JPWO2012111097A1 - 車両用ヘッドレスト装置 - Google Patents

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Abstract

通常時における乗員の快適性の確保と、鞭打ち症防止効果の向上とを両立させることができると共に、ヘッドレスト本体を薄型化することができる車両用ヘッドレスト装置を得る。本車両用ヘッドレスト装置(10)では、ヘッドレスト本体(16)の前部に、ダイラタント特性を有する材料からなるダイラタントパッド(22)が配設されている。このダイラタントパッド(22)は、通常時は柔らかいため、乗員の頭部をヘッドレスト本体(16)によってソフトに支持することができる。一方、車両の後面衝突時などに、乗員の頭部からの荷重がヘッドレスト本体(16)の前部に負荷されると、ダイラタントパッド(22)が瞬時に硬化し、頭部の後退を抑制する。しかも、乗員の快適性確保のためにヘッドレスト本体(16)の前部に配設される発泡体を省略することができるので、ヘッドレスト本体(16)の薄型化を図ることができる。

Description

本発明は、車両用シートの上端側に設けられ、乗員の頭部を後方から支持する車両用ヘッドレスト装置に関する。
下記特許文献1に示されたヘッドレストでは、ヘッドレストフレームに取り付けられた板部材(支持部材)の前面に、低速の荷重に対しては変形するが、高速の荷重に対しては変形量が少ない低反発低発泡ウレタン部材が設けられている。この低反発低発泡ウレタン部材の前方側には、通常のウレタンフォームが配設されている。これにより、通常時における乗員の快適性(ソフト感)を確保すると共に、車両の後面衝突時における乗員頭部のヘッドレストへの沈み込み過ぎを抑制し、鞭打ち症に対する防止効果が低下することを抑制しようとしている。
特開2001−333832号公報
しかしながら、上述の如きヘッドレストでは、通常時における乗員の快適性(ソフト感)を十分に確保する為には、低反発低発泡ウレタン部材の前方側に配設された通常のウレタンフォームの厚さ寸法をある程度厚くする必要がある。このため、ヘッドレストを薄型化することが困難である。
また、車両の後面衝突時には、乗員の頭部がパッド(通常のウレタンフォーム及び低反発低発泡ウレタン部材)を介して支持部材に支持されるが、当該パッドの弾性変形分は乗員頭部がヘッドレストに沈み込む。このため、鞭打ち症に対する防止効果を向上させる点で更なる改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、通常時における乗員の快適性の確保と、鞭打ち症防止効果の向上とを両立させることができると共に、ヘッドレスト本体を薄型化することができる車両用ヘッドレスト装置を得ることを目的としている。
請求項1に記載の発明に係る車両用ヘッドレスト装置は、車両用シートにおけるシートバックの上端側に設けられるヘッドレスト本体と、ダイラタント特性を有する材料によって形成されて前記ヘッドレスト本体の前部に配設され、前記ヘッドレスト本体の骨格を構成するヘッドレストフレームに対して前方から対向した頭部荷重受け部材と、を備えている。
請求項1に記載の車両用ヘッドレスト装置では、ヘッドレスト本体の前部に頭部荷重受け部材が配設されている。この頭部荷重受け部材は、ダイラタント特性を有する材料によって形成されており、通常時は柔らかいため、乗員の頭部をヘッドレスト本体によってソフトに支持することができる。これにより、通常時における乗員の快適性を確保することができる。
一方、車両の後面衝突時などに、車両後方側へ慣性移動しようとする乗員の頭部からの荷重(衝撃力)がヘッドレスト本体の前部に負荷されると、頭部荷重受け部材がヘッドレストフレームによって後方から支持されつつ硬化する。これにより、頭部の後退(後傾)が抑制されるので、鞭打ち症防止効果を向上させることができる。しかも、頭部荷重受け部材は、衝撃力が除去されると、元のように柔らかくなるため、再び乗員の快適性が確保される。
このように、本発明では、頭部荷重受け部材が通常時には柔らかいため、乗員の快適性確保のためにヘッドレスト本体の前部に配設されるウレタンフォーム等の発泡体を省略又は大幅に薄型化することができる。これにより、ヘッドレスト本体の薄型化を図ることができる。
請求項2に記載の発明に係る車両用ヘッドレスト装置は、請求項1に記載の車両用ヘッドレスト装置において、前記ヘッドレスト本体は、前記ヘッドレストフレームに取り付けられると共に前記頭部荷重受け部材を後方から支持可能な支持部材を有する。
請求項2に記載の車両用ヘッドレスト装置では、乗員の頭部からの荷重が頭部荷重受け部材に負荷された際には、ヘッドレストフレームに取り付けられた支持部材によって、頭部荷重受け部材を後方から支持することができる。これにより、頭部荷重受け部材に荷重(衝撃力)を良好に負荷することができるので、頭部荷重受け部材を迅速に硬化させることができる。また、乗員の頭部が硬化した頭部荷重受け部材を介して支持部材に支持されるので、頭部の後退を一層良好に抑制することができる。
請求項3に記載の発明に係る車両用ヘッドレスト装置は、請求項2に記載の車両用ヘッドレスト装置において、前記頭部荷重受け部材の後面が前記支持部材の前面に接触している。
請求項3に記載の車両用ヘッドレスト装置では、ヘッドレストフレームに取り付けられた支持部材と頭部荷重受け部材とが面接触しているため、頭部荷重受け部材を支持部材によって良好に支持することができる。
請求項4に記載の発明に係る車両用ヘッドレスト装置は、請求項3に記載の車両用ヘッドレスト装置において、前記頭部荷重受け部材は、後方に突出した複数の突起を有し、前記複数の突起が前記支持部材に形成された複数の孔に嵌合している。
請求項4に記載の車両用ヘッドレスト装置では、頭部荷重受け部材から後方に突出した複数の突起が、支持部材に形成された複数の孔に嵌合することにより、頭部荷重受け部材を支持部材に位置決めすることができる。これにより、装置の製造作業を容易なものにすることができる。
請求項5に記載の発明に係る車両用ヘッドレスト装置は、請求項4に記載の車両用ヘッドレスト装置において、前記支持部材は、前面が曲面状に形成され、前記頭部荷重受け部材は、前記複数の突起が前記複数の孔に嵌合することにより前記支持部材の前面に沿って曲げられた状態で前記支持部材に保持される。
請求項5に記載の車両用ヘッドレスト装置では、頭部荷重受け部材に設けられた複数の突起が支持部材に形成された複数の孔に嵌合する。これにより、頭部荷重受け部材は、曲面状に形成された支持部材の前面に沿って曲げられた状態で支持部材に保持される。これにより、本車両用ヘッドレスト装置の製造中に頭部荷重受け部材が支持部材から不用意に脱落することを防止できるので、装置の製造作業を一層容易なものにすることができる。
請求項6に記載の発明に係る車両用ヘッドレスト装置は、請求項3に記載の車両用ヘッドレスト装置において、前記頭部荷重受け部材は、外周側から後方に突出した突起を有し、前記突起が前記支持部材の外周部に形成された凹部に係合している。
請求項6に記載の車両用ヘッドレスト装置では、頭部荷重受け部材の外周側から後方に突出した突起が、支持部材の外周部に形成された凹部に係合することにより、頭部荷重受け部材を支持部材に位置決めすることができる。これにより、装置の製造作業を容易なものにすることができる。
請求項7に記載の発明に係る車両用ヘッドレスト装置は、請求項2〜請求項6の何れか1項に記載の車両用ヘッドレスト装置において、前記ヘッドレスト本体は、前記ヘッドレストフレーム、前記支持部材及び前記頭部荷重受け部材と共に一体発泡成形された発泡体と、前記発泡体に被せられたヘッドレスト表皮とを有する。
請求項7に記載の車両用ヘッドレスト装置では、その製造時には、ヘッドレストフレームに支持部材及び頭部荷重受け部材が組み付けられ、周りに発泡体が一体発泡成形された後で、当該成形品にヘッドレスト表皮が被せられる。これにより、装置を容易に製造することができる。
