JP2022094005A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022094005A
JP2022094005A JP2020206775A JP2020206775A JP2022094005A JP 2022094005 A JP2022094005 A JP 2022094005A JP 2020206775 A JP2020206775 A JP 2020206775A JP 2020206775 A JP2020206775 A JP 2020206775A JP 2022094005 A JP2022094005 A JP 2022094005A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
internal combustion
combustion engine
egr
exhaust
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020206775A
Other languages
English (en)
Inventor
将典 戸谷
Masanori Totani
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2020206775A priority Critical patent/JP2022094005A/ja
Publication of JP2022094005A publication Critical patent/JP2022094005A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Supercharger (AREA)
  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

【課題】EGR弁の開度調整を行う際の失火やドラビリ悪化を抑制することを課題とする。【解決手段】内燃機関の制御装置は、排気通路に配置されたタービンの上流側に一端が接続され、吸気通路に他端が接続されたEGR通路を備えた内燃機関の制御装置であって、前記EGR通路の一端が接続された位置における排気圧の推定値を取得する推定値取得部と、前記EGR通路の開通状態を変更するEGR弁の開度を前記推定値取得部によって取得された前記推定値に基づいて指示する開度指示部と、前記内燃機関が前記推定値に誤差を生じさせる運転状態であるか否かを判定する誤差発生判定部と、前記誤差発生判定部が、前記内燃機関は前記推定値に誤差を生じさせる運転状態であると判定した場合に、前記開度指示部によって指示される前記EGR弁の開度にかかわらず、前記EGR弁を閉弁する閉弁制御部と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
ターボ過給機とEGR(Exhaust Gas Recirculation;排気ガス再循環)装置を備えた内燃機関が知られている。このような内燃機関において、ノックの発生を抑制することを目的として点火時期遅角が行われることがある。点火時期遅角が行われると、排気圧が上昇し、排気圧と過給圧との差圧が変化してEGRガス量が増加することがある。EGRガス量が過大に増加すると燃焼の悪化を招き、トルク変動を起こす。このような現象を抑制するため、EGR弁が開いている状態で点火時期遅角を行う場合に、予め、EGR弁を閉側に操作し、続いて、排気圧と過給圧との差に応じてEGR弁の開度を調整することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようにEGR弁の開度を調節するとき、排気圧の値が参照されるが、内燃機関によっては、排気圧センサを装備していない場合もある。
この場合、内燃機関が備える他のセンサ等から取得した各種パラメータに基づいて排気圧の推定値を取得し、これをEGR弁の開度の調節に用いる。従来、このような排気圧の推定値を取得する提案もされている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に開示された内燃機関の制御装置は、ターボ過給機を備えた内燃機関に適用することができ、排気圧、すなわち、ターボ過給機が備えるタービンの上流側の圧力の推定値を得ることができる。
特開2010-261420号公報 特開2018-119469号公報
