JP2021090658A - シューズ、シューズ用アッパーの製造方法、シューズの製造方法 - Google Patents

シューズ、シューズ用アッパーの製造方法、シューズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】成形時にラストの形状に沿いやすいアッパーを備えたシューズを提供すること。【解決手段】熱収縮性を有する糸311を含み、かつ、内部空隙312を有する編物または織物よりなる第1層31と、前記第1層31に積層され、編物または織物よりなる第2層32と、を含み、前記第1層31と前記第2層32とがニードルパンチ加工により一体化された繊維シート3Sよりなるアッパー3を備えているシューズ1である。【選択図】図3

Description

本発明は、布製のアッパーを備えたシューズ、及び、シューズ用アッパーの製造方法、シューズの製造方法に関する。
特許文献1または特許文献2には、布地(具体的には不織布)を含むシューズに関して開示がある。
ここで、シューズを作製する際には、例えばアッパーを所定の形状に成形するために、アッパーを構成する布地を被せるためのラスト(靴型)が用いられる。
米国特許出願公開第2018/103724号明細書 米国特許出願公開第2019/078245号明細書
アッパーの成形に当たっては、ラストの形状に沿わせることが重要である。具体的に、発注者の足の形状から型取りしたラストの場合、発注者個人の足の形状に良く合わせることにより、カスタマイズに応用する点で重要であり、また、量産品のシューズのラストの場合、量産されたシューズの形状のばらつきをなくすことができる点で重要である。これら重要な点につき、例えば、足の外側部分でラストの表面に対して隙間ができるような成形であった場合、シューズ着用時に着用者の足は外側に動いてしまうから、ホールド性に欠けるものとなってしまう。また、できた隙間を詰め物等により埋めると、着用感が悪化することがある。
ここで、特許文献1または2には、アッパーの成形とラストとの関係について特に言及がされていない。
そこで本発明は、成形時にラストの形状に沿いやすいアッパーを備えたシューズ、及び、シューズ用アッパーの製造方法、シューズの製造方法の提供を課題とする。
本発明は、熱収縮性を有する糸を含み、かつ、内部空隙を有する編物または織物よりなる第1層と、前記第1層に積層され、編物または織物よりなる第2層と、を含み、前記第1層と前記第2層とがニードルパンチ加工により一体化された繊維シートよりなるアッパーを備えているシューズである。
この構成によれば、繊維シートが、熱収縮性を有する糸を含む第1層を備え、かつ、第1層が内部空隙を有することから、加熱によるアッパーの成形を行う際に、アッパーを構成する繊維シートが容易に変形するため、ラストの形状に沿わせやすい。
また本発明は、熱収縮性を有する糸を含み、かつ、内部空隙を有する編物または織物よりなる第1層と、前記第1層に積層され、編物または織物よりなる第2層と、を用い、前記第1層と前記第2層とを重ねてニードルパンチ加工を施すことで繊維シートを作製する一体化工程を含み、前記ニードルパンチ加工に用いられるニードルは、布地に対して押し込むことで加工をなすものであり、前記第1層及び前記第2層への前記押し込みの方向が、アッパーの状態における内層側から外層側に向かう方向に一致している、シューズ用アッパーの製造方法である。
この構成によれば、アッパーの状態における外層側にニードルパンチ加工が施された部分を露出させられ、かつ、押し込みによるニードルパンチ加工により、スムーズに加工できる。
本発明によると、加熱によるアッパーの成形を行う際に、ラストの形状に沿わせやすい。よって、成形時にラストの形状に沿いやすいアッパーを備えたシューズ、及び、シューズ用アッパーの製造方法、シューズの製造方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係るシューズにおける、ソールとアッパーを示す分解斜視図である。 (a)は前記アッパーの本体部の層構造の一例を示す断面図として、図1のA囲み部分におけるもの、(b)は前記アッパーの底面部の層構造の一例を示す断面図として、図1のB囲み部分におけるもの、(c)は前記アッパーの底面部の層構造の他の一例を示す断面図として、図1のB囲み部分に相当するものである。 (a)はニードルパンチ加工の概略を示す図であり、(b)はニードルパンチ加工が施された加工部と、施されていない隙間形成部とが形成された繊維シートを示す平面図である。 (a)は芯鞘材からなる糸の構成を概略的に示す斜視図である。(b)は織物の当初の状態を示し、(c)は緯糸が収縮した状態を模式的に示し、(d)は経糸と緯糸とが溶着した状態を模式的に示す。 (a)はマルチフィラメント構造を有する糸の拡大横断面図であり、(b)はニードルパンチ加工を行った繊維シートの一例を示す平面図である。 前足部分(実線で示す)と人体における足の骨格(二点鎖線で示す)との関係を示す、側方から見た場合の図である。 前記アッパーの材料である本体部と底面部の、裁断工程の後の状態を示す平面図である。 前記本体部と底面部を縫製した成形前アッパーを示す側面図である。 前記成形前アッパーをラストにかぶせ、加熱箱の内部でスチーム加熱されている状態を示す側面図である。
