JP2010076634A - 車両用シート装置 - Google Patents

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Hirotaka Matsumura
広隆 松村
Katsunori Kadota
勝典 門田
Hitoshi Matsushita
均 松下
Norisuke Inoue
順介 井上
Michiomi Kishikawa
道臣 岸川
Hideto Kawaguchi
英仁 川口
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Abstract

【課題】本発明は、追突時の鞭打ちを軽減するためのアクティブヘッドレスト機構を備え、アクティブヘッドレスト機構を確実に作動させることができるとともに、座り心地および耐久性の低下を防止できる車両用シート装置を提供することを目的とする。
【解決手段】シートバック10を、シートバックフレーム11と、シートバックパッド40と、揺動フレーム21とで構成する車両用シート装置1において、前記シートバックパッド40の前側中央パッド41の裏面側、すなわち骨組み10aに対向する内側面41aにおける、前記揺動フレーム21の水平受圧部21bが当接可能部分に、当該シートバックパッド40より硬質な硬質フェルト板46を備え、前記水平受圧部21bと前記硬質フェルト板46との間に、前記乗員Pが着座しない通常状態において離間し、前記乗員Pの着座状態において接近または当接する隙間sを設けた。
【選択図】図3

Description

この発明は、例えば、追突時の鞭打ちを軽減するために、ヘッドレストが移動するアクティブヘッドレスト機構を備えた車両用シート装置に関する。
従来から、追突による乗員の鞭打ちを軽減するために、追突衝撃によってヘッドレストが移動するアクティブヘッドレスト機構を備えた車両用シート装置が多く提案されている。
このようなアクティブヘッドレスト機構を備えた車両用シート装置において、追突による衝撃荷重を有効に伝達させ、アクティブヘッドレスト機構を効果的に作用させるために、シートバックパッド本体の裏面に板状の剛体を埋設した車両用シート装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2007−308106号公報
上述の特許文献1に記載された車両用シート装置は、シートバックパッド本体の裏面に板状の剛体を埋設しているため、乗員の後方荷重によりシートバックパッドが後方に押されると、板状の剛体が後方に移動して可動部材を移動させ、この可動部材の移動に伴ってヘッドレストが前方へ移動し、搭乗者の頭部を支持することができる。
なお、板状の剛体を備えたことにより、パッド本体の裏面の剛性が向上し、板状の剛体がパッド本体の変形移動に対して忠実に移動し、アクティブヘッドレスト機構を適切に作動させることができるとされている。
また、板状の剛体は、合成樹脂発泡体よりなるパッド本体の裏面に支持されるため、可動部材やシートバックフレームに支持させたりすることなく、板状の剛体の組付作業が容易となるとされている。
さらにまた、板状の剛体がパッド本体の裏面に埋設されて一体化されているので、板状の剛体によるパッド本体の損傷が解消されるとされている。従って、板状の剛体の製造を容易とし、また、板状の剛体の組付作業を容易とすることができるとともにパッド本体の損傷を抑制することができるとされている。
しかし、特許文献1に記載の車両用シート装置は、可動部材に備えた受力部を車両後方に向かって押圧する板状の剛体がパッド本体の裏面に埋設されているため、当該車両用シート装置に着座する乗員の背中に異物感が生じ、座り心地が悪くなるといった問題があった。
そこで、本発明は、追突時の鞭打ちを軽減するために、ヘッドレストを移動させるアクティブヘッドレスト機構を備えたシートにおいて、アクティブヘッドレスト機構を確実に作動させるとともに、着座状態における座り心地の低下を防止できる車両用シート装置を提供することを目的とする。
