JP3095164B2 - むち打ち軽減ヘッドレスト - Google Patents

むち打ち軽減ヘッドレスト

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JP3095164B2 JP09326447A JP32644797A JP3095164B2 JP 3095164 B2 JP3095164 B2 JP 3095164B2 JP 09326447 A JP09326447 A JP 09326447A JP 32644797 A JP32644797 A JP 32644797A JP 3095164 B2 JP3095164 B2 JP 3095164B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車など車両の座
席に設けられて人体頭部を支持するヘッドレストに関
し、さらに詳しくは追突事故などの場合に人体頭部が衝
突した衝撃を吸収して、むち打ち症を軽減できるむち打
ち軽減ヘッドレストに関する。
【0002】
【従来の技術】衝突時の衝撃を吸収して人体を衝撃から
保護するために、近年の自動車には種々の衝撃吸収装置
が設けられている。例えばステアリングホイールやイン
ストルメントパネルにはエアバッグが内蔵され、衝突時
にエアバッグが瞬時に膨張することで乗員がステアリン
グホイールやインストルメントパネルに衝突するのを防
止している。
【0003】また特開昭58-53560号公報には、エアピン
孔をもつ中空蛇腹状の衝撃吸収体を備えたステアリング
ホイールが提案されている。この提案によれば、衝撃が
加わり衝撃吸収体が圧縮された際に、エアピン孔から空
気を逃散させつつ空気圧縮抵抗で衝撃エネルギーを吸収
することができる。したがってスプリングバック(反
力)が生じることなく、衝撃エネルギーを吸収すること
ができる。
【0004】さらに、ドアトリムの衝撃吸収構造とし
て、図3に示す技術も知られている。この衝撃吸収構造
は、ドアトリム 100の腰部 101内に配設される腰部衝撃
吸収部材 102と、肩部 103内に配設される肩部衝撃吸収
部材 104から構成されている。両衝撃吸収部材 102,104
はそれぞれウレタンフォームからなり、取付部位の内面
形状に対応する取付面を有してブロック状に形成されて
いる。
【0005】この衝撃吸収構造は、ドア側面から加わる
衝撃エネルギーにより両衝撃吸収部材 102,104が座屈す
ることで、その衝撃エネルギーを吸収しようとするもの
である。また自動車のヘッドレストは、内部に芯材を有
し表面に表皮体が被覆された発泡成形体から形成されて
いる。発泡成形体としてはウレタンフォームが主流であ
り、表皮体の皺を防止して外観品質を高くするために、
あるいは使用フィーリングを高くするために、反撥弾性
率が50%以上のウレタンフォームが用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところでむち打ち症に
影響を与える要因としては、追突時などにヘッドレスト
に人体頭部が衝突した際のヘッドレストの変形量と、ヘ
ッドレストの反撥弾性による人体頭部のリバウンド量が
大きな因子である。つまりヘッドレストの変形量が大き
い場合、及びリバウンド量が大きい場合には、人体頭部
の衝突時に頸椎を中心とした頭部の揺動幅が大きくなっ
てむち打ち症になり易い。
【0007】このうちヘッドレストの変形量は、人体頭
部が接触する表面から芯材までの間に存在する発泡体の
厚さが大きく影響する。つまり発泡体のその部分の厚さ
が厚くなると変形量も大きくなるから、その部分の厚さ
を薄くすれば変形量を小さくすることができる。しかし
発泡体の厚さを薄くすると、通常の使用時に芯材の存在
が感じられるようになって使用フィーリングが損なわれ
るという問題があり、その部分の発泡体の厚さは40mm以
上が必要とされている。しかし従来のヘッドレストにお
いては、この厚さでは人体頭部の衝突時の変形量が大き
くなり、むち打ちを軽減することは困難である。
【0008】また発泡体の硬度を高くすれば、人体頭部
が衝突した際の変形量を小さくすることが可能となる。
しかしこの場合には最大発生荷重が大きくなり、しかも
通常の使用時における使用フィーリングが損なわれると
いう問題がある。また特開昭58-53560号公報に記載され
ているようなエアピン孔をもつ衝撃吸収体を設けること
も考えられるが、ヘッドレストの使用フィーリングが損