本発明につき、実施形態を図面とともに例示する。本実施形態のシューズ1の左右各片は、図1に示すように、主にソール2とアッパー3とを備え、ソール2に対してアッパー3が取り付けられている。アッパー3は少なくとも二層構造であって、図2(a)に示すように、シート状の第1層31と、第1層31に積層されたシート状の第2層32とを含む。なお、以下で製造の途中段階(成形前後)のアッパー3について説明する際には、区別のために成形前アッパー3Aや成形後アッパー3Bとも表示することがある。
第1層31は、熱収縮性を有する糸311を含む。第1層31は、内部空隙312を有する編物(編地)または織物(織地)よりなる。第2層32も、編物(編地)または織物(織地)よりなる。第2層32は第1層31と異なり、熱収縮性を有する糸を含むことは必須ではない(含んでいてもよい)。第2層32は編物(編地)または織物(織地)よりなることから、第1層31と同様に内部空隙を有している。編物における編み方は特に限定されないが、例えばラッセル編みやトリコット編み、平編みやリブ編みとできる。織物における織り方も特に限定されないが、例えば平織りや綾織りとできる。
第2層32を構成する各糸321は、マルチフィラメント構造を有することが望ましい。マルチフィラメント構造とは、例えば図5(a)に示すように細かい繊維3211が集合して1本の糸となっている構造であり、例えば撚り糸が該当する。第2層32がマルチフィラメント構造を有していると、ニードルパンチ加工を施す場合、第2層32における前記細かい繊維3211を、ニードル装置のニードル(針)N(図3(a)参照)が引っ掛けることで、第1層31(具体的には第1層31を構成する糸や繊維)に対して絡ませやすい。
また、第2層32は、ニードルパンチ加工をデザインの観点で用いる場合には、基準とする第1層31に対してデザイン上の組み合わせという点で選定できる。一方、ニードルパンチ加工を補強の観点で用いる場合には、基準とする第1層31に対して強度上の組み合わせという点で選定できる。
アッパー3において、第1層31は第2層32よりも外側(着用時において着用者の足から遠い側であり、図2(a)における上側)に配置されている。つまり、第1層31が外層であり、第2層32は内層である。
ここで、前記「内部空隙」とは、編物または織物を構成する糸等の繊維同士、または繊維の集合体同士の間に存在する空間のことである。また、一般的に編物または織物において、繊維が平面方向に延びるように配置されている場合、前記平面の法線方向に貫通する空間、または平面方向において分断された空間のことである。また、繊維の交差点のうち隣り合うもの同士で距離が保たれている場合には、複数の繊維の交差点に囲まれた空間である。なお、後述のように融着糸を用いる場合、アッパー3(成形前アッパー3A)に対する熱成形によって融着された後における繊維の交差点は固着状態となり、交差する繊維(糸)同士が固定される。前記「内部空隙」は、例えば、メッシュの目や、布地の目開き部分が該当する。本実施形態では、隣り合う繊維の交差点間の距離が1〜5mmに設定される。または、編物または織物に占める、平面方向での空間率が15〜30%に設定される。前記二つの条件は、いずれか一方を満たすよう設定することができる。
第1層31が内部空隙312を有することにより、熱収縮性を有する糸311の変形(収縮)、及び、これに伴う交差する糸313(図4(b)参照)の移動を内部空隙312の空間が許容する。よって、熱収縮性を有する糸311による第1層31の変形を内部空隙312の空間が阻害しない。従って、第1層31を設計通り変形させることができるので、熱収縮のための条件(加熱温度及び加熱時間等)を設定しやすい。
第1層31に含まれる熱収縮性を有する糸311は、図4(a)に略示するように、芯3111(内周部分)と鞘3112(外周部分)とが一体形成された芯鞘材よりなるものとできる。この糸311は熱により融着する融着糸であって、芯3111と鞘3112とで融点が異なっている。この糸311において、融点は芯3111よりも鞘3112の方が低い。このため、アッパー3を成形する際の成形前アッパー3Aに対する加熱により、糸311の全体を収縮させ、かつ、鞘3112の部分のみ融解させられる。このため、鞘3112による保形作用と、芯3111による弾性作用とが両立できる。この熱収縮性を有する糸311として、例えばポリエステル樹脂を含む糸、より詳しくは、ポリエステル系熱可塑性エラストマーからなる鞘芯材、また、芯3111がポリエステル系熱可塑性エラストマーからなり、鞘3112がポリアミド系熱可塑性エラストマーからなる鞘芯材等を用いることができる。
