JPWO2012131829A1 - 熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いた成形品 - Google Patents
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Abstract
熱可塑性樹脂100重量部に対し、カーボンブラック0.1〜20重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物であり、熱可塑性樹脂組成物中にカーボンブラックが最大粒子径50μm以下で分散していることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
Description
本発明は、熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いた成形品に関するものである。さらに詳しくは、黒色を要求される用途において好ましく用いられる、カーボンブラックを含む熱可塑性樹脂組成物およびそれを用いた薄肉成形品に関するものである。
近年、プラスチックの高性能化に対する要求がますます高まり、種々の新規性能を有するポリマーが数多く開発され、市場に供されており、特に熱可塑性樹脂は射出成形に代表される容易な加工性から広範に使用されている。その中で製品を黒着色するためにカーボンブラックを添加することは一般的に行われており、自動車、電気・電子、精密機械、事務機など各種部品に広範な用途に使用されている。
しかしながら、一般的なカーボンブラックを使用した場合、カーボンブラック特有の凝集体が発生し易くなり、カーボンブラック凝集体が原因の強度低下、絶縁不良などの問題がある。
しかしながら、一般的なカーボンブラックを使用した場合、カーボンブラック特有の凝集体が発生し易くなり、カーボンブラック凝集体が原因の強度低下、絶縁不良などの問題がある。
黒着色された熱可塑性樹脂組成物として、以下のような樹脂組成物が開示されている。例えば、ポリアミド樹脂に対して、(i)エチレンビスステアリン酸アミド、および、(ii)粒子径が8〜120μmのカーボンブラックを含有せしめてなるポリアミド着色成形用組成物(例えば特許文献1参照)が開示されている。また、ポリフェニレンスルフィド樹脂に対し、pH8以上のカーボンブラックを添加してなるポリフェニレンスルフィド樹脂(例えば特許文献2参照)が開示されている。しかしながら、これらの樹脂組成物は、カーボンブラックの分散が不十分であり、近年の薄肉化した成形品では絶縁不良を誘発してしまう。
一方、熱可塑性樹脂の中でも分子鎖の平行な配列を特徴とする光学異方性を示す液晶性樹脂は、優れた流動性、耐熱性、低ガス性および機械的性質を有する点で注目されている。
液晶性樹脂は、前述の特徴を生かして、薄肉部あるいは複雑な形状の電気・電子部品に好適な材料として、例えば、コネクタ、カメラモジュール、リレー、スイッチ、コイルボビンなどに使用されている。しかしながら、近年の軽薄短小化の流れの中で、製品形状はますます薄肉化の要望が強く、前述の電気・電子部品に対しても、樹脂組成物としては更なる機械的強度、流動性の向上が求められている。一方で、射出成形工程でのランダムショートなどの不良率削減や、組み立て工程での成形表面からの樹脂組成物粉末の脱落防止など、生産時における品質面への要求も年々厳しくなっている。例えば、コネクタについては、金属端子間の成形品肉厚はますます薄肉化が進行していると同時に、数種類の部品を組み立てる場合の部品の見分けを簡素化するためや、部品自体の外観検査のための画像解析のし易さから、黒着色された液晶性樹脂が求められている。また、カメラモジュールなどの光学部品については、良流動性、遮光性の点から黒着色された液晶性樹脂を要望されると同時に、画像不良の要因となる成形品表面からの樹脂組成物粉末の脱落防止を厳しく求められている。
黒着色された液晶性樹脂組成物として、さらに、以下のような樹脂組成物が開示されている。例えば、液晶性ポリエステル100重量部に対して、pHが3.5〜10のカーボンブラックを含有せしめてなる液晶性樹脂組成物(例えば特許文献3参照)が開示されている。また、熱可塑性樹脂100重量部に対して、ジブチルフタレート(以下、DBPという)吸着量が150ml/100g以下のカーボンブラック0.01〜10重量部を含有せしめてなる熱可塑性樹脂組成物(例えば、特許文献4参照)が開示されている。また、液晶性ポリエステル100重量部に対して、(i)平均粒子径が5〜20nmであり、かつDBP吸収量が60〜200cm3/100gであるカーボンブラック0.1〜10重量部と、(ii)繊維状および/または板状の無機充填材0〜180重量部とを配合してなる液晶性ポリエステル樹脂組成物(例えば、特許文献5参照)が開示されている。しかしながら、これらの樹脂組成物は、カーボンブラックの凝集体生成を誘発し、コネクタなどの成形品に用いる場合、薄肉化した金属端子間でカーボンブラックの凝集体による絶縁不良が発生する課題がある。絶縁不良は製品組み立て後に判明する問題であることから、絶縁不良が発生した場合は製品全体への影響が大きく、改善を求められていた。
そこで、絶縁性、耐熱性、機械的特性に優れた液晶性樹脂組成物として、以下のような液晶性樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献6参照)。この液晶性樹脂組成物は、(i)液晶性樹脂を100重量部、(ii)一次粒子径10〜50nmのカーボンブラックを1〜10重量部、および(iii)メディアン径1〜20μmのタルクを0.1〜10重量部を配合してなる液晶性樹脂組成物である。この液晶性樹脂中には、カーボンブラックが平均粒子径50μm以下で分散している。
しかしながら、上記方法を用いてもなお、最大粒子径で50μmを越えるカーボンブラックが存在しており、近年のより薄肉化した金属端子間で絶縁性を維持することは困難であった。また、カーボン凝集体の生成は成形品の薄肉部で樹脂流動時の抵抗となったり、詰まりを引き起こす要因となりやすく、射出成形時のランダムショートなどの不良が発生しやすくなる。さらに、カーボンブラックの凝集体が原因で成形品表面が粗くなり、組み立て工程などにおいて成形品表面から樹脂組成物粉末が脱落する場合があった。本発明は、かかる従来技術における課題の解決を目的として検討した結果達成されたものである。すなわち、本発明の目的は、薄肉流動安定性に優れ、黒色を要求される薄肉部を有する用途においても絶縁性に優れた成形品を得ることができ、かつ、成形品表面からの樹脂組成物粉末の脱落抑制が可能な熱可塑性樹脂組成物を提供することである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、本発明の実施形態は、以下に挙げる構成の少なくとも一部を含み得る。
(1)熱可塑性樹脂100重量部に対し、カーボンブラック0.1〜20重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物である。この熱可塑性樹脂組成物中には、カーボンブラックが最大粒子径50μm以下で分散している。
(2)上記(1)記載の熱可塑性樹脂組成物である。このような熱可塑性樹脂組成物において、前記カーボンブラックの一次粒子径は70〜200nmである。このような熱可塑性樹脂組成物において、カーボンブラックの(a1)DBP吸収量(ml/100g)と(a2)一次粒子径(nm)の比(a1/a2)は、0.5〜1.5(ml/100g・nm)である。
ただし、上記(1)記載の熱可塑性樹脂組成物において、上記一次粒子径は、70nm未満であっても良い。また、上記一次粒子径は、200nmを超えることとしても良い。
上記(1)記載の熱可塑性樹脂組成物において、上記比(a1/a2)は、0.5(ml/100g・nm)未満であっても良い。また、上記比(a1/a2)は、1.5(ml/100g・nm)を超えることとしても良い。
上記(1)記載の熱可塑性樹脂組成物において、上記比(a1/a2)は、0.5(ml/100g・nm)未満であっても良い。また、上記比(a1/a2)は、1.5(ml/100g・nm)を超えることとしても良い。
(3)上記(1)または(2)記載の熱可塑性樹脂組成物である。このような熱可塑性樹脂組成物において、前記カーボンブラックのBET式低温窒素吸着法による比表面積が10〜40(m2/g)である。
ただし、上記(1)または(2)記載の熱可塑性樹脂組成物において、上記比表面積は、10(m2/g)未満であっても良い。また、上記(1)または(2)記載の熱可塑性樹脂組成物において、上記比表面積は、40(m2/g)を超えることとしても良い。
(4)前記熱可塑性樹脂が異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
ただし、(1)〜(3)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物は、異方性溶融相を形成しない液晶性ポリエステル樹脂であっても良い。
(5)前記液晶性ポリエステル樹脂が下記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)から構成される上記(4)に記載の熱可塑性樹脂組成物である。このような熱可塑性樹脂組成物では、構造単位(I)が、構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対し65〜80モル%である。構造単位(II)が、構造単位(II)および(III)の合計に対して55〜85モル%である。構造単位(IV)が、構造単位(IV)および(V)の合計に対して50〜95モル%である。
ただし、上記(4)に記載の熱可塑性樹脂組成物において、構造単位(I)は、構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対し65モル%未満であっても良い。また、構造単位(I)は、構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対し80モル%を超えることとしても良い。
上記(4)に記載の熱可塑性樹脂組成物において、構造単位(II)は、構造単位(II)および(III)の合計に対して55モル%未満であっても良い。また、構造単位(II)は、構造単位(II)および(III)の合計に対して85モル%を超えることとしても良い。
上記(4)に記載の熱可塑性樹脂組成物において、構造単位(IV)は、構造単位(IV)および(V)の合計に対して50モル%未満であっても良い。また、構造単位(IV)は、構造単位(IV)および(V)の合計に対して95モル%を超えることとしても良い。
