JP4872469B2 - 記憶素子の製造方法 - Google Patents
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- Semiconductor Memories (AREA)
Description
特に、メモリの高密度・大容量化は、ますます重要な課題となっており、今後のさらなる微細化・配線等の多層化に対応するプロセス技術が必要となる。
また、DRAMは、電源を切ると情報が消えてしまう揮発性メモリであり、頻繁にリフレッシュ動作、即ち書き込んだ情報(データ)を読み出し、増幅し直して、再度書き込み直す動作を行う必要がある。
これらのメモリの場合、電源を供給しなくても書き込んだ情報を長時間保持し続けることが可能になる。
また、これらのメモリの場合、不揮発性とすることにより、リフレッシュ動作を不要にして、その分消費電力を低減することができると考えられる。
このため、デザインルールの限界や製造プロセス上の限界まで素子を縮小化することは難しい。
この記憶素子は、2つの電極の間に、ある金属を含むイオン導電体を挟んだ構造である。
そして、2つの電極のいずれか一方にイオン導電体中に含まれる金属を含ませることにより、2つの電極間に電圧を印加した場合に、電極中に含まれる金属がイオン導電体中にイオンとして拡散するため、これによりイオン導電体の抵抗値或いはキャパシタンス等の電気特性が変化する。
この特性を利用して、メモリデバイスを構成することが可能である(例えば特許文献1、非特許文献1参照)。
これは、使用する研磨装置の使用条件や制御性、研磨用スラリーの選択性、研磨パッドの弾力性や緻密度合い等、多種多様の組み合わせが存在し、これらを組み合わせた際の総合的な技術開発には非常に長い時間がかかること等から、異なる材料において研磨レートを合わせることが難しいためである。
そして、段差や凹凸の上に成膜した薄膜において、膜厚が場所によって異なってしまう問題や、薄膜の表面にも同様の凹凸ができてしまう問題があり、これらの問題を回避することが困難であった。
また、第2の絶縁層を形成する工程から、金属層が表面に露出するまでエッチングを行う工程までの各工程を、複数回繰り返すことにより、1回では段差が残った場合でも、金属層の表面と第2の絶縁層の表面とをほぼ一致させて表面を平滑化することができる。
そして、絶縁層との表面の段差が充分に小さくなった金属層の上に抵抗変化素子を形成することにより、抵抗変化素子の記録層を良好な状態で形成することができる。
従って、メモリセルのサイズを微細化しても、記憶素子を容易に歩留まり良く製造することができるため、メモリセルの密度を高めることが可能になる。これにより、記憶装置(メモリ)の記憶容量の増大や小型化を図ることが可能になる。
この記憶素子は、図1に示す抵抗変化素子10が1つのメモリセルを構成し、このメモリセルが図示しないが多数アレイ状に配置されて構成されている。
図1に示す抵抗変化素子10は、絶縁層2に形成された穴(プラグ)内を埋めて下部電極1が形成され、この下部電極1に接続するように、比較的高い抵抗値を有する記憶層3と、この記憶層3上の、Cu,Ag,Znのうちのいずれかの元素が含有された、イオン源層4とが形成され、その上に電極下地層5を介して、上部電極6が形成されて構成されている。
記憶層3及びイオン源層4により、情報を記録(記憶)するための記録用積層膜(以下、記録層とする)11が構成される。
また、上部電極6及びその下地の電極下地層5により、電極層12が構成される。
特に、本形態では、下部電極1を絶縁層2に形成された穴内を埋め込んでプラグとすることから、埋め込み性の良好な材料、例えば、W,Cu,Al、もしくはこれらの元素を含む合金を用いることが好ましい。
そして、金属元素が後述するようにイオン化することにより、抵抗変化素子10の抵抗値が変化する。即ち、この金属元素(Cu,Ag,Zn)はイオン源となるものである。
記憶層3の材料としては、具体的には、例えば、酸化珪素、窒化珪素、希土類酸化膜、希土類窒化膜、アモルファスシリコン、アモルファスゲルマニウム、さらには、アモルファスカルコゲナイド等を用いることが可能である。
