JP2024051959A - 内燃機関の点火時期制御装置 - Google Patents

内燃機関の点火時期制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】バルブ特性可変機構を備えた内燃機関において、失火限界点火時期を適切に補正することを課題とする。【解決手段】点火時期制御装置は、内燃機関において失火しない遅角側の限界点火時期である失火限界点火時期を設定する。点火時期制御装置は、吸気バルブの開閉特性の変化に伴って変化する実圧縮比の変化量と、バルブ特性可変機構が吸気バルブ及び排気バルブの開閉特性が変更されるときの基準となる状態として内燃機関において設定されたベース状態であるときの内燃機関におけるベース吸気管圧力と、バルブ特性可変機構の現在の状態を含む内燃機関の現在の状態に応じて定まる現在吸気管圧力との差分値である吸気管圧力差と、を用いて、内燃機関において失火限界点火時期として予め設定された基本失火限界点火時期に対する失火限界点火時期の補正量を算出する失火限界点火時期補正量算出部を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の点火時期制御装置に関する。
従来、内部EGR(Exhaust Gas Recirculation)の導入に応じたポンピング損失の低減による燃費性能の向上などを目的として、バルブ特性可変機構が採用された内燃機関が知られている。バルブ特性可変機構が作動すると、内部EGR量が変化することがある。内部EGR量の変化は、内燃機関における燃焼状態に影響を与えることから、バルブ特性可変機構の作動状況に応じて点火プラグによる点火時期の補正を行うことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010-248983号公報
ところで、内燃機関における点火時期の制御では、内燃機関の作動中における失火を抑制するために失火限界点火時期が設定されている。この場合、内燃機関における点火時期は、失火限界点火時期を超えることがないように設定される。失火が生じる原因としては、バルブ特性可変機構の作動状況や、過給機と共に装備されたウエストゲートバルブが閉弁状態に移行することに伴う背圧増加が考えられる。その一方で、バルブ特性可変機構の作動によって実圧縮比が増大すると失火が生じ難くなる。
上記特許文献1は、点火時期そのものを補正する提案であり、失火限界点火時期の設定については何ら言及しておらず、失火限界点火時期の補正についても何らの提案もされていない。
そこで、本明細書開示の発明は、バルブ特性可変機構を備えた内燃機関において、失火限界点火時期を適切に補正することを課題とする。
上記課題は、吸気バルブと排気バルブのうちの少なくとも吸気バルブの開閉特性の変更を行うバルブ特性可変機構を備える内燃機関に適用され、前記内燃機関において失火しない遅角側の限界点火時期である失火限界点火時期を設定する点火時期制御装置であって、前記吸気バルブの開閉特性の変化に伴って変化する実圧縮比の変化量と、前記バルブ特性可変機構が前記吸気バルブ及び前記排気バルブの開閉特性が変更されるときの基準となる状態として前記内燃機関において設定されたベース状態であるときの前記内燃機関におけるベース吸気管圧力と、前記バルブ特性可変機構の現在の状態を含む前記内燃機関の現在の状態に応じて定まる現在吸気管圧力との差分値である吸気管圧力差と、を用いて、前記内燃機関において前記失火限界点火時期として予め設定された基本失火限界点火時期に対する失火限界点火時期の補正量を算出する失火限界点火時期補正量算出部を備える、内燃機関の点火時期制御装置によって達成される。
上記構成の内燃機関の点火時期制御装置において、前記内燃機関は、過給機及びウエストゲートバルブをさらに備え、前記失火限界点火時期補正量算出部は、前記バルブ特性可変機構の現在の状態と前記ウエストゲートバルブの現在の状態を含む前記内燃機関の現在の状態に応じて定まる前記現在吸気管圧力を用いて、前記吸気管圧力差を算出する態様とすることができる。
また、上記構成の内燃機関の点火時期制御装置において、前記失火限界点火時期補正量算出部は、前記実圧縮比の変化量を用いて算出した第1点火時期補正量と、前記吸気管圧力差を用いて算出した第2点火時期補正量とを合算して前記失火限界点火時期の補正量を算出する態様とすることができる。
