JP2009141151A - 記憶素子および記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】繰り返し動作可能回数をより多く、安定した抵抗変化スイッチング特性を示す記憶素子を提供する。
【解決手段】記憶素子1Aは、下部電極14および絶縁膜15上に記憶層17および上部電極18を備える。記憶層17は高抵抗層およびイオン源層の積層構造により構成されている。高抵抗層はGd(ガドリニウム)の酸化膜により形成され、イオン源層は、S(硫黄),Se(セレン)およびTe(テルル)などのカルコゲナイド元素と共に、Cu(銅),Zr(ジルコニウム),Al(アルミニウム)などの金属元素を含有する。絶縁膜15には凹部16が設けられ、この凹部16において下部電極14と記憶層17とが接する。凹部16の深さは、好ましくは2nm以上20nm以下、より好ましくは5nm以上16nm以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、記憶層の電気的特性の変化により情報を記憶する記憶素子および記憶装置に関する。
コンピュータ等の情報機器においては、RAM(Random Access memory;ランダム・アクセス・メモリ) として、動作が高速で、高密度のDRAM(Dynamic Random Access memory)が広く使用されている。しかしながら、DRAMは、電子機器に用いられる一般的な論理回路LSI(Large Scale Integration) や信号処理と比較して製造プロセスが複雑であるため、製造コストが高くなっている。また、DRAMは、電源を切ると情報が消えてしまう揮発性メモリであり、頻繁にリフレッシュ動作、即ち書き込んだ情報(データ)を読み出し、増幅し直して、再度書き込み直す動作を行う必要がある。
そこで、電源を切っても情報が消えない不揮発性のメモリとして、例えば、フラッシュメモリ、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)(強誘電体メモリ)やMRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)(磁気記憶素子)等が提案されている。これらのメモリの場合、電源を供給しなくても書き込んだ情報を長時間保持し続けることが可能になる。
しかしながら、上述した各種の不揮発性のメモリは、それぞれ一長一短がある。フラッシュメモリは、集積度が高いが、動作速度の点で不利である。FeRAMは、高集積度化のための微細加工に限界あり、また作製プロセスにおいて問題がある。MRAMは消費電力の問題がある。
そこで、特にメモリ素子の微細加工の限界に対して有利な、新しいタイプの記憶素子が提案されている。この記憶素子は、2つの電極の間に、ある金属を含むイオン導電体を挟む構造としたものである。この記憶素子では、2つの電極のいずれか一方にイオン導電体中に含まれる金属を含ませることによって、2つの電極間に電圧を印加した場合に、電極中に含まれる金属がイオン導電体中にイオンとして拡散することによって、イオン導電体の抵抗値あるいはキャパシタンス等の電気特性が変化する。例えば、特許文献1および非特許文献1では、この特性を利用したメモリデバイスの構成が記載されており、特に特許文献1においては、イオン導電体はカルコゲナイドと金属との固溶体よりなる構成が提案されている。具体的には、AsS,GeS,GeSeにAg(銀),Cu(銅)またはZn(亜鉛)が固溶された材料からなり、2つの電極のいずれか一方の電極には、Ag,CuまたはZnが含まれている。
しかしながら、上述した、上部電極または下部電極にAg等を含み、それらの電極にGe−S若しくはGe−Seアモルファスカルコゲナイド材料が挟まれた構造の記憶素子では、温度上昇によりカルコゲナイド薄膜が結晶化するという問題があった。このように結晶化が生ずると、その結晶化に伴って材料の特性が変化し、本来は高抵抗の状態でデータを保持している部分が、高温環境下あるいは長期保存時に低抵抗の状態に変化するなどの問題が発生する。そこで、さらに電極とイオン伝導体との間に、イオン伝導体と電極との間をイオンが移動することを制限するバリア層として希土類酸化膜を挿入した構成の記憶素子が提案されている(例えば、特許文献2)。
