JP2016030523A - 乗物用シート - Google Patents

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武史 西浦
Takeshi Nishiura
武史 西浦
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Abstract

【課題】後突時、着座者の胸部及び腰部に対する頭部の後方への移動量を低減して、むち打ち発生を抑止すること。【解決手段】シートシェル32と連結部材31とは、シートシェル32の立ち壁部32fを連結部材31に対して前後回動自在に軸支する第1取り付け部51と、第1取り付け部51よりも下方に位置する第2取り付け部52と、によって取り付けられる。第2取り付け部52において、立ち壁部32fには、突設ピン521が設けられ、連結部材31には、突設ピン521を受け入れて、シートシェル32が通常着座姿勢状態と前傾姿勢状態との間で前後方向に回動するように、突設ピン521の移動を許容する長孔312が設けられ、連結部材31には、長孔312に受け入れられた突設ピン521を、シートシェル32が通常着座姿勢状態となる位置に向けて押し付ける付勢機構54が設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、構造体としてシートシェルを備えている乗物用シートに関する。
シートバックが、構造体としてのシートシェルを備えている乗物用シートが知られている。シートシェルは、着座者身体の背面を支持するメイン部と、該メイン部の左右両端部から着座者身体の側部に沿って立ち上がるように延びる立ち壁部と、を有している。特許文献1に開示された発明では、シートシェルの立ち壁部に、金属製の連結部材が剛結合されている。連結部材は上下方向に長尺な部材であり、その下端部が、リクライナを介してクッションフレームに連結されている。後突時、着座者身体は、慣性力によって後方に移動しようとして、シートバックを着座面側から押圧する。シートシェルは、この押圧力をメイン部で受け止め、連結部材を介してクッションフレームに伝達することで、着座者身体を支持する。シートシェルのメイン部における上側部は、着座者の頭部を支持し、下側部は、着座者の胸部及び腰部を支持する。
特開2007−76642号公報
むち打ち傷害は、着座者の頭部が後方に振られて、頸部に負担が掛かることで発生することが知られている。特許文献1に開示された発明では、上記したように、シートシェルは連結部材と剛結合している。このため、後突時の衝撃力が大きい場合、着座者身体がシートバックを着座面側から押圧した際に、シートシェルが連結部材と一体になって連結部材の下端部近傍を中心に後方回動する可能性がある。そうすると、シートシェルのメイン部における上側部は上記回動の中心から離れているため、下側部よりも後方への移動量が大きくなる。この場合、後突時、着座者の胸部及び腰部に対する頭部の後方への移動量が大きくなるため、頭部が後方に振られて、むち打ち傷害になる恐れがある。
このような問題に鑑み、本発明の課題は、シートシェルを備えている乗物用シートにおいて、後突時、着座者の胸部及び腰部に対する頭部の後方への移動量を低減させて、むち打ち発生を抑止できる構造を提供することである。
本発明の第1発明は、乗物用シートであって、シートバックの構造体としてのシートシェルと、該シートシェルをシートクッションに連結する連結部材と、を備えており、前記シートシェルは、着座者身体の背面を支持するメイン部と、該メイン部の左右両端から着座者身体の側部に沿って立ち上がるように延びる立ち壁部と、を有しており、前記連結部材は、前記立ち壁部の左右方向外側面に取り付けられており、前記シートシェルと前記連結部材とは、前記立ち壁部を前記連結部材に対して前後方向に回動自在に軸支している第1取り付け部と、該第1取り付け部よりも下方に位置している第2取り付け部と、によって取り付けられており、前記第2取り付け部において、前記立ち壁部又は前記連結部材のうちのいずれか一方である第1部材には、他方である第2部材に向かって延びる突設ピンが設けられ、前記第2部材には、前記突設ピンを受け入れて、前記シートシェルが通常着座姿勢状態と前傾姿勢状態との間で前後方向に回動するように、前記突設ピンの移動を許容する長孔が設けられ、前記第2部材には、前記長孔に受け入れられた前記突設ピンを、前記シートシェルが通常着座姿勢状態となる位置に向けて押し付ける付勢機構が設けられていることを特徴とする。
