JPWO2012001978A1 - 不揮発性記憶素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

抵抗値のばらつきを抑制することが可能な抵抗変化型の不揮発性記憶素子の製造方法を提供する。基板(11)上に下部電極層(2)を形成する工程と、下部電極層(2)上に抵抗変化層(3)を形成する工程と、抵抗変化層(3)上に上部電極層(4)を形成する工程と、上部電極層(4)上にハードマスク層(5)を形成する工程と、ハードマスク層(5)上にフォトレジストマスク(6)を形成する工程と、フォトレジストマスク(6)を用いてハードマスク層(5)をエッチングしてハードマスク(5’)を形成する工程と、ハードマスク(5’)を用いて上部電極層(4)と抵抗変化層(3)と下部電極層(2)をエッチングして不揮発性記憶素子(1)を形成する工程とを含み、フォトレジストマスク(6)を形成する工程では、平面形状における角部をフォトレジストマスク(6)の中央部側へ後退させた形状のフォトレジストマスク(6)を形成する。

Description

本発明は、抵抗変化型の不揮発性素子及びその製造方法に関する。
近年、記憶材料として、化学量論的組成(stoichiometric composition)の遷移金属酸化物に対して酸素が不足(ノンストイキオメトリ)した遷移金属酸化物で構成される抵抗変化材料を用いた、抵抗変化型の不揮発性記憶素子が提案されている。このような不揮発性記憶素子は、上部電極層と、下部電極層と、それら上部電極層と下部電極層とに挟まれた抵抗変化層とを備えており、上部電極層と下部電極層との間に電気パルスを印加することによって、抵抗変化層の抵抗値が可逆的に変化する。それ故、この抵抗値に情報を対応させることにより、当該情報を揮発しないようにして記憶することができる(例えば、特許文献1)。このような抵抗変化型の不揮発性記憶素子は、フローティングゲートを用いたフラッシュメモリに比べて、微細化、高速化、低消費電力化を図ることができると期待されている。
特開2007−235139号公報
しかしながら、上記した従来の抵抗変化型の不揮発性記憶素子においては、抵抗変化層や電極等の膜厚や膜組成、およびリソグラフィ後のフォトレジストマスクの寸法や形状から予想される抵抗値が、予想されるばらつき以上に抵抗値がばらつくという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、抵抗値のばらつきを抑制することが可能な抵抗変化型の不揮発性記憶素子の製造方法等を提供することを目的としている。
上記課題を解決すべく、本発明者は鋭意検討し、抵抗値がばらつく原因を究明した。
その結果、本発明者らは、上述した従来の抵抗変化型の不揮発性記憶素子において抵抗値がばらつく一因が、後述のとおり、不揮発性記憶素子の形成時のドライエッチングにおけるエッチングダメージにあると考えた。本発明はこのような知見に基づいてなされたものである。
つまり、本発明の不揮発性記憶素子の製造方法の一形態は、抵抗変化型の不揮発性記憶素子の製造方法であって、基板上に下部電極層を形成する工程と、前記下部電極層上に遷移金属酸化物で構成される抵抗変化層を形成する工程と、前記抵抗変化層上に上部電極層を形成する工程と、前記上部電極層上にハードマスク層を形成する工程と、前記ハードマスク層上にフォトレジストマスクを形成する工程と、前記フォトレジストマスクを用いて、前記ハードマスク層をエッチングして、ハードマスクを形成する工程と、前記ハードマスクを用いて、前記上部電極層と前記抵抗変化層と前記下部電極層とを、酸素欠損抑制ガスを含有するエッチングガスでエッチングして、前記上部電極層と前記抵抗変化層と前記下部電極層とで構成される不揮発性記憶素子を形成する工程とを含み、前記抵抗変化層は、酸素含有量の変化により抵抗値が変化し、かつ、前記エッチングガスが酸素欠損抑制ガスを含有しない場合、エッチングした前記抵抗変化層の酸素含有量が変動する特性を有し、前記不揮発性記憶素子を形成する工程では、前記酸素欠損抑制ガスを含有する前記エッチングガスを用いたエッチングによって、前記抵抗変化層の側壁部に前記酸素欠損抑制ガスを構成する成分が付着し、前記フォトレジストマスクを形成する工程では、平面形状における角部を当該フォトレジストマスクの中央部側へ後退させた形状のフォトレジストマスクを形成する。
このような方法とすることにより、平面形状における角部を中央部側へ後退させた形状のフォトレジストマスクを用いてハードマスクを形成し、さらに、そのハードマスクを用いて不揮発性記憶素子が形成されるので、不揮発性記憶素子の平面形状は、90°の角度を有するような角部がない丸みをもつ形状となり、抵抗変化層のエッチングされる量の差の不均一性が低減される。さらに、エッチングガスに酸素欠損抑制ガスが含まれているので、エッチング端面での抵抗変化層の酸素含有量の変動も低減され、抵抗変化層へのエッチングダメージの不均一性は低減される。そのため、不揮発性記憶素子の抵抗値ばらつきを低減することができ、抵抗値の初期動作、動作特性にばらつきのない高品質の不揮発性記憶素子を実現することができる。
また、前記フォトレジストマスクを形成する工程では、フォトリソグラフィ時のコヒーレンスファクタを1未満とし、レチクルに描画されている四角形の形状を被露光領域に投影することで、前記フォトレジストマスクを形成するのが好ましい。より好ましくは、前記フォトレジストマスクを形成する工程では、フォトリソグラフィ時のコヒーレンスファクタを0.5未満とし、レチクルに描画されている四角形の形状を被露光領域に投影することで、前記フォトレジストマスクを形成する。
このような方法とすることにより、高次の回折光がレンズに捕らわれなくなり、レチクルに描画されているパターン情報が欠如し、パターン忠実度は低下する。それにより、レチクルに描画されている形状が四角形であっても、四角形の角部の情報が欠如され、フォトレジストマスクの基板上面方向から見た形状(平面形状)は円形に近づき、フォトレジストマスクの角部は丸みをもつ。その結果、形状の不均一性は低減され、抵抗変化層の周辺のエッチング端面におけるエッチングプラズマの入射角度の差が小さくなる。そのため、抵抗変化層のエッチング端面においてエッチングされる量の差(フォトレジストマスク寸法からの寸法差)が小さくなる。それにより、従来から使用している四角形が描画されているレチクルを用いてフォトリソグラフィを行っても、抵抗変化層のエッチング端面に印加されるエッチングダメージの不均一性は低減され、抵抗値のばらつきを低減することができ、抵抗値の初期動作、動作特性にばらつきのない高品質の不揮発性記憶素子を低コストに実現することができる。
また、前記フォトレジストマスクを形成する工程では、2つの隣接する端面が成す角度が90度より大きい形状が描画されたレチクルを用いたフォトリソグラフィによって、前記フォトレジストマスクを形成してもよい。
ここで、2つの面が接する角度が90度より大きい形状とは、例えば、図4Aに示すような六角形や、図4Bに示すような八角形のような、2つの面が成す角度が90度より大きい多角形の形状である場合や、図4Cに示すような、隣接する外形線を曲線で結んで角に丸みをもたせた形状であることを示す。
このような方法とすることにより、フォトリソグラフィ時にコヒーレンスファクタσを1としても、フォトレジストマスクの基板上面方向から見た形状(平面形状)は円形に近づく。これにより、レチクルに描画されているパターン情報をより忠実に転写することが可能であるので、高解像度が必要な微細パターンを忠実に形成することができ、デバイス設計が容易になる。
また、前記抵抗変化層を形成する工程では、タンタル酸化物TaO(0<x<2.5)を用いて前記抵抗変化層を形成するのが好ましい。さらに、前記上部電極層を形成する工程では、白金、イリジウム、及びパラジウムのいずれかを用いて、前記上部電極層を形成するのが好ましい。
このような構成とすることにより、動作の高速性に加えて可逆的に安定した書き換えが可能な特性と良好なリテンション特性とを有する不揮発性記憶素子を実現することができる。
さらに、前記ハードマスク層を形成する工程では、窒化アルミニウムチタンを用いて、前記ハードマスク層を形成するのが好ましい。
このような方法とすることにより、上部電極層、抵抗変化層および下部電極層をエッチングする工程において、上部電極層に難エッチング材料である白金、イリジウム、及びパラジウムのいずれかを用いても、ArとClとOの混合ガスを用いることにより、上部電極層のエッチングレートをハードマスク層のエッチングレートの約7.5倍とすることが可能であり、上部電極層、抵抗変化層および下部電極層をエッチングするマスク層として十分機能し、安定した形状の抵抗変化素子を形成することができる。
なお、本発明は、不揮発性記憶素子の製造方法として実現できるだけでなく、不揮発性記憶素子としても実現できる。その不揮発性記憶素子の一形態は、抵抗変化型の不揮発性記憶素子であって、基板上に形成された下部電極層と、前記下部電極層上に形成された遷移金属酸化物で構成される抵抗変化層と、前記抵抗変化層上に形成された上部電極層とを備え、前記上部電極層と前記抵抗変化層と前記下部電極層とは、いずれも、平面形状における角部を中央部側へ後退させた形状を有し、前記抵抗変化層の側壁部には、前記上部電極層と前記抵抗変化層と前記下部電極層と形成するのに用いられたエッチングガスに含有されていた酸素欠損抑制ガスを構成する成分が付着している。なお、一例として、前記抵抗変化層の側壁部には、前記酸素欠損抑制ガスを構成する成分として、臭素化合物が付着している。
これにより、前記上部電極層と前記抵抗変化層と前記下部電極層の平面形状は、いずれも、90°の角度を有する角部がない丸みをもつ形状であり、抵抗変化層のエッチングされる量の差の不均一性が低減される。さらに、エッチングガスに含有されていた酸素欠損抑制ガスが抵抗変化層の側壁に付着しているので、エッチング端面での抵抗変化層の酸素含有量の変動も低減される。よって、抵抗変化層へのエッチングダメージの不均一性が低減され、これにより、不揮発性記憶素子の抵抗値ばらつきが低減され、抵抗値の初期動作、動作特性にばらつきのない高品質の不揮発性記憶素子が実現される。
本発明の不揮発性記憶素子及びその製造方法は、抵抗変化層の周辺部においてエッチングされる量の不均一性が低減され、かつ、酸素欠損抑制ガスによるエッチング端面での抵抗変化層の酸素含有量の変動も低減されるので、抵抗変化層へのエッチングダメージの不均一性は低減される。そのため、不揮発性記憶素子の抵抗値ばらつきは低減することができ、抵抗値の初期動作、動作特性にばらつきのない高品質の不揮発性記憶素子を実現することができる。
よって、本発明により、ばらつきのない高品質の不揮発性記憶装置が実現され、デジタル家電、メモリカード、携帯型電話機、及びパーソナルコンピュータなどの、不揮発性記憶装置を利用した種々の電子機器が普及してきた今日における本発明の実用的価値は極めて高い。
図1は、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の構成を示す断面図である。 図2Aは、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の製造方法の工程を示す断面図である。 図2Bは、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図2Cは、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図3は、一般的な縮小投影露光装置を示す概略図である。 図4Aは、本発明に係るレチクルに描画されている形状の一例を示す図である。 図4Bは、本発明に係るレチクルに描画されている形状の他の一例を示す図である。 図4Cは、本発明に係るレチクルに描画されている形状の他の一例を示す図である。 図5Aは、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図5Bは、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図5Cは、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図6Aは、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図6Bは、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図7Aは、本発明の実施の形態に係るフォトレジストマスクを基板上面から観察したSEM像を示す図である。 図7Bの(a)は、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶素子を基板上面から観察したSEM像に上部電極層と抵抗変化層と下部電極層を示す図である。図7Bの(b)は、図7Bの(a)をI−I’線での断面を矢印方向に見た断面図である。 図8Aは、本発明の実施の形態の別の実施例に係るフォトレジストマスクを基板上面から観察したSEM像を示す図である。 図8Bの(a)は、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶素子を基板上面から観察したSEM像に上部電極層と抵抗変化層と下部電極層を示す図である。図8Bの(b)は、図8Bの(a)をII−II’線での断面を矢印方向に見た断面図である。 図9は、不揮発性記憶素子に用いたTaO表面をXPS分析によって分析した元素量を示すグラフである。 図10は、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の抵抗分布を示す図である。 図11Aは、フォトレジストマスクの平面形状の効果とエッチングガスに含有させる酸素欠損抑制ガスの効果とを確認する実験の結果を示すグラフである。 図11Bは、図11Aに示される実験における条件を示す図である。 図12は、従来例における不揮発性記憶装置の構成を示す要部断面図である。 図13Aは、従来の不揮発性記憶装置の製造方法の工程を示す断面図である。 図13Bは、従来の不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図13Cは、従来の不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図14Aは、従来の不揮発性記憶装置の製造方法の工程を示す断面図である。 図14Bは、従来の不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図14Cは、従来の不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図15Aは、従来の不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図15Bは、従来の不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図16Aは、角部のエッチング端面に対するプラズマの入射角を示す模式図である。 図16Bは、円形部のエッチング端面に対するプラズマの入射角を示す模式図である。 図16Cは、直線部のエッチング端面に対するプラズマの入射角を示す模式図である。
本発明者らは、不揮発性記憶素子の抵抗値のばらつきを抑制すべく鋭意検討を重ねた結果、不揮発性記憶素子の形成時のドライエッチングにおけるエッチングダメージが抵抗値のばらつきの一因であると推定し、本発明を完成した。以下に、発明者らの検討によって得られた知見について説明し、その後に本発明の実施の形態について説明する。
図12は従来の抵抗変化型不揮発性記憶装置の構成を示す断面図である。図12に示すように、従来の抵抗変化型不揮発性記憶装置200は、基板211上に第1の配線212が形成され、基板211の表面と第1の配線212を覆うように第1の層間絶縁層214が形成されている。
第1の層間絶縁層214上には不揮発性記憶素子201が形成されている。具体的には、第1の配線212と電気的に接続するための第1のコンタクトプラグ215が形成され、第1の層間絶縁層214上に第1のコンタクトプラグ215と接続するための下部電極層202が形成されている。また、下部電極層202上には抵抗変化層203が形成され、抵抗変化層203上には上部電極層204が形成されている。つまり、上部電極層204と下部電極層202との間に抵抗変化層203が挟まれており、これら上部電極層204、抵抗変化層203および下部電極層202にて不揮発性記憶素子201が構成されている。
そして、不揮発性記憶素子201と第1の層間絶縁層214とを覆うように第2の層間絶縁層219が形成され、その第2の層間絶縁層219を貫通し上部電極層204と接続するための第2のコンタクトプラグ216が形成されている。第2の層間絶縁層219上には第2のコンタクトプラグ216と接続するための第2の配線218が形成されている。
このように構成された従来の不揮発性記憶装置200において、その製造方法は以下の通りである。
