JP5323434B2 - 車両用シート装置 - Google Patents

車両用シート装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5323434B2
JP5323434B2 JP2008248097A JP2008248097A JP5323434B2 JP 5323434 B2 JP5323434 B2 JP 5323434B2 JP 2008248097 A JP2008248097 A JP 2008248097A JP 2008248097 A JP2008248097 A JP 2008248097A JP 5323434 B2 JP5323434 B2 JP 5323434B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pad
seat back
frame
seat
vehicle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008248097A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010076633A (ja
Inventor
広隆 松村
勝典 門田
均 松下
順介 井上
道臣 岸川
英仁 川口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Toyo Seat Co Ltd
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Toyo Seat Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp, Toyo Seat Co Ltd filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2008248097A priority Critical patent/JP5323434B2/ja
Publication of JP2010076633A publication Critical patent/JP2010076633A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5323434B2 publication Critical patent/JP5323434B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Chair Legs, Seat Parts, And Backrests (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)

Description

この発明は、例えば、追突時の鞭打ちを軽減するために、ヘッドレストが移動するアクティブヘッドレスト機構を備えた車両用シート装置に関する。
従来から、追突による乗員の鞭打ちを軽減するために、追突衝撃によってヘッドレストが移動するアクティブヘッドレスト機構を備えた車両用シート装置が多く提案されている。
このようなアクティブヘッドレスト機構を備えた車両用シート装置において、追突による衝撃荷重を有効に伝達させ、アクティブヘッドレスト機構を効果的に作用させるために、シートバックパッドにおける前側のセンターパッド材にスリットを備えた車両用シート装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開平11−34707号公報
上述の特許文献1に記載された車両用シート装置は、シートバックフレームの前側と後側とを覆うシートバックパッドにおける前側のセンターパッド材に、スリットを設けている。詳しくは、前側のセンターパッド材の裏面側、すなわちシートバックフレームに対向する側に、センターパッド材を上下に2分割する幅方向のスリットを形成している。
これにより、特許文献1の車両用シート装置は、幅方向のスリットがセンターパッド材を上下に2分割するため、センターパッド材のアッパ部が追突時の衝撃荷重によって沈み込みやすくなる。したがって、追突時の衝撃荷重をアクティブヘッドレスト機構に有効に伝達し、アクティブヘッドレスト機構を効果的に作用させることができるとされている。
また、特許文献1の車両用シート装置は、前側のセンターパッド材の裏面側、すなわちシートバックフレームに対向する側に、センターパッド材を上下に2分割する幅方向のスリットを形成しているため、このシートに座った乗員にとってスリットを設けたことによる座り心地の変化はないとされている。しかし、センターパッド材はスリットにより幅方向に連続した薄肉部ができるため、特に長時間の運転においては乗員にとって座り心地が悪くなるといった問題があった。
さらには、センターパッド材は乗員の上体の荷重を支持するため、幅方向に連続するスリットを有するセンターパッド材は、ヘタリが早く、クッション性が低下しやすいという問題もあった。
そこで、本発明は、追突時の鞭打ちを軽減するために、ヘッドレストを移動させるアクティブヘッドレスト機構を備えたシートにおいて、アクティブヘッドレスト機構をスムーズに作動させることができるとともに、座り心地および耐久性の低下を防止できる車両用シート装置を提供することを目的とする。