上述のように、EGR弁の開度の制御に排気圧の推定値を用いることができる。そして、その推定値が適切であれば、EGRガス量の増加を抑制し、失火の発生、ドライバビリティ(以下、単に「ドラビリ」という)の悪化を回避することができる。しかしながら、排気圧の推定精度が低く、例えば、推定値が実際の排気圧よりも低かった場合には、EGR弁が開弁状態に維持されることがある。この結果、従来の提案では、EGRガス量が過多となり、失火、ドラビリの悪化を招く可能性がある。
そこで、本明細書開示の内燃機関の制御装置は、EGR弁の開度調整を行う際の失火やドラビリ悪化を抑制することを課題とする。
本明細書開示の内燃機関の制御装置は、排気通路に配置されたタービンの上流側に一端が接続され、吸気通路に他端が接続されたEGR通路を備えた内燃機関の制御装置であって、前記EGR通路の一端が接続された位置における排気圧の推定値を取得する推定値取得部と、前記EGR通路の開通状態を変更するEGR弁の開度を前記推定値取得部によって取得された前記推定値に基づいて指示する開度指示部と、前記内燃機関が前記推定値に誤差を生じさせる運転状態であるか否かを判定する誤差発生判定部と、前記誤差発生判定部が前記内燃機関は前記推定値に誤差を生じさせる運転状態であると判定した場合に、前記開度指示部によって指示される前記EGR弁の開度にかかわらず、前記EGR弁を閉弁する閉弁制御部と、を備える。
本明細書に開示された内燃機関の制御装置は、EGR弁の開度調整を行う際の失火やドラビリ悪化を抑制することができる。
図1は第1実施形態の内燃機関の制御装置を備えたエンジンシステムを示す模式図である。 図2は第1実施形態の内燃機関の運転状態の領域を例示する図である。 図3は第1実施形態のエンジンシステムが備えるECUが実行する制御を例示するフローチャートである。 図4は第2実施形態における制御を例示するフローチャートである。 図5は第3実施形態における制御を例示するフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。ただし、図面中、各部の寸法、比率等は、実際のものと完全に一致するようには図示されていない場合がある。また、図面によっては細部が省略されて描かれている場合もある。
(第1実施形態)
[エンジンシステムの構成]
まず、図1を参照して、実施形態のエンジンシステム100の概略構成について説明する。エンジンシステム100は、ガソリンを燃料とする内燃機関1と制御装置を有する。制御装置は、エアフロメータ13、インマニ圧センサ19、EGR弁31、ECU(Electronic Control Unit)40、アクチュエータ62、アクセルペダル開度センサ70、ギアポジションセンサ71等を含む。内燃機関1は、ターボ過給機14とEGR通路30を備えている。なお、内燃機関1は、ガソリンに替えて、エタノールや天然ガス等の従来公知のガソリン代替燃料を用いることができる。また、内燃機関は、ディーゼル機関であってもよい。
内燃機関1は、シリンダブロック内に複数のシリンダ2を備える(図1では1つのシリンダ2のみを図示)。各シリンダ2内には、ピストン3が摺動可能に収容されており、ピストン3は、シリンダブロックの上側に配置されたシリンダヘッドとの間に燃焼室2aを形成している。ピストン3は、コンロッド4を介してクランクシャフト5と接続されている。燃焼室2aには、筒内に燃料を噴射するインジェクタ6と点火プラグ7が設けられている。インジェクタ6から噴射された燃料は、燃焼室2a内で混合気とされ、点火プラグ7によって点火される。点火された混合気は燃焼して爆発し、ピストン3を押し下げる。押し下げられたピストン3は、その爆発力を、コンロッド4を介してクランクシャフト5に伝達し、クランクシャフト5を回転させる。なお、インジェクタ6は、燃焼室2a近傍の吸気管10に設けるようにしてもよい。
内燃機関1には、燃焼室2aに臨むように吸気ポート8と排気ポート9が設けられており、吸気ポート8には、吸気通路を形成する吸気管10が接続され、排気ポート9には排気通路を形成する排気管11が接続されている。
吸気管10には、吸気の流れの上流側から順にエアクリーナ12、エアフロメータ13、ターボ過給機14のコンプレッサ14a、インタークーラ15、過給圧センサ16、スロットル弁17及び吸気マニホールド18が設けられている。スロットル弁17には、スロットル開度センサ17aが設けられている。エアフロメータ13は、吸気管10内を流れる空気の量を検出する。過給圧センサ16は、燃焼室2a内に送り込まれる空気の圧力(吸気圧)を検出する。吸気圧は、燃焼室2a内に送り込まれる空気の量を正確に算出したり、燃料噴射量を算出したりするために用いられる。スロットル弁17は、燃焼室2a内へ送り込まれる空気の量を調整する。スロットル開度センサ17aはスロットル弁17の開度を検出する。吸気管10には、コンプレッサ14aをバイパスする吸気バイパス通路50が設けられている。吸気バイパス通路50には、吸気バイパス通路50の開閉を行うエアバイパスバルブ(以下、「ABV」という)51が設けられている。ABV51は、過給圧が高すぎる場合に開弁し、吸気を逃がす。