このようにバリア層として希土類酸化膜を有する記憶素子では、閾値電圧以上の記録電圧が印加されると、Cu,Ag,Znなどの金属元素が含まれた電極層からこれらの金属がイオン化して、希土類酸化膜に拡散していき、他電極側で電子と結合して析出する、あるいは、希土類酸化膜内部に拡散した状態で留まる。すると、希土類酸化膜の内部にこれら金属元素を多量に含む電流パスが形成される、若しくは、希土類酸化膜の内部に金属元素による欠陥が多数形成されることによって、希土類酸化膜の抵抗値が低くなる。
また、上述と逆極性の電圧を印加することにより、希土類酸化膜内に形成されていた電流パスあるいは不純物準位を構成するCu等の金属元素が再びイオン化して、希土類酸化膜内を移動して電極層側に戻り、これにより希土類酸化膜の抵抗値が高くなる。この希土類酸化膜の抵抗変化による記憶素子は、特に高温環境下および長期のデータ保持安定性に優れた特性を有すると報告されている。
特表2002−536840号公報 日経エレクトロニクス 2003.1.20号(第104頁) 特開2005−197634号公報
更に、このような記憶素子では、その面積が4,000nm2 以下のように微細化されると、希土類酸化膜をスケーリング測に従って薄膜化することが困難となることから、イオン源層に対応する層にSi(シリコン)やZr(ジルコニウム)等を添加することが提案されている。これによれば、電極とイオン源層との間に希土類酸化膜がなくても抵抗変化スイッチング特性を呈する。
しかしながら、このように改良がなされているものの、この種の記憶素子においては、書き込みおよび消去の繰り返し動作を行うと、次第に高抵抗状態と低抵抗状態との差がなくなり、読み出しエラーが増えてしまうという問題があった。そのため従来では、繰り返し動作可能回数が1万回程度であった。このようなことから、繰り返し動作可能回数を多くして安定した抵抗変化スイッチング特性を呈する記憶素子が要望されている。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、繰り返し動作可能回数をより多くすることができ、安定した抵抗変化スイッチング特性を呈する記憶素子および記憶装置を提供することにある。
本発明の記憶素子は、第1電極上に記憶層,第2電極がこの順に積層され、記憶層の電気的特性の変化により情報の書き込みあるいは消去がなされるものであって、第1電極を絶縁分離するための絶縁膜を有すると共に、この絶縁膜に、深さが2nm以上20nm以下の凹部が設けられ、その凹部において第1電極と記憶層とが接触しているものである。凹部のリセス量は、より好ましくは5nm以上16nm以下である。
本発明の記憶装置は、第1電極と第2電極との間にイオン化層を含む複数の記憶層を有し、記憶層の電気的特性の変化により情報を記憶する複数の記憶素子と、複数の記憶素子に対して選択的に電圧または電流のパルスを印加するパルス印加手段とを備えたものであり、記憶素子として本発明の記憶素子を用いたものである。
本発明の記憶素子または記憶装置では、絶縁膜に深さ(リセス量)が2nm以上20nm以下の凹部を有し、この凹部において第1電極と記憶層が接触していることから、書き込みおよび消去の繰り返し動作可能回数が大幅に増加する。
本発明の記憶素子または記憶装置によれば、絶縁膜に深さ(リセス量)が2nm以上20nm以下の凹部を設け、この凹部において第1電極と記憶層を接触させるようにしたので、繰り返し動作可能回数が大幅に増加して安定した抵抗変化スイッチング特性を呈し、良好なメモリ特性を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る記憶素子の断面構成を表すものである。この記憶素子1Aでは、例えば配線層11の上に絶縁膜12が形成され、この絶縁膜12に配線層11まで達する溝13が設けられている。溝13には下部電極14が埋設されている。絶縁膜12および下部電極14の上には凹部16を有する絶縁膜15が形成されており、下部電極14の一部を露出させている。下部電極14および絶縁膜15上には記憶層17が形成され、更に、この記憶層17上に上部電極18が形成されている。記憶層17は絶縁膜15に設けられた凹部16において下部電極14と接している。