この発明は、乗員が座るシートクッションと、シートバックとで構成し、該シートバックを、シートバックフレームと、該シートバックフレームに装着する発泡成形したシートバックパッドと、前記シートバックフレームに対して可動可能に取付けられ、前記乗員による後方荷重を受ける受圧部材を有する可動アームとで構成し、前記乗員による後方荷重を前記受圧部材で受けることによって移動する前記可動アームの上部にヘッドレストを支持する車両用シート装置において、前記シートバックパッドの裏面側における、前記可動アームの受圧部材が当接可能部分に、当該シートバックパッドより硬質な伝達部材を備え、前記受圧部材と前記伝達部材との間に、前記乗員が着座しない通常状態において離間し、前記乗員の着座状態において接近または当接する隙間を設けたことを特徴とする。
上記構成によれば、前記乗員の着座状態において、前記受圧部材に接近または当接する前記伝達部材によって、前記乗員による後方荷重を前記受圧部材に入力して前記可動アームを介してヘッドレストを移動させることができる。
また、シートバックパッドより硬質な伝達部材と受圧部材との間に設定された隙間により、乗員の着座時の快適性(異物感の防止)を確保しながら、追突時の乗員からの荷重入力を硬質な伝達部材を介して早期に受圧部材に伝達でき、アクティブなヘッドレストの作動を達成することができる。
このため、追突による衝撃荷重が伝達された場合において、衝撃荷重によって揺動アームとともにヘッドレストを確実に移動させ、乗員が鞭打ちになることを防止できるとともに、伝達部材を備えたことによる座り心地の低下を防止することができる。
また、発泡成形したシートバックパッドと、後方荷重を受ける受圧部材との間に、当該シートバックパッドより硬質な伝達部材を備えたことにより、受圧部材を乗員に近く配置したことと同様に、乗員の後方荷重をロスなく早期に伝達させることができる。
このため、アクティブなヘッドレストのより確実な作動を達成することができる。
この発明の一実施態様においては、前記伝達部材を、可撓性を有する板状の硬質フェルト材で構成し、前記受圧部材に対向する部分に、伝達面を形成したものである。
上記構成によれば、前記伝達部材が後方荷重を入力する背中の形状に応じて変形することができる。このため、着座時の快適性(異物感の防止)を保ちながら、荷重伝達性を確保できる。
また、前記伝達部材の前記受圧部材に対向する部分に、伝達面を形成したため、乗員からの後方荷重を受圧部材に効率よく伝達することができる。したがって、アクティブなヘッドレストのより確実な作動を達成することができる。
この発明の一実施態様においては、前記伝達部材を、前記シートバックパッドに埋設したものである。
上記構成によれば、背中に直接接しているシートバックパッドと前記伝達部材とが一体的であるため、後方荷重が入力された際に、着座時の快適性(異物感の防止)を保ちながら、荷重伝達性を確保できる。したがって、アクティブなヘッドレストを効率よく移動させることができる。
この発明の一実施態様においては、前記伝達部材の前記伝達面を、前記受圧部材の受圧面より広く形成したものである。
上記構成によれば、後方荷重の入力によって可動する受圧部材に対し、安定且つ確実に荷重を伝達することができる。したがって、アクティブなヘッドレストを確実に移動させることができる。
この発明によれば、追突時の鞭打ちを軽減するために、ヘッドレストを移動させるアクティブヘッドレスト機構を備えたシートにおいて、アクティブヘッドレスト機構を確実に作動させるとともに、着座状態における座り心地の低下を防止できる車両用シート装置を提供することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳述する。
まず、図1から図7により、本発明の全体構成について説明する。図1は本発明の車両用シート装置1の全体斜視図であり、図2は車両用シート装置1におけるシートバック10を支持する骨組み10aの正面図を示し、図3はシートバック10における幅方向中央付近の縦断面図を示し、図4はシートバックパッド40の前後方向中央付近からの背面図を示し、図5はシートバックパッド40の背面図を示し、図6は車両用シート装置1に乗員Pが座った状態の説明図を示し、図7はアクティブヘッドレスト機構が作動した状態の説明図を示している。
この実施形態の車両用シート装置1は、車体フロアにスライドレール(図示省略)を介して取り付けられるシート台座4の上部に配置するシートクッション2と、該シートクッション2に対して、図示省略する角度調整機構によって角度調整可能に保持されたシートバック10と、シートバック10の上端で上下方向にスライド可能に配置されたヘッドレスト3とで構成し、乗員Pは図6に示すように、シートクッション2に座り、シートバック10に凭れることで、ヘッドレスト3が頭部hの後部に位置する着座姿勢を取ることができる。
