JP2014005819A - 内燃機関の内部egr量算出装置 - Google Patents

内燃機関の内部egr量算出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】バルブオーバーラップ期間と排気上死点の位置関係が変化した場合でも、それに応じて内部EGR量を適切に算出することができ、内部EGR量の算出精度を向上させることができる内燃機関の内部EGR量算出装置を提供する。
【解決手段】内燃機関3の内部EGR量算出装置1は、ECU2を備える。ECU2は、基本吹き返しガス量GegrRV_Baseを算出し、バルブオーバーラップ期間の始点と終点の間における中央のクランク角位置をオーバーラップ中央位置OVL_Centerとして算出し、オーバーラップ中央位置OVL_Centerに応じて、基本吹き返しガス量GegrRV_Baseを補正することにより、吹き返しガス量GegrRVを算出し、これを用いて内部EGR量Gegr_intを算出する。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の内部EGR量を算出する内燃機関の内部EGR量算出装置に関する。
従来、内燃機関の内部EGR量算出装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。この内部EGR量算出装置では、残留既燃ガス量に吹き返しガス量を加算することにより、内部EGR量が算出される。この残留既燃ガス量は、気筒内に残留する既燃ガス量であり、具体的には、気体の状態方程式を用いて算出される。
また、吹き返しガス量は、バルブオーバーラップ期間中、吸気通路と排気通路の間での圧力差に起因して、既燃ガスが排気通路から吸気通路側に一旦流れた後、気筒内に吹き返された既燃ガスの量を表している。この吹き返しガス量は、既燃ガスが流れる流路をノズルと見なし、ノズルの方程式を用いて算出される。
このノズルの方程式は、有効開口面積の積分値を含んでおり、この有効開口面積の積分値は、バルブオーバーラップ期間の長さ(すなわち排気弁の開弁タイミングから吸気弁の閉弁タイミングまでのクランク角度)とエンジン回転数の関数として算出される。
特開2004−251182号公報
一般に、バルブオーバーラップ期間が変更される内燃機関の場合、吹き返しガス量は、バルブオーバーラップ期間の長さとの相関性は高いものの、バルブオーバーラップ期間の長さが同じであっても、バルブオーバーラップ期間と排気上死点の位置関係に起因して、吹き返しガス量が変化するという特性を有している。例えば、バルブオーバーラップ期間の長さが同じであって、バルブオーバーラップ期間中の、排気上死点よりも後の期間の割合が少ない状態と、排気上死点よりも後の期間の割合が多い状態とを比較した場合、既燃ガスが排気通路から気筒内に直接戻されることに起因して、排気上死点よりも後の期間の割合が多い状態の方が、吹き返しガス量がより多くなる(後述する図8,10参照)。
これに対して、上記特許文献1の内部EGR量算出装置の場合、吹き返しガス量の算出式において、バルブオーバーラップ期間の長さとエンジン回転数の関数を用いているものに過ぎず、上述したような、バルブオーバーラップ期間と排気上死点の位置関係に起因して、吹き返しガス量が変化する特性が考慮されていない。そのため、そのように吹き返しガス量が変化した場合、吹き返しガス量の算出誤差が増大することにより、内部EGR量の算出精度が低下してしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、バルブオーバーラップ期間と排気上死点の位置関係が変化した場合でも、それに応じて内部EGR量を適切に算出することができ、内部EGR量の算出精度を向上させることができる内燃機関の内部EGR量算出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、吸気弁4および排気弁5の少なくとも一方のバルブタイミングを変更することにより、バルブオーバーラップ期間が変更されるとともに、バルブオーバーラップ期間の変更に伴って、気筒3a内に残留するガス量である内部EGR量が変更される内燃機関3の内部EGR量算出装置1であって、気筒3aから吸気系(吸気通路8)および排気系(排気通路9)の少なくとも一方に一旦、流出した後、気筒3a内に再度、流入するガスの量である吹き返しガス量(基本吹き返しガス量GegrRV_Base)を算出する吹き返しガス量算出手段(ECU2、基本吹き返しガス量算出部52)と、バルブオーバーラップ期間の始点と終点の間における中央のクランク角位置および中央のクランク角位置近傍のクランク角位置の一方をオーバーラップ中央位置OVL_Centerとして算出するオーバーラップ中央位置算出手段(ECU2、オーバーラップ中央位置算出部55)と、算出されたオーバーラップ中央位置OVL_Centerに応じて、算出された吹き返しガス量を補正することにより、補正後吹き返しガス量(吹き返しガス量GegrRV)を算出する補正後吹き返しガス量算出手段(ECU2、吹き返しガス量算出部50)と、算出された補正後吹き返しガス量に応じて、内部EGR量Gegr_intを算出する内部EGR量算出手段(ECU2、残留ガス量算出部42、加算器43)と、を備えることを特徴とする。
