JP2007131774A - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】充填剤がより分散され、充分に補強された樹脂組成物を提供する。
【解決手段】充填剤を含有する樹脂組成物を透過型電子顕微鏡により3μm2以上の範囲で観察した際、マトリクスに対する充填剤の分率が0.1〜0.5、および分散している充填剤の最大粒子径が250nm以下である樹脂組成物、およびそれからなるタイヤ。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物に関する。
樹脂組成物の力学強度を増強して補強するために、炭酸カルシウムやカーボンブラックなどの充填剤を樹脂中に分散させることが知られており、たとえば、充填剤の粒子径を小さくすることが知られている。しかし、従来、一次粒径が小さな充填剤も凝集して、大粒径であり、広い粒子径分布になってしまうため、充分な補強効果が得られなかった。
また、補強効果を得るために、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド塩により処理され、かつ凝集体の空隙平均径が200〜250Åのハイストラクチャーの充填剤を樹脂中に配合することが知られている。しかし、カーボンブラックの表面にセチルトリメチルアンモニウムブロマイド塩が偏在するために、ゴムのマトリックスとカーボンブラックとの相互作用が弱くなることから、樹脂と充填剤との相互作用が弱くなり、充分な補強効果が得られなかった。
さらに、短繊維などを充填剤とともに混合することが知られているが、製造工程の煩雑化による生産性低下、および短繊維が高コストであるうえに、充分な補強効果が得られないという問題があった。
特許文献1には、耐摩耗性を向上させるために、特定のゴム成分とカーボンブラックを組み合わせて使用することが開示されているが、カーボンブラックの粒子径が大きいために、充分な耐摩耗性が得られなかった。
特開2002−80638号公報
本発明は、充填剤がより分散され、充分に補強された樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、充填剤を含有する樹脂組成物を透過型電子顕微鏡により3μm2以上の範囲で観察した際、マトリクスに対する充填剤の分率が0.1〜0.5、および分散している充填剤の最大粒子径が250nm以下である樹脂組成物に関する。
前記樹脂組成物において、充填剤を含有する樹脂組成物を透過型電子顕微鏡により3μm2以上の範囲で観察した際、充填剤粒子の総数に対して、粒子径50nm以下の粒子の個数が15%以上、および100nm以上の粒子の個数が40%以下であることが好ましい。
前記充填剤は、カーボンブラックまたはカーボンブラック誘導体であることが好ましい。
前記樹脂組成物において、破断応力が10MPa以上および破断時伸びが100%以上であることが好ましい。
また、本発明は、前記樹脂組成物からなるタイヤに関する。
本発明によれば、充填剤粒子を微粉化することにより、樹脂組成物中に配合したとしても、充填剤が300nmをこえる凝集塊を形成せず、充分に充填剤が分散されることで、充分に補強された樹脂組成物、およびそれから得られるタイヤを提供することができる。
本発明の樹脂組成物は、樹脂および充填剤を含有する。
樹脂としては、エラストマーなどがあげられるが、粒子径が小さい充填剤との接触界面積が大きいことが好ましく、得られる効果を最大限に活用するためには、樹脂としてはエラストマーであることがより好ましい。樹脂としてエラストマーを用いると、広大な界面で生じる微少な歪が総和され、得られた樹脂組成物は、充分な弾性率および破断時伸びを両立することができる。
エラストマーとしては、たとえば、熱可塑性エラストマーやゴムなどがあげられる。
熱可塑性エラストマーとしては、たとえば、オレフィン系、スチレン系、ポリエステル系、ポリアミド系、塩化ビニル系、ウレタン系などがあげられる。
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、炭素数1〜8の直鎖状アルケン、分岐状アルケンおよびポリ酢酸ビニルからなる群から選ばれる1種類をホモ重合、または2種類以上を共重合して得られたものがあげられ、具体的には、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレンプロピレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレンなどがあげられる。
