JP4961843B2 - 記憶素子の製造方法 - Google Patents
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特に、メモリの高密度・大容量化は、ますます重要な課題となっており、今後のさらなる微細化・配線等の多層化に対応するプロセス技術が必要となる。
また、DRAMは、電源を切ると情報が消えてしまう揮発性メモリであり、頻繁にリフレッシュ動作、即ち書き込んだ情報(データ)を読み出し、増幅し直して、再度書き込み直す動作を行う必要がある。
これらのメモリの場合、電源を供給しなくても書き込んだ情報を長時間保持し続けることが可能になる。
また、これらのメモリの場合、不揮発性とすることにより、リフレッシュ動作を不要にして、その分消費電力を低減することができると考えられる。
このため、デザインルールの限界や製造プロセス上の限界まで素子を縮小化することは難しい。
この記憶素子は、2つの電極の間に、ある金属を含むイオン導電体を挟んだ構造である。
そして、2つの電極のいずれか一方にイオン導電体中に含まれる金属を含ませることにより、2つの電極間に電圧を印加した場合に、電極中に含まれる金属がイオン導電体中にイオンとして拡散するため、これによりイオン導電体の抵抗値或いはキャパシタンス等の電気特性が変化する。
この特性を利用して、メモリデバイスを構成することが可能である(例えば特許文献1、非特許文献1参照)。
これは、使用する研磨装置の使用条件や制御性、研磨用スラリーの選択性、研磨パッドの弾力性や緻密度合い等、多種多様の組み合わせが存在し、これらを組み合わせた際の総合的な技術開発には非常に長い時間がかかること等から、異なる材料において研磨レートを合わせることが難しいためである。
そして、凹凸上に成膜した薄膜において、膜厚が場所によって異なってしまう問題や、薄膜の表面にも同様の凹凸ができてしまう問題があり、これらの問題を回避することが困難であった。
このメタルマスクを使用して、斜め上方から絶縁層をエッチングすることにより、絶縁層に下部電極に達する開口を形成することにより、絶縁層の開口が下方(下部電極側)よりも上方が広く形成されることになる。これにより、上述のように開口の肩部(エッジ部)が鈍角になっている。
そして、記憶層及びイオン源層を、開口内と絶縁層上とにわたって連続するように形成することにより、開口の肩部(エッジ部)が鈍角になっているため、開口付近で膜が薄くなったり途切れたりしないように、記憶層及びイオン源層を良好な状態で安定して形成することができる。
また、本発明の記憶素子の製造方法によれば、絶縁層の開口の形状を精度良く制御することが可能になるので、記憶素子から成るメモリセルが多数配列された記憶装置において、各メモリセルの記憶素子の記憶層及びイオン源層を、メモリセル毎のバラツキを少なく、均一に形成することができる。
従って、メモリセルのサイズを微細化しても、記憶素子を容易に歩留まり良く製造することができるため、メモリセルの密度を高めることが可能になる。これにより、記憶装置(メモリ)の記憶容量の増大や小型化を図ることが可能になる。
また、金属層や絶縁層のエッチングを斜め上方から行うことにより、除去した材料の再付着を少なくすることができると共に、マスクの開口よりも面積の小さい開口を絶縁層に形成することができるので、絶縁層の開口内に形成されるメモリセルのサイズを容易に微細化することができる。
この記憶素子10は、下部電極1上の絶縁層2に形成された開口を通じて下部電極1に接続するように、比較的高い抵抗値を有する記憶層3と、この記憶層3上にCu,Ag,Znのうちのいずれかの元素が含有された、イオン源層4が形成され、その上に電極下地層5を介して、上部電極6が形成されて構成されている。
記憶層3及びイオン源層4により、情報を記録(記憶)するための記録用積層膜11が構成される。
また、上部電極6及びその下地の電極下地層5により、電極層12が構成される。
そして、金属元素が後述するようにイオン化することにより、記憶素子10の抵抗値が変化する。即ち、この金属元素(Cu,Ag,Zn)はイオン源となるものである。
具体的には、例えば、酸化珪素、窒化珪素、希土類酸化膜、希土類窒化膜、アモルファスシリコン、アモルファスゲルマニウム、さらには、アモルファスカルコゲナイド等の材料を用いることが可能である。
また、記憶層3又はイオン源層4に、S,Se,Teから選ばれた1種以上の元素(カルコゲナイド元素)を、含有させることが可能である。