なわれたり、外観が損なわれたりする場合があり、また
変形量の低減という観点からは有効でない。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、使用フィーリングや外観品質を従来と同等
に維持しつつ、人体頭部の衝突時のヘッドレストの変形
量及びリバウンド量を低減することでむち打ちを軽減で
きるヘッドレストを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1に記載のむち打ち軽減ヘッドレストの特徴は、袋状
の表皮と、表皮内に配置されステーをもつ芯材と、表皮
と芯材の間に充填されたコア材とからなる車両用のヘッ
ドレストにおいて、コア材は反撥弾性率が30%以下のウ
レタンフォームからなり、シートバックの最上部からの
距離が最大となるようにヘッドレストを使用した時にス
テーがシートバックに係合保持される位置でステーの一
端を固定し、人体頭部が当接する部分の表皮表面上の所
定点Pに半球形状で重さ 6.8kgの頭部模型を所定点Pの
法線方向から所定点Pに速度6.2km/hrで衝突させる衝撃
試験を行った場合に、頭部模型が所定点Pに接触してか
らヘッドレストの反撥弾性により跳ね返されるまでの所
定点Pの移動量が40mm以下であり、かつ衝撃試験時にヘ
ッドレストに発生する最大荷重が0.7kN 以下であること
にある。
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のむち打ち軽減ヘッドレス
トでは、人体頭部が当接する部分に重さ 6.8kgの半球形
状の頭部模型を速度6.2km/hrで衝突させた時に、頭部模
型が所定点Pに接触してからヘッドレストの反撥弾性に
より跳ね返されるまでの所定点Pの移動量が40mm以下で
あり、その衝突時にヘッドレストに発生する最大荷重が
0.7kN以下としている。このようなヘッドレストとする
ことにより、人体頭部が衝突した際のヘッドレストの変
形量を小さくすることができ、むち打ちを軽減すること
ができる。
【0013】ここで頭部模型としては、図2に示すよう
に重さ 6.8kgの半球形状をなすものが用いられる。その
半球部の曲率半径は82.5mmのものが望ましく、半球部の
曲面部が所定点Pに衝突される。所定点Pの位置は、人
体頭部が当接する部分の表皮表面上にあり、ヘッドレス
トを上下方向にほぼ均等に2分割する平面と左右方向に
2分割する平面とが交差して形成される直線と表皮との
交点とする。
【0014】そして試料としてのヘッドレストの人体頭
部が当接する部分である所定点Pに、所定点Pの法線方
向から頭部模型を速度6.2km/hrで衝突させる。このと
き、頭部模型が所定点Pに接触してからヘッドレストの
反撥弾性により跳ね返されるまでの所定点Pの移動量が
40mm以下であり、その衝突時にヘッドレストに発生する
最大荷重が0.7kN 以下であれば、一般的な形状のヘッド
レストを座席シートに取り付けて人体頭部が衝突したと
想定した場合に、むち打ち軽減効果が絶大となる。
【0015】ここで頭部模型が衝突すると、ヘッドレス
トのコア材が変形するばかりでなく、芯材にも主として
弾性変形が生じる。したがって頭部模型の移動量は、コ
ア材の変形量と芯材の変形量との合計量となるから、頭
部模型の移動量が所定点Pから芯材までの距離を超える
場合もあり得る。上記衝撃試験においてヘッドレストの
所定点Pの移動量が40mmを超えると、頭部の揺動量が大
きくなってむち打ち軽減には適さない。また衝突時に発
生する最大荷重が0.7kN を超えると、衝突時に人体頭部
に損傷を与える可能性が高くなる。
【0016】請求項にいう反撥弾性率は、JIS-K-6401
に準じて下記のようにして測定される。 (1)試験機 磁石又はその他の方法によって試験片の上面から 460mm
の距離から、JIS-B-1501(玉軸受用鋼球)に規定する5
/8並級の鋼球を回転しないように自由落下させる機構
をもつ試験機を用いる。 (2)試験方法 試験片を試験機の水平な台上に設置し、直径16mm、重さ
16.3gの鋼球を試験片の上面 460mmの距離から自由落下
させ、その時の最高反撥距離を測定する。試験は、3個
の試験片の各々について行うか、又は1個の試験片の3
箇所についてそれぞれ3回以上行い、それぞれの回数の
うち最高反撥距離を記録する。 (3)計算 反撥弾性率Rは、次の式によって算出し、3個の平均値