まず、図13Aに示す工程において、基板211上に第1の配線212を形成し、続いて、基板211の表面と第1の配線212を覆うように第1の層間絶縁層214を形成し、その後、第1の層間絶縁層214を貫通し第1の配線212と接続するための第1のコンタクトプラグ215を形成する。
次に、図13Bに示す工程において、第1のコンタクトプラグ215を被覆するように第1の層間絶縁層214上に、不揮発性記憶素子201を構成する下部電極層202、抵抗変化層203、上部電極層204をこの順に形成する。さらに、その上にハードマスク層205を形成する。なお、ここでは、所定のパターン形状にエッチングされた状態だけではなく、成膜した状態をも含めて、下部電極層202、抵抗変化層203、上部電極層204およびハードマスク層205と呼ぶ。
次に、図13Cに示す工程において、通常の露光プロセス及び現像プロセスによりフォトレジストマスク206を所定の形状パターン(四角形)に形成する。
次に、図14Aに示す工程において、ドライエッチングによりハードマスク層205を所定のパターン形状に形成し、ハードマスク205’を形成する。
次に、図14Bに示す工程において、ハードマスク205’を用いたドライエッチングにより、上部電極層204、抵抗変化層203および下部電極層202を所定のパターン形状に形成し、その後にハードマスク205’を除去する。これにより、上部電極層204、抵抗変化層203および下部電極層202で構成される不揮発性記憶素子201が形成される。
次に、図14Cに示す工程において、第1の層間絶縁層214上と、上部電極層204、抵抗変化層203および下部電極層202を被覆するように第2の層間絶縁層219を堆積した後に、CMP平坦化プロセスにより第2の層間絶縁層219を平坦化する。
次に、図15Aに示す工程において、不揮発性記憶素子201の上部電極層204と接続する第2のコンタクトプラグ216を形成する所定の位置に第2の層間絶縁層219を貫通し、上部電極層204に至るように第2のコンタクトプラグ開口部216Aを形成する。
次に、図15Bに示す工程において、第2のコンタクトプラグ開口部216Aに第2のコンタクトプラグ216を埋め込み形成する。次に、第2の層間絶縁層219の上面に第2のコンタクトプラグ216に接続される第2の配線218を形成する。
このようにして、製造された従来の複数の不揮発性記憶装置200の下部電極層202と上部電極層204との間に電圧を印加し抵抗値を測定すると、複数の不揮発性記憶装置200における抵抗値は非常にばらつきが大きかった。この原因を調査した結果、図13Cに示す工程(フォトレジストマスク206の形成工程)、図14Aに示す工程(ハードマスク205’の形成工程)、および図14Bに示す工程(不揮発性記憶素子201の形成工程)にばらつきを増加させる要因があると推察した。以下、この点について説明する。
図16Aから図16Cは被エッチング体300のエッチング端面形状の違いによるエッチング中のプラズマの入射角を示す模式図である。
図16Aは被エッチング体300が90°の角部を有する平面形状である場合の模式図であり、矢印は角部のエッチング端面301へのプラズマの入射方向、およびθは入射角範囲を示している。図16Bは被エッチング体300が曲線を有する平面形状である場合の模式図であり、矢印は曲線部のエッチング端面302へのプラズマの入射方向、およびθは入射角範囲を示している。また、図16Cは被エッチング体300が直線を有する平面形状である場合の模式図であり、矢印は直線部のエッチング端面303へのプラズマの入射方向、およびθは入射角範囲を示している。
図16Aに示す90°の角度を有する角部のエッチング端面301へのプラズマの入射角範囲θは270°であり、図16Bに示す曲線部のエッチング端面302へのプラズマの入射角は180°であり、図16Cに示す直線部のエッチング端面303へのプラズマの入射角は180°である。このことから、被エッチング体300の平面形状によってプラズマの入射角範囲は異なり、プラズマの入射角範囲は角部のエッチング端面301の方が、曲線部のエッチング端面302または直線部のエッチング端面303よりも大きいことがわかる。プラズマの入射角範囲が大きいということは、プラズマの入射してくる範囲が広くなるので、エッチングされる量が多くなり、それによるエッチングダメージが大きくなることにつながる。
一般的にドライエッチングでは、ドライエッチングされたエッチング端面にはエッチングダメージが生じる。エッチングダメージとは、例えば、酸化物を被エッチング体とするドライエッチングではエッチングガスによる還元作用により酸化物から酸素が脱離し、酸化物のエッチング端面の抵抗値が変動することや、ドライエッチングに用いるエッチングガスに例えばフッ素系ガスを含む混合ガスを用いることに起因して、エッチング中にエッチング端面からフッ素が酸化物に打ち込まれ、酸化物のエッチング端面の抵抗値が変動することである。
また、このエッチングダメージは、被エッチング体のエッチング端面形状によってもエッチングダメージの入り方(ダメージの大きさ)が異なる。
従来の不揮発性記憶素子201においては、不揮発性記憶素子201を形成するフォトレジストマスク206の形状が基板上面方向からみて四角形である平面形状を用いているため、ドライエッチング工程において図16Aに示すような角部ではドライエッチング量が多くなり、不揮発性記憶素子201の周辺におけるエッチング端面においてエッチング量が不均一になる。それにより、不揮発性記憶素子201へのエッチングダメージの大きさも周辺で不均一になる。そのため、不揮発性記憶素子201の抵抗値が不揮発性記憶素子により変動する(つまり、ばらつく)。
さらに、本発明者らは、エッチングガスにエッチング端面の酸素欠損を抑制する作用のあるガス(例えば、酸化を促進させる酸素ガス、側壁を保護する作用のある臭化水素(HBr)ガスや三フッ化メタン(CHF)ガス)を用いることで、不揮発性記憶素子の抵抗値のばらつきを低減できる効果を見出している。このような酸素欠損を抑制するガスをエッチングガスとして用いる場合、エッチング端面においてエッチング量が多くなれば、酸素欠損の抑制効果はエッチング端面で不均一になる。つまり、エッチング端面においてエッチング量が多くなることで、例えば、酸化を促進させてもエッチングされる量が多いため、酸素欠損状態のままになったり、側壁保護ガスが付着しても保護ガス自体がエッチングされてしまうため、酸素欠損の抑制効果はエッチング端面で不均一になったりして、エッチングダメージの大きさも周辺で不均一になり効果は低下する。
ここで、保護ガスの一例としての臭化水素(HBr)について説明する。抵抗変化層のエッチング端面にはエッチングプラズマ中で分解された臭素と反応して形成された臭素化合物等の生成物が付着することにより、エッチングガスによる酸素脱離や不純物の打込みを抑制することができる。そのため、抵抗変化層へのエッチングダメージを低減させることができる。よって、不揮発性記憶素子の特性ばらつきを低減することができ、抵抗値の初期動作、特性にばらつきのない高品質の不揮発性記憶素子を実現することができる。
さらに、臭化水素は比較的安定したガスであり、酸化物に対して反応性が乏しくエッチングレートが遅い。そのため、金属酸化物である抵抗変化層をエッチングすることがない。つまり、臭化水素ガスは、エッチングダメージを与えないでエッチング端面を保護する役割のみを果たす。なお、臭化水素ガスは、一般的な半導体プロセスに非常によく使用されているガスである。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものである。ただし、本発明は、上記説明におけるプロセス、材料、条件等に限定されるものではない。
以下、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶素子について、図面を参照しながら説明する。なお、図面において同じ符号が付いたものは、説明を省略する場合がある。また、図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状などについては正確な表示ではなく、その個数等についても図示しやすい個数としている。つまり、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
[不揮発性記憶装置の構成]
図1は、本実施の形態に係る不揮発性記憶装置10の構成図である。なお、不揮発性記憶装置10は、本発明に係る不揮発性記憶素子に周辺の構成要素を含めた装置である。図1に示すように、本実施の形態の不揮発性記憶装置10は、基板(例えば、シリコン基板)11上にソース層およびドレイン層12、ならびにゲート層13で構成されるトランジスタ20が形成されている。さらに、基板11の表面には、ソース層およびドレイン層12、並びにゲート層13を覆うように第1の層間絶縁層(例えば、SiO)14が形成されている。
第1の層間絶縁層14上には不揮発性記憶素子1が形成されている。具体的には、ソース層およびドレイン層12の一方と電気的に接続するための第1のコンタクトプラグ15が形成されており、第1の層間絶縁層14上には第1のコンタクトプラグ15と接続する下部電極層2が形成されている。また、下部電極層2上には抵抗変化層3が形成され、抵抗変化層3上に上部電極層4が形成されている。つまり、上部電極層4と下部電極層2との間に抵抗変化層3が挟まれており、これら上部電極層4、抵抗変化層3、および下部電極層2にて、本発明に係る不揮発性記憶素子1が構成されている。
そして、不揮発性記憶素子1と第1の層間絶縁層14とを覆うように第2の層間絶縁層(例えばSiO)19が形成され、第2の層間絶縁層19を貫通して上部電極層4と接続するための第2のコンタクトプラグ16が形成されている。また、第1の層間絶縁層14と第2の層間絶縁層19とを貫通し、ソース層およびドレイン層12の他方に接続するための第3のコンタクトプラグ17が形成されている。第2の層間絶縁層19上には、第2のコンタクトプラグ16と接続するための第2の配線層18b、および第3のコンタクトプラグ17と接続するための第1の配線層18aが形成されている。第1の配線層18a及び第2の配線層18bで、配線層18を構成している。第1、第2および第3のコンタクトプラグ15、16、17は、ソース層およびドレイン層12の一方と下部電極層2との間、上部電極層4と配線層18bとの間、あるいはソース層およびドレイン層12の他方と配線層18aとの間の電気的接続をそれぞれとるために導電性材料で構成すればよく、例えば、タングステン(W)を用いることができる。
以下に、上述した不揮発性記憶素子1について、詳細に説明する。
図1に示すように本実施の形態の不揮発性記憶素子(抵抗変化素子)1は、上部電極層4と下部電極層2の2つの電極に挟持された抵抗変化層3で構成される。ここで、不揮発性記憶素子1の抵抗変化層3は、例えば酸素不足型の遷移金属酸化物で構成される。酸素不足型の遷移金属酸化物とは、遷移金属をM、酸素をOとして遷移金属酸化物をMOと表記した場合に、酸素Oの組成xが化学量論的に安定な状態(その場合、通常は絶縁体となる)よりも少ない組成の酸化物である。酸素不足型の遷移金属酸化物は各種の遷移金属を用いた酸化物を用いることができるが、例えば、タンタル酸化物(TaO、0<x<2.5)やハフニウム酸化物(HfO、0<x<2.0)で構成される抵抗変化層を用いることにより、可逆的に安定した書き換え特性を有する、抵抗変化現象を利用した不揮発性記憶素子を得ることができる。これらについては、本件出願人は既に関連の特許出願として出願を行っており、タンタル酸化物については国際公開第2008/059701号(特許文献2)にて、ハフニウム酸化物については国際公開第2009/050861号(特許文献3)にて詳細に説明している。
なお、図1においては、抵抗変化層3は1層で形成した場合を示しているが、酸素不足型の遷移金属酸化物は高濃度酸素含有層と低濃度酸素含有層の2層を少なくとも含んでいてもよい。このような遷移金属酸化物を2層の積層構造にて形成した形態については、本件出願人は既に関連の特許出願を行っており、タンタル酸化物の積層構造については国際公開第2008/149484号(特許文献4)にて詳細に説明している。
酸素不足型の遷移金属酸化物として、タンタル酸化物を用いた場合は、第1抵抗変化層(TaO、高濃度酸素含有層)の酸素含有率は67.7〜71.4atm%(2.1≦y<2.5)、第2抵抗変化層(TaO、低濃度酸素含有層)の酸素含有率は44.4〜65.5atm%(0.8≦x≦1.9)とする。また、ハフニウム酸化物を用いた場合は、第1抵抗変化層(HfO、高濃度酸素含有層)の酸素含有率は64.3〜66.7atm%(1.8<y<2.0)、第2抵抗変化層(HfO、低濃度酸素含有層)の酸素含有率は47.4〜61.5atm%(0.9≦x≦1.6)とする。何れの場合も、第1抵抗変化層(高濃度酸素含有層)の膜厚は、TaOの場合は1nm以上8nm以下、HfOの場合は3nm以上4nm以下が望ましい。いずれも第1抵抗変化層の膜厚が大きくなると、製造直後に抵抗変化層に印加して、抵抗変化層を、抵抗変化を起こすことができる状態にする初期ブレークに必要な電圧が高くなって、抵抗変化素子と直列に接続された非線形素子(例えばダイオード)を破壊することがあり望ましくない。第1抵抗変化層の酸素含有率を高く設計することにより、第1抵抗変化層が接している電極との界面近傍に電圧がかかりやすくなり、低い電圧で初期ブレークができるため、酸化・還元による抵抗変化を発現しやすくなる。これにより、低電圧での初期ブレークが可能な良好なメモリセル特性を得ることができる。
不揮発性記憶素子1を構成する下部電極層2、上部電極層4には白金、イリジウム、及びパラジウム等の貴金属を用いることができる。白金、イリジウム、及びパラジウムの標準電極電位は、各々、1.18ev、1.16eV、及び0.95eVである。一般に標準電極電位は、酸化されにくさの一つの指標であり、この値が高ければ酸化されにくく、低ければ酸化されやすいことを意味する。電極材料と抵抗変化層を構成する金属との標準電極電位の差が大きいほど抵抗変化現象が起こりやすく、差が小さくなるにつれて、抵抗変化現象が起こりにくくなる。したがって、電極材料に対する抵抗変化材料の酸化のされやすさの度合いが抵抗変化現象のメカニズムに大きな役割を果たしているのではないかと推測される。タンタルの酸化・還元のしやすさを示す標準電極電位は−0.60eV、またハフニウムの標準電極電位は−1.55eVであり、白金、イリジウム、及びパラジウムのそれぞれの標準電極電位よりも低いことから、白金、イリジウム、及びパラジウムのいずれかで構成される下部電極層2または上部電極層4と抵抗変化層3との界面近傍で、タンタル酸化物またはハフニウム酸化物の酸化・還元反応が起こり、酸素の授受が行われて、抵抗変化現象が発現するものと考えられる。
タンタル酸化物またはハフニウム酸化物は、第1の極性(正または負)の絶対値が第1の閾値以上の電圧の印加により、低抵抗状態から高抵抗状態に変化し、第1の極性とは異なる第2の極性(負または正)の絶対値が第2の閾値以上の電圧の印加により、高抵抗状態から低抵抗状態に変化する。つまり、バイポーラ型の抵抗変化特性を示す。第2抵抗変化層(低濃度酸素含有層)に接している電極を基準にして、第1抵抗変化層(高濃度酸素含有層)に接している電極に対して印加する電圧を正とすると、極性が正でかつ第1の閾値以上の電圧を印加することで、低抵抗状態から高抵抗状態に変化する。また、第2抵抗変化層(低濃度酸素含有層)に接している電極を基準にして、第1抵抗変化層(高濃度酸素含有層)に接している電極に対して印加する電圧を負とすると、極性が負でかつ絶対値が第2の閾値以上の電圧を印加することで、高抵抗状態から低抵抗状態に変化する。
さらに、第1抵抗変化層(高濃度酸素含有層)を構成する第1の遷移金属と、第2抵抗変化層(低濃度酸素含有層)を構成する第2の遷移金属とは、異なる材料を用いてもよい。この場合、第1抵抗変化層は、第2抵抗変化層よりも酸素不足度が小さい、つまり抵抗が高い方が好ましい。ここで、酸素不足度とは、それぞれの遷移金属において、その化学量論的組成の酸化物を構成する酸素の量に対し、不足している酸素の割合をいう。例えば、遷移金属がタンタル(Ta)の場合、化学量論的な酸化物の組成はTaであって、TaO2.5と表現できるので、TaO2.5の酸素不足度は0%である。また、TaO1.5の組成の酸素不足型のタンタル酸化物の酸素不足度は、酸素不足度=(2.5−1.5)/2.5=40%となる。
このような積層構造を有する抵抗変化層3とすることにより、抵抗変化時に上部電極層4及び下部電極層2間に印加された電圧は、第1抵抗変化層により多くの電圧が分配され、第1抵抗変化層中で発生する酸化還元反応がより起こりやすくなる。また、第2の遷移金属と第1の遷移金属とが互いに異なる材料を用いる場合、第1の遷移金属の標準電極電位は、第2の遷移金属の標準電極電位より低い方が好ましい。抵抗変化現象は、抵抗が高い第1抵抗変化層中に形成された微小なフィラメント中で酸化還元反応が起こってその抵抗値が変化し、発生すると考えられる。例えば、第2抵抗変化層に、酸素不足型のタンタル酸化物を用い、第1抵抗変化層にチタン酸化物(TiO)を用いることにより、安定した抵抗変化動作が得られる。チタン(標準電極電位=−1.63eV)はタンタル(標準電極電位=−0.6eV)より標準電極電位が低い材料である。第1抵抗変化層に第2抵抗変化層より標準電極電位が低い金属の酸化物を配置することにより、第1抵抗変化層中でより酸化還元反応が発生しやすくなる。