スチレン系熱可塑性エラストマーは、たとえば、前記オレフィン系熱可塑性エラストマーにスチレンを共重合させたエラストマーがあげられ、具体的には、スチレン−エチレン−スチレン樹脂、スチレン−エチレン−プロピレン樹脂、スチレン−エチレン−ブタジエン樹脂、スチレン−イソプレン−スチレン樹脂などがあげられる。
ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、上記オレフィン系エラストマーをソフトセグメントに、ポリエチレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラートなどをハードセグメントに用いたものが好適に用いられる。
塩化ビニル系エラストマーとしては、各種ポリ塩化ビニルがあげられ、とくに、架橋が容易に制御できるので、塩素化ポリエチレンが好適に用いられる。
ゴムとしては、たとえば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ターポリマー(EPDM)、ポリイソブチレン−イソプレンゴム(IIR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンなどが挙げられる。
エラストマーとしては、炭素数1〜8の少なくとも1つの不飽和基を有する直鎖アルキルまたは分岐鎖アルカン、および/または芳香族ビニル、および/または(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体などがあげられる。具体的には、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)などのゴムがあげられるが、なかでも、高い弾性率をもちながら、高い破断時伸びを両立することができるため、SBRが好ましく、溶液重合SBRがとくに好ましい。
樹脂の一部は、ハロゲン基などの官能基により修飾されていてもよい。
充填剤としては、無機充填剤および有機充填剤があげられる。
無機充填剤としては、アルミナ、シリカ、炭酸カルシウム、カーボンブラック、カーボンブラック誘導体などの補強用充填剤があげられる。
また、有機充填剤としては、ポリアミドやポリイミドの微細繊維、アクリル樹脂粒子およびエポキシなど熱硬化樹脂の粒子などの補強用充填剤があげられる。
充填剤としてはとくに、カーボンブラックおよび/またはカーボンブラック誘導体が好ましい。
充填剤と樹脂、とくに樹脂として熱可塑性エラストマーやゴムを混合すると、充填剤粒子の表面に樹脂の分子が強く吸着したゲル相が形成し、該ゲル相が存在することで、フィラー充填樹脂の引張時の力学強度が飛躍的に向上することが知られている。多くの無機フィラーでは、特殊な表面処理を行なわなければゲル相を形成しないが、カーボンブラックおよび/またはカーボンブラック誘導体は、特殊な表面処理を施さなくても樹脂と混合するだけで、ゲル相を形成することができるので、力学強度の向上を目的として好適に用いられる。もっとも好ましい樹脂と充填剤との組み合わせは、樹脂として予め、ある程度の引張伸度を有し、かつゲル相の生成能が高い熱可塑エラストマーまたはゴムとカーボンブラックである。
カーボンブラックとしては、ファーネスカーボンブラックとサーマルカーボンブラックがあげられる。
ファーネスカーボンブラックとしては、例えば、SAF、ISAF、IISAF、HAF、FF、FEF、MAF、GPF、SRFおよびGFがあげられる。
サーマルカーボンブラックとしては、例えば、FTおよびMTがあげられる。その他、アセチレンブラックやカーボンナノチューブ、フラーレンなど、炭素を主成分とする充填剤もカーボンブラックとして扱う。
また、カーボンブラック誘導体としては、グラファイト化など表面処理したカーボンブラックをいう。
本発明の樹脂組成物は、樹脂組成物中の充填剤の最大粒子径が250nm以下であることを特徴とする。樹脂組成物中の充填剤の最大粒子径は、以下に示す手法で求めることができる。
充填剤を含有する樹脂組成物をアクリルモノマーなどの硬化性の良溶媒で膨潤させた後、適当な条件でアクリルモノマーを重合硬化し、膨潤した樹脂組成物のアクリル樹脂包埋物を作製する。樹脂組成物のアクリル樹脂包埋物をミクロトームで切削して作製した試験片を透過型電子顕微鏡で観察する。このときの倍率は5万倍が好ましい。5万倍をこえると観察範囲が狭くなり、標本となる充填剤の粒子数が極端に少なくなる傾向がある。また、1万倍以下の倍率で観察を行なうと、細かな粒子を認識できなくなる傾向がある。
