JP4082088B2 - Nbr組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、NBR組成物に関する。詳しくは、本発明は、同一組成でより高い粘弾性温度-周波数特性を有するNBR組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
工業用ゴム製品で多用されるNBR(アクリロニトリルとブタジエンの共重合物、あるいは、両方のモノマー若しくはどちらか一方の末端変性物のコポリマーを含む)は、通常、工業的な使用条件において、ゴム単独では機械特性が低いことから、有機充填材や無機充填材などのゴム補強性微粒子充填材に加え加硫剤を添加し、所定の加硫操作によって引張強度や引張弾性率、圧縮永久ひずみといった機械的特性を高めている。
【0003】
しかしながら、NBRに対する産業界の需要は年々増加しており、それとともに高まる高機能・高性能化の要請に応えるべく改良研究が進められているが、未だ十分とは言えず、機械的特性をさらに向上させるための手段の開発が望まれている。
このような課題に対し、従来から、NBRと他種ゴムとのブレンド物(ポリマーアロイ)の開発が行われている。しかしNBRは、他の合成ゴムに比べて極性が非常に高いために、一般に他のポリマーとの相溶性(miscibility)は、あまり良くない。一方、例えばCR(クロロプレンゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、変性フェノール、あるいは塩化ビニル樹脂、塩化ゴムなど特に塩素を有するポリマーとは、相容性(compatibility)を有するが相溶性は認められない。このため、通常、これらのポリマーの変成(末端組成を変更する)又はNBRと相溶化が期待できるオリゴマーの配合、あるいは相溶化剤を用いることによって、各々単独のポリマーでは期待できない物理的・化学的性質を付与している。
【0004】
しかしながら、これらNBRのポリマーアロイの欠点として、以下の点が挙げられる。
1.通常の場合、加工性は悪化し、ハンドリングが悪くなるためにロール工程などの作業効率化、自動化が行えない場合がある。
2.NBRが本来有している耐油性、耐寒性が悪くなる。
3.相容性が低いと常態物性(機械特性)の低下が起こる。
4.ブレンド量が相容性によって制限される。
【0005】
一方、ゴム加硫物の温度−周波数に対する粘弾性特性に関しては、一般には充填材の種類や量とともに、混練方法にも大きく依存するため、配合する充填材を工夫することにより、粘弾性特性を向上させる余地があると考えられる。しかしながら、通常のゴムへの充填材の配合では、同一組成のゴム加硫物の粘弾性特性は、ほぼ同一となってしまう。すなわち、有機充填材や無機充填材等のゴムへの添加は、バンバリーミキサーなどのゴム混練加工機を使用しているため、ゴムに対して所定量の充填材をゴム混練加工機内に投入するのが一般的で、ゴム混練物(コンポジット)中の充填材の分散は一様となる。それゆえ、同一配合では、ほぼ同一の粘弾性の温度特性を示す。
【0006】
よって、充填材が同一配合の場合でも、より高い粘弾性温度-周波数特性を有するNBR組成物の開発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題の解決を目的に、同一組成でもより高い粘弾性温度-周波数特性を示すNBR組成物を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、同一組成でも充填材の分散状態を制御することにより、異なる粘弾性温度-周波数特性を示す分散状態を有するNBR組成物が得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0009】
すなわち本発明は、以下の(1)〜(4)に示すNBR組成物に関する。
(1)NBRに少なくとも微粒子充填材を配合してなるNBR組成物であって、前記微粒子充填材のNBR組成物中における凝集隗がつくる連続層の体積分率が0.4〜0.7の範囲にあることを特徴とする、NBR組成物。