この内燃機関の内部EGR量算出装置によれば、吹き返しガス量が算出され、オーバーラップ中央位置が算出され、算出されたオーバーラップ中央位置に応じて、算出された吹き返しガス量を補正することにより、補正後吹き返しガス量が算出されるとともに、算出された補正後吹き返しガス量に応じて、内部EGR量が算出される。この場合、オーバーラップ中央位置は、バルブオーバーラップ期間の始点と終点の間における中央のクランク角位置および中央のクランク角位置近傍のクランク角位置の一方であるので、排気上死点に対するクランク角位置を表す値として算出されることになる。したがって、そのようなオーバーラップ中央位置に応じて、吹き返しガス量を補正することにより、補正後吹き返しガス量が算出されるので、バルブオーバーラップ期間と排気上死点の位置関係が変化した場合でも、そのような位置関係の変化を反映させながら、補正後吹き返しガス量を適切に算出することができる。さらに、そのような補正後吹き返しガス量に応じて、内部EGR量を算出することにより、内部EGR量の算出精度を向上させることができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関3の内部EGR量算出装置1において、補正後吹き返しガス量算出手段は、オーバーラップ中央位置OVL_Centerが排気上死点よりも遅角側であるほど、補正後吹き返しガス量(吹き返しガス量GegrRV)をより多くなるように算出するとともに、オーバーラップ中央位置OVL_Centerが排気上死点よりも進角側であるほど、補正後吹き返しガス量(吹き返しガス量GegrRV)をより少なくなるように算出する(式(8),(9)、図7)ことを特徴とする。
一般に、バルブオーバーラップ期間が変更される内燃機関の場合、後述するように、バルブオーバーラップ期間の長さが同じであっても、オーバーラップ中央位置が排気上死点よりも遅角側のときには、その遅角度合いが大きいほど、吹き返しガス量がより多くなるとともに、これとは逆に、オーバーラップ中央位置が排気上死点よりも進角側のときには、その進角度合いが大きいほど、吹き返しガス量がより少なくなるという特性を有している。したがって、この内燃機関の内部EGR量算出装置によれば、そのような特性を反映させながら、補正後吹き返しガス量を精度よく算出することができ、それにより、内部EGR量の算出精度をさらに向上させることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載の内燃機関3の内部EGR量算出装置1において、補正後吹き返しガス量算出手段は、バルブオーバーラップ期間が長いほど、補正後吹き返しガス量(吹き返しガス量GegrRV)をより多くなるように算出する(式(8),(9)、図7)ことを特徴とする。
一般に、バルブオーバーラップ期間が変更される内燃機関の場合、後述するように、バルブオーバーラップ期間が長いほど、吹き返しガス量がより多くなるという特性を有している。したがって、この内燃機関の内部EGR量算出装置によれば、そのような特性を反映させながら、補正後吹き返しガス量を精度よく算出することができ、それにより、内部EGR量の算出精度をさらに向上させることができる。
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の内燃機関3の内部EGR量算出装置1において、内燃機関3の負荷を表す負荷パラメータ(要求トルクTRQ)を取得する負荷パラメータ取得手段(ECU2、クランク角センサ30、エアフローセンサ31、要求トルク算出部53)をさらに備え、補正後吹き返しガス量算出手段は、取得された負荷パラメータ(要求トルクTRQ)が表す内燃機関3の負荷が高いほど、補正後吹き返しガス量(吹き返しガス量GegrRV)をより少なくなるように算出する(式(8),(9)、図7)ことを特徴とする。
内燃機関においては、高負荷運転中の方が、低負荷運転中と比べて、吹き返しガス量が低下するという特性を有しているものがある(後述する図7参照)。これに対して、この内燃機関の内部EGR量算出装置によれば、取得された負荷パラメータが表す内燃機関の負荷が高いほど、補正後吹き返しガス量がより少なくなるように算出されるので、上述したような特性を有する内燃機関において、補正後吹き返しガス量の算出精度をより一層、向上させることができ、その結果、内部EGR量の算出精度をより一層、向上させることができる(なお、本明細書における「負荷パラメータを取得」の「取得」は、センサなどにより負荷パラメータを直接検出することや、負荷パラメータを他のパラメータに基づいて推定することを含む)。
本発明の一実施形態に係る内部EGR量算出装置およびこれを適用した内燃機関の構成を模式的に示す図である。 可変吸気カム位相機構および可変排気カム位相機構による吸気弁および排気弁のバルブタイミングの変更状態を示すバルブリフト曲線である。 内部EGR量算出装置の機能的な構成を示すブロック図である。 吹き返しガス量算出部の構成を示すブロック図である。 関数値CdAの算出に用いるマップの一例を示す図である。 要求トルクTRQの算出に用いるマップの一例を示す図である。 補正係数KGegrの算出に用いるマップの一例を示す図である。 オーバーラップ中央位置OVL_Centerが排気上死点よりも進角側に設定されている場合の、(a)吸気弁および排気弁のバルブリフト曲線と(b)吸気流量および排気流量の測定結果の一例とを示す図である。 オーバーラップ中央位置OVL_Centerが排気上死点よりも進角側に設定されている場合の、(a)ピストンが排気上死点に向かって上昇しているときの気筒周辺のガスの流れを示す図と、(b)ピストンが排気上死点から下降しているときの気筒周辺のガスの流れを示す図である。 オーバーラップ中央位置OVL_Centerが排気上死点よりも遅角側に設定されている場合の、(a)吸気弁および排気弁のバルブリフト曲線と(b)吸気流量および排気流量の測定結果の一例とを示す図である。 