請求項8に記載の発明に係る車両用ヘッドレスト装置は、請求項2又は請求項3に記載の車両用ヘッドレスト装置において、前記ヘッドレスト本体は、前記ヘッドレストフレーム及び前記支持部材と共に一体発泡成形された発泡体と、裏面に前記頭部荷重受け部材が取り付けられ、前記発泡体に被せられたヘッドレスト表皮とを有する。
請求項8に記載の車両用ヘッドレスト装置では、その製造時には、ヘッドレストフレームに支持部材が組み付けられ、周りに発泡体が一体発泡成形された後で、当該成形品に、裏面に頭部荷重受け部材が取り付けられたヘッドレスト表皮が被せられる。これにより、装置を容易に製造することができる。
請求項9に記載の発明に係る車両用ヘッドレスト装置は、請求項2に記載の車両用ヘッドレスト装置において、前記頭部荷重受け部材は、板状に形成され、前記ヘッドレスト本体の前面に沿って配設された板状部と、前記板状部の後面における複数箇所からそれぞれ後方へ突出し、各々の後端が前記支持部材と対向した複数の脚部と、を有する。
請求項9に記載の車両用ヘッドレスト装置では、乗員の頭部からヘッドレスト本体の前部に荷重が負荷されると、板状部がヘッドレスト本体の前面に沿って配設された頭部荷重受け部材が硬化する。この頭部荷重受け部材には、板状部の後面における複数箇所からそれぞれ後方へ突出し、各々の後端が支持部材と対向した複数の脚部が設けられている。これら複数の脚部が支持部材に当たることにより、板状部すなわち乗員頭部の後退が抑制される。しかも、乗員の後頭部の形状に対応して板状部が適宜変形するように設定することができるので、後頭部に入力される反力を広い面積に分散することができる。
請求項10に記載の発明に係る車両用ヘッドレスト装置は、請求項2に記載の車両用ヘッドレスト装置において、前記頭部荷重受け部材は、板状に形成され、前記ヘッドレスト本体の前面に沿って配設された板状部と、前記板状部の後面における外周側から枠状に後方へ突出し、後端が前記支持部材と対向した側壁部と、を有する。
請求項10に記載の車両用ヘッドレスト装置では、乗員の頭部からヘッドレスト本体の前部に荷重が負荷されると、板状部がヘッドレスト本体の前面に沿って配設された頭部荷重受け部材が硬化する。この頭部荷重受け部材には、板状部の後面における外周側から枠状に後方へ突出し、後端が支持部材と対向した側壁部が設けられている。この側壁部が支持部材に当たることにより、板状部すなわち乗員頭部の後退が抑制される。しかも、後頭部の形状に対応して板状部の中央側が適宜変形するように設定することができるので、後頭部に入力される反力を広い面積に分散することができる。
請求項11に記載の発明に係る車両用ヘッドレスト装置は、請求項10に記載の車両用ヘッドレスト装置において、前記頭部荷重受け部材は、前記板状部の後面における中央側から後方へ突出し、後端が前記支持部材と対向した1又は複数の脚部を有する。
請求項11に記載の車両用ヘッドレスト装置では、頭部荷重受け部材の板状部の後面における中央側から後方へ突出した1又は複数の脚部が、支持部材に当たることにより、板状部の中央側の変形が抑制される。したがって、上記1又は複数の脚部の本数や形状を適宜設定変更することにより、板状部の中央側の変形モードを容易に設定変更することができる。
請求項12に記載の発明に係る車両用ヘッドレスト装置は、請求項1又は請求項2に記載の車両用ヘッドレスト装置において、前記ヘッドレスト本体は、前記ヘッドレストフレームに支持された発泡体と、前記発泡体に被せられたヘッドレスト表皮と、を有し、前記頭部荷重受け部材は、板状に形成され、板面が前記発泡体の前面に接する状態で当該前面と前記ヘッドレスト表皮との間に配置されている。
請求項12に記載の車両用ヘッドレスト装置では、乗員の頭部からの荷重がヘッドレスト本体の前部に負荷されると、板状に形成されて発泡体の前面とヘッドレスト表皮との間に配置された頭部荷重受け部材が硬化する。この頭部荷重受け部材は、板面が発泡体の前面に接する状態で配置されているため、頭部荷重受け部材を介して発泡体の前面に負荷される荷重を、当該前面の広い面積に分散することができる。これにより、発泡体の変形量を少なくすることができるので、頭部荷重受け部材を介して発泡体に荷重を負荷する乗員頭部の後退を抑制することができる。
以上説明したように、本発明に係る車両用ヘッドレスト装置では、通常時における乗員の快適性の確保と、鞭打ち症防止効果の向上とを両立させることができると共に、ヘッドレスト本体を薄型化することができる。
本発明の第1実施形態に係る車両用ヘッドレスト装置が搭載された車両用シートの部分的な構成を示す正面図である。 図1の2−2線に沿った切断面を示す拡大縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係るヘッドレストフレーム、インサート及びダイラタントパッドの構成を示す斜視図である。 インサートへのダイラタントパッドの取り付け方を説明するための断面図である。 本発明の第1実施形態に係る車両用ヘッドレスト装置の比較例の構成を示す縦断面図である。 本発明の第2実施形態に係るヘッドレストフレーム及びインサートの構成を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るダイラタントパッドの構成を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るヘッドレスト、インサート及びダイラタントパッドの構成を示す縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係るヘッドレストフレーム及びインサートの構成を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係るダイラタントパッドの構成を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態に係るヘッドレスト、インサート及びダイラタントパッドの構成を示す縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係る車両用ヘッドレスト装置の構成を示す縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係るダイラタントパッドの構成を示す斜視図である。 本発明の第5実施形態に係る車両用ヘッドレスト装置の構成を示す縦断面図である。 本発明の第5実施形態に係るダイラタントパッドの構成を示す斜視図である。 本発明の第6実施形態に係る車両用ヘッドレスト装置の構成を示す縦断面図である。 本発明の第6実施形態に係るダイラタントパッドの構成を示す斜視図である。 本発明の第7実施形態に係る車両用ヘッドレスト装置の構成を示す縦断面図である。
<第1の実施形態>
以下、図1〜図5を用いて、本発明の第1実施形態に係る車両用ヘッドレスト装置10について説明する。なお、各図中に適宜示される矢印FRは車両前方向を示し、矢印UPは車両上方向を示し、矢印Wは車両幅方向(車両左右方向)を示している。
図1に示されるように、本実施形態に係る車両用ヘッドレスト装置10は、車両用シート12におけるシートバック14の上端側に設けられたヘッドレスト本体16を備えている。ヘッドレスト本体16は、骨格部材であるヘッドレストフレーム18を有している。ヘッドレストフレーム18は、金属製のパイプ材が略逆U字状に曲げ加工されることにより形成されたものであり、シートバック14の上下方向に延びる左右一対のサイド部18A、18B(脚部)と、これら一対のサイド部18A、18Bの上端部間をシート幅方向に連結したアッパ部18C(連結部)とを備えている。
一対のサイド部18A、18Bの下端側は、シートバック14の骨格部材であるシートバックフレームの上端部に設けられたヘッドレストサポート(何れも図示省略)に連結されている。これにより、ヘッドレストフレーム18がシートバックフレームに支持されており、ヘッドレスト本体16がシートバック14の上端側に取り付けられている。なお、ヘッドレスト本体16における前後左右上下の方向性は、車両用シート12が搭載された車両の前後左右上下の方向性と略一致している。