また、上記構成の内燃機関の点火時期制御装置において、前記失火限界点火時期補正量算出部は、エンジントルクが最も高くなる点火時期であるMBT点火時期に対する補正量を算出するときに前記実圧縮比の変化量及び前記吸気管圧力差に設定された補正感度と異なる補正感度を前記実圧縮比の変化量及び前記吸気管圧力差に設定して前記失火限界点火時期の補正量を算出する態様とすることができる。
さらに、上記構成の内燃機関の点火時期制御装置において、前記失火限界点火時期補正量算出部は、機関負荷と前記内燃機関の回転数とに基づいて算出される補正係数によって補正された前記実圧縮比の変化量に基づいて前記第1点火時期補正量を算出するとともに、機関負荷と前記内燃機関の回転数とに基づいて算出される補正係数によって補正された前記吸気管圧力差に基づいて前記第2点火時期補正量を算出する態様としてもよい。
本明細書開示の発明は、バルブ特性可変機構を備えた内燃機関において、失火限界点火時期を適切に補正することができる。
図1は実施形態の点火時期制御装置が装備された内燃機関の概略構成を示す模式図である。 図2は実施形態における点火時期制御装置として機能する電子制御ユニットの構成を模式的に示すブロック図である。 図3(A)はあるエンジン回転数における失火限界点火時期に対する第1点火時期補正量の算出に用いられる実圧縮比変化量dinvvtに対する補正係数kdinvvtを算出するためのマップの一例であり、図3(B)はあるエンジン回転数における失火限界点火時期に対する第2点火時期補正に用いられる吸気管圧力差dPmに対する補正係数kdPmを算出するためのマップの一例である。 図4は実施形態の点火時期制御装置において、実圧縮比変化量に基づいて失火限界点火時期に対する第1点火時期補正量を算出するマップの一例である。 図5は実施形態の点火時期制御装置において、吸気管圧力差に基づいて失火限界点火時期に対する第2点火時期補正量を算出するマップの一例である。 図6は実施形態の点火時期制御装置が装備された内燃機関における点火時期の変化の一例を示すタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されて描かれている場合もある。
(実施形態)
[内燃機関の構成]
まず、図1を参照して、実施形態の点火時期制御装置として機能するECUElectronic Control Unit)40が装備された内燃機関100の概略構成について説明する。内燃機関100は、ガソリンを燃料とするが、ガソリンに替えて、エタノールや天然ガス等の従来公知のガソリン代替燃料を用いることができる。
内燃機関100は、シリンダブロック1a内に複数のシリンダ2を備える(図1では1つのシリンダ2のみを図示)。各シリンダ2内には、ピストン3が摺動可能に収容されており、ピストン3は、シリンダブロック1aの上側に配置されたシリンダヘッド1bとの間に燃焼室2aを形成している。ピストン3は、コンロッド4を介してクランクシャフト5と接続されている。燃焼室2aには、筒内に燃料を噴射するインジェクタ6と点火プラグ7が設けられている。インジェクタ6から噴射された燃料は、燃焼室2a内で混合気とされ、点火プラグ7によって点火される。点火された混合気は燃焼して爆発し、ピストン3を押し下げる。押し下げられたピストン3は、その爆発力を、コンロッド4を介してクランクシャフト5に伝達し、クランクシャフト5を回転させる。なお、インジェクタ6は、燃焼室2a近傍の吸気管10に設けるようにしてもよい。
内燃機関100には、燃焼室2aに臨むように吸気ポート8と排気ポート9が設けられており、吸気ポート8には、吸気通路を形成する吸気管10が接続され、排気ポート9には排気通路を形成する排気管11が接続されている。
吸気管10には、吸気の流れの上流側から順にエアクリーナ12、エアフロメータ13、過給機としてのターボ過給機14のコンプレッサ14a、インタークーラ15、過給圧センサ16、スロットル弁17及び吸気マニホールド18が設けられている。スロットル弁17には、スロットル開度センサ17aが設けられている。エアフロメータ13は、吸気管10内を流れる空気の量を検出する。過給圧センサ16は、燃焼室2a内に送り込まれる空気の過給圧を検出する。過給圧センサ16によって検出された過給圧は、現在過給圧として、失火限界点火時期の補正量の算出に用いられる。失火限界点火時期の補正量の算出については、後に詳説する。スロットル弁17は、燃焼室2a内へ送り込まれる空気の量を調整する。スロットル開度センサ17aはスロットル弁17の開度を検出する。