で表す。
【0017】R= 100×D1 /D0 [ここに、D0 :落
下距離 460(mm)、D1 :反撥距離(mm)] ところで、従来は反撥弾性率が50%以上でないと良好な
使用フィーリングが得られないとされていた。しかしな
がら本発明者らの研究によれば、使用フィーリングを反
撥弾性率のように鋼球を自由落下させるような大きな加
速度で評価するのは不適当であって、より小さな加速度
での衝突で評価されるべきものであることが明らかとな
った。そしてコア材の発泡特性を適切に設定することに
より、反撥弾性率を30%以下としても良好な使用フィー
リングが得られることが明らかとなったのである。
【0018】そこで本発明の最大の特徴は、コア材は反
撥弾性率が30%以下のウレタンフォームからなることと
している。すなわち反撥弾性率が30%以下の低反撥弾性
コア材を用いることにより、使用フィーリングを良好に
維持しつつスプリングバックを低減することが可能とな
る。つまり本発明のヘッドレストに大きな衝撃が加わる
と、衝撃によりコア材全体が弾性変形する。このときコ
ア材は30%以下の反撥弾性率を有しているため、弾性変
形した後のスプリングバックが小さい。これによりむち
打ち症が軽減される。
【0019】そして荷重が解除されると、コア材は徐々
に元の形状に復元されるので、再びヘッドレストとして
の使用が可能となる。なお、コア材の反撥弾性率が30%
を超えると、スプリングバックが大きくなってむち打ち
症の軽減が困難となる。本発明のヘッドレストに用いら
れるコア材は、平均分子量が4000以下のポリオール成分
を NCOインデックス60〜 110で反応させて発泡されたウ
レタンフォームから形成することが望ましい。このよう
なウレタンフォームを用いることにより、良好な使用フ
ィーリングと耐スプリングバック性(スプリングバック
の低減量が大きいこと)とを両立することができる。な
お、平均分子量が3000以下のポリオール成分を用いるこ
とがさらに望ましい。
【0020】反撥弾性率が30%以下のウレタンフォーム
を形成するためには、ポリオール成分の平均分子量を40
00以下(望ましくは3000以下)とする必要がある。ポリ
オール成分としては、フォームの基材となる比較的高分
子量の主ポリオールの他に、比較的高分子量の補助ポリ
オール、架橋剤や鎖延長剤として機能する低分子量のポ
リオールなど、種々のポリオールを混合して用いられる
が、これらのポリオールの数平均分子量とその配合割合
から求められる算術平均値(平均分子量)を4000以下と
することにより、得られるウレタンフォームの反撥弾性
率を30%以下とすることができる。
【0021】イソシアネートとしては、TDI、MD
I、HMDIなど種々のイソシアネートを用いることが
できるが、TDIを用いると得られるウレタンフォーム
の反撥弾性率を30%以下に調製しやすく特に好まし
い。NCOインデックスが60未満であると、ウレタンフォ
ームの形成が困難となり、NCOインデックスが 110を超
えるとウレタンフォームの反撥弾性率を30%以下とする
ことが困難となる。特に好ましい NCOインデックスの範
囲は70〜95である。
【0022】ところで、コア全体が衝撃吸収特性を有す
るヘッドレストを提案してきたが、コア材の必要部位の
み衝撃吸収部材を設けることもできる。ヘッドレストに
は、座席シートに着脱自在に固定するために、一般に金
属製のステーが固定されている。このステーはコア材内
部に埋設された芯材と接続されている。この芯材として
は、ステーと一体の棒材又はパイプ材からなる略U字型
のものを用いるのが最も安価とすることができる。
【0023】しかしながら略U字型の芯材では、荷重を
受ける面積が小さいため、ヘッドレストの変形量が大き
くなり、むち打ち軽減には逆効果となると従来は考えら
れていた。そのため高価となるものの、荷重の受け面と
なる面構造をもつもの、あるいは棒材又はパイプ材から
なる略M字型のものなどが広く用いられている。しかし
本発明のヘッドレストにおいては、棒材又はパイプ材か
らなり略U字形状をなす芯材を用いても衝撃時のコア材
への食い込み量を低くすることができ、ヘッドレストの
変形量を小さくすることができるので、むち打ちを軽減
することができる。また芯材のコストが安価であるの
で、コスト面からも好ましい。
【0024】
【実施例】以下、試験例及び実施例により本発明をより
具体的に説明する。 (1)試験例 <試験片A>各種ポリオールを混合して得られた平均分