この発明による車両用シート装置は、乗員が座るシートクッションと、シートバックとで構成し、該シートバックを、シートバックフレームと、該シートバックフレームに装着するシートバックパッドと、前記シートバックフレームに対して揺動可能に取付けられた揺動アームとで構成し、該シートバックパッドを、該シートバックフレームの前面を覆う前部パッドと、前記シートバックフレーム及び前記揺動アームの上部における側面から後面まで回り込んで覆う後部パッドとで構成し、前記乗員による後方荷重を前記前部パッドを介して受けることにより、上部が前方に揺動する前記揺動アームの上部でヘッドレストを支持する車両用シート装置であって、前記後部パッドに、前記揺動アームの揺動による前記シートバックパッド上部の変形を許容する変形許容手段を設け、前記前部パッドの裏面に、揺動する前記揺動アームの上部の入り込みを許容する入込み許容部を備えたものである。
上記構成によれば、前記乗員の後方荷重によって、上部でヘッドレストを支持する揺動アームが揺動し、該揺動アームの揺動によって、前記シートバックパッド上部が変形することができる。詳しくは、前記シートバックフレームおよび前記揺動アームの上部における側面から後面まで回り込んで覆う後部パッドに、前記シートバックパッド上部の変形を許容する変形許容手段を設けたことにより、該揺動アームの揺動抵抗を低減することができる。
このため、上端でヘッドレストを支持する揺動アームの作動性、すなわちアクティブなヘッドレストの作動性を向上できる。したがって、追突による衝撃荷重が伝達された場合において、衝撃荷重によって揺動アームとともにヘッドレストがスムーズに揺動し、乗員が鞭打ちになることを防止できる。
また、変形許容手段を、前記シートバックフレームおよび前記揺動アームの上部における側面から後面まで回り込んで覆う後部パッドに設けたため、座り心地や耐久性の低下を防止することができる。
しかも、前記前部パッドの裏面に、揺動する前記揺動アームの上部の入り込みを許容する入込み許容部を備えたものであるから、荷重入力によって揺動する揺動アームが前部パッドの裏面に設けた入込み許容部に入り込めるため、揺動アームの揺動可能範囲を拡大し、揺動アームの作動性を向上することができる。
このため、揺動アームに支持されたヘッドレストによるアクティブなヘッドレストの作動性をさらに向上することができ、乗員が鞭打ちになることをより確実に防止できる。
なお、変形許容手段は、後部パッドの変形を許容するスリット、荷重入力時に容易に破断する破断部、後部パッドの他の部分より変形性能の高いゴム等の伸縮性部材等で構成することができる。
この発明の一実施態様においては、前記変形許容手段を、前記後部パッドにおける左右縁部のそれぞれに沿って上下方向に配設した2本のスリットで形成したものである。
上記構成によれば、左右縁部に沿った上下方向のスリットが前記後部パッドの変形を許容することとなり、他部材を用いることなく、単純な構成で揺動アームの作動性、すなわちアクティブなヘッドレストの作動性を向上できる。
このため、アクティブなヘッドレストの作動性向上のための部品を増やすことなく、経済性に優れた方法で、乗員が鞭打ちになることを防止できる。
この発明の一実施態様においては、前記前部パッドと前記後部パッドとで構成する前記シートバックパッドを、発泡成型により一体成形したものである。
上記構成によれば、スリットを有するため、発泡成型によって一体成形されたシートバックパッドを型から取り外す離型性を向上することができ、シートバックパッドの成形が容易となる。
このため、シートバックパッドの生産性が向上し、生産コストを低減することができる。
この発明の一実施態様においては、前記入込み許容部を、前記揺動アームの上部の配設方向に略平行な凹状の入込み凹部で構成したものである。
上記構成によれば、凹状の入込み凹部に前記揺動アームの上部が入り込むため、揺動アームの作動性、すなわちアクティブなヘッドレストの作動性をさらに向上することができる。
このため、別部材を設けることなく、アクティブなヘッドレストの作動性を向上させ、乗員が鞭打ちになることをより確実に防止できる。
この発明の一実施態様においては、入込み凹部を、上下方向の仕切で仕切られ、前記揺動アームの上部の配設方向に配置された複数の凹部で形成したものである。
上記構成によれば、入込み凹部に幅方向に所定間隔を隔てた上下方向の仕切が存在することなる。
このため、幅方向に一体的な凹部の場合と比較して、通常時の凹部による変形を抑えることができるため、乗員の座り心地が低下することを防止できる。
また、シートバックパッドを発泡ウレタン樹脂等の発泡成型で形成する場合、上下方向の仕切によって原材料の充填性を向上することができる。
この発明による車両用シート装置は、また、乗員が座るシートクッションと、シートバックとで構成し、該シートバックを、シートバックフレームと、該シートバックフレームに装着するシートバックパッドと、前記シートバックフレームに対して相対変位可能に取付けられたアーム部材とで構成し、該シートバックパッドを、該シートバックフレームの前面を覆う前部パッドと、前記シートバックフレーム及び前記アーム部材の上部における側面から後面まで回り込んで覆う後部パッドとで構成し、前記乗員による後方荷重を前記前部パッドを介して受けることにより、上部が前方に相対変位する前記アーム部材の上部でヘッドレストを支持する車両用シート装置であって、前記後部パッドに、前記アーム部材の相対変位による前記シートバックパッド上部の変形を許容する変形許容手段を設け、前記前部パッドの裏面に、相対変位する前記アーム部材の上部の入り込みを許容する入込み許容部を備えたものである。