また、上記(4)に記載の熱可塑性樹脂組成物を構成する液晶性ポリエステル樹脂は、上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)の少なくとも一部を含まなくてもよい。
上記(4)に記載の熱可塑性樹脂組成物において、構造単位(II)は、構造単位(II)および(III)の合計に対して55モル%未満であっても良い。また、構造単位(II)は、構造単位(II)および(III)の合計に対して85モル%を超えることとしても良い。
上記(4)に記載の熱可塑性樹脂組成物において、構造単位(IV)は、構造単位(IV)および(V)の合計に対して50モル%未満であっても良い。また、構造単位(IV)は、構造単位(IV)および(V)の合計に対して95モル%を超えることとしても良い。
また、上記(4)に記載の熱可塑性樹脂組成物を構成する液晶性ポリエステル樹脂は、上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)の少なくとも一部を含まなくてもよい。
(6)前記熱可塑性樹脂および前記カーボンブラックの合計100重量部に対し、さらに無機充填材を1〜200重量部配合してなる(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
ただし、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物において、上記無機充填材の配合量は、1重量部未満であっても良い。また、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物において、上記無機充填材の配合量は、200重量部を超えることとしても良い。
(7)少なくとも熱可塑性樹脂およびカーボンブラックを二軸押出機に供給して溶融混練して、(1)〜(6)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法である。このような熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、二軸押出機の原料投入位置(L0)から吐出位置までの全長(L)に対し、熱可塑性樹脂およびカーボンブラックの投入位置(L0)から3L/10までの間の滞留時間(初期滞留時間)を、二軸押出機全長の滞留時間(全滞留時間)の15%以下としている。また、このような熱可塑性樹脂組成物の製造方法では、3L/10から吐出位置までの間における最大せん断速度を1000〜10000(sec-1)として溶融混練する。
ただし、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法において、上記初期滞留時間は、全滞留時間の15%を超えることとしても良い。
上記(1)〜(6)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法において、上記3L/10から吐出位置までの間における最大せん断速度は、1000(sec-1)未満であっても良い。また、上記3L/10から吐出位置までの間における最大せん断速度は、10000(sec-1)を超えることとしても良い。
また、(1)〜(6)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法として、少なくとも熱可塑性樹脂およびカーボンブラックを二軸押出機に供給して溶融混練する方法とは異なる方向を採用しても良い。
上記(1)〜(6)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法において、上記3L/10から吐出位置までの間における最大せん断速度は、1000(sec-1)未満であっても良い。また、上記3L/10から吐出位置までの間における最大せん断速度は、10000(sec-1)を超えることとしても良い。
また、(1)〜(6)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法として、少なくとも熱可塑性樹脂およびカーボンブラックを二軸押出機に供給して溶融混練する方法とは異なる方向を採用しても良い。
(8)上記(1)〜(6)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形品。
(9)肉厚0.1mm以下の部分を有する上記(8)記載の成形品。
本発明の実施形態の熱可塑性樹脂組成物は薄肉流動安定性が高く、絶縁性に優れ、かつ、成形品表面からの樹脂組成物粉末の脱落が抑制された成形品を得ることができる。
本発明の実施形態で用いる熱可塑性樹脂とは、加熱すると流動性を示し、これを利用し成形加工できる合成樹脂のことである。その具体例としては、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン66等)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等)、ポリオキシメチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリスチレン、液晶性ポリエステル等が挙げられる。
これらのうち機械的性質、成形性などの点からポリフェニレンスルフィド、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリオキシメチレン、液晶性ポリエステルが好ましい。
特に薄肉流動性に優れた液晶性ポリエステル樹脂組成物の場合、薄肉部が多い製品に多用されるため、本願の効果が最も期待できる。
以下、熱可塑性樹脂に、液晶性ポリエステル樹脂を用いた場合を説明する。
(A)液晶性ポリエステル樹脂は、例えば芳香族オキシカルボニル単位、芳香族および/または脂肪族ジオキシ単位、芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位などから選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル樹脂である。
(A)液晶性ポリエステル樹脂は、例えば芳香族オキシカルボニル単位、芳香族および/または脂肪族ジオキシ単位、芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位などから選ばれた構造単位からなり、かつ異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル樹脂である。
芳香族オキシカルボニル単位としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸などから生成した構造単位が挙げられ、p−ヒドロキシ安息香酸が好ましい。芳香族および/または脂肪族ジオキシ単位としては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、t−ブチルハイドロキノン、フェニルハイドロキノン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンおよび4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどから生成した構造単位が挙げられ、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンが好ましい。芳香族および/または脂肪族ジカルボニル単位としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、1,2−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などから生成した構造単位が挙げられ、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。
(A)液晶性ポリエステル樹脂の具体例としては、p−ヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル樹脂、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物、芳香族ジカルボン酸および/または脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル樹脂、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル樹脂、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、ハイドロキノンから生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル樹脂、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、テレフタル酸および/またはイソフタル酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル樹脂、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、テレフタル酸および/またはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボンから生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル樹脂、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位、エチレングリコールから生成した構造単位、芳香族ジヒドロキシ化合物から生成した構造単位、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル樹脂、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸から生成した構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位、2,6−ナフタレンジカルボン酸から生成した構造単位からなる液晶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらを2種以上含有してもよい。
これら液晶性ポリエステル樹脂の中でも、下記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)から構成される液晶性ポリエステル樹脂が好ましい。かかる液晶性ポリエステル樹脂はカーボンブラックの分散性をより向上させることができる。また、後述する製造方法と組み合わせることにより、液晶性ポリエステル樹脂組成物中のカーボンブラックの分散をより良好に行うことができる。