また、記憶層3又はイオン源層4に、S,Se,Teから選ばれた1種以上の元素(カルコゲナイド元素)を、含有させることが可能である。
さらにまた、記憶層3に、イオン源となる金属元素(Cu,Ag,Zn)を含有させても良い。
上部電極6は、下部電極1と同様の通常の半導体装置の配線材料や電極材料を用いて構成することができる。
すると、記憶層3内部にCu,Ag,Znを多量に含む電流パスが形成される、もしくは、記憶層3内部にCu,Ag,Znによる欠陥が多数形成されることによって、記憶層3の抵抗値が低くなる。記憶層3以外の各層は、記憶層3の記録前の抵抗値に比べて、元々抵抗値が低いので、記憶層3の抵抗値を低くすることにより、抵抗変化素子10全体の抵抗値も低くすることができる。
すると、記憶層3内からCu,Ag,Znによる電流パス、もしくは、欠陥が消滅して、記憶層3の抵抗値が高くなる。記憶層3以外の各層は元々抵抗値が低いので、記憶層3の抵抗値を高くすることにより、抵抗変化素子10全体の抵抗値も高くすることができる。
その後、負電圧を除去して、抵抗変化素子10にかかる電圧をなくすと、抵抗値が高くなった状態で保持される。これにより、記録された情報を消去すること(消去過程)が可能になる。
第1の絶縁層21と第2の絶縁層22とは、互いに異なる材質の絶縁層によって構成することが可能である。例えば、第1の絶縁層21に安価で厚く形成することが容易な材料(例えば、SiO2)を使用して、第2の絶縁層22に記憶層3との相性が良く記憶層3の成膜性を良好にする材料を使用することが可能である。また、第2の絶縁層22に、後述するように、下部電極1の材料とほぼ同等のエッチングレートを有する材料を使用することも可能である。
これにより、各メモリセルの記憶層3及びイオン源層4を良好な状態で安定して形成することが可能な構造の記憶装置(メモリ)を構成することができる。
このプラグ1を形成する方法は、例えば次の通りである。
例えば、SiO2,SiN,Al2O3等の絶縁材料から成る絶縁層2に穴をあける。
そして、この穴内を埋めてウェハ全面に、CVD(化学的気相成長)法等によってプラグ1の金属層(例えば、Al,Cu,Wもしくはこれらを用いた合金)を堆積する。
次に、CMP法等により、絶縁層2上に残った金属層を除去する。
CMP法等によって、絶縁層2上の金属層を除去する際には、プラグ1と絶縁層2とにおいて、表面の段差をなくして平滑化することが望ましい。しかし、実際には、異なる材質の境界部分において、完全に段差をなくす平滑化が困難であり、図2に示すように、プラグ1の部分が絶縁層2に対して、凹形状になる傾向がある。また、凹形状となったプラグ1の表面1Aでは、CVD法で金属層を堆積した際にできた粒状の凹凸形状が存在している。
この場合の記憶素子を実際に作製した。作製した記憶素子の断面TEM(透過型電子顕微鏡)像を図10A及び図10Bに示し、また、図2の状態の上方からのSEM(走査型電子顕微鏡)像を図11に示す。いずれの図も1つのメモリセルの抵抗変化素子に対応する部分の像を示している。
図11に示すように、プラグ1の表面に、CVD法で電極材料を堆積した際にできた粒状の凹凸形状が観察されている。
また、図10A及び図10Bより、プラグ1と絶縁層2との段差付近で、記憶層3・イオン源層4・電極下地層5がくびれて薄くなっていることがわかる。図10A及び図10Bでは膜の途切れは発生していないが、段差がもっと大きいと、膜が途切れることがある。
図3に示すように、ウェハを矢印Rで示すように回転させながら、斜め上方からイオン31を入射させて、イオンミリング処理を行う。ウェハが自転動作することにより、ウェハに対するイオン31の入射方向がある一定時間で360°変化していく。そのため、イオン23の入射角度がプラスの角度であってもマイナスの角度であっても、実質的には等価のイオンミリング処理が行われる。
なお、イオン31の入射角度は、好ましくは、ウェハの主面に対して垂直な方向(ウェハの法線方向)を基準として、30°〜75°、もしくは−30°〜−75°とする。