吸気管10は、吸気マニホールド18で分岐され、各気筒の吸気ポート8に接続されている。吸気マニホールド18には、インマニ圧センサ19が設けられている。インマニ圧センサ19は、吸気マニホールド18内の圧力、すなわち、燃焼室2a内の直前の吸気の圧力(インマニ圧Pim)を検出する。
排気管11には、排気の流れの上流側から順に排気マニホールド20、ターボ過給機14のタービン14b、触媒21が設けられている。タービン14bは、コンプレッサ14aと回転軸によって接続されており、排気ポート9を通じて燃焼室2aから排出されたガスによって回転する。タービン14bが回転することでコンプレッサ14aが回転し、吸気を過給する。触媒21は、排気を浄化する。排気管11には、タービン14bをバイパスする排気バイパス通路60が設けられている。排気バイパス通路60には、排気バイパス通路60の開閉を行うウエストゲートバルブ(以下、「WGV」という)61が設けられている。WGV61は負圧を発生させるバキュームポンプ63と接続されたアクチュエータ62によって開閉駆動される。WGV61は、ターボ過給機14による過給圧を調節する。具体的に、WGV61は、過給が求められるときに閉弁して排気バイパス通路60を閉じ、排気をタービン14bへ導く。
内燃機関1は、吸気ポート8を開閉する吸気弁23と、排気ポート9を開閉する排気弁24を備えている。吸気弁23及び排気弁24は、クランクシャフト5と駆動連結された図示しない吸気カムシャフト及び排気カムシャフトの回転に伴って開閉動作する。これにより、吸気弁23及び排気弁24は、クランクシャフト5の回転に同期し、各ピストン3の往復移動に対応して所定のタイミングで開閉駆動される。内燃機関1は、吸気弁23の開閉時期であるバルブタイミングを可変設定する可変動弁機構である吸気VVT機構25と、排気弁24の開閉時期であるバルブタイミングを可変設定する可変動弁機構である排気VVT機構26を備える。
内燃機関1は、EGR(Exhaust Gas Recirculation)通路30を備える。EGR通路30の一端は、排気マニホールド20、すなわち、排気通路を形成する排気管11に配置されたタービン14bの上流側に接続されている。また、EGR通路30の他端は、吸気通路の一部である吸気マニホールド18に接続されている。EGR通路30には、排気マニホールド20に近い側にEGR弁31が設けられている。EGR弁31は、EGR通路30に流入するEGRガス量を調節する。つまり、EGR通路30は、EGR弁31によって開通状態と閉鎖状態とが切り替えられる。EGR弁31には、そのリフト量を検出するリフトセンサ31aが設けられており、リフトセンサ31aの検出値に基づいて、EGR弁31の開閉状態、ひいては、EGR通路30が開通しているか否かを判定することができる。EGR通路30には、EGR弁31よりも吸気マニホールド18に近い側にEGRクーラ32が配設されている。EGRクーラ32は、EGR通路30を通過するEGRガスを冷却する。
ECU40は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び記憶装置等を備える。ECU40は、ROMや記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより内燃機関1を制御する。ECU40は、エアフロメータ13、過給圧センサ16、スロットル開度センサ17a、インマニ圧センサ19及びリフトセンサ31aと電気的に接続され、これらのセンサ類から信号を受信する。また、ECU40は、スロットル弁17、吸気VVT機構25、排気VVT機構26、EGR弁31及びアクチュエータ62と電気的に接続され、これらに対して信号を送信し、これらの動作を制御する。ECU40には、これら以外にもエンジンシステム100を制御するための各種センサ類が電気的に接続されている。例えば、ECU40は、アクセルペダル開度センサ70やギアポジションセンサ71と電気的に接続されており、これらから信号を受信する。ECU40は、これらの各種センサ類によって取得された信号に基づき、EGR弁31の制御をはじめ、エンジンシステム100に含まれる各部の制御を行うが、ここではEGR弁31に関する制御についてのみ説明する。