シートバック10の骨組み10aは、図2に示すように、シートクッション2に対して角度調整可能に保持されたシートバックフレーム11と、シートバック10のクッション性を担うS字スプリング12と、揺動支点23を介してシートバックフレーム11に対して揺動する揺動フレーム21、シートバックフレーム11に対して前後方向の位置を調整可能に取り付けたランバーサポート機構30とで構成し、これらの骨組み10aをシートバックパッド40で覆い、さらにその外側をシートバック表皮カバー50で覆ってシートバック10を構成している。
シートバックフレーム11は、逆U字型の上部フレーム11aを配置して、正面視略台形状に形成された枠体であり、通常の角度においては、図3に示すように、上部フレーム11aが車両後方向cbとなるように傾斜姿勢となる。
S字スプリング12は、シートバックフレーム11の高さ方向中央付近に取り付けられた幅方向Wの連続的な波型形状で形成されている。
揺動フレーム21は、シートバックフレーム11より一回り小さく、高さ方向中央付近より下部の幅が狭まった枠体形状であり、上部の上水平部21aがシートバックフレーム11の上部フレーム11aより車両前方向cfとなる姿勢で、揺動支点23によって揺動可能にシートバックフレーム11に固定されている(図3参照)。
また、揺動フレーム21の下端の水平部分には、乗員Pからの車両後方向cbの荷重である反作用力F(図6参照)を受ける水平受圧部21bを形成し、該水平受圧部21bの正面視右側付近には一端がシートバックフレーム11の下端付近に連結されたコイルスプリング13が接続されている。
なお、水平受圧部21bは、図3のa部拡大端面図に示すように、円形パイプを変形させた略半円状断面で形成し、平面部分21baが車両前方向cfである正面側となるように配置している。
コイルスプリング13は、揺動フレーム21の水平受圧部21bが不用意に車両後方向cbに揺動しないように、シートバックフレーム11から車両前方向cfに付勢している。
さらに、上水平部21aの車両後方側には、ヘッドレスト3のヘッドレストフレーム3aをスライド可能に保持するホルダ24を備えている。なお、ホルダ24は、図3に示す通常状態においては、上水平部21aと上部フレーム11aの水平部分との間に挟まれた状態となる。
揺動フレーム21の高さ方向1/3程度位置には、幅方向Wの受圧パイプ25を備えている。
ランバーサポート機構30は、受圧パイプ25より下方となる位置、すなわち、図6に示す着座姿勢の乗員Pの腰部wに対応する位置で、シートバックフレーム11に対して、前後方向に位置調整可能に取り付けられたランバープレート31と、シートバック10の側部に取り付けられ、ランバープレート31の位置を調整する調整取手33と、調整取手33で調整された位置を固定する固定ダイヤル機構32と、支持パイプ34とで構成している。
ヘッドレスト3は、図3に示すように、ヘッドレストパッド3bを支持する側面視くの字状のヘッドレストフレーム3aを幅方向Wに適宜の間隔を隔てて2本備え、ヘッドレストパッド3bの外表面を表皮カバー3cで覆って構成している。
なお、ヘッドレストパッド3bは適宜の弾性を有する発泡性樹脂で構成している。また、ヘッドレストフレーム3aは、下端側を挿入したホルダ24によって、スライドでき、さらには所望の位置で固定できるように構成されている。
骨組み10aに被せるシートバックパッド40は、骨組み10aの車両前方向cfである前面に位置する前側中央パッド41と、該前側中央パッド41の幅方向Wの両側で乗員Pをサイドサポートするとともに、骨組み10aの側部を覆う側部パッド42と、該側部パッド42とともに、上部フレーム11aおよび上水平部21aの側方および後方を一体的に囲繞する後上側パッド43と、前側中央パッド41、側部パッド42及び後上側パッド43の上端に位置し、ヘッドレストフレーム3aの通過を許容する通過孔44aを有する上面パッド44で構成している。
なお、前側中央パッド41、側部パッド42、後上側パッド43及び上面パッド44は発泡ウレタンで一体成形され、上面パッド44を含む、前側中央パッド41の上部、側部パッド42の上部及び後上側パッド43をシートバックパッド上部40aとしている。
