JP3039859B2 - むち打ち軽減ヘッドレスト - Google Patents

むち打ち軽減ヘッドレスト

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JP3039859B2 JP9324538A JP32453897A JP3039859B2 JP 3039859 B2 JP3039859 B2 JP 3039859B2 JP 9324538 A JP9324538 A JP 9324538A JP 32453897 A JP32453897 A JP 32453897A JP 3039859 B2 JP3039859 B2 JP 3039859B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車など車両の座
席に設けられて人体頭部を支持するヘッドレストに関
し、さらに詳しくは追突事故などの場合に、人体をむち
打ち症から保護できるむち打ち軽減ヘッドレストに関す
る。
【0002】
【従来の技術】衝突時の衝撃を吸収して人体を衝撃から
保護するために、近年の自動車には種々の衝撃吸収装置
が設けられている。例えばステアリングホイールやイン
ストルメントパネルにはエアバッグが内蔵され、衝突時
にエアバッグが瞬時に膨張することで乗員がステアリン
グホイールやインストルメントパネルに衝突するのを防
止している。
【0003】また特開昭58−53560号公報には、
エアピン孔をもつ中空蛇腹状の衝撃吸収体を備えたステ
アリングホイールが提案されている。この提案によれ
ば、衝撃が加わり衝撃吸収体が圧縮された際に、エアピ
ン孔から空気を逃散させつつ空気圧縮抵抗で衝撃エネル
ギーを吸収することができる。したがってスプリングバ
ック(反力)が生じることなく、衝撃エネルギーを吸収
することができる。
【0004】さらに、ドアトリムの衝撃吸収構造とし
て、図5に示す技術も知られている。この衝撃吸収構造
は、ドアトリム100の腰部101内に配設される腰部
衝撃吸収部材102と、肩部103内に配設される肩部
衝撃吸収部材104から構成されている。両衝撃吸収部
材102,104はそれぞれウレタンフォームからな
り、取付部位の内面形状に対応する取付面を有してブロ
ック状に形成されている。
【0005】この衝撃吸収構造は、ドア側面から加わる
衝撃エネルギーにより両衝撃吸収部材102,104が
座屈することで、その衝撃エネルギーを吸収しようとす
るものである。また自動車のヘッドレストは、内部に芯
材を有し表面に表皮体が被覆された発泡成形体から形成
されている。発泡成形体としてはウレタンフォームが主
流であり、表皮体の皺を防止して外観品質を高くするた
めに、あるいは使用フィーリングを高くするために、反
撥弾性率が50以上のウレタンフォームが用いられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところでむち打ち症に
影響を与える要因としては、追突時などにヘッドレスト
に人体頭部が衝突した際のヘッドレストの変形量と、ヘ
ッドレストの反撥弾性による人体頭部のリバウンド量が
大きな因子である。つまりヘッドレストの変形量が大き
い場合、及びリバウンド量が大きい場合には、人体頭部
の衝突時に頸椎を中心とした頭部の揺動幅が大きくなっ
てむち打ち症になりやすい。
【0007】このうちヘッドレストの変形量は、人体頭
部が接触する表面から芯材までの間に存在する発泡体の
厚さが大きく影響する。つまり発泡体のその部分の厚さ
が厚くなると変形量も大きくなるから、その部分の厚さ
を薄くすれば変形量を小さくすることができる。しかし
発泡体の厚さを薄くすると、通常の使用時に芯材の存在
が感じられるようになって使用フィーリングが損なわれ
るという問題があり、その部分の発泡体の厚さは40m
m以上が必要とされている。しかし従来のヘッドレスト
においては、この厚さでは人体頭部の衝突時の変形量が
