JP2017115806A - 筒内圧センサの出力補正装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構成の簡易化を図りつつ、適正なる筒内圧を求める。【解決手段】ECU40は、エンジン10の圧縮行程における燃焼室14内の容積変化と圧力変化とにより定義されたポリトロープ変化の関係式において、筒内圧を、筒内圧センサ33による筒内圧検出値(Pm)に筒内圧補正値(1/α)を乗算したものとしており、異なる複数の吸気条件で、筒内圧検出値(Pm)及び吸気圧検出値(Pa)を取得し、取得される2つの吸気条件での吸気圧検出値のいずれかが、当該複数の吸気条件の違いに応じて吸気圧補正値(β)により補正されるものであり、その吸気圧補正値を、2つの吸気条件ごとに筒内圧検出値Pm及び吸気圧検出値Paを関係式にそれぞれ当てはめることにより算出する。また、ECU40は、算出された吸気圧補正値とポリトロープ変化の関係式に基づいて、筒内圧補正値を算出し、筒内圧検出値を、算出された筒内圧補正値により補正する。【選択図】 図1
Description
本発明は、筒内圧センサの出力補正装置に関するものである。
従来、内燃機関の燃焼室の圧力である筒内圧力を測定する筒内圧力センサを内燃機関に設け、筒内圧力に基づいて燃料の着火時期制御や過給圧の制御等を行う制御システムが知られている。しかしながら、筒内圧センサの個体差や経年変化等により、筒内圧のセンサ出力精度が低下するおそれが生じる。このため、筒内圧の出力値を補正する技術が各種提案されている。
例えば、特許文献1に記載のものでは、吸入空気量と、筒内圧力とを、筒内のガス量に関する気体の状態方程式を用いて関連付けて、この関連付けを基に、吸入空気量センサの出力値で筒内圧力センサの出力値の補正を行うようにしている。
ところで、気体の状態方程式を用いる場合、内燃機関の燃焼室における筒内温度を精度よく検出する必要がある。かかる場合、筒内温度を精度よく検出する構成が必要となり、実現が困難であること、又は構成が複雑化することが懸念される。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、構成の簡易化を図りつつ、適正なる筒内圧を求めることができる筒内圧センサの出力補正装置を提供することにある。
本発明における筒内圧センサの出力補正装置は、内燃機関(10)の燃焼室(14)内の圧力である筒内圧を検出する筒内圧センサ(33)と、内燃機関の吸気管内の圧力である吸気圧を検出する吸気圧センサ(32)とを備える内燃機関に適用され、筒内圧センサの出力を補正する出力補正装置(40)であって、内燃機関の圧縮行程における燃焼室内の容積変化と圧力変化とにより定義されたポリトロープ変化の関係式において、吸気圧を圧縮開始前の圧力、筒内圧を圧縮開始後の圧力とし、筒内圧を、筒内圧センサによる筒内圧検出値(Pm)に筒内圧補正値(1/α)を乗算したものとしており、異なる複数の吸気条件で、各センサによる筒内圧検出値(Pm)及び吸気圧検出値(Pa)を取得する取得部と、取得部により取得される2つの吸気条件での吸気圧検出値のいずれかが、当該複数の吸気条件の違いに応じて吸気圧補正値(β)により補正されるものであり、その吸気圧補正値を、2つの吸気条件ごとに筒内圧検出値Pm及び吸気圧検出値Paを関係式にそれぞれ当てはめることにより算出する第1算出部と、第1算出部により算出された吸気圧補正値と関係式に基づいて、筒内圧補正値を算出する第2算出部と、筒内圧検出値を、第2算出部により算出された筒内圧補正値により補正する補正部と、を備える。
内燃機関においては、圧縮行程における燃焼室内の容積変化と圧力変化とをポリトロープ変化の関係式で定義することが可能であり、その関係式では、圧縮開始前の圧力として吸気圧を用い、圧縮開始後の圧力として筒内圧を用いることが可能である。つまり、筒内圧を、吸気圧をパラメータとして含むポリトロープ変化の関係式により表すことが可能となっている。また、筒内圧センサにより筒内圧を検出し、吸気圧センサにより吸気圧を検出する場合には、これら各センサの検出誤差を加味する必要がある。
筒内圧検出値Pmに含まれる検出誤差を補正するためのセンサ出力補正係数をαとして定めると、実際の筒内圧Pは、例えば「P=Pm/α」の関係で表される。なお、「1/α」が筒内圧補正値に相当する。また、異なる2つの吸気条件で吸気圧を検出する場合には、吸気条件の違いに応じたセンサ出力補正係数βの設定が可能であり、そのセンサ出力補正係数β(吸気圧補正値)により吸気圧検出値Paが補正されるとよい。
