JP5844227B2 - 内燃機関の掃気ガス量算出装置および内部egr量算出装置 - Google Patents

内燃機関の掃気ガス量算出装置および内部egr量算出装置 Download PDF

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Description

本発明は、掃気ガス量を算出する内燃機関の掃気ガス量算出装置と、掃気ガス量を用いて内部EGR量を算出する内部EGR量算出装置に関する。
従来、内燃機関の内部EGR量算出装置として、特許文献1に記載されたものが知られている。この内部EGR量算出装置では、残留既燃ガス量に吹き返しガス量を加算することにより、内部EGR量が算出される。この残留既燃ガス量は、気筒内に残留する既燃ガス量であり、具体的には、気体の状態方程式を用いて算出される。
また、吹き返しガス量は、バルブオーバーラップ期間中、吸気通路と排気通路の間での圧力差に起因して、既燃ガスが排気通路から吸気通路側に一旦流れた後、気筒内に吹き返された既燃ガスの量を表している。この吹き返しガス量は、既燃ガスが流れる流路をノズルと見なし、ノズルの方程式を用いて算出される。
このノズルの方程式は、有効開口面積の時間積分値Σ(μA)を含んでいる。この有効開口面積の時間積分値Σ(μA)は、具体的には、有効開口面積をクランク角について積分することにより、クランク角積分値f1(OL)を算出し、これを機関回転数NEで除算することによって算出される。
特開2004−251182号公報
上述したように、バルブオーバーラップ期間中における吹き返しガスは、吸気通路と排気通路の間での圧力差に起因して発生する関係上、バルブオーバーラップ期間中における吸気通路側の圧力(以下「吸気圧」という)と排気通路側の圧力(以下「排気圧」という)との関係によっては、吹き返しガス量が低下したり、吹き返しガスが発生しないことがある。例えば、バルブオーバーラップ期間が比較的長い場合において、内燃機関が高負荷運転されているときや、過給機付きの内燃機関において過給動作が実行されているときには、吸気圧が排気圧よりも高い状態になることがあり、その場合には、気筒内の既燃ガスは、吸気通路から流入する空気によって排気通路側に掃気されてしまう。以下、このように気筒内から排気通路側に掃気される既燃ガスを「掃気ガス」という。特許文献1の内部EGR量算出装置の場合、このような掃気ガス量を考慮していない関係上、掃気ガスが発生するような条件下では、内部EGR量の算出精度が低下してしまうことになる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、バルブオーバーラップ期間中、掃気ガスが発生するような条件下において、掃気ガス量を精度よく算出することができる内燃機関の掃気ガス量算出装置と、そのような掃気ガス量を用いて、内部EGR量を精度よく算出することができる内燃機関の内部EGR量算出装置とを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、吸気弁4および排気弁5の少なくとも一方のバルブタイミングを変更することにより、バルブオーバーラップ期間が変更される内燃機関3の掃気ガス量算出装置1であって、内燃機関3の吸気通路8内の圧力である吸気圧Pinを表す吸気圧パラメータ(平均吸気圧PinAve)を取得する吸気圧パラメータ取得手段(ECU2、吸気圧センサ32、ステップ2)と、内燃機関3の排気通路9内の圧力である排気圧Pexを表す排気圧パラメータ(最小排気圧PexMIN、最大排気圧PexMAX)を取得する排気圧パラメータ取得手段(ECU2、排気圧センサ34、ステップ1、21〜24,30〜32)と、バルブオーバーラップ期間の長さを表す期間パラメータ(オーバーラップ角度OVL)を取得する期間パラメータ取得手段(ECU2、クランク角センサ30、吸気カム角センサ36、排気カム角センサ37、ステップ3)と、バルブオーバーラップ期間中において吸気圧Pinが排気圧Pexよりも高くなる掃気状態にあるときに内燃機関3の気筒3a内から排気通路9に掃気されるガスの量である掃気ガス量GegrScaを、吸気圧パラメータ、排気圧パラメータおよび期間パラメータに応じて算出する掃気ガス量算出手段(ECU2、ステップ8,30〜35)と、を備え、排気圧パラメータ取得手段は、内燃機関3の運転状態を表す値(吸入空気量GAIR)に応じて、バルブオーバーラップ期間中における排気圧Pexのうちの最小値である最小排気圧PexMINを、排気圧パラメータとして算出する最小排気圧算出手段(ECU2、ステップ30〜32)を有し、掃気ガス量算出手段は、期間パラメータに応じて、バルブオーバーラップ期間中における掃気ガスの発生度合いを表す掃気発生度合いパラメータ(掃気割合R_Sca)を算出する掃気発生度合いパラメータ算出手段(ECU2、ステップ34)を有し、掃気発生度合いパラメータ(掃気割合R_Sca)、吸気圧パラメータおよび最小排気圧PexMINに応じて、掃気ガス量GegrScaを算出する[式(6),(7)]ことを特徴とする。
この内燃機関の掃気ガス量算出装置によれば、バルブオーバーラップ期間中において吸気圧が排気圧よりも高くなる掃気状態にあるときに内燃機関の気筒内から排気通路に掃気されるガスの量である掃気ガス量が、吸気圧パラメータ、排気圧パラメータおよび期間パラメータに応じて算出される。この場合、吸気圧パラメータは、内燃機関の吸気通路内の圧力である吸気圧を、排気圧パラメータは内燃機関の排気通路内の圧力である排気圧を、期間パラメータは、バルブオーバーラップ期間の長さをそれぞれ表すものであるので、バルブオーバーラップ期間中において、吸気圧が排気圧よりも高くなり、掃気ガスが発生するような条件にあるときに、掃気ガス量と相関性の高いバルブオーバーラップ期間の長さを反映させながら、掃気ガス量を算出することができる。それにより、バルブオーバーラップ期間中に掃気ガスが発生するような条件下において、掃気ガス量を精度よく算出することができる(なお、本明細書における「吸気圧パラメータを取得」や、「排気圧パラメータを取得」、「期間パラメータを取得」などにおける「取得」は、センサなどによりこれらのパラメータを直接検出することや、これらのパラメータを他のパラメータに基づいて推定することを含む)。さらに、内燃機関の運転状態を表す値に応じて、バルブオーバーラップ期間中における排気圧のうちの最小値である最小排気圧が、排気圧パラメータとして算出され、期間パラメータに応じて、バルブオーバーラップ期間中における掃気ガスの発生度合いを表す掃気発生度合いパラメータが算出されるとともに、掃気発生度合いパラメータ、吸気圧パラメータおよび最小排気圧に応じて、掃気ガス量が算出される。この場合、最小排気圧およびバルブオーバーラップ期間の長さは、後述するように、バルブオーバーラップ期間中における掃気ガス量と相関性が高いので、そのような最小排気圧およびバルブオーバーラップ期間の長さと、掃気ガスの発生度合いとを反映させながら、掃気ガス量を算出することによって、掃気ガス量の算出精度をさらに向上させることができる。
請求項に係る発明は、請求項に記載の内燃機関3の掃気ガス量算出装置1において、最小排気圧算出手段は、所定期間中の排気通路9内の圧力の平均値である平均排気圧PexAveを算出する平均排気圧算出手段(ECU2、ステップ1)と、内燃機関3の運転状態を表す値(吸入空気量GAIR)に応じて、最小排気圧PexMINを算出するための最小振幅DPexMINを算出する最小振幅算出手段(ECU2、ステップ22,30,31)と、を有し、平均排気圧PexAveおよび最小振幅DPexMINに基づき、最小排気圧PexMINを算出することを特徴とする。