第1発明によれば、第2取り付け部では、立ち壁部又は連結部材のうちのいずれか一方である第1部材に設けられた突設ピンが、他方である第2部材の長孔に受け入れられ、該長孔の一端部(シートシェルが通常着座姿勢状態となる位置)に向けて付勢機構によって押し付けられた状態で保持されている。後突時、付勢機構の付勢力よりも大きな押圧力でシートバックが後方に押圧され、それによって、突設ピンが付勢機構の付勢力に抗して第2部材の長孔を移動する。これにより、シートシェルのメイン部が第1取り付け部を中心に回動して、シートシェルのメイン部における下側部が、連結部材及び上側部に対して相対的に後方移動する。このため、シートシェルのメイン部における上側部の後方への移動量が、下側部の後方への移動量に対して、相対的に小さくなる。よって、後突時、着座者の胸部及び腰部に対する頭部の後方への移動量を低減させて、むち打ち発生を抑止することができる。また、シートシェルのメイン部における下側部が、連結部材及び上側部に対して所定距離後方移動すると、突設ピンは長孔の他端部(シートシェルが前傾姿勢状態となる位置)に到達する。このため、突設ピンのこれ以上の移動が禁止され、シートシェルのメイン部における下側部が、連結部材に対して相対的に後方移動不可能な状態に切り替わる。よって、後突の衝撃が大きい場合には、シートシェルのメイン部における下側部の後方への移動し過ぎを防ぎ、着座者の胸部及び腰部を支持することができる。
本発明の第2発明は、第1発明における乗物用シートであって、前記付勢機構は、前記突設ピンを受け入れる長孔が設けられたリンク部材を有しており、該リンク部材の一端部は、前記シートシェルが通常着座姿勢状態のときに前記突設ピンの位置している部分近傍の上方又は下方位置で、前後方向に回動自在に軸支され、前記リンク部材の前記長孔は、前記リンク部材が回動した際、前記シートシェルが通常着座姿勢状態と前傾姿勢状態との間で前後方向に回動するように、前記突設ピンの前記第2部材に対する移動を許容すべく延設され、前記リンク部材の他端部は、前記突設ピンを前記シートシェルが通常着座姿勢状態となる位置に向けて付勢する付勢部材に接続され、前記リンク部材は、後突時、該リンク部材の前記長孔及び前記第2部材の前記長孔に受け入れられた前記突設ピンによって押圧されることで、前記付勢部材の付勢力に抗して回動するように構成されていることを特徴とする。
第2発明によれば、付勢機構のリンク部材は、突設ピンを受け入れる長孔を有している。そして、リンク部材は、一端部が軸支されており、他端部が付勢部材によって付勢力を印加された状態になっている。このため、シートシェルが通常着座姿勢状態のとき、リンク部材の軸支されている位置から付勢力を印加されている位置までの距離が、リンク部材の軸支されている位置から突設ピンまでの距離よりも、長くなっている。したがって、トルクの原理により、例えば突設ピンと付勢部材とを直接接続するような構造よりも、小さな付勢力で、突設ピンをシートシェルが通常着座姿勢状態となる位置に保持できる。よって、付勢部材を小型化し、第2取り付け部周辺をコンパクトにできる。
本発明の第3発明は、第2発明における乗物用シートであって、前記リンク部材の前記長孔は、前記リンク部材において前記シートシェルが通常着座姿勢状態のときに前記突設ピンの位置している部分から、前記シートシェルが前傾姿勢状態のときに前記突設ピンの位置している部分にかけて、少なくとも一部で前記突設ピンの直径よりも狭い幅寸法に設定されており、前記突設ピンが、前記リンク部材の前記長孔及び前記第2部材の前記長孔を移動する際に、前記リンク部材の前記長孔の狭い幅寸法の部分を押し広げながら移動することで、後突時の衝撃力を変形エネルギーとして吸収することを特徴とする。
第3発明によれば、突設ピンがリンク部材の長孔及び第2部材の長孔を移動する際、即ち、シートシェルが通常着座姿勢状態から前傾姿勢状態になる際に、長孔の周縁部を塑性変形させることで、後突時の衝撃力を変形エネルギーとして吸収することができる。よって、後突時の衝撃力を和らげることができる。
本発明によると、後突時、着座者の胸部及び腰部に対する頭部の後方への移動量を低減させて、むち打ち発生を抑止することができる。