前側中央パッド41の裏面側、すなわち骨組み10aに対向する内側面41aの上部には、図4に示すように、上水平部21aの入り込みを許容する凹部45を、上下方向仕切り45aで仕切って、幅方向Wに3つ配置している。
また、前側中央パッド41の内側面41aの下方で、骨組み10aに装着した際に揺動フレーム21の水平受圧部21bの前方となる位置に、骨組み10aに対向する対向面46aが内側面41aと面一となるように硬質フェルト板46を前側中央パッド41に埋設している。
硬質フェルト板46は、水平受圧部21bと同程度の幅、且つ水平受圧部21bの2倍程度の高さで形成された正面視横長四角形状に形成されている。なお、硬質フェルト板46は、前側中央パッド41より硬く、揺動フレーム21より柔らかい、可撓性を有する硬質のフェルト材で形成され、シートバックパッド40の発泡成型時にあらかじめ埋め込んで設置しているため、シートバックパッド40の発泡ウレタン材がフェルト材内部に含浸し、強度が向上している。
また、図3のa部拡大端面図に示すように、硬質フェルト板46は、乗員Pが着座する前の通常状態において、水平受圧部21bの平面部分21baに接触しない、すなわち適宜の間隔の隙間sを隔てた位置に埋設している。なお、本実施例においては、乗員Pが着座する前の通常状態において、平面部分21baと対向面46aとの隙間sの間隔はおよそ5mmに設定されている。
後上側パッド43は、図5に示すように、骨組み10aの車両後方向cbで、骨組み10aの上部から1/4程度の高さで形成され、さらに、後上側パッド43の幅方向Wの左右縁部、すなわち、側部パッド42との境界部のそれぞれに、後上側パッド43の下端から半分程度の長さの変形許容スリット47を備えている。
変形許容スリット47は、後上側パッド43を貫通し、上端が上部フレーム11aや上水平部21aの下端より下方に位置するとともに、揺動フレーム21の縦方向部材21cの幅方向Wの外側位置に配置されている。
このように構成された車両用シート装置1のアクティブヘッドレスト機構について説明する。
まず、図6に示すように、乗員Pがシートクッション2に座り、シートバック10に凭れて着座姿勢をとると、図6のb部拡大端面図に示すように、前側中央パッド41が骨組み10a側にたわみ、隙間sがなくなり、水平受圧部21bの平面部分21baと硬質フェルト板46の対向面46aとが密着した状態となる。この状態が通常の着座状態となる。
このような着座状態において、通常の車両用シート装置の場合、車両後方向cbから追突されると、乗員Pは車両用シート装置1から車両前方向cfの追突衝撃を受けることとなり、この追突衝撃により、重たい頭部hを支える首部は鞭打ちになりやすい。
しかし、アクティブヘッドレスト機構を備えた車両用シート装置1の場合、上記鞭打ちを防止することができる。詳しくは、車両前方向cfの追突衝撃を受けた乗員Pは初期の追突衝撃の慣性力によって、逆にシートバック10に対して車両後方向cbの反作用力Fを作用させることになる。
この反作用力Fは、乗員Pの腰部wが直接接している前側中央パッド41を車両後方向cbに押圧し、前側中央パッド41に一体成形された硬質フェルト板46を介して水平受圧部21bに入力される。このとき、硬質フェルト板46の対向面46aと水平受圧部21bの平面部分21baとが密着しているため、反作用力Fはロスなく揺動フレーム21に入力される。
下端の水平受圧部21bに車両後方向cbの反作用力Fが入力された揺動フレーム21は、図7に示すように、揺動支点23を中心とした回転r1が生じ、上水平部21aが車両前方向cfに移動する。したがって、上水平部21aに固定されたホルダ24とともに、ヘッドレスト3は車両前方向cfに移動する。
このとき、車両前方向cfに移動する上水平部21aは、前側中央パッド41の内側面41aに形成した凹部45に入り込むため、後上側パッド43がない場合と比較して、揺動フレーム21の車両前方向cfの移動がスムーズになる。
また、反作用力Fの入力により上水平部21aは車両前方向cfに移動するが、上部フレーム11aの位置は変わらないため、上水平部21aと上部フレーム11aとの中心間距離Lが広がるが、上水平部21aの車両前方向cfの移動によって、車両前方向cfへのシートバックパッド上部40aの変形、具体的には前側中央パッド41及び後上側パッド43の変形は、変形許容スリット47によって許容されるため、上水平部21aの車両前方向cfの移動抵抗を低減させ、スムーズに上水平部21aを移動させることができる。
