JPWO2011162046A1 - ポリ乳酸系フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
本発明のポリ乳酸系フィルムは、可塑剤(C)が、ポリエーテル系セグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体、および/または、ポリエステル系セグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体であることが好ましい。
本発明のポリ乳酸系フィルムは、メラミン系化合物、フェニルホスホン酸金属塩、ベンゼンカルボアミド誘導体、タルク、クレー、マイカおよびカーボンブラックからなる群より選ばれる少なくとも1つを、前記組成物の全量100質量%中、0.1〜20質量%含有することが好ましい。
以下、本発明のポリ乳酸系フィルムについて説明する。
(樹脂(A)(ポリ乳酸系樹脂))
本発明のポリ乳酸系フィルムは、樹脂(A)を含む組成物からなることが重要である。ここで樹脂(A)とは、ポリ乳酸系樹脂を意味する。またポリ乳酸系樹脂とは、L−乳酸ユニットおよび/またはD−乳酸ユニットを主たる構成成分とする重合体である。ここで主たる構成成分とは、重合体中の単量体ユニット全体100mol%中において乳酸ユニットの割合が最大であることを意味し、好ましくは全単量体ユニット100mol%中、乳酸ユニットが70〜100mol%である。
(樹脂(B)(ポリ乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステル系樹脂および/または脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂))
本発明のポリ乳酸系フィルムは、柔軟性、耐引き裂き性、耐衝撃性を発現させるために、樹脂(B)を含む組成物からなることが重要である。ここで樹脂(B)とは、ポリ乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステル系樹脂および/または脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂である。また、フィルムの生分解性発現のため、樹脂(B)も生分解性を有することが好ましい。これらの樹脂は、生分解速度の調整、およびポリ乳酸系フィルムを構成する組成物全体の溶融粘度を調整して特にインフレーション製膜法において安定したバブルを形成する役割も果たす。
(可塑剤(C))
本発明のポリ乳酸系フィルムは、主に柔軟性を付与するために可塑剤(C)を含む組成物からなることが重要である。
(その他の樹脂)
本発明のポリ乳酸系フィルムを構成する組成物には、様々な物性改良を目的に、上記以外の熱可塑性樹脂を含有することができる。含有量は、該組成物全体100質量%中、0.1〜50質量%が好ましく、0.3〜40質量%がより好ましく、0.5〜30質量%がさらに好ましい。
(結晶性ポリ乳酸系樹脂と非晶性ポリ乳酸系樹脂の混合)
本発明のポリ乳酸系フィルムを構成する組成物に含有される樹脂(A)(ポリ乳酸系樹脂)は、結晶性ポリ乳酸系樹脂と非晶性ポリ乳酸系樹脂の混合物であることが好ましい。混合物とすることにより、結晶性、非晶性、それぞれのポリ乳酸系樹脂の利点を両立できるからである。
(樹脂(A)と樹脂(B)の溶融粘度の関係)
本発明のポリ乳酸系フィルムは、フィルムの耐引き裂き性、耐衝撃性、伸度、透明性を向上させ、熱収縮率を抑制するためには、温度200℃、剪断速度100sec-1における樹脂(A)の溶融粘度ηAと、温度200℃、剪断速度100sec-1における樹脂(B)の溶融粘度ηBとの粘度比(ηA/ηB)が0.2〜2であることが好ましい。粘度比(ηA/ηB)は0.4〜1.5がより好ましく、0.6〜1.1がさらに好ましく、0.6〜1.0が特に好ましい。
(結晶化ピーク、発熱量)
本発明のポリ乳酸系フィルムは、示差走査型熱量計にて融解状態から20℃/minの速度で冷却した際に105〜160℃の温度領域に少なくともひとつの結晶化ピークを有し、105〜160℃の温度領域の結晶化ピークの発熱量の合計をΔHmcAとしたとき、次の条件を満たすことが重要である。