また、図2及び図3に示されるように、ヘッドレストフレーム18の上部側には、樹脂材料の射出成形等によって形成されたインサート20(支持部材)が取り付けられている。このインサート20は、ヘッドレストフレーム18の前方側に配置された前壁部20Aを有している。前壁部20Aは、ヘッドレスト本体16の前面に沿うように湾曲した薄板状に形成されている。図4に示されるように、前壁部20Aの上端及び下端からは、ヘッドレスト本体16の後方側へ向けて上壁部20B及び下壁部20Cが延出されている。また、前壁部20Aの左右両端からは、それぞれヘッドレスト本体16の後方側へ向けて側壁部20Dが延出されている。さらに、前壁部20Aの裏面には、長尺な平板状に形成されてヘッドレスト本体16の上下方向に延びる複数の縦リブ20Eと、長尺な平板状に形成されてヘッドレスト本体16の左右方向に延びる複数の横リブ20Fとが一体に設けられている。これらの縦リブ20E及び横リブ20Fは、格子状に配置されて一体に形成されており、インサート20の剛性を向上させている。
インサート20の上壁部20Bには、インサート20の裏面側へ突出した左右一対の係止部20G(図2及び図4参照。他図では図示省略)が設けられている。これらの係止部20Gは、断面略C字状に形成されており、ヘッドレストフレーム18のアッパ部18Cを銜え込んでいる。また、下壁部20Cには、上述した係止部20Gと同様の構成とされた左右一対の係止部20Hが設けられており、これらの係止部20Hがヘッドレストフレーム18のサイド部18A、18Bを銜え込んでいる。これにより、インサート20がヘッドレストフレーム18に装着されている。
前壁部20Aの前面には、頭部荷重受け部材としてのダイラタントパッド22が配設されている。このダイラタントパッド22は、ダイラタント特性を有する材料、例えば英国のd3oTMlab社が製造する「d3oTM」によって形成されている。この「d3oTM」は、衝撃が加わっていないときや衝撃が弱いときは柔軟であるが、強い衝撃が加えられると瞬時に硬化すると共に、優れたエネルギ吸収性能を発揮する材料である。このダイラタントパッド22は、ヘッドレスト本体16の前部、つまりヘッドレスト本体16においてヘッドレストフレーム18よりも前方側の部分に配設されており、車両用シート12に乗員が着座した状態では、当該乗員の頭部の後方に配置される。
このダイラタントパッド22は、板厚寸法が厚い板状に形成された本体部22Aを備えている。この本体部22Aは、ヘッドレストフレーム18に対して前方から対向しており、後面がインサート20の前壁部20Aの前面に接触している。この本体部22Aの後面(裏面)からは、ブロック状に形成された複数(ここでは4つ)の突起22Bが後方側へ向けて突出している。これら複数の突起22Bは、本体部22Aの後面における上端側、下部側、左部側、及び右部側に配置されている。これら複数の突起22Bに対応して前壁部20Aには、複数(ここでは4つ)の孔24(貫通孔)が形成されている。これら複数の孔24は矩形状に形成されており、これら複数の孔24にはそれぞれ突起22Bが嵌合している。これにより、ダイラタントパッド22がインサート20に位置決めされて組み付けられている。また、ダイラタントパッド22は、複数の突起22Bが複数の孔24に嵌合することにより、本体部22Aがインサート20の前面に沿って曲げられた状態でインサート20に保持されている。
なお、上述のダイラタントパッド22がインサート20に取り付けられる際には、先ず、ダイラタントパッド22が図4に一点鎖線で示される自然状態から、図4に二点鎖線で示される湾曲状態へ曲げられる。そして、当該湾曲状態でダイラタントパッド22の複数の突起22Bが、インサート20の複数の孔24に嵌合させられる。この嵌合状態では、ダイラタントパッド22が自然状態へ弾性復帰しようとする力によって、複数の突起22Bの側部が複数の孔24の孔縁部に押し付けられる。これにより、インサート20からのダイラタントパッド22の脱落が阻止される。
一方、図2に示されるように、ヘッドレストフレーム18の上部側には、ダイラタントパッド22と共にヘッドレストパッド(クッション材)を構成するウレタンフォーム26(発泡体。ウレタン部材)が設けられている。このウレタンフォーム26は、ヘッドレストフレーム18、インサート20及びダイラタントパッド22と共に一体発泡成形されたものであり、ダイラタントパッド22の前面を露出させた状態でヘッドレストフレーム18に支持されている。このウレタンフォーム26によって、ヘッドレストフレーム18の上部、インサート20、及びダイラタントパッド22の前面以外の部位が覆われている。
さらに、上述のウレタンフォーム26には、布、皮革、合成皮革などのシート状の材料によって縫製されたヘッドレスト表皮28が被せられている。このヘッドレスト表皮28によってダイラタントパッド22の前面が覆われており、ダイラタントパッド22の前面は、ヘッドレスト表皮28の裏面に接触している。
ここで、本車両用ヘッドレスト装置10が製造される際には、先ず、ヘッドレストフレーム18にインサート20が取り付けられると共に、当該インサート20にダイラタントパッド22が取り付けられてサブアッセンブリ化される。次いで、当該サブアッセンブリ品がウレタンフォーム発泡成形用の金型にセットされ、当該サブアッセンブリ品の周りにウレタンフォーム26が一体発泡成形される。その後、当該成形品にヘッドレスト表皮28が被せられることにより、本車両用ヘッドレスト装置10が完成する。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
上記構成の車両用ヘッドレスト装置10では、ヘッドレスト本体16の前部にダイラタントパッド22が配設されている。このダイラタントパッド22は、ダイラタント特性を有する材料によって形成されており、通常時は柔らかいため、乗員の頭部をヘッドレスト本体16によってソフトに支持することができる。これにより、通常時における乗員の快適性を確保することができる。
一方、車両の後面衝突時などに、車両後方側へ慣性移動しようとする乗員の頭部からの荷重(衝撃力)がヘッドレスト本体16の前部に負荷されると、ダイラタントパッド22がヘッドレストフレーム18に取り付けられたインサート20によって後方から支持されつつ瞬時に硬化する。これにより、頭部の後退が抑制されるので、鞭打ち症防止効果を向上させることができる。
つまり、図5に示される比較例100のように、ダイラタントパッド22が省略され、ヘッドレスト本体16の前部に通常のウレタンフォーム26が配設されている場合、当該ウレタンフォーム26が大きく弾性変形することにより、乗員の頭部Hの後退量が大きくなる。これにより、乗員の頸部が鞭打ち症になる可能性があるが、本実施形態ではこれを防止又は効果的に抑制することができる。
しかも、ダイラタントパッド22を構成する「d3oTM」は、優れたエネルギ吸収性能を有するため、鞭打ち症防止効果を大幅に向上させることができる。さらに、ダイラタントパッド22は、衝撃力が除去されると、元のように柔らかくなるため、再び乗員の快適性が確保される。
このように、本実施形態では、ダイラタントパッド22が通常時には柔らかいため、乗員の快適性確保のためにヘッドレスト本体16の前部に配設されるウレタンフォーム等の発泡体を省略することができる。これにより、ヘッドレスト本体16の薄型化を図ることができる。
しかも、本実施形態では、乗員の頭部からの荷重がダイラタントパッド22に負荷された際には、ヘッドレストフレーム18に取り付けられたインサート20によって、ダイラタントパッド22が後方側から支持される。これにより、ダイラタントパッド22に荷重(衝撃力)が良好に負荷されるので、ダイラタントパッド22を迅速に硬化させることができる。また、乗員の頭部が硬化したダイラタントパッド22を介してインサート20に支持されるので、頭部の後退を一層良好に抑制することができる。また、本実施形態では、インサート20とダイラタントパッド22とが面接触しているため、ダイラタントパッド22をインサート20によって良好に支持することができる。