この内燃機関の掃気ガス量算出装置によれば、所定期間中の排気通路内の圧力の平均値である平均排気圧が算出され、内燃機関の運転状態を表す値に応じて、最小排気圧を算出するための最小振幅が算出されるとともに、平均排気圧および最小振幅に基づき、最小排気圧が算出される。したがって、この最小振幅の算出手法として、マップ検索手法や算出式を用いることにより、極めて短いサンプリング周期で排気圧を逐次サンプリングし、そのサンプリング結果に基づいて、最小排気圧を算出する場合と比べて、演算負荷を低減することができる。
請求項に係る発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関3の掃気ガス量算出装置1において、掃気ガス量算出手段は、期間パラメータが表すバルブオーバーラップ期間の長さが長いほど、掃気ガス量GegrScaをより大きい値に算出することを特徴とする。
バルブオーバーラップ期間中において、吸気圧が排気圧よりも高くなることで、掃気ガスが発生した場合、バルブオーバーラップ期間が長いほど、掃気ガス量がより増大することが、本出願人の実験により確認できた(後述する図3〜5参照)。したがって、この内燃機関の掃気ガス量算出装置によれば、掃気ガス量が増大しやすい状態であるほど、それに応じて、掃気ガス量がより大きい値に算出されることになる。その結果、良好な算出精度を確保することができる。
請求項に係る発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の内燃機関3の掃気ガス量算出装置1を備え、内燃機関3は、バルブオーバーラップ期間の変更に伴って内部EGR量が変更されるように構成されており、内燃機関3の気筒3aから吸気系(吸気通路8)および排気系(排気通路9)の少なくとも一方に一旦、流出した後、気筒3a内に再度、流入するガスの量である吹き返しガス量(基本吹き返しガス量GegrRV_Base)を算出する吹き返しガス量算出手段(ECU2、ステップ6,20〜27)と、吹き返しガス量(基本吹き返しガス量GegrRV_Base)を掃気ガス量GegrScaで補正することにより、補正後吹き返しガス量(吹き返しガス量GegrRV)を算出する補正後吹き返しガス量算出手段(ECU2、ステップ11)と、補正後吹き返しガス量(吹き返しガス量GegrRV)に応じて、内部EGR量Gegr_intを算出する内部EGR量算出手段(ECU2、ステップ12)と、をさらに備えることを特徴とする。
この内燃機関の内部EGR量算出装置によれば、前述したように、掃気ガス量が算出され、吹き返しガス量が算出されるとともに、吹き返しガス量を掃気ガス量で補正することにより、補正後吹き返しガス量が算出されるので、この補正後吹き返しガス量は、掃気ガス量を吹き返しガス量に反映させた値となる。したがって、そのような補正後吹き返しガス量に応じて、内部EGR量が算出されるので、内部EGR量を、掃気ガス量を反映させながら算出することができる。それにより、内部EGR量の算出において、掃気ガス量を考慮していない特許文献1の場合と比べて、内部EGR量の算出精度を向上させることができる。
請求項に係る発明は、請求項に記載の内燃機関3の内部EGR量算出装置1において、排気圧パラメータ取得手段は、内燃機関3の運転状態を表す値(吸入空気量GAIR)に応じて、バルブオーバーラップ期間中における排気圧Pexのうちの最大値である最大排気圧PexMAXを、排気圧パラメータとして算出する最大排気圧算出手段(ECU2、ステップ21〜24)を有し、吹き返しガス量算出手段は、期間パラメータ(オーバーラップ角度OVL)に応じて、バルブオーバーラップ期間中における吹き返しガスの発生度合いを表す吹き返しガス発生度合いパラメータ(補正係数Krv)を算出する吹き返しガス発生度合いパラメータ算出手段(ECU2、ステップ26)を有し、吹き返しガス発生度合いパラメータ(補正係数Krv)、吸気圧パラメータおよび最大排気圧PexMAXに応じて、吹き返しガス量(基本吹き返しガス量GegrRV_Base)を算出することを特徴とする。
一般に、バルブオーバーラップ期間を有する内燃機関において、吹き返しガス量を算出する場合、吹き返しガスは、排気圧が吸気圧を上回っている条件下で発生する関係上、吹き返しガス量は、バルブオーバーラップ期間中の排気圧の最大値と高い相関性を有していることになる。したがって、この内燃機関の内部EGR量算出装置によれば、バルブオーバーラップ期間中における排気圧のうちの最大値である最大排気圧を、排気圧パラメータとして算出し、期間パラメータに応じて、バルブオーバーラップ期間中における吹き返しガスの発生度合いを表す吹き返しガス発生度合いパラメータが算出がされるとともに、このような吹き返しガス発生度合いパラメータ、吸気圧パラメータおよび最大排気圧に応じて、吹き返しガス量が算出されるので、吹き返しガス量の算出精度をさらに向上させることができる。また、吹き返しガス量が最大排気圧に応じて算出されるので、有効開口面積の積分演算を実行する特許文献1の手法と比べて、吹き返しガス量を容易に算出することができ、演算負荷を低減することができる。
請求項に係る発明は、請求項に記載の内燃機関3の内部EGR量算出装置1において、最大排気圧算出手段は、所定期間中の排気通路9内の圧力の平均値である平均排気圧PexAveを算出する平均排気圧算出手段(ECU2、ステップ1)と、内燃機関3の運転状態を表す値(吸入空気量GAIR)に応じて、最大排気圧PexMAXを算出するための最大振幅DPexMAXを算出する最大振幅算出手段(ECU2、ステップ21〜23)と、を有し、平均排気圧PexAveおよび最大振幅DPexMAXに基づき、最大排気圧PexMAXを算出することを特徴とする。
この内燃機関の内部EGR量算出装置によれば、所定期間中の排気通路内の圧力の平均値である平均排気圧が算出され、内燃機関の運転状態を表す値に応じて、最大排気圧を算出するための最大振幅が算出されるとともに、平均排気圧および最大振幅に基づき、最大排気圧が算出される。したがって、この最大振幅の算出手法として、マップ検索手法や算出式を用いることにより、極めて短いサンプリング周期で排気圧を逐次サンプリングし、そのサンプリング結果に基づいて、最大排気圧を算出する場合と比べて、その演算負荷を低減することができる。
本発明の一実施形態に係る掃気ガス量算出装置および内部EGR量算出装置の構成と、これらを適用した内燃機関の構成とを模式的に示す図である。 可変吸気カム位相機構および可変排気カム位相機構による吸気弁および排気弁のバルブタイミングの変更状態を示すバルブリフト曲線である。 CAIN=CAEX=0の場合のバルブオーバーラップ期間の前後における、(a)バルブリフト曲線と、(b)吸気圧Pinおよび排気圧Pexの測定結果の一例とを示す図である。 CAIN=CAEX=CAREFの場合のバルブオーバーラップ期間の前後における、(a)バルブリフト曲線と、(b)吸気圧Pinおよび排気圧Pexの測定結果の一例とを示す図である。 CAIN=CAIN_ad、CAEX=CAEX_rtの場合のバルブオーバーラップ期間の前後における、(a)バルブリフト曲線と、(b)吸気圧Pinおよび排気圧Pexの測定結果の一例とを示す図である。 吹き返しガス量の計測値とオーバーラップ角度OVLとの関係を示す図である。 内部EGR量の算出処理を示すフローチャートである。 基本吹き返しガス量GegrRV_Baseの算出処理を示すフローチャートである。 関数値CdAの算出に用いるマップの一例を示す図である。 最大排気圧のマップ値PexMAX_map、平均排気圧のマップ値PexAve_mapおよび最小排気圧のマップ値PexMIN_mapの算出に用いるマップの一例を示す図である。 補正係数Krvの算出に用いるマップの一例を示す図である。 掃気ガス量GegrScaの算出処理を示すフローチャートである。 掃気割合R_Scaの算出に用いるマップの一例を示す図である。 本発明の手法により、内部EGR量Gegr_intを算出した場合の算出誤差の一例を示す図である。 比較のために、掃気ガス量GegrSca=0として、内部EGR量Gegr_intを算出した場合の算出誤差の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る内燃機関の内部EGR量算出装置について説明する。本実施形態の内部EGR量算出装置1は、掃気ガス量算出装置も兼ねており、図1に示すように、ECU2を備えている。このECU2は、後述する手法により、掃気ガス量および内部EGR量を算出するとともに、内燃機関(以下「エンジン」という)3の運転状態などを制御する。