また、第1層31は、経糸または緯糸のうち一方が熱収縮性を有する糸311である織物、または、10%以上が熱収縮性を有する糸311である編物で構成されることができる。織物の場合、熱収縮性を有する糸311(経糸または緯糸)は、アッパー3における幅方向Y(図1参照)に沿って配置される。なお、本願出願の時点では、熱収縮性を有する糸311は緯糸に用いられることが、(技術的には)一般的である。このため、熱収縮性を有する糸311が緯糸に用いられた場合の第1層31における織物の構成を図4(b)に示す。この構成によると、第1層31を加熱することにより、図4(c)に示すように緯糸311が長さ方向に収縮する(矢印で示した方向の収縮により、隣り合う経糸313,313同士の間隔が小さく変化する)。そして、芯鞘材よりなる糸311の鞘3112が溶融して経糸313に固着する(図4(d)に黒丸で示した固着箇所314)。このように第1層31が変形する。この変形を利用することで、アッパー3を所望の形状とするため、具体的にはラスト(靴型)4の形状に沿わせるための適切な成形が可能である。
第1層31と第2層32とは、図3(a)に示すように、二層構造を構成する各層31,32が重ね合された状態で多数のニードル(針)Nを有するニードル装置を図示の下方M1及び上方M2に往復動させ、重なった各層31,32にニードルNを繰り返し貫通させるニードルパンチ加工が施されて一体化された繊維シート3Sとなっている。ただし、例えば刺繍用ミシンをニードル装置として利用しニードルパンチ加工を行うこともできる。このような場合、ニードル装置が備えるニードルNは1本であってもよい。図3(a)の囲み部分にニードルNの拡大側面視の形状を示す。ニードルNには側面視で三角形溝状の切欠N1が形成されている。ただし、切欠N1の形状はこれに限定されない。本実施形態における切欠N1の形状では、ニードルNを各層31,32に対して下方M1に押し込む際に、ニードルNを基準として本実施形態で手前側にある層である第2層32の繊維3211を引っ掛け、この引っ掛けられた部分を、ニードルNを基準として奥側にある層である第1層31に移動させる。これにより、第2層32を構成する繊維3211の一部が第1層31を貫通して、第2層32とは反対側の面に露出する。例えば、図1に示された円形模様の周囲の領域に露出する。なお、貫通は必須ではなく、繊維3211の一部が第1層31の内部でとどまっていてもよい。
ニードルパンチ加工を、本実施形態のようなニードルNの押し込みとは逆に、引き出しで実施することもできる。具体的には、ニードルNに形成する三角形状の切欠N1の形状を本実施形態とは上下逆で形成することで、ニードルNを各層31,32から引き出す際に、ニードルNから見て奥側にある層の繊維を引っ掛け、この引っ掛けられた部分を、ニードルNを基準として手前側にある層に移動させる。
このように別々の層である第1層31と第2層32とが一体化されて繊維シート3Sとされることで、第1層31と第2層32の色の組合せや、ニードルパンチ加工を施す位置の選定等により、例えば図1に示すように第1層31の表面に円形の模様を形成する等、繊維シート3Sのデザインの自由度を高められる。
ニードルパンチ加工をデザインの観点で用いる際には、第1層31の外観と第2層32の外観とを異なるようにできる。前記「外観」とは、着用者等のシューズ1を観る者が有する感覚で認識できる情報のことである。前記感覚は主に視覚であるが、視覚だけに限られない。具体的には、色彩、模様、質感(手触り)が例示できる。この外観は、シューズ1の外面や内面(例えば履き口11から見える内面)に現れる。このように異なる外観の第1層31と第2層32を用いることで、各層31,32の外観をニードルパンチ加工により変化させられ、この変化をデザインとして利用できる。
繊維シート3Sは、アッパー3に対応した成形前アッパー3Aの形状とする縫製を行う前の状態で、例えばシート状または袋状に形成されている。前記「袋状」とは、図1(b)に示すアッパー3が備える履き口11となる部分に対応して開口が設けられた形状である。
繊維シート3Sが、熱収縮性を有する糸311を含む第1層31を備え、かつ、第1層31が内部空隙312を有する。この繊維シート3Sの構成により、加熱によるアッパー3の成形(熱成形)を行う際に、アッパー3を構成する繊維シート3Sが熱を受けた場合に容易に変形する。このため、ラスト4の形状(立体形状)に沿わせやすい。また、図3(a)に例示するニードルパンチ加工により、第1層31と第2層32とを強固に一体化できる。
