JP4842569B2 - ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴム製品の成形加工に用いられるゴム組成物に関する。
ゴム中に、補強剤としてのシリカを配合する方法としては、例えば、バンバリーミキサ、オープンロール、ニーダーなどを用いて混練する、いわゆる混練法が採用されている。
しかし、シリカは、その表面にシラノール基を有しており、親水性を示すことから、一般に疎水性を示すゴムとの親和性が低い。しかも、シリカは、自己凝集性が強いことから、ゴム中にシリカを均一に分散させることは容易ではない。
一方、特許文献1には、水ガラスとゴムラテックスとの混合物を、酸を用いて共同沈殿させることにより、粗粒状の加硫可能な混合物を製造する方法が提案されている。
また、特許文献2には、エチレン基をもつゴム本体と、このゴム本体に結合して、末端にシラノールのピリジニウム塩をもつ側鎖とからなる有機−無機ハイブリッド体が、非特許文献1には、水ガラスから調製されたケイ酸と、2−ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ゴムとを用いて複合化されたゴム(ケイ酸PSBR)が、それぞれ記載されており、これらのゴムが、低ヒステリシス損失といった特性を有することが示されている。
特開昭47−1090号公報 特開平11−255843号公報 「水ガラスを用いた複合化 − ケイ酸2−ビニルピリジニウム−スチレン−ブタジエン共重合体ゴムの調製および物性」、高分子論文集(Kobunshi Ronbunshu)、59巻、1号、p.15〜20(2002年1月)
しかるに、特許文献1に記載の方法により得られる加硫可能な混合物は、粒子径が2〜3mm程度の粗粒状物であって、例えば、この混合物を、原料ゴム中に補強剤として配合させる場合には、均一な分散状態を得るために、あらかじめ、粉砕などによって上記混合物の粒子径を小さくする必要がある。また、上記混合物をゴム製品の成形材料として使用する場合においても、粗粒状の混合物の乾燥、粉砕が必要である。それゆえ、上記の加硫可能な混合物を使用するには、余分の手間やコストがかかる。
一方、特許文献2に記載の発明では、有機−無機ハイブリッド体を得るために、水ガラスなどを酸処理した後、有機溶剤(テトラヒドロフラン)でシラノールを抽出し、得られたシラノールと、ゴム本体の側鎖に突出しているピリジン環とを、ピリジニウム塩として結合させている。しかしながら、この場合には、有機−無機ハイブリッド体を得るために、多量の有機溶媒や、多数の工程が必要となることから、製造コストおよび環境面からの改良が望まれている。なお、非特許文献1に記載のゴム(ケイ酸PSBR)についても、水ガラスを酸処理後、テトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、こうして得られたTHF溶液と、ビニルピリジン−スチレン−ブタジエン共重合体ゴムラテックスとを反応させることによって合成されることから、特許文献1の場合と同じく、環境面からの改良が望まれている。
また、特許文献2に記載の有機−無機ハイブリッド体や、非特許文献1に記載のケイ酸PSBRは硬度が高く、しかも、分子中にピリジニウム基を有することから、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)などの汎用の原料ゴムとの間に、大きな極性の差異が生じている。それゆえ、上記の有機−無機ハイブリッド体やケイ酸PSBRを、ドライブレンドによって、原料ゴム中に均一に分散させることは困難である。さらに、上記の有機−無機ハイブリッド体やケイ酸PSBRは、原料ゴム中で凝集体として存在しやすく、この凝集体は、ゴム成形体の内部に破壊を生じさせる起点となることから、ゴム製品の機械的強度が低下するという不具合を招くおそれがある。
そこで、本発明の目的は、機械的強度や、ヒステリシス損失などの機械的特性に優れたゴム製品を得るためのゴム組成物を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、
(1)エポキシ化天然ゴムと水ガラスとを含む配合ラテックスを、酸または塩により凝固させて得られ、前記水ガラスから生成されるシリカを、SiO 換算量として、前記エポキシ化天然ゴム100重量部に対して、1〜50重量部含有することを特徴とする、ゴム組成物、
(2)前記エポキシ化天然ゴムのエポキシ化率が、3〜70モル%であることを特徴とする、前記(1)に記載のゴム組成物
を提供するものである。