オーバーラップ中央位置OVL_Centerが排気上死点よりも遅角側に設定されている場合の、(a)ピストンが排気上死点に向かって上昇しているときの気筒周辺のガスの流れを示す図と、(b)ピストンが排気上死点から下降しているときの気筒周辺のガスの流れを示す図である。 オーバーラップ中央位置OVL_Centerと吹き返しガス変化量ΔGegrRVとの関係の測定結果の一例を示す図である。 オーバーラップ角度OVLと吹き返しガス変化量ΔGegrRVとの関係の測定結果の一例を示す図である。 実施形態の内部EGR量算出装置による内部EGR量Gegr_intの算出誤差を表す図である。 比較のために、補正項dGegr_OVL=0としたときの内部EGR量Gegr_intの算出誤差を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る内燃機関の内部EGR量算出装置について説明する。図1に示すように、この内部EGR量算出装置1は、ECU2を備えており、このECU2は、後述する手法により、内部EGR量を算出するとともに、内燃機関(以下「エンジン」という)3の運転状態などを制御する。
エンジン3は、4組の気筒3aおよびピストン3b(1組のみ図示)を有する直列4気筒ガソリンエンジンであり、図示しない車両に搭載されている。また、エンジン3は、気筒3aごとに設けられた吸気弁4(1つのみ図示)と、気筒3aごとに設けられた排気弁5(1つのみ図示)と、吸気弁4を開閉駆動する吸気動弁機構10と、排気弁5を開閉駆動する排気動弁機構20などを備えている。
この吸気動弁機構10は、吸気弁4を駆動する吸気カムシャフト11と、可変吸気カム位相機構12などで構成されている。この可変吸気カム位相機構12は、吸気カムシャフト11のクランクシャフト3cに対する相対的な位相(以下「吸気カム位相」という)CAINを無段階に(すなわち連続的に)進角側または遅角側に変更することで、吸気弁4のバルブタイミングを変更するものであり、吸気カムシャフト11の吸気スプロケット(図示せず)側の端部に設けられている。
この可変吸気カム位相機構12は、具体的には、本出願人が特開2007−100522号公報などで提案済みのものと同様に構成されているので、その詳細な説明は省略するが、吸気カム位相制御弁12aなどを備えている。この可変吸気カム位相機構12の場合、ECU2からの駆動信号によって吸気カム位相制御弁12aが制御されることにより、吸気カム位相CAINを、所定の原点値CAIN_0と所定の最進角値CAIN_adとの間で連続的に変化させる。それにより、吸気弁4のバルブタイミングが、図2に実線で示す原点タイミングと、図2に1点鎖線で示す最進角タイミングとの間で無段階に変更される。なお、この図2では、排気上死点が「排気TDC」と表記されており、この点は後述する各図においても同様である。
この場合、所定の原点値CAIN_0は値0に設定され、所定の最進角値CAIN_adは、所定の正値に設定されている。したがって、吸気カム位相CAINが値0から増大するほど、吸気弁4のバルブタイミングが原点タイミングから進角側に変更され、それにより、吸気弁4と排気弁5のバルブオーバーラップ期間がより長くなる。
また、排気動弁機構20は、排気弁5を駆動する排気カムシャフト21と、可変排気カム位相機構22などで構成されている。この可変排気カム位相機構22は、排気カムシャフト21のクランクシャフト3cに対する相対的な位相(以下「排気カム位相」という)CAEXを無段階に(すなわち連続的に)進角側または遅角側に変更することで、排気弁5のバルブタイミングを変更するものであり、排気カムシャフト21の排気スプロケット(図示せず)側の端部に設けられている。
この可変排気カム位相機構22は、上述した可変吸気排気カム位相機構12と同様に構成されており、排気カム位相制御弁22aなどを備えている。この可変排気カム位相機構22の場合、ECU2からの駆動信号によって排気カム位相制御弁22aが制御されることにより、排気カム位相CAEXを、所定の原点値CAEX_0と所定の最遅角値CAEX_rtとの間で連続的に変化させる。それにより、排気弁5のバルブタイミングが、図2に実線で示す原点タイミングと、図2に破線で示す最遅角タイミングとの間で無段階に変更される。
この場合、所定の原点値CAEX_0は値0に設定され、所定の最遅角値CAEX_rtは、所定の正値に設定されている。したがって、排気カム位相CAEXが値0から増大するほど、排気弁5のバルブタイミングが原点タイミングからより遅角側に変更され、それにより、バルブオーバーラップ期間がより長くなる。
なお、このようなバルブオーバーラップ期間が存在する場合、後述するように、気筒3a内から排気通路9(排気系)に一旦、流出した既燃ガスが、気筒3a内に再度流入したり、気筒3a内を通り抜けて吸気通路8(吸気系)内まで流れ込んだ後、気筒3a内に再度、流入したりする事象が発生する。以下の説明では、このように、気筒3a内から排気通路9に一旦、流出した後、バルブオーバーラップ期間の終了時までに気筒3a内に最終的に戻る既燃ガスを「吹き返しガス」といい、その量を「吹き返しガス量」という。
また、エンジン3には、点火プラグ6、燃料噴射弁7およびクランク角センサ30が設けられており、これらの点火プラグ6および燃料噴射弁7はいずれも、気筒3aごとに設けられている(いずれも1つのみ図示)。燃料噴射弁7は、各気筒3aの吸気ポート内に燃料を噴射するようにインテークマニホールドに取り付けられている。点火プラグ6および燃料噴射弁7はいずれも、ECU2に電気的に接続されており、ECU2によって、燃料噴射弁7による燃料の噴射量および噴射時期と、点火プラグ6による混合気の点火時期とが制御される。すなわち、燃料噴射制御と点火時期制御が実行される。