上記構造単位(I)はp−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位を、構造単位(II)は4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位を、構造単位(III)はハイドロキノンから生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸から生成した構造単位を、構造単位(V)はイソフタル酸から生成した構造単位を各々示す。
構造単位(I)は、構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対して65〜80モル%が好ましい。特にカーボンブラックの分散性が向上することから、より好ましくは68〜78モル%である。
また、構造単位(II)は、構造単位(II)および(III)の合計に対して55〜85モル%が好ましい。特にカーボンブラックの分散性がより向上することから、より好ましくは55〜78モル%であり、最も好ましくは58〜73モル%である。
また、構造単位(IV)は、構造単位(IV)および(V)の合計に対して50〜95モル%が好ましい。特にカーボンブラックの分散性がより向上することから、より好ましくは55〜90モル%であり、最も好ましくは60〜85モル%である。
構造単位(II)および(III)の合計と(IV)および(V)の合計は実質的に等モルであることが好ましい。ここで、「実質的に等モル」とは、末端を除くポリマー主鎖を構成する構造単位として等モルであることを示す。このため、末端を構成する構造単位まで含めた場合には必ずしも等モルとはならない態様も、「実質的に等モル」の要件を満たしうる。ポリマーの末端基を調節するために、ジカルボン酸成分またはジヒドロキシ成分を過剰に加えてもよい。
本発明の実施形態において使用する上記液晶性ポリエステル樹脂は、公知のポリエステルの重縮合法により得ることができる。例えば、次の製造方法が好ましく挙げられる。
(1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンとテレフタル酸、イソフタル酸から脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンとテレフタル酸、イソフタル酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンとテレフタル酸、イソフタル酸のジフェニルエステルから脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(4)p−ヒドロキシ安息香酸およびテレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンとテレフタル酸、イソフタル酸から脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンとテレフタル酸、イソフタル酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアシル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(3)p−ヒドロキシ安息香酸のフェニルエステルおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンとテレフタル酸、イソフタル酸のジフェニルエステルから脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
(4)p−ヒドロキシ安息香酸およびテレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを反応させて、それぞれジフェニルエステルとした後、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステル樹脂を製造する方法。
本発明の実施形態において、液晶性ポリエステル樹脂を脱酢酸重縮合反応により製造する際に、液晶性ポリエステル樹脂が溶融する温度で減圧下反応させ、重縮合反応を完了させる溶融重合法が好ましい。例えば、所定量のp−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、テレフタル酸、イソフタル酸、および無水酢酸を、反応容器中に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら加熱して水酸基をアセチル化させた後、液晶性ポリエステル樹脂の溶融温度まで昇温し、減圧により重縮合して反応を完了させる方法が挙げられる。上記反応容器は、撹拌翼を備えることとしても良く、また、留出管を備えることとしても良く、また、下部に吐出口を備えることとしても良い。
得られたポリマーは、それが溶融する温度で反応容器内を、例えば、およそ1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、反応容器下部に設けられた吐出口よりストランド状に吐出することができる。溶融重合法は均一なポリマーを製造するために有利な方法であり、ガス発生量がより少ない優れたポリマーを得ることができ、好ましい。
液晶性ポリエステル樹脂の重縮合反応は無触媒でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグネシウムなどの金属化合物を触媒として使用することもできる。
本発明の実施形態において、各構造単位の含有量は、液晶性ポリエステルをNMR(核磁気共鳴)試験管に量りとり、液晶性ポリエステルが可溶な溶媒(例えば、ペンタフルオロフェノール/重テトラクロロエタン−d2混合溶媒)に溶解して、1H−NMRスペクトル測定を行い、各構造単位由来のピーク面積比から算出することができる。
本発明の実施形態において、融点(Tm)は、示差走査熱量計により測定することができる。液晶性ポリエステル樹脂を室温から40℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却し、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2)を融点(Tm)として算出できる。
また、本発明の実施形態における液晶性ポリエステル樹脂の溶融粘度は1〜200Pa・sが好ましく、10〜200Pa・sがより好ましく、10〜100Pa・sが特に好ましい。なお、溶融粘度は液晶性ポリエステル樹脂の融点+10℃の条件で、ずり速度1,000/sの条件下で高化式フローテスターによって測定した値である。
本発明の実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、前記熱可塑性樹脂100重量部に対して、カーボンブラック0.1〜20重量部を配合してなる。カーボンブラックの含有量が0.1重量部未満の場合には、カーボンブラックの分散性が低下し、薄肉流動安定性が低下することに加え、所望の黒色度を得ることが困難となる。1.0重量部以上が好ましい。一方、カーボンブラックの含有量が20重量部を超える場合には、薄肉流動安定性の低下に加え、熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形品の絶縁性が低下する。10重量部以下が好ましい。
本発明の実施形態の熱可塑性樹脂組成物において、カーボンブラックは、熱可塑性樹脂組成物中に最大粒子径50μm以下で分散していることが特徴である。ここでいう分散とは、熱可塑性樹脂を含む相中にカーボンブラックが細かく散在している状態を指している。カーボンブラックが最大粒子径50μm以下で分散している状態は、熱可塑性樹脂を含む相中で、カーボンブラックが微分散化していることを意味する。カーボンブラックが平均粒子径50μm以下で分散した場合であっても、粒子径の大きなカーボンブラック凝集体が一部混在していると、かかる凝集体が成形時に薄肉部の流動の抵抗や詰まりを引き起こす要因となったり、成形品表面からの樹脂組成物粉末の脱落の要因となったりする。そこで、本発明の実施形態は、カーボンブラックの最大粒子径に着目し、組成物におけるカーボンブラックの最大粒子径を50μm以下とすることにより、熱可塑性樹脂組成物の薄肉流動安定性およびこれを成形して得られる成形品の絶縁性を向上させ、成形品表面からの樹脂組成物粉末の脱落を抑制することができる。カーボンブラックの最大粒子径は40μm以下が好ましく、30μm以下がさらに好ましい。なお、本発明の実施形態において、熱可塑性樹脂組成物におけるカーボンブラックの最大粒子径とは、熱可塑性樹脂組成物のペレットまたは成形品断面の合計10cm2を、光学顕微鏡を用いて倍率500〜1000倍で観察し、観察されたカーボンブラックの二次粒子のうち最大のものの長径部分の長さを求めることにより算出できる。
本発明の実施形態で使用するカーボンブラックは、一次粒子径が70〜200nmであることが好ましい。カーボンブラックは一次粒子の大きさにより凝集のし易さが異なり、一次粒子径が小さいほうが凝集しやすい傾向にある。本発明の実施形態においては、カーボンブラックの一次粒子径を70nm以上とすることにより熱可塑性樹脂組成物中のカーボンブラックの分散性を向上させ、組成物中のカーボンブラックを最大粒子径50μm以下に容易に分散させることができる。このため、樹脂組成物の薄肉流動安定性と成形品の絶縁性をより向上させ、成形品表面からの樹脂組成物粉末の脱落をより低減することができる。80nm以上がより好ましい。また、所望の黒色度を得るための含有量を低減し成形品の高い機械的強度を維持する観点からは、200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましく、120nm以下がより好ましい。
なお、本発明の実施形態におけるカーボンブラックの一次粒子径とは、電子顕微鏡で直径を測定し、算術平均したものをいい、カーボンブラック協会発行のCarbon Black年鑑No.48(1998)p.114に記載の方法で求めることができる。より具体的には、透過型電子顕微鏡を用いてカーボンブラックを倍率20000倍で観察し、任意のカーボンブラック粒子50個の直径を測定し、その数平均値を求めることにより算出できる。
