JP2015124276A - 液晶性ポリエステル樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いスナップフィット性と成形時の糸引き抑制され、リフロー後の寸法安定性に優れる液晶性ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供すること。【解決手段】下記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)を有する液晶性ポリエステル(A)100重量部に対し、充填材(B)を10〜200重量部含有してなる液晶性ポリエステル樹脂組成物であって、前記樹脂組成物のポリマー当たりの融解熱量(ΔHm)が0.1〜0.6J/gであり、前記樹脂組成物を成形してなる成形品の、ASTM D648に準じて荷重1.82MPaで測定した荷重たわみ温度が250〜300℃であることを特徴とする液晶性ポリエステル樹脂組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、液晶性ポリエステル樹脂組成物に関するものである。さらに詳しくは液晶性ポリエステルおよび充填材を含有し、特定の融解熱量、荷重たわみ温度を有する液晶性ポリエステル樹脂組成物であって、スナップフィット耐久性、リフロー処理後の寸法安定性に優れ、また成形時の糸引きが抑制された液晶性ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる成形品に関するものである。
液晶性ポリエステルは、その液晶構造のため、耐熱性、流動性、寸法安定性に優れる。このため、それらの特性が要求される小型の電気・電子部品を中心に需要が拡大している。また、特に近年ではそれら部品の小型化、精密化と、それに伴う部品点数低減やねじレス化のためにスナップフィット部の適用が拡大している。しかし、成形品の小型薄肉化のため、スナップフィット部の強度不足に起因するスナップフィットの繰り返しにおける耐久性が不十分である課題や、リフロー処理時における耐熱性不足に起因する成形品の変形といった課題があった。また、成形品の小型化に伴い、成形時における成形品冷却時間の短縮によるハイサイクル化が進められている。しかし、成形品の固化速度が遅いことによる離型性の低下や、型開時に成形品スプルー先端とノズル部との間とで溶融樹脂が糸を引き、金型面に挟み込まれる「糸引き」が発生するといった課題があった。そのため、スナップフィット部を有する小型成形品において、スナップフィット耐久性、耐熱性、ハイサイクル成形性の向上が求められている。
上記の課題を解決するため、液晶性ポリエステルの結晶性に着目し、液晶性ポリエステルの融点と結晶化温度との差を特定の範囲に制御することで、成形時の樹脂充填と離型性を両立させた肉厚な成形品の提案がなされている(例えば特許文献1参考)。また、液晶性ポリエステルの融点、融解熱量から得られる融解エントロピー(ΔS)の制御により、分子鎖配向を秩序立った状態とさせ高い強度を発現させたブロー成形品の提案や(例えば特許文献2)、成形時の溶融特性と結晶性のバランスにより成形時の計量時間や射出ピーク圧力が安定した成形品(例えば特許文献3)の提案がなされている。また、脂肪族を構造単位に含む液晶性ポリエステルにおいて結晶性を高く制御することで、耐薬品性や耐加水分解性が改良された成形品が提案されている(例えば特許文献4参考)。
特開2007−169379号公報 特開2004−352862号公報 特願2010−289706号公報 特開平8−134195号公報
しかしながら、かかる従来技術において、融解エントロピーを制御し結晶性を低くすることで成形時に分子鎖状態を制御させた場合、柔軟性に優れるためスナップフィット耐久性についてはある程度の効果を示すものの、固化速度の低下により成形時の糸引き性が悪化したり、成形品の耐熱性が不足することによりリフロー処理時に成形品が変形したりする課題があった。一方、液晶性ポリエステルの融点と結晶化温度との差を小さくしたり、融解エントロピーの制御により結晶性を高くさせた場合、耐熱性の向上によるリフロー処理時の成形品の変形の抑制や、成形時の固化特性の向上による成形時の糸引き性の抑制にはある程度の効果はあるものの、固化速度の向上により薄肉流動性が低下したり、柔軟性の低下によりスナップフィット耐久性が低下したりする課題があった。そのため、従来の検討では、小型の電気・電子部品用途に向けた、ハイサイクル成形性、スナップフィット耐久性、リフロー処理時の成形品の変形の抑制を同時に達成するという課題については、十分満足できるものではなかった。
本発明は、スナップフィット耐久性に優れ、また、リフロー処理時の成形品の変形を抑制し寸法安定性に優れ、さらに、成形時の糸引きが抑制されることで、ハイサイクル成形性に優れる成形品を得ることのできる液晶性ポリエステル樹脂および成形品を提供することを課題とするものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の構造単位を有する液晶性ポリエステルに充填材を配合させてなり、液晶性ポリエステル樹脂組成物が特定の融解熱量を有し、それを成形してなる成形品が特定の荷重たわみ温度を有する液晶性ポリエステル樹脂組成物により、特異的にスナップフィット耐久性、リフロー後の成形品の変形の抑制(リフロー後の寸法安定性)、および、ハイサイクル成形性に優れ、小型の電気・電子用途への使用に適している成形品を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、本発明の実施形態は、以下に挙げる構成の少なくとも一部を含み得る。
(1)下記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)を有する液晶性ポリエステル(A)100重量部に対し、充填材(B)を10〜200重量部含有する液晶性ポリエステル樹脂組成物であって、前記液晶性ポリエステルのポリマー当たりの融解熱量(ΔHm)が0.1〜0.6J/gであり、前記樹脂組成物を成形してなる成形品の、ASTM D648に準じて荷重1.82MPaで測定した荷重たわみ温度が250〜300℃であることを特徴とする液晶性ポリエステル樹脂組成物。
Figure 2015124276
(2)融点Tmと降温結晶化温度Tcが下式[1]の範囲となることを特徴とする(1)に記載の液晶性ポリエステル樹脂組成物。
36<Tm−Tc<40 −[1]
(Tcは、示差熱量測定において、液晶性ポリエステル樹脂組成物を室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm)の観測後、Tm+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した際に観測される発熱ピーク温度(Tc)を指す。Tmは、Tcを観測し室温まで降温させた後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度を指す。)
(3)液晶性ポリエステル(A)が、(A−1)成分と(A−2)成分を配合してなる液晶性ポリエステルであって、
前記(A−1)成分は、下記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)を有し、
下式[2]で定義されるΔS(融解エントロピー)が1.0×10−3〜3.0×10−3J/g・Kである液晶性ポリエステルであり、
前記(A−2)成分は、下記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)を有し、
下式[2]で定義されるΔS(融解エントロピー)が0.1×10−3〜0.9×10−3J/g・Kである液晶性ポリエステルであり、
前記(A−1)成分と前記(A−2)成分の合計を100重量%としたときに、
前記(A)成分50〜95重量%に対して、前記(A−2)成分を5〜50重量%含有することを特徴とする、(1)または(2)に記載の液晶性ポリエステル樹脂組成物。
ΔS(J/g・K)=ΔHm(J/g)/Tm(K) −[2]
(Tmは示差熱量測定において、重合を完了したポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm)の観測後、Tm+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却し、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度を指し、ΔHmは該吸熱ピーク温度の吸熱ピーク面積である。)
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の液晶性ポリエステル樹脂組成物を成形してなる成形品。