(2)前記微粒子充填材が、NBR100重量部に対し5〜150重量部配合されていることを特徴とする、(1)記載のNBR組成物。
【0010】
(3) 前記微粒子充填材の粒子径が、100nm以下であることを特徴とする、(1)又は(2)記載のNBR組成物。
(4)前記微粒子充填材がシリカであることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載のNBR組成物。
さらに、本発明は、以下の(5)又は(6)に示すNBR組成物の製造方法に関する。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載のNBR組成物を製造する方法であって、NBR全量の5〜95重量%に相当するNBRと微粒子充填材とを混合する工程(1)と、前記工程(1)で得られる混合物に残りのNBRを混合する工程(2)とを含むことを特徴とする、NBR組成物の製造方法。
(6)前記工程(1)が、NBR全量の10〜90重量%に相当するNBRと微粒子充填材とを混合する工程であることを特徴とする、(5)記載のNBR組成物の製造方法。
【0011】
通常、同一ポリマーを分割して混合しても、投入前後で充填材とゴムとの相溶性は変わらないため、物性の変化は期待できない。しかし、NBRの場合、微粒子充填材を配合すると、粒子同士が凝集体を形成し、さらに粒子表面の官能基とNBR中の−CN基との相互作用により、NBR内で充填材の2次凝集構造が形成される。
例えばゴム補強性を有する無機充填材の代表例であるシリカを配合すると、アクリロニトリルの−CN基とシリカ表面上のシラノール(−Si−OH)基とが強い相互作用を有するために、シリカ微粒子がアクリロニトリルの−CN側鎖に作用し、分子鎖の凝集構造を変化させ、かつシリカ粒子のシラノール基同士の水素結合的な相互作用によりNBR内で2次凝集構造を形成することが明らかになった。
【0012】
このように、微粒子充填材を配合したNBRにおいては、微粒子充填材が局在的な分散状態の変化と分子鎖凝集状態に影響を与えるために、オリジナルNBR(NBR単体)と分子レベルでお互いに混和することがない非相溶性を示す。しかしながら、一方で互いに相容れることが可能で、相容性を示し一体化した材料を形成する。
このようにして作製した微粒子充填材配合NBRとオリジナルNBRとのNBRブレンド物は、機械的物性を改良することができる。
【0013】
このような手段を採用することにより得られる本発明の主な効果は以下の通りである。
1.同一組成でも微粒子充填材の凝集隗のサイズを制御することで異なるコンポジットの温度−周波数粘弾性特性を改良することができる。
2.従来、2種以上のポリマーブレンドによって得られていた機械的物性が、単一ポリマーを2度あるいはそれ以上の回数で追加混練することにより得られるので、従来のゴム混練の設備を利用でき、新規設備を必要としない。
3.本発明で得られるNBR組成物は、いわば単一NBRアロイ材料であり、本来オリジナルNBRが有する耐油性、耐寒性を損なうことがない。
4.オリジナルNBRのコンポジット製造方法がそのまま使用でき、新たな装置の必要がなく、かつ混合の条件を大幅に変更する必要がない。
5.本発明により得られたコンポジットは、外観上、通常の混練で得られたコンポジットと大きな差異が生じない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明のNBR組成物は、NBRに少なくとも微粒子充填材を配合してなるものである。
【0015】
(1)NBR
本発明で用いられるNBRとしては、市販されているものであればいずれも使用可能であり、特に制限はない。具体的には、例えばニトリル含量が約15〜48%、好ましくは約24〜43%のものなどが好ましく用いられる。さらに、ニトリル量が異なる重合物、末端変性物、又はNBRを主成分とするポリマーあるいはポリマーブレンド類であってもよい。例えば塩化ビニル含有NBR、カルボキシル基含有NBRなどであってもよい。