[不揮発性記憶装置の動作]
以上のように構成された本実施の形態に係る不揮発性記憶装置10において、所望の不揮発性記憶素子1に情報の書き込み、読み出しを行う場合には、以下の動作を行う。すなわち、第2の配線層18b(例えばビット線)と、第1の配線層18a(例えばソース線)との間に所定の電圧を印加し、トランジスタ20を構成するゲート層13に接続されたワード線(図示せず)にトランジスタ20の閾値以上の電圧を印加して、トランジスタ20をオンさせ、不揮発性記憶素子1へ抵抗変化するに十分な電圧(極性に応じて絶対値が第1の閾値電圧または第2の閾値電圧以上の電圧)の印加を行う。不揮発性記憶素子1に与える印加電圧の極性や大きさを、上述したように設定することによって、不揮発性記憶素子1を高抵抗状態または低抵抗状態に遷移させることができる。不揮発性記憶素子1の高抵抗状態及び低抵抗状態をそれぞれ「1」及び「0」の情報に対応させて記憶させれば、不揮発性記憶素子1を不揮発性メモリとして機能させることができる。この不揮発性記憶素子1を、二次元状に多数配置し、メモリセルアレイを構成した場合には、情報の書き込み、読み出しをする(選択された)不揮発性記憶素子に関連するワード線、ビット線、及びソース線に所定の電圧を印加すればよい。また、情報の書き込み、読み出しをしない(非選択の)不揮発性記憶素子については、メモリセルアレイを構成している他の不揮発性記憶素子を経由した回り込み電流によるディスターブを抑制するために、関連するワード線、ビット線、及びソース線に所定の電圧を印加して非選択の不揮発性記憶素子への電圧印加をしないようにする必要がある。
以上のように構成した本実施の形態の不揮発性記憶装置10では、不揮発性記憶素子1を形成する際に、不揮発性記憶素子1における周辺部のエッチング端面の後退量が端面の場所に依らずに略同一になるように、角部を後退させた形状(丸みをもつ平面形状)のフォトレジストマスクを形成し、このような特殊な形状のフォトレジストマスクを用いて不揮発性記憶素子1を形成することが特徴である。
[不揮発性記憶装置の製造方法]
以下に、本実施の形態に係る不揮発性記憶装置10の製造方法について説明する。なお、この不揮発性記憶装置10の製造方法には、本発明に係る不揮発性記憶素子1の製造方法が含まれることは言うまでもない。
図2AからC、図5AからC及び図6A、Bは、それぞれ本実施の形態に係る不揮発性記憶装置10の製造方法の工程を示す断面図である。なお、通常の場合、基板上には多数の不揮発性記憶素子1が形成されるが、図面の簡略化のため、ここでは1個の不揮発性記憶素子1のみが図示されている。また、理解しやすいように、一部を拡大して示している。
まず、図2Aに示す工程において、基板11上にゲート層13、ソース層およびドレイン層12を形成後、第1の層間絶縁層14を形成する。さらに、第1の層間絶縁層14を貫通してソース層およびドレイン層12の一方と接続するための第1のコンタクトプラグ15を埋め込み形成する。第1のコンタクトプラグ15としては、例えばタングステン及びバリア膜を用いることができる。
次に、図2Bに示す工程において、第1のコンタクトプラグ15の上面を被覆するように第1の層間絶縁層14、下部電極層2、抵抗変化層3、上部電極層4をこの順に形成し、さらに上部電極層4の上にハードマスク層5を形成する。
ここで、図2Bに示す工程を、より具体的に、以下に説明する。下部電極層2としては窒化タンタル(TaN)を30nm形成する。抵抗変化層3はタンタル酸化物の積層構造とし、TaO(0<x<2.5)で構成される低濃度酸化物層(第2抵抗変化層)を45nm、さらにこの第2抵抗変化層上に上記TaOよりも酸素含有量が多い(あるいは、酸素不足度が小さい)TaO(x<y、例えば2.1≦y<2.5)で構成される高濃度酸化物層(第1抵抗変化層)を5nm形成する。TaOの膜厚は10nm以上あればよい。このとき、抵抗変化層3はTaOを50nm堆積した後に、TaOの上面をプラズマ酸化により酸化処理し、TaOで構成される低濃度酸化物層の上にTaOより酸素含有量が多いTaO(x<y、例えば2.1≦y<2.5)で構成される高濃度酸化物層を5nm形成してもよい。この場合、酸化処理方法はプラズマ酸化に限られることはなく、例えば、酸素雰囲気中の熱処理などの表面を酸化させる効果のある処理をしてもよい。また、TaOを45nm堆積した後に、酸化処理の代わりに、Taを5nm堆積してもよい。上部電極層4としてはイリジウム(Ir)を80nm、ハードマスク層5としては窒化アルミニウムチタン(TiAlN)を100nm形成する。なお、ここでは、パターン形状にエッチングされた状態だけではなく、成膜した状態をも含めて、下部電極層2、抵抗変化層3、上部電極層4およびハードマスク層5と呼んでいる。
次に、図2Cに示す工程において、露光プロセス及び現像プロセス(フォトリソグラフィ)によりフォトレジストマスク6をパターン形成する。
図3は、図2Cに示す工程において使用される縮小投影露光装置(ステッパー)400の構造を示した概略図である。図3において、この縮小投影露光装置400は、例えばKrF(フッ化クリプトン)エキシマレーザー等の光源401、ミラー402および405、照明系レンズ403、照明系絞り404、コンデンサーレンズ406、レチクル407、投影系レンズ408を備え、基板11上の被露光領域に露光する装置である。
光源401から出射されたレーザー光は、ミラー402を含めた引き回し光学系を経て照明系レンズ403に導入され、照明系レンズ403、照明系絞り404、ミラー405、コンデンサーレンズ406により、所定の光強度(light intensity)、配光(luminous intensity distribution)、開き角(aperture angle)、照明光学系の開口数(numerical aperture)、等をもつ光となるように調整されて、レチクル407に光が入射する。レチクル407のパターンから発生した回折光は投影系レンズ408(投影光学系の開口数)によって基板11上に到達し、フォトレジストパターンを形成する。
一般に、図3に示すような縮小投影露光装置(ステッパー)400を用いたフォトリソグラフィ技術における解像度Rは以下のレイリー(Rayleigh)の式(1)によって表される。
R=k*λ/NA ・・・式(1)
ここで、λは光源401から出射されるレーザーの波長、NAはレンズの開口数、kは現像プロセス特性によって決まる定数(プロセス係数)である。この式(1)から解像度Rは、波長λが一定の場合には、プロセス係数kまたはレンズの開口数NAによって決まる。
一方、コヒーレンスファクタσは以下の式(2)によって表される。
σ=NA1/NA2 ・・・式(2)
ここで、NA1は照明系レンズ403に用いられる照明光学系の開口数、NA2は投影系レンズ408に用いられる投影光学系の開口数、コヒーレンスファクタσは照明系絞り404の絞りである。
このコヒーレンスファクタσは、投影光のコヒーレンスの度合いを示す。例えば、σ=0ならば完全コヒーレンス(レチクルに垂直入射する平面波)であり、σ=1ならばレンズ開口数(NA)範囲のあらゆる角度から入射するインコヒーレント光である。このコヒーレンスファクタσの大きさはレンズに捕らえられる回折光の差となって現れてくる。σが大きいほうがより高次の回折光がレンズに捕らえられ、結像に寄与するので、よりパターンの忠実度がよくなる。一方、σが小さいと高次の回折光がレンズに入らず情報がより欠如するのでパターン忠実度は低下することになる。
本実施の形態では、レチクル407に一辺が500nmである正四角形が描画されているパターンに対して、コヒーレンスファクタσが1より小さい値となる照明条件とした。より具体的には、KrF(フッ化クリプトン)の光源401と投影光学系のNAが0.55である縮小投影露光装置(ステッパー)400を用いて、コヒーレンスファクタσが0.82となる露光プロセスによりフォトレジストマスク6を形成する。
図7Aは、図2Cに示す工程において、コヒーレンスファクタσが0.82となる露光プロセスにより所定のパターン形状に形成されたフォトレジストマスク6の形状を基板11の上面から観察したSEM像である。フォトレジストマスク6の水平幅6aは497nmであり、水平幅から45°傾けた方向の対角幅6bは564nmである。レチクルに描画された正四角形と比較すると角部が後退した丸みをもつ平面形状となっている。このように、レチクル407に描画されている正四角形の4つの角部の情報が欠如し、4つの角部をパターン中心方向へ後退させた形状のフォトレジストマスク6(図2C)を形成する。
以上のように、図3に示す縮小投影露光装置(ステッパー)400を用いて、コヒーレンスファクタσを所望の小さな値に設定して、フォトリソグラフィを行うことにより、正四角形の4つの角部がパターン中心方向(中央部側)へ後退させた平面形状をもつフォトレジストマスク6を形成することができる。
なお、レチクルに四角形の形状が描画されている場合には、被露光領域に投影する際には、フォトリソグラフィ時のコヒーレンスファクタσを0.5未満とし、フォトレジストマスクの平面形状における角部を当該フォトレジストマスクの中央部側へ後退させることが好ましい。
次に、図5Aに示す工程において、図2Cに記載したフォトレジストマスク6を用いて、ドライエッチングプロセスにより、ハードマスク層5をパターン形成し、ハードマスク5’を形成する。上述したように、ここで用いるフォトレジストマスク6は、図2Cの工程の説明でも述べたように、角部を中央部側へ後退させた丸みをもつ平面形状のフォトレジストマスク6であることから、ハードマスク5’も角部を中央部側へ後退させた丸みをもつ平面形状となる。
次に、図5Bに示す工程において、ハードマスク5’を用いて、ドライエッチングプロセスにより、上部電極層4、抵抗変化層3および下部電極層2を一括エッチングし、その後にハードマスク5’を除去する。これにより、上部電極層4、抵抗変化層3および下部電極層2で構成される不揮発性記憶素子1が形成される。この工程において、ドライエッチングに用いるハードマスク5’は、角部を中央部側へ後退させた丸みをもつ平面形状のハードマスク5’を用いてドライエッチングすることから、上部電極層4、抵抗変化層3および下部電極層2のエッチング端面に対するプラズマの入射角は図16B、Cに示すような入射角になる。つまり、抵抗変化層3をエッチングするプラズマの入射角の広がり(不均一性)は低減され、抵抗変化層3がエッチングされる量の差の不均一性が低減される。
なお、ハードマスク5’は除去せずに残してもよい。ハードマスク5’を除去せずに残した場合には、後述する第2のコンタクトプラグ16を形成する工程において、第2のコンタクトプラグ16を、ハードマスク5’も貫通して上部電極層4に接続するように形成する。ハードマスク5’が導電体の場合は、ハードマスク5’を貫通することなく、単に第2のコンタクトプラグ16をハードマスク5’に接続させればよい。
図7Bの(a)は図5Bに示す工程において、図7Aに示すフォトレジストマスク6を用いて、所定のパターン形状に形成された不揮発性記憶素子1を基板11の上面から観察したSEM像であり、上部電極層4と抵抗変化層3と下部電極層2を示している。図7Bの(a)に示している各部は、図5Bのエッチングプロセスで形成された不揮発性記憶素子1を断面方向から見た図7Bの(b)の形状の各部に対応する。
不揮発性記憶素子1の上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の寸法は基板上面から見て、水平幅3aは398nmであり、水平幅から45°傾けた方向の対角幅3bは432nmである。フォトレジストマスク6と上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の水平幅方向の寸法差(=(フォトレジストマスクの水平幅6a)−(上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の水平幅3a))は99nmであるのに対し、フォトレジストマスク6と上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の対角幅方向の寸法差(=(フォトレジストマスクの対角幅6b)−(上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の対角幅3b))は132nmであり、ドライエッチングによる寸法変化量の差は33nmである。
図8Aは、図2Cに示す工程において、さらにコヒーレンスファクタσが小さい0.47を用いた場合の、所定のパターン形状が形成されたフォトレジストマスク6の形状を基板11の上面から観察したSEM像である。フォトレジストマスク6の水平幅6aは513nmであり、水平幅から45°傾けた方向の対角幅6bは543nmである。レチクル407に描画された形状と比較すると、図7Aの場合に比べて、さらに角部が中央部側へ後退した丸みをもつ平面形状となっている。
図8Bの(a)は、図8Aに示すフォトレジストマスク6を用いて、図5Bに示す工程において、上部電極層4、抵抗変化層3および下部電極層2を、塩素(Cl)、アルゴン(Ar)および酸素欠損抑制ガスとしての酸素(O)を含む混合ガス(エッチングガス)を用いたドライエッチングプロセスによりエッチングした後、ハードマスク層5をエッチング除去し所定のパターン形状に形成された不揮発性記憶素子1を基板11の上面から観察したSEM像であり、上部電極層4と抵抗変化層3と下部電極層2を示している。図8Bの(a)に示している各部は、図5Bのエッチングプロセスで形成された不揮発性記憶素子1を断面方向から見た図8Bの(b)の形状の各部に対応する。
なお、エッチングガスに含有される酸素欠損抑制ガスとしては、酸素(O)だけに限られず、抵抗変化層3のエッチング端面に付着しやすい保護ガスである臭化水素(HBr)ガスや三フッ化メタン(CHF)ガスであってもよい。
不揮発性記憶素子1の上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の寸法は基板上面から見て、水平幅3aは398nmであり、水平幅から45°傾けた方向の対角幅3bは419nmである。したがって、フォトレジストマスク6と上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の水平幅方向の寸法差(=(フォトレジストマスクの水平幅6a)−(上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の水平幅3a))は115nmであるのに対し、フォトレジストマスク6と上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の対角幅方向の寸法差(=(フォトレジストマスクの対角幅6b)−(上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の対角幅3b))は124nmであり、ドライエッチングによる寸法変化量の差は9nmである。このときの寸法変化量の差である9nmは、図7Aおよび図7Bの場合の寸法変化量の差である33nmよりも、十分小さく抑えられていることが理解できる。つまり、フォトリソグラフィ時のコヒーレンスファクタσをより小さくしてフォトレジストマスク6を形成し、上記工程を経て不揮発性記憶素子1を形成することで、抵抗変化層のエッチング端面においてエッチングされる量の差(フォトレジストマスク寸法からの寸法差)がより小さくなる。
次に、図5Cに示す工程において、第1の層間絶縁層14上と、上部電極層4、抵抗変化層3および下部電極層2を被覆するように第2の層間絶縁層19を堆積した後に、CMP平坦化プロセスにより第2の層間絶縁層19を平坦化する。
次に、図6Aに示す工程において、不揮発性記憶素子1の上部電極層4と接続する第2のコンタクトプラグ16を形成する所定の位置に第2の層間絶縁層19を貫通し、上部電極層4に至るように第2のコンタクトプラグ開口部16Aを形成する。
次に、図6Bに示す工程において、第2のコンタクトプラグ開口部16Aに第2のコンタクトプラグ16を埋め込み形成し、また、第2の層間絶縁層19および第1の層間絶縁層14を貫通し、ソース層およびドレイン層12の一方と接続するための第3のコンタクトプラグ17を埋め込み形成する。第2のコンタクトプラグ16、第3のコンタクトプラグ17は、例えばタングステンを用いることができる。次に、第2の層間絶縁層19の上面に、第2のコンタクトプラグ16に接続される第2の配線層18bと、第3のコンタクトプラグ17に接続される第1の配線層18aとを形成する。