大きくなり、むち打ちを軽減することは困難である。
【0008】また発泡体の硬度を高くすれば、人体頭部
が衝突した際の変形量を小さくすることが可能となる。
しかしこの場合には最大発生荷重が大きくなりしかも通
常の使用時における使用フィーリングが損なわれるとい
う問題がある。また特開昭58−53560号公報に記
載されているようなエアピン孔をもつ衝撃吸収体を設け
ることも考えられるが、ヘッドレストの使用フィーリン
グが損なわれたり、外観が損なわれたりする場合があ
り、また変形量の低減という観点からは有効でない。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、使用フィーリングや外観品質を従来と同等
に維持しつつ、人体頭部の衝突時のヘッドレストの変形
量を低減することでむち打ちを軽減できるヘッドレスト
を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1に記載のむち打ち軽減ヘッドレストの特徴は、袋状
の表皮と、表皮内に配置された芯材と、表皮と芯材の間
に充填された発泡体とからなる車両用のヘッドレストに
おいて、発泡体の少なくとも芯材から人体頭部に向かう
部分の少なくとも一部には、衝突速度が6.2km/h
rのときの動的弾性率が静的弾性率の1.5倍以上であ
粘弾性発泡体が配置されていることにある。
【0011】請求項2に記載のむち打ち軽減ヘッドレス
トの特徴は、袋状の表皮と、該表皮内に配置された芯材
と、該表皮と該芯材の間に充填された発泡体とからなる
車両用のヘッドレストにおいて、発泡体の少なくとも芯
材から人体頭部に向かう部分の少なくとも一部には、−
35℃以上の温度範囲に周波数100Hzにおける損失
係数(tanδ)のピークをもつ粘弾性発泡体が配置さ
れていることにある。
【0012】また請求項に記載のむち打ち軽減ヘッド
レストの特徴は、請求項1及び請求項2に記載のヘッド
レストにおいて、発泡体及び粘弾性発泡体はともにウレ
タンフォームであり、粘弾性発泡体は平均分子量が30
00以下のポリオール成分をNCOインデックス60〜
105で反応されて発泡されたウレタンフォームである
ことにある。 さらに請求項4に記載のむち打ち軽減ヘッ
ドレストの特徴は、上記請求項1、請求項2及び請求項
3に記載のヘッドレストにおいて、発泡体全体が粘弾性
発泡体からなることにある。
【0013】
【発明の実施の形態】弾性率は、次式(1)式に示すよ
うに、25%圧縮時の荷重(F)、接触面積(S)、圧
縮代(x)及びテストピースの初期高さ(厚み)(l)
から計算される。 弾性率E=(F/S)÷(x/l) ・・・(1) 静的弾性率とは、きわめてゆっくりした速度で荷重を作
用させた場合の弾性率をいい、動的弾性率とは比較的大
きな速度で荷重を作用させた場合の弾性率をいう。ヘッ
ドレストの場合であるから、動的弾性率は数km/hr
以上の速度で荷重を作用させた場合の弾性率をいい、静
的弾性率はこれ以下の速度で荷重を作用させた場合の弾
性率をいう。
【0014】具体的には、動的弾性率は図4に示す落下
衝撃試験装置において、頭部模型200の高低位置を変
化させて落下させることにより衝突速度を変化させ、そ
の時の弾性率を測定する。因みに150mmの高低差を
落下させた場合には、衝突速度は6.2km/hrとな
る。そしてφ165の半球状で重さ6.8kgの頭部模
型200を所定高さから落下させてテストピース300
に衝突させ、その時のテストピース300の圧縮代
(x)及び頭部模型200との接触面積(S)を測定す
るとともに荷重(F)を測定して、(1)式により動的
弾性率を算出する。
【0015】また静的弾性率は、インストロンタイプの
引張圧縮試験機にて200mm/minの速度で圧縮し
た場合について上記と同様に測定することにより、上記
(1)式によって計算される。本発明のヘッドレストで
は、発泡体の少なくとも芯材から人体頭部に向かう部分
の少なくとも一部に、動的弾性率が静的弾性率より高い