子量が3500のポリオール成分が57重量部と、クルードM
DI(ポリメリック4,4'−ジフェニルメタンジイソシア
ネート)のプレポリマー43重量部と、水3重量部とを混
合し、自由発泡させて発泡体を形成した。 NCOインデッ
クスは95である。得られた発泡体を厚さ30mmに切断し、
試験片Aを得た。
【0025】<試験片B>各種ポリオールを混合して得
られた平均分子量が3000のポリオール成分が69重量部
と、TDI31重量部と、水 2.9重量部とを混合し、自由
発泡させて発泡体を形成した。 NCOインデックスは80で
ある。得られた発泡体を試験片Aと同一の大きさに切断
し、試験片Bを得た。
【0026】<試験片C>各種ポリオールを混合して得
られた平均分子量が2600のポリオール成分が58.9重量部
と、クルードMDI(ポリメリック4,4'−ジフェニルメ
タンジイソシアネート)のプレポリマー41.1重量部と、
水4重量部とを混合し、自由発泡させて発泡体を形成し
た。 NCOインデックスは80である。得られた発泡体を試
験片Aと同一の大きさに切断し、試験片Cを得た。
【0027】<試験片D>各種ポリオールを混合して得
られた平均分子量が1750のポリオール成分が72重量部
と、TDI28重量部と、水 1.0重量部とを混合し、自由
発泡させて発泡体を形成した。 NCOインデックスは 110
である。得られた発泡体を試験片Aと同一の大きさに切
断し、試験片Dを得た。
【0028】<試験片E>各種ポリオールを混合して得
られた平均分子量が4500のポリオール成分が66重量部
と、クルードMDI(ポリメリック4,4'−ジフェニルメ
タンジイソシアネート)のプレポリマー44重量部と、水
3重量部とを混合し、自由発泡させて発泡体を形成し
た。 NCOインデックスは70である。得られた発泡体を試
験片Aと同一の大きさに切断し、試験片Eを得た。
【0029】<試験片F>各種ポリオールを混合して得
られた平均分子量が5000のポリオール成分が64.2重量部
と、クルードMDI(ポリメリック4,4'−ジフェニルメ
タンジイソシアネート)のプレポリマー35.8重量部と、
水3重量部とを混合し、自由発泡させて発泡体を形成し
た。 NCOインデックスは80である。得られた発泡体を試
験片Aと同一の大きさに切断し、試験片Fを得た。
【0030】<試験片G>各種ポリオールを混合して得
られた平均分子量が2600のポリオール成分が48.8重量部
と、クルードMDI(ポリメリック4,4'−ジフェニルメ
タンジイソシアネート)のプレポリマー51.2重量部と、
水4重量部とを混合し、自由発泡させて発泡体を形成し
た。 NCOインデックスは 120である。得られた発泡体を
試験片Aと同一の大きさに切断し、試験片Gを得た。
【0031】<試験片H>各種ポリオールを混合して得
られた平均分子量が1750のポリオール成分が76重量部
と、TDI24重量部と、水 1.0重量部とを混合し、自由
発泡させて発泡体を形成した。 NCOインデックスは90で
ある。得られた発泡体を試験片Aと同一の大きさに切断
し、試験片Hを得た。
【0032】<試験片I>各種ポリオールを混合して得
られた平均分子量が1750のポリオール成分が80重量部
と、TDI20重量部と、水 1.1重量部とを混合し、自由
発泡させて発泡体を形成した。 NCOインデックスは70で
ある。得られた発泡体を試験片Aと同一の大きさに切断
し、試験片Iを得た。
【0033】<試験片J>各種ポリオールを混合して得
られた平均分子量が1500のポリオール成分が82重量部
と、TDI18重量部と、水 1.1重量部とを混合し、自由
発泡させて発泡体を形成した。 NCOインデックスは60で
ある。得られた発泡体を試験片Aと同一の大きさに切断
し、試験片Jを得た。
【0034】<試験片K>各種ポリオールを混合して得
られた平均分子量が6000のポリオール成分が66重量部
と、クルードMDI(ポリメリック4,4'−ジフェニルメ
タンジイソシアネート)のプレポリマー70重量%とTD
I30重量%とからなるイソシアネート混合物34重量部
と、水 2.2重量部とを混合し、自由発泡させて発泡体を
形成した。 NCOインデックスは95である。得られた発泡
体を試験片Aと同一の大きさに切断し、試験片Kを得
た。
【0035】<試験片L>各種ポリオールを混合して得
られた平均分子量が6000のポリオール成分が56重量部