さらに、クランク角センサ30(負荷パラメータ取得手段)は、クランクシャフト3cの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号をECU2に出力する。このCRK信号は、所定のクランク角(例えば1゜)ごとに1パルスが出力され、ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。
一方、ECU2には、エアフローセンサ31、吸気圧センサ32、吸気温センサ33、排気圧センサ34、排気温センサ35、吸気カム角センサ36および排気カム角センサ37が電気的に接続されている。このエアフローセンサ31(負荷パラメータ取得手段)は、吸気通路8内を流れる新気の流量を検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。ECU2は、このエアフローセンサ31の検出信号に基づき、吸入空気量GAIRを算出する。
また、吸気圧センサ32は吸気通路8内の圧力(以下「吸気圧」という)Pinを、検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。この吸気圧Pinは、絶対圧として検出される。さらに、吸気温センサ33は、吸気通路8内の空気の温度(以下「吸気温」という)Tinを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。この吸気温Tinは、絶対温度として検出される。
一方、排気圧センサ34は、排気通路9内の圧力(以下「排気圧」という)Pexを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。この排気圧Pexは、絶対圧として検出される。また、排気温センサ35は、排気通路9内の排ガスの温度(以下「排気温」という)Texを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。この排気温Texは、絶対温度として検出される。
また、吸気カム角センサ36は、吸気カムシャフト11の可変吸気カム位相機構12と反対側の端部に設けられており、吸気カムシャフト11の回転に伴い、パルス信号である吸気CAM信号を所定のカム角(例えば1゜)ごとにECU2に出力する。ECU2は、この吸気CAM信号および前述したCRK信号に基づき、吸気カム位相CAINを算出する。
さらに、排気カム角センサ37は、排気カムシャフト21の可変排気カム位相機構22と反対側の端部に設けられており、排気カムシャフト21の回転に伴い、パルス信号である排気CAM信号を所定のカム角(例えば1゜)ごとにECU2に出力する。ECU2は、この排気CAM信号および前述したCRK信号に基づき、排気カム位相CAEXを算出する。
一方、ECU2は、CPU、RAM、ROMおよびI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されており、以上の各種のセンサ30〜37の検出信号などに基づいて、以下に述べるように、内部EGR量の算出処理を実行するとともに、点火プラグ6、燃料噴射弁7、吸気カム位相制御弁12aおよび排気カム位相制御弁22aの動作状態を制御する。
なお、本実施形態では、ECU2が、吹き返しガス量算出手段、オーバーラップ中央位置算出手段、補正後吹き返しガス量算出手段、内部EGR量算出手段および負荷パラメータ取得手段に相当する。
次に、図3を参照しながら、本実施形態の内部EGR量算出装置1の機能的な構成について説明する。同図に示すように、内部EGR量算出装置1は、平均排気圧算出部40、筒内容積算出部41、残留ガス量算出部42、加算器43および吹き返しガス量算出部50を備えており、これらはいずれもECU2によって構成されている。なお、本実施形態では、残留ガス量算出部42および加算器43が内部EGR量算出部に相当し、吹き返しガス量算出部50が補正後吹き返しガス量算出手段に相当する。
この平均排気圧算出部40では、平均排気圧PexAveが、所定周期でサンプリングされた所定個数の排気圧Pexの移動平均値として算出される。
また、筒内容積算出部41では、吸気カム位相CAINに応じて、図示しないテーブルを検索することにより、筒内容積Vcylが算出される。この筒内容積Vcylは、吸気弁4の開弁タイミングにおける気筒3a内の容積であり、吸気弁4の開弁タイミングに依存する特性を有している。そのため、本実施形態では、吸気弁4の開弁タイミングを決定する吸気カム位相CAINを用い、これに応じたテーブル検索手法によって、筒内容積Vcylが算出される。
さらに、残留ガス量算出部42では、下式(1)により、残留ガス量Gegrdが算出される。
Figure 2014005819
この式(1)は気体の状態方程式に相当するものであり、この式(1)のReは気体定数である。この残留ガス量Gegrdは、吸気弁4が開弁する直前において気筒3a内に残留する既燃ガス量に相当する。
さらに、吹き返しガス量算出部50では、排気圧Pexおよび排気温Texなどの各種のパラメータを用いて、後述する手法により、吹き返しガス量GegrRVが算出される。
そして、加算器43において、下式(2)により、内部EGR量Gegr_intが算出される。
Figure 2014005819