粘弾性発泡体が配置されている。
【0016】したがって通常の使用時には、人体頭部が
ヘッドレストを押圧する速度は小さいので、粘弾性発泡
体の弾性率は静的弾性率となり、それを従来の発泡体と
同等に設定しておくことにより使用フィーリングは従来
と同等となる。そして追突時などに人体頭部がヘッドレ
ストに衝突すると、粘弾性発泡体の弾性率は動的弾性率
となり、弾性率が通常の使用時より大きくなる。したが
って衝突時における粘弾性発泡体の変形量が従来より小
さくなるため、人体頭部の頸椎を中心とした揺動幅が小
さくなり、むち打ちを軽減することができる。
【0017】静的弾性率に対する動的弾性率の比は、
突速度が6.2km/hrのときに1.5倍以上であ
る。この比が1.5より小さいと、動的弾性率と静的弾
性率の差が小さくなり、衝突時における変形量が大きく
なってむち打ちを軽減することが困難となる。特に望ま
しいのは、2.2倍以上である。
【0018】粘弾性発泡体は、−35℃以上の温度範囲
に周波数100Hzにおける損失係数(tanδ)のピ
ークをもつことが望ましい。これにより粘弾性発泡体の
動的弾性率を静的弾性率に対しより高くできるため、む
ち打ちを一層軽減することができる。粘弾性発泡体を
分的に用いる場合には、粘弾性発泡体は表皮と芯材の間
の一部に配置してもよいし、芯材の前方の芯材と表皮の
間全部を充填するように配置することもできる。この場
合には、粘弾性発泡体の後端面には、剛性部材が配置さ
れていることが望ましい。剛性部材の存在により、粘弾
性発泡体に加わった荷重が他の発泡体や芯材に伝わるの
が阻止され、衝撃荷重を粘弾性発泡体に集中させること
ができるので、粘弾性発泡体による変形量の低減効果を
最大に発現させることができる。なお。芯材を剛性部材
の代用とすることもできる。
【0019】また発泡体全体を粘弾性発泡体から形成す
ることもできる。この場合は、粘弾性発泡体を部分的に
もつヘッドレストに比べて製造工数が低減される。粘弾
性発泡体としては、例えばウレタンフォーム、熱可塑性
エラストマ、シリコーンゲルなどから形成することが
きるが、使用フィーリングに優れること、スプリングバ
ックが小さいこと、衝撃後に形状が回復することなどの
面からウレタンフォームが最適である。上記したような
衝突速度が6.2km/hrのときの動的弾性率が静的
弾性率の1.5倍以上である粘弾性発泡体、あるいは−
35℃以上の温度範囲に周波数100Hzにおける損失
係数(tanδ)のピークをもつ粘弾性発泡体として
は、平均分子量が3000以下のポリオール成分をNC
Oインデックス60〜105で反応されて発泡されたウ
レタンフォームを用いることが望ましい。
【0020】動的弾性率が静的弾性率より高い粘弾性発
泡体、あるいは−35℃以上の温度範囲に周波数100
Hzにおける損失係数(tanδ)のピークをもつウレ
タンフォームを形成するためには、ポリオール成分の平
均分子量を3000以下とすることが望ましい。ポリオ
ール成分としては、フォームの基材となる比較的高分子
量の主ポリオールの他に、比較的高分子量の補助ポリオ
ール、架橋剤や鎖延長剤として機能する低分子量のポリ
オールなど、種々のポリオールを混合して用いられる
が、これらのポリオールの数平均分子量とその配合割合
から求められる算術平均値(平均分子量)を3000以
下とすることにより、得られるウレタンフォームの動的
弾性率が静的弾性率より高くなり、−35℃以上の温度
範囲に周波数100Hzにおける損失係数(tanδ)
のピークをもつようにすることができる。
【0021】イソシアネートとしては、TDI、MD
I、HMDIなど種々のイソシアネートを用いることが
できるが、TDIを用いると動的弾性率が静的弾性率よ
り高いウレタンフォーム、あるいは−35℃以上の温度
範囲に周波数100Hzにおける損失係数(tanδ)
のピークをもつウレタンフォームを調製しやすく特に好
ましい。
【0022】そしてNCOインデックスが60未満であ