と、クルードMDI(ポリメリック4,4'−ジフェニルメ
タンジイソシアネート)のプレポリマー85重量%とTD
I15重量%とからなるイソシアネート混合物44重量部
と、水 1.8重量部とを混合し、自由発泡させて発泡体を
形成した。 NCOインデックスは90である。得られた発泡
体を試験片Aと同一の大きさに切断し、試験片Lを得
た。
【0036】<試験>試験片A〜Lについて、密度を測
定するとともに、厚さ方向に25%、50%及び75%圧縮す
るのに要する荷重を測定した。また前述した方法により
反撥弾性率を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0037】
【表1】 表1より、試験片A,B及び試験片Cのように、ポリオ
ールの平均分子量が2000〜4000の範囲にあり、かつ NCO
インデックスが60〜 110の範囲にあれば、反撥弾性率が
20〜30%となり、使用フィーリングの良さと耐スプリン
グバック性とが両立している。しかし試験片Gのように
ポリオールの平均分子量が2000〜4000の範囲にあって
も、 NCOインデックスが 110を超えると反撥弾性率が35
%と大きくなり、使用フィーリングは優れているものの
耐スプリングバック性が低下していることがわかる。
【0038】そして試験片E,F,K,Lのように、ポ
リオールの平均分子量が4000を超えると反撥弾性率が35
%以上となり、使用フィーリングは優れているものの耐
スプリングバック性が低下していることがわかる。さら
に原料の組成を試験片D,H,I,Jのようにすること
により、反撥弾性率をさらに低くすることができる。 (2)実施例及び比較例 (実施例1)図1に本発明の一実施例の衝撃吸収ヘッド
レストを示す。このヘッドレストは、略U字形状の鋼製
の棒材からなり両端にステー10をもつ芯材1と、芯材1
を被覆して型成形されたコア材2と、コア材2表面を被
覆した袋状の表皮3とから構成されている。コア材2
は、全体が試験片Cと同一組成のウレタンフォームから
形成されている。
【0039】このヘッドレストは、芯材1を型内に配置
し、発泡ウレタン樹脂を型内に注入して発泡成形するこ
とで芯材1とコア材2を一体化した後、別に形成された
袋状の表皮3を被覆して製造された。なお、このヘッド
レストは、芯材1と袋状の表皮3とを型内に配置し、発
泡ウレタン樹脂を表皮3内に注入して発泡成形すること
で表皮3及び芯材1と一体的に接合したコア材2を形成
することもできる。
【0040】得られたヘッドレストは、図2に示すよう
にステー10が治具4に固定された。すなわちヘッドレス
トは、人体頭部が当接する所定点Pが上方に位置し、所
定点Pの法線が鉛直となるようにして、所定点Pからス
テー10の固定点までの水平距離Lが 183.5mmとなるよう
に固定された。所定点Pから芯材1までの垂直方向の距
離は40mmである。
【0041】なお所定点Pは、ヘッドレストを上下方向
にほぼ均等に2分割する平面と左右方向に2分割する平
面とが交差して形成される直線と、表皮3表面との交点
とした。またステー10は、シートバックの最上部からの
距離が最大となるようにヘッドレストを使用した時に、
ステー10がシートバックに係合保持される位置が固定点
とされている。そして図2の状態で、所定点Pからの法
線が鉛直方向となっている。
【0042】そして、上方から重さ 6.8kgの頭部模型5
を自然落下させて所定点Pに衝突させる衝撃試験を行
う。ここで頭部模型5は曲率半径82.5mmの半球部50から
なり、半球部50の球面が下方へ向かって自然落下され
る。なお半球部50には、反射鏡51と加速度計52が取り付
けられている。そして頭部模型5の下方には光学距離セ
ンサ6が設けられ、反射鏡51と光学距離センサ6との距
離が検出可能となっている。
【0043】そして頭部模型5を衝突速度6.2km/hrで所
定点Pに衝突させたときに、頭部模型5が表皮3に接触
してから跳ね返されるまでの頭部模型5の移動量を光学
距離センサ6で測定するとともに、加速度計52により衝
突時に発生する最大荷重を測定した。それぞれ2回の測
定を行い、平均値を算出して結果を表2に示す。なお、
厳密には所定点Pの移動量を測定するべきであるが、そ
の測定は困難な場合が多い。そこで本実施例では頭部模
型5の移動量を測定することとした。ステー10の撓みな
どが加わって所定点Pが円弧状に移動したときに測定値
との間に若干のずれが発生するが、実際には誤差範囲で