ECU40は、推定値取得部、開度指示部、誤差発生判定部及び閉弁制御部として機能する。推定値取得部として機能するECU40は、EGR通路30の一端が接続された位置における排気圧、具体的に、排気マニホールド20内の圧力であり、排気ポート9からタービン14bの前側までの領域の圧力(タービン前側排気圧P4)の推定値を取得する。開度指示部として機能するECU40は、EGR通路30の開通状態を変更するEGR弁31の開度を推定値取得部によって取得された推定値に基づいて指示する。誤差発生判定部として機能するECU40は、内燃機関1が、推定値に誤差を生じさせる運転状態であるか否かを判定する。閉弁制御部として機能するECU40は、誤差発生判定部が、実排気圧に対する推定値の誤差が許容範囲を超えると判定した場合に、開度指示部によって指示されるEGR弁31の開度にかかわらず、EGR弁を閉弁する。
[EGR弁の通常制御]
つぎに、エンジンシステム100において行われるEGR弁31の通常制御について説明する。ECU40は、タービン前側排気圧P4とインマニ圧Pimとの差圧に基づいてEGR弁31の開閉制御を行う。ここで、本実施形態の内燃機関1は、タービン前側排気圧P4を計測するためのエキマニ圧センサを備えていない。これは、高温の排気ガスが流れる環境下において、圧力センサが高い応答性を維持することが困難であることを考慮したものである。このため、本実施形態では、推定値取得部としてのECU40によって、タービン前側排気圧P4の推定値を取得する。本実施形態において推定値としてのタービン前側排気圧P4は、以下の式(1)に基づいて算出する。なお、式(1)は、ベルヌーイの定理に基づいて構築されており、本願出願人を出願人とする特開2018-119469号公報(特許文献1)に詳細に開示されているため、ここでは、その概要についてのみ説明する。
式(1)
Figure 2022094005000002
Gcyl :筒内ガス量[g/s] Pim:インマニ圧力[Pa]
Gf :燃料噴射量[g/s] P6 :触媒前圧力[Pa]
T4 :ガス温度[K] R :気体定数
a~d :係数
μAegr:EGR弁有効開口面積[mm]
μAtb :ターボ有効開口面積[mm]
筒内ガス量Gcylは、エアフロメータ13によって計測された新気量とEGRガス量Gegrの和として算出される。ここで、EGRガス量Gegrは、前回の算出タイミングで推定されたタービン前側排気圧P4とインマニ圧センサ19によって計測されたインマニ圧力Pimの差圧に基づいて算出される。なお、筒内ガス量Gcylは、吸気マニホールド18に温度センサを設置しておき、この温度センサによって検出されたインマニ温度Timとインマニ圧力Pimに基づいて算出するようにしてもよい。
インマニ圧力Pimは、インマニ圧センサ19によって計測される。燃料噴射量Gfは、エアフロメータ13で検出した新気量をもとに算出される。燃料噴射量Gfは、インジェクタ6の駆動時間から算出するようにしてもよい。
触媒前圧力P6は、排気管11におけるタービン14bの下流側の圧力、より詳しくは、タービン14bと触媒21との間の領域の圧力である。触媒前圧力P6は、予めエアフロメータ13によって検出した空気量と、触媒前圧力P6との関係をマップ化しておき、このマップに基づいて取得される。なお、該当領域に圧力センサを装着し、この圧力センサによって触媒前圧力P6を取得するようにしてもよい。
ガス温度T4は、タービン14bの上流側、すなわち、タービン前側排気圧P4が作用する領域のガス温度である。ガス温度T4は、エンジン回転数×噴射量(エンジン負荷)のマップからベースのガス温度を算出し,点火遅角量により温度補正することによって算出される。ガス温度T4は、排気マニホールド20に温度センサを装着し、この温度センサによってガス温度T4を取得するようにしてもよい。
式(1)における係数aと係数bは、ノズルの圧力比特性を直線近似した場合の傾きと切片である。係数a、bの値は、インマニ圧力Pimとタービン前側排気圧P4の前回値との圧力比の区分毎に定められている。この圧力比の計算では、インマニ圧力Pimには今回値(今回の計算タイミングで計算された値)が用いられるが、タービン前側排気圧P4には前回値(前回の計算タイミングで計算された値)が用いられる。式1における係数cと係数dも、ノズルの圧力比特性を直線近似した場合の傾きと切片である。係数c、dの値は、触媒前圧力P6とタービン前側排気圧P4の前回値との圧力比の区分毎に定められている。この圧力比の計算では、触媒前圧力P6には今回値が用いられるが、タービン前側排気圧P4には前回値が用いられる。係数a、b及び係数c、dを決定する方法については、特開2016-065484号公報に記載されている方法を用いることができる。