上式(2)に示すように、この内部EGR量算出装置1では、内部EGR量Gegr_intは、残留ガス量Gegrdと吹き返しガス量GegrRVの和として算出される。
次に、図4を参照しながら、前述した吹き返しガス量算出部50について説明する。同図に示すように、この吹き返しガス量算出部50は、オーバーラップ角度算出部51、基本吹き返しガス量算出部52、要求トルク算出部53、補正係数算出部54、オーバーラップ中央位置算出部55、乗算器56および加算器57を備えている。
なお、本実施形態では、基本吹き返しガス量算出部52が吹き返しガス量算出手段に、要求トルク算出部53が負荷パラメータ取得手段に、オーバーラップ中央位置算出部55がオーバーラップ中央位置算出手段にそれぞれ相当する。
まず、オーバーラップ角度算出部51では、下式(3)により、オーバーラップ角度OVLを算出する。
Figure 2014005819
上式(3)に示すように、オーバーラップ角度OVLは、吸気カム位相CAINと排気カム位相CAEXの和として算出されるので、CAIN=CAEX=0のときに値0となるとともに、CAIN=CAIN_ad,CAEX=CAEX_rtのときに最大値OVLmaxとなる。以上のように、オーバーラップ角度OVLは、CAIN=CAEX=0のときのバルブオーバーラップ期間を基準値として、この基準値よりも増大した分のクランク角度として算出される。言い換えれば、オーバーラップ角度OVLは、バルブオーバーラップ期間が長いほど、より大きい値として算出される。
また、基本吹き返しガス量算出部52では、下式(4)〜(6)により、基本吹き返しガス量GegrRV_Base(吹き返しガス量)が算出される。この基本吹き返しガス量GegrRV_Baseは、CAIN=CAEXが成立しているときの吹き返しガス量に相当する。
Figure 2014005819
Figure 2014005819
Figure 2014005819
上式(4)のCdAは、有効開口面積と流量係数の積に相当する関数値であり、この関数値CdAは、具体的には、オーバーラップ角度OVLに応じて、図5に示すマップを検索することにより算出される。また、式(4)のΨは、式(5),(6)によって算出される流量関数であり、式(5),(6)のκは比熱比である。この場合、以上の式(4)〜(6)は、吹き返しガス(すなわち既燃ガス)を圧縮性流体かつ断熱流と見なすとともに、吹き返しガスが流れる流路をノズルと見なし、ノズルの式を用いて導出されるものであり、その導出方法は、本出願人が特開2011−140895号公報などで説明したものと同じであるので、ここでは説明を省略する。
さらに、前述した要求トルク算出部53では、エンジン回転数NEおよび吸入空気量GAIRに応じて、図6に示すマップを検索することにより、要求トルクTRQが算出される。同図においては、GAIR1〜i(iは正の整数)は、GAIR1<……<GAIRiが成立する吸入空気量GAIRの所定値であり、NE1〜j(jは正の整数)は、NE1<……<NEjが成立するエンジン回転数NEの所定値である。
一方、補正係数算出部54では、オーバーラップ角度OVLおよび要求トルクTRQに応じて、図7に示すマップを検索することにより、補正係数KGegrが算出される。同図において、OVL1〜4は、OVL1<OVL2<OVL3<OVL4が成立するオーバーラップ角度OVLの所定値である。同図に示すように、このマップでは、要求トルクTRQが大きいほど、補正係数KGegrがより小さい値に設定されているとともに、オーバーラップ角度OVLが大きいほど、補正係数KGegrがより大きい値に設定されている。この理由については後述する。
また、オーバーラップ中央位置算出部55では、下式(7)により、オーバーラップ中央位置OVL_Centerが算出される。このオーバーラップ中央位置OVL_Centerは、バルブオーバーラップ期間の始点と終点の間における中央のクランク角位置を表すものである。
Figure 2014005819
上式(7)を参照すると明らかなように、オーバーラップ中央位置OVL_Centerは、CAEX=CAIN=0が成立し、排気上死点にあるときには値0になり、CAEX<CAINが成立し、排気上死点よりも進角側にあるときには負値になるとともに、CAEX>CAINが成立し、排気上死点よりも遅角側にあるときには正値になる。
また、乗算器56では、下式(8)により、補正項dGegr_OVLが算出される。
Figure 2014005819
上式(8)に示すように、補正項dGegr_OVLは、オーバーラップ中央位置OVL_Centerに、補正係数KGegrを乗算することにより算出される。この理由については後述する。
そして、加算器57において、下式(9)により、吹き返しガス量GegrRV(補正後吹き返しガス量)が算出される。
Figure 2014005819
以上のように、吹き返しガス量GegrRVは、基本吹き返しガス量GegrRV_Baseを補正項dGegr_OVLで補正することによって算出される。以下、その理由および原理について説明する。
まず、図8および図9を参照しながら、オーバーラップ中央位置OVL_Centerが排気上死点よりも進角側に設定されている場合の吸気流量および排気流量の測定結果例と、吸気通路8、気筒3aおよび排気通路9におけるガスの流れなどについて説明する。
なお、図8および後述する図10においては、吸気流量および排気流量は、下流側に流れる方向を正値とし、上流側に逆流する方向を負値として示されている。また、図9および後述する図11において、ハッチングを施した矢印が既燃ガスの流れの向きを、点描を施した矢印が新気の流れの向きをそれぞれ表している。