第2の絶縁層22の材料には、SiO2,SiN,Al2O3等を用いる。第2の絶縁層22には、第1の絶縁層21とは異なる材料を使用することが可能である。
第2の絶縁層22の厚さは、図3の状態でのプラグ1と絶縁層2(21)との段差量を下限とし、上限は定めない。
レジスト32としては、通常のマスクパターンを形成する際に使用するフォトレジストと同様のレジストを使用することができるが、本実施の形態ではレジスト32の現像処理を行わないため、感光性ではないレジストを使用しても構わない。
図5に示すように、ウェハを矢印Rに示すように回転させながら、斜め上方からイオン33を入射させてエッチング処理を行う。このエッチングは、レジスト32が最も厚く塗布されている凹形状部分で完全に無くなるまで実行する。このとき、プラグ1上の部分の第2の絶縁層22は、レジスト32と同時にエッチング処理が行われることから、凹凸形状が緩和されて段差量を低減することが可能となる。
この場合のイオン33の入射角度は、好ましくは、ウェハの主面に対して垂直な方向(ウェハの法線方向)を基準として、30°〜75°、もしくは−30°〜−75°とする。
また、エッチングレートがレジスト32に対して第2の絶縁層22が低い場合には、その比率に応じて段差の減少量が得られる。例えば、エッチングレートが、レジスト32:絶縁層22=2:1の場合には、レジスト32がなくなったときに段差量が初期値の1/2になる。この場合、同様の工程(絶縁層の堆積工程、レジストの塗布工程、エッチング工程の各工程)を繰り返して複数回行うことにより、その回数と割合に応じた段差量の低減が可能となる。そして、予めレジスト32及び絶縁層22のエッチングレートを確認しておくことにより、レジスト32の残量の把握と段差の変動量の算出とを容易に行うことができる。
そして、第2の絶縁層22とプラグ1の各材料のエッチングレートを、使用する材料やエッチングの入射角度等の条件によって、同等に合わせこむことにより、絶縁層22とプラグ1の境界部分に段差を生じさせず、平坦な表面が形成可能となる。
また、露出したプラグ1の表面1Bは、CMP法により処理した初期状態(図2の表面1A)に対して、エッチング処理したことにより粗度が改善されている。
記憶層3は、絶縁層2に形成された穴内の下部電極1に接している。
平坦化した面に、記憶層3及びイオン源層4から成る記録用積層膜(記録層)11と、電極下地層5及び上部電極6から成る電極層12とを形成した状態を示している。
なお、この図8A及び図8Bに示す具体例では、製造工程におけるイオンの入射角を、ウェハの主面に対して垂直な方向(ウェハの法線方向)を基準として、−50°としている。
即ち、記憶層3は、プラグ1上の部分と、プラグ1の周辺の絶縁層2上の部分と、それらの境界部分とにおいて、均一な厚さで形成することが可能である。
図9に示すように、プラグ1の表面には、図11で観察された凹凸形状がなく、平坦な表面となっている。即ち、プラグ1の表面の粗度が改善されている。
このように、プラグ1の表面1Bの粗度が改善できていることから、極薄い記憶層3との界面が明瞭に形成可能となる。これにより記憶層3・イオン源層4・電極下地層5・上部電極6の各層の界面も明瞭に形成可能になる。
そして、プラグ1が表面に露出するときに、プラグ1と第2の絶縁層22との段差を充分に小さくすることができ、これらプラグ1の表面と第2の絶縁層22の表面とをほぼ一致させて表面を平滑化することも可能になる。
そして、プラグ1と第2の絶縁層22との境界付近においても、抵抗変化素子10の記録層11を良好な状態で安定して形成することが可能となるので、記憶層11の記憶層3及びイオン源層4を極薄い(例えば膜厚数nm程度の)膜としても、ほぼ均一な厚さで形成することが可能になる。
従って、メモリセルのサイズを微細化しても、記憶素子を容易に歩留まり良く製造することができため、メモリセルの密度を高めることが可能になる。これにより、記憶装置(メモリ)の記憶容量の増大や小型化を図ることが可能になる。
また、CMP法による平坦化を行う場合のような、多くの要素の条件設定を行う必要が無くなることから、開発期間の短縮が可能となる。