以上のように、本実施の形態における抵抗変化型の不揮発性記憶素子の製造方法は、基板11上に下部電極層2を形成する工程(図2B)と、下部電極層2上に遷移金属酸化物で構成される抵抗変化層3を形成する工程(図2B)と、抵抗変化層3上に上部電極層4を形成する工程(図2B)と、上部電極層4上にハードマスク層5を形成する工程(図2B)と、ハードマスク層5上にフォトレジストマスク6を形成する工程(図2C)と、フォトレジストマスク6を用いて、ハードマスク層をエッチングして、ハードマスク5’を形成する工程(図5A)と、ハードマスク5’を用いて、上部電極層4と抵抗変化層2と下部電極層2とを、酸素欠損抑制ガスを含有するエッチングガスでエッチングして、上部電極層4と抵抗変化層3と下部電極層2とで構成される不揮発性記憶素子1を形成する工程(図5B)とを含む。ここで、抵抗変化層3は、酸素含有量の変化により抵抗値が変化し、かつ、エッチングガスが酸素欠損抑制ガスを含有しない場合、エッチングした抵抗変化層3の酸素含有量が変動する特性を有する。また、不揮発性記憶素子1を形成する工程(図5B)では、酸素欠損抑制ガスを含有するエッチングガスを用いたエッチングによって、抵抗変化層3の側壁部に酸素欠損抑制ガスを構成する成分(臭素化合物等)が付着する。そして、フォトレジストマスク6を形成する工程(図2C)では、平面形状における角部を当該フォトレジストマスク6の中央部側へ後退させた形状のフォトレジストマスク6を形成する。
以上のようにして、図1に示す不揮発性記憶装置10が製造され、1つのトランジスタ20と1つの不揮発性記憶素子1で構成される1T1R(1個のトランジスタと1個の抵抗変化型の不揮発性記憶素子)型の不揮発性記憶装置10を作製することができる。
このようにして製造された不揮発性記憶素子1は、次の特徴をもつ。つまり、不揮発性記憶素子1は、基板11上に形成された下部電極層2と、下部電極層2上に形成された遷移金属酸化物で構成される抵抗変化層3と、抵抗変化層3上に形成された上部電極層4とを備え、上部電極層4と抵抗変化層3と下部電極層2とは、いずれも、平面形状における角部を中央部側へ後退させた形状を有し、抵抗変化層3の側壁部には、上部電極層4と抵抗変化層3と下部電極層2と形成するのに用いられたエッチングガスに含有されていた酸素欠損抑制ガスを構成する成分(臭素、臭素化合物等)が付着している。
なお、酸素欠損抑制ガスによって抵抗変化層3の側壁部に付着する臭素化合物は、例えば以下のように検出される。
図XXは、不揮発性記憶素子1に用いたTaO表面をXPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)分析によって分析した元素量を示しており、本実施の形態の例として、臭素化合物を含む混合ガスでエッチングしたTaOx表面のIr4fスペクトル分析結果と、比較例として臭素化合物を含まない混合ガスでエッチングしたTaO表面のIr4fスペクトル分析結果とを示している。なお、ここでのXPS分析の条件は、入射エネルギーを150eV、PassEnergyを100eV、エネルギーステップを0.1eV、取込時間を、0.2ms/step、積算回数を25回としている。検出器としては、VG Scienta R4000WALを用いた。
本実施の形態の例では、不揮発性記憶素子1に用いたTaO表面には臭素化合物生成物(IrBrx)が62eVおよび65eVに検出されている。一方、比較例では、抵抗変化素子に用いたTaO表面には臭素化合物生成物が検出されていない。
従来の、酸素欠損抑制ガスを用いないエッチング方法で作成した256kビットの不揮発性記憶素子アレイでは、100ビット以上の動作不良ビットが見られたが、本実施の形態に係る、酸素欠損抑制ガスを構成する成分を抵抗変化層3の側壁部に付着させるように作成した256kビットの不揮発性記憶素子アレイでは、動作不良ビットは0ビットであった。
これにより、臭素を含む混合ガスを用いて、不揮発性記憶素子1のエッチングを行う場合には、臭素化合物生成物がエッチング端面に形成(付着)されることによって、酸素脱離や不純物打込みのエッチングダメージが入るのを抑制していることがわかる。
以上のようにして、図7Aおおび図7B、図8Aおよび図8Bのそれぞれの条件で製造された不揮発性記憶装置10の抵抗分布、より具体的には、図8Aに示すフォトレジストマスク6を用いて、図5Bに示す工程において、抵抗変化層3を、エッチング端面に付着しやすい保護ガスとして臭化水素(HBr)もしくは三フッ化メタン(CHF)含む混合ガス(エッチングガス)を用いたドライエッチングプロセスによりエッチングした後、ハードマスク層5をエッチング除去し、所定のパターン形状に形成された不揮発性記憶素子1の初期抵抗値の抵抗分布を図10に示す。ここには、コヒーレンスファクタσが0.82の条件で製造された多数の不揮発性記憶素子1の初期抵抗値の抵抗分布(黒丸印のプロット)と、コヒーレンスファクタσが0.47の条件で製造された多数の不揮発性記憶素子1の初期抵抗値の抵抗分布(白三角印のプロット)とが示されている。図10において、横軸は初期抵抗値を示し、縦軸は正規期待値を示す。
図10から分かるように、コヒーレンスファクタσが0.82の時より0.47のときの方が初期抵抗値のばらつきが低減されていることがわかる。これは、コヒーレンスファクタσが0.82の時より0.47の時の方が、フォトレジストマスク6の平面形状が、より角部が中央部側に後退した丸みをもつ形状となり、コヒーレンスファクタσが0.82の時にはドライエッチングによる寸法変化量の差が33nmであったのに対し、コヒーレンスファクタσが0.47の時には9nmであるため、酸素欠損抑制ガスの効果も高まり(エッチング端面に対する酸素欠損の抑制効果が均一化され)、不揮発性記憶素子1に印加されるエッチングダメージの不均一性が、コヒーレンスファクタσを小さくすることにより低減されていることに起因する。つまり、コヒーレンスファクタσをより小さくすることで、不揮発性記憶装置10の初期抵抗値のばらつきを、より低減することができる。
さらに、エッチングガスに含有されていた酸素欠損抑制ガスによって、側壁(エッチング端面)における酸素欠損が抑制される、あるいは、ダメージを受けることから保護されるので、このように製造された不揮発性記憶素子1は、初期抵抗値のばらつきがさらに低減される。
したがって、従来のような四角形のレチクルを用いて不揮発性記憶素子を作製する場合には、コヒーレンスファクタσを1からより小さくし、より角部が中央部側に後退した丸みをもつ平面形状のフォトレジストマスクを用いて不揮発性記憶素子を製造することで、エッチングの端面でのエッチング量が均一化されるとともに、酸素欠損抑制ガスの効果が高められ、不揮発性記憶素子の初期抵抗値のばらつきを、より低減することが可能である。
図11Aは、フォトレジストマスクの平面形状の効果と、エッチングガスに含有させる酸素欠損抑制ガスの効果とを確認する実験の結果を示すグラフである。この図11Aの縦軸および横軸は図10と同様である。図11Bは、図11Aに示される実験における各条件(横軸)での初期抵抗値ばらつき(縦軸、σ%、分布の標準偏差σを分布の平均値で割った値(%))を示す図である。また、図11Bの右上の枠内は、フォトレジストマスクの平面形状の模式図を示し、「円形(ii)」が「円形(i)」よりも角部が中央側に後退していることを示している。
ここで、図11Aの丸印のプロットは、フォトレジストマスクとして、角部が丸い矩形状(図11Bにおける「円形(i)」)のフォトレジストマスクを用い、エッチングガスに含有させる酸素欠損抑制ガスとして、酸素ガスを用いて製造した不揮発性記憶素子1の初期抵抗値の抵抗分布を示す。また、図11Aの×印のプロットは、フォトレジストマスクとして、円形(図11Bにおける「円形(ii)」)のフォトレジストマスクを用い、エッチングガスに含有させる酸素欠損抑制ガスとして、酸素ガスを用いて製造した不揮発性記憶素子1の初期抵抗値の抵抗分布を示す。また、図11Aの三角印のプロットは、フォトレジストマスクとして、円形(図11Bにおける「円形(ii)」)のフォトレジストマスクを用い、エッチングガスに含有させる酸素欠損抑制ガスとして、臭化水素HBrを用いて製造した不揮発性記憶素子1の初期抵抗値の抵抗分布を示す。また、図11Aの四角印のプロットは、フォトレジストマスクとして、円形(図11Bにおける「円形(ii)」)のフォトレジストマスクを用い、エッチングガスに含有させる酸素欠損抑制ガスとして、三フッ化メタンCHFを用いて製造した不揮発性記憶素子1の初期抵抗値の抵抗分布を示す。
図11Bは、図11Aに示される各サンプル毎の初期抵抗値ばらつきを比較する図である。円形(i)のフォトレジストマスクを用い、酸素ガスを含有するエッチングガス用いたサンプルは、44.4%の初期抵抗値ばらつきを示している。円形(ii)のフォトレジストマスクを用い、酸素ガスを含有するエッチングガス用いたサンプルは、25.4%の初期抵抗値ばらつきを示している。円形(ii)のフォトレジストマスクを用い、保護ガスとして臭化水素HBrを含有するエッチングガス用いたサンプルは、13.4%の初期抵抗値ばらつきを示している。円形(ii)のフォトレジストマスクを用い、保護ガスとして三フッ化メタンCHFを含有するエッチングガス用いたサンプルは、16.5%の初期抵抗値ばらつきを示している。
図11Bから分かるように、フォトレジストマスクの形状としては、角部が丸い矩形よりも、円形のフォトレジストマスクを用いて製造するほうが、不揮発性記憶素子1の初期抵抗値のばらつきが小さく、一方、エッチングガスに含有させる酸素欠損抑制ガスとしては、酸素よりも、臭化水素HBrあるいは三フッ化メタンCHFを含有するエッチングガスを用いて製造した不揮発性記憶素子1の初期抵抗値のばらつきが小さい。
このように、本実施の形態における不揮発性記憶素子及びその製造方法によれば、平面形状における角部を中央部側へ後退させた形状のフォトレジストマスクを用いてハードマスクを形成し、さらに、そのハードマスクを用いて不揮発性記憶素子が形成されるので、不揮発性記憶素子の平面形状は、90°の角度を有する角部がない丸みをもつ形状となり、抵抗変化層がエッチングされる量の不均一さが低減される。さらに、エッチングガスに酸素欠損抑制ガスが含まれるときには、エッチング端面での抵抗変化層の酸素含有量の変動を低減させる効果を高める。このため、抵抗変化層へのエッチングダメージの不均一性は低減され、不揮発性記憶素子の抵抗値ばらつきが低減され、抵抗値の初期動作、動作特性にばらつきのない高品質の不揮発性記憶素子が実現される。
以上のように、本実施の形態の製造方法を用いれば、抵抗値のばらつきを抑えた不揮発性記憶素子1を作製することが可能であり、このような不揮発性記憶素子1を用いて、例えば1T1R型の不揮発性記憶装置を構成すれば、動作が安定した不揮発性記憶装置を実現することができる。
なお、上述した実施の形態では、図2Cに示す工程において、フォトリソグラフィ時にはレチクルに正四角形が描画されたパターンを用いた例で説明したが、レチクルに描画するパターンとしては、図4Aや図4Bに示すような隣り合う2つの端面(あるいは、隣り合う側面、つまり、隣り合う外形線)が成す角度が90度より大きな六角形や八角形のパターン30を用いてもよい。また、図4Cに示すような、角部がなく曲線を有した形状(角が丸い矩形、あるいは、円形)がレチクルに描画されているパターン30を用いた場合は、コヒーレンスファクタσを1とすることで精度よく忠実にフォトレジストマスク6を形成することができるため、上述した実施の形態で述べたような、角部が中央部側に後退した丸みをもつ平面形状をもつフォトレジストマスク6を同様に形成することができ、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、図4A〜図4Cに示されるレチクルの平面形状については、さまざまな表現をすることができる。つまり、レチクルの平面形状が多角形である場合には、いずれの角部においても、隣り合う2つの外形線がなす角度が90度より大きい、あるいは、丸みをもつ形状であればよい。また、レチクルの平面形状は、円形、あるいは、楕円形等の曲線で囲まれた形状であってもよい。さらに、レチクルの平面形状は、2つの外形線がなす角度が90度より大きい角部と丸みをもつ角部と曲線で囲まれた部分とが混在した形状であってもよい。これらのレチクルの平面形状の種類は、本発明に係る不揮発性記憶素子を製造する際におけるフォトレジストマスクのパターン形状についても、そのまま適用することができる。
以上、本発明に係る不揮発性記憶素子及びその製造方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、このような実施の形態に限定されない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、各実施の形態における構成要素及び特徴箇所を任意に組み合わせて得られる形態も本発明に含まれる。
たとえば、平面形状における角部を中央部側へ後退させた形状のフォトレジストマスクを形成する方法として、(1)フォトリソグラフィ時のコヒーレンスファクタを1未満に設定しておく方法と、(2)2つの隣接する端面が成す角度が90度より大きい形状が描画されたレチクルを用いる方法とを説明したが、これら2つの方法は、排他的に選択できるだけでなく、併用してもよい。
また、本発明は、不揮発性記憶素子及びその製造方法として実現できるだけでなく、不揮発性記憶素子に、その周辺の構成要素を含めた不揮発性記憶装置及びその製造方法として実現することもできる。
本発明の不揮発性記憶素子は、デジタル家電、メモリカード、携帯型電話機、及びパーソナルコンピュータなどの種々の電子機器に用いられる不揮発性記憶素子の用途において有用である。
本発明の不揮発性記憶素子の製造方法は、デジタル家電、メモリカード、携帯型電話機、及びパーソナルコンピュータなどの種々の電子機器に用いることが可能な不揮発性記憶素子の製造方法として有用である。
1 不揮発性記憶素子
2 下部電極層
3 抵抗変化層
3a 上部電極層と抵抗変化層の境界面の水平幅
3b 上部電極層と抵抗変化層の境界面の対角幅
4 上部電極層
5 ハードマスク層
5’ ハードマスク
6 フォトレジストマスク
6a フォトレジストマスクの水平幅
6b フォトレジストマスクの対角幅
10 不揮発性記憶装置
11 基板
12 ソース層およびドレイン層
13 ゲート層
14 第1の層間絶縁層
15 第1のコンタクトプラグ
16 第2のコンタクトプラグ
16A 第2のコンタクトプラグ開口部
17 第3のコンタクトプラグ
18 配線層
18a 第1の配線層
18b 第2の配線層
19 第2の層間絶縁層
20 トランジスタ
30 パターン(レチクル描画形状)
300 被エッチング体
301 角部のエッチング端面
302 曲線部のエッチング端面
303 直線部のエッチング端面
400 縮小投影露光装置
401 光源
402、405 ミラー
403 照明系レンズ
404 照明系絞り
406 コンデンサーレンズ
407 レチクル
408 投影系レンズ
【0027】
トランジスタ20と1つの不揮発性記憶素子1で構成される1T1R(1個のトランジスタと1個の抵抗変化型の不揮発性記憶素子)型の不揮発性記憶装置10を作製することができる。
[0095]
このようにして製造された不揮発性記憶素子1は、次の特徴をもつ。つまり、不揮発性記憶素子1は、基板11上に形成された下部電極層2と、下部電極層2上に形成された遷移金属酸化物で構成される抵抗変化層3と、抵抗変化層3上に形成された上部電極層4とを備え、上部電極層4と抵抗変化層3と下部電極層2とは、いずれも、平面形状における角部を中央部側へ後退させた形状を有し、抵抗変化層3の側壁部には、上部電極層4と抵抗変化層3と下部電極層2と形成するのに用いられたエッチングガスに含有されていた酸素欠損抑制ガスを構成する成分(臭素、臭素化合物等)が付着している。
[0096]
なお、酸素欠損抑制ガスによって抵抗変化層3の側壁部に付着する臭素化合物は、例えば以下のように検出される。
[0097]
図9は、不揮発性記憶素子1に用いたTaOx表面をXPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)分析によって分析した元素量を示しており、本実施の形態の例として、臭素化合物を含む混合ガスでエッチングしたTaOx表面のIr4fスペクトル分析結果と、比較例として臭素化合物を含まない混合ガスでエッチングしたTaOx表面のIr4fスペクトル分析結果とを示している。なお、ここでのXPS分析の条件は、入射エネルギーを150eV、PassEnergyを100eV、エネルギーステップを0.1eV、取込時間を、0.2ms/step、積算回数を25回としている。検出器としては、VG Scienta R4000WALを用いた。
[0098]
本実施の形態の例では、不揮発性記憶素子1に用いたTaOx表面には臭素化合物生成物(IrBrx)が62eVおよび65eVに検出されている。一方、比較例では、抵抗変化素子に用いたTaOx表面には臭素化合物生成物が検出されていない。
本発明は、抵抗変化型の不揮発性素子及びその製造方法に関する。