本発明のゴム組成物は、水ガラスから生成されるシリカ(ケイ酸成分)が、エポキシ化天然ゴム中のエポキシ基と相互に作用することから、シリカ(ケイ酸成分)が凝集体を形成することなく、ゴム組成物中において、微細にかつ均一に分散されることになる。それゆえ、このゴム組成物を用いることにより、機械的強度や動的機械特性に優れたゴム製品の成形が可能となる。しかも、本発明のゴム組成物は、水ガラスを含む配合ラテックスを酸または塩で凝固させるという、簡易な方法によって得ることができる。
さらに、本発明のゴム組成物によれば、このゴム組成物を用いて形成されるゴム製品のガス透過性を大幅に低減させることができる。
本発明のゴム組成物は、エポキシ化天然ゴムと水ガラスとを含む配合ラテックスを、酸または塩により凝固させたものである。
エポキシ化天然ゴムは、水ガラスから生成されるケイ酸成分と相互作用を示すものであって、このエポキシ化天然ゴムのラテックスを、水ガラスとの共存下で酸または塩により凝固させたときには、練り加工が可能なゴムが生成される。
なお、本発明において、「練り加工が可能」であるとは、酸または塩により凝固させて得られた凝固物を、ロールやバンバリーミキサに投入して、素練りなどの練り加工を施した場合において、練り加工後においても、上記凝固物が、未加硫の配合ゴムとしてまとまった形態を保持できることをいう。
エポキシ化天然ゴムは、天然ゴムを、例えば、過酸化水素とギ酸とで処理することにより、または、過酢酸で処理することにより、製造することができる。この反応により、天然ゴムの分子中に存在する二重結合がエポキシ化される。エポキシ化の構造は、プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)や赤外吸収スペクトル(IR)から明らかにすることができ、また、IRと元素分析の結果から、エポキシ基の含有割合(エポキシ化率)を測定することができる。
エポキシ化率は、好ましくは、3〜70モル%以上であり、より好ましくは、5〜65モル%、さらに好ましくは、7〜60モル%である。本発明においては、エポキシ化率が上記範囲にあるエポキシ化天然ゴムを、2種以上混合して使用してもよい。
エポキシ化天然ゴムのエポキシ化率が、5モル%を下回ったときは、水ガラスから生成されるケイ酸成分と相互作用する部位が少なくなって、ゴム組成物に所望の特性を付与することができなくなったり、ゴム組成物から形成されるゴム製品の機械的強度や動的機械特性を向上させる効果が不十分になったりするおそれが生じる。逆に、エポキシ化天然ゴムのエポキシ化率が、70モル%を上回ったときは、ゴム組成物の粘着性が大きくなりすぎて、ゴム弾性が損なわれたり、ガラス転移点が高くなりすぎて、低温での耐久性が低下したりするといったおそれや、混練機などの内壁に付着して機械的なブレンドが困難になるといったおそれが生じる。
なお、本発明においては、上記配合ラテックスを酸または塩により凝固させる前に、配合ラテックス中に、エポキシ化天然ゴム以外のゴムのラテックスを配合することができる。エポキシ化天然ゴム以外のゴムとしては、特に限定されず、ゴム組成物に求められる特性に応じて、種々のラテックスから適宜選択すればよい。
上記エポキシ化天然ゴム以外のゴムとしては、例えば、SBR(スチレンとブタジエンとの共重合体;スチレン−ブタジエンゴム)、SBIR(スチレンとイソプレンとブタジエンとの共重合体)、MSBR(α−メチルスチレンとブタジエンとの共重合体)、p−メチルスチレンとイソブチレンとの共重合体の臭素化物、NBR(アクリロニトリルとブタジエンとの共重合体;アクリロニトリル−ブタジエンゴム)、NBIR(アクリロニトリルとブタジエンとイソプレンとの共重合体)、NIR(アクリロニトリルとイソプレンとの共重合体)、NR(天然ゴム)、IR(イソプレンゴム)、IIR(イソブテンとイソプレンとの共重合体;ブチルゴム)、BR(ブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、EPDM(エチレンとプロピレンとジエンとの共重合体)などが挙げられる。なかでも、好ましくは、NR、SBR、NBR、IR、IIR、BRなどのジエン系ゴムが挙げられる。
但し、エポキシ化天然ゴム以外のゴムが、分子中に、ピリジル基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基またはN−ヒドロキシメチルカルバモイル基を有しているゴム(いわゆる、ピリジン変性ゴム、カルボキシ変性ゴム、アミノ変性ゴム、アミド変性ゴム)である場合には、かかる他のゴムのラテックスを、水ガラスとの共存下において酸または塩により凝固させた場合に、練り加工が不可能な微粉末状のゴム組成物が生成する場合があることから、上記他のゴムのラテックスの配合量は、ゴム組成物全体として練り加工が可能な状態を維持することのできる範囲で設定される。