ると、ウレタンフォームの形成が困難となり、NCOイ
ンデックスが105を超えると動的弾性率を静的弾性率
より高くすること、あるいは−35℃以上の温度範囲に
周波数100Hzにおける損失係数(tanδ)のピー
クをもつようにすることが困難となる。特に好ましいN
COインデックスの範囲は65〜95である。
【0023】粘弾性発泡体を発泡体中に配置するには、
予め別に形成された粘弾性発泡体を、別に形成された発
泡体と一体化してもよいし、予め別に形成された粘弾性
発泡体を芯材とともに型内に配置して発泡体を成形する
ことで一体化することもできる。また、発泡体と粘弾性
発泡体を2ヘッド同時注入により形成して一体化するこ
とも可能である。
【0024】
【実施例】以下、試験例及び実施例により本発明をより
具体的に説明する。 (試験例) <試験片A>各種ポリオールを混合して得られた平均分
子量が1500のポリオール成分が82重量部と、TD
I18重量部と、水1.1重量部とを混合し、自由発泡
させて発泡体を形成した。NCOインデックスは90で
ある。得られた発泡体を一辺の長さ50mmの立方体形
状に切断し、試験片Aを得た。
【0025】<試験片B>各種ポリオールを混合して得
られた平均分子量が1750のポリオール成分80重量
部と、TDI20重量部と、水1.1重量部とを混合
し、自由発泡させて発泡体を形成した。NCOインデッ
クスは70である。得られた発泡体を試験片Aと同一の
大きさに切断し、試験片Bを得た。
【0026】<試験片C>各種ポリオールを混合して得
られた平均分子量が1750のポリオール成分が82重
量部と、TDI18重量部と、水1.1重量部とを混合
し、自由発泡させて発泡体を形成した。NCOインデッ
クスは90である。得られた発泡体を試験片Aと同一の
大きさに切断し、試験片Cを得た。
【0027】<試験片D>各種ポリオールを混合して得
られた平均分子量が2600のポリオール成分が58.
9重量部と、クルードMDI(ポリメリック4,4'−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート)のプレポリマー41.
1重量部と、水4重量部とを混合し、自由発泡させて発
泡体を形成した。NCOインデックスは80である。得
られた発泡体を試験片Aと同一の大きさに切断し、試験
片Dを得た。
【0028】<試験片E>各種ポリオールを混合して得
られた平均分子量が3000のポリオール成分が82重
量部と、TDI18重量部と、水1.1重量部とを混合
し、自由発泡させて発泡体を形成した。NCOインデッ
クスは90である。得られた発泡体を試験片Aと同一の
大きさに切断し、試験片Eを得た。
【0029】<試験片F>各種ポリオールを混合して得
られた平均分子量が6000のポリオール成分が56重
量部と、クルードMDI(ポリメリック4,4'−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート)のプレポリマー85重量%
とTDI15重量%とからなるイソシアネート混合物が
44重量部と、水1.8重量部とを混合し、自由発泡さ
せて発泡体を形成した。NCOインデックスは90であ
る。得られた発泡体を試験片Aと同一の大きさに切断
し、試験片Fを得た。この試験片Fは、従来のヘッドレ
ストのコア材として用いられているウレタンフォームで
ある。
【0030】<試験>試験片A〜Fについて、密度を測
定するとともに、気温20℃、湿度65±5%における
弾性率を測定した。弾性率は、荷重の作用する速度を2
00mm/min及び6.2km/hrの2水準で変化
させて荷重と接触面積を測定し、25%圧縮時の荷重
(F)、接触面積(S)、圧縮代(x)及び試験片の初
期高さ(l)から、前述の(1)式により各衝突速度に
おける弾性率(E)が計算される。
【0031】そして200mm/minの速度は充分低
速であるので得られる弾性率は静的弾性率であり、6.