また、本発明の実施形態においては、カーボンブラックの(a1)DBP吸収量(ml/100g)と(a2)一次粒子径(nm)の比(a1/a2)が0.5〜1.5(ml/100g・nm)であることが好ましい。DBP吸収量は、カーボンブラック一次粒子同士が融着した状態(アグリゲート)の発達度合い、いわゆる「ストラクチャー」の指標であり、カーボンブラック100gあたりのジブチルフタレートの吸収量によりストラクチャーを定量化するものである。DBP吸収量と一次粒子径の比(a1/a2)は、一次粒子径の単位長さ当たりのストラクチャーの発達度合いを表しており、それぞれのカーボンブラックの一次粒子径が70〜200nmの範囲であることに加え、DBP吸収量との比(a1/a2)が0.5〜1.5(ml/100g・nm)の範囲を両立することが好ましい。すなわち、一次粒子径が70〜200nmの範囲にあるカーボンブラックのうち、(a1/a2)の値が0.5(ml/100g・nm)以上であれば、カーボンブラックの分散性がより向上する。0.80(ml/100g・nm)以上がより好ましい。一方、(a1/a2)の値が1.5(ml/100g・nm)以下であれば、熱可塑性樹脂組成物中にストラクチャーによって導電経路が形成されることを抑制し、絶縁性をより高いレベルで維持することができる。また、所望の黒色度が得られやすい。1.40(ml/100g・nm)以下がより好ましい。
なお、本発明の実施形態におけるDBP吸収量とは、JIS K6217(2001)に記載の方法で求めることができる。
また、カーボンブラックのBET比表面積は、10〜40(m2/g)であることが好ましい。BET比表面積とは、不活性気体の吸着により求められる単位重量あたりの表面積をいう。10(m2/g)以上であれば、所望の黒色度を得るための含有量を低減することができる。15(m2/g)以上がより好ましい。また、40(m2/g)以下であれば、カーボンブラックの分散性をより向上させることができる。35(m2/g)以下がより好ましい。
なお、本発明の実施形態におけるBET比表面積とは、低温窒素吸着装置ソープトマチック−1800(カルロ・エルバ社製)を用いて多点法により算出したものである。
本発明の実施形態に用いられるカーボンブラックとしては、例えば、チャネルブラック系、ファーネスブラック系、ランプブラック系、サーマルブラック系、ケッチェンブラック系、ナフタレンブラック系などが挙げられ、これらを2種以上含有してもよい。これらのうち、特にファーネスブラック系、ランプブラック系のものが好ましく使用できるが、前記に示した所望の特性を有するカーボンブラックであれば、一般に市販されている黒着色用カーボンブラックを使用することができる。
本発明の実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、さらに(C)無機充填材を含有してもよく、成形品の機械的強度や寸法性能を向上させることができる。無機充填材としては、例えば、ガラス繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、窒化ケイ素繊維、ホウ素繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、ワラステナイト、石英粉末、ケイ酸アルミニウム、カオリン、ガラスビース、ガラスバルーン、ガラスフレーク、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、マイカ、タルクなどが挙げられる。成形品表面からの樹脂組成物粉末の脱落をより抑制する観点からは、マイカ、タルクなどが好ましい。また、ガラス繊維などの繊維状無機充填材の中では、数平均繊維長が30〜300μmのミルドファイバーが好ましい。これらを2種以上含有してもよい。
本発明の実施形態の熱可塑性樹脂組成物において、無機充填材の含有量は、前記熱可塑性樹脂および前記カーボンブラックの合計100重量部に対して、1〜200重量部が好ましい。無機充填材の含有量を1重量部以上とすることにより、成形品の機械的強度や寸法性能をより向上させることができる。10重量部以上がより好ましい。一方、(C)無機充填材の含有量を200重量部以下とすることにより、熱可塑性樹脂の含有量が相対的に高くなり、成形品の機械的強度をより向上させることができる。120重量部以下がより好ましい。
本発明の実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、目的を損なわない範囲で、酸化防止剤および熱安定剤(例えば、ヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(例えば、レゾルシノール、サリシレート、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノンなど)、離型剤(例えば、モンタン酸およびその塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤などの通常の添加剤や他の熱可塑性樹脂(例えば、フッ素樹脂など)を含有して、所定の特性を付与することができる。
本発明の実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、例えば、前記熱可塑性樹脂および前記カーボンブラックと、必要により他の成分を溶融混練することにより得ることができる。溶融混練する方法としては、例えば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸または二軸押出機などを用いて、200〜350℃の温度で溶融混練する方法を挙げることができる。本発明の実施形態においては、熱可塑性樹脂組成物中のカーボンブラックの最大粒子径を50μm以下とするために、二軸押出機により溶融混練することが好ましい。二軸押出機としては、同方向回転式、異方向回転式の両者共に使用可能である。溶融混練温度は後述する各熱可塑性樹脂の融点(Tm)±10℃とすることが好ましい。
カーボンブラックを熱可塑性樹脂組成物中で微分散させるために、二軸押出機の原料投入位置(L0)から吐出位置までの全長(L)に対し、熱可塑性樹脂およびカーボンブラックの原料投入位置(L0)から3L/10までの間の熱可塑性樹脂組成物の滞留時間(初期滞留時間)を、二軸押出機全長の滞留時間(全滞留時間)の15%以下とすることが好ましい。これにより、二軸押出機内でのカーボンブラック同士の固体圧縮による凝集を抑制し、容易に微分散させることができる。より具体的には、熱可塑性樹脂が溶融していない状態にある間は、初期滞留時間が長くなるニーディングディスクなどの設置を少なくすることが好ましく、L0から3L/10までの間は、押出方向に対して正方向のフライトスクリューを主体として設置することが好ましい。ここで、本発明の実施形態における初期滞留時間は、二軸押出機の3L/10の位置上面に、開口部をもつバレル(オープンベント)を設置し、原料投入開始からオープンベントまでの到達時間を測定することにより求めることができる。また、全滞留時間は、原料投入開始から押出機先端から熱可塑性樹脂組成物が吐出されるまでの時間を測定することにより求めることができる。
また、3L/10から吐出位置までの間、いわゆる混練部には、複数枚のニーディングディスクを設置することが好ましい。混練部における最大せん断速度は、十分に混練してカーボンブラックを微分散させる観点から、1000(sec-1)以上が好ましく、2000(sec-1)以上がより好ましい。一方、剪断による発熱を抑えて熱可塑性樹脂などの成分の分解を抑制する観点から、10000(sec-1)以下が好ましく、8000(sec-1)以下がより好ましい。ここで、前記最大せん断速度(sec-1)は、押出機のバレル内径D(mm)、バレル内壁とニーディングディスクとの最小隙間S(mm)、およびスクリュー回転数n(rpm)から次式により算出できる。
γmax=D×n×π/(60×S)
γmax=D×n×π/(60×S)
なお、混練部における最大せん断速度は、バレル内壁とニーディングディスクとの最小隙間S(mm)またはスクリュー回転数n(rpm)などにより、所望の範囲に容易に調整することができる。
以上の方法で得られた液晶性ポリエステル樹脂組成物中のカーボンブラック、無機充填材およびその他添加剤の含有量は、一般的に液晶性ポリエステル樹脂組成物製造時の仕込み量と一致する。
本発明の実施形態の熱可塑性樹脂組成物を公知の成形法により成形することにより、各種成形品を得ることができる。例えば、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LED用部品、液晶バックライトボビン、コネクタ、ソケット、抵抗器、リレーケース、リレー用スプールおよびベース、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶ディスプレー部品、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、HDD部品、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品、VTR部品、テレビ部品(プラズマ、有機EL、液晶)、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品などに代表される家庭、事務電気製品部品、オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクタ、ICレギュレーター、ライトディマー用ポテンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、エアコン用モーターインシュレーター、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンべイン、ワイパーモーター関連部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒューズ用コネクタ、ECUコネクタ、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの自動車・車両関連部品などに用いることができる。
特に、本発明の実施形態の熱可塑性樹脂組成物中の液晶性ポリエステル樹脂組成物は薄肉流動安定性に優れ、絶縁性が高く、成形品表面からの樹脂組成物粉末の脱落が抑制された成形品を得ることができることから、黒着色品で絶縁性が要求される、肉厚0.1mm以下の薄肉部を有する成形品に好ましく用いられる。すなわち、小型の電気・電子部品、例えば、狭ピッチコネクタ、ECUコネクタ、スイッチ、小型モーター用コイルボビン、リレー用部品、携帯電話、デジタルカメラなどに用いられるカメラモジュール用部品、LED用ケットおよびその周辺部品などに好適に用いられる。
以下、実施例により本発明の効果をさらに詳細に説明する。
液晶性ポリエステルの組成分析および特性評価は以下の方法により行った。
液晶性ポリエステルの組成分析および特性評価は以下の方法により行った。
(1)液晶性ポリエステルの組成分析