水ガラスは、通常、下記式で示される組成で表される。
Na2O・nSiO2・mH2
上記係数nは、SiO2/Na2Oの分子比で示される値であって、一般にモル比と呼ばれる(JIS K 1408-1966)に規定の範囲である。この係数nは、特に限定されないが、好ましくは、2.1〜3.1であり、より好ましくは、3.1である。上記係数nが3.1であるときは、水ガラス中のケイ酸成分の含有量(SiO2換算量)が多くなることから、ゴムとの複合化処理の効率が向上する。
なお、一般に、上記係数nが3.1である水ガラスは、水ガラス3号として市販されている。本発明に使用可能な水ガラスは、これに限定されるものではなく、例えば、JIS K 1408に規定の1〜3号水ガラスや、その他各種のグレード品を使用することができる。
水ガラスの配合量は、水ガラスから生成されるケイ酸成分についての、ゴム組成物中での含有量(SiO2換算量)が、後述する範囲となるように設定すればよい。
ゴム組成物中での、水ガラスから生成されるケイ酸成分の含有量(SiO2換算量)は、エポキシ化天然ゴム100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは、3〜40重量部、より好ましくは、5〜35重量部である。ケイ酸成分の含有量(SiO2換算量)が、エポキシ化天然ゴム100重量部に対して1重量部を下回ると、水ガラスの配合に伴う効果が得られにくくなる。逆に、ケイ酸成分の含有量(SiO2換算量)が、エポキシ化天然ゴム100重量部に対して50重量部を上回ると、ゴム同士の相互作用に関わらない水ガラスが生じることから、水ガラスが無駄になる。
配合ゴムラテックスを凝固させるための酸としては、例えば、硫酸、塩酸などが挙げられ、好ましくは、硫酸が挙げられる。
また、配合ゴムラテックスを凝固させるための塩としては、例えば、金属塩、より詳しくは、例えば、硝酸カルシウム、塩化カルシウムなどのカルシウム塩などが挙げられる。なお、これに限定されないが、塩の価数は、好ましくは、2価または3価である。
本発明のゴム組成物は、エポキシ化天然ゴムのラテックスと、水ガラスとを配合して、配合ラテックスを調製した後、得られた配合ラテックスに酸または塩を配合して、配合ラテックスを凝固させることにより、得ることができる。
エポキシ化天然ゴムラテックスのゴム固形分濃度は、特に限定されず、取扱性の観点から適宜設定すればよい。通常、ゴム固形分濃度は、30〜60重量%に設定するのが適当である。
配合ラテックスへの酸または塩の配合は、配合ラテックスを撹拌しながら、酸、塩またはこれらの水溶液をゆっくりと滴下させることが好ましい。
配合ラテックスに酸または塩を配合する際の条件としては、特に限定されないが、例えば、配合ラテックスの温度は、好ましくは、10〜90℃であり、より好ましくは、20〜70℃である。
本発明のゴム組成物は、単独で、ゴム製品の成形材料として使用してもよく、例えば、他のゴムと、常法により混練して使用してもよい。
他のゴムとしては、例えば、NR、SBR、SBIR、MSBR、p−メチルスチレンとイソブチレンとの共重合体の臭素化物、NBR、NBIR、NIR、IR、IIR、BR、CR、EPDMなどが挙げられる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
実施例および比較例に使用する成分は、次のとおりである。
・NRラテックス:ハイアンモニアタイプ、ゴム分60%
・カルボキシル化PSBRラテックス:カルボキシ変性PSBRラテックス、全固形分36.0%、ブタジエン:スチレン:ビニルピリジン=70:15:15(単量体単位の重量比)、カルボキシル基の含有量(カルボキシル化PSBRのゴム分子全体に占めるカルボキシル基の重量割合)0.5〜4重量%、商品名「Nipol LX603」、日本ゼオン(株)製
・水ガラス:水ガラス3号(Na2O・nSiO2・mH2O、n=3.2)、ケイ酸成分(シリカ)の含有量(SiO2換算量)28%相当、富士化学(株)製
・粉末硫黄:粉末状(200メッシュ)の硫黄
・加硫促進剤CZ:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、商品名「ノクセラーCZ」、大内新興化学工業(株)製
