すブロック図の機能が実現される。
以上説明した通り、本実施形態によれば、内燃機関10の運転状態を表すパラメータに基づいて、定常時及び過渡時の双方において、新たに吸入される空気量を補正後吸気量として正しく算出することができる。特に、過渡時においては、可変動弁機構16のパラメータであるバルブO/L量、及び排気弁14の閉弁時期EVCに基づいて、補正後吸気量を算出することができる。バルブO/L及びEVCは、アクチュエータの状態値であり、過渡時であっても検出に遅れが生ずることがない。このため、本実施形態によれば、内燃機関10の吸気量を、定常時であるか過渡時であるかに関わらず、常に制度良く算出することができる。
[実施の形態1の変形例]
ところで、上述した実施の形態1では、可変動弁機構16が、バルブO/L量、並びに排気弁14の閉弁時期EVCを変化させることから、過渡時の吸気量に施す補正を、それらに基づいて算出することとしている。しかしながら、可変動弁機構16は、本発明に必須の要素ではない。バルブO/L量及びEVCが固定化されている場合は、その固定化されたバルブO/L量及びEVCについて補正量を固定値として記憶しておき、図11に示すルーチン中、ステップ100〜104の処理を省略することとしてもよい。
10 内燃機関
14 排気弁
16 可変動弁機構
18 吸気通路
22 エアフロメータ(AFM)
24 ターボチャージャ
28 過給圧センサ
32 スロットル弁
36 排気通路
38 タービン
42 ウェストゲートバルブ(WGV)
44 電子制御ユニット(ECU)
Gnb 筒内ガス量
Gegr EGR量
Gn 基準吸気量
EVC 排気弁の閉弁時期
F1,F2 補正量
α 補正反映係数

Claims (1)

  1. ターボチャージャを備える内燃機関の吸気量算出装置であって、
    内燃機関の運転状態を表す変数に基づいて、定常時の内燃機関に吸入される空気量に相当する基準吸気量を推定する基準吸気量推定手段と、
    排気弁の閉弁時期とバルブオーバーラップ量に対して相関を有し、前記バルブオーバーラップ量が最大値より小さい所定量以下の場合では、前記バルブオーバーラップ量が大きいほど大きくなり、前記バルブオーバーラップ量が前記所定量より大きい場合には、前記バルブオーバーラップ量が大きいほど小さくなり、かつ、前記閉弁時期が遅いほど大きくなる補正量を演算する補正量演算手段と、
    過給圧が上昇する過渡時に、前記基準吸気量を前記補正量で補正する吸気量補正手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の吸気量算出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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