さらに、本実施形態では、ダイラタントパッド22の本体部22Aから後方に突出した複数の突起22Bが、インサート20の前壁部20Aに形成された複数の孔24に嵌合することにより、ダイラタントパッド22がインサート20に位置決めされて組み付けられる。これにより、本車両用ヘッドレスト装置10の製造作業を容易なものにすることができる。つまり、ヘッドレストフレーム18にインサート20及びダイラタントパッド22を組み付け、これをウレタンフォーム発泡成形用の金型にセットする前に、ダイラタントパッド22がインサート20に対して不用意に位置ずれすることを防止できる。これにより、作業者の負担を軽減することができる。
また、本実施形態では、ダイラタントパッド22に設けられた複数の突起22Bがインサート20の前壁部20Aに形成された複数の孔24に嵌合することにより、曲面状に形成された前壁部20Aの前面に沿ってダイラタントパッド22の本体部22Aが曲げられた状態でダイラタントパッド22がインサート20に保持される。これにより、本車両用ヘッドレスト装置10の製造中、特にウレタンフォーム26の発泡成形中に、ダイラタントパッド22がインサート20から不用意に脱落することを防止できるので、本車両用ヘッドレスト装置10の製造作業を一層容易なものにすることができる。
なお、上記第1実施形態では、ダイラタントパッド22に複数の突起22Bが設けられると共に、インサート20に複数の孔24が形成された構成にしたが、請求項2に係る発明はこれに限らず、突起22B及び孔24が1つの場合でも、突起22B及び孔24の形状を異形形状にすることなどにより、インサート20にダイラタントパッド22を位置決めすることができる。また、請求項2に係る発明においては、突起22B及び孔24が省略された構成にしてもよい。
また、上記第1実施形態では、ヘッドレストフレーム18、インサート20及びダイラタントパッド22と共に一体発泡成形されたウレタンフォーム26に、ヘッドレスト表皮28が被せられた構成にしたが、請求項1〜請求項6に係る発明、及び請求項8〜請求項12に係る発明はこれに限るものではない。例えば、ダイラタントパッド22がヘッドレスト表皮28の裏面に取り付けられると共に、当該ヘッドレスト表皮28が、ヘッドレストフレーム18及びインサート20と共に一体発泡成形されたウレタンフォーム26に被せられた構成にしてもよい。
また、上記第1実施形態では、ダイラタントパッド22の前面がヘッドレスト表皮28の裏面に接触した構成にしたが、請求項1〜請求項12に係る発明はこれに限らず、ダイラタントパッド22の前面とヘッドレスト表皮28との間に、薄いウレタンフォーム26が介在された構成にしてもよい。この点は、以下に説明する本発明の他の実施形態においても同様である。
また、上記第1実施形態はインサート20を備えた構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、インサート20が省略された構成にしてもよい。この場合、ダイラタントパッド22(頭部荷重受け部材)がヘッドレストフレーム18によって後方から支持される構成になる。この点は、以下に説明する本発明の他の実施形態においても同様である。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、前記第1実施形態と基本的に同様の構成・作用については、前記第1実施形態と同符号を付与し、その説明を省略する。
<第2の実施形態>
図6には、本発明の第2の実施形態に係るインサート20及びヘッドレストフレーム18の斜視図が示されている。また、図7には、本第2実施形態に係るダイラタントパッド22の斜視図が示されている。さらに、図8には、本第2実施形態に係るヘッドレストフレーム18、インサート20及びダイラタントパッド22の縦断面図が示されている。
この実施形態は、前記第1実施形態と基本的に同様の構成とされている。但し、図6に示されるように、この実施形態に係るインサート20では、前記第1実施形態に係る複数の孔24が省略されており、インサート20の上端部(外周部)におけるシート幅方向中央部には、凹部30が形成されている。また、図7に示されるように、この実施形態に係るダイラタントパッド22では、前記第1実施形態に係る複数の突起22Bが省略されており、ダイラタントパッド22の上端部には、後方側へ向けて突出した突起22Cが設けられている。
この実施形態では、図8に示されるように、ダイラタントパッド22の突起22Cがインサート20の凹部30に嵌る(係合する)ことにより、ダイラタントパッド22がインサート20に位置決めされて組み付けられる。これにより、その後のウレタンフォーム26の一体発泡成形などを容易に行うことができる。したがって、この実施形態においても前記第1実施形態と基本的に同様の作用効果を奏する。
なお、上記第2実施形態では、凹部30がインサート20の上端部に形成された構成にしたが、請求項5に係る発明はこれに限らず、凹部30の位置はウレタンフォーム26の発泡成形時におけるインサート20の姿勢に応じて決定すればよく、凹部30がインサート20の側部又は下端部に形成された構成にしてもよい。但しその場合、凹部30の位置に応じてダイラタントパッド22の突起22Cの位置を変更する必要がある。
<第3の実施形態>
図9には、本発明の第3の実施形態に係るインサート20及びヘッドレストフレーム18の斜視図が示されている。また、図10には、本第3実施形態に係るダイラタントパッド22の斜視図が示されている。さらに、図11には、本第3実施形態に係るヘッドレストフレーム18、インサート20及びダイラタントパッド22の縦断面図が示されている。
この実施形態は、前記第1実施形態と基本的に同様の構成とされている。但し、図9に示されるように、この実施形態に係るインサート20では、前記第1実施形態に係る複数の孔24が省略されており、インサート20の上端部及び下端部(外周側)におけるシート幅方向中央部には、それぞれ孔40(貫通孔)が形成されている。これら上下一対の孔40は、ヘッドレスト本体16の左右方向に沿って長尺な矩形状に形成されている。インサート20の上壁部20B及び下壁部20Cは、孔40の付近に配置された部位が後方側へ延長されている。また、図10に示されるように、この実施形態に係るダイラタントパッド22では、前記第1実施形態に係る複数の突起22Bが省略されており、ダイラタントパッド22の上端部及び下端部には、それぞれ後方側へ向けて突出した突起22Dが設けられている。
この実施形態では、図11に示されるように、ダイラタントパッド22の上下一対の突起22Dがインサート20の上下一対の孔40に嵌合する。この状態では、上壁部20B及び下壁部20Cにおける上記延長部分が突起22Dと干渉することにより、ダイラタントパッド22がインサート20に強固に組み付けられる。これにより、ウレタンフォーム26の発泡成形時に、ダイラタントパッド22がインサート20から不用意に脱落することを良好に防止することができる。
<第4の実施形態>
図12には、本発明の第4の実施形態に係る車両用ヘッドレスト装置の縦断面図が示されている。また、図13には、本第4実施形態に係る頭部荷重受け部材としてのダイラタントパッド50の斜視図が示されている。