吸気管10は、吸気マニホールド18で分岐され、各気筒の吸気ポート8に接続されている。
排気管11には、排気の流れの上流側から順に排気マニホールド20、ターボ過給機14のタービン14b、触媒21が設けられている。タービン14bは、コンプレッサ14aと回転軸によって接続されており、排気ポート9を通じて燃焼室2aから排出されたガスによって回転する。タービン14bが回転することでコンプレッサ14aが回転し、吸気を過給する。触媒21は、排気を浄化する。排気管11には、タービン14bをバイパスする排気バイパス通路60が設けられている。排気バイパス通路60には、排気バイパス通路60の開閉を行うウエストゲートバルブ(以下、「WGV」という)61が設けられている。WGV61は負圧を発生させるバキュームポンプ63と接続されたアクチュエータ62によって開閉駆動される。WGV61は、ターボ過給機14による過給圧を調節する。具体的に、WGV61は、過給が求められるときに閉弁して排気バイパス通路60を閉じ、排気をタービン14bへ導く。なお、WGV61が、閉じ側へ作動すると、内燃機関100における背圧が上昇する。
内燃機関100は、吸気ポート8を開閉する吸気バルブ23と、排気ポート9を開閉する排気バルブ24を備える。吸気バルブ23及び排気バルブ24は、クランクシャフト5と駆動連結された不図示の吸気カムシャフト及び排気カムシャフトの回転に伴って開閉動作する。これにより、吸気バルブ23及び排気バルブ24は、クランクシャフト5の回転に同期し、各ピストン3の往復移動に対応して所定のタイミングで開閉駆動される。内燃機関100は、吸気バルブ23の開閉時期であるバルブタイミングを可変設定する可変動弁機構である吸気VVT機構25aと、排気バルブ24の開閉時期であるバルブタイミングを可変設定する可変動弁機構である排気VVT機構25bを備える。吸気VVT機構25aと排気VVT機構25bは、バルブ特性可変機構25(図2参照)に含まれる。吸気VVT機構25aによって吸気バルブ23の開閉時期が変更されると、実圧縮比が変化する。各カムシャフトの回転数は、カム角センサ72で検出される。
ECU40は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び記憶装置等を備える。ECU40は、ROMや記憶装置に記憶されたプログラムを実行することで内燃機関100を制御する。本実施形態におけるECU40は、要求機関負荷算出部30及び要求バルブ特性算出部31として機能する。ECU40は、機関負荷取得部41、エンジン回転数取得部42、WGV制御部43及びベースバルブ特性設定部44として機能する。ECU40は、現在バルブ特性取得部45、現在吸気管圧力取得部46、ベース吸気管圧力取得部48、第1差分算出得部49、第2差分値算出部50及び点火時期補正量算出部51として機能する。点火時期補正量算出部51には、失火限界点火時期補正量算出部51aとMBT(Minimum Spark Advance for Best Torque)点火時期補正量算出部51bが含まれる。点火時期補正量算出部51には、図示はしていないノック点火時期補正量算出部が含まれる。MBTは、エンジントルクが最も高くなる点火時期である。
要求機関負荷算出部30は、アクセルペダル開度センサ71の検出値に基づいて、内燃機関100に出力することが求められる負荷を算出する。要求バルブ特性算出部31は、要求機関負荷算出部30によって算出された要求機関負荷に基づいて要求バルブ特性、つまり、吸気バルブ23や排気バルブ24に要求される開閉時期を算出し、設定する。バルブ特性可変機構25は、要求バルブ特性算出部31によって算出された要求バルブ特性が実現されるように制御される。
機関負荷取得部41は、エアフロメータ13によって取得された吸入空気量に基づいて機関負荷KLを取得する。