本発明の一実施形態に係る乗物用シートを、斜め後ろから見た斜視図である。 上記実施形態に係る乗物用シートのバックパンとアッパアームとが分離した状態を、斜め後ろから見た斜視図である。 上記実施形態に係る乗物用シートの側面図である。 図3における部分IVの拡大図である。 図1におけるV−V線断面図である。 図3において、後突時、バックパンのメイン部における下側部が、アッパアーム及び上側部に対して相対的に後方移動した状態を示す図である。 図4において、後突時、バックパンのメイン部における下側部が、アッパアーム及び上側部に対して相対的に後方移動した状態を示す図である。 図5において、後突時、バックパンのメイン部における下側部が、アッパアーム及び上側部に対して相対的に後方移動した状態を示す図である。 本発明の変形例における上記実施形態の図4に相当する図である。 上記変形例における上記実施形態の図7に相当する図である。
図1〜8は、本発明の一実施形態を示す。本実施形態の乗物用シート10は、乗員が着座するシートクッション20と、背もたれとなるシートバック30と、を備えている。シートクッション20は、鉄製のクッションフレームの上に載置された、表皮で被覆されたクッションパッドで着座者の荷重を弾性的に支持するものである。シートバック30は、シェルタイプのバックパン32の上に載置された、表皮で被覆されたバックパッド33で着座者の背面を支持するものである。各図中、矢印により乗物用シート10を取り付けた時の乗物の各方向を示す。以下の説明において、方向に関する記述は、この方向を基準として行うものとする。
図1に示されるように、シートクッション20は、スライドレール21を介して、前後方向に位置調整可能な状態でフロアFに取り付けられている。スライドレール21と連結するロアアーム22には、図示しないクッションフレームが取り付けられている。クッションフレームの上に、クッション材であるウレタン発泡体製のクッションパッドが載置され、その上に表皮であるクッションカバー23が被せられてシートクッション20が構成されている。
シートバック30は、シェルタイプのバックパン32と、その上に載置されたバックパッド33と、その上に被せられたバックカバー34と、を有している。ロアアーム22には、リクライナ40を介して、アッパアーム31の下端部が取り付けられている。図1、2に示されるように、アッパアーム31の左右方向(シート幅方向)内側面には、バックパン32の立ち壁部32fが取り付けられている。即ち、シートバック30のバックパン32は、アッパアーム31によって、シートクッション20に連結されている。シートバック30は、リクライナ40の働きによって、シートクッション20に対する傾き角度の調整が可能となっている。なお、図2では、説明の便宜上、左側のアッパアーム31のみを図示して、右側のアッパアーム31を省略したが、右側のアッパアーム31は左側のアッパアーム31と左右対称の構造になる。バックパン32が、特許請求の範囲の「シートシェル」に相当する。アッパアーム31が、特許請求の範囲の「連結部材」に相当する。
アッパアーム31は、略矩形平板状の金属製部材であり、図1に示されるように、上下方向に長尺な形状に形成されている。アッパアーム31は、板面が前後方向に略平行な状態で配設されている。図2に示されるように、アッパアーム31には、該アッパアーム31の上端部近傍に位置する第1ピン孔311と、アッパアーム31の上下方向中間部近傍に位置するガイド長孔312と、該ガイド長孔312の前端部312A近傍の下方に位置する第3ピン孔313と、が形成されている。ガイド長孔312は、前後方向に延設されている。ガイド長孔312は、より詳細には、第1ピン孔311を中心とする仮想円の円弧に沿うように延設されており、やや下方に湾曲するカーブ形状に形成されている。ガイド長孔312の幅(短径の長さ)寸法は、バックパン32に設けた第2ピン521の直径R(図4参照)よりも若干広く設定されている。ガイド長孔312は、第2ピン521を受け入れ可能に構成されている。ガイド長孔312が、特許請求の範囲の「長孔(第2部材の長孔)」に相当する。