この実施形態は、前記第1実施形態と基本的に同様の構成とされている。但し、この実施形態では、図12及び図13に示されるように、ダイラタントパッド50の構成が前記第1実施形態に係るダイラタントパッド22とは異なっている。このダイラタントパッド50は、「d3oTM」によって形成されたものであり、ヘッドレスト本体16の前面に沿って配設された板状部50Aを備えている。この板状部50Aは、前記第1実施形態に係る本体部22Aよりもヘッドレスト本体16の前後方向に沿った厚さ寸法が大幅に薄く形成されており、前面がヘッドレスト表皮28の裏面に当接している。また、このダイラタントパッド50は、板状部50Aの後面における複数箇所からそれぞれ後方側へ突出した複数の脚部50Bを有している。これら複数の脚部50Bは、円柱状に形成されており、後端(先端)がインサート20の前壁部20Aの前面に当接している。そして、上記板状部50Aの後面と前壁部20Aの前面との間における複数の脚部50Bを除く領域には、ウレタンフォーム26が存在している。なお、図12では、係止部20G、20Hの図示が省略されている。
この実施形態では、乗員の頭部からヘッドレスト本体16の前部に荷重が負荷されると、板状部50Aがヘッドレスト本体16の前面に沿って配置されたダイラタントパッド50が硬化する。このダイラタントパッド50は、複数の脚部50Bの後端がインサート20の前壁部20Aに当接しているため、これらの脚部50Bを介して板状部50Aがインサート20に支持される。これにより、板状部50Aすなわち乗員頭部の後退が抑制される。しかも、板状部50Aの厚さ寸法が薄く設定されているため、乗員の後頭部の形状に対応して板状部50Aが変形する。これにより、乗員の後頭部に入力される反力を広い面積に分散することができる。なお、上記第4実施形態では、複数の脚部50Bの後端がインサート20の前壁部20Aに当接した構成にしたが、請求項9に係る発明はこれに限らず、複数の脚部はインサートに当接可能に対向していればよい。
<第5の実施形態>
図14には、本発明の第5の実施形態に係る車両用ヘッドレスト装置の縦断面図が示されている。また、図15には、本第5実施形態に係る頭部荷重受け部材としてのダイラタントパッド60の斜視図が示されている。
この実施形態は、前記第1実施形態と基本的に同様の構成とされている。但し、この実施形態では、図14及び図15に示されるように、ダイラタントパッド60の構成が前記第1実施形態に係るダイラタントパッド22とは異なっている。このダイラタントパッド60は、「d3oTM」によって形成されたものであり、ヘッドレスト本体16の前面に沿って配設された板状部60Aを備えている。この板状部60Aは、前記第1実施形態に係る本体部22Aよりもヘッドレスト本体16の前後方向に沿った厚さ寸法が大幅に薄く形成されており、前面がヘッドレスト表皮28の裏面に当接している。また、このダイラタントパッド60は、板状部60Aの後面における外周側から枠状に後方側へ突出し、後端面がインサート20の前壁部20Aの前面に当接(対向)した側壁部60Bを有している。そして、上記板状部60Aの後面と前壁部20Aの前面との間における側壁部60Bを除く領域には、ウレタンフォーム26が存在している。なお、図14では、係止部20G、20Hの図示が省略されている。
この実施形態では、乗員の頭部からヘッドレスト本体16の前部に荷重が負荷されると、板状部60Aがヘッドレスト本体16の前面に沿って配置されたダイラタントパッド60が硬化する。このダイラタントパッド60は、側壁部60Bの後端面がインサート20の前壁部20Aに当接しているため、この側壁部60Bを介して板状部60Aがインサート20に支持される。これにより、板状部60Aすなわち乗員頭部の後退が抑制される。しかも、板状部60Aの厚さ寸法が薄く設定されているため、乗員の後頭部の形状に対応して板状部60Aの中央側が変形する。これにより、前記第4実施形態と同様に、乗員の後頭部に入力される反力を広い面積に分散することができる。なお、上記第5実施形態では、側壁部60Bの後端面がインサート20の前壁部20Aに当接した構成にしたが、請求項10に係る発明はこれに限らず、側壁部はインサートに当接可能に対向していればよい。
<第6の実施形態>
図16には、本発明の第6の実施形態に係る車両用ヘッドレスト装置の縦断面図が示されている。また、図17には、本第6実施形態に係る頭部荷重受け部材としてのダイラタントパッド60の斜視図が示されている。
この実施形態は、前記第5実施形態と基本的に同様の構成とされているが、この実施形態に係るダイラタントパッド60は、板状部60Aの後面における中央側から後方側へ突出した複数(ここでは4つ)の脚部60Cを有している。これらの脚部60Cは、円柱状に形成されており、後端(先端)がインサート20の前壁部20Aの前面に当接している。そして、上記板状部60Aの後面と前壁部20Aの前面との間における側壁部60B及び複数の脚部60Cを除く領域には、ウレタンフォーム26が存在している。
この実施形態では、脚部60Cによって板状部60Aの中央側の変形が抑制される。したがって、脚部60Cの本数や形状を適宜設定変更することにより、板状部60Aの変形モードを容易に設定変更することができる。なお、上記第6実施形態では、複数の脚部60Cの後端がインサート20の前壁部20Aに当接した構成にしたが、請求項11に係る発明はこれに限らず、脚部はインサートに当接可能に対向していればよい。
<第7の実施形態>
図18には、本発明の第7の実施形態に係る車両用ヘッドレスト装置の縦断面図が示されている。この実施形態は、前記第1実施形態と基本的に同様の構成とされている。但し、この実施形態では、ヘッドレスト本体16の前部において、インサート20とヘッドレスト表皮28との間には、ウレタンフォーム26が配設されている。また、この実施形態では、頭部荷重受け部材としてのダイラタントパッド70の構成が、前記第1実施形態に係るダイラタントパッド22の構成とは異なっている。
このダイラタントパッド70は、「d3oTM」によって薄板状(シート状)に形成されており、板面(後面)がウレタンフォーム26の前面26Aに接する状態で当該前面26Aとヘッドレスト表皮28との間に配置されている。
この実施形態では、乗員の頭部からの荷重がヘッドレスト本体16の前部に負荷されると、薄板状に形成されてウレタンフォーム26の前面26Aとヘッドレスト表皮28との間に配置されたダイラタントパッド70が硬化する。このダイラタントパッド70は、板面がウレタンフォーム26の前面に接する状態で配置されているため、ダイラタントパッド70を介してウレタンフォーム26の前面26Aに負荷される荷重を、当該前面26Aの広い面積に分散することができる。これにより、ウレタンフォーム26の変形量を少なくすることができるので、ダイラタントパッド70を介してウレタンフォーム26に荷重を負荷する乗員頭部の後退を抑制することができる。
なお、上記第7実施形態はインサート20を備えた構成にしたが、請求項1及び請求項12に係る発明はこれに限らず、インサート20が省略された構成にしてもよい。
また、上記各実施形態では、ヘッドレスト本体16がシートバック14の上端側に連結された(取り付けられた)構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、ヘッドレスト本体16がシートバック14の上端側に一体に設けられた構成にしてもよい。この場合、ヘッドレストフレームとシートバックフレームとが一体に形成された構成になる。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記各実施形態に限定されないことはいうでもない。
【0002】
を薄型化することができる車両用ヘッドレスト装置を得ることを目的としている。
課題を解決するための手段
[0006]
請求項1に記載の発明に係る車両用ヘッドレスト装置は、車両用シートにおけるシートバックの上端側に設けられ、骨格を構成するヘッドレストフレームに取り付けられた支持部材を有し、前記支持部材の前面が曲面状に形成されると共に、前記支持部材に複数の孔が形成されたヘッドレスト本体と、ダイラタント特性を有する材料によって形成されて前記ヘッドレスト本体の前部に配設され、後面が前記支持部材の前面に接触することにより前記支持部材に後方から支持されると共に、後方に突出した複数の突起が前記複数の孔に嵌合することにより前記支持部材の前面に沿って曲げられた状態で前記支持部材に保持された頭部荷重受け部材と、を備えている。