EGR弁有効開口面積μAegrは、EGR弁31を含むEGR装置の全体を一つのノズルに見立てた場合の有効開口面積と定義することができ、以下の式(2)に基づいて算出することができる。
式(2)
Figure 2022094005000003
ここで、
Figure 2022094005000004
κ:比熱比
である。
なお、EGR弁有効開口面積μAegrは、EGR弁31を通過するガスの流量、すなわち、EGRガス量GegrとEGR弁31の開度とをパラメータとする二次元マップを準備しておき、この二次元マップに基づいて取得してもよい。
ターボ有効開口面積μAtbは、過給システムの全体を一つのノズルに見立てた場合の有効開口面積と定義することができ、内燃機関1の運転状態に対応させて予め準備したマップによって取得することができる。内燃機関1の運転状態は、図2に示すように、エンジン回転数×噴射量(エンジン負荷)に応じて領域1と領域2が設定されており、これらの領域毎にWGV61の開度が調整され、過給圧がコントロールされている。実際の内燃機関1では、その運転状態の領域をさらに細かく分割し、領域毎にWGV61の開度が調整されるが、ここでは、説明を分かりやすくするために、領域1と領域2の二つの領域が設定されているものとして説明する。また、実際には、領域毎にABV51の開度も調節されるが、ここでは、説明を簡単にするため、ABV51の開度については、考慮しないものとする。
領域1では、WGV61は、全閉状態とされ、排気ガスがタービン14b側を通過し、タービン14bが駆動される。一方、領域2では、WGV61は、中間開度に設定され、排気ガスの一部が排気バイパス通路60側へ流され、タービン14b側へ流れる排気ガスの量が制御されている。
ECU40は、ターボ有効開口面積μAtbを算出するためのマップとして、内燃機関1の運転状態が領域1のときに用いられる第一マップと、内燃機関1の運転状態が領域2のときに用いられる第二マップの2種類のマップを備えている。内燃機関1の運転状態が領域1のとき、ECU40は、第一マップを用い、WGV61の開度(0%)とターボ通過流量に基づいてターボ有効開口面積μAtbを算出する。一方、内燃機関1の運転状態が領域2のとき、ECU40は、第二マップを用い、WGV61の開度とターボ通過流量とに基づいてターボ有効開口面積μAtbを算出する。
ここで、WGV61の開度について、説明する。本実施形態におけるWGV61は、バキュームポンプ63を駆動源とする負圧式の弁であり、その開度を検出するための開度センサを備えていない。このため、ECU40がWGV61を駆動するために指示する印加圧力に基づいてWGV61の開度の値を得て、これを第一マップや第二マップに当て嵌める。しかしながら、負圧式のWGV61では、その構造上、指示された印加圧力の値と、WGV61の開度とが、正確に1対1の関係にならないことがある。この結果、ターボ有効開口面積μAtbの値にバラツキが生じ、ひいては、推定値であるタービン前側排気圧P4の精度が低下することがある。
推定精度の低いタービン前側排気圧P4の推定値を用いてEGR弁31の開閉制御が行われると、EGRガス量が過多となり、失火、ドラビリの悪化を招く可能性がある。推定値の精度の向上を図るために、マップを用いて取得したタービン前側排気圧P4の推定値に実際にタービン前側排気圧P4が変化するまでの無反応時間(輸送遅れ)を考慮して、時定数をかけることも考えられる。しかしながら、WGV61の正確な開度がわからない状態では、その精度の向上には、一定の限界がある。また、例えば、WGV61の開度を計測するセンサを装備したとしても、タービン前側排気圧P4の推定は、ガス温度T4や触媒前圧力P6の推定に伴う誤差や、マップ作成時に生じる誤差等の影響を受けると考えられる。これらの誤差もタービン前側排気圧P4の正確な推定値の取得を困難なものとしている。
そこで、本実施形態では、内燃機関の運転状態に基づいて、実排気圧に対する推定値の誤差が許容範囲内であるか否かを判定する。そして、その誤差が許容範囲を超えると判定した場合に、通常制御において指示されるEGR弁31の開度にかかわらず、EGR弁31を閉弁するEGR弁31の開弁禁止制御を優先させる。