液晶性ポリエステルの組成分析は、1H−核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)測定により実施した。液晶性ポリエステルをNMR試料管に50mg秤量し、溶媒(ペンタフルオロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2=65/35(重量比)混合溶媒)800μLに溶解して、UNITY INOVA500型NMR装置(バリアン社製)を用いて観測周波数500MHz、温度80℃で1H−NMR測定を実施し、7〜9.5ppm付近に観測される各構造単位由来のピーク面積比から組成を分析した。
液晶性ポリエステルの組成分析は、1H−核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)測定により実施した。液晶性ポリエステルをNMR試料管に50mg秤量し、溶媒(ペンタフルオロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン−d2=65/35(重量比)混合溶媒)800μLに溶解して、UNITY INOVA500型NMR装置(バリアン社製)を用いて観測周波数500MHz、温度80℃で1H−NMR測定を実施し、7〜9.5ppm付近に観測される各構造単位由来のピーク面積比から組成を分析した。
(2)液晶性ポリエステルの融点(Tm)の測定
示差熱量測定において、液晶性ポリエステル樹脂を室温から40℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却し、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2)を融点(Tm)とした。
示差熱量測定において、液晶性ポリエステル樹脂を室温から40℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却し、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm2)を融点(Tm)とした。
(3)液晶性ポリエステルの溶融粘度測定
高化式フローテスターCFT−500D(オリフィス0.5φ×10mm)(島津製作所製)を用い、温度は液晶性ポリエステルの融点+10℃、剪断速度は1000/秒で測定した。
高化式フローテスターCFT−500D(オリフィス0.5φ×10mm)(島津製作所製)を用い、温度は液晶性ポリエステルの融点+10℃、剪断速度は1000/秒で測定した。
熱可塑性樹脂
N6 :東レ(株)製CM1010(ナイロン6)
PBT:東レ(株)製1100S(ポリブチレンテレフタレート)
PPS:東レ(株)製M3910(ポリフェニレンスルフィド)
N6 :東レ(株)製CM1010(ナイロン6)
PBT:東レ(株)製1100S(ポリブチレンテレフタレート)
PPS:東レ(株)製M3910(ポリフェニレンスルフィド)
各実施例および比較例に用いた熱可塑性樹脂としての(A)液晶性ポリエステル樹脂、(B)カーボンブラック、(C)タルク、(D)ガラス繊維、および(E)マイカ、並びに、(X)2軸押出機での溶融混練条件を以下に示す。
(A)液晶性ポリエステル樹脂
[参考例1] 液晶性ポリエステル樹脂(A−1)の合成
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸870g(6.30モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル327g(1.89モル)、ハイドロキノン89g(0.81モル)、テレフタル酸292g(1.76モル)、イソフタル酸157g(0.95モル)および無水酢酸1367g(フェノール性水酸基合計の1.03当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させた後、320℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に90分間反応を続け、撹拌に要するトルクが15kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1個持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズし、液晶性ポリエステル樹脂(A−1)を得た。
[参考例1] 液晶性ポリエステル樹脂(A−1)の合成
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸870g(6.30モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル327g(1.89モル)、ハイドロキノン89g(0.81モル)、テレフタル酸292g(1.76モル)、イソフタル酸157g(0.95モル)および無水酢酸1367g(フェノール性水酸基合計の1.03当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で2時間反応させた後、320℃まで4時間で昇温した。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に90分間反応を続け、撹拌に要するトルクが15kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1個持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズし、液晶性ポリエステル樹脂(A−1)を得た。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−1)について組成分析を行なった。液晶性ポリエステル樹脂(A−1)は、p−オキシベンゾエート単位(構造単位(I))、4,4’−ジオキシビフェニル単位(構造単位(II))、1,4−ジオキシベンゼン単位(構造単位(III))、テレフタレート単位(構造単位(IV))およびイソフタレート単位(構造単位(V))を備えていた。液晶性ポリエステル樹脂(A−1)は、p−オキシベンゾエート単位(構造単位(I))を、p−オキシベンゾエート単位(構造単位(I))、4,4’−ジオキシビフェニル単位(構造単位(II))および1,4−ジオキシベンゼン単位(構造単位(III))の合計に対して70モル%含有していた。また、4,4’−ジオキシビフェニル単位(構造単位(II))を、4,4’−ジオキシビフェニル単位(構造単位(II))および1,4−ジオキシベンゼン単位(構造単位(III))の合計に対して70モル%含有していた。また、テレフタレート単位(構造単位(IV))を、テレフタレート単位(構造単位(IV))およびイソフタレート単位(構造単位(V))の合計に対して65モル%有していた。また、4,4’−ジオキシビフェニル単位(構造単位(II))および1,4−ジオキシベンゼン単位(構造単位(III))の合計は、全構造単位に対して23モル%であった。テレフタレート単位(構造単位(IV))およびイソフタレート単位(構造単位(V))の合計は、全構造単位に対して23モル%であった。液晶性ポリエステル樹脂(A−1)の融点(Tm)は、314℃であった。高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度324℃、剪断速度1,000/sで測定した溶融粘度は、20Pa・sであった。
[参考例2] 液晶性ポリエステル樹脂(A−2)の合成
p−ヒドロキシ安息香酸994g(7.20モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126g(0.68モル)、テレフタル酸112g(0.68モル)、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート159g(1.13モル)および無水酢酸960g(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を重合容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら150℃まで昇温しながら3時間反応させた。150℃から250℃まで2時間で昇温し、250℃から330℃まで1.5時間で昇温した後、325℃、1.5時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に0.25時間撹拌を続け、撹拌に要するトルクが12kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1個持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズし、液晶性ポリエステル樹脂(A−2)を得た。
p−ヒドロキシ安息香酸994g(7.20モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126g(0.68モル)、テレフタル酸112g(0.68モル)、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート159g(1.13モル)および無水酢酸960g(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を重合容器に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら150℃まで昇温しながら3時間反応させた。150℃から250℃まで2時間で昇温し、250℃から330℃まで1.5時間で昇温した後、325℃、1.5時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に0.25時間撹拌を続け、撹拌に要するトルクが12kg・cmに到達したところで重縮合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm2(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1個持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズし、液晶性ポリエステル樹脂(A−2)を得た。
この液晶性ポリエステル樹脂(A−2)について組成分析を行なったところ、p−オキシベンゾエート単位(構造単位(I))66.7モル%、4,4’−ジオキシビフェニル単位(構造単位(II)6.3モル%、ポリエチレンテレフタレート由来のエチレンジオキシ単位10.4モル%、テレフタレート単位(構造単位(IV))16.6モル%を有していた。融点(Tm)は314℃であった。高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度324℃、剪断速度1,000/sで測定した溶融粘度は、25Pa・sであった。
[参考例3] 液晶性ポリエステル樹脂(A−3)の合成