[0007]
請求項1に記載の車両用ヘッドレスト装置では、ヘッドレスト本体の前部に頭部荷重受け部材が配設されている。この頭部荷重受け部材は、ダイラタント特性を有する材料によって形成されており、通常時は柔らかいため、乗員の頭部をヘッドレスト本体によってソフトに支持することができる。これにより、通常時における乗員の快適性を確保することができる。
[0008]
一方、車両の後面衝突時などに、車両後方側へ慣性移動しようとする乗員の頭部からの荷重(衝撃力)がヘッドレスト本体の前部に負荷されると、頭部荷重受け部材が支持部材によって後方から支持されつつ硬化する。これにより、頭部の後退(後傾)が抑制されるので、鞭打ち症防止効果を向上させることができる。しかも、頭部荷重受け部材は、衝撃力が除去されると、元のように柔らかくなるため、再び乗員の快適性が確保される。
[0009]
このように、本発明では、頭部荷重受け部材が通常時には柔らかいため、乗員の快適性確保のためにヘッドレスト本体の前部に配設されるウレタンフォーム等の発泡体を省略又は大幅に薄型化することができる。これにより、ヘッドレスト本体の薄型化を図ることができる。
[0010]
[0011]
しかも、この車両用ヘッドレスト装置では、乗員の頭部からの荷重が
【0003】
頭部荷重受け部材に負荷された際には、ヘッドレストフレームに取り付けられた支持部材によって、頭部荷重受け部材を後方から支持することができる。これにより、頭部荷重受け部材に荷重(衝撃力)を良好に負荷することができるので、頭部荷重受け部材を迅速に硬化させることができる。また、乗員の頭部が硬化した頭部荷重受け部材を介して支持部材に支持されるので、頭部の後退を一層良好に抑制することができる。
[0012]
[0013]
さらに、この車両用ヘッドレスト装置では、ヘッドレストフレームに取り付けられた支持部材と頭部荷重受け部材とが面接触しているため、頭部荷重受け部材を支持部材によって良好に支持することができる。
[0014]
[0015]
また、この車両用ヘッドレスト装置では、頭部荷重受け部材から後方に突出した複数の突起が、支持部材に形成された複数の孔に嵌合することにより、頭部荷重受け部材を支持部材に位置決めすることができる。これにより、装置の製造作業を容易なものにすることができる。
[0016]
[0017]
しかも、この車両用ヘッドレスト装置では、頭部荷重受け部材に設けられた複数の突起が支持部材に形成された複数の孔に嵌合する。これにより、頭部荷重受け部材は、曲面状に形成された支持部材の前面に沿って曲げら
【0004】
れた状態で支持部材に保持される。これにより、本車両用ヘッドレスト装置の製造中に頭部荷重受け部材が支持部材から不用意に脱落することを防止できるので、装置の製造作業を一層容易なものにすることができる。
[0018]
[0019]
[0020]
請求項7に記載の発明に係る車両用ヘッドレスト装置は、請求項1に記載の車両用ヘッドレスト装置において、前記ヘッドレスト本体は、前記ヘッドレストフレーム、前記支持部材及び前記頭部荷重受け部材と共に一体発泡成形された発泡体と、前記発泡体に被せられたヘッドレスト表皮とを有する。
[0021]
請求項7に記載の車両用ヘッドレスト装置では、その製造時には、ヘッドレストフレームに支持部材及び頭部荷重受け部材が組み付けられ、周りに発泡体が一体発泡成形された後で、当該成形品にヘッドレスト表皮が被せられる。これにより、装置を容易に製造することができる。
[0022]
請求項13に記載の発明に係る車両用ヘッドレスト装置は、請求項1又は請求項2に記載の車両用ヘッドレスト装置において、前記支持部材は、前記ヘッドレスト本体の前方側に配置されて前記支持部材の前面を構成する前壁部を有し、前記複数の孔は、前記前壁部に形成されると共に、前記前壁部の裏面には、格子状に配置された複数のリブが一体に設けられている。
[0023]
【0005】
[0024]
[0025]
[0026]
[0027]
【0006】
[0028]
[0029]
[0030]
[0031]
発明の効果
[0032]
以上説明したように、本発明に係る車両用ヘッドレスト装置では、通常時における乗員の快適性の確保と、鞭打ち症防止効果の向上とを両立させることができると共に、ヘッドレスト本体を薄型化することができる。
【0013】
きる。
[0052]
さらに、本実施形態では、ダイラタントパッド22の本体部22Aから後方に突出した複数の突起22Bが、インサート20の前壁部20Aに形成された複数の孔24に嵌合することにより、ダイラタントパッド22がインサート20に位置決めされて組み付けられる。これにより、本車両用ヘッドレスト装置10の製造作業を容易なものにすることができる。つまり、ヘッドレストフレーム18にインサート20及びダイラタントパッド22を組み付け、これをウレタンフォーム発泡成形用の金型にセットする前に、ダイラタントパッド22がインサート20に対して不用意に位置ずれすることを防止できる。これにより、作業者の負担を軽減することができる。
[0053]
また、本実施形態では、ダイラタントパッド22に設けられた複数の突起22Bがインサート20の前壁部20Aに形成された複数の孔24に嵌合することにより、曲面状に形成された前壁部20Aの前面に沿ってダイラタントパッド22の本体部22Aが曲げられた状態でダイラタントパッド22がインサート20に保持される。これにより、本車両用ヘッドレスト装置10の製造中、特にウレタンフォーム26の発泡成形中に、ダイラタントパッド22がインサート20から不用意に脱落することを防止できるので、本車両用ヘッドレスト装置10の製造作業を一層容易なものにすることができる。
[0054]
なお、上記第1実施形態では、ダイラタントパッド22に複数の突起22Bが設けられると共に、インサート20に複数の孔24が形成された構成にしたが、本発明に含まれないものとしてはこれに限らず、突起22B及び孔24が1つの場合でも、突起22B及び孔24の形状を異形形状にすることなどにより、インサート20にダイラタントパッド22を位置決めすることができる。また、請求項2に係る発明においては、突起22B及び孔24が省略された構成にしてもよい。
[0055]
また、上記第1実施形態では、ヘッドレストフレーム18、インサート20及びダイラタントパッド22と共に一体発泡成形されたウレタンフォーム26に、ヘッドレスト表皮28が被せられた構成にしたが、本発明に含まれ
【0014】
ないものとしてはこれに限るものではない。例えば、ダイラタントパッド22がヘッドレスト表皮28の裏面に取り付けられると共に、当該ヘッドレスト表皮28が、ヘッドレストフレーム18及びインサート20と共に一体発泡成形されたウレタンフォーム26に被せられた構成にしてもよい。
[0056]
また、上記第1実施形態では、ダイラタントパッド22の前面がヘッドレスト表皮28の裏面に接触した構成にしたが、本発明に含まれないものとしてはこれに限らず、ダイラタントパッド22の前面とヘッドレスト表皮28との間に、薄いウレタンフォーム26が介在された構成にしてもよい。この点は、以下に説明する本発明の他の実施形態においても同様である。
[0057]
また、上記第1実施形態はインサート20を備えた構成にしたが、本発明に含まれないものとしてはこれに限らず、インサート20が省略された構成にしてもよい。この場合、ダイラタントパッド22(頭部荷重受け部材)がヘッドレストフレーム18によって後方から支持される構成になる。この点は、以下に説明する本発明の他の実施形態においても同様である。
[0058]
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、前記第1実施形態と基本的に同様の構成・作用については、前記第1実施形態と同符号を付与し、その説明を省略する。
[0059]
<第2の実施形態>