下部電極14および上部電極18には、例えば、W(タングステン),WN(窒化タングステン),Cu(銅),Al(アルミニウム),Mo(モリブデン),Ta(タンタル),Si(シリコン),Zr(ジルコニウム)およびシリサイド等を用いることができる。本実施の形態では、下部電極14は例えばWZrNb層、上部電極18はZr層およびAl層の積層構造(Zr/Al層)によりそれぞれ構成されている。
絶縁膜12および絶縁膜15は、例えば、TEOS−SiO2 、SiO2 あるいはSiNによりそれぞれ形成されるが、ともに同じ材料により形成してもよく、あるいは異なる材料により形成するようにしてもよい。絶縁膜15に設けられた凹部16は下部電極14と上部電極18との間に流れる電流を狭窄するもので、その底面の面積は例えば400nm2 である。凹部16の深さ(リセス量)は、好ましくは2nm以上20nm以下、より好ましくは5nm以上16nm以下である。後述のように、凹部16の深さが2nm以上20nm以下の範囲内であれば、繰り返し動作可能回数が10万回以上、更に5nm以上16nm以下であれば、繰り返し動作可能回数が100万回以上となり、繰り返し動作可能回数が大幅に増加するからである。
記憶層17は、例えば、下部電極14側から積層された高抵抗層およびイオン源層により構成されている。イオン源層は、イオン伝導材料と共に金属元素として、例えばCu(銅),Ag(銀),Ge(ゲルマニウム)およびZn(亜鉛)のうちの少なくとも1種を含んでいる。イオン源層には、更に、Si(シリコン),Zr(ジルコニウム)およびAl(アルミニウム)のうちの少なくとも1種を含む構成としてもよい。
イオン伝導材料としては、例えば、S(硫黄),Se(セレン)およびTe(テルル)(カルコゲナイド元素)が挙げられ、これら元素の1種でも,あるいは2種以上の組み合わせでもよい。具体的には、イオン源層3は、例えば、CuGeTeSiを用いることができる。なお、これ以外にも、例えばAl(アルミニウム)などの他の元素を含んでいてもよい。
高抵抗層は、上記CuGeTeSi等からなるイオン源層と接していても安定である絶縁体あるいは半導体であればいずれの物質でも用いることができるが、好ましくはGd(ガドリニウム)などの希土類元素、Al,Mg(マグネシウム),Ta,SiおよびCuのうちの少なくとも1種を含む酸化物若しくは窒化物などがよい。
本実施の形態の記憶素子1Aでは、下部電極14および上部電極18を介して図示しない電源(パルス印加手段)から所定の電圧パルスあるいは電流パルスが印加されると、記憶層17の電気的特性、具体的には抵抗値が変化し、これにより情報の書き込み,消去,更に読み出しが行われる。なお、このような記憶素子1Aを多数、例えばマトリックス状に配置することにより本発明の記憶装置を構成することができる。
次に、図2〜図5を参照して上記記憶素子1Aの製造方法について説明する。
まず、図2(A)に示したように、配線層11の上にTEOS−SiO2 からなる絶縁膜12を形成したのち、図2(B)に示したようにこの絶縁膜12上に開口20Aを有するレジスト(感光性樹脂)層20を形成する。
次に、図2(C)に示したように、レジスト層20をマスクとして、例えば、RIE(Reactive Ion Etching,反応性イオンエッチング)法,IM(Ion Milling ,イオンミリング)法、ウェットエッチング法などにより、配線層11が露出するまで絶縁膜12を選択的に除去し、溝13を形成する。次いでレジスト層20を除去する。なお、レジスト層20としては、例えば、紫外線などを用いた露光装置用フォトレジストや電子線を用いた電子線描画用のEB(Electron Beam ,電子線)レジストが挙げられる。
次いで、図3(A)に示したように、溝13の内側に、例えばCVD法により堆積させて、例えばレジストエッチバック法による平坦化処理を施してWZrNbからなる下部電極14を形成する。次に、図3(B)に示したように例えばCVD法により例えばSiO2 からなる絶縁膜15を形成する。続いて、例えば上記エッチング法のいずれかによって選択的に凹部16を形成するが、このときその深さを好ましくは膜厚2nm以上20nm以下、より好ましくは5nm以上16nm以下とする。なお、この深さは絶縁膜15の膜厚を調整することにより設定できる。