バックパン32の前面(着座面)側は、着座者身体の上半身外形に適合するように凹面形状に形成されている。図1、2に示されるように、バックパン32は、着座者身体の背面を支持するメイン部32sと、着座者身体の側部を左右方向(シート幅方向)外側から支持すべくメイン部32sの左右各端末部から着座者身体の側部に沿って前方に立ち上がるように延びる立ち壁部32fと、を有している。メイン部32sは、該メイン部32sの上側部32sAで着座者の頭部を支持し、メイン部32sの下側部32sBで着座者の胸部及び腰部を支持する。バックパン32の着座者の両肩上部に対応する位置には、意匠孔32eが2つ開けられている。図5に示されるように、バックパン32の立ち壁部32fには、立ち壁部32fの前側端部が、着座面側からその反対面側に向かって折り返されることによって、後方に延びる折り返し部32jが形成されている。図2に示されるように、立ち壁部32fにおいて、アッパアーム31の第1ピン孔311に対応する位置には第1ピン孔321が形成されており、ガイド長孔312の前端部312Aに対応する位置には第2ピン孔322が形成されている。第1ピン孔321及び第2ピン孔322は、バックパン32の成形時に同時に形成される。
バックパン32は、強化材として、カーボンの連続繊維を織った厚さ0.2mm程度の織物を5〜10枚重ね合わせたものを使用し、マトリクス樹脂として、エポキシ樹脂を使用して複合化された繊維強化プラスチックを用いて製造されている。成形の仕方は、上下型を閉じたときに、その間にバックパン32と同形状のキャビティを形成する型のキャビティ内に、上記カーボンの連続繊維の織物を所定の枚数重ね合わせて配置し、そこに液状の硬化前エポキシ樹脂を注入して反応硬化させて脱型するというものである。
バックパッド33は、バックパン32の前面側に載置されている。バックパッド33は、ウレタン発泡体を用いて製造されており、着座者の背面を支持するクッション材として働く。
バックパッド33の前面側は、バックカバー34によって覆われている。バックカバー34は、通気性があり伸縮が容易なジャージ編のファブリックを用いて製造された表皮を備えている。バックカバー34の端末には、図5に示されるように、係止部材35が取り付けられている。係止部材35は、断面略U字形に形成された樹脂製の弾性材料を用いて製造されており、断面略U字形の内側方向に向かって延びる複数(図5では4つ)のヒレ部35aを有している。係止部材35は、バックカバー34の端末に共縫いされて縫い付けられている。バックカバー34は、バックカバー34の端末がバックパン32の折り返し部32jに沿って後方に折り返された後、係止部材35のヒレ部が折り返し部32jを挟持することにより、バックパン32に固定されている。
図2に示されるように、立ち壁部32fとアッパアーム31とは、第1取り付け部51及び第2取り付け部52によって、上下方向2箇所で取り付けられている。第2取り付け部52は、図1〜3に示されるように、第1取り付け部51よりも下方に位置している。なお、図3では、説明の便宜上、バックパッド33、バックカバー34、シートクッション20等の構造を省略して図示している。なお、本実施形態においては、立ち壁部32fが、特許請求の範囲の「第1部材」、アッパアーム31が、特許請求の範囲の「第2部材」に相当する。
第1取り付け部51は、図1〜3に示されるように、アッパアーム31の上端部近傍に位置している。第1取り付け部51は、第1ピン511を有している。第1ピン511は、アッパアーム31の左右方向外側から、アッパアーム31の第1ピン孔311、立ち壁部32fの第1ピン孔321に挿通された後、立ち壁部32fの左右方向内側からピン受け等を取り付けることで、抜け落ちないように固定されている。第1取り付け部51では、第1ピン511によって、立ち壁部32fが、該第1ピン511の軸心を中心に、アッパアーム31に対して前後方向に回動自在な状態で軸支されている。
第2取り付け部52は、図1〜3に示されるように、第1取り付け部51の下方に位置している。より詳しくは、アッパアーム31の上下方向における中間近傍に位置している。第2取り付け部52は、第2ピン521と、リンク部材54と、付勢ばね59と、を有している。
第2ピン521は、立ち壁部32fから左右方向外側に向かって突設されている。より詳しくは、図2、5に示されるように、第2ピン521は、立ち壁部32fの第2ピン孔322に対して、立ち壁部32fの左右方向内側から挿通されている。第2ピン521は、該第2ピン521の先端部が立ち壁部32fから左右方向外側に突出した状態で、立ち壁部32fに対して回転不能に固着されている。図2、4、5に示されるように、立ち壁部32fに固着された第2ピン521は、立ち壁部32fの左右方向外側から、アッパアーム31のガイド長孔312の前端部312Aに通された後、リンク部材54の長孔542の始端部542Aに通され、その後、Eリング等を取り付けることで、抜けないように固定されている。第2ピン521が、特許請求の範囲の「突設ピン」に相当する。始端部542Aが、特許請求の範囲の「シートシェルが通常着座姿勢状態となる位置」に相当する。