また、本発明では、上述したNBRの2種以上を含むNBRブレンド物を用いてもよい。
【0016】
本発明で用いられるNBRの分子量は特に限定されないが、好ましくは重量平均分子量が1.0×103〜5.0×106、より好ましくは3.0×103〜1.5×106のものが用いられる。NBRの分子量が上記範囲内であれば、汎用のゴム加工機(混練機)で充填材をNBR中に混合することが容易であるという利点がある。
【0017】
(2)充填材
本発明において使用しうる微粒子充填材としては、微粒子シリカをはじめとして、白色系ゴム用充填材と呼ばれる各種無機充填材、たとえば水酸化カルシウム、クレー、メタ珪酸カルシウム、二酸化チタン、タルク、炭酸カルシウム等の粉体を挙げることができる。
また、無機充填材に限らず、シランカップリング剤などの表面処理剤を用いてNBRの−CN基と相互作用を有する官能基を表面に担持させた有機化合物からなる粉体についても利用することができる。
【0018】
微粒子充填材の粒子サイズとしては、好ましくは粒子径が100nm以下のものがよい。粒子サイズが上記範囲内であれば、微粒子充填材の一次粒子はNBR中で2次凝集構造を形成する。微粒子充填材は、本来、充填材一次粒子のみで、粒子同士が凝集体を形成する特性がある。特に、微粒子充填材の一次粒子径が100nm以下のものを用いると、NBR中に存在する−CN基と粒子上の官能基との相互作用により、2次凝集構造が変化する。NBR中に存在する−CN基と粒子上の官能基との相互作用力は、粒子表面の官能基の種類及び密度に強く依存する。微粒子の官能基としては、例えば、シラノール(-Si-OH)基が挙げられる。
【0019】
例えばNBRに充填材としてシリカを配合すると、アクリロニトリルの−CN基とシリカ表面上のシラノール基とが強い相互作用を有するために、シリカ微粒子がアクリロニトリルの−CN側鎖に作用し、分子鎖の凝集構造を変化させ、かつシリカ粒子のシラノール基同士の水素結合的な相互作用によりNBR内で2次凝集構造を形成する。
【0020】
微粒子充填材の配合割合は特に制限されないが、好ましくはNBR100重量部に対し5〜150重量部、より好ましくは10〜80重量部である。微粒子充填材の割合が5重量部以下では、連続層ができたとしても物性に影響を与えない可能性があり、微粒子充填材の割合が150重量部以上では、微粒子を入れると硬度が高く、ゴム弾性よりも弾性塑性の特性が強くでる可能性がある。
【0021】
(3)その他の配合成分
本発明のNBR組成物には、通常の加硫剤、及びそれに加え、加硫促進剤としてチアゾール系、チウラム系促進剤等を、また加硫促進助剤として酸化亜鉛等を配合して用いることができる。加硫促進剤は、NBR100重量部当たり好ましくは約0.2〜4重量部、より好ましくは約0.5〜3重量部の割合で、また加硫促進助剤は好ましくは約1〜10重量部、より好ましくは約2〜5重量部の割合でそれぞれ用いられる。
【0022】
また、本発明のNBR組成物には、必要に応じて他の配合成分を添加することができる。他の配合成分としては、例えば補強剤、老化防止剤、滑剤(加工助剤)、可塑剤、顔料等が挙げられる。補強剤としては、硬度の調整作用をも含めカーボンブラック等が用いられる。可塑剤としては、NBRとの相溶性が良好でかつ凝固点の低い可塑剤、例えばエステル-エーテル系可塑剤等を選択し、NBR100重量部当り30重量部以下、好ましくは約15重量部以下添加することにより、低温特性の改善が見込まれる。これ以上の割合での添加は、耐熱性や圧縮永久歪特性を低下させるばかりではなく、耐ガス透過性の改善にとっても大きな支障となってくる。
【0023】
(4)連続層の面積比率
本発明のNBR組成物は、微粒子充填材のNBR組成物中における凝集隗(次凝集構造)がつくる連続層(2次凝集隗)の体積分率が0.4〜0.7の範囲、好ましくは0.45〜0.65の範囲にあることを特徴とする。このように、充填材の特定の分散状態を保つことにより、同一配合でも異なる粘弾性温度−周波数特性を示すNBR組成物が得られる。