近年、記憶材料として、化学量論的組成(stoichiometric composition)の遷移金属酸化物に対して酸素が不足(ノンストイキオメトリ)した遷移金属酸化物で構成される抵抗変化材料を用いた、抵抗変化型の不揮発性記憶素子が提案されている。このような不揮発性記憶素子は、上部電極層と、下部電極層と、それら上部電極層と下部電極層とに挟まれた抵抗変化層とを備えており、上部電極層と下部電極層との間に電気パルスを印加することによって、抵抗変化層の抵抗値が可逆的に変化する。それ故、この抵抗値に情報を対応させることにより、当該情報を揮発しないようにして記憶することができる(例えば、特許文献1)。このような抵抗変化型の不揮発性記憶素子は、フローティングゲートを用いたフラッシュメモリに比べて、微細化、高速化、低消費電力化を図ることができると期待されている。
特開2007−235139号公報
しかしながら、上記した従来の抵抗変化型の不揮発性記憶素子においては、抵抗変化層や電極等の膜厚や膜組成、およびリソグラフィ後のフォトレジストマスクの寸法や形状から予想される抵抗値が、予想されるばらつき以上に抵抗値がばらつくという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、抵抗値のばらつきを抑制することが可能な抵抗変化型の不揮発性記憶素子の製造方法等を提供することを目的としている。
上記課題を解決すべく、本発明者は鋭意検討し、抵抗値がばらつく原因を究明した。
その結果、本発明者らは、上述した従来の抵抗変化型の不揮発性記憶素子において抵抗値がばらつく一因が、後述のとおり、不揮発性記憶素子の形成時のドライエッチングにおけるエッチングダメージにあると考えた。本発明はこのような知見に基づいてなされたものである。
つまり、本発明の不揮発性記憶素子の製造方法の一形態は、抵抗変化型の不揮発性記憶素子の製造方法であって、基板上に下部電極層を形成する工程と、前記下部電極層上に酸素不足型の遷移金属酸化物で構成される抵抗変化層を形成する工程と、前記抵抗変化層上に上部電極層を形成する工程と、前記上部電極層上に、丸みをもつ平面形状を有するハードマスク層を形成する工程と、前記ハードマスク層上にフォトレジストマスクを形成する工程と、前記フォトレジストマスクを用いて、前記ハードマスク層をエッチングして、ハードマスクを形成する工程と、前記ハードマスクを用いて、前記上部電極層と前記抵抗変化層と前記下部電極層とを、酸素欠損抑制ガスを含有するエッチングガスでエッチングして、前記上部電極層と前記抵抗変化層と前記下部電極層とで構成され、丸みをもつ平面形状を有する不揮発性記憶素子を形成する工程とを含む。ここで、前記抵抗変化層は、酸素含有量の変化により抵抗値が変化し、かつ、前記エッチングガスが酸素欠損抑制ガスを含有しない場合、エッチングした前記抵抗変化層の酸素含有量が変動する特性を有し、前記不揮発性記憶素子を形成する工程では、前記酸素欠損抑制ガスを含有する前記エッチングガスを用いたエッチングによって、前記抵抗変化層の側壁部に前記酸素欠損抑制ガスを構成する成分が付着し、前記フォトレジストマスクを形成する工程では、平面形状における角部を当該フォトレジストマスクの中央部側へ後退させた形状のフォトレジストマスクを形成してもよい。
このような方法とすることにより、平面形状における角部を中央部側へ後退させた形状のフォトレジストマスクを用いてハードマスクを形成し、さらに、そのハードマスクを用いて不揮発性記憶素子が形成されるので、不揮発性記憶素子の平面形状は、90°の角度を有するような角部がない丸みをもつ形状となり、抵抗変化層のエッチングされる量の差の不均一性が低減される。さらに、エッチングガスに酸素欠損抑制ガスが含まれているので、エッチング端面での抵抗変化層の酸素含有量の変動も低減され、抵抗変化層へのエッチングダメージの不均一性は低減される。そのため、不揮発性記憶素子の抵抗値ばらつきを低減することができ、抵抗値の初期動作、動作特性にばらつきのない高品質の不揮発性記憶素子を実現することができる。
また、前記フォトレジストマスクを形成する工程では、フォトリソグラフィ時のコヒーレンスファクタを1未満とし、レチクルに描画されている四角形の形状を被露光領域に投影することで、前記フォトレジストマスクを形成するのが好ましい。より好ましくは、前記フォトレジストマスクを形成する工程では、フォトリソグラフィ時のコヒーレンスファクタを0.5未満とし、レチクルに描画されている四角形の形状を被露光領域に投影することで、前記フォトレジストマスクを形成する。
このような方法とすることにより、高次の回折光がレンズに捕らわれなくなり、レチクルに描画されているパターン情報が欠如し、パターン忠実度は低下する。それにより、レチクルに描画されている形状が四角形であっても、四角形の角部の情報が欠如され、フォトレジストマスクの基板上面方向から見た形状(平面形状)は円形に近づき、フォトレジストマスクの角部は丸みをもつ。その結果、形状の不均一性は低減され、抵抗変化層の周辺のエッチング端面におけるエッチングプラズマの入射角度の差が小さくなる。そのため、抵抗変化層のエッチング端面においてエッチングされる量の差(フォトレジストマスク寸法からの寸法差)が小さくなる。それにより、従来から使用している四角形が描画されているレチクルを用いてフォトリソグラフィを行っても、抵抗変化層のエッチング端面に印加されるエッチングダメージの不均一性は低減され、抵抗値のばらつきを低減することができ、抵抗値の初期動作、動作特性にばらつきのない高品質の不揮発性記憶素子を低コストに実現することができる。
また、前記フォトレジストマスクを形成する工程では、2つの隣接する端面が成す角度が90度より大きい形状が描画されたレチクルを用いたフォトリソグラフィによって、前記フォトレジストマスクを形成してもよい。
ここで、2つの面が接する角度が90度より大きい形状とは、例えば、図4Aに示すような六角形や、図4Bに示すような八角形のような、2つの面が成す角度が90度より大きい多角形の形状である場合や、図4Cに示すような、隣接する外形線を曲線で結んで角に丸みをもたせた形状であることを示す。
このような方法とすることにより、フォトリソグラフィ時にコヒーレンスファクタσを1としても、フォトレジストマスクの基板上面方向から見た形状(平面形状)は円形に近づく。これにより、レチクルに描画されているパターン情報をより忠実に転写することが可能であるので、高解像度が必要な微細パターンを忠実に形成することができ、デバイス設計が容易になる。
また、前記抵抗変化層を形成する工程では、タンタル酸化物TaO(0<x<2.5)を用いて前記抵抗変化層を形成するのが好ましい。さらに、前記上部電極層を形成する工程では、白金、イリジウム、及びパラジウムのいずれかを用いて、前記上部電極層を形成するのが好ましい。
このような構成とすることにより、動作の高速性に加えて可逆的に安定した書き換えが可能な特性と良好なリテンション特性とを有する不揮発性記憶素子を実現することができる。
さらに、前記ハードマスク層を形成する工程では、窒化アルミニウムチタンを用いて、前記ハードマスク層を形成するのが好ましい。
このような方法とすることにより、上部電極層、抵抗変化層および下部電極層をエッチングする工程において、上部電極層に難エッチング材料である白金、イリジウム、及びパラジウムのいずれかを用いても、ArとClとOの混合ガスを用いることにより、上部電極層のエッチングレートをハードマスク層のエッチングレートの約7.5倍とすることが可能であり、上部電極層、抵抗変化層および下部電極層をエッチングするマスク層として十分機能し、安定した形状の抵抗変化素子を形成することができる。
なお、本発明は、不揮発性記憶素子の製造方法として実現できるだけでなく、不揮発性記憶素子としても実現できる。その不揮発性記憶素子の一形態は、抵抗変化型の不揮発性記憶素子であって、基板上に形成された下部電極層と、前記下部電極層上に形成された遷移金属酸化物で構成される抵抗変化層と、前記抵抗変化層上に形成された上部電極層とを備え、前記上部電極層と前記抵抗変化層と前記下部電極層とは、いずれも、丸みをもつ平面形状を有し、前記抵抗変化層の側壁部には、前記上部電極層と前記抵抗変化層と前記下部電極層と形成するのに用いられたエッチングガスに含有されていた酸素欠損抑制ガスを構成する成分が付着している。なお、一例として、前記抵抗変化層の側壁部には、前記酸素欠損抑制ガスを構成する成分として、臭素化合物が付着している。
これにより、前記上部電極層と前記抵抗変化層と前記下部電極層の平面形状は、いずれも、90°の角度を有する角部がない丸みをもつ形状であり、抵抗変化層のエッチングされる量の差の不均一性が低減される。さらに、エッチングガスに含有されていた酸素欠損抑制ガスが抵抗変化層の側壁に付着しているので、エッチング端面での抵抗変化層の酸素含有量の変動も低減される。よって、抵抗変化層へのエッチングダメージの不均一性が低減され、これにより、不揮発性記憶素子の抵抗値ばらつきが低減され、抵抗値の初期動作、動作特性にばらつきのない高品質の不揮発性記憶素子が実現される。
本発明の不揮発性記憶素子及びその製造方法は、抵抗変化層の周辺部においてエッチングされる量の不均一性が低減され、かつ、酸素欠損抑制ガスによるエッチング端面での抵抗変化層の酸素含有量の変動も低減されるので、抵抗変化層へのエッチングダメージの不均一性は低減される。そのため、不揮発性記憶素子の抵抗値ばらつきは低減することができ、抵抗値の初期動作、動作特性にばらつきのない高品質の不揮発性記憶素子を実現することができる。
よって、本発明により、ばらつきのない高品質の不揮発性記憶装置が実現され、デジタル家電、メモリカード、携帯型電話機、及びパーソナルコンピュータなどの、不揮発性記憶装置を利用した種々の電子機器が普及してきた今日における本発明の実用的価値は極めて高い。
図1は、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の構成を示す断面図である。 図2Aは、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の製造方法の工程を示す断面図である。 図2Bは、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図2Cは、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図3は、一般的な縮小投影露光装置を示す概略図である。 図4Aは、本発明に係るレチクルに描画されている形状の一例を示す図である。 図4Bは、本発明に係るレチクルに描画されている形状の他の一例を示す図である。 図4Cは、本発明に係るレチクルに描画されている形状の他の一例を示す図である。 図5Aは、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図5Bは、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図5Cは、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図6Aは、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図6Bは、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図7Aは、本発明の実施の形態に係るフォトレジストマスクを基板上面から観察したSEM像を示す図である。 図7Bの(a)は、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶素子を基板上面から観察したSEM像に上部電極層と抵抗変化層と下部電極層を示す図である。図7Bの(b)は、図7Bの(a)をI−I’線での断面を矢印方向に見た断面図である。 図8Aは、本発明の実施の形態の別の実施例に係るフォトレジストマスクを基板上面から観察したSEM像を示す図である。 図8Bの(a)は、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶素子を基板上面から観察したSEM像に上部電極層と抵抗変化層と下部電極層を示す図である。図8Bの(b)は、図8Bの(a)をII−II’線での断面を矢印方向に見た断面図である。 図9は、不揮発性記憶素子に用いたTaO表面をXPS分析によって分析した元素量を示すグラフである。 図10は、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶装置の抵抗分布を示す図である。 図11Aは、フォトレジストマスクの平面形状の効果とエッチングガスに含有させる酸素欠損抑制ガスの効果とを確認する実験の結果を示すグラフである。 図11Bは、図11Aに示される実験における条件を示す図である。 図12は、従来例における不揮発性記憶装置の構成を示す要部断面図である。 図13Aは、従来の不揮発性記憶装置の製造方法の工程を示す断面図である。 図13Bは、従来の不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図13Cは、従来の不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図14Aは、従来の不揮発性記憶装置の製造方法の工程を示す断面図である。 図14Bは、従来の不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図14Cは、従来の不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図15Aは、従来の不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図15Bは、従来の不揮発性記憶装置の製造方法の工程(続き)を示す断面図である。 図16Aは、角部のエッチング端面に対するプラズマの入射角を示す模式図である。 図16Bは、円形部のエッチング端面に対するプラズマの入射角を示す模式図である。 図16Cは、直線部のエッチング端面に対するプラズマの入射角を示す模式図である。
本発明者らは、不揮発性記憶素子の抵抗値のばらつきを抑制すべく鋭意検討を重ねた結果、不揮発性記憶素子の形成時のドライエッチングにおけるエッチングダメージが抵抗値のばらつきの一因であると推定し、本発明を完成した。以下に、発明者らの検討によって得られた知見について説明し、その後に本発明の実施の形態について説明する。
図12は従来の抵抗変化型不揮発性記憶装置の構成を示す断面図である。図12に示すように、従来の抵抗変化型不揮発性記憶装置200は、基板211上に第1の配線212が形成され、基板211の表面と第1の配線212を覆うように第1の層間絶縁層214が形成されている。
第1の層間絶縁層214上には不揮発性記憶素子201が形成されている。具体的には、第1の配線212と電気的に接続するための第1のコンタクトプラグ215が形成され、第1の層間絶縁層214上に第1のコンタクトプラグ215と接続するための下部電極層202が形成されている。また、下部電極層202上には抵抗変化層203が形成され、抵抗変化層203上には上部電極層204が形成されている。つまり、上部電極層204と下部電極層202との間に抵抗変化層203が挟まれており、これら上部電極層204、抵抗変化層203および下部電極層202にて不揮発性記憶素子201が構成されている。
そして、不揮発性記憶素子201と第1の層間絶縁層214とを覆うように第2の層間絶縁層219が形成され、その第2の層間絶縁層219を貫通し上部電極層204と接続するための第2のコンタクトプラグ216が形成されている。第2の層間絶縁層219上には第2のコンタクトプラグ216と接続するための第2の配線218が形成されている。
このように構成された従来の不揮発性記憶装置200において、その製造方法は以下の通りである。
まず、図13Aに示す工程において、基板211上に第1の配線212を形成し、続いて、基板211の表面と第1の配線212を覆うように第1の層間絶縁層214を形成し、その後、第1の層間絶縁層214を貫通し第1の配線212と接続するための第1のコンタクトプラグ215を形成する。
次に、図13Bに示す工程において、第1のコンタクトプラグ215を被覆するように第1の層間絶縁層214上に、不揮発性記憶素子201を構成する下部電極層202、抵抗変化層203、上部電極層204をこの順に形成する。さらに、その上にハードマスク層205を形成する。なお、ここでは、所定のパターン形状にエッチングされた状態だけではなく、成膜した状態をも含めて、下部電極層202、抵抗変化層203、上部電極層204およびハードマスク層205と呼ぶ。
次に、図13Cに示す工程において、通常の露光プロセス及び現像プロセスによりフォトレジストマスク206を所定の形状パターン(四角形)に形成する。
次に、図14Aに示す工程において、ドライエッチングによりハードマスク層205を所定のパターン形状に形成し、ハードマスク205’を形成する。
次に、図14Bに示す工程において、ハードマスク205’を用いたドライエッチングにより、上部電極層204、抵抗変化層203および下部電極層202を所定のパターン形状に形成し、その後にハードマスク205’を除去する。これにより、上部電極層204、抵抗変化層203および下部電極層202で構成される不揮発性記憶素子201が形成される。