ここで、センサ出力補正係数α,βは共に未知数であるが、2つの吸気条件ごとに筒内圧検出値Pm及び吸気圧検出値Paをポリトロープ変化の関係式にそれぞれ当てはめることにより、センサ出力補正係数β(吸気圧補正値)を算出することができ、さらに、そのセンサ出力補正係数βに基づいて、センサ出力補正係数α(筒内圧補正値)を算出することができる。そして、筒内圧検出値をセンサ出力補正係数α(筒内圧補正値)により補正することで、吸気圧センサ及び筒内圧センサの検出誤差を加味しつつ実際の筒内圧を適正に求めることができる。この場合、筒内圧を求めるために必須となるパラメータは筒内圧検出値Pm及び吸気圧検出値Paであり、気体の状態方程式を用いて筒内圧検出値を補正(校正)する場合とは異なり、パラメータとして筒内温度を要しない。その結果、構成の簡易化を図りつつ、適正なる筒内圧を求めることができる。
以下、車両用のディーゼルエンジンを制御する制御装置を具現化した各実施形態について説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。
まず、図1を参照してエンジンシステムの概要を説明する。エンジン10は、例えば直列4気筒ディーゼルエンジンであり、気筒11、ピストン12、クランク軸13、吸気通路15、スロットルバルブ装置16、吸気弁17、排気弁18、燃料噴射弁19、排気通路21、VVT22、SCV23、ターボチャージャ24、インタークーラ25等を備えている。気筒11及びピストン12により燃焼室14が区画されている。
スロットルバルブ装置16は、DCモータ等のアクチュエータによりスロットルバルブの開度を調節する。吸気弁17の開閉により、吸気ポートと燃焼室14とが連通及び遮断され、排気弁18の開閉により、排気ポートと燃焼室14とが連通及び遮断される。VVT22(可変バルブタイミング機構)は吸気弁17の開閉時期を変更する。なお、VVT22により吸気弁17の開閉時期が変更されることにより、気筒11の圧縮比が変更される。
吸気通路15には、燃焼室14内にスワール(気流)を生じさせるSCV(スワールコントロールバルブ)23が設けられている。SCV23は、DCモータ等のアクチュエータにより開度が調節され、吸気行程において燃焼室14に吸気が導入されることに伴い生じるスワールの速度を調節する。
吸気通路15と排気通路21との間には、ターボチャージャ24が設けられている。ターボチャージャ24は、吸気通路15に設けられた吸気コンプレッサ24aと、排気通路21に設けられた排気タービン24bと、これらを連結する回転軸24cとを備えている。そして、排気通路21内を流通する排気のエネルギにより排気タービン24bが回転され、それに伴う吸気コンプレッサ24aの回転により吸気通路15内の空気が圧縮される。すなわち、ターボチャージャ24によって吸気が過給される。なお、ターボチャージャ24は、図示しないウエストゲートバルブにより過給状態と非過給状態との切替が可能となっている。また、図示しない可変ベーンの開度を調節することにより、過給圧の調節が可能となっている。
エンジン10では、吸気行程において吸気通路15を通じて燃焼室14内に空気が吸入され、圧縮行程においてピストン12により空気が圧縮される。圧縮上死点付近で燃料噴射弁19により燃焼室14内に燃料が噴射され、燃焼行程において噴射された燃料が自着火して燃焼される。排気行程において燃焼室14内の排気が、排気通路21を通じて排出される。
エンジン10は、回転速度センサ31、吸気圧センサ32、筒内圧センサ33等の各種センサを備えている。回転速度センサ31(詳しくはクランク角センサ)は、エンジン10の回転速度NEを検出する。吸気圧センサ32は、吸気通路15内の圧力である吸気圧を検出する。筒内圧センサ33は、燃焼室14内の圧力である筒内圧を検出する。なお、筒内圧センサ33は、全気筒に設けられている必要はなく、少なくとも1つの気筒11に設けられていればよい。その他、エンジン10は、エンジン水温を検出する水温センサや、吸気通路15を通過する空気量(新気量)を検出するエアフロメータ、空燃比を検出する空燃比センサ等を備えるが、ここでは図示を省略する。
ECU(Electric Control Unit)40は、CPU、ROM、RAM、I/O等を備える周知のマイクロコンピュータであり、エンジン10を制御する制御装置に相当する。ECU40は、上記の各種センサの検出値に基づいて、スロットルバルブ装置16の駆動、燃料噴射弁19の駆動、VVT22の駆動、SCV23の駆動、ターボチャージャ24の駆動等を制御する。また、ECU40は、ROMに記憶されている各種プログラムをCPUが実施することにより、取得部、第1算出部、第2算出部、及び補正部の各機能を実現する。