図8(a),(b)は、オーバーラップ中央位置OVL_Centerが排気上死点よりも所定値分、進角側に設定されている状態で、排気弁5の開弁中、吸気弁4が排気上死点よりも進角側のタイミングで開き始めるときの例を示している。その場合、吸気弁4が開き始めたタイミングでは、ピストン3bが上昇中であることに加えて、吸気圧Pinが排気圧Pexよりも低い状態となることで、図9(a)に示すように、気筒3a内の既燃ガスの一部が吸気通路8内に逆流するとともに、排気通路9内の既燃ガスの一部も気筒3a内に戻った後、吸気通路8側に逆流する。それにより、図8(b)に示すように、吸気流量に加えて、排気流量が負値となる。
その後、排気上死点を過ぎたタイミングで、排気弁5が閉弁状態になり、ピストンが下降し始めるとともに、吸気弁4が開弁し、それに伴って、図9(b)に示すように、吸気通路8内の新気および既燃ガスが気筒3a内に流入する。それにより、図8(b)に示すように、排気流量が値0になるとともに、吸気流量が増大する。
以上のように、気筒3a内から排気通路9に一旦、流出した既燃ガスが、気筒3a内に再度流入したり、気筒3a内を通り抜けて吸気通路8内まで流れ込んだ後、気筒3a内に再度流入したりすることになる。すなわち、吹き返しガスが発生し、その吹き返しガス量は、排気流量が負値になった領域(図8(b)にハッチングで示した領域)の面積に比例することになる。
次に、図10および図11を参照しながら、オーバーラップ中央位置OVL_Centerが排気上死点よりも遅角側に設定されている場合の吸気流量および排気流量の測定結果例と、吸気通路8、気筒3aおよび排気通路9におけるガスの流れなどについて説明する。なお、図10は、バルブオーバーラップ期間の長さを図8と同じ長さに設定するとともに、オーバーラップ中央位置OVL_Centerを、図8の例とは逆に、排気上死点に対して、前述した所定値分、進角側に設定した場合のものである。
図10および図11に示す例では、排気弁5の開弁中、排気上死点よりも若干手前で、吸気弁4が開き始めるようになっており、その場合、吸気弁4が開き始める前のタイミングでは、図11(a)に示すように、ピストン3bが上昇中であることに加えて、吸気弁4が閉弁状態にあることで、気筒3a内の既燃ガスが排気通路9側にのみ流れ出る。それにより、図10(b)に示すように、排気流量が正値を示すとともに、吸気流量が値0になる。
さらに、ピストン3bが上昇し、排気上死点に向かうのに連れて、排気弁5のリフトが低下し、吸気弁4が開き始める。それに伴い、排気通路9内の既燃ガスの一部が気筒3a内に逆流し始めるとともに、気筒3a内の既燃ガスの一部が吸気通路8側に逆流し始める。それにより、図10(b)に示すように、排気流量および吸気流量の双方が負値を示すようになる。
その後、排気上死点よりも遅角側のタイミングでは、排気弁5のリフトが減少し、ピストンが下降するとともに、吸気弁4のリフトが増大する。それに伴って、図11(b)に示すように、吸気通路8内の新気および既燃ガスが気筒3a内に流入するとともに、排気通路9内の既燃ガスの一部も気筒3a内に流入する。それにより、図10(b)に示すように、排気流量および吸気流量が一時的に急増する。その後、排気弁5が閉弁するのに伴い、吸気流量が増大するとともに、排気流量が値0となる。
以上のように、気筒3a内から排気通路9に一旦、流出した既燃ガスは、気筒3a内に再度流入したり、気筒3a内を通り抜けて吸気通路8内まで流れ込んだ後、気筒3a内に再度、流入したりすることになる。すなわち、吹き返しガスが発生することになるとともに、その吹き返しガス量は、排気流量が負値になった領域(図10(b)にハッチングで示した領域)の面積に比例することになる。
この場合、図8および図10におけるハッチング部分の面積を比較すると明らかなように、図10の方の面積が大きく、吹き返しガス量GegrRVが大きいことが判る。すなわち、バルブオーバーラップ期間の長さが同じであっても、オーバーラップ中央位置OVL_Centerが排気上死点よりも遅角側に設定されている方が、進角側に設定されているときと比べて、吹き返しガス量GegrRVが多くなることが判る。これは、オーバーラップ中央位置OVL_Centerが排気上死点よりも遅角側に設定されている場合、前述したように、既燃ガスが排気通路9から気筒3a内に直接、流れ込むことになるので、その分、吹き返しガス量GegrRVが、オーバーラップ中央位置OVL_Centerが排気上死点よりも進角側に設定されているときよりも多くなるものと推測される。
そして、以上の知見に基づき、オーバーラップ中央位置OVL_Centerと吹き返しガス変化量ΔGegrRVとの関係を測定したところ、図12に示す測定結果例が得られた。この吹き返しガス変化量ΔGegrRVは、ΔGegrRV=GegrRV−GegrRV_Baseで算出される値である。すなわち、前述した基本吹き返しガス量GegrRVに対する吹き返しガス量GegrRVの変化分に相当する値である。
同図を参照すると明らかなように、吹き返しガス変化量ΔGegrRVは、オーバーラップ中央位置OVL_Centerに対して線形性を有していることが判る。言い換えれば、バルブオーバーラップ期間の長さが同じであっても、オーバーラップ中央位置OVL_Centerが排気上死点よりも遅角側のときには、その遅角度合いが大きいほど、吹き返しガス量GegrRVがより増大するとともに、これとは逆に、オーバーラップ中央位置OVL_Centerが排気上死点よりも進角側のときには、その進角度合いが大きいほど、吹き返しガス量GegrRVがより減少するという特性を有していることが判る。したがって、オーバーラップ中央位置OVL_Centerが値0から変化したときに、基本吹き返しガス量GegrRV_Baseを補正するための補正値は、オーバーラップ中央位置OVL_Centerに補正係数を乗算することによって算出すればよいことが判る。