この発明によれば、追突時の鞭打ちを軽減するために、ヘッドレストを移動させるアクティブヘッドレスト機構を備えたシートにおいて、アクティブヘッドレスト機構をスムーズに作動させることができるとともに、座り心地および耐久性の低下を防止できる車両用シート装置を提供することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳述する。
まず、図1から図7により、本発明の全体構成について説明する。図1は本発明の車両用シート装置1の全体斜視図であり、図2は車両用シート装置1におけるシートバック10を支持する骨組み10aの正面図を示し、図3はシートバック10における幅方向中央付近の縦断面図を示し、図4はシートバックパッド40の前後方向中央付近からの背面図を示し、図5はシートバックパッド40の背面図を示し、図6は車両用シート装置1に乗員Pが座った状態の説明図を示し、図7はアクティブヘッドレスト機構が作動した状態の説明図を示している。
この実施形態の車両用シート装置1は、車体フロアにスライドレール(図示省略)を介して取り付けられるシート台座4の上部に配置するシートクッション2と、該シートクッション2に対して、図示省略する角度調整機構によって角度調整可能に保持されたシートバック10と、シートバック10の上端で上下方向にスライド可能に配置されたヘッドレスト3とで構成し、乗員Pは図6に示すように、シートクッション2に座り、シートバック10にもたれることで、ヘッドレスト3が頭部hの後部に位置する着座姿勢を取ることができる。
シートバック10の骨組み10aは、図2に示すように、シートクッション2に対して角度調整可能に保持されたシートバックフレーム11と、シートバック10のクッション性を担うS字スプリング12と、揺動支点23を介してシートバックフレーム11に対して揺動する揺動フレーム21、シートバックフレーム11に対して前後方向の位置を調整可能に取り付けたランバーサポート機構30とで構成し、これらの骨組み10aをシートバックパッド40(図3,図4参照)で覆い、さらにその外側をシートバック表皮カバー50(図1参照)で覆ってシートバック10を構成している。
シートバックフレーム11は、逆U字型の上部フレーム11aを配置して、正面視略台形状に形成された枠体であり、通常の角度においては、図3に示すように、上部フレーム11aが車両後方cbとなるように傾斜姿勢となる。
S字スプリング12は、シートバックフレーム11の高さ方向中央付近に取り付けられた幅方向Wの連続的な波型形状で形成されている。
揺動フレーム21は、シートバックフレーム11より一回り小さく、高さ方向中央付近より下部の幅が狭まった枠体形状であり、上部の上水平部21aがシートバックフレーム11の上部フレーム11aより車両前方向cfとなる姿勢で、揺動支点23によって揺動可能にシートバックフレーム11に固定されている(図3参照)。
また、揺動フレーム21の下端の水平部分には、乗員Pからの車両後方向cbの荷重である反作用力F(図6参照)を受ける水平受圧部21bを形成し、該水平受圧部21bの正面視右側付近には一端がシートバックフレーム11の下端付近に連結されたコイルスプリング13が接続されている。
なお、水平受圧部21bは、図3のa部拡大端面図に示すように、円形パイプを変形させた略半円状断面で形成し、平面部分21baが車両前方向cfである正面側となるように配置している。
コイルスプリング13は、揺動フレーム21の水平受圧部21bが不用意に車両後方向cbに揺動しないように、シートバックフレーム11から車両前方向cfに付勢している。
さらに、上水平部21aの車両後方側には、ヘッドレスト3のヘッドレストフレーム3aをスライド可能に保持するホルダ24を備えている。なお、ホルダ24は、図3に示す通常状態においては、上水平部21aと上部フレーム11aの水平部分との間に挟まれた状態となる。
揺動フレーム21の高さ方向1/3程度位置には、幅方向Wの受圧パイプ25を備えている。
ランバーサポート機構30は、受圧パイプ25より下方となる位置、すなわち、図6に示す着座姿勢の乗員Pの腰部wに対応する位置で、シートバックフレーム11に対して、前後方向に位置調整可能に取り付けられたランバープレート31と、シートバック10の側部に取り付けられ、ランバープレート31の位置を調整する調整取手33と、調整取手33で調整された位置を固定する固定ダイヤル機構32と、支持パイプ34とで構成している。
ヘッドレスト3は、図3に示すように、ヘッドレストパッド3bを支持する側面視くの字状のヘッドレストフレーム3aを幅方向Wに適宜の間隔を隔てて2本備え、ヘッドレストパッド3bの外表面を表皮カバー3cで覆って構成している。
なお、ヘッドレストパッド3bは適宜の弾性を有する発泡性樹脂で構成している。また、ヘッドレストフレーム3aは、下端側を挿入したホルダ24によって、スライドでき、さらには所望の位置で固定できるように構成されている。
骨組み10aに被せるシートバックパッド40は、骨組み10aの車両前方向cfである前面に位置する前側中央パッド41と、該前側中央パッド41の幅方向Wの両側で乗員Pをサイドサポートするとともに、骨組み10aの側部を覆う側部パッド42と、該側部パッド42とともに、上部フレーム11aおよび上水平部21aの側方および後方を一体的に囲繞する後上側パッド43と、前側中央パッド41、側部パッド42および後上側パッド43の上端に位置し、ヘッドレストフレーム3aの通過を許容する通過孔44aを有する上面パッド44で構成している。