このようにラスト4の形状に沿わせやすいことから、例えば、足の外側部分でラスト4の表面に対して隙間ができるような成形にならないので、シューズ着用時に着用者の足が動いてしまいにくく、ホールド性に優れる。また、できた隙間を詰め物や金具を用いることにより埋める必要がないから、着用感も良好である。
また、第1層31が第2層32よりも外側に配置されていることから、ニードルパンチ加工により第2層32を構成する各糸321の繊維3211を外層である第1層31の外面に露出させることができる。このため、第1層31が最外層となる場合に、第1層31の外観をニードルパンチ加工により、第2層32の外観に応じて変化させられる。
なおここでは、第1層31が第2層32よりも外側に配置されていることを例示した。しかし、各層の内外関係はこれに限定されず、逆の配置、つまり、第1層31が第2層32よりも内側に配置されていてもよい。この場合、第1層31が最内層となる場合、第1層31の内面に現れる外観をニードルパンチ加工により変化させられる。これにより、履き口11から見える内面を装飾できる。更にこの場合、熱収縮性を有する糸311を含む第1層31が、ラスト4にかぶせられた際にラスト4の表面に近い内側に位置することになるので、繊維シート3Sをラスト4にかぶせて熱成形を行う際、第1層31が第2層32よりも内側に配置されていない構成に比べると、第1層31をラスト4に近い位置とできるので、よりラスト4に沿わせやすいとの利点もある。
繊維シート3Sは、図3(b)に示すように、ニードルパンチ加工が施された加工部3S1と、施されていない隙間形成部3S2(二点鎖線で図示した部分)とを備えることができる。ニードルパンチ加工を装飾のために行う場合、加工部3S1を例えば図5(b)に示すような模様として形成することができる。
加工部3S1は、アッパー3において装飾させたい部分に配置されることができる。また加工部3S1は、本実施形態においては、第1層31に第2層32の一部(繊維3211)が食い込んだ形で強化されていることから、アッパー3において強度を要する強化部分に配置されることができる。前記「強度を要する」とは、着用中または着脱の際にシューズ1にかかる力(例えば、変形させる力や摩耗させる力)に対し、対抗や緩和をできる強度が求められることである。強化部分は、例えば、母指球や小指球の周囲部分(足ブレの防止)、アーチの周囲部分(アーチサポート)、踵部(補強)、履き口(補強)、つま先部(補強)、ハトメ部(補強)、ソール接着部分の周囲(アッパーの伸長を止めるため)である。ただしこれらに限られず、シューズ1の用途や使用状況に応じ、種々の部分を強化部分とできる。
隙間形成部3S2では、第1層31と第2層32とが一体化されないため、第1層31と第2層32との間に隙間(空間)を形成できる。この隙間形成部3S2が有する隙間(空間)には、クッション材(糸、綿、フォーム材)または補強材を挿入できる。クッション材を挿入する位置は、例えば、履き口やシュータンの位置である。また、補強材を挿入する位置は、例えば、ハトメ部、つま先部、ヒール部である。これにより、隙間形成部3S2に所望の特性を付与できる。ただし、隙間形成部3S2に何も挿入しないことも可能である。隙間形成部3S2への挿入物の有する特性に応じ、特性を繊維シート3Sに持たせることができる。また、繊維シート3Sが加熱される際の熱収縮量を挿入物によって調整することもできる。また、補強材を熱硬化樹脂で形成することにより、ラスト4の形状に沿った補強材を形成できる。また逆に、ラスト4に沿わせたくない場合には、補強材として、熱成形の温度では変形しない材料を選定するか、アッパー3の熱成形後に補強材を隙間形成部3S2に挿入することもできる。このように、繊維シート3Sが加工部3S1と隙間形成部3S2とを備えることにより、アッパー3の部位ごとに実現させる特性のコントロールをしやすく、所望の特性を持たせるようにできる。また、繊維シート3Sにおける加工部3S1及び隙間形成部3S2の形成範囲、形状を設定することによっても、繊維シート3Sの特性を調整することができる。
繊維シート3Sは、図2(c)に示すように第2層32の内側に、第3層33をさらに備えた三層構造とすることもできる。第3層33は、編物、織物、不織布のいずれであってもよい。この場合の第3層33についても、第1層31に対し、ニードルパンチ加工が施されて、第1層31、第2層32、第3層33の三層が一体化されている。このように第3層33を備えたことにより、第3層33の材質及び層厚を設定することで、製造されたシューズ1に所望の特性を付与できる。第3層33は、第1層31に対して全面的に設けられることもできるし、部分的に設けられることもできる。部分的に設ける場合、例えば第3層33を、着用者の足が出入りする履き口11の周縁部を補強するために用いたり、ハトメを形成する部分の補強として用いたりすることができる。