エンジン3は、4組の気筒3aおよびピストン3b(1組のみ図示)を有する直列4気筒ガソリンエンジンであり、図示しない車両に搭載されている。また、エンジン3は、気筒3aごとに設けられた吸気弁4(1つのみ図示)と、気筒3aごとに設けられた排気弁5(1つのみ図示)と、吸気弁4を開閉駆動する吸気動弁機構10と、排気弁5を開閉駆動する排気動弁機構20などを備えている。
この吸気動弁機構10は、吸気弁4を駆動する吸気カムシャフト11と、可変吸気カム位相機構12などで構成されている。この可変吸気カム位相機構12は、吸気カムシャフト11のクランクシャフト3cに対する相対的な位相(以下「吸気カム位相」という)CAINを無段階に(すなわち連続的に)進角側または遅角側に変更することで、吸気弁4のバルブタイミングを変更するものであり、吸気カムシャフト11の吸気スプロケット(図示せず)側の端部に設けられている。
この可変吸気カム位相機構12は、具体的には、本出願人が特開2007−100522号公報などで提案済みのものと同様に構成されているので、その詳細な説明は省略するが、吸気カム位相制御弁12aなどを備えている。この可変吸気カム位相機構12の場合、ECU2からの駆動信号によって吸気カム位相制御弁12aが制御されることにより、吸気カム位相CAINを、所定の原点値CAIN_0と所定の最進角値CAIN_adとの間で連続的に変化させる。それにより、吸気弁4のバルブタイミングが、図2に実線で示す原点タイミングと、図2に1点鎖線で示す最進角タイミングとの間で無段階に変更される。なお、この図2では、排気上死点が「排気TDC」と表記されており、この点は後述する各図においても同様である。
この場合、所定の原点値CAIN_0は値0に設定され、所定の最進角値CAIN_adは、所定の正値に設定されている。したがって、吸気カム位相CAINが値0から増大するほど、吸気弁4のバルブタイミングが原点タイミングからより進角側に変更され、それにより、吸気弁4と排気弁5のバルブオーバーラップ期間がより長くなる。
また、排気動弁機構20は、排気弁5を駆動する排気カムシャフト21と、可変排気カム位相機構22などで構成されている。この可変排気カム位相機構22は、排気カムシャフト21のクランクシャフト3cに対する相対的な位相(以下「排気カム位相」という)CAEXを無段階に(すなわち連続的に)進角側または遅角側に変更することで、排気弁5のバルブタイミングを変更するものであり、排気カムシャフト21の排気スプロケット(図示せず)側の端部に設けられている。
この可変排気カム位相機構22は、上述した可変吸気排気カム位相機構12と同様に構成されており、排気カム位相制御弁22aなどを備えている。この可変排気カム位相機構22の場合、ECU2からの駆動信号によって排気カム位相制御弁22aが制御されることにより、排気カム位相CAEXを、所定の原点値CAEX_0と所定の最遅角値CAEX_rtとの間で連続的に変化させる。それにより、排気弁5のバルブタイミングが、図2に実線で示す原点タイミングと、図2に破線で示す最遅角タイミングとの間で無段階に変更される。
この場合、所定の原点値CAEX_0は値0に設定され、所定の最遅角値CAEX_rtは、前述した値CAEX_rtと所定の正値に設定されている。したがって、排気カム位相CAEXが値0から増大するほど、排気弁5のバルブタイミングが原点タイミングからより遅角側に変更され、それにより、バルブオーバーラップ期間がより長くなる。
なお、このようなバルブオーバーラップ期間が存在する場合、後述するように、気筒3a内から排気通路9(排気系)に一旦、流出した既燃ガスが、気筒3a内に再度流入したり、気筒3a内を通り抜けて吸気通路8(吸気系)内まで流れ込んだ後、気筒3a内に再度、流入したりする事象が発生する。以下の説明では、このように、気筒3a内から排気通路9に一旦、流出した後、吸気弁4の閉弁タイミングまでに気筒3a内に最終的に戻る既燃ガスを「吹き返しガス」といい、その量を「吹き返しガス量」という。
さらに、後述するように、バルブオーバーラップ期間中、吸気通路8内の圧力が排気通路9内の圧力よりも高い状態になると、吸気通路8内のガスによって、気筒3a内の既燃ガスが排気通路9側に掃気される事象が発生する。以下の説明では、このように、気筒3a内から排気通路9側に掃気される既燃ガスを「掃気ガス」といい、その量を「掃気ガス量」という。
また、エンジン3には、点火プラグ6、燃料噴射弁7、クランク角センサ30およびターボチャージャ40が設けられており、これらの点火プラグ6および燃料噴射弁7はいずれも、気筒3aごとに設けられている(いずれも1つのみ図示)。燃料噴射弁7は、各気筒3aの吸気ポート内に燃料を噴射するようにインテークマニホールドに取り付けられている。点火プラグ6および燃料噴射弁7はいずれも、ECU2に電気的に接続されており、ECU2によって、燃料噴射弁7による燃料の噴射量および噴射時期と、点火プラグ6による混合気の点火時期とが制御される。すなわち、燃料噴射制御と点火時期制御が実行される。
さらに、クランク角センサ30(期間パラメータ取得手段)は、クランクシャフト3cの回転に伴い、いずれもパルス信号であるCRK信号およびTDC信号をECU2に出力する。このCRK信号は、所定クランク角(例えば1゜)ごとに1パルスが出力され、ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。また、TDC信号は、各気筒3aのピストン3bが排気TDC位置よりも若干、手前の所定のクランク角位置にあることを表す信号であり、本実施形態の4気筒エンジン3の場合、クランク角180゜ごとに1パルスが出力される。
一方、ターボチャージャ40は、吸気通路8の途中のコンプレッサハウジング内に収容されたコンプレッサブレード41と、排気通路9の途中のタービンハウジング内に収容されたタービンブレード42と、2つのブレード41,42を一体に連結する軸43と、ウエストゲート弁44などを備えている。
このターボチャージャ40では、排気通路9内の排ガスによってタービンブレード42が回転駆動されると、これと一体のコンプレッサブレード41も同時に回転することにより、吸気通路8内の吸入空気が加圧される。すなわち、過給動作が実行される。
また、上記ウエストゲート弁44は、排気通路9のタービンブレード42をバイパスするバイパス排気通路9aを開閉するものであり、ECU2に電気的に接続された電磁制御弁で構成されている。このウエストゲート弁44は、ECU2からの制御入力信号に応じて開度が変化することにより、バイパス排気通路9aを流れる排ガスの流量、言い換えればタービンブレード42を駆動する排ガスの流量を変化させる。これにより、ターボチャージャ40による過給動作が制御される。
さらに、ECU2には、エアフローセンサ31、吸気圧センサ32、吸気温センサ33、排気圧センサ34、排気温センサ35、吸気カム角センサ36および排気カム角センサ37が電気的に接続されている。このエアフローセンサ31は、吸気通路8内を流れる新気の流量を検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。ECU2は、このエアフローセンサ31の検出信号に基づき、吸入空気量GAIR(内燃機関の運転状態を表す値)を算出する。