発明者らは、これらの結晶化ピーク温度と発熱量の条件を有することで、ポリ乳酸系フィルムに柔軟性と、耐引き裂き性、耐衝撃性を付与せしめることが可能であることを見出した。これは、上記条件を満たす場合、ポリ乳酸系フィルムを溶融押し出し製膜する際、特にインフレーション法で製膜する際に、口金から空気中に押し出された樹脂が、耐引き裂き性、耐衝撃性の発現に有効な結晶化を進めるためである。本発明のポリ乳酸系フィルムの製造方法は後述する。
(伸度)
本発明のポリ乳酸系フィルムは、長さ方向および幅方向(長さ方向と垂直な方向)の伸度が、いずれも200%以上700%以下であることが好ましい。伸度が200%以上であると耐引き裂き性、耐衝撃性が高くなり、農業用マルチフィルムや松くい虫燻蒸用シートなどの農林業用途やゴミ袋、堆肥袋、あるいは各種包装用用途とした際に破れにくく実用性が向上する。また、伸度が700%以下であると製膜時にロール間走行時や巻き取り時のタルミやシワが生じにくく、ロール巻姿や巻出し性が良好となる。長さ方向および幅方向の伸度は、250%以上600%以下がより好ましく、300%以上500%以下がさらに好ましい。
農業用マルチフィルムや松くい虫燻蒸用シートなどの農林業用途、ゴミ袋や堆肥袋、あるいは野菜や果物など食料品用袋、各種工業製品の袋など各種包装用途などに用いる際に、比較的低温条件下で作業を行う場合がある。一般的にプラスチックフィルムは温度が低くなると伸度が低下する傾向があり、その結果、低温条件下での作業時に、フィルムが破れやすくなったり、引き裂かれやすくなったりして、作業性が著しく低下する。そこで、フィルムの伸度が上記条件を満たすことで、該作業性の低下を最小限に抑えることができる。ELとEHの関係は、EL/EH≧0.75であることがより好ましく、EL/EH≧0.80であることがさらに好ましい。なお、EL/EHの上限値は、1.00である。
(弾性率)
本発明のポリ乳酸系フィルムは、十分な柔軟性を付与するために、長さ方向、幅方向それぞれの引張弾性率が100〜1,500MPaであることが好ましい。引張弾性率は、200〜1,200MPaであることがより好ましく、300〜1,000MPaであることがさらに好ましい。
(厚み)
本発明のポリ乳酸系フィルムは、フィルム厚みが5〜200μmであることが好ましい。フィルム厚みを5μm以上とすることで、フィルムとした際のコシが強くなり、取り扱い性に優れ、また、ロール巻姿や巻出し性が良好となる。フィルム厚みを200μm以下とすることで柔軟性が向上し、農業用マルチフィルムや松くい虫燻蒸用シートなどの農林業用途やゴミ袋、堆肥袋、あるいは各種包装用用途とした際に取り扱い性に優れるものとなり、また、特にインフレーション製膜法においては、自重によりバブルが不安定化しない。フィルム厚みは、7〜150μmがより好ましく、10〜100μmがさらに好ましく、12〜50μmがさらにより好ましい。
(熱収縮率)
本発明のポリ乳酸系フィルムは、65℃、30分間で処理した時の、長さ方向と幅方向の熱収縮率は、−5〜5%であることが好ましい。5%以下とすることで、巻き取った後のフィルムの経時収縮、いわゆる巻締りによる巻姿の悪化を抑制できる。さらには巻き硬度が高くなりすぎることによるブロッキングの発生を抑制できる。また、−5%以上とすることで、巻き取った後のフィルムが経時で長さ方向に弛むことによる、巻姿の悪化を抑制できる。なおここで、熱収縮率が0未満のマイナスの値をとる場合は、フィルムが伸長することを意味する。
(有機滑剤)
本発明のポリ乳酸系フィルムを構成する組成物は、組成物全体100質量%中、有機滑剤を0.1〜5質量%含むことが好ましい。この場合、巻き取り後のブロッキングを良好に抑制できる。また、有機滑剤の添加過多による溶融粘度の低下や加工性の悪化、あるいはフィルムとした際のブリードアウトやヘイズアップなどの外観不良の問題も発生しにくい。
(ヘイズ)
本発明のポリ乳酸系フィルムは、ヘイズが50%以下であることが好ましく、40%以下であることがさらに好ましい。ヘイズが50%以下である場合、野菜や果物など食料品用袋、各種工業製品の袋など各種包装用途などに成形加工した際には内容物が容易に確認できる、商品としての見栄えがよいなど高い意匠性により好適である場合が多い。なお、ポリ乳酸の一般的な特性から、ポリ乳酸系フィルムのヘイズとしては1%未満にすることは困難であることから、下限は1%程度である。
(添加剤)