本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物により、スナップフィット耐久性、耐熱性に優れることによるリフロー後の寸法安定性、成形時の糸引きが小さいことによるハイサイクル成形性に優れる成形品を得ることが出来る。特に、小型の電気・電子部品用途などへの提供に好適であり、特に、スナップフィット部を有する電気・電子部品に用いることができる。
そり量の測定部位を示す概念図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
[液晶性ポリエステル]
本発明の実施形態における液晶性ポリエステル(A)は、溶融時に光学的異方性を示すサーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルであり、下記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)から構成される。
Figure 2015124276
上記構造単位(I)は、p−ヒドロキシ安息香酸から生成した構造単位を、構造単位(II)は4,4’−ジヒドロキシビフェニルから生成した構造単位を、構造単位(III)はハイドロキノンから生成した構造単位を、構造単位(IV)はテレフタル酸から生成した構造単位を、構造単位(V)はイソフタル酸から生成した構造単位を各々示す。
本発明の実施形態における液晶性ポリエステル(A)が上記の構造単位から構成されることで、得られる液晶性ポリエステル樹脂は、結晶性と耐熱性のバランスに優れる。
液晶性ポリエステル(A)が、上記の構造単位を有さない場合は、結晶性と耐熱性のバランスに劣り、本発明の効果が不十分となる。これは、構造単位(I)が液晶性ポリエステルの結晶性を制御するとともに、非直線性分子である構造単位(V)が耐熱性に関係する分子鎖配列を制御し、構造単位(II)、(III)および(IV)により耐熱性に関係するポリマー融点を制御することができるため、後述する本発明の範囲である融解熱量および荷重たわみ温度を有する液晶性ポリエステル樹脂組成物を得ることが容易となる。そのため、それからなる液晶性ポリエステル樹脂組成物は、適度な結晶性を有するため、それを成形してなる成形品は、成形時の糸引きを抑制することができ、スナップフィット耐久性に優れ、また、耐熱性に優れるためリフロー処理時の成形品の変形を抑制することができ、リフロー処理後の寸法安定性に優れる。
本発明の液晶性ポリエステル(A)における構造単位(I)の含有量は、構造単位(I)、(II)および(III)の含有量の合計に対して65モル%以上が好ましく、68モル%以上がより好ましい。一方、構造単位(I)の含有量は、構造単位(I)、(II)および(III)の含有量の合計に対して80モル%以下が好ましく、78モル%以下がより好ましい。
また、構造単位(II)の含有量は、構造単位(II)および(III)の含有量の合計に対して55モル%以上が好ましく、58モル%以上がより好ましい。一方、構造単位(II)の含有量は、構造単位(II)および(III)の含有量の合計に対して85モル%以下が好ましく、78モル%以下がより好ましく、73モル%以下がさらに好ましい。
また、構造単位(IV)の含有量は構造単位(IV)および(V)の含有量の合計に対して50モル%以上が好ましく、55モル%以上がより好ましく、60モル%以上がさらに好ましい。一方、構造単位(IV)の含有量は構造単位(IV)および(V)の含有量の合計に対して95モル%以下が好ましく、90モル%以下がより好ましく、85モル%以下がさらに好ましい。
また、構造単位(II)および(III)の合計と(IV)および(V)の合計は実質的に等モルである。ここでいう「実質的に等モル」とは、末端を除くポリマー主鎖を構成する構造単位が等モルであることを示す。このため、末端を構成する構造単位まで含めた場合には必ずしも等モルとはならない態様も、「実質的に等モル」の要件を満たしうる。
本発明の実施形態において、各構造単位の含有量の算出法を以下に示す。まず、液晶性ポリエステルをNMR(核磁気共鳴)試験管に量りとり、液晶性ポリエステルが可溶な溶媒(例えば、ペンタフルオロフェノール/重テトラクロロエタン−d混合溶媒)に溶解する。次に、溶液について、H−NMRスペクトル測定を行い、各構造単位由来のピーク面積比から算出することができる。
上記構造単位(I)〜(V)の含有量を上記範囲とすることにより、耐熱性、機械的特性および低ガス性に優れた液晶性ポリエステルが容易に得られるため好ましい。また、それからなる液晶性ポリエステル樹脂組成物を成形してなる成形品は、スナップフィット耐久性、リフロー処理後の寸法安定性、成形時の糸引きを抑制しハイサイクル成形性に優れるため好ましい。
本発明の実施形態における液晶性ポリエステル(A)は、上記構造単位(I)〜(V)を有し、下式[2]で定義されるΔS(融解エントロピー)が1.0×10−3〜3.0×10−3J/g・Kである液晶性ポリエステル(A−1)と、上記構造単位(I)〜(V)を有し、下式[2]で定義されるΔS(融解エントロピー)が0.1×10−3〜0.9×10−3J/g・Kである液晶性ポリエステル(A−2)を配合することが好ましい。2種の液晶性ポリエステルを配合することで、液晶性ポリエステル樹脂組成物の結晶性と耐熱性がバランスよく制御され、本発明の範囲の融解熱量と荷重たわみ温度が容易に得られ、得られる成形品のスナップフィット耐久性、リフロー後の寸法安定性、および成形時の糸引き性が向上するため好ましい。
ΔS(J/g・K)=ΔHm(J/g)/Tm(K) −[2]
(Tmは示差熱量測定において、重合を完了したポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm)の観測後、Tm+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却し、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度を指し、ΔHmは該吸熱ピーク温度の吸熱ピーク面積である。)
本発明の実施形態における液晶性ポリエステル(A)のうち、(A−1)成分のΔSは、1.2×10−3J/g・K以上が好ましく、1.5×10−3J/g・K以上がより好ましい。一方、2.6×10−3J/g・K以下が好ましく、2.2×10−3J/g・K以下がより好ましい。また、(A−2)成分のΔSは、0.7×10−3J/g・K以下が好ましく、0.5×10−3J/g・K以下がより好ましい。上記範囲のΔSを有する液晶性ポリエステルを2種配合することで、より結晶性と耐熱性のバランスに優れるため、得られる成形品のスナップフィット耐久性、リフロー後の寸法安定性、およびハイサイクル成形性が向上するため好ましい。
本発明の実施形態における液晶性ポリエステル(A)として、構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)から構成される液晶性ポリステルを2種配合することで、例えば溶融混練により液晶性ポリエステル樹脂組成物とする際、2種の液晶性ポリエステルの分散性が良好となり、得られる液晶性ポリエステル樹脂組成物を成形してなる成形品のスナップフィット性、リフロー後の寸法安定性およびハイサイクル成形性が向上するため好ましい。
一方、2種の液晶性ポリエステルが上記構造単位でない場合、後述する本発明の範囲である融解熱量、荷重たわみ温度の達成が困難であったり、溶融混練時に液晶性ポリエステル同士の分散性が不十分であったりするため、得られる液晶性ポリエステル樹脂組成物における本発明の効果が十分でないため好ましくない。
本発明の実施形態における液晶性ポリエステル(A)は、(A−1)成分と(A−2)成分を配合してなり、前記(A−1)成分と前記(A−2)成分の合計を100重量%としたときに、(A−1)成分が50〜95重量%に対して、(A−2)成分を5〜50重量%配合することが好ましい。異なる範囲のΔSを有する液晶性ポリエステルを上記範囲で配合することにより、それからなる液晶性ポリエステル樹脂組成物を成形してなる成形品は、スナップフィット耐久性、リフロー時の寸法安定性、およびハイサイクル成形性に優れるため好ましい。
本発明の実施形態における液晶性ポリエステル(A)のうち、(A−1)成分は60重量%以上が好ましい。一方、90重量%以下が好ましい。また、(A−2)成分は10重量%以上が好ましい。一方、40重量%以下が好ましい。液晶性ポリエステル(A)のうち(A−1)成分と(A−2)成分を上記割合で配合することで、得られる液晶性ポリエステル(A)の結晶性と耐熱性のバランスがより優れるため、それからなる液晶性ポリエステル樹脂組成物を成形してなる成形品は、スナップフィット耐久性、リフロー時の寸法安定性、およびハイサイクル成形性に優れるため好ましい。