なお、前側中央パッド41、側部パッド42、後上側パッド43および上面パッド44は発泡ウレタンで一体成形され、上面パッド44を含む、前側中央パッド41の上部、側部パッド42の上部および後上側パッド43をシートバックパッド上部40aとしている。
前側中央パッド41の裏面側、すなわち骨組み10aに対向する内側面41aの上部には、図4に示すように、上水平部21aの入り込みを許容する凹部45を、上下方向仕切り45aで仕切って、幅方向Wに3つ配置している。
また、前側中央パッド41の内側面41aの下方で、骨組み10aに装着した際に揺動フレーム21の水平受圧部21bの前方となる位置に、骨組み10aに対向する対向面46aが内側面41aと面一となるように硬質フェルト板46を前側中央パッド41に埋設している。
硬質フェルト板46は、水平受圧部21bと略同じ程度の幅、つ水平受圧部21bの2倍程度の高さで形成された正面視横長四角形状に形成されている。なお、硬質フェルト板46は、前側中央パッド41より硬く、揺動フレーム21より柔らかい、可撓性を有する硬質のフェルト材で形成され、シートバックパッド40の発泡成型時にあらかじめ埋め込んで設置しているため、シートバックパッド40の発泡ウレタン材がフェルト材内部に含浸し、強度が向上している。
また、図3のa部拡大端面図に示すように、硬質フェルト板46は、乗員Pが着座する前の通常状態において、水平受圧部21bの平面部分21baに接触しない、すなわち適宜の間隔を有する位置に埋設している。なお、本実施例においては、乗員Pが着座する前の通常状態において、平面部分21baと対向面46aとの間隔sがおよそ5mmに設定されている。
後上側パッド43は、図5に示すように、骨組み10aの車両後方向cbで、骨組み10aの上部から1/4程度の高さで形成され、さらに、後上側パッド43の幅方向Wの左右縁部、すなわち、側部パッド42との境界部のそれぞれに、後上側パッド43の下端から半分程度の長さの変形許容スリット47を備えている。
変形許容スリット47は、後上側パッド43を貫通し、上端が上部フレーム11aや上水平部21aの下端より下方に位置するとともに、揺動フレーム21の縦方向部材21cの幅方向Wの外側位置に配置されている。
このように構成された車両用シート装置1のアクティブヘッドレスト機構について説明する。
まず、図6に示すように、乗員Pがシートクッション2に座り、シートバック10にもたれて着座姿勢をとると、図6のb部拡大端面図に示すように、前側中央パッド41が骨組み10a側にたわみ、水平受圧部21bの平面部分21baと硬質フェルト板46の対向面46aとが密着した状態となる。この状態が通常の着座状態となる。
このような着座状態において、通常の車両用シート装置の場合、車両後方向cbから追突されると、乗員Pは車両用シート装置1から車両前方向cfの追突衝撃を受けることとなり、この追突衝撃により、重たい頭部hを支える首部は鞭打ちになりやすい。
しかし、アクティブヘッドレスト機構を備えた車両用シート装置1の場合、上記鞭打ちを防止することができる。詳しくは、車両前方向cfの追突衝撃を受けた乗員Pは初期の追突衝撃の慣性力によって、逆にシートバック10に対して車両後方向cbの反作用力Fを作用させることになる。
この反作用力Fは、乗員Pの腰部wが直接接している前側中央パッド41を車両後方向cbに押圧し、前側中央パッド41に一体成形された硬質フェルト板46を介して水平受圧部21bに入力される。このとき、硬質フェルト板46の対向面46aと水平受圧部21bの平面部分21baとが密着しているため、反作用力Fはロスなく揺動フレーム21に入力される。
下端の水平受圧部21bに車両後方向cbの反作用力Fが入力された揺動フレーム21は、図7に示すように、揺動支点23を中心とした回転r1が生じ、上水平部21aが車両前方向cfに移動する。したがって、上水平部21aに固定されたホルダ24とともに、ヘッドレスト3は車両前方向cfに移動する。
このとき、車両前方向cfに移動する上水平部21aは、前側中央パッド41の内側面41aに形成した凹部45に入り込むため、後上側パッド43がない場合と比較して、揺動フレーム21の車両前方向cfの移動がスムーズになる。
また、反作用力Fの入力により上水平部21aは車両前方向cfに移動するが、上部フレーム11aの位置は変わらないため、上水平部21aと上部フレーム11aとの中心間距離Lが広がるが、上水平部21aの車両前方向cfの移動によって、車両前方向cfへのシートバックパッド上部40aの変形、具体的には前側中央パッド41および後上側パッド43の変形は、変形許容スリット47によって許容されるため、上水平部21aの車両前方向cfの移動抵抗を低減させ、スムーズに上水平部21aを移動させることができる。
したがって、上水平部21aに固定されたヘッドレスト3も車両前方向cfにスムーズに移動することができ、頭部hの車両後方向cbの反作用力Fによる鞭打ちを防止することができる。
さらには、追突における後半の追突衝撃による頭部hの反作用により、頭部hが車両後方向cbへ移動すべく、車両前方向cfに移動したヘッドレスト3を車両後方向cbに押圧する。このときの反作用力F’(図7参照)によって、揺動支点23を中心とした揺動フレーム21の回転r2に伴ってヘッドレスト3は車両後方向cbに移動しようとするが、受圧パイプ25が前側中央パッド41を介して乗員Pの背中に当たっているため、ヘッドレスト3の車両後方向cb移動は抑制される。したがって、反作用力Fによって頭部hを前方移動させ追突衝撃による鞭打ちを回避した頭部hが反作用力F’によって車両後方向cbに移動し、鞭打ちとなることを防止できる。