特開昭54−77691号公報に従って、p−アセトキシ安息香酸921重量部と6−アセトキシ−ナフトエ酸435重量部を、撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重縮合を行った。得られた液晶性ポリエステル樹脂(A−3)は、p−アセトキシ安息香酸から生成した構造単位(構造単位(I))57モル当量および6−アセトキシ−ナフトエ酸から生成した構造単位22モル当量を有していた。融点(Tm)は283℃であった。高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度293℃、剪断速度1,000/sで測定した溶融粘度は、30Pa・sであった。
特開昭54−77691号公報に従って、p−アセトキシ安息香酸921重量部と6−アセトキシ−ナフトエ酸435重量部を、撹拌翼、留出管を備えた反応容器に仕込み、重縮合を行った。得られた液晶性ポリエステル樹脂(A−3)は、p−アセトキシ安息香酸から生成した構造単位(構造単位(I))57モル当量および6−アセトキシ−ナフトエ酸から生成した構造単位22モル当量を有していた。融点(Tm)は283℃であった。高化式フローテスター(オリフィス0.5φ×10mm)を用い、温度293℃、剪断速度1,000/sで測定した溶融粘度は、30Pa・sであった。
(B)カーボンブラック
(B−1):エボニックデグサジャパン(株)製“LampBlack101”(一次粒子径95nm DBP吸収量/一次粒子径1.23(ml/100g・nm) BET比表面積20(m2/g) ランプブラック系)
(B−2):エボニックデグサジャパン(株)製“HIBLACK170”(一次粒子径75nm DBP吸収量/一次粒子径1.07(ml/100g・nm) BET比表面積23(m2/g) ファーネスブラック系)
(B−3):コロンビヤンカーボン(株)製“Raven22”(一次粒子径83nm DBP吸収量/一次粒子径1.38(ml/100g・nm) BET比表面積28(m2/g) ファーネスブラック系)
(B−4):三菱化学(株)製“#25”(一次粒子径47nm DBP吸収量/一次粒子径1.47(ml/100g・nm) BET比表面積55(m2/g) ファーネスブラック系)
(B−5):コロンビヤンカーボン(株)製“Raven14”(一次粒子径55nm DBP吸収量/一次粒子径2.02 BET比表面積44(m2/g) ランプブラック系)
(B−1):エボニックデグサジャパン(株)製“LampBlack101”(一次粒子径95nm DBP吸収量/一次粒子径1.23(ml/100g・nm) BET比表面積20(m2/g) ランプブラック系)
(B−2):エボニックデグサジャパン(株)製“HIBLACK170”(一次粒子径75nm DBP吸収量/一次粒子径1.07(ml/100g・nm) BET比表面積23(m2/g) ファーネスブラック系)
(B−3):コロンビヤンカーボン(株)製“Raven22”(一次粒子径83nm DBP吸収量/一次粒子径1.38(ml/100g・nm) BET比表面積28(m2/g) ファーネスブラック系)
(B−4):三菱化学(株)製“#25”(一次粒子径47nm DBP吸収量/一次粒子径1.47(ml/100g・nm) BET比表面積55(m2/g) ファーネスブラック系)
(B−5):コロンビヤンカーボン(株)製“Raven14”(一次粒子径55nm DBP吸収量/一次粒子径2.02 BET比表面積44(m2/g) ランプブラック系)
(C)ガラス繊維
(C−1):日本電気硝子(株)製“チョップドストランド ECS03 T−747H”(数平均繊維長3.0mm、数平均繊維径10.5μm)
(C−2):日本電気硝子(株)製“ミルドファイバー EPG70M−01N”(数平均繊維長70μm、数平均繊維径9μm)
(C−1):日本電気硝子(株)製“チョップドストランド ECS03 T−747H”(数平均繊維長3.0mm、数平均繊維径10.5μm)
(C−2):日本電気硝子(株)製“ミルドファイバー EPG70M−01N”(数平均繊維長70μm、数平均繊維径9μm)
(D)タルク
(D−1):富士タルク(株)製“NK64”(メディアン径19μm)
(D−1):富士タルク(株)製“NK64”(メディアン径19μm)
(E)マイカ
(E−1):ヤマグチマイカ(株)製“A−41”(平均粒子径43μm)
(E−1):ヤマグチマイカ(株)製“A−41”(平均粒子径43μm)
(X)2軸押出機での溶融混練条件
(X−1):バレル内径58mmの中間添加口を有する2軸押出機で直径57.2mmのスクリューを用い、熱可塑性樹脂およびカーボンブラックの原料供給口(L0)から3L/10までの間の熱可塑性樹脂組成物の初期滞留時間を全滞留時間の10%、スクリュー回転数を450rpmとし、混練部の最大せん断速度を3414(sec-1)、シリンダー設定温度を熱可塑性樹脂の融点+10℃に設定し溶融混練を行った。なお、充填材を含有するものは、中間添加口より添加を行い、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。なお、混練部の最大せん断速度(sec-1)は、押出機のバレル内径D(mm)、バレル内壁とニーディングディスクとの最小隙間S(mm)、およびスクリュー回転数n(rpm)から次式により算出した。
γmax=D×n×π/(60×S)
(X−1):バレル内径58mmの中間添加口を有する2軸押出機で直径57.2mmのスクリューを用い、熱可塑性樹脂およびカーボンブラックの原料供給口(L0)から3L/10までの間の熱可塑性樹脂組成物の初期滞留時間を全滞留時間の10%、スクリュー回転数を450rpmとし、混練部の最大せん断速度を3414(sec-1)、シリンダー設定温度を熱可塑性樹脂の融点+10℃に設定し溶融混練を行った。なお、充填材を含有するものは、中間添加口より添加を行い、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。なお、混練部の最大せん断速度(sec-1)は、押出機のバレル内径D(mm)、バレル内壁とニーディングディスクとの最小隙間S(mm)、およびスクリュー回転数n(rpm)から次式により算出した。
γmax=D×n×π/(60×S)
(X−2):X−1と同一の2軸押出機を用い、熱可塑性樹脂およびカーボンブラックの原料供給口(L0)から3L/10までの間の熱可塑性樹脂組成物の初期滞留時間を全滞留時間の20%、スクリュー回転数を450rpmとし、混練部の最大せん断速度を3414(sec-1)、シリンダー設定温度を熱可塑性樹脂の融点+10℃に設定し溶融混練を行った。なお、充填材を含有するものは、中間添加口より添加を行い、熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。
上記した(A)液晶性ポリエステル樹脂、(B)カーボンブラック、および、必要に応じて(C)タルク、(D)ガラス繊維、および(E)マイカ、を用いて、実施例および比較例の液晶性ポリエステル樹脂組成物を作製した。各々の液晶性ポリエステル樹脂組成物における特性は、以下の方法で評価した。
(1)カーボンブラックの最大粒子径
各実施例および比較例で得られた熱可塑性樹脂組成物ペレット断面合計10cm2を、光学顕微鏡を用いて倍率500〜1000倍で観察した。観察されたカーボンブラックの二次粒子のうち最大のものの直径を測定し、最大粒子径とした。なお、1000倍の観察において判別できない状態のものについては<10μmとした。
各実施例および比較例で得られた熱可塑性樹脂組成物ペレット断面合計10cm2を、光学顕微鏡を用いて倍率500〜1000倍で観察した。観察されたカーボンブラックの二次粒子のうち最大のものの直径を測定し、最大粒子径とした。なお、1000倍の観察において判別できない状態のものについては<10μmとした。
(2)絶縁性
各実施例および比較例で得られた熱可塑性樹脂組成物を用いて、液晶性ポリエステル樹脂組成物の場合は、Sodic TR30EHA((株)ソディックプラステック製)により、射出速度を500(mm/秒)、成形温度を液晶性ポリエステル樹脂の融点+20(℃)に設定し、図1に示す薄肉試験片(試験片厚み0.10mm、長さ50mm、幅5.0mm)を連続成形した。液晶性ポリエステル樹脂組成物を除く熱可塑性樹脂組成物は厚み0.30mm、長さ50mm、幅5.0mmの薄肉試験片を連続成形した。得られた薄肉試験片1000ショット分について、試験片のゲート(G1)付近、中央、充填末端の3ヶ所それぞれに導電性ペースト(藤倉化成(株)製“ドータイト(登録商標)”)を図2に示した寸法で塗布した。導電性ペーストを塗布した試験片の厚み方向の電気抵抗を、絶縁抵抗計を用いて測定し、1000ショット分×3ヶ所の合計3000ヶ所中、電気抵抗値が1000MΩ以下のものの発生箇所数を算出した。電気抵抗値が1000MΩ以下となる箇所は少ないほうがよいが、1000MΩ以下の箇所が50ヶ所以下であれば、実用上問題なく使用できる。
各実施例および比較例で得られた熱可塑性樹脂組成物を用いて、液晶性ポリエステル樹脂組成物の場合は、Sodic TR30EHA((株)ソディックプラステック製)により、射出速度を500(mm/秒)、成形温度を液晶性ポリエステル樹脂の融点+20(℃)に設定し、図1に示す薄肉試験片(試験片厚み0.10mm、長さ50mm、幅5.0mm)を連続成形した。液晶性ポリエステル樹脂組成物を除く熱可塑性樹脂組成物は厚み0.30mm、長さ50mm、幅5.0mmの薄肉試験片を連続成形した。得られた薄肉試験片1000ショット分について、試験片のゲート(G1)付近、中央、充填末端の3ヶ所それぞれに導電性ペースト(藤倉化成(株)製“ドータイト(登録商標)”)を図2に示した寸法で塗布した。導電性ペーストを塗布した試験片の厚み方向の電気抵抗を、絶縁抵抗計を用いて測定し、1000ショット分×3ヶ所の合計3000ヶ所中、電気抵抗値が1000MΩ以下のものの発生箇所数を算出した。電気抵抗値が1000MΩ以下となる箇所は少ないほうがよいが、1000MΩ以下の箇所が50ヶ所以下であれば、実用上問題なく使用できる。
(3)薄肉流動安定性
各実施例および比較例で得られた熱可塑性樹脂組成物を用いて、液晶性ポリエステル樹脂組成物の場合は、Sodic TR30EHA((株)ソディックプラステック製)により、射出速度を400(mm/秒)、成形温度を液晶性ポリエステル樹脂の融点+20(℃)に設定し、図1に示す薄肉試験片を50ショット連続成形し、得られた試験片の最大流動長と最小流動長の差を評価した。液晶性ポリエステル樹脂組成物を除く熱可塑性樹脂組成物の場合は厚み0.30mm、長さ50mm、幅5.0mmの薄肉試験片を50ショット連続成形し、得られた試験片の最大流動長と最小流動長の差を評価した。最大流動長と最小流動長の差が小さいものほどバラツキが少なく薄肉流動安定性に優れており、射出成形時のランダムショートが少ないことを示す。最大流動長と最小流動長の差異が2.0mmを超えるものは、射出成形時にランダムショートが多発する。