[EGR弁の開弁禁止制御]
内燃機関1において、実排気圧に対する推定の誤差が生じる原因は、WGV61が作動し、その開度を正確に把握することができないことである。そこで、本実施形態では、内燃機関1の運転状態がWGV61を作動させる状態となっていると判定された場合に、推定値に誤差が生じると判定する。そして、推定値に誤差が生じると判定した場合に、EGR弁31の開弁を禁止し、EGR弁31を閉弁状態とする。
以下、図3を参照して、EGR弁31の開弁禁止制御の一例について説明する。まず、ECU40は、ステップS1において目標過給圧を取得する。また、ステップS2において、ECU40は、実過給圧を取得する。ステップS1とステップS2は、これらの工程に引き続いて行われるステップS3が実行されるまでに目標過給圧と実過給圧の双方が取得されているように実行されればよい。ただし、制御の精度を向上させるために、ステップS1とステップS2は、できるだけ同じタイミングで実行されるのが望ましい。
ステップS1における目標過給圧の取得は、以下の要領で行われる。ECU40は、まず、アクセルペダル開度センサ70からアクセルペダルの開度に関する情報を取得し、さらに、ギアポジションセンサ71からギアのポジションに関する情報や、その他、内燃機関1の運転状態を判定するための情報を取得する。そして、ECU40は、これらの情報に基づいて目標トルクを算出し、目標トルクを実現するための吸気VVT機構25の目標値、排気VVT機構26の目標値、目標エンジン負荷率を算出する。そして、ECU40は、これらに応じた目標過給圧の値を算出する。
一方、ステップS2における実過給圧は過給圧センサ16の計測値として取得される。
ステップS3では、ECU40は、目標過給圧-実過給圧≧αが成立するか否かを判定する。ここで、αは、実過給圧が目標過給圧よりも低く、過給をするためにタービン14bを回転させ、コンプレッサ14aを駆動するか否かを判定するための値であり、通常α=0に設定される。ただし、実験結果や実機への適合等を考慮して、αを0以外の値に設定してもよい。
このように、目標過給圧-実過給圧≧αが成立するか否かを判定することで、WGV61の作動が求められている状態であるか否かを判定することができる。上述のように、WGV61が作動する際に、タービン前側排気圧P4の推定値と実排気圧との誤差が生じる可能性がある。そこで、本実施形態では、目標過給圧-実過給圧≧αが成立する場合に、推定値の誤差が許容範囲を超えると判定する。
ECU40は、ステップS3において、肯定判定(Yes判定)をした場合、ステップS4において、EGR弁31を閉弁する。つまり、ECU40は、EGR弁31の開弁禁止制御を実行する。そして、ECU40は、引き続いて行うステップS5において、所定時間待機した後、ステップS1からの工程を繰り返す。また、ECU40は、ステップS3において、否定判定(No判定)をした場合には、ステップS4を経ることなく、ステップS5へ進む。ステップS5において、所定時間待機するのは、タービン前側排気圧P4の変動が収まるのを待つためである。ステップS5における所定時間は、実機に適合するように適宜設定することができる。
これにより、仮に、タービン前側排気圧P4の推定値の精度が悪く、推定値と実排気圧との誤差が大きい場合であっても、EGRガス量が過多となることが回避される。この結果、ノックの発生、ドラビリ悪化が抑制される。
(第2実施形)
つぎに、図4を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、目標過給圧と実過給圧とを比較した。これに対し、第2実施形態では、ΔWGV印加圧力に基づいて推定値と実排気圧とに誤差が生じるか否かを判定する。ここで、ΔWGV印加圧力は、目標過給圧から算出されるWGV印加圧力の指示値の偏差である。
まず、ステップS11においてΔWGV印加圧力を取得する。ECU40は、ΔWGV印加圧力を取得するために、図3に示したフローチャートにおけるステップS1と同様に目標過給圧を算出し、この目標過給圧に基づいてWGV印加圧力の指示値を算出する。WGV印加圧力は、エンジン回転数、目標流量及びWGV印加圧力の不図示の3次元マップから算出される。そして、その偏差であるΔWGV印加圧力を算出する。WGV印加圧力は、所定の周期で算出されており、ΔWGV印加圧力は、前回算出されたWGV印加圧力(前回WGV印加圧力)から今回算出されたWGV印加圧力(今回WGV印加圧力)を差し引いた値として算出される。すなわちΔWGV印加圧力は、ΔWGV印加圧力=前回WGV印加圧力-今回WGV印加圧力によって算出される。