次に、図14Cに示す工程において、第1の層間絶縁層214上と、上部電極層204、抵抗変化層203および下部電極層202を被覆するように第2の層間絶縁層219を堆積した後に、CMP平坦化プロセスにより第2の層間絶縁層219を平坦化する。
次に、図15Aに示す工程において、不揮発性記憶素子201の上部電極層204と接続する第2のコンタクトプラグ216を形成する所定の位置に第2の層間絶縁層219を貫通し、上部電極層204に至るように第2のコンタクトプラグ開口部216Aを形成する。
次に、図15Bに示す工程において、第2のコンタクトプラグ開口部216Aに第2のコンタクトプラグ216を埋め込み形成する。次に、第2の層間絶縁層219の上面に第2のコンタクトプラグ216に接続される第2の配線218を形成する。
このようにして、製造された従来の複数の不揮発性記憶装置200の下部電極層202と上部電極層204との間に電圧を印加し抵抗値を測定すると、複数の不揮発性記憶装置200における抵抗値は非常にばらつきが大きかった。この原因を調査した結果、図13Cに示す工程(フォトレジストマスク206の形成工程)、図14Aに示す工程(ハードマスク205’の形成工程)、および図14Bに示す工程(不揮発性記憶素子201の形成工程)にばらつきを増加させる要因があると推察した。以下、この点について説明する。
図16Aから図16Cは被エッチング体300のエッチング端面形状の違いによるエッチング中のプラズマの入射角を示す模式図である。
図16Aは被エッチング体300が90°の角部を有する平面形状である場合の模式図であり、矢印は角部のエッチング端面301へのプラズマの入射方向、およびθは入射角範囲を示している。図16Bは被エッチング体300が曲線を有する平面形状である場合の模式図であり、矢印は曲線部のエッチング端面302へのプラズマの入射方向、およびθは入射角範囲を示している。また、図16Cは被エッチング体300が直線を有する平面形状である場合の模式図であり、矢印は直線部のエッチング端面303へのプラズマの入射方向、およびθは入射角範囲を示している。
図16Aに示す90°の角度を有する角部のエッチング端面301へのプラズマの入射角範囲θは270°であり、図16Bに示す曲線部のエッチング端面302へのプラズマの入射角は180°であり、図16Cに示す直線部のエッチング端面303へのプラズマの入射角は180°である。このことから、被エッチング体300の平面形状によってプラズマの入射角範囲は異なり、プラズマの入射角範囲は角部のエッチング端面301の方が、曲線部のエッチング端面302または直線部のエッチング端面303よりも大きいことがわかる。プラズマの入射角範囲が大きいということは、プラズマの入射してくる範囲が広くなるので、エッチングされる量が多くなり、それによるエッチングダメージが大きくなることにつながる。
一般的にドライエッチングでは、ドライエッチングされたエッチング端面にはエッチングダメージが生じる。エッチングダメージとは、例えば、酸化物を被エッチング体とするドライエッチングではエッチングガスによる還元作用により酸化物から酸素が脱離し、酸化物のエッチング端面の抵抗値が変動することや、ドライエッチングに用いるエッチングガスに例えばフッ素系ガスを含む混合ガスを用いることに起因して、エッチング中にエッチング端面からフッ素が酸化物に打ち込まれ、酸化物のエッチング端面の抵抗値が変動することである。
また、このエッチングダメージは、被エッチング体のエッチング端面形状によってもエッチングダメージの入り方(ダメージの大きさ)が異なる。
従来の不揮発性記憶素子201においては、不揮発性記憶素子201を形成するフォトレジストマスク206の形状が基板上面方向からみて四角形である平面形状を用いているため、ドライエッチング工程において図16Aに示すような角部ではドライエッチング量が多くなり、不揮発性記憶素子201の周辺におけるエッチング端面においてエッチング量が不均一になる。それにより、不揮発性記憶素子201へのエッチングダメージの大きさも周辺で不均一になる。そのため、不揮発性記憶素子201の抵抗値が不揮発性記憶素子により変動する(つまり、ばらつく)。
さらに、本発明者らは、エッチングガスにエッチング端面の酸素欠損を抑制する作用のあるガス(例えば、酸化を促進させる酸素ガス、側壁を保護する作用のある臭化水素(HBr)ガスや三フッ化メタン(CHF)ガス)を用いることで、不揮発性記憶素子の抵抗値のばらつきを低減できる効果を見出している。このような酸素欠損を抑制するガスをエッチングガスとして用いる場合、エッチング端面においてエッチング量が多くなれば、酸素欠損の抑制効果はエッチング端面で不均一になる。つまり、エッチング端面においてエッチング量が多くなることで、例えば、酸化を促進させてもエッチングされる量が多いため、酸素欠損状態のままになったり、側壁保護ガスが付着しても保護ガス自体がエッチングされてしまうため、酸素欠損の抑制効果はエッチング端面で不均一になったりして、エッチングダメージの大きさも周辺で不均一になり効果は低下する。
ここで、保護ガスの一例としての臭化水素(HBr)について説明する。抵抗変化層のエッチング端面にはエッチングプラズマ中で分解された臭素と反応して形成された臭素化合物等の生成物が付着することにより、エッチングガスによる酸素脱離や不純物の打込みを抑制することができる。そのため、抵抗変化層へのエッチングダメージを低減させることができる。よって、不揮発性記憶素子の特性ばらつきを低減することができ、抵抗値の初期動作、特性にばらつきのない高品質の不揮発性記憶素子を実現することができる。
さらに、臭化水素は比較的安定したガスであり、酸化物に対して反応性が乏しくエッチングレートが遅い。そのため、金属酸化物である抵抗変化層をエッチングすることがない。つまり、臭化水素ガスは、エッチングダメージを与えないでエッチング端面を保護する役割のみを果たす。なお、臭化水素ガスは、一般的な半導体プロセスに非常によく使用されているガスである。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものである。ただし、本発明は、上記説明におけるプロセス、材料、条件等に限定されるものではない。
以下、本発明の実施の形態に係る不揮発性記憶素子について、図面を参照しながら説明する。なお、図面において同じ符号が付いたものは、説明を省略する場合がある。また、図面は理解しやすくするために、それぞれの構成要素を模式的に示したもので、形状などについては正確な表示ではなく、その個数等についても図示しやすい個数としている。つまり、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
[不揮発性記憶装置の構成]
図1は、本実施の形態に係る不揮発性記憶装置10の構成図である。なお、不揮発性記憶装置10は、本発明に係る不揮発性記憶素子に周辺の構成要素を含めた装置である。図1に示すように、本実施の形態の不揮発性記憶装置10は、基板(例えば、シリコン基板)11上にソース層およびドレイン層12、ならびにゲート層13で構成されるトランジスタ20が形成されている。さらに、基板11の表面には、ソース層およびドレイン層12、並びにゲート層13を覆うように第1の層間絶縁層(例えば、SiO)14が形成されている。
第1の層間絶縁層14上には不揮発性記憶素子1が形成されている。具体的には、ソース層およびドレイン層12の一方と電気的に接続するための第1のコンタクトプラグ15が形成されており、第1の層間絶縁層14上には第1のコンタクトプラグ15と接続する下部電極層2が形成されている。また、下部電極層2上には抵抗変化層3が形成され、抵抗変化層3上に上部電極層4が形成されている。つまり、上部電極層4と下部電極層2との間に抵抗変化層3が挟まれており、これら上部電極層4、抵抗変化層3、および下部電極層2にて、本発明に係る不揮発性記憶素子1が構成されている。
そして、不揮発性記憶素子1と第1の層間絶縁層14とを覆うように第2の層間絶縁層(例えばSiO)19が形成され、第2の層間絶縁層19を貫通して上部電極層4と接続するための第2のコンタクトプラグ16が形成されている。また、第1の層間絶縁層14と第2の層間絶縁層19とを貫通し、ソース層およびドレイン層12の他方に接続するための第3のコンタクトプラグ17が形成されている。第2の層間絶縁層19上には、第2のコンタクトプラグ16と接続するための第2の配線層18b、および第3のコンタクトプラグ17と接続するための第1の配線層18aが形成されている。第1の配線層18a及び第2の配線層18bで、配線層18を構成している。第1、第2および第3のコンタクトプラグ15、16、17は、ソース層およびドレイン層12の一方と下部電極層2との間、上部電極層4と配線層18bとの間、あるいはソース層およびドレイン層12の他方と配線層18aとの間の電気的接続をそれぞれとるために導電性材料で構成すればよく、例えば、タングステン(W)を用いることができる。
以下に、上述した不揮発性記憶素子1について、詳細に説明する。
図1に示すように本実施の形態の不揮発性記憶素子(抵抗変化素子)1は、上部電極層4と下部電極層2の2つの電極に挟持された抵抗変化層3で構成される。ここで、不揮発性記憶素子1の抵抗変化層3は、例えば酸素不足型の遷移金属酸化物で構成される。酸素不足型の遷移金属酸化物とは、遷移金属をM、酸素をOとして遷移金属酸化物をMOと表記した場合に、酸素Oの組成xが化学量論的に安定な状態(その場合、通常は絶縁体となる)よりも少ない組成の酸化物である。酸素不足型の遷移金属酸化物は各種の遷移金属を用いた酸化物を用いることができるが、例えば、タンタル酸化物(TaO、0<x<2.5)やハフニウム酸化物(HfO、0<x<2.0)で構成される抵抗変化層を用いることにより、可逆的に安定した書き換え特性を有する、抵抗変化現象を利用した不揮発性記憶素子を得ることができる。これらについては、本件出願人は既に関連の特許出願として出願を行っており、タンタル酸化物については国際公開第2008/059701号(特許文献2)にて、ハフニウム酸化物については国際公開第2009/050861号(特許文献3)にて詳細に説明している。
なお、図1においては、抵抗変化層3は1層で形成した場合を示しているが、酸素不足型の遷移金属酸化物は高濃度酸素含有層と低濃度酸素含有層の2層を少なくとも含んでいてもよい。このような遷移金属酸化物を2層の積層構造にて形成した形態については、本件出願人は既に関連の特許出願を行っており、タンタル酸化物の積層構造については国際公開第2008/149484号(特許文献4)にて詳細に説明している。
酸素不足型の遷移金属酸化物として、タンタル酸化物を用いた場合は、第1抵抗変化層(TaO、高濃度酸素含有層)の酸素含有率は67.7〜71.4atm%(2.1≦y<2.5)、第2抵抗変化層(TaO、低濃度酸素含有層)の酸素含有率は44.4〜65.5atm%(0.8≦x≦1.9)とする。また、ハフニウム酸化物を用いた場合は、第1抵抗変化層(HfO、高濃度酸素含有層)の酸素含有率は64.3〜66.7atm%(1.8<y<2.0)、第2抵抗変化層(HfO、低濃度酸素含有層)の酸素含有率は47.4〜61.5atm%(0.9≦x≦1.6)とする。何れの場合も、第1抵抗変化層(高濃度酸素含有層)の膜厚は、TaOの場合は1nm以上8nm以下、HfOの場合は3nm以上4nm以下が望ましい。いずれも第1抵抗変化層の膜厚が大きくなると、製造直後に抵抗変化層に印加して、抵抗変化層を、抵抗変化を起こすことができる状態にする初期ブレークに必要な電圧が高くなって、抵抗変化素子と直列に接続された非線形素子(例えばダイオード)を破壊することがあり望ましくない。第1抵抗変化層の酸素含有率を高く設計することにより、第1抵抗変化層が接している電極との界面近傍に電圧がかかりやすくなり、低い電圧で初期ブレークができるため、酸化・還元による抵抗変化を発現しやすくなる。これにより、低電圧での初期ブレークが可能な良好なメモリセル特性を得ることができる。
不揮発性記憶素子1を構成する下部電極層2、上部電極層4には白金、イリジウム、及びパラジウム等の貴金属を用いることができる。白金、イリジウム、及びパラジウムの標準電極電位は、各々、1.18ev、1.16eV、及び0.95eVである。一般に標準電極電位は、酸化されにくさの一つの指標であり、この値が高ければ酸化されにくく、低ければ酸化されやすいことを意味する。電極材料と抵抗変化層を構成する金属との標準電極電位の差が大きいほど抵抗変化現象が起こりやすく、差が小さくなるにつれて、抵抗変化現象が起こりにくくなる。したがって、電極材料に対する抵抗変化材料の酸化のされやすさの度合いが抵抗変化現象のメカニズムに大きな役割を果たしているのではないかと推測される。タンタルの酸化・還元のしやすさを示す標準電極電位は−0.60eV、またハフニウムの標準電極電位は−1.55eVであり、白金、イリジウム、及びパラジウムのそれぞれの標準電極電位よりも低いことから、白金、イリジウム、及びパラジウムのいずれかで構成される下部電極層2または上部電極層4と抵抗変化層3との界面近傍で、タンタル酸化物またはハフニウム酸化物の酸化・還元反応が起こり、酸素の授受が行われて、抵抗変化現象が発現するものと考えられる。
タンタル酸化物またはハフニウム酸化物は、第1の極性(正または負)の絶対値が第1の閾値以上の電圧の印加により、低抵抗状態から高抵抗状態に変化し、第1の極性とは異なる第2の極性(負または正)の絶対値が第2の閾値以上の電圧の印加により、高抵抗状態から低抵抗状態に変化する。つまり、バイポーラ型の抵抗変化特性を示す。第2抵抗変化層(低濃度酸素含有層)に接している電極を基準にして、第1抵抗変化層(高濃度酸素含有層)に接している電極に対して印加する電圧を正とすると、極性が正でかつ第1の閾値以上の電圧を印加することで、低抵抗状態から高抵抗状態に変化する。また、第2抵抗変化層(低濃度酸素含有層)に接している電極を基準にして、第1抵抗変化層(高濃度酸素含有層)に接している電極に対して印加する電圧を負とすると、極性が負でかつ絶対値が第2の閾値以上の電圧を印加することで、高抵抗状態から低抵抗状態に変化する。
さらに、第1抵抗変化層(高濃度酸素含有層)を構成する第1の遷移金属と、第2抵抗変化層(低濃度酸素含有層)を構成する第2の遷移金属とは、異なる材料を用いてもよい。この場合、第1抵抗変化層は、第2抵抗変化層よりも酸素不足度が小さい、つまり抵抗が高い方が好ましい。ここで、酸素不足度とは、それぞれの遷移金属において、その化学量論的組成の酸化物を構成する酸素の量に対し、不足している酸素の割合をいう。例えば、遷移金属がタンタル(Ta)の場合、化学量論的な酸化物の組成はTaであって、TaO2.5と表現できるので、TaO2.5の酸素不足度は0%である。また、TaO1.5の組成の酸素不足型のタンタル酸化物の酸素不足度は、酸素不足度=(2.5−1.5)/2.5=40%となる。
このような積層構造を有する抵抗変化層3とすることにより、抵抗変化時に上部電極層4及び下部電極層2間に印加された電圧は、第1抵抗変化層により多くの電圧が分配され、第1抵抗変化層中で発生する酸化還元反応がより起こりやすくなる。また、第2の遷移金属と第1の遷移金属とが互いに異なる材料を用いる場合、第1の遷移金属の標準電極電位は、第2の遷移金属の標準電極電位より低い方が好ましい。抵抗変化現象は、抵抗が高い第1抵抗変化層中に形成された微小なフィラメント中で酸化還元反応が起こってその抵抗値が変化し、発生すると考えられる。例えば、第2抵抗変化層に、酸素不足型のタンタル酸化物を用い、第1抵抗変化層にチタン酸化物(TiO)を用いることにより、安定した抵抗変化動作が得られる。チタン(標準電極電位=−1.63eV)はタンタル(標準電極電位=−0.6eV)より標準電極電位が低い材料である。第1抵抗変化層に第2抵抗変化層より標準電極電位が低い金属の酸化物を配置することにより、第1抵抗変化層中でより酸化還元反応が発生しやすくなる。
[不揮発性記憶装置の動作]
以上のように構成された本実施の形態に係る不揮発性記憶装置10において、所望の不揮発性記憶素子1に情報の書き込み、読み出しを行う場合には、以下の動作を行う。すなわち、第2の配線層18b(例えばビット線)と、第1の配線層18a(例えばソース線)との間に所定の電圧を印加し、トランジスタ20を構成するゲート層13に接続されたワード線(図示せず)にトランジスタ20の閾値以上の電圧を印加して、トランジスタ20をオンさせ、不揮発性記憶素子1へ抵抗変化するに十分な電圧(極性に応じて絶対値が第1の閾値電圧または第2の閾値電圧以上の電圧)の印加を行う。不揮発性記憶素子1に与える印加電圧の極性や大きさを、上述したように設定することによって、不揮発性記憶素子1を高抵抗状態または低抵抗状態に遷移させることができる。不揮発性記憶素子1の高抵抗状態及び低抵抗状態をそれぞれ「1」及び「0」の情報に対応させて記憶させれば、不揮発性記憶素子1を不揮発性メモリとして機能させることができる。この不揮発性記憶素子1を、二次元状に多数配置し、メモリセルアレイを構成した場合には、情報の書き込み、読み出しをする(選択された)不揮発性記憶素子に関連するワード線、ビット線、及びソース線に所定の電圧を印加すればよい。また、情報の書き込み、読み出しをしない(非選択の)不揮発性記憶素子については、メモリセルアレイを構成している他の不揮発性記憶素子を経由した回り込み電流によるディスターブを抑制するために、関連するワード線、ビット線、及びソース線に所定の電圧を印加して非選択の不揮発性記憶素子への電圧印加をしないようにする必要がある。