ところで、エンジン10においては、圧縮行程での容積変化と圧力変化とをポリトロープ変化の関係式(1)で定義することが可能である。
筒内圧Pを筒内圧センサ33の検出値として取得し、吸気圧Paを吸気圧センサ32の検出値として取得する場合には、これら各センサの検出誤差を加味する必要がある。本実施形態では、筒内圧センサ33により検出された筒内圧Pmをセンサ出力補正係数αにより補正することとしている。また、2つの吸気条件で筒内圧と吸気圧とを取得する場合に、その吸気条件の違いに応じて吸気圧Paの補正を要するとし、一方の吸気条件で取得された吸気圧Paを、吸気圧センサ32のセンサ出力補正係数βで補正することとしている。
この場合、2つの各吸気条件におけるポリトロープ変化の関係式(1)は、式(2)、式(3)のように表される。
また、上記式(2)(3)によれば、次の式(4)が得られ、さらに、式(4)からセンサ出力補正係数βの関係式として式(5)が得られる。
そして、次の式(6)、式(7)の少なくともいずれかにより、センサ出力補正係数αが求められる。
図2は、筒内圧センサ33の出力補正係数αを算出する処理手順を示すフローチャートであり、本処理は所定周期でECU40により実施される。
図2において、ステップS11では、エンジン10の今現在の吸気条件における圧縮開始前の吸気圧検出値Pa1を取得し、続くステップS12,S13では、圧縮行程の所定クランク角位置での筒内圧検出値Pm1と筒内容積V1とを取得する。このとき、所定クランク角位置は、例えば圧縮上死点前であって、かつ圧縮上死点付近のクランク角位置である。また、所定クランク角位置は、圧縮行程において燃料噴射が行われる以前であるとよい。
その後、ステップS14では、吸気圧検出値Pa1、筒内圧検出値Pm1、筒内容積V1をメモリに記憶する。
その後、ステップS15では、エンジン10の吸気条件が、上記の各パラメータ(Pa1,Pm1,V1)が取得された吸気条件から変更されたか否かを判定する。そして、吸気条件が変更されたと判定されると、後続のステップS16に進む。このとき、VVT22、SCV23、ターボチャージャ24の少なくともいずれかの駆動状態が変更されたことに基づいて、吸気条件が変更された旨を判定する。
ステップS16〜S18では、上記ステップS11〜S13と同様に、吸気圧検出値Pa2、筒内圧検出値Pm2、筒内容積V2を取得する。なお、先の吸気条件でPm1,V1を取得する圧縮行程の所定クランク角位置と、後の吸気条件でPm2,V2を取得する圧縮行程の所定クランク角位置とは同じであってもよく、各吸気条件での所定クランク角位置が同じであれば筒内容積V1,V2は同じ値として取得される(V1=V2)。
ステップS19では、上記式(5)を用い、吸気圧検出値Pa1,Pa2、筒内圧検出値Pm1,Pm2、筒内容積V1,V2に基づいて、吸気圧センサ32のセンサ出力補正係数βを算出する。なお、Vbdcは固定値である。上記式(5)において、ポリトロープ指数の補正係数γ1,γ2は、各吸気条件の違いに応じて吸気条件ごとに設定される。
ここで、吸気弁17の開閉時期や、SCV23の開度、過給圧が変更されることに伴い吸気条件が異なると、燃焼室14内における気流速度が変わり、エンジンシリンダ壁からの冷却損失の度合が相違する。そこで本実施形態では、吸気条件の違いに応じてポリトロープ指数の補正係数γ1,γ2を設定する。より具体的には、図3の関係を用い、気流速度が大きいほど、補正係数γ1,γ2を小さくして補正係数γ1,γ2を設定する。
ステップS20では、上記式(6)及び式(7)の少なくともいずれかを用い、吸気圧センサ32のセンサ出力補正係数βに基づいて、筒内圧センサ33のセンサ出力補正係数αを算出する。
その後、ステップS21では、筒内圧検出値Pm1,Pm2をセンサ出力補正係数αにより補正して、補正後筒内圧Pm1/α,Pm2/αを算出する。続くステップS22では、補正後筒内圧Pm1/α,Pm2/αと、下記の式(8)(9)を用いて推定した筒内圧推定値Pma1,Pma2との差の絶対値が所定の閾値Thよりも小さいか否かを判定する。なお、式(8)(9)は、ポリトロープ変化の関係式に基づくものであり、上記式(2)(3)の右辺の項に基づいて筒内圧推定値Pma1,Pma2が算出される。