したがって、上水平部21aに固定されたヘッドレスト3も車両前方向cfにスムーズに移動することができ、頭部hの車両後方向cbの反作用力Fによる鞭打ちを防止することができる。
さらには、追突における後半の追突衝撃による頭部hの反作用により、頭部hが車両後方向cbへ移動すべく、車両前方向cfに移動したヘッドレスト3を車両後方向cbに押圧する。このときの反作用力F’(図7参照)によって、揺動支点23を中心とした揺動フレーム21の回転r2に伴ってヘッドレスト3は車両後方向cbに移動しようとするが、受圧パイプ25が前側中央パッド41を介して乗員Pの背中bに当たっているため、ヘッドレスト3の車両後方向cb移動は抑制される。したがって、反作用力Fによって頭部hを前方移動させ追突衝撃による鞭打ちを回避した頭部hが反作用力F’によって車両後方向cbに移動し、鞭打ちとなることを防止できる。
このように、アクティブヘッドレスト機構を備えた車両用シート装置1において、乗員Pが着座した状態で車両後方向cbから追突され、追突衝撃が生じた場合には、隙間sがなくなり、対向面46aと平面部分21baとが密着状態となる硬質フェルト板46と水平受圧部21bによって、反作用力Fを効率的に、揺動フレーム21に入力することができる。
また、反作用力Fが効率よく入力された揺動フレーム21は揺動支点23を中心に回転r1して、上水平部21aが前方移動するが、内側面41aに備えた後上側パッド43に上水平部21aが入り込むため、十分な上水平部21aの前方移動量を確保することができる。
さらにまた、十分な上水平部21aの前方移動に伴って、上水平部21aと上部フレーム11aとの中心間距離Lが広がり、シートバックパッド40のシートバックパッド上部40aが大きく変形しようとするが、後上側パッド43の左右両縁部に縦方向の変形許容スリット47をそれぞれ備えているため、シートバックパッド40が容易に変形することができる。
したがって、上水平部21aと上部フレーム11aとを一体的に囲繞するシートバックパッド40によって上水平部21aの前方移動の移動抵抗が増加することなく、スムーズに上水平部21aを前方移動させることができる。
このため、有効的にヘッドレスト3を車両前方向cfへ移動させて、追突衝撃による鞭打ちを効果的に防ぐことができる。さらには、初期の追突衝撃による鞭打ちを防止すべくヘッドレスト3を移動させたが、後半の追突衝撃によって頭部hがヘッドレスト3を車両後方向cbへ移動させようとした挙動が生じた場合には、前側中央パッド41を介して受圧パイプ25が乗員Pの背中bに当たり、ヘッドレスト3が車両後方向cbへ移動することを防止できるため、鞭打ちとなることを防止できる。
なお、後上側パッド43の左右両縁部に縦方向に配置した変形許容スリット47の場合、アクティブなヘッドレストの作動性向上のための部品を増やすことなく、経済性に優れた方法で、乗員Pが鞭打ちになることを防止できる。
また、後上側パッド43の左右両縁部に、変形許容スリット47を備えたことにより、シートバックパッド上部40aが容易に変形でき、上水平部21aの車両前方向cfの移動をスムーズにすることができるが、変形許容スリット47を揺動フレーム21の縦方向部材の幅方向Wの外側で側部パッド42の高さの半分程度のスリットで形成しているため、通常時の骨組み10aへの装着状態において、シートバックパッド40がグラグラすることなく、安定した状態で装着することができる。
なお、本実施例において変形許容スリット47は、後上側パッド43を貫通するスリットで構成したが、あらかじめ切れ目だけが施され、負荷によって切り欠かれる半スリットで構成してもよい。また、例えばゴムシートのような変形性能の高い伸縮性部材を変形許容スリット47の代わりにもうけてもよい。
また、前側中央パッド41、側部パッド42、後上側パッド43及び上面パッド44で構成するシートバックパッド40は、発泡成型により一体成形され、変形許容スリット47を有するため、成型時において、一体成形されたシートバックパッド40を型から取り外す離型性を向上することができ、シートバックパッド40の成形が容易となり、シートバックパッド40の生産性が向上し、生産コストを低減することができる。