エンジン回転数取得部42は、クランク角センサ70の検出値に基づいて、クランクシャフト5の回転数、つまり、エンジン回転数NEを取得する。
WGV制御部43は、アクセルペダル開度センサ71の検出値やエンジン回転数取得部42によって取得されたエンジン回転数NEに基づいて、WGV61を作動させるアクチュエータ62を制御する。
ベースバルブ特性設定部44は、機関負荷取得部41によって取得された機関負荷KLやエンジン回転数取得部42によって取得されたエンジン回転数NEに基づいて設定される吸気バルブ23や排気バルブ24の開閉状態についてベースとなるバルブ特性を設定する。
現在バルブ特性取得部45は、カム角センサ72の検出値に基づいて、バルブ特性可変機構25によって開閉時期が変更される吸気バルブ23や排気バルブ24の現在の開閉状態に関する情報を取得する。
現在吸気管圧力取得部46は、過給圧センサ16によって検出された現在の過給圧を用いたエアモデルによって現在吸気管圧力pmsmを取得する。つまり、現在吸気管圧力取得部46は、現在吸気管圧力pmsmを取得するための引数として過給圧センサ16によって検出された現在の過給圧を用いる。エアモデルには、現在バルブ特性取得部45によって取得された吸気バルブ23や排気バルブ24の現在の開閉状態に関する情報も用いられる。また、エアモデルには、後に詳説する第1差分値算出部49によって算出されたベースバルブ特性と現在バルブ特性との差分値も用いられる。なお、エアモデルを用いて吸気管圧力を取得する方法については、従来公知であり、本実施形態においても、従来、用いられているエアモデルを使用しているため、ここではその詳細な説明は、省略する。
ベース吸気管圧力取得部48は、過給圧センサ16によって検出された現在の過給圧を用いたエアモデルによってベース吸気管圧力pmbsを取得する。エアモデルには、ベースバルブ特性設定部44によって設定された吸気バルブ23や排気バルブ24の開閉状態についてベースとなるバルブ特性に関する情報も用いられる。また、エアモデルには、機関負荷取得部41によって取得された機関負荷KLと、エンジン回転数取得部42によって取得されたエンジン回転数NEも用いられる。ベース吸気管圧力pmbsを取得する場合にも、現在吸気管圧力pmsmを取得するときと同様のエアモデルが用いられる。なお、ベース吸気管圧力pmbsを取得するときに、現在の過給圧に代えて、バルブ特性可変機構25がベース状態であるときの内燃機関100における過給圧であるベース状態の過給圧を用いるようにしてもよい。ベースの過給圧は、エンジン回転数NE及び機関負荷KLをパラメータとするマップに基づいて取得することができるが、ここでは、その詳細な説明は省略する。
第1差分値算出部49は、吸気VVT機構25aによって設定される吸気バルブ23の開閉時期が変化することによって変化する実圧縮比変化量dinvvtを取得する。具体的に、第1差分値算出部49は、ベースバルブ特性設定部44によって設定されたベースとなるバルブ特性における吸気バルブ23の開閉時期と、現在バルブ特性取得部45によって取得された現在のバルブ特性における吸気バルブ23の開閉時期とに基づいて実圧縮比の変化量を取得する。例えば、現在の吸気バルブ23の開閉時期が、ベース状態の吸気バルブ23の開閉時期よりも進角されていると、実圧縮比は高くなる。実圧縮比が高くなると失火し難くなる。そこで、本実施形態では、吸気バルブ23の開閉時期に基づく実圧縮比変化量dinvvtが失火限界点火時期の補正に用いられる。
第2差分値算出部50は、現在吸気管圧力取得部46によって取得された現在吸気管圧力pmsmと、ベース吸気管圧力取得部48によって取得されたベース吸気管圧力pmbsとの差分値である吸気管圧力差dPmを算出する。吸気管圧力差dPmは、筒内における残留ガスの変化量と相関性を有する値である。筒内の残留ガスの変化量は、失火限界点火時期に影響を及ぼす。例えば、排気バルブ24の閉弁時期と吸気バルブ23の開弁時期とによって定まるバルブオーバーラップが増大したり、WGV61が閉弁状態に移行して背圧が上昇したりして、残留ガス量が増えると、失火耐性が低下し、失火し易くなる。そこで、本実施形態では、吸気管圧力差dPmが失火限界点火時期の補正に用いられる。