ECU40は、ステップS11に引き続いて行うステップS12において、ΔWGV印加圧力>βが成立するか否かを判定する。ここで、βは、WGV印加圧力がWGV61に作用しているか否かを判定するための値であり、おおよそβ=0に設定される。ただし、実験結果や実機への適合等を考慮して、βを0以外の値に設定してもよい。
このように、ΔWGV印加圧力>βが成立するか否かを判定することで、WGV61の作動が求められているか否かを判定することができる。上述のように、WGV61が作動する際に、タービン前側排気圧P4の推定値と実排気圧との誤差が生じる可能性がある。そこで、第2実施形態では、ΔWGV印加圧力>βが成立する場合に、推定値の誤差が許容範囲を超えると判定する。
ステップS12に引き続いて行われるステップS4及びステップS5については、図3に示した第1実施形態のフローチャートの場合と共通するため、ここでは、その説明を省略する。
このような第2実施形態であっても、EGRガス量が過多となることを回避し、ノックの発生、ドラビリ悪化を抑制することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態は、図3で示した第1実施形態のフローチャートと図4で示した第2実施形態のフローチャートを組み合わせた形態である。第3実施形態では、ステップS1、ステップS2と並んでステップS11を行った後、ステップS3及びステップS12を行う。そして、これらの工程の後に、ステップS4及びステップS5を行う。各ステップは、それぞれの形態において既に説明しているので、ここでは、その説明を省略する。
第3実施形態では、ECU40は、ステップS3においてWGV61の閉弁要求がされたか否かを判定し、ステップS12においてタービン前側排気圧P4の推定値の誤差がより大きくなる運転状態であるか否かを判定する。これにより、より適切に、EGRガス量が過多となることを回避し、ノックの発生、ドラビリ悪化を抑制することができる。
(他の実施形態)
なお、本実施形態では、WGV61に開度センサが装着されておらず、この結果、タービン前側排気圧P4の推定値に誤差が生じる可能性が高まっていると考えられる。しかしながら、仮に、WGV61に開度センサを装備した場合であっても、負圧を駆動源とするWGV61の開度は安定し難いことから、タービン前側排気圧P4の推定値に誤差が生じる可能性がある。そのため、WGV61に開度センサが装着されている場合であっても、EGR弁31の開弁禁止制御を実行することで、EGRガス量が過多となることを回避し、ノックの発生、ドラビリ悪化を抑制することができる。WGV61に開度センサが装着されている場合には、例えば、WGV61の開度であるΔWGV開度>γが満たされているか否かを判定することで、誤差が生じているか否かの判定とすることができる。ここで、γは、WGV61が実際に作動したか否かを判定するための値であり、基本的にγ=0に設定される。ただし、実験結果や実機への適合等を考慮して、γを0以外の値に設定してもよい。γに関する判定と併せて、図3に示すフローチャートに沿った判定を行うことで、より適切に、EGRガス量が過多となることを回避し、ノックの発生、ドラビリ悪化を抑制することができる。
上記実施形態は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
1 内燃機関 8 吸気ポート
9 排気ポート 10 吸気管
11 排気管 14 ターボ過給機
14a コンプレッサ 14b タービン
18 吸気マニホールド 19 インマニ圧センサ
20 排気マニホールド 21 触媒
23 吸気弁 24 排気弁
25 吸気VVT機構 26 排気VVT機構
30 EGR通路 31 EGR弁
31a リフトセンサ 40 ECU
60 排気バイパス通路 61 ウエストゲートバルブ(WGV)
62 アクチュエータ 63 バキュームポンプ
70 アクセルペダル開度センサ 71 ギアポジションセンサ
100 エンジンシステム

Claims (1)

  1. 排気通路に配置されたタービンの上流側に一端が接続され、吸気通路に他端が接続されたEGR通路を備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記EGR通路の一端が接続された位置における排気圧の推定値を取得する推定値取得部と、
    前記EGR通路の開通状態を変更するEGR弁の開度を前記推定値取得部によって取得された前記推定値に基づいて指示する開度指示部と、