【0024】
このような分散状態は、通常の混練装置を用い、ゴム成分を一定条件下で分割投入することによって形成させることができる。すなわち、例えば予めゴム成分(NBR)の一部(NBR全量の5〜95重量%、好ましくは10〜90重量%)と充填材とを混合したものに、残りのゴム成分を配合する方法(マスターバッチの手法)等により得られる。また、その他の手法として、NBR重合時あるいは重合後に、エマルジョン状態にあるNBRに微粒子を添加する手法や、液層中にてゾルゲル法により微粒子を生成させる手法を用いるなどNBR中に微粒子を添加するあらゆる手法が活用可能である。
【0025】
(5)NBR組成物の製造方法
本発明のNBR組成物は、NBRと微粒子充填材及びその他の配合成分とを従来公知の方法で混合することにより得られるが、微粒子充填材のNBR組成物中における凝集隗がつくる連続層の体積分率が0.4〜0.7の範囲にあるNBR組成物は、例えばゴムを適宜、分割投入することにより得ることができる。
【0026】
好ましくは、NBR組成物に用いられるNBR全量の5〜95重量%、より好ましくは10〜90重量%に相当するNBRと微粒子充填材とを混合する工程(1)と、前記工程(1)で得られる混合物に残りのNBRを混合する工程(2)とを含む方法、すなわち所謂マスターバッチ方式を用いるのがよい。
また、これに限らず、その他の手法として、NBR重合時、あるいは重合後、エマルジョン状態にあるNBRに微粒子を添加する手法、液層中にてゾルゲル法により微粒子を生成させる手法など、NBR中に微粒子を添加するあらゆる手法が活用可能である。
【0027】
NBRと微粒子充填材その他の配合成分との混合は、各配合成分をインターミキサー、バンバリーミキサー、ニーダ等の密閉式混練機あるいはオープンロールなどの、通常ゴム混練機として用いられる装置を使用し、混練することによって行われる。また、加硫は約150〜220℃、約0.5〜20分間のプレス加硫によって行われ、必要に応じて更にオーブン加硫が行われる。
【0028】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら制限されるものではない。なお、各種測定方法の具体例は以下の通りである。
1.動的粘弾性測定
オリエンテック社製Rheovibron DDV−II−EPを用い、ひずみ0.53%、周波数35Hz、昇温速度2℃/minで−50〜50℃の範囲で、測定を行った。
2.TEM(透過型電子顕微鏡)
日立製作所製H900 NAR Typeを用い、加速電圧200kVで、観察を行った。
3.2値化処理画像
TEM画像を、コンピューターを用いて、2値化処理を行い、シリカ粒子が形成するアグロメレート平均サイズとフィラー連続層の面積分率を求めた。
4.引張試験(引張弾性率・引張伸度)
引張試験は、インテスコ株式会社製IM−20STを使用し、室温で、短冊状に切り抜いた試験片(W×T×L=3×1×30cm)を15mm/minの速度で引っ張り、弾性率、伸びを測定した。
【0029】
【実施例1】
ゴムは、ニトリル含有量が28重量%、重量平均分子量が3.5×105のニトリルゴム(NBR)を使用した。充填材は、シリカ微粒子(商品名「ニップシールAQ」;日本シリカ社製)を用いた。また、充填材含有量は、最終的にNBR100重量部に対して50重量部となるように調整した。
試料作製は、次のように行った。まず、NBRとシリカを小型バンバリーミキサーを用いて混練を行いマスターバッチを作製し、これにさらにNBRのみを混合した。追加ゴム量は0/10/20/30(重量比)とした。(ただし、追加ゴム量が0の場合は、比較例である。)さらに混練機内で加硫剤を添加し、混合物を得た。次いで、得られた混合物について、165℃、15分の条件で加硫を行い、加硫ゴムシートを得た。
【0030】
得られた加硫ゴムシートについて、常法に従い引張試験と動的粘弾性測定を行った。結果を図1、図3、及び図4に示す。−50〜40℃の温度範囲で動的粘弾性測定を実施したところ、tanδの温度分散からマスターバッチと追加ゴムとは完全に相溶していないことがわかった。