このように、アクティブヘッドレスト機構を備えた車両用シート装置1において、乗員Pが着座した状態で車両後方向cbから追突され、追突衝撃が生じた場合には、対向面46aと平面部分21baとが密着状態となる硬質フェルト板46と水平受圧部21bによって、反作用力Fを効率的に、揺動フレーム21に入力することができる。
また、反作用力Fが効率よく入力された揺動フレーム21は揺動支点23を中心に回転r1して、上水平部21aが前方移動するが、内側面41aに備えた後上側パッド43に上水平部21aが入り込むため、十分な上水平部21aの前方移動量を確保することができる。
さらにまた、十分な上水平部21aの前方移動に伴って、上水平部21aと上部フレーム11aとの中心間距離Lが広がり、シートバックパッド40のシートバックパッド上部40aが大きく変形しようとするが、後上側パッド43の左右両縁部に縦方向の変形許容スリット47をそれぞれ備えているため、シートバックパッド40が容易に変形することができる。
したがって、上水平部21aと上部フレーム11aとを一体的に囲繞するシートバックパッド40によって上水平部21aの前方移動の移動抵抗が増加することなく、スムーズに上水平部21aを前方移動させることができる。
このため、有効的にヘッドレスト3を車両前方向cfへ移動させて、追突衝撃による鞭打ちを効果的に防ぐことができる。さらには、初期の追突衝撃による鞭打ちを防止すべくヘッドレスト3を移動させたが、後半の追突衝撃によって頭部hがヘッドレスト3を車両後方向cbへ移動させようとした挙動が生じた場合には、前側中央パッド41を介して受圧パイプ25が乗員Pの背中bに当たり、ヘッドレスト3が車両後方向cbへ移動することを防止できるため、鞭打ちとなることを防止できる。
なお、初期の追突衝撃による反作用力Fを効果的に入力するためには、水平受圧部21bを乗員Pに近づける、すなわち車両前方向側に配置することが望まれるが、その場合、硬い水平受圧部21bが乗員Pの腰部wにあたり、座り心地が悪くなる。
しかし、前側中央パッド41と水平受圧部21bとの間に、揺動フレーム21と前側中央パッド41との間の強度の硬質フェルト板46を配置したことにより、座り心地を悪化させることなく、水平受圧部21bの前に配置したことと同様に、反作用力Fを効果的に入力することができる。
さらに、対向面46aと平面部分21baとが乗員Pの着座状態で接触するよう、通常状態で間隔sを設定したことにより、前側中央パッド41より硬い硬質フェルト板46を水平受圧部21bとの間に介在させたことによる座り心地の悪化を防止している。
また、硬質フェルト板46を含浸性のある硬質フェルト材で構成し、シートバックパッド40の発泡成型時に一体的に埋め込んでいるため、例えば接着剤等の別材料や、接着行程のような別工程を必要とせず、硬質フェルト板46を埋設できるため、硬質フェルト板46をけたことによる製造コストの増加等を抑制することができる。
また、シートバックパッド40の発泡樹脂が硬質フェルト板46内部に含浸するため、元々の硬質フェルト材より硬い硬質フェルト板46を構成することができる。なお、本実施例において、硬質フェルト板46を含浸性のある硬質フェルト材で構成したが、含浸性があるとともに、可撓性があればよく、例えば発泡性硬質樹脂で構成してもよい。
次に、このように構成した本実施形態の作用効果について説明する。
この実施形態では、前記後上側パッド43に、前記揺動フレーム21の揺動によるシートバックパッド上部40aの変形を許容する変形許容スリット47を設けている。
上記構成によれば、前記乗員Pの反作用力Fによって、上水平部21aでヘッドレスト3を支持する揺動フレーム21が揺動し、該揺動フレーム21の揺動によって、前記シートバックパッド上部40aが変形することができる。
詳しくは、前記シートバックフレーム11および前記揺動フレーム21の上水平部21aにおける側面から後面まで回り込んで覆う後上側パッド43に、シートバックパッド上部40aの変形を許容する変形許容スリット47を設けたことにより、該揺動フレーム21の揺動抵抗を低減することができる。
このため、上水平部21aでヘッドレスト3を支持する揺動フレーム21の作動性、すなわちアクティブなヘッドレストの作動性を向上できる。したがって、追突による反作用力Fが伝達された場合において、反作用力Fによって揺動フレーム21がスムーズに揺動し、乗員Pが鞭打ちになることを防止できる。
また、変形許容スリット47を、前記シートバックフレーム11および前記揺動フレーム21の上水平部21aにおける側面から後面まで回り込んで覆う後上側パッド43に設けたため、座り心地や耐久性の低下を防止することができる。
この実施形態では、前記変形許容スリット47を、前記後上側パッド43における左右縁部のそれぞれに沿って上下方向に配設した2本のスリットで形成している。
上記構成によれば、左右縁部に沿った上下方向の変形許容スリット47が前記後上側パッド43の変形を許容することとなり、他部材を用いることなく、単純な構成で揺動フレーム21の作動性、すなわちアクティブなヘッドレストの作動性を向上できる。
このため、アクティブなヘッドレストの作動性向上のための部品を増やすことなく、経済性に優れた方法で、乗員Pが鞭打ちになることを防止できる。