点火時期補正量算出部51に含まれる失火限界点火時期補正量算出部51aは、失火限界点火時期の補正量を算出する。失火限界点火時期の補正量は、第1差分値算出部49によって取得された実圧縮比変化量dinvvtと、第2差分値算出部50によって取得された吸気管圧力差dPmに基づいて算出される。
点火時期補正量算出部51に含まれるMBT点火時期補正量算出部51bは、MBT点火時期の補正量を算出する。MBT点火時期の補正量も、第1差分値算出部49によって取得された実圧縮比変化量dinvvtと、第2差分値算出部50によって取得された吸気管圧力差dPmに基づいて算出することができる。ただし、失火限界点火時期とMBT点火時期と比較すると、実圧縮比変化量dinvvtや吸気管圧力差dPmに対する補正感度が異なっている。このため、失火限界点火時期の補正量と、MBT点火時期の補正量は異なる値となる。同様に、ノック点火時期についても補正が行われるが、ノック点火時期についても、実圧縮比変化量dinvvtや吸気管圧力差dPmに対する補正感度が失火限界点火時期とは異なっているため、これらに対する補正量は異なる値となる。
ECU40は、これらの各部が協働することで、点火時期制御装置として機能する。なお、WGV制御部43は、点火時期制御装置の一部として直接機能するものではないが、機関制御の一環としてWGV61の開閉状態を制御する。WGV61の7開閉状態が変化すると、過給圧や背圧が変化し、ひいては、失火耐性が変化する。本実施形態の点火時制御装置は、吸気管圧力差dPmを用いることで、WGV61の開閉状態の影響を失火限界点火時期補正量に反映させている。このように、本実施形態の点火時期制御装置は、ターボ過給機14及びWGV61が装備された内燃機関100に好適に適用されているが、ターボ過給機14及びWGV61を備えていない内燃機関100にも適用することができる。本実施形態の内燃機関100は、触媒21を備えているが、例えば、GPF(Gasoline Particulate Filter)が装備されている場合、背圧が変化することがあることから、本実施形態の点火時期制御装置は、その効果を発揮することができる。また、例えば、可変バルブが組み込まれたマフラーが接続されている内燃機関100では、可変バルブの開閉によって背圧が変化するため、本実施形態の点火時期制御装置を好適に用いることができる。
[失火限界点火時期補正量の決定]
次に、本実施形態の点火時期制御装置による失火限界点火時期補正量の決定処理について説明する。ECU40は、失火限界点火時期補正量算出部51aによって算出された失火限界点火時期補正量により失火限界点火時期の補正を行う。ECU40は、内燃機関100の稼働状態を失火限界点火時期補正に反映させるために、所定周期で失火限界点火時期補正量の決定処理を実施する。失火限界点火時期補正量は、以下の式(1)によって表現される。
失火限界点火時期補正量
=第1点火時期補正量+第2点火時期補正量 (式1)
第1点火時期補正量は、実圧縮比変化量dinvvtに基づいて算出される補正量であり、第2点火時期補正量は、吸気管圧力差dPmに基づいて算出される補正量である。
ECU40は、失火限界点火時期補正量によって基本失火限界点火時期を補正する。ここで、基本失火限界点火時期は、内燃機関100がベース状態であるとしたときに、内燃機関100が失火することなく最も遅角することができる点火時期である。従って、内燃機関100がベース状態であるときに、基本失火限界点火時期よりも点火時期を遅角させると、失火が生じる。基本失火限界点火時期は、内燃機関100の機種に応じて予め設定されている。
<実圧縮比変化量dinvvtの算出>
実圧縮比変化量dinvvtは、上述したように第1差分値算出部49によって算出される。第1差分値算出部49は、ベースバルブ特性設定部44によって設定された吸気バルブ23の開閉時期に関する情報と、この情報と関連する実圧縮比に関する情報を有している。また、第1差分値算出部49は、現在バルブ特性取得部45によって取得された現在の吸気バルブ23の開閉時期に関する情報を取得し、この情報に基づいて現在の実圧縮比に関する情報を取得する。なお、第1差分値算出部49は、吸気バルブ23の開閉時期に関する情報から実圧縮比に関する情報を得るための予め準備されたマップ(不図示)を備えており、このマップに基づいて実圧縮比に関する情報を得る。実圧縮比変化量dinvvtは、このようにして現在の実圧縮比とベース状態における実圧縮比との差分値として取得される。