これに加えて、オーバーラップ角度OVLと吹き返しガス変化量ΔGegrRVとの関係を測定したところ、図13に示す測定結果例が得られた。同図を参照すると明らかなように、吹き返しガス変化量ΔGegrRVは、オーバーラップ角度OVLが大きいほど、より大きい値になることが判る。さらに、吹き返しガス変化量ΔGegrRVと要求トルクTRQとの関係を測定したところ、その測定結果の図示は省略するが、要求トルクTRQが大きいほど、吹き返しガス変化量ΔGegrRVが小さくなることが判った。
以上の理由および原理に基づき、本実施形態の場合、オーバーラップ角度OVLおよび要求トルクTRQに応じて、前述した図7に示すマップを検索する手法により、補正係数KGegrを算出し、この補正係数KGegrをオーバーラップ中央位置OVL_Centerに乗算する手法によって、補正項dGegr_OVLを算出する。そして、基本吹き返しガス量GegrRV_Baseを補正項dGegr_OVLで補正する手法によって、吹き返しガス変化量ΔGegrRVが最終的に算出される。
次に、図14および図15を参照しながら、本実施形態の内部EGR量算出装置1による内部EGR量Gegr_intの算出結果の精度について説明する。図14は、本実施形態の内部EGR量算出装置1による内部EGR量Gegr_intの算出誤差とオーバーラップ角度OVLとの関係を表しており、この算出誤差は、内部EGR量Gegr_intの算出結果と実際値との誤差を百分率で表したものである。また、図15は、比較のために、補正項dGegr_OVL=0としたとき、すなわち内部EGR量Gegr_intの算出結果を基本吹き返しガス量GegrRV_Baseに等しい値としたときの、内部EGR量Gegr_intの算出誤差とオーバーラップ角度OVLとの関係を表している。
両図を比較すると明らかなように、オーバーラップ角度OVL=0〜OVLmaxの範囲内において、本実施形態の算出結果の方が、図15の算出結果と比べて、算出誤差が極めて小さくなっていることが判る。すなわち、本実施形態の内部EGR量Gegr_intの算出手法のように、補正項dGegr_OVLを用いることによって、補正項dGegr_OVLを用いない場合と比べて、算出精度が向上することが判る。
以上のように、本実施形態の内部EGR量算出装置1によれば、補正係数KGegrにオーバーラップ中央位置OVL_Centerを乗算することにより、補正項dGegr_OVLが算出され、この補正項dGegr_OVLで基本吹き返しガス量GegrRV_Baseを補正することによって、吹き返しガス量GegrRVが算出される。
この場合、オーバーラップ中央位置OVL_Centerは、バルブオーバーラップ期間の始点と終点の間における中央のクランク角位置であり、排気上死点に対するクランク角位置を表す値として算出される。そして、そのようなオーバーラップ中央位置OVL_Centerを用いて、吹き返しガス量GegrRVが算出されるので、吸気カム位相CAINおよび排気カム位相CAEXの変更に伴って、バルブオーバーラップ期間と排気上死点との位置関係が変化した場合でも、そのような位置関係の変化を反映させながら、吹き返しガス量GegrRVを適切に算出することができる。さらに、そのような吹き返しガス量GegrRVを用いて、内部EGR量Gegr_intを算出することにより、内部EGR量Gegr_intの算出精度を向上させることができる。
また、このエンジン3の場合、前述したように、バルブオーバーラップ期間の長さが同じであっても、オーバーラップ中央位置OVL_Centerが排気上死点よりも遅角側のときには、その遅角度合いが大きいほど、吹き返しガス量GegrRVがより増大するとともに、これとは逆に、オーバーラップ中央位置OVL_Centerが排気上死点よりも進角側のときには、その進角度合いが大きいほど、吹き返しガス量GegrRVがより減少するという特性を有している。これに加えて、前述したように、バルブオーバーラップ期間が長いほど、吹き返しガス量GegrRVが増大するという特性と、高負荷運転中の方が、低負荷運転中と比べて、吹き返しガス量GegrRVが減少するという特性とを有している。
これに対して、補正係数KGegrは、図7を用いて算出されるとともに、そのような補正係数KGegrをオーバーラップ中央位置OVL_Centerに乗算することにより、補正項dGegr_OVLが算出されるので、上記の特性を反映させながら、吹き返しガス量GegrRVをさらに精度よく算出することができる。それにより、内部EGR量Gegr_intの算出精度をさらに向上させることができる。
なお、実施形態は、吸気弁4および排気弁5の少なくとも一方のバルブタイミングが変更される内燃機関として、可変吸気カム位相機構12および可変排気カム位相機構22を備えた内燃機関3を用いた例であるが、本発明の内燃機関はこれに限らず、吸気弁および/または排気弁のバルブタイミングを変更できる内燃機関であればよい。例えば、内燃機関として、可変吸気カム位相機構12および可変排気カム位相機構22の一方を備えたものを用いてもよく、これら以外の機構によって、吸気弁および/または排気弁5のバルブタイミングが変更される内燃機関を用いてもよい。例えば、カム位相を変更する機構として、電気モータとギヤ機構を組み合わせたタイプの可変カム位相機構や、ソレノイドによって弁体が駆動される電磁動弁機構、3次元カムによってバルブタイミングを機械的に変更するバルブタイミング変更機構などを用いてもよい。