【0031】
また、TEM像及び2値化処理画像をとり、シリカの凝集隗の連続層の体積分率を求めた。結果を図2及び図5に示す。光学顕微鏡レベルの観察では、マスターバッチ分のゴムと追加分のゴムで相容していることが確認された。しかし、TEM像から、シリカの凝集サイズは追加ゴム分が多いほど小さくなっていた。2値化像から得られた凝集構造の連続層が占める体積分率は、マスターバッチ/追加ゴム=100/0(重量比)のブレンド(比較例)で0.72、70/30のブレンドで0.54であった。
【0032】
引張試験の結果より、比較例に比べ、実施例では、引張弾性率が低下する。実施例においては、追加ゴム分の量が増加するに従い、引張弾性率は低下する。また、比較例に比べ、実施例では、伸張−緩和時のヒステリシスロスが小さくなる。実施例においては、追加ゴム分の量の増加により、伸張−緩和時のヒステリシスロスが小さくなる。
動的粘弾性測定の結果より、ガラス転移温度に対応するtanδのピークは追加ゴム分の量の増加とともに上昇した。単一NBRで同一充填材配合率でも機械的な振動減衰特性を変えることが本手法で行うことが可能となった。
【0033】
【発明の効果】
本発明のNBR組成物は、微粒子充填材の分散状態が一定範囲にあるものであり、これにより同一組成でも温度−周波数粘弾性特性を改良することができる。
また、従来のNBR組成物の製造方法がそのまま使用でき、さらに2種以上のポリマーブレンドによって得られていた機械的物性が単一ポリマーを追加混練することにより得られるので、従来のゴム混練の設備を利用できるため、新規設備を必要とせず、かつ混合の条件を大幅に変更する必要がない。
また、本発明のNBR組成物は、本来NBR単独で有する耐油性、耐寒性を損なうことがない。さらに、本発明により得られるNBR組成物は、外観上、従来のものと大きな差異が生じない。よって、従来NBRが広く用いられてきたゴム・樹脂製品を使用するあらゆる産業分野において、有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリカ充填NBR加硫ゴムの応力−ひずみ曲線(マスターバッチ/追加ゴム=100/0、80/20、70/30(重量比))
【図2】シリカ充填NBR加硫ゴムのTEM像(マスターバッチ/追加ゴム=100/0、70/30(重量比))
【図3】シリカ充填NBR加硫ゴムの貯蔵弾性率(E’)の温度依存性カーブ(マスターバッチ/追加ゴム=90/10、80/20、70/30(重量比))
【図4】シリカ充填NBR加硫ゴムの正接損失の温度依存性カーブ(マスターバッチ/追加ゴム=90/10、80/20、70/30(重量比))
【図5】シリカ充填NBR加硫ゴムの充填材凝集構造の2値化処理画像(マスターバッチ/追加ゴム=100/0、70/30(重量比))

Claims (4)

  1. NBRに少なくとも微粒子充填材を配合してなるNBR組成物であって、
    前記微粒子充填材がシリカであって、
    前記微粒子充填材の粒子径が、100nm以下であって、
    前記微粒子充填材のNBR組成物中における凝集隗がつくる連続層の体積分率が0.4〜0.7の範囲にあることを特徴とする、NBR組成物。
  2. 前記微粒子充填材が、NBR100重量部に対し10〜150重量部配合されていることを特徴とする、請求項1記載のNBR組成物。
  3. 求項1又は2に記載のNBR組成物を製造する方法であって、
    NBR全量の5〜95重量%に相当するNBRと微粒子充填材とを混合する工程(1)と、
    前記工程(1)で得られる混合物に残りのNBRを混合する工程(2)とを含むことを特徴とする、
    NBR組成物の製造方法。
  4. 前記工程(1)が、NBR全量の10〜90重量%に相当するNBRと微粒子充填材とを混合する工程であることを特徴とする、請求項記載のNBR組成物の製造方法
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