本発明の実施形態における液晶性ポリエステル(A)は、その構造単位のうち結晶性に影響する成分である構造単位(I)の含有量を制御することで、得られる液晶性ポリエステルのΔSの制御が容易となる。具体的には、ΔSが1.0×10−3〜3.0×10−3J/g・Kの液晶性ポリエステル(A−1)は、構造単位(I)の含有量が、構造単位(I)、(II)および(III)の含有量の合計に対して72モル%を超え80モル%以下であることが好ましい。液晶性ポリエステル(A−1)の構造単位(I)の含有量が上記範囲である場合、構造単位(I)は液晶性ポリエステルの結晶性に影響するため、得られる液晶性ポリエステル(A)の結晶性が向上し、それから得られる液晶性ポリエステル樹脂組成物を成形してなる成形品は耐熱性が向上しリフロー後の寸法安定性に優れる。また、成形時の糸引きが抑制される。
一方、ΔSが0.1×10−3〜0.9×10−3J/g・Kの液晶性ポリエステル(A−2)は、構造単位(I)の含有量が、構造単位(I)、(II)および(III)の含有量の合計に対して65モル%以上72モル%以下であることが好ましい。液晶性ポリエステル(A−2)の構造単位(I)の含有量が上記範囲である場合、構造単位(I)は液晶性ポリエステルの結晶性に影響するため、得られる液晶性ポリエステル(A)の結晶性の過度の向上が抑制され、耐熱性の低下を抑制しつつ柔軟性を向上させることができるため、それから得られる液晶性ポリエステル樹脂組成物を成形してなる成形品はスナップフィット耐久性が向上する。
本発明の実施形態における液晶性ポリエステル(A)の融点(Tm)は、耐熱性の観点〜220℃以上が好ましく、270℃以上がより好ましく、300℃以上がさらに好ましい。一方、加工性の観点から液晶性ポリエステルの融点(Tm)は、350℃以下が好ましく、345℃以下がより好ましく、340℃以下がさらに好ましい。
融点(Tm)の測定は、示差走査熱量測定により行う。具体的には、まず、重合を完了したポリマーを室温から20℃/分の昇温条件で加熱することにより吸熱ピーク温度(Tm)を観測する。吸熱ピーク温度(Tm)の観測後、吸熱ピーク温度(Tm)+20℃の温度でポリマーを5分間保持する。その後、20℃/分の降温条件で室温までポリマーを冷却する。そして、20℃/分の昇温条件でポリマーを加熱することにより吸熱ピーク温度を観測する。融点(Tm)とは、該吸熱ピーク温度を指す。
本発明の実施形態における液晶性ポリエステル(A)の数平均分子量は、機械的強度の観点から3,000以上が好ましく、8,000以上がより好ましい。一方、流動性の観点から、液晶性ポリエステルの数平均分子量は、50,000以下が好ましく、30,000以下がより好ましく、20,000以下がさらに好ましい。
数平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフ)/LALLS法により測定することが可能である。この方法においては、液晶性ポリエステルが可溶な溶媒を溶離液として使用する。液晶性ポリエステルが可溶な溶媒としては、例えば、ハロゲン化フェノール類、ハロゲン化フェノールと一般有機溶媒との混合溶媒が挙げられる。好ましくはペンタフルオロフェノール、およびペンタフルオロフェノールとクロロホルムの混合溶媒であり、なかでもハンドリング性の観点からペンタフルオロフェノール/クロロホルム混合溶媒が好ましい。
GPC測定は、例えば、Waters社製のGPC装置と、Waters社製の示差屈折率検出器RI2410と、昭和電工社製のカラムShodex K−806M(2本)、K−802(1本)を使用して行う。溶離液としては、ペンタフルオロフェノール/クロロホルム(35/65w/w%)を使用する。GPC測定は、測定温度23℃ 、流速0.8mL/分、試料注入量200μL(濃度:0.1%)の条件で測定することができる。また、LALLS測定は、例えば、Chromatix製の低角度レーザー光散乱光度計KMX−6を使用し、検出器波長633nm(He−Ne)、検出器温度23℃の条件により測定することができる。
本発明の実施形態における液晶性ポリエステル(A)の溶融粘度は、機械的強度の観点から1Pa・s以上が好ましく、3Pa・s以上がより好ましく、5Pa・s以上がさらに好ましい。一方、流動性の観点から、液晶性ポリエステルの溶融粘度は、200Pa・s以下が好ましく、100Pa・s以下がより好ましく、50Pa・s以下がさらに好ましい。
通常、液晶性ポリエステル(A)の溶融粘度を低下させることで流動性の向上が見られるものの、同時に結晶性が増加するためスナップフィット耐久性の悪化が見られる。しかし、本発明の実施形態における液晶性ポリエステル樹脂組成物は、特定の構造単位により構成される液晶性ポリエステルと充填材からなり、特定の範囲の融解熱量および荷重たわみ温度を有するため、結晶性が制御されている。そのため液晶性ポリエステルの溶融粘度を低下させた場合でも結晶性が低下することなく、流動性の低下も抑制できる。さらに得られる成形品のスナップフィット耐久性といった特性を保持することもできる。
なお、この溶融粘度は、液晶性ポリエステルの融点(Tm)+10℃の温度で、かつ、ずり速度1,000/秒の条件下で、高化式フローテスターによって測定した値である。
本発明の実施形態における液晶性ポリエステル(A)の製造方法は、液晶性ポリエステル樹脂組成物とした際に本発明の範囲である融解熱量(ΔHm)、荷重たわみ温度(DTUL)を満たすのであれば、特に制限がなく、公知のポリエステルの重縮合法に準じて製造できる。また、液晶性ポリエステル(A)として、(A−1)成分と(A−2)成分を配合する場合、それらの製造方法についても、液晶性ポリエステル樹脂組成物とした際に本発明の範囲である融解熱量(ΔHm)、荷重たわみ温度(DTUL)を満たすのであれば、特に制限はなく、公知のポリエステルの重縮合法に準じて製造できる。公知のポリエステルの重縮合法としては、例えば次の製造方法が挙げられる。
(1)p−アセトキシ安息香酸および4,4’−ジアセトキシビフェニル、ジアセトキシベンゼンとテレフタル酸、イソフタル酸から脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(2)p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニルおよびハイドロキノンとテレフタル酸、イソフタル酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアセチル化した後、脱酢酸重縮合することによって液晶性ポリエステルを製造する方法。
(3)p−ヒドロキシ安息香酸フェニルおよび4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンとテレフタル酸ジフェニル、イソフタル酸ジフェニルから脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
(4)p−ヒドロキシ安息香酸およびテレフタル酸、イソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸に所定量のジフェニルカーボネートを反応させて、それぞれフェニルエステルとした後、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノンなどの芳香族ジヒドロキシ化合物を加え、脱フェノール重縮合反応により液晶性ポリエステルを製造する方法。
なかでも(2)p−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、テレフタル酸、イソフタル酸に無水酢酸を反応させて、フェノール性水酸基をアセチル化した後、脱酢酸重縮合反応によって液晶性ポリエステルを製造する方法が、液晶性ポリエステルの末端構造の制御および重合度の制御に工業的に優れる点から、好ましく用いられる。
上記製造方法において、無水酢酸の使用量は、重合反応を速やかに進行させる観点からp−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニルおよびハイドロキノンのフェノール性水酸基の合計の1.00モル当量以上であることが好ましく、1.03モル当量以上がより好ましく、1.05モル当量以上がさらに好ましい。一方、液晶性ポリエステルの末端構造制御の観点から、無水酢酸の使用量は、p−ヒドロキシ安息香酸、4,4’−ジヒドロキシビフェニルおよびハイドロキノンのフェノール性水酸基の合計の1.15モル当量以下が好ましく、1.12モル当量以下がより好ましい。さらに、無水酢酸の使用量を上記範囲にすることにより、アセチル化反応速度の小さいハイドロキノンのアセチル化率を制御して、液晶性ポリエステルの末端構造を容易に制御することができる。それにより、ガス発生量がより少ない液晶性ポリエステルを得ることができる。