また、後上側パッド43の左右両縁部に、変形許容スリット47を備えたことにより、シートバックパッド上部40aが容易に変形でき、上水平部21aの車両前方向cfの移動をスムーズにすることができるが、変形許容スリット47を揺動フレーム21の縦方向部材の幅方向Wの外側で側部パッド42の高さの半分程度のスリットで形成しているため、通常時の骨組み10aへの装着状態において、シートバックパッド40がグラグラすることなく、安定した状態で装着することができる。
なお、本実施例において変形許容スリット47は、後上側パッド43を貫通するスリットで構成したが、あらかじめ切れ目だけが施され、負荷によって切り欠かれる半スリットで構成してもよい。また、例えばゴムシートのような変形性能の高い伸縮性部材を変形許容スリット47の代わりにけてもよい。
また、この実施形態では、前側中央パッド41、側部パッド42、後上側パッド43および上面パッド44で構成するシートバックパッド40を、発泡成型により一体成形している。
上記構成によれば、変形許容スリット47を有するため、成型時において、一体成形されたシートバックパッド40を型から取り外す離型性を向上することができ、シートバックパッド40の成形が容易となる。
そのため、シートバックパッド40の生産性が向上し、生産コストを低減することができる。
また、この実施形態では、前記前側中央パッド41の内側面41aに、揺動する前記揺動フレーム21の上水平部21aの入り込みを許容する後上側パッド43を備えている。
上記構成によれば、揺動フレーム21の揺動可能範囲を拡大し、揺動フレーム21の作動性、すなわちアクティブなヘッドレストの作動性をさらに向上することができる。このため、乗員Pが鞭打ちになることを確実に防止できる。
また、この実施形態では、前記後上側パッド43を、前記揺動フレーム21の上水平部21aの配設方向に略平行な凹状で構成している。
上記構成によれば、凹状の後上側パッド43に前記揺動フレーム21の上水平部21aが入り込むため、揺動フレーム21の作動性、すなわちアクティブなヘッドレストの作動性をさらに向上することができる。
このため、別部材を設けることなく、アクティブなヘッドレストの作動性を向上させ、乗員Pが鞭打ちになることを確実に防止できる。
また、この実施形態では、凹部45を、上下方向の上下方向仕切り45aで仕切られ、前記揺動フレーム21の上水平部21aの配設方向に配置された3つの凹部45で形成している。
上記構成によれば、凹部45に幅方向Wに所定間隔を隔てた上下方向の仕切が存在することなる。
このため、上水平部21aの移動量を十分に確保しながら、通常時の凹部による変形を抑えることができるため、乗員Pの座り心地が低下することを防止できる。詳しくは、上下方向仕切り45aを備えず、幅方向Wに連続する一体的な凹部で形成した場合、その凹部のクッション性が低下し、座り心地および耐久性が低下する。これに対し、本実施例においては縦方向の上下方向仕切り45aを備えたことにより、凹部45の形状保持性が向上するため、凹部45を備えたことによる座り心地および耐久性の低下を防止することができる。
また、シートバックパッド40を発泡ウレタン樹脂等の発泡成型で形成するため、上下方向の上下方向仕切り45aによって原料となる発泡性樹脂の充填性が向上するため、シートバックパッド40の成形が容易となる。
なお、凹部45を内側面41aをへこませて形成したが、凹部45部分にシートバックパッド40より強度の低い低強度発泡性樹脂等を埋設して構成してもよい。
以上、この発明の構成と前述の実施形態との対応において、
この発明の後方荷重は、反作用力F,F’に対応し、
以下、同様に、
揺動アームは、揺動フレーム21に対応し、
前部パッドは、前側中央パッド41に対応し、
後部パッドは、後上側パッド43に対応し、
変形許容手段およびスリットは、変形許容スリット47に対応し、
前部パッドの裏面は、内側面41aに対応し、
入込み許容部、入込み凹部及び凹部は凹部45に対応し、
仕切は、上下方向仕切り45aに対応し、
揺動アームの上部は、上水平部21aに対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、ベンチシートタイプのシートで実施してもよいし、子供用シートで実施してもよい。さらに、スリットの形状においても、上下方向のI型だけでなく、逆L型やT型に切り欠かれたスリットであってもよい。さらには、2本のスリットをハの字型や逆ハの字型に配置してもよい。さらにまた、本数は2本に限定されず、1本のスリットや3本のスリットを配置してもよい。
車両用シート装置の全体斜視図。 シートバックを支持する骨組みの正面図。 シートバックにおける幅方向中央付近の縦断面図。 シートバックパッドの前後方向中央付近からの背面図。 シートバックパッドの背面図。 車両用シート装置に乗員が座った状態の説明図。 アクティブヘッドレスト機構が作動した状態の説明図。
1…車両用シート装置
2…シートクッション
3…ヘッドレスト
10…シートバック
11…シートバックフレーム
21…揺動フレーム(揺動アーム)
21a…上水平部
40…シートバックパッド
40a…シートバックパッド上部
41…前側中央パッド(前部パッド)
41a…内側面
43…後上側パッド(後部パッド)
45…凹部(入込み許容部)
45a…上下方向仕切り
47…変形許容スリット(変形許容手段)
F,F’…反作用力
P…乗員