本発明における充填剤の粒子の平均粒子径とは、観察したそれぞれの粒子の重心位置から2°刻みで円周上に対して直径を算出したときの平均値である。透過型電子顕微鏡写真に対して、例えば、(株)プラネトロンのイメージプロプラスなどの画像処理ソフトを用いることで容易に得ることができる。観察範囲には、粒子個数が50個以上であることが好ましく、65個以上であることがさらに好ましい。50個未満であると、局所的な情報になる可能性がある。なお、観察する粒子は、電子顕微鏡像のなかで全体が観察されている必要があり、部分的にしか見えていない粒子は除外する。
樹脂組成物を透過型電子顕微鏡で3μm2以上の範囲で観察した際の充填剤の粒子とは、透過型電子顕微鏡で3μm2以上の範囲で観察した際に、樹脂組成物中において確認される充填剤の一次粒子および凝集体をともに含めたものをいう。
透過型電子顕微鏡は、測定法が簡便であり、粒子径分布がある程度広くても画像処理などで粒子径分布を簡単に測定でき、さらに粒子径分布が広い場合や充填剤濃度が高い場合でも測定が可能である。
透過型電子顕微鏡により観察する範囲は狭い範囲に限定されており、統計的な情報が読み取りにくいため、観察する範囲は広ければ広いほど好ましく、観察範囲は3μm2以上、好ましくは5μm2以上、より好ましくは6μm2以上である。
樹脂組成物を透過型電子顕微鏡で3μm2以上の範囲で観察した際、樹脂組成物において、マトリクスに対する充填剤の分率は0.1以上、好ましくは0.15以上である。分率が0.1未満では、充填剤の効果が充分に発揮されない。また、充填剤の分率は0.5以下、好ましくは0.45以下、より好ましくは0.41以下、さらに好ましくは0.19以下である。分率が0.5をこえると、樹脂組成物は脆くなり、好ましい力学強度を発現できない。ここで分率とは、面積分率をいう。
樹脂組成物を透過型電子顕微鏡で3μm2以上の範囲観察した際、樹脂組成物中において分散している充填剤の最大粒子径は250nm以下、好ましくは240nm以下、より好ましくは230nm以下である。最大粒子径が250nmをこえると比表面積が小さくなり、好ましい力学強度の増強は見られない。
樹脂組成物を透過型電子顕微鏡で3μm2以上の範囲観察した際、樹脂組成物中において分散している充填剤の最小粒子径はとくに限定されないが、10nm以上であることが好ましい。充填剤の粒子径が10nm未満では、充填剤の体積効果が小さくなりすぎて好ましい力学強度の増強は発現しない傾向がある。
充填剤を含有する樹脂組成物を透過型電子顕微鏡により3μm2以上の範囲で観察した際、充填剤粒子の総数に対して、粒子径(平均粒子径)50nm以下の粒子の個数は15%以上が好ましく、20%以上がより好ましい。粒子径50nm以下の粒子の個数が15%未満では、樹脂組成物中の単位体積中の充填剤の表面積を増大させることができないため、充分剤表面に存在するゲル相の増加が見込まれず、充分に樹脂組成物の力学強度を増強させることができない傾向にある。
充填剤を含有する樹脂組成物を透過型電子顕微鏡により3μm2以上の範囲で観察した際、充填剤粒子の総数に対して、粒子径(平均粒子径)100nm以上の粒子の個数は40%以下が好ましく、30%以下がより好ましい。粒子径100nm以上の粒子の個数が40%をこえると、粒子が充分に単分散状態にあるとはいえず、即ち単位体積中の充填剤の表面積を増大させることができないため、充分に樹脂組成物の力学強度を増強させることができない傾向がある。
充填剤は、樹脂組成物に配合する前に、予め粉砕されることが好ましい。予め充填剤を粉砕することで、再び充填剤の粒子が凝集しても、樹脂と混ぜた際における再分散が容易となる。
粉砕する場合、ボールミル、ジェットミル、スクリューミル、ハイブリッドミル、ロッキングミキサー、ローラーミル、ハンマークラッシャー、ピンミル、振動ミルなどの各種粉砕機を用いることができる。粉砕の方法は一次粒子を小さくできればとくに限定されないが、例えば、湿式ボールミルなどがあげられる。分散の際に目的の物性を低下させない範囲において、従来公知の分散安定剤を添加しても構わない。また、湿式ボールミルを使用する場合、充填剤の分散性が向上するため、マトリクスとなる樹脂またはマトリクスと同じ一次構造で低分子量の化合物を溶媒に溶解させておくことができる。