本発明の実施形態における液晶性ポリエステルを脱酢酸重縮合反応により製造する方法は、以下の方法が好ましい。具体的には、液晶性ポリエステルが溶融する温度にした状態で、減圧して反応させることにより、重縮合反応を完了させる溶融重合法である。溶融重合法は、均一なポリマーを製造するために有利な方法であり、ガス発生量がより少ないポリマーを得ることができ好ましい。
具体的には、液晶性ポリエステルを脱酢酸重縮合反応により製造する方法は、以下の方法が挙げられる。所定量のp−ヒドロキシ安息香酸および4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ハイドロキノン、テレフタル酸、イソフタル酸および無水酢酸を、反応容器中に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら加熱して水酸基をアセチル化させる。なお、反応容器は、撹拌翼、留出管を備え、下部に吐出口を備える。その後、混合物を液晶性ポリエステルの溶融温度まで昇温させた後に減圧することにより、重縮合させ、反応を完了させる。
アセチル化させる温度は、反応進行を促進させる観点から130℃以上が好ましく、135℃以上がより好ましい。一方、反応の過剰進行を抑制する観点から、アセチル化させる温度は、300℃以下が好ましく、200℃以下がより好ましい。また、アセチル化反応時間は、反応率を高める観点から、1時間以上が好ましい。一方、生産性の観点から、アセチル化反応時間は、6時間以下が好ましく、4時間以下がより好ましい。重縮合させる温度は、液晶性ポリエステルの溶融温度、例えば、250〜365℃の範囲であり、好ましくは液晶性ポリエステルの融点+10℃以上の温度である。
重縮合させるときの圧力は、生産性の観点から0.1mmHg(13.3Pa)以上が好ましい。一方、重縮合反応の促進の観点から、重縮合させるときの圧力は、20mmHg(2660Pa)以下が好ましく、10mmHg(1330Pa)以下がより好ましく、5mmHg(665Pa)以下がさらに好ましい。
なお、アセチル化と重縮合は同一の反応容器で連続して行ってもよく、アセチル化と重縮合を異なる反応容器で行ってもよい。
重合終了後、得られたポリマーを反応容器から取り出す方法としては、以下の方法が挙げられる。その方法は、ポリマーが溶融する温度で反応容器内を加圧し、反応容器に設けられた吐出口よりポリマーを吐出させ、吐出させたポリマーを冷却水中で冷却する方法である。上記反応容器内の加圧は、例えば、0.02〜0.5MPaとしてもよい。上記吐出口は、反応容器下部に設けてもよい。また、ポリマーは、吐出口からストランド状に吐出させてもよい。冷却液中で冷却したポリマーをペレット状に切断することで、樹脂ペレットを得ることができる。
本発明の実施形態における液晶性ポリエステルを製造する方法として、固相重合法により重縮合反応を完了させることも可能である。固相重合法による処理としては、例えば、以下の方法が挙げられる。本発明の実施形態における液晶性ポリエステルのポリマーまたはオリゴマーを粉砕機で粉砕する。粉砕したポリマーまたはオリゴマーを、窒素気流下、または、減圧下において加熱し、所望の重合度まで重縮合することで、反応を完了させる。上記加熱は、液晶性ポリエステルの融点−5℃〜融点−50℃(例えば、200〜300℃)の範囲で1〜50時間行うこととしてもよい。
本発明の実施形態としての液晶性ポリエステルの重縮合反応は無触媒でも進行するが、酢酸第一錫、テトラブチルチタネート、酢酸カリウムおよび酢酸ナトリウム、三酸化アンチモン、金属マグネシウムなどの金属化合物を触媒として使用することもできる。
[充填材]
本発明の実施形態における充填材(B)は、特に限定されるものではないが、例えば、繊維状、板状、粉末状、粒状などの充填材を挙げることができる。具体的には、ガラス繊維、PAN系やピッチ系の炭素繊維、ステンレス繊維、アルミニウム繊維や黄銅繊維などの金属繊維、芳香族ポリアミド繊維や液晶性ポリエステル繊維などの有機繊維、石膏繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、ジルコニア繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、酸化チタン繊維、炭化ケイ素繊維、ロックウール、チタン酸カリウムウィスカー、チタン酸バリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、針状酸化チタンなどの繊維状またはウィスカー状充填材、マイカ、タルク、カオリン、シリカ、ガラスビーズ、ガラスフレーク、クレー、二硫化モリブデン、ワラステナイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ポリリン酸カルシウムおよび黒鉛などの粉状、粒状あるいは板状の充填材が挙げられる。本発明に使用される上記の充填材は、その表面を公知のカップリング剤(例えば、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤など)、その他の表面処理剤で処理されていてもよい。
これら充填材のなかで、特に機械的強度、スナップフィット耐久性の点からガラス繊維が好ましい。ガラス繊維の種類は、一般に樹脂の強化用に用いるものならば特に限定はなく、例えば、長繊維タイプや短繊維タイプのチョップドストランドおよびミルドファイバーなどから選択して用いることができる。
本発明の実施形態で使用されるガラス繊維としては、弱アルカリ性のものが機械的強度の点で好ましい。特に酸化ケイ素含有量が50〜80重量%のガラス繊維が好ましく用いられ、より好ましくは酸化ケイ素含有量が65〜77重量%のガラス繊維である。また、ガラス繊維はエポキシ系、ウレタン系、アクリル系などの被覆あるいは収束剤で処理されていることが好ましく、エポキシ系が特に好ましい。
また、ガラス繊維は、シラン系、チタネート系などのカップリング剤や、その他表面処理剤で処理されていることが好ましく、エポキシシラン、アミノシラン系のカップリング剤が特に好ましい。なおガラス繊維は、エチレン/酢酸ビニル共重合体などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で被覆あるいは集束されていてもよい。また、上記充填材は2種以上を併用してもよい。
充填材(B)の含有量は、液晶性ポリエステル(A)100重量部に対して、10〜200重量部であることを特徴とする。充填材の含有量を10重量部以上とすることにより、耐熱性および機械的強度をより向上させることができ、スナップフィット耐久性、リフロー後の寸法安定性に優れる。充填材の含有量は、20重量部以上がより好ましく、30重量部以上がさらに好ましい。また、充填材の含有量を200重量部以下とすることにより、流動性、柔軟性を向上させることができスナップフィット耐久性に優れる。充填材の含有量は、150重量部以下がより好ましく、100重量部以下がさらに好ましい。
充填材(B)の含有量が、液晶性ポリエステル(A)100重量部に対して10重量部より少ない、または充填材を含有しない場合であると、液晶性ポリエステル樹脂組成物の機械強度が十分でなく、得られる成形品のスナップフィット耐久性に劣る。また、リフロー処理時の成形品の変形が生じてリフロー後の寸法安定性が低下する。一方、充填材の含有量が、液晶性ポリエステル(A)100重量部に対して200重量部を超える場合、液晶性ポリエステル樹脂組成物の剛性が高くなりすぎることにより柔軟性が低下し、得られる成形品のスナップフィット耐久性が低下する。
本発明の実施形態における液晶性ポリエステル樹脂組成物は、ポリマー当たりの融解熱量(ΔHm)が0.1〜0.6J/gの範囲であることを特徴とする。融解熱量は、示差熱量測定において、液晶性ポリエステル樹脂組成物を室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm)の観測後、Tm+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却し、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク面積(ΔHm)を指す。ここで融解熱量(ΔHm)とは、得られる吸熱ピーク(J)を、測定した液晶性ポリエステル樹脂組成物中の液晶性ポリエステル(A)の重量(g)で除した値を用いる。液晶性ポリエステル樹脂組成物中の液晶性ポリエステル(A)の重量を用いて求めた融解熱量(ΔHm)が上記範囲にあることで、液晶性ポリエステル樹脂組成物を成形して得られる成形品のスナップフィット耐久性や、ハイサイクル成形性に優れる。なお、液晶性ポリエステル樹脂組成物中の液晶性ポリエステル(A)の重量は、液晶性ポリエステル樹脂組成物を焼成した灰分重量を求めることで計算することができる。