    前記内燃機関が前記推定値に誤差を生じさせる運転状態であるか否かを判定する誤差発生判定部と、
    前記誤発生判定部が前記内燃機関は前記推定値に誤差を生じさせる運転状態であると判定した場合に、前記開度指示部によって指示される前記EGR弁の開度にかかわらず、前記EGR弁を閉弁する閉弁制御部と、
    を備えた内燃機関の制御装置。
JP2020206775A 2020-12-14 2020-12-14 内燃機関の制御装置 Pending JP2022094005A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020206775A JP2022094005A (ja) 2020-12-14 2020-12-14 内燃機関の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020206775A JP2022094005A (ja) 2020-12-14 2020-12-14 内燃機関の制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022094005A true JP2022094005A (ja) 2022-06-24

Family

ID=82091487

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020206775A Pending JP2022094005A (ja) 2020-12-14 2020-12-14 内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022094005A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10400697B2 (en) Control apparatus of engine
JP5348242B2 (ja) 内燃機関の制御システム
WO2008102905A1 (ja) 内燃機関の制御装置
KR102261363B1 (ko) 저압 egr 시스템의 제어 장치 및 제어 방법
JP2005307847A (ja) 内燃機関の空気量算出装置
US11333092B2 (en) Control device and control method for internal combustion engine
US20100305829A1 (en) Ethanol content determination systems and methods
US20110180045A1 (en) Ignition timing control apparatus and method for internal combustion engine
CN109973279A (zh) 内燃机的控制装置
US10012164B2 (en) Control apparatus of engine
US10294875B2 (en) Control device for adjusting first and second fuel ratios
EP3707362B1 (en) Engine control systems and methods for regulating emissions during scavenging
JP6456256B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5925641B2 (ja) 内燃機関の吸気制御装置
CN115839273A (zh) 用于控制氢内燃机的方法
JP2022094005A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4778879B2 (ja) 内燃機関の過給圧制御装置
US10563595B2 (en) Control device of internal combustion engine
US10844826B2 (en) Internal combustion engine control device
JP6283959B2 (ja) エンジンの制御装置
JP6941652B2 (ja) 過給圧設定装置
JP7263905B2 (ja) エンジンの制御装置
JP2024051959A (ja) 内燃機関の点火時期制御装置
JP2022075258A (ja) 内燃機関の制御装置
JP6456272B2 (ja) 内燃機関の制御装置