充填剤を粉砕する場合、液体中において充填剤を分散させることが好ましい。とくに、充填剤を微分散させるのに充分なトルクが得られ、耐摩耗性を大きく向上させることができるため、充填剤を溶媒中に分散させ溶液を作製して分散させることが好ましい。
粉砕された充填剤の最大粒子径は、5μm以下が好ましく、2μm以下がより好ましい。粒子径が5μmをこえると、樹脂と混練りした後に、100nm以下に再分散することが極めて困難であるため、充分に樹脂組成物の力学強度を増強させることができない傾向がある。なお、この場合の最大粒子径とは、充填剤を適当な溶媒に分散させた状態で動的光散乱法を用いて測定し、得られた粒子径の分布のうち、もっとも大きい粒子径をいう。
本発明の樹脂組成物は、前記充填剤および樹脂以外に、酸化亜鉛、老化防止剤、ワックスなどの添加剤を配合することができる。
本発明の樹脂組成物としては、とくにゴム組成物であることが好ましい。
樹脂組成物の破断時伸びは100%以上が好ましく、200%以上がより好ましい。破断時伸びが100%未満であるような樹脂は、その力学特性にゲル相が関与していない可能性が高く、本発明の方法で単位体積中の充填剤粒子の表面積を増やした効果を効率よく発揮できない傾向がある。
樹脂組成物の破断応力は10MPa以上が好ましく、15MPa以上がより好ましく、20MPa以上がさらに好ましい。破断応力が10MPa未満であるような樹脂は、その力学特性にゲル相が関与していない可能性が高く、本発明の方法で単位体積中の充填剤粒子の表面積を増やした効果を効率よく発揮できない傾向がある。
なお、前記した破断応力および破断時伸びはJIS−K6251に準じて測定される。
樹脂組成物は、ゴム組成物であることが好ましく、タイヤ用ゴム組成物であることがとくに好ましい。
本発明の樹脂組成物の用途としては、各種タイヤ材料、免震材料、各種ベルト、梱包材料、筐体用材料などとして好適に用いることができる。なかでも、優れた耐摩耗性および引張り特性を奏することができることから、タイヤとされることが好ましく、タイヤトレッドとされることがより好ましい。
実施例にもとづいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例において使用した各種薬品について詳細に記載する。
溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR):住友化学工業(株)製のSE2148
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイヤブラックI(ISAF)
ビーズステアリン酸:日本油脂(株)製の「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
老化防止剤:フレキシス(株)製のサントフレックス13(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)
ワックス:日本精鑞(株)製のオゾエース0355
粉末硫黄:大内新興化学工業(株)製(200メッシュ5%油入)
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
(微分散カーボンブラックの作製)
寿工業(株)製の湿式ボールミル「アペックスミル」を用いて、10重量%のカーボンブラック(ISAF)のトルエン溶液を、25℃で1時間処理し、物理的な凝集塊を全て解砕した。解砕したカーボンブラックのトルエン溶液を遠心分離した後、24時間風乾させ、真空オーブンを用いて、70℃の条件下で24時間乾燥させ、解砕カーボンブラック(解砕ISAF)を作製した。ISAF(解砕前)と解砕ISAF(解砕後)のカーボンブラックの粒子径分布を図1に示す。なお、粒子径分布は、レーザー回折/散乱粒子径分布測定装置LA−950(堀場製作所製)することで求めた。
また、溶媒中に、さらに低分子量スチレンブタジエンゴムを10重量%溶解させること以外は解砕ISAFと同様の製法により、解砕カーボンブラック(解砕ISAF(ライコン))を作製した。
実施例1〜2および比較例1
表1の配合処方にしたがって、硫黄および加硫促進剤を除く材料を、バンバリーミキサーを用いて100℃で5分間混練りし、さらに、表1に示す配合量の硫黄および加硫促進剤を添加し、オープンロールで、50℃で5分間混練りし、未加硫ゴム組成物を作製した。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で12分間プレス加硫することにより、実施例1〜2および比較例1のゴム組成物を作製し、以下の測定試験に使用した。