アッパー3は、繊維シート3Sが縫製された後の状態で上下方向Z(図1参照)の上側に位置する本体部34と、本体部34の下端に連続する底面部35とを備えることができる。なお、アッパー3が本体部34だけを備え、底面部35を備えないものともできる。また、後述のように、作製した底面部35を後に除去する(本体部34から分離する)こともできる。
繊維シート3Sは、少なくとも本体部34の前足部分Fに含まれることができる。ここで前記「前足部分」とは、人体の足の骨格にて、図6において囲まれた部分、つまり、指骨の基節骨B1(小指については中節骨B2)から距骨B3及び踵骨B4のうち前部までの範囲であって、着用時にアッパー3の本体部34において着用者の骨格のうち前記範囲が一致する部分を指す。この前足部分Fは、着用感や着用時における着用者の運動能力に与える影響が大きい重要な部分である。従って、前足部分Fの形状をラスト4に対して確実に合わせることで、前記影響に対応した大きな効果を得ることができる。
前足部分Fに含まれる繊維シート3Sにおける第1層31の熱収縮率は、アッパー3における前後方向X(図1参照)よりも幅方向Y(図1参照)の方が高いものとできる。なお、前後方向Xは、アッパー3におけるつま先側の最前端と、かかと側の最後端とを結ぶ仮想線の延びる方向であって、幅方向Yは水平方向であって前後方向Xに直交する方向である。
ここで、前足部分Fでは前後方向Xよりも幅方向Yの方が、着用者の足の表面の形状に対応し、アッパー3表面の湾曲が大きい。これに対し、前足部分Fで第1層31の熱収縮率を、幅方向Yにおけるものが前後方向Xにおけるものよりも高くなるような異方性をもって設定することにより、湾曲が大きい方向(幅方向Y)と高収縮の方向を一致させられるため、熱圧縮率が等方性をもって設定されたものに比べると、湾曲に沿わせやすいので、前足部分Fをラスト4に沿わせやすい。具体的に、第1層31において、アッパー3における前後方向Xの熱収縮率よりも幅方向Yの熱収縮率の方が2倍以上で設定されている。ちなみに、第2層32は不織布よりなり、この不織布を構成する繊維に熱収縮性は積極的に付与されていない。このため、繊維シート3Sとして一体化された場合の第2層32は、第1層31の熱収縮に追随して(つられて)変形することになる。後述する第3層33についても同様である。
アッパー3が底面部35を備える場合、本体部34の少なくとも一部は図2(a)に示すように第1層31を備え、底面部35は図2(b)に示すように第1層31を備えない単層構造とできる。つまり、底面部35に熱収縮性を有する糸を含まないようにできる。このように構成することで、加熱による成形時に底面部35が変形しにくくなる。底面部35が変形しにくいようにすることで、ソール2に対する底面部35の位置合わせをしやすいため、ソール2とアッパー3の接着を正確にできる。
一方、前記とは逆に、底面部35が第1層31を備えることもできる。この場合、第1層31の内側に、編物または織物または不織布よりなる第3層33をさらに備えることができる。この場合でも、第1層31と第3層33とは、ニードルパンチ加工が施されて一体化されていることが望ましい。このように構成することで、加熱による成形時に底面が変形しにくい。
次に、前記構成のアッパー3、つまり、第1層31と、第1層31に積層された第2層32とを含むアッパー3を備えたシューズ1の製造方法について説明する。この製造方法は、裁断工程、一体化工程、第1成形工程、第2成形工程と、ソール取付工程を主に含む。なお、前記工程以外の工程(例えば後述の刺繍工程)を適宜付加することもできる。
裁断工程では、シート状である第1層31と第2層32とを所定のサイズ及び形状に裁断し、本体部34及び底面部35を展開した、図7に示すような形状とする。一体化工程では、第1層31と第2層32とを重ねてニードルパンチ加工を施すことで繊維シート3Sを作製する。第1層31及び第2層32へのニードル(針)Nの押し込みの方向は、アッパーの状態における内層側から外層側に向かう方向に一致している。本実施形態では、第2層32から第1層31へとニードルNが押し込まれる。これにより、外層側の第1層31にニードルパンチ加工が施された部分を露出させられ、かつ、押し込みによるニードルパンチ加工により、例えば布地がニードルNの方に浮き上がりにくくなるため、スムーズに加工できる。