図2、5に示されるように、リンク部材54は、矩形平板状の金属製部材である。リンク部材54は、アッパアーム31に対して、該アッパアーム31の左右方向外側に位置するように取り付けられている。リンク部材54は、板面が前後方向に平行な状態に配設されている。図2、4に示されるように、リンク部材54には、該リンク部材54の長手方向一端部に配設された第3ピン孔541と、リンク部材54の一端部近傍から他端部近傍にかけて延設された長孔542と、リンク部材54の長手方向他端部に配設されたばね孔543と、が形成されている。第3ピン孔541は、アッパアーム31の第3ピン孔313に対応する位置に形成されている。リンク部材54は、第3ピン55がリンク部材54の左右方向外側からリンク部材54の第3ピン孔541に通された後、アッパアーム31の第3ピン孔313に取り付けられることによって、第3ピン55の軸心を中心に、アッパアーム31に対して前後方向に回動自在に軸支されている。
図4に示されるように、リンク部材54の長孔542は、リンク部材54の長手方向に沿って延設されている。長孔542の幅(短径の長さ)寸法W1は、第2ピン521の直径Rよりも若干広く設定されている。長孔542におけるリンク部材54が軸支されている側の端末部である始端部542Aと、ピン孔541とは、バックパン32が通常着座姿勢状態の際に、第2ピン521が始端部542Aに対して通されると、リンク部材54が上下方向を向いた姿勢(起立姿勢S)となるように位置調整されている。リンク部材54における長孔542の周縁部56は、第2ピン521と摺接可能に構成されている。長孔542の長さ(長径の長さ)寸法は、リンク部材54が回動した際に、長孔542の軸支されている側とは反対側の端末部である終端部542Dが、アッパアーム31のガイド長孔312の後端部312Dに対応する位置にあるように設定されている。
図2〜4に示されるように、リンク部材54のばね孔543には、付勢ばね59の後端引掛部が取り付けられている。上記付勢ばね59の前端引掛部は、アッパアーム31に形成された突起部314に取り付けられている。付勢ばね59は、いわゆる引張コイルばねである。付勢ばね59は、リンク部材54を常に前方に向けて付勢することで、リンク部材54の長孔542に受け入れられた第2ピン521を、アッパアーム31のガイド長孔312の前端部312Aに向けて付勢している。付勢ばね59のばね定数は、通常着座姿勢時において、シートバック30に印加される程度の後方への押圧力(例えば、着座者がシートバック30に凭れ掛かった時等に生じる押圧力)では、リンク部材54が後方に回動しない程度の強さに設定されている。リンク部材54と付勢ばね59とが、特許請求の範囲の「付勢機構」に相当する。また、付勢ばね59は、特許請求の範囲の「付勢部材」に相当する。
通常着座姿勢時、図4に示されるように、第2取り付け部52では、リンク部材54が起立姿勢Sに保持されているとともに、第2ピン521がリンク部材54の長孔542の始端部542Aに対して通された状態になっている。この状態で、リンク部材54の他端部は、付勢ばね59によって前方に付勢されている。このため、第2ピン521は、リンク部材54における長孔542の始端部542Aの周縁部(始端部周縁部561)に後方から当接されて、前方に押圧された状態になる。これによって、第2ピン521は、図4、5に示されるように、アッパアーム31のガイド長孔312における前端部312Aの周縁部に押し付けられた状態になる。即ち、第2ピン521は、アッパアーム31のガイド長孔312の前端部312Aと、リンク部材54の始端部周縁部561と、によって、前後方向から挟持された状態になる。これによって、バックパン32は、通常着座姿勢状態に保持されている。