あり所定点Pの移動量≒頭部模型5の移動量となる。
【0044】また所定点Pをヘッドレストの上下方向
(図2では紙面の左右方向)にそれぞれ30mmずらしたオ
フセット位置とし、その所定点Pに頭部模型5を衝突さ
せ、同様に頭部模型5の移動量と最大発生荷重を測定し
た。結果を表2に示す。 (実施例2)芯材1の形状を略M字形状としたこと以外
は実施例1と同様のヘッドレストを作製し、実施例1と
同様に頭部模型5の移動量と最大発生荷重を測定した。
結果を表2に示す。
【0045】(実施例3)芯材1の中央部に荷重の受け
面となる面構造をもつ鉄製のアジャスタが保持されてい
ること以外は実施例1と同様のヘッドレストを作製し、
実施例1と同様に頭部模型5の移動量と最大発生荷重を
測定した。結果を表2に示す。 (比較例1)コア材2の全体を試験片Lと同一のウレタ
ンフォームから形成したこと以外は実施例1と同様にし
てヘッドレストを作製し、実施例1と同様に頭部模型5
の移動量と最大発生荷重を測定した。結果を表2に示
す。
【0046】(比較例2)コア材2の全体を試験片Lと
同一のウレタンフォームから形成したこと以外は実施例
2と同様にしてヘッドレストを作製し、実施例1と同様
に頭部模型5の移動量と最大発生荷重を測定した。結果
を表2に示す。 (比較例3)コア材2の全体を試験片Lと同一のウレタ
ンフォームから形成したこと以外は実施例3と同様にし
てヘッドレストを作製し、実施例1と同様に頭部模型5
の移動量と最大発生荷重を測定した。結果を表2に示
す。
【0047】
【表2】
【0048】表2より実施例1〜3のヘッドレストは、
頭部模型の移動量(すなわち所定点Pの移動量)が40mm
以下であり、かつ最大発生荷重が0.7kN 以下であって、
比較例1〜3のヘッドレストに比べていずれも小さい値
を示し、むち打ち軽減効果に優れていることが明らかで
ある。さらに実施例1のヘッドレストでは、略U字形状
の芯材を用いているにもかかわらず、従来の面構造型の
芯材を用いた比較例3に比べても高いむちうち軽減効果
が得られ、芯材の単純化によるコスト低減を図ることが
できる。
【0049】また所定点Pを上下方向にそれぞれ30mmず
らしたオフセット位置としても、頭部模型の移動量(す
なわち所定点Pの移動量)が40mm以下であり、かつ最大
発生荷重が0.7kN 以下であって、むち打ち軽減効果に優
れていることがわかる。
【0050】
【発明の効果】すなわち請求項1〜3に記載の衝撃吸収
ヘッドレストによれば、使用フィーリングに優れ、かつ
追突されたときにヘッドレストに加わる衝撃がコア材で
吸収されるとともにコア材のスプリングバックが小さい
ため、むち打ちを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のヘッドレストの斜視図であ
る。
【図2】実施例における試験方法を示す説明図である。
【図3】従来の衝撃吸収装置の断面図である。
【符号の説明】
1:芯材 2:コア材 3:表皮 4:治具 5:頭部模型 6:光学距離
センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47C 7/38 B60N 2/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 袋状の表皮と、該表皮内に配置されステ
    ーをもつ芯材と、該表皮と該芯材の間に充填されたコア
    材とからなる車両用のヘッドレストにおいて、該コア材は反撥弾性率が30%以下のウレタンフォームか
    らなり、 シートバックの最上部からの距離が最大となる
    ように該ヘッドレストを使用した時に該ステーが該シー
    トバックに係合保持される位置で該ステーの一端を固定
    し、人体頭部が当接する部分の該表皮表面上の所定点P
    に半球形状で重さ 6.8kgの頭部模型を該所定点Pの法線
    方向から該所定点Pに速度6.2km/hrで衝突させる衝撃試
    験を行った場合に、該頭部模型が該所定点Pに接触して
    から該ヘッドレストの反撥弾性により跳ね返されるまで
    の該所定点Pの移動量が40mm以下であり、かつ該衝撃試
    験時に該ヘッドレストに発生する最大荷重が0.7kN 以下
    であることを特徴とするむち打ち軽減ヘッドレスト。
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