Claims (6)

  1. 乗員が座るシートクッションと、シートバックとで構成し、
    該シートバックを、
    シートバックフレームと、該シートバックフレームに装着するシートバックパッドと、前記シートバックフレームに対して揺動可能に取付けられた揺動アームとで構成し、
    該シートバックパッドを、
    該シートバックフレームの前面を覆う前部パッドと、前記シートバックフレーム及び前記揺動アームの上部における側面から後面まで回り込んで覆う後部パッドとで構成し、
    前記乗員による後方荷重を前記前部パッドを介して受けることにより、上部が前方に揺動する前記揺動アームの上部でヘッドレストを支持する車両用シート装置であって、
    前記後部パッドに、
    前記揺動アームの揺動による前記シートバックパッド上部の変形を許容する変形許容手段を設け
    前記前部パッドの裏面に、
    揺動する前記揺動アームの上部の入り込みを許容する入込み許容部を備えた
    車両用シート装置。
  2. 前記変形許容手段を、
    前記後部パッドにおける左右縁部のそれぞれに沿って上下方向に配設した2本のスリットで形成した
    請求項1に記載の車両用シート装置。
  3. 前記前部パッドと前記後部パッドとで構成する前記シートバックパッドを、
    発泡成型により一体成形した
    請求項2に記載の車両用シート装置。
  4. 前記入込み許容部を、
    前記揺動アームの上部の配設方向に略平行な凹状の入込み凹部で構成した
    請求項に記載の車両用シート装置。
  5. 入込み凹部を、
    上下方向の仕切で仕切られ、
    前記揺動アームの上部の配設方向に配置された複数の凹部で形成した
    請求項に記載の車両用シート装置。
  6. 乗員が座るシートクッションと、シートバックとで構成し、
    該シートバックを、
    シートバックフレームと、該シートバックフレームに装着するシートバックパッドと、前記シートバックフレームに対して相対変位可能に取付けられたアーム部材とで構成し、
    該シートバックパッドを、
    該シートバックフレームの前面を覆う前部パッドと、前記シートバックフレーム及び前記アーム部材の上部における側面から後面まで回り込んで覆う後部パッドとで構成し、
    前記乗員による後方荷重を前記前部パッドを介して受けることにより、上部が前方に相対変位する前記アーム部材の上部でヘッドレストを支持する車両用シート装置であって、
    前記後部パッドに、
    前記アーム部材の相対変位による前記シートバックパッド上部の変形を許容する変形許容手段を設け、
    前記前部パッドの裏面に、
    相対変位する前記アーム部材の上部の入り込みを許容する入込み許容部を備えた
    両用シート装置。
JP2008248097A 2008-09-26 2008-09-26 車両用シート装置 Active JP5323434B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008248097A JP5323434B2 (ja) 2008-09-26 2008-09-26 車両用シート装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008248097A JP5323434B2 (ja) 2008-09-26 2008-09-26 車両用シート装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010076633A JP2010076633A (ja) 2010-04-08
JP5323434B2 true JP5323434B2 (ja) 2013-10-23