さらにまた、メモリセルが多数配列された記憶装置において、各メモリセルの記録層を、メモリセル毎のバラツキを少なく、均一に形成することができる。これにより、メモリセル毎の特性のバラツキがなく、性能の良い記憶装置を製造することができる。
このように記憶素子が構成されていることにより、抵抗変化素子の抵抗値を、高抵抗と低抵抗の間で可逆的に変化させることができ、抵抗変化素子の抵抗状態を、情報としてメモリセルに記憶させることができる。
そして、本発明の製造方法を適用することにより、その他の記憶素子においても、抵抗変化素子の記録層を良好な状態で形成することができる。
プラグが絶縁層に対して凸部となっている場合には、凸部となっているプラグ上に、図4と同様に第2の絶縁層とレジストとを堆積して、その後図5〜図7に示したと同様の工程を行えばよい。この場合には、プラグの表面に細かい凹凸が残った状態で、その上に第2の絶縁層が堆積されることがあるが、図6に示した状態から図7に示した状態に変化してプラグの表面が露出する際に、プラグの表面の細かい凹凸も除去することが可能であるため、特に問題は生じない。
なお、この場合、プラグ1の脇の第1の絶縁層21は、第2の絶縁層22を堆積する前の最初の状態に依存するので、図3〜図7に示したように斜面状に盛り上がるとは限らない。
ただし、最後にプラグの表面を露出させる際に、第1の絶縁層の穴内に第2の絶縁層が残った状態から穴内の第2の絶縁層を除去するので、第1の絶縁層と第2の絶縁層とのエッチングレートの差が大きいと、プラグの表面と第1の絶縁層の表面との間に段差が残ることになる。
従って、第1の絶縁層と第2の絶縁層とのエッチングレートに差がある場合には、図3に示したプラグを凸部に変える工程を行うことが望ましい。
Claims (6)
- 2つの電極の間に記録層を有して成り、前記2つの電極に極性の異なる電位を印加することによって、可逆的に前記記録層の抵抗値が変化する抵抗変化素子により、それぞれのメモリセルが構成された記憶素子を製造する際に、
第1の絶縁層に形成された孔内に金属層が埋められた構造を形成する工程と、
前記金属層及び前記第1の絶縁層を覆って、第2の絶縁層を形成する工程と、
前記第2の絶縁層上に、ほぼ平坦な表面状態でレジストを形成する工程と、
前記レジスト及び前記第2の絶縁層に対して、前記レジストがなくなりかつ前記金属層が表面に露出するまで、エッチングを行う工程と、
その後、前記金属層上に前記抵抗変化素子を形成する工程とを有する
ことを特徴とする記憶素子の製造方法。 - 前記金属層の表面が、前記第1の絶縁層の表面に対して凹部となっている状態から、表面にエッチングを行って前記第1の絶縁層の表面を削ることにより、前記金属層の表面を前記第1の絶縁層の表面に対して凸部とする工程を、前記第2の絶縁層を形成する工程の前に行うことを特徴とする請求項1に記載の記憶素子の製造方法。
- 前記レジストの材料として、前記第2の絶縁層に対して、エッチングレートが同等の材料又はエッチングレートが大きい材料を使用することを特徴とする請求項1に記載の記憶素子の製造方法。
- 前記抵抗変化素子の前記記録層を、Cu,Ag,Znから選ばれた1種以上の元素を含むイオン源層と、絶縁体或いは半導体から成り前記イオン源層よりも抵抗値が充分高い記憶層との積層構造とすることを特徴とする請求項1に記載の記憶素子の製造方法。
- 前記レジスト及び前記第2の絶縁層に対してエッチングを行う工程において、ウェハの主面に対して垂直な方向に対して、30度〜75度もしくは−30度〜−75度の範囲の傾斜角度を有する方向でエッチングを行うことを特徴とする請求項1に記載の記憶素子の製造方法。
- 前記表面にエッチングを行って前記第1の絶縁層の表面を削る工程において、ウェハの主面に対して垂直な方向に対して、30度〜75度もしくは−30度〜−75度の範囲の傾斜角度を有する方向でエッチングを行うことを特徴とする請求項2に記載の記憶素子の製造方法。
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