以上のように構成した本実施の形態の不揮発性記憶装置10では、不揮発性記憶素子1を形成する際に、不揮発性記憶素子1における周辺部のエッチング端面の後退量が端面の場所に依らずに略同一になるように、角部を後退させた形状(丸みをもつ平面形状)のフォトレジストマスクを形成し、このような特殊な形状のフォトレジストマスクを用いて不揮発性記憶素子1を形成することが特徴である。
[不揮発性記憶装置の製造方法]
以下に、本実施の形態に係る不揮発性記憶装置10の製造方法について説明する。なお、この不揮発性記憶装置10の製造方法には、本発明に係る不揮発性記憶素子1の製造方法が含まれることは言うまでもない。
図2AからC、図5AからC及び図6A、Bは、それぞれ本実施の形態に係る不揮発性記憶装置10の製造方法の工程を示す断面図である。なお、通常の場合、基板上には多数の不揮発性記憶素子1が形成されるが、図面の簡略化のため、ここでは1個の不揮発性記憶素子1のみが図示されている。また、理解しやすいように、一部を拡大して示している。
まず、図2Aに示す工程において、基板11上にゲート層13、ソース層およびドレイン層12を形成後、第1の層間絶縁層14を形成する。さらに、第1の層間絶縁層14を貫通してソース層およびドレイン層12の一方と接続するための第1のコンタクトプラグ15を埋め込み形成する。第1のコンタクトプラグ15としては、例えばタングステン及びバリア膜を用いることができる。
次に、図2Bに示す工程において、第1のコンタクトプラグ15の上面を被覆するように第1の層間絶縁層14、下部電極層2、抵抗変化層3、上部電極層4をこの順に形成し、さらに上部電極層4の上にハードマスク層5を形成する。
ここで、図2Bに示す工程を、より具体的に、以下に説明する。下部電極層2としては窒化タンタル(TaN)を30nm形成する。抵抗変化層3はタンタル酸化物の積層構造とし、TaO(0<x<2.5)で構成される低濃度酸化物層(第2抵抗変化層)を45nm、さらにこの第2抵抗変化層上に上記TaOよりも酸素含有量が多い(あるいは、酸素不足度が小さい)TaO(x<y、例えば2.1≦y<2.5)で構成される高濃度酸化物層(第1抵抗変化層)を5nm形成する。TaOの膜厚は10nm以上あればよい。このとき、抵抗変化層3はTaOを50nm堆積した後に、TaOの上面をプラズマ酸化により酸化処理し、TaOで構成される低濃度酸化物層の上にTaOより酸素含有量が多いTaO(x<y、例えば2.1≦y<2.5)で構成される高濃度酸化物層を5nm形成してもよい。この場合、酸化処理方法はプラズマ酸化に限られることはなく、例えば、酸素雰囲気中の熱処理などの表面を酸化させる効果のある処理をしてもよい。また、TaOを45nm堆積した後に、酸化処理の代わりに、Taを5nm堆積してもよい。上部電極層4としてはイリジウム(Ir)を80nm、ハードマスク層5としては窒化アルミニウムチタン(TiAlN)を100nm形成する。なお、ここでは、パターン形状にエッチングされた状態だけではなく、成膜した状態をも含めて、下部電極層2、抵抗変化層3、上部電極層4およびハードマスク層5と呼んでいる。
次に、図2Cに示す工程において、露光プロセス及び現像プロセス(フォトリソグラフィ)によりフォトレジストマスク6をパターン形成する。
図3は、図2Cに示す工程において使用される縮小投影露光装置(ステッパー)400の構造を示した概略図である。図3において、この縮小投影露光装置400は、例えばKrF(フッ化クリプトン)エキシマレーザー等の光源401、ミラー402および405、照明系レンズ403、照明系絞り404、コンデンサーレンズ406、レチクル407、投影系レンズ408を備え、基板11上の被露光領域に露光する装置である。
光源401から出射されたレーザー光は、ミラー402を含めた引き回し光学系を経て照明系レンズ403に導入され、照明系レンズ403、照明系絞り404、ミラー405、コンデンサーレンズ406により、所定の光強度(light intensity)、配光(luminous intensity distribution)、開き角(aperture angle)、照明光学系の開口数(numerical aperture)、等をもつ光となるように調整されて、レチクル407に光が入射する。レチクル407のパターンから発生した回折光は投影系レンズ408(投影光学系の開口数)によって基板11上に到達し、フォトレジストパターンを形成する。
一般に、図3に示すような縮小投影露光装置(ステッパー)400を用いたフォトリソグラフィ技術における解像度Rは以下のレイリー(Rayleigh)の式(1)によって表される。
R=k*λ/NA ・・・式(1)
ここで、λは光源401から出射されるレーザーの波長、NAはレンズの開口数、kは現像プロセス特性によって決まる定数(プロセス係数)である。この式(1)から解像度Rは、波長λが一定の場合には、プロセス係数kまたはレンズの開口数NAによって決まる。
一方、コヒーレンスファクタσは以下の式(2)によって表される。
σ=NA1/NA2 ・・・式(2)
ここで、NA1は照明系レンズ403に用いられる照明光学系の開口数、NA2は投影系レンズ408に用いられる投影光学系の開口数、コヒーレンスファクタσは照明系絞り404の絞りである。
このコヒーレンスファクタσは、投影光のコヒーレンスの度合いを示す。例えば、σ=0ならば完全コヒーレンス(レチクルに垂直入射する平面波)であり、σ=1ならばレンズ開口数(NA)範囲のあらゆる角度から入射するインコヒーレント光である。このコヒーレンスファクタσの大きさはレンズに捕らえられる回折光の差となって現れてくる。σが大きいほうがより高次の回折光がレンズに捕らえられ、結像に寄与するので、よりパターンの忠実度がよくなる。一方、σが小さいと高次の回折光がレンズに入らず情報がより欠如するのでパターン忠実度は低下することになる。
本実施の形態では、レチクル407に一辺が500nmである正四角形が描画されているパターンに対して、コヒーレンスファクタσが1より小さい値となる照明条件とした。より具体的には、KrF(フッ化クリプトン)の光源401と投影光学系のNAが0.55である縮小投影露光装置(ステッパー)400を用いて、コヒーレンスファクタσが0.82となる露光プロセスによりフォトレジストマスク6を形成する。
図7Aは、図2Cに示す工程において、コヒーレンスファクタσが0.82となる露光プロセスにより所定のパターン形状に形成されたフォトレジストマスク6の形状を基板11の上面から観察したSEM像である。フォトレジストマスク6の水平幅6aは497nmであり、水平幅から45°傾けた方向の対角幅6bは564nmである。レチクルに描画された正四角形と比較すると角部が後退した丸みをもつ平面形状となっている。このように、レチクル407に描画されている正四角形の4つの角部の情報が欠如し、4つの角部をパターン中心方向へ後退させた形状のフォトレジストマスク6(図2C)を形成する。
以上のように、図3に示す縮小投影露光装置(ステッパー)400を用いて、コヒーレンスファクタσを所望の小さな値に設定して、フォトリソグラフィを行うことにより、正四角形の4つの角部がパターン中心方向(中央部側)へ後退させた平面形状をもつフォトレジストマスク6を形成することができる。
なお、レチクルに四角形の形状が描画されている場合には、被露光領域に投影する際には、フォトリソグラフィ時のコヒーレンスファクタσを0.5未満とし、フォトレジストマスクの平面形状における角部を当該フォトレジストマスクの中央部側へ後退させることが好ましい。
次に、図5Aに示す工程において、図2Cに記載したフォトレジストマスク6を用いて、ドライエッチングプロセスにより、ハードマスク層5をパターン形成し、ハードマスク5’を形成する。上述したように、ここで用いるフォトレジストマスク6は、図2Cの工程の説明でも述べたように、角部を中央部側へ後退させた丸みをもつ平面形状のフォトレジストマスク6であることから、ハードマスク5’も角部を中央部側へ後退させた丸みをもつ平面形状となる。
次に、図5Bに示す工程において、ハードマスク5’を用いて、ドライエッチングプロセスにより、上部電極層4、抵抗変化層3および下部電極層2を一括エッチングし、その後にハードマスク5’を除去する。これにより、上部電極層4、抵抗変化層3および下部電極層2で構成される不揮発性記憶素子1が形成される。この工程において、ドライエッチングに用いるハードマスク5’は、角部を中央部側へ後退させた丸みをもつ平面形状のハードマスク5’を用いてドライエッチングすることから、上部電極層4、抵抗変化層3および下部電極層2のエッチング端面に対するプラズマの入射角は図16B、Cに示すような入射角になる。つまり、抵抗変化層3をエッチングするプラズマの入射角の広がり(不均一性)は低減され、抵抗変化層3がエッチングされる量の差の不均一性が低減される。
なお、ハードマスク5’は除去せずに残してもよい。ハードマスク5’を除去せずに残した場合には、後述する第2のコンタクトプラグ16を形成する工程において、第2のコンタクトプラグ16を、ハードマスク5’も貫通して上部電極層4に接続するように形成する。ハードマスク5’が導電体の場合は、ハードマスク5’を貫通することなく、単に第2のコンタクトプラグ16をハードマスク5’に接続させればよい。
図7Bの(a)は図5Bに示す工程において、図7Aに示すフォトレジストマスク6を用いて、所定のパターン形状に形成された不揮発性記憶素子1を基板11の上面から観察したSEM像であり、上部電極層4と抵抗変化層3と下部電極層2を示している。図7Bの(a)に示している各部は、図5Bのエッチングプロセスで形成された不揮発性記憶素子1を断面方向から見た図7Bの(b)の形状の各部に対応する。
不揮発性記憶素子1の上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の寸法は基板上面から見て、水平幅3aは398nmであり、水平幅から45°傾けた方向の対角幅3bは432nmである。フォトレジストマスク6と上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の水平幅方向の寸法差(=(フォトレジストマスクの水平幅6a)−(上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の水平幅3a))は99nmであるのに対し、フォトレジストマスク6と上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の対角幅方向の寸法差(=(フォトレジストマスクの対角幅6b)−(上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の対角幅3b))は132nmであり、ドライエッチングによる寸法変化量の差は33nmである。
図8Aは、図2Cに示す工程において、さらにコヒーレンスファクタσが小さい0.47を用いた場合の、所定のパターン形状が形成されたフォトレジストマスク6の形状を基板11の上面から観察したSEM像である。フォトレジストマスク6の水平幅6aは513nmであり、水平幅から45°傾けた方向の対角幅6bは543nmである。レチクル407に描画された形状と比較すると、図7Aの場合に比べて、さらに角部が中央部側へ後退した丸みをもつ平面形状となっている。
図8Bの(a)は、図8Aに示すフォトレジストマスク6を用いて、図5Bに示す工程において、上部電極層4、抵抗変化層3および下部電極層2を、塩素(Cl)、アルゴン(Ar)および酸素欠損抑制ガスとしての酸素(O)を含む混合ガス(エッチングガス)を用いたドライエッチングプロセスによりエッチングした後、ハードマスク層5をエッチング除去し所定のパターン形状に形成された不揮発性記憶素子1を基板11の上面から観察したSEM像であり、上部電極層4と抵抗変化層3と下部電極層2を示している。図8Bの(a)に示している各部は、図5Bのエッチングプロセスで形成された不揮発性記憶素子1を断面方向から見た図8Bの(b)の形状の各部に対応する。
なお、エッチングガスに含有される酸素欠損抑制ガスとしては、酸素(O)だけに限られず、抵抗変化層3のエッチング端面に付着しやすい保護ガスである臭化水素(HBr)ガスや三フッ化メタン(CHF)ガスであってもよい。
不揮発性記憶素子1の上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の寸法は基板上面から見て、水平幅3aは398nmであり、水平幅から45°傾けた方向の対角幅3bは419nmである。したがって、フォトレジストマスク6と上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の水平幅方向の寸法差(=(フォトレジストマスクの水平幅6a)−(上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の水平幅3a))は115nmであるのに対し、フォトレジストマスク6と上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の対角幅方向の寸法差(=(フォトレジストマスクの対角幅6b)−(上部電極層4と抵抗変化層3の境界面の対角幅3b))は124nmであり、ドライエッチングによる寸法変化量の差は9nmである。このときの寸法変化量の差である9nmは、図7Aおよび図7Bの場合の寸法変化量の差である33nmよりも、十分小さく抑えられていることが理解できる。つまり、フォトリソグラフィ時のコヒーレンスファクタσをより小さくしてフォトレジストマスク6を形成し、上記工程を経て不揮発性記憶素子1を形成することで、抵抗変化層のエッチング端面においてエッチングされる量の差(フォトレジストマスク寸法からの寸法差)がより小さくなる。
次に、図5Cに示す工程において、第1の層間絶縁層14上と、上部電極層4、抵抗変化層3および下部電極層2を被覆するように第2の層間絶縁層19を堆積した後に、CMP平坦化プロセスにより第2の層間絶縁層19を平坦化する。
次に、図6Aに示す工程において、不揮発性記憶素子1の上部電極層4と接続する第2のコンタクトプラグ16を形成する所定の位置に第2の層間絶縁層19を貫通し、上部電極層4に至るように第2のコンタクトプラグ開口部16Aを形成する。
次に、図6Bに示す工程において、第2のコンタクトプラグ開口部16Aに第2のコンタクトプラグ16を埋め込み形成し、また、第2の層間絶縁層19および第1の層間絶縁層14を貫通し、ソース層およびドレイン層12の一方と接続するための第3のコンタクトプラグ17を埋め込み形成する。第2のコンタクトプラグ16、第3のコンタクトプラグ17は、例えばタングステンを用いることができる。次に、第2の層間絶縁層19の上面に、第2のコンタクトプラグ16に接続される第2の配線層18bと、第3のコンタクトプラグ17に接続される第1の配線層18aとを形成する。
以上のように、本実施の形態における抵抗変化型の不揮発性記憶素子の製造方法は、基板11上に下部電極層2を形成する工程(図2B)と、下部電極層2上に遷移金属酸化物で構成される抵抗変化層3を形成する工程(図2B)と、抵抗変化層3上に上部電極層4を形成する工程(図2B)と、上部電極層4上にハードマスク層5を形成する工程(図2B)と、ハードマスク層5上にフォトレジストマスク6を形成する工程(図2C)と、フォトレジストマスク6を用いて、ハードマスク層をエッチングして、ハードマスク5’を形成する工程(図5A)と、ハードマスク5’を用いて、上部電極層4と抵抗変化層2と下部電極層2とを、酸素欠損抑制ガスを含有するエッチングガスでエッチングして、上部電極層4と抵抗変化層3と下部電極層2とで構成される不揮発性記憶素子1を形成する工程(図5B)とを含む。ここで、抵抗変化層3は、酸素含有量の変化により抵抗値が変化し、かつ、エッチングガスが酸素欠損抑制ガスを含有しない場合、エッチングした抵抗変化層3の酸素含有量が変動する特性を有する。また、不揮発性記憶素子1を形成する工程(図5B)では、酸素欠損抑制ガスを含有するエッチングガスを用いたエッチングによって、抵抗変化層3の側壁部に酸素欠損抑制ガスを構成する成分(臭素化合物等)が付着する。そして、フォトレジストマスク6を形成する工程(図2C)では、平面形状における角部を当該フォトレジストマスク6の中央部側へ後退させた形状のフォトレジストマスク6を形成する。
以上のようにして、図1に示す不揮発性記憶装置10が製造され、1つのトランジスタ20と1つの不揮発性記憶素子1で構成される1T1R(1個のトランジスタと1個の抵抗変化型の不揮発性記憶素子)型の不揮発性記憶装置10を作製することができる。
このようにして製造された不揮発性記憶素子1は、次の特徴をもつ。つまり、不揮発性記憶素子1は、基板11上に形成された下部電極層2と、下部電極層2上に形成された遷移金属酸化物で構成される抵抗変化層3と、抵抗変化層3上に形成された上部電極層4とを備え、上部電極層4と抵抗変化層3と下部電極層2とは、いずれも、平面形状における角部を中央部側へ後退させた形状を有し、抵抗変化層3の側壁部には、上部電極層4と抵抗変化層3と下部電極層2と形成するのに用いられたエッチングガスに含有されていた酸素欠損抑制ガスを構成する成分(臭素、臭素化合物等)が付着している。