<差分値dPmの算出>
差分値dPmは、上述したように、第2差分値算出部50によって取得される。第2差分値算出部50は、現在吸気管圧力pmsmからベース吸気管圧力pmbsを減算することで差分値dPmを算出する。
現在吸気管圧力pmsmは、上述したように、現在吸気管圧力取得部46によって取得される。エアモデルによって現在吸気管圧力pmsmが取得されるときに用いられる現在過給圧は、過給圧センサ16の検出値が用いられる。
ベース吸気管圧力pmbsは、上述したように、ベース吸気管圧力取得部48によって取得される。本実施形態では、エアモデルによってベース吸気管圧力pmbsが取得されるときに、現在吸気管圧力pmsmが取得される場合と同様に、過給圧センサ16の検出値が用いられる。
<補正係数kdPm及び補正係数kdinvvtの算出>
補正係数kdPm及び補正係数kdinvvtは、点火時期補正量算出部51において算出される。
補正係数kdinvvtは、図3(A)に例示するマップを用いて取得される。図3(A)は、補正係数kdinvvtを取得するためのマップの一例である。ただし、図3(A)に表されているのは、マップの一部分である。つまり、図3(A)に示されたマップは、あるエンジン回転数NEにおいて、機関負荷KLに応じて補正係数kdinvvtを取得するものとなっている。従って、エンジン回転数NEが異なれば、マップの他の部分が参照される。エンジン回転数NEと機関負荷KLをパラメータとした補正係数kdinvvtを用いることで、より正確に内燃機関100の稼働状態を反映させた失火限界点火時期補正量を算出することができる。
補正係数kdPmは、図3(B)に例示するマップを用いて取得される。図3(B)は、補正係数kdPmを取得するためのマップの一例である。ただし、図3(B)に表されているのは、マップの一部分である。つまり、図3(B)に示されたマップは、あるエンジン回転数NEにおいて、機関負荷KLに応じて補正係数kdPmを取得するものとなっている。従って、エンジン回転数NEが異なれば、マップの他の部分が参照される。エンジン回転数NEと機関負荷KLをパラメータとした補正係数kdPmを用いることで、より正確に内燃機関100の稼働状態を反映させた失火限界点火時期補正量を算出することができる。
<第1点火時期補正量の算出>
失火限界点火時期補正量算出部51aは、図4に例示するマップに基づいて第1点火時期補正量を算出する。図4は、第1点火時期補正量を算出するためのマップの一例であり、横軸が実圧縮比変化量dinvvt、縦軸が第1点火時期補正量とされている。ここで、横軸に示されている実圧縮比変化量dinvvtは、図3(A)に示すマップによって取得された補正係数kdinvvtによって補正された後の値が示されている。なお、図4に表されているのは、マップの一部である。つまり、図4に表されたマップは、あるエンジン回転数NEにおいて、第2点火時期補正量を取得するものとなっている。従って、エンジン回転数NEが異なれば、マップの他の部分が参照される。このため、図4に示すマップでは、第1点火時期補正量は、遅角側への補正量として示されているが、必ずしも遅角側へ補正されるものではなく、第1点火時期補正量は、場合によっては、進角側に補正される場合もある。マップは、実機適合やシミュレーションによって、作成される。
図4には、バルブオーバーラップが大きい場合と、小さい場合が示されている。このように、第1点火時期補正量は、バルブオーバーラップによっても、その値が異なってくる。
図4には、比較のために、MBT点火時期に対する補正量も示されている。失火限界点火時期補正量を算出するための第1点火時期補正量を算出するために、実圧縮比変化量dinvvtが用いられている。MBT点火時期に対する補正量を算出する場合にも実圧縮比変化量dinvvtが用いられるが、実圧縮比変化量dinvvtのMBT点火時期に対する補正感度と、失火限界点火時期に関する補正感度は異なっている。このため、MBT点火時期に対する実圧縮比変化量dinvvtに基づく補正量と、失火限界点火時期に対する実圧縮比変化量dinvvtに基づく補正量は異なっている。