・加硫促進剤D:商品名「ソクシノールD」、住友化学(株)製
・シリカ微粒子:商品名「ニプシル(Nipsil)AQ」、東ソー・シリカ(株)製
<ゴム組成物およびゴム成形体の製造>
参考例
NRラテックスに界面活性剤および過酢酸を配合して、40℃で1時間、撹拌することにより、エポキシ化率が50モル%であるENRラテックスを得た。このENRラテックスを、以下、「ENRラテックス(50)」という。
また、過酢酸の配合量、反応温度および時間を変えたこと以外は、上記と同様にして、エポキシ化率が25モル%であるENRラテックスを得た。このENRラテックスを、以下、「ENRラテックス(25)」という。
実施例1
ENRラテックス(50)と水ガラスとを、ラテックス中のENR分100重量部に対して水ガラスが10重量部となるように配合し、1時間撹拌することにより、配合ラテックスを得た。
次いで、上記配合ラテックスを加熱して、その温度を23℃程度に保ちつつ、かつ、撹拌しながら、2N−硫酸をゆっくりと滴下し、こうして得られた凝固物を、一昼夜、蒸留水に浸漬させて、洗浄した。なお、上記蒸留水は、数回交換した。さらに、上記凝固物を、水絞りロールで水洗しながら、シート状に成形し、40℃のオーブン中で乾燥させることにより、ゴム組成物(ケイ酸ENR(50))を得た。
得られたゴム組成物の一部をるつぼに入れて、650℃で1時間加熱、焼却し、残存した灰分量を測定することによって、ゴム組成物100重量部中のケイ酸成分の含有量を算出したところ、SiO2換算で、9.15重量部であった。
次に、上記ゴム組成物110重量部に対して、酸化亜鉛3重量部、ステアリン酸2重量部、粉末硫黄1.5重量部、加硫促進剤(CBS)1.0重量部および加硫促進剤(D)0.6重量部を配合し、混練機(混練試験装置ミックスラボ、(株)モリヤマ製)で混練することにより、配合ゴムを得た。
また、この配合ゴムをシート状に成形して、170℃でプレス加硫することにより、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。なお、加硫時間は、上記配合ゴムについて、キュラストメータを用いて予め作成された、加硫温度170℃における時間−トルク曲線(加硫曲線)から、上記配合ゴムのトルクが最大トルク値の90%に達するのに要する時間(T90)とした。
実施例2
ENRラテックス(50)に代えて、ENRラテックス(25)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物(ケイ酸ENR(25))を得た。このゴム組成物100重量部中のケイ酸成分の含有量は、SiO2換算で、9.12重量部であった。
次に、こうして得られたゴム組成物(ケイ酸ENR(25))を用いたこと以外は、実施例1と同じ条件で、酸化亜鉛、ステアリン酸、粉末硫黄および加硫促進剤(CBS,D)を配合し、混練することにより、配合ゴムを得た。また、この配合ゴムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。
実施例3
ENRラテックス(50)とENRラテックス(25)とを、それぞれのゴム分が重量比で50:50となるように混合して、混合ラテックスを得た。また、この混合ラテックス中のENR(50)分とENR(25)分との総量100重量部に対して、水ガラスを10重量部配合し、1時間撹拌することにより、配合ラテックスを得た。次いで、上記配合ラテックスを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゴム組成物(ケイ酸ENR(mix))を得た。このゴム組成物100重量部中のケイ酸成分の含有量は、SiO2換算で、9.10重量部であった。
次に、こうして得られたゴム組成物(ケイ酸ENR(mix))を用いたこと以外は、実施例1と同じ条件で、酸化亜鉛、ステアリン酸、粉末硫黄および加硫促進剤(CBS,D)を配合し、混練することにより、配合ゴムを得た。また、この配合ゴムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。
比較例1
ENRラテックス(50)を撹拌しながら、2N−硫酸をゆっくりと滴下し、こうして得られた凝固物を、一昼夜、蒸留水に浸漬させて、洗浄した。なお、上記蒸留水は、数回交換した。さらに、上記凝固物を、水絞りロールで水洗しながら、シート状に成形し、40℃のオーブン中で乾燥させることにより、未加硫ENR(50)のシートを得た。