後突時、着座者身体が慣性力によって後方に移動しようとして、シートバック20を付勢ばね59の付勢力よりも大きな力で後方に押圧する。バックパン32のメイン部32sがこの押圧力を受け止めると、第2ピン521がリンク部材54の始端部周縁部561を後方に押圧し、リンク部材54が第3ピン55の軸心を中心に後方回動する。リンク部材54の後方回動にともなって、第2ピン521は、長孔542及びアッパアーム31のガイド長孔312に沿って、アッパアーム31に対して後方移動していく。これによって、図6〜8に示されるように、バックパン32が、第1取り付け部51の第1ピン511の軸心を中心に、前のめりになるように回動していく。そうすると、バックパン32のメイン部32sにおける下側部32sBが、アッパアーム31及び上側部31sAに対して後方移動した状態になる。即ち、バックパン32のメイン部32sにおける上側部32sAの後方への移動量が、下側部32sBの後方への移動量に対して、相対的に小さくなる。これにより、着座者の胸部及び腰部に対する頭部の後方への移動量を低減できる。
第2ピン521が長孔542、及び、アッパアーム31のガイド長孔312に沿って後方移動していくと、リンク部材54が起立姿勢Sから徐々に後方に横臥していき、やがて、図7に示されるように、横臥した姿勢(横臥姿勢Y)になる。これとともに、第2ピン521は、長孔542の終端末部542D、及び、ガイド長孔312の後端部312Dに到達する。即ち、第2ピン521は、リンク部材54における長孔542の終端末部542Dの周縁部(終端末部周縁部564)、及び、ガイド長孔312の後端部312Dの周縁部に後方から当接されて、後方移動が禁止された状態になる。したがって、バックパン32のメイン部32sにおける下側部32sBが、アッパアーム31に対して相対的に後方移動不可能な状態に切り替わることになる。これによって、バックパン32が前傾姿勢状態のまま、バックパン32のメイン部32sにおける下側部32sBが、アッパアーム31と一体的な状態に切り替わる。このため、強度の高い支持構造として着座者の胸部及び腰部を支持できるようになる。
以上のように構成される実施形態は、以下のような作用効果を奏する。第2取り付け部52では、立ち壁部32fに設けられた第2ピン521が、アッパアーム31のガイド長孔312に受け入れられ、該長孔312の前端部312A(バックパン32が通常着座姿勢状態となる位置)に向けてリンク部材54及び付勢ばね59によって押し付けられた状態で保持されている。後突時、リンク部材54及び付勢ばね59の付勢力よりも大きな押圧力でシートバック20が後方に押圧され、それによって、第2ピン521がリンク部材54及び付勢ばね59の付勢力に抗してガイド長孔312を後方に移動する。これにより、バックパン32のメイン部32sが第1取り付け部51を中心に回動して、バックパン32のメイン部32sにおける下側部32sBが、アッパアーム31及び上側部32sAに対して相対的に後方移動する。このため、バックパン32のメイン部32sにおける上側部32sAの後方への移動量が、下側部32sBの後方への移動量に対して、相対的に小さくなる。よって、後突時、着座者の胸部及び腰部に対する頭部の後方への移動量を低減させて、むち打ち発生を抑止することができる。また、バックパン32のメイン部32sにおける下側部32sBが、アッパアーム31及び上側部32sAに対して所定距離後方移動すると、第2ピン521はガイド長孔312の後端部312D(バックパン32が前傾姿勢状態となる位置)に到達する。このため、第2ピン521のこれ以上の後方移動が禁止され、バックパン32のメイン部32sにおける下側部32sBが、アッパアーム31に対して相対的に後方移動不可能な状態に切り替わる。よって、後突の衝撃が大きい場合には、バックパン32のメイン部32sにおける下側部32sBの後方への移動し過ぎを防ぎ、着座者の胸部及び腰部を支持することができる。また、リンク部材54は、第2ピン521を受け入れる長孔542を有している。そして、リンク部材54は、一端部が軸支されており、他端部が付勢ばね59によって付勢力を印加された状態になっている。このため、バックパン32が通常着座姿勢状態のとき、リンク部材54の軸支されている位置から付勢力を印加されている位置までの距離L1が、リンク部材54の軸支されている位置から第2ピン521までの距離L2よりも、長くなっている。したがって、トルクの原理により、例えば第2ピン521と付勢ばね59とを直接接続するような構造よりも、小さな付勢力で、第2ピン521をガイド長孔312の前端部312Aに保持できる。よって、付勢ばね59を小型化し、第2取り付け部52周辺をコンパクトにできる。