図6には、本発明の第2の実施形態に係るインサート20及びヘッドレストフレーム18の斜視図が示されている。また、図7には、本第2実施形態に係るダイラタントパッド22の斜視図が示されている。さらに、図8には、本第2実施形態に係るヘッドレストフレーム18、インサート20及びダイラタントパッド22の縦断面図が示されている。なお、この実施形態は参考例とする。
[0060]
この実施形態は、前記第1実施形態と基本的に同様の構成とされている。但し、図6に示されるように、この実施形態に係るインサート20では、前記第1実施形態に係る複数の孔24が省略されており、インサート20の上端部(外周部)におけるシート幅方向中央部には、凹部30が形成されてい
【0015】
る。また、図7に示されるように、この実施形態に係るダイラタントパッド22では、前記第1実施形態に係る複数の突起22Bが省略されており、ダイラタントパッド22の上端部には、後方側へ向けて突出した突起22Cが設けられている。
[0061]
この実施形態では、図8に示されるように、ダイラタントパッド22の突起22Cがインサート20の凹部30に嵌る(係合する)ことにより、ダイラタントパッド22がインサート20に位置決めされて組み付けられる。これにより、その後のウレタンフォーム26の一体発泡成形などを容易に行うことができる。したがって、この実施形態においても前記第1実施形態と基本的に同様の作用効果を奏する。
[0062]
なお、上記第2実施形態では、凹部30がインサート20の上端部に形成された構成にしたが、これに限らず、凹部30の位置はウレタンフォーム26の発泡成形時におけるインサート20の姿勢に応じて決定すればよく、凹部30がインサート20の側部又は下端部に形成された構成にしてもよい。但しその場合、凹部30の位置に応じてダイラタントパッド22の突起22Cの位置を変更する必要がある。
[0063]
<第3の実施形態>
図9には、本発明の第3の実施形態に係るインサート20及びヘッドレストフレーム18の斜視図が示されている。また、図10には、本第3実施形態に係るダイラタントパッド22の斜視図が示されている。さらに、図11には、本第3実施形態に係るヘッドレストフレーム18、インサート20及びダイラタントパッド22の縦断面図が示されている。
[0064]
この実施形態は、前記第1実施形態と基本的に同様の構成とされている。但し、図9に示されるように、この実施形態に係るインサート20では、前記第1実施形態に係る複数の孔24が省略されており、インサート20の上端部及び下端部(外周側)におけるシート幅方向中央部には、それぞれ孔40(貫通孔)が形成されている。これら上下一対の孔40は、ヘッドレスト本体16の左右方向に沿って長尺な矩形状に形成されている。インサート2
【0016】
0の上壁部20B及び下壁部20Cは、孔40の付近に配置された部位が後方側へ延長されている。また、図10に示されるように、この実施形態に係るダイラタントパッド22では、前記第1実施形態に係る複数の突起22Bが省略されており、ダイラタントパッド22の上端部及び下端部には、それぞれ後方側へ向けて突出した突起22Dが設けられている。
[0065]
この実施形態では、図11に示されるように、ダイラタントパッド22の上下一対の突起22Dがインサート20の上下一対の孔40に嵌合する。この状態では、上壁部20B及び下壁部20Cにおける上記延長部分が突起22Dと干渉することにより、ダイラタントパッド22がインサート20に強固に組み付けられる。これにより、ウレタンフォーム26の発泡成形時に、ダイラタントパッド22がインサート20から不用意に脱落することを良好に防止することができる。
[0066]
<第4の実施形態>
図12には、本発明の第4の実施形態に係る車両用ヘッドレスト装置の縦断面図が示されている。また、図13には、本第4実施形態に係る頭部荷重受け部材としてのダイラタントパッド50の斜視図が示されている。なお、この実施形態は参考例とする。
[0067]
この実施形態は、前記第1実施形態と基本的に同様の構成とされている。但し、この実施形態では、図12及び図13に示されるように、ダイラタントパッド50の構成が前記第1実施形態に係るダイラタントパッド22とは異なっている。このダイラタントパッド50は、「d3oTM」によって形成されたものであり、ヘッドレスト本体16の前面に沿って配設された板状部50Aを備えている。この板状部50Aは、前記第1実施形態に係る本体部22Aよりもヘッドレスト本体16の前後方向に沿った厚さ寸法が大幅に薄く形成されており、前面がヘッドレスト表皮28の裏面に当接している。また、このダイラタントパッド50は、板状部50Aの後面における複数箇所からそれぞれ後方側へ突出した複数の脚部50Bを有している。これら複数の脚部50Bは、円柱状に形成されており、後端(先端)がインサート20の前壁部20Aの前面に当接している。そして、上記板状部50Aの後面と
【0017】
前壁部20Aの前面との間における複数の脚部50Bを除く領域には、ウレタンフォーム26が存在している。なお、図12では、係止部20G、20Hの図示が省略されている。
[0068]
この実施形態では、乗員の頭部からヘッドレスト本体16の前部に荷重が負荷されると、板状部50Aがヘッドレスト本体16の前面に沿って配置されたダイラタントパッド50が硬化する。このダイラタントパッド50は、複数の脚部50Bの後端がインサート20の前壁部20Aに当接しているため、これらの脚部50Bを介して板状部50Aがインサート20に支持される。これにより、板状部50Aすなわち乗員頭部の後退が抑制される。しかも、板状部50Aの厚さ寸法が薄く設定されているため、乗員の後頭部の形状に対応して板状部50Aが変形する。これにより、乗員の後頭部に入力される反力を広い面積に分散することができる。なお、上記第4実施形態では、複数の脚部50Bの後端がインサート20の前壁部20Aに当接した構成にしたが、これに限らず、複数の脚部はインサートに当接可能に対向していればよい。
[0069]
<第5の実施形態>
図14には、本発明の第5の実施形態に係る車両用ヘッドレスト装置の縦断面図が示されている。また、図15には、本第5実施形態に係る頭部荷重受け部材としてのダイラタントパッド60の斜視図が示されている。なお、この実施形態は参考例とする。
[0070]
この実施形態は、前記第1実施形態と基本的に同様の構成とされている。但し、この実施形態では、図14及び図15に示されるように、ダイラタントパッド60の構成が前記第1実施形態に係るダイラタントパッド22とは異なっている。このダイラタントパッド60は、「d3oTM」によって形成されたものであり、ヘッドレスト本体16の前面に沿って配設された板状部60Aを備えている。この板状部60Aは、前記第1実施形態に係る本体部22Aよりもヘッドレスト本体16の前後方向に沿った厚さ寸法が大幅に薄く形成されており、前面がヘッドレスト表皮28の裏面に当接している。また、このダイラタントパッド60は、板状部60Aの後面における外周側か
【0018】
ら枠状に後方側へ突出し、後端面がインサート20の前壁部20Aの前面に当接(対向)した側壁部60Bを有している。そして、上記板状部60Aの後面と前壁部20Aの前面との間における側壁部60Bを除く領域には、ウレタンフォーム26が存在している。なお、図14では、係止部20G、20Hの図示が省略されている。
[0071]
この実施形態では、乗員の頭部からヘッドレスト本体16の前部に荷重が負荷されると、板状部60Aがヘッドレスト本体16の前面に沿って配置されたダイラタントパッド60が硬化する。このダイラタントパッド60は、側壁部60Bの後端面がインサート20の前壁部20Aに当接しているため、この側壁部60Bを介して板状部60Aがインサート20に支持される。これにより、板状部60Aすなわち乗員頭部の後退が抑制される。しかも、板状部60Aの厚さ寸法が薄く設定されているため、乗員の後頭部の形状に対応して板状部60Aの中央側が変形する。これにより、前記第4実施形態と同様に、乗員の後頭部に入力される反力を広い面積に分散することができる。なお、上記第5実施形態では、側壁部60Bの後端面がインサート20の前壁部20Aに当接した構成にしたが、これに限らず、側壁部はインサートに当接可能に対向していればよい。