本発明の実施形態における液晶性ポリエステル樹脂組成物は、融解熱量(ΔHm)が0.5J/g以下が好ましく、一方、0.2J/g以上が好ましい。
融解熱量が0.6J/gより大きい場合、液晶性ポリエステル樹脂組成物の結晶性が高くなり柔軟性が低下するため、得られる成形品のスナップフィット耐久性が低下する。一方、融解熱量が0.1J/gより小さい場合、耐熱性が不十分であり、得られる成形品のリフロー後の寸法安定性に劣る。また、溶融樹脂の固化速度が低下し、成形時の糸引き性が低下する。
本発明の実施形態における液晶性ポリエステル樹脂組成物を成形してなる成形品は、ASTM D648に準じて荷重1.82MPaで測定した荷重たわみ温度が、250〜300℃であることを特徴とする。荷重たわみ温度は、255℃以上が好ましい。一方、285℃以下が好ましい。
荷重たわみ温度が250℃より小さい場合、耐熱性が十分でなく、リフロー時の寸法安定性が低下する。一方、荷重たわみ温度が300℃より大きいと、液晶性ポリエステル樹脂組成物の加工温度が高くなり、成形時の糸引き性が低下する。
本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物は、特定組成の液晶性ポリエステルと充填材を配合してなり、上記範囲の融解熱量と荷重たわみ温度を両立させることで、優れたスナップフィット耐久性、リフロー時の寸法安定性、およびハイサイクル成形性を達成することができる。上記の融解熱量と荷重たわみ温度を両立させることは、前述した2種の異なる範囲のΔSを有する液晶性ポリエステルを使用することや、後述する液晶性ポリエステルの融点と結晶化温度との差を特定の範囲にすることにより、達成がより容易となる。本発明の範囲である液晶性ポリエステルを使用しない場合や、充填材を使用しない場合では、上記の範囲の融解熱量および荷重たわみ温度の両立ができず、本発明の効果が不十分となる。
本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物は、融点Tmと降温結晶化温度Tcが下式[1]の範囲となることが好ましい。
36<Tm−Tc<40 −[1]
(Tcは、示差熱量測定において、液晶性ポリエステル樹脂組成物を室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm)の観測後、Tm+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した際に観測される発熱ピーク温度を指す。Tmは、Tcを観測し室温まで降温させた後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度を指す。)
融点と降温結晶化温度との差は、37℃以上がより好ましい。一方、39℃以下がより好ましい。
本発明の実施範囲である液晶性ポリエステル樹脂組成物の融点と降温結晶化温度との差が上記範囲であると、溶融樹脂が固化しやすく、成形時の糸引きが抑制されハイサイクル成形性が向上するため好ましい。また、液晶性ポリエステル樹脂組成物の融点に対して固化温度が近接しているため耐熱性が高く、成形品にしたときにリフロー後の寸法安定性に優れるため好ましい。
本発明の実施形態である液晶性ポリエステル樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲でさらに酸化防止剤、熱安定剤(例えば、ヒンダードフェノール、ヒドロキノン、ホスファイト類およびこれらの置換体など)、紫外線吸収剤(例えば、レゾルシノール、サリシレート)、亜リン酸塩、次亜リン酸塩などの着色防止剤、滑剤および離型剤(モンタン酸およびその金属塩、そのエステル、そのハーフエステル、ステアリルアルコール、ステアラミドおよびポリエチレンワックスなど)、染料または顔料を含む着色剤、導電剤あるいは着色剤としてカーボンブラック、結晶核剤、可塑剤、難燃剤(臭素系難燃剤、燐系難燃剤、赤燐、シリコーン系難燃剤など)、難燃助剤、および帯電防止剤から選択される通常の添加剤を配合することが出来る。あるいは、液晶性ポリエステル以外の重合体を配合して、所定の特性をさらに付与することができる。
本発明の実施形態における液晶性ポリエステルに、充填材、および他の添加剤等を配合する方法としては、特に限定されるものではない。例えば、液晶性ポリエステルに固体状の充填材、添加剤等を配合するドライブレンド法や、液晶性ポリエステル、充填材に液体状の添加剤等を配合する溶液配合法、また、充填材、添加剤の液晶性ポリエステルの重合時添加や、液晶性ポリエステルと充填材、他の添加剤の溶融混練などが用いることができ、なかでも溶融混練が好ましい。溶融混練には公知の方法を用いることができる。たとえば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、液晶性ポリエステル樹脂組成物の融点+50℃以下で溶融混練して液晶性ポリエステル樹脂組成物とすることができる。なかでも二軸押出機が好ましい。
混練方法としては、1)液晶性ポリエステル(A)および充填材(B)や、添加剤を元込めフィーダーから一括で投入して混練する方法(一括混練法)、2)液晶性ポリエステル(A)および添加剤を元込めフィーダーから投入して混練した後、充填材(B)および添加剤をサイドフィーダーから添加して混練する方法(サイドフィード法)、3)液晶性ポリエステル(A)と添加剤を高濃度に含むマスターペレットを作製し、次いで規定の濃度になるようにマスターペレットを液晶性ポリエステル(A)および充填材(B)と混練する方法(マスターペレット法)など、どの方法を用いてもかまわない。
本発明の実施形態の液晶性ポリエステル樹脂組成物は、射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形、紡糸などの公知の溶融成形を行うことによって、優れた表面外観(色調)および機械的性質、耐熱性、難燃性を有する成形品に加工することが可能である。ここでいう成形品としては、射出成形品、押出成形品、プレス成形品、シート、パイプ、未延伸フィルム、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムなどの各種フィルム、未延伸糸、超延伸糸などの各種繊維などが挙げられる。特に加工性の観点から射出成形であることが好ましい。
このようにして得られる液晶性ポリエステル樹脂組成物からなる成形品は、例えば、各種ギヤー、各種ケース、センサー、LEDランプ、コネクター、ソケット、抵抗器、リレーケース、リレーベース、リレー用スプール、スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント配線板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、ハウジング、半導体、液晶ディスプレイ部品、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、HDD部品、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、サーマルプロテクター、コンピューター関連部品などに代表される電気・電子部品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)・コンパクトディスクなどの音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品などに代表される家庭・事務電気製品部品;オフィスコンピューター関連部品、電話機関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、オイルレス軸受、船尾軸受、水中軸受などの各種軸受、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計などに代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディマー用ポテンショメーターベース、排気ガスバルブなどの各種バルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキバット磨耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、エアコン用モーターインシュレーター、パワーウインド等の車載用モーターインシュレーター、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビュター、スタータースィッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウオッシャーノズル、エアコンパネルスィッチ基板、燃料関係電磁弁用コイル、ヒューズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプベゼル、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケースなどの自動車・車両関連部品などに用いることができる。