また、吸気圧センサ32(吸気圧パラメータ取得手段)は、吸気通路8内の圧力(以下「吸気圧」という)Pinを、検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。この吸気圧Pinは、絶対圧として検出される。さらに、吸気温センサ33は、吸気通路8内の空気の温度(以下「吸気温」という)Tinを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。この吸気温Tinは、絶対温度として検出される。
一方、排気圧センサ34(排気圧パラメータ取得手段)は、排気通路9内の圧力(以下「排気圧」という)Pexを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。この排気圧Pexは、絶対圧として検出される。また、排気温センサ35は、排気通路9内の排ガスの温度(以下「排気温」という)Texを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。この排気温Texは、絶対温度として検出される。
また、吸気カム角センサ36(期間パラメータ取得手段)は、吸気カムシャフト11の可変吸気カム位相機構12と反対側の端部に設けられており、吸気カムシャフト11の回転に伴い、パルス信号である吸気CAM信号を所定のカム角(例えば1゜)ごとにECU2に出力する。ECU2は、この吸気CAM信号および前述したCRK信号に基づき、吸気カム位相CAINを算出する。
さらに、排気カム角センサ37(期間パラメータ取得手段)は、排気カムシャフト21の可変排気カム位相機構22と反対側の端部に設けられており、排気カムシャフト21の回転に伴い、パルス信号である排気CAM信号を所定のカム角(例えば1゜)ごとにECU2に出力する。ECU2は、この排気CAM信号および前述したCRK信号に基づき、排気カム位相CAEXを算出する。
一方、ECU2は、CPU、RAM、ROMおよびI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されており、以上の各種のセンサ30〜37の検出信号などに基づいて、以下に述べるように、内部EGR量の算出処理を実行するとともに、点火プラグ6、燃料噴射弁7、吸気カム位相制御弁12a、排気カム位相制御弁22aおよびウエストゲート弁44の動作状態を制御する。
なお、本実施形態では、ECU2が、吸気圧パラメータ取得手段、排気圧パラメータ取得手段、期間パラメータ取得手段、掃気ガス量算出手段、掃気発生度合いパラメータ算出手段、最小排気圧算出手段、平均排気圧算出手段、最小振幅算出手段、吹き返しガス量算出手段、補正後吹き返しガス量算出手段、内部EGR量算出手段、最大排気圧算出手段、吹き返しガス発生度合いパラメータ算出手段、および最大振幅算出手段に相当する。
以下、本実施形態の内部EGR量算出装置1による内部EGR量の算出手法の原理および観点について説明する。まず、図3〜5を参照しながら、バルブオーバーラップ期間の長さと、気筒3a周辺のガスの流れとの関係について説明する。なお、図3〜5に示す動作例は、前述したターボチャージャ40による過給動作が実行されているときのものである。
まず、図3(a)に示すように、CAIN=CAEX=0に設定されている場合、すなわち吸気バルブタイミングおよび排気バルブタイミングがいずれも前述した図2に実線で示す基準タイミングに設定されている場合には、図3(b)に示すように、バルブオーバーラップ期間中の全域において、排気圧Pexが吸気圧Pinを上回る状態となり、それに起因して、前述した掃気ガスが発生しないとともに、前述した吹き返しガスが発生する状態となる。この場合、図3(b)にハッチングを施した領域が吹き返しガスの発生領域を表している。
次に、図4(a)に示すように、CAIN=CAEX=CAREFに設定されている場合について説明する。この値CAREFは、0<CAREF<CAIN_rt,0<CAREF<CAEX_adが成立するような所定値であり、そのため、図4(a)の動作例の場合、吸気バルブタイミングが前述した基準タイミングよりも所定値CAREF分遅角側に、排気バルブタイミングが前述した基準タイミングよりも所定値CAREF分進角側に設定されていることで、バルブオーバーラップ期間が図3に示す場合よりも長くなる。
それに伴い、図4(b)に示すように、バルブオーバーラップ期間の前半途中までにおいて、Pex<Pinが成立することで、掃気ガスが発生するとともに、Pex>Pinが成立した以降は、吹き返しガスが発生することになる。この場合、図4(b)に網掛けを施した領域が掃気ガスの発生領域を表している。このように掃気ガスおよび吹き返しガスが発生した場合、掃気ガス量の分、内部EGR量が減少することになる。
さらに、図5(a)に示すように、CAIN=CAIN_ad,CAEX=CAEX_rtに設定されている場合には、バルブオーバーラップ期間が最も長くなり、それに伴い、図5(b)に示すように、バルブオーバーラップ期間の後半途中までにおいて、Pex<Pinが成立することで、掃気ガスが発生するとともに、Pex>Pinが成立した以降は、吹き返しガスが発生することになる。このように掃気ガスおよび吹き返しガスが発生した場合にも、掃気ガス量の分、内部EGR量が減少することになる。
以上のように、バルブオーバーラップ期間の長さが変更されるのに伴い、吹き返しガス量と掃気ガス量の割合が変化する。具体的には、バルブオーバーラップ期間が長くなるほど、吹き返しガス量が減少すると同時に、掃気ガス量が増大することになる。
ここで、排気流量に基づき、吹き返しガス量を計測したところ、図6に示す計測結果が得られた。同図において、横軸のオーバーラップ角度OVL(期間パラメータ)は、吸気カム位相CAINと排気カム位相CAEXの和であり、値OVLrefは、値0より大きいオーバーラップ角度OVLの所定値である。また、値OVLmaxは、OVLmax=CAIN_ad+CAEX_rtとなる、オーバーラップ角度OVLの最大値である。この場合、吸気カム位相CAINおよび排気カム位相CAEXが前述したように設定されている関係上、オーバーラップ角度OVLは、バルブオーバーラップ期間が長いほど、より大きい値として算出される。
同図に示すように、吹き返しガス量は、OVL<OVLrefの領域で正値となり、OVLref<OVL≦OVLmaxの領域では負値となっている。これは、前述したように、オーバーラップ角度OVLが大きい場合、すなわちバルブオーバーラップ期間が長い場合、吹き返しガス量が減少し、掃気ガス量が増大するので、それに起因して、OVLref<OVL≦OVLmaxの領域では、掃気ガス量が吹き返しガス量を上回っている状態が発生しているものと推定される。
以上の理由により、本実施形態では、吹き返しガス量GegrRVが、下式(1)に示すように、基本吹き返しガス量GegrRV_Baseから掃気ガス量GegrScaを減算した値に、補正項dGegr_OVLを加算することによって算出される。
Figure 0005844227
上式(1)に示すように、吹き返しガス量GegrRVは、基本吹き返しガス量GegrRV_Baseを掃気ガス量GegrScaで補正することによって算出される。なお、本実施形態では、吹き返しガス量GegrRVが補正後吹き返しガス量に、基本吹き返しガス量GegrRV_Baseが吹き返しガス量に相当する。また、補正項dGegr_OVLの意味および算出手法については後述する。