続いて、図3(C)に示したように、記憶層17、例えば膜厚2nmのGd酸化膜(高抵抗層)および膜厚30nmのCuGeTeSi膜(イオン源層)を、DCマグネトロンスパッタリングで形成する。最期に、上部電極18として例えばCVD法により積層膜(Zr/Al層)を形成することにより、図1に示した記憶素子1Aを作製することができる。
次に、この記憶素子1Aに対する書き込みおよび消去、更に読み出しの動作について説明する。
図4は記憶素子1Aを含む駆動回路の構成を表すものである。すなわち、記憶素子1Aに対して選択トランジスタ(NMOSトランジスタ)2およびスイッチ3が直列配置されている。記憶素子1Aの上部電極18はソース線5を介して端子8に接続され、下部電極14は選択トランジスタ2の一端に接続されている。選択トランジスタ2の他端はスイッチ3およびビット線6を介して端子9に接続されている。選択トランジスタ2のゲート部はワード線4を介して端子10に接続されている。上記端子8〜9はそれぞれ外部のパルス電圧源と接続されており、外部からパルス電圧を印加できるようになっている。また、スイッチ3に対しては電流計7が並列配置されており、スイッチ3が開状態のときに回路に流れる電流を測定できるようになっている。
記憶素子1Aには、例えば図5(A)〜(C)に示したような波形のパルス電圧が印加されることにより、情報の書き込み,消去および読出しが行われる。まず、書き込み動作の場合には、上部電極18側が例えば正電位(+電位)、下部電極14側が負電位(−電位)になるように、記憶素子1Aに対して正電圧を印加する。これにより記憶層17のイオン源層から導電性イオン、例えばCuイオンが伝導し、下部電極14側で電子と結合して析出し、高抵抗層中に金属状態に還元された低抵抗のCu電流パスが形成されることによって抵抗値が低くなる。その後、正電圧を除去して、記憶素子1Aにかかる電圧をなくすと、抵抗値が低くなった状態で保持される。これにより情報の書き込みがなされる(図5(A))。
消去過程においては、上部電極18側が負電位、下部電極14側が正電位になるように、記憶素子1Aに対して負電圧を印加する。これにより高抵抗層中に形成されていた電流パスのCuが酸化してイオン化し、記憶層17に溶解若しくはTeと結合してCu2 Te、CuTe等の化合物を形成する。すると、Cuによる電流パスが消滅、または減少して抵抗値が高くなる。その後、負電圧を除去して、記憶素子1Aにかかる電圧をなくすと、抵抗値が高くなった状態で保持される。これにより情報の消去がなされる(図5(B))。このような過程を繰り返すことにより記憶素子1Aに情報の書き込みと消去とを繰り返し行うことができる。ここで、例えば、抵抗値の高い状態を「0」の情報に、抵抗値の低い状態を「1」の情報に、それぞれ対応させると、正電圧の印加による情報の記録過程で「0」から「1」に変え、負電圧の印加による情報の消去過程で「1」から「0」に変えることが可能になる。
書き込まれた情報の読み出しは、スイッチ3を開状態とし、記憶素子1Aの抵抗値の状態が遷移する電圧の閾値よりも小さい電圧パルスを印加することにより電流計7を流れる電流値を検出することにより行う(図5(C))。
本実施の形態の記憶素子1Aでは、後述の実施例からも明らかなように、絶縁膜15に凹部16を設けると共に、特に、その深さを2nm以上20nm以下、より好ましくは5nm以上16nm以下とすることにより、上記のような書き込みと消去の繰り返し動作可能回数が大幅に増加し、これにより抵抗変化スイッチング特性が向上し、良好なメモリ特性を得ることができる。
なお、記憶素子としては上記記憶素子1Aに限るものではなく、例えば図6に示したような構造の記憶素子1Bとしてもよい。この記憶素子1Bでは、配線層21の上に絶縁膜22が形成されると共に、この絶縁膜22の表面に凹部26が設けられている。絶縁膜22には、更に凹部26に連続して配線層21まで達する溝23が設けられている。溝23は図1の溝13に比してアスペクト比が大きく、この溝23内にプラグ状の下部電極24が埋設されている。この下部電極24および絶縁膜22上に記憶層27が形成され、更に、この記憶層27の上に上部電極28が形成されている。なお、凹部26は、絶縁膜22の溝23内に下部電極24を埋設したのち、記憶層27を成膜する前に、下部電極24のみを選択的にエッチングすることにより形成することができる。