本発明の成形品は、上記各種用途の中でも、スナップフィット耐久性、リフロー処理後の寸法安定性、成形時の糸引き性に優れる点を生かして、スナップフィット部を有する小型の電気・電子部品に有用であり、例えば、コネクターやリレーケース、光ピックアップなどが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳述するが、本発明の骨子は以下の実施例のみに限定されるものではない。各実施例および比較例に用いた液晶性ポリエステル(A)を次に示す。
液晶性ポリエステルの組成分析および特性評価は以下の方法により行った。
(1)液晶性ポリエステルの組成分析
液晶性ポリエステルの組成分析は、H−核磁気共鳴スペクトル(H−NMR)測定により実施した。液晶性ポリエステルをNMR試料管に50mg秤量し、溶媒(ペンタフルオロフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン−d=65/35(重量比)混合溶媒)800μLに溶解して、UNITY INOVA500型NMR装置(バリアン社製)を用いて観測周波数500MHz、温度80℃でH−NMR測定を実施し、7〜9.5ppm付近に観測される各構造単位由来のピーク面積比から組成を分析した。
(2)液晶性ポリエステルの融点(Tm)および融解エントロピー(ΔS)測定
示差走査熱量計DSC−7(パーキンエルマー製)により、液晶性ポリエステルを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm)の観測後、Tm+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却し、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度を融点(Tm)とし、その吸熱ピーク面積を融解熱量(ΔHm)とした。TmとΔHmとから下式[2]によってΔS(J/g・K)を算出した。以下の製造例においては、融点をTm、融解エントロピーをΔSと記載する。
ΔS(J/g・K)=ΔHm(J/g)/Tm(K) −[2]
(3)液晶性ポリエステルの溶融粘度測定
高化式フローテスターCFT−500D(オリフィス0.5φ×10mm)(島津製作所製)を用い、温度は液晶性ポリエステルの融点+10℃、剪断速度は1000/秒で測定した。

製造例1 液晶性ポリエステル樹脂(A−1)
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸932重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル251重量部、ハイドロキノン99重量部、テレフタル酸284重量部、イソフタル酸90重量部および無水酢酸1252重量部(フェノール性水酸基合計の1.09当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で1時間反応させた後、ジャケット温度を145℃から350℃までを4時間で昇温させた。その後、重合温度を350℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、撹拌に要するトルクが20kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶性ポリエステル(A−1)を得た。
この液晶性ポリエステル(A−1)について組成分析を行なったところ、p−ヒドロキシ安息香酸由来の構造単位(構造単位(I))と4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位(構造単位(II))とハイドロキノン由来の構造単位(構造単位(III))の合計に対するp−ヒドロキシ安息香酸由来の構造単位(構造単位(I))の割合は、75モル%であった。4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位(構造単位(II))とハイドロキノン由来の構造単位(構造単位(III))の合計に対する4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位(構造単位(II))の割合は、60モル%であった。テレフタル酸由来の構造単位(構造単位(IV))とイソフタル酸由来の構造単位(構造単位(V))の合計に対するテレフタル酸由来の構造単位(構造単位(IV))の割合は、76モル%であった。4,4’−ジヒドロキシビフェニル由来の構造単位(構造単位(II))およびハイドロキノン由来の構造単位(構造単位(III))の合計と、テレフタル酸由来の構造単位(構造単位(IV))およびイソフタル酸由来の構造単位(構造単位(V))の合計とは、実質的に等モルであった。また、Tmは330℃、ΔSは2.2×10−3J/g・K、溶融粘度は28Pa・sであった。
製造例2 液晶性ポリエステル(A−2)
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸870重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル302重量部、ハイドロキノン119重量部、テレフタル酸247重量部、イソフタル酸202重量部および無水酢酸1302重量部(フェノール性水酸基合計の1.09当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で1時間反応させた後、ジャケット温度を145℃から330℃までを4時間で昇温させた。その後、重合温度を330℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、撹拌に要するトルクが20kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶性ポリエステル(A−2)を得た。
この液晶性ポリエステル(A−2)について組成分析を行なったところ、構造単位(I)と構造単位(II)と構造単位(III)の合計に対する構造単位(I)の割合は、70モル%であった。構造単位(II)と構造単位(III)の合計に対する構造単位(II)の割合は、60モル%であった。構造単位(IV)と構造単位(V)の合計に対する構造単位(IV)の割合は、55モル%であった。構造単位(II)および構造単位(III)の合計と、構造単位(IV)および構造単位(V)の合計とは、実質的に等モルであった。また、Tmは310℃、ΔSは0.4×10−3J/g・K、溶融粘度は30Pa・sであった。
製造例3 液晶性ポリエステル(A−3)
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸907重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル262重量部、ハイドロキノン112重量部、テレフタル酸283重量部、イソフタル酸121重量部および無水酢酸1272重量部(フェノール性水酸基合計の1.09当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で1時間反応させた後、ジャケット温度を145℃から340℃までを4時間で昇温させた。その後、重合温度を340℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、撹拌に要するトルクが20kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶性ポリエステル(A−3)を得た。
この液晶性ポリエステル(A−3)について組成分析を行なったところ、構造単位(I)と構造単位(II)と構造単位(III)の合計に対する構造単位(I)の割合は、73モル%であった。構造単位(II)と構造単位(III)の合計に対する構造単位(II)の割合は、58モル%であった。構造単位(IV)と構造単位(V)の合計に対する構造単位(IV)の割合は、70モル%であった。構造単位(II)および構造単位(III)の合計と、構造単位(IV)および構造単位(V)の合計とは、実質的に等モルであった。また、Tmは322℃、ΔSは1.3×10−3J/g・K、溶融粘度は26Pa・sであった。
製造例4 液晶性ポリエステル(A−4)