上式(1)の基本吹き返しガス量GegrRV_Baseは、CAIN=CAEX=0のとき、すなわちオーバーラップ角度OVL=0のときの吹き返しガス量に相当する値であり、下式(2)〜(4)によって算出される。なお、下式(2)〜(4)は、吹き返しガス(すなわち既燃ガス)を圧縮性流体かつ断熱流と見なし、吹き返しガスが流れる流路をノズルと見なすとともに、ノズルの式を用いて導出されるものであり、その導出方法は、本出願人が特開2011−140895号公報などで説明したものと同じであるので、ここでは説明を省略する。
Figure 0005844227
Figure 0005844227
Figure 0005844227
この式(2)において、PexMAXは最大排気圧を、CdAは関数値を、PinAveは平均吸気圧を、Reは気体定数を、Ψは流量関数を、Krvは補正係数をそれぞれ表しており、式(3),(4)のκは比熱比を表している。この最大排気圧PexMAX(排気圧パラメータ)は、バルブオーバーラップ期間中の排気圧Pexの最大値を推定した値であり、後述する手法によって算出される。
このような最大排気圧PexMAXを用いて、基本吹き返しガス量GegrRV_Baseを算出するのは、以下の理由による。すなわち、前述した図3(b)〜5(b)を参照すると明らかなように、吹き返しガスの発生領域は、バルブオーバーラップ期間中のハッチングを施した領域、すなわち排気圧Pexが吸気圧Pinを上回っている領域となるので、吹き返しガス量は、バルブオーバーラップ期間中の排気圧Pexの最大値である最大排気圧PexMAXと相関性が高い特性を有している。そのため、本実施形態では、そのような最大排気圧PexMAXを用いて、基本吹き返しガス量GegrRV_Baseが算出される。
また、関数値CdAは、有効開口面積と流量係数の積に相当する値であり、オーバーラップ角度OVLに応じて、後述する手法によって算出される。さらに、平均吸気圧PinAve(吸気圧パラメータ)は、吸気圧Pinの移動平均値であり、後述するように算出される。
また、補正係数Krvは、エンジン回転数NEおよびオーバーラップ角度OVLに応じて、後述する手法によって算出される。このような補正係数Krvを用いて、基本吹き返しガス量GegrRV_Baseを算出する理由は、前述したように、バルブオーバーラップ期間の長さの変化によって吹き返しガス量が変化することに加えて、エンジン回転数NEの変化によっても吹き返しガス量が変化するので、それらの影響を基本吹き返しガス量GegrRV_Baseの算出結果に反映させるためである。
一方、前述した掃気ガス量GegrScaは、気体の状態方程式に基づき、下式(5),(6)によって算出される。
Figure 0005844227
Figure 0005844227
上式(5)において、GegrScaALLは総掃気ガス量を、PexMINは最小排気圧を、Vcylは筒内容積をそれぞれ表しており、上式(6)のR_Scaは掃気割合である。この総掃気ガス量GegrScaALLは、バルブオーバーラップ期間中であるか否かにかかわらず、Pin>Pexが成立しているときに発生すると推定される掃気ガスの総量を表している。また、最小排気圧PexMIN(排気圧パラメータ)は、バルブオーバーラップ期間中の排気圧Pexの最小値を推定した値であり、後述する手法によって算出される。
上式(5)に示すように、総掃気ガス量GegrScaALLの算出において、平均吸気圧PinAveと最小排気圧PexMINとの差圧を用いるのは、以下の理由による。すなわち、前述した図4(b),5(b)を参照すると明らかなように、掃気ガスの発生領域は、バルブオーバーラップ期間中の網掛けを施した領域、すなわち、排気圧Pexが吸気圧Pinを下回っている領域となるので、掃気ガス量は、バルブオーバーラップ期間中の吸気圧Pinと排気圧Pexの最小値である最小排気圧PexMINとの差圧と相関性が高いという特性を有している。そのため、本実施形態では、平均吸気圧PinAveと最小排気圧PexMINとの差圧を用いて、総掃気ガス量GegrScaALLが算出される。また、式(5)の筒内容積Vcylは、吸気弁4の開弁タイミングにおける気筒3a内の容積を表しており、後述する手法によって算出される。
さらに、式(6)の掃気割合R_Scaは、総掃気ガス量GegrScaALLのうちの、バルブオーバーラップ期間中に発生する掃気ガス量の割合を表す値であり、エンジン回転数NEおよびオーバーラップ角度OVLに応じて、後述する手法によって算出される。また、上式(6)に示すように、掃気ガス量GegrScaは、掃気割合R_Scaを総掃気ガス量GegrScaALLに乗算することによって算出される。これは以下の理由による。
すなわち、総掃気ガス量GegrScaALLは、バルブオーバーラップ期間中であるか否かにかかわらず、Pin>Pexが成立しているときに発生すると推定される掃気ガス量であるのに対して、掃気ガスは、実際には、前述した図3(b)〜5(b)を参照すると明らかなように、バルブオーバーラップ期間中において、Pin>Pexが成立している領域でのみ発生することになる。したがって、Pin>Pexが発生している全領域のうちの、バルブオーバーラップ期間中の掃気ガスが実際に発生する領域の割合を反映させるために、本実施形態では、掃気割合R_Scaを総掃気ガス量GegrScaALLに乗算することによって、掃気ガス量GegrScaが算出される。
以上の原理および観点に基づき、本実施形態の内部EGR量算出装置1では、図7に示すように、内部EGR量の算出処理が実行される。なお、この算出処理は、具体的には、ECU2によって、TDC信号の発生タイミングに同期する周期で実行される。
同図に示すように、まず、ステップ1(図では「S1」と略す。以下同じ)で、平均排気圧PexAveを算出する。この平均排気圧PexAveは、具体的には、排気圧Pexの今回値と、前回値以前の3つの時系列データとの移動平均値として算出される。すなわち、平均排気圧PexAveは、TDC信号の発生タイミングに同期してサンプリングされた排気圧Pexの4個の時系列データ(すなわち1燃焼サイクル分のデータ)の移動平均値として算出される。
次いで、ステップ2に進み、平均吸気圧PinAveを算出する。この平均吸気圧PinAveは、具体的には、吸気圧Pinの今回値と、前回値以前の3つの時系列データとの移動平均値として算出される。すなわち、平均吸気圧PinAveは、TDC信号の発生タイミングに同期してサンプリングされた吸気圧Pinの4個の時系列データ(すなわち1燃焼サイクル分のデータ)の移動平均値として算出される。
次に、ステップ3で、オーバーラップ角度OVLを吸気カム位相CAINと排気カム位相CAEXの和(CAIN+CAEX)に設定する。
ステップ3に続くステップ4で、吸気カム位相CAINに応じて、図示しないマップを検索することにより、筒内容積Vcylを算出する。
次いで、ステップ5に進み、下式(7)により、残留ガス量Gegrdを算出する。この残留ガス量Gegrdは、吸気弁4が開弁する直前において気筒3a内に残留する既燃ガス量に相当する。
Figure 0005844227
次に、ステップ6で、基本吹き返しガス量GegrRV_Baseを算出する。この算出処理は、具体的には、図8に示すように実行される。同図に示すように、まず、ステップ20で、オーバーラップ角度OVLに応じて、図9に示すマップを検索することにより、関数値CdAを算出する。
次いで、ステップ21に進み、吸入空気量GAIRに応じて、図10に示すマップを検索することにより、最大排気圧のマップ値PexMAX_mapを算出する。
ステップ21に続くステップ22で、吸入空気量GAIRに応じて、図10に示すマップを検索することにより、平均排気圧のマップ値PexAve_mapを算出する。
次いで、ステップ23に進み、最大振幅DPexMAXを、最大排気圧のマップ値PexMAX_mapと平均排気圧のマップ値PexAve_mapとの差分(PexMAX_map−PexAve_map)に設定する。