[0072]
<第6の実施形態>
図16には、本発明の第6の実施形態に係る車両用ヘッドレスト装置の縦断面図が示されている。また、図17には、本第6実施形態に係る頭部荷重受け部材としてのダイラタントパッド60の斜視図が示されている。なお、この実施形態は参考例とする。
[0073]
この実施形態は、前記第5実施形態と基本的に同様の構成とされているが、この実施形態に係るダイラタントパッド60は、板状部60Aの後面における中央側から後方側へ突出した複数(ここでは4つ)の脚部60Cを有している。これらの脚部60Cは、円柱状に形成されており、後端(先端)がインサート20の前壁部20Aの前面に当接している。そして、上記板状部60Aの後面と前壁部20Aの前面との間における側壁部60B及び複数の脚部60Cを除く領域には、ウレタンフォーム26が存在している。
【0019】
[0074]
この実施形態では、脚部60Cによって板状部60Aの中央側の変形が抑制される。したがって、脚部60Cの本数や形状を適宜設定変更することにより、板状部60Aの変形モードを容易に設定変更することができる。なお、上記第6実施形態では、複数の脚部60Cの後端がインサート20の前壁部20Aに当接した構成にしたが、これに限らず、脚部はインサートに当接可能に対向していればよい。
[0075]
<第7の実施形態>
図18には、本発明の第7の実施形態に係る車両用ヘッドレスト装置の縦断面図が示されている。なお、この実施形態は参考例とする。この実施形態は、前記第1実施形態と基本的に同様の構成とされている。但し、この実施形態では、ヘッドレスト本体16の前部において、インサート20とヘッドレスト表皮28との間には、ウレタンフォーム26が配設されている。また、この実施形態では、頭部荷重受け部材としてのダイラタントパッド70の構成が、前記第1実施形態に係るダイラタントパッド22の構成とは異なっている。
[0076]
このダイラタントパッド70は、「d3oTM」によって薄板状(シート状)に形成されており、板面(後面)がウレタンフォーム26の前面26Aに接する状態で当該前面26Aとヘッドレスト表皮28との間に配置されている。
[0077]
この実施形態では、乗員の頭部からの荷重がヘッドレスト本体16の前部に負荷されると、薄板状に形成されてウレタンフォーム26の前面26Aとヘッドレスト表皮28との間に配置されたダイラタントパッド70が硬化する。このダイラタントパッド70は、板面がウレタンフォーム26の前面に接する状態で配置されているため、ダイラタントパッド70を介してウレタンフォーム26の前面26Aに負荷される荷重を、当該前面26Aの広い面積に分散することができる。これにより、ウレタンフォーム26の変形量を少なくすることができるので、ダイラタントパッド70を介してウレタンフォーム26に荷重を負荷する乗員頭部の後退を抑制することができる。
[0078]
なお、上記第7実施形態はインサート20を備えた構成にしたが、これに
【0020】
限らず、インサート20が省略された構成にしてもよい。
[0079]
また、上記各実施形態では、ヘッドレスト本体16がシートバック14の上端側に連結された(取り付けられた)構成にしたが、請求項1に係る発明はこれに限らず、ヘッドレスト本体16がシートバック14の上端側に一体に設けられた構成にしてもよい。この場合、ヘッドレストフレームとシートバックフレームとが一体に形成された構成になる。
[0080]
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記各実施形態に限定されないことはいうでもない。
請求項2に記載の発明に係る車両用ヘッドレスト装置は、請求項1に記載の車両用ヘッドレスト装置において、前記ヘッドレスト本体は、前記ヘッドレストフレーム、前記支持部材及び前記頭部荷重受け部材と共に一体発泡成形された発泡体と、前記発泡体に被せられたヘッドレスト表皮とを有する。
請求項2に記載の車両用ヘッドレスト装置では、その製造時には、ヘッドレストフレームに支持部材及び頭部荷重受け部材が組み付けられ、周りに発泡体が一体発泡成形された後で、当該成形品にヘッドレスト表皮が被せられる。これにより、装置を容易に製造することができる。
請求項3に記載の発明に係る車両用ヘッドレスト装置は、請求項1又は請求項2に記載の車両用ヘッドレスト装置において、前記支持部材は、前記ヘッドレスト本体の前方側に配置されて前記支持部材の前面を構成する前壁部を有し、前記複数の孔は、前記前壁部に形成されると共に、前記前壁部の裏面には、格子状に配置された複数のリブが一体に設けられている。

Claims (12)

  1. 車両用シートにおけるシートバックの上端側に設けられるヘッドレスト本体と、
    ダイラタント特性を有する材料によって形成されて前記ヘッドレスト本体の前部に配設され、前記ヘッドレスト本体の骨格を構成するヘッドレストフレームに対して前方から対向した頭部荷重受け部材と、
    を備えた車両用ヘッドレスト装置。
  2. 前記ヘッドレスト本体は、前記ヘッドレストフレームに取り付けられると共に前記頭部荷重受け部材を後方から支持可能な支持部材を有する請求項1に記載の車両用ヘッドレスト装置。
  3. 前記頭部荷重受け部材の後面が前記支持部材の前面に接触していることを特徴とする請求項2に記載の車両用ヘッドレスト装置。
  4. 前記頭部荷重受け部材は、後方に突出した複数の突起を有し、前記複数の突起が前記支持部材に形成された複数の孔に嵌合している請求項3に記載の車両用ヘッドレスト装置。
  5. 前記支持部材は、前面が曲面状に形成され、前記頭部荷重受け部材は、前記複数の突起が前記複数の孔に嵌合することにより前記支持部材の前面に沿って曲げられた状態で前記支持部材に保持される請求項4に記載の車両用ヘッドレスト装置。
  6. 前記頭部荷重受け部材は、外周側から後方に突出した突起を有し、前記突起が前記支持部材の外周部に形成された凹部に係合している請求項3に記載の車両用ヘッドレスト装置。
  7. 前記ヘッドレスト本体は、前記ヘッドレストフレーム、前記支持部材及び前記頭部荷重受け部材と共に一体発泡成形された発泡体と、前記発泡体に被せられたヘッドレスト表皮とを有する請求項2〜請求項6の何れか1項に記載の車両用ヘッドレスト装置。
  8. 前記ヘッドレスト本体は、前記ヘッドレストフレーム及び前記支持部材と共に一体発泡成形された発泡体と、裏面に前記頭部荷重受け部材が取り付けられ、前記発泡体に被せられたヘッドレスト表皮とを有する請求項2又は請求項3に記載の車両用ヘッドレスト装置。
  9. 前記頭部荷重受け部材は、
    板状に形成され、前記ヘッドレスト本体の前面に沿って配設された板状部と、
    前記板状部の後面における複数箇所からそれぞれ後方へ突出し、各々の後端が前記支持部材と対向した複数の脚部と、
    を有する請求項2に記載の車両用ヘッドレスト装置。
  10. 前記頭部荷重受け部材は、
    板状に形成され、前記ヘッドレスト本体の前面に沿って配設された板状部と、
    前記板状部の後面における外周側から枠状に後方へ突出し、後端が前記支持部材と対向した側壁部と、
    を有する請求項2に記載の車両用ヘッドレスト装置。
  11. 前記頭部荷重受け部材は、前記板状部の後面における中央側から後方へ突出し、後端が前記支持部材と対向した1又は複数の脚部を有する請求項10に記載の車両用ヘッドレスト装置。
  12. 前記ヘッドレスト本体は、前記ヘッドレストフレームに支持された発泡体と、前記発泡体に被せられたヘッドレスト表皮と、を有し、前記頭部荷重受け部材は、板状に形成され、板面が前記発泡体の前面に接する状態で当該前面と前記ヘッドレスト表皮との間に配置されている請求項1又は請求項2に記載の車両用ヘッドレスト装置。
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