(形態観察)
メタクリル酸メチルとメタクリル酸ブチルとの重量比が1:1の混合溶液にゴム組成物を浸漬し、膨潤させた後、50℃で重合をおこない、アクリル樹脂に包埋した膨潤ゴムサンプルを得た。そして、クライオミクロトームを用いて膨潤ゴムサンプルから薄膜状のゴム切片を作製し、透過型電子顕微鏡(日立製作所製のH−7100を用いて、5万倍で3.23μm2の範囲にて観察を行なった。そして、得られた電子顕微鏡像に対して、イメージプロ プラスを用いて画像処理を行なった。ゴム組成物のマトリクス中におけるカーボンブラックの分散状態について、実施例1、実施例2および比較例1をそれぞれ、図2(a)、図3(a)および図4(a)とした。
また、ゴム組成物のマトリクスに対するカーボンブラックの面積分率、ならびに250nm以上、100nm以上および50nm以下のカーボンブラックの粒子径分布を測定し、充填剤粒子の総数に対する個数分率を測定した。なお、実施例1、実施例2および比較例1における粒子径分布図をそれぞれ、図2(b)、図3(b)および図4(b)とした。また、個数分率の基準とする充填剤粒子の総数は、実施例1では89個、実施例2では85個、および比較例1では73個である。
(摩耗試験)
ランボーン摩耗試験機にて、荷重2.5kgf、温度20℃、スリップ率20%の条件下で5分間ランボーン摩耗試験を行なった。各配合の容積損失量を計算し、比較例1の指数を100として下記計算式により指数表示した(ランボーン摩耗指数)。指数が大きいほど耐摩耗性が優れることを示す。
(ランボーン摩耗指数)=(比較例1の容積損失量)
÷(各配合の容積損失量)×100
(引張試験)
ゴム組成物からなる3号ダンベル型試験片を用いて、室温にて500mm/分で実施例1〜2および比較例1のダンベルを引っ張り、ダンベルが破断したときの応力(破断応力)および伸び(破断時伸び)をそれぞれ測定した。なお、歪に対する応力の変化を、図5に示す。
以上の測定結果を表1に示す。
Figure 2007131774
(a)はカーボンブラックISAFを湿式ボールミルで解砕する前の粒子径分布を示す図であり、(b)はカーボンブラックISAFを湿式ボールミルで解砕後の粒子径分布を示す図である。 (a)は透過型電子顕微鏡による実施例1のゴム組成物からなる薄膜状ゴム切片の観察図であり、(b)は実施例1のゴム組成物中におけるカーボンブラックの粒子径分布を示す図である。 (a)は透過型電子顕微鏡による実施例2のゴム組成物からなる薄膜状ゴム切片の観察図であり、(b)は実施例2のゴム組成物中におけるカーボンブラックの粒子径分布を示す図である。 (a)は透過型電子顕微鏡による比較例1のゴム組成物からなる薄膜状ゴム切片の観察図であり、(b)は比較例1のゴム組成物中におけるカーボンブラックの粒子径分布を示す図である。 実施例1〜2および比較例1のダンベル型試験片の、歪に対する応力の変化を示す図である。
符号の説明
1 カーボンブラック
2 マトリクス

Claims (5)

  1. 充填剤を含有する樹脂組成物を透過型電子顕微鏡により3μm2以上の範囲で観察した際、
    マトリクスに対する充填剤の分率が0.1〜0.5、および
    分散している充填剤の最大粒子径が250nm以下である樹脂組成物。
  2. 充填剤を含有する樹脂組成物を透過型電子顕微鏡により3μm2以上の範囲で観察した際、
    充填剤粒子の総数に対して、粒子径50nm以下の粒子の個数が15%以上、および
    100nm以上の粒子の個数が40%以下である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 充填剤が、カーボンブラックまたはカーボンブラック誘導体である請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 破断応力が10MPa以上および破断時伸びが100%以上である請求項1、2または3記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1、2、3または4記載の樹脂組成物からなるタイヤ。
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