なお、図4に示すマップでは、MBT点火時期に対する補正量よりも失火限界点火時期に対する補正量の方がより進角側に補正するようになっているが、このマップは例示であり、必ずこのような大小関係になるものではない。
<第2点火時期補正量の算出>
失火限界点火時期補正量算出部51aは、図5に例示するマップに基づいて第2点火時期補正量を算出する。図5は、第2点火時期補正量を算出するためのマップの一例であり、横軸が吸気管圧力差dPm、縦軸が第2点火時期補正量とされている。ここで、横軸に示されている吸気管圧力差dPmは、図3(B)に示すマップによって取得された補正係数kdPmによって補正された後の値が示されている。なお、図5に表されているのは、マップの一部である。つまり、図5に表されたマップは、あるエンジン回転数NEにおいて、第2点火時期補正量を取得するものとなっている。従って、エンジン回転数NEが異なれば、マップの他の部分が参照される。このため、図5に示すマップでは、第2点火時期補正量は、進角側への補正量として示されているが、必ずしも進角側へ補正されるものではなく、第2点火時期補正量は、場合によっては、遅角側に補正される場合もある。マップは、実機適合やシミュレーションによって、作成される。
図5には、バルブオーバーラップが大きい場合と、小さい場合が示されている。このように、第2点火時期補正量は、バルブオーバーラップによっても、その値が異なってくる。
図5には、比較のために、MBT点火時期に対する補正量も示されている。失火限界点火時期補正量を算出するための第2点火時期補正量を算出するために、吸気管圧力差dPmが用いられている。MBT点火時期に対する補正量を算出する場合にも吸気管圧力差dPmを用いられるが、吸気管圧力差dPmのMBT点火時期に対する補正感度と、失火限界点火時期に関する補正感度は異なっている。このため、MBT点火時期に対する吸気管圧力差dPmに基づく補正量と、失火限界点火時期に対する吸気管圧力差dPmに基づく補正量は異なっている。
なお、図5に示すマップでは、MBT点火時期に対する補正量よりも失火限界点火時期に対する補正量の方がより進角側に補正するようになっているが、このマップは例示であり、必ずこのような大小関係になるものではない。
<合算処理>
ECU40は、失火限界点火時期補正量算出部51aによって算出された第1点火時期補正量と第2点火時期補正量を合算する。そして、ECU40は、合算された補正量によって基本失火限界点火時期を補正する。これにより、背圧に起因した筒内環境を反映した失火限界点火時期が設定される。
[点火時期制御]
次に、図6に示すタイムチャートを参照して、点火時期制御の一例を説明する。
図6を参照すると、制御点火時期は、ノック点火時期、MBT点火時期及び失火限界点火時期の3つの点火時期を組み合わせることで、必要なトルクを得つつ、ドライバビリティを向上させている。
時刻T1から時刻T4にかけて、アクセル開度が大きくなっており、これに応じて負荷率も上昇している。そして、時刻T1から時刻T5にかけてエンジントルクが上昇しており、この期間が加速時間帯となっている。このとき、ECU40は、ドライバビリティを向上させるために、時刻T1から点火時期の遅角を行う。ただし、時刻T2において失火限界点火時期に到達する。このため、時刻T2から時刻T3の間の制御点火時期間は、失火限界点火時期とされている。このときの失火限界点火時期は、補正後の失火限界点火時期とされている。
時刻T6では、アクセルが全閉とされており、時刻T7においてフェーエルカット(CT)が実行されている。時刻T6から時刻T7の機関が減速時間帯となっており、ECU40は、ドライバビリティを向上させるために、時刻T6から点火時期の遅角を行う。これにより、制御点火時期は、時刻T7において一瞬、失火限界点火時期となるが、これを超えて遅角されることはない。このときの失火限界点火時期も、補正後の失火限界点火時期とされている。その後の制御点火時期は、MBT点火時期に復帰している。
アクセル開度が定常状態となっている時刻T5からしばらくの間は、制御点火時期は、ノック点火時期とされている。これは、MBT点火時期を維持すると、ノックが生じる可能性があることから、ノックを回避するためにノック点火時期を制御点火時期とするものである。なお、ノックの発生は、例えば、以下の式(2)に示すようなLivengood-Wu積分に代表される式で表すことができ、MBT点火時期とは異なる概念とされている。