また、実施形態は、本発明の内部EGR量算出装置1を車両用の内燃機関3に適用した例であるが、本発明の内部EGR量算出装置は、これに限らず、船舶用の内燃機関や、他の産業機器用の内燃機関にも適用可能である。
さらに、実施形態は、オーバーラップ中央位置OVL_CenterOVL_Centerとして、バルブオーバーラップ期間の始点と終点の間における中央のクランク角位置を用いた例であるが、本発明のオーバーラップ中央位置OVL_Centerはこれに限らず、バルブオーバーラップ期間の始点と終点の間における中央のクランク角位置の近傍のクランク角位置を用いてもよい。このように構成した場合、実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、実施形態は、負荷パラメータ取得手段として、ECU2、クランク角センサ30およびエアフローセンサ31を用いた例であるが、本発明の負荷パラメータ取得手段はこれに限らず、負荷を表す負荷パラメータを取得できるものであればよい。例えば、負荷パラメータ取得手段として、アクセル開度を検出するアクセル開度センサおよびECU2を用い、ECU2により、このアクセル開度センサの検出信号に応じて、負荷パラメータを算出してもよい。
さらに、実施形態は、基本吹き返しガス量GegrRV_Baseを補正するための補正値として、加算項である補正項dGegr_OVLを用いた例であるが、これに代えて、基本吹き返しガス量GegrRV_Baseに補正係数を乗算することによって、吹き返しガス量GegrRVを算出するように構成してもよい。
1 内部EGR量算出装置
2 ECU(吹き返しガス量算出手段、オーバーラップ中央位置算出手段、補正後吹 き返しガス量算出手段、内部EGR量算出手段、負荷パラメータ取得手段)
3 内燃機関
3a 気筒
3c クランクシャフト
4 吸気弁
5 排気弁
8 吸気通路(吸気系)
9 排気通路(排気系)
12 可変吸気カム位相機構
22 可変排気カム位相機構
30 クランク角センサ(負荷パラメータ取得手段)
31 エアフローセンサ(負荷パラメータ取得手段)
42 残留ガス量算出部(内部EGR量算出部)
43 加算器(内部EGR量算出部)
50 吹き返しガス量算出部(補正後吹き返しガス量算出手段)
52 基本吹き返しガス量算出部(吹き返しガス量算出手段)
53 要求トルク算出部(負荷パラメータ取得手段)
55 オーバーラップ中央位置算出部(オーバーラップ中央位置算出手段)
OVL オーバーラップ角度(バルブオーバーラップ期間の長さを表す値)
OVL_Center オーバーラップ中央位置
GegrRV_Base 基本吹き返しガス量(吹き返しガス量)
GegrRV 吹き返しガス量(補正後吹き返しガス量)

Claims (4)

  1. 吸気弁および排気弁の少なくとも一方のバルブタイミングを変更することにより、バルブオーバーラップ期間が変更されるとともに、当該バルブオーバーラップ期間の変更に伴って、気筒内に残留するガス量である内部EGR量が変更される内燃機関の内部EGR量算出装置であって、
    前記気筒から吸気系および排気系の少なくとも一方に一旦、流出した後、当該気筒内に再度、流入するガスの量である吹き返しガス量を算出する吹き返しガス量算出手段と、
    前記バルブオーバーラップ期間の始点と終点の間における中央のクランク角位置および当該中央のクランク角位置近傍のクランク角位置の一方をオーバーラップ中央位置として算出するオーバーラップ中央位置算出手段と、
    当該算出されたオーバーラップ中央位置に応じて、前記算出された吹き返しガス量を補正することにより、補正後吹き返しガス量を算出する補正後吹き返しガス量算出手段と、
    当該算出された補正後吹き返しガス量に応じて、前記内部EGR量を算出する前記内部EGR量を算出する内部EGR量算出手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の内部EGR量算出装置。
  2. 前記補正後吹き返しガス量算出手段は、前記オーバーラップ中央位置が排気上死点よりも遅角側であるほど、前記補正後吹き返しガス量をより多くなるように算出するとともに、前記オーバーラップ中央位置が排気上死点よりも進角側であるほど、前記補正後吹き返しガス量をより少なくなるように算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の内部EGR量算出装置。
  3. 前記補正後吹き返しガス量算出手段は、前記バルブオーバーラップ期間が長いほど、前記補正後吹き返しガス量をより多くなるように算出することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の内部EGR量算出装置。
  4. 前記内燃機関の負荷を表す負荷パラメータを取得する負荷パラメータ取得手段をさらに備え、
    前記補正後吹き返しガス量算出手段は、当該取得された負荷パラメータが表す前記内燃機関の前記負荷が高いほど、前記補正後吹き返しガス量をより少なくなるように算出することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の内燃機関の内部EGR量算出装置。
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