2km/hrの速度で得られる弾性率は動的弾性率とな
る。そこで静的弾性率に対する動的弾性率の比を求め、
結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1より、200mm/minの低速時の
静的弾性率については試験片A〜Eと試験片Fとの間に
大きな差はないが、6.2km/hr時にはその差が大
きくなっていることがわかる。また上記試験片につい
て、それぞれ粘弾性を測定した。粘弾性の測定は、粘弾
性スペクトロメータ(「レオスペクトラーDVE−4」
(株)レオロジー製)を用い、JIS−K6385に準
じて行って周波数100Hzにおける損失係数(tan
δ)のピーク温度を求めた。測定条件を以下に示す。
【0034】振幅:±20μm 周波数:100Hz 試料サイズ:2×5×40mm、チャック間距離30m
m また21℃での25%圧縮荷重を算出した。これらの結
果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】表2より、試験片A〜Eと試験片Fの25
%圧縮強度は大差ないことから、常温での通常使用フィ
ーリングは同等であり、表1及び表2より、周波数10
0Hzにおける損失係数(tanδ)のピーク温度が−
35℃以上であれば、静的弾性率に対する動的弾性率の
比が2.2以上となることがわかる。 (実施例1)図1に本発明の一実施例の衝撃吸収ヘッド
レストを示す。このヘッドレストは、ポリプロピレン製
成形品10と、成形品10から延びる金属製ステー11
とからなる芯材1と、芯材1の前面に接してその前方に
配置された粘弾性発泡体2と、芯材1及び粘弾性発泡体
2を除く部分に型成形されたコア材(発泡体)3と、全
体を被覆した袋状の表皮4とから構成されている。
【0037】粘弾性発泡体2は試験片Aと同一組成のウ
レタンフォームから形成され、その点Pを含む前後方向
の厚さは50mmとされている。またコア材3は試験片
Fと同一組成のウレタンフォームから形成されている。
このヘッドレストは、芯材1と、予め発泡形成され所定
形状に切断された粘弾性発泡体2と、袋状の表皮4とを
型内に配置し、発泡ウレタン樹脂を表皮4内に注入して
発泡成形することで製造された。発泡成形時には、発泡
ウレタン樹脂が発泡して表皮4内を充填し、表皮4を型
面に押圧することで型面形状に賦形するとともに、表皮
4、粘弾性発泡体2及び芯材1と一体的に接合したコア
材3が形成された。
【0038】なお、このヘッドレストは、先に芯材1と
粘弾性発泡体2とを型内に配置し発泡ウレタン樹脂を注
入して発泡成形して得られる一体発泡品に、別に形成し
た袋状の表皮4を被せることで製造してもよい。得られ
たヘッドレストは、図2に示すように、点Pが上方に位
置するようにステー11が治具5に固定された。そし
て、その上方から重さ6.8kgの頭部模型6を種々の
速度で落下させて、衝突速度を4.4km/hr、6.
2km/hr及び8.7km/hrの3水準で点Pに衝
突させ、距離センサによりヘッドレストの最大変形寸法
を測定するとともに、加速度センサによりその時の最大
発生荷重を測定した。結果を表3に示す。
【0039】(実施例2)粘弾性発泡体2に試験片Bと
同一のウレタンフォームを用いたこと以外は実施例1と
同様にしてヘッドレストを製造し、同様に最大変形寸法
と最大発生荷重を測定した結果を表3に示す。 (実施例3)粘弾性発泡体2に試験片Cと同一のウレタ
ンフォームを用いたこと以外は実施例1と同様にしてヘ
ッドレストを製造し、同様に最大変形寸法と最大発生荷
重を測定した結果を表3に示す。
【0040】(実施例4)図3に本発明の第2の実施例
の衝撃吸収ヘッドレストを示す。このヘッドレストは、
ポリプロピレン製成形品10と、成形品10から延びる
金属製ステー11とからなる芯材1と、コア材7と、全
体を被覆した袋状の表皮4とから構成されている。この
ヘッドレストでは、芯材1が剛性部材としても機能して
いる。
【0041】コア材7は試験片Dと同一組成のウレタン
フォーム(粘弾性発泡体)から形成され、その点Pを含
む前後方向の厚さは50mmとされている。このヘッド
レストは、芯材1を型内に配置し、発泡ウレタン樹脂を
型内に注入してコア材7を発泡成形し、それに別に形成
された袋状の表皮4を被覆することで製造された。な
お、このヘッドレストは、芯材1と表皮4とを型内に配
置し、発泡ウレタン樹脂を型内に注入してコア材7を発
泡成形することにより一体化してもよい。
【0042】得られたヘッドレストは、実施例1と同様
にして最大変形寸法と最大発生荷重が測定され、その結
果を表3に示す。 (実施例5)粘弾性発泡体2に試験片Eと同一のウレタ