各実施例および比較例で得られた熱可塑性樹脂組成物を用いて、液晶性ポリエステル樹脂組成物の場合は、Sodic TR30EHA((株)ソディックプラステック製)により、射出速度を400(mm/秒)、成形温度を液晶性ポリエステル樹脂の融点+20(℃)に設定し、図1に示す薄肉試験片を50ショット連続成形し、得られた試験片の最大流動長と最小流動長の差を評価した。液晶性ポリエステル樹脂組成物を除く熱可塑性樹脂組成物の場合は厚み0.30mm、長さ50mm、幅5.0mmの薄肉試験片を50ショット連続成形し、得られた試験片の最大流動長と最小流動長の差を評価した。最大流動長と最小流動長の差が小さいものほどバラツキが少なく薄肉流動安定性に優れており、射出成形時のランダムショートが少ないことを示す。最大流動長と最小流動長の差異が2.0mmを超えるものは、射出成形時にランダムショートが多発する。
(4)樹脂組成物粉末脱落評価
各実施例および比較例で得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを用いて、絶縁性評価と同一の方法で、図1に示す薄肉試験片を作製した。得られた薄肉試験片を純水200ml中に投入し、40kHz、100Wの出力にて60秒間超音波洗浄を実施した。超音波洗浄後の純水200mlを直径30mm、孔径1.0μmのメンブレンフィルターで濾過し、フィルター上の残渣物の個数を測定した。残渣物が10個未満を「優良」(◎)、10〜30個を「良好」○、30個を超えるものを「劣る」(×)と評価した。
各実施例および比較例で得られた熱可塑性樹脂組成物ペレットを用いて、絶縁性評価と同一の方法で、図1に示す薄肉試験片を作製した。得られた薄肉試験片を純水200ml中に投入し、40kHz、100Wの出力にて60秒間超音波洗浄を実施した。超音波洗浄後の純水200mlを直径30mm、孔径1.0μmのメンブレンフィルターで濾過し、フィルター上の残渣物の個数を測定した。残渣物が10個未満を「優良」(◎)、10〜30個を「良好」○、30個を超えるものを「劣る」(×)と評価した。
既述した(A)液晶性ポリエステル樹脂、(B)カーボンブラック、および、必要に応じて(C)タルク、(D)ガラス繊維、および(E)マイカ、を用いて作製した実施例1〜26および比較例1〜14の液晶性ポリエステル樹脂組成物の各々について、以下に説明する。
実施例1〜26、比較例1〜14
表1〜2に示す熱可塑性樹脂100重量部に対し、(B)カーボンブラック、(C)無機充填材を表1〜2に示す割合で配合し、表1〜2に示す溶融混練条件により溶融混練して熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。前述の方法によりカーボンブラックの最大粒子径、絶縁性、薄肉流動安定性、樹脂組成物脱落性の評価を行った。その結果を表1〜2に示す。
表1〜2に示す熱可塑性樹脂100重量部に対し、(B)カーボンブラック、(C)無機充填材を表1〜2に示す割合で配合し、表1〜2に示す溶融混練条件により溶融混練して熱可塑性樹脂組成物のペレットを得た。前述の方法によりカーボンブラックの最大粒子径、絶縁性、薄肉流動安定性、樹脂組成物脱落性の評価を行った。その結果を表1〜2に示す。
図3に、実施例1で得られたペレット断面の光学顕微鏡観察写真を示す。図3(b)は図3(a)の一部を拡大したものであり、それぞれ1目盛り50μmで撮影した写真である。カーボンブラックの粒子は観察されないことが確認された。図4に、比較例1で得られたペレット断面の光学顕微鏡観察写真を示す。図4(b)は図4(a)の一部を拡大したものであり、それぞれ1目盛り100μmで撮影した写真である。カーボンブラック(B−2)が50μmを超える粒子径で多数存在していることが確認された。
以上の結果から、本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られる成形品は、比較例から得られる成形品と比較して、黒色を要求される用途において、絶縁性、薄肉流動安定性に優れ、成形品表面からの樹脂組成物粉末の脱落抑制も可能であることがわかる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は薄肉流動安定性に優れ、ランダムショートなどの成形時の不良を低減することができる。また、それからなる成形品は、絶縁性に優れ、組み立て工程などでの樹脂組成物粉末の脱落が低減されることから、黒着色品で絶縁性が要求され、薄肉部を有する成形品、小型の電気・電子部品、例えば、狭ピッチコネクタ、ECUコネクタ、スイッチ、小型モーター用コイルボビン、リレー用部品、携帯電話、デジタルカメラなどに用いられるカメラモジュール用部品、LED用ケットおよびその周辺部品などに好適に利用することができる。
G1・・・ゲート
B−2・・・カーボンブラック凝集体
B−2・・・カーボンブラック凝集体
(1)液晶性ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド系樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂100重量部に対し、カーボンブラック0.1〜20重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物である。この熱可塑性樹脂組成物中には、カーボンブラックが最大粒子径50μm以下で分散している。
(1)液晶性ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド系樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂100重量部に対し、一次粒子径が70〜200nmのカーボンブラック0.1〜20重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物である。この熱可塑性樹脂組成物中には、カーボンブラックが最大粒子径50μm以下で分散している。
(7)少なくとも熱可塑性樹脂およびカーボンブラックを二軸押出機に供給して溶融混練する熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、二軸押出機の原料投入位置(L0)から吐出位置までの全長(L)に対し、熱可塑性樹脂およびカーボンブラックの投入位置(L0)から3L/10までの間の滞留時間(初期滞留時間)を、二軸押出機全長の滞留時間(全滞留時間)の15%以下とし、かつ、3L/10から吐出位置までの間における最大せん断速度を1000〜10000(sec -1 )として溶融混練して得られる(1)〜(6)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(8)少なくとも熱可塑性樹脂およびカーボンブラックを二軸押出機に供給して溶融混練して、(1)〜(6)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法である。このような熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、二軸押出機の原料投入位置(L0)から吐出位置までの全長(L)に対し、熱可塑性樹脂およびカーボンブラックの投入位置(L0)から3L/10までの間の滞留時間(初期滞留時間)を、二軸押出機全長の滞留時間(全滞留時間)の15%以下としている。また、このような熱可塑性樹脂組成物の製造方法では、3L/10から吐出位置までの間における最大せん断速度を1000〜10000(sec-1)として溶融混練する。
(8)少なくとも熱可塑性樹脂およびカーボンブラックを二軸押出機に供給して溶融混練して、(1)〜(6)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法である。このような熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、二軸押出機の原料投入位置(L0)から吐出位置までの全長(L)に対し、熱可塑性樹脂およびカーボンブラックの投入位置(L0)から3L/10までの間の滞留時間(初期滞留時間)を、二軸押出機全長の滞留時間(全滞留時間)の15%以下としている。また、このような熱可塑性樹脂組成物の製造方法では、3L/10から吐出位置までの間における最大せん断速度を1000〜10000(sec-1)として溶融混練する。
(9)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形品。
(10)肉厚0.1mm以下の部分を有する上記(9)記載の成形品。
(1)異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル樹脂100重量部に対し、一次粒子径が70〜200nmのカーボンブラック0.1〜20重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物である。この熱可塑性樹脂組成物中には、カーボンブラックが最大粒子径50μm以下で分散している。
(2)上記(1)記載の熱可塑性樹脂組成物である。このような熱可塑性樹脂組成物において、前記熱可塑性樹脂組成物への配合前のカーボンブラックの(a1)DBP吸収量(ml/100g)と(a2)一次粒子径(nm)の比(a1/a2)は、0.5〜1.5(ml/100g・nm)である。
ただし、上記(1)記載の熱可塑性樹脂組成物において、上記比(a1/a2)は、0.5(ml/100g・nm)未満であっても良い。また、上記比(a1/a2)は、1.5(ml/100g・nm)を超えることとしても良い。
(3)上記(1)または(2)記載の熱可塑性樹脂組成物である。このような熱可塑性樹脂組成物において、前記熱可塑性樹脂組成物への配合前のカーボンブラックのBET式低温窒素吸着法による比表面積が10〜40(m2/g)である。
(4)前記液晶性ポリエステル樹脂が下記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)から構成される上記(1)〜(3)いずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物である。このような熱可塑性樹脂組成物では、構造単位(I)が、構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対し65〜80モル%である。構造単位(II)が、構造単位(II)および(III)の合計に対して55〜85モル%である。構造単位(IV)が、構造単位(IV)および(V)の合計に対して50〜95モル%である。