本発明のポリ乳酸系フィルムを構成する組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で前述した以外の添加剤を含有してもよい。例えば、公知の酸化防止剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、抗酸化剤、イオン交換剤、粘着性付与剤、消泡剤、着色顔料、染料などが含有できる。
(粒子)
本発明のポリ乳酸系フィルムを構成する組成物には、加工品の易滑性や耐ブロッキング性の向上などを目的として、粒子を添加してもよい。
例えば無機粒子としては、シリカ等の酸化ケイ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の各種炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の各種硫酸塩、ウォラストナイト、チタン酸カリウム、ホウ化アルミニウム、ゼピオライト等の各種複合酸化物、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム等の各種リン酸塩、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛等の各種酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、フッ化リチウム等の各種塩等からなる微粒子を使用することができる。
(カルボキシル基末端)
本発明のポリ乳酸系フィルムは、特に各種工業製品の包装用途など生分解性を必要としない場合や保管耐久性があった方が好ましい用途においては、ポリ乳酸系樹脂の加水分解による強度低下を抑制し、良好な耐久性を付与する観点から、該フィルムのカルボキシル基末端濃度が30当量/103kg以下であることが好ましく、より好ましくは20当量/103kg以下、さらに好ましくは10当量/103kg以下である。該フィルムのカルボキシル基末端濃度が30当量/103kg以下であると、加水分解の自己触媒ともなるカルボキシ基末端濃度が十分低いために、用途にもよるが実用的に良好な耐久性を付与できる場合が多い。
(製造方法)
次に、本発明のポリ乳酸系フィルムを製造する方法について具体的に説明するがこれに限定されるものではない。
[測定および評価方法]
実施例中に示す測定や評価は次に示すとおりの条件で行った。
(1)結晶化ピーク温度(℃)、発熱量ΔHmcA(J/g)
セイコーインスツル(株)製示差走査熱量計RDC220を用い、フィルム試料5mgをアルミニウム製受皿にセットし、25℃から昇温速度20℃/分で250℃まで昇温、250℃のまま5分間溶融保持したのち、降温速度20℃/分で25℃まで降温した。その降温時に観測される結晶化ピークをもとに、結晶化ピーク温度、発熱量を、JIS
K 7121(1987)に規定された方法に従って求めた。なおΔHmcAは、105℃から160℃の領域に存在する結晶化ピークの発熱量を合計することで求めた。
(2)5℃における長さ方向と幅方向の伸度(%)の平均値ELと、23℃における長さ方向と幅方向の伸度(%)の平均値EH
恒温槽を備えた(株)オリエンテック製TENSILON UCT-100を用いて、5℃、23℃それぞれにおける応力−歪み測定を行った。
K 7127(1999)に規定された方法に従って測定を行い、10回の測定の平均伸度(%)を、長さ方向と幅方向について求め、それぞれ、ELMD、ELTDとし、下記式にてELを算出した。
同様にして、23℃に調整された恒温槽の中で測定を行い、10回の測定の平均伸度(%)を、長さ方向と幅方向について求め、それぞれ、EHMD、EHTDとし、下記式にてEHを算出した。
(3)引張弾性率(MPa)
(2)に記載した方法で、23℃における応力−歪み測定を行い、応力−歪み曲線の最初の直線部分を用いて、直線上の2点間の応力の差を同じ2点間の歪みの差で除し、引張弾性率を計算した。測定は計10回行い、その平均値を採用した。これを長さ方向、幅方向、それぞれについて算出した。
(4)引き裂き強度(N/mm)
(株)東洋精機製作所製引き裂き伝播抵抗計(エレメンドルフ)を用いて、JIS K 7128-2に規定された方法に従って測定した。サンプルサイズは引き裂き方向63mm×引き裂きと垂直方向76mmで、引き裂き方向に20mmの切れ込みを入れ、残り43mmを引き裂いた時の指示値を読みとった。
(5)インパクト強度(kN・m/mm)