また、ニードルパンチ加工を実施中に、第1層31及び第2層32に対してニードルNを貫通させる位置が刻々変化していく。つまり、ニードルNを貫通させる位置が、最初の押し込みと次の押し込みとで第1層31及び第2層32の面方向にずれていく。前記刻々変化する方向は、ニードルパンチ加工の実施範囲の開始位置から終了位置まで、第1層31及び第2層32の面方向で一定とされている。例えばニードルNを貫通させる位置が、平面視で横方向に変化する場合、ニードルパンチ加工の実施範囲の左端から右端への変化は常に右方向であり、右端から左端への変化は常に左方向とされ、別の方向への変化を挟まないようにされている。またニードルNを貫通させる位置が、平面視で縦方向に変化する場合、ニードルパンチ加工の実施範囲の上端から下端への変化は常に下方向で、下端から上端への変化は常に上方向とされ、別の方向への変化を挟まないようにされている。このように、別方向への変化は、実施範囲の開始位置から終了位置まで移動した後にのみなされ、開始位置から終了位置までの移動中にはなされない。このようにすることで、ニードルNを貫通させる位置が面方向で不定であるものに比べ、繊維シート3Sの強度が不均一になることを抑制し、強度が安定する。
裁断工程と一体化工程はこの順序でなく、逆の順序でもよい。具体的には、第1層31と第2層32とを重ねてニードルパンチ加工を施すことで繊維シート3Sを作製し、その後に繊維シート3Sを所定のサイズ、形状に裁断してもよい。
また、一体化工程の前に、繊維シート3Sに対して刺繍を行う刺繍工程を含むこともできる。なお、これに限定されず、刺繍工程を一体化工程の後に行うこともできる。刺繍で用いられる刺繍糸によって、ニードルパンチ加工だけを行う場合に比べ、繊維シート3Sの装飾性を高めたり、補強したりできる。刺繍は、例えば図5(b)に示すような、ニードルパンチ加工を施す予定の部分または施した部分(加工部3S1)、つまりニードルパンチが施される部分に完全に一致させてもよいし、部分的に一致させてもよいし、更には、全く無関係に行ってもよい。完全または部分的に一致させた場合、刺繍により形成された模様に対し、ニードルパンチ加工によって更に装飾できるため、デザイン上有利である。
第1成形工程では、一体化工程で作製された繊維シート3Sをアッパー3に対応した形状に縫製した成形前アッパー3Aを作製し(図8参照)、この成形前アッパー3Aをラスト4にかぶせる(図9参照)。第2成形工程では、成形前アッパー3Aの周囲からの加熱により成形前アッパー3Aをラスト4の形状に沿わせるように変形させて成形後アッパー3B(図1参照)とする。温度と加熱時間は、成形前アッパー3Aの構成に合わせて適宜設定できる。第2成形工程において用いられる加熱手段はスチーム加熱である。図9に略示したように、例えば成形前アッパー3Aが加熱箱51の内部に収納され、加熱箱51の内面から放出される高温の蒸気52により加熱がなされる。このスチーム加熱により、成形前アッパー3Aの全体を均一に加熱することができる。このため、成形前アッパー3Aをラスト4に合わせて均一に変形させ、成形後アッパー3Bとすることができる。なお第2成形工程では、スチーム加熱のほか熱風加熱、温水加熱等を用いることもできる。また、成形前アッパー3Aに対する加熱を全体ではなく部分的に行うこともできる。ソール取付工程では、成形後アッパー3Bが別に作製されたソール2に、例えば接着により取り付けられる。なお、接着以外に、熱融着等によって第2成形工程と同時にソール取付工程を実施することもできる。
前述した一連の工程を経ることでシューズ1が製造される。なお、シュータンの形成、履き口11の加工、シューレース(靴紐)を通すためのハトメの取り付け、装飾部材やタグの取り付け、ロゴのプリント、インソール(中敷)の取り付けを前記各工程中、または全工程終了後に適宜行うことができる。各部材の取り付けに関してもニードルパンチを利用することができる。
成形前アッパー3Aが、上側に位置する本体部34と、本体部34の下端に連続する底面部35とを備える場合、第2成形工程において、底面部35には熱を加えないことができる。底面部35に熱を加えないようにするため、例えば、遮蔽板など、断熱性を有する治具を使用したり、底面に断熱性を有するラスト4を使用したりすることで、底面部35に及ぶ熱を低減できる。このようにすることで、加熱時に底面部35が変形しにくい。よって、接着工程における底面部35のソール2への接着が正確にできる。
また、前記とは別に、上側に位置する本体部34と、本体部34の下端に連続する底面部35とを備える場合、第2成形工程において、底面部35に熱を加え、第2成形工程の後に底面部35を除去する底面部除去工程を含むこともできる。底面部除去工程により、図7の右側に示した形状の底面部35が本体部34から分離され、成形後アッパー3Bの下部には貫通穴(図示しない)が形成されることになる。底面部除去工程を経た成形後アッパー3Bにおいて、前記貫通穴の縁部がソール2に取り付けられる。第2成形工程において成形前アッパー3Aをラスト4の形状に確実に沿わせ、その後に、ソール2に接着する際に加熱で収縮することによって硬くなる可能性のある底面部35を成形後アッパー3Bから除去することで、ソール2が加熱された底面部35の影響を受けることなく、適切な硬さのソール2を有するシューズ1を製造できる。