Family

ID=42207570

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008248097A Active JP5323434B2 (ja) 2008-09-26 2008-09-26 車両用シート装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5323434B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5189146B2 (ja) 2010-08-26 2013-04-24 トヨタ紡織株式会社 車両用シート

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11169259A (ja) * 1997-12-11 1999-06-29 Tachi S Co Ltd シートバックのフレーム構造体
JP3673420B2 (ja) * 1999-02-01 2005-07-20 ダイハツ工業株式会社 自動車用シート

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010076633A (ja) 2010-04-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8708411B2 (en) Vehicle seat
US20150336491A1 (en) Vehicle seat
JP5387174B2 (ja) 車両用シート
US9604549B2 (en) Vehicle seat
JP5925575B2 (ja) ヘッドレスト装置
JP5155667B2 (ja) 車両用シート
JP5021826B1 (ja) 自動車用シート
US9254763B2 (en) Vehicle seat
JP5323434B2 (ja) 車両用シート装置
JP2009234286A (ja) 車両用ヘッドレスト装置
JP2010076634A (ja) 車両用シート装置
JP4417220B2 (ja) 車両用シート
JP7214539B2 (ja) 車両用シート
JP5712877B2 (ja) 自動車用のシートクッション構造
JP5969228B2 (ja) 乗物用シート
KR101051608B1 (ko) 차량용 시트의 보조 헤드레스트
JP2020203588A (ja) 乗物用シート
JP3672251B2 (ja) 自動車用シートクッション
JP2012171610A (ja) 自動車用シート
JP6624258B2 (ja) 乗物用シート
JP5632601B2 (ja) 乗り物用シート構造
JP7180346B2 (ja) 乗物用ヘッドレスト
JP2005170144A (ja) 車両用ヘッドレスト
JP2016030523A (ja) 乗物用シート
JP3197808U (ja) リアシート構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130326

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130328

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130709

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130717

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5323434

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150