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸833重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル359重量部、ハイドロキノン114重量部、テレフタル酸286重量部、イソフタル酸207重量部および無水酢酸1332重量部(フェノール性水酸基合計の1.09当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で1時間反応させた後、ジャケット温度を145℃から320℃までを4時間で昇温させた。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、撹拌に要するトルクが20kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶性ポリエステル(A−4)を得た。
この液晶性ポリエステル(A−4)について組成分析を行なったところ、構造単位(I)と構造単位(II)と構造単位(III)の合計に対する構造単位(I)の割合は、67モル%であった。構造単位(II)と構造単位(III)の合計に対する構造単位(II)の割合は、65モル%であった。構造単位(IV)と構造単位(V)の合計に対する構造単位(IV)の割合は、58モル%であった。構造単位(II)および構造単位(III)の合計と、構造単位(IV)および構造単位(V)の合計とは、実質的に等モルであった。また、Tmは301℃、ΔSは0.3×10−3J/g・K、溶融粘度は32Pa・sであった。
製造例5 液晶性ポリエステル(A−5)
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル208重量部、ハイドロキノン75重量部、テレフタル酸233重量部、イソフタル酸66重量部および無水酢酸1202重量部(フェノール性水酸基合計の1.09当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で1時間反応させた後、ジャケット温度を145℃から365℃までを4時間で昇温させた。その後、重合温度を365℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、撹拌に要するトルクが20kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶性ポリエステル(A−5)を得た。
この液晶性ポリエステル(A−5)について組成分析を行なったところ、構造単位(I)と構造単位(II)と構造単位(III)の合計に対する構造単位(I)の割合は、80モル%であった。構造単位(II)と構造単位(III)の合計に対する構造単位(II)の割合は、62モル%であった。構造単位(IV)と構造単位(V)の合計に対する構造単位(IV)の割合は、78モル%であった。構造単位(II)および構造単位(III)の合計と、構造単位(IV)および構造単位(V)の合計とは、実質的に等モルであった。また、Tmは345℃、ΔSは2.8×10−3J/g・K、溶融粘度は33Pa・sであった。
製造例6 液晶性ポリエステル(A−6)
撹拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸895重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル272重量部、ハイドロキノン117重量部、テレフタル酸272重量部、イソフタル酸147重量部および無水酢酸1282重量部(フェノール性水酸基合計の1.09当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら145℃で1時間反応させた後、ジャケット温度を145℃から335℃までを4時間で昇温させた。その後、重合温度を335℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、撹拌に要するトルクが20kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶性ポリエステル(A−6)を得た。
この液晶性ポリエステル(A−6)について組成分析を行なったところ、構造単位(I)と構造単位(II)と構造単位(III)の合計に対する構造単位(I)の割合は、72モル%であった。構造単位(II)と構造単位(III)の合計に対する構造単位(II)の割合は、58モル%であった。構造単位(IV)と構造単位(V)の合計に対する構造単位(IV)の割合は、65モル%であった。構造単位(II)および構造単位(III)の合計と、構造単位(IV)および構造単位(V)の合計とは、実質的に等モルであった。また、Tmは315℃、ΔSは0.8×10−3J/g・K、溶融粘度は30Pa・sであった。
製造例7 液晶性ポリエステル(A−7)
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸994重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル126重量部、テレフタル酸112重量部、固有粘度が約0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート216重量部および無水酢酸960重量部(フェノール性水酸基合計の1.10当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で1時間反応させた後、145℃から320℃までを4時間で昇温させた。その後、重合温度を320℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、撹拌に要するトルクが20kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶性ポリエステル(A−7)を得た。
この液晶性ポリエステル(A−7)について組成分析を行ったところ、構造単位(I)が66.7モル%、構造単位(II)が6.3モル%、ポリエチレンテレフタレート由来のエチレンジオキシ単位が10.4モル%、構造単位(IV)が16.6モル%であった。また、Tmは313℃、ΔSは1.9×10−3J/g・K、溶融粘度は13Pa・sであった。
製造例8 液晶性ポリエステル(A−8)
攪拌翼、留出管を備えた5Lの反応容器にp−ヒドロキシ安息香酸25重量部、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸を813重量部、4,4’−ジヒドロキシビフェニル419重量部、テレフタル酸374重量部および無水酢酸965重量部(フェノール性水酸基合計の1.05当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら145℃で1時間反応させた後、145℃から360℃までを4時間で昇温させた。その後、重合温度を360℃に保持し、1.0時間で1.0mmHg(133Pa)に減圧し、更に反応を続け、撹拌に要するトルクが20kg・cmに到達したところで重合を完了させた。次に反応容器内を1.0kg/cm(0.1MPa)に加圧し、直径10mmの円形吐出口を1ケ持つ口金を経由してポリマーをストランド状物に吐出し、カッターによりペレタイズして液晶性ポリエステル(A−8)を得た。
この液晶性ポリエステル(A−8)について組成分析を行ったところ、構造単位(I)が2モル%、6−オキシー2−ナフタレート単位が48モル%、構造単位(II)が25モル%、構造単位(IV)が25モル%であった。また、Tmは350℃、ΔSは2.8×10−3J/g・K、溶融粘度は25Pa・sであった。
各実施例および比較例において用いた充填材(B)を次に示す。
(B−1):日本電気硝子製チョップドストランド(T−747H)
(B−2):日本電気硝子製ガラスミルドファイバー(EPDE−40M−10A)
(B−3):ヤマグチマイカ製マイカ(A−21)
実施例1〜11、比較例1〜9
サイドフィーダーを備えた東芝機械製TEM35B型2軸押出機で、各製造例で得られた液晶性ポリエステル(A−1〜Aー8)を表1に示す配合量でホッパーから投入し、充填材(B−1〜B−3)を表1に示す配合量でサイドから投入し、シリンダー温度を液晶性ポリエステルの融点+10℃(2種の液晶性ポリエステルを配合している場合は、高い方の融点+10℃)に設定し、溶融混練してペレットとした。得られた液晶性ポリエステル樹脂組成物のペレットを熱風乾燥後、以下(1)〜(6)の評価を行った。結果は表1に示す。
(1)融解熱量(ΔHm)の評価
各実施例および比較例により得られたペレットを、熱風乾燥機を用いて150℃で3時間乾燥した後、示差走査熱量計DSC−7(パーキンエルマー製)により、ペレットを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm)の観測後、Tm+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却し、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク面積を測定した。この吸熱ピーク面積を融解熱量(ΔHm)として求めた。