すなわち、この記憶素子1Bでは、アスペクト比の大きな下部電極24の側面のみが絶縁膜22により覆われ、凹部26が下部電極24の表面全体にわたっている点において、上記記憶素子1Aと異なるが、凹部26の深さ、記憶層27の構成等は記憶素子1Aの対応する各要素と共通する。よって、その動作、作用効果についても同様である。
以下、具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
上記の製造方法により、図1に示した断面構造を有する記憶素子1Aのデバイスを作製した。絶縁膜12,15にはTEOS−SiO2 層を用いた。下部電極14にはWZrNbを用い、その形状は直径280nmの円柱状とした。絶縁膜15の凹部16は円形とし、その底面(下部電極14と記憶層17との接する部分)の面積を400nm2 とした。記憶層17は、膜厚2nmのGd酸化膜(高抵抗層)および膜厚30nmのCuGeTeSi膜(イオン源層)の積層構造とした。上部電極18にはZr/Al膜を用いた。
(比較例1)
一方、比較例1として、図7に示した記憶素子1Cを作製した。この記憶素子1Cは、記憶層27と下部電極24とが接する部分を凸部29とした点において、凹部26を有する記憶素子1Bと異なる。凸部29は、記憶層27を成膜する前に、選択的に絶縁膜22のみをエッチングすることにより形成した。なお、下部電極24は直径40nmの円柱状とした。各部の材料は実施例1と同様である。
ここで、上記のように作製した実施例1および比較例1において、実施例1では凹部16の深さ(リセス量)、比較例1では凸部29の厚みをそれぞれd(nm)とし、絶縁膜15(絶縁膜22)の表面と記憶層17(記憶層27)が接している面を基準として、記憶層17(記憶層27)と下部電極14(下部電極24)とが接する部分が基準面と一致するときをd=0とする。そして、実施例1の凹部16の場合、すなわち記憶層17と下部電極14とが接する部分が基準面よりも下にあるときをdが正(+)、比較例1の凸部29の場合、すなわち記憶層27と下部電極24とが接する部分が基準面よりも上にあるときをdが負(−)とする。
実施例1においては、絶縁膜15の厚み(凹部16の深さd)をd=−5,−10、−12,−15,−20,−50nmと変化させて、計6種類のデバイスを作製した。比較例1においては、凸部29の厚みdをd=0,+3,+5nmと変化させて、計3種類のデバイスを作製した。
(繰り返し特性評価)
上記9種類のデバイスについて、書き込みおよび消去の繰り返し動作時の抵抗変化(繰り返し特性)を測定した。繰り返し動作は、書き込み動作から始め、その後は書き込みおよび消去のサイクルを交互に行い、各書き込みおよび消去動作毎に抵抗値を測定した。
上記の測定には図4に示した回路を用い、各動作時における印加電圧は以下の通りとした。すなわち、書き込み動作時には、図5(A)に示したようにスイッチ3を閉じ、端子9には5nsのパルス幅Pwで3.0Vの書き込み電圧Vw、端子8には3.0Vの書き込み電圧Vw、端子10には125nsのパルス幅Pgwで、1.3Vのゲート電圧Vgwをそれぞれ印加した。消去動作時には、図5(B)に示したようにスイッチ3を閉じ、端子9には1nsのパルス幅Peで1.7Vの消去電圧Ve、端子8には0Vの電位、端子10には125nsのパルス幅Pgeで、3.0Vのゲート電圧Vgeをそれぞれ印加した。
読み出し時には、図5(C)に示したようにスイッチ3を開け、端子9には50nsのパルス幅で0.1Vの読出し電圧、端子8には0.1Vの読出し電圧、端子10には、3.0Vの電源電圧VDDを印加した。このとき、電流計7を用いて、記憶素子1Aに流れる電流と印加電圧(読出し電圧)とに基づき素子の抵抗値を測定した。
記録データの復調は、書き込み後の抵抗値と消去後の抵抗値との比がおよそ2倍以上であれば、可能である。そこで、上記9種類のデバイスに対してそれぞれ書き込み後の抵抗値と消去後の抵抗値との比が2倍より小さくなるまでの回数を測定した。その結果を図8に示す。図8の横軸は上記凹部16の深さあるいは凸部29の厚みd(nm)、縦軸は繰り返し動作可能回数(回)をそれぞれ表している。