なお、前述のように底面部35には熱を加えない場合であっても、底面部35に接着剤を塗布すると底面部35が硬化してしまうことがある。このため、底面部35に熱を加えない場合に底面部除去工程を実施することも可能である。
前述の製造方法により、第2成形工程においてアッパー3の成形を行う際に、ラスト4の形状に沿わせやすいことから、ラスト4の形状に沿ったシューズ1を製造できる。
ここで、本発明の実施形態に係る構成と奏する作用につきまとめる。本実施形態は、熱収縮性を有する糸311を含み、かつ、内部空隙312を有する編物または織物よりなる第1層31と、前記第1層31に積層され、編物または織物よりなる第2層32と、を含み、前記第1層31と前記第2層32とがニードルパンチ加工により一体化された繊維シート3Sよりなるアッパー3を備えているシューズ1である。
この構成によれば、繊維シート3Sが、熱収縮性を有する糸を含む第1層31を備え、かつ、第1層31が内部空隙312を有することから、加熱によるアッパー3の成形を行う際に、アッパー3を構成する繊維シート3Sが容易に変形するため、ラスト4の形状に沿わせやすい。
前記第2層32を構成する各糸は、マルチフィラメント構造を有するものとできる。
この構成によれば、第1層31に対して繊維3211を絡ませやすい。
前記繊維シート3Sのうち前記ニードルパンチ加工が施された部分3S1が、前記アッパー3のうちで強度を要する強化部分に配置されているものとできる。
この構成によれば、ニードルパンチ加工された繊維シート3Sにより、強度を要する強化部分を補強できる。
前記第1層31は前記第2層32よりも外側に配置されているものとできる。
この構成によれば、ニードルパンチ加工により第2層32を構成する各糸321の繊維3211を外層である第1層31の外面に露出させることができる。このため、第1層31が最外層となる場合に、第1層31の外観をニードルパンチ加工により、第2層32に応じて変化させられる。
前記アッパー3は、上側に位置する本体部34と、前記本体部34の下端に連続する底面部35とを備え、前記繊維シート3Sは、少なくとも前記本体部34の前足部分Fに含まれ、前記第1層31の熱収縮率は、前記アッパー3における前後方向Xよりも幅方向Yの方が高いものとできる。
この構成によれば、アッパー3の前足部分Fをラスト4に沿わせやすい。
前記第1層31に含まれる熱収縮性を有する糸311は、芯鞘材よりなり、前記第1層31は、経糸または緯糸のうち一方が熱収縮性を有する糸である織物、または、10%以上が熱収縮性を有する糸311である編物で構成されているものとできる。
この構成によれば、加熱により、適切な成形が可能である。
前記繊維シート3Sは、前記ニードルパンチ加工が施された加工部3S1と、施されていない隙間形成部3S2とを備えるものとできる。
この構成によれば、アッパー3の部位ごとに所望の特性を持たせるようにできる。
また、本実施形態は、熱収縮性を有する糸311を含み、かつ、内部空隙312を有する編物または織物よりなる第1層31と、前記第1層31に積層され、編物または織物よりなる第2層32と、を用い、前記第1層31と前記第2層32とを重ねてニードルパンチ加工を施すことで繊維シート3Sを作製する一体化工程を含み、前記ニードルパンチ加工に用いられるニードルNは、布地に対して押し込むことで加工をなすものであり、前記第1層31及び前記第2層32への前記押し込みの方向が、アッパー3の状態における内層側から外層側に向かう方向に一致している、シューズ用アッパー3の製造方法である。
この構成によれば、アッパー3の状態における外層側にニードルパンチ加工が施された部分3S1を露出させられ、かつ、押し込みによるニードルパンチ加工により、スムーズに加工できる。
前記ニードルパンチ加工を実施中に、前記第1層31及び前記第2層32に対して前記ニードルNを貫通させる位置が刻々変化していくものであり、前記刻々変化する方向が、前記ニードルパンチ加工の実施範囲の開始位置から終了位置まで、前記第1層31及び前記第2層32の面方向で一定であるものとできる。
この構成によれば、ニードルNを貫通させる位置が面方向で不定であるものに比べ、繊維シート3Sの強度が安定する。
前記一体化工程の前または後に、前記繊維シート3Sに対して刺繍を行う刺繍工程を含むものとできる。
この構成によれば、刺繍により装飾性を高めたり、補強したりできる。
前記刺繍工程にて、前記一体化工程で前記ニードルパンチ加工が施される部分に対して刺繍を行うものとできる。
この構成によれば、刺繍により形成された模様に対し、ニードルパンチ加工によって更に装飾できる。
また、本実施形態は、前記いずれかに記載のシューズ用アッパー3の製造方法により作製された前記繊維シート3Sをアッパー3に対応した形状に縫製した成形前アッパー3Aを作製し、当該成形前アッパー3Aをラスト4にかぶせる第1成形工程と、加熱により前記成形前アッパー3Aを前記ラスト4の形状に沿わせるように変形させて成形後アッパー3Bとする第2成形工程と、を含む、シューズ1の製造方法である。