そして、ステップS22がNOであればステップS15に戻り、YESであれば本処理を終了する。つまり、ステップS22の処理は、センサ出力補正係数αが、ポリトロープ変化の関係式から推定演算される推定値(基準値)に対する差が所定未満となる範囲内に収束したことを判定する判定処理である。
補正後筒内圧Pm1/α,Pm2/αと筒内圧推定値Pma1,Pma2との差が所定以上である場合(S22がNOの場合)には、センサ出力補正係数αが基準値に対して収束していないとされる。かかる場合、ステップS15〜S22において、新たに吸気条件が変更された状態下で、前回のセンサ出力補正係数αの算出結果を用いてセンサ出力補正係数βの算出とセンサ出力補正係数αの算出とを再び実施するとともに、補正後筒内圧Pm1/α,Pm2/αが、基準値である筒内圧推定値Pma1,Pma2に対して収束したか否かを判定する。
これに対し、補正後筒内圧Pm1/α,Pm2/αと筒内圧推定値Pma1,Pma2との差が所定未満である場合(S22がYESの場合)には、センサ出力補正係数αが基準値に対して収束したとされる。かかる場合、センサ出力補正係数αについての一連の算出処理を終了する。
図2の処理によるセンサ出力補正係数αの算出後は、筒内圧センサ33による筒内圧の検出の都度、筒内圧検出値Pmがセンサ出力補正係数αにより補正され、その補正後の筒内圧に基づいて、燃料の着火時期制御や過給圧の制御等が行われる。
図4は、上述した筒内圧検出値の補正を実施した場合の効果を説明するためのタイムチャートである。なお、図4において、一点鎖線で示すAは筒内圧検出値(補正前筒内圧)、実線で示すBは補正後筒内圧、二点鎖線で示すCは筒内圧の真値を示している。
図4において、時刻t11で、ピストン12が圧縮下死点に到達して、ピストン12が下降から上昇に転じる。そして、時刻t11以降、ピストン12の上昇に伴い筒内圧が上昇すると、筒内圧の真値に対して補正前筒内圧及び補正後筒内圧のずれ量が増加する。このとき、筒内圧の真値に対する補正前筒内圧のずれ量に比べて、筒内圧の真値に対する補正後筒内圧のずれ量は小さく抑えられる。時刻t12で、ピストン12が圧縮上死点付近に到達する。このとき、筒内圧の真値に対する補正前筒内圧及び補正後筒内圧のずれ量は最も大きくなるが、筒内圧の真値に対する補正後筒内圧のずれ量は比較的小さく抑えられる。
以上、詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
エンジン10においては、圧縮行程における燃焼室14内の容積変化と圧力変化とをポリトロープ変化の関係式で定義することが可能であり、その関係式において、圧縮開始前の圧力として吸気圧を用い、圧縮開始後の圧力として筒内圧を用いる構成とした。そして、吸気圧検出値及び筒内圧検出値を補正するα、βを求める構成とした。この場合、吸気圧センサ32及び筒内圧センサ33の検出誤差を加味しつつ実際の筒内圧を適正に求めることができる。このため、筒内圧を求めるために必須となるパラメータは、筒内圧検出値Pm及び吸気圧検出値Paであり、気体の状態方程式を用いて筒内圧検出値を補正(校正)する場合とは異なり、パラメータとして筒内温度を要しない。その結果、構成の簡易化を図りつつ、適正なる筒内圧を求めることができる。
吸気条件の違いに応じてポリトロープ指数の補正係数γを設定する構成とした。このため、燃焼室内の気流速度の変化に伴いシリンダ壁からの冷却損失の度合が相違しても、筒内圧を適正に求めることができる。
VVT22、SCV23、ターボチャージャ24のいずれかの駆動状態が相違する状態を複数の吸気条件として想定して、筒内圧検出値及び吸気圧検出値を取得する構成とした。この場合、VVT22、SCV23、ターボチャージャ24のいずれかの駆動状態が変更された場合には、吸気通路15を通過する吸気の状態が変化することから、それに伴い筒内での気流の状態も変化する。このため、センサ出力補正係数α,βを算出する上で好適に吸気条件を変更することができる。
補正後筒内圧Pm1/α,Pm2/αと筒内圧推定値Pma1,Pma2との差が所定未満になるまで、異なる2つの吸気条件において吸気圧検出値と筒内圧検出値とを取得してセンサ出力補正係数α,βの算出を繰り返し実施する構成とした。この場合、ポリトロープ変化の関係式から推定演算される推定値を基準にして、センサ出力補正係数αが適正値に収束したか否かを適正に判定できる。これにより、筒内圧検出値に対する補正の精度を高めることができる。
(他実施形態)