この結果、繰り返し動作可能回数を増加させるには、深さdが一定の範囲内であれば、実施例1のように絶縁膜15に凹部16を設けることが有効であることが分かった。特に、凹部16の深さを2nm以上20nm以下とすれば、繰り返し動作可能回数が10万回以上となり、更に、5nm以上16nm以下とすれば、繰り返し動作可能回数を100万回以上とすることができ、これによりより安定した抵抗変化スイッチング特性を呈し、良好なメモリ特性を有することが分かった。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、記憶素子の構造を、上記実施の形態では、イオン源層と高抵抗層との積層構造を有するものとしたが、イオン源層を設ける代わりにイオン源層に用いられる金属元素を高抵抗層に含有させた構成のもの、更にはイオン源層に用いられる金属元素を電極に含有させて、電極がイオン源層を兼ねるようにした構成のものなどでもよく、本発明はこのような記憶素子のいずれも適用可能である。また、上記実施の形態においては、記憶層17の膜厚は均一となっているが、例えば、図1において、上部電極18の記憶層17側への凸部分のない構成、すなわち、記憶層17の膜厚が不均一となっていてもよい。
本発明の一実施の形態に係る記憶素子の断面図である。 上記素子の製造方法を工程毎に表す断面図である。 図2に続く工程を表す図である。 図1の素子の駆動回路の構成図である。 印加する電圧の波形図である。 変形例に係る記憶素子の断面図である。 比較例に係る記憶素子の断面図である。 実施例1および比較例1の繰り返し特性の測定結果を表す図である。
符号の説明
1A,1B…記憶素子、11…配線層、12…絶縁膜、13…溝、14…下部電極、15…絶縁膜、16…凹部、17…記憶層、18…上部電極

Claims (9)

  1. 第1電極上に記憶層,第2電極がこの順に積層され、前記記憶層の電気的特性の変化により情報の書き込みあるいは消去がなされる記憶素子であって、
    前記第1電極を絶縁分離するための絶縁膜を有すると共に、前記絶縁膜に、深さが2nm以上20nm以下の凹部が設けられ、前記凹部において前記第1電極と前記記憶層とが接触している
    ことを特徴とする記憶素子。
  2. 前記凹部の深さは、5nm以上16nm以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の記憶素子。
  3. 前記記憶層は、イオン伝導材料と共にCu(銅),Ag(銀),Ge(ゲルマニウム)およびZn(亜鉛)のうちの少なくとも1種の金属元素を含む
    ことを特徴とする請求項2記載の記憶素子。
  4. 前記記憶層は、更に、Si(シリコン),Zr(ジルコニウム)およびAl(アルミニウム)のうちの少なくとも1種を含む
    ことを特徴とする請求項3記載の記憶素子。
  5. 前記記憶層のイオン伝導材料は、S(硫黄),Se(セレン)およびTe(テルル)のうちの少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項4に記載の記憶素子。
  6. 前記第1電極の側面および表面の一部が前記絶縁膜により覆われ、
    前記凹部は前記第1電極の表面の一部領域に対応して設けられている
    ことを特徴とする請求項1または5に記載の記憶素子。
  7. 前記第1電極の側面が前記絶縁膜により覆われ、前記凹部は前記第1電極の表面全体に対応して設けられている
    ことを特徴とする請求項1または5に記載の記憶素子。
  8. 第1電極上に記憶層,第2電極がこの順に積層され、前記記憶層の電気的特性の変化により情報の書き込みあるいは消去がなされる複数の記憶素子と、前記複数の記憶素子に対して選択的に電圧または電流のパルスを印加するパルス印加手段とを備えた記憶装置であって、
    前記記憶素子は、前記第1電極を絶縁分離するための絶縁膜を有すると共に、前記絶縁膜に、深さが2nm以上20nm以下の凹部が設けられ、前記凹部において前記第1電極と前記記憶層とが接触している
    ことを特徴とする記憶装置。
  9. 前記凹部のリセス量は、5nm以上16nm以下である
    ことを特徴とする請求項8記載の記憶素子。
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