次に、ステップ24で、最大排気圧PexMAXを、平均排気圧PexAveと最大振幅DPexMAXの和(PexAve+DPexMAX)に設定する。
ステップ24に続くステップ25で、前述した式(3),(4)により、流量関数Ψを算出する。
次いで、ステップ26に進み、オーバーラップ角度OVLおよびエンジン回転数NEに応じて、図11に示すマップを検索することにより、補正係数Krvを算出する。同図において、OVL1〜i(iは正の整数)は、OVL1<……<OVLiが成立するオーバーラップ角度OVLの所定値であり、NE1〜j(jは正の整数)は、NE1<……<NEjが成立するエンジン回転数NEの所定値である。このマップでは、補正係数Krv(吹き返しガス発生度合いパラメータ)は、オーバーラップ角度OVLが大きいほど、より小さい値に設定されている。これは、前述したように、オーバーラップ角度OVLが増大するほど、すなわちバルブオーバーラップ期間が長いほど、吹き返しガス量が減少するためである。
そして、最終的に、ステップ27において、前述した式(2)により、基本吹き返しガス量GegrRV_Baseを算出した後、本処理を終了する。
図7に戻り、ステップ6で、以上のように基本吹き返しガス量GegrRV_Baseを算出した後、ステップ7に進み、掃気判定フラグF_SCAVが「1」であるか否かを判別する。この掃気判定フラグF_SCAVは、図示しない判定処理において、掃気ガスが発生する条件下にあるときには「1」に、掃気ガスが発生しない条件下にあるときには「0」にそれぞれ設定される。具体的には、本実施形態のエンジン3の場合、ターボチャージャ40による過給動作が実行されているときや、高負荷運転中のときに、F_SCAV=1となる。
ステップ7の判別結果がYESで、掃気ガスが発生する条件下にあるときには、ステップ8に進み、掃気ガス量GegrScaを算出する。この算出処理は、具体的には、図12に示すように実行される。同図に示すように、まず、ステップ30で、吸入空気量GAIRに応じて、前述した図10のマップを検索することにより、最小排気圧のマップ値PexMIN_mapを算出する。
次いで、ステップ31に進み、最小振幅DPexMINを、平均排気圧のマップ値PexAve_mapと最小排気圧のマップ値PexMIN_mapの差分(PexAve_map−PexMIN_map)に設定する。
次に、ステップ32で、最小排気圧PexMINを、平均排気圧PexAveと最小振幅DPexMINの差分(PexAve−DPexMIN)に設定する。
ステップ32に続くステップ33で、前述した式(5)により、総掃気ガス量GegrScaALLを算出する。
次いで、ステップ34に進み、オーバーラップ角度OVLおよびエンジン回転数NEに応じて、図13に示すマップを検索することにより、掃気割合R_Scaを算出する。このマップでは、掃気割合R_Sca(掃気発生度合いパラメータ)は、オーバーラップ角度OVLが大きいほど、より大きい値に設定されている。これは、前述したように、前述したように、オーバーラップ角度OVLが増大するほど、すなわちバルブオーバーラップ期間が長いほど、掃気ガス量が増大するためである。
そして、最終的に、ステップ35において、前述した式(6)により、掃気ガス量GegrScaを算出した後、本処理を終了する。
図7に戻り、ステップ8で、以上のように掃気ガス量GegrScaを算出した後、後述するステップ10に進む。
一方、ステップ7の判別結果がNOで、掃気ガスが発生しない条件下にあるときには、ステップ9に進み、掃気ガス量GegrScaを値0に設定した後、ステップ10に進む。
以上のステップ8または9に続くステップ10で、補正項dGegr_OVLを算出する。この補正項dGegr_OVLは、オーバーラップ角度OVLの変化に伴う吹き返しガス量GegrRVの変化を補正するためのものであり、図示しないが、具体的には、以下に述べるように算出される。
まず、オーバーラップ角度OVLおよび吸入空気量GAIRに応じて、図示しないマップを検索することにより、補正係数KGegrを算出する。さらに、排気カム位相CAEXおよび吸気カム位相CAINに基づき、オーバーラップ中央位置OVL_Centerを算出する。このオーバーラップ中央位置OVL_Centerは、バルブオーバーラップ期間の始点と終点の間における中央のクランク角位置に相当する。そして、このオーバーラップ中央位置OVL_Centerに補正係数KGegrを乗算することにより、補正項dGegr_OVLが算出される。
ステップ10で、以上のように補正項dGegr_OVLを算出した後、ステップ11に進み、前述した式(1)により、吹き返しガス量GegrRVを算出する。
次いで、ステップ12に進み、下式(8)により、内部EGR量Gegr_intを算出した後、本処理を終了する。すなわち、内部EGR量Gegr_intは、残留ガス量Gegrdと吹き返しガス量GegrRVの和として算出される。
Figure 0005844227
次に、図14および図15を参照しながら、本実施形態の内部EGR量算出装置1による内部EGR量Gegr_intの算出結果の精度について説明する。図14は、本実施形態の内部EGR量算出装置1による内部EGR量Gegr_intの算出誤差とオーバーラップ角度OVLとの関係を表しており、この算出誤差は、内部EGR量Gegr_intの算出結果と実際値との偏差を百分率で表したものである。また、図15は、比較のために、掃気ガス量GegrSca=0とし、吹き返しガス量GegrRV=GegrRV_Base+dGegr_OVLとしたときの、内部EGR量Gegr_intの算出誤差とオーバーラップ角度OVLとの関係を表している。
まず、図14に示すように、掃気ガス量GegrScaを用いて、内部EGR量Gegr_intを算出した場合、オーバーラップ角度OVLの大小にかかわらず、算出誤差が±N(Nは整数)%の範囲内に収まっていることが判る。これに対して、図15に示すように、掃気ガス量GegrSca=0として、内部EGR量Gegr_intを算出した場合、オーバーラップ角度OVLが大きい領域、すなわちバルブオーバーラップ期間が長い領域において、算出誤差の絶対値が値Nを超えており、算出精度が低下していることが判る。すなわち、前述したように、バルブオーバーラップ期間が長く、掃気ガス量GegrScaが発生するような条件下では、掃気ガス量GegrSca=0とした場合、掃気ガスの発生に起因して、内部EGR量Gegr_intの算出精度が低下することになる。したがって、本実施形態のように、内部EGR量Gegr_intを算出する際、基本吹き返しガス量GegrRV_Baseを掃気ガス量GegrScaで補正することによって、バルブオーバーラップ期間が長いときに、内部EGR量Gegr_intの算出精度が向上することが判る。
以上のように、本実施形態の内部EGR量算出装置1によれば、掃気ガス量GegrScaが、前述した式(5),(6)に示すように、平均吸気圧PinAve、最小排気圧PexMINおよび掃気割合R_Scaを用いて算出される。この場合、掃気割合R_Scaは、オーバーラップ角度OVLに応じて算出されるので、バルブオーバーラップ期間の長さを反映した値として算出される。また、最小排気圧PexMINは、前述したように、バルブオーバーラップ期間中の掃気ガス量と相関性の高いという特性を有している。
したがって、そのような最小排気圧PexMINおよび掃気割合R_Scaを用いることにより、バルブオーバーラップ期間中に掃気ガスが発生するような条件下において、掃気ガス量GegrScaと相関性の高いバルブオーバーラップ期間の長さおよび最小排気圧PexMINを反映させながら、掃気ガス量GegrScaを算出することができる。それにより、掃気ガス量GegrScaの算出精度を向上させることができる。