Figure 2024051959000002
・・・(式2)
なお、時間tiは、ノック発生時刻を示す。A,n,Bは、燃料に依存する定数、pは圧力、Tは温度である。
このようなノック点火時期も吸気管圧力差dPmや実圧縮比変化量dinvvtによって補正されるが、ノック点火時期に対する補正感度は、失火限界点火時期に対する補正感度とは異なっており、補正量としては、異なる値となる。
本実施形態の点火時期制御装置によれば、バルブ特性可変機構を備えた内燃機関において、失火限界点火時期を適切に補正することができる。
上記実施形態は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
14 ターボ過給機 16 過給圧センサ
23 吸気バルブ 24 排気バルブ
25 バルブ特性可変機構 25a 吸気VVT機構
25b 排気VVT機構 40 ECU
44 ベースバルブ特性設定部 45 現在バルブ特性取得部
46 現在吸気管圧力取得部 48 ベース吸気管圧力取得部
49 第1差分値算出部 50 第2差分値算出部
51 点火時期補正量算出部 51a 失火限界点火時期補正量算出部
61 ウエストゲートバルブ(WGV) 100 内燃機関

Claims (5)

  1. 吸気バルブと排気バルブのうちの少なくとも吸気バルブの開閉特性の変更を行うバルブ特性可変機構を備える内燃機関に適用され、前記内燃機関において失火しない遅角側の限界点火時期である失火限界点火時期を設定する点火時期制御装置であって、
    前記吸気バルブの開閉特性の変化に伴って変化する実圧縮比の変化量と、前記バルブ特性可変機構が前記吸気バルブ及び前記排気バルブの開閉特性が変更されるときの基準となる状態として前記内燃機関において設定されたベース状態であるときの前記内燃機関におけるベース吸気管圧力と、前記バルブ特性可変機構の現在の状態を含む前記内燃機関の現在の状態に応じて定まる現在吸気管圧力との差分値である吸気管圧力差と、を用いて、前記内燃機関において前記失火限界点火時期として予め設定された基本失火限界点火時期に対する失火限界点火時期の補正量を算出する失火限界点火時期補正量算出部を備える、
    内燃機関の点火時期制御装置。
  2. 前記内燃機関は、過給機及びウエストゲートバルブをさらに備え、
    前記失火限界点火時期補正量算出部は、前記バルブ特性可変機構の現在の状態と前記ウエストゲートバルブの現在の状態を含む前記内燃機関の現在の状態に応じて定まる前記現在吸気管圧力を用いて、前記吸気管圧力差を算出する、
    請求項1に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  3. 前記失火限界点火時期補正量算出部は、前記実圧縮比の変化量を用いて算出した第1点火時期補正量と、前記吸気管圧力差を用いて算出した第2点火時期補正量とを合算して前記失火限界点火時期の補正量を算出する、
    請求項1に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  4. 前記失火限界点火時期補正量算出部は、エンジントルクが最も高くなる点火時期であるMBT点火時期に対する補正量を算出するときに前記実圧縮比の変化量及び前記吸気管圧力差に設定された補正感度と異なる補正感度を前記実圧縮比の変化量及び前記吸気管圧力差に設定して前記失火限界点火時期の補正量を算出する、
    請求項1に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
  5. 前記失火限界点火時期補正量算出部は、機関負荷と前記内燃機関の回転数とに基づいて算出される補正係数によって補正された前記実圧縮比の変化量に基づいて前記第1点火時期補正量を算出するとともに、機関負荷と前記内燃機関の回転数とに基づいて算出される補正係数によって補正された前記吸気管圧力差に基づいて前記第2点火時期補正量を算出する、
    請求項2に記載の内燃機関の点火時期制御装置。
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