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
例えば、上記実施形態においては、バックパン32の材料として、強化材にカーボンの連続繊維の織物を用い、マトリクス樹脂にエポキシ樹脂を用いた繊維強化プラスチックを使用した。しかし、これに限らず、強化材にガラス繊維を用いたり、マトリクス樹脂にフェノール樹脂等の別の熱硬化性樹脂を用いたり、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂を用いたりしても良い。他にも、強化材として繊維長1mm程度のカーボンやガラス等の短繊維を用いて、インジェクション成形によって成形してもよい。また、上記実施形態では、第1ピン孔321及び第2ピン孔322を、バックパン32の成形時に同時に形成する例を示したが、これらはバックパン32の成形後に後工程において形成してもよい。
また、上記実施形態においては、リンク部材54の長孔542の幅寸法W1が、第2ピン521の直径Rよりも若干大きい寸法で、一定に設定されている例を示した。しかし、長孔542の幅寸法は一定でなくてもよい。例えば、図9、10に示されるように、長孔542に、幅寸法W1である始端部542Aと、始端部542Aに連続して形成されてリンク部材54の他端部方向に向かうにつれて徐々に幅寸法が狭くなっていく勾配部542Bと、該勾配部542Bに連続して形成されて第2ピン521の直径Rよりも狭い一定の幅寸法W2で延設される幅狭部542Cと、を設定してもよい。このとき、幅狭部542Cの幅寸法W2は、例えば、第2ピン521の直径Rの3分の1程度に設定することもできる。この変形例では、第2ピン521が、アッパアーム31に対して後方移動する際、リンク部材54における勾配部542Bの周縁部(勾配部周縁部562)に摺接しながら後方移動していき、やがて、幅狭部542Cの一端部側の端末部分に到達する。この状態から、さらに、第2ピン521が幅狭部542Cに沿って後方移動していくと、図10に示されるように、リンク部材54における幅狭部542Cの周縁部(幅狭部周縁部563)が、第2ピン521によって押し拡げられて塑性変形していく。この変形例によれば、上記実施形態の作用効果に加えて、第2ピン521がリンク部材54の長孔542及びアッパアーム31のガイド長孔312を移動する際、即ち、バックパン32が通常着座姿勢状態から前傾姿勢状態になる際に、後突時の衝突力を塑性変形エネルギーに変換して吸収することができる。よって、後突時の衝撃力を和らげることができる。なお、幅狭部542Cは、その幅寸法が一定でない構造、例えば、勾配部542Bから連続して徐々に幅寸法が狭くなっていくような構造にすることもできる。
また、上記実施形態においては、引張コイルばねである付勢ばね59を用いて、第2ピン521を前方に付勢する構造を示した。しかし、これに限らず、ねじりコイルばねを用いてもよいし、板ばねを用いてもよい。さらには、例えば、ゴム等のエラストマーを用いてもよい。
また、上記実施形態においては、バックパン32が通常着座姿勢状態のとき、リンク部材54が一端部側(軸支されている側)を下方に向けた起立姿勢Sとなる構造を例示した。しかし、リンク部材54の起立姿勢S(起立した状態)とは、この例に限定されず、例えば、リンク部材54が一端部側を上方に向けた姿勢も含む。即ち、ガイド長孔312の前端部312A近傍の上方に第3ピン孔を設け、当該第3ピン孔でリンク部材54の一端部が軸支されている構造でもよい。なお、ここで言う「近傍」とは、バックパン32が通常着座姿勢状態のときに、リンク部材54の軸支されている位置から第2ピン521までの距離L2が、第2ピン521からリンク部材54の付勢力を印加されている位置までの距離よりも近ければよい(図4参照)。即ち、距離L2が、リンク部材54の軸支されている位置から付勢力を印加されている位置までの距離L1の半分以下であればよい。
また、上記実施形態においては、第2ピン521がバックパン32の立ち壁部32f側に取り付けられているとともに、ガイド長孔312がアッパアーム31側に設けられている構造を示した。即ち、立ち壁部32fを第1部材とし、アッパアーム31を第2部材とする例を示した。しかし、これに限定されず、アッパアーム31を第1部材とし、立ち壁部32fを第2部材としてもよい。即ち、第2ピンがアッパアーム31側に取り付けられているとともに、ガイド長孔がバックパン32の立ち壁部32f側に設けられている構造でもよい。この構造の場合、バックパン32が通常着座姿勢状態のとき、第2ピンは後方に付勢されて、立ち壁部32fに設けられたガイド長孔の後端部に押し付けられて保持される。そして、後突時、第2ピンはガイド長孔に沿って前方に移動して、ガイド長孔の前端部に到達することで、第2ピンのこれ以上の移動が禁止され、バックパン32のメイン部32sにおける下側部32sBが、アッパアーム31に対して相対的に後方移動不可能な状態に切り替わる。