次いで、上記未加硫ENR(50)のシート110重量部に対して、酸化亜鉛3重量部、ステアリン酸2重量部、粉末硫黄1.5重量部、加硫促進剤(CBS)1.0重量部および加硫促進剤(D)0.6重量部を配合し、混練機(前出)で混練することにより、配合ゴムを得た。また、この配合ゴムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。
比較例2
ENRラテックス(50)に代えて、ENRラテックス(25)を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、未加硫ENR(25)のシートを得た。さらに、この未加硫ENR(25)のシートを用いたこと以外は、比較例1と同様にして、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。
比較例3
カルボキシル化PSBRラテックスと水ガラスとを、ラテックス中のカルボキシル化PSBR分100重量部に対して水ガラスが10重量部となるように配合し、1時間撹拌することにより、配合ラテックスを得た。
次いで、上記配合ラテックスを2N−硫酸中にゆっくりと滴下し、こうして得られた凝固物を、一昼夜、イオン交換水に浸漬させて、洗浄した。なお、上記イオン交換水は、数回交換した。さらに、上記凝固物を、水絞りロールで水洗しながら、薄いシート状に成形し、40℃のオーブン中で乾燥させることにより、未加硫の配合ゴム(ケイ酸−カルボキシル化PSBR)を得た。この未加硫配合ゴム100重量部中のケイ酸成分の含有量は、SiO2換算で、9.14重量部であった。
次に、上記未加硫配合ゴム(ケイ酸−カルボキシル化PSBR)110重量部に対して、比較例1と同じ条件で、酸化亜鉛、ステアリン酸、粉末硫黄および加硫促進剤(CBS,D)を配合し、混練することにより、配合ゴムを得た。また、この配合ゴムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ2mmの加硫ゴムシートを得た。
<加硫ゴムシートの評価>
各実施例および比較例で得られた加硫ゴムシートについて、下記の物性を評価した。
(1) 機械的強度
JIS K 6251「加硫ゴムの引張試験方法」に準拠して、100%伸び時における引張応力M100(MPa)、引張強さTB(MPa)および切断時伸びEB(%)を測定した。測定には、加硫ゴムシートをくり抜いて得られた試験片(ダンベル3号形)を使用し、測定条件は、温度23℃、引張速度500mm/分とした。
(2) 硬さ
JIS K 6253「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に準拠して、加硫ゴムシートのデュロメータ硬さ(タイプA)を測定した。
(3) ガス透過性
加硫ゴムシートをくり抜いて得られた試験片について、そのガス透過度(cm3/(cm2・sec・cmHg)を、JIS K 7126:1987「プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法」に記載の方法に準じて測定した。
(4) 凝集体の有無
各実施例および比較例で得られた加硫ゴムシートについて、厚さ約0.5mmの薄層シートを切り出して、光学顕微鏡(30倍)で観察することにより、ゴム中にSiO2分の凝集体が存在しているか否かを確認した。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0004842569
表1に示す結果より明らかなように、ケイ酸ENRを用いたゴム組成物からなる実施例1〜3の加硫ゴムシートは、ENRとシリカとをドライブレンドした配合ゴムからなる比較例1および2の加硫ゴムシートに比べて、機械的強度に優れており、しかも、ガス透過性を低く抑えることができた。
また、実施例1〜3の加硫ゴムシートは、ケイ酸PSBRを用いたゴム組成物からなる比較例3の加硫ゴムシートと比べて、機械的強度について概ね優れており、特に、ガス透過性については、顕著な差異が生じていた。

Claims (2)

  1. エポキシ化天然ゴムと水ガラスとを含む配合ラテックスを、酸または塩により凝固させて得られ
    前記水ガラスから生成されるシリカを、SiO 換算量として、前記エポキシ化天然ゴム100重量部に対して、1〜50重量部含有することを特徴とする、ゴム組成物。
  2. 前記エポキシ化天然ゴムのエポキシ化率が、3〜70モル%であることを特徴とする、請求項1に記載のゴム組成物。
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