さらにまた、記憶層3に、イオン源となる金属元素(Cu,Ag,Zn)を含有させても良い。
上部電極6は、下部電極1と同様の通常の半導体装置の配線材料や電極材料を用いて構成することができる。
すると、記憶層3内部にCu,Ag,Znを多量に含む電流パスが形成される、もしくは、記憶層3内部にCu,Ag,Znによる欠陥が多数形成されることによって、記憶層3の抵抗値が低くなる。記憶層3以外の各層は、記憶層3の記録前の抵抗値に比べて、元々抵抗値が低いので、記憶層3の抵抗値を低くすることにより、記憶素子10全体の抵抗値も低くすることができる。
すると、記憶層3内からCu,Ag,Znによる電流パス、もしくは、欠陥が消滅して、記憶層3の抵抗値が高くなる。記憶層3以外の各層は元々抵抗値が低いので、記憶層3の抵抗値を高くすることにより、記憶素子10全体の抵抗値も高くすることができる。
その後、負電圧を除去して、記憶素子10にかかる電圧をなくすと、抵抗値が高くなった状態で保持される。これにより、記録された情報を消去すること(消去過程)が可能になる。
これにより、コンタクトホールの部分(いわゆるプラグ)に、下部電極1・記憶層3・イオン源層4・上部電極6が積層されたメモリセルが構成される。
従って、コンタクトホールの寸法を規定することにより、メモリセルの大きさを所望の大きさに制御することが可能になる。コンタクトホールの大きさは、例えば20nm程度とする。
そして、記憶層3及びイオン源層4が、開口(コンタクトホール)内と、絶縁層2上とにわたって連続して形成されている。
このような構造となっているので、記憶層3及びイオン源層4を、開口(コンタクトホール)内の部分と、絶縁層2上の部分とにわたって連続して形成する際に、絶縁層2の開口の肩部(エッジ部)付近で薄くなったり、途切れたりすることがない、良好な状態で形成することができる、という利点を有する。
これに対して、開口が、例えば、下部電極1側と上部電極6側が同じ面積、即ち開口の内壁面が下部電極1の膜面に垂直になっていたり、下部電極1側が広く形成されていたりすると、開口の肩部(エッジ部)付近で、記憶層3やイオン源層4が薄くなったり途切れたりするおそれがある。
なお、絶縁層2の開口の内壁面を、平面とする代わりに、緩やかな曲面としても良いが、いずれにしても、上部電極6側が広くなるように形成する。
これにより、各メモリセルの記憶層3及びイオン源層4を良好な状態で安定して形成することが可能な構造の記憶装置(メモリ)を構成することができる。
絶縁層2の材料に、例えばSiO2を使用する場合には、絶縁層2の厚さを10nmとする。
メタルマスクとなる金属層21の材料としては、Ta(タンタル)やWN(窒化タングステン)等、絶縁層2の材料(一般的にはSiO2やSiN)に対してエッチングレートの低い材料を用いることが望ましい。
金属層21の材料に例えばWNを使用する場合には、金属層21の厚さを3.5nmとする。
図2Aの状態の上面から見た平面図を、図2Bに示す。フォトレジスト22に覆われていない部分で、金属層21が露出している。
イオンミリング処理におけるイオン23の入射角度は、好ましくは、ウェハの主面に対して垂直な方向(ウェハの法線方向)を基準として、30°〜75°、もしくは−30°〜−75°とする。
イオンミリング処理を行う際には、図3中矢印Rで示すようにウェハを回転させることから、ウェハに対するイオン23の入射方向が、ある一定時間で一周360°変化する。そのため、イオン23の入射角度がプラスの角度であってもマイナスの角度であっても、実質的には等価のイオンミリング処理が行われる。
そして、金属層21の厚さ以上の深さになると、金属層21に開口が形成され、処理量が増すに従いこの開口も大きくなっていく。
この処理量に応じた開口の大きさの変化を制御することにより、所望の開口を有するメタルマスク21を形成することが可能である。
このとき、絶縁層2が下部電極1に対する保護膜として作用して、下部電極1が薬液や水分によって腐食することを防止することができる。
また、薬液で洗浄を行うことにより、メタルマスク21の開口のエッジ部21Aには、イオンミリング処理で除去された物質の再付着等による突起(バリ)が形成されないようにすることができる。
前述したように、絶縁層2にSiO2を用い、メタルマスク21にWNを用いた場合には、これらのエッチングレートの比が3:1程度となることから、薄いメタルマスク21で深い開口を形成することが可能である。