また、本実施形態においては、本発明を自動車のシートに適用したが、飛行機、船、電車等に搭載されるシートに適用してもよい。
10 乗物用シート
20 シートクッション
30 シートバック
31 アッパアーム(連結部材、第2部材)
312 ガイド長孔(長孔)
312A 前端部(シートシェルが通常着座姿勢状態となる位置)
32 バックパン(シートシェル)
32s メイン部
32f 立ち壁部(第1部材)
51 第1取り付け部
52 第2取り付け部
54 リンク部材(付勢機構)
542 長孔
59 付勢ばね(付勢部材)

Claims (3)

  1. 乗物用シートであって、
    シートバックの構造体としてのシートシェルと、該シートシェルをシートクッションに連結する連結部材と、を備えており、
    前記シートシェルは、着座者身体の背面を支持するメイン部と、該メイン部の左右両端から着座者身体の側部に沿って立ち上がるように延びる立ち壁部と、を有しており、
    前記連結部材は、前記立ち壁部の左右方向外側面に取り付けられており、
    前記シートシェルと前記連結部材とは、前記立ち壁部を前記連結部材に対して前後方向に回動自在に軸支している第1取り付け部と、該第1取り付け部よりも下方に位置している第2取り付け部と、によって取り付けられており、
    前記第2取り付け部において、
    前記立ち壁部又は前記連結部材のうちのいずれか一方である第1部材には、他方である第2部材に向かって延びる突設ピンが設けられ、
    前記第2部材には、前記突設ピンを受け入れて、前記シートシェルが通常着座姿勢状態と前傾姿勢状態との間で前後方向に回動するように、前記突設ピンの移動を許容する長孔が設けられ、
    前記第2部材には、前記長孔に受け入れられた前記突設ピンを、前記シートシェルが通常着座姿勢状態となる位置に向けて押し付ける付勢機構が設けられている乗物用シート。
  2. 請求項1に記載された乗物用シートであって、
    前記付勢機構は、前記突設ピンを受け入れる長孔が設けられたリンク部材を有しており、
    該リンク部材の一端部は、前記シートシェルが通常着座姿勢状態のときに前記突設ピンの位置している部分近傍の上方又は下方位置で、前後方向に回動自在に軸支され、
    前記リンク部材の前記長孔は、前記リンク部材が回動した際、前記シートシェルが通常着座姿勢状態と前傾姿勢状態との間で前後方向に回動するように、前記突設ピンの前記第2部材に対する移動を許容すべく延設され、
    前記リンク部材の他端部は、前記突設ピンを前記シートシェルが通常着座姿勢状態となる位置に向けて付勢する付勢部材に接続され、
    前記リンク部材は、後突時、該リンク部材の前記長孔及び前記第2部材の前記長孔に受け入れられた前記突設ピンによって押圧されることで、前記付勢部材の付勢力に抗して回動するように構成されている乗物用シート。
  3. 請求項2に記載された乗物用シートであって、
    前記リンク部材の前記長孔は、前記リンク部材において前記シートシェルが通常着座姿勢状態のときに前記突設ピンの位置している部分から、前記シートシェルが前傾姿勢状態のときに前記突設ピンの位置している部分にかけて、少なくとも一部で前記突設ピンの直径よりも狭い幅寸法に設定されており、
    前記突設ピンが、前記リンク部材の前記長孔及び前記第2部材の前記長孔を移動する際に、前記リンク部材の前記長孔の狭い幅寸法の部分を押し広げながら移動することで、後突時の衝撃力を変形エネルギーとして吸収する乗物用シート。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109649232A (zh) * 2017-10-10 2019-04-19 丰田自动车株式会社 车辆用座椅

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