フィルムインパクトテスター((株)東洋精機製作所製)により、直径1/2inchの半球状衝撃頭を用い、温度23℃、湿度65%RHの雰囲気下においてインパクト強度の測定を行った。測定は1水準につき10回行い、10回の測定の平均値から求めた。さらに、フィルムサンプルの平均厚さ(mm)で割り返し、単位厚み当たりの値として求めた。
(6)ヘイズ(%)
ヘイズメーターHGM-2DP型(スガ試験機(株)製)を用いてJIS K 7136(2000)に規定された方法に従ってヘイズ値を測定した。測定は1水準につき5回行い、5回の測定の平均値から求めた。
(7)巻き出し性
ロールサンプルを温度23℃、湿度65%RHの雰囲気下において3日間保管の後、ロールサンプルの紙管に紙管の内径より小さい直径の鉄製軸を通し、鉄製軸の両端をフックにかけてロールを水平に、且つ自由に回転できる状態で掛けおいた状態とし、フィルムを10m/minの速度で巻き出した際の巻出しの様子を目視にて観察し、次の基準にて判断した。
A:問題なく滑らかに巻き出すことができる。
C:時々不連続な巻出しとなる。
F:断続的に不連続な巻出しとなる。
(8)溶融粘度
(株)島津製作所製フローテスターCFT-500A(ダイ径1mm、ダイ長10mm、プランジャ断面積1cm2)を用いて、温度200℃、予熱3分で測定、剪断速度100sec-1の溶融粘度の値(Pa・s)を用いた。
[樹脂(A)]
(A1)
ポリL−乳酸、質量平均分子量200,000、D体含有量1.4%、融点166℃、温度200℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度1,400Pa・s
(A2)
ポリL−乳酸、質量平均分子量200,000、D体含有量5.0%、融点150℃、温度200℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度1,400Pa・s
(A3)
ポリL−乳酸、質量平均分子量200,000、D体含有量12.0%、融点無し、温度200℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度1,400Pa・s
(A4)
ポリD−乳酸、質量平均分子量20,000、L体含有量1.5%
(A5)
ポリL−乳酸、質量平均分子量200,000、D体含有量0.5%、融点180℃、温度200℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度1,400Pa・s
なお、上記の質量平均分子量は日本ウォーターズ(株)製、Waters2690を用い、ポリメチルメタクリレートを標準とし、カラム温度40℃、クロロホルム溶媒を用いて測定した。
[樹脂(B)]
(B1)
ポリブチレンアジペート・テレフタレート樹脂(BASF社製、商品名“エコフレックス”FBX7011)、温度200℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度1,200Pa・s
(B2)
ポリブチレンサクシネート系樹脂(三菱化学(株)製、商品名“GSPla”(登録商標)AZ91T)、温度200℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度1,050Pa・s
(B3)
ポリブチレンサクシネート・アジペート系樹脂(昭和高分子(株)製、商品名“ビオノーレ”(登録商標)#3001)、温度200℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度1,250Pa・s
(B4)
ポリブチレンアジペート・テレフタレート樹脂(BASF社製、商品名“エコフレックス”FBX7020)、温度200℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度650Pa・s
(B5)
ポリブチレンサクシネート系樹脂(三菱化学(株)製、商品名“GSPla” (登録商標)AZ81T)、温度200℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度900Pa・s
(B6)
ポリブチレンサクシネート・アジペート系樹脂(昭和高分子(株)製、商品名“ビオノーレ”(登録商標)#3010)、温度200℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度750Pa・s