この構成によれば、ラスト4の形状に沿ったシューズ1を製造できる。
以上、本発明につき実施形態を取り上げて説明してきたが、この説明はあくまでも例示に過ぎない。本発明に係るシューズ1及びシューズ1の製造方法は、前記実施形態に限定されない。このため、本発明に係るシューズ1及びシューズ1の製造方法は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。前記変更には、例えば、前記実施形態を構成する複数の要素の一部入れ替えや一部省略、また、別々の例に属する要素を適宜組み合わせることが含まれる。また、シューズ1及びシューズ1の製造方法に関して技術常識に属する事項を組み合わせることも含まれる。
1 シューズ
11 履き口
2 ソール
3 アッパー
31 第1層
311 熱収縮性を有する糸、緯糸
3111 芯鞘材の芯
3112 芯鞘材の鞘
312 内部空隙
313 交差する糸、経糸
314 固着箇所
32 第2層
321 第2層を構成する糸
3211 繊維
33 第3層
34 本体部
35 底面部
3S 繊維シート
3S1 ニードルパンチ加工が施された部分、加工部
3S2 隙間形成部
3A 成形前アッパー
3B 成形後アッパー
4 ラスト(靴型)
N ニードル(針)
F 前足部分
X 前後方向
Y 幅方向

Claims (12)

  1. 熱収縮性を有する糸を含み、かつ、内部空隙を有する編物または織物よりなる第1層と、前記第1層に積層され、編物または織物よりなる第2層と、を含み、
    前記第1層と前記第2層とがニードルパンチ加工により一体化された繊維シートよりなるアッパーを備えているシューズ。
  2. 前記第2層を構成する各糸は、マルチフィラメント構造を有する、請求項1に記載のシューズ。
  3. 前記繊維シートのうち前記ニードルパンチ加工が施された部分が、前記アッパーのうちで強度を要する強化部分に配置されている、請求項1または2に記載のシューズ。
  4. 前記第1層は前記第2層よりも外側に配置されている、請求項1〜3のいずれかに記載のシューズ。
  5. 前記アッパーは、上側に位置する本体部と、前記本体部の下端に連続する底面部とを備え、
    前記繊維シートは、少なくとも前記本体部の前足部分に含まれ、
    前記第1層の熱収縮率は、前記アッパーにおける前後方向よりも幅方向の方が高い、請求項1〜4のいずれかに記載のシューズ。
  6. 前記第1層に含まれる熱収縮性を有する糸は、芯鞘材よりなり、
    前記第1層は、経糸または緯糸のうち一方が熱収縮性を有する糸である織物、または、10%以上が熱収縮性を有する糸である編物で構成されている、請求項1〜5のいずれかに記載のシューズ。
  7. 前記繊維シートは、前記ニードルパンチ加工が施された加工部と、施されていない隙間形成部とを備える、請求項1〜6のいずれかに記載のシューズ。
  8. 熱収縮性を有する糸を含み、かつ、内部空隙を有する編物または織物よりなる第1層と、前記第1層に積層され、編物または織物よりなる第2層と、を用い、
    前記第1層と前記第2層とを重ねてニードルパンチ加工を施すことで繊維シートを作製する一体化工程を含み、
    前記ニードルパンチ加工に用いられるニードルは、布地に対して押し込むことで加工をなすものであり、
    前記第1層及び前記第2層への前記押し込みの方向が、アッパーの状態における内層側から外層側に向かう方向に一致している、シューズ用アッパーの製造方法。
  9. 前記ニードルパンチ加工を実施中に、前記第1層及び前記第2層に対して前記ニードルを貫通させる位置が刻々変化していくものであり、
    前記刻々変化する方向が、前記ニードルパンチ加工の実施範囲の開始位置から終了位置まで、前記第1層及び前記第2層の面方向で一定である、請求項8に記載のシューズ用アッパーの製造方法。
  10. 前記一体化工程の前または後に、前記繊維シートに対して刺繍を行う刺繍工程を含む、請求項8または9に記載のシューズ用アッパーの製造方法。
  11. 前記刺繍工程にて、前記一体化工程で前記ニードルパンチ加工が施される部分に対して刺繍を行う、請求項10に記載のシューズ用アッパーの製造方法。
  12. 請求項8〜11のいずれかに記載のシューズ用アッパーの製造方法により作製された前記繊維シートをアッパーに対応した形状に縫製した成形前アッパーを作製し、当該成形前アッパーをラストにかぶせる第1成形工程と、
    加熱により前記成形前アッパーを前記ラストの形状に沿わせるように変形させて成形後アッパーとする第2成形工程と、を含む、シューズの製造方法。
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