なお、酸素欠損抑制ガスによって抵抗変化層3の側壁部に付着する臭素化合物は、例えば以下のように検出される。
は、不揮発性記憶素子1に用いたTaO表面をXPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)分析によって分析した元素量を示しており、本実施の形態の例として、臭素化合物を含む混合ガスでエッチングしたTaOx表面のIr4fスペクトル分析結果と、比較例として臭素化合物を含まない混合ガスでエッチングしたTaO表面のIr4fスペクトル分析結果とを示している。なお、ここでのXPS分析の条件は、入射エネルギーを150eV、PassEnergyを100eV、エネルギーステップを0.1eV、取込時間を、0.2ms/step、積算回数を25回としている。検出器としては、VG Scienta R4000WALを用いた。
本実施の形態の例では、不揮発性記憶素子1に用いたTaO表面には臭素化合物生成物(IrBrx)が62eVおよび65eVに検出されている。一方、比較例では、抵抗変化素子に用いたTaO表面には臭素化合物生成物が検出されていない。
従来の、酸素欠損抑制ガスを用いないエッチング方法で作成した256kビットの不揮発性記憶素子アレイでは、100ビット以上の動作不良ビットが見られたが、本実施の形態に係る、酸素欠損抑制ガスを構成する成分を抵抗変化層3の側壁部に付着させるように作成した256kビットの不揮発性記憶素子アレイでは、動作不良ビットは0ビットであった。
これにより、臭素を含む混合ガスを用いて、不揮発性記憶素子1のエッチングを行う場合には、臭素化合物生成物がエッチング端面に形成(付着)されることによって、酸素脱離や不純物打込みのエッチングダメージが入るのを抑制していることがわかる。
以上のようにして、図7Aおおび図7B、図8Aおよび図8Bのそれぞれの条件で製造された不揮発性記憶装置10の抵抗分布、より具体的には、図8Aに示すフォトレジストマスク6を用いて、図5Bに示す工程において、抵抗変化層3を、エッチング端面に付着しやすい保護ガスとして臭化水素(HBr)もしくは三フッ化メタン(CHF)含む混合ガス(エッチングガス)を用いたドライエッチングプロセスによりエッチングした後、ハードマスク層5をエッチング除去し、所定のパターン形状に形成された不揮発性記憶素子1の初期抵抗値の抵抗分布を図10に示す。ここには、コヒーレンスファクタσが0.82の条件で製造された多数の不揮発性記憶素子1の初期抵抗値の抵抗分布(黒丸印のプロット)と、コヒーレンスファクタσが0.47の条件で製造された多数の不揮発性記憶素子1の初期抵抗値の抵抗分布(白三角印のプロット)とが示されている。図10において、横軸は初期抵抗値を示し、縦軸は正規期待値を示す。
図10から分かるように、コヒーレンスファクタσが0.82の時より0.47のときの方が初期抵抗値のばらつきが低減されていることがわかる。これは、コヒーレンスファクタσが0.82の時より0.47の時の方が、フォトレジストマスク6の平面形状が、より角部が中央部側に後退した丸みをもつ形状となり、コヒーレンスファクタσが0.82の時にはドライエッチングによる寸法変化量の差が33nmであったのに対し、コヒーレンスファクタσが0.47の時には9nmであるため、酸素欠損抑制ガスの効果も高まり(エッチング端面に対する酸素欠損の抑制効果が均一化され)、不揮発性記憶素子1に印加されるエッチングダメージの不均一性が、コヒーレンスファクタσを小さくすることにより低減されていることに起因する。つまり、コヒーレンスファクタσをより小さくすることで、不揮発性記憶装置10の初期抵抗値のばらつきを、より低減することができる。
さらに、エッチングガスに含有されていた酸素欠損抑制ガスによって、側壁(エッチング端面)における酸素欠損が抑制される、あるいは、ダメージを受けることから保護されるので、このように製造された不揮発性記憶素子1は、初期抵抗値のばらつきがさらに低減される。
したがって、従来のような四角形のレチクルを用いて不揮発性記憶素子を作製する場合には、コヒーレンスファクタσを1からより小さくし、より角部が中央部側に後退した丸みをもつ平面形状のフォトレジストマスクを用いて不揮発性記憶素子を製造することで、エッチングの端面でのエッチング量が均一化されるとともに、酸素欠損抑制ガスの効果が高められ、不揮発性記憶素子の初期抵抗値のばらつきを、より低減することが可能である。
図11Aは、フォトレジストマスクの平面形状の効果と、エッチングガスに含有させる酸素欠損抑制ガスの効果とを確認する実験の結果を示すグラフである。この図11Aの縦軸および横軸は図10と同様である。図11Bは、図11Aに示される実験における各条件(横軸)での初期抵抗値ばらつき(縦軸、σ%、分布の標準偏差σを分布の平均値で割った値(%))を示す図である。また、図11Bの右上の枠内は、フォトレジストマスクの平面形状の模式図を示し、「円形(ii)」が「円形(i)」よりも角部が中央側に後退していることを示している。
ここで、図11Aの丸印のプロットは、フォトレジストマスクとして、角部が丸い矩形状(図11Bにおける「円形(i)」)のフォトレジストマスクを用い、エッチングガスに含有させる酸素欠損抑制ガスとして、酸素ガスを用いて製造した不揮発性記憶素子1の初期抵抗値の抵抗分布を示す。また、図11Aの×印のプロットは、フォトレジストマスクとして、円形(図11Bにおける「円形(ii)」)のフォトレジストマスクを用い、エッチングガスに含有させる酸素欠損抑制ガスとして、酸素ガスを用いて製造した不揮発性記憶素子1の初期抵抗値の抵抗分布を示す。また、図11Aの三角印のプロットは、フォトレジストマスクとして、円形(図11Bにおける「円形(ii)」)のフォトレジストマスクを用い、エッチングガスに含有させる酸素欠損抑制ガスとして、臭化水素HBrを用いて製造した不揮発性記憶素子1の初期抵抗値の抵抗分布を示す。また、図11Aの四角印のプロットは、フォトレジストマスクとして、円形(図11Bにおける「円形(ii)」)のフォトレジストマスクを用い、エッチングガスに含有させる酸素欠損抑制ガスとして、三フッ化メタンCHFを用いて製造した不揮発性記憶素子1の初期抵抗値の抵抗分布を示す。
図11Bは、図11Aに示される各サンプル毎の初期抵抗値ばらつきを比較する図である。円形(i)のフォトレジストマスクを用い、酸素ガスを含有するエッチングガス用いたサンプルは、44.4%の初期抵抗値ばらつきを示している。円形(ii)のフォトレジストマスクを用い、酸素ガスを含有するエッチングガス用いたサンプルは、25.4%の初期抵抗値ばらつきを示している。円形(ii)のフォトレジストマスクを用い、保護ガスとして臭化水素HBrを含有するエッチングガス用いたサンプルは、13.4%の初期抵抗値ばらつきを示している。円形(ii)のフォトレジストマスクを用い、保護ガスとして三フッ化メタンCHFを含有するエッチングガス用いたサンプルは、16.5%の初期抵抗値ばらつきを示している。
図11Bから分かるように、フォトレジストマスクの形状としては、角部が丸い矩形よりも、円形のフォトレジストマスクを用いて製造するほうが、不揮発性記憶素子1の初期抵抗値のばらつきが小さく、一方、エッチングガスに含有させる酸素欠損抑制ガスとしては、酸素よりも、臭化水素HBrあるいは三フッ化メタンCHFを含有するエッチングガスを用いて製造した不揮発性記憶素子1の初期抵抗値のばらつきが小さい。
このように、本実施の形態における不揮発性記憶素子及びその製造方法によれば、平面形状における角部を中央部側へ後退させた形状のフォトレジストマスクを用いてハードマスクを形成し、さらに、そのハードマスクを用いて不揮発性記憶素子が形成されるので、不揮発性記憶素子の平面形状は、90°の角度を有する角部がない丸みをもつ形状となり、抵抗変化層がエッチングされる量の不均一さが低減される。さらに、エッチングガスに酸素欠損抑制ガスが含まれるときには、エッチング端面での抵抗変化層の酸素含有量の変動を低減させる効果を高める。このため、抵抗変化層へのエッチングダメージの不均一性は低減され、不揮発性記憶素子の抵抗値ばらつきが低減され、抵抗値の初期動作、動作特性にばらつきのない高品質の不揮発性記憶素子が実現される。
以上のように、本実施の形態の製造方法を用いれば、抵抗値のばらつきを抑えた不揮発性記憶素子1を作製することが可能であり、このような不揮発性記憶素子1を用いて、例えば1T1R型の不揮発性記憶装置を構成すれば、動作が安定した不揮発性記憶装置を実現することができる。
なお、上述した実施の形態では、図2Cに示す工程において、フォトリソグラフィ時にはレチクルに正四角形が描画されたパターンを用いた例で説明したが、レチクルに描画するパターンとしては、図4Aや図4Bに示すような隣り合う2つの端面(あるいは、隣り合う側面、つまり、隣り合う外形線)が成す角度が90度より大きな六角形や八角形のパターン30を用いてもよい。また、図4Cに示すような、角部がなく曲線を有した形状(角が丸い矩形、あるいは、円形)がレチクルに描画されているパターン30を用いた場合は、コヒーレンスファクタσを1とすることで精度よく忠実にフォトレジストマスク6を形成することができるため、上述した実施の形態で述べたような、角部が中央部側に後退した丸みをもつ平面形状をもつフォトレジストマスク6を同様に形成することができ、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、図4A〜図4Cに示されるレチクルの平面形状については、さまざまな表現をすることができる。つまり、レチクルの平面形状が多角形である場合には、いずれの角部においても、隣り合う2つの外形線がなす角度が90度より大きい、あるいは、丸みをもつ形状であればよい。また、レチクルの平面形状は、円形、あるいは、楕円形等の曲線で囲まれた形状であってもよい。さらに、レチクルの平面形状は、2つの外形線がなす角度が90度より大きい角部と丸みをもつ角部と曲線で囲まれた部分とが混在した形状であってもよい。これらのレチクルの平面形状の種類は、本発明に係る不揮発性記憶素子を製造する際におけるフォトレジストマスクのパターン形状についても、そのまま適用することができる。
以上、本発明に係る不揮発性記憶素子及びその製造方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、このような実施の形態に限定されない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、各実施の形態における構成要素及び特徴箇所を任意に組み合わせて得られる形態も本発明に含まれる。
たとえば、平面形状における角部を中央部側へ後退させた形状のフォトレジストマスクを形成する方法として、(1)フォトリソグラフィ時のコヒーレンスファクタを1未満に設定しておく方法と、(2)2つの隣接する端面が成す角度が90度より大きい形状が描画されたレチクルを用いる方法とを説明したが、これら2つの方法は、排他的に選択できるだけでなく、併用してもよい。
また、本発明は、不揮発性記憶素子及びその製造方法として実現できるだけでなく、不揮発性記憶素子に、その周辺の構成要素を含めた不揮発性記憶装置及びその製造方法として実現することもできる。
本発明の不揮発性記憶素子は、デジタル家電、メモリカード、携帯型電話機、及びパーソナルコンピュータなどの種々の電子機器に用いられる不揮発性記憶素子の用途において有用である。
本発明の不揮発性記憶素子の製造方法は、デジタル家電、メモリカード、携帯型電話機、及びパーソナルコンピュータなどの種々の電子機器に用いることが可能な不揮発性記憶素子の製造方法として有用である。
1 不揮発性記憶素子
2 下部電極層
3 抵抗変化層
3a 上部電極層と抵抗変化層の境界面の水平幅
3b 上部電極層と抵抗変化層の境界面の対角幅
4 上部電極層
5 ハードマスク層
5’ ハードマスク
6 フォトレジストマスク
6a フォトレジストマスクの水平幅
6b フォトレジストマスクの対角幅
10 不揮発性記憶装置
11 基板
12 ソース層およびドレイン層
13 ゲート層
14 第1の層間絶縁層
15 第1のコンタクトプラグ
16 第2のコンタクトプラグ
16A 第2のコンタクトプラグ開口部
17 第3のコンタクトプラグ
18 配線層
18a 第1の配線層
18b 第2の配線層
19 第2の層間絶縁層
20 トランジスタ
30 パターン(レチクル描画形状)
300 被エッチング体
301 角部のエッチング端面
302 曲線部のエッチング端面
303 直線部のエッチング端面
400 縮小投影露光装置
401 光源
402、405 ミラー
403 照明系レンズ
404 照明系絞り
406 コンデンサーレンズ
407 レチクル
408 投影系レンズ

Claims (9)

  1. 抵抗変化型の不揮発性記憶素子の製造方法であって、
    基板上に下部電極層を形成する工程と、
    前記下部電極層上に遷移金属酸化物で構成される抵抗変化層を形成する工程と、
    前記抵抗変化層上に上部電極層を形成する工程と、
    前記上部電極層上にハードマスク層を形成する工程と、
    前記ハードマスク層上にフォトレジストマスクを形成する工程と、
    前記フォトレジストマスクを用いて、前記ハードマスク層をエッチングして、ハードマスクを形成する工程と、
    前記ハードマスクを用いて、前記上部電極層と前記抵抗変化層と前記下部電極層とを、酸素欠損抑制ガスを含有するエッチングガスでエッチングして、前記上部電極層と前記抵抗変化層と前記下部電極層とで構成される不揮発性記憶素子を形成する工程とを含み、
    前記抵抗変化層は、酸素含有量の変化により抵抗値が変化し、かつ、前記エッチングガスが酸素欠損抑制ガスを含有しない場合、エッチングした前記抵抗変化層の酸素含有量が変動する特性を有し、
    前記不揮発性記憶素子を形成する工程では、前記酸素欠損抑制ガスを含有する前記エッチングガスを用いたエッチングによって、前記抵抗変化層の側壁部に前記酸素欠損抑制ガスを構成する成分が付着し、
    前記フォトレジストマスクを形成する工程では、平面形状における角部を当該フォトレジストマスクの中央部側へ後退させた形状のフォトレジストマスクを形成する
    不揮発性記憶素子の製造方法。
  2. 前記フォトレジストマスクを形成する工程では、フォトリソグラフィ時のコヒーレンスファクタを1未満とし、レチクルに描画されている四角形の形状を被露光領域に投影することで、前記フォトレジストマスクを形成する
    請求項1に記載の不揮発性記憶素子の製造方法。
  3. 前記フォトレジストマスクを形成する工程では、フォトリソグラフィ時のコヒーレンスファクタを0.5未満とし、レチクルに描画されている四角形の形状を被露光領域に投影することで、前記フォトレジストマスクを形成する
    請求項1に記載の不揮発性記憶素子の製造方法。
  4. 前記フォトレジストマスクを形成する工程では、2つの隣接する端面が成す角度が90度より大きい形状が描画されたレチクルを用いたフォトリソグラフィによって、前記フォトレジストマスクを形成する
    請求項1に記載の不揮発性記憶素子の製造方法。
  5. 前記抵抗変化層を形成する工程では、タンタル酸化物TaO(0<x<2.5)を用いて前記抵抗変化層を形成する
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の不揮発性記憶素子の製造方法。
  6. 前記上部電極層を形成する工程では、白金、イリジウム、及びパラジウムのいずれかを用いて、前記上部電極層を形成する
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の不揮発性記憶素子の製造方法。
  7. 前記ハードマスク層を形成する工程では、窒化アルミニウムチタンを用いて、前記ハードマスク層を形成する
    請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の不揮発性記憶素子の製造方法。
  8. 抵抗変化型の不揮発性記憶素子であって、
    基板上に形成された下部電極層と、
    前記下部電極層上に形成された遷移金属酸化物で構成される抵抗変化層と、
    前記抵抗変化層上に形成された上部電極層とを備え、
    前記上部電極層と前記抵抗変化層と前記下部電極層とは、いずれも、平面形状における角部を中央部側へ後退させた形状を有し、
    前記抵抗変化層の側壁部には、前記上部電極層と前記抵抗変化層と前記下部電極層と形成するのに用いられたエッチングガスに含有されていた酸素欠損抑制ガスを構成する成分が付着している
    不揮発性記憶素子。
  9. 前記抵抗変化層の側壁部には、前記酸素欠損抑制ガスを構成する成分として、臭素化合物が付着している
    請求項8に記載の不揮発性記憶素子。
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