上記の実施形態を例えば次のように変更してもよい。
上記の実施形態を例えば次のように変更してもよい。
・上記実施形態では、「P=Pm/α」の関係とし、筒内圧検出値Pmに対して「1/α」を乗算することで筒内圧検出値Pmを補正する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、「P=Pm・α」の関係とし、筒内圧検出値Pmに対して「α」を乗算することで筒内圧検出値Pmを補正する構成としてもよい。
・2つの吸気条件で吸気圧検出値や筒内圧検出値を取得する際に、VVT22、SCV23、ターボチャージャ24の少なくともいずれかに対して制御指令を出力し、積極的に異なる吸気条件に変更する構成であってもよい。
・燃料噴射を実施していない状況下、すなわち燃料カット(燃焼停止)している状況下において、異なる複数の吸気条件で筒内圧検出値Pm及び吸気圧検出値Paを取得するとともに、これらの検出値に基づいて、センサ出力補正係数α,βを算出する構成としてもよい。この場合、圧縮行程において圧縮上死点で筒内圧検出値Pmと筒内容積Vとを取得するとよい。
・上記実施形態では、ディーゼルエンジンにおいて本発明を適用したが、これに限らず、ガソリンエンジン等、他の内燃機関に本発明を適用することも可能である。
・10…エンジン(内燃機関)、14…燃焼室、32…吸気圧センサ、33…筒内圧センサ、40…ECU(出力補正装置)。
Claims (4)
- 内燃機関(10)の燃焼室(14)内の圧力である筒内圧を検出する筒内圧センサ(33)と、前記内燃機関の吸気管内の圧力である吸気圧を検出する吸気圧センサ(32)とを備える内燃機関に適用され、前記筒内圧センサの出力を補正する出力補正装置(40)であって、
前記内燃機関の圧縮行程における前記燃焼室内の容積変化と圧力変化とにより定義されたポリトロープ変化の関係式において、前記吸気圧を圧縮開始前の圧力、前記筒内圧を圧縮開始後の圧力とし、前記筒内圧を、前記筒内圧センサによる筒内圧検出値(Pm)に筒内圧補正値(1/α)を乗算したものとしており、
異なる複数の吸気条件で、前記各センサによる筒内圧検出値(Pm)及び吸気圧検出値(Pa)を取得する取得部と、
前記取得部により取得される2つの吸気条件での吸気圧検出値のいずれかが、当該複数の吸気条件の違いに応じて吸気圧補正値(β)により補正されるものであり、その吸気圧補正値を、前記2つの吸気条件ごとに筒内圧検出値Pm及び吸気圧検出値Paを前記関係式にそれぞれ当てはめることにより算出する第1算出部と、
前記第1算出部により算出された吸気圧補正値と前記関係式とに基づいて、前記筒内圧補正値を算出する第2算出部と、
前記筒内圧検出値を、前記第2算出部により算出された筒内圧補正値により補正する補正部と、
を備える筒内圧センサの出力補正装置。 - 前記複数の吸気条件の違いに応じて、前記ポリトロープ変化の関係式に用いるポリトロープ指数の補正係数(γ)を設定する請求項1に記載の筒内圧センサの出力補正装置。
- 前記取得部は、吸気を過給する過給機(24)、前記吸気管内に設けられた気流制御弁(23)、吸気口を開閉する吸気弁(17)の開閉状態を調整する動弁駆動装置(22)の少なくともいずれかの駆動状態が相違する状態を前記複数の吸気条件として想定して、前記筒内圧検出値及び前記吸気圧検出値を取得する請求項1又は2に記載の筒内圧センサの出力補正装置。
- 前記筒内圧補正値の算出後に、前記筒内圧検出値を前記筒内圧補正値により補正した補正後筒内圧と、前記ポリトロープ変化の関係式を用い前記吸気圧検出値と前記燃焼室の圧縮前後の容積比とに基づいて推定した筒内圧推定値とを比較する比較部を備え、
前記比較部において前記補正後筒内圧と前記筒内圧推定値との差が所定以上である場合に、その後さらに前記吸気条件が変更された状態下で、前回の筒内圧補正値の算出結果を用いて前記第1算出部及び前記第2算出部により前記各補正値の算出を実施する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の筒内圧センサの出力補正装置。
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JP2021090658A (ja) * | 2019-12-11 | 2021-06-17 | 株式会社アシックス | シューズ、シューズ用アッパーの製造方法、シューズの製造方法 |
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