また、メタルマスク21の厚さと、絶縁層2の厚さとは、このような相互のエッチングレートに応じて設定する。
メタルマスク21の材料は、フォトレジスト22よりもエッチングレートが充分に遅いので、薄い膜でもマスクとしての機能を果たすことができる。
また、メタルマスク21が薄いので、エッチングで除去した材料の再付着量を少なくすることができる。
この工程のイオン24の入射角度は、好ましくは、先のイオンミリング処理工程と同様に、ウェハの主面に対して垂直な方向(ウェハの法線方向)を基準として、30°〜75°、もしくは−30°〜−75°とする。また、この場合も、図6中矢印Rで示すように、ウェハを回転させる。
また、エッチングの角度を、上述のように、ウェハの主面に垂直な方向(ウェハの法線方向)を基準として、30°〜75°又は−30°〜−75°の範囲内とすると、得られる斜面(テーパー面)2Aの(ウェハの主面に対する)角度θは、おおむね前述した30°〜60°の範囲内となる。
記憶層3は、絶縁層2に開口されたコンタクトホール内で、下部電極1に接している。
この試料の記憶素子10の各層の材料は、下部電極1がWN、絶縁層2がSiO2、記憶層3がガドリニウム(Gd)酸化物にGeTeを含有させた酸化物、イオン源層4がCu、電極下地層5がCr、上部電極6がAuである。また、下部電極1の下の層は、SiO2である。
次に、このメタルマスク21を使用して、斜め上方から絶縁層2をエッチングすることにより、絶縁層2に下部電極1に達する開口を形成するので、絶縁層2の開口が下方(下部電極1側)よりも上方が広く形成されることになる。これにより、絶縁層2の開口の肩部(エッジ部)が鈍角になる。
そして、記憶層3及びイオン源層4を、開口内の部分と絶縁層2上の部分とにわたって連続するように形成することにより、開口の肩部(エッジ部)が鈍角になっているため、開口付近で膜が薄くなったり途切れたりしないように、記憶層3及びイオン源層4を良好な状態で安定して形成することができる。
従って、メモリセルのサイズを微細化しても、記憶素子10を容易に歩留まり良く製造することができるため、メモリセルの密度を高めることが可能になる。これにより、記憶装置(メモリ)の記憶容量の増大や小型化を図ることが可能になる。
そして、エッチングの際のイオンの入射角度を小さくする(ウェハ面の法線方向に近づける)と、コンタクトホールのサイズが大きくなる。逆に、入射角度を大きくする(ウェハ面方向に近づける)と、コンタクトホールのサイズが小さくなる。
また、イオンを斜め上方から入射させてイオンミリング処理工程やエッチング工程を行うことにより、フォトレジスト22のマスクの開口よりも小さい開口を絶縁層2に形成することができる。これにより、絶縁層2の開口によるコンタクトホール内に構成される、メモリセルのサイズを容易に微細化することができる。
ウェハの回転のさせ方は、一定速度で回転させても、間欠的に回転させてもよく、特に限定されない。
この場合、形成するコンタクトホールの平面形状に合わせて、フォトレジスト22のマスクパターンを形成すればよい。
Claims (3)
- 下部電極と上部電極との間に、酸化物から成る記憶層と、Cu,Ag,Znから選ばれるいずれかの元素が含まれたイオン源層とが積層形成された記憶素子を製造する方法であって、
前記下部電極上に絶縁層を形成し、前記絶縁層上に、前記絶縁層に対してエッチングレートが小さい材料を使用した、金属層を介して、フォトレジストから成り、前記金属層に達する開口の周囲を囲むパターンを有するマスクを形成する工程と、
前記フォトレジストから成るマスクを使用して、斜め上方から前記絶縁層上の前記金属層をエッチングすることにより、メタルマスクを形成する工程と、
前記メタルマスクを使用して、斜め上方から前記絶縁層をエッチングすることにより、前記絶縁層に前記下部電極に達する開口を形成する工程と、
前記記憶層及び前記イオン源層を、前記開口内と前記絶縁層上とにわたって連続するように形成する工程とを有する
記憶素子の製造方法。 - 前記メタルマスクを形成する工程において、イオンミリング装置を用いたエッチングを行う請求項1に記載の記憶素子の製造方法。
- 前記メタルマスクを形成する工程及び前記絶縁層をエッチングする工程において、ウェハの主面に対して垂直な方向に対して、30度〜75度もしくは−30度〜−75度の範囲の傾斜角度を有する方向でエッチングを行う請求項1又は請求項2に記載の記憶素子の製造方法。
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