ただし、上記(1)〜(3)いずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物において、構造単位(I)は、構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対し65モル%未満であっても良い。また、構造単位(I)は、構造単位(I)、(II)および(III)の合計に対し80モル%を超えることとしても良い。
上記(1)〜(3)いずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物において、構造単位(II)は、構造単位(II)および(III)の合計に対して55モル%未満であっても良い。また、構造単位(II)は、構造単位(II)および(III)の合計に対して85モル%を超えることとしても良い。
上記(1)〜(3)いずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物において、構造単位(IV)は、構造単位(IV)および(V)の合計に対して50モル%未満であっても良い。また、構造単位(IV)は、構造単位(IV)および(V)の合計に対して95モル%を超えることとしても良い。
また、上記(1)〜(3)いずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を構成する液晶性ポリエステル樹脂は、上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)の少なくとも一部を含まなくてもよい。
上記(1)〜(3)いずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物において、構造単位(II)は、構造単位(II)および(III)の合計に対して55モル%未満であっても良い。また、構造単位(II)は、構造単位(II)および(III)の合計に対して85モル%を超えることとしても良い。
上記(1)〜(3)いずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物において、構造単位(IV)は、構造単位(IV)および(V)の合計に対して50モル%未満であっても良い。また、構造単位(IV)は、構造単位(IV)および(V)の合計に対して95モル%を超えることとしても良い。
また、上記(1)〜(3)いずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を構成する液晶性ポリエステル樹脂は、上記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)の少なくとも一部を含まなくてもよい。
(5)前記液晶性ポリエステル樹脂および前記カーボンブラックの合計100重量部に対し、さらに無機充填材を1〜200重量部配合してなる(1)〜(4)のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
ただし、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物において、上記無機充填材の配合量は、1重量部未満であっても良い。また、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物において、上記無機充填材の配合量は、200重量部を超えることとしても良い。
(6)少なくとも異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル樹脂およびカーボンブラックを二軸押出機に供給して溶融混練して得られる熱可塑性樹脂組成物であって、二軸押出機の原料投入位置(L0)から吐出位置までの全長(L)に対し、異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル樹脂およびカーボンブラックの投入位置(L0)から3L/10までの間の滞留時間(初期滞留時間)を、二軸押出機全長の滞留時間(全滞留時間)の15%以下とし、かつ、3L/10から吐出位置までの間における最大せん断速度を1000〜10000(sec-1)として溶融混練して得られる(1)〜(5)のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(7)少なくとも異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル樹脂およびカーボンブラックを二軸押出機に供給して溶融混練して、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法である。このような熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、二軸押出機の原料投入位置(L0)から吐出位置までの全長(L)に対し、異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル樹脂およびカーボンブラックの投入位置(L0)から3L/10までの間の滞留時間(初期滞留時間)を、二軸押出機全長の滞留時間(全滞留時間)の15%以下としている。また、このような熱可塑性樹脂組成物の製造方法では、3L/10から吐出位置までの間における最大せん断速度を1000〜10000(sec-1)として溶融混練する。
(7)少なくとも異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル樹脂およびカーボンブラックを二軸押出機に供給して溶融混練して、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法である。このような熱可塑性樹脂組成物の製造方法において、二軸押出機の原料投入位置(L0)から吐出位置までの全長(L)に対し、異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル樹脂およびカーボンブラックの投入位置(L0)から3L/10までの間の滞留時間(初期滞留時間)を、二軸押出機全長の滞留時間(全滞留時間)の15%以下としている。また、このような熱可塑性樹脂組成物の製造方法では、3L/10から吐出位置までの間における最大せん断速度を1000〜10000(sec-1)として溶融混練する。
ただし、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法において、上記初期滞留時間は、全滞留時間の15%を超えることとしても良い。
上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法において、上記3L/10から吐出位置までの間における最大せん断速度は、1000(sec-1)未満であっても良い。また、上記3L/10から吐出位置までの間における最大せん断速度は、10000(sec-1)を超えることとしても良い。
また、(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法として、少なくとも熱可塑性樹脂およびカーボンブラックを二軸押出機に供給して溶融混練する方法とは異なる方向を採用しても良い。
上記(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法において、上記3L/10から吐出位置までの間における最大せん断速度は、1000(sec-1)未満であっても良い。また、上記3L/10から吐出位置までの間における最大せん断速度は、10000(sec-1)を超えることとしても良い。
また、(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を製造する方法として、少なくとも熱可塑性樹脂およびカーボンブラックを二軸押出機に供給して溶融混練する方法とは異なる方向を採用しても良い。
(8)上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形品。
(9)肉厚0.1mm以下の部分を有する上記(8)記載の成形品。
既述した(A)液晶性ポリエステル樹脂、(B)カーボンブラック、および、必要に応じて(C)タルク、(D)ガラス繊維、および(E)マイカ、を用いて作製した実施例1、5〜26、参考例4〜6、および比較例1〜14の液晶性ポリエステル樹脂組成物の各々について、以下に説明する。
Claims (9)
- 熱可塑性樹脂100重量部に対し、カーボンブラック0.1〜20重量部を配合してなる熱可塑性樹脂組成物であり、熱可塑性樹脂組成物中に前記カーボンブラックが最大粒子径50μm以下で分散していることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
- 前記カーボンブラックの一次粒子径が70〜200nmであり、カーボンブラックの(a1)DBP吸収量(ml/100g)と(a2)一次粒子径(nm)の比(a1/a2)が0.5〜1.5(ml/100g・nm)であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記カーボンブラックのBET式低温窒素吸着法による比表面積が10〜40(m2/g)である請求項1または2記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂が異方性溶融相を形成する液晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 前記熱可塑性樹脂および前記カーボンブラックの合計100重量部に対し、さらに無機充填材を1〜200重量部配合してなる請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
- 少なくとも熱可塑性樹脂およびカーボンブラックを二軸押出機に供給して溶融混練する熱可塑性樹脂組成物の製造方法であって、二軸押出機の原料投入位置(L0)から吐出位置までの全長(L)に対し、熱可塑性樹脂およびカーボンブラックの投入位置(L0)から3L/10までの間の滞留時間(初期滞留時間)を、二軸押出機全長の滞留時間(全滞留時間)の15%以下とし、かつ、3L/10から吐出位置までの間における最大せん断速度を1000〜10000(sec-1)として溶融混練することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる成形品。
- 肉厚0.1mm以下の部分を有する請求項8記載の成形品。
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