[可塑剤(C)]
(C1)
数平均分子量8,000のポリエチレングリコール62質量部とL−ラクチド38質量部とオクチル酸スズ0.05質量部を混合し、撹拌装置付きの反応容器中で、窒素雰囲気下160℃で3時間重合することで、数平均分子量8,000のポリエチレングリコールの両末端に数平均分子量2,500のポリ乳酸セグメントを有する可塑剤C1を得た。
(C2)
アセチルトリブチルクエン酸(ATBC)、森村商事(株)製、商品名“シトロフレックス(登録商標)A−4”)
[有機滑剤]
(滑剤1)
エチレンビスステアリン酸アミド(日本化成(株)製、商品名“スリパックスE”(登録商標))
(滑剤2)
ステアリン酸アミド(日油(株)製、商品名“アルフロー(登録商標)S-10”)
[結晶核剤]
(核剤1)
タルク(日本タルク(株)製、商品名“SG-95”、平均粒子径2.5μm)
(核剤2)
カーボンブラック(三菱化学(株)製、商品名“RCF#45”、平均粒子経24nm)
(核剤3)
フェニルホスホン酸亜鉛塩(日産化学工業(株)製、商品名“PPA-Zn”)
[その他]
(炭酸カルシウム)
炭酸カルシウム(丸尾カルシウム(株)製、商品名“カルテックスR”、平均粒子径2.8μm)
[ポリ乳酸系フィルムの作製]
(実施例1)
ポリ乳酸(A1)55質量部、可塑剤(C1)16質量部、有機滑剤(滑剤1)1質量部、結晶核剤(核剤1)3質量部の混合物をシリンダー温度190℃のスクリュー径44mmの真空ベント付き2軸押出機に供し、真空ベント部を脱気しながら溶融混練し、均質化した後にペレット化して組成物を得た。
Claims (9)
- 樹脂(A)、樹脂(B)、可塑剤(C)を含む組成物からなるポリ乳酸系フィルムであって、樹脂(A)がポリ乳酸系樹脂、樹脂(B)がポリ乳酸系樹脂以外の脂肪族ポリエステル系樹脂および/または脂肪族芳香族ポリエステル系樹脂であり、示差走査型熱量計にて融解状態から20℃/minの速度で冷却した際に105〜160℃の温度領域に少なくともひとつの結晶化ピークを有し、105〜160℃の温度領域の結晶化ピークの発熱量の合計をΔHmcAとしたとき、次の条件を満たすポリ乳酸系フィルム。
0.5≦ΔHmcA≦9.5 - 可塑剤(C)が、ポリエーテル系セグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体、および/または、ポリエステル系セグメントとポリ乳酸セグメントとを有するブロック共重合体である請求項1に記載のポリ乳酸系フィルム。
- 樹脂(B)が、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート・アジペートおよびポリブチレンアジペート・テレフタレートからなる群より選ばれる少なくとも1つである請求項1または2に記載のポリ乳酸系フィルム。
- 樹脂(B)の温度200℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が400〜1,000Pa・sである請求項1〜3のいずれかに記載のポリ乳酸系フィルム。
- 樹脂(B)がポリブチレンアジペート・テレフタレートであり、該ポリブチレンアジペート・テレフタレートの温度200℃、剪断速度100sec-1における溶融粘度が600〜700Pa・sである請求項1〜4のいずれかに記載のポリ乳酸系フィルム。
- 5℃における長さ方向と幅方向(長さ方向と垂直な方向)の伸度(%)の平均値ELと、23℃における長さ方向と幅方向の伸度(%)の平均値EHが、次の条件を満たす請求項1〜5のいずれかに記載のポリ乳酸系フィルム。
EL/EH≧0.70 - メラミン系化合物、フェニルホスホン酸金属塩、ベンゼンカルボアミド誘導体、タルク、クレー、マイカおよびカーボンブラックからなる群より選ばれる少なくとも1つを、前記組成物の全量100質量%中、0.1〜20質量%含有する請求項1〜6のいずれかに記載のポリ乳酸系フィルム。
- 樹脂(A)が、結晶性ポリ乳酸系樹脂と非晶性ポリ乳酸系樹脂の混合物である請求項1〜7のいずれかに記載のポリ乳酸系フィルム。
- 長さ方向、幅方向それぞれの引張弾性率が100〜1,500MPaである請求項1〜8のいずれかに記載のポリ乳酸系フィルム。
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