さらに、図13に示す掃気割合R_Scaの算出マップでは、掃気割合R_Scaが、オーバーラップ角度OVLが大きいほど、すなわちバルブオーバーラップ期間が長いほど、より大きい値に設定されている。そのため、バルブオーバーラップ期間が長いことに起因して、掃気ガスが増大しやすい状態であるほど、それに応じて、掃気ガス量GegrScaをより大きくなるように算出できる。その結果、掃気ガス量GegrScaの算出精度をさらに向上させることができる。
また、最小排気圧PexMINが、平均排気圧PexAveと最小振幅DPexMINとの差分(PexAve−DPexMIN)として算出され、この最小振幅DPexMINが、平均排気圧のマップ値PexAve_mapから最小排気圧のマップ値PexMIN_mapの差分(PexAve_map−PexMIN_map)として算出されるので、極めて短いサンプリング周期で排気圧Pexを逐次サンプリングし、そのサンプリング結果に基づいて、最小排気圧PexMINを算出する場合と比べて、演算負荷を低減することができる。
さらに、吹き返しガス量GegrRVが、基本吹き返しガス量GegrRV_Baseを掃気ガス量GegrScaで補正することにより算出され、この吹き返しガス量GegrRVを残留ガス量Gegrdに加算することにより、内部EGR量Gegr_intが算出されるので、内部EGR量Gegr_intを、掃気ガス量GegrScaを反映させながら算出することができる。それにより、内部EGR量Gegr_intの算出において、掃気ガス量GegrScaを考慮していない特許文献1の場合と比べて、内部EGR量Gegr_intの算出精度を向上させることができる。
また、吹き返しガスは、排気圧Pexが吸気圧Pinを上回っている条件下で発生する関係上、吹き返しガス量は、バルブオーバーラップ期間中の最大排気圧PexMAXと高い相関性を有している。これに対して、基本吹き返しガス量GegrRV_Baseが、式(2)〜(4)により、最大排気圧PexMAX、平均吸気圧PinAveおよび補正係数Krvなどを用いて算出されるので、基本吹き返しガス量GegrRV_Baseを精度よく算出することができる。
さらに、最大排気圧PexMAXが、平均排気圧PexAveと最大振幅DPexMAXとの和(PexAve+DPexMAX)として算出され、この最大振幅DPexMAXが、最大排気圧のマップ値PexMAX_mapと平均排気圧のマップ値PexAve_mapの差分(PexMAX_map−PexAve_map)として算出されるので、極めて短いサンプリング周期で排気圧Pexを逐次サンプリングし、そのサンプリング結果に基づいて、最大排気圧PexMAXを算出する場合と比べて、その演算負荷を低減することができる。
なお、実施形態は、吸気弁4および排気弁5の少なくとも一方のバルブタイミングが変更される内燃機関として、可変吸気カム位相機構12および可変排気カム位相機構22を備えた内燃機関3を用いた例であるが、本発明の内燃機関はこれに限らず、吸気弁および/または排気弁のバルブタイミングを変更できる内燃機関であればよい。例えば、内燃機関として、可変吸気カム位相機構12および可変排気カム位相機構22の一方を備えたものを用いてもよく、これら以外の機構によって、吸気弁および/または排気弁のバルブタイミングが変更される内燃機関を用いてもよい。例えば、カム位相を変更する機構として、電気モータとギヤ機構を組み合わせたタイプの可変カム位相機構や、ソレノイドによって弁体が駆動される電磁動弁機構、3次元カムによってバルブタイミングを機械的に変更するバルブタイミング変更機構などを用いてもよい。
また、実施形態は、吸気圧パラメータとして、平均吸気圧PinAveを用いた例であるが、本発明の吸気圧パラメータはこれに限らず、吸気圧を表すものであればよい。例えば、吸気圧パラメータとして、バルブオーバーラップ期間中の吸気圧の平均値を用いてもよい。
さらに、実施形態では、平均吸気圧PinAveを、TDC信号の発生タイミングに同期してサンプリングされた4個の時系列データの移動平均値として算出した例であるが、本発明の平均吸気圧はこれに限らず、吸気圧の平均値であればよい。例えば、平均吸気圧を5個以上の時系列データの移動平均値として算出してもよく、TDC信号の発生タイミングと異なるサンプリング周期でサンプリングした吸気圧の移動平均値として算出してもよい。さらに、平均吸気圧を、移動平均演算法に代えて、相加平均演算法で算出してもよい。
一方、実施形態は、排気圧パラメータとして、最小排気圧PexMINを用いた例であるが、本発明の排気圧パラメータはこれに限らず、排気通路内の圧力を表すものであって、掃気ガス量を精度よく算出できるものであればよい。例えば、排気圧パラメータとして、バルブオーバーラップ期間の始点付近における所定クランク角度分の区間の排気圧の平均値を用いてもよい。
また、実施形態は、排気圧パラメータとして、最大排気圧PexMAXを用いた例であるが、本発明の排気圧パラメータはこれに限らず、排気通路内の圧力を表すものであって、吹き返しガス量を精度よく算出できるものであればよい。例えば、排気圧パラメータとして、バルブオーバーラップ期間の中央位置付近から所定クランク角度分の区間の排気圧の平均値を用いてもよい。
さらに、実施形態は、マップ検索により算出した最小振幅DPexMINを平均排気圧PexAveから減算する手法によって、最小排気圧PexMINを算出した例であるが、本発明の最小排気圧PexMINの算出手法はこれに限らず、内燃機関の運転状態を表す値に応じて、バルブオーバーラップ期間中における排気圧の最小値を算出できる手法であればよい。例えば、内燃機関の運転状態を表す値に応じて、マップ検索により、最小排気圧PexMINを直接、算出してもよい。
また、実施形態は、マップ検索により算出した最大振幅DPexMAXを平均排気圧PexAveから減算する手法によって、最大排気圧PexMAXを算出した例であるが、本発明の最大排気圧PexMAXの算出手法はこれに限らず、内燃機関の運転状態を表す値に応じて、バルブオーバーラップ期間中における排気圧のうちの最大値を算出できる手法であればよい。例えば、内燃機関の運転状態を表す値に応じて、マップ検索により、最大排気圧PexMAXを直接、算出してもよい。
さらに、実施形態は、平均排気圧PexAveを、TDC信号の発生タイミングに同期してサンプリングされた排気圧Pexの4個の時系列データの移動平均値として算出した例であるが、本発明の平均排気圧はこれに限らず、排気圧の平均値であればよい。例えば、平均排気圧を5個以上の時系列データの移動平均値として算出してもよく、TDC信号の発生タイミングと異なるサンプリング周期でサンプリングした排気圧の移動平均値として算出してもよい。さらに、平均排気圧を、移動平均演算法に代えて、相加平均演算法で算出してもよい。
一方、実施形態は、期間パラメータとして、オーバーラップ角度OVLを用いた例であるが、本発明の期間パラメータはこれに限らず、バルブオーバーラップ期間の長さを表すものであればよい。例えば、吸気カム位相CAINおよび排気カム位相CAEXに基づいて、吸気弁4の開弁タイミングでのクランク角位置および排気弁5の閉弁タイミングでのクランク角位置をそれぞれ算出し、これらのクランク角位置から算出したバルブオーバーラップ期間を、期間パラメータとして用いてもよい。
また、実施形態は、掃気発生度合いパラメータとして、掃気割合R_Scaを用いた例であるが、本発明の掃気発生度合いパラメータはこれに限らず、バルブオーバーラップ期間中における掃気ガスの発生度合いを表すものであればよい。例えば、掃気発生度合いパラメータとして、バルブオーバーラップ期間中における掃気ガスの発生率を百分率で算出したものを用いてもよい。