また、上下方向の上下方向仕切り45aで仕切られ、前記揺動フレーム21の上水平部21aの配設方向に配置された3つの凹部45によれば、凹部45に幅方向Wに所定間隔を隔てた上下方向の仕切が存在するため、上水平部21aの移動量を十分に確保しながら、通常時の凹部による変形を抑えることができるため、乗員Pの座り心地が低下することを防止できる。
詳しくは、上下方向仕切り45aを備えず、幅方向Wに連続する一体的な凹部で形成した場合、その凹部のクッション性が低下し、座り心地及び耐久性が低下する。これに対し、本実施例においては縦方向の上下方向仕切り45aを備えたことにより、凹部45の形状保持性が向上するため、凹部45を備えたことによる座り心地及び耐久性の低下を防止することができる。
また、シートバックパッド40を発泡ウレタン樹脂等の発泡成型で形成するため、上下方向の上下方向仕切り45aによって原料となる発泡性樹脂の充填性が向上するため、シートバックパッド40の成形が容易となる。
なお、凹部45を内側面41aをへこませて形成したが、凹部45部分にシートバックパッド40より強度の低い低強度発泡性樹脂等を埋設して構成してもよい。
次に、このように構成した本実施形態の作用効果について説明する。
この実施形態では、前記シートバックパッド40の前側中央パッド41の裏面側、すなわち骨組み10aに対向する内側面41aにおける、前記揺動フレーム21の水平受圧部21bが当接可能部分に、当該シートバックパッド40より硬質な硬質フェルト板46を備え、前記水平受圧部21bと前記硬質フェルト板46との間には、前記乗員Pが着座しない通常状態において離間し、前記乗員Pの着座状態において接近または当接する隙間sを設けている。
上記構成によれば、前記乗員Pの着座状態において、前記水平受圧部21bに接近または当接する前記硬質フェルト板46によって、前記乗員Pによる反作用力Fを前記水平受圧部21bに入力して前記揺動フレーム21を介してヘッドレスト3を移動させることができる。
また、シートバックパッド40より硬質な硬質フェルト板46と水平受圧部21bとの間に設定された隙間sにより、乗員Pの着座時の快適性(異物感の防止)を確保しながら、追突時の乗員Pからの荷重入力を硬質な硬質フェルト板46を介して早期に水平受圧部21bに伝達でき、アクティブなヘッドレスト3の作動を達成することができる。
このため、追突による衝撃荷重が伝達された場合において、衝撃荷重によって揺動フレーム21とともにヘッドレスト3を確実に移動させ、乗員Pが鞭打ちになることを防止できるとともに、硬質フェルト板46を備えたことによる座り心地の低下を防止することができる。
なお、初期の追突衝撃による反作用力Fを効果的に入力するためには、水平受圧部21bを乗員Pに近づける、すなわち車両前方向側に配置することが望まれるが、その場合、硬い水平受圧部21bが乗員Pの腰部wにあたり、座り心地が悪くなる。
この点、この実施形態形態では、前側中央パッド41と水平受圧部21bとの間に、揺動フレーム21と前側中央パッド41との間に強度の硬質フェルト板46を配置したことにより、水平受圧部21bの前に配置することと同様に、反作用力Fを効果的に入力することができる。
さらに、対向面46aと平面部分21baとが乗員Pの着座状態で接触するよう、通常状態で隙間sを設定したことにより、前側中央パッド41より硬い硬質フェルト板46を水平受圧部21bとの間に介在させたことによる座り心地の悪化を防止している。
また、この実施形態では、前記硬質フェルト板46を、可撓性を有する板状の硬質フェルト材で構成し、前記水平受圧部21bに対向する部分に、対向面46aを形成している。
上記構成によれば、前記硬質フェルト板46が反作用力Fを入力する背中bの形状に応じて変形することができる。このため、着座時の快適性(異物感の防止)を保ちながら、荷重伝達性を確保できる。
また、前記硬質フェルト板46の前記水平受圧部21bに対向する部分に、対向面46aを形成したため、乗員Pからの反作用力Fを水平受圧部21bに効率よく伝達することができる。したがって、ヘッドレスト3を効率よく移動させることができる。
また、この実施形態では、前記硬質フェルト板46を、前記シートバックパッド40に埋設している。
上記構成によれば、背中bに直接接しているシートバックパッド40と一体的であるため、反作用力Fを入力された際に、着座時の快適性(異物感の防止)を保ちながら、荷重伝達性を確保できる。したがって、ヘッドレスト3を効率よく移動させることができる。