(2)荷重たわみ温度(DTUL)の評価
各実施例および比較例により得られたペレットを、熱風乾燥機を用いて150℃で3時間乾燥した後、ファナックα30C射出成形機(ファナック製、スクリュー径28mm)に供し、シリンダー温度を液晶性ポリエステルの融点+20℃(2種の液晶性ポリエステルを配合している場合は、高い方の融点+20℃)、金型温度を90℃として、127mm長×12.7mm幅×3.2mm厚の棒状試験片を作製した。得られた試験片について、ASTM D648に準拠し、HDT−500(安田精機製作所製)を用いて、荷重1.82MPaでの条件で荷重たわみ温度(DTUL)を測定した。
(3)Tm−Tcの評価
各実施例および比較例により得られたペレットを、熱風乾燥機を用いて150℃で3時間乾燥した後、示差走査熱量計DSC−7(パーキンエルマー製)により、ペレットを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm)の観測後、Tm+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した際に観測される発熱ピーク温度を降温結晶化温度(Tc)とした。Tcを観測し室温まで降温させた後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度を融点(Tm)とした。得られた融点(Tm)から降温結晶化温度(Tc)を引いた値(Tm−Tc)を求めた。
(4)スナップフィット耐久性の評価
各実施例および比較例により得られたペレットを、熱風乾燥機を用いて150℃で3時間乾燥した後、ファナックα30C射出成形機(ファナック製、スクリュー径28mm)に供し、シリンダー温度を液晶性ポリエステルの融点+20℃(2種の液晶性ポリエステルを配合している場合は、高い方の融点+20℃)、金型温度を90℃として、外径縦70mm×横70mm×高さ25mm×壁厚0.8mmの箱状で壁部外側の2面に縦5mm×横10mm×高さ2mmの突起のついた成形品と、上記と同寸法の箱状成形品であって、壁部外側2面から縦5mm×横10mm×厚さ2mmの開口部を有する板状部が、上記突起部を有する成形品の外側2面の突起部に勘合するよう設けられた成形品を成形した。これら成形品の2面の突起部と開口部をはめ込み合わせた後、開口部を有する板状部を変形させて成形品同士のはめ込みを取り外した。勘合部のはめ込み、取り外しを同一の成形品の組合せで50回繰り返し、成形品の変形、破損によりスナップフィットができなくなった時点の繰り返し数を求め、スナップフィット耐久性を評価した。繰り返し回数が多いほど、スナップフィット耐久性が優れると評価した。
(5)ハイサイクル成形性の評価
各実施例および比較例により得られたペレットを、熱風乾燥機を用いて150℃で3時間乾燥した後、ファナックα30C射出成形機(ファナック製、スクリュー径28mm)に供し、シリンダー温度を液晶性ポリエステルの融点+20℃(2種の液晶性ポリエステルを配合している場合は、高い方の融点+20℃)、金型温度を90℃とし、金型開き速度を300mm/s、成形サイクル時間10秒として、縦30mm×横30mm×厚さ0.5mmのプレートを成形した。100ショットの連続成形を行った際の、成形品スプルー先端から発生する糸引きの金型面への挟まれに対する処置のため連続成形を停止した回数を測定した。停止回数が少ないほど糸引きが少なく連続成形が可能であり、ハイサイクル成形性に優れると評価した。
(6)リフロー後の寸法安定性
各実施例および比較例により得られたペレットを、熱風乾燥機を用いて150℃で3時間乾燥した後、ファナックα30C射出成形機(ファナック製、スクリュー径28mm)に供し、シリンダー温度を液晶性ポリエステルの融点+20℃、金型温度を90℃として、0.3mmピッチ70芯ファインピッチコネクター(壁厚0.2mm)を成形した。得られたファインピッチコネクターを、リフローシミュレーターcore9030c(株式会社コアーズ製)により、1.6℃/秒で200℃まで昇温して2分間プリヒートし、表面最高温度260℃で30秒間リフローさせた後に室温まで冷却させてリフロー処理を行い、リフロー処理後のそり量を評価した。なおそり量は、ファインピッチコネクターの長尺方向を水平な定盤の上に静置して、万能投影機(V−16A(Nikon製))を用いて、ファインピッチコネクター底面の水平定盤に対する最大変位量とした。図1は、そり量の測定部位を示す概念図である。測定したそり量の長さを、図1ではそり量3として示す。そり量が小さいほど、リフロー処理後の寸法安定性に優れると評価した。
Figure 2015124276
表1の結果から、本発明の実施形態の液晶性ポリエステル樹脂組成物は、優れたスナップフィット耐久性を有し、また成形時の糸引きが少なくハイサイクル成形性に優れ、リフロー処理後の寸法変化が小さく、リフロー時の成形品の変形が抑制されていることがわかる。そのため、スナップフィット部を有する小型の電気・電子部品用途への使用に適していることがわかる。
本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物は、高いスナップフィット性を有し、ハイサイクル成形性、リフロー時の寸法安定性に優れているため、スナップフィット部を有する小型の電気・電子部品などに有用である。

Claims (4)

  1. 下記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)を有する液晶性ポリエステル(A)100重量部に対し、充填材(B)を10〜200重量部含有してなる液晶性ポリエステル樹脂組成物であって、
    前記樹脂組成物のポリマー当たりの融解熱量(ΔHm)が0.1〜0.6J/gであり、前記樹脂組成物を成形してなる成形品の、ASTM D648に準じて荷重1.82MPaで測定した荷重たわみ温度が250〜300℃であることを特徴とする液晶性ポリエステル樹脂組成物。
    Figure 2015124276
  2. 融点Tmと降温結晶化温度Tcが下式[1]の範囲となることを特徴とする請求項1に記載の液晶性ポリエステル樹脂組成物。
    36<Tm−Tc<40 −[1]
    (Tcは、示差熱量測定において、液晶性ポリエステル樹脂組成物を室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm)の観測後、Tm+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却した際に観測される発熱ピーク温度(Tc)を指す。Tmは、Tcを観測し室温まで降温させた後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度を指す。)
  3. 液晶性ポリエステル(A)が、(A−1)成分と(A−2)成分を配合してなる液晶性ポリエステルであって、
    前記(A−1)成分は、下記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)を有し、
    下式[2]で定義されるΔS(融解エントロピー)が1.0×10−3〜3.0×10−3J/g・Kである液晶性ポリエステルであり、
    前記(A−2)成分は、下記構造単位(I)、(II)、(III)、(IV)および(V)を有し、
    下式[2]で定義されるΔS(融解エントロピー)が0.1×10−3〜0.9×10−3J/g・Kである液晶性ポリエステルであり、
    前記(A−1)成分と前記(A−2)成分の合計を100重量%としたときに、
    前記(A−1)成分50〜95重量%に対して、前記(A−2)成分を5〜50重量%配合してなることを特徴とする、請求項1または2に記載の液晶性ポリエステル樹脂組成物。
    ΔS(J/g・K)=ΔHm(J/g)/Tm(K) −[2]
    (Tmは示差熱量測定において、液晶性ポリエステルを室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm)の観測後、Tm+20℃の温度で5分間保持した後、20℃/分の降温条件で室温まで一旦冷却し、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度を指し、ΔHmは吸熱ピーク温度の吸熱ピーク面積である。)
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の液晶性ポリエステル樹脂組成物を成形してなる成形品。
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