さらに、実施形態は、吹き返しガス発生度合いパラメータとして、補正係数Krvを用いた例であるが、本発明の吹き返しガス発生度合いパラメータはこれに限らず、バルブオーバーラップ期間中における吹き返しガスの発生度合いを表すものであればよい。例えば、吹き返しガス発生度合いパラメータとして、バルブオーバーラップ期間中における吹き返しガスの発生率を百分率で算出したものを用いてもよい。
一方、実施形態は、内燃機関の運転状態を表す値として、吸入空気量GAIRを用いた例であるが、本発明の内燃機関の運転状態を表す値はこれらに限らず、内燃機関の運転状態を表すものであればよい。例えば、内燃機関の運転状態を表す値として、アクセルペダルの開度や内燃機関の冷却水温などを用いてもよい。
また、実施形態は、本発明の掃気ガス量算出装置および内部EGR量算出装置を車両用の内燃機関に適用した例であるが、本発明の掃気ガス量算出装置および内部EGR量算出装置は、これに限らず、船舶用の内燃機関や、他の産業機器用の内燃機関にも適用可能であることは言うまでもない。
さらに、実施形態は、本発明の掃気ガス量算出装置および内部EGR量算出装置をターボチャージャ付きの内燃機関に適用した例であるが、本発明の掃気ガス量算出装置および内部EGR量算出装置は、これに限らず、機械式過給機付きの内燃機関や、自然吸気タイプの内燃機関にも適用可能である。なお、自然吸気タイプの内燃機関の場合、掃気ガスは高負荷運転中に発生することになるので、そのような運転状態のとき掃気ガス量を算出するように構成すればよい。
1 掃気ガス量算出装置、内部EGR量算出装置
2 ECU(吸気圧パラメータ取得手段、排気圧パラメータ取得手段、期間パラメー タ取得手段、掃気ガス量算出手段、掃気発生度合いパラメータ算出手段、最小排 気圧算出手段、平均排気圧算出手段、最小振幅算出手段、吹き返しガス量算出手 段、補正後吹き返しガス量算出手段、内部EGR量算出手段、最大排気圧算出手 段、吹き返しガス発生度合いパラメータ算出手段、最大振幅算出手段)
3 内燃機関
3a 気筒
4 吸気弁
5 排気弁
8 吸気通路(吸気系)
9 排気通路(排気系)
30 クランク角センサ(期間パラメータ取得手段)
32 吸気圧センサ(吸気圧パラメータ取得手段)
34 排気圧センサ(排気圧パラメータ取得手段)
36 吸気カム角センサ(期間パラメータ取得手段)
37 排気カム角センサ(期間パラメータ取得手段)
CAIN 吸気カム位相(吸気弁のバルブタイミングを表す値)
CAEX 排気カム位相(排気弁のバルブタイミングを表す値)
Pin 吸気圧
PinAve 平均吸気圧(吸気圧パラメータ)
Pex 排気圧
PexMIN 最小排気圧(排気圧パラメータ)
DPexMIN 最小振幅
PexMAX 最大排気圧(排気圧パラメータ)
DPexMAX 最大振幅
PexAve 平均排気圧
OVL オーバーラップ角度(期間パラメータ)
R_Sca 掃気割合(掃気発生度合いパラメータ)
GAIR 吸入空気量(内燃機関の運転状態を表す値)
GegrRV_Base 基本吹き返しガス量(吹き返しガス量)
Krv 補正係数(吹き返しガス発生度合いパラメータ)
GegrRV 吹き返しガス量(補正後吹き返しガス量)
Gegr_int 内部EGR量

Claims (6)

  1. 吸気弁および排気弁の少なくとも一方のバルブタイミングを変更することにより、バルブオーバーラップ期間が変更される内燃機関の掃気ガス量算出装置であって、
    当該内燃機関の吸気通路内の圧力である吸気圧を表す吸気圧パラメータを取得する吸気圧パラメータ取得手段と、
    前記内燃機関の排気通路内の圧力である排気圧を表す排気圧パラメータを取得する排気圧パラメータ取得手段と、
    前記バルブオーバーラップ期間の長さを表す期間パラメータを取得する期間パラメータ取得手段と、
    前記バルブオーバーラップ期間中において前記吸気圧が前記排気圧よりも高くなる掃気状態にあるときに前記内燃機関の前記気筒内から前記排気通路に掃気されるガスの量である掃気ガス量を、前記吸気圧パラメータ、前記排気圧パラメータおよび前記期間パラメータに応じて算出する掃気ガス量算出手段と、
    を備え、
    前記排気圧パラメータ取得手段は、前記内燃機関の運転状態を表す値に応じて、前記バルブオーバーラップ期間中における前記排気圧のうちの最小値である最小排気圧を、前記排気圧パラメータとして算出する最小排気圧算出手段を有し、
    前記掃気ガス量算出手段は、
    前記期間パラメータに応じて、前記バルブオーバーラップ期間中における前記掃気ガスの発生度合いを表す掃気発生度合いパラメータを算出する掃気発生度合いパラメータ算出手段を有し、
    当該掃気発生度合いパラメータ、前記吸気圧パラメータおよび前記最小排気圧に応じて、前記掃気ガス量を算出することを特徴とする内燃機関の掃気ガス量算出装置。
  2. 前記最小排気圧算出手段は、
    所定期間中の前記排気通路内の圧力の平均値である平均排気圧を算出する平均排気圧算出手段と、
    前記内燃機関の運転状態を表す値に応じて、前記最小排気圧を算出するための最小振幅を算出する最小振幅算出手段と、
    を有し、
    前記平均排気圧および前記最小振幅に基づき、前記最小排気圧を算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の掃気ガス量算出装置。
  3. 前記掃気ガス量算出手段は、前記期間パラメータが表す前記バルブオーバーラップ期間の長さが長いほど、前記掃気ガス量をより大きい値に算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の掃気ガス量算出装置。
  4. 求項1ないし3のいずれかに記載の内燃機関の掃気ガス量算出装置を備え、
    前記内燃機関は、前記バルブオーバーラップ期間の変更に伴って内部EGR量が変更されるように構成されており、
    前記内燃機関の気筒から吸気系および排気系の少なくとも一方に一旦、流出した後、当該気筒内に再度、流入するガスの量である吹き返しガス量を算出する吹き返しガス量算出手段と、
    前記吹き返しガス量を前記掃気ガス量で補正することにより、補正後吹き返しガス量を算出する補正後吹き返しガス量算出手段と
    当該補正後吹き返しガス量に応じて、前記内部EGR量を算出する内部EGR量算出手段と、
    をさらに備えることを特徴とする内燃機関の内部EGR量算出装置。
  5. 前記排気圧パラメータ取得手段は、前記内燃機関の運転状態を表す値に応じて、前記バルブオーバーラップ期間中における前記排気圧のうちの最大値である最大排気圧を、前記排気圧パラメータとして算出する最大排気圧算出手段を有し
    前記吹き返しガス量算出手段は、
    前記期間パラメータに応じて、前記バルブオーバーラップ期間中における前記吹き返しガスの発生度合いを表す吹き返しガス発生度合いパラメータを算出する吹き返しガス発生度合いパラメータ算出手段を有し、
    当該吹き返しガス発生度合いパラメータ、前記吸気圧パラメータおよび前記最大排気圧に応じて、前記吹き返しガス量を算出することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の内部EGR量算出装置。
  6. 前記最大排気圧算出手段は、
    所定期間中の前記排気通路内の圧力の平均値である平均排気圧を算出する平均排気圧算出手段と、
    前記内燃機関の運転状態を表す値に応じて、前記最大排気圧を算出するための最大振幅を算出する最大振幅算出手段と、
    を有し、
    前記平均排気圧および前記最大振幅に基づき、前記最大排気圧を算出することを特徴とする請求項に記載の内燃機関の内部EGR量算出装置。
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