また、この実施形態では、前記硬質フェルト板46の前記対向面46aを、前記水平受圧部21bの平面部分21baより広く形成している。
上記構成によれば、反作用力Fの入力によって可動する水平受圧部21bに対し、安定且つ確実に荷重を伝達することができる。したがって、ヘッドレスト3を確実に移動させることができる。
詳しくは、図7のc部拡大端面図に示すように反作用力Fの入力により揺動支点23を中心として揺動フレーム21は枢動し、その揺動フレーム21の枢動によって、硬質フェルト板46の対向面46aと、水平受圧部21bの平面部分21baとの高さ方向の相対位置が変わりながら反作用力Fが伝達される。しかし、に対して2倍程度の高さとなるように硬質フェルト板46を形成しているため、確実に反作用力Fを伝達することができる。
また、硬質フェルト板46を含浸性のある硬質フェルト材で構成し、シートバックパッド40の発泡成型時に一体的に埋め込んでいるため、例えば接着剤等の別材料や、接着行程のような別工程を必要とせず、硬質フェルト板46を埋設できるため、硬質フェルト板46をもうけたことによる製造コストの増加等を抑制することができる。
また、シートバックパッド40の発泡樹脂が硬質フェルト板46内部に含浸するため、元々の硬質フェルト材より硬い硬質フェルト板46を構成することができる。なお、本実施例において、硬質フェルト板46を含浸性のある硬質フェルト材で構成したが、含浸性があるとともに、可撓性があればよく、例えば発泡性硬質樹脂で構成してもよい。
以上、この発明の構成と前述の実施形態との対応において、
この発明の後方荷重は、反作用力F,F’に対応し、
以下、同様に、
受圧部材は、水平受圧部21bに対応し、
可動アームは、揺動フレーム21に対応し、
シートバックパッドの裏面側は、内側面41aに対応し、
伝達部材は、硬質フェルト板46に対応し、
伝達面は、対向面46aに対応し、
受圧面は、平面部分21baに対応し、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、ベンチシートタイプのシートで実施してもよいし、子供用シートで実施してもよい。
車両用シート装置の全体斜視図。 シートバックを支持する骨組みの正面図。 シートバックにおける幅方向中央付近の縦断面図。 シートバックパッドの前後方向中央付近からの背面図。 シートバックパッドの背面図。 車両用シート装置に乗員が座った状態の説明図。 アクティブヘッドレスト機構が作動した状態の説明図。
符号の説明
1…車両用シート装置
2…シートクッション
3…ヘッドレスト
10…シートバック
11…シートバックフレーム
21…揺動フレーム
21b…水平受圧部
21ba…平面部分
40…シートバックパッド
41a…内側面
46…硬質フェルト板
46a…対向面
F,F’…反作用力
P…乗員
s…間隔

Claims (4)

  1. 乗員が座るシートクッションと、シートバックとで構成し、
    該シートバックを、
    シートバックフレームと、
    該シートバックフレームに装着する発泡成形したシートバックパッドと、
    前記シートバックフレームに対して可動可能に取付けられ、前記乗員による後方荷重を受ける受圧部材を有する可動アームとで構成し、
    前記乗員による後方荷重を前記受圧部材で受けることによって移動する前記可動アームの上部にヘッドレストを支持する車両用シート装置において、
    前記シートバックパッドの裏面側における、前記可動アームの受圧部材が当接可能部分に、当該シートバックパッドより硬質な伝達部材を備え、
    前記受圧部材と前記伝達部材との間に、
    前記乗員が着座しない通常状態において離間し、前記乗員の着座状態において接近または当接する隙間を設けた
    車両用シート装置。
  2. 前記伝達部材を、可撓性を有する板状の硬質フェルト材で構成し、
    前記受圧部材に対向する部分に、伝達面を形成した
    請求項1に記載の車両用シート装置。
  3. 前記伝達部材を、
    前記シートバックパッドに埋設した
    請求項2に記載の車両用シート装置。
  4. 前記伝達部材の前記伝達面を、
    前記受圧部材の受圧面より広く形成した
    請求項2または3に記載の車両用シート装置。
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