ンフォームを用いたこと以外は実施例1と同様にしてヘ
ッドレストを製造し、同様に最大変形寸法と最大発生荷
重を測定した結果を表3に示す。
【0043】(比較例1)コア材7を試験片Fと同一の
ウレタンフォームから形成したこと以外は実施例4と同
様にしてヘッドレストを製造し、同様に最大変形寸法と
最大発生荷重を測定した結果を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】(評価)表2を参照すれば、実施例1〜5
のヘッドレストは比較例1のヘッドレストと比較して、
常温時の25%圧縮強度がほぼ同等である。したがって
使用フィーリングについては、実施例1〜5と比較例1
との間にほとんど差異がない。一方、表3より、従来の
ヘッドレストである比較例1のヘッドレストでは、最大
変形寸法が大きく、かつ最大発生荷重も大きい。しかし
各実施例のヘッドレストでは、比較例に比べて最大変形
寸法が小さいので、人体頭部の頸椎を中心とした揺動が
抑制され、むち打ちを防止できることが明らかである。
【0046】また各実施例のヘッドレストは、比較例1
のヘッドレストに比べて最大発生荷重が小さく、各実施
例のヘッドレストでは衝撃のエネルギーが吸収されてい
ることもわかる。したがって反撥弾性によるリバウンド
も抑制されるため、むち打ちを一層軽減することができ
ることが明らかである。そして表3と表1とを比較すれ
ば、静的弾性率に対する動的弾性率の比と最大変形寸法
及び最大発生荷重との間に相関関係があることがわか
り、静的弾性率に対する動的弾性率の比を1.5以上と
することが好ましく、2.2以上とするのがより好まし
いことがわかる。
【0047】また表3と表2とを比較すれば、周波数1
00Hzにおける損失係数(tanδ)のピーク温度と
最大変形寸法及び最大発生荷重との間に相関関係がある
ことがわかり、tanδのピーク温度が−35℃を超え
ることが好ましいことがわかる。
【0048】
【発明の効果】すなわち本発明の衝撃吸収ヘッドレスト
によれば、使用フィーリングは従来のヘッドレストと同
等とできるにもかかわらず、追突されたときにヘッドレ
ストの変形量が小さいため、人体頭部の頸椎を中心とす
る揺動幅が小さくなり、むち打ちを軽減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のヘッドレストの断面図であ
る。
【図2】実施例における試験方法を示す説明図である。
【図3】本発明の第2の実施例のヘッドレストの断面図
である。
【図4】動的弾性率を算出するための試験方法を示す説
明図である。
【図5】従来の衝撃吸収装置の断面図である。
【符号の説明】
1:芯材 2:粘弾性発泡体 3:コア材
(発泡体) 4:表皮 5:治具 6:頭部模型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/00 - 2/54 A47C 7/38 B60R 21/055

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 袋状の表皮と、該表皮内に配置された芯
    材と、該表皮と該芯材の間に充填された発泡体とからな
    る車両用のヘッドレストにおいて、 前記発泡体の少なくとも前記芯材から人体頭部に向かう
    部分の少なくとも一部には、衝突速度が6.2km/h
    rのときの動的弾性率が静的弾性率の1.5倍以上であ
    粘弾性発泡体が配置されていることを特徴とするむち
    打ち軽減ヘッドレスト。
  2. 【請求項2】 袋状の表皮と、該表皮内に配置された芯
    材と、該表皮と該芯材の間に充填された発泡体とからな
    る車両用のヘッドレストにおいて、 前記発泡体の少なくとも前記芯材から人体頭部に向かう
    部分の少なくとも一部には、−35℃以上の温度範囲に
    周波数100Hzにおける損失係数(tanδ)のピー
    クをもつ粘弾性発泡体が配置されていることを特徴とす
    るむち打ち軽減ヘッドレスト。
  3. 【請求項3】 前記発泡体及び前記粘弾性発泡体はとも
    にウレタンフォームであり、該粘弾性発泡体は平均分子
    量が3000以下のポリオール成分をNCOインデック
    ス60〜105で反応されて発泡されたウレタンフォー
    ムであることを特徴とする請求項1及び請求項2記載の
    むち打ち軽減ヘッドレスト。
  4. 【請求項4】 前記発泡体全体が粘弾性発泡体からなる
    ことを特徴とする請求項1、請求項2及び請求項3記